(🎲・オリ注)僕は記憶喪失の陰陽部所属の一年生(2周目)Part.6

[1 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:04:17]

やーっ！僕だよー。狐塚ミケツだよー。
百鬼夜行の陰陽部に所属している一年生。
主人公を取り戻せたような気がして少しだけ気分が上がってるよー。
外では霊狐イズモって言われているから注意ね。ごっちゃごちゃになるだろうから。
さてさて、もうちょっとでゲヘナとの交流会が始まるだろうから気張ってかないと。
んで、僕のスペックを見せるからちょっと待ってね…っと。はいこれー。
戦闘：49
指揮：92
事務：76
医療：30
工作：94
隠密：73
知性：85
運動：9
倫理：50
慈悲：50
神秘：74

ま、こんな感じ。前回と比べると指揮能力が90に乗ったって感じかな？
後は少しだけ運動能力が伸びたけど…、まだ一桁台。
運動については頑張りたいけど…、頑張りたくないも両立してるね。
後は…っと。そうそう。
これが僕の描いてもらった自画像だよ。可愛いでしょ？

[2 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:05:56]

それで、みんなとの好感度なんだけど……。
人数が多くなってきちゃって一気に乗らなそうだからお姉ちゃんが用意してくれた別枠に置いておくとするよ。気になったら見てね。
僕が所属している部活と…、後は百花繚乱の方乗せるかな？今回は。
後、先生の好感度を載せないとね。

ニヤ：62(26)
カホ：50(37)
チセ：77(79)
キキョウ：82(29)
レンゲ：33(31)
先生：100(84)

こーんなもん。
普段の関係としては悪くないはずなのに、数値上でみると陰陽部のふたりとの好感度が低いのは…なんでだろうね。
まぁ、仲良くなってるのにダイス？振ってないからかな。後で頼もっと。
さてさて、そろそろお姉ちゃんにパスしよっかな。
ほらお姉ちゃん！次はお願いね〜。

【おまけ】ヘイローへのダメージ：現在：103
(250へ到達すると…………？)

[3 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:07:46]

はいはい。どうもっと。私の名前は狐塚イナリ。
百花繚乱兼陰陽部に所属している特別な立場の一年生。
ミケツとは双子の姉妹。そして私はその姉の方。ミケツは妹だね。
最近百花繚乱に正式に所属するようになって、陰陽部にはほぼ名だけ乗っている程度。これも、陰陽部に強制入部する契約を結んているからね…。
気になるなら最初のパートを見るといいよ。少しだけわかるから。
外では霊狐イナホって偽名を使っているけど、基本イナって呼ばれてる。
言いやすいのと覚えられやすいんだってさ。
今回は私の出番は控えめになるかもしれないけど…。覚えておいて。
後これ、私のスペックだよ。目を通しておいて。
戦闘：93
指揮：60
事務：42
医療：24
工作：40
隠密：79
知性：85
運動：97
倫理：34
慈悲：61
神秘：75

前回と比べると戦闘が一気に伸びて…、多分キヴォトスの中でも強い方になったのかな？でも、ミケツを守るためにはまだまだ足りない。まだまだ力が欲しいかな。
後はっと……。これだね。
描いてもらった私の自画像だよ。ふっふっふー…、羨ましいでしょー？

[4 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:09:09]

後は皆との好感度、だね。ミケツと同じように結構な人数と交流しているから私が独自で見つけた枠で置いておくとするよ。
ここでは特に交流のある人を載せておくとするよ。確かどこにあったかな…。
あ、あった。これこれ。見ておいて。

ニヤ：28(10)
カホ：1(97)
キキョウ：94(37)
レンゲ：32(56)
先生：83(81)

…ん？どうして百花繚乱にいるのにユカリとの交流がないのかって？
一度も関わったことないからだよ。
基本私のいる時間帯が遅いのも相まってね。
ただまあ、同じ一年生なのに知らないのもダメだろうからいつか会話してみるかな。

【おまけ】先生に対する依存度：96
(50を超えると他人に嫉妬。80を超えるとヤンデレ化。
100に到達すると……………。)
【おまけ・2】テラー化への侵食：55
(250へ到達した場合テラー化。特定の条件を満たさない限りBADEND直行。)

