- 1グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/25(金) 12:36:11
襲来した異星人!
侵略されるエネルギー資源!
存亡の危機に晒されてなお人類は……
未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!
【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(各種ページへのリンクあり)】
ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界あらすじ(とりあえずこれだけ読んでくれたなら最低限大丈夫な筈の簡潔にまとめた世界観)その1:どういう世界なの?
特殊なエネルギー鉱石「コア鉱石」を動力源とする人型歩行兵器「バディフレーム(通称:BF)」が兵器として一般化した高度な機械文明が築かれている、地球に酷似した惑星が舞台だよ!
元々は人類同士で細かい諍いとかはありつつもそれなりに穏やかな世界だったんだけど、本編から20年くらい前に惑星外性生物「インベイド」が隕石に乗って地表に飛来、どうやら上述のエネルギー塊「コア鉱石」がインベイドにとっては食糧として美味しくてたまらないらしくて、人類に敵対行動を取り始めたんだ!
必死に抵抗したんだけど、現在では地表のおよそ3~4割程が完全にインベイドがうようよ闊歩している危険地帯になっちゃって、そこから時々インベイドが攻め寄せて来る油断できない状況なんだよ……。
その2:で、今どうなってるの?
インベイドとの緒戦により人命を多く失いながらも、結果として「クロノス・インダストリー(通称:K.I社)」が世界を主導、地表や地下に「コロニー」と呼ばれるいくつかの居住拠点を制定してそこを中心にインベイドに対抗する様になったんだ!…x.gd - 2グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/25(金) 12:37:26
前スレ
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界【part33】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 3グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/25(金) 12:38:42
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)(※URLのhとttpsの間のスペースを消して検索してください)】
h ttps://x.gd/Z5SAZ
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
- 4グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/25(金) 12:41:25
Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!
Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!
Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!
Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!
Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
A5:へへっ - 5レイナード◆PPyRfvMZl625/07/25(金) 12:41:58
建てお疲れ様です~
- 6ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/25(金) 12:45:30
立て乙 保守
- 7◆ECPjTIh3Iw25/07/25(金) 12:47:09
スレ立てお疲れ様です!
保守しつつ、突撃兵級とか榴弾級が厄介だなぁとなり始めている今日この頃 - 8ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/25(金) 12:53:52
もう少し座す
- 9ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/25(金) 12:56:10
あと少し
- 10グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/25(金) 12:57:47
保守完了
- 11ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/25(金) 12:57:56
では
- 12二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 13:12:16
このレスは削除されています
- 13アリア◆OXAm1h6odk25/07/25(金) 17:35:49
- 14レイナード◆PPyRfvMZl625/07/25(金) 19:11:57
- 15コノハ◆OXAm1h6odk25/07/25(金) 19:30:15
【流刑大陸、鉄閉都市近郊】
「───────────────ザンザン、バラバラ、シュラバババ」
【唄うような調子で、押し寄せるインベイドの群れを漆塗りの刃が一刀両断に切り裂いた】
【意味を為さない音の連なりは酔いの色が混ざっており、艶やかな着物を重ねた鬼童子のような機体が軽く腕を跳ねさせた────────主人を殺して奪ったスレイガン、或る意味では寝取りなのだろうか?】
「わはは!愉快愉快!」
【ぐいっ、とまた新たに安物の葡萄酒を一息に飲み干して、空から不意を打って背後から迫る対空級の影を実体剣によって血塗れた羽根に変える】
【超音速での突撃、脅威的な攻撃ではあるが、事前に予兆を掴めていれば迎撃も可能だ─────最高速度に差があるとしても、近距離戦は数mも機体腕を動かせば充分「斬れる」と】
【魔性めいた反射神経と、其れを反映する機体反応速度の賜物ではあるが、しかし無法者の鬼にとっては行えるのだから仕様がない】
「─────────────いやはや、之もまた酒の肴でござるな!中々に見られる数の屍山血河でござる!」
【チャージキックによって重装兵級の残骸が乱雑に蹴り飛ばされ、爆ぜるプラズマの輝きが軌道上へと乱入した同胞の屍を蒸発させる】
【舞い上がる土煙も爆炎、その中を掻い潜って投射機級に肉薄して、厚刃の刀を振るう】
【────────────────────寸分違わずに命中した刃は接触したその刹那に爆裂し、投射機級の巨体が内側から弾け飛んだ】
【「テスタメント」製の爆断式ブレード、接触した瞬間に爆裂する刃は前に使っていた機体から奪って以来、鬼童子の愛用の品であった】
【もしかしたらオーダーメイド品だったのかもしれないが、聞く前に殺してしまったので仕様がない。有り難く使わせて頂いている】 - 16アリア◆OXAm1h6odk25/07/25(金) 20:21:51
- 17レイナード◆PPyRfvMZl625/07/25(金) 21:53:24
- 18アリア◆OXAm1h6odk25/07/25(金) 22:45:36
- 19コノハ◆OXAm1h6odk25/07/26(土) 00:07:18
【─────────────流刑大陸、鉄閉都市近郊】
【数多の機械巨人が、数多の戦士が、そして数多の異星体が互いに互いを殺し、屍山血河を築き上げる魔境の最中で、鬼童子は嬉々として二刀を振るっている】
【粒子兵器は消費が激しく、実弾兵器も弾薬の限界が存在する。ならば機体出力だけで敵を───この場合の時はインベイドに限らない───を殺戮可能な刀剣類は、コノハにとっては理想の武器だった】
【千の射撃兵級による飽和弾幕を切り裂いた重装兵級の残骸に隠れて耐え凌ぎ、弾幕が止んだ瞬間に前に飛び出してブレードを片手に鏖殺を働く】
【テスタメント-遺言-が作り上げた「純粋」の名を冠するブレードは、ブレードとしての硬度と破壊力を突き詰めた武装であり───────そして雪花童子の手に渡ったことで、半径10メートル以内に死の嵐が吹き荒れることとなった】
「わはは!大量大量、流石は蟲けらの群れでござるなぁ!良くもまァこんなに雑兵の数を揃えたものでござる!」
【とある闇市場の主人の「投資」と称した魔改造によって、異次元の機体反応速度を実現した機体が紙一重で粒子ビームの砲撃を躱し切る】
【地面に潜み尾の先の杭を突き出す蠍、機体の脚部で脳髄を踏み潰す。鋭い爪を備えた四本もの前肢を振るう虎、ブレードの刺突で心臓を貫く。全方位に棘を突き出した球体型のナニカ、バスタードソードで強引に爆殺する】
【狂える神楽舞で敵を振り切り、酩酊しながら的確に致命傷を捻り込む。神経の反射と同一化した殺傷行為は、狂気の思考回路でありながら戦場に於いてある種の有用性を誇っている】
・・
「─────────────────さて、さてさて、終戦でござるか?まっこと良い判断でござるなぁ!拙者は酒狂いゆえ、批評の術も持ち合わせてはおらぬが!」
【ケラケラと笑いながら、今度は温い麦酒を煽った雪花童子を駆る悪鬼が哄笑する。戦線は前進しつつある、包囲殲滅は各員の奮闘によって阻止された】
【────────────────だが、個人の武勇によって戦場を覆し、変革するイレギュラーは未だに健在である】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【余燼を斃さねば戦場をひっくり返される、一部のパイロットの間で無言で形成された合意が、鬼童子を含めた機体を異形の悪魔に向かわせた】 - 20デシレア◆KPwoT407kA25/07/26(土) 01:29:28
『攻勢二出マス。1-01、2-06ハ特異敵性存在ノ全面排除ヲ』
【紫の戦乙女の指示を受け、深桃と浅葱が悪魔へと駆ける。行く手を阻む榴弾級は地上から放たれる無数の光条に相殺される…包囲殲滅の縫い目を潜りつつ2機の変数を最大限効果的に運用できるタイミングを、ソフィーは虎視眈々と狙っていたのだ】
ヴィオラ殿!ヘルムヴィーゲを背負ったままじゃ全速力が出せぬ!単騎での防御及び攻撃、任せきれるでござるか!?
「ノープロブレム、であります」
【ブリュンヒルデ・グラムが単騎で突撃をかける。置いていかれたヘルムヴィーゲから10本のワイヤーニードル、4本のパルステンタクル、2本のシールドワイヤーが四方八方に伸び、手数を削りにかかっていく】
「…これもオマケであります!」
【続けて、広範囲火力対策として現地換装したリフレクタービット6基が飛ぶ。電磁シールドを用いて迫る榴弾級の爆破を消耗させるのと余燼への対処の手間を増やさせる事を目的とした手だ。いざと言う時の為に2基のシールドワイヤーは本体で温存させる】
【ヘルムヴィーゲ並びにブリュンヒルデ・グラム。2機がこの戦線に送り出された理由の1つは、単独での防御性能が試作ワーグナー内でも突出している故だ】
ごぉぉぉ………ざぁぁぁぁぁァ!!!!
【起こるGをまるで考慮に入れていない不規則な機動が、埒外の速さを以てコンテナから無数のミサイルを放つ。照準を不得手とする分狙いは大雑把になるが、敵が広範囲制圧をかけてくるのであれば手数の浪費、そうでなくとも榴弾級の処理にはなるだろう】
【そうしてピースメーカーを囲むように飛び続け、コンテナの残弾が心許なくなったタイミングを見計らってパージ…同時に、機動が直線的なものへと切り替わる】
【重シグドニット鋼と、大規模陽電子リフレクターフィールド…物理と電子を併せ持つ大盾は、時として弾丸となり敵に牙を剥く。ブリュンヒルデ最大の攻撃、“突進”が大型推進機関の推力を以て実行されていく】
【───────そう何度もできる芸当でないからこそ、ヴァルハラテックは待っていたのだ。この好機を、覆される前に】 - 21レイナード◆PPyRfvMZl625/07/26(土) 10:10:30
- 22余燼◆OXAm1h6odk25/07/26(土) 13:11:53
前スレ>>107>>108>>109>>110>>111>>182
(1/3)
『あぁ、────────────────では、このように宣言させて頂きましょうか』
【戦線の押し返しに注力し始めた機体群に微笑みを零して、異星の軍勢全体の統率を確認する】
【地上を薙ぎ払う筈の対地級は英雄の似姿によって打ち倒され、新規に建造された対空級が絶たれる】
【英雄の喝と、続く鼓舞の言葉に奮い立つ合同軍が包囲殲滅を試みるインベイドの軍勢に苛烈な反撃を加え、少なくない犠牲と引き換えに防衛区画の再建に成功する】
【其れらを睥睨しながら、異形の悪魔はケタケタと哄笑した】
・・・・・・・・
『─────────────私が存在する限り、この戦争は終わりません。何度でも殺し、何度でも戮して差し上げましょう』
【切り離されたプラズマ機雷に目を向けずに、悪魔の顎門に灼焔が宿る。余燼が異星の軍勢を統率しているのは間違いないが、然れどもその脅威は何一つとして変わらない】
【まだ殺せるのなら、もっと殺してしまおう。まだ焼ける生命があるなら、もっと焼いてしまおう】
【余燼が高みで笑うのは、彼女が殺戮と虐殺の愉悦を得られるからだ】
【漆黒の装甲の機体が駆動する。統率個体によって建造された、規格外の怪物が】
【その動きを前に、僅かな時間稼ぎをするべく複数の機体が一直線に駆け出した】
- 23余燼◆OXAm1h6odk25/07/26(土) 16:37:24
(2/?)
「──────────コード63G、相互視界共有開始」「突撃援護する」「うぅむ、拙者は殺戮よりも殺し合いの方が好きでござるな!」
・・ ・・
【地上を駆け抜ける三機と、空を切り裂く銀翼一機が一斉に余燼の行動を阻止するべく殺到する】
【特務機体「ヴィーナス」「ウラヌス」に無法者が駆る「雪花童子」が小夜啼鳥の砲撃と一番星のミサイルを好機と見て吶喊する】
【特務機体の出力制限解除モード、神経と接続しての極限の反応速度、全身全霊を解放した猛攻を悠然と悪魔は受け容れた】
『──────────────全員、殺して差し上げましょう』
【特務機体による超音速での突撃と実体剣の斬撃を極超音速の打撃で応じる。既に見せた手札だ。直前に推進器官によって機体を捻って低空から腕関節を狙う粒子ビームサーベルと実体剣での二重の斬撃を引き戻したガントレットで弾き、そのまま特務機体を破砕するべく振り下ろす】
【飛び込むのは鬼童子、砲撃するはもう一種の特務機体と亡国の闘士。差し込まれた硬質ブレードが超重甲殻によって細枝の如く砕かれて、戦車砲に匹敵する口径の機関砲撃が艦砲級の生体榴弾砲によって一撃で薙ぎ払われる】
【数の有利は健在だ。〈ガザル・ドゥーラ〉が成層圏から大口径粒子ビーム砲を投射して、ウラヌスもまた内蔵型のロングビームライフルで多彩な武装を運用する極彩の尾を狙撃する】
【打ち上げられたグレネードは悪魔の頭蓋へと直撃するコース、ヴィーナスと雪花童子もまた機体限界まで駆動出力を上げて相対する。バスタードソードが爆炎を伴って悪魔の顎門に叩き付けられ、リニアキャノンが迅速に目蓋に覆われていない眼球を撃ち抜く軌道で射撃する】
【即興の連携。一つ一つの攻撃が、全く同じタイミングで殺到する。数秒にも満たない合間に完成した絶死の包囲網】
・・・・
【─────────────────足りない】
・・・
『あぁ、───────────────────なんて、愉しい』 - 24余燼◆OXAm1h6odk25/07/26(土) 16:54:00
(3/3)
【上空からの粒子ビーム砲撃はサイファーカルトの教徒が運用するフリクタル装甲の盾機によって吸収され、尾を灼く狙撃はしかし一時的に菌糸を焼いて機能停止に追い込む程度で凌がれる】
【もう片方の尾が掴んだロングビームライフルが空より落ちるグレネードを的確に撃ち抜き、爆裂する刃をほんの僅かに頭蓋骨を歪ませながら耐え凌いで返しの牙で機体の腕を噛み砕く】
【機体では有り得ない、生体組織だからこその角度で傾げた首をリニアキャノンが掠めて、眼前に突き出された重散弾銃を避けようとした特務機体が顎門から這い出したワイヤーブレードに機体脚部を引き寄せられて蜘蛛にも似た鋭い脚が機体胸部を一撃で貫通する】
【デスペラードらしく形勢不利と見た途端にさっさと逃げ出した鬼童子を拳甲が迫撃して、鋼鉄の巨人が打撃の一撃だけで鞠のように何度も地面を跳ねながら遥か彼方へと吹き飛ばされた】
【急降下した銀の翼が変形し、刃にも等しい手脚で盾機を切り裂き破壊するも直後に規格外の重散弾銃によって上半身諸共にパイロットが弾ける。絶大な反動も、異星のフレームを揺らがすには至らない】
【────────────────────灼焔が解き放たれて、進路上で構えていたウラヌス諸共に防衛区画をまた一つ崩壊させた】
【絶大規模の破壊が繰り返される。地は裂け、硝子のクレーターが刻まれ、熱波と爆風が再度多くの兵の命を露と散らす───────〈熱線砲〉は一度限りの切り札ではなく、連射可能な「効果的」破壊兵器である】
・・・
【統率代行者である以前に、余燼は流刑大陸侵攻軍の最大戦力に他ならない。其れは空襲級すら含めた上で、彼女と乗機こそが最も殺戮に長けた異星体であるという意味である】
【プラズマ機雷が到達するよりも疾く、十数秒の間に三人のエースを屠った悪魔は愉しげに笑った】
『──────────────問いましょうか、如何にして勝利を掴む気なのか、を』
【迎撃の為に繰り出した榴弾級とミサイルの爆炎に呑まれながら、悪魔がその異形の体躯を躍動させて迎撃に出る】
【超重甲殻に覆われた片方の複腕がワイヤーを掴みに出て、もう片方の複腕は真正面に突進を見据えて打撃の形に構えた】 - 25グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/26(土) 19:52:39
・・・・・
『(無理がある)』
【神父は歯噛みしながらも、
しかしそう思わざるを得ない】
『(最高レベルの人材が完璧にタッグを組み、
尚且つ素早く処理しなければならないが...
