【閲覧注意】センパイ《SS》

  • 1◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 08:51:45

    ぬちゃり…ぬちゃり…

    真夜中、静かな部屋に水音が反響する。少し粘り気を帯びたその音は、普段なら少し耳障りであっただろう。だが今、俺の蝸牛を震わすそれは、自分の生を実感する為の材料の一つであった。

    ぴちゃり…ぴちゃり…

    俺の腹に溜まった生温い液体が、体を伝って床へと落ちる。
    それを掬い取り、愛おしそうに口へと運ぶ、白髪を靡かせる女性…葛城リーリヤ。

    彼女は俺に施しを与える女神か…
    それとも黄泉へと誘う死神か…

    掠れた視界に映る、俺から溢れた液体で口元を染め、月光に照らされた彼女の姿は、
    淡く輝く美しい妖精のように見えた——

  • 2◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 09:06:27

    事の始まりは1週間前だったか、俺は担当アイドルである葛城さんに告白された。

    アイドルとその担当プロデューサー、関係を考えればこの時の選択は間違いではなかった。
    もちろん振った。彼女の目標、「トップアイドルになる」「紫雲清夏と同じステージに立つ」それを一時の感情に任せて壊すわけにはいかなかった。

    「申し訳ありませんが、俺たちがそういう関係になるわけにはいきません」

    そう告げると、葛城さんは存外あっさりと受け入れてくれた。その日から今日まで、葛城さんは今まで通り接してくれた、まるで何事もなかったように。

  • 3◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 09:16:16

    その日常に変化が起こったのは今朝だった。
    突然手渡された、薄い桃色のドリンク。

    「センパイの為に色々調べて作ってみたんです。」

    「最近とても暑いので、これを飲んでちゃんと熱中症対策してくださいね?室内にいても水分不足に陥ることもあるみたいですから。」

    振られてしまったことをきっかけに、少しでも恋愛対象として見て欲しいという、葛城さんなりの可愛らしいアピールなのだと思っていた。
    「でもそれは前提だから」彼女の頭の中ではきっと、その言葉を反芻していることだろう。
    実のところ、俺は葛城さんに告白されたことでかなり浮かれていた。柄にもなく一人でいるときは鼻歌なんて歌ってしまうほどには…
    振ったとは言え、俺も葛城さんのことを好いていたのだ。

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 09:16:24

    きたか新作……

  • 5◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 10:15:07

    受け取ったドリンクを一口飲んでみる。一見普通のスポーツドリンクだが、他にも色々入っているらしい。レモンを始めとしたフルーツの風味に、貧血対策であろうか若干の鉄の風味も混じっていたが、不思議と調和の取れた癖になる味だった。

    「美味いな…」

    思わず零れた言葉を聞いて、葛城さんは嬉しそうに微笑んだ。
    その場で丸一本飲み干したのを見ると、彼女は満足したようにレッスンルームへと向かって行く。

  • 6◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 10:36:00

    その後ろ姿をぼうっと見送りながら、俺は葛城さんから向けられる愛情にいたく心を打たれていた。彼女の想いに俺も全力で応えなければならない。事務室からその姿が見えなくなったのを期に、俺はデスクに向き直って自分の仕事を始めた。

    その日の夜、俺は焼けるような体の熱さに目を覚ました。

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:07:01

    保守

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:17:03

    たのすぃみ

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:26:18

    とりあえず10までksk

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:31:22

    ksk

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:40:28

    ありがとう

  • 12◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 12:40:39

    (保守ありがとうございます!)

    全身の奥底から沸る熱と荒くなる呼吸が、寝ぼけていた脳を一瞬で覚醒させる。
    少しでもこの熱を冷まそうと枕元に置いたボトルの水に手を伸ばそうとするが、四肢がまるで糸の切れたマリオネットのように動かない。
    どうにか起きあがろうと踠くが、全身が酷く脱力しているようで身を捩ることしかできない。

    ふと視界の端、満月の灯りに照らされた室内に差した影に、俺は自分の目を疑った。







    「センパイ」

  • 13◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 12:49:47

    「なん…で…あなたが…」

    「センパイがいけないんです…わたしの気持ちを受け止めてくれなかったから…」

    「何を言って…」

    「わたしも本当は…こんなことしたくなかったです」

    そう言って、葛城さんはベッドに仰向けになったままの俺にゆっくりと近付き、顔の輪郭をなぞるように指を這わせた。
    眼前に堀の深い端正な顔が近づく。

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 14:16:06

    ドキドキしてきたな!

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 17:42:44

    どきどきですわ〜!

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 17:46:42

    オラ、ワクワクしてきたぞ!

  • 17◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:08:22

    「ちょ…んむ…」

    身動きの取れないまま俺の唇が奪われる。最初は啄むように、次第に強引に舌が捩じ込まれ口内を蹂躙する。
    ただでさえ荒かった呼吸を塞がれ、歯茎や頬の内側をねぶる感覚と、女性特有の甘い香りが鼻腔をくすぐる。一瞬で思考が快楽に埋め尽くされた。
    唇が離れ、ようやく吸気が肺を満たす頃には俺の口は二人の粘液に塗れていた。
    葛城さんが潤んだ瞳で俺を見下ろす。ゆったりと微笑んだ彼女は顔を下の方へと動かし、

    「ごめんなさい」

    俺の首筋に歯を立てた。

  • 18◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:21:49

    いつからだろうか、葛城さんは俺に跨り、溢れ出る液体を手で弄んでは口に運び、体躯の割に豊満な胸を染めるように塗りたくる。まるで無邪気な子どもが泥の中で遊び回るように。

