- 1二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:30:17
- 2二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:32:39
ある日のことだった。あたしは、美鈴ちゃんとばったり出会ってしまった。
ことね「げっ…美鈴…ちゃん?初めまして…」
美鈴「初めまして、藤田ことねさん」
ことね「………」
美鈴「………」
手毬「あれ、ことねと美鈴が二人なんて珍しいね。何かあったの?」
ことね「手毬!?別に何でもねーよ」
美鈴「何でもありませんよ、まりちゃん」
結局この日は、何も話せなかった。美鈴ちゃん、結構怖かったナー…あたし、あの子になんか悪いことしたっけ?やっぱり手毬関連か? - 3二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:34:38
その翌日、あたしは、またしても美鈴ちゃんと出会ってしまった。
ことね「あっ、美鈴ちゃん…また会ったナー」
美鈴「………藤田ことねさん。率直にお聞きします。あなた、まりちゃんのなんなんですか?」
ことね「(怖っ!)えっと…友達…?」
美鈴「本当に、友達ですか?私、あなたがまりちゃんにお弁当を渡していたのを見ましたよ…恋人関係を隠してるんじゃないですか?」
ことね「………あれは藤田ことね有料お弁当サービスってやつ。手毬が好きだからと言うよりもお金が好きだからやってるって感じ」 - 4二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:37:01
美鈴「まあ…そうだったんですね」
ことね「(なんとか納得してもらえたか?)うん、別に手毬の事をそういう目では全然見てねーから」
美鈴「………」
ことね「美鈴ちゃん?」
美鈴「藤田ことねさん、あなた、疲れてませんか?」
ことね「え?まあ確かに、バイトも多いし、お弁当も結構作ってるから、疲れてはいるけど…」
美鈴「藤田ことねさん、私もまりちゃんのお弁当を作るのを手伝いたいです」
ことね「え?」 - 5二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:39:48
美鈴「私もまりちゃんのお弁当を作りたいです。私の料理ならまりちゃんも喜んでくれるでしょうし…」
ことね「確かにそれはそうだけど…あんたとそんなに仲良くないし…」
美鈴「藤田ことねさん、私は本気です。それに、あなたも休みたいでしょう?」
ことね「………分かった。これからは一緒に弁当作ろうナー、美鈴ちゃん」
美鈴「ふふふ、ありがとうございます、藤田さん。あと、呼び方は美鈴でいいですよ」
手毬「この味は…」
ことね「おっ、やっぱり分かるんだ」
手毬「ことね…美鈴にありがとうって伝えといて」
ことね「自分で言えばいいのに」
手毬「…うるさい」 - 6二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:42:40
美鈴と一緒に弁当を作るようになってからしばらくしたある日のこと
美鈴「藤田さん」
ことね「美鈴、どうした?」
美鈴「藤田さん、私の部屋で暮らしませんか?」
ことね「え!?な、なんで?」
美鈴「どうしても誰かをお世話したくて限界が来そうなんです」
ことね「手毬じゃダメなん?」
美鈴「まりちゃんとはまだ喧嘩中なので、他のお友達をお世話したいんです」
ことね「お友達………分かったよ、それと、二人を仲直りさせるの、手伝ってやる。手毬と美鈴の両方と仲良いのあたしくらいだろうし」
美鈴「まあ…ありがとうございます」 - 7二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:45:07
美鈴「藤田さん、バイトお疲れ様でした。私がマッサージしてあげます」
ことね「やっぱり美鈴のマッサージは最高だナー」
ことね「美鈴、今日くらいはレッスンしたら?」
美鈴「ふわぁ…今日もお昼寝でいいじゃないですか…」
ことね「美鈴、歌得意なんだろ?あたし、歌苦手だし、美鈴の上手な歌聞いて勉強したいナー、それに、レッスンサボるようなら手毬と話す機会あげねーぞ」
美鈴「むぅ…そこまで言うなら仕方ないですね」
あたしと美鈴の同棲は、お互いにいい影響を及ぼしあった。
手毬「美鈴、ことねと一緒にいるようになってからレッスンする回数増えた気がする」
ことね「あたしも美鈴と一緒にいるようになってから歌が成長してる気がするナー。そういえば手毬、美鈴が話したいことがあるって」 - 8二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:48:00
手毬「美鈴…ごめん…迷惑かけて…」
美鈴「謝りたいのは私です。まりちゃん、本当にごめんなさい…藤田さんの話もあって、まりちゃんのことを見つめ直しました。私もまりちゃんに迷惑をかけていたんですね」
手毬「美鈴は謝らなくていいよ…それよりも、ことね、私の話を美鈴にしたの?」
