【クロス注意】幼馴染inNRC Part22

  • 1125/07/29(火) 16:56:22

    ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界


    【以下前提条件】

    >トリップ地点は入学式の棺桶の中

    >トリップしたのは最終決戦後の二人

    >個性はかっちゃんだけ使える(反動で心臓ダメージあり)

    >監督生はデク


    ※前スレ含めてこのスレの内容とSSは無断転載禁止です!

    スレ内でSSとかWriteningに書いてくれるのは歓迎です

  • 2125/07/29(火) 16:57:36

    前スレ

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part21|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼プロローグ

    【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com

    ▼第一章

    【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第二章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第三章

    幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第四章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第五章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part11|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第六章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part14|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com

    ▼第七章

    【クロス注意】幼馴染inNRC Part18|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com
  • 3125/07/29(火) 17:01:12
  • 4125/07/29(火) 17:04:17

    素敵な支援SS様

    ……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.net
    なんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.net
    マスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.net
    もぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.net
    ドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net
  • 5125/07/29(火) 17:07:20
  • 6125/07/29(火) 17:10:47

    ツイステSD風幼馴染

    ▼【R】制服


    ▼【R】運動着

  • 7125/07/29(火) 17:11:51

    現在好感度まとめ
    【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
    *😺グリム 100/100、 93/91 
    *❤エース 100/100、 42/88
    *♠デュース 100/100、 100/93
    *🌹リドル 91/93、 79/100
    *🔶ケイト 99/100、 85/87
    *☘トレイ 30/27、 60/40
    *🦁レオナ 26/74、 53/44
    *🍩ラギー 14/59、 72/21
    *🐺ジャック 84/100、 52/91
    *🐙アズール 75/100、 94/31
    *🐬ジェイド 26/65、 21/43
    *🦈フロイド 8/33、 28/69
    *🦦カリム 77/100、 49/86
    *🐍ジャミル 95/84、 69/63
    *👑ヴィル 100/100、 80/100
    *🏹ルーク 100/100、 95/100
    *🍎エペル 100/100、 100/100
    *💀イデア 100/82、 71/64
    *🔥オルト 84/46、 25/36
    *🐲マレウス 95/70、 27/22
    *🦇リリア 73/53、 100/31
    *⚔シルバー 77/99、 98/48 
    *🐊セベク 24/54、43/19
    *🐶クルーウェル 56/-、 13/-
    *📚トレイン 78/-、 36/-
    *🦾バルガス 16/-、 6/

  • 8125/07/29(火) 17:16:39

    前回までのざっくりあらすじ

    マレウスの作り出した魔法領域から抜け出すため、イデアの立てた作戦のもとで仲間集めのために夢巡りの旅に出た出久たち。
    筋骨隆々のエペルと出会ったり、ルークに5時間に渡るオタク鑑賞会に突き合わされたり、鬼姑のようなヴィルの姿を目撃したり、カリムの親友を名乗る爽やかすぎるパチモンのジャミルに出会ったり、完璧な成金ムーブをして悦に浸るジャミルに出会ったり。
    個性的な夢を巡り、ときにぶん殴り、ときに現実を突きつけてナイトレイブンカレッジの生徒たちを目覚めさせ、着々と対マレウスの戦力を集めていった。
    次に訪れた夢は海の底だったのだが――

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:47:19

    立て乙
    さてある意味1番問題の夢だ

  • 10125/07/29(火) 17:52:19

    次に出久たちが降り立ったのは、海底火山の傍だった。ジェイドが山にいると予想して『ドリームフォーム・チェンジ』の呪文で人間姿になっていたフロイドは、拍子抜けしたようにあたりを見回していた。
    早速夢の中を探索しようとした一行だったが、重低音を伴う揺れに阻まれた。

    🔥「周囲の水温が急上昇中!すみやかな退避を推奨します!」
    🦈「『ドリームフォーム・チェンジ』!ボサッとしてんなよ、行くぞ!」
    海底火山から熱水が噴出する直前、フロイドが人魚の姿に戻って間一髪のところで全員を連れて退避した。
    🦈「ふぃー……間一髪」
    🥦「あ、危なかった……。ありがとう、フロイドくん」
    先程まで出久たちがいた場所には、硫黄やメタン、重金属などの有害物質が含まれる黒い熱水がモクモクと立ち込めている。イデアが言うにはエアドームは有害物質を通さないが強度はないとのことで、海底火山に長く留まっている余裕はなさそうだった。

    マリンスノーや火山灰で視界が悪い中、熱水の噴出に細心の注意を払いながら探索していくと、やがてオルトが霊素反応を発見した。

    🐬「見てください、この熱水噴出孔!絶えず熱湯が吹き出しているのに、よくみると貝が生息しています」
    🐙「ジェイド、探すべきは1マドルにもならない貝ではなく……熱水鉱床に沈殿しているであろう希少な金属だ」
    🦈「おっ。ジェイドとアズールだ。なにしてんだろ」
    オルトが反応を検知した方をみると、マリンスノー越しにジェイドとアズールの姿が見えた。二人は海底火山の岩肌を見て回っている。夢の主を示す小鳥のような光は、ジェイドの周りを飛んでいる。

    🐙「近年の研究で、陸の金鉱山よりも海底の熱水鉱床のほうが金の含有率が高いことが判明しました。しかもこのあたりはまだまだ未開発の海域。もし僕がここで金鉱脈を見つければ……ふふふ。さあ、ついてきなさいジェイド!新たなゴールドラッシュの幕開けですよ!」
    🐬「ええ、アズール。共にこの海底火山を制覇しましょう!」
    金に目がくらんでいる様子のアズールに、ジェイドは喜々としてついていく。夢の中のジェイドは、彼の強大であるフロイドとは対照的に、非常に楽しそうだった。
    “銭ゲバを極めて自ら海底火山足を運ぶアズール”というものが解釈違いなようで、フロイドは微妙な表情で二人を遠巻きに見ている。

  • 11125/07/29(火) 18:05:11

    そうこうしている間に夢の中のアズールは金を見つけたようで、意気揚々と熱水噴出口に近づいていった。

    🐬「あんなところに手を突っ込んだら、無事では済みませんよ」

    🐙「噴出孔など、一時的に氷の魔法で塞いでしまえばいい。熱水が止まったところですばやく金を拾えば……ふふふ!見ていなさい!凍れ、噴出孔よ!」


    🧨「いや、無理だろ。自然エネルギー舐めてンのか?」

    🥦「火山レベルの熱源を個人レベルの力でどうこうするのは現実的じゃないと思うけど、大丈夫かな……」


    アズールが氷の魔法をかけると、一応一時的に熱水噴出口が凍り付いた。

    🐬「流石。お見事です、アズール!」

    🐙「僕にかかればこんなものです。あーっはっははは!さあ、砂金を……うわっっっっっっっっっっちぃ~~~~~!!!!あつっ!あっつぅ~!!」

    アズールが熱水噴出口に近づいたとたん、氷で堰き止められた熱水が別の場所から噴き出してきてアズールに直撃した。アズールはリアクション芸人のように奇声に近い悲鳴を上げながら8本の脚をジタバタとさせた。ジェイドは形だけは心配しているが、顔はにやけているし声は半笑いである。


    🐬「大丈夫ですか、アズール!?」

    🐙「す、少しだけ腕が赤くなってしまいましたが……ほら、このとおり砂金は無事です!」

    🐬「ブフッーーー!一度握った金目のものははなさない。流石はアズールです!期待を裏切らない!」

    🐙「この程度で金鉱脈の夢を諦めてたまるものですか!8本の腕すべてが赤くなろうとも、僕は諦めませんよ!」

    🐬「ええ、ええ!それでこそです!」

    画風が変わったアズールがグッと拳を握れば、ジェイドはニッコニコでヨイショした。


    *ドン引きレベル

    出久 dice1d100=8 (8)

    爆豪 dice1d100=86 (86)

  • 12125/07/29(火) 18:23:38

    🧨「……これは一体何を見せられとンだ?」

    🦈「いくらアズールが金目のものが大好きだからって、流石に本物はあそこまでやらねぇって。……ちょっと自信ねぇけど」

    🥦「えっと……この夢の現実との齟齬は、『アズールくんの性格が違う』って解釈でいいのかな?」

    🐍「……お前、あれを見てよく真面目に考察する気になったな」

    🔥「というか、『闇(NPC)』のアズールさんはいるけど、フロイドさんの姿は見当たらないね。一緒じゃないのかな」

    🦈「だから、オレらはいつも3人一緒にいるわけじゃねーって何回言えばいいわけ?だいたいさぁ、オレがジェイドの山登りに付き合うと思う?ありえないって。ジェイドもそれがわかってるんだよ」

    物陰で見守る出久たちをよそに、ジェイドは今度は熱湯が吹き出す岩の裂け目にエビが生息しているのを見つけて嬉しそうな声をあげた。


    🐬「フロイド!こちらへ来てごらんなさい」

    🦈?「はぁ~~~~い♪」

    ジェイドの呼びかけに応じて、この夢の中のフロイドが岩場の向こうからやってきた。


    🥦🧨「「…………!!」」

    🔥「あのフロイドさん、なんだか……」

    果たして、やってきたのは、子どものラクガキのような簡単なタッチの画風のフロイドだった。


    😺「なんか、あのフロイドいつもと雰囲気違くねーか?」

    🦈「雰囲気どころじゃなく顔が全然違うじゃん!オレあんなに間抜けな顔してねぇぞ!?ジェイド、普段からオレがあんなすっとぼけた顔に見えてるってこと!?」

    兄弟のイマジネーションをもとに作られた自身の姿にフロイドが絶句する。簡単フロイドはそんなことも知らず、ジェイドに言われるがままに岩場を覗き込んだ。


    🦈?「うわぁ~~小エビだ、うんまそぉ~♪でへへっ!あはっ。みんなちっちゃくてかわいいねぇ。食べちゃおっかなぁ~、いっただっきまーす!」

    🦈?「エヒャヒャ!逃げても無駄なんだよぉ~!んめっ!んめっ!」

    簡単フロイドは陽気に笑いながら、その場でエビを捕まえて踊り食いし始めた。端から見ていると狂気的である。


    *笑ってはいけない魔法領域

    出久 dice1d100=4 (4)

    爆豪 dice1d100=79 (79)

    (70以下でアウト、71以上でセーフ)

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:25:44

    >>11のアズールでも引いてなかったし>>12では大爆笑だしデク面白がってないかこれ

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:30:21

    出たな問題の夢その1

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:36:52

    このレスは削除されています

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:41:41

    このレスは削除されています

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:46:37

    このレスは削除されています

  • 18125/07/29(火) 18:55:26

    🥦「ブーーーーーーーッ!!!」
    🧨「なんだよ急に噴き出して汚ェな」
    🥦「ゲホッ、ゲホッ!ごめん、なんかちょっと耐えられなくって……いけないことだってわかってるんだけど」
    🧨「…………💡」(天啓)
    🧨「……『逃ゲテモ無駄ナンダヨォ~。ンメッ!ンメッ!』」
    🥦「!!!??」
    🥦「んぐっ、待ってかっちゃん、声そっくりなんだけど!!??どこから出してんのその声!?じゃなくて!」
    🧨「『ミンナチッチャクテカワイイネェ~♪』」
    🥦「ブフッ!!ん、ン”ン”、笑わせないでよ、もう!!」
    💀『謎のいじめっこスイッチ入ってて草。物マネのクオリティが高いのがシュールですなぁ』
    😺「ふなぁ~。バクゴーの裏声聞いたら、ゾっとして毛が全部逆立っちまったんだゾ~~」
    🐊「そこ、うるさいぞ!!!こんなときにじゃれているんじゃない!!!!」

    🦈「オイ、何笑ってんだよモズクちゃん。オレ絶対あんなじゃないって」
    🥦「いや、それはわかってるんだけど!んふっ、わかってるからこそというか……ゲホッ、ン”ン”!」
    🧨「普段からあんなもんだろ」
    🦈「ア?お前もあっちのエビみてぇにメチャクチャにされてぇの……?全然違うだろうが、あ?」
    🥦「ふぅ……。あんなではないかな」
    🦈「だよね、モズクちゃん!?オレ、ジェイドと違って山で拾い食いとかしねーし」

  • 19125/07/29(火) 18:56:29

    誤字やばくて連投消去してしまった

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 19:29:33

    >声そっくりなんだけど!!??

    ヒント:CV

    いやマジで声優さんってすごいんだなあ

    同じ人がこんなに方向性の違う声が出せるの驚きだよ

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:33:21

    声優さんってすごいよね

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:45:58

    かっちゃんの声真似想像してもうダメだった。笑うわそんなん…

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:09:17

    変なスイッチ入ってるの年相応って感じで微笑ましい

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:02:48

    保守

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:16:36

    これだけの量打ってたらそりゃ誤字も出ますよ、おつかれさまです

  • 26125/07/30(水) 22:31:37

    🐬「ふふふ。アズールもフロイドも楽しそうですね。やはり山は良い。地上の山は全て登りきってしまい、これからどうしこうかとも思っていましたが……海の中は陸より広く、未開の海底火山がいくらでもある」

    🧨「陸に上がってたかが数年で全部の山ァ制覇するなんざ無理に決まっとンだろ。登山舐めてンのか?」イライラ
    🦈「うわ~、シャチちゃんも山登りするんだ。あんなの何が楽しいわけ?」
    🧨「クソ楽しいだろうが。下界のモブを全員上から見下ろせンだからよォ」
    🦈「え~、なにそれぇ。ジェイドの話だと草とか石とかマジで興味ねぇ話ばっかだったけど、なんか楽しそーじゃん」
    🐍「な、なんて不純な動機なんだ」
    🥦「こう言ってるけど、友だちと一緒に上った山の山頂からの絶景写真をクラス全員に共有してくれたくらいだから、普通に登山が好きなのもあるんじゃないかなぁ」
    🧨「あれは瀬呂が勝手にやったんだわ!!ったく、山頂からの景色ってのは登ったやつだけの特権だってのによォ」
    🐍「ふむ。一応、普通に登山を楽しむ心もあるみたいだな」

    🐬「ふふふ。2人が楽しそうで、僕も嬉しいです。これからも共に苦難を乗り越えて、たくさんの山を制していきましょうね!」
    「「えいえい、おー!」」
    🦈「あ”あぁ~~~~~~~~ッ!もう我慢できね~~~~!!!」
    再現度の低い偽物たちに囲まれてニコニコしているジェイドの姿に堪忍袋の緒がブチ切れ、フロイドが岩陰から飛び出していった。ジェイドと『闇』たちが驚きながらも間一髪で避けたが、まともに当たっていれば腹が搔っ捌かれていたような容赦のない攻撃だった。

    🐊「僕たちも加勢するか!?」
    🐍「いや、待て。偽物とはいえ、相手はあのオクタヴィネルの3人悪。しかもここは水中だ。機を待とう」

  • 27125/07/30(水) 23:03:37

    🦈「オイ……ジェイドォ……てめぇ、キメェ夢みてんじゃねぇよ!鱗が全部逆立ったわ!」
    🐬「なっ!?フ、フロイドが2人!?」
    🦈「もともと他人に興味ねぇヤツだとは思ってたけど、うろ覚えにもほどがあるだろ。流石にオレは岩に挟まったエビを踊り食いしながら喜ばねぇよ!」
    🐬「フロイドは……エビを踊り食いしない……?」
    全く当たり前の事実を聞かされて、ジェイドの夢が一瞬揺らいだ。
    ジェイドを夢から醒めさせまいと、偽物のアズールとフロイドの体がドロドロと溶けだして『闇』の正体を現した。ジェイドは『闇』の言葉を疑わず、『闇』に取り込まれていく。

    🦈「あ~そうかよ。ならいつまでも“本物”の兄弟と夢の中で仲良くしてろ。そんな兄弟、こっちから願い下げだわ。お前ら全員纏めて、火山に叩きこんでやるよ!」
    『闇』もろともジェイドを沈める勢いでフロイドが襲い掛かった。

    🦈?「え~ん!痛いよ~!助けて、ジェイドぉ~!」
    🐙?「ひぃい!僕を助けなさい、ジェイド!」
    🐬「よくも2人を!偽物め……もう許さない!はぁあっ!」
    🦈「だからぁッ、オレのほうが本物だっつってんの!」
    水の中で、ジェイドとフロイドが牙も爪も剥き出しにして殺し合うような勢いで争いを始めた。互いに何発も攻撃を食らっているが、ジェイドがショックで目覚める気配はない。

    🦈「おいホタルイカ先輩、ショック与えりゃ夢から醒めるんじゃねーの!?」
    💀『こ、これは……もしかすると、新しいパターンかもしれない。ジ、ジェイド氏はNPCの作りこみも甘いし、イマジネーションが強いとは言えない。でも……おそらく彼は、とんでもなく『自分を信じる力』が強いんだと思う』
    イデアの仮説を聞いて、フロイドは合点がいったとばかりに苦い表情を浮かべた。曰く「ジェイドは昔っっっっから他人の言うことなんか一つも聞きゃしねぇけど、優等生の擬態だけは上手いからマジで厄介」とのことだ。

  • 28125/07/30(水) 23:17:16

    🥦「ジェイドくんが自力で夢から醒めにくいタイプとなると、どういうアプローチが有効なのか考えて起こさないと難しそうだ」

    🦈「アハッ……ならさぁ。いっそ、ず~っと寝かせとかない?」

    フロイドは薄い笑みを浮かべた。その目は瞳孔がガン開きになっている。


    🦈「そんなに夢の世界がいいなら……オレが優しく寝かしつけてあげる。もう二度と起きてこねぇように、ギッタギタにして魚の餌にしてやるよ、ジェイドぉ!ギャハハハハハッッ!」

    🐬「2人とも下がって!ここは僕が!」

    🐬🦈「「シャーーーーーーッ!!」」

    人外めいた唸り声を発しながら、ジェイドとフロイドが取っ組み合いを始めた。4メートル級の体長をもつ二人が本気で尾びれを叩きつけあい、海底火山があっという間に滅茶苦茶になった。


    😺「ひいいっ!デカいヤツらが暴れるせいで海水が渦巻いてるんだゾ!」

    🥦「巻き込まれてエアドームが割れたら一巻の終わりだ!グリム、しっかり僕に捕まってて!」


    *霊素ダメージロール

    出久(52) dice1d5=3 (3)

    爆豪(45) dice1d5=1 (1)

    グリム(39) dice1d5=4 (4)

    シルバー(34) dice1d5=4 (4)

    セベク(48) dice1d5=3 (3)