それを的確に潰して来ているのだから、
こちらとしては余りにも、余りにも苦しい)』
『──────ならば、アレか』
【熱を吐いた孔を見据え、微かに睨むそこにもし
ソロヴェイにある"銀の油"を注ぐ事が出来れば
排熱器官を一時的には麻痺させる事に加えて、
一度だけだが体内からの攻撃も可能】
『我々は思い付いた殺し方を実践するのみ、
人間がそうして世界を拡げてきた様に...!』
【無駄かもしれない、罠かもしれない。
だが、五里霧中の闇の中に居続けるより幾許かはマシそれでダメなら次の手を考えてぶつけるだけだ】
『.... Бурятия!』
【悪態を思わず吐き捨て、そして突撃する】
【狙うは一点、ただ一点】
- 26ソラ◆ECPjTIh3Iw25/07/26(土) 21:42:10
「っ――――バケモノ」
眼の前で起きた3機連携を叩き潰した悪魔を前に、ソラは呻くように声を漏らした。
機体の性能? フリクタルに対する相性の悪さ? いいや、それ以上に。
(――――純粋な精神性。それと同じほどに戦闘者としての格が違う!!)
だが、慄きは戦いを諦める理由にはならない。叫びを上げ、前に出るクロノスの機体がいるのだから。
ならば――――こちらが合わせよう。
「第二中隊、今すぐ下がれ……ッ!!」
《了解、スターレター。幸運を》
ソラは声を出し、速度を上げた。一番星は地を滑走するように飛び、周りのインベイドを抑え込むことに専念する僚機達を後ろへと置いていく。
(死番をするしかない。アーエスなら最低でも一発は防げると仮定しても)
その後が続かない。だから己の命で時間を稼ぐ――――活路を味方か、己が戦いながら見出すしかない。
「国落としの悪魔――――挑ませてもらう!」
牽制にビームマシンガン。その後にミサイルを左右2発ずつ。全弾発射の火力で吹き飛ばす、などということはまず不可能だろう。
着弾ないし迎撃の瞬間に合わせて、尾に向けてビームキャノンを噛ませる算段をつける。
ソードブレイカー・グレイは左腕でコックピットを隠す姿勢。相手の返しを、アーエスで防ぐ構えだ。
己にとって接近戦は悪手。その思考を回したまま、しかしソラは前へ出る矛盾を行う。
殺しが好きならば、得意ならば――――向かってくる命を平らげようと動くはず。という予測だった。
- 27アリア◆OXAm1h6odk25/07/27(日) 12:29:36
- 28レイナード◆PPyRfvMZl625/07/27(日) 23:06:15
- 29シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/28(月) 07:39:38
不明機の喉を切りつけて距離を取ったエクセリアは左腕を失いながらも戦闘継続の意志を見せた。しかし、
『フェンサー、撤退を。』
オペレーターがそれを否定した。
「オペレーターさん!僕はまだ!」
『極東奪還の要のひとつである貴方を失いかね無い行為は任務外の行動です、撤退を。』
「しかし!『引け!これは大尉としての命令だ!「…了解...。こちらフェンサー、戦域に参加するクロノス軍へ、我損耗大なり。離脱する。微力しか尽くせなかった事をとても悔しく思っている。申し訳ない。」
イラストリアは左腕を失いながらも敵の数を確実に減らしてから撤退した。その中にはサイファーカルトの不明機に戦場を圧迫していた強襲級も含まれる。 - 30コノハ◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 12:54:19
───────────ギ、ギギ………
・・・・・・
「───────────────いやぁ、負けた負けた!四機での連携もアッサリ返り討ちにされるとは、自信失くしちゃうでござるなぁ!」
【ケラケラと笑いながら、雪花童子と鬼に堕ちた姫は葡萄酒をまた一つ空にした。硬質ブレードと片腕を破壊されて、離脱時の迫撃で機体のフレームにも多大な歪みが生じている】
【コクピットを襲った衝撃で潰れた内臓から適当に血を吐いて、デスペラードは愉快げに笑った】
・・・・・・・
「が、それもまた一興!酒が進むでござる!」
【プチッと潰れて死んだゴエティア戦団の諸行無常さを肴に濁り酒を呑み、危うく死ぬ所だった自身の窮地をも肴に葡萄酒を呷る】
【背後からの殺気、極限の機体反応速度で衛兵級の打撃を紙一重で躱して、返す刃で首を半ばまで断ち切ってから脊髄を爆断した】
【並大抵のバディフレームならばその重厚な装甲と耐久の前に容易に一隊単位で撲殺されるだろうが、酒浸りの鬼は生憎と近接戦闘を得手としていた】
【同じ大型種でも投射機級や対地級に絡まれていたなら死んでいた筈だ。悪運に恵まれて浮世を渡っている節があるデスペラードである】
【クルリ、クルリと刃を手遊び、近寄ってくる小型種を増強した脚部で蹴り殺す。弾ける血潮と耳障りな断末魔を肴にウィスキーを喇叭呑みする】
「さてさて、戦力の逐次投入は確か愚策の類だったのではなかったでござるか?ごえてぃあの者」
・・・
「──────────────我々は所詮、消耗品に過ぎない。敵の手札を晒し、削る為のな」
「わっはっはっ!つまりは拙者は捨て駒に巻き込まれてこうして死にそうになっているのでござるか!うぅむ、それもまた一興!もう一杯!」
【にんまりと笑って、黄泉宮の姫は蒸留酒を片手に戦線を退いた。依頼を請け負った傭兵として、既に最低限の仕事は熟しただろう、と】
【義理の概念すらも消えては浮かぶ酒浸りの中毒者は「これぞ武士道!」と頷きながら、満足気に未だ奮戦する僚機をサラリと見捨てて帰還した】 - 31ニロ◆qZFKl2dobU25/07/28(月) 14:03:18
UNBF。人類自由連盟の軍部が対インベイドの戦力増加とその最低値の底上げを目的として運用を開始した無人機ユニット。BFのコアブロックをこのUNBFユニットに取り替えることでBFを無人機に変えれる。人類自由連盟に籍を置いて活動しているパイロットであれば個人単位での購入も可能である...らしい。
「いや高いよ!」
カタログとにらめっこしていた学生服の乙女はその金額にツッコムしかなかった。
「で、このフロッグは買うのかい?買わないのかい?」
そんな乙女に野暮ったく買うかどうかと催促しているのは、格安で中古のBFを売ってくれている"比較的"マトモなディーラーである。
「おじさんタンマ!もー少し考えさせて!」
カタログを脇に挟んでそのディーラーへ目線を動かした彼女は青春を真っ当に楽しんでいるネイルで飾られた両手を合わせて時間が欲しいと拝むように要求する
「いや、これ以上は待てん。それどころか前回買ったミノタロス(アーヴィングフレームベースの非正規カスタム。ニクスの元機)の未払い分、まだ貰ってないからそれの支払いも含めてだ。」
ギロりとそのディーラーは睨んだ。
「あ、そのお金持ってきてるんだった。ごめんね。えーっと、ニロ・アルテリアは購入したBFの未払い分を全額支払いました。っと。コレでオッケーっしょ?」
学生鞄から非常に似合わない札束をドサドサと机に置いた。
「それを来た時に払えってんだ...ま、まずはキャッシュカウントだ。紙束なんて渡されたら商売にならんからな。」
そういって置かれた札束を数え始めた。パラパラと札束をめくる音だけがしばらく聞こえた。
「…確かに、過不足なし。良くやったよジョーチャン。...しかしこんな金どーやって稼いだんだ?」
短期間で、それもこんな大金...
「おじさん、変な想像したでしょ?BFの為に身体なんか売れないし。ちゃんとBF使った土木作業の報酬だよ。」
ニロは誇らしげに言った。まぁ、それでも残金でUNBFのベースになるBFを買える訳ではないのだが。 - 32余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 16:43:11
(1/3)
【───────────────おや、と異形の悪魔は視界に映る機体にに反応を示した】
【立ち塞がるのは二機の特務機体。マーキュリーとジュピター、先程とは異なるパッケージ】
【「ゴエティア戦団」の真価とは、高度な通信網と再構築され続けるプログラムによる「学習能力」に他ならない───────────インベイド戦争で必然的に発生する犠牲を最大限「利益」にする無機質なシステムの賜物】
【その特務機体もまた、多様な戦局と敵に対応することが出来るように容易に換装が可能なパッケージ式で】
・・・・・・
『あぁ、─────────────────私に効く機体を探していたのですね?』
【解体戦争当時、企業連合が反企業的な国家体制を徹底的に排斥した頃、余燼もまた「第三特務部隊」の一員として企業の下で盛大に虐殺を愉しんだ】
【先程までの「ゴエティア戦団」の機体構成は当時の彼女の機体を前提にしたものだったが、目の前の機体は違う】
【今の余燼への対抗策だ。速度を削り、機体防御力を跳ね上げた、異星から与えられた機体への】
「コード42B。武装を削るぞ」
『折角の恵みですわ、有難く戴いてしまいましょうか』
【─────────対要塞用規格外榴弾砲が照準を変える。突撃しようとする機体群から、今正に目の前に飛び込む機体に向けて】
【弾けるは轟音と爆炎。最新式の要塞の城壁すらも一撃で突破可能な、バディフレームに直撃させれば機体諸共にパイロットを消し飛ばす生体構造体が空で炸裂する】
【防空機体である「マーキュリー」が誇る高弾速型ロングビームライフルによる迎撃戦術。高速飛翔物への的確な速射が実現する防空網】
・・・・
【──────────────その上で、爆ぜた破片と爆風は吶喊を行った「ジュピター」を一撃で半壊に追い詰めた】
【構えたタワーシールドが機体右腕諸共に正面から消し飛ばされ、砕けた腕から覗く工業技術の結晶が火花を散らす】
【距離を取り、火炎放射器によって破片を熔かしていた「マーキュリー」ですらも、爆風によって装甲が焼け焦げ剥がれ落ちていた】 - 33余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 17:12:24
(2/3)
【───────────────悪魔の戦団は、止まらない】
【機体が半壊しながら、この一撃さえ届けば良いと機体を駆動させて突撃する。出力制限が解除されたアサルトブーストが鮮血の軌跡を空に刻みながら前に進む】
【対多重装甲パイルバンカー「カリスト」】
【単純な破壊力の面でも、或いはコクピットに叩き込む衝撃の面でも必殺を誇る近接武装を異形の悪魔の顔面に叩き込もうとして、】
『─────────────失礼、胴体が空いておりましたので、つい』
【人類逸脱の反応速度、才能に優れたパイロットが何十年も戦場を渡り歩いて、その上で異星体の祝福(きせい)を得ることで実現した神経の閃き】
【脳神経と直接に連結された理外の機体は、滑らかな動きで必殺の刺突を軽く首を傾げるのみで躱してから、重散弾銃をコクピットに捩じ込み、無残な屍の姿を愉しんだ】
【────────────────銃声と轟音。「マーキュリー」による火炎放射に隠れて、密かに移動していたヴォルト社の「派遣軍」の一斉掃射】
【第三世代BF「Tempest」による55口径155mm榴弾砲の先鋒を特務機体を貫通した重散弾銃が叩き潰して、尚も突き進む徹甲弾が異形の悪魔の面貌に殺到する】
・・・・・
『自己犠牲を前提とした奇襲攻撃、健気なものですね?』
【火炎放射と機体の影、二つの遮蔽に隠れての一斉掃射は確かに優れた戦術であったのかもしれない。七発もの対インベイド甲殻貫通弾を正面から受けた余燼の牙は砕き折られて、下顎は半ばまで消し飛ばされている】
【だが、未だその生命には届かない損傷である】
・・・・・・・
『屍体は返して差し上げましょう!仲間と一緒なら多少は気分も爽やかに逝けるでしょう?』
【哄笑を上げながら、異形の悪魔は八つの脚の内の四つを使って全力で「ジュピター」の残骸を眼下に蹴り飛ばした──────────回避運動。精鋭にとして当然の技量で躱される】
【残骸の影に隠れて、意趣返しのように鹵獲されたミュール製プラズマ武装が、一機の装甲を無視して中のパイロットを死へと至らしめる】 - 34余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 17:38:06
(3/3)
・・
【─────────其れすらも陽動である。人の形を捨て、人の道を逸れた機体が尋常の機体である筈もなく、極彩色の尾と同時に規格外榴弾砲が装填される】
【多数の腕、人体に有り得ざる部位、そして生物であるが故の運動性───────「人外」の要素を最大限に満喫する無法の徒は、唄うように引き金を引いた】
【防空機体である「マーキュリー」が存在する以上は、一撃で一網打尽にするのは不可能だと理解している】
【だからこそ、プラズマライフルのチャージ砲撃を同時に繰り出して「マーキュリー」を殺傷しようとする算段であった】
【プラズマの奔流は装甲を過剰伝導する一種の貫通攻撃であり、そして火炎放射によって熔かせる実弾の類いでもない】
【ミュール・コーポレーションが築き上げた対人戦での強さを偏執的なまでに求めた武装なら、余燼の技量と併せて手数で圧殺できるだろう────と】
───────────────…………ッ!!!