[5 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:10:59]

『しゅぱっと、亜空間から飛び出てこんにちはっと。』

『セルフ保守担当をしている摩訶不思議なお姉ちゃんだよ。』

『しっかり覚えておいてね。僕も重要な人物の一人だから。』

『さてさて、前回までのパートを置いておくとするよ。』

『簡単にまとめるとアビドスとの交流会が終わり、いつもの日常に戻ってイナリが正式に百花繚乱に所属することになった。』

『ある日、ミケツは先生の家に相談がてら泊まりに行ったんだけどそこでちょっとしたトラブルが起きてーだったね。それはもう解決しておやすみなさいしたけど。』

『そしてもうすぐゲヘナとの交流会…。僕が独自に確保した情報によると『不忍ノ心』っていうらしいね？それが始まるとのこと。』

『ふふっ、双子はどう動くことやら。』

『後、見やすいようにプロフィールとか纏めてあるリンクを用意したよ。』

『メインやサブ、各パートのリンク。そして、EXストーリーと呼ばれているR-18の内容のリンクまで。』

『是非利用してって。媒体はずっと公開しておくからさ。』

前回のパート↓

(🎲・オリ注)僕は記憶喪失の陰陽部所属の一年生(2周目)Part.5｜あにまん掲示板

まとめリンク↓

僕は記憶喪失で陰陽部所属の一年生 | Writening

[6 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:28:00]

〜翌日〜

「えっと……。本当にご迷惑をおかけしました。」
"いいよ。全然。迷惑かけられてなんぼだからね。それを受け止めるのも大人としての仕事だよ。"
「…ちょっと先生は優しすぎます。もうちょっと、厳しくていいかと。」
"そうかなぁ。これでもちゃんと厳しくしてると思うんだけど……。"
「必要な時にちゃんとした説教をしてくれるのは嬉しいことですが…。」
「いや、僕がこれ以上言う権利は今のところないですね。」
「…近々、陰陽部の方でシャーレにお伺いする時があるかと。」
「詳しい内容は僕はまだ知らないのですが、ちょっとしたお願い事をする予定ですので、お時間の方空けていただけたらなと。」
"わかった。ミケツも根を詰めすぎないようにね。私の手が空いていれ…たらいいけど、シャーレにはいつでも来ていいから。"
「ありがとうございます。…ではまた今度。」

お辞儀をして先生の家から離れる。はぁ…。自制できるようにしないと。
ずっと先生に迷惑かける訳にもいかないし。でも、先生、あんな性格だからホント色んな人に好かれるだろうなぁ。
それこそ僕以上にいい人がいっぱいいるだろうし。アビドスでいうとノノミさんとか。包容力凄そうだもん。なによりでっかいし。
ま、僕も僕とで負けてらんないけどね。得意なこと、例えば料理とかで胃袋を掴むなりして頑張ってこう。うん。
朝イチのバスに乗って百鬼夜行に帰るとして…。お姉ちゃんは家にいないだろうし。のんびり準備するとしてー、はぁ、色々、やらなきゃいけないことが沢山。
ただ先生に癒されたし、幾分かは頑張れそう。充電切れたらまた補充すればいい。
…でも、寝たのにも関わらずちょっと疲れ気味なのはなんでだろうか。…いいや。気にしなくても。
それよりもやるべきこと優先しなきゃ。

[7 二次元好きの匿名さん 25/07/18(金) 00:29:44]

たておつ

[8 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:38:52]

