【CP閲覧注意】『改造人間 織部』【クロスオーバー】

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 15:50:36

    「僕たちは仮面ライダーじゃない」
    「わたしたちは仮面ライダーになるべき人間でもない」
    「「僕/わたしたちは……」」

    『『改造人間 織部』』

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 15:51:59

    某スレでウルトラマン・エグザベ君のクロスの話をしたとき、エグザベ君に似合うのはウルトラよりも仮面ライダーじゃないかってカキコがありまして。
    なので、とりあえずザックリとネタ出しして、プロット完成してないけど見切り発車(笑)。
    とりあえず、昭和ライダーの1号~スーパー1ぐらいを考えてます。
    ZXとBlack-RXは展開次第でまだ不定。真やJやZOや白猿ハヌ○ーンは無しの方針で。
    あと時間を行き来したりする電王はワンチャン?

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 16:13:44

    「はぁ……。僕の部屋より遥かに広い……。窓なんてグラナダじゃ最高の贅沢なんだぞ……。あっと言う間にキシリア様の秘蔵っ子と言う訳か……」
    「運が良かっただけ」
    「運? 違うな。『本物』の才能には理由が無いんだ。理由をつけたがるのは、才能が無いものだけさ」
    「運って、貴方が言っ……!?」

    (嫌な臭い!?)
    「あぶない! ニャアン!」
    「エグザベ少尉!?」

    ガシャアアアァァァン!!

    (このグラナダで、窓を叩き割って侵入だと!? 冗談じゃ、まずい、この部屋の窓はドーム外に接して、ドアは、ハッチは向こう……ぐぁっ!)
    (少尉! エグザベ少尉! きゃあっ!)
    (護らな、きゃ、ミゲルのとき、は、何も、でき、な、約束、し、たのに……)
    (たすけて……! たすけ……)

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 16:19:50

    え、いきなり大ピンチ!?

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 16:35:29

    「ミゲル・セルベートに毒薬を与えたのは貴様だな、アサーヴ中尉」
    「……ええ、まあ。ギレン総帥派からの指示だったので」
    「ほう? あっさりと認めるものだ」
    「銃を構えて、いつでも撃てる体勢の貴女の言う事では無い、ですね」
    「……今までご苦労だった。楽に死なせてやろう」

    バン! バン! バン! バン!

    「……頭に2発、心臓に2発。お見事です」
    「馬鹿な……。まさか貴様!?」
    「お察しの通りかと。まあ、あくまで表の立場はギレン総帥派の間諜ですが」
    「SHOCKER・NEXT……」
    「契約通り、エグザベ少尉は頂いて行きます。ああ、それと彼の拉致現場に一緒にニャアン特務兵が居ましたので、申し訳ありませんが彼女も」
    「な!?」

    「大慌てですね? まあそうでしょうね。彼女は大事な大事な、大量破壊兵器『イオマグヌッソ』の始動キー、ですからね」
    「貴様、アレを返せ! 返すのだ!」
    「駄目です。あの計画、SHOCKER・NEXTとしては迷惑千万なのですよ」
    「おのれ……」
    「まあ、こちらとしては契約書に書かれていないので、その辺は自由にさせてもらいます。キシリア様も、存外、甘いようで……」

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 16:46:41

    「アサーヴ『様』、キシリア・ザビめは?」
    「ああ、薬物投与でもはや操り人形だ。キツいやつを使ったから、もう自己の意識が復帰することは無い。断言する」
    「それはようございました」
    「哀れな女、ではあったな」

    「まあ、ギレンに隙が出来て始末できる時が来るまでは、生きていてもらわないとな」
    「表向きは、彼奴等が計画している通りに、ギレンとキシリアは同時に排除される、と言うわけですな」
    「まったく上手く踊ってくれたものだ」

    (以前に最後の『組織』が壊滅後、仮面ライダーたちは休眠シェルターで眠りに就いた。まあ本郷と結城だけは交代で起きて、各自のメンテナンスと近代化回収を行っていたようだが。コロニー落としも、本気でジャブローから狙いが外れてシドニーに落ちたとでも思っているのかね、ふふふ。いや、油断はできぬか。あのライダーどものこと、1%でも可能性があるならば、全員が生きのびていないとも限らん。あの非常識どもは、これまでもコンマ1%以下の確率をモノにして来たからな)
    「アサーヴ様、お顔の『皮』が」
    「おっと……」

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:15:07

    (くそ、なんだこの前時代的で不衛生な牢屋は! いや、違うか。これは収監された者の心を折るための物だろう。僕ならばいい。だけどニャアンみたいな娘をこんな所に。さっき連れていかれたのには、何の理由が)
    「入れ!」
    「きゃ……」
    「ニャアン!?」
    「大声を出すな!」

    ドガン!!

    「うぁっ!」
    「少尉!!」
    「貴様もだ!」

    ドガン!!

    「きゃ!」
    「く……」
    「……」

    「……行った、か」
    「しょう、い」
    「ニャアン……」
    「キシリア様、の、本音を……。聞かされた……」
    「!?」
    「なんかよくわからないけど、わたしの才能って、特別なたくさん人殺せる武器をうまく扱うことで」
    「な!」
    「キシリア様、それでわたしに、ア・バオア・クーっていう、ギレン総帥ってヒトの基地と、そして地球を撃たせるために、優しくしてた、って」
    「そんな」
    「なんか、わかっちゃった。嫌な臭いしなくても、わたしのこと嫌ってなくても、優しくても。それでも平気でわたしに酷い事できるヒトって、いるんだ、って」

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:23:59

    「エグザベ少尉は……」
    「え」
    「どうなんですか」
    「僕が?」
    「少尉は、優しい。でも、本当に信じても、いいんですか」
    「……あたりまえだ! あたり、まえだ、ろ?」
    「もうわたし、嫌な臭いも、嫌ってるかそうでないかの感じも、ぜんぶ、ぜんぶ信じられない。信じたいのに。少尉のことだけでも、信じたい、のに」

    「ニャアン、鉄格子の隙間から、手を伸ばして」
    「え」
    「ほら」
    「……」
    「ぎりぎりだけど、指先が触れ合える」
    「……うん」
    「……僕は弱い。護るって言ったのに。君を助けてあげられない」
    「…………」
    「だけどせめて。せめてもの……」
    「あったかい」
    「え」
    「指先、あったかい」

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:30:46

    「アサーヴ様、2人はどうやらお互いに」
    「そうだな、ふふ。面白くなって来た」
    「では2人を引き離してやりますかな。そうなれば完全に心折れるでしょう。そうすれば、改造手術にて脳改造による洗脳も高い効果を」
    「いや。くくく。それはやめてやろう」
    「は?」
    「互いに互いを依存させてやれ。そうすれば、互いが互いにとっての人質としての側面を持つことになろう」
    「おお、流石でございますアサーヴ様」
    「褒めてくれることは嬉しいが、正直初歩の事なのでな。何と言えばいいのか。微妙な気になる」
    「も、申し訳ありませぬ」
    「良い。気にするな」

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:43:31

    (間に合わない……)
    『結城……。ライダーマン、どうだ?』
    『……駄目だ。ネット上からでは改造手術の阻止は、間に合わない。中途半端なところで阻止してしまったら、改造途中で手術が止まる。そうなれば』
    『彼と彼女の、タヒ、か』
    『俺達にできるのは』
    『……ああ』
    (改造手術のプロセスに割り込みをかけて、脳改造による洗脳手術を妨害すること、ぐらい……)

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:45:11

    スレ主です。とりあえずストック切れです。スレッド落ちる前には、書き加えます。がんばります。

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:52:55

    とても好き✌️

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:35:55

    「アサーヴ様、例の者たちの、お披露目にございます」
    「ほう? 少なくとも、見た目は素晴らしいな」
    「見た目だけではございませぬとも。双方とも同タイプの怪人として改造いたしましたが、素体のタイプにより、若干の差が出た模様でございます。それが上手くかみ合いましてな」
    「ふむ、相互支援、片方が前衛で片方が後衛、役割をスイッチすることも可能なわけか。爆弾は?」
    「もうしわけありませぬ。まだ体内の自爆装置は、本体とのシステム相性でまだ設置が済んでおりませぬ」
    「まあ、特に危急の折でも無いからな。だが何が起こるかわからぬのが世の中というもの。急ぎ設置しろ。脳改造による洗脳手術に、更にいつでも相方を爆破できるとあらば、余程の事が無くば」
    「ははっ!」

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:44:35

    「「待て!!」」
    「「!?」ば、馬鹿な! この場に侵入者だと! 撃て撃て撃て!」
    「いや待て。……ほほう」
    「貴様、キシリアの側近アサーヴ中尉か! となるとキシリアも」
    「まあ、そう思いたくば思っていろ沖和也。そして城茂か。丁度良いかも知れぬな。こやつらの性能テストには」

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:49:55

    「変……身!」
    「変身……ストロンガー!!」
    「仮面ライダー、スーパー1!!」
    「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ……。悪を倒せと、俺を呼ぶ。聞け、悪人ども。俺の名は……仮面ライダー、ストロンガー!」

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:56:04

    「フン、挨拶は済んだ、か? 殺れ」
    「「……」」
    「ぎゃあああぁぁぁっ!?」
    「な!?」
    「アサーヴ中尉。キシリア様、いえキシリアの暗殺現場以来だったか?」
    「そうなんですか、少尉」
    「うん。キシリアの側近だったんだけど、それがSHOCKER・NEXTの要人だとは」
    「しかもこの人、センサーで『視』るとかなり高位の改造人間みたいなんですが」