    🐊「ぶわっ!熱っ!?」

    🐍「奴らが暴れているせいで脆い噴出口が破壊され、熱水があちこちから噴き出している!」

    🧨「チッ。砂が舞い上がって視界も悪ぃ。流されてバラけねぇように固まって岩陰に隠れンぞ!」

    ⚔「ああ!みんな、こっちに!」

    🔥「もうっ!なんでオリジナル同士が大喧嘩してるの!?『闇』もドン引きして、岩の影に隠れてるよ!」

    💀『こ、このままじゃ2人ともロストする可能性……ど、どど、どうしよう』

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 06:24:17

    うん、怪獣大戦争だね

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 08:00:55

    ゴジラvsキングギドラみたいな戦いダァ…人魚vs人魚…

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 14:33:09

    ほしゅ

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 18:32:53

    ギャングオルカがいてくれたらこの双子も鎮圧してくれそうだけど絵面が夢の国出禁になる

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:28:51

    ほしゅ

  • 34二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 06:29:19

    >>32

    サメ映画みたいなはちゃめちゃになりそうで逆に見てみたい

    サメ要素ないけど

  • 35二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 13:54:24

    ほしゅ

  • 36二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 21:06:28

    この辺りやたらとイベントのトンチキパートのノリなのよ

  • 37二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 05:28:24

    >>32

    何時かの補講回で見せた「指導ー!」をあの双子にやるのか…

  • 38二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 13:08:26

    >>36

    ずっとシリアスな意識の夢じゃ疲れちゃうからね()

  • 39二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 13:10:59

    >>36

    オクタヴィネルは7章における最大の休憩地点、サービスエリアみたいなもんだと思ってる

  • 40二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:58:25

    ほしゅ

  • 41125/08/02(土) 22:19:33

    💀『えっと、あのー、現場の人たち……誰か止めに入ってくれない?』

    🧨「ア?『個性』使うなっつったのはテメーだろうが!」

    🥦「遠距離攻撃の手段なしに、あの渦の中を泳いで仲裁に行くのは難しいです」

    💀『そ、そこをなんとか!いや、流石に水中で人魚相手に肉弾戦はロストの危険性高すぎるし無謀だから最もなんだけど……ジ、ジャミル氏……!』

    🐍「冗談じゃない。あの大乱闘の仲裁に入るなんて、自ら海の藻屑になりにいくようなものだ!」

    4メートルという体長は個性社会で育った出久と勝己からみても大きく、しかも水中の人魚同士ということで重力に囚われず縦横無尽に暴れ回っている状態だ。対するこちらは水の抵抗で打撃は大した威力にならず、勝己は『爆破』を使えばエアドームが割れて即溺死コースだ。


    🐊「くっ……こんなときにエペルがいれば『深紅の果実』で奴らを閉じ込められたかもしれないのに。……ん?そうか!その手があってか!」

    ⚔「どうした、セベク」

    🐊「お前たち、少し僕から離れていろ。特にオルトはできるだけ遠くへ!」

    何かを閃いたセベクは、警棒型のマジカルペンを握って頭上で暴れ回るリーチ兄弟を見上げた。


    *アイデアロール(1.成功、2.失敗)

    出久 dice1d2=2 (2)

    爆豪 dice1d2=2 (2)

  • 42125/08/02(土) 22:42:46

    🥦「セベクくん、なにをするつもり?」
    🐊「今にわかる。……いざ、参る!」
    この場で策を思いついたセベクの邪魔をするのは本意ではないので、出久と勝己は言われた通りに泳いでなるべくセベクから距離を取った。遠くに見えるセベクのもとに光が集まっていく。

    🐊「曇天を衝け、雷光よ!『迅雷一閃(リビング・ボルト)』!!」
    🐬🦈「「ぎゃばばばばばばッ!!!」」
    瞬間、雷となったセベクは、暴れ狂うリーチ兄弟を正確に撃ち抜いた。

    🥦「そうか!海水は電気伝導度が高いから、地上よりも電気が通りやすいのか」
    🧨「地上であの威力なら、海水の電気伝導度でやったらオーバーキルだろ」
    海水の中でユニーク魔法を放ったセベクは、距離による威力の減衰も少なく狙い通りに真っすぐすすみ、しかも身体への反動も少なく済んだようだった。代わりに、リーチ兄弟は目を白黒させて体を痙攣させている。

    🐊「どうだ!見たかミドリヤ、バクゴー、グリム!」
    🥦「見てたよ!すごいスピードと威力だった!今まで海中における個性の使用ってあんまり考えたことなかったけど、電気系の個性が海上保安系の仕事に活かせるんじゃないかって一気に想像が膨らんでブツブツブツブツ」
    🧨「地上で完璧に使いこなせねェと意味ねェだろ。まァ、感覚を掴むって点では悪くねェンだろうが」
    🐊「うむぅ……別々の方向でやかましいな」

    🐬「ぼ、僕は……一体何を?どうして喧嘩をしていたんですっけ?」
    体が粉々になったと錯覚するほどの威力の電撃を受けたジェイドは、あまりの衝撃で夢から醒めかかった。彼を再び夢に戻そうと、岩陰に隠れていた『闇』が泳いで近寄っていく。

    🐙?「ジェイド!大丈夫ですか!?ああ、生きていてくれてよかった。僕はかわいい部下を失ってしまったかと!」
    🐬「……かわいい、部下?」
    🦈?「ジェイドがいなくなったら、オレ泣いちゃうよぉ。もうどこにもいかないでね」
    🐬「……どこにもいかないで?」
    ジェイドは『闇』の甘言を聞くとキョトンと目を丸くして、一瞬で冷たい無表情になった。

    🐬「おかしいですね。僕の知ってるアズールとフロイドは、絶対にそんなことを言いません」
    ⚔「ジェイド、まさか覚醒を!?」
    🐬「覚醒……とは?そもそも、僕はなぜこんなところに?……うっ!あ、ああ、頭が割れる!うわああああああああ!!!」
    記憶が戻った衝撃で、ジェイドは叫び声を上げた。

  • 43125/08/02(土) 23:07:04

    🐬「はぁっ、はぁ……僕、どうしてこんなに大切なことを忘れていたんでしょう……」
    夢から醒めたジェイドは、なおも言い寄ろうとする『闇』を「気持ち悪い」と一蹴し、鋭い爪で躊躇いなく切り捨てた。『闇』はドロドロと崩れて海水に溶け、やがて消えてなくなった。
    😺「ヒッ!よ、容赦ねぇんだゾ……」 
    💀『こ、こわ……』ボソッ

    🦈「ジェ~イド♡よーやく目が醒めた?」
    🐬「はい。おかげさまで」
    🐬🦈「「ふふふ……ふふふふふ!!」」
    🐬🦈「「ハァッ!!/オラァッ!!」」
    目が醒めたジェイドのもとにフロイドが泳いでいって、いばらく二人で楽しそうに笑いながらクルクルと泳いでいたかと思えば、突如同時に本気の一撃をお見舞いし合った。
    2人はひとしきり口論すると気が済んだのか、何カ所か手遅れになったのかどこか気ごちない動きで出久たちがいる岩陰まで泳いできた。

    🐬「ああ、皆さん……兄弟喧嘩なんてお恥ずかしいところをお見せしてしまい、申し訳ございません」
    夢から醒めたジェイドに、オルトとイデアは手際よく『マレウス攻略動画』を見せて、『招待コード』を渡した。

    🐬「悪くはない夢でしたが、予定調和なハッピーエンドしか迎えられない世界では、興味が尽きるのも時間の問題だったかもしれません」
    🦈「予定調和なハッピーエンドに興味はないってのは、オレも同じかな~」
    🐬🦈「「ふふふ……クスクス……」」

    🧨「趣味悪ぃな。予定調和なハッピーエンドはいっちゃん良いに決まってンだろ」
    💀『えっ。バクゴー氏、意外とピュアボーイだったりする?』
    🥦「ヒーローって予定調和なハッピーエンドを迎えるために頑張る存在ですから」
    💀『あ、なるほど。バクゴー氏って普段暴言吐きまくりなのに倫理観が真っ当だから、頭バグりますな』ボソッ
    🐍「倫理観が真っ当なのに口から出てくる発言がことごとく暴言なのは、それはそれで問題なんじゃないか?」
    🧨「ア?喧嘩売っとンのか?」

  • 44125/08/02(土) 23:24:46

    🐊「おい、貴様ら!ダラダラと喋っている暇はないぞ!こうしている間にも、現実では刻一刻とマレウス様の魔法領域の範囲が広がり続けている。早く次の仲間を見つけにいかなくては!」
    🔥「次はアズールさんの夢へ向かうつもりだよ」
    🐬「アズールの夢ですか。では、陸用の姿になっておいたほうがいいかもしれませんね。事業が大成功し、若くして長者番付に名を連ね……マドルでいっぱいのバスタブに浸かりながら勝利のモクテルを堪能する。きっとそんな夢をみているに違いありません」
    🦈「アハハ!ありそぉ~」
    アズールの夢について妄想しながら、ジェイドはさっそく『ドリームフォーム・チェンジ』の呪文を教えてもらってノリノリで変身した。

    🥦「長者番付かぁ。そういえば、かっちゃん中学生の頃に『高額納税者ランキングに名を連ねる』って宣言してたけど、今もあれって有効なの?」
    🧨「あンときゃ色々クソみてぇだったからな、今の目標は違ぇ。まァ、ナンバーワンヒーローになりゃ、黙ってても高額納税者ランキングに載っちまうだろうけどな!」
    🥦「おぉ~!ねぇ、本当にそうなったら買いたいものとかあるの?」
    🧨「別に成金趣味は無ぇけど……欲しいモンはあるな。すっげー高いやつ」
    🥦「おお……!!やっぱり六本木に事務所開くとか?夜景が綺麗なタワマンとかに住んじゃう?それともピカピカのスポーツカーの新車?まさか、自分の山を買っちゃったり……!?」
    🧨「詮索しようとすんなキメェ。秘密」
    🥦「ぐぅ、そう言われちゃうと余計気になる……!!」

    🐬「ププッ……アズールがこの呪文を唱える姿を見るのが非常に楽しみです」
    🦈「アズールってぇ、自分のことを落ち着きがあってクール系の二枚目タイプだと思ってるもんね」
    出発に備えてオルトがジェイドのダミーデータを出力すると、ジェイドのダミーはものすごい勢いでどこかに泳いでいってしまった。

    🐬「この夢での冒険は彼に任せ、僕たちはアズールの夢に移動することといたしましょう」
    大柄なリーチ兄弟が旅に加わると、いよいよシルバーの部位争奪戦が激しくなる、二人に挟まれて押しつぶされたグリムの悲鳴が響く中、一行はシルバーの魔法で次の夢へと向かった。

  • 45125/08/03(日) 00:02:55

    次に出久たちが降り立ったのは、フロイドやジェイドの夢と比べると随分と明るい、色とりどりの珊瑚が美しい浅瀬の海だった。

    🐬「今のがシルバーさんのユニーク魔法、ですか。飛行術とはまた違った浮遊感があり……、うっ……ぷ!」
    🦈「げっ!!ジェイドまさか……!!」
    夢渡り酔いを起こしたジェイドが、胃の中身をその場でぶちまけた。しかもここは夢の中なので、吐瀉物は下に落ちずにその場をふよふよと漂った。出久たちはエアドームに包まれているので付着や誤飲のおそれはないのだが、海についた瞬間に人魚姿に戻ってエアドームから抜けていたフロイドがものすごく嫌そうな顔をしながらもらいゲロをした。

    🦈「マジでしんっじらんねぇ。なんでオレまで……」
    🐬「いやぁ、よかった。周りが海で助かりました」
    🧨「なんッッも良くねェわ!!周りが海だからテメーのゲロが漂ってンだよ!!」
    ジェイドは吐くとケロリと回復して、丁度良く流れてきた潮によって吐瀉物もどこかへ流れていった。

    🐬「それにしても……少々意外でした。アズールの夢の中が、海の底とは。てっきり、陸で商売を大成功させている夢をみているとばかり」
    🦈「そーだねぇ。もしかして、オレたちみてーに陸を楽しみまくった後、やることなくなって海に帰ってきてるのかも」
    刺激ジャンキーの快楽主義者であるリーチ兄弟は、周囲の景色を見渡して物足りなさそうな様子をみせた。

    「キャーーーーーーーーー!!!」
    「ワーーーーーーーーーー!!!」

    そのとき、岩の向こうから割れんばかりの歓声が聞こえてきた。雄英の体育祭を思い出すような、何かを観戦しているような種類の歓声だ。
    夢の設定を把握してアズールを覚醒へと導くヒントを得るため、出久たちは歓声がした方向に向かった。

  • 46125/08/03(日) 00:14:46

    「またゴールが決まったー!『ゴールデン・トライデント』の猛攻が止まりません!」

    歓声を辿っていった先は、人魚たちのスポーツ大会だった。リーチ兄弟曰く、あれは「コーラル・ラッシュ」という水中競技で、“海のマジフト”とも呼ばれる人魚の間で大人気の競技だという。選手の顔ぶれからこれは学生チームの試合だろう、とジェイドは補足した。


    💀『ウッ……設定の端々から圧倒的な社交的地位の高さを感じる。拙者やアズール氏のようなインドア派のボドゲ部員とは無縁のオハナシですな~』

    🥦「な、なんてネガティブなんだ……」

    💀『うぅ。同じオタクでも、体が動かせるミドリヤ氏には、拙者たちの悲哀はわからんのです!』 

    ルールがわからないなりに、実況を聞きながら「コーラル・ラッシュ」の試合を遠くから観戦する。どうやら、今は劣勢の『レッド・キャンサーズ』のエースが相手ゴールに迫っているところらしい。しかし、突如エースのもとからボールが消えてしまう。


    「ああーーっと!!ゴール直前で痛恨のターンオーバー!目にも止まらぬ速さでボールを奪取したのは……『ゴールデン・トライデント』の守護神!アズール・アーシェングロット選手~~~~ッ!!」

    💀『ドエエエエェ!?ナンデェーーー!?』

    🦈「ギャハハハハハハハ!アズールが『コーラル・ラッシュ』の選手~!?ありえね~っ!」

    観客からの歓声とチア・マーメイドたちの声援を浴びているのは、この夢の主であるアズールだった。イデアと並んで校内でも運動神経の最下位争いとしている彼が“陽キャスポーツ”で活躍する姿に度肝を抜かれ、イデアは素っ頓狂な声を上げた。


    アズールはぐんぐんとフィールドを進み、相手のゴールへ近づいていく。彼が所属する『ゴールデン・トライデント』のチームメイトが熱い声援を送るなか、ついにアズールがシュートのモーションに入った。


    🐙「くらいなさい!はあぁッ!“クラーケン・ショットオォォオォ”!!」

    アズールの重い一撃が見事なゴールを決めると同時に、試合終了のホイッスルが鳴った。ブザービートに観客のボルテージは最高潮に達し、誰もがアズールの雄姿を讃えた。チームメイトたちがアズールを取り囲み、親しげに肩を組んだ。


    *アイデアロール (51以上で成功)

    出久 dice1d100=12 (12) +30

    爆豪 dice1d100=57 (57) +10

  • 47125/08/03(日) 00:40:54

    試合が終われば、アズールたち選手は会場の外へと移動していった。出久たちはアズールを見失わないように追いかけたが、彼のファンたちに「お前たちのクラゲみたいな膜が邪魔だ」と押しのけられてしまった。すると、いかにも好青年然としたアズールが出久たちの前まで出てきた。

    🐙「!!君たち!応援しにきてくれたお客様になんて態度です。申し訳ありません、ひれや鱗に傷はついていませんか?おや?あなたたちのその2本の尾ひれは……もしや、陸の世界からいらしたのですか?」
    アズールは出久たちが陸の世界から来た人間だと分かると、丁寧に自己紹介をしてくれた。どうやら、夢の中の彼は『ゴールデン・トライデント』のキャプテンを務めているらしい。

    🐬「アズール“さん”。先ほどでの試合での活躍、感動いたしました。よろしければ、サインをいただけませんか?あちらのタブレットに」
    🐙「もちろん!」
    💀『え、ちょ……っ!?アアア~ッ!拙者のタブレットの背面にデカデカとアズール氏のサインが~!』
    アズールはジェイドに言われるがまま、イデアのタブレットの背面にサインをした。彼はジェイドのことに気づいていないようだった。

    🐬「アズールさん。僕と彼の顔に、見覚えはありませんか?」
    🐙「見覚え?う~ん……あっ!もしかして……エレメン
    ジェイドは世間話を装いながら、さりげなくアズールから情報を聞き出した。今のアズールは海の学校に通っていて、陸の学校であるナイトレイブンカレッジに通う二人に「勇気がありますね」と言葉をかけた。

    🐙「さて、僕はそろそろチームメイトのところに戻らなくては。……しかし、皆さんとお会いしたのも何かの縁。今度、僕たちのチームの祝勝会に遊びに来ませんか?是非陸のお話を聞かせてください」
    会場は自身の母が経営する『La Grotta』というリストランテだと伝えると、アズールはその場を去っていってしまった。周囲のファンたちは、アズールの爽やかな去り際にますます夢中になっている。

    😺「やったー!メシが食い放題のパーティーにお呼ばれしたんだゾ!早く行こう、はやくはやく~!」
    🥦「落ち着いて、グリム。パーティーは逃げないから。先に状況整理をしなくっちゃ」

  • 48二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 01:51:01

    このレスは削除されています

  • 49125/08/03(日) 02:15:42

    🐍「“あの”アズールが運動部の花形選手になり、ファンに囲まれて持て囃される夢をみているなんて……正直、意外だったな」
    🔥「ジェイドさん、フロイドさんと疎遠になっていたのも予想外だったよ」
    🦈「んー。オレらがつるむようになったのって、アズールが『黄金の契約書』を使えるようになったミドルスクールからだし。あ~、そーゆーことかぁ……」
    夢の内容に合点がいったフロイドは目を細めた。

    🐊「何を勝手に納得しているのだ。僕たちにもわかるように話せ!」
    🥦「…………」
    🧨「フン。糸車が見せるのが『怒りや悲しみを排除された夢』ってンなら、十分妥当な内容だろ」
    アズールが人魚の姿を他者に見せることに忌避を示すことや、昔の写真をこの世から消し去ろうとしていたこと。これまでの経験から、出久と勝己はアズールの脚が彼の過去に何をもたらしたのかを想像できてしまった。沈黙を貫いている出久の隣で、勝己はあえて夢の核心を仄めかした。