「弾薬の補充と手榴弾…。後は火薬とか色々補充しよ。」

「対ゲヘナ装備…っというか。何かあった時の備えをしておかないとね。」

「別に嫌いじゃないけど…。歴史ある百鬼夜行で暴れ回られて壊されても困るから。」

後は百花繚乱に行って人員を出せないか相談をして…。

あー、とにかくやることがぁーっ！

しかも来るのなんだっけ、ぱんでもにうむそさえてぃー？だっけ？

ゲヘナの一番のお偉いさんが来るって話じゃなかったっけ？

もー、確認色々しなくちゃ。ぐぬぬ…。

今回の交流、流石にニヤ部長も手伝ってくれるだろうけど。

「……頑張ってかないと。」

陰陽部もフル動員も辞さない。チセ様の和楽姫も特別公演予定だし。チセ様になにかあったら全面戦争待ったなし…。はぁ…。

胃が痛く感じるのは気のせいであって欲しい……。

「っと、バスが来た。乗らないと。」

やってきた百鬼夜行行きのバスに乗っかってく。

一本ずらして朝ごはんどこかで食べるのもいいかと考えたけど…。さすがにそんなことしたら遅刻しちゃうし、お仕事溜まっちゃうから。

「…一週間に一回ぐらいでいいかな。先生のところに行くの。」

そもそもお姉ちゃんだって疲れているのに暇さえあれば先生のところ行ってたし。

最近は行けてないっぽいけど。見回りやらお稽古やらなんやらで。じゃあ今度は僕の番ってことでいっか。バスの中でもうちょっとだけ眠ろっと。

(その後………。dice1d3=2 (2) )

1.特に何事もなく自宅に帰っては学校の準備。

2.「朝帰りなんて随分大胆なことをするねぇ？我が妹よ。」

3.っ…うわぁああっ！？バスが急に止まったぁ！？

[9 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:50:23]

〜百鬼夜行中心区付近・狐塚家〜

「たーだいまぁ。って、誰もいないよね。」

靴を脱いでさっさと自分の部屋に行くべく廊下を歩いていく。
っと、その前に色々家事しなきゃ。リビングの方先に寄らなくちゃ。
お姉ちゃんの食べた食器とかお洗濯物とか。お姉ちゃん、やってくれる時あるけど基本僕がやってるし。

「脱ぎっぱなしにしてないといいけど。」

お姉ちゃん。ちょっとだらしない部分あるから…。
リビングに脱ぎっぱの服とかあったりね。…双子なのにこう違うところがあるのは珍しいことなのかな？
ま、それがお姉ちゃんらしくて家族として好きなんだけど。
なんて思いながらリビングに向かおうとした時……。

「おはようミケツ。朝帰りなんて随分大胆なことをするじゃーん？」

肩を思いっきり掴まれて離さないと言わんばかりに力を入れてくる。
恐る恐る顔を向ければ、笑ってるようで笑ってないお姉ちゃんの顔が目の前に。
思わず悲鳴を上げようとしたのを必死に抑えながらぎこちない笑顔を作る。

「お、ねえちゃ…ん…？あの、がっこーは……？」
「夜の見回りだからその分遅く来ていいんだよねぇ？？」
「そ、そうだったんだ。ぼ、ぼく、はじめてしったなーーー。」
「話逸らそうとしてるねぇ？ドコで一体ナニをしていたのかなぁ？」
「お姉ちゃん、知りたくてしょうがないんだよねぇ？？」
「いたっ、いたたたっ、ちょ、お姉ちゃん…！？はな…力つよぉっ！？」

[10 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 00:59:00]

これ絶対話してくれるまで離さないつもりのやつだぁ…。
なんで、僕の計画はかんぺき〜なはずだったのにっ…！
アマツキツネから逃げることなんて無理だからもう素直に白状するしか生きる道ないんですけどぉ…。

「……すんすんっ……。ほーーー、ふーーーーーーん。」
「先生の匂いがするねえ。へぇ？もしかして駆け抜けしてた？」
「し、してません！誓ってしてません！」
「いやでも、しようとしたけど！失敗しました！！」
「ふぅん。失敗したんだ。…ま、大方ミケツの方から襲おうとしたんでしょ。」
「何でそこまでバレ…。」
「お姉ちゃん。ミケツのことならなんでもお見通しだし、そもそも前科あるでしょ。」
「…うっ……。ｽﾐﾏｾﾝﾃﾞｼﾀ……。」
「はぁ、やりすぎると先生に嫌われるよ？」
「似たようなことを先生から言われた…っていうか説教されたよ…。」
「でも、最初はその、本当に匂いを嗅いで癒されたくて先生の家に泊まりに行ったんだよ。」
「でもほら！そういう気分になる時だってあるじゃん！」
「私はミケツほど盛りません。」
「ぐっぬぬ…。先生からご褒美もらってるくせにーー！」
「アレは…その、100私が悪いからなんともいえないやつだったし…。」
「…そういえば具体的な内容は聞いてないけどどん…あたたた！！」
「やーめーよーうーねー？」