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:57:05

    「馬鹿な! 貴様らには洗脳手術を!」
    「……ネット上から、ライダーマンとか言う人からの詫びのメッセージが入ってたよ。改造手術をネット上で阻止すると、改造途中で手術停止になって僕らをコロす事になるからって」
    「できるのは、脳改造の内の洗脳過程だけを阻止することだって」
    「この改造された身体をコントロールするための脳改造は、停止させなかったって話だよ」
    「お、おのれライダーマン! 結城丈二!!」

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:58:11

    「うおおおぉぉぉ!」
    「これは……!?」
    「沖、どうしたんでぇ!?」
    「何故、何故貴様が『死神バッファロー』の身体を使っているんだ!?」
    「くくく、我々はドグマやジンドグマのデータを持っている! 失敗作とはいえ恐るべき戦闘能力を持つ死神バッファロー! その正体はプロトタイプ・スーパー1! であるならば問題点を改修し運用するのは理の当然であろう! まあ見た目は無様ではあるが、後々再改造すれば良いだけのことだ」

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:00:37

    「ミサイルヤモリ、獣人ヤマアラシ、ヒトデヒットラー……」
    「あ、クワガタ奇械人は俺も知ってらぁ」
    「合計4体の再生怪人に、30体の旧ショッカー戦闘員タイプ……」
    「お前ら良く知ってんなあ」
    「出撃前に補助頭脳に、隙を見てこいつらのメインフレームから、全データをDLしたので」
    「「「「「「何!?」」」」」」

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:02:04

    「ば、馬鹿な! それでは改造人間製造における機密データも! 科学技術データも全て!」
    「うん」
    「そう……」
    「ええい、ストロンガーとスーパー1は放っておけ! こやつら、こやつらは絶対に逃がしてはならん! 万一逃がしてしまえば!!」
    「……逃げるつもりは無い。ニャアンを苦しめた罪は、絶対に許さない」
    「わたしも逃げない。エグザベ少尉にかかる火の粉は、『嫌な臭い』は、全部潰す……」

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:06:56

    「超電、ドリルキイイイィィィック!」

    ドガァッ! ドゴォォォン!!

    「へ、後は沖! 任せるぜ!」
    「はい! アサーヴ、いや死神バッファロー改! お前は俺が倒す! チェーンジ冷熱ハンド!」
    「ぐ、ぐあああぁぁぁ!?」
    「スーパーライダー、月面キイイイィィィック!!」

    ガシャアアアァァァン!! バギャアァッ!

    「ここ月面で、月面キックたあシャレてんな」

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:08:37

    スレ主です。再度ストックが切れました。再度書き溜めに入ります。

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:17:37

    保守

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:10:11

    「……ありがとう。そして済まなかった」
    「お礼を言われるのはいいのですが、何を謝罪されるのですか?」
    「そりゃあ……。俺たちゃ、お前らを救えなかったしよ……」
    「その事に関する責任は、全てあのSHOCKER・NEXTと、それと裏で手を組んでいたキシリア・ザビにありますよ。……僕を改造素体としてSHOCKER・NEXTに売り渡していた契約データも見つかりましたから」
    「それでもあのヒトは、結局最後に裏切られたから。今のあのヒトは、見た目じゃわからないけど廃人。操り人形。だけど」
    「因果応報、ですね。ただ、彼女を裏で操るSHOCKER・NEXTの担当者を排除するのは現状問題があるというのが、歯痒いですが」
    「「な、何故だ!?」」

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:11:29

    「……ライダーマン、結城博士あたりにも聞いていただけると良いのですが」
    「うん。あと警告しておかないと。他のライダーの人にも」
    「……そんならよ。俺たちのライダー間で通じる頭ん中での通信あっからよ。それにアカウントだっけ?」
    「ああそうだな! アカウントを結城博士か本郷さんに作ってもらえばいい! 俺たちの仲間に」
    「「……」」
    「ど、どうしたんだい?」
    「いや、俺にゃあ雰囲気的になんかわかってたけどよ」

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:14:48

    「おう、別に仲間になれっちゃあ言わねえ。けどよ、せめても協力することぁ出来るだろ。アカウント? 作っておいて通信に参加できんのは、悪くねんじゃね?」
    「え、城さん!?」
    「なんか理由あんだろ? 仲間にゃなれねえ理由がよ。こいつらの顔、見ろや」
    「……ご明察、ですね」
    「うん」
    「!!」

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:22:06

    『これで君たちのアカウント作成は終わった。個々への通信、そして全員への一斉通話のモードがある。今忙しく返答できない者もいるから、それは気にしないでくれ』
    「ありがとうございます、結城博士。まず最初に、キシリアを操り人形にしている担当者を排除できない理由をお伝えします」
    「キシリアs……キシリアを操っているのは、排除するにも手間を惜しむくらいの雑魚、です。これが1つ」
    「そして2つ目。どちらかと言えばこちらが重要です。今キシリアが廃人になったのが明らかになれば、ギレン派が『旧』キシリア派を排除に出ます」
    「「!!」」
    『『……』こちら本郷、だ。仮面ライダー1号、をやらせてもらっている。……全面的に、同意せざるを得ない、な。結城も同意、だな?』
    「な……」
    『同意、せざるを得ないな』

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:24:29

    「キシリアが『駄目』になったのを、今明かすわけにはいかないんです。大きな血が流れる。それは自業自得なのですが。ですがジオン公国が今、乱れれば。大きな内乱になれば」
    「関係ない人も、大勢死にます。優しい人も、そうでない人も」
    「そして地球連邦軍あたりが介入して来れば。終わりです。一年戦争、それで済むわけが無い、あの地獄が、おそらく数年に渡って」
    「「『『……』』」」
    「仮面ライダーに関しての情報は、SHOCKER・NEXTの基地のメインフレームのデータバンク内に。貴方がたの数は、10人前後いれば良い方。いかに超人的な力があっても」
    「無理ですよ。絶対に……。そして今度は、きっと、わたしみたいな子がもっとたくさん」
    「ニャアン、そうなるかも知れないけど、あえて言うけど。きっとそれはまだ楽観的な見方だよ。残念だけど。最悪、全人類が、タヒぬ」

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:25:55

    「今、ダイクン派とその協力者、というかその扇動者である人物が。ギレン総帥とキシリアを同時に排除して、ジオン・ダイクンの遺児に政権を移譲する計画を水面下で実行しています。これもSHOCKER・NEXTのデータバンクに。SHOCKER・NEXTも、操り人形のキシリアとギレン総帥を一度に排除すると同時に、自分たちでジオン公国を乗っ取る算段を立てていますが。SHOCKER・NEXTの行いに手助けする可能性があるだけで口惜しいのはそうなのですが」
    「……エグザベ少尉」
    「あ。ニャアン、ありがとう。手を握ってくれて」
    「いい」
    「……キシリアが、ああなってしまった以上。ギレン総帥をどこかで、同時に排除し、新たな権力構造に移譲しなければ。地球圏にジオン公国という重石が無ければ。腹立たしい事ですがね」

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:34:06

    「「……」り、理由はわかった。だけど別な話になるんだけど、仲間にはなれないと言うのh「おい、沖!」」
    「いいんです、城さん。僕らは、あなた方の仲間には、『仮面ライダー』にはなれない。ならない。僕たちは『仮面ライダー』じゃない」
    「わたしたちは仮面ライダーになるべき人間でもない」
    「あなた達は、眩しい。人類の自由と平和、そのために全てを捧げている」
    「でも、わたしたちは違う。もっと卑しくて、自己中心的」

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:35:08

    「僕は、以前はこの宇宙で混乱が、人死にが、可能な限り少ないように、その方向になるように、キシリアの配下で居ました。まあ難民生活から救われた事、まっとうにNTの未来を考えていると勘違いしていた事、もありましたが。そのためなら、地球圏の痛みが少しでも小さい方に行くなら、キシリアの手駒になって場合によってはギレン総帥派を叩いて、できるだけ内乱をすみやかに終わらせるために命を使う気もありました」
    「「『『……』』」」
    「だけどそれは、あなた方のような、尊い理由じゃ、ない。あなた方は、眩しい。僕には、僕らには、眩しすぎる。そして今の僕は、僕には、それ以上に大事な者が居る」
    「……」

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:39:13

    「今の僕は、世界の平穏、世界の安定と天秤に掛けたら、そのもう一方の『者』を躊躇なく選ぶ。……この娘、ニャアンです。彼女は、今の僕にとって、『家族』です。唯一の。まあ、世界の平和が破れれば、彼女が平穏でいられない、彼女が幸せを掴めるはずがない。だから、そんな天秤に掛けるような事にならない様に、尽力しますが」
    「わたしも同じ。エグザベ少尉が幸せになれない世界なんか、いらない。だけどそれだと、最初からエグザベ少尉が幸せになれないから」
    「あなた方は、尊い。尊すぎる。あなた方は眩しい。眩しすぎる。本当は、なりたい。だけどできない。僕たちの心の問題です。僕たちは、あなた方の『仲間』には、『仮面ライダー』には」
    「「『『……』』」」
    「「なれない」」

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:40:42

    「でも、あなた方に協力できないわけでも、しないわけでも無い」
    「感謝はしてる……ます」
    「2人で、こっそり考えたんですよ」
    「わたしたちの、『存在』としての、名前」
    「粉々になった破片を、金継ぎして立ち上がった、織部金継ぎのように」
    「少尉の苗字の、読みの様に」

  • 34二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:41:57

    「僕たちは仮面ライダーじゃない」
    「わたしたちは仮面ライダーになるべき人間でもない」
    「「僕/わたしたちは……」」

    『『改造人間 織部』』

    「僕はそのアインス」
    「わたしはツヴァイ」
    「それでお願いします……」

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:44:16

    「……行くぞ、沖」
    「城さん!」
    「なあエグザベ・オリベ。その娘っ子、大事にしてやれや。無くすな」
    「「!!」貴方、貴方も」
    「俺にゃ、できなかった。俺は、無くしちまった。あげくに、アイツに護られちまった。そっちの嬢ちゃんは、てめえを護るだろ。だけどてめえも護れ。俺にゃ、できなかった事を、やって見せてくれ」
    「……俺、は。俺、は……」
    「……行くぞ、沖」
    「「お二人とも、ありがとう、ございます」」

  • 36二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:45:25

    とりあえず第一話、終わりですかね。続いて、第二話以降の執筆に移ります。よろしければ、待っていてください。あとできれば感想とかあると汁が出るほどうれしいです。

  • 37二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:11:03

    面白い!

