【曇らせ注意】ここだけオンパロス編後に 3

  • 1スレ主 25/07/29(火) 19:04:20
  • 2スレ主 25/07/29(火) 19:08:39
  • 3スレ主 25/07/29(火) 19:14:50

    ダイス神にエンドを決めてもらった結果、
    『思い出すことはあっても、記憶が完全に戻ることはない』というエンドになりました

    幸運E-ファイノンと地母神モーディスには頑張ってもらおうと思います

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 19:41:33

    おぅふ(悲しみ)

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 19:50:55

    一生記憶壊滅はビターじゃすまされんぞ、泣くぞ

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:56:13

    ほしゅ!

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:02:02

    ダイス神はさぁ…

  • 8スレ主 25/07/29(火) 21:31:02

    保守ありがとうございます!

    ビターとは...ビターってなんだったっけ...


    アグライアが無事に完全回復したので、次からは開拓者に移ります


    手始めにダイスを幾つか振っていきますね

    ■■■■■■■

    dice1d4=4 (4)


    ■■■■■■■■

    dice1d5=3 (3)

    軽 1 〜 5 重 4以上だとやぱめ


    ■■■■■■

    dice1d4=3 (3)

    1〜3 2日目

    4 1日目


    開拓者が見舞いに行った翌日見舞いに行く黄金裔

    dice3d7=6 7 6 (19)

    1 アグライア 2 アナイクス 3トリビー

    4 サフェル 5 キャストリス 6モーディス 7ヒアンシー


    被った場合 dice3d7=5 1 1 (7)

    左側から優先します


    >>11 上記メンツがファイノンの見舞いに持っていくもの なんでもOKです

  • 9スレ主 25/07/29(火) 21:35:07

    ラウンドワンメンツだ

    ━━━━━━━━━━━━━━━
    ファイノンが刺されてから、8日が経った。彼は疲労と毒の影響からか、酷い熱に魘されたそうだ。
    オクヘイマの方はアグライアの尽力とメイデンのお陰で噂が広まるのは防ぐことが出来たが、「金織」が襲われ、「救世主」が刺されたという事実は隠すことが出来なかった。
    丹恒は目覚めない彼のために何か出来ることはないかと、ヴェルト達へ相談しに列車に戻っている。
    私はと言うと...つい先程まで寝ていたところだ。

    「相棒、もう一週間経ったよ...」

    ...そう呟いたとき、コンコン──とノックの音が聞こえた。

    「グレーちゃん、グレーちゃん!ファイちゃんが目を覚ましたよ!」
    「!!───ほんと?!?!!」
    「う゛〜...扉の音も声も大きいよ、グレーちゃん...」
    「あっごめん、って百開門使って迎えに来てくれたの?!使って平気なの?!」
    「うん!あたちたちは大丈夫だよ!実は昨日目覚めたらちくて、今日会ってきたんだ!だからグレーちゃんも!」
    「じゃあお言葉に甘えて...」
    「もうあたちたちはお話を済ませてるから、時間は気にせずい〜っぱいお話ししてくるんだよ!」
    「トリビー、ありがとう!!!」

    「───それと、ファイちゃんの記憶は戻ってるからね!!ってもう行っちゃった...」



    彼に会うのは一週間ぶりだ。
    今までの彼は全てを忘れてしまっていたけど、今日は、今日こそは覚えてくれてるかな?

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:39:40

    ファイノンの好きなハニークレープ!

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:08:43

    前回出発前にあげたぬいぐるみ達で!
    確かアナイクスに預けたきりな気がしたから…

  • 12スレ主 25/07/29(火) 22:34:14

    手紙(血で濡れてる)とぬいぐるみは置き去りにしてます!ぬいぐるみを持っていきます!

    開拓者のターン

    「お邪魔しま「相棒!!!」っえ..?」
    「えっ、記憶...戻って?ほんとに?」
    「覚えてるよ!1から10まで全部!!君が来てくれるなんて思わなかった...!─っい゛っ!」
    「一昨日まで昏睡してたのが嘘みたいだね...というか、なんで腹部を刺されたのに立ち上がろうとしたの...」
    「ごめん、はしゃぎすぎて忘れてた...。改めて、久しぶり。相棒。」
    「...っうん、久しぶり。」
    「こうやって話せるのは僕が目を覚まして以来初めてかな?...そういえば、丹恒はいないのかい?」
    「今は列車に戻ってるよ。明後日には戻ってくると思う。」
    「...そうか...出来ればふたりが...いや、僕の記憶があるうちに言っておこう。
    オンパロスだけじゃなく、僕まで救ってくれて本当にありがとう。やっぱり君は、僕の理想の英雄だ。...丹恒にも、お礼を言いたかったんだ、ずっと。」
    「どういたしまして。丹恒にも伝えておくよ。」
    「それと...誰だ、なんて言ってごめんね。僕の思い上がりじゃなければ、きっとショックを受けただろうから。」
    「すごく、ショックだった。」
    「...!そう、か...」
    「でもあんたに非は無いからね。鉄墓から引き剥がしたあんたを見たとき、もう助からないかもって思った。身体は尋常じゃないくらい熱かったし、出血も酷かったし...。あんたが生きて目を覚ましただけで十分すぎるくらいだったんだよ。」
    「そっ、?!そんなに酷かったのかい...?」
    「そりゃもう。引き剥がした後、私の知り合いにあんたの治療を頼んだんだけど...あんたを見た瞬間『これ、本当に生きてるの?』って言ってたよ。」
    「それは、すごいな...。実感が湧かないや。」
    「...あんなふうになるまで戦ってくれた、もう1人の英雄に、私からもお礼を言わせて。
    私たちを待っていてくれてありがとう。
    最後まで抗い続けてくれて、ありがとう。」
    「えっ、あ...えと、どういたしまして...」

  • 13スレ主 25/07/29(火) 22:36:21

    「...相棒、急でびっくりすると思うんだけど、いい?────"思い出すまでは許さないで"ってこの前言ってたよね?皆とはもう話したの?」

    「本当に急だね...さっき、皆に『皆ここに居るんだから、罪を感じる必要は無い。僕のことはとっくに許してる』って言われたところだよ。でも、まだ僕の中で区切りは付けられていないんだ。
    違う存在だと分かっているのに、ふとした瞬間彼らを手にかけた時の感覚や感情が蘇って...それにキュレネのことも...。まぁ、これは僕だけの問題だから。」

    「"僕だけの問題じゃない"って前も言ったよね?」
    「う゛...でも本当にこれは、さすがに...」
    「相棒?」
    「〜っもう!分かったよ!報告すればいいんだろ!!」

    「すごい、前とほぼ同じ言葉なのに全然心持ちが違う...でもあんたのそれは悪癖だから、早く直すべきだよ。あ、これ見舞い品ね。仙舟の特産品、列車から持ってきた。」

    「...まぁ、善処するよ。...ありが───」

    ガシャン──────

    ファイノンが受け取るはずだったその品は、重力に従って地面に落ちた。

  • 14スレ主 25/07/29(火) 22:37:55

    「...っ、え...?」

    「待って...まさかあんた、麻痺とか」

    「っいや、動く!動きはするんだけど...なにか、違和感...?」

    「...ねぇ、腹部を刺されたんだよね...?脚は...?」

    「脚の感覚はあるから心配しなくていい。だけど、やっぱり動かしにくいかも...。毒の影響か、熱の影響か...?」

    「報告する!今すぐに!!今から練習!!」

    「分かった、分かったから!!」


    解決したとは言い難いが、それでも少しずつ前に進めている気がする。このまま着実に進むことが出来たなら。

    ───悲しいことに、何もかも連続して上手くいくというのは、現実ではありえない話だ。



    ハプニングダイス dice1d100=20 (20)

    60以上で発生 dice1d100=67 (67)

  • 15スレ主 25/07/29(火) 22:49:35

    ハプニング発生やった〜!!


