- 1二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:07:04
「─── 今から三年修行を続けなさい。貴女が高校に入学して少し。巨大な厄災が訪れる。それを無事に乗り越えて、貴女の覚悟と強さが十分になればその時には───
怪しいロボは言った。占い師。だとか名乗っていた気がする。私の手相見てこんな事語り出すとか、よっぽど変な奴だなと思った。
が、私のモットーは『信じて罰さず』高校デビューの為にも修行は積んでおこうと思ったので基礎的な身体能力のトレーニングからどんな銃でも持ったり、年齢的にバイクは無理だったのでマウンテンバイク…要は自転車にも乗り始めた。
─── 運命の人、が訪れるでしょう。貴女の前にきっと」
空が赤く染まったあの日。私は必死に戦った。私は『名前のある生徒』【ネームド】とは到底呼べない実力だったかもしれないけど、それでも自分の学校のみんなと困っている人を助けるだけの実力はあったから。
「見つけた───
あの占い師の言われた通り。あの災厄を乗り越えて。少し血色の悪さすら感じる美しくも儚い白い肌。恵まれた体型に再びになるが儚げな雰囲気と表情。
─── そこの人。お名前を教えてもらっていいですか?」
…まぁ第一印象自体は間違いでもなかったと思う。少しナンパかもしれないけど、しっかりと挨拶をして。…問題はこの後
「私の運命の人です。貴女はきっと」
こんなマルチ商法みたいな話しかけ方をするまでは完璧だったと思う - 2二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:08:57
みたいな感じで何も事情を知らない半モブのオリキャラがクロコに一目惚れするって話があってもいいと思うんです
- 3二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:10:08
ふむ、続けて?
- 4二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:18:54
「……」
「……」
私達の間に生まれたのは長い沈黙。まぁそりゃそうだろう。急にこんな話しかけされたら私でも怪しいと思う。
「何かの…勧誘…?」
「…今思うとそうかもしれません。三年前、とある占い師に教えてもらったんですよ私」
「三年間修行して、厄災を乗り越えたら運命の人出会える…って。今思うと、それすら詐欺だったかもですよね…」
「運命の人を探す。なら、なんでここに?」
「暑いし砂って悪い環境に身を包むといざって時に役に立つんですよ。この間とか」
少しおどけた様にそう言うが…まぁ怪しいと思われているのは変わらないだろう。
「…それ、ちょっとだけパーツがダメになってる」
彼女は私の愛用のロードバイクを指差す。
「あー…まぁ散々使って来ましたからね。そろそろ限界が───
「着いてきて。それと一緒に」
「─── え?あ、ちょっと!」
くるりと振り向いて何処かに向かう彼女を、私は追いかけた - 5二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:20:41
- 6二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:33:46
百鬼夜行
- 7二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:36:28
百鬼夜行でアビドスチャリで飛ばしてる…軽く都市伝説なってそう
- 8二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:53:32
AR
- 9二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:31:48
HG
- 10二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:48:54
「ん、ここ」
「えっと…」
「?入って」
招かれた先で戸惑っていると、何をしているんだと言わんばかりに催促される。家…でもない廃屋だし。何より家に招かれてるとしてもこんな怪しい(自分で言うか)を招きいれるなんて驚きでしかない。
いざ中に入れば、クーラーまで完備されている生活感のすごい空間だった。
「結構かかるかも。時間、大丈夫?」
「はい。待ち合わせもありますし」
「ん、無理やり連れ込んだからお金は平気。たまたま余ってるパーツでどうにか出来そうだし」
「え、いやあの───
失礼だから言えなかったが、廃屋を家とするぐらいなのにタダでいいとはならないだろう。
と、考えながら部屋を見回していると自転車を模した…発電機。
「…申し訳ないから…全力でやりますか」
戻ってきたシロコがその発電量を見て驚くのはまた別の話。 - 11二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:02:57
フロント
- 12二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 20:56:24
「……」
「いや…えっと…どうされたんですか?そんなムスっとして…」
「ん。貴女がチャージした分のエネルギー、私が使ったパーツなんかじゃ全然足りない。損させている事になるから」
「あぁ。気にしませんよそんな事。久しぶりに、パーっと漕げて満足しました」
気にしていそうな彼女に気にしていない、と表情を浮かべて。彼女の家の外に愛用のマウンテンバイクを出して乗り心地を確認する。…うん。
「いい感じです。ありがとうございます」
「私がしたかったからしたこと…だけど、お礼を言われて悪い気はしない。ご贔屓に」
「!…はい。また来ます」
私は彼女の所を去った。…あ、
(名前…聞いてないなぁ…) - 13二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 06:47:31
ええやん
自分は好きやで - 14二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 13:59:08
いいですね!
- 15二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 23:27:37
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 00:19:43
キヴォトスにはとある都市伝説があった。
曰く、超絶前傾姿勢且つ高速で自転車を飛ばしているだとか
曰く、超前傾姿勢で走っていくだとか。
いつしか彼女は『ターボ』そして白髪だったものだから恐怖を覚えた誰かがその老婆の様な髪を見て言った。
『ターボババァ』
「…今、とてもバカにされた気がする」
運命の人と出会ってから数日。特に私の身に何か起きる訳でもなかった。アビドスの方面まで自転車を走らせるのは日課だから毎日向かうけど、それでも顔を合わせる事はない。…連絡先の一つでも聞いておくんだった。
比較的治安がいいと思っていたこの学校だが、最近はどうも色々な動きがあるそうで。なんなら勝手に私を持ち上げている奴らが居ることは知っている。空が赤くなったあの日をそもそも私は占い師を通して知っていたのでそれで期待されても困ると言うのに。
「……あ!先生!居ましたわ!あれが噂の───
『ターボババァ』ですの!」
クソ失礼なみどもが居たのでバカみたいな速度でチャリを漕いで逃げさせてもらった。
この一件を手伝う代わりに彼女が『シロコ』と言う名前だと言う事。深い事情がある事を先生から聞き出した。深い事情ってなんだろうか。取り敢えず明日は会いに行こうと思う - 17二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 09:16:11
ターボババァは草