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:23:49

    スレ主です。仮面ライダーストロンガー/城茂は、ライダー中で一、二を争って本作エグニャアに感情移入する人物だと思っています。というかそのように設定しております。いやなんせ、下の画像ファイルのまんまですから。

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:27:18

    第二話:

    「……少尉」
    「なんだい」
    「改造、されちゃいました、ね」
    「うん……。ごめん」
    「いいです。あやまらないで。……だけど」
    「……」

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:28:19

    「わたしのお腹の中、ぜんぶ、取られちゃって、機械つめこまれて」
    「うん……」
    「もう、赤ちゃん、産めない」
    「……」
    「だけど何か、ハニートラップ? とかには使えるとか。それで『そういうこと』は、できるって……」
    「うん、僕も同じ。同期からは『顔はいいよなお前』とか言われてたけど。『そういう』役には、立つんだな。人間態への変身機能が付けられたのも、ね」

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:29:19

    (ニャアンと一緒の部屋にされたのも、理由は思いつく。あいつら、僕らが洗脳手術されたって思ってるけど。それでも完全には信じてない。だから、お互いの距離を近づけて、お互いへの人質的に使おうとしてるのは、簡単に思いつく。だけど……。それ、でも)
    「エグザベ少尉」
    「お願いがあります」
    「なんだい?」
    「『家族』にしてください」

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:31:59

    「わたし、もう『家族』は増やせない。産めない。けど、一人は、独りは、いやです」
    「うん」
    「『そういうこと』してください。ほんとの『家族』にしてください」
    「……うん。僕からも、お願いするよ。『家族』に、なろう。……泣かないで」
    「ごめ、なさ、い。でも、泣かせ、て、くださ……」
    「……ありがとう、『家族』にしてくれて。ありがとうニャアン」

  • 43二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:33:01

    「起きて、少尉」
    「おはようニャアン」
    「泣いてた……」
    「うん、夢を見たんだ。悲しくて、でも嬉しくて、でも哀しくて、だけど素敵な夢を」

  • 44二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:35:58

    スレ主です。度々のストック切れです、すみません。再度書き溜めに入ります。

  • 45二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:14:21

    「未確認の船を確認しました!」
    「船籍は!? オシロ軍曹!」
    「不明です艦長!」
    「く、シャリア中佐! 部隊の作戦指揮官として、方針と指示を頂きたいですな!?」
    「(いや、悪い物は感じない)……情報が足りなすぎます。明確に敵対されるまでは、監視の継続を」

  • 46二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:15:24

    「未確認船、爆散しました!」
    「なんだと!?」
    「爆炎の中から、2機のMS確認! ……これは! 片方はキシリア様の近衛部隊、隊長機のギャン!」
    「何!? そんな馬鹿な!」
    「もう1機は……。ジークアクス2号機! ジフレド! ガンダムフレド、ジフレドです!!」
    「いったい何が起こっている!?」
    (エグザベ君……? だが何かが変化している)

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:16:24

    「着艦許可を求めています!」
    「……受け入れるしか、なかろう。よろしいですね、シャリア中佐」
    「無論です」
    「だが着艦後、MSデッキに陸戦隊……は乗艦していなかったな。やむを得ん、保安部を配備……」
    「必要ありません。わたしが迎えに出ます」
    「シャリア中佐!?」
    「コモリ少尉、いっしょに来てください。……『彼女』も連れて」
    「!?」

  • 48二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:19:09

    「ようこそ、ジオン公国宇宙突撃軍シャリア・ブル遊撃部隊強襲揚陸艦ソドンへ」
    「受け入れていただき、ありがとうございます。ジオン公国軍キシリア『様』近衛NT部隊隊長エグザベ・オリベ少尉および新入隊員のニャアン特務兵です」
    「よろしくお願いします」
    「にゃ、ニャアン!? それにあんた、あのときのロッカーマン!」
    「ちょ! 今はまずいから、大人しくしてなさい!」

  • 49二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:25:33

    「(2人の内心が、表層思考すら、読めない。これは? いえ、何やら壁の様なものが感じられます)エグザベ少尉、此度の理由を聞かせてもらえますか」
    「はっ。月面都市グラナダにて、我々2名はテロリストに誘拐されました。ですが隙を見て脱出、グラナダ内では逆に『敵』がどこに居るのか不明であったため、テロリストの非武装宇宙船を奪取、自機をどうにか回収して脱出してまいった次第であります」
    「それは大変でしたね。2人に部屋を用意します。少し休んだら、報告書……(む、わずかに眉をしかめた。書面に残したく、ない?)いえ、口頭でわたしの私室で報告をしてください」

  • 50二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:26:47

    「シャリア中佐、マチュと彼女は面識がある様です。マチュが少し話したい様なので、よろしいでしょうか」
    「……許可します。ですがニャアン特務兵も疲れているでしょうから、貴女の監視下で数分だけです」
    「了解しました」

  • 51二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:29:08

    「……ニャアン! なんで突然居なくなったの!? なんで消えたの!? シュウジは!? どうなったの!?」
    「ん。最初から1つずつでいい?」
    「(!? 何、このまるで闇を抱えたような瞳)う、うん……」
    「わたしはサイド6軍警に半ば撃墜されて、道路端にジークアクスごと落着した。違法デバイス運送の元締めが軍警に逮捕されてて、芋蔓式にわたしも逮捕される可能性高かったから、どこにも逃げ場が無かった。そこへエグザベ少尉、マチュの言うロッカーマンが助けに来てくれて。そこでNTの素質があるからって、ジオンのキシリア『様』にスカウトされた。そこからは少尉と行動共にしてた」

  • 52二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:31:44

    「しゅ、シュウジは!?」
    「シュウちゃんは、赤いガンダムと一緒にゼクノヴァ現象っていう、空間転移現象を起こしてどこかに消えた。あとはわからない」
    「な、あんた! なんでそんな風に! シュウジのこと、あんたも好きだったんじゃないの!?」
    「好きだったよ? でも恋じゃない。友達みたいな感覚、だと思う。今では、ね。だけどゼクノヴァ起こる前に、シュウちゃんにもマチュにも顔見せできないほどの事、言っちゃったから。たぶんもしかしたら、シュウちゃん居なくなったのは、わたしが嫌われたからかもって思う」
    「!!」
    「マチュもわたしのこと嫌いだし。だからもうどうだっていいや。今わたしが好きなのは、大事なのは、内縁の夫であるエグザベ少尉。あのヒトだけ。……もう、よろしいでしょうか、コモリ少尉」
    「え、ええ……。って内縁の夫!?」
    「では。失礼します」

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 09:35:00

    スレ主です。なんとかマチュとニャアンを和解させたいと思いつつ、ストック切れです。書き溜めに入ります。

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:32:08

    「中佐、参りました」
    「失礼します」
    「2人とも、よく来てくれましたね。では詳細な報告を」
    「その前に、ちょっと軽いジャブをよろしいでしょうか」
    「? かまいません」
    「報告には直接に言葉に出すだけで、聞かれるだけで大問題になり得る情報も含むのです。ですので報告書など一切の証拠類を残さず、『内容』だけを知っていて欲しいのです」
    「……手法は」

  • 55二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:33:15

    「僕らが今からこの部屋にいる間、外付けの精神防壁を解除します。ですので、その間に読めるだけ読んでください」
    「なるほど、それが理由で。わかりました」
    「5、4、3、2、1、0」
    「……!? エグザベ君、君は。君、は」
    「いい歳した大人が、泣かないでくださいよ」
    「はい、ティッシュです」
    「……ありがとう、ございますニャアン君」

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:34:33

    (シャリア中佐。キシリア・ザビは本人を排除するのは相変わらず至難ですが、彼女を操っているSHOCKER・NEXTの担当者を排除するだけで同じ効果が得られます。これは難易度的に、非常に容易です)
    (中佐、ですがギレン総帥を排除はまだ大変かと思われます)
    (それとより一層問題なのが、SHOCKER・NEXTもザビ家2人を排除した後、ジオン公国を乗っ取ろうと計画している事です)
    「……君たちには、何か案は」
    (大型コンピューター、可能であれば大学のスパコンを使える環境が必要です。僕らが補助頭脳にDLしてきたSHOCKER・NEXTの情報には高度な暗号化が施されているものも多々)
    (SHOCKER・NEXTがやろうとしてる計画内容がわかれば、どうにか)
    「……わかりました。わたしの伝手で、どうにかしてみます」

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:35:55

    「……行きましたか。何か得られると良いのですが」
    「エグザベくんたち、MS残して行きましたけど」
    「予定通りならば、すぐに帰って来るからですよ」
    「だけど内縁の夫婦関係……。エグザベくん、あんな若いって言うか幼い子を。ロr」
    「コモリ少尉。彼らはね」
    「え」
    「2人揃って、地獄に落とされたのです。もともと地獄を生きているようなものだったのに」
    「え、中佐、な、泣いてますよ!? は、ハンカチ、ハンカチ」
    「その地獄の底で結び合った絆なのです。それを愚弄することは、わたしが許しません」
    「す、すみません。ハンカチどうぞ」
    「ありがとうございます」