    コラボメンツのターンが来た

    地母神ダイスに勝ちたい


    日を跨いだので恒例のファイノンの記憶dice1d100=36 (36)

    〜30 壊滅 31〜50 そこそこ

    51〜79 普通 80〜完璧


    ファイノンの見た夢は前回と同じ

    ■■■■■に■■■■■が■■■■夢

    覚えてるかな

    dice1d100=57 (57)

    夢を覚えている場合は記憶も強制的に覚えている判定とします



    「救世主、入るぞ。」

    「...ヒアンシー様。昨日会ったんですから、緊張しないで...私もついてますから」

    「で、でも...少しだけ緊張しちゃうんです...!」

    「謝罪は済ませただろう?もう気にする事はない。」


    モーディス、キャストリス、ヒアンシーの順番で入ってきた。

    ヒアンシーの両手には大地獣のぬいぐるみとキメラのぬいぐるみが抱えられている。


    モーディスは血で濡れてしまった手紙を持ってきている?そしてそれを渡す?

    持っているかdice1d2=2 (2)

    1 持ってる

    渡すかdice1d2=2 (2)

    1渡す

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:52:14

    ここで渡さないことが吉と出るか凶と出るか

  • 17スレ主 25/07/29(火) 23:25:07

    「あ、3人ともおはよう!」

    「...覚えているのか?」

    「あ、う〜ん...全部とは言い難いけど...君たちのこととか、僕がここにいる理由とか...大まかなことは覚えてるよ。」

    「...!良かった...」

    「...傷は、痛みませんか?」

    「大丈夫。無いわけじゃないけど、少なくとも君たちが心配しているほどの痛みじゃないよ。」

    「ファイノン様、先日持って来れなかったぬいぐるみです。大地獣とキメラ、両方持ってきましたよ!」

    「あ!それ、肌触りが良くて気に入ってたんだ!ありがとう!アナイクス先生にどこで売ってたか今度聞いてみようかな...。」


    ヒアンシーとファイノンは談笑中

    モーディスとキャストリスは話し合い中です


    「モーディス様、...例の手紙は持ってきたのですか?」

    「いや、持ってきていない。記憶があるとは言え、急にあのようなものを見せられれば奴も驚くだろうからな。今は休ませることに集中させるべきだと判断した。」

    「...なるほど。ファイノン様は思い出すことに執着するあまり、ほかのことが疎かになっていましたから...私があなたの立場でもそうしたと思います。」


    ハプニング何にしようかな

    2日目に起こします、死にはしません

    dice1d3=3 (3)

    1 急な発熱(重度)

    2 幻肢痛等の壮絶な痛み

    3 第三者からの危害

  • 18スレ主 25/07/29(火) 23:27:29

    「...みんな、何も言わないのかい?」

    「...何も、とは?」

    「みんなは僕の記憶を...会話を通して取り戻すために君たちは来たんじゃ、?...いや、でも休むって約束した、はずだから...?」

    「あぁ。半神議院の見学が終われば休むと約束したはいいが、お前が腹を刺されてしまったからな。暫くは様子見、休養だ。

    ...だが、お前も不安なのだろう?記憶に関すること以外なら聞いてもいいとアグライアから言われている。キャストリス、ヒアンシー。今、こいつに聞いておきたいことはないか?」


    「聞きたいこと」 最大二つまで >>20

    あと振った手前申し訳ない、ハプニング内容2択にして振り直します

    さすがにそこまでガバ警備じゃないよ...と思い直したので...

    dice1d2=1 (1)

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:56:18

    自分を刺した犯人の処遇

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:50:07

    >>19

    +体にどこ異常はないか

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 03:18:32

    ほしゅりんご

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 10:46:35

    ほしゅ〜〜
    ハプニングあるの怖いね…

  • 23スレ主 25/07/30(水) 14:04:51

    保守ありがとうございます、助かります...!


    2日目にハプニング起こすのでダイスに祈りましょう、出目が悪すぎたら無理やり補正入れてビターエンドに持っていきます ここのダイス神お茶目だから...



    体に異常はないか聞きますね〜!

    確かに犯人の処遇も聞かなきゃだ、聞いてもらおうか



    ハプニング関連のダイス振ります!

    dice1d7=3 (3)

    出目が高いとまずいダイスその1

    dice2d5=1 4 (5)

    1つ目の数値は関与しません

    2つ目の数値は高いとまずいダイスその2

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 20:41:26

    うーーーーん、なんだこのダイス………

  • 25スレ主 25/07/30(水) 22:28:47

    ダイス神もハッスルは控えたらしい


    「なら私が…先程痛みについてお伺いしたのですが、他に何か異常はありますか?些細なことでも構いません。」

    「あ〜…えっと、さっき連絡した通り運動能力が落ちたというか、感覚が鈍い感じがするね。脚も感覚はあるからそこまで心配はしなくていいと思う」

    「まさかその状態で歩いたりはしてませんよね?」

    「さすがにそんなことしないよ……あ、僕からもいいかい?ずっと気になってたんだけど、アグライアを狙ったあの人はどうなったんだい?」

    「あいつは牢の中だ。噂についても心配することは無い。」

    「良かった……それにしても、なんであの人はアグライアをあんなにも恨んでたんだろうね?」


    モーディスはアグライアから詳細を聞いた?

    dice1d2=2 (2)

    1ならはい

    教える?

    dice1d4=3 (3)

    1〜2 教えない 3 ぼかして教える 4 教える

  • 26スレ主 25/07/30(水) 22:37:27

    「そういえば、まだ聞いていなかったな。明日はアグライアも来る。その時に聞けばいい。」

    「そっか、ありがとう」


    その時、グゥ〜〜〜と誰かの腹の虫が鳴いた。


    「あ〜......ごめん、今の僕だ.........」

    「凄くしおらしくなってますね」

    「っふふ、お腹がすいちゃったんですね...」

    「...モーディスならまだしも、二人の前はさすがに恥ずかしいな...」

    「お前は俺をなんだと思っているんだ......そういえば、何か食べたい物はあるのか?次来る時に作ってきてやろう。」

    「え、いいのかい?う〜んなら...はちみつクレープが食べたいな...それか燻製鹿肉...?」

    「「ファイノン様...」」

    「医者としておすすめできません...」

    「医学に精通していない私でも分かります...」


    「2つとも病人には重すぎるだろう...!はぁ...仕方ない、お前の希望だ。掛け合ってみるとするか。はちみつクレープ程度なら許可も貰えるやもしれんからな......ヒアンシーもそれで構わないか?」