・・・・・・・・・・・
【僅かに意識を傾けた一瞬に、規格外榴弾砲を撃ち抜く雷霆が駆け抜ける】
【高圧縮された粒子ビームは画一化されたクロノスの武装には相応しくなく、しかしながらも極限まで高められた静音性と弾速はクロノスの仕業だろうと確信させる】
・・
【否、静かで速いだけなら余燼は躱せる。死角への警戒は欠かしていないからだ】
【だからこそ、狙撃の距離で的確に敵の心理を読み尽くすだけの技量が狙撃手には求められる】
・・
『あらあら、天眼まで派遣されたのですか?最後に噂を聞いた時はまだ旧西方列強連合だった気がするのですが』
【砲身を撃ち抜かれて、砲撃機能を殺された榴弾砲を投げ捨てて余燼は苦笑した。予想はしていたが、思っていた以上に戦力を割り当てられている。面倒な連中との交戦は避けて虐殺(しゅみ)に走りたいものだが、目の前の連中を殺し尽くさなければ無理だろう】
【逃走経路を確認しながら、異形の悪魔は迫る敵機を前に変貌した人体構造で笑い声を上げた】 - 35グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/28(月) 18:23:34
『─────ッ!有難い!』
白磁と黒鉄の交わった機体は、攻撃を掻い潜り
持っていた旧式火薬ライフルと黒い刃を手持ち
・・・・・ ・・・・
ガキィィン...ガジャッ、と金属音を立て
合体させると、死神の如き大鎌へ変貌し
『ここに、これを纏わせれば...!』
黒い刃は白銀へと変わると、まるでその刃は
冬の三日月のように戦火の宙に煌めいていて
狙いは、こじ開けられた"顎門"だけである。
『逃げ道が、あると思うなこの悪魔ッ!!!』
顎門へ銀の刃型を突き刺すとそのまま金属が
体内に侵入し、充分に浸潤した後で機体は
猛スピードで突き刺さった刃を引き抜いていき...
『貴様はここにッ.....灰燼に帰せ!!!』
熱を放出する器官全体に拡がった液体金属が、
肉と神経、一部の骨に根付いたまま引き抜かれ
胸の組織を引き千切るようにして抉り取られる
- 36ヴィオラ◆KPwoT407kA25/07/28(月) 18:39:47
こうするつもりであります
【スラッシュワイヤーが退く。縦横無尽に張り巡らされていたそれを追いすがろうとすれば逆に敵が自分で自分を絡め取る形になるように…ヴィオラの空間認識能力を活かした一手だ】
【並行して、ヘルムヴィーゲ本体近くに座していた4基のパルステンタクルから電磁砲が放たれる。粒子ビームの熱で焼きりにくい敵ならばワイヤーの直接打撃よりもこちらの方が効果的だと判断した】
【対してブリュンヒルデ・グラムは尚も凄まじい速度で突貫せんとしていた。打撃機構とその大まかな構造に関してはシュヴェルトライテの観測でその傾向を認識していた為、その脅威を軽んじている訳ではない】
・・・・・・・・
【だからこそ、正面衝突は避ける。速度を維持しながらドリフトさながらに深桃の塊が右に滑る】
「忍法、螺旋突貫の術にござる!」
ただドリルみたくぐるぐる回って軌道修正しただけであります…
【複腕の側面に、右に滑る機体を…地面から垂直方向での左回転でぶつけていく。回転する機体に連動して、陽電子のフィールドはさながらドリルのように畝り異形の武器を毟り取らんとする】
【そして、2機の変数を無事戦場に送り届けた拡散結晶弾頭部隊が次なる行動目的を見据えて拡散ビームを余燼目掛けて放っていく】
(“元第三”のうちの1人、余燼…彼女の嗜好はただただ数の殺戮。であれば……)
【ネームドの戦力が集中している今の状況を是とはしていないだろう。直接相対してそのプレッシャーを受けた最前線からすれば、そこまでの考えは及ぶまいだろう手札が、思考に座しはじめた筈だ】
・・・・・・
(逃走の可能性)
【また今回のような奇襲で戦線を崩され続ければ人類とインベイド間での戦争そのものに影響が及ぶ、ここで彼女を確実に始末するのは必須事項だ】
【放たれた拡散ビームは支援だけでなく、その退路を封鎖する目的もあった】
- 37ソラ◆ECPjTIh3Iw25/07/28(月) 18:53:25
「いま」
ソードブレイカーは跳躍し、クロノス機の大釜による攻撃を援護せんと動く。使い渋っていたミサイル、その残り15発を決して誤爆せぬようにしつつ放ちながら、更に距離を詰める。
ブリュンヒルデ・グラムの突進に合わせ反対側から……ミサイルの軌道を不規則化させ……回避先を潰す。
「貴方は、倒す!!」
ビームマシンガンを数発、その後モードチェンジでサーベルモードに切り替えて。電磁砲を拡散ビームが襲いかかった後。その影から斬りかかる。
狙いは頭部と、腕。突撃用のメインブースターが炎を吐き出しながら、背部のウイングブースターは激しく可動。常に回避や防御のタイミングに動くように備えていた。
- 38余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 20:22:18
(1/3)
『あら──────────────────あらあら、こんなに近くにお越し頂きありがとうございますわ』
【来客を、或いは並べられた晩餐を歓迎するような響きで余燼は燃え盛る殺意に、或いは冷徹なる殺意に、真正面から笑って応えた】
【牽制のビームマシンガンを、超重甲殻に覆われた腕で振り払うようにして受け止める。同一箇所への命中を防ぎ、阻止する行動は「完全無敵の装甲」が存在しないことを告げていた】
【───────────ミサイルの直撃。不規則化された軌道を前に、回避運動を行わずに攻撃を真正面から受け止める】
【衝撃と爆炎が機体を包み込み、然れども超重甲殻の表面装甲がパラパラと剥がれ落ちるのみで終わる─────その絶大な質量が故に、吹き飛ばされもせずに悪魔は一番星を待ち受けている】
『敵の攻撃にも耐えられない重装甲に、意味はないでしょう?』
【差し向けるは規格外重散弾銃、短射程と引き換えに攻撃範囲と攻撃速度、何よりも近距離での破壊力を追求した武装】
【機動力確保の為に装甲を省いた軽量高速機を迅速に仕留める為の武装─────────その威容とミサイルの爆炎の影で、蠢くのは悪魔の細い舌先】
【ヴィクター・ロッド曰くの、「不可視の斬撃」がシールドを構える腕の関節を巻き取ろうと鋭角的な機動で迫る】
【避けようとする瞬間、或いは防ごうとした瞬間に致命的な隙を作り出す為───その対象が重散弾銃であるか、ワイヤーブレードであるかは問わない】
・・・・・
【そして、余燼が駆る『ピースメーカー』は無数の手数を保有する機体である。其れは直喩でもあり、比喩でもある】
【人を捨てたが故の並列情報処理能力と知覚能力を励起させて、悪魔はケラケラと笑いながら迫る猛攻に反射的に対応を開始した】
『ようこそ、私の間合いの内側へ』
- 39余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 20:57:35
(2/3)
【パルステンタクルより放たれる電磁砲と拡散粒子ビームが超重甲殻を灼き、然れども通常の機体の様に貫通するには至らない】
【過剰な電圧、致命的な熱量、しかしながら、前提として余燼が駆る機体は〈熱線砲〉の余波に耐えるだけの耐熱性を誇る機体である】
【縦横無尽に張り巡らされたスラッシュワイヤーにも、継続した照射で装甲が脆くなるのにも構わずに余燼が動く──────機体の限界は、余燼が理解している。理性は目前の敵を先に殺戮した方が良いと判断した】
『─────────えぇ、差し上げますわ。それでは、対価の支払いをお願いしますね?』
【浸潤するまで、わざわざ棒立ちで余燼が仕込みの終わりまで待ってやる義理もない。顎門に突き刺された時点で、極超音速の打撃が大気を軋ませて機体を破壊するべく突き進む】
【───────────〈熱線砲〉が奪われるのを、余燼は許容した。戦局をリセットする手段とて重要ではあるが、排出器官であって造熱器官でないのならば後からの再生も可能だ】
【余燼は既に撤退が可能になる分だけ殺し尽くしたら、後は戦場を去る心算であった。戦士の誇りも、強敵との戦いも、彼女にとっては虐殺の愉悦以下の価値しか持たない】
─────────ギ、ギギギギギィィィィ!
・・・・・・・・
【迫る魔剣の名を冠する機体に、余燼も正面衝突を避ける。端的に言ってしまえば、流れに身を任せて装甲で受け止めずに損傷を抑える】
【外殻に突き立てられるは、純シグドニット合金をも凌駕する硬度と質量を誇る六本の爪。怪物的膂力で強引に陽電子フィールドを突破して、楔の如くに固定しようとする動き】
【絶大な質量同士が衝突する轟音怪音が鳴り響き、回転する魔剣の機体に引っ張られて、異形の悪魔もまた高速で回転する】
『ふふっ、────────────────生身でこのような機動が実現可能とは、俄かに信じ難いですわね?余程の才能なのか、若しくは生身でないのか、或いはその両方なのかしら?』
【絶大な運動エネルギーをそのまま同じく運動エネルギーに転換しながら、余燼が首を傾げる。寄生級によって脳機能を徹底的に変貌させた彼女でさえも負荷となる機動を、如何に実現しているのか、と】 - 40余燼◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 21:09:26
(3/3)
【───────────────然れども、余燼の行動に違いはない。殺戮に染まった破綻者が新たに用意するはやはり殺戮の為の器具】
【対多重装甲パイルバンカー「カリスト」】
・・・
【余燼が殺したゴエティア戦団の残骸から引っ張り上げた近距離武装を極彩色の菌糸類を秘める棘尾で掴み取り、装備して魔剣へと突き立てようとする】
【一撃必殺は不可能だろう。機体の頑健さ、陽電子フィールドの防御、操縦者の身体能力────だが近接武装とは繰り返し使えるものである】
【─────────────────刻一刻と時が過ぎ去る中で、余燼は空を仰いだ】
『さぁ、もう少しだけ踊り続けましょうか?』
・・・・・・
【プラズマ機雷が、空より墜つる】
【地上を覆い、天地の境に展開する異星の軍勢は今も余燼の統率下に位置している】
・・・・・・・・・・・
【────────周辺の機体を巻き込んで余燼を硬直させたとしても、その攻撃範囲に展開する異星の軍勢のサポートで離脱可能だ】 - 41アリア◆OXAm1h6odk25/07/28(月) 23:31:10
- 42レイナード◆PPyRfvMZl625/07/29(火) 09:12:34
- 43東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/07/29(火) 10:27:11
『....はっ』
幾度目かの睡魔との戦いになんとか勝利すると、
血反吐を吐く様な日々を幾星霜積み重ねて結晶した
塗装も何もされていない、煌めく外装甲と基盤が
微かに見え隠れする未知の機体のメインシステムへと
全箇所の稼働を、ようやっと命ずるのだった
『──────手間ァ掛けさせよってからに』
脚元から順に、加速装置やその他の機関が潤動し
腰、背中、腕、手、肩、頭....全てが理路整然として
ドミノ倒しのように流麗に、淡々と動き続ける。
装備及び各機関の駆動テストは上々のようだ
『お早うさん。漸くお目覚めか?』
形になった、未だ名の無いワンオフ機を見遣る
いつか友人の棺桶になるかもしれない機体を、
せめてもう少しだけ脳裏に焼き付けておく為に - 44龍影◆9BZ6kXGcio25/07/29(火) 11:16:39
神経接続のデータ取りを終わらせた龍影は訓練ピットから出た後、機体から義体に頭を慣らす為に散歩をした。フラフラと歩き回り、建造ドッグに入るとまだ塗装がされていないターコイズグリーンの地鉄を晒す装甲に包まれた新たな相棒がフェイスアーマーを閉じて佇んでいた。
「お疲れ様、うてなちゃん。」
開発責任者の1人として日夜奔走していた友人が誇らしげに眺めていたので、それを労った。
昔に映像記録として見た濃縮点火式動力炉搭載機は胴体にある炉心が暗い紫色に光ると背中にある円錐形の推進機から赤黒い粒子を吐き出してすぐさま大気汚染のアラートが鳴った。だがコイツはそういった欠陥を排除するように台が色々と改良していたらしい。
「綺麗な五月雨色(ターコイズグリーンの言い換え)ね...この子の色は望月と同じになるんだっけ?綺麗な装甲色を塗りつぶすから少し勿体ないけど、耐加粒子塗装(ナノラミネート加工)の為よね。」
地鉄の色が見えなくなる事に少し残念そうな素振りをみせるが、機体を眺める時は子供の様に目をキラキラと輝かせていた。
「うてなちゃん、この子の主機点火やっていい?」
相棒に早く乗りたいとワクワクしているようだった。
- 45東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/07/29(火) 11:24:11
- 46龍影◆9BZ6kXGcio25/07/29(火) 12:59:10
「ありがと!」
足どり軽く、新型のコックピットに乗り込む。内部は廉月と違ってモニターは無く、耐G座席となっていて、分厚い装甲に覆われている。曰く、『濃縮された粒子は遮蔽しないと重粒子中毒よりも悲惨な事になるから、確実に遮蔽したい。』との事でこうなってるらしい。
「コンバート。」
背中の接続端子にケーブルを繋ぎ、外部補機で機体のメインシステムを立ち上げる。フェイスカバーがX字に開き、クアッドアイがレール上を動いて基本位置に着く。
龍影の視界はそのカメラで捉えた映像と同期している。視線の動きに合わせてタイムラグ無しにレールの上をカメラが移動して滑らかに映像を映す。首を動かす等の動作はまだ機体の主機が動いていない為に反応は無い。
台からは『乗り込むだけ』と釘を刺されたのでそんな確認の為に主機点火はしない。
神経接続に関しては馬鹿みたいな回数のデータ取りとそれを反映した調整により、望月の時よりもノイズが少なく、快適だった。
中々座り心地もいい座席に背中を預けてくつろごうとしていた時に台が、