  • 58二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:37:59

    「サイド4の損壊コロニー群。残された大学施設。上手くすれば、まだスパコンが生きてる。電源は、僕ら自身を使えばいい。駄目ならサイド1。それも駄目なら」
    「あまり行きたくないけど、サイド2とサイド5」
    「うん。でも手段は選んでられないし。……!?」
    「損壊コロニーから、何か運び出してる?」
    「……SHOCKER・NEXTの戦闘員と怪人。こんなところで物資調達か。……やるしか、ないな。終わったら、スパコン調べて動く様なら暗号解読。その後、即座に撤退」
    「わかった」
    「行くぞ」
    『『変……身!!』』

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:39:00

    (エグザベ君とニャアン君の暗号化データ……。恐ろしい高度なものですね。結城博士、ライダーマン氏も別個に解読を試みているとの事ですが。ですが今回解読できた端の部分だけで、かなりの成果が得られました。SHOCKER・NEXTは我々がアルテイシア様を擁立しようとしている事を、いや既に内諾を得て協力関係を結んでいる事を、計算に入れている。実行役であるわたし、シムス大尉、その他ダイクン派の大物数名を抹殺し、アルテイシア様を洗脳あるいはこれは決めかねている模様ですが、怪人に改造手術して脳改造による洗脳を行うかもしれない、と。エグザベ君には、足を向けて寝られません。彼が情報を持って来てくれなかったらと思うと)
    「シャリア中佐、無重力用のゼリー食です。……せめて破片の飛び散らない無重力用ハンバーガーでも食べないと」
    「すみませんねコモリ少尉」
    「まったく」
    (しかしまだ、かなりの部分が未解読のままです。未解読の暗号データに、何が隠されているのか。不安です……ね。それに……)

  • 60二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:41:28

    (懸念事項としては、これはエグザベ君たちと彼らを通じて仮面ライダーたちにも伝えてありますが……。シャロンの薔薇、『向こう側の世界』から来たオーパーツであるMA『エルメス』とその中に眠る少女を、キシリア様、つまりはSHOCKER・NEXTに引き渡さざるを得なかった事です。引き渡してしまった事です。エグザベ君たちが来るのがあと少し早ければ、いえ繰り言ですね。これが、どう今後に作用するのか、SHOCKER・NEXTのデータの残り、どうにか解析して彼らの目論見を知らなければ)

  • 61二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:43:10

    これでもって第二話、終わりですわ。続けて第三話の執筆開始です。待っていてくださると、有難いです。そしてできれば感想とかあると鼻から牛乳が出るほどうれしいです。

  • 62二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:23:29

    第三話:

    「エグザベ君、ニャアン君。まずい事態です」
    「シャリア中佐、いったい何が」
    「キシリア『様』から帰還命令でも?」
    「いえ、それは四方八方手を尽くして、ソドンへの長期出向という体裁を押し通しました。しかし……」
    「これは! 僕とニャアンへの召喚状!?」
    「総帥府……」
    「ギレン総帥のサインがあります。真正面から正式な手段を取ってこられました。動かしようがありません。何がどうなって君たちが目を付けられたのかは」
    「わたしが、ジフレドのパイロットでイオマグヌッソの起動キーであるから、でしょうか」
    「正直、まったくわかりません」
    「シャリア中佐、仕方ありません行きますよ。ですが、念のためにMSはソドンに置いて行きます。召喚状には持ってこいとは書いてありませんからね」

  • 63二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:25:12

    「そして、長々と待たされる、か」
    「ですね」
    「む?」
    「ようやく来たようですね」
    (これがセシリア秘書官、そしてチャップマン大将、そして……ギレン・ザビ総帥。そして大量の衛兵。敬礼、敬礼と)
    (秘書官殿、嘲笑う表情です)
    (まあ仕方ないさ。僕らは形の上では、キシリア配下なんだ)
    「よく来てくれた、エグザベ・オリベ少尉、ニャアン特務兵」
    「「!?」」
    (あ、総帥の言葉に秘書官と大将が愕然と)
    (総帥との間に、何か行き違いが?)

  • 64二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:29:20

    「その様に、硬くならんでいい。楽にせよ。今日は諸君らは、わたしの客人として呼んだのだ。む?」
    「「格別の御恩情、ありがたく」」
    「……待て。エグザベ少尉、ひとつ聞きたい。嘘偽りなく、申せ。諸君らは、本日この場で、どれだけ待たされたか?」
    (あ、秘書官と大将が睨んでるよ)
    (これは、言うなってことですね?)
    「……セシリア、チャップマン、命令だ。客人を威圧するのをやめろ」
    「い、いえ、わたしたちはそんな」
    「そのようなつもりは、毛頭無く」
    「二度言わせるな」
    「「ひっ!」」
    (? すごい気迫だな。ギレン総帥は気力を失って、コロニー落としの悪夢で眠れない日々がって聞いていたんだけどな)
    (キシリア派閥の噂ですから、願望も入っていたのでは)

  • 65二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:30:29

    「エグザベ少尉、どれだけ待った」
    「…3時間です」
    「ほう……。わたしの客人を、茶の一杯も出さずに、3時間も待たせた、と」
    「「も、申し訳……」」
    「中身の無い謝罪など、聞く気は無い。そこに控えておれ」
    「「は、ははっ!」」
    (あ、衛兵たちまでビビってる)
    「……エグザベ『大尉』、ニャアン『少尉』。本日は貴官らと話がしたくてな。ああ、遠慮はいらん。貴官らほどの人材だ、好きに直答して良い」
    「はっ! それでは……。自分は少尉、ニャアンは特務兵でありますが」
    「いや、そうだな……。3、2、1、ふむ。本日ただ今の時点より、貴官らは『大尉』と『少尉』に特進だ。わたしが、そこの」
    「「!!」」
    「そこの者たちを通さぬルートで、わたしのサインの入った書類を関係各所に送って決定させた」
    「「は、はっ! 有難うございます!!」」

  • 66二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:33:26

    「そう、だな。まずは茶飲み話に、いわゆる『日常会話』でもするとしよう」
    ((こんな威圧感物凄い日常会話、ですか))
    「そう、だな。キシリア派閥では、わたしが父上、『デギン・ソド・ザビ』を暗殺したという事になっているらしいな? とりあえずは、そういう事にしておこう。暫定的に、な」
    「「了解です」」
    「わたしが父上に殺意を抱いたのは、一年戦争中にわたしが『ヒトラーの尻尾』と父から揶揄された時だ。なれど、な。父上を弑する決意をしたのは。弟であるドズルのタヒを、父上に伝えたときだ。父上は『ドズルらしいな』の一言で、それを片付けた。何の感慨も抱かずに、な。あの瞬間だ。父上は、あの男は、『父上』では無くなったのだ。わたしにとっては、な」
    「「……」」
    「わたしがソロモン陥落の際に、ドズルにビグ・ザム試作機1機だけを送りつけた事で、わたしがドズルにタヒねと命じたと思った阿呆どもも多い様だがな」
    (あ、セシリア秘書官と)
    (チャップマン大将の顔色が)
    「ア・バオア・クーには送れる余剰戦力は無く、本国の戦力は間に合わぬ。わたしとしては、ビグ・ザムを囮にして、ドズルには逃げて来い、と言ったつもりだったのだ。もっとも言わねば伝わるものも伝わらぬ。兵の前で言える事では無かったが。それにドズルの気性からして、無理だとは思っていたが。だがわたしにとって、心底からの願いであった」
    「「……」」

  • 67二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:35:32

    「キシリアにしてもそうだ。アレがわたしを嫌っている、下手をすれば憎んでいるのも理解する。アレは『父上』だったモノに懐いていたからな。だがな……。わたしはアレを脅して大人しくさせろとは命じたが、暗○せよとなどは言っておらぬ」
    「「!?」」
    「当たり前だ。大事な家族なのだ。大事な妹なのだ。『父上』だったモノとは異なり、アレはグラナダから戦力を捻出し、ソロモンへ向けさせたではないか。……わたしの命令を誤解あるいは曲解、拡大解釈し、アレに本気の暗○者を差し向けてしまい、『将来的に関係の改善を図り、わたしに万が一の事があった場合の代理ができるぐらいに育てたい』と思っていたわたしの思惑を潰してくれた、何処ぞの阿呆はいる様だが」
    「「ヒッ!?」」
    「ガルマは……。一年戦争の真っただ中だと言うのに、軍から抜け、ザビ家を捨て、何処ぞに隠棲してしまった奴には、正直当時腹を立てた。が、この様な馬鹿げた場所から距離を取ったのは、アレが正しかったのかも知れぬ。才気溢れる弟だな。サスロはもしや、早死にしたのは惜しんだが、あれはあれで正解だったかも知れぬ。当人は無念であったろうが」

  • 68二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:37:29

    「そろそろ本題の話をしよう。貴官らがキシリアを見限ったのは、最近だな?」
    「……はっ!」
    「その通りです!」
    「「な、何っ!?」」
    「その件には、『仮面ライダー』と『SHOCKER・NEXT』が深く関わっている。そうではないか?」
    「「はっ!」」
    「まあ詳しい事は聞かぬ。話せぬ事も多かろう。が、キシリアが死んだか薬ででも操られておるかは知らぬが、基本行動不能になっておるのは、SHOCKER・NEXTのせいであろう?」
    「ご明察の通りでございます」
    「まったく。うかつに深みにはまりおって、キシリアめ。貴官らは仮面ライダーに助けられた、と微細な情報や周辺状況から判断しておる」
    (怖いなあ、このヒト)
    (人間ですか?)
    「で、貴官らに頼みがあってな。一年戦争の時からの宿敵……まあ、人類の半数を虐殺する独裁者だ、下手をすればSHOCKER・NEXT以上にあ奴らにとって許せん相手だろうが、その男が頭を下げて頼んだ、と彼奴らに連絡が取れるなら、伝えて欲しいのだ」
    (いえ、この会談の初期段階から、ライダー間の通信を開いて垂れ流しっぱなしです)
    「おそらくわたしは、近いうちにSHOCKER・NEXTにより殺されるだろう。その後に、公国人民の流血を、可能な限り抑制して欲しい、とな」
    「「「「!!」」」」