    「う〜ん...まぁ、数口程度なら目を瞑りましょう...。」

    「だそうだ。」

    「ありがとう!!最近味気ないものばかり食べてたから....」

    「ふっ、そうだな。お前が満足できるものを作ってきてやる。その約束、しっかりと石版に残しておくんだな。」

    「分かってるよ。もう癖になってるし、忘れることは無いから安心してくれ。」

    「ならいい。」

    「じゃあ。そろそろ私たちは帰りますね!お大事に!」

    「お大事になさってください。あと、病院を抜け出したりしないように。」

    「キャストリスさん?!さすがの僕もそこまでしないよ?!......アナイクス先生にも同じことを言われたような...」


    翌日最初に着く人 dice1d2=1 (1)

    1 アナイクス

    2 サフェル

    アグライア+トリビーはあとから来ます

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 23:31:52

    日を跨いだので本日も記憶ダイス

    最近調子いいから頑張ろう

    記憶値 dice1d100=58 (58)

    今〜30 壊滅 80以上で完璧です


    ────────────

    "おはようございます、アナクサゴラス。

    頼みごとがあります。あのとき渡しそびれてしまった手紙を、代わりに渡して欲しいのです。私達も後からそちらへ向かいます。"


    「ったく、あの女は相変わらず人遣いが荒い……」

    そう呟きながら、アナクサゴラスは廊下を曲がり、彼のいる病室に向かった。


    「失礼、入りますよ。」


    反応が無い。

    「───まさか」


    急いで扉を開けると、彼がベッドの中心で蹲っているのが見えた。

    「異常は無いと聞いていたのですが。」

    「…………だ…れ……?」

    「…発熱、それもかなり高い。」


    意識が朦朧としているようだ。近くに冷やせるようなものは無い、せめて意識を失わないようにと声をかけ続ける。


    「……少なくとも貴方に危害を加える者ではありません。とりあえずあなたはそこで横になっていてください、もうすぐ医師たちが来ますから。……大丈夫です。不安を感じる必要はありません。」


    アナクサゴラスが連絡したのは?

    dice1d2=1 (1)

    1 黄金裔 2 開拓者(誤送信)→黄金裔

    ファイノンの記憶値が60以上の場合は強制的に開拓者へ連絡

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:15:16

    いいぞ、だんだん記憶ダイスがノッてきた!
    開拓者に連絡いってないのが心配だけど、これがどう影響してくるか……

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:23:09

    うわぁ、あと2あれば…

  • 30スレ主 25/07/31(木) 03:30:23

    実質BAD踏んだので再走します!!!もうダメだここのダイス

    ファイノンの記憶値を60として開拓者に連絡させます

    早めに終わったら文投下するかもしれない


    振る予定だったダイスを… dice1d2=1 (1)

    1 のっぴきならない事情があるのかも、開拓者に連絡しよう

    2 いや、黄金裔に連絡してからでも…


    シークレットダイスの3/7は寝込む日数なので記憶がどれくらい減るか振ります

    dice3d100=62 25 45 (132)

    合計 70未満 完璧に覚えてる

    150未満 かなり鮮明に

    200未満 そこそこ

    230以上 記憶壊滅

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 03:41:37

    >>30

    !?

    開拓者に連絡いかないとBADなんですか!?

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 05:13:32

    度々踏むBADの内容気になる……

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 13:56:32

    なぜこんなにもすぐにBADに向かってしまうのか…

  • 34スレ主 25/07/31(木) 14:43:13

    スレ主も分からないんだ…!バッドエンドRTA
    死にはしないんですけど、早めに連絡しないと間に合わないというか…


    「せんせ……」
    「?何か言いたいことが?」
    「……あいぼ、に……連絡…し…て…………」
    「何故です?…っちょっと!……なっ、熱…一体何が起きているのですか……」

    開拓者と丹恒はどこにいても変わりませんがプライベートルトロに居ることにします

    「ん、あれ?アナイクスからだ。」
    「アナイクスからの連絡?あちら側から連絡が来るとは、珍しいこともあるんだな。」

    "要件だけを述べます。たった今ファイノンが酷い熱で意識を失いました。彼が意識を失う前に『開拓者に連絡して』と言っていたのですが、何か心当たりは?こちらに目を通し次第、折り返し連絡してください。通話でも構いません。"

    「おい、これは…」
    「多分そうだよね……念の為ヘルタに連絡してくれる?私はアナイクスに連絡するから。
    この前あんた達が治療してくれた人が〜って言えば反応するはずだよ。後で私に連絡してって伝えていおいて。」
    「助かる。あとは俺が何とかするから、そっちは頼んだ」

    ──────────────────
    通話の方が手っ取り早いと考えた開拓者はアナイクスに電話をかけた。

    「…出た!…ごめんアナイクス!おまたせ。 先に聞くけど周りの物とか溶けたりしてない?」
    「溶けっ?!失礼…かなり酷い熱ですが、何も溶けてはいませんよ。
    ……まさか、彼が取り込んだと言う火種が原因なのですか?」
    「そういうこと。今相棒を治療してくれた人に連絡してるから、待ってて欲しい。それと、なるべくそばに居てあげて。超特急で向かうから!」
    「…分かりました。アグライア達には私から連絡しておきます。」

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 16:46:18

    先生と同じ反応してしまった。周りが溶けたことあるんですか……

  • 36スレ主 25/07/31(木) 23:17:26

    「──ふぅ。」
    「……………ナ…イクス、先生…?」
    「…私はアナイクスではないと言っているでしょうに。」
    「…うん……」
    「開拓者への連絡は済ませています。安心して眠りなさい。……何か少しでも冷やすものがあればいいのですが」
    「…そか…あり、がと…気持ちだけ、受けとっておく……」

    そう言って彼はまた意識を失った。

    ──────────────────
    「…私の貴重な時間を邪魔するなんて、いい度胸ね。」
    「ごめんヘルタ、緊急事態だったの。」
    「まぁ、例の壊滅の子の様態が悪化したとなればリスクが大きすぎるから…今回は許してあげる。…あの子、急に体温が上がって、意識を失ったんだって?」
    「うん。でも周りの物は溶けてないし、人が触れることも出来てるみたい。」
    「概ね理解した…あの子を連れてきてくれれば何とかしてあげる、早く持ってきて。」

    「ねぇヘルタ、ファイノンの体ってもうあれ以上はどうにもならないの?」
    「無理。そもそもあの熱は壊滅の力によるもの。あそこまで壊滅が濃く刻まれちゃ、取り除きようがない…───ルアン・メェイが手を施した子でさえ、取り除くことは出来なかったんだから。それくらい分かるでしょ?」


    開拓者に連絡が行かなかったルートのノンは自分の異常が火種由来だと理解したので、アナクサゴラスの制止を振り切ってオンパロスを離れます

    原因は刺された=外的刺激を受けたことと、繰り返し見ていた■■■■■の夢 です

  • 37二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:28:03

    どーーして君は自己犠牲に行っちゃうんだファイノン。再走してくれてありがとうスレ主…

    夢は周りがどうこう出来ないのが厄介だね…

  • 38二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 08:27:56

    記憶以外の問題でも曇らせが加速していく…

  • 39二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 16:07:32

    🎲<じゃーんじゃん曇らせていくよー

  • 40二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 17:58:46

    ほしゅ

  • 41二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:35:44

    ヘルタ及び天才クラブ助けてくれ〜〜

  • 42二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 02:24:22

    ほしゅ〜

  • 43スレ主 25/08/02(土) 02:36:50

    こんな深夜に保守してくれてありがとうございます



    幸いまだ触れられる程度の熱であったため、なんとか治療を受けさせることが出来た。


    そして今現在、開拓者はと言うと……想定外のトラブルについて説明するために英雄のピュエロスにて黄金裔と会合しているところだ。

    「─────それで、一時的に力が不安定になって熱が抑えられなくなってたみたい。知り合いが治療してくれたから、もう大丈夫なはずだよ。

    3日くらいかかるだろうけど、だんだん熱は引いていくって。


    でも、良い知らせだけじゃなくて…目覚めた時に何かしらの異常が出るかもしれないから注視して欲しい、とも言ってた。今聞いた情報を反芻した上で質問があるなら聞いて欲しい。」