    🐬「……そうですね。おそらくこの夢のアズールは、“自身の消したい過去”を持たないアズールなのだと思います」
    勝己の発言を受けて、ジェイドはいつになく慎重に言葉を選ぶように、ゆっくりと話し出した。アズールのプライバシーに関わることなので詳細は差し控えますが、と前置きをして、ジェイドは考察を続けた。
    🐬「現実の彼の慎重な性格や他者の能力を奪うユニーク魔法は、孤独、悲しみ、恨み、妬み……そういった負の感情なしには生まれなかったはずです」
    🦈「でもウミウシ先輩の魔法で作られた夢の中では、キツかった経験ってなかったことになるんでしょ?だからアズールはみんなの人気者で、よく知らない相手にも気軽にサインをする迂闊なタコちゃんになってるっぽい。現実とは真逆じゃん。受ける」
    フロイドが酷薄に笑う。彼の言葉は、裏を返せば、現実のアズールはみんなから遠巻きにされ、辛い経験を重ねたがゆえに、サイン一つするにも慎重になるような性格にならざるを得なかった、ということだ。

    人、とくに子どもは、自分と違うものに対して残酷で理不尽になれる生き物だ。勝己はそのことをよく知っている。
    夢の主、特に力のある寮長たちの傍にいる『闇』は、人格形成と不可分な者の姿をとっていた。きっとこの夢でのアズールのチームメイトもそうなのだろう、と勝己はそこまで想像できたが、口には出さずに胸にしまっておいた。

  • 50二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 08:07:04

    アズールはネタにされがちだけど深掘りしていくとちょっと笑えない系統の夢よね…

  • 51二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 09:26:02

    >>43

    マレウスはデクたちの世界を過酷だからって隔離しようとしたけど

    ようやく>>予定調和なハッピーエンドに至れるようになった世界だからね

    ちゃんとハッピーエンドを迎える為に二人のヒーローは戻らないといけない

  • 52二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 11:20:59

    デクがピンときてなくてかっちゃんがピンときてるのらしいなぁ…

  • 53二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 12:56:15

    リーチ兄弟の態度の違いがアズールへの対応の仕方の若干違うところが浮き彫りになってて面白いよね

    ジェイドはアズールにも弱い部分があると考えていてやや過保護気味になるときがあるけど、フロイドはアズールなら全部乗り越えていけると信じてて故にノンデリ気味というか

    ズケズケ言うけどフロイドの方がアズールに夢見てそうなんだよな
    6章でオバブロ組が帰還したときの反応の差なんかが特に顕著だけど

  • 54二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 19:32:19

    >>50

    現実世界的に見ても妙にリアリティあって心が痛くなる…

  • 55二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 22:30:01

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 06:55:21

    >>54

    他のオバブロメンバーが、現実ではなくはないかもだがそうそうない厳しすぎる家庭、王族、大富豪家関係、大人気モデル、責任重大家系だからね

    どれも小さくまとめるとまだ分かる、ってなる部分はあるけど規模が自分達からは遠い

    その中でアズールは普通のいじめられた子どもだからな……

  • 57二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 14:29:42

    保守

  • 58二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 21:22:10

    保守

  • 59125/08/04(月) 22:50:40

    🐬「アズールを覚醒させるためには、幸せな夢を否定し、辛い現実を突きつけなくてはならないんですよね。非常に心が痛みますが……」
    ⚔「どんなに幸せであっても、この世界は全てまやかしだ」
    🐍「ああ。ナイトレイブンカレッジ随一の営利主義者が、生産性のない行為に時間を浪費しているわけだ。それも無自覚に。アイツにとっては幸せどころか、かなり不幸な状態に思えるが」
    🥦「うん。それに、この夢のアズールくんは、自分の努力で本当に手に入れたはずのものまで失ってる。……たとえ辛い記憶をなくせても、アズールくんがそれをよしとするとは思えない」
    🦈「あはっ、言えてる。だからさっさとこんな夢ぶっ壊しちゃおうぜ~」

    イデアの考察では、アズールはイマジネーション強度が非常に高く、本人と環境が現実と全く異なっているのにも関わらず齟齬が一切みられないことから、今のままでは夢と現実の矛盾を突いて覚醒させるのは難しいだろうとのことだった。
    夜の海は安全な場所ではないからここに留まるのは良くない、というジェイドの警告もあり、出久たちはさらなる夢の情報を得るためにアズールからの祝勝会の招待に応じて『La Grotta』へと向かうことにした。

  • 60125/08/04(月) 23:08:14

    『La Grotta』の店内に着くと、ナイトクラブめいた派手な装飾の店内で、アズールが丁度乾杯の合図をするところだった。

    いわゆるパーリーピーポーのノリで賑わっていた店内だったが、出久たちが入ってきたことに『ゴールデン・トライデント』の選手たちが気づくと、シン、と場が静まり返った。


    「あれ、もしかして陸の人間?どうしてこのパーティに……」

    🐙「ん?……ああ!彼らは僕のゲストです。まさか本当に来てくれるなんて。皆さんはとても勇気がある方々のようだ」

    🧨「海のことを何も知らねぇ陸の人間を招待しといて?地図も迎えも寄こさず、店内の給仕に話も通してねぇ、ホスピタリティゼロのパーティに?ホストの顔に泥塗らねェようにわざわざ勇気出してきてやったんだから感謝してほしいもんだなァ?」

    アズールは本当に出久たちが来ると思っていなかったようでチクリと嫌味をいってきたが、勝己のオブラート貫通型の嫌味で返されてヒクりと口元が引き攣った。


    🐙「ようこそ『La Grotta』へ。おっと、いけない。伝え忘れていたんですが、このパーティーは陸の方“限定”のドレスコードがあるんです」

    🐊「なにっ!そういうことは早く言え!」

    高級なリストランテともなれば、ドレスコードを制定している店も少なくない。慌てるセベクをみてアズールはニコリと笑い、「海底のパーティに必要な装いは、これです!」と言って魔法の呪文を唱えた。

    すると、その場にいた全員の頭からイソギンチャクが生えてきたのだった。


    *イソギンチャクへの忌避感

    出久 dice1d100=82 (82)

    爆豪 dice1d100=100 (100) +30

  • 61二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 23:14:40

    かっちゃん目が90度までいきそう

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 23:51:46

    かっちゃんの渾身の100!!
    緑谷でさえもかなりの高数値!
    いや、まぁ……あんな事あったしそりゃそうだよね

  • 63二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 07:00:54

    保守

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 10:34:54

    >>60

    かっちゃん補正値のおかげでMAX130になってて草

    ブチ切れっちゃん楽しみ

  • 65二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 17:55:55

    忌避感通り越してブチ切れっちゃんだ

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 22:29:03

    さすがにね、記憶の中でのこのイソギンチャクはね……

  • 67125/08/05(火) 23:22:36

    出久と勝己にとって、頭に生えるイソギンチャクといえば、“アズールの下僕にされると生えるアレ”である。自分の頭にそれが生えていることを認識した瞬間、勝己の目が吊り上がって顔からはみ出した。


    🧨「テメェふざけんじゃねェぞこのクソカスが!!!今すぐテメェのもがもがもが!!」

    🦈「シャチちゃん、落ち着きなって~。爆発させっと空気のクラゲが割れちゃってぇ、息できなくて死んじゃうんでしょ?」

    💀『フ、フロイド氏、ナイスアシスト!!』

    🦈「っていうか~、シャチちゃんの顔、ポップアイみたいになっててウケるんだけど」

    😺「ぽっぷあい?って何なんだゾ?」

    🦈「魚の目ん玉が飛び出す病気のことでぇす」

    アズールに掴みかかろうとした勝己を、フロイドが長い尾びれで素早く巻き取って動きを止めた。一般的に海生生物は体重が重い。更にフロイドは体長もあり、尾びれ部分の体重は少なく見積もっても200キロはある。流石の勝己も、それに全力でぎゅっと締められると分が悪く、動きが止まって無用な血が流れることは寸でのところで避けられた。


    ⚔「これは海のドレスコードなのだろう?バクゴーはなぜあんなに怒っているんだ?」

    🥦「う~ん。期末試験のときの思い出がよみがえるというか何と言うか……」

    🧨「ぷはッ!!オイ、離せやヘラウツボ!!『爆破』使わなくても、直接あの詐欺眼鏡に締め技食らわせてやんだからよォ!!!」

    🦈「絶対やめといたほうが良いってぇ。アズールの締め技、マジでヤベェから」

    🐬「ええ。人間が下手に水中で近づいたところで、雑巾絞りされるのが目に見えています」

    🧨「ヂィッ!!!!!!!!」

    🐍「その爆竹のような舌打ちはいったいどうやって鳴らしているんだ?」

    海の中は人間のアウェイにして、人魚のホームグラウンド。勝己は悪鬼羅刹のような表情を浮かべたまま、渋々と暴れる動きを止めた。


    イソギンチャクに興味や忌避を示す人間の反応はおいておいて、パーティのどんちゃん騒ぎが始まった。品のない学生のノリの馬鹿騒ぎは、シックで大人びた店の内装とマッチしていない。


    「なあ、あんたたち!フロアの真ん中で踊らないか?」

    物珍しそうに人間を見ていた人魚のうち、だれかが出久達に向かって声をかけた。


    *二人の勘

    出久 dice1d100=100 (100) +20

    爆豪 dice1d100=100 (100) +20

  • 68二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:29:22

    すごい冴え渡ってる!!

  • 69二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:31:16

    100連続は笑う

  • 70二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:32:12

    さすがにおもろすぎるwwwwww

  • 71125/08/05(火) 23:46:24

    「私たち、陸のダンスが見てみたいの!」

    「そうそう。海のダンスにはオレたちはもう飽き飽きしてんだよ!」

    複数の人魚が近寄ってきて、出久たちの回りをクルクルと泳いだ。彼らは皆ニヤニヤと笑っている。嫌な笑顔だ。出久と勝己は、よく似た笑い方をする人たちを知っている。


    😺「仕方ねぇな~!そんなに言うなら、このオレ様がヴィル仕込みのカッケーダンスを見せてやるんだゾ!イズク!バクゴー!それからセベクとオルト!オメーらも一緒に来るんだゾ!」


    *ダンスに参加する?

    出久 dice1d3=1 (1)

    1.承諾する

    2.やんわりと断る

    3.ハッキリと拒絶する


    爆豪 dice1d2=1 (1)

    1.踊らない

    2.完璧に踊りコロす

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:54:26

    危機感知あったらビリビリなってそう

  • 73125/08/06(水) 00:08:11

    🧨「踊るわけねェだろアホ」

    😺「えぇ~、ノリ悪いんだゾ!ま、バクゴーがノリ悪いのはいつものことだけど。イズク、バクゴーは置いといて早くフロアの真ん中に行こうぜ!」

    🥦「…………うん」

    🧨「ハァ?おい出久、あんなのに付き合う必要ねェだろ。止めとけ」

    🥦「……ここは現実じゃなくて夢の中だから平気だよ。それよりも、夢に馴染んで情報を得られるようにしたほうが良いかなって」

    🧨「“気乗りしねェ”って顔に描いてあっけど」

    🐊「おいグリム、頭突きで押すんじゃない!ミドリヤ!監督生ならグリムをしっかり見張っていろ!!」

    🥦「あっ、ゴメン!僕も今行くね!」

    🧨「…………」


    フロアの中心に出れば、店内照明が落ちてスポットライトが当たった。人魚たちの注目を集める中、音楽が流れ出す。

    中心でぴょんぴょんと跳ねまわるグリムに、嫌々踊るセベク、プログラム通りに踊るオルト、それから、元来踊りが得意でないためぎこちなく手足を動かす出久。

    狭いフロアの中で互いのエアドームが干渉しあっておしくらまんじゅうのような状態になり、四人の手足がもつれて転んだ圧力でエアドーム同士が合体してしまった。

    😺「ぐぇえっ、重い!セベク、早くオレ様の上からどくんだゾ!」

    🐊「貴様の尻尾が僕の足に絡まっているんだ!おい、オルトなんとかしろ!」

    🔥「ちょっと待って、僕のギアにミドリヤさんの服が引っかかってて……」

    🥦「ごめん、すぐに退くから待ってて!」


    ――ぷっふふ、あはははははははは!!


    フロアの上でもつれてもがく四人を見て、ダンスを眺めていた人魚たちが一斉に笑い出した。海の言葉の罵倒混じりのそれは嘲笑だった。はじめから、彼らは水中で上手く動けない人間が下手な踊りをするのを笑い者にするつもりでこの余興を設定したのだ。


    🐙「陸の生き物って、なんて哀れで無様なんでしょう。陸の世界に上がる人魚がいるなんて、とても信じられない。やっぱり海の世界は最高だ!」

    「「海の世界最高~!スバラSEA!」」


    *メンタルダメージ

    出久 dice1d80=67 (67)

    爆豪 dice1d80=8 (8)

  • 74二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:13:11

    ツイステ詳しく知らないけど
    似たような嘲笑をアズールは受けてたのかな…

  • 75二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:22:50
  • 76二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:44:07

    アズールが昔太っていて運動が苦手だったことと、まんまるなエアドームで身動きがとれないことを重ね合わせてるんじゃないかっていう考察があったなぁ

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:46:46

    わぁ性格悪い

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:49:09

    デクは折寺時代にヒーロー科目指してることをみんなの前でバラされて笑われたことを思い出したとかだと辛い……
    かっちゃんはあの時唯一笑ってなかったからダメージ少ないとかかな

  • 79二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 07:30:32

    かっちゃん、ダメージじゃなくてイライラはたまってそう、いろんな意味で

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 14:05:54

    バースデー2年目みたいに顔面にパイを投げつけたい衝動に駆られた

  • 81二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:46:20

    アズール自身、過去のことは他責じゃなくてグズでノロマだった僕を見るなだったからな…
    スポーツマンになりたかったというよりは自分じゃない、劣ってない誰かになりたかったように思っちまう

    てかオバブロ組が総じて自己肯定感低すぎんだろ
    もっと褒めてやれや自分を!!!!

  • 82125/08/06(水) 21:25:48

    折角だからダイス振っとこう


    *出久の顔色 dice1d3=2 (2)

    1.赤くなる

    2.青くなる

    3.顔色は普通

  • 83二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 21:29:32

    かっちゃんも個性が出る前はデクくんの出来なさを笑ってたけど
    嘲りよりはしょうがなさと呆れって感じの笑いだったからまだ可愛げがあるんだよな

  • 84125/08/06(水) 21:59:30

    大勢に囲まれて、一方的に見下ろされながら嘲笑われる。過去は消えない。この頃はすっかり思い返すこともなくなった昔の息苦しくて嫌な記憶がよみがえって、出久の顔色が青くなった。

    無為な行為へ抱く虚しさと嫌悪と同時に、出久の胸に憤りが湧き出る。


    🐙「あー、おかしい!最高の余興でしたね。さあさあ、ここから先は僕たち人魚だけのパーティタイムだ。間抜けな前座はさっさと帰った、帰った!」

    🥦「…………」

    🐙「……なんだ、その目は」

    🥦「ねぇ、アズールくん。僕、初めて君と会った時、君のことをとても親切で優しい人だと思ったんだ。君は見ず知らずの僕の火傷した手を、魔法で治してくれたよね」

    🐙「ハァ?」

    🥦「その後は色々あったから、君に意地が悪いところがあることも知ったけど、同時に君が努力の人だってことも知った。勉強も魔法も寮長の仕事もお店の経営も頑張ってて……お金がないから利用できないけど、『モストロ・ラウンジ』で食べさせてくれたケーキとコーヒーがすごく美味しかったから、実はまた行きたいって思ってるんだ」

    🐙「……さっきからあなた、何の話をしているんです?」

    🥦「思い出してよ、アズールくん。君の寮長の肩書きも、複雑なユニーク魔法も、『モストロ・ラウンジも』、君が努力で勝ち取ったものじゃないか!全部失ったままで良いのかよ!」


    *対抗ロール

    出久 dice1d100=87 (87)

    アズール dice1d100=28 (28)

  • 85125/08/06(水) 22:15:39

    🐙「おい、妄言はいい加減に、うぐっ……!」

    出久の言葉が琴線に触れたのか、アズールが頭を抑えた。


    「大丈夫かアズール?あんな意味不明な話聞かされたら、そりゃ頭も痛くなるよな」

    🐙「大丈夫です。はぁ、余興の後だというのに、すっかり白けてしまいました」

    アズールの夢は強固なイマジネーションによって補強されており、夢の揺らぎは彼自身によってすぐに修復されてしまう。


    🐙「で、お前たちはいつまで居座るつもりなんだ」

    🦈「……あのさぁ。人魚だけのパーティータイムってことは、オレらは残っていいわけ?」

    話に割って入ったフロイドの言葉に、アズールは少しだけ悩むと、「陸に戻らずに『ゴールデン・トライデント』に加入するならば良い」と答えた。


    🐙「“この僕”が声をかけてやってるんだ。断る理由がないですよねぇ?」

    🐬「僕たちをチームに誘ってくださるなんて、光栄です」

    🦈「『コーラル・ラッシュ』、ちょうどやりたいと思ってたんだよねぇ~。あはっ。オレ、オフェンスね~!あっちの窓がゴール!」

    ガシャン!と不快な音が鳴る。フロイドが尾びれでパーティの料理を薙ぎ払った音だ。フロイドはそのままアンティークの花瓶をボール代わりに蹴り、ジェイドにパスした。 

    ものの数秒で、美しかった店内が見るも無残な光景に変わっていく。魔法を維持する余裕がなくなったのか、出久たちの頭に生えていたイソギンチャクはいつの間にか消えていた。


    😺「うげっ!ウツボ兄弟が暴れ始めたんだゾ!」

    🐙「お前たち、なにをぼーっとしてるんだ!アイツらを止めろ!早く!」

    賑やかなパーティは人魚たちの乱闘会場に成り下がり、渦を巻く水流にのって割れた食器の破片が舞った。


    *霊素ダメージロール

    出久(55) dice1d5=2 (2)

    爆豪(46) dice1d5=1 (1)

    グリム(43) dice1d5=3 (3)

    シルバー(38) dice1d5=1 (1)

    セベク(51) dice1d5=4 (4)

  • 86125/08/06(水) 22:38:17

    🦈「ゴーーーール!ギャハハハハハ!」
    🐬「ナイスシュートです、フロイド!」
    🐙「わあああっ!店の窓が、食器がぁ!ママのコレクションが……!き、器物破損は立派な犯罪行為だぞ!!絶対に訴えてやる!僕のパパは弁護士なんだ!お前たちなんか一発で……!」
    🦈「あははは!一発で、ナニ?あ~ぁ、つまんねー奴」
    喚き立てるアズールの言葉を聞いたフロイドとジェイドの目が冷たく細められた。