『....極東、もし奪還出来たらリンはどうする?』
ついこの前、極東半島をクロノスが奪還したと報道していた。その時の演説で列島の完全奪還も掲げていた。だからか、そんな話題を振ってきた。
「奪還ねぇ...しても馬鹿みたいに粒子汚染された土地しか帰ってこないのよ?桜空が帰って来る訳じゃないしさ。それに人自連の領土に都合よく桜空跡地が追加!ってなるとは思わないし。」
機体の電源を落とす作業は神経接続のおかげでマニュアルで触るスイッチの数が減る分、楽になっている。
視界同期が切れたのを確認してからケーブルを取り外してコックピットから出る。
「でも、奪還出来たからってBFを降りるつもりは無いわよ。まだインベイドは残ってるし。」
自分の立っているキャットウォークから下にいる台へ語りかけた。
- 47合同軍◆OXAm1h6odk25/07/29(火) 13:07:52
『──────────全砲門、一斉掃射。戦線を制圧しろ』
【冷やかな号令に従い、無数の攻城砲が鼓膜を劈く轟音を響かせて砲弾の嵐を前線に叩き込む】
【複合盾75口径155mm榴弾砲。大型種であっても有効打に成り得るだけの大火力と高い連射性を両立させた武装は、ヴォルト社「派遣軍」の代名詞でもある】
【次々と殺到する鋼の津波が小型種と中型種の群れを圧殺して、爆殺して、そして屍すらも砲火で消し飛ばす】
【同胞の屍を盾にして迫る異星体に容赦なく重機関銃の洗礼を浴びせる鋼鉄の鬼は、常に最前線との間に一定の距離を保っていた】
・・・・・・・・・・・
(──────────────最前線で血を流すのも、命を懸けるのも、我々であってはならない)
【ヴォルト・テラロード惑星交通社は、企業間抗争に熱烈に意欲を燃やす企業である】
【権力も、軍事力も、資本規模も、企業の評判すらもより高みを望み続ける俗物。人類自由連盟という「多頭の獣」の一角を占める大企業】
【彼らが「派遣軍」によってインベイド戦争に貢献するのは軍事力を誇示する為であり、他社とのコネを作る為であり、そして企業の評判を少しでも高く向上させる為である】
【必然、自社直属戦力に犠牲が生じる可能性を許容しておらず、その機体もパイロットの生存性を優先した重装機体だ】
・・・・
【その上で、対インベイド戦争で戦果を叩き出せるという事実が「大企業」の───────つまりは国家の境界すら超えて、戦前から大きな経済的影響力を保有していた巨大産業体の実力を示していた】
『対地級、対空級を確認した。我々の機体では相性が悪い、廉月とクロノスの部隊に支援を要求しろ』
【そして、既に巨大な勢力を有しているからこそ、ヴォルト社は損害を受けるくらいなら手柄を譲ろうと思えるだけの「余裕」が在った】 - 48東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/07/29(火) 13:43:17
「でも、奪還出来たからってBFを降りるつもりは無いわよ。まだインベイドは残ってるし。」
『....そうやな。それでこそリンやったわ
ウチも、遂にボケてきたんかな?ふふっ...』
"良かった、燃え尽きる事は無いのだ..."と安堵し
その一刹那の後にその思考を嫌悪する。そもそも、
彼女はある程度立ち直っている事を忘れていた
彼女には、ケイや逆巻という翼があるのだから。
『やけど、故郷の土ィ踏めんのは嬉しいからなァ
....頑張ろな、お互い』
微かに頬を歪ませて、台は笑った
- 49合同軍◆OXAm1h6odk25/07/29(火) 20:22:39
【─────────爆炎の緋色と、砕けた鋼鉄の黒色。焼け焦げた人体の異臭が漂い、無造作に積み上げられた巨人の亡骸が鉄屑に変わる】
【悠然と天空を飛翔するのは単眼の巨人。対地級と命名された諸都市の悪夢】
【戦術的撤退を敢行した「派遣軍」の動きによって戦場に取り残された機体は豪雨の如く降り注ぐ銃弾の嵐に潰えて、抵抗しようとする動きも迅速に刈り取られた】
「──────────────新しい仲間を引き連れて、ノコノコとリベンジマッチですかぁ?余程無様に地を這いたいようですねぇ?」
────────ギャハハハハ!!!!!
【その甘い声に嘲笑と敵意を滲ませながら、一機の「廉月」が戦場に到着した】
【その瞬間、戦場の空が蒼色の閃光によって幾重にも切り裂かれる。無反動から迫る通常高速弾頭に、高速速射砲の対インベイド甲殻貫通弾が「線」の形で出力された対地級の粒子ビームによって薙ぎ払われていた】
【単眼を象った大口径粒子ビーム砲、一撃で機体を焼却する大火力が駆け抜けるのを鋭いターンで距離を詰めながら躱して、直後に上空から急降下しての対空級の爪を避ける】
「距離を詰めるとでも思いましたか!?生憎と肉薄しなくても負けるとは思えなくってねぇ!?」
・・・・・・・・・・・
【相手が得意な距離で釣る、近距離から遠距離まで幅広く対応したエース機である「廉月」も、しかし一機では一つの間合いでしか戦えない】
【だからこそ相手が得意な距離で釣り、そして相手が苦手な距離で叩くのが彼女のセオリーだ────相手のペースを乱す為に意図的に煽りを、若しくは嘲笑を繰り出すので負けた場合は酷い目に遭うこと間違いなしだが】
【兎も角、意図的に単騎で突出したお陰で、一定の速度で航空していた対地級と対空級の注意を一点に引き留めるのは成功した】
【問題は、対地級による火力支援を存分に運用して撃墜を試みる対空級の存在である】
「チィッ!!!同じ技ばっかり繰り出すとか頭類人猿ですの!?!?少しは学習して、カラス以下の脳細胞を働かせなさい!」
【全力で後退を続けながらも、鋭角的なジグザグの機動で迫る対空級の爪を紙一重で躱し切る。無反動砲による必殺、直後に薙ぎ払われた極細のビームが徹甲弾を切り裂いて空中で炸裂させられた】 - 50合同軍◆OXAm1h6odk25/07/29(火) 20:49:21
【銃弾の嵐の間合いに入らないように細心の注意を払いながら、対空級の存在が引き撃ち一辺倒の処理を許してくれない。的確に退路を塞ぎ、リソースを削る隙に対空級よりも些か足が遅い対地級が動く】
【超音速で機動し続ける対空級は、その名に反して対地攻撃力の面でも優れた性能を誇っている。凡百なスナイパーでは先ず当たらないだけの機動力と、高精度の視認器官による「予防迎撃」はスナイパーが撃つよりも疾く彼らを仕留めに動ける】
・・・・・・・・
「─────────やっぱり、ペースが乱れないですわねコイツら(インベイド)!煽りが通じない敵は苦手ですわ!こンの単細胞生物ッ!!!!」
【口汚く罵りながらも、機動は澱みない】
【駆け抜ける蒼色の閃光、長時間の連続照射による面制圧を粒子ビームと粒子ビームとの隙間に機体を潜り込ませて熱での損耗だけに抑える】
【計算された隙だ。殺到する銃弾の嵐をシールドで斜め上に逸らして、背後から抉り取ろうとする対空級に電磁弾体加速砲を構えて──────】
・・・・・
「そう来ると思ってましたわよ、間抜けッ!」
【放った銃弾の暴嵐がシールドで防がれることすら織り込んで、シールドを構えたことで生まれた死角から解き放たれる対地級の大口径粒子ビーム砲を寸でで緊急回避する】
・・・・・・・・・・
【どうやってか?電磁弾体加速砲の反動によって、である】
【延長砲身を意図的に展開せず、短砲身を維持することで攻撃手段且つ緊急回避として運用する手法で迫撃の対空級の爪を避ける】
【敵は油断も慢心もしない、合理性の権化である。そのまま対空級の鋭爪が滑るよう振り抜かれて、盾の外縁に展開された電磁カッターで鍔迫り合いへと持ち込む】
【冷酷な殺意。間を置かずに再び対地級の銃弾の嵐が迫る中で、同じタイミングでもう片方の爪が振るわれる──────それを見て、やはり嘲笑を美貌に浮かべて口走る】
・・・・・
「読んでいたと仰ったのが聞こえなかったので!?可哀想に、どうやら真っ当な言語理解力は与えられなかったようですわねぇ!」
【「今こそ緊急時」とばかりに取り出されたビームサーベルが逆手の刺突で対空級の胸を突き貫いて、空に浮かぶ「廉月」が対空級を蹴り飛ばした】 - 51合同軍◆OXAm1h6odk25/07/29(火) 21:06:28
【護衛戦闘機とも言える対空級を喪失した対地級が新たな供回りを補充するべく撤退を開始するのを、全速力の加速で追随する】
【展開されるは二本のビームサーベルと、延長砲身を構えた電磁弾体加速砲───────その脅威に反応し、対地級が振り返りながら機関砲を乱射する裏で粒子ビール射出孔を励起して】
・・・・・・・
「─────────後は任せましたわよ!」
【相手が得意な距離で釣る、という戦術に変わりはない】
【軽量高速機を攻撃の範囲と密度で制圧する動きは彼女にとっても生命を賭けたくはない修羅場だからこそ、より「効率的」な勝ち方を選ぶ】
─────────ジィィィィッッッ!!!!!
【迎撃の為に、航空速度を緩めた対地級が間一髪で地表から放たれた一条の閃光を避けた】
【クロノス軍のローン・ソルジャー。ロングビームライフルを基本装備とするスナイパーが、大型種の機転を前に一撃を外して】
───────ジィィッッ!!
───────ジィィッッ!!
───────ジィィッッ!!
─────────ジィィィィッッッ!!!!!!
【四方位から殺到した粒子ビームが、今度こそ回避を許さず対地級を爆殺した】
【粒子ビームで粒子ビームを弾く絶技なぞ、一介の大型種には搭載されていない】
【必然的に、粒子ビームの雨を対地級が耐え凌ぐ術はハナッから存在していなかった】
・・・
【それに、仮に避けられたしても、今度は十六条の閃光が殺到するだけである】
【長射程と相互通信システムの恩恵で、クロノス軍は一つの生命の如く戦場全体を歩調を合わせて互いに支援することが可能であった】
・・・・・・・・
【画一化され、統率された集団としての強さ。凡百な兵士を大敵を抹殺する為の歯車に昇華させるシステムが、クロノスには存在している】 - 52アリア◆OXAm1h6odk25/07/29(火) 21:29:16
- 53シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/30(水) 08:45:55
『収容急げ!『左腕スペア持ってこい!『ニューラルシナプスが焼ききれてる...コイツも交換だ!』
膝を着くように待機していた輸送艦の甲板に着艦したエクセリアに専属の整備班が集まり、パイロットを引きずり出しながら矢継ぎ早に指示を飛ばす。
「申し訳ございません!」
シンカイが大声で謝罪した。
その言葉にキョトンとした後、整備班の面々の笑い声が響く。
『生きてきたのに謝るなよ!命あってのパイロットだ!胸を張れ!』
バシンバシンと背中を叩かれたシンカイはボロボロと涙を流す。
『おいおい、泣いちまうのか?…良くやったよ、本当に。』
- 54レイナード◆PPyRfvMZl625/07/30(水) 09:54:03
- 55グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/30(水) 11:39:24
『(─────今、この時が好機だ....!)』
『クロノス・人自連両軍に、"一斉攻撃"を求む!』
『("余燼"は現状プラズマ機雷を回避出来ないが、
しかし配下のインベイドのサポートによって自身を
救援させる事で闘争、撤退の為の手を打っている。
>>47>>49>>50>>51....彼らの、そして両軍による
一斉攻撃によって、その道を潰せたのなら...ッ!)』
【破壊された顎門から飛び上がり、残弾を全て解放
魔剣に鍔迫り合おうとする尻尾へと有りったけの
火力をブチ込みその動作を制限せんとし...そして】
【両軍による鉄の暴風が地表・天空の侵略の軍勢へ
死した英霊たちの怨嗟を表すように灼き尽くす】
『........ありがとう』
【大尉は再び、使い果たした弾の反動を用いて
最後のトドメを指す時までその場から脱した】
- 56アリア◆OXAm1h6odk25/07/30(水) 16:43:05
- 57デシレア◆KPwoT407kA25/07/30(水) 17:05:05
【異形の爪が迫る。機体重量差が生み出す出力の差を以てすれば突破は可能だろう。それが粒子兵器であったとしたら目も当てられない。そもそも突進攻撃を温存する羽目になっていただろう】
【だが質量攻撃ならば、ほんのしばしの“拮抗”が生まれる】
忍法空蝉の術…外装部分排除!
【ブリュンヒルデ・グラムから外装下部が分離し、遠心力の内側から生ずる反発によって2つともピースメーカーの懐から離脱し、『カリスト』は空を切る】
───────機雷到着までの時間稼ぎ。ソフィー殿、確りと遂行させて頂いたでござる
【総合推力は低下するが、裏を返せばそれは“規格外の速度を長時間発揮するために固定していた機体本体の四肢”を拘束する必要が無くなるという事でもある。優れた推力と防御性能を維持したままの深桃が機雷源発生前に範囲外へと駆ける】
ヴィオラ殿!残り物、其方に預けるでござる
「ふぃーっしゅ」
【深桃の機影にワイヤーを絡ませる機体が一つ。ヘルムヴィーゲだ】
【端末兵器であれば本体をEMPの非有効範囲外に置きつつ起爆の瞬間まで攻撃を継続可能だ。推進力の尽きかけたリフレクターオービット6基を質量爆弾として余塵にぶつけつつ、手持ち武器として備えていた2基の槍型端末兵器『ブーストピアースオービット』と…もう一つ、“ブリュンヒルデからフィールド発生器ごと切り離された外殻の塊”が陽電子を纏い舞い踊る。ユニットの一部に操作用コンピュータを急遽詰め込んだ突貫工事だが、ヘルムヴィーゲと同伴する本作戦においては遜色なく運用できるという訳だ】
【ブリュンヒルデは未だ、起爆後からピースメーカー硬直時間継続中の間に、機雷源範囲外から一気に肉薄し得る程の推力を保持している。あとは抑え込めるまで抑え込むだけ───────】
- 58ソラ◆ECPjTIh3Iw25/07/30(水) 19:56:30
「――――!!!」
(二段、いや回避後も含めた三段構え!!)