  • 69二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:40:08

    「そしてセシリア。衛兵の貴様らにもだ。わたしが、俺が死んだことを、数年でいい、秘匿せよ」
    「な、何を仰いますか!そんn」
    「いや、もはやこの事はどうにもなるまい。それ故、貴様に命じている。我が愛人にして、秘書官であろう? これまで虎の威を借りて、散々好き放題やって来たのだ。虎が居なくなったとて、数年程度はそれを秘してやってもらわねば困るというもの。安心しろ。貴様がわたしの死を秘する限り、物事が最大限上手く転がるように、手筈は整えている」
    「あ、あ……」
    「それに、ほれ。こういう事があるからな」
    「え! あ! な、なんだコレは!」
    「ちゃ、チャップマン大将!?」
    「背中から、怪物の腕が!?」
    「フン、自らも知らぬ間に、怪人に改造されておったか」
    『『……変……身!!』』

  • 70二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:41:24

    『……ふう』
    『狭い部屋の中で戦うのは、難しいです』
    「あ、あ、ああ……」
    「貴官らも、仮面ライダーの一員になっておったか」
    『いえ……。僕たちは仮面ライダーじゃない』
    『わたしたちは仮面ライダーになるべき人間でもない』
    『『僕/わたしたちは……』』

    『『改造人間 織部』』

    「ふむ、そうか。間違えてしまい、済まない。それと、気を付けて置いた方が良いぞ?」

  • 71二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:43:12

    バン! バン! バン! バン!

    「え、あ!? なんで俺の腕が勝手に!?」
    「こういう事があるからな。後催眠による暗示、それによるトラップ的行動、だろう」

    バン!

    「ガッ!!」
    「操られていたとは言え、総帥を撃ってしまったとなればな。死んだ方がマシな未来しかあるまいよ」
    「そ、総帥! い、医者」
    「騒ぐな。致命傷だ。助からぬ。……『改造人間 織部』たちよ。このメモリーチップを受け取れ」
    『これは?』
    「総帥専用のパスコードだ。変更や削除は誰にも権限的にもできぬし、ハードウェアごと排除しようとするならば我が派閥の建築物、果ては一部コロニーまで完全解体せねばならぬ。貴官らに、上官として命じる。このパスコードを用い、貴官らの都合がつく限りで良い。公国民を護り、守れ。そしてこやつ……セシリアが貴官らに不都合な行動、あるいはSHOCKER・NEXTにおもねるような行動などを取った場合は、そのパスコードを十全に用いて、殺せ」
    「ヒッ!」
    「何度も同じような反応を……。あまり失望させるな。何、上手く事が転がれば数年どころか数ヶ月で、権力を手放せる。さすれば十分な資金と共に、安楽に引退できる。……貴様には色々失望させられたが、それでも、愛してはいた。さらば、だ……」

  • 72二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:48:10

    『サイド2、サイド5の件もあって、絶対に許せないし、憎んでも飽き足らない男、ではあった』
    『うん。でも、そんな奴にもこんな側面があったんですね』
    『ああ。そうだ、ね。……セシリア秘書官』
    「ひぅあっ!?」
    『僕たちは、これでおいとまします。ですが、総帥のご遺言を果たさないとか。僕らに何かしようものなら』
    『お覚悟を』
    「わ、わかった! おま、いや貴官たちには手は出さない! 総帥の遺言も、必ず果たす! だから!」
    『『……では、もはや二度と会わない事を願っております』』

  • 73二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:49:54

    スレ主です。第三話、これにて完了いたしました。ワシ、頑張りました。で、第四話執筆にかかります。感想いただけると、血涙流すくらいに喜びます。ってソレ喜ぶ表現じゃないだろうと一人ツッコミ。

  • 74二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 23:26:09

    昔からの特撮ファンだけど、ガンダム世界と仮面ライダー世界の良質なクロスオーバーでめっちゃ好きです!

  • 75二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 01:51:57

    第四話:

    「均衡が破れそうですね」
    「中佐……」
    「……」
    「さて、動きますよ、エグザベ大尉、ニャアン少尉」
    「「はい!」」
    「……ニャアン少尉、済みません。本来であれば同じ扱いであったはずのマチュ君は、あえて此度の作戦には参加させないというのに」
    「気にしないでください。わたしは自分で、エグザベ大尉と同じ道を」
    「そうでしたね。これこそ済みません」
    「いえ。あ」
    「……」
    (少しざわめいていた思考が、エグザベ君に撫でられると一気に落ち着いた。2人とも、わたしの前では精神防壁を外してくれる様になりましたね……。ですが、ニャアン君の本音。マチュ君に嫌われてるから彼女はどうでもいい、と思い込んでいるけれど。その奥底では、マチュ君に嫌われていると思っていた方が『楽』だから……。一年戦争は、戦災による難民という過去は、劣等感は、どこまでこの少女を苛むのか。そしてエグザベ君……)

  • 76二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 01:57:37

    「無事かぁ? アルテイシア殿下、だったな?」
    「貴方は」
    「俺は仮面ライダーストロンガーだ。こいつらSHOCKER・NEXTの野望を叩くために生きてる」
    「城……ストロンガー、再生怪人は片付きました」
    「おう、スカイライダー」
    「アルテイシア殿下、ご無事ですか?」
    「はい、ありがとうございます。彼らの目的はいったい」
    「ああ、アンタを洗脳または怪人に改造して脳改造して操り、ジオン公国を乗っ取ろうって腹だな」
    「ちょ、そんなあからさまに」
    「知るかよ。って言うか、この女はちゃんとそこまで覚悟ガン決まりしてっぞ。逆に失礼ってもんだ」
    「そんな物……ですか?」
    「「そうだ/です」」
    「ごめんなさい」

  • 77二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:03:41

    「ふふふ、見事に騙されてくれて嬉しいよ」
    「マ・クベ中将! 貴様やはり我々の側についたのは、偽りだったのか!?」
    「騙される方が愚かなのだよ。やれ!」
    「イーッ!!」
    「トォ!! ハァ!! V3サンダー!!」
    「「「「「ギャアアアァァァ!」」」」」」
    「き、貴様は!」
    「た、助かった、助かったが君は何者だ!」
    「フ、俺は! 仮面! ライダー! Vスリャアアアァァァ! ……そしてもう1人居る。仮面ライダーX、だ」
    「来たぞV3! 本物のマ・クベ中将は救い出した!」
    「な! マ・クベ中将が2人」
    「……その品性の無い顔、姿、言葉。未熟な技量で無理に似せているだけあって、苛立たしいな」
    「く、お、おのれ! 今一歩であったものを」

  • 78二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:11:20

    「スーパライダー梅花二段蹴り!」
    「クケケケケー!!(スーパー大切断)」
    「ランバ・ラル将軍! ご無事で!」
    「ダイジョブ、か?」
    「済まない、助かった。あの化け物どもの目的はいったい」
    「アルテイシア殿下と、貴方がたその側近だ。側近の方々は排除し、アルテイシア殿下は洗脳し、ジオン公国を乗っ取る算段だ」
    「な、んだと!」
    「大丈夫、そうはさせないために」
    「オレたち、来た!」
    「アルテイシア殿下の元にも、頼りになる仲間たちが居る!」

  • 79二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:25:20

    「お前たちの作戦は、全て失敗した」
    「ふふん、お前で最後だぜ。シムス大尉、だいじょぶかい?」
    「た、助かりました」
    「貴様ら、何者だ!」
    「ライダー……」
    「変身!」
    「変……身!」
    「「トォ!」」
    「い、1号ライダー! 2号ライダー!」
    「お前たちの負けだ。仮面ライダー『ではない』」
    「俺たちの『協力者』の手でな!」

  • 80二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:28:34

    「ふう……。SHOCKER・NEXTの技術力を借りて、総帥のパスコードを変更してしまった、か」
    「もともと総帥のパスコードが変更できないって言っても」
    「うん。それは単純に最高位権限のパスコードだからなんだ。だからあらかじめ、総帥権限で同等権限のパスコード登録して、なおかつ旧パスコードを囮として残しておけば」
    「旧パスコードをSHOCKER・NEXTの技術で変更しても」
    「そうだね。新しいパスコードがあるから、それは全然僕らの行動を掣肘する意味にはならない。そして仕掛けて置いたプログラム上のトラップが」
    「敵の行動開始タイミングを、教えてくれますね」
    「昔は優秀な人だったって聞いたんだけどね。結局は自分で権力を握った『つもり』になっていた時代の事を忘れられなかったのと、総帥の寵愛を得たがために劣化した智謀、そして……」
    「総帥のパスコードを握った、わたしたちへの恐怖、ですか」
    「僕らの仇の1人ではあるが。死んで可哀想だとは欠片も思わないが。やはり残念、だよ。セシリア秘書官」
    「怪人たちも戦闘員たちも、全員始末がつきました」
    「うん。シャリア中佐も、グラナダで廃人のキシリアとそれを操っている奴を『終わらせて』いる頃だよ」

  • 81二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:32:39

    「……SHOCKER・NEXTの暗号化されたデータ。それの解読は、遅々として進まないが……」
    「ライダーマン、結城博士」
    「いつも助かります。わざわざサイド1の遺棄された大学施設スパコンまで物資を運んでくださって」
    「いえ。他の皆さんは前線ですが、貴方はこちらですか」
    「わたしの場合、戦えるとは言っても現状はこちらに居る方が役に立ちますから」
    「かつてのほぼ生身の貴方であったらそうでしょうが、歳を経て身体の機械化が進んだ今の貴方でしたら」
    「それを計算に入れても、ですよ……!?」
    「何か!?」
    「切っ掛けが、掴めた。次々に、情報が開示されて行く。SHOCKER・NEXTは、まさか。他の並行発動している作戦で……」
    「……」
    「世界を、この世界を、救おうとして、いる? 関連して、シロウズ……。赤い彗星の、シャア」