うぅ……。お姉ちゃんに締めあげられるぅ…。
その後どうにかして説得させて、肩から手を離してもらったけど…。
ひー、ヒリヒリするぅ、絶対跡残っちゃってるよ…。

「…ほら、朝ごはん作ってあげるからミケツはやること済ましちゃって。」
「はーい……。」

[11 二次元好きの匿名さん 25/07/18(金) 01:16:02]

たておつ〜。

[12 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 09:33:49]

ドボドボと洗濯物を洗いに行く。

全面的に僕が悪いとは言えど、本当に肩がちぎれるかと思った…。お姉ちゃん、前より握力とか強くなってるような気がする。これもまたアビドスとの交流会のおかげ、なのかな？

ただ…。…お姉ちゃん、なにかに追われるように必死になってるけど。根を詰めすぎないようにして欲しいな…。

「…弱い者は弱いなりの抗い方をすればいいしね。」

僕はお姉ちゃんを守れるほど強くは無いから。強くなりたい願望はないといったら嘘だけど、簡単に強くなるなんて無理だしね。兎にも角にも、僕は僕のやれることをするのみ…ってこった。

「洗濯物を回してっと…。お風呂も洗っておいてっと……。」

学校に行く前にやるべき事をテキパキと済ましていく。その間に漂ってくる焼けた魚のいい匂い。家事を終えた僕はその匂いに誘われるかの如くリビングへ。

「ん？早いね。ご飯できてるよ。」

「わーい。」

頂きますと一言。用意された朝ご飯を食べていく。

今日も忙しいだろうけど…、そうだね。早めに終わったらなにをしようかな。たまにはイズナといっしょに遊びに行くのも悪くは無いかな。

あの子、立派な忍者になるために頑張ってるらしいし。

…そういえば、忍術研究部、まだ書類とか出してなかったような？実績はある。同人誌出したりとか配信活動とかしているから。ただまだ他の部に認められていないのだろうか、保証書が来てなかったような。

「後で連絡してみるかな。」

「ん？どしたの？」

「ちょっと認可が降りてない部活のことでね。」

「そうだ、ついでに聞きたいんだけど。お姉ちゃん、ゲヘナとの交流会があるの知ってる？」

「あー。聞いた聞いた。もうすぐだったよね。」

「うん。それでさ、警備っていうかなんというか…。その日、見回りの人数を増やせないか相談したいんだけど…。」dice1d3=1 (1)

1.「キキョウ先輩に掛け合ってみるとするよ。今回来るのかゲヘナだから増やしてくれる思うけど。」

2.「んぅー…。厳しいかなぁ。念の為聞いてはみるけど期待はしないで。」

3.「それが…。当日は待機命令が出されているんだよね。」

[13 ◆rALpl08yA7QB 25/07/18(金) 16:13:46]

「ありがとー…。助かるよ。お姉ちゃんは当日は？」
「んー？当日。当日は見回りはしないよ。私、ニヤ部長にあることを頼まれているし。」
「あれ？そうなの？」
「うん。ってか…。いや、まだ、言わない方がいっか。」
「今日、もしかしたらニヤ部長から話が来るかもしれないから。」
「ん？う、うん。」

なんのことかは分からないが…。多分当日の公演についてなのかも？
ただ予定通りチセ様が誘拐されるお姫様役…。
………待って。嫌な予感がする。
あのニヤ部長がゲヘナとの交流会でわざわざ通常の和楽姫を行うとは思えない。
当日絶対何かしらのトラブルに巻き込まれる。いや、面倒事を押し付けてくる。