    🦈「陸に上がったこともないくせに、海が最高で陸は最低?決めつけダッサ。もーいいや、飽きたわ」
    🐬「生産性のない遊びに時間を費やすつまらない存在と一緒にいても、僕たちが得るものは何もなさそうだ。次の夢に行きましょう、皆さん」
    🐙「ダサ……うっ!?」
    ジェイドとフロイドの冷たい言葉をアズールが聞いたとたん、夢の世界が大きく揺らいだ。

    🥦「……まって、二人とも!アズールくんの様子が……!」
    🐙「ぐぅっ……!あ、頭が割れる……ッ!!」
    夢の異変に気づかれたのか、パーティにいた人魚たちの姿が一斉に黒く溶けだし、『闇』の正体を現した。アズールが瞬く間に『闇』に飲み込まれていく。

    「陸のヤツらとなんか、関わっても碌なことにならない」
    🐙「そうですね……海の暮らしが、最高です……」
    ⚔「アズール!!くっ、『闇』に引き摺り込まれてしまった!」
    🥦「早く追いかけなきゃ!」
    🧨「ああ。……オイ、クソウツボ兄弟!何ボサッと突っ立っとンだ!さっさと来い!!」
    🦈「なんで?」
    🧨「ア”ァ!?」
    リーチ兄弟はアズールを救けようとするそぶりを一切見せず、他人事のように夢の深淵へ飛び込もうとするメンバーを眺めていた。

    🦈「オクタヴィネルのボス張っといて、軽く拐かされちゃうのはダサイでしょ」
    🐬「それに我が寮のルールは自己責任。甘美な夢に耽ることも、彼の選択です」
    🦈「そーそー。その気がないヤツは置いていく。それもオレらのルール」

  • 87125/08/06(水) 23:02:30

    ジェイドとフロイドはつまらなさそうに先に『闇』に飛び込んだメンバーを見ていたが、オルトに「シルバーとはぐれたらずっとこの夢の中に取り残されることになるよ」と諭されて、渋々と『闇』の中に潜った。

    🦈「このドロドロに入るの?うぇ~マジだりぃ~、もぉ~~。アズールのことだから、放って置いても自分でなんとかするってぇ」
    🔥「……冷たいように見えるけど、あれはあれで彼らの信頼の形なのかな」
    💀『だとしても、こんな時くらい空気読んでくれんか?頼みますわ、ホント……』
    🔥「う~ん、それは本当にそう」


    『闇』の抜けた先の空間は、『モストロ・ラウンジ』の入口前だった。店内の覗き込むと、アズールが『闇』のジェイドとフロイドに見守られながら、アトランティカ記念博物館の“例の写真”を燃やしているところだった。
    🐙「ふふふ……ははははは!燃えろ燃えろ!!これで忌々しい過去は清算完了だ」
    🐙「そしてあの偽善者めいた監督生からオンボロ寮も巻き上げた。早速2号店の開店準備だ」

    🧨「フン。どうやらここは、『あンときの賭けで詐欺眼鏡が勝った世界』みてェだな」ヒソヒソ
    🥦「あっ、見て!アズールくんがリドルくんとレオナ先輩のユニーク魔法を披露してる!?」ヒソヒソ
    🧨「チッ、面倒な設定の夢出しやがって。まァ、魔法をいくつ持ってたところで、俺の『爆破』1つで十分だけどな!」
    🥦「おぉ~。実績がある人が言うと頼もしいなぁ」
    🐍「実績?」
    🥦「話すと長いから、今は置いておいて」

    🐬「ふむ。……この世界のアズールは、レオナさんに契約書を砂にされなかったようですね」
    🦈「っぽいねぇ。あーあ、椅子にふんぞり返って高笑いしちゃって……」
    遠くからアズールを見ながら、フロイドが長いため息をついた。

    🦈「……オレさぁ、あのままアズールが順調に全部を手に入れてたら……一緒にいるの飽きちゃってたかもなーって考えるときがあんだよね」
    🐬「奇遇ですね、僕もです」
    🦈「アイツ、調子こくとマジでムカつくんだよなぁ」
    🐬「なにより……」
    🐬🦈「「そんなのは、面白くない」」
    🦈「さっさとアズールをぶん殴って、いつもの面白いタコちゃんに戻ってもらおっかぁ」
    ジェイドとフロイドは顔を見合わせると、クスクスと悪戯っぽく笑った。

  • 88二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:03:31

    まさに「悪友」と言う言葉がぴったりなんだろうなオクタヴィネル

  • 89125/08/06(水) 23:16:20

    双子のモチベーションが回復したところで、出久たちは期末テストの騒動の裏側を知らないメンバーに状況を説明した。
    現実のアズールはイソギンチャク騒動後に他者から奪った能力の殆どを手放すことになったが、この夢では全てそのままになっているどころかリドルやレオナといった他の寮長の魔法まで奪うことに成功している。
    イデア曰く、この夢のアズールは自分をチート設定にしているから、攻略はかなり難しいだろう、とのことだった。

    アズールの魔法の一番の弱点は、『黄金の契約書』を破棄してしまえば、奪った能力は持ち主のもとに戻るというところだ。一行は早速契約書を押さえるためにVIPルームへ向かったが、金庫の中身は空だった。この夢のアズールは襲撃を警戒し、契約書の隠し場所を移したらしい。

    警戒心の高いアズールにジェイドとフロイドが契約書の場所を確認すればその場で関係が破綻することも考えられたため、ジェイドが『かじりとる歯(ショック・ザ・ハート)』で自身の偽物から契約書の隠し場所を聞き出す作戦が採択された。
    相手から真実を聞き出すジェイドの魔法は、格上相手や一度魔法を使った相手には効果はないためアズールや『闇』のフロイドには効果がないと見込まれるが、ジェイド曰く「僕は“僕”に対してユニーク魔法をかけたことはない」とのことで、試す価値は十分にある。

    🦈「んじゃ、“オレ”が邪魔しないように引き剥がしておかないとね」
    🐬「ええ、フロイドはフロイドを、僕は僕をアズールから引き離し、各個撃破いたしましょう」

    ジェイドとフロイドの中心に二手に分かれるということで、オルトとジャミルはフロイドのチームへ、残りのメンバーは本命のジェイドのチームへと分けられた。

  • 90125/08/06(水) 23:18:04

    てなわけで、フロイドチームはカットします!

  • 91125/08/06(水) 23:52:53

    早速『闇』のジェイドを呼び出す方法の作戦会議が始まったが、自分自身のことを知るジェイドが「僕に考えがあります」と意気揚々と歩き出したので、出久たちもその後ろを着いていった。


    ジェイドがやってきた先は、学園内の魔法薬学室だった。

    🐬「さて、イデアさん。魔法薬学室から『貴重植物保管室』に続く扉にかかっている魔法を解析し、解除していただけませんか?中にある魔法植物を拝借したいので」

    ⚔🐊「「不届き者だーー!!」」

    『貴重植物保管室』は、その名の通りに貴重な植物を保管している部屋であり、窃盗目当ての不届き者対策で厳重に管理されている。


    💀『拙者、無用な悪事に手を染めたくはないのですが……!?』

    🐬「いやですねぇ、イデアさん。ここは夢のなかですよ?」

    ニコニコと笑いながらジェイドがイデアに圧をかける。結局、イデアはジェイドの圧に負けて、「現実ではマジで無理ですぞ!!」と悲鳴を上げながら扉の魔法構築式を書き換えて開錠してくれた。


    🐬「おお、素晴らしい!まずはこれからいただきましょう」

    保管室に入った途端、ジェイドが希少な植物たちに目を輝かせ、植物のうんちくを語りながら保管用のガラスケースを躊躇いなくガシャンガシャンと割っていった。


    💀『悪事に躊躇いがなさすぎる!ヒーローのお二人さん的にアレどうなんすか!?』

    🧨「夢の中だから問題ねェだろ」

    🥦「夢の中だからしょうがないです」

    🧨「合理的ってヤツ」

    🥦「そうそう、合理的ってやつです」


    *二人の反応

    出久 dice1d2=2 (2)

    爆豪 dice1d2=2 (2)

    1.曇りなき眼

    2.お目目グルグル

  • 92二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 06:53:01

    2人とも疲れてるよ!

  • 93二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 07:08:25

    おいヒーロー!

  • 94二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 09:40:15

    >>81

    何が酷いってアズールでもまだマシに思えるレベルで自己肯定感酷いのがこの後二人ほど出てくるという…

  • 95二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 15:42:47

    >>76

    「全部の足で踊れ」ってセリフもあったけど

    アレも二本足の人間に言うには若干不自然だし八本足のアズールが昔言われた言葉をそのまま言ってるのかもしれないね つらみ

  • 96二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 18:00:18

    どうかNRCに凄腕カウンセラーを………!!(泣)

  • 97二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 19:12:46

    オバブロ勢一応カウンセリング受けたらしいけど某擬人化動物2の予告に出たノリだと思う
    夢の国ベースのツイステ世界「生きづらい」側はかなりマイノリティだからかなり難易度高い
    大人お茶子ちゃんが一番適任かもしれんが、見せたくねぇ・・・

  • 98二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 20:05:12

    >>97

    というか外面取り繕うのが上手すぎてカウンセリング通過しちゃいかねない奴がちらほらいるのが困る…

    お前らのことやぞ古代呪文語組(レオナ・ジャミル)

  • 99二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 20:26:25

    >>98

    なんなんですか?彼らは寮服の袖と引き換えに取り繕い力を手に入れたんですか?クーリングオフしろ袖を取り戻せ

  • 100二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 22:09:49

    >>81

    しゃーねーよ>自己肯定感

    自由をとことん縛られて来て自分で考えて遊びに出たら最悪にそれすら奪われた"優等生"

    生まれた時から越えられない存在があり常に比較して貶められてきた"嫌われ者の第二王子"

    子どもの頃1番慕うだろう親から本気を出すなと押さえつけられ無邪気に抑圧を受けた"優秀な従者"

    才能も努力も兼ね備えながら1番欲しい役は決して得られない"有名モデル"

    決められた将来の前にと才能発揮したら自分のせいで弟を死なせた"天才"

    アズール上手く表現できないけど、オバブロ組やべえんだよ

  • 101二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 06:33:57

    このレスは削除されています

  • 102二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 07:11:26

    >>100

    そういう意味ではアズールっていちばん一般家庭の出よね

    誰もが通る学校って環境での扱いに最も影響されてる

    もし海での同級生に上鳴みたいな気のいい奴や梅雨ちゃんみたいなお姉さんタイプがいたら違ってたのかなって思うことがある

  • 103二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 14:33:53

    >>100

    燈矢トガちゃんが社会と折り合いつけられたとして自己肯定感育つかな?って感じよな…

    でも、もしかしたらそんな抑圧された生活の中で>>102みたいに友達が出来たかもしれない

    ツイステはそういう可能性を探る物語

  • 104二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 20:31:03

    追いついた!スレ主の文章好きすぎて夢中で読みふけっちゃった
    発想も筋立ても整合性も文章力も凄すぎる
    もっと読みたい

  • 105125/08/08(金) 22:29:51

    💀『いや、お二人さん目がグルグルなんですがそれは……』
    ⚔「夢の中とはいえ、目の前で行われている窃盗を見過ごすのはあまり気分が良いものではないからな」
    🐬「はぁっ……夢の中、最高すぎませんか?こんなに貴重な山菜を大量に手にできるなんて!」
    ジェイドは貴重植物保管室から奪い取った大量の希少植物を両手いっぱいに抱え、うっとりとため息をついた。
    いつ『闇』に異変に気づかれてもおかしくないため、勝己がジェイドに「いい加減にしろ」と怒号を飛ばし、一行は魔法薬学室を後にした。

    🧨「で、希少植物を馬鹿みてェに集めて、ちゃんと策があンだろうな」
    🐬「勿論です。グリムくん、ミドリヤさん。これらの山菜を持って、『モストロ・ラウンジ』へ行ってみてください。グリムくんは確か、美食研究会のメンバーでしたよね。『美食研究会の活動で学園付近の森で採取したから買い取ってくれないか』……とでも言って」
    😺「そうだけど……オメー何企んでるんだ?」
    🐬「ふふ……大丈夫。“僕”ならきっと飛びついてきますよ」
    🥦「ジェイドくん本人がそう言うなら、代案もないし行ってみようか、グリム」
    🐬「よろしくお願いしますね」
    いざ出久とグリムが『モストロ・ラウンジ』に足を向けようとしたところで、ジェイドが魔法を唱えた。すると、出久とグリムの頭にイソギンチャクが生えてきた。
    この夢ではオンボロ寮はアズールの手に落ちているということで、カモフラージュのために必要な措置なのだろうが、流石の出久でも微妙な気分になるのだった。

  • 106125/08/08(金) 22:55:29

    出久とグリムはジェイドにもたされた謎のキノコや山菜を背負って『モストロ・ラウンジ』を訪れた。
    ジェイドの指定通りに「学園の森で採取したから買い取ってほしい」とアズールに言うと、『闇』のジェイドがものすごい勢いで割り込んできて、本物のジェイドと同じようなハイテンションで貴重植物のうんちくを語り出した。アズールは半信半疑だったが、植物自体は本物なので全くの嘘と断じることができずに目を丸くし、やがて目がマドルになった。

    🐙「……もしこの話が本当なら、大変なことになりますよ。他の誰かに奪われる前に、生息地を押さえておかないと……!」ヒソヒソ
    🐬?「アズール、これは早急に確認が必要な案件かと」
    ジェイドの目論見通り、『闇』のジェイドは貴重植物に食いついて、「生息地を直接確認したい」という建前で出久たちに学園の森への案内を依頼してきた。
    出久たちの目的は、『闇』のジェイドをアズールから引き離すこと。内心でガッツポーズを決めつつ、ボロが出ないようにグリムと出久は嫌々の体を装いながら森へと向かった。



    🧨「まんまと罠にかかりやがったな!クソエセ紳士の偽物が!!」
    『闇』のジェイドが森に足を踏み入れた瞬間、勝己とセベクとシルバーで羽交い締めにした。彼は前から本物のジェイドがやってきたのを見ると、驚きで目を見開いた。偽物とはいえ彼も“ジェイド”だ。今から“自分”が何をするのか理解してしまったらしい。

    🐬「さあ……僕とゆっくり“お話し”しましょうか。そんなに怖がらないで、力になりたいんです。『かじりとる歯』」
    目を閉じられないよう、勝己は『闇』のジェイドの目をほじくり出す勢いで無理やりこじ開けた。

    🐬「アズールの契約書はどこに隠してあるんです?」
    🐬?「アズールの、部屋の……ベッドの下のアタッシュケース、に……」
    🐬「ありがとうございます。あなたの役目はこれで終了です」
    真実を吐き出した偽物に用はないとばかりに、ジェイドは自身の偽物の喉を裂いた。血は出ず、代わりに『闇』は形を失ってその場で溶けていった。

    😺「じ、自分に対して容赦がなさすぎるんだゾ……」
    🧨「普通、パンピーってのァ度が過ぎた暴力に忌避感があるもんだが、テメェまさか現実で似たようなことしてねェだろうな」
    🐬「いやですね。まさか、そんな。あらぬ疑いをかけられてしまうなんて悲しいです。しくしく」
    🧨「嘘泣きウゼェ」

  • 107二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 07:02:20

    う〜ん、こんなだから指定暴力団オクタヴィネルとか言われるんですよジェイドさん

  • 108二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:33:40

    なんならジェイド君このシーンがストーリーで一番生き生きしてる

  • 109二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 20:39:34

    ほしゅ

  • 110二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 20:40:46

    >>108

    あらゆる禍根が残らない夢の中だからタガが外れまくるんだよね

    そりゃムシュー計画班はノリノリよ

  • 111125/08/10(日) 01:11:19

    『闇』のジェイドを撃破した後、出久たちはフロイドチームと合流してアズールの部屋に忍びこみ、アタッシュケースを回収することができた。

    しかし、アタッシュケースにはアズールによって念入りに防御の魔法が施されており、開錠することは困難。魔法の詳細が分からないため、無理やり破壊すれば万が一の仕掛けが作動しないとも分からない、パンドラの匣状態になっていた。


    🦈「じゃーさぁ、アズール本人に開けてもらえば?」


    他のメンバーが頭を悩ませる中、フロイドがこともなさげに言い放った。



    ジェイドとフロイドはこの夢の二人に成り代わり、『モストロ・ラウンジ』のアズールのもとに戻った。ジェイドの手にはアタッシュケース。「隠し場所がバレてしまった」とジェイドが言えば、アズールは焦りを浮かべつつも、不審がることはしなかった。

    それをこちらに、と言うアズールに、ジェイドとフロイドは応えなかった。


    🐙「おい、聞こえなかったのか?それを早く僕に……」

    🐬「アズール。あなたは本当に忘れてしまったんですか?現実ではとっくのとうに、契約書(こんなもの)は失ってしまったというのに」

    ジェイドの言葉に、アズールは眉を吊り上げた。

    自分は何も失っていない、今やこの学園で逆らうものが誰もいない自分に逆らえばどうなるか分かるな、と喚き立てるアズールを見下ろし、ジェイドとフロイドの表情が無になっていく。


    🦈「こんな偽物の世界でふんぞり返って満足してるなんて、つまんねー姿見せんなよ」

    🐬「ああ……アズール。これ以上僕たちをがっかりさせないで」

    🐙「がっかりだって?がっかりしたのは僕のほうだ!ふふふ……ははははは!いいだろう。お前たちとの縁もここまでだ」

    ジェイドとフロイドの言葉に、アズールの目がスッと細められた。


    🐙「来い、僕のイソギンチャクども!アイツらをぶちのめせ!」

    怒りのまま、アズールは夢の中で絶対服従にしたイソギンチャクたちを呼び出した。『闇』である彼らが、あっという間にジェイドとフロイドを取り囲む。

    その中には、エースやデュースといった現実でイソギンチャクにされた者もいれば、リドルやレオナといった現実では到底アズールと契約しないだろう面々も紛れている。


    *イソギンチャクの中に

    偽物の出久 dice1d2=2 (2)

    偽物の爆豪 dice1d2=1 (1)