  • 82二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:34:15

    スレ主です。なんとか第四話、更新完了いたしました。青息吐息で。でもって、第五話執筆開始します。感想いただけると、すごく喜びます。ワシが。

  • 83二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 10:33:39

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 11:58:04

    第五話:

    「即位式、ご苦労様でした、アルテイシア陛下そして皆様方」
    「いえ、ライダーマ、いえその姿のときは結城博士と呼んだ方がいいですね」
    「貴殿らと貴官たちのおかげで、わたしのあの出来の悪い偽者にしてやられずに済んだ。助かった。礼を言わせてもらおう」
    ((((((あの偽マ・クベ中将、そっくりだったけどなあ))))))
    「だが、新たな問題が発生した、というよりも水面下にあった物が浮上した、というべきだろうな」
    「……相当にまずい事態のようですね」
    「ええ、陛下。SHOCKER・NEXTの奴らなのですが……。奴らは奴らなりに、この宇宙を救おうとしている事が判明しました。無論、奴らなりの頭に来るやり方で、ですが」
    「「「「「「!?」」」」」」
    「この宇宙は、模造品です。いえ厳密にはコピー品に近いものでしょう。一年戦争の数年前、長く見積もってもシャリア・ブル中佐が木星圏へヘリウム3採取に赴いた最中か手前あたりの時点に於いて、『向こう側の世界』と呼称されている『原型世界』から並行異世界として分岐した世界。それがこの宇宙、です」

  • 85二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 12:19:03

    「『原型世界』に於いて、赤い彗星のシャアと、とあるNTの少女が組んで、地球連邦軍のMS『ガンダム』と戦いました。ええそうです。この世界に於いて、シャア大佐が地球連邦軍から奪った『はずの』あのMSです」
    「どういう……」
    「待ちなさいマ・クベ中将。続きを聞きましょう」
    「『原型世界』に於いては、地球連邦軍の物量と、『ガンダム』の圧倒的戦果の前に、ジオン軍は敗北間近だった模様です。で、問題はシャア大佐とNTの少女、ララァ・スンが恋仲だった事、ララァがNTとして異様なレベルで高度な能力を持っていた事、ララァが高度なサイコミュ『アルファ・サイコミュ』を搭載したMA『エルメス』に搭乗していた事、です。シャア大佐は、まるで『当然』の様に『ガンダム』に敗北し、戦死。ララァはその力を暴走させ、そして無意識の内に別の世界を創造します。能力が暴走するほど無茶をしたせいなのか、それとも精神に掛かった重圧のせいなのか、別宇宙にも同意存在たるその宇宙のララァ・スンが生きていたからなのか、それは分かりません。彼女の時間は、乗っていた『エルメス』ごと凍結され、眠ったままになります」
    「「「「「「……」」」」」」
    「そうです。『シャロンの薔薇』が、『エルメス』と『ララァ・スン』なのです。『ララァ・スン』が創造したこの宇宙は、不安定です。眠ったままの彼女の無意識の欲求により、『シャア大佐がガンダムを奪い、それにより死なないで済む』などの『本来無かった現象、事象が発生する』とか、ね。そうです、彼女が宇宙を創造した理由は、シャア大佐が死なない世界が欲しい、ただそれだけです。そしてシャア大佐がガンダムを奪って生きのびる、それにたどり着くまで、どうやら無数の世界を創造し……。そして無意識のうちに『破壊』してきたのか」
    「……SHOCKER・NEXTは、その『宇宙の破壊』を阻止しようとしているのか。まあ当然だな。自分たちも巻き込まれて消えてしまうのだから」
    「この宇宙は、一見シャア大佐が生きのびたことで命脈を永らえたかの様に見えます。でも『本来1つしか存在しないアルファ・サイコミュが2つ存在する』ことで共振作用によりゼクノヴァを発生させたり、その他にもありえない事が起きたり。あまりに不安定です。シャア大佐もSHOCKER・NEXTは存在を確認している様ですが、もし他の要因で彼が死亡したら。この宇宙は」

  • 86二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 12:38:38

    「SHOCKER・NEXTの計画について解説します。1つ目の計画は、シロウズを名乗りララァ・スンを原型宇宙に送り返す事でこの宇宙を自立させ安定させようとしている、シャア大佐の計画を支援し実行させる事です。最も穏当ですね」
    「確かに」
    「2つ目も、そこそこ穏当です。NTはその能力のかなりの部分をミノフスキー粒子に依存します。ですのでララァ・スンとその乗機エルメスを、原型宇宙から連なる並行異世界『ではない』『ミノフスキー粒子やミノフスキー物理学が存在しない』別宇宙に放逐する。これならば、この宇宙にララァ・スンが戻って来たり干渉したりする事は、もはや出来なくなる。ちょっと精神感応の能力が高いだけの少女になってしまう、世界に干渉できるほどの脅威的存在ではなくなる、という事」
    「「「……」」」
    「3つ目の計画。これがSHOCKER・NEXTが本計画に位置付け、最優先で実施しているらしい計画です。……ララァ・スンが別宇宙を創り出すそのシステムを解明し、模倣。自身で新しい宇宙を創造する計画です。ですがSHOCKER・NEXTが短い時間で出来たのは、せいぜいが偽物、口汚く言えばパチモンを創り出すだけ。中身が無い空っぽの宇宙を創造するシステムを設計するのが精一杯。ですがSHOCKER・NEXTは、この計画を本計画に据えた」
    「何故です」
    「宇宙そのもののパラメーターを、好きな様にいじれるからです。SHOCKER・NEXTは、空っぽの、しかし自分たちに都合が良いパラメーターの宇宙に、この宇宙の生きとし生けるものを移植、そして自分たちに都合の良い環境下で圧倒的有利な状態で、世界を我が物にする戦いを改めて始めるつもりなのです」

  • 87二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 12:58:17

    「奴らは1つ目、2つ目の計画も、予備計画として進めています。ですが本計画を達成されてしまえば。我々の戦いは。『人類の自由と平和』は。我々は戦いを諦める気はありません。ですが現実問題として、極めて不利な状況に追い込まれる事は間違い無いですね」
    「1ついいでしょうか結城博士」
    「はい、エグザベ大尉」
    「僕とニャアン少尉がSHOCKER・NEXTからその暗号化されて解読に時間がかかったデータを奪取してから、既に数ヶ月が経っています。難点として、『現在』の奴らの計画進捗が不明である、という事が指摘できます」
    「その通りだ」
    「そこで進言したいのです。まあ僕とニャアン少尉は階級から言って、この会議に参加させていただけるだけで恐れ多いですけど」
    「いや、君らの『隠された』貢献と『隠されていない』データ奪取の功績から言って、2人はこの会議に参加する資格も、提言する資格も十二分にある。それに君が何を言いたいのかは、なんとなく理解できるよ」
    「「「「「「……」」」」」」
    「「可能な限り速やかに、敵拠点である建設中のイオマグヌッソへの攻撃」」
    「……わたしの名で、その作戦を承認、裁可いたしましょう」
    「ありがとうございます。ただ内容といたしましては、全力出撃よりも精鋭部隊による電撃的な物がよろしいかと」
    「ええ、勿論ですね」

  • 88二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 12:59:47

    スレ主です。ストックまた切れました。頑張って書いてますので、少々お待ちを。

  • 89二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:28:51

    「マチュ君、君にこの拳銃を差し上げましょう。わたしにはもはや必要の無いものですから」
    「ヒゲマン、前から思ってたけど、なんか雰囲気が変わった?」
    「ええ、自分でも自覚しています。……シャロンの薔薇の少女を救えるかどうかは、君に掛かっています。ただ、これは至難を超えた極めて不可能に近い仕事です」
    「……わかった! やってみせる!」
    「わたしは、わたしの戦いに赴きます。お互い、頑張りましょう」

  • 90二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:33:21

    「ストロンガー……。城さん。俺、ちょっと前に義経の墓に詣でて来ました。休眠中は行けませんでしたから」
    「おう」
    「生前、老いた彼女に会いに行ったときに。流石に歳のこともあって、ずいぶんと丸くなってましたが」
    「そうか」
    「そこでついうっかり当時の迷いを口にしたら、桜花叩き込まれて大破して、結城さんと本郷さん2人がかりの世話になったのは良い思い出です」
    「丸くなってソレか。というか昔、結城と本郷さんが大慌てで物資かき集めてたの、ソレが原因か。てか良い思い出ってなんだ」
    「義経は、空を、宇宙(ソラ)を見上げて亡くなったと聞きます。俺のいる宇宙を見上げて。……俺はどこまでも遠く、飛び立てます。あそこに、俺の『根っこ』があるから」
    「何を当たり前な」
    「え」
    「ンなのは、当たり前だって事だ。今更言われるまでもねえ。……敵が来たぞ」
    「はい!」