「はぁ………。」
「疲れてそうだねぇ。」
「ニヤ部長がなにか閃く度に疲れるよ。ほんとに。」
「…ほんと、お疲れ様。」

ご馳走様と食べ終えた食器を下げ、学校へ行く身支度をする。
いい加減頭に鉛玉ぶち込みたくなってくる。
…ま、実際そうする訳にはいかないけどさ。なるようになれ、だ。

[14 二次元好きの匿名さん 25/07/19(土) 00:07:16]

上司がいるって大変だ

[15 ◆rALpl08yA7QB 25/07/19(土) 00:44:32]

〜陰陽部・部室〜

「おはよーございまーす。…ってあれ。誰もいない。」

部室に入ったところ、いるのは僕ひとりだけだった。
副部長休みなのかなとか思いつつも準備を進める。
…ってか、他の部員も皆出払ってるみたいだし。なんかあったっけ今日。
なんて思っていると奥から誰かが開ける音がする。

「にゃはは〜。はやいねぇ。ミケツは。」
「ん、ニヤ部長。今日はいらっしゃったんですね。いつもどこかほっつき歩いているのに。」
「なーんか言葉の棘すごくない？…ごほん、それはさておき。」
「丁度いいことにミケツにちょ〜〜っとお願いしたいことがあって。」
「それ絶対交流会の件で…でしょ？」
「にゃはは。その通り。さすがはミケツ、頼りになるねぇ。」
「……言っておきますがめんどくさいことはやめてくださいね？」
「大丈夫大丈夫。そんな難しいお願いごとじゃないから。」
「むしろ、狐塚双子だからこそやってほしいこと…だね？」

意味深そうにニヤニヤと笑い、ひょいひょいっと手招きする。
ため息を吐きながらどうせ逃げられないんだかと思い近づき、耳を差し出す。
そしてこっそりと、僕にしか聞こえないように耳打ちをしてくる。
ニヤ部長のお願い事を聞き、その内容に思わず目をかっぴらく。

[16 ◆rALpl08yA7QB 25/07/19(土) 00:51:58]

「……正気？」
「正気正気。至って正気。」
「確かに僕とお姉ちゃんだからこそなせる技だとは思いますが。」
「いや、でも、ほら、誰もクリアできなくないですか？」
「そこは君達の裁量ということで……。」
「………………………はぁ…。」
「わっかりましたよ。それが部長命令なら聞くしかないですからね。」
「でも、責任は全部部長に押し付けます。いいですね？」
「こりゃまた手厳しい。でもいいよ。私が全部持つ。」
「ならよし。…はぁ、こりゃまた当日。波乱が起きるでしょうねぇ。」
「にゃっはは。それがまたおもしろ…学園間の活性化に繋がるでしょう？」
「そうかもしれませんが。…まったくもう。」

…とんでもないことになりそうなのは間違いなくて。まさか僕とお姉ちゃんが、ねぇ。
もしかしてだけど、チセ様の他に僕達を百鬼夜行の新たな顔にしようとしてるんじゃないだろうか。もしそうなったらチセ様の和楽姫の他に僕たちメインの体験型アトラクション作りそう。…これもまた、百鬼夜行のためだろうけどさ。 聞いておくか。

「…もし、それが成功した場合、僕達って…。」
「にゃははっ。今後、新しいことをしてもらうかもしれないねぇ？」
「ですよねー。正直、お姉ちゃんに対して負担かけすぎだと思いますが。」
「そこはなるべくミケツひとりでこなせるような物を作るつもりよ〜？」
「だといいんですが。」
「今やミケツもイナリも百鬼夜行の中ではチセの次に人気があるからねぇ。これに乗っからない手はないというか。」
「一応言っておきますが、僕達偽名を使わなければいけないほどの立場なのをお忘れなく。」
「わかってるよ〜。」

本当にわかってるのだろうか。まぁ、わかってるだろう。…結局のところ、僕らは振り回されなきゃいけないっていうことだ。はぁ、これが手駒になるってことか…。トホホ……。

[17 二次元好きの匿名さん 25/07/19(土) 09:48:19]