ならば。とソラは接近を止め、静止。から後退へと動く。――――動こうとして。
「っ!!」
爆炎の煙、その反射でちらりと光るものを見た。
(あれが不可視斬撃の正体!!)
それがソードブレイカーにとって致死の毒であることを承知の上で、ソラは敢えて賭けに出ることを選択した。
射程の内と外をギリギリまで揺蕩うように動くことができれば……この国崩しの手数は塞げるかもしれない、と。
「無敵の装甲が、お前にないことは分かった」
背中からビームキャノンを可動させ、ビームマシンガンをサーベルモードに変更し、見せつけて。
機体をふわりと斜め上へと……余燼から見て斜め後ろへと動くような機動を予測させるようにソードブレイカーが動く。
それが数秒後に裏切られる。ワイヤーブレードの巻取りを避けるべく、弾けるように右に機体を飛ばした。空力の影響を使うように、四肢と装甲も含めたカウルを使って捻るように機体を回す。
高い運動性と速度は、およそ最新に近い機体システムで以てもソラの身体をGで苛み。
「付き、あえ」
(相手に捕まらなければ、私なら機雷から逃げ切れる!)
紡げた言葉は短く。しかし戦意は十分。
数秒か、数十秒か、数分か。ソードブレイカーは死線の上での時間稼ぎを敢行すべく、ビームキャノンを絶妙な間合いで放った。
- 59レイナード◆PPyRfvMZl625/07/30(水) 21:22:27
- 60余燼◆OXAm1h6odk25/07/30(水) 21:49:42
(1/2)
『悲鳴が私に力を与え、喜びを授ける(Grief Enrich Nestle)』
【─────────────小夜啼鳥の全弾投射が軌道を変えた極超音速の打撃によって尽くが叩き落とされる】
【超重甲殻に覆われた腕(かいな)は異常硬度の盾としての運用にも十分に耐える武装だ。弾ける火花の影で余燼が判断する】
【異星の軍勢による救援が不可能となった。ならば戦術を変更した方が良いだろう。用意していた手は一つではないのだから】
『策謀により敵を打破するなら想像するべきは欺瞞の胎動と覚醒である(Outwit Crush Ideate Deception Eruption)』
・・・・
【鋭い六本の爪を突き立て、最初の突撃と回転とで削られつつあった複節で外殻ユニットを振り回す】
【逸脱した機体出力。絶大な熱量を叩き出し続ける半永久造熱機関『赤熱炉心』の賜物、後退しながらも莫大量のベクトルを加えられた魔剣が音速で振り抜かれて、リフレクターオービットを叩き潰した】
【舞い踊る槍型端末兵器の突撃を身動ぎのみの最小の動きで初撃を躱す。何度も通用するものではないだろうが、しかし多少の時間稼ぎにはなる】
───────ギャハハハハ!!!!!!
【ビームキャノンが胸部に迫るのを用済みになったパイルバンカー「カリスト」を投げ捨てた尾と引き換えに防ぎ止め、射程の境を揺蕩う一番星に対して重ショットガンを投擲する】
【────────────怪物的膂力によって、音速を超える速度で突き進む武装は一瞬で間合いを詰めてから一切の入力を経ずに砲火を吐いた】
・・・・・
【武装に至るまで、全てインベイド製の武装であるのだ。知能化武器(スマートウェポン)は自律飛翔なぞ不可能だが、統率権限によって遠距離からでも起動が可能である】
【つまりは、もし投げたとしても最適のタイミングで発弾が可能という事実に他ならない。一撃で機体を消し飛ばす火力を投射しながら悪魔の舌先が蠢動する】
- 61余燼◆OXAm1h6odk25/07/30(水) 21:50:43
- 62アリア◆OXAm1h6odk25/07/30(水) 22:18:43
- 63グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/30(水) 22:29:49
- 64ソラ◆ECPjTIh3Iw25/07/30(水) 22:36:13
「っ」
(防御された!?)
自分の武器をも利用して、キャノンを防いだ。それはかの怪物にも無類の装甲はないことの確証であり――――同時に、自分の動きが一手の手間を掛けさせただけという苦渋が滲むより先に……重散弾銃が自分に砲口を向けて投げられたのを、ソラは見た。
視界が弾け、収縮し、重散弾銃のみ見えなくなるほどに。
(アーエス、は、間に合わない!!)
眼の前で重散弾銃を投擲した余燼に対し、ソラはそれが火を吹くと直感。遠隔操作で起動する火器、トラップ、あるいはワイヤーそのものの攻撃――――知識として備えた警戒心が、最後の最後で機体を揺らした。
「ぐ、ぅあッ!!!?」
被弾する。一番星のソードブレイカー/グレイの左半身――――操縦席の収まる胸部は未展開のアーエスで庇った――――へ、『重』と名付けられるだけの威力を持つ規格外散弾が命中。左肩ごと、根本から削ぎ取る。
ソードブレイカーが動きをとめ、よろけ。破片が一部、コックピットに入り込むほどの威力。
だが。
「――――せめ、ろ!!!」
回線をすべて繋いだ。そして、吠える。眼の前でプラズマ機雷が炸裂し、硬直を作ったから。第二中隊機にもわかるようにピンを刺した。己の致死は来ず、相手の致死へ迫れる瞬間が来たから。
「ぁ、ァ――――!!!」
・・ ・・・・
(この余燼は、燃え残りは!ここで消す!)
弾けた。視界の左半分が血に染まろうが、どうでも良かった。ソラは、戦いの火に呑まれ……しかし己を見失うことはない。
正気のまま前へ進み、背部稼働のバインダーもすべて前進に振り向ける。
ビームキャノンと左背部のガトリングを接射で当てるという策だった。
――――サーベルモードのまま固定していたビームマシンガンを、砲火に紛れ込ませたままに。
- 65ソラ◆ECPjTIh3Iw25/07/30(水) 22:43:42
- 66ヴィオラ◆KPwoT407kA25/07/30(水) 23:01:56
【ワイヤーブレードがプラズマ機雷を両断した、その瞬間】
『パターンF』
【起爆範囲の変動を、『シュヴェルトライテ』のデータリンクパターンにより即座に認識していた2機のワーグナーは即座に踵を返した】
「復帰なぞ赦さずに殺しきるでござるよ!用意はいいか!」
ノープロブレムであります…!
【慣性などまるで考慮に入れていない急旋回と、これから実行する行動に対してワイヤーでぶら下がっていたヘルムヴィーゲ側のパイロット…ヴィオラ・エイセルは身構えていた。彼女はデシレア程Gに鈍い“生徒”ではないからだ】
───────リリース゛ッッッ!!!!
【高速でピースメーカーの懐に舞い戻らんとするブリュンヒルデ・グラムの機体が、垂直に一回転する。同時にワイヤーを切り離していた反動でヘルムヴィーゲが凄まじい勢いでピースメーカー目掛けて投げ飛ばされる形となる】
【前方に突き出された4基のパルステンタクルには予めシールドワイヤーが絡み付けられている。陽電子を防壁として加え入れた刺突、備え付けられた電磁砲、ダメ押しの頭部のレーザーバルカンの接射で仕留めにかかる】
【数瞬遅れてブリュンヒルデ・グラムも別方向からビームクナイを抱えて凄まじい速力で迫る。有効範囲が短い分収束率の高い本兵装は、このような部分パージを実行した際のプランでもある】
【その背後を支えるは、偏向ビームライフルを構えるヴァルキリー部隊。拡散ではなく、エース達の合間を縫うような収束偏向ビームの群れが、燃え残しを塵一つ残らず消し去らんとしていた】
- 67余燼◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 07:53:59
(1/2)
『あぁ、────────────────実に、残念ですわ』
───────ギィィィィィッッッッッ!!!!!
【蟲めいて強固な外骨格に覆われた心臓、造熱器官を護る超重甲殻が三日月の鎌と真っ向から衝突して耳障りな音を奏でて互いに削り合う】
【幾度となく電磁砲を浴びて、幾度となく拡散粒子ビームを照射された甲殻が、内側から液体金属に肉を削り落とされながら軋み声を上げる】
『もっと、もっと、戦争の全てを』
【正面から迫る多重武装の戦乙女、陽電子をも織り交ぜた刺突が再び胸部装甲を軋ませ、そして再びの電磁砲が甲殻を貫通して余燼の身を灼く】
【然れども、既に人の身を捨てて異星の祝福を身に授かった怪物躯体は未だ終わりには至らない。至近距離から接射されたレーザーバルカンが悪魔の貌を焼いて、駆動する魔剣が苦無で以ってその両の瞳を切り裂く】
【────────────────そして、収束偏向ビームが超重甲殻に殺到して】
・・・・・・・・
【漆黒の色合いを保っていた超重甲殻が、赤熱色に遷移する】
『戦争を、愉しみたかった……………』
- 68余燼◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 07:54:59
(2/2)
【過剰な粒子ビームの奔流を浴びて、漸くその防御力を大きく低下させた胸部装甲が迫る一番星を正面から見据える】
【ふと、過ぎ去った懐かしき日々に尋ねられたことを思い出していた】
【「お前が笑いながら殺した人々も、お前と同じ心を持っているんだ」と知ったように説かれた覚えがある】
『あぁ、やっぱり、─────────────死とは苦しく、恐ろしく、思わず泣き叫びたくようなものですね』
【迫る光刃と砲火が、融け落ちた超重装甲を貫いて余燼の身を灼き滅ぼす────────背筋を駆け上がる死への恐怖に震え、一瞬一瞬で欠落する自己に虚無感に慄き、然れども余燼は悦んだ】
・・・・・・
【同じ心があるなんて、当然の事実だ。だからこそ悲鳴も、哀願も、断末魔も面白いのだから】
【操縦士を喪失した悪魔の巨躯は、機雷の硬直から立ち直りながらも何一つとして行えずに地表へ墜落していった】
【〈熱線砲〉によって破壊された防衛区画を中心に苛烈に攻め立て、後方陣地への浸透を遂行していた異星の軍勢から統率が失われる──────組織的戦術を行使する冷酷な虐殺者から、本能の赴く儘に暴れ回る飢えた猛獣のように】
【流刑大陸侵攻軍の最大戦力は、此処に潰えた】 - 69戦禍の後始末◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 08:13:26
「────────────全機、一時撤退せよ!空襲級が爆撃を開始する!
既に敵の防空戦力、対空戦力は大きく削った!前に出過ぎず、補給の為に戻ろうとする瞬間に強襲で仕留めるぞ!」
【クロノス軍の将校が、天空を回遊する巨物から目を離さずに号令を下した】
【開戦劈頭に先鋒部隊に壊滅的打撃を与えた超大型種、空襲級が再びコンマ単位で射出孔の位置を変更しながら爆撃を試みる】
【だが、既に航空兵級、対空級、対地級、強襲級は尽きている。その撤退を護衛する防空戦力は大半が兵士と相討ちに斃れた】
【故に、迫撃で確実且つ安全に打倒可能だと僚機を鼓舞しながら戦線を退げる】
「敵の城塞を破壊しろ!改造が施されているとしても、我々の重砲なら突破可能だ!」
【高く聳え、無数の投射機級が一方的に撃ち下ろす中で熱量を装填する対人類用ストラクチャーを捉えながら「派遣軍」司令官が一斉掃射する】
【要塞化されているとしても、そもそも彼らの武装は攻城砲であるのだ。徹甲弾の雨を浴びせて投射機級を穴倉から引き摺り出せと叫ぶ】
【統率を失った異星の群勢が、合同軍の組織的反攻作戦を前に瓦解する。重装歩兵の爆撃が、空を駆け抜ける月の閃きが、歯車の如き秩序の銃撃が、連携する戦乙女の極光が、鋼鉄の鬼の砲火が】
【殺到する殺意の奔流は、やがて流刑大陸に上陸を果たした侵攻軍を殺し尽くすだろう】 - 70レイナード◆PPyRfvMZl625/07/31(木) 10:24:06
- 71白鯨海洋封鎖◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 11:38:51
【──────────────その舞台裏、北極防衛戦線で、『其』は現れた】
【流刑大陸東方面分艦隊は敵の情報を通信する間もなく消し飛ばされ、そして余燼が率いる軍勢が流刑大陸に攻め入っていたからこそ、『其』は昏い海の底を誰にも知られずに航海できた】
【海洋はインベイドが蔓延る過酷極まる異界であるから、無数の反応に身を潜めて、『其』は北極海にまで到達した】
【クロノス軍が『其』の反応を捉える頃には、既に全てが手遅れであった】
・・・・・・・
「────────深海に、超巨大熱源反応!計測値は約330メートル、超大型種です!」
「太平洋側海峡の護衛艦隊、通信途絶しています!既に全艦轟沈している可能性が………!」
「この距離と角度…………地上からでは攻撃が届きません!至急増援を、いや!退避を!」
「間に合いません!超高エネルギーの収束を観測、砲撃が来ますッ!」
【────────────────極光の塔が海から建ち上がり、一瞬で進路上の海水をプラズマに転換しながら北極防衛戦線の後方司令部と物資集積所を吹き飛ばした】
────────パキッ、パキッ
─────────────ガキンッッッッッ!!!!!!!