  • 91二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:38:46

    「大佐! 貴方は! SHOCKER・NEXTを利用しているつもりなのでしょうが、利用されているだけだ! イオマグヌッソが完成してしまっているとは!」
    「お前こそアルテイシアを! アレには普通の暮らしが似合っているのだ!」
    「アルテイシア様のお気持ち、お覚悟、そしてお力を、馬鹿にしないでいただきたい! そして貴方自身も! ご自分を過大評価している! 能力の問題ではない! 大佐はソロモン落下阻止作戦を、私怨で失敗させようとなさった! グラナダ市民の命を無視し! 作戦に参加し命を落とした者たちの挺身を無視し! それは『キシリア様の生命』『キシリア様排除によるその後の戦いへの優位』などで補いがつく物ではない! 為政者として、軍人として、やってはいけない事だ! それともそれを知っている者たちも殺し尽くして口封じをなさいますか!? 貴方には、世界を導く資格などない!」
    「貴様はどうなのだ! 虚無を抱えて! アルテイシア擁立のために後ろ暗い事にも手を染めたのではないのか!? そんな貴様が、な、何!?」
    「ええ、わたしは、わたしのした事をいったん棚上げさせていただきます! ダブルスタンダードです! ですがそれでも、貴方とは違う! わたしには『生きる資格』は無いかもしれない! だが『生きる義務』はある! あの哀しい若者たちを! たとえ泥に首元まで埋まろうとも! わたしはこれからも支えて行く!」
    「シャリア・ブル!」
    「わたしは戦う! わたしは生きる! 生きて、あの『光』を繋ぐ!!」

  • 92二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:51:53

    「一文字、風見、俺たちはなんとしても結城をイオマグヌッソ制御室へ届けなければならん」
    「わーってるさ。頼むぜ、ライダーマン」
    「結城、お前が鍵だ。お前の頭脳が鍵だ」
    「ああ。SHOCKER・NEXTの3つの計画を乗っ取り、可能なら第1計画か第2計画を発動してこの宇宙を護ると共に、第3計画……本計画は阻止しなければ」
    「来ましたね」
    「「「「!!」」」」
    「この様なところまでいらっしゃるとは。まあですが、ここまでです。まずはお父様、お行きなさい?」
    「ぐ・が・がががあああぁぁぁ!!」
    「ふふ、『人間』であったときの聡明さと傲慢さが、微塵もありませんわねえ」

  • 93二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:55:02

    「アマゾン、洋、そろそろだ」
    「わかってる、ケイスケ」
    「この先に、シャロンの薔薇がある。俺たちの役目は、それにSHOCKER・NEXTの怪人や戦闘員、そして技術者を近づけないこと」
    「MSに関しては、シャリア・ブル中佐が派遣したガンダムクアックスとやら、それにアルテイシア陛下が派遣したガンダムクアックス護衛のための部隊が……」
    『こちら『織部』アインス。ジークアクス護衛の部隊が……。全滅しました』
    「こちらXライダー! ジークアクス!? ガンダムクアックスの事か!?」
    『ジークアクスは略称と思っていただければ。恐らく予想外の事が。僕と『織部』ツヴァイのMSが、今そちらに急行しています』
    「了解、え。こちらXライダー! ジークアクス自体は無事だ! だが、設計思想がまるで違いそうな白いMSと、ジークアクスが交戦中だ! そして怪人多数、おそらく再生怪人! これより戦闘に入る!」

  • 94二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 16:03:02

    『ニャアン、こいつらはSHOCKER・NEXTのMSだ。気を付けて』
    『わかってます大尉』
    『改造人間が運用する事を前提に造られてる。強敵だ。だが』
    『こちらも結城博士の手を借りて、『織部』の戦闘方式に追従できる様に改修されてます』
    『ああ……。その通りだ。全力で片を付けるぞ』
    『『……加速装置!!』』

  • 95二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 16:04:05

    と言うところで、またストック切れです。続き頑張って書きます。お待ちいただければ、幸いです。
    そしてラストの『織部』組。つまりは「光る海 光る大空 光る大地 行こう無限の 地平線 走れ○○○○○ 弾よりも速く」もしくは「吹きすさぶ風が良く似合う 9人の戦鬼と人の言う」ですな。作品タイトルからして、後者の方が近いかも。

  • 96二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 18:54:33

    「……確かにわたしは、SHOCKER・NEXTを見誤っていた様だな。なんということだ、わざわざイオマグヌッソを割らぬでも、もっと小規模な形で、『向こう側』と『試験的に』『繋ぐ』ことができるとは。それがシュウジ・イトウを、『向こう側』の『ガンダム』を呼んでしまうとは」
    「大佐、あれは何を、あの『わたしが恐怖を覚える』あの白い機体は、何を為そうと言うのです」
    「……あれは、わたしが送り返そうとしていた『シャロンの薔薇』のララァ・スンを『この世界』で○す事で、『夢』を終わらせる。それにより世界は破壊され、『向こう側』のララァ・スンは新しい『夢』を見る。つまり世界がリセットされ、やり直しになるのだ」
    「!! く……」
    「何処へ行く! シャリア・ブル!」
    「ソドンへ帰ります。まだそのぐらいの航行性能は残っている。貴方の赤いガンダムとは違って。この事を、伝えなくては。それにソドンには、まだわたしのリック・ドムが、型落ち機体だが、残っていたはず」
    「待て! タヒぬ気か!? 型落ち機体では!!」
    「死なないと言いました」
    「だが、無理な物は無理であろう!」
    「わたしは諦めない!」

  • 97二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:00:42

    「やめてシュウジ!」
    「僕はララァにもう傷ついて欲しくないんだ」
    「そんなの! あんたの行いが! ララァを傷つける可能性に、なんで気付かないの!」
    「この世界のシャアは、ララァを否定した。だから」
    「ララァはそれすらも! そんな形で助けられる事なんて! 望んでいるはずが! そもそも、誰かに助けてもらわなきゃなr」
    「……もう言うべき事なんか、無い。僕の願いはただ1つ……」
    「シュウジぃっ!」

  • 98二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:01:58

    (間に合え! 間に合え! 間に合え!)
    (シャリア中佐!?)
    (エグザベ君!? エグザベ君、皆が見落としていた要素が! 検討にも上らなかった要素がありました! シュウジ・イトウ君です! シャア大佐から情報が!)
    (!? 『伝わり』ました! シュウジ・イトウに、シャロンの薔薇のララァ・スンを殺させてはならないと!? そうか、これまでララァ・スンが繰り返す世界を破壊してきたのだとばかり考えられて来たけれど、トリガーはシュウジ・イトウ!)
    『こちらライダーマン! イオマグヌッソ制御室を占拠した! これより予定の手筈に……』
    『ライダーマン! シャリア・ブル中佐がシャア・アズナブルより情報を得ました!実は……』

  • 99二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:05:46

    『ニャアン!』
    『!! わかりました! マチュを支援に向かいます!』
    『済まない、僕はライダーマンのところに向かって、補助頭脳に記録されているSHOCKER・NEXTの秘匿技術情報を以て彼の手助けをする』
    『謝らないで。今は人の好き嫌いを言ってる場合じゃないから。わたし、は、大丈夫』
    『……頼んだ!』
    『『加速装置!!』』

  • 100二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:07:41

    【僕はもう見たく『無かった』。またガンダムがララァを殺す光景を……】

    「宇宙が……。崩壊しちゃう……」

    『まだだ! 僕は』
    『わたしは』
    「わたしは」
    「「「「「「「「「わたし/僕/俺/オレたちは」」」」」」」」」

    「「「「「「「「「「『『まだ諦めない!!』』」」」」」」」」」」

  • 101二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:09:17

    スレ主です。ストック切れました。というわけで、続きは頑張って書きます。こうなれば、ラストまでスパート掛けるしかないですな。頑張りますので、感想とかくれると喜びます。

  • 102二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 20:56:37

    「『織部』アインス! エグザベ・オリベ大尉! 考えが、あるんだ、な!?」
    『補助頭脳内情報に間違いが無ければ! 第3計画のための、新しい宇宙の設計データが! バージョン分けされてこのイオマグヌッソのシステム内に残っているはずです!』
    「!! そうか! 奴らは、SHOCKER・NEXTは宇宙の設計データに、色々と手を加えて、自分たちの都合の良い様にパラメータ設定をいじり倒した! だがその最原型であるデータは!」
    「本郷さん、見つけました」
    「結城!」
    「ありました。希望の芽が。宇宙の設計データ、バージョン『0』、手を加える以前に、この宇宙そのものをデータ取りしたものが」
    『それを元にして、第3計画を実施する。そうすれば、新たな、ただし手を加えられていない正常な宇宙が、『空っぽ』の状態で出来上がる』
    「そしてそちらへ、この宇宙の全ての生きとし生けるものを移植する。残る懸念は、宇宙崩壊までの残り時間と、第3計画完遂までの時間、か」
    『……これ以上は、僕の手は必要なさそうですね。で、あれば他の作業をしたいんです』
    「……なるほど。君は言った。世界の平穏、世界の安定と天秤に掛けても、もう一方の者、ニャアン君を躊躇なく選ぶと。今が、その時、か」
    『まあニャアンは間違いなく、僕と運命を共にするでしょう。だけど、少しでも彼女の気持ちが楽になる様に動きます。手も空いてますからね』
    「俺も、手伝おう。これ以上は俺が何かしても、結城の邪魔になるからな」

  • 103二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:01:00

    『……エグザベ大尉、ありがとう。マチュ、聞こえる?』
    「ニャアン!? その、その姿は」
    『今はそんな事関係ないよ。今、門(ゲート)が開くから』
    「!? この『穴』は!?」
    『それは、SHOCKER・NEXTの予備計画、『シャロンの薔薇』を、『ララァ・スン』を、元の原型世界……『向こう側の世界』へと送り返すための門』
    「だけど、ララァは」
    『うん。だけどマチュ。その門は『ララァ』と『エルメス』だけじゃなく、『誰でも』通れるの』
    「!?」

  • 104二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:04:43

    『マチュ、時間が無い。その門通って。他の物全部捨てて、『向こう側』へ行って』
    「!!」
    『そしてあっちで、シュウちゃんに思い切り一撃かまして。そして今度はマチュがシュウちゃんと『繰り返す』側になればいい。何時か、何時の日か、シュウちゃんを自縄自縛から抜け出させるの』
    「ニャ」
    『もう時間が無い! 選んで!』
    「!! ありがと! じゃ!」
    『……お礼の言葉なんて。……いらなかった、な』