〜交流会一週間前・シャーレ付近〜

「シャーレに行くのは初めてですね…。」
「カホ副部長。あんまり自治区の外に行かないですもんね。」
「そうですね。欲しいものとかも特にないですし…。なによりチセちゃんから離れるのがちょっと…。」
「はは…。さすがチセ様の大ファン。」

交流会の前日、僕たちは先生にあるお願い事をするためにシャーレへと向かっている。これもそれも、交流会が無事に進むようにとお手伝いの依頼をするために。
副部長もシャーレの居場所を知ってはいるものの、付き添いという形で僕も同行している。
なにより、先生と会えるからね。僕としてはプラスしかない。

「イズモさんは普段から？」
「僕がって言うよりお姉ちゃんが。ですね。お姉ちゃん、色んなところ行くの好きですし。」
「わざわざ許可を取らずに済むように交渉までしてきましたと聞きましたから。」
「お姉ちゃんらしいというかなんというか…。一軒家まで手に入りましたし。」
「それほど、ニヤ様…いや、百鬼夜行としてあなた達を重視しているんですよ。」
「…って僕に言われても、過去の記憶なんてないですよ？」
「それもそうでしたね。さて、そろそろでしょうか？」
「あのでっかい建物がシャーレです。さっ、ちゃちゃっと先生を迎えましょ。」
「そうですね。先生の元まで案内をお願いします。」

[18 ◆rALpl08yA7QB 25/07/19(土) 16:05:41]

シャーレに入り、エレベーターを経由して、先生のいるオフィスまで向かう。
この時間なら先生は休憩しているか仕事に押しつぶされているか。
僕は後者だと思ってオフィスの方へ向かっているのだが。
そう考えているうちに辿り着いて、ドアを叩いては入る。

「失礼します。陰陽部の霊狐イズモです。」
「同じく陰陽部、副部長の桑上カホと申します。初めまして。先生。」
「うげっ！？噂をすれば！？」
「………あら。」

中に入れば出迎えてくれたのは先生…の他に忍術研究部の面々がいた。
綺麗に三人揃っている。いやまぁ、常に三人一緒に行動してるようなもんだが。
そして、忍術研究部の部長…。千鳥ミチルは僕達の顔を見るなり固まっている。
他のメンツもなんだかあわあわしているし…。まさか先生に迷惑かけてる？
そして、ミチルは僕を見るなり余計にびっくりしたようで見たことない顔になっている。

「な、なんで！？あのイズモまでいるし！？」
「………なんで、忍術研究部が？」

ミチルの手に持っているのは見たことない書類。
何だかろくな事にならなそうな。そんな気がしてくるほど。
思った以上になにかありそうな気がしてならなかった。

[19 ◆rALpl08yA7QB 25/07/19(土) 23:35:50]

〜百鬼夜行・陰陽部〜

"荘厳な空間だ……。"
「ゆ、油断しちゃダメだよ先生殿！相手はなんだって、おの陰陽部の部長！実質的に生徒会長みたいなものだし！」
「噂で、聞いたことが、あります……。陰陽部の部長は話術だけで魂を抜くことができる、と…。」

いやなんだよそんな噂。初めて聞いたよ。僕。

「主殿！ご心配なく！主殿の安全はこのイズナが守りますので！」
「…………なにか誤解されているようですね。」
「ですね。他者から見た陰陽部の部長ってそうなんだって。」

これ他の部活からどんな評価されているんだろ。陰陽部。
僕が聞いた噂のひとつは厳格過ぎてマトモに話を聞いてくれないとかだっけ。…それはまぁ、ありえない話ではないが。カホ副部長が厳しい人だし。
それの潤滑油を僕が担っているわけだけど…。そこまで浸透してないのかも。なんて思っていると、ぴょこっとチセ様が現れる。

「せんせー、来てたんだ。」
「あら、チセちゃん。」「チセ様。」
「………え？」
"…………チセ？"

しばしの沈黙の後、ちょっと考えた後だろうか。
チセ様から出来たてホヤホヤの生俳句が披露されてる。

「煙霧から 突然出会いて 驚いて」
「………元気だった？」
"あ、うん。元気だったよ。"