    1.いた、2.いなかった

  • 112125/08/10(日) 01:19:23

    『モストロ・ラウンジ』の窓から、出久たちはフロイドの作戦にアズールを激昂させる現場を見守っていた。


    🐍「って、おい!カリムもいるじゃないか!アズールと契約させるだなんて、この夢にいる俺は何をやっているんだ!?」

    💀『え、待って……?拙者もいるじゃん!拙者とて、絶対にアズール氏と契約なんかしませんぞ!解釈違いすぎる!』

    🧨「俺もいンじゃねェか!!俺が詐欺眼鏡の下に着く訳ねェだろバァカ!!!」

    🥦「僕は見当たらないや」

    🧨「『モストロ・ラウンジ』の仕事でなんかやらかしてクビになったんじゃねーの」

    🥦「そ、そんなことないよ多分!オンボロ寮のハウスキーパー係とか、きっとそういうのなんだって!」

    🐊「お前ら、そんなことに文句を言っている場合か!」

    ⚔「すぐにジェイドたちに加勢しよう!」


    🐙「この僕に逆らうとは、なんて不幸せで、哀れな人たちなんでしょう!」


    *霊素ダメージロール

    出久(57) dice1d5=2 (2)

    爆豪(47) dice1d5=3 (3)

    グリム(47) dice1d5=1 (1)

    シルバー(39) dice1d5=1 (1)

    セベク(55) dice1d5=3 (3)

  • 113125/08/10(日) 01:41:23

    この夢の中でのアズールは、イマジネーションによる自己強化でほとんど無敵の力をもっている。戦闘経験豊富な出久と勝己でも、一筋縄ではいかなかった。 

    🐙「さあ、いい加減諦めて契約書を僕に渡しなさい!」
    🦈「やーなこった!べろべろば~!」
    🐙「ぐぬぬ……キツいお灸を据えてやる必要があるようですね。『王の咆哮(キングス・ ロアー)』!!」
    🦈「それを待ってたぜぇ、アズール!『巻きつく尾(バインド・ザ・ハート)』!」
    アズールがレオナから奪った渇きの魔法を放つのを、フロイドがユニーク魔法で逸らした。逸れた魔法が向かう先は、契約書が入ったアタッシュケース。水さえ砂に変えるレオナの魔法が直撃し、アタッシュケースは中の契約書ごと砂へと成り果てた。フロイドの作戦の通りだ。

    🐙「あ、あああ……うわあああああ!!!僕の可愛い契約書が、全部、砂………に………、うッ!?」
    崩れていく契約書に、アズールが表情を絶望で歪め、夢が揺らいだ。
    🐙「そうだ、僕はあの日……!あ、あああ……うわああああああぁああ!!」
    絶望に記憶を呼び覚まされ、アズールが絶叫した。叫び声は、やがて自嘲の笑い声に変わる。
    🐙「どうして僕は、こんなに大切なことを忘れていたんでしょう。もう二度とあんなヘマはしない、そう誓ったのに……」
    記憶が戻ったアズールのもとに、笑顔が戻ったジェイドとフロイドが近づき、双子がアズールを両側から挟むいつもの形になった。

  • 114125/08/10(日) 01:44:30

    アズールの覚醒を喜んだのも束の間、大きな揺れとともに夢の世界に亀裂が走った。

    🔥『契約書を失ったことで、この世界のアズールさんはハッピーエンドを迎えられなくなったんだ』
    🧨「チッ。また夢の崩壊か。おい、事情の説明は後だクソ人魚ども!さっさと離脱すンぞ!」
    🐙「わかりま……うわっ!」
    🐬🦈「「アズール!!」」
    『闇』の沼に足を取られたアズールを、とっさに双子が両側から支えた。しかし、『闇』の沼は重く、いくら力んでもアズールを引き上げることはできない。

    🥦「ジェイドくん、フロイドくん、早くこっちに!二人が夢の崩壊に巻き込まれたら、無事じゃいられない!」
    ⚔「ここはアズールの夢だ!アズール1人なら、ここに戻れる可能性がある」
    🦈「だってよ、2人とも!」
    🐬「わかりました。ではアズール……ご武運を!」
    🦈「くたばんなよ、アズール」
    🐙「ふん、お前らこそ!」
    憎まれ口を叩き合い、ジェイドとフロイドはあっさりとアズールを掴む手を離した。アズールはあっという間に深淵へと沈んでいく。
    ジェイドとフロイドは振り返らずにシルバーのもとまでやってきて、夢から離脱した。一見薄情に見えるが、彼らの奇妙な絆を感じさせるやりとりだった。

  • 115二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 08:10:45

    オバブロ組が闇に引きずり込まれるシーン、メンバーごとに個性出てて大好き

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 13:55:56

    ダイスの結果だから偶然なんだけどさ、イソギンチャクの中にかっちゃんがいるのって過去にいじめっ子だったって知ってるから彼を掌握する事で過去のいじめられてた自分の否定をしてるのかなって解釈しちゃって俺は僕は私は

  • 117二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 21:18:12

    >>116

    それ思うと出久がいないのがまた……

  • 118二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 06:21:58

    ほしゅ

  • 119125/08/11(月) 14:16:23

    スレ主お盆がわりと忙しいのと普通に仕事あるのでちょっと更新滞りそうです

  • 120二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 19:22:25

    クロスオーバーSSスレでこんな高クオリティを維持したまま原作現行ストーリーに順調に追いついていってる時点で十二分に偉業なので……いつもありがとう……

  • 121二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 23:22:03

    ほしゅ

  • 122二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 08:13:04

    お盆言うても働く人は働くからな、お疲れ様です

  • 123二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 15:26:55

    保守

  • 124二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 22:21:12

    ほしゅ

  • 125125/08/12(火) 22:38:48

    夢を渡るシルバーにしがみつきながら、出久は一瞬黒い白昼夢を見た。

    暗い闇の底で、アズールが己のファントムと対峙している。
    恨み言を垂れ流しながら、床に散らばった契約書を再現なく必死でかき集める浅ましい己の姿を、アズールは真っすぐ見下ろした。

    ――認めましょう。虚栄心に取り憑かれ、本当の自分を認めようともしない……それが、僕だ。

    負の感情を受け入れ、己のブロットを纏ったアズールがオーバーブロットする。負の力を御したその姿は、他者から奪ったものではない、己自身が磨き上げた力が内側からあふれ出すようだった。

    ――「誰もがひれ伏すような、強い自分になりたい」。その願い、この僕が叶えて差し上げましょう。
    ――……そう、これからも僕は願いを叶え続ける。
    ――他の誰でもない、僕自身の願いを!

    己のファントムに打ち勝ったアズールが高らかに笑う。
    次の瞬間、夢の世界が再構築されて、再び『La Grotta』での祝勝会に場面が映り替わった。

    アズールはフロアの中心でチームメイトに勝利を祝う言葉をかけ、これからもともに勝利を目指すことを記した契約書に署名をもらいたい、と黄金の契約書を配った。
    アズールの口八丁に乗せられて、軽薄な人魚たちは何の疑いもなく契約書に己の名を記した。特別な儀式に浮かれる人魚たちだったが、やがて己の頭から生えてきたイソギンチャクを見て恐怖で顔を引き攣らせた。

    ――契約書は隅々まで読むのが常識ですよ。
    ――特記事項にはこう書いてあったんです。「私は無条件に全ての力を手放し、アズールの僕になる」とね。
    ――後悔してももう遅い!正式な契約は破れません!

    黄金の契約書を介して、人魚たちの“全て”がアズールへと流れ込んでいく。

    ――ククク、僕はこの程度じゃ満足しないぞ……より価値のあるものを手に入れてみせる。
    ――『金』『地位』『権力』……それだけじゃない。もっと莫大な値打ちのあるものを手に入れるための契約を!
    ――値段をつけるのは他の誰でもない――この僕だ!

    出涸らしとなった『闇』が干乾びた海藻のような醜い姿となって岩礁に張り付きもがくのを鼻で笑い飛ばし、アズールは高みを見据えながら甘い夢との決別を告げた。

  • 126125/08/12(火) 23:03:17

    出久が我に返ると、オルトの導きでシルバーが再構築されたアズールの夢に降り立ったところだった。

     

    夢の誘惑に自力で打ち勝ったアズールのもとに、すっかり機嫌が良くなったジェイドとフロイドが近寄って二人でアズールを挟み込むいつもの配置になった。


    🦈「だから言ったじゃん。アズールは放っておいても、自分で何とかするって」

    ⚔「だが、『闇』を断ち切ることは誰にでも出来ることじゃない。アズールの意志の強さがあってのことの勝利だ。よく戻ってくれた」

    🐙「大袈裟ですねぇ。ですが……賛辞は素直に受け取りましょう」

    優雅だがやや大仰で嫌味っぽさもある仕草でアズールがシルバーに礼をした。


    🥦「アズールくん、戻ってきてくれてよかった」

    🐙「ミドリヤさん」


    *アズール 出久への対応

    アズール→出久の好感度が100なので自動的成功


    🐙「夢の中では、あまり見られたくないところを見せてしまいましたね。ごほん。口止め料として、今度『モストロ・ラウンジ』使えるケーキセットの引換券をお渡しいたしますよ」

    🥦「ええっ、いいの!?やったぁ!博物館にいった後に食べさせてくれたケーキが本当に美味しかったから、また食べたかったんだ!嬉しい、ありがとう!」

    🐙「こうも喜ばれるとは……。自分で渡しておいてなんですが、単純な人だな……」


    *前回食べたケーキ(メニューは捏造)

    1.バターたっぷりのマドレーヌ

    2.海色のレモンゼリータルト

    3.シーソルト・ソルベ

    出久 dice1d3=3 (3)

    爆豪 dice1d3=3 (3)


    アズールは会話の途中でイデアのタブレットの存在に気づき、状況説明を求めた。例の『マレウス攻略動画』を視聴したアズールは、『モストロ・ラウンジ』が営業停止の状態で数日が経過しているという事実を知り、冷蔵庫の在庫状況や、オフィシャルHPにお知らせも出さずに休業していることによる信頼性の低下に思いを巡らせて頭を抱えた。最も、マレウスの魔法領域により賢者の島は時空そのものが凍結されているため、食材の腐敗は進行せず、『モストロ・ラウンジ』を利用できる客は全員夢の中なのだが。

    アズールは怒りに燃えながら、マレウスと戦うための『招待コード』を受け取った。


    🐙「いいでしょう。少しばかり使える魔法の才能を活かし、眠りに囚われた哀れな人々を、この僕がお助けいたします」

  • 127二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 23:46:53

    頑張れアズールこれからサバナだぞ

  • 128二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 03:36:09

    サバナのアズールはすごく活躍してた印象ある。ハーツのレオナは活躍通り越して過労

  • 129二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 08:29:47

    >>128

    5人分だもんねぇ

    そりゃ最初の二人ではひたすら寝まくって節約するわな

  • 130二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 14:16:55

    シーソルトアイス、それは夏休みの思い出の味

  • 131二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:10:10

    同じテーブルで同じデザート(シーソルト味)を一緒に食べてる幼馴染って、よく考えるとめっちゃ可愛いのでは?

  • 132125/08/13(水) 22:32:16

    次の夢へと渡る前に、オルトがジェイドとフロイドの同行にストップをかけた。ジェイドの夢での兄弟喧嘩で洒落にならないダメージを負っていたところに、夢の中でのアズールとの戦闘で構成霊素に深刻な乱れが生じているらしい。
    ついでにバグ対策でもう一人同行者を減らすため、ジャミルも自分の夢に戻って休息を取ることになった。

    🐙「話はまとまったようですね。では、時は金なり!すぐに次の夢へ出発しましょう」

    オルトがアズールのダミーデータを出力すれば、出発の準備は完了だ。

    🐬「皆さん、この先をご一緒できず無念ですが……パーティ会場で、再びお目にかかれるのを楽しみにしております。皆さんの活躍とご武運をお祈りいたします」
    🐍「心配するな。きっと上手くいくさ。道中、気をつけて」
    🦈「オレが飽きちゃう前に、早く迎えにきてねぇ~」

    見送ってくれる三人に手を振って、出久たちはシルバーに捕まって再び『夢の回廊』へとダイブした。

  • 133125/08/13(水) 22:33:21

    でなわけで、サバナ夢のターンに入ります

  • 134二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:37:39

    頑張れ夢渡り組とスレ主さん!

  • 135125/08/13(水) 22:52:33

    次に出久たちが降り立ったのは、ナイトレイブンカレッジの正門前だった。木々が赤く色づいている。どうやら、ハロウィン前後の次期らしい。
    夢渡り酔いでアズールが目を開けたまま気絶していたというハプニングはあったものの、平穏な空気が漂う夢だった。

    キンコンカンコン。丁度終業の鐘が鳴った。学園から沢山の生徒が出て来るのに混じって、大柄な人物が出久たちの方に走ってきた。
    🐺「チッ……授業が長引いちまった。急がねぇと練習に遅れちまう!オイあんたら、横に広がって道を塞いでんじゃねぇ、邪魔だ!」
    急いだ様子のジャックは、正門前にいた出久たちを押しのけるようにして走り去っていった。彼の周りには小鳥のような光が舞っていた。
    夢の主がジャックであると判明し、出久たちは彼を追いかけた。ジャックの行き先はコロシアムだった。

    🐊「部活動かもしれないな」
    🥦「確かジャックくんは陸上部だから、それならコロシアムじゃなくてグラウンドへ行くはずだけど……」
    コロシアムの中をのぞくと、サバナクロー寮生たちがマジフトの練習をしていた。ジャックもその中に混じっている。
    🐙「今の季節は秋。ということは、おそらく……」
    🧨「寮対抗マジフト大会か」
    忘れもしない、連続傷害事件の調査を依頼された時期だ。

    🦁「サバナクロー、全員集合!!」
    この夢のレオナが号令をかけると、ジャックを含めたサバナクロー寮生がキビキビと一列に並んだ。

  • 136二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:59:12

    このレスは削除されています

  • 137125/08/13(水) 23:03:34

    🦁「去年の寮対抗マジフト大会、俺たちサバナクローは、マレウス率いるディアソムニアに初戦で敗退。あの日の悔しさは忘れられない。だが……今の俺たちは、あの時とは違う。1年かけて牙を研ぎ……ついに竜の首に飛びかかる“準備”はできた。そうだろう?」


    レオナの言葉に、サバナクロー寮生たちが色めきたった。



    🦁「これは一生に一度のチャンスだ。世界をひっくり返すためのな。奴らを出し抜くために磨き上げた技術力(テクニック)!何度ディスクを奪われようと食らいついていく体力(パワー)!獲物を確実に追い詰めるための結束力(チームワーク)!」


    🦁?「そして……胸に燃える野心(ハート)!見せてやろうぜ、俺たちサバナクローの不屈の精神を!」


    「「ウオオオオオ~~~~~~!!!」」


    レオナの呼びかけに応じ、サバナクロー寮生たちが雄叫びを上げた。いかにもスポーツマンらしい、熱気と活力に溢れた光景だった。


    🦁?「テメェら、俺についてこい!次の王はこの俺だ!」

    🍩?「いいぞー!レオナさん!王様バ ンザーイ!」

    「「王様バンザイ!王様バンザイ!」」

    🦁?「フッ、どいつもこいつも気合は十分みてぇだな。今日は限界までしごいてやる。準備をしておけ。サバナクロー、ファイッ!」

    「「オオォーーーーーーッ!!!」」

    周りのサバナクロー寮生たちと一緒に、ジャックも雄叫びを上げた。その瞳はレオナへの憧れでキラキラと輝いていた。


    *夢レオナへの違和感

    出久 dice1d100=29 (29)

    爆豪 dice1d100=31 (31)

  • 138125/08/13(水) 23:48:52

    💀『知らん人がおる~~~~~~~~~~~ッ!!!』
    💀『スポ根漫画に出てくるタイプのレオナ・キングスカラ~じゃん……タ、タスケテ~ッ!怖いよ~ッ!』
    🐙「マレウスさんのユニーク魔法の恐ろしさを、真の意味で理解できた気がします」
    😺「オレ様、怖くて泣きそうになっちまったんだゾ……」
    熱血レオナを遠目にみながら、あまりの違和感に一部のメンバーが戦々恐々とした。
    🥦「そ、そんなに言うほどかな……?レオナ先輩だってスポーツマンなんだし……」
    🧨「普通スポーツに打ち込んどる奴らってあんなンじゃねぇの。知らねェけど」
    💀『レオナ氏とスポーツマンの解像度低すぎんか?』
    🧨「俺らの世界じゃ、スポーツは流行ってねェからな」
    💀『え~~いいな~~~!』
    🥦「競技としてのスポーツは下火ですけど、運動神経が良い人は憧れの対象ですけどね」
    💀『なんだ。じゃあやっぱ拙者とかアズール氏みたいな陰キャの立場は低そうですな』
    🐙「人を勝手に不名誉な同類扱いしないでいただけますか、イデアさん?」

    状況から察するに、この夢は「サバナクロー寮が前年の敗北をバネに厳しい鍛錬を重ね、正々堂々とディアソムニアに挑もうとしている」という設定のようだ。

    🐊「ぐぬぬ……サバナクローめ。あの卑劣極まりない事件のことを思い出すたび、腹が立つ!」
    連続傷害事件と当日の事件を思い出して、セベクが怒りに震えた。シルバーも複雑そうに眉を寄せている。
    ⚔「あの事件……サバナクローの企みを内部告発したのは、ジャックだったと聞いている」
    😺「アイツに情報を吐かせるのは苦労したんだゾ。男のナントカとか、ケジメとか、メンドクセーことばっか言ってよぉ。殴り合いの途中でイズクとバクゴーはジャックそっちのけでケンカおっ初めてお互い殴り始めちまうし」
    🐙「何をやっているんですか?」
    🥦「あれはかっちゃんが悪いよ」
    🧨「あれは出久が悪ィ」
    🐙「……はぁ。お二人のことはわかりませんが、ジャックさんの葛藤は理解できます。いくら転寮制度があるとはいえ、味方を売ったとなれば報復は免れない」
    🔥「そうだね……サバナクロー寮が起こした傷害事件が、ジャックさんに大きな心理的負担をもたらしたのは間違いなさそうだ」
    事件がなかったことになった夢の世界で、レオナにマジフトの指導を受けるジャックは、生き生きとして心の底から楽しそうだった。