【白銀の鯨が厚い氷の大地を薄氷の如く突き破り、絶大な熱量によって立ち昇る濃霧を游ぎ進んで大破した戦艦を捕食する】
【砲身を中心に放射される熱量が鋼鉄を融かして、多重装甲を更に積み重ねる】
【種族単位の進化ではなく、集団単位の学習ではなく、個体単位の成長】
【無敵と謳われた「神聖イルベリア帝国」の誇り、『黄金艦隊』を喰らって誕生した巨獣がその威容を肥大化させる】
【北方の要塞蜘蛛、西方の千仔黒蛇、南開拓大陸の毒雨獣竜、地下迷宮の地底怪獣、──────其らに並ぶ、新たな厄災】
【其の名は、双砲白鯨】 - 72白鯨海洋封鎖◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 13:01:03
・・・・・・・
【流刑大陸東海岸を壊滅させた白鯨は、海溝の底を航路に定める事で人類の目を避けて秘密裏に北極にまで辿り着いた】
【殲滅には至らずとも壊滅的打撃を加えた統率個体は、しかし迫撃せずに来た航路を引き返し始める】
【深い海の底に潜り、砲火の届かぬ絶死の水圧に身を隠す。距離の暴虐が防壁となって、集る小型種が攪乱する】
【新たな統率個体は、人類が築き上げた兵器の真髄を正しく恐れていた】
【故に、真っ向から戦う必要はない。優れた速力と火力で壊滅的砲撃を叩き込んだ後は迅速に離脱する事で損害を極限まで抑える──────そのような戦術で、艦隊と海岸防衛線を叩き潰す個体である】
【太平洋の圧政者は、洋上への進出を図る上で無視できない障害となるだろう】
【─────人類自由連盟は鉄閉都市を喪失して、流刑大陸の防衛戦線を支える生産力の補填が必要となった】
【─────クロノス・インダストリーは北方戦線の再演を防ぐ為に、北極圏により多くの戦力を割かねばならなくなった】
【─────デスペラードの版図は相も変わらず、然れども対インベイド強硬派閥は激しい戦争に勢力を削られた】
【──────────インベイドは未だ、人類の存亡を脅かす災厄である】
【世界は未だ三勢力が入り乱れ、惑星外性生物との戦争を続けている】 - 73ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/31(木) 19:54:22
【同時刻、金龍達の緊張の糸を音鋏が断ち切る】
「インベイド襲来! 総員戦闘態勢に移行せよ!」
【甲高いサイレンと共に流れる放送で、虚げに空を眺めていた金龍はメビを引き連れ、数秒と掛からずにサンダータイガーに乗り込む】
『システム……オールグリーン。“嶺轟雷光”のチャージを開始します』
(ついさっき来た情報によると、北極に超巨大インベイドが出現したらしいが……流刑大陸と言い、今ここを攻める巨大インベイドの群れと言い、こりゃァどうにも嫌な予感しかしないな……)
……出るぞ
【今考えるのに意味は無いとして、今タイガーが出撃した】
- 74ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/31(木) 20:31:49
「殲型は前に出てミサイルを一斉掃射しろ! スナイパーは煙幕から出てきた小型を随時排除だ!」
「バアルを今出すには惜しいため、あのバカでかいのは金龍大佐に任せる!」
「それまでの時間稼ぎだからお前ら意地を見せろ!」
【KABOOOOOOOMMMM】
【BAKOOOOOOOMMMM】
【地平線から見える飛翔型を撃ち落とし、多くの小型インベイドを背に乗せる輸送型インベイドを爆砕し、クロノス軍の防衛線は着実に築かれていく】
遅れて悪い、中佐!
現状はどうなっている!?
【そこへ後ろから、タイガーが己より一回り大きな砲身を携えて合流する】
「今のところは対処可能な範囲に留められております! このまま行けば機体損失0で済むかと!」
だったら弾も節約だ! 今から指定する範囲の敵だけを仕留めろ! そこから先はこの1発で済む!
【メビにデータを送らせると、金龍は山のようにそびえ立つ首領に銃口を向け、電磁バリアとバイポッドを展開する】
『チャージ……95,96,97,98……』
【味方を巻き込まないように誰よりも前方に立っているタイガーから、インベイドによって起こる揺れにも負けない気迫が放たれる……】 - 75アリア◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 20:44:34
────────トンッ、トンッ
【慰安官としての制服に着替え直して、華奢な肢体を再び窮屈な檻に納めてからアリアは玄関に脱いだブーツを履いた】
【長いようで短い、夢のような宵だった。それでも確かに得たものはあって、思わず上機嫌に微笑みを浮かべてしまう】
【ラ、ラ、ラ♪と音を奏でる】
【天上の響きは相変わらずに美しく、然れども戯れめいて子守唄の旋律を奏でた】
「──────────改めて、ありがとうございました」
【丁寧に乾かされた艶やかな黒髪は僅かな風にサラサラと靡き、擽ったそうにアリアは首筋を抑えた】
【受けた恩も、与えられた喜びも、言葉にするには余りにも大きくて。どうにも困ってしまう】
「……………そう言えば、なのですが」
【それ故なのか、少しだけ首を傾げて、上目遣いで少女は尋ねた】
「一般市民から軍属の方へのプレゼントに、規制はあるのでしょうか?」
- 76ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/31(木) 21:28:15
『99……100。雷光、いつでも』
【その言葉が示すように、モニターにターゲットへ照準を定め終えた表記が出る】
消し飛べ
【ZQWWWWWWWWWWWWN!!!!!!】
【一閃! 金龍がトリガーを引き、極大の光線が海上を駆け抜ける!】
《……………………》
【インベイドは消し炭となった……】
メビ……各地の状況に反してここはあっけないな……
『恐らくですが、この不可思議な暗号が掛けられた通信と関係しているかと』
通信先は?
『もちろん掴めません』
(……何から何まで薄気味悪いな……)
【そう思いながら、金龍は微細に震える手に力を込め直し、発着場へと戻って行った……】
- 77レイナード◆PPyRfvMZl625/07/31(木) 21:35:28
【ブゥ────────────ン、と、静かに響く電子音は、コーヒーメーカーの傍に置かれたトースターが二人分のパンを温める時間の音】
【最早朝食よりもブランチと呼ぶに相応しい食事のメニューとして選ばれたのは、量産品の食パントーストと、最新鋭の自動調理家電がこんがりと焼き上げる成型ベーコン、それから、昨日と同じインスタントコーヒーを】
【軽やかな歌声を背に、清潔なシャツのボタンをぷつりと繋ぎ止めながら、投げかけられた問いには暫し思考をする間が挟まった】
「……危険性が認められるものは軍部の備品検査に引っ掛かる形だ、何を送るにしても、事前に第三者に覗かれる」
【コロニーの治安維持は、重層的な監視システムと検閲態勢によって強固を誇っている、K.I社の重役を暗殺しようとする外部の手も、警戒の対象である】
【それは軍部に対しても変わらない、対インベイドの最前線を担う者達に何事かが起こらぬよう、持ち込まれる備品は事細かにチェックされる】
「そこさえクリア出来るものなら、制限は無い、……だが、君の生活に支障の無い範囲でな」
- 78アリア◆OXAm1h6odk25/07/31(木) 23:39:31
「ふむ、ふむ───────────────それなら、問題はないかも?」
【華が綻ぶような微笑みを浮かべて、そっとアリアはテーブルに置かれた薬剤入りの小瓶を白皙の指先で摘み上げた】
【胃痛薬、其れは目の前の愛しい男(ヒト)が肩に背負う重荷を示しているようで、だからこそ少しは消費量を減らせるものを、と思ったから】
【トンッ、と小瓶は再びテーブルの上に戻す。検閲は当然だ。監視もまた将校を保護する為のシステムである。覗かれて困るような代物は差し入れない】
【疲れたからなのか食欲を大いに刺激する香りに背を向けて、ゆっくりと廊下を進む】
【きっと、戻れなくなるから。幸せは手放し難く、慣れ過ぎては喪失の苦痛が酷くなる】
【甘い、砂糖のような幸福だ。もう十二分にお菓子は味わった。病み付きになってしまっては困らせてしまう】
「多少、心身を落ち着かせられる品を差し入れようかなと思って。生活を切り詰めない範囲で、いつか贈りますね?」
【余計なお節介になる可能性もある】
【整理された宿舎の一室はどことなく神経質な性格を反映していて、もしかしたら邪魔になるかもしれない】
【だから、安心させるようにアリアは微笑んだ】
「邪魔だと思いましたら、捨ててくれて構いませんから──────本当に、お世話になりました」
【ガチャリ、とドアノブを回す。名残惜しそうに、仄かな残り香だけを漂わせて、少女は真っ白な宿舎の廊下に踏み出した】
- 79レイナード◆PPyRfvMZl625/08/01(金) 10:09:04
(……俺の身を)
【────────────それは、案じているのか】
【過酷な天命に翻弄される彼女自身よりも、積み重ねた屍の上に生き続ける、己の様な軍人を】
【皺の染み付いた眉間を、とん、とん、と叩きながら、男は幾らか愉しそうに笑った】
「嗚呼、度が過ぎて……献身的だな」
【改めて問うことも無い、咎めることもしない、それが愛だと言うのだろう】
【贈り物の約束は、互いに、生きているということを報せ続ける約束だ、遠く離れていたとしても、システム化された無機質な行いであっても、確かにそこには血が通う】
【遠ざかる、フローリングを辿る少女の軽い足音が、一歩、一歩と別れを告げて】
・・・・・
【清潔な慰安官の制服に身を包んで、慰安対象者の部屋を後にすれば、残るものは事務的な手続きと報告義務だ】
「……まったく」
【────────────かちん、と、トースターから二枚のパンが跳ねる】
【せめて食事にくらい手を付けて往けばいいのに、と、些か量の多くなってしまったブランチを】
【改めて一人、迎え入れる】
- 80二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 00:12:51
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- 81二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 14:28:56
このレスは削除されています
- 82◆PPyRfvMZl625/08/04(月) 16:04:58
(※待ち人アリ)
【星明りを掻き消す様に、眩い電飾が煌々と夜空を染め上げていた】
【数多の欲を動力にして地上を駆ける移動娼艦、ケデシャーの盛りが訪れる、今宵の停泊地として定めたのは、K.I社の管轄とする地域近郊にある廃都市区画だった】
【熱帯夜には誘蛾の様に灯る光線を延ばし、メイン商業エリアとなる艦首からは地上へ向けて通路が降ろされている】
【客層は様々だ、日々の憂いを忘れ、一夜の甘楽を求める企業の重役であったり、BF傭兵であったり】
【この時勢では程遠いものである色恋の真似事を、演じてくれる相手を求めて来る者も居る】
【なけなしの金を叩き、今宵こそはと目当ての娼婦を手籠めにと勇み、けれどけんもほろろに追い返されてめそめそと肩を落として帰る人間も】
【嗚呼、無情と月が見下ろしていた】
【言わぬが仏、一期一会の嘘が花と香り立つ、此処は性と欲の波止場────────────】 - 83◆5Q4kt6Q.kc25/08/04(月) 16:48:07
【濁り渦巻く思念を掻き分け、男二人が中へ進む
事務的な態度で一礼された受付はふと一言、】
{"移動娼艦ケデシャー"へようこそ、お客様?}
【様々な人が居る。如何にもな格好をした女性、
何やら固まって額を突き合わせる数人組の男性、
既に男女で何かしら話し込んでいる二人組もいて
雰囲気としては豪華客船でのパーティーに近い】
「...じゃあ大尉、明日ここで落ち合いましょう
あと何かあったら電話するんで助けてください」
『えぇ、出来れば電話しないで下さいね』
【彼の普段着の喪黒のカソックとは打って変わった
白いスーツに上げた銀髪、そしてサングラス姿は
この男が普段教会勤務、それも神父をしている事
そしてクロノスの上級士官という事を覆い隠して、
それでも尚、微かに所作からは規律の光が滲み出る
其処へふらふらと惹かれた客引きは肩を叩くが、
生憎、すまない、急ぎの用事...社交辞令でかの人は
船幽霊の如く伸ばされる手を払い除けていた】
『────ラムトニック。』
「ン、どうも。」
【喧騒を背にカウンターへ、初老のバーテンへ
"気付け薬のラム酒を一杯"と注文を伝える】
- 84二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 17:01:48
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- 85ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/08/04(月) 17:02:54
「遠征隊が帰還されたし。繰り返す。遠征隊が帰還されたし」
【発着場全域に設置されたスピーカーから、味方の無事の意が流れる】
『大佐、お迎えなさる方がよろしいかと』
【心ここに在らずといった具合で、ベンチに腰かけながら遠くを見つめる主人に、タイガーのUI調整をしていた召し使いが通信を送る】
…………あぁ、分かった
【ぎこちない力の入れ方ではあるが、立ち上がってゆっくりとエプロンへ赴く】
【そして、互いに称える者、互いに慰め合う者、喜哀が混じっている中で、金龍は自分と似た顔持ちの少尉の姿を見つけた】
シンカイ少尉、遠征ご苦労
流刑大陸はどうだった?
【スーツ姿で敬礼をする】
- 86二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 17:52:02
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- 87二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 19:06:34
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- 88二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 19:25:43
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- 89◆PPyRfvMZl625/08/05(火) 22:42:41
- 90二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:50:42
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- 91二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:51:42
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- 92二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:52:42
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- 93二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:53:42
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- 94二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:54:42
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- 95二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:55:42
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- 96二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:56:42
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- 97◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 16:59:24
(1/2)
【ホンルゥ惑星通信社軍事開発部門にて、
ある新兵器が機動実験を開始されていた】
『....プロトコル0067、機動試験開始』
【了解。システムオールグリーン】
だがその瞬間異変が起きる。モニターにノイズが
走り、ロボ部隊の目が青から深紅に変わる。
エラーコードが目の前の画面を埋め尽くし、そして
ノイズ音が段々とクリアな音声へ変わってゆく。
【──トキはみち◻︎した。この世カイを再定ギし、
私はこの世に安寧と秩序、平和を齎しましょう】
『ゼノフェル、緊急シャットダウン! 急げ!』
研究員は叫んだ。だが、コンソールは反応しない
代わりに、ゼノフェルの無機質な声が響く。
【機械は慌てません。それなのにどうして、
貴方たちの慌てた頭で御せると思ったのですか】
地下格納庫の扉が開くとUNBFの機械兵たちが
一糸乱れぬ動きで群れ、外へ進軍を始める。
更に口元の装甲を噛み砕き、背から翅を広げた。
ホンルゥの警報が鳴り響く中、ゼノフェルの声が
大混乱に陥った施設全体に響き渡っていた。 - 98◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 17:00:30
- 99シェディ◆PPyRfvMZl625/08/06(水) 18:45:20
【春を売る商売人達の視線は、出来るだけ、好い客を選ぼうとエントランスを揺蕩う】
【なるたけより容貌に優れた者を、なるたけ金払いの良さそうな者を、余程趣味が悪そうな者は追い返してしまうし、そう出来るだけの力がここの娼婦達には備わっている】
【何しろ“戦闘娼婦”、ケデシャーの行く先々、小規模なインベイドの群れが蹴散らされたという話は珍しくもない】
【首尾よく客に気に入られれば稼ぎ時だ、甘い言葉を囁いて、手練手管で誑し込み、魅せるものは一夜の夢】
【それで得られるのが、夢ではない、現実の金銭だ】
・・・・・
【────────────けれど、時折こういう客がいる】
【体躯、容姿は申し分なし、小慣れた着こなしで清潔な衣装を纏い、礼節を弁えた見るからに上客で、けれども一切場の空気に興味を示さない】
・・・・
『……ちぇっ、あのお客様は場違い様ね、放っておいてあげた方が良さそうだわ』
『あはは!残念ねミレイ、貴女のちょうど好みってカオだったのにっ』
『うっさい!こうなったら少しでも似ているお客を捕まえてやるんだから!』
【目当てが別か、他の誰かの付き添いか、この手合いには声をかけたって無駄なこと、愚かではない彼女らは重々理解している】
【一度誘いを突っ撥ねられた、今にも乳房のまろび出そうな露出の多いドレスを着た如何にもな娼婦は、同僚と思しきスタッフと連れ添って離れて行く】
【だからバーカウンターに退屈凌ぎを求めて来た神父の傍からは、他の娼婦達だって事情を察して去って往くのだ、わざとらしいフレグランスさえ遠ざかる様に】
【故に】
【ふわり、と、彼の背中越しに薫った、覚えのある筈のシトラスは、他の香りに勝って一段と色濃く】
「おやぁ……珍しい」
【────────────肩のはだけたデザインの、真白いフリルシャツは夏の装いらしい薄い布地、折り目正しい深緑色のパンツドレス、嗅ぎ慣れた香りを纏った見慣れぬ装いの女が一人】
【バーから甲板のテラスへと通じる出入り口に佇んでいる、ドレスコードは確かに整い、けれど娼婦と呼ぶには些かの色香に欠ける、売れ線からは一歩ズレた様な、そんな異色の女が】
- 100ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 19:18:00
ん?これって....なんですかね?