    「グレーたん…本当に、これでも熱は引いている方…なんですね?」

    「うん、アナイ…アナクサゴラスから連絡が来た時と比べれば全然。」

    「...ねぇグレっち。前から思ってたんだけど、その知り合いって何者なの?」

    「ザックリ言うと天才の集まり。私の中にある星核っていう物の経過観察をしてるのもその人たちなんだ。

    オンパロスを救う手助けをしてくれたのも、彼女たちだよ。」

    「治療を受けた時はあいつに意識はなかったはずだ、何故あいつはお前を呼ぶ判断が出来たんだ?」

    「記憶のあるファイノンに会った時、あんたの治療を知り合いに頼んだって話したの。

    それを覚えてたんだと思う。本人に聞かない限りは分からないけどね…」

    「今は目覚めるのを待つちかない、ってことだよね」

    「そういうことになる。なにかあった時のために、しばらくは泊まり込みで私が看るから心配しないで」

    「あなたに負担を集中させるのは本望ではないのですが……分かりました。

    私たちはこの件に対応する術を持ち合わせていません。ですから、貴方に従います。」

    「…そうですね、今回に限り私もアグライアに賛同しましょう。」


    (アナイクスの発言を聞くにせん妄を起こしていたようだから、彼が起きた時は言葉に気をつけないと。)


    開拓者のウッカリ dice1d100=19 (19)

    70以上でやらかし

  • 44二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 06:16:55

    さす開拓者

  • 45二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 14:00:16

    やっぱ銀河打者はちげ〜な!さすが

  • 46スレ主 25/08/02(土) 18:31:36

    開拓者ウッカリしてくれなかった…

    構成は決まったんですがどう動かすか悩んでるので更新が少し遅れ気味になります🙇🏻


    開拓者の心象 dice1d3=2 (2)

    1 早く目を覚ましますように。

    2 本当に大丈夫なのかな…

    3 どうしてこうも上手くいかないの?

    後で振るダイスに影響します


    ──────────────────

    ー1日目ー 彼はまだ目を覚まさない。


    ー2日目ー アグライアが日記を持ってきた。

    彼についてのこと、目覚めてから何処で何をしたのか、何があったのかを事細かに記してくれたようだ。

    日記の最後のページには彼を案ずる黄金裔達の言葉が綴られていた。


    ー3日目ー 凄く魘されていたから、なんとか起こそうとしたけど…彼が目を覚ますことはなかった。


    ー4日目ー 彼が目を覚ました。


    「……?…あ…なに…」

    「…おはよう。具合はどう?あっそれ除けないで!今乗せたばっかだから!」

    「…あい、ぼう。………あ、今回も、覚えてる…よかった……」

    「そっか、なら一安心だね。具合はどう?」

    「……あのときよりも、全然楽だよ」

    「今はとりあえず休んでて。私は部屋の外で少し連絡するか───えっ?」


    服の裾を引っ張られ思わず振り向いた。私が振り向くと、彼は無意識で動いたのか「しまった」という顔をしていた。

  • 47二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:38:14

    いいんだぞファイノン!君はもっと我儘言いなさい!!

  • 48二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 00:24:10

    無意識でも行動に出てきてくれると嬉しくなる
    もっとわがまま言っていいぞ絶対幸せにする

  • 49スレ主 25/08/03(日) 02:26:12

    裾を引っ張られたって怒りやしないのに……彼が萎縮してしまわないようにしないと。


    「どうしたの?」

    「ちが、これは、その…!…っ!」

    「ちょっと、無理に動かないで。ただでさえあんたの体はボロボロなんだから…ほら、横になって」

    「っう、ごめん…」

    「謝らないで。ほら、手握っててあげるから安心して眠って。本当は心細いんでしょ?」

    「そんなわけ…」

    「今言うなら何も聞かなかったことにしてあげるけど。」

    「………まだつらい、から……ひとりに、しないで…」

    「及第点…ってところかな。いいよ、そばにいてあげる。」

    「……聞いた事に、してるじゃないか…」


    彼はそう言って顔を背けてしまった。開拓者が握った手は強く握られているのを見るに、照れているのだろう。


    「……ねぇ君、明日は空いてるかい?皆に言いたいことが…いや、言わなきゃいけないことがあるんだ」

    「え?なら今言った方がいいんじゃないの?アグライア達には私から伝えるし…」

    「ううん。君にも、皆にも直接言いたいんだ。……それに、今はまだその時じゃない。明日の僕に記憶がなくても、きっと同じことを言うと思うから、大丈夫だよ。」

    「そうは言われても…」

    「ははっ!僕は記憶が無くても同じ選択を続けてたんだから、そんなに心配しなくてもいいと思うけど?アグライア達への連絡は済ませてるし…」

    「……それ、みんなの前で言わない方がいいよ」

    「えっ?」

    「まぁいいや。明日ね?分かった。約束。あんたが寝るまでこうしてるから、安心して眠って」

    「うん。……相棒、」「なぁに?」


    「本当に、ありがとう。」

    開拓者は違和感を感じる?

    dice1d4=4 (4)

    1or3 感じる

    2or4 感じない

  • 50スレ主 25/08/03(日) 02:58:30

    そう言うと彼はすぐに眠りについてしまった。

    「もしかして、無理させてたかな…」

    "言いたいこと"、それは一体何なのだろう?


    「…とりあえず、皆に報告しないと。明日って言われてもこの状態じゃ……なんでこうも自分に無頓着なのかな…

    う〜ん…ダメそうだったら私が聞いて報告するって形にするしかないか…」

    恒例の記憶ダイスは無しです。

    ────5日目の朝が来た。

    「今日…だよね。入るよ〜」

    「あ、相棒!おはよう!」

    「……もう起きてたの?」

    「うん、目が覚めちゃって。その後は寝れなかったんだ。昨日は本当に助かったよ。……君のおかげで、久しぶりに…ゆっくり眠れた気がする。」

    「……そっか。」


    『そんなこと一度も聞いてないよ?』と思いながらも、何も言わないことにする。彼が自分の不調を報告できるようになるまでは時間がかかりそうだ。


    「アグライア達は来てないの?」

    「皆が来るのは午後だから。今のうちに、君には伝えておいたほうがいいかな…?」

    「言えるなら言ってほしい…!気になりすぎて夜も眠れない!!…それで、言いたいことって何?あんたは何を考えてるの?」


    「………先に謝っておくね、ごめん。君達の手を煩わせておきながら、こんなことを言うのは気が引けるんだけど───僕は、この休みが終わっても…記憶を取り戻すための行動は取らない。だから、今後君達が気を遣う必要は無い」

    「……え?」

    「…やっぱり嫌だった?ごめん、ここまでしてくれたのに…」

    「…っ!!そういうことじゃない!!」


    開拓者の怒度合い

    dice1d100=18 (18)

    行動 dice1d5=1 (1)

  • 51二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 10:32:21

    急な方針転換!
    夢のことが原因かな

  • 52二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 12:13:04

    何があった!?最後のダイスはなに!!?