  • 105二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:10:12

    「イオマグヌッソが……。割れる……」
    「世界が、終わる」
    『『そして、世界が生まれる!!』』

  • 106二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:13:02

    「……成功、だ」
    「間に合った」
    「間に合ったぞ! ひゃっはーい!!」
    「やれやれ」
    「だが、時間が無かったせいで、細かく選択せずに全部この宇宙に放り込んだ」
    「わかってらぁ。新しい世界にも、SHOCKER・NEXTまでそのまんま来ちまったってんだろ?」
    「シカタナイ、うん。オレ、がんばってタタカウ」
    「まあ、敵だけでなく力強い味方もいますからね」
    「そう、だな。『仮面ライダー』では無いが、それは大した事じゃないさ」

  • 107二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:18:17

    『さすがに、疲れたね』
    『じゃあ人間態に戻ってください。膝枕してあげます』
    『空気あるとこまで戻ってからでいいかい』
    『……忘れてました。でも』
    『うん、人間態でも僕たちは空気無くてもいいけど。流石に他人に見られると、今後色々と、ね』
    『膝枕は見られてもいいんですか』
    『いいよ。当然だよ』
    『ふふ』

  • 108二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:19:19

    さて、あとはエピローグ書きます。完結まで、もうちょっとお待ちください。がんばって書きますんで。

  • 109二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:51:18

    「……おっと」
    「おじさーん、そこのボール取ってー」
    「ああ。投げるぞー」
    「ありがとう、おじさーん」
    「ふふ……」
    「……いつもご苦労様です本郷さん」
    「……対SHOCKER同盟、か」
    「今回は完全に後手に回り……」
    「仕方ないだろうな。一年戦争で完全に組織崩壊し、5年でそこまで建て直しただけでも凄い事だ」
    「新しい仮面ライダーが出たと聞きましたが?」
    「いや、彼らは仮面ライダーじゃない。仮面ライダーになるべき人間でもない」
    「……」

  • 110二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:52:21

    「……なんでフィルム式カメラ、軍用とか捜査機関用しか残ってないんだよ。デジタルカメラじゃ色々なあ」
    「一文字さん、何を言ってるんですか」
    「すまねえ、すまねえ」
    「あんた報酬高いんですから、高いなりの仕事してくださいよ」
    「わかってる、わかってる。……お前さんが、SHOCKER・NEXTの末端だって事も含めてな」
    「!? く、おい! こいつを!」
    「旧デストロン系の戦闘員か。一瞬前までカワイコチャンのモデルさんだったんだがなあ。全部、ゲロってもらうぜ?」

  • 111二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:56:26

    「やりすぎた、か?」
    「そりゃあね。SHOCKER・NEXTの基地を吹っ飛ばすのは仕方ないですが、地上にまで被害が……」
    「すまんな」
    「風見さん、あんたってヒトは……。わたしは連邦軍の軍人ですから、一下士官だけど! 被害出さないために文句たらたら言われながら、地上の牧場から人と家畜と全部退去させたり」
    「お前のおかげで、人的被害が出なかった。感謝している」
    「!! あんた、わたしに面倒ごと押し付けませんでした!?」
    「信頼はしている。お前は信頼に値する、珍しい希少な数少ない連邦軍人だ」
    「あんたってヒトはー!!」

  • 112二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:57:27

    「ふう」
    「ご苦労様です」
    「やれやれ、SHOCKER・NEXTのやり散らかした後始末か」
    「可能なのは結城博士しかいませんからね。本郷さんも優秀ですが、さすがに」
    「わかっている。それに有象無象に任せたら、気付いたらごっそり鹵獲品とか希少品が消え失せてたって事になったら目も当てられん」
    「ですね」

  • 113二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:00:18

    「水中から引き揚げて見たが……。これは、なんだ?」
    「なんでしょうねえ」
    「なんでこんな最新っぽいMSの腕が……。あれ? 年号が刻まれて…・・宇宙世紀0093!?」
    「これ、ヤバい代物じゃねえんスか?」
    「……シャリア・ブル大佐に連絡取るか? いや、先に結城さんに見てもらった方が」
    「結城博士の仕事が、また1つ」

  • 114二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:02:07

    「……イオマグヌッソ2号のオカゲ。ジャングル、密林、どんどん良くなってる」
    「アマゾンさーん。次の調査ポイント、どう行けばいいんですか?」
    「おう!オレ、ちゃんとガイドする! 安全ダイイチ!」
    「んな事言って、今朝がたジャングラーで普通のバイク走れない場所突っ切ってここに連れて来たの、忘れてるでしょアンタ」
    「? なにか変カ?」

  • 115二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:03:08

    「よう、ユリ子。ちょいと不安だったんだがな。お前の墓も、ちゃーんとこっち来てたな。安心したわ」
    「あれ? あんた誰?」
    「ん? あんたもしかして、立花さんか?」
    「なんで知ってんの?」
    「いや、墓の手入れ道具持ってっからよ。立花さんの縁者かって思ったんでえ」
    「ま、代々ご先祖様が子々孫々に申し送ってるからね。家系はときどき断絶しかけて、養子迎えてっから、直接は血ぃ繋がってないけど。心意気は、繋がってるさね」
    「この墓の様子、見りゃわかる。こいつに代わって、礼を言っとく」
    「いや、この墓西暦時代からあるんだぜ? あんた歳幾つだよ。って、居ない!? いつの間に」

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:06:53

    「こうやって、ハンググライダーで飛ぶのも久しぶりだな。でも気候変わってるからなあ。ちょっと寒くて、俺が改造人間じゃなきゃ飛んでられんなあ」
    (洋さーん! 置いとかんでやー)
    「!? ……幻、か。懐かしいな。がんがんじい、俺は元気でやってる。まだ世界には、ヤバい奴らがはびこってる。あっちで応援しててくれよ、な」

  • 117二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:09:27

    「あと走り込み、100本だ!」
    「……やってるな」
    「誰だ……!? 貴方は」
    「ああ、とある調査のついでに寄っただけだから。あまり気にしないでくれ師範」
    「そうですか……。少々残念です、沖老師。若造どもに演舞でも見せていただけるかと、期待したのですがな」
    「すまない」
    「わかっております。コロニーが貴方の眠っておられるオーストラリアの地に落ちたと聞いた時は、肝が冷えましたが。直後姿を見せてくださったので、安堵しました。まあその時に片腕が無かったのは衝撃を受けましたがね」
    「結城博士には、足を向けて寝られんよ」
    「玄海流は、自分が守っています。ご心配めされるな。黒沼流には?」
    「日本の東北地方にも調査で出向く予定があるからね。顔は出すよ」
    「そうしてください。流派が違うとは言え、あちらの鬼塚師範代も、会いたがっているのは事実ですからな」

  • 118二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:10:31

    「シャリア大佐、SHOCKER・NEXTの艦隊を殲滅しました」
    「ご苦労です、ラシット艦長」
    「……というか、見た目や構造でSHOCKER・NEXT艦だと分かるのは、どうなんでしょうね」
    「公式には不明艦なのですが」
    (……先発してコロニーに入ったエグザベ君とニャアン君は、無事でしょうか。いえ、彼らが本気になれば心配しなければならないのは相手の方なのですがね)

  • 119二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:12:02

    (とりあえずビルから落ちたフリをして変身したけど)
    (どうにか逃げないと)
    「あ、あの! ありがとうございます!」
    「助かった。自分は、サイド1再建チーム、ジオン軍派遣部隊第3中隊所属、アーヴァイン中尉。ここの責任者だ。貴方たちは、イオマグヌッソ事件で我が軍に協力したと伝えられる、『仮面ライダー』なのか?」
    『……いや、僕たちも協力はしたが』
    『少しばかり、違う』
    『僕たちは仮面ライダーじゃない』
    『わたしたちは仮面ライダーになるべき人間でもない』
    『『僕/わたしたちは……』』

    『『改造人間 織部』』

  • 120二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:13:42

    というわけで、完結いたしました。ワシ、頑張った!! 感想とか書いてくれると、泣くほどうれしいです。

  • 121二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:14:54

    スレ主です。そういや、ZXとRXと電王、結局出ませんでした。期待されていた方いましたら、申し訳ありませんでした。

  • 122二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 09:59:53

    保守

  • 123二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 09:59:55

    織部の二名はどんなビジュアルイメージですか?

  • 124二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:02:33

    強大な敵との戦いはまだまだ続く
    仮面ライダーたちと改造人間の二人がいればいつの日か勝てるはず
    シュウマチュも頑張って呪縛を解いてほしい
    おつです

  • 125二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:05:33

    >>123

    スレ主です。これは別なところで発表したイラストで、『ワースブレイド』というTRPGシステム用に自前で描いた『操兵』という8m級の魔力で動くロボットなのですが、『織部』の2人やSHOCKER・NEXTの本来の怪人(他組織の再生怪人や技術流用の怪人を除いたもの)は、これに近似したデザインラインをしております。

  • 126二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:52:18

    ここまでの連載お疲れでした
    取り扱いが難しそうな仮面ライダーや怪人の活躍 改造人間織部の活躍を分かりやすく描写出来ていて凄いですね

    可能であればハーメルンかpixivにあげて欲しいです

    仮面ライダーとのクロスオーバーは難しいようで
    強化人間という下地があるから描きやすいのかもしれませんね

  • 127二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:59:06

    >>126

    スレ主です。どこかへのSS移植、検討してみます。その場合、版権イラの扱いが問題になりそうなので、ちょっとその場に登場しているキャラをわかりやすくする必要があるかもですね。

  • 128二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:15:32
  • 129二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 00:45:51

    保守

オススメ

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