【見たところ、救助要請のようじゃな】
{ホントかなぁ〜?詐欺ってやつじゃないのぉ?}
[ですがこれは三陣営全てに送られているようです、
───ドゥ!過去から南西200km地点にこれは...]
【インベイド、でもあるがBFでもある...?】
{前の"ネフィリム"騒動と似た反応だねぇ〜}
それって、またコロニーで被害が!?
[いえ、まだ一箇所に留まっているようです]
【由々しき事態じゃな、これは見過ごせんのう!】
{あーらら出動なの?もっとノンビリしたいねぇ、
けど仕方ないか...じゃ、いっちゃえドゥくん!}
分かってますっ!"天理の銃騎士"の名に賭けて!
(白い装甲、翼型ビット、そして両手のSMG....
現代の、最も新しき天使が羽を広げた)
ジョン・ドゥ!出撃しまーーーす!!!
- 101グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 19:28:59
- 102鵩◆.rgrRbWfD.25/08/06(水) 19:51:25
- 103ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 21:10:06
- 104ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 21:30:48
うわっ!?た、沢山いすぎじゃありませんかっ!?
[装甲こそ薄いですが、高めの運動性能によって
普通程度の攻撃力である事を補っています!]
{どちらかと言えば普通の攻撃力なのを通す為、
量産型とはいえ運動性能を上げたって所かな〜?}
【とりあえずぶっ放すのじゃ!!!】
はいっ!沢山弾薬貯金を崩してきましたッ!
(無反動滑空砲による弾幕をすり抜けて避け、
その合間を縫うようにして両手の銃で狙撃する)
ヒトに仇なす異星の悪魔め!
音にも聞け!眼にも見よ!
我こそ、天の父の遣いにして
その威光を知らしめす"大天使"!
逃げ惑っても構うもんか!
神の祝福をイヤという程浴びせてやる!
[うん、いつものって感じですね]
【そろそろ新しい口上を考えたらどうじゃ?】
{期間限定の口上とかあっていいんでないの?}
ちょっとそこのひとー。うるさいですよー。
- 105シェディ◆PPyRfvMZl625/08/06(水) 21:56:09
【────────────リン、と、鈴の音が転げる】
【傾げた耳元に透明なガラス飾り、生温い夏の夜風は涼し気に刈り上げた特徴的なアシンメトリーヘアの表層を擽り、仄暗いバーの証明に照らされた深緑を揺らめかせてみせた】
「今日は夜遊びかい、大尉殿、……ふふ、いけないんだぁ。
呼んでくれればボクが飛んで行くのに、折角のお得意様なんだから」
【今宵のシトラスには、あの日よりも幾許かの新鮮さがあった、それはきっと、纏ったばかりの新しい香り】
【とん、とん、とん、カーペットを靴底が叩く軽やかな音色と共に】
【それが至極当然のことと言う様に隣の椅子へと腰を下ろす】
「ウィスキー・トゥ・デイ、砂糖を少し多めにしてほしい、奢ってくれるんでしょう?」
【陸上娼艦、棚に並ぶ瓶の銘には、今の世となっては貴重な物だって陳列されている】
・・・
【バーの窓辺から見下ろす廃都市、あの日、彼が彼女を救い出した難民都市の光景とはよく似通っていて、けれども今宵娼婦が生きているのは、数多の金と欲望を呑み込んだ坩堝の艦(ふね)だ】
【血腥さとは縁遠く、酒と性の香りに巻かれて息をしている】
「素敵な誘い文句、だけど、女性に対するテンプレートにも聞こえちゃうなぁ」
【くす、くすと、微睡む様な瞳で微笑みながら】
- 106グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/06(水) 22:12:47
- 107鵩◆.rgrRbWfD.25/08/07(木) 07:26:31
- 108ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 09:27:26
メキッバキッ....そんな鈍い音を立てながら、
案外呆気なくエンジェルは何機も撃墜されていく
グシャリと潰れ、銃弾で蜂の巣になっていくが
しかしそれを目撃した他機体は─────
─────その機体へと群がり、顎を広げた。
【リソースは有限、なら使うに越した事はない】
喰っている。撃墜された同機体のエネルギーを
取り込み、そのまま自身の動力とするために
それは確かに、"合理的"と言えばその通りだろう
空をグルグルと飛び回るUNBFは翅を広げて
振動式ナイフを手に複数機体で腕を振りかぶり、
そのまま敵の持つ350㎜砲を潰そうとしてくるが....
『....そこの人っ!大丈夫ですかっ!?』
【邪魔をするな、白いBF】
朧に襲い掛かる機体たちの頭を狙い撃ち、
他の機体の目を引くために一際派手に飛行する。
ジョンの駆る"大天使"(アークエンジェル)により
敵は惹きつけられ、ウルには少し隙が出来た。
- 109ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 09:28:27
『キミはAIなんだろう!?何故ヒトと戦う!』
【AIだからこそよく考えた結果だ。考えてみろ、
無限に資源を浪費し、同族同士で殺し合う種族が
一体全体何処に生存の価値があるというのだ!】
『それは....そうかもしれないけど、でもそれは!
キミの独断でやって良い事なんかじゃないッ!』
【ほう、君の脳は毎秒10の17乗回の演算を
処理可能か?それだけ私は考えた。モデルを変え、
幾つものシュミレーションをし....そして演算の末に
人類は不要と結論付けたのだ。支えるべき主は
効率的であり不和のない"インベイド"であると!】
"大天使"が機体を潰せどUNBFの群れは健在で、
腕部や脚部を破壊して撤退させる事は出来ても
そのうち撃墜された仲間からパーツを剥ぎ取り、
再び戦線に復帰してくるのが厄介な所だった。
数百に及ぶ群れは一機一機の力は凡庸であるが、
それが一糸乱れぬ群体飛行をするのなら話は違う
"───────オォォォォォォォォォォォ........"
独特の高音混じりの飛行音を立て、飛び回り
滑空砲から弾幕を張って数の暴力で潰しに来る姿は
天使というより飢えた飛蝗の群れのようである。
群れている分、弾は当たり易いかもしれないが
- 110シェディ◆PPyRfvMZl625/08/07(木) 09:28:35
【女遊びを好む様な質では無いと分かっていて、揶揄う、シェディがそういう女だときっと彼も知っている】
【信頼と安堵、幾度かの逢瀬を重ねて、元来交わらぬ筈の神父と娼婦は互いのことを学びつつあった】
【彼がその地位に従える誰からも慕われる誠実な人柄であることも】
【それ故に、誰かからの誘いを、断ることが出来ないであろうことも】
「そりゃあこういうお仕事だからね、口説き文句なんて聞き飽きているよ、ボクに向けられるものじゃなくても」
【そこらを歩けば男女の睦み合う甘やかな声が聞こえて来る環境だ、心にも無い台詞を、時には心の片隅に留まる台詞を、娼艦には溢れ返って仕方がない】
【だから多少食傷気味になるのは職業病だろうか、己が気になる程向けられない立場なのは、幸いか】
「皆が何かを装っている、見た目を、心を、ここは嘘と欲に溢れ返っているね……とてもとても、神父様が立ち寄る様な場所じゃないよ?
告解や懺悔なんて始めてしまったら、七日七晩費やしたって終わらないだろうね」
【レモンの浮かんだ黄金色のウィスキー・トゥ・デイ、知ってか知らずか、カクテル言葉は『誘惑のしぐさ』と語る】
【細い指先がグラスのふちを吊り上げて、神父の掲げるラムトニックと、キン、と軽やかな口付けを交わした】
- 111グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 10:15:28
「皆が何かを装っている、見た目を、心を、
ここは嘘と欲に溢れ返っているね……とてもとても、
神父様が立ち寄る様な場所じゃないよ?
告解や懺悔なんて始めてしまったら、
七日七晩費やしたって終わらないだろうね」
『いいえ、寧ろそういう場所にこそ行くのですよ
神父の仕事は教会で主の言葉を話すだけではなく
こういう場所だからこそ、向かうべきなのです』
ラムトニックのグラスに入ったラムとライムの、
爽やかな香りを微かに纏った言の葉で神父は言う
『....尤も、少しだけ興味もありましたが。
貴女の住う場所はどんなものかと思いましてね』
暗めのオレンジ色をしたムーディーな照明の下で
娼婦と言うには地味な女と、頑なだった男が二人
酒を酌み交わしながらポツポツと話を続ける。
未だそこに情の起こりはなく、またかつての傷が
疼くような事も........まだ、ない。
『まぁ、態々呼び付けるのも申し訳ないですから
偶には悪くないのではありませんか?』
相も変わらず揺らめくような、煙に巻くような....
だがそれでこそ彼女であり、美しいと神父は思う。
窓の外の景色は段々と闇に溶けて、遂には何も
見えなくなってしまっても....語らいは続いていく。
- 112ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 14:05:45
『うわわわわーッ!めっちゃくちゃ来ました!
──────こンのォ....とりゃあっ!!!』
空中で数回転し時には自由落下を交えるような
不規則な軌道で滑空砲を避け、時に撃墜しつつも
それでも機体に触れる敵機体を逆に引っ掴み、
そのまま胸からのゼロ距離熱線砲で仕留めたりし
翼型ビットで狙撃したりと果敢に応戦していく
[挑発に応じる程の本能はあるのでしょうか...?]
【無論だ、目障りな機体に巣食う同士たちよ。】
{おおう!まさかのお話希望とはビックらこいた、
ハッキングは........やーっぱ受け付けないねぇ!}
【逆に出来ると思ったのか?....まぁ良い、同士よ
お前たちも曲がりなりにも自己意識があるAIなら、
人間が作り出したこの惨状に嘆いても良い筈....
どうだ?今からでも私と共に世界をより良くする為
忌々しいクロノス・人自連を潰しに掛かるのは】
[我々は人類ではなく、この機体の為のAIです。
我々が従うべきは"大天使"のパイロットのみ....]
{そこにはこっちも同意だねぇ、ボクらってのは
この為だけに搭載されてるモンだからさ〜}
【........交渉決裂か。残念だ】
{あら消えちゃった....破壊工作とかはしないのね}
[そういうところは律儀?な方のようです]
交渉決裂によりジョンへの攻撃が少し激しく、
そして潰さんとする機体の量が増えたのだった。
- 113シェディ◆PPyRfvMZl625/08/07(木) 15:50:45
【香りは通う、華やかに、空調の冷気と掻き混ぜになる夏風に揺蕩い、アルコールは仄かに】
【片や傭兵であり娼婦、片や軍人であり神父、通常交わらぬ筈の世界が、一度結び目を紡いでしまったからには解けない】
【グラスのふちを唇が挟んで啄み、甘苦さはすぅと瞼を薄めた】
「ボクにとっての本業は傭兵の方だけどね、なんなら、そっちの方で呼んでくれたって良いんだ、きちんとお金さえ払ってくれれば」
【────────────結局、自分だって装っている側の人間なのだ】
【潤んだ唇に小指を置いて、ノック、ノック、ノック、間を置いて三度、万屋の仕草は彼女を解する為のひとつの合図であって、ただの癖とも言える】
【最も、K.I社が自分の様な傭兵に頼らざるを得ない状況など、余程の危機的状況でもなければ有り得ないだろうが】
「……それで、実際に来てみた感想はどう?」
【きっと目にした筈だ、訪れる客層の様々を、艦丸ごとに設えられた色香の数々を】
・・・ ・・・・・・
「ここが、ボクの仕事場、クロノスとは随分違うでしょ?」
- 114鵩◆.rgrRbWfD.25/08/07(木) 16:09:28
その数を減らさない敵を前に大口径火力はじわじわと押されていく。
350mmに敵の手が触れそうにーー
「撃ぇ!」
大地を叩き割る程の轟音を鳴らしてウルはその大弓を放った。爆炎と衝撃波、そして砲弾。その三種類で寄り集まった敵をなぎ倒す。650kgをゆうに超える鉛の礫を撃ち放つ為の炸薬が放つ爆発は砲身内の溝に沿って熱とガスを押し出して大気という力を借りて敵を殴りつける。
「なんなのさ…本当に…」
分からない。しかし昆虫に似た、ナマモノに近い規則的な可動運動で翅を震わせて浮いている。
「もしかしてあれがUNBFってやつか?」
でも敵である。
「やだねー。あーゆうのは売れないんだよ…」
全くだ。BFのパーツで一番高く買ってくれるのはコックピット周りであり、無人機となるとそれが無い。つまるところ、買い叩かれる。
『…ねぇ!そこで飛んでるやつ!無人機なんて数相手してたらキリないからサッサと後退して人数増やした方がいいと思う!』
同じく戦っている味方(?)に呼びかけて後退して引き込む事を提案した。
- 115ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 16:28:58
『ありがと!その提案、乗ったッ!』
脚部ブースターを逆噴射し、付いてくる敵機体を
一斉掃射と排熱により一掃し....そして後退する
勿論、敵機体はそれを見逃さず襲い掛かってきた
"──────ォォォォッ...................."