  • 139二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 07:09:46

    ジャックはNRC生としては性根がまっすぐ過ぎるからヒロアカ組から見たら真っ当な世界に見えるんだろうな

  • 140二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 08:58:36

    >>138

    個性が多種多様過ぎて全員の規格に揃えるの難しいからね、スポーツ…

    そりゃオリンピックも形骸化するよ

  • 141二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 14:13:18

    >>138

    あとアニオリで野球が好きなヒーローによる草野球的な試合はやってたりするし

    体育祭という概念は残ってるから結局運動神経抜群な人が優位になりやすいことには変わらない


    それはそれとしてイデア先輩にデクたちが参加した体育祭見てみてほしいなぁ

    絶対良いリアクションしてくれる

  • 142二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 14:46:49

    >>141

    まず初手に巨大ロボが襲ってきて、クラスメイトが凍結させて巻き込み上等の倒壊事故を起こします


    イカれてやがる…

  • 143二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 15:24:36

    >>140

    逆にマジフトはヒロアカ世界でもやれそう

    空飛べる個性もあるし

    NRC選抜vsヒロアカ1A見てみたい

  • 144二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 15:26:40

    ヒロアカ世界のここ1年全部を見せるのは無理だけど体育祭くらいは見せたいよな
    目の前でなんだかんだ仲良さそうな2人の色々アレな頃が見れます

  • 145二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 17:10:12

    >>142

    その次に深めの谷&島間で張られたロープでの綱渡りで反対側の方を目指し(なお別に下を走っても良し。空飛んでも良し)、最終関門は地雷原疾走……


    第1種目からインパクトが強いねん…

  • 146二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 20:46:38

    出久に滅私のヒーロー精神が宿ってることをイデアはタルタロスでよく見て知ってるだろうけど、体育祭で指残弾するミドリヤ氏を見て
    💀「ぎゃーーーッ!怖い怖い怖い!!世界の危機でもないのに何故自分の指を犠牲に!!?」
    🔥「あっ。今“二周目”に入った。砕けた指がもっと砕けて、骨や神経、内出血がとんでもないことになっていると推測されるよ」
    💀「ヒィ~~~ッ!ひょっとして、ミドリヤ氏の右手が変形してるのってこのときの傷跡!!?」
    みたいな会話しててほしい
    数ある出久の激ヤバエピソードの中でも、体育祭は一学校行事で指と腕をボロカスにしてるのが狂気的なんだよな

  • 147125/08/14(木) 21:11:26

    🥦「……ジャックくんは入学前からレオナ先輩に憧れてたって言ってた。憧れの人があんな計画を立てていたって知ったとき、すごく辛かったと思う」

    出久の憧れ、ナンバーワンヒーローのオールマイト。雄英に入学して彼の生徒になれたことは、出久の人生の中でも最も大きな幸福の一つだ。
    オールマイトはテレビで見ていたような完全無欠の人ではなかった。それでも、市民や生徒のために傷を押して命がけで戦うその姿は、出久が憧れた偉大なヒーローそのものだった。
    ジャックはきっと、かつての出久のように憧れのレオナの下で学べると胸を躍らせてナイトレイブンカレッジの門をたたいたことだろう。それが、憧れの人があんな卑劣な悪事を企てていると知ったとき、ジャックはどれほど傷ついただろうか。

    ⚔「自分の所属する寮の寮長に……憧れていた相手に、刃を向ける。入学したばかりのジャックにとって、どれほど覚悟がいっただろう。彼の正義感と勇気は、賞賛に値するな」
    💀『うわぁ……寮長の強火フォロワーが多いディアソムニアっぽい発言』
    🐙「学園の生徒の大半は『先輩は目の上のたんこぶ、後輩は便利なパシリ』と考えていますよね?」
    😺「オレ様の知り合い、寮長と揉めたことねぇヤツを捜すほうが難しいんだゾ」
    🥦「……確かに!!」
    🧨「治安クソ過ぎンだろ」

    ジャックを夢から醒ますにあたり、彼の傍にいる『闇』のレオナとラギーの存在は無視できない。特に、レオナはジャックの憧れによってフルスペック状態から更に強化されている可能性がある、とイデアが忠告した。

    🥦「レオナ先輩のユニーク魔法は効果範囲も対象も広いし、シンプルな魔法だから逆に絡め手も通用しにくい。かっちゃんの個性との相性は最悪だし……」
    🧨「真正面からぶん殴るわ、ナメんな」
    🥦「その殴り合いも、レオナ先輩はかっちゃんに引けをとらないくらい動体視力が良さそうだから油断はできない。手足の長さはこっちがかなり不利だし……」
    💀『殴り合い以外の方法でジャック氏を覚醒させつつ、『闇』レオナ氏を弱体化させる方法……あ!』
    “異端の天才”の異名をとるイデアらしく、ものの十数秒でアイデアが浮かんできたらしい。

    💀『こんなのはどうでござるか?』

    果たして、イデアの案はとんでもない内容だった。

  • 148125/08/14(木) 21:13:12

    ちょっとダイス


    *かけ声係 dice1d2=2 (2)

    1.出久

    2.爆豪

  • 149125/08/14(木) 22:33:16

    🧨「たのもォ~~~~~~~~~~~~ッ!!!」

    コロシアムに道場破りのような勝己の声が響き、マジフトの練習に打ち込んでいたサバナクロー寮生たちが困惑気味に振り返った。


    🐺「なんだ、てめーらは?」

    🧨「俺たち『チーム・大・爆・殺・神ダイナマイト』は、てめェらサバナクロー寮にマジフトの練習試合を申し込み殺す!」

    🐙「チーム名が嫌すぎる!」

    💀『いやぁ草生え散らかしますわ』

    急にマジフトの試合を申し込んできたダイナマイトチームのメンバーを見ると、そのチグハグさにラギーは小馬鹿にしたように笑った。

    あわや話が流れそうになったが、アズールが得意の口八丁で交渉してなんとか試合にもっていくことができた。敵にすると厄介だが、味方にすると頼りになる人魚である。


    ⚔「今回の作戦はお前にかかっている。頼んだぞ、オルト」

    🔥「ふふっ、任せてよ!それじゃあ試合前に……ちょっと憧れてた“アレ”、やっていい?」

    「「アレ??」」



    🧨「『チーム・大・爆・殺・神ダイナマイト』~!プルスーーーッ!!!」

    「「ウルトラーーーーーッ!!!」」


    *気合充填

    出久 dice1d100=53 (53) (最低保証50)

    爆豪 dice1d100=17 (17) (最低保証50)

    グリム dice1d100=97 (97)

    セベク dice1d100=47 (47)

    シルバー dice1d100=43 (43)

    オルト dice1d100=9 (9)

    アズール dice1d100=41 (41)

  • 150125/08/14(木) 22:37:58

    😺「みんなで肩くんで円になって大声だして……なんなんだゾ、コレ?」

    🔥「これは『円陣』だよ、グリムさん。嘆きの島でミドリヤさんたちが円陣を組んでるのを監視カメラで見た時は『ヒトって奇怪な行動をするな~』って思ってたんだけど、結果として僕たちは負けちゃったでしょ?それで考えたんだ。僕たちと、ミドリヤさんたちの勝敗をわけたのは……円陣だったんじゃないかって」

    💀『拙者、絶対にそれが原因じゃないと思う』

    🔥「なーんて、本当はせっかくだからやってみたかっただけ☆えへっ」

    🧨「やるなら全力でやれやゴルァ。適当にやって試合でヘマしたら爆破すンぞ」

    🔥「え~。バクゴーさん怖~い」

    😺「にゃっは~!オレ様、すげー気合が湧いてきたんだゾ!」


    🦁「無意味なゲン担ぎは終わったのか?それじゃあさっさと始めようぜ、日が暮れちまう」

    一応こちらの円陣がひと段落するのを待ってから、偽物のレオナがしびれを切らしたように声をかけてきた。


    🧨「準備万端。マジフトってのはコートん中じゃ相手をどんだけボコっても良いンだったよなァ?テメェら全員、木っ端微塵にしてやんよ!!!」

    🐊「貴様ァ!マジフトというものを根本から誤解しているぞ!誰にそんな話を聞いたんだ!」

    🥦「前にサバナクローのチームと練習試合したときにそんな説明を聞いたんだけど……」

    🐊「ぐぬぬ。サバナクローめ、どこまでも卑劣なヤツらだ……!」

    ⚔「言っておくが、マジフトにも普通にファウルは存在するし、使い放題なのはあくまで魔法だけだから、お前の『個性』は禁止だぞ」

    🧨「うるっせぇ!!」


    *マジカルシフト

    ・ダイナマイトチーム dice5d100=25 25 51 79 8 (188) + dice2d1000=840 561 (1401) (セベク&シルバー)

    ・サバナクローチーム dice6d200=8 98 86 164 89 103 (548) + dice1d3000=1873 (1873) (レオナ)

  • 151二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 22:51:03

    1549 vs 2421か……ダイス目を考えれば健闘したほうか

  • 152二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 07:10:01

    出目だいぶよかったんだがな

  • 153二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 08:31:18

    セベク大健闘だしシルバーも活躍してるけど、この二人合わせてもちょっと本気出せば単独で対処出来るレオナさんぱねぇ

  • 154二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 14:35:28

    >>147

    マジフト大会の時のジャックのショック度ダビダンスの時の見ろやくん並だったろうな

  • 155二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 21:35:42

    実際ここのは本人じゃない訳だが本人も普通にめっちゃ優秀なんだよなレオナさん……

  • 156二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 06:12:20

    保守

  • 157二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 13:55:12

    かっちゃんが元気で楽しい

  • 158125/08/16(土) 14:16:26

    本編とは何の関係もないダイス


    *かっちゃん ファウル数

    dice1d6=3 (3)

    1.0回

    2.1回

    3.2回

    4.3回(イエローカード1)

    5.4回(イエローカード2)

    6.5回(レッドカード)

  • 159125/08/16(土) 14:50:38

    学内でも肉体派の生徒が集うサバナクローの精鋭チームに対し、ダイナマイトチームはチグハグな構成ながらもなんとか食らいついていった。
    格上相手に奮闘するセベクとシルバー、相手を打ち落とす勢いの爆破で守備に専念する勝己、冷静に周りを見て指示を飛ばす出久、すばしっこく駆けまわるグリム、プロ選手の動きをインストールしたオルトのプレイで、試合の熱が高まっていく。

    🔥「――『ジャック・ハウルのバイタルサインを分析。心拍数と血圧の上昇を感知。前頭葉の機能が一部抑制中と予測されます』。……うん、そろそろ頃合いだね。作戦の実フェーズへ移行しよう」
    次はサバナクローディスク。試合再開のホイッスルと同時に、オルトが相手ディスクをカットして華麗に奪いとり、ジャックを挑発した。

    🔥「ディスクはいただいたよ。さあ、僕についてこられるかな!?」
    🐺「ざけんな!不屈の精神、ナメんなよ!」
    プロの動きをトレースするオルトをジャックが執念深くマークする。コートの中で二人は白熱したプレイを繰り広げた。

    🔥「スピード最大!はああああああ!!」
    🐺「いかせねぇ!!うおおおおお!!」
    「「いっっっけえええええーーーー!!」」
    スラスター機能を全開にしてスピードを上げたオルトにジャックはどこまでも食らいついていく。マークを振り切ろうと宙に上がったオルトを、ジャックは透明な階段を駆け上がるようにして追いかけていった。
    2人はそのまま雲を突き抜け、天高く消えていった。

    🥦「よし!これでイデア先輩の作戦通りだ!」
    🧨「マジで上手くいくかは賭けだったけどな」
    😺「ジ、ジャックが走って空まで行っちまったんだゾ!どこまで上がってったんだ!?」
    🥦「打ち合わせだと大気圏は突破するって聞いてるけど……」
    🐙「今頃、ジャックさんは我に返っているところでしょうか。気がついたら宇宙まできていた、なんて事態になったら、衝撃で嫌でもここが夢だと気づくでしょうね」

    🍩「あの1年ふたり、盛り上がりすぎてフィールドの外まで行っちまったッス。ディスクが戻ってこないと試合再開もできねぇや」
    🦁「やれやれ……ジャックのヤツ、熱くなりすぎると周りが見えなくなるところがあるからな」
    🧨「『闇』のコイツら、適当すぎンだろ」
    試合を中断して二人の帰還を待っていると、やがてオルトが気を失ったジャックを抱えて隕石のようにコートの上に戻ってきたのだった。

  • 160125/08/16(土) 15:05:04

    戻ってきたオルトにイデアのタブレットが真っ先に飛んでいく傍ら、ジャックのもとにレオナとラギーが駆け付けて心配の言葉をかけた。ジャックは手を差し伸べ、先輩を見て渇いた笑いを零した。


    🐺「チーム全員が最高の状態で大会当日を迎える?そのセリフ……現実で、聞きたかったぜ。でも、現実のあんたたちは違ったんだ」

    ジャックは怒りの表情を浮かべながら、目を潤ませた。入学前に見たサバナクローのマジフトの試合を見て、ずっと憧れていたと叫びながら。

    🐺「けど……この学園に入学してすぐ、俺はあんたたちの最悪な計画を知った。悔しかった……どうにかあんたたちの目を醒ましたかった。でも、俺1人じゃ何もできなくて……!だから俺は、俺は……ううッ!」

    🥦「ジャックくん……」

    🦁?「ああ……ジャック。お前、目が醒めちまったのか……可哀想に」

    ジャックの内なる葛藤を聞いたレオナとラギーの姿が黒く溶けだし、『闇』の本性を現した。『闇』はレオナとラギーの声で、もう一度ジャックを夢に沈めようと甘い言葉をかけた。


    🐺「俺が憧れたのは、本気で戦ってほしいのは……お前らじゃない!俺は偽物と肩を並べて戦う気はねぇ。ケジメ、つけさせてもらうぜ!!」

    ジャックは甘い誘惑を切って捨て、『闇』にマジカルペンを向けた。


    🔥「僕らも加勢しよう!行くよみんな!」


    *霊素ダメージロール

    出久(59) dice1d5=2 (2)

    爆豪(50) dice1d5=3 (3)

    グリム(48) dice1d5=5 (5)

    シルバー(40) dice1d5=1 (1)

    セベク(58) dice1d5=4 (4)

  • 161125/08/16(土) 15:11:21

    イデアが危惧していた『闇』のレオナの戦闘力だが、ジャックが夢から醒めたことで憧れによる強化が打ち切られ、なんとか勝つことができた。

    しかし、一息つく間もなく、ジャックはそのまま出久たちにも攻撃してきた。


    🐺「ふん、先輩たちみてぇに、てめーらも偽物なんだろ?まがい物は全員ぶっ潰す!覚悟しやがれ!」

    🥦「ちょっと待って、ジャックくん!僕たちは本物で……!」

    🧨「しゃらくせぇ、ブン殴って俺らが本物だってこと分からせてやるよ!!!」


    *ステゴロ勝負

    爆豪 dice1d3000=447 (447)

    ジャック dice1d500=348 (348)

  • 162125/08/16(土) 15:35:31

    🧨「オラァッッッ!!!!」
    🐺「ぐはっ……!!」
    一般人相手ということで、一応手加減された勝己の拳がジャックの腹にめり込んだ。

    🐺「つ、強ぇ……。それじゃあお前ら、マジで本物なのか?いや、でも右腕が動くならこのバクゴーはやっぱり偽物か……?」
    🧨「アァ?どっからどう見ても本物だろォが」
    🐺「なんつー腹立たしい表情……偽物にこの表情を再現するのは無理か。だが、本物だとすると、一体どうなってやがんだ?」
    🔥「それについては、僕が説明するね!」
    ジャックはオルトから『マレウス攻略動画』を見せてもらうと、マレウスと都合の良い夢に浸っていた自分自身への憤りを露わにし、『招待コード』を躊躇いなく受け取った。

    次の夢への出発前にオルトがジャックのダミーデータを出力すると、ジャックは興味深そうに自身の3Dデータを眺めた。
    🐺「こうして見ると鍛え方が甘い箇所がよくわかるぜ。大腿四頭筋とハムストリングスを重点的に鍛えねぇとな。そういや、夢の中だとバクゴーの両腕の筋肉の状態が揃ってるんだな。こうして見ると、随分肩回りを重点的に鍛えてるみてぇだが……」
    🥦「爆破の反動に耐えるのに重要な部位だからね!夢の中とはいえ理性が働いてるのか、怪我する前よりも上腕の筋肉が控えめになってるんだけど、ピークの時は」
    🧨「キメェ。やめろ」
    🥦「はい……」

    出発の準備が整い、出久たちはすっかりルーチン化した流れでシルバーにしがみついた。もはやシルバーに捕まる場所の定位置が決まってきている。そんな中、セベクは勝手が分からずにシルバーの前で立ち止まったジャックを睨みつけていた。

    🐺「……んだよ。物言いたげなツラして人の顔をじっと見やがって。喧嘩なら買うぜ」
    🐊「僕は、卑劣な策で若様を陥れようとしたサバナクロー寮生たちを、絶対に許すつもりはない」
    🐺「……そう思うのが普通だろ。先輩たちはマジフト大会の試合中に散々仕返しされてたが、その程度じゃ許せない奴もいて当然だ。俺たちは、それだけのことをやっちまったんだから」
    🐊「……サバナクローにも、貴様のような者はいるのだな」
    🐺「は?」
    🐊「別に、深い意味はない。ただの感想だ!」
    素直に非を認めるジャックに、セベクの中の確執が一つ解けていく。ジャックが夢巡りの仲間として加わり、シルバーに捕まったところで、出久たちは次の夢へと旅立った。

  • 163125/08/16(土) 15:55:27

    次に出久たちが降り立ったのは、強い日差しが降り注ぐ都市だった。オルトによれば、ここはキングスカラー家が治める国家『夕焼けの草原』の王都である『暁光の都』という街であるらしい。
    目の前の広場には、ライオンの赤子を掲げるヒヒの黄金の像と、その周囲に頭を垂れる様々な草原の動物のブロンズの像がある。

    『夕焼けの草原』の出身者と聞いて、ジャックが真っ先に思い浮かべたのが彼の先輩であるラギーとレオナだ。二人の名前を聞いて、陸の哺乳類の見分けが弱いアズールは「どれがハイエナなんです?」とブロンズ像を見比べた。

    ⚔「ハイエナは耳と尻尾が丸く、斑模様がある。ええと……ん?姿が見当たらないな」
    🔥「この広場にある動物たちの像の中には、ハイエナはいないみたいだね」
    🐺「そりゃそうだろう。ハイエナはもともと、ライオンが治めている土地では暮らしていなかったんだから」
    出久と勝己はツイステッドワンダーランドの歴史について、魔法史の授業で習ったこと以上の知識はない。
    様々なルーツをもつ獣人属が暮らす『夕焼けの草原』では、多種多様な生活スタイルや社会構造をもつ国民たちを一つの国家としてまとめるのに並々ならぬ苦労がある、という背景をジャックとオルトがかいつまんで説明してくれた。多様性の保護と国家の安定性の維持の両立の難しさに関する話は、個性社会の現状を通じるものがあった。

    ?「やばい、やばい!寝坊したッス!」
    雑談が一区切りし、いざ夢の主を探しに探索しようとしたところで、聞き覚えのある声が広場を横切っていった。
    🐺「あれは、ラギー先輩!?」
    軽い身のこなしで駆け抜けていったラギーの周囲には、夢の主であることを示す小鳥のような光が飛んでいた。
    夢の中のラギーは眼鏡をかけていて、見覚えのない明るい色の制服に身を包んでいた。 

    🥦「追いかけよう!」

  • 164125/08/16(土) 16:36:31

    ラギーは道中の『レインツリー・マーケット』で挨拶を交わした街中の人から食べ物をもたされて荷物が増えていくのにも関わらず、スルスルと人混みを通り抜けて進んで行った。
    なんとか彼を見失わないように追いかけていくと、やがて、入口にハイエナの像がある施設へとたどり着いた。どうやら学校のようで、夢の中のラギーと同じ制服を着たハイエナの獣人が門をくぐっていく。ラギーは夢の中の学友と思しき人物たちと合流して、朝の雑談を始めた。

    🥦「オルトくん、この学校は?」
    🔥「現実世界では、この場所に学校は存在していない。ラギーさんのイマジネーションで作り上げられた場所みたいだね」
    この学園の風変りなところは、校庭の樹が全て果樹であるところだ、どうやら、校庭に実っている果実は全て食べて良いものらしく、生徒たちが思い思いに完熟したフルーツをもいで新鮮な味を楽しんでいる。
    そしてここには、出久の教育でも勝己の矯正でも食欲を制御できないモンスターが1名。

    😺「食べ放題なら、オレ様もフルーツをいただくんだゾ!」
    🧨「クソ狸てめェ!!待ちやがれ!!」
    🥦「グリム、あんまり目立つ行動はしちゃダメだって!!あと僕たちはここの生徒じゃないから不法侵入と窃盗になっちゃう!!」
    食欲モンスターと化したグリムは二人の腕をすり抜け、あちこちの木に登ってフルーツを齧り始めた。
    猫に似ているが、魔獣は魔獣。校内に侵入して果物を食べ散らかす魔獣の姿に学園内が騒然となった。

    🍩「だ、誰か警備員を!」
    🐙「ああっ、申し訳ありません!それは僕の使い魔です!」
    嘘や誤魔化しはアズールが得意とするところだ。アズールはこの場を収めるために素早く設定を作り上げ、「黎明の国の学校から来た交換留学生とその使い魔」という体でこの場を乗り切った。

  • 165125/08/16(土) 16:43:56

    ラギーは出久たちに自己紹介をすると、腹をすかせた様子のグリムと、つられて腹の虫が鳴ったセベクを見て、「この学園のものならいくらでも食べていいッスよ」と持っていた食べ物をグリムに差し出した。

    ラギー曰く、この国立魔法士養成学校『アイボリークリフアカデミー』は百獣の王に仕えた3頭のハイエナの“連帯の精神”をモットーとしており、腹を空かせている者がいれば食べ物を分け与えるのが普通であるらしい。

    現実のラギーの食べ物への執着をよく知っているジャックは、ラギーは人に無償で食べ物を与えている姿に驚いて耳をピンと立てた。

    ラギーは軽く身の上話を聞かせてくれたのだが、この世界のラギーは出稼ぎに出ていた父親が帰ってくるまではいつも腹を空かせていて辛かったため、今は腹を空かせている人を見過ごせないらしい。


    🧨「オイ狼、この辺の話は現実ではどうなっとる」ヒソヒソ

    🐺「俺も詳しくは知らねぇが、確かラギー先輩は前に身内は祖母だけだって言ってた。多分現実では親父さんは帰ってきてない」ヒソヒソ

    🧨「なるほどな……」ヒソヒソ


    どうやら食べ物に溢れたこの夢は、現実でラギーが飢えの苦しみを経験したことが強く反映されているらしい。

    ラギーはグリムに「フルーツ以外にもうまいものがあるんスよ」といって、校舎の入口にあるドーナツの屋台を指さした。ラギーは屋台へいくと、トッピングにトッピングを重ねた爆盛のドーナツを注文してかぶりついた。


    🐙「ひっ……なんて恐ろしい!あれ1つで、一体どれだけのカロリーになるんだ!?」

    🧨「夢ン中なんだからゼロカロリーだろ」

    🐙「失礼します、ラギーさん。そのドーナツ、僕も1ついただいても?」

    💀『変わり身早すぎ、草』

    🍩「ほら、他の人たちもラギースペシャル食べてみてくださいよ!」


    *ドーナツを食べよう! (最低保証 300kcal )

    出久のドーナツ dice2d1000=50 593 (643) kcal

    爆豪のドーナツ dice2d1000=576 794 (1370) kcal

  • 166二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 16:46:59

    かっちゃんのドーナツ重すぎるだろ!
    (成人男性の1日の推奨摂取カロリーは約2700〜3000Kcal)

  • 167二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 16:51:40

    ケーキでも食ってんのかかっちゃん

  • 168125/08/16(土) 16:58:32

    🥦「わぁ、美味しい!」モグモグ

    🧨「……重ぇし甘すぎ」モグ…モグ…

    🥦「僕のはちょっとリッチなチョコソースがけって感じだけど、かっちゃんのは何味だった?」

    🧨「死ぬほどピーナッツバターとブルーベリージャムの味がする」

    🥦「ものすごくアメリカンだ……」

    🐙「現実では恐ろしくてとても食べられませんが、ここではカロリーゼロ!素晴らしいですね」モグモグモグモグ 


    モグモグとドーナツを頬張る出久たちを見て、ドーナツ屋の店主が「この学校を作ってくれたレオナ王子によーく感謝するんだよ!」と声をかけた。

    🐺「この学校を作ったのは、レオナ先輩……だと!?」

    🍩「え?君たちレオナ王子を知ってるんスか?」

    思わぬ名前を聞いて驚いた出久たちに、ラギーがこの夢のレオナの功績について聞かせてくれた。外国への留学から戻ってきたレオナは国中に学校やマジフトチームを設立しており、若者の間では第一王子のファレナよりも第二王子のレオナの方が人気があるのだという。


    🍩「『お前たちが上手くやれば、未来に輝いている全ては俺たちのものだ!』……とか言って。くぅ~、か~っこいいッスよねぇ!」

    🔥「そうなんだ。ラギーさんはレオナ王子に会ったことある?」

    🍩「直接ってこと?まっさかぁ。ただの学生が会えるわけないじゃないスか」


    会話をしていると始業の予鈴が鳴り、ラギーは校舎の方へ去っていってしまった。

    その場に残された出久たちに、ドーナツ屋の店主はしきりに次のドーナツを勧めてくる。

    「ここにいれば、食べ物を奪い合う必要はない。一生飢えないでいられるんだ。いつまででも、ここにいていいんだよ」

    甘い言葉と共に、店主の姿がドロドロと溶けだした。


    💀『はっ!周辺の魔法構築式に異常発生!この霊素反応は……『闇』だ!全員戦闘準備!』

    🧨「ちょうど良い、腹ごなしにぶっ飛ばしてやんよ!!!」


    *霊素ダメージロール

    出久(61) dice1d5=3 (3)

    爆豪(53) dice1d5=3 (3)

    グリム(53) dice1d5=4 (4)

    シルバー(41) dice1d5=5 (5)

    セベク(62) dice1d5=4 (4)

  • 169二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:12:21

    ここ、ラギーの生い立ちのお労しさも感じるし一回殺されかけたのに尚スラムの環境を変えてくれるのはレオナさんってイマジネーションしてるの本当に色んな感情が湧くのよな…
    何気に若者には第一王子より第二王子が人気ってわざわざ設定してるし

  • 170125/08/16(土) 17:32:58

    いち屋台の店主の姿をした『闇』は大した強さではなかった。問題は、なぜ今このタイミングで襲われたのかということだ。
    🔥「この座標に異分子(バグ)が発生していることが自律魔法で感知されている可能性がある。管理者(マレウス)さんがお出ましになる前に、ラギーさんを早く目醒めさせなくちゃ」
    🐺「……ラギー先輩、出て行った親父さんが帰ってきたって言ってたよな。街の人にも愛されて、毎日腹一杯食べられて……。俺たち、そんな夢を全部ぶっ壊さねぇといけねぇのか」
    ジャックは俯き、葛藤から後頭部の髪をかき混ぜた。

    🐺「そうするのが正しいってわかってる。でも……なんか、やるせねぇっつーか……」
    🧨「夢でどんだけ食っても、現実じゃ何も得られねェ。いくら時空が凍結されとるっつっても、このまま放っときゃ俺たち全員衰弱死だ。そんなん、アイツも望んでねェだろ」
    🥦「うん。それに、ここはとても幸せな夢だけど、ラギーくんは自分だけがお腹いっぱいならそれで良いって人じゃないと思うんだ」
    ウィンターホリデー前の鏡の列で、ラギーが地元の子どもに分けるためにも食堂で廃棄になる食材を大量に持っていたことを、出久はよく覚えている。ラギーはケチなところもあるが、それ以上に面倒見の良い人物だ。彼の帰りを待つ祖母や近所の子どもたちを差し置いて幸福な夢に浸り続けることが、彼の本当の幸福だとは思えなかった。
    2人の言葉にジャックは思うところがあったのか、へたり気味だった耳をシャキッと伸ばした。

    ラギーを夢から醒まさせるための策だが、この夢のラギーはナイトレイブンカレッジの生徒たちと接点がないため、現実との齟齬を突きつけるのが非常に難しい状況だ。ジャック曰く、ラギーはあまり自分のことを語りたがらない性分だったため、後輩である彼も良いアイデアも浮かんでこないらしい。

    🐙「みなさん、僕に1つ考えがあります」

    アズールが提案した策は、ジャックを目覚めさせるための策に引き続き、とんでもない内容だった。
    本当に成功するか半信半疑の空気だったが、代案はない。出久たちはアズールの案を採用し、再びラギーが校舎から出てくる放課後を待った。

  • 171125/08/16(土) 17:49:52

    放課後、学友と一緒にラギーが校舎を出てきた。バイトをする必要のない夢の中のラギーは、放課後に何をして遊ぶかと雑談しながら校門の方へと歩いていく。

    🐙「ふふふ……。ラギーさんを覚醒させる、僕のアイデア。それは……“コレ”です!!」
    アズールは得意げに笑みを浮かべ、1マドル硬貨をそこら辺に向かって投げた。
    🍩「!!!???」
    チャリン、と軽い音がすると、先の方でラギーがものすごい勢いで振り返った。

    🐺「う、うそだろ。この雑踏の中で、1マドル硬貨が堕ちる音が聞こえてる?」
    🐙「さあ、どんどんいきますよ。次は5マドル硬貨です!」
    🍩「はっ!!!???」
    チャリィン、と音がすれば、ラギーはあからさまな挙動不審になって周囲をキョロキョロと見渡しはじめ、そのまま友人と別れて音の原因を捜しはじめた。
    🍩「あの音、一体なんの、なんの音ッスか?鈴みたいな……でも、もっとワクワクする綺麗な音!」

    🐙「ふふふ……やはり。予想通りだ。そろそろ本気を出しますよ」
    🥦「そ、それは……!100マドル硬貨!」
    🐙「彼の深層心理に、高らかに響かせてみせましょう!この音を!」
    ――チャリィィン!
    🍩「はぁっ!!今の音……さ、さっきより少し……いや、少しどころじゃない。20倍はドキドキする!この美しい音色は一体?君の姿を……オレに見せてくれ!君のことは、オレが絶対に見つけたい!!」
    ラギーは夢中になってベンチの下や植え込みの中を捜し始めた。

    🧨「アイツ、まさか音だけで硬貨の種類当ててンのか?」
    🐙「ええ。僕も彼のあの能力に気づいた時には、背筋に震えが走りましたよ」
    アズールはラギーが『モストロ・ラウンジ』でバイトしていたときのエピソードを語った。レジ締め中に硬貨が落ちてしまうというトラブルがあった際、ラギーは落ちた硬貨の合計額と、どの硬貨がどこに落ちたかを瞬時に判別したのだという。

    🍩「やったぁーーー!100マドル硬貨ゲットッス!もうけ~っ!!」
    ラギーはアズールが落とした硬貨を見つけると、喜びの雄叫びを上げた。決して大金ではない小銭を拾って大喜びする自分に違和感を感じ、ラギーの夢が揺らいだ。

  • 172125/08/16(土) 18:11:30

    🍩「うぐっ!あ、頭が……ッ!どう、して?オレ、小銭なんか全然欲しくないはずなのに……!」
    🐙「フフフ……あなたならソレに飛びつくと信じていました」
    アズールがあくどい笑みを浮かべながら、ラギーの前へと姿を現した。アズールの指先では、500マドル硬貨がキラキラと輝いている。「ソレをどうするつもりッスか!?」と目を丸くするラギーに、アズールは願掛けのつもりで水路に投げ込もうと思っている、と返した。ラギーの全身の毛が逆立つ。

    🍩「な!ご、500マドル……そんな大金を!?正気ッスか!?いや、違う!500マドルは大金なんかじゃ……小銭のはず……ううっ!」
    🐙「手もちのコインがこれしかなくて。でも……“たかが小銭”でしょう?では、いきますよ。そらっ!」
    🍩「うわああああああぁああああ!!!!」
    アズールが500マドルを硬化を投げると、ラギーは絶叫しながら水路に飛び込んで硬貨をつかんだ。

    🐙「ふっ、ふふふ……ははは!要らぬ要らぬと言いながら、身体は正直ですねぇ!本当はほしくてたまらないんでしょう?素直になりましょうよ、ラギーさん!」
    アズールはいわゆるゲス顔を浮かべながら、小銭をつかむラギーの姿を見下ろして笑った。
    🐙「我慢は身体に悪いですよ。素直に言えばいいじゃないですか。『欲しくて欲しくてたまらない』と!」

    🔥「アズールさん、ラギーさんを覚醒させるためにやってるのはわかるんだけど……」
    🧨「……俺ァ今、あの蛸野郎を今すぐ捕縛しねェといけねぇような気がしとる」
    🥦「奇遇だね。僕もだよ」
    💀『セリフが完全にその筋の人過ぎるんだよなぁ……』

    🍩「う、ううっ、オレは、オレは……ッ!!ああ、頭が割れるっ……!ああ、あああ……うわああああああああああ!!!!」
    記憶を思い出したラギーが衝撃で叫んだ。その声に気づいた学友たちが駆け付けて、心配そうにラギーを取り囲んだ。

  • 173二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:12:32

    ※この流れは大体公式です

  • 174二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:14:21

    ここ初見のときデズニーの放送コードのギリギリせめてそうなアズールのセリフに爆笑したんだよな
    どう考えてもエロ同人です本当にありがとうございました

  • 175125/08/16(土) 18:27:03

    🍩「はは、見てくださいよ。あちこち泥だらけになっちまって。こんな淡い色のジャケットじゃ、洗ったって絶対にシミは残っちまう。だからオレはちょっとやそっとの汚れじゃ目立たねえ、ナイトレイブンカレッジの黒い制服が好きなんスよ!」

    ラギーが偽りの学友たちに向かって吠える。


    「ラギー!僕たちハイエナは、王様の仲間(オトモダチ)なんだぜ。なのに……裏切るっていうのかよ!」

    🍩「王様の仲間(オトモダチ)?そりゃあいいッスね。でも……どんな王様にバンザイするかは、オレが自分で決める。偽物の王様なんか、いらないッス!」

    『闇』の本性を現した学友たちにラギーがマジカルペンを向けた。


    ⚔「俺たちも加勢しよう!」


    *霊素ダメージロール

    出久(64) dice1d5=1 (1) 

    爆豪(56) dice1d5=2 (2) 

    グリム(57) dice1d5=1 (1) 

    シルバー(46) dice1d5=1 (1) 

    セベク(66) dice1d5=1 (1)

  • 176二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:36:55

    おっ!珍しく全体的にダメージが低い!!