これはこれは…。滅多に聞けないチセ様の生俳句。
これにはミチルとカホ副部長も惚れ惚れとしているようで。僕もあんまり生で…、しかも即席で聞けるとは思いもしなかったから少し気分が舞い上がる。相変わらず人気者なんだねと先生が零していた。それを聞いて副部長は咳払いをする。傍ら僕はニヤ部長を呼ぶべく、声を張り上げる。

[20 ◆rALpl08yA7QB 25/07/20(日) 00:23:00]

「ニヤ部長ー、お客様がお見えになってますよー。」

直後、奥から待ってましたと言わんばかり出てくるニヤ部長。
…それでも出てくる姿は部長らしい威厳さを持ち合わせているが。
先生の顔を見るなり、間近に来ては声を漏らして色々と見つめていく。

「顔はだいぶ好み、むしろストライク……いや、逆にアウト？」
「とはいえ、まぁ……。面白そうではあるね。」
"…………？"
「ニヤ部長。お客様に失礼です。」
「イズモの言う通りですよ。ニヤ様。」
「それにあんまり変なことを言わないでください。銃抜きますよ。」
「この前といいやっぱり言葉の棘凄くない？」
「気のせいです。」
「ごっほん。…それはともかく。」
「私の名前は天地ニヤ。陰陽部の部長をしてる…。ん？態度がデカいって？そんな事ないよ。むしろ逆。」
「器が小さすぎるから態度が大きく見えるだけ。実はかな〜り偉い人なんでね。」
「いやそれにしてもまぁ、お会いできて嬉しいですねぇ、シャーレの先生♪」
"こちらこそ。会えて嬉しいよ、ニヤ。"

…お世辞で返されてやんの。まったくもう。
先生を狙っているとは思わないけど思わせぶりな口ぶりをする部長が悪い。
本当に銃を抜くかもしれないとこだったし。

[21 ◆rALpl08yA7QB 25/07/20(日) 00:59:26]

「なるほどなるほど…。これがシャーレの先生。」
「噂なら、耳にタコができるぐらい聞いとりますよ。それこそ、うちの部員からも…ね。」

そう言うとチラっと僕の方を見てくる。
確かにしょっちゅう報告はしているが…、そんなタコがでるほど言ってたっけ。

「それに連邦生徒会長の失踪以降、各所で大活躍されている…と。」
"ちょっとした手助けをしているだけだよ。"
「それは丁度いい。でしたら、私たちの手助けもしてもらえます？」
「さて、そのためにどこから説明したものか……。先生は私たち『陰陽部』について、どこまでご存じです？」
"それならイズモやイナから色々聞いたよ。多くの連合で構成されている百鬼夜行のそれを纏めている生徒会みたいなもの…とか。"
"ただ、実態としてはアイドルみたいなもの…だっけ？"
「にゃはは。それを知っているのでしたらこれ以上の説明は不要だね。」
「まぁ、先生の仰る通り。占い放送とか公演とかをね。…特にチセとかは人気だもんね。ね〜？チセ。」
「ね〜。………だっけ？」
「ごほん。部長。本題を。」
「もー。急かしちゃって。イズモだって人気者でしょうに。」
「…………。」ｽﾁｬ
「にゃはは…。こわいこわい。…さてと、単刀直入に申し上げましょう。」
「(………あの陰陽部の部長がイズモに詰められてる…。本当はイズモが陰陽部を掌握してるんじゃ…？お、陰陽部…、恐るべし！！)」

部長が扇子を広げ、それを口元に持ってきてから説明を始める。
百鬼夜行とゲヘナとの間で行われる交流会のこと。
そこで特別に映画村で公演される和楽姫が開催されることについて。
和楽姫を知らない先生にミチルが声のトーンを張り上げながら説明する。
やっぱりチセ様のファンは多いようで、ややテンションが高い。
それを見て部長はニヤニヤしてるし。ニヤだけに。

[22 二次元好きの匿名さん 25/07/20(日) 10:57:57]

ほほほほほ、可愛らしい

[23 ◆rALpl08yA7QB 25/07/20(日) 12:29:21]