  • 53二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 20:44:36

    謎の不穏ダイス!1が1番ハッピーな出目であることを祈る!!

  • 54スレ主 25/08/04(月) 01:05:59

    最初の方に振ったハプニングダイス数値 4 を回収します


    行動ダイスは1番ハッピーですよ!

    (1 その場に残って諭す)

    5だと開拓者が感情を抑えられずに部屋から出て行ってしまう予定でした


    今のうちに後の開拓者の曇り度合い

    心象ダイス2のため補正+20

    dice1d100=48 (48)

    シークレットダイス

    ヒントとしてはモーディス関連です

    dice1d2=1 (1)



    「えっ…」

    「私たちが費やした労力なんて関係ない。あんたは記憶を取り戻したいんでしょ?

    …私たちはあんたの仲間でしょ。あんたが記憶を取り戻したいと言ったら協力するし、力になりたいって思ってる。」

    「みんなが優しい人だってことは僕も身に染みて感じているし、君達が仲間として僕を想ってくれているのも分かってる。…けど、僕が初めて目を覚ました日から、(ダイス結果+2)週間も経ってるじゃないか。」


    dice1d3=3 (3)


    「…僕は記憶を取り戻すこと自体を諦めるつもりはない。休養が終われば、僕一人で行動するよ。石版やメモを確認する習慣も付いたし、僕一人で何とかする。……君達の手を煩わせたりはしない、ボロも出さないよ。」

  • 55二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 01:21:35

    まあファイノンの立場ならここまで周りを付き合わせてるの申し訳なく思うよなぁ
    難しいところだ

  • 56二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 09:32:17

    ただでさえ永劫回帰の罪悪感持ってるからね…。
    もっと仲間頼れって言いたいけど…

  • 57スレ主 25/08/04(月) 17:29:56

    地母神の憑いたメデイモス用ダイスへ

    お願いなので神出目を継続しないでください

    スレ主より



    「時間なんて気にしてないよ。確かに目を覚ましたばかりのあんたは、毎日記憶を無くしてた。けど、今は違うでしょ?確かに1歩ずつ進めてる。今日だってあんたは覚えてるでしょ?」

    「今日の僕が覚えてても、明日の僕は?明後日の僕は?そんなの誰にも分からないだろ。

    本当は死ぬはずだった僕が、こうして皆と会話が出来て、謝ることが出来た。……もう、十分だよ」


    開拓者の怒度合い

    dice1d100=70 (70)

    18+20で補正+38です

    ファイノンの焦りや苛立ち

    dice1d100=60 (60)



    「……なんでそんな急に。1人で完結しないで、あんたはもう独りじゃないんだから」

    「…それだけじゃないんだ。君、僕が治療されていた時、彼女たちから何か聞かなかった?」

    「聞いたけど...思い当たりがあるの?」

    「……頭痛が酷いんだ。もし今も痛みを感じてる、なんて言ったら君は怒るかい?」

    「…はぁ…怒りたいよ。けど、今はあんたの話を聞きたい。」

    「ははっ…本当は殴られる心積りだったんだけど慈悲をいただけるとはね。

    …その痛みっていうのが、過去に感じた思い出す時の鋭い痛みとは違うんだ。だから、何が起こるのかが分からない。今はまだ忘れずに済んでいるだけで、そう遠くない未来の僕は数時間に一度、記憶を無くしているかもしれない」

    「だから、私たちが辛くなる前に諦めろって?」

    「…そういうことになる。」


    「───おい、今の話はどういうことだ?『救世主』。」

  • 58二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 17:45:03

    またモーディスに敗北したか…
    これで良い方向に進めるといいね

  • 59二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 20:59:38

    殿下ー!!全てを解決して〜!!

  • 60スレ主 25/08/04(月) 22:43:37

    開拓者もファイノンもかなり怒ですね

    モーディスには頑張って欲しいけど、ダイスには頑張らないで欲しい


    「えっ、モーディス?!」

    「あれ、まだ午前だよね?一人で来たの?」

    「あぁ。……そこの馬鹿者と、少し話したいことがあってな。」

    「ばっ…?!」

    「不服そうな顔だな。まぁいい、説教の前にこれをやろう。この前、はちみつクレープとやらが食べたいと言っていただろう?」

    「…?あぁ!本当に君が作ってくれたんだね!ありがとう!早速いただくとするよ!」

    「頭が痛いのに食べて大丈夫なの?」

    「…?痛みには慣れてるから平気だよ?」

    「お前……全員から叱られる覚悟をしておくことだな、その発言は聞き捨てならん。」


    「……甘い…生地がもちっとしていて美味しい…!ふふっ、やっぱり元気が出ない時は好物に限るね!君、こんなにクオリティが高いものを作れるなら、料理店かなにか開いた方がいいんじゃないか?」

    「………お前」「ん?何だい?」

    「そのクレープは甘くない。」

    「ちょっと!せっかく僕がフォローしてやったのに、その言い草はあんまりじゃないかい?」

    「……ッ!巫山戯るのも程々にしろ!」

    「ちょ、2人ともどうしたの?」

    「貴様もそこまで鈍感ではないだろう?」

    「…………騙したな」

    「…先に俺達を騙したのはお前だ、HKS。その様子ではまともに頭も回せていないようだな?普段の貴様なら、この程度、気づくことができたはずだ。」

    「2人とも一旦落ち着いて!それに騙したって何?!どういうこと?!」

    「……こいつには味覚がない、そしてこいつはそれを理解しながら誤魔化そうとした。」

    「どうして分かった?僕は君の前で何か言ったか?」

    「言ってはいない。味気のないものばかり…とは言っていたが、ここではそれが当たり前だからな。だが、お前が何も隠していないとは限らない...試してみる価値はあると踏んだんだ。」

    「…見事に僕は嵌められた、ってことか……クソ…」


    ファイノンの苛立ち(60+ダイス値)

    補正+10 dice1d40=10 (10)

  • 61二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 22:53:08

    殿下つよ…
    ファイノンすごいイライラだけどどうなんだ?

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 00:51:38

    ファイノン……

    >>60

  • 63スレ主 25/08/05(火) 01:32:12

    ここのスレモーディスが強すぎる
    シークレットダイスで1を引いたのでカマをかけました

    「…お前の悪癖を恨むことだな。あぁ、補足しておくが、それは失敗作ではない。お前が言っていた通り、甘い食べ物だ。」
    「………君が作ってくれたものだし、しっかり食べるよ」
    「随分と不満気だな」
    「…分かりきったことを聞かないでくれ。かなり気が立ってるんだよ、これでも。」
    「…これに懲りたら、二度と誤魔化さないことだな。」
    「はぁ、少し洗面所に行ってくる。……そんな顔しなくても、僕の寝るところはここなんだから逃げられないって…」
    ───────────────────
    「戻ったよ。さぁ、どうぞ。」
    「……ねぇ、なんで言わなかったの?言いたくなかった?」
    「これ以上皆を苦しませたくないんだよ。僕だけの問題じゃないって、言ってたろ」
    「私たちが苦しんでる?」
    「アグライアも、ヒアンシーも、僕のせいで苦しんでたろ?実際今の君だって悲しそうな顔をしてるじゃないか」
    「大切な人が傷ついていたら、誰だって悲しくなるでしょ?」
    「だから言いたくなかったんだ...!アグライアに諭された件とは違って、個人の味覚なんて周りには何の影響も及ばないだろ!」
    「…それでまたあんたに全部抱え込ませてハッピーエンドだって?......ふざけないでよ。原因って、本当に頭痛だけなの?思い返せば、あんたが目覚める1日前、物凄く魘されてた。その夢が影響してる、なんてことは?」
    「それは関係な……」

    この期に及んで嘘をつくならば仕方がない、肩を掴んでこちらを向いてもらおう。モーディスは静観することを選んだようだ。

    「…恨むなら普段の自分を恨んで。で、夢の内容は何?ほら、こっちを見て。」
    「……相棒、熱いだろ?離した方がいいよ。」
    「いいや熱くないね。あんたのその気持ちは本心ではあるんだろうけど、今は逃げたい一心で言ってるでしょ。」
    「初めに否定の言葉が出てこないということは、図星なんだな?」
    「…あぁもう!離せって言ってるだろ!」
    「…泣かれるよりはマシかな。相棒、動きすぎたら傷が開くよ。今は気分が高揚してるから、平気だと思ってるんだろうけど。」
    「幸い今回は俺がいる。それに、アグライア達が来るまでの時間は十分にあるからな。」
    「モーディスも信じてないみたいだよ。…さぁ、白状して。」

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 02:24:20

    ファイノンが追い詰められてるのは心が痛いけどこうでもしないと話さないファイノンにも問題がある…

  • 65二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 08:57:24

    この場合はもう仕方ない…

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 10:35:36

    心苦しいな…これ

  • 67二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 17:10:09

    どうすれば……幸せになるんだ

  • 68二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 22:06:28

    ダイスを祈るしかない…

  • 69二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 03:02:01

    ほしゅ

  • 70スレ主 25/08/06(水) 03:26:01

    幸せになる方法 [検索]🔍


    「……みんなが、僕を見て悲しんでたんだ。
    皆は優しい人だから、何か良い方法があるはずだと必死になって、探しても見つからなくて、疲弊して、倒れる。
    記憶を無くした僕を見て"今回もダメだった、力になれなくてごめんね"って…そんな夢を見た。
    …気づいたんだ。君たちを殺したくせに、命を繋いでもらったくせに…っ何度も、何度も…!君たちに迷惑をかけて、悲しませて!いっその事、僕が───っ…なんだよ、その顔……」

    彼が言葉を発し終わる前に、モーディスが鋭い視線で牽制した。

    「……次は俺の拳が飛ぶと思え」
    「今のは私も擁護できない」
    「…君達が繋いでくれた命なのに、自滅なんてしたら尚更迷惑か…」
    「『アグライア達はあんたに迷惑をかけられた程度でどうにかなるような人じゃない』とだけ言っておくね。…あんたが理解していない部分はアナイクス辺りにみっちり説明されればいいよ。」
    「……そんなに僕のことが心配?」
    「当たり前でしょ。」
    「怒ってもらえなくなったら、本当に終わりだね」
    「そうだね、あんたが周りからの愛に自覚的にならないと。」
    「そういう意味で言ってない…!」
    「知ってる。ねぇ、一人で行動するよりも、皆で行動した方が効率的なのは理解してるよね?早く思い出したいんじゃなかったの?」
    「思い出したいに決まってるだろ!!!……っはぁ…、っは……クソ、なんでこんな……!落ち着け…落ち着け………っ!」
    「相棒、私はあんたを傷つけたくない。あの時のアグライアも同じ気持ちだったはずだよ」
    「……おい」
    「ッ!!!分かってる…!分かってるから...!もう黙ってくれ!!!その話を持ち出すな!!!」
    「なら!どうして───」

    「おい!2人とも落ち着け!…開拓者、気持ちはわかるが一旦頭を冷やせ。」
    「っごめん、冷静じゃなかった……10分で帰ってくる。」

  • 71スレ主 25/08/06(水) 03:35:06

    「……メデイモス…なんで止めたんだ」

    「これ以上ヒートアップすれば、お前が耐えられないと判断したからだ。支えてやる、力を抜け。」

    「…はは、全部お見通し…か……」

    「…言いたいことは山々だが、回復が先だ。今は喋るな。」

    「…………」

    「落ち着いてから答えろ。何故お前はそうまでして俺たちの協力を拒む?あいつも言っていたが、"苦しませたくない"だけが理由なのか?」

    「だからそうだって!……ごめん…っ、さっきからずっと…!腹が立って仕方がないんだ…!」

    「…気にするな。……自覚していないようだから教えてやる、お前が協力を拒む理由はそれだけではないだろう?

    お前は(ダイス結果)、違うか?と言っても…それほど単純なものでは無いようだがな。」


    dice1d1=1 (1)

    1 許しを得た今でさえ、俺たちへの恐怖を払拭できていない。


    地母神ダイスは説得してくれるかな

    dice1d100=23 (23)

    数値が高ければ納得、低ければ渋々

    30以下で超渋々


    「……そんなふうに見えた?」

    「少なくとも俺から見ればの話だがな。…自覚させるのが手っ取り早い、お前は俺たちをどう思っている?言葉にしてみるといい。」

    「………君たちに手間をかけさせたくない、君たちを苦しませたくない。君たちを手にかけた罪を償いたい。

    君たちの顔が曇るのが嫌だ。君たちを忘れるのが嫌だ。君たちには幸せになって欲しい。君たちの願いを叶えたい。

    君たちを失望させたくな………いや…君、たちに…………嫌われたく、ないのか…僕は………」

    「ふん、ようやく気づいたか。」

    「……そんな…。僕は黄金裔の皆のことを少なからず想ってたし、守りたいって思ってた…そう誓った。けど、実際は君たちも知る通り、何度も君達を殺したんだぞ…?

    全てが終わった今でさえ、君たちを苦しめているのに、嫌われたくないなんて思えるだなんてそんな身勝手な…………やっぱり…最初から僕に、償う資格も、人の心も無かっ──痛っ?!え?!」

    「HKS...」

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 09:50:19

    いい所で終わってる
    ど、どうなる!?

  • 73二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 11:23:31

    ファイノンが怒りをコントロール出来てないのは単純に精神的に追い詰められてるからなのか壊滅による影響なのか三月なのか…

  • 74二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 20:07:08

    しれっと地母神ダイス低いのどうして

  • 75二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:31:29

    ほしゅ

  • 76スレ主 保守本当にありがとう25/08/07(木) 02:34:58

    推敲してたら更新遅くなっちゃいましたごめんなさい!

