赤髪の呪胎

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:24:39

    シャンクスの左腕が失われたのは、東の海――フーシャ村近海でのことだった。
    ルフィを海王類から守ったあの一瞬。
    少年の命と引き換えに、赤髪はその大事な腕を喰わせたのだ。

    だが、それで終わったと思っていた。
    いや、終わるべきだった。

    ──それは、数週間後のこと。

    「あれからずっと、左肩が……むずむずするんだ」

    夜。
    シャンクスは黒い海を見つめながら、静かに言った。
    ベン・ベックマンが葉巻の煙をくゆらせ、隣で黙っていた。

    「痛みとは違う。かゆみとも違う。……なんというか、“中から誰かが這い出ようとしている”みたいな……」

    言いながら、シャンクスは自分の左肩を見下ろす。

    その時だった。

    むにゅ……。

    「……ッ!」

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:25:45

    肩の断面から、白くて丸い何かがゆっくりと頭を出した。

    「……うさぎ? いや、ネズミ……?」
    ベックマンが思わず一歩下がる。

    だがそれは、確かに形を持っていた。

    ちいさく、ふわふわで、耳がぴこぴこ動く。
    瞳は真っ黒で、どこか深海のように奥が見えない。

    「……ちい……か……わ……?」

    それは、シャンクスの肩から生えていた。

    「ひいいいいぃぃっ!!」

    見張り台から悲鳴が響いた。
    次の瞬間、ちいかわの耳がピクリと動き、
    口元が、裂けた。

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:26:50

    そして――
    「うるせえなァ!!」
    ありえない声と共に、見張りの頭部が、爆ぜた。

    ベックマンが銃を抜いた瞬間にはもう遅かった。
    ちいかわは、二足歩行でデッキを駆け回り、乗組員を食い始めていた。

    「あああああッ! 腕から、ちいかわがッ……ッ! ちいかわが!!」

    シャンクスは自らの肩を斬ろうとする。
    だが、刃が触れる寸前、ちいかわがふと振り返った。

    「友達じゃん……?」

    その言葉に、シャンクスの動きが止まる。

    涙を浮かべて微笑むちいかわ。
    だがその目は、冷たい闇の底だった。

    後に語り継がれる。

    “赤髪海賊団を滅ぼしたのは、ちぎれた腕に宿った呪いだった”と。

    そして今も、グランドラインのどこかを彷徨うという。

    左肩からちいかわを生やし、
    にこやかに笑う、赤髪の化け物が――。

    ご希望があれば、続編「“ハチワレ襲来編”」も執筆できます。

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:32:27

    !?

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:39:33

    なに、この……なに?

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 01:13:39

    赤髪海賊団滅んだならハチワレはどこに襲来するんだよ…

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています