- 1二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:08:31
――すべては、ちいかわが“生えた”日から狂い始めた。
仲間を喰い、笑いながら甲板を駆ける異形の存在。
シャンクスの左肩に咲いたその“呪胎”は、言葉を話し、血に濡れてもなお無垢な笑みを浮かべていた。
だが、それは前兆にすぎなかった。
ある満月の夜。
海を裂いて黒い霧が現れた。
「……何かが来る」
マストの上で、ヤソップが呟いた。
その視線の先。海の地平線から、逆さまの帆船が音もなく近づいていた。
逆さに浮かぶその船の上に、立っていた。
――ハチワレ。
目は虚ろで、口元は吊り上がっている。
その手には、壊れたラッパと、ちぎれたナガノ風の旗。
「シャンクスさあ……返してもらってもいいかな?」
その声を聞いた瞬間、ちいかわが肩でうずくまり、
ぷるぷる震えだした。
「……やだ……くる……こわい……やだぁぁ……」
ちいかわが泣き叫ぶ。
「誰なんだ、こいつは!?」
シャンクスが叫ぶと、ハチワレは足元の船板に舌を這わせながらこう言った。
「“親”だよ」 - 2二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:09:33
その瞬間、逆さ船の船腹が裂け、
無数の“うさぎ型の顔”が生えた触手が空に向かって咆哮した。
シャンクスが剣を抜く。
「こんなもん……! 俺の“覇気”で斬り裂いてやる!!」
だが、その刃は触れた瞬間に**“もふもふ”に変わった**。
剣が、銃が、砲弾が――
すべて、「ぬいぐるみ」に変質する呪い。
「この世の“かわいい”を拒んだ罰だよ……シャンクス」
そう言いながら、ハチワレは懐から一枚の紙を取り出した。
それは、かつて失われたシャンクスの左腕のスケッチだった。
「これ、あなたに返す」
“ブチン!”
空間が引き裂かれ、腕が再生される――
だが、そこに宿っていたのは、**ちいかわとハチワレが融合した、もうひとつの“意識”**だった。
「ありがとう、シャンクス。もう、わたしたち、一緒だね♡」
――それから消息を絶った赤髪海賊団。
海軍が後に発見したのは、**ぬいぐるみ化した船員たちが満面の笑みで横たわる“ぬいぐるみの墓場”**だった。
中央には、赤髪と青い耳を持つ双頭の怪物。
その名を、後世の者たちはこう呼ぶ。
「赤髪のちいハチ」
――その笑顔が、**この世でもっとも“かわいくてこわい”**ものだったとは、
誰も、知らなかった。
(完)
次回作『ラッコが笑うとき(前編)』の構想も可能です。希望があればどうぞ。 - 3二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:10:25
何…この…何?
- 4二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:15:02
前編plz
- 5二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:15:06
前編の時にも続編の希望をした覚えはないが、書いてくれてありがとう…?
- 6二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:16:48
まずは前編を寄越せ
- 7二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:27:27
スレ画も…なに…?
- 8二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:29:52
- 9二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:49:03