    「…メデイモス?えっ、嘘、なんでそんな怒って」
    「仮にお前が人の心のない者だとして、そのような反応をすると思うか?
    そもそもだ、人の心が無いならば先程のように怒りも泣きもしないだろう!自己完結するにも限度がある!」
    「それは、そうだけど…」
    「……教えてやる、過度な卑下はお前を認め許した俺たちを侮辱しているのと変わりないと」
    「っはぁ?!いきなり何を言い出すんだ!そんなこと一言も…!」
    「…お前は自身に対する評価が適切であると本気で思っているのか?」
    「思ってるよ!!!君も、彼女も……何?君の石版の通知、さっきからずっと鳴ってるよ?」
    「彼女含め、この場で最も冷静になるべきはお前だと思うが。……さぁな。彼女がアグライアに連絡でもしたんじゃないか?」
    「…はぁ、もういいよ。僕は君に従うし、協力も拒まない。これでいい?」
    「口答えをやめたと思えばお前は…!開き直って自棄になるな、会話を放棄するな。…いつもの冷静さはどうしたんだ?」
    「あははっ、どこかに落としたんじゃないかい?………なんだよその顔、本当に諦めないつもりか?」
    「クレムノスの辞書に『諦める』という文字は無い。」
    「はは…なんだそれ…。君の辞書、本当に何も載ってないんじゃないか?」
    「ふん。──そろそろ10分か。彼女が戻ってくる前に結論を出しておいた方がいいと思うが、どうだ?」
    「……仮に僕が君の提案を呑んだとして、本当に後悔しない?僕の記憶、本当に近いうちに消えるかもしれないんだぞ?それも数時間周期で。しかも、もう今の時点で味覚が無いんだ、今後何らかの異常が発生すれば……」


    「───グレっちの言葉が嘘だなんて思ったことは無いけど、ここまで拗らせてるなんてことある?」
    「は?」
    「……悪いが、俺はお手上げだ。」

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 03:59:03

    保守

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 09:22:48

    加勢が来た!

  • 79二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 12:53:12

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 14:22:54

    これビターエンドに向かってるんだっけ
    どうせならハッピーエンドも見たいところ
    ファイノンにはなかなか難しいのかな…

  • 81スレ主 25/08/07(木) 19:19:06

    ビターエンドって人によってはこれバッドじゃんってなりかねないので匙加減が難しい

    定期的に保守してくれている方に感謝


    「サフェルさん、どうして…」

    「やぁ救世の坊や!グレっちからの要請を受けて参上したよ〜!」

    「ただいま、相棒!少しは冷静になったみたいだね?……ふふん、お察しの通り連絡したんだよ!」

    「頭を冷やせと言ったはずなんだが……はぁ、俺はもう何も言わん。」

    「ごめんねモーディス、そこの頑固な誰かさんのためにはこうするしかないって思って。」


    「連絡するにしても10分しか経ってないじゃないか…1対3かい?」

    「…残念ながら3人じゃないよ。

    それと、あんたの疑問にはあたしが答えてあげる!グレっちが私達に連絡して来たのが発端で…皆あんたの部屋に行く気満々だったから予定は一つも無かったんだ〜。

    それでそれぞれの位置だけ教えて貰って、あたしが1人ずつ運んだの!10分どころか、3分もあれば余裕だよ〜」


    「1人ずつ?ちょっと待って、それって……ねぇ、モーディス」

    「なんだ?」

    「逃がしてくれないかい?」

    「…ふざけている暇があるなら頭を回すんだな、お前の得意分野だろう?」

    「見逃してくれたら今度なんでも奢るよ。ほら、君甘いもの好きだろ?」

    「却下だ。諦めろ」


    気休めダイス 抵抗値

    モ dice1d100=78 (78)

    フ dice1d100=88 (88)

  • 82二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 19:21:03

    >>81

    イラストかわいい〜!

    スレ主が描いたの!?

  • 83二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 19:37:53

    >>81

    可愛い、そして上手い!

    確かにビターは難しいですね…

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 19:39:15

    >>81

    スレ主の思うビターでいいんだよ

    楽しみにしてるね

    そしてイラストかわいい

  • 85二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 22:39:49

    イラストめっちゃ可愛い!!!
    けど抵抗ダイス!!

  • 86スレ主 25/08/08(金) 02:00:55

    スレ主が描きたい欲に抗えなくなったので描きました!!
    レスがあったかくてうれしい…感謝
    ────────────
    「よし、悪いけど僕は逃げるよ!じゃ!」
    「お前…っその力どこから…!傷が開いてもいいのか!」
    「よくないよ!でも、今から起きることよりは傷が開くほうが幾分かマシさ!」
    「待ちなさい」
    「あ〜!今逃げようとちたね!フェルちゃんとライアちゃんがいるから逃げられないよ!」
    「わっ!…嘘だろ……」
    「私だけでなく全員来ていますよ。……記憶障害、刺創に高熱。そんな状態で逃げるつもりだったのですか?」
    「慣れてるから平気だよ、少なくとも死にはしないさ」
    「うわぁ……」
    もう擁護はできない、みっちり説教をされた方が彼のためだろう。

    「みんなの前では絶対に言わないでって言ったじゃん…庇う気は10くらいあったけど、私もう知らない…」
    「だそうだ、惜しい仲間をなくしたな。」
    「開拓者さんが頭を抱える理由も理解できます」
    「ちょ、相棒!キャストリスさんまで!別に怪我や熱くらいどうだって……!」

    「────へぇ?それで、数日前に高熱で気絶したのはどこの誰でしたか?…口論になったと聞いたのですが、存外落ち着いているようですね。」
    「盗み聞きはしないほうがいいって先生から教わったんだけど、記憶違いかな?」
    「……前言撤回しましょう、聞いていた通り落ち着きがありませんね。感情に振り回されろ、などと教えた覚えは無いのですが。」
    「それについてはご最もだと思うよ、先生。」
    「…はぁ。今日に限り、あなたの生意気な発言には目を瞑るとしましょう。」

    「これで全員だね!…でも、数人で問い詰めたらさすがに可哀想だち…話すなら1人ずつにちない?口は挟まずに、全員この場で待機、とかどうかちら?」
    「…………最悪だ…今すぐ眠りたい…」
    「こうでもしないと相棒は分かってくれないし、本音も漏らしてくれないでしょ?あの時もそうだったじゃん。」
    「……君、わざとその件を持ち出して僕の動揺を誘ってるだろ……いいよ、好きにすればいいさ」
    「なら、私が先に…いいですか?」

  • 87スレ主 25/08/08(金) 02:08:50

    「ヒアンシーが最初ね、いいよ。2番手からは言いたくなったら挙手...って感じでいこうか。もう言いたいことは言いきった!と思うなら無理に言わなくても大丈夫だよ。
    ……あ、アグライアとアナイクスは最後にしてくれる?ファイノンと関わった年数、2人は特に多いでしょ?本音とかも言いやすいだろうし……3人ともそれでいい?」
    「「構いません」」
    「僕の意見は聞かなくていいよ。もう逃げ場なんてないんだからさ…」
    「たは〜…天空に行く前でさえ冷静だった坊やが珍しいね?そこまで自棄になるなんてさ。どうしちゃったの?」

    「…僕の弱さを自覚させられたからだよ。僕は結果的に君たちに嫌われたくなくて、突き放そうとした。…けど、そんな身勝手な自分が僕は許せない。だから、君たちの協力を拒むことができない。でも、君たちの顔が曇るのも嫌で…どうしろって言うんだよ、……っ皆は!僕にどうして欲しいんだよ……!」