「ふふっ……。特に今回の和楽姫は、特に気合いを入れて準備したイベントなんですが…。」
「一つだけ、心配事がありまして。」
"心配事？"
「はい。先生もご存知の通り、ゲヘナの方々はすごく自由奔放です。なので万が一でも……。」
「本当に万が一、億が一の話ではあるんですが〜……。なにか予想外の事態が発生して、和楽姫の公演中に何かが起きてしまったら…。」
「それはもう、すごく楽しそう…ではなく。困るかもしれないな〜と思いまして。」
「というわけで無事に公演を終えるためにも、シャーレにお力を貸していただきたいなと。いかがでしょう？」
"うん。協力させてもらおうかな。"
「先生殿！？」
"その代わりってわけじゃないけど、一つ提案があって。"
「………あら、なんでしょう。」
"その件を手伝うために、忍術研究部の方の力を借りようかなって。"
"それで公園が無事成功したら、忍術研究部のことを認めてもらえないかな？"
「忍術研究部、ねぇ……？」

……なるほど。条件というわけか。先生らしい。
確かに忍術研究部は認可が下りてない部活。
普段表に出てこないニヤ部長も知らない部活であるはず。
カホ副部長はそれはと言わんばかりの表情をしている。

「ふむ、忍術研究部……、あんまり知らん部活ですねぇ？」

そそくさと、僕は忍術研究部について纏めてある資料を手渡す。
この前、ちょっとしたボヤ騒ぎがあったし、僕も忍術研究部は気にかけている部活だったから独自に調べておいたものがある。それを部長は軽く目を通していく。

[24 ◆rALpl08yA7QB 25/07/20(日) 16:11:25]

「なるほど。忍術を研究する部活で、まだ正式な認可が下りてないと。」
「んふふ、それはまた、どうしてなんでしょうねぇ……？」
「……これまで忍術研究部から、『正式な部活動としての申請書』を頂いたこもはありません。」
「その申請に必要な書類は、『部としての実績証明書』が1部。『活動に関する他の部活からの保証書』が3部。」
「忍術研究部の皆さんは動画投稿サイトで運営している『少女忍法帖ミチルっち』の他に『コミセン』で出していた忍術の同人誌があるので部としての実績証明書の条件は満たしています。」
「ま、まって！イズモは確かにチャンネルについて知ってはいるだろうけど、なんでコミセンのことまで知ってるのさ！」
「あら、活動していることを知っていたのですね。」
「ちょっとしたことがありまして、それ経由で。」
「しかし、他の部活からの保証書だけがありませんね。」
「それさえあれば申請は可能だと思いますが…。まぁ、恐らくですが。」
「うっ…、その…、中々忍者の孤高さを理解してくれる人がいないっていうか…」
「そのキヴォトスで忍者って文化が根付くには、まだ準備が必要っていうか…。」
「あとは、その、個人的な事情というか……。」

…色々大変なんだなぁ。認めてもらうにも。
僕は忍術研究部の活動を応援している方だけど。忍者好きだし、
僕の一存で保証書を書くわけにはいないしねぇ…。こればっかりは頑張ってもらわないとってとこだったし。

[25 ◆rALpl08yA7QB 25/07/20(日) 23:37:56]

「にゃはは、まぁ良いでしょう。呑むとしましょうか。」
「ニヤ様、またそうやって……！」
「いつものことですから仕方ないですよ。」
「にゃはは。イズモはわかってるねぇ。ただまぁ……。」
「公演が無事成功して、交流会恙無く終わるなら……ね。」

…あー。これ絶対なにか企んでる。変に遊び心発動させるなぁ。
絶対都合よく忍術研究部を使おうとしてるでしょうに…。はぁ…。

"ありがとう、ニヤ。"
「にゃはは。どういたしまして。というわけで忍術研究部の皆さん、今度の公演はよろしくお願いしますね〜♪」

こりゃまた、僕も僕とてこき使われそうだなぁ…。
忍術研究部のみなはみなで張り切っちゃってるし。
カホ副部長はため息吐いちゃってるし。
僕は今のうちに部長の我儘を聞く準備でもしておきましょうか。

「にゃはは……。まぁ、お手並み拝見と参りましょうか？」