    飢えた獣のような目を細め、柔らかな唇を首筋に押し当ててくる。噛み跡を撫でるように舌が蠢いたかと思えば、何かを吸い出すような動きに変わる。
    そこに熱が集まる感覚が、絶えかけた意識をさらに奪ってゆく。

  • 19◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:29:07

    こうして俺は全て葛城さんの物となるのだろうか…

    それも悪くないかも知れない…

    愛する人に貪り食われる感触が、こんなにも心地の良いものだなんて…

    溢れ続けていた体液の流れも微かなものになったのがわかる。目の前にある純白の妖精の輪郭がぼやけ始める最中、俺はそんなことを想っていた。

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 23:42:36

    待ってた

  • 21◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:53:54

    …ふと、何かが囁いた。

    このまま息絶えるのが本望か。
    彼女の夢も自分の夢も、道半ばのまま、
    目の前の快楽に享楽することが俺らしさなのか。

    理性か生存本能か、俺の中で死にかけていたものが俺の目を覚ました。

    止めなくては

    僅かに制御を取り戻した腕で葛城さんの肩を押す。
    予想外の反攻に驚いたのか目を見開いた彼女に、俺は絶え絶えの息で訴えかけた。

    「かつらぎ…さん…」

  • 22◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:54:55

    「もう、無理…ほんとに…もう出ない…」

    「え?」

  • 23◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:58:41

    「そんなぁ…まだ10回もシてないじゃないですか…」

    「普通の男は…そんな連続で…できません…今朝くれた、ドリンク…何盛ったんですか…?」

    「篠澤さん印の超強力精力剤と痺れ薬です。ちなみにお部屋はこっそり作った合鍵で入りました」

    「計画犯罪じゃないですか…俺が告白を断ったら…最初からこうするつもり、だったんですか…?」

    「はい…センパイが悪いんです…!センパイが恋人になるって言ってくれるまでやめません!」腰グリグリ

    「……ぅあ♡……わかり…ました……お付き合い、しますから…もう許して…」

    「ほ、本当ですか!?やった…♡」

    「じゃあ最後に一回だけ…恋人になった記念のえっちしたいです♡まだカタいから、できますよね?♡」

    「いやむり…むりで……うぅ…♡」


    ……こうして結局、俺は限界まで搾り取られた。
    その朝、ツヤツヤとした満面の笑みの葛城さんと一緒に登校した、キスマークと歯型を隠すための絆創膏まみれになった俺
    それを見て諸々察した紫雲さんに葛城さんが(ついでに協力していた篠澤さんも)叱られることになったのはまた別の話

  • 24◆HaBLx0H.oA25/07/18(金) 23:59:42

    〜後日談〜
    「はっ…はっ…はぁっ…」

    レッスンルームの床と靴の擦れるキュッキュという音が響く。俺はリーリヤさんの自主レッスンに付き添っていた。

    「はい、今日はここまでにしましょう」

    「センパイ、もう少しだけやらせてください!もう少しでこの動きがちゃんと掴めそうで…」

    「その向上心は称えますが、本来は完全休養日なうえ、既に予定より1時間延長してるんです。流石にこれ以上無理をさせるわけにはいきません」

    「でも…」

    「ダメです」

    「むぅ…」

    わかりやすく口を尖らせて不満を露わにする。俺としても汗を流して舞うリーリヤさんの姿に見惚れていたいところではあるのだが、それで体を壊してしまっては仕様がない。
    タオルとスポドリを手渡して退室を促していると、彼女は何かを思いついたように振り返り…

  • 25◆HaBLx0H.oA25/07/19(土) 00:01:02

    「Sempai, var beredd på ikväll ♡」

    「……は?」

    「えへへ♡」

    言葉の意味は分からずとも、あの夜と同じ目だ。彼女が伝えんとすることは察しがついた。
    呆気に取られ立ちすくむ俺を見て、悪戯っぽく笑い扉へと歩き出す。

    「このワガママ娘め…」

    呆れと、今夜は眠れるのだろうかという不安を溜め息と共に吐き出して、俺とリーリヤさんはレッスンルームを後にした。


  • 26二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:06:33

    あなたやっぱりえちえちSS作家だったのか!!

  • 27◆HaBLx0H.oA25/07/19(土) 00:08:38

    く疲!
    ホントに疲れた、書いてる途中に椅子に座ったまま寝落ちして首と背骨が逝きました。ままならないね…

    つーわけで「『食人系リーリヤ曇らせ』かと思ったらただのサキュバスでした」みたいな、叙述トリックを用いたSSをふと思いついたんでやってみたんですが、露骨な表現をなるべく使わずにエロをグロっぽく書くっての…思った以上に難しい…

    基本自分は曇らせ書きません、たぶん、Maybe…
    何か浮かんだらまたSS書きたいんですが、如何せん遅筆なものなのでしばらく先になるかと思います。

  • 28◆HaBLx0H.oA25/07/19(土) 00:15:27
  • 29◆HaBLx0H.oA25/07/19(土) 00:18:15
    【1/2閲覧注意】口に入れるときは固くて出すと柔らかくなるもの…?|あにまん掲示板bbs.animanch.com

    これもだ



    あと私、今夜から2日間ほど旅に行くため浮上できません

    なんとか今夜中に書ききれて良かった…

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:19:55

    はみ出しハザードの人だったのか……。

    ✈️いってら。

    旅先ではみ出しておいで。

  • 31◆HaBLx0H.oA25/07/19(土) 01:00:11

    >>30

    家族旅行なんだ…はみ出すも何もないんだ…ソロはみ出しすらままならないんだ…

スレッドは7/19 11:00頃に落ちます

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