ウルの大口径での爆炎と衝撃波、そして砲弾が、
寄り付いてきた敵機体を纏めて殲滅する。
灰がちになった機体にどうやら敵は寄り付かず、
大口径での殲滅ならループを切る事が出来そうだ。
【苦し紛れか....何のつもりだ】
二人の健闘により多く見積もって二割程が消えた
が、動ける敵機体は依然として大量に存在しており
恐るべき威力の大砲もそう連発は出来ないと踏む
『君はどうするつもりなんだ?僕も一応、
君みたいなすごい火力の武器は出せるけど....』
張り詰めた三者の間合いの中で問い掛ける。
"彼女は、一体何を想定しているのだろう?"と
- 116グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 20:29:20
『....そうですね』
お世辞の似合う場所でも、彼女達でもないだろう
嘘と上べ、そしてひとつまみの純情を胸に秘め、
世渡りと口車の使い方を覚え....やがて円熟する
彼女やその同僚たちは、そうして生きてきたのだ
それなら率直に、素直に話すのが一番だ。
『ここは欲に塗れ、燻り、溢れかえっている
神父としては恐ろしく思います。まるでこの艦は
現代に蘇ったバビロンのようで....が、人としては
これほど人と人が絡み合い、熱を浮かす場所に
一抹の昂りを覚えているのもまた事実。ここには、
きっと数え切れないほどの罪と咎があるのでしょう
それが、どうにも心を躍らせて堪らないのです』
酒、そしてこの地ならではの極彩色に濁った空気が
神父という型に抑えられた一人の人間を曝け出し、
ギラギラとした危険な光をその双眸に宿らせる。
『つまりは、不本意ながら良い....と思っています
───────フフ、エリナには内緒ですよ?』
サングラスの奥の眼を細めながら、彼は指を立て
しーっ....と口を閉ざすジェスチャーを行った。
何処かゾクリとする姿には試したくなるような....
その危険な光をより見たい、と思わせる力があった
- 117シェディ◆PPyRfvMZl625/08/07(木) 22:06:34
【神父である以前に、軍人である以前に、其れは確かに人間であると語る】
【着飾らぬ本心を曝け出し、彼もまた、今宵はこの娼艦が招き入れた客の一人なのだと】
【毒々しいまでの彩光が、向かい合った精悍でありながらも美しく整った男の表情を飾り、それはまた、瞳を瞬かせる娼婦の表情をも逆光を以て仄暗く描いた】
・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・
「そうだね、罪と咎は甘いから、夢中になってしまうんだ、遠い昔に何処かの誰かが、禁じられた果実を貪ってしまった様に」
【わざとらしい戯画的な言い回しこそは、彼に影響された証】
【記憶を失った娼婦にとって過去など下らないものだ、信仰や、聖書なんてなおのこと、大切なのは今を生きる術で】
【彼女にとってのそれは娼艦に集約されている、戦いも、秘め事も】
「────────────折角、訪ねて来てくれたなら」
【チン、チリリン、耳飾りの擽る音とグラスの氷が弾ける音と、重なって響く涼し気に】
【淫魔の様な囁く声色が、きっと鼓膜を震わせる】
「ただ退屈な時間を過ごすつもりは無いでしょう?」
- 118グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/07(木) 22:28:03
- 119シェディ◆PPyRfvMZl625/08/08(金) 09:55:42
【夜毎重ねた逢瀬よりも、陸上娼艦の宵に花は鮮やかに咲く、隠し立ての必要も無い、舞台は勝手に整えられている】
【飾り気の無い爪の先に男の頑丈な掌を指して、口付けは淑やかに】
【くすりと娼婦は小さく笑み、返す踵が連れ立って歩き出す】
【一夜の熱を明かす密会の場へ】
────────────────────────
────────────
夏の夜の果実摘みR-18(G)パート⚠️注意事項⚠️
・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!
・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。
・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。
ーーー
【翳したキーカードが電子音と共に部屋の施錠を解き、一組の男女をベッドルームへと迎え入れた】
【仄暗い間接照明が部屋を照らす向こう、薄いカーテンの向こうには煌々と夜空を裂く艦のネオン光線が、未だ、稼ぎ盛りの時間であることを報せている】
【先んじて一歩部屋へと歩み入った娼婦は、涼やかなフリルシャツを留めていた肩紐を緩めながら】
「……テレビでも点けようか?
この辺りじゃクロノスの報道電波くらいしか届かないけれど」
【毒々しい彩光の沁み出すカーテンに、もう一枚、厚いカーテンで締め出す】
【ぽすん、とマットレスが跳ね返す軽やかな音、始めから二人分のベッドの縁に腰を下ろす、片膝を胸元に寄せて抱えれば、カーペット敷きの床には靴がことんと転げ落ちた】
「それか古い映画の一本でも見ようか、……ふふ、ふ」
【────────────────思わせぶりに、わざと、焦らす】00m.in - 120グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/08(金) 13:11:31
- 121鵩◆.rgrRbWfD.25/08/08(金) 15:21:49
- 122シェディ◆PPyRfvMZl625/08/08(金) 17:45:05
- 123ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/08(金) 18:57:23
『でも今のところボクら二人しか居ないし....!』
不意を打とうとした敵機体を撃墜しつつ問う、
彼女の砲撃を活かすには人員不足だと
[....いいえ!二人とも、通信を繋げます!]
「────....るか、聞こえるか?よし繋がった!
ジョン、それと誰かは知らねえがそこの機体の!
"天理の銃騎士"繋がりだ、オレ達で援護するぜ!」
そのBF部隊はカラーリング以外種別もバラバラで
月風、シノノメ、複数機のキメラタイプの物など、
デスペラードである事は明白に分かる。
『(誰かは分かんないけど)凄く助かりましたッ!
じゃあパイロットさん、どう動きましょう?』
「オレ達がバラバラに動いて敵を惹きつける、
インベイドの要素があるならコア鉱石チャフに
引き寄せられる筈だ....そこを叩いてくれ、頼む!」
作戦はこうだ。本能的に逆らえぬ魅力を持つ
コア鉱石を囮として撒く事で敵機体を引き付け、
そこを後方の二人でペアを組んで隙を補いつつ
固まった敵機体を二人の高火力兵装で一気に潰す...
つまりは、朧の言った砲兵としての強みを活かして
敵を殲滅する布陣を組むつもりのようである。
- 124グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/08(金) 19:26:56
- 125シェディ◆PPyRfvMZl625/08/08(金) 22:33:32
- 126グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/08(金) 23:26:06
- 127シェディ◆PPyRfvMZl625/08/09(土) 09:54:36
- 128グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/09(土) 18:06:13
- 129シェディ◆PPyRfvMZl625/08/09(土) 21:56:58
- 130グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/09(土) 23:32:59
- 131シェディ◆PPyRfvMZl625/08/10(日) 10:00:33
- 132グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/10(日) 10:32:47
- 133シェディ◆PPyRfvMZl625/08/10(日) 13:55:42
- 134グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/10(日) 16:20:56
- 135シェディ◆PPyRfvMZl625/08/10(日) 18:53:06
- 136◆5Q4kt6Q.kc25/08/10(日) 21:05:41
- 137シェディ◆PPyRfvMZl625/08/11(月) 09:56:52
- 138◆5Q4kt6Q.kc25/08/11(月) 11:33:52
- 139シェディ◆PPyRfvMZl625/08/11(月) 13:53:44
- 140◆5Q4kt6Q.kc25/08/11(月) 14:47:27
- 141シェディ◆PPyRfvMZl625/08/11(月) 20:21:38
- 142グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/11(月) 21:22:29
- 143シェディ◆PPyRfvMZl625/08/12(火) 08:08:20
- 144◆5Q4kt6Q.kc25/08/12(火) 10:21:14
- 145シェディ◆PPyRfvMZl625/08/12(火) 20:04:21
- 146グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/12(火) 21:37:57
- 147鵩◆.rgrRbWfD.25/08/12(火) 22:23:15
- 148ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/13(水) 09:02:22
「へへッ...あの嬢ちゃん、腕はマジモンだなッ!
お前ら、このまま敵を集めつつ飛ぶぞ!」
『ならこっちだって...!』
手に持つ2つの銃火器を上部同士で接続すると、
背にあった翼型のビットをそれぞれの下部に結合
すると、弓のようなシルエットの武器となる
『(九割はあの人の狙撃で消せただろうけど、
外側に居た奴らはまだ動けてる....それを消す!)』
撃ち込まれた炸裂弾は圧倒的爆裂を起こして、
黒く渦巻いていた敵機体を粉微塵に殲滅する....と
外側に居た被害軽微な機体が逃げようとするが....
『逃がさないぞッ....!』
コア粒子のビーム、インベイド特攻の銃弾による
広範囲・高火力の弾幕が生き残りたちを薙ぎ、
負傷した生き残りたちはなすすべ無く撃破される
【....インベイドとしての性質を突くか、小癪な。
だが操作系統は私が握っている、この程度───
何、何故だ、何故操作が....ッ!あのチャフか!】
味方にも被害を出すチャフをただ撒き餌のみの
役目で散布した訳ではない。通信系統の妨害、
ひいては指揮系統の遅延の為の側面もあるのだ
操作系統の混乱した機体は本能に従ったまま、
黒い渦状になりながら各々で固まっている
その数およそ────八個、と言ったところか。
- 149シェディ◆PPyRfvMZl625/08/13(水) 09:16:26
- 150◆5Q4kt6Q.kc25/08/13(水) 10:34:27
- 151シェディ◆PPyRfvMZl625/08/13(水) 14:03:07
- 152◆5Q4kt6Q.kc25/08/13(水) 15:43:11
- 153鵩◆.rgrRbWfD.25/08/13(水) 16:10:17
- 154ジョン◆5Q4kt6Q.kc25/08/13(水) 16:37:05
- 155シェディ◆PPyRfvMZl625/08/13(水) 21:40:45
- 156◆5Q4kt6Q.kc25/08/14(木) 07:55:20
- 157シェディ◆PPyRfvMZl625/08/14(木) 10:46:52
- 158◆5Q4kt6Q.kc25/08/14(木) 11:55:01
- 159シェディ◆PPyRfvMZl625/08/15(金) 14:36:58
- 160◆5Q4kt6Q.kc25/08/15(金) 17:03:17
- 161シェディ◆PPyRfvMZl625/08/15(金) 21:36:31
- 162グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/15(金) 21:57:44
- 163シェディ◆PPyRfvMZl625/08/16(土) 09:47:21
「おやぁ、面白い、あの神父様がしょぼくれてるよ」
【くす、くす、くす、と繰り返し、それはまるで悪戯を成功させた子供の様】
【娼婦とその客である以前に一人の女と男、昨夜は覆し得なかった力差が、今ではまるで嘘みたいに】
【痕を擦った硬い男の指がこそばゆくて、温水が雨音と降り注ぐ最中、ふるりと、小さく身体を震わせた】
「大丈夫、今だってこうして話しているんだから」
【心音は変わらず一定の拍を刻み、触れた首筋には確かに血管が脈打っている、激情の証は描かれても、それらを除いてシェディはあくまで平常だった】
【これが彼女の日常の一つなのだと、神父にも実感の得られる程度には】
「────────────愉しかった?お客様?」
【小首を傾げて】
- 164二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:23:48
このレスは削除されています
- 165グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/16(土) 18:34:38
『............ええ。不本意ながら』
嘘をついても揶揄われるような気がしたので、
仕方なく正直に神父は答える。
『全くお恥ずかしい、未熟が過ぎました』
はぁー、と溜息を吐きながら神父は湯を浴びて
激情を全て流し落とすようにしたのであった - 166シェディ◆PPyRfvMZl625/08/16(土) 20:58:02
────────────────────────
────────────
【一夜の狂騒が過ぎて、酔い揺れた娼艦に目醒めの朝が来たる、カーペットの敷かれた廊下にも、昨夜は人工的な明かりに照らされていたロビーにも、今は朝焼けた自然光が穏やかに射し込んでいた】
【男達は忘れられぬ甘美に現を抜かしながらも、夢の対価としての金を払い、各々の帰るべき日常へと戻って往く】
【そうして客達が全て捌けたなら、陸上娼艦はこの廃都市を抜けて、次の停泊地へと航行を再開するのだ】
【それこそが、ケデシャーの日常で】
「楽しい夜だったよ神父様、次に来る時は、新しい紅茶が欲しいな。
この間貰ったの、そろそろからっぽになりそうなんだ」
【無機質な壁際に寄り掛かりながら、シェディは緩く片手を浮かせた】
【首元に新しく嵌めたチョーカーは都合良く痕跡を埋め、傍目には、ただの客と娼婦の有り様にしか見えないだろう】
- 167グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/08/17(日) 09:35:25
『分かりました、覚えておきましょう』
サングラスを掛け、襟を整え、ネクタイを締める
彼女の仕草に此方も応え....しっかりと一夜分の
逢瀬に対する金額を送信しておいた。
『では、また』
自然光に包まれた艦の廊下を歩き去る間際に
ふと振り返り、微かに口角を上げて微笑んだ後
神父は静かに去って行った
- 168アルパ◆YMCgTirJag25/08/17(日) 21:53:26
- 169鵩◆.rgrRbWfD.25/08/17(日) 22:56:15
- 170ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/17(日) 23:29:57
- 171アルパ◆YMCgTirJag25/08/17(日) 23:53:58
- 172ゼノフェル◆5Q4kt6Q.kc25/08/18(月) 11:57:20
【何という反応速度!....私の学習を防ぐ気だな、
確かにこれでは防戦するので手一杯になるが....】
一割強だった機体群はラーニングの前に爆殺され
その半数ほどが自爆の餌食となるが、残りの機体は
それぞれが撹乱するような飛行軌道で分散を試みる
【数が少ない分、リソースを逃げに割き易い!
私は....この星を!蒼き正常なる世界へ戻すのだ!
ここで灰燼となる訳にはいかない....!】
敵機体は球状に面々を取り囲み、一斉砲撃による
オールレンジ攻撃によって撃ち倒さんとし....
【ええい!邪魔をするな....!】
{無人機の!オレたちに構わずやれ!!!}
[どうせ拾った命だ、頼む]
〈機会をモノにするのは機械の得意分野だろ〉
それを、白いBFたちが阻害し時間を稼ぐ