    「はい、どうどう…よ〜しよし……」
    「…っ何、してるんだよ……」
    「……開拓者さん?」
    「お前…何をしている…?」
    「え?見ての通り落ち着かせようとしてる…けど…」
    「っ僕は馬じゃないよ!もう…苛立って仕方がないのに、君がそんな調子だから複雑だ…」
    「なぜそれで効果を発揮しているのですか…」
    「教授、こちらを見られても困ります…少なくとも、現場でこんな落ち着かせ方をする方はいません…」

    「でもこれで少し収まるってことは、あんたの苛立ちは壊滅の影響ではなさそうだね、良かった。」
    「グレーちゃん…確かめてくれたのはありがたいけど、コメントのちようが無いよ…」
    「……ほぼ初耳だったのにさっきの内容が飛びそうになっちゃった…グレっち、癖強すぎない?」
    「丹恒となのかにもよく言われてる。まぁ、今はそんなことしてる場合じゃない!さ、相棒。今の話もう一度してみたら?」

  • 88二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 06:47:37

    なんか雰囲気が明るい!大丈夫かも!(チョロいオタク)

  • 89二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 11:24:10

    このままハッピーエンドで良くないか

    あ、ビターエンドは確定?そうですか……

  • 90二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 14:19:17

    ハッピー展開になりそうなのにビター風味に修正しないといけないのも大変そうだ…

  • 91スレ主 25/08/08(金) 22:42:10

    記憶は戻らないからセーフです!!突き落とすだけなら簡単なので

    なんなら運動不調は一生モノにする予定だったんだけどな…


    今のうちにダイスぶん回します


    頑固度 dice8d100=87 2 36 30 79 64 34 65 (397)


    説得 dice8d100=74 58 27 70 65 65 11 85 (455)



    ノン関連のシークレットダイス🎲

    ■■■

    dice1d2=2 (2)


    ■■■■■

    dice1d5=4 (4)

    良 1 ⇔ 5悪


    ■■■■■

    dice4d2=1 1 2 1 (5)


    ■■■■■■

    dice1d7=4 (4)

  • 92二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 22:57:53

    2つ目のシークレットダイスくん!?

  • 93二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 00:06:30

    シークレットダイス全部不安

  • 94二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 00:25:02

    このレスは削除されています

  • 95二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 00:26:26

    運動不調が一生モノにならずに済んだのまじで前スレの後遺症期間聞いてくれた人ファインプレーすぎる

  • 96二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 00:57:55

    そういえば>>8のシークレットダイスってまだ回収されてなくない?

    まだ隠された何かがあるんですか…?

  • 97スレ主 25/08/09(土) 02:24:16

    うん、その…やっぱり幸運Dなんだね…(?)


    対するファイノンは納得できるか?!

    dice8d100=54 79 22 65 60 5 84 4 (373)

    (ダイス値×2) < 852 →納得

    出目が高くても従ってはくれますが、超渋々で従う不貞腐れノンが誕生します

    モーディスとサフェルは結構絡んだのでおそらく飛ばしますごめんね2人とも



    「元はと言えば君が変な事をして話を逸らしたんじゃないか…

    まぁいいや、……気を取り直して聞くけど、君たちは僕がどう動けば満足するんだ?君たちが知ってる通り、僕の体はボロボロだ 。

    肝心の記憶は…もう少しすれば頻繁に消えることになるかもしれない。そんな僕はどう行動すればいいんだい?ヒアンシーは、個人としてどう思ってる?」

    「……主語を間違えていますよ、ファイノン様。その、上手く言えないのですが…私達は、各々の意思であなたの助けになりたいと思っているんです!」

    「うん。」

    「どうしても責任を感じてしまうなら……言い方を変えてもう一度言いましょう!

    私たちが満足するまで、手伝われてください!……それと、貴方の心身を癒すことが、どれだけ難しくても絶対に諦めません!私は、黄金裔であると同時に、昏光の庭の医師なんですから!」


    自信ありげな顔でヒアンシーはそう言い放った。それを聞いたファイノンはというと、結構嬉しそうな顔をしていた。


    「っふふ、君ってそういう人だったね。ありがとう、しっかり覚えておくね」

    「ヒアンシーは高評価みたい。相棒も大分落ち着いてきたね、やっぱり私のが効いてた?」

    「事実なんだろうけど、それは認めたくないなぁ……」



    「次はあたちたちが話してもいい?あ、話すのはあたちだけから、長くはならないと思うよ!」

    「いいよ!」「ありがとう!」

  • 98二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 09:44:45

    イラストが可愛すぎるー!!!さすヒアンシー、医師として説得したのか

  • 99二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 16:59:34

    保守!
    スレ主イラストまで上手で凄い…

  • 100二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 17:48:05

    保守
    ドヤ顔ヒアンシー可愛い

  • 101二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 00:10:27

    保守〜〜

    一生この平和に浸ってたい

  • 102スレ主 25/08/10(日) 00:18:20

    96さん鋭いな…実は1番上の1個だけまだ回収してません
    とりあえずバラしておくと
    体調を崩した理由:出目3→壊滅の力によるもの
    体調を崩す日:出目2→2日目
    それと保守ありがとう!!


    「待って相棒!先に石版に残しておきたいんだ、ちょっと待ってくれ!」
    「だってさ、トリビーはそこで待ってて!」
    「は〜い!」
    ────────────
    「いつもより長くない?」
    「…思うように指が動かなくて手こずってるんだよ。あと少しで終わるから待って───終わった!」

    「よ〜し!じゃあファイちゃん!こっちを見て!」
    「はい、見たよ。…トリビー先生は僕に何を言うつもりなのかな?」

    トリビーを怖がらせないようにと思ったのか、彼は優しく彼女に微笑みかけている。

    「ありがとうね、配慮してくれてるんでちょ?」
    「?」
    「う〜ん…少しくらい、自分を褒めてあげてもいいんじゃないかな?
    あたちたちは、 あまり一緒に居てあげられなかったから。今どんな気持ちで、どう思ってるのか、全然分からないの。」
    「うん」
    「でもね!これだけは言えるの!さっき、嫌われたくないって言ってたけど……あたちたちがファイちゃんを嫌ったりすることは無いし、きっとみんなも受けいれてくれるよ。大丈夫!あたちたちを怖がらないで、みんなと自分を信じてあげて!………あれ?悲ちいの?」
    「……ううん。凄く嬉しい。本当にそうだとしたら、君たちのような仲間に恵まれた僕は、やっぱり運がいいなって思っただけで───あ、これは君たちを貶めるつもりはなくて…!」
    「ふふっ、ず〜っと見てきたんだから、それくらい分かってるよ!」

    上機嫌になったトリビーは、とてとてと歩きながら離れていった。

  • 103二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 07:09:37

    今のところ良い感じだけど…ビターエンド確定してるんよね…?
    どうなっていくんだ……

  • 104二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 08:29:19

    1からみてやっと追いついたー!ずっと雲行き怪しかったけど大分ハピエンに近づいてきた…?

  • 105二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 14:48:22

    絶望前の希望ってやつですか、これ

  • 106スレ主 25/08/10(日) 21:00:39

    1から?!?!すごい…… >>105 スレ主はここから突き落とす気満々です


    「これって僕から質問しても良いのかい?。」

    「もちろん、どうぞ。」

    「…なら、君たちはこんな僕に手を貸したことを後悔しないかどうかを聞きたい