  • 177125/08/16(土) 18:41:17

    『闇』を倒し、混乱した様子のラギーにオルトとイデアが『マレウス攻略動画』を見せた。初めはやる気なさそうに動画を眺めていたラギーだったが、内容を理解するにつれ呆然としていった。

    🍩「……これ、全部夢……なんスか?……ッ、そ、そんな……あ、あああ……、うわあああぁああああ~~」
    事実を知ったラギーはその場で崩れ落ち、鼻水と涙で顔をべしょべしょにして泣き始めた。

    🥦「ラ、ラギーくん……」
    🍩「夢!?今まで食ってきたメシも全部幻?親父が帰って来たのも、ばあちゃんに新車買ってやれたのも、あれもこれも全部幻……ッ?ぬか喜びにも程があるでしょ!マレウスさん、人の心ないんスか!?」
    💀『まあ、妖精なんで……』
    🍩「それが妖精のやりかたかよおぉおぉぉぉ!!」
    🐊「魔法領域を展開し、全員に夢を見せる……フッ、たしかに茨の谷の次期当主たる若様だからできる『妖精のやりかた』だな!!」
    🧨「褒められてねェんだよ、ドヤ顔止めろや」

    🍩「マレウス……ぶるっ!マレウス・ドラコニア……うぅうッ!名前を聞くだけで身震いしちまうッス。とんでもねぇ大物を狩ろうってんだから、大仕事を終えたご褒美はたっぷり頼みますよ!シシシッ!」
    ニタニタと肉食獣めいた笑みを浮かべ、ラギーは『招待コード』を受け取った。

    次の行き先はレオナの夢だ。オルトがラギーのダミーデータを出力するのを見届けると、出久たちはシルバーに捕まって次の夢へと向かった。

  • 178125/08/16(土) 18:44:45

    というわけで次はレオナ夢です
    時間あるときにサクサク進めちゃいたいので、どんどこ書いていきます

    レオナ夢は監督生がとれる行動の自由度が低いので、あんまりクロスならではのシーン作るのが難しそうです

  • 179二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:46:25

    お疲れ様です
    いや、レオナさんの夢はあれ単体で色々重いというか…

  • 180125/08/16(土) 19:08:26

    次に出久たちが降り立ったのは、ラギーの夢と同じく『暁光の都』の広場だった。夢渡り酔いと熱さでアズールが具合を悪くしてしまったので、土地勘のあるラギーの案内で冷たい飲み物を調達しにいくことになった。
    🥦「……なんだか、ラギーくんの夢と比べると、街がちょっと寂れてる気がするね?」
    🍩「あれぇ?ここいらは王都の中でも一番人通りが多くて活気がある地区なんスけど……」
    🧨「本当かよ。片田舎並みのシャッター街じゃねェか」
    屋台もなければ、人も車も通らない。店という店は閉まっている。ラギーが通行人に事情を聞こうとしたが、通りかかった獣人の女性はラギーの耳を見て怯えたように去ってしまった。

    🐊「……マレウス様の見せる夢は、幸せな夢であるはずだ。それなのに、何故都が寂れている?」
    💀『それ、拙者も気になってたポイント。他に気になることもあるし、少し調べてみるよ。オルト、後は任せた』
    🔥「了解!」

    レオナは第二王子。王宮にいる可能性が非常に高い。夢の内情を探るため、アズールが回復したタイミングで出久たちは『夕焼けの草原』の王宮に向かった。

  • 181125/08/16(土) 19:09:48

    ⚔「――ここまで門番や近衛兵などに一度も出会わなかったが……夕焼けの草原はとても平和な国なんだな」

    🧨「……そうじゃなけりゃ、警備に手が回ンねぇくらいの事態が王宮で起きてるかのどっちかだな」

    🍩「普段だったら、こわーいメスライオンたちが縄張りを守ってるはず。バクゴーくんの言う通り、王宮で“なにか”が起こってるのは間違いないッスね」

    😺「へん!オレ様たちは今まで他のヤツの夢の中で、散々怖い目にあってきたんだゾ。なにが出てきたって笑い飛ばしてやる。にゃっはっは!」

    「「ヒャッハッハッハッハ!!」」

    😺「ふなっ!?」


    気配を消して現れた者たちの笑い声を聞いて、グリムがビュンと出久の脚の後ろに隠れた。戦士の制服を着た、ハイエナ属の男性たちだ。王宮の近衛兵はライオン属の女性であるというラギーの話と食い違いが発生している。彼らはとても近衛兵とは思えない、ゴロツキのような立ち振る舞いだった。


    「王宮に堂々と乗り込んでくるとは……いけねぇなぁ。不法侵入だ!」

    🐙「とんでもない!僕たちは修学旅行生でして……知らないうちに入ってしまっただけです」

    「へぇ~、学生ね。この辺じゃ見たことない制服だ。他の国から来たのか?」

    🐙「ええ、黎明の国から」

    「他人の縄張りに勝手に入ったヤツがどうなるか、知ってるか?」

    「どうなったって文句は言えねぇんだぜぇ~。デヒャヒャヒャ!」

    ハイエナの戦士たちは、交渉するために前に出たアズールをジロジロと見下ろした後、後ろにいるメンバー全員をみて下品な笑い声を上げた。


    *かっちゃん ブチギレメーター dice1d100=82 (82)

    (51以上でキレる)

  • 182二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:10:20

    かなりキレてる

  • 183125/08/16(土) 19:52:47

    🧨「なァに笑ってやがんだァ?テメェらの縄張りに入っちまった俺らがどうなンのか教えてくれよ。まァ、『闇』の分際で俺に喧嘩売ったテメェは爆殺だけどな!!!」

    🥦「かっちゃん!!流石に近衛兵と戦闘はマズいって!マレウス先輩に気づかれるかもしれないんだぞ!」

    🧨「ここまでの夢で散々ドンパチやってきたンだから問題ねェだろ!!」


    *対抗ロール

    出久 dice1d1000=71 (71)

    爆豪 dice1d3000=1480 (1480)


    😺「またアイツら同士で殴りあってるんだゾ」

    🐙「本当にあの人たちは何をやっているんです?」

  • 184125/08/16(土) 20:00:41

    🧨「離せ出久!!オラッ!!」

    🥦「うわッ!」

    勝己の両腕が使えるとなれば、体格で負けている出久が抑えることは難しい。羽交い締めにしようとした出久の腕をするりと抜けると、勝己はハイエナの戦士に向かってバチバチを威嚇の火花を散らせた。


    🐺「加勢するぜ、バクゴー。近衛兵だかなんだか知らねぇが、俺たちが学生だと思ってナメた態度とりやがって」

    🐊「この国の近衛兵は武術に長けた者が多いと聞いたが、見るからに洗練されていないその動き……ただのごとろつきとは思えんな」

    勝己と同じく、近衛兵たちの態度が頭にきていたジャックとセベクも戦闘態勢に入った。


    🍩「あ~ぁ、こりゃトラブル起こす前にトンズラするのは無理ッスねぇ」

    🐙「信じられない。コイツら、脳みそが筋肉でできているのか?」

    🥦「止められなかった……」


    「ゲヒャヒャヒャ!!活きのいい人間が出てきたなァ?」

    「今日の晩飯が決まっちまったなぁ!今日の晩飯は……ロースト・人間だァ!アハハハハハハァ!」


    *霊素ダメージロール

    出久(65) dice1d5=3 (3) 

    爆豪(58) dice1d5=2 (2) 

    グリム(58) dice1d5=4 (4) 

    シルバー(47) dice1d5=1 (1) 

    セベク(67) dice1d5=1 (1)

  • 185125/08/16(土) 20:18:46

    🧨「全員シねえええぇええええええええ!!!!!」

    BOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOM!!

    次から次へと湧いてくる『闇』の戦士たちを、勝己が片っ端から薙ぎ払っていった。ド派手な爆音とともに、真っ赤な爆炎が吹き上がる。

    🔥「兄さん!エマージェンシー!エマージェンシー!応答せよ!」
    💀『うぃ~……って!?ちょっと目を離した隙にナニゴト!?ああっ、やめてくだされ~~~ッ!王宮の近くで爆発って、完全にテロ案件ですぞ!!流石に目立ちすぎる!!!』
    イデアは惨状をみて悲鳴をあげると、レオナの夢に干渉するべく、タブレット越しに魔法の構築式を書き換えた。

    💀『王宮の扉を解錠した!無用な争いはやめて、みんな中へ入って!扉の情報を書き換えて、『闇』の侵入を妨害する!』
    🔥「了解!みんな、王宮に入る準備ができたから、無為な戦いは止めて行くよ!!」
    そもそもここで争っているのは、王宮に入る前に近衛兵に絡まれてしまったことが原因だ。元の目的は王宮に入ってレオナに会うこと。
    オルトの誘導に従って、勝己たちもキリのない戦いを中断して王宮の中へと入った。

    💀『扉の情報を解錠不可に更新……っと。あ~~~……生きた心地がしませんでしたぞ。ああいうのマジでやめて』
    🧨「チッ」
    💀『バ、バクゴ~・カツキ~~っ!!えぇっ、何なのこの人!?』
    🥦「僕の幼馴染がすみません……」
    💀『うっ、拙者はミドリヤ氏の謝罪に弱い……。君のせいじゃないよって言えばいいのか、仮にも監督生なんだからちゃんと手綱握っといてって言えばいいのかわからない……』

    トラブルはあったが、結果として『夕焼けの草原』の王宮内に入ることは成功した。城内は暗く、グリムの耳とオルトの炎パーツが青く光っている。

    🐊「……王宮なのに、誰も明かりを灯す者がいないのか?」
    ⚔「確かに。近衛兵どころか、使用人1人見当たらないのも妙だな」
    足音を殺しながら廊下を進んでいくと、奥から言い争う声がした

    🐦「王よ!どうか民の声に耳をお傾けください。このままでは我が国は荒廃の一途を辿るばかり……聞いておられるのですか!?」

    声は立派な扉の向こうから聞こえる。出久たちは声のもとに向かって、こそこそと移動した。

  • 186125/08/16(土) 20:36:19

    🐦「緑豊かであった土地は枯れ、民は飢えに苦しんでおります」
    🦁「やめろ、キファジ……お前の小言を聞いていると本当に気分が滅入る」
    🐦「レオナ陛下、もうこの国を救えるのは貴方様だけなのです」
    扉の隙間から覗いた向こうには、サイチョウの獣人の男性と、格式高い衣装に身を包んだレオナの姿があった。レオナの周りには、夢の主であることを示す光が飛んでいる。

    🧨「!!“陛下”っつーことは……」
    🍩「レオナさんが、夕焼けの草原の王様になってる?それって、まさか……」

    🐦「長く病に伏せっておられた前王が崩御され、後を継がれたファレナ殿下ご一家も不慮の事故で……」
    🦁「言うな。あれは悲劇だった。兄貴だけでなく、幼チェカまで……思い出すだけで、涙が出そうになる」
    🐦「ええ。そして貴方は悲劇と混乱の中で、王となられた」
    🦁「気乗りしなかったが、“仕方なく”な」

    レオナとキファジと呼ばれた男性は言い争いを続けた。
    話を盗み聞いた限りでは、レオナは王となった後、スラムを一掃して再開発し、国内の地下資源の採掘を始めたらしい。始めは上手くいき、計画通り得られた金銭で国内のインフラ整備を一気に進んでいたようだ。しかし、急激で無茶な開発を進めた結果、自然環境が破壊され、食べられる食糧も飲める水もなくなってしまったらしい。

    「もっと人の感情に寄り添うべきだった」というキファジの忠言を、レオナは「“計画”は完璧だったが、邪魔をする“無能”な国民が悪い」と自分勝手な論で一蹴し、全てを放り出して玉座に腰かけた。
    キファジはなおも王相手に一歩も引かない。レオナに愛想をつかして家臣たちは皆去っていき、代わりに素性の知れないゴロツキばかりが雇われて城内を闊歩している現状を侍従長の立場から憂えた。

    ふと、城の外から国民たちの不満と怒りの声が聞こえてきた。「もう王様なんかいらない!!」と叫びたてる民衆たちの方を廊下の窓から見てみれば、中にはこの世界のラギーも混じっていた。

    どこからどうみても、この国は秩序を失って崩壊していた。

  • 187125/08/16(土) 20:45:34

    この国の状況は相当複雑なことになっていることが分かり、出久たちは一度王宮から撤退して、作戦会議をすべくラギーの案内で『サンセット・ヴィラ』というホテルレストランへとやってきた。ラギー曰く、ここは国民の憧れの王国一番のレストランであるらしい。

    夢の中だから、と意気揚々と料理を注文したラギーだったが、給仕に「メニューの食材を全て切らしております」と申し訳なさそうに言われて意気消沈した。水さえ出てこない。この国が相当な食糧難に陥っていることが伺えた。


    ここはマレウスが見せる幸福な夢であるはずなのに、レオナは家族を失い、国民に憎まれる王となって国を壊滅状態にしている。城で見た彼は、とても幸福そうには見えなかった。


    🐺「夢の中なんだから、少々無茶でもレオナ先輩の開発計画は大成功しててもいいはずだよな」

    🍩「そうッスよねぇ。なんで『レオナ王最高!』『王様バンザイ!』って夢じゃねぇんだろ」

    💀『こ、これは仮説だけど……レオナ氏の夢は、サンドボックスゲームみたいに構築されてるんじゃないかな……』

    「「サンドボックスゲーム?」」


    *サンドボックスゲーム (1.知ってる、2.知らない)

    出久 dice1d2=1 (1)

    爆豪 dice1d2=2 (2)

  • 188二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 20:48:37

    今は結構いっぱいるけど
    いざサンドボックスゲームって言われたら「なにそれ?」ってなるのは分かる

  • 189二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 20:49:43

    サンドボックスゲームってジャンルを知らなくてマイクラって言われてようやく理解出来たりするよね

  • 190二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:00:02

    このレスは削除されています

  • 191125/08/16(土) 21:02:18

    🥦「ああ~」
    🧨「お前知ってンのか?」
    🥦「砂場遊びみたいにプレイヤーが自由に遊び方を決められるゲームのことだよ。マインクラ○トみたいな」
    🧨「ああ~」
    💀『くっ、異世界の有名ゲーム事情が気になりすぎる……!』

    要するにイデアの仮説は、夢の中でレオナは王として国を動かす権利を得て、最初の頃はそれこそゲームのように国を自分の好きに開発して楽しんでいたのだろう、というものだった。
    しかし、高度なシミュレーションゲームは資源の枯渇や予期せぬ災害との戦いとなるものだ。この夢はレオナのイマジネーションが反映されたことで極めて現実に近い性質を帯びており、フロイドのような夢と違って行動に伴うリスクが現実になる。その中でレオナは現実では不可能な無茶な開発を実行し、現状を招いたのではないかとイデアは仮説を続けた。

    🐺「わかんねぇな。リスクを予見できていたなら、何でレオナ先輩は無茶な計画を実行に移しちまったんだ?」
    🔥「それは……」
    🍩「本来我慢すべきことを、我慢せずやっちまってる気がする。なんつーか『やめたほうがいいよなぁ~』って思いながら食う夜中のピザって……その背徳感込みですっげぇ美味いじゃないスか。なんか、そんな感じじゃないかって」
    🐙「つまり、レオナさんは環境破壊や国民からの反発は織り込み済みで……我慢せずに自分の好きにふるまう快楽と優越感に浸っている。ラギーはさんはそう言いたいんですね?」
    🍩「断言はできないッスけど、“ワルイコト”すんのが好きな王子様なのは間違いないッスから」
    ラギーは実質学園でのレオナの世話係で、ともに過ごす時間も長ければ我儘を聞くことにも慣れている。ラギーの憶測は間違いではなさそうだった。

  • 192125/08/16(土) 21:17:43

    この夢がレオナが国の統治を放棄するレベルになるまで荒れてしまった部分についても、イデアは原因はいくつか思い当たる、と続けた。

    イデアは先ほど調べもので抜けていた間、レオナの夢の構成範囲を調べていたのだという。通常の夢は夢の主が認識している範囲しか生成されておらず、意識の外は具現化していない。しかし、レオナの夢は、常時『夕焼けの草原』全土にあたる範囲が常時生成され続けているらしい。


    💀『きっと最初は立案した都市開発がサクサク進んで、最高に楽しかったと思うんだよね。でも……大風呂敷を広げた結果、生まれたのは膨大な作業。枯渇する資源と食料、そして湧き続けるトラブル。そうなってくると、何から手を付けていいんだかわからなくなり、モチベが下がり続け……『これもう完成するの無理じゃね?』ってなって全部放置……みたいな?』

    🍩「うわ~……すっげぇレオナさんっぽいッス……」

    🐺「マジフト大会のときも、同じようなパターンだったよな……」

    🥦「確かに。マレウス先輩のことを知った後だと、人の雪崩を差し向けたところで、マジフトできなくなるほどの大怪我をさせるのはほぼ不可能だって思うかも」

    🧨「ライオン野郎がダブる前は別学年だったとは言え、前の年の大会で実際に戦っとるから実力は分かっとったはずだしな」

    🐙「失敗することは薄々気づいてた。それなのに彼は遂行することを選んだ……ということですね。なんというか、非常に面倒臭……いえ、複雑な人だな」

    ⚔「ああ。それゆえか、レオナ先輩の夢の作り込みは非常に複雑かつ精巧だ。少々ショックを与えたくらいでは、目覚めさせることは難しいだろう」

    レオナの夢は細部まで精巧なイマジネーションで作られている。しかも、この夢では出久たちは赤の他人で、レオナの記憶に訴えることは難しい。


    *アイデアロール①(一番高い人が発案)

    出久 dice1d100=75 (75)

    爆豪 dice1d100=90 (90)

    アズール dice1d100=13 (13)


    *アイデアロール②(一番高い人が発案)

    出久 dice1d100=48 (48)

    爆豪 dice1d100=28 (28)

    セベク dice1d100=18 (18)

  • 193二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:19:04

    これ、もっと都合いい夢見たっていいのにレオナさん本人の頭が良すぎて+余りにも自己否定的過ぎて現実でもここまで最悪のケースばっか引かねぇよ!?ってなるの本当に頭抱える
    何でわざわざいらないコールされてるのまで反映されてるんですかBGMに被るレベルでやるな

  • 194125/08/16(土) 21:36:58

    🧨「……手始めにライオン野郎からゲームのコントローラーを取り上げる。まずはそこからだ」
    🐺「コントローラー?」
    🧨「アイツがこの夢で好き勝手できンのは『国王』だからだ。国王の権限(コントローラー)を取り上げちまえば、アイツは巨大なサンドボックスゲームを続けらンなくなって、現実を見ざるを得なくなるはずだ」
    🔥「確かに!それが出来れば、強制的に現実に引き戻すことができるかもしれない」
    🍩「なら……」
    🍩🐺「「王様を玉座から引きずり下ろすしかない!」」
    勝己の案を聞いたラギーとジャックが悪い笑みを浮かべて声を揃えた。

    🐺「でも、どうやって……」
    🥦「歴史上では、王様を強制的に権力の座から下した出来事と言えば“革命”だよね。その後は新しい王様を立てて王朝を築くか、王制を排して民主化するかってところだけど……」
    🐊「ミドリヤの言う通りだな。この場合は、革命の分かりやすい旗印として新しい王を立てる前者のやり方のほうが、夢から醒まさせるのに良いだろう。しかし、新しい王か……」
    🍩「うーん。細かいことは抜きにして……何故か生き延びていたチェカくんが『おじたん、ただいま~!』つって登場したら、一発なんスけどねぇ」
    「「それだ~~~っ!!」」
    小難しく考えないが故に柔軟なラギーのアイデアに、その場にいた全員が食いついた。ここは魔法の構築式が割れているマレウス魔法領域の中。細かいことを抜きにしても、魔法と『S.T.Y.X.』の技術が及ぶ範囲なら実現することができる。

    🔥「現実のチェカさんの写真から、3Dデータを作成してホログラムで出力をすれば……」
    🐺「か、勝手にそんなことしていいのかよ!?」
    🔥「現実でやったらかなりマズいと思うけど、ここは夢の中だし……」
    🥦「うん。合理的ってやつだよね」
    🧨「合理的ってやつだな」
    🐺「お前ら目がグルグルだけど大丈夫か?」
    🔥「そもそも、夢の中とはいえ勝手に存在を抹消しているほうが倫理的に問題があると思わない?」
    🍩「おっしゃるとおり、ぐうの音も出ないッスね」

  • 195二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:41:29

    傀儡化してから王位簒奪したことにしたり事故ってことになってるけど実は…とかあるかもしれないのに特にそういう伏線はなかったのでまだマシかもしれない

    立場逆転させてこき使うのと亡き者設定にするのとどっちが倫理的にマシなのかは人によるかもしれないが

  • 196125/08/16(土) 22:03:21
  • 197二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:04:14

    たておつうめ

  • 198二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:04:55

    >>196

    立て乙ー

    仕方ないですよ長いし

  • 199二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:13:59

    たておつです!!いつもありがとうございます!!

  • 200二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 02:31:20

    イデア氏にマイクラやってみて欲しいわ

オススメ

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