【SS】キー坊うなぎを食べる、の巻

1二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 20:58:58

今日は2025年7月19日、土用の丑の日である。
男女の人間たちは鰻を喰らいつくししゃぶりつくす。
そんな時キー坊も例外ではなかった。
空腹になり腹を空かせ
怪獣となった彼は鷲掴みで鰻を捕まえ
食べる準備をするのであった。

2二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:00:26

さっそく彼は鰻を喰らおうとした…が
寸止め。
やはり生命をいただくということは
よく味わって食べることだと心で「理解」したのだ。
そうと決まりまず頭から舐めて素材の味を楽しむ。
本来の味と生臭さが鼻から通り抜けるのを感じながらキー坊は食べるのをやめないのであった。

(うなぎです)

3二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:01:52

次は胴体だ。
鰻を堪能すると考え時間をかけて食すと言っていたキー坊だが
もう頭を堪能したキー坊にはそんな考えなどなく
鰻の魅力にはキー坊ですら勝てなかったのだ。
ついに我慢の限界を迎えたキー坊は思い切りしゃぶりつく。
「素材の味を楽しむ」という考えだけは残っていたのだ。
唾液によって鰻を少しずつ溶かしながら食べ進める。
いくら時間がかかろうと鰻を楽しむという考えだけしか
キー坊にはなかったのだ。
そしてロックの外れたキー坊は思い切り音を立てる。
「ｼﾞｭﾙﾙﾙﾙﾙﾙ!!!ｼﾞｭﾙｯ!ｼﾞｭｼﾞｭｼﾞｭ!!!!!ﾚﾛ!!ｼﾞｭｯ!!!!!ﾊｧﾊｧﾊｱ!!!ｼﾞｭﾎﾟｯ!!!ｼﾞｭｯ!ｼﾞｭﾎﾟｵｯ!ハァッ！ハァッ！ウナギッ！ウナギイイイイイイッッッ！！！！」
キー坊は音を立てる。立てまくる。
まるで獣のようである。
もう彼に理性はなかった。

4二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:03:30

32時間が立った。
土用の丑の日は終わったというのに
ついに彼は理性を取り戻し鰻を咥えながらレロレロと食べ進める。
「ﾚﾛ…ﾚﾛ…ﾁｭﾌﾟｯ…ﾌﾟ…ﾝﾁｭｯ…ﾁｭﾎﾟ…ﾝｯﾊｧ…ﾌﾟﾁｭ…んっ…」
キー坊は32時間が立とうと
素材の味を楽しむということだけは忘れてはいなかった。
ゆっくり、ゆっくりと舐め進める。
いくら時間が立とうと。
いくら気が狂おうと。
その手…いや口をやめることはなかった。
そして…ついに食べ終わった。
食べ終わるまで実に2136時間。
人々には無駄な時間かと思われるかもしれないが
彼にとっては…キー坊にとってはその「過程」だけが重要なのであった。

こうしてキー坊の長い長い土用の丑の日は終わったのであった。

～おわり～