ことね「あたしはお前が美鈴と仲直りする手助けをしただけだぞ。あれ?もしかして嫌だった?」
手毬「嫌じゃないけど…」
美鈴「まりちゃん、あなたも私と暮らしませんか?やっぱりまりちゃんがいないと寂しいです」
手毬「それは…もちろんいいよ」
美鈴「あなたのおかげで仲直りできました。ありがとうございます。ことちゃん」
ことね「こ、ことちゃん…」 - 9二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:50:48
美鈴「まりちゃん、ことちゃん、私たち3人で、NIAに出ませんか?」
ことね「NIAって確か…複数の学園が参加する大型オーディション?」
美鈴「はい…これに参加して上位に入れば、HIF前に大きく知名度を上げられます」
手毬「いいね、凄く面白そう」
美鈴「しかも、星南会長によれば、上位に入れば返済不要の給付型奨学金の申請が通るかもらしいですよ、ことちゃん」
ことね「マジ!?絶対参加するしかねーじゃん!」
手毬「NIAってファンを奪い合う形式なんだよね?」
美鈴「ええ、私たち3人で、ファンを独占してしまいましょう」 - 10二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:53:33
あたし、美鈴、手毬の3人は、凄まじいペースでファン数を伸ばしていった。そして優勝決定オーディション【FINALE】は、あたしと美鈴の直接対決となった。
『NIA優勝は、初星学園1年、秦谷美鈴!』
美鈴「ふふふ、今回は、私の勝ちですね、ことちゃん」
ことね「悔しいけどやっぱり凄いわ、美鈴は」
美鈴「ことちゃんも、凄いパフォーマンスでしたよ。私をあそこまで追い詰めるなんて、あなたは私の立派なライバルです。よく頑張りましたね、よしよし」
ことね「ちょ、何すんだよ、HIFでは絶対負けないからナー」
手毬「…………」
美鈴「あっ、まりちゃんも、よく頑張りましたね、よしよし」
手毬「ありがと、美鈴。私も、負けるつもりは一切無いよ。HIFで必ずリベンジしてやるから」 - 11二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:56:19
ことね「そろそろだナー、夏のHIF」
美鈴「まりちゃん、ことちゃん、私に提案があるんです」
手毬「提案?」
美鈴「ダンスレッスンの講師を、ことちゃんにしませんか?」
ことね「え?あたし?」
美鈴「ことちゃんはNIAで素晴らしいダンスのパフォーマンスをしていました。それに、私たちに教えることで、ことちゃんもさらに成長できるでしょうし」
ことね「まあ、あたしもずっと二人に歌を教わってきたし、そのお返しをしちゃいますか」
歌とダンスを教え合って、あたしたちはさらに成長していった。そしてついに、HIF当日がやってきた。 - 12二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:58:59
美鈴「まりちゃん、私の勝ちです」
手毬「美鈴…おめでとう、今の私の全てを出し切れたから、悔いはないよ。でも、冬は私が優勝するから」
美鈴「まりちゃん、本当に強くなりましたね。では、優勝、してきますね」
決勝戦は、NIAに続いてあたしと美鈴の勝負になった。
ことね「美鈴、NIAのリベンジ、ここで果たしてやるからナー!」
美鈴「ふふふ、今回も私が勝ちますよ、ことちゃん」
あたし史上最高のパフォーマンスが出来た。でも美鈴もそれに匹敵するパフォーマンスだった。どっちが勝ってもおかしくないと思う中、ついに優勝者が発表された。
『夏の一番星は、藤田ことね!』 - 13二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 19:02:02
手毬「美鈴!ことね!決勝戦、二人とも本当に凄かった!ことね!優勝おめでとう!」
ことね「ありがとナー」
手毬「美鈴、次は負けないよ。ことね、次は私が一番星を奪うから」
手毬はそう言って控え室を去っていき、あたしと美鈴は二人きりになった。
ことね「あれ…美鈴、泣いてる?」
美鈴「こんなに悔しいのは…初めてです…まさか、私を追い越してしまうなんて…お見事です、ことちゃん」
ことね「美鈴も、十分凄かったよ、それに、これで勝負が終わったわけじゃない。冬のHIFでまた熱い勝負をしようナー、あたしのライバル」
美鈴「ことちゃん…もちろんです。すぐに、徒歩で追いついて、追い越してみせます、私のライバル」
あたしと美鈴は、いつの間にか抱き合っていた。 - 14二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 19:04:29
美鈴と出会って、あたしの人生は大きく変わった。一番星になれて、最高のライバル関係を作ることができた。
ことちゃんと出会って、私の人生は大きく変わりました。まりちゃんと仲直りできて、素敵なライバル関係が作れました。
「あの子と出会えて、本当によかったナー」
「あの子と出会えて、本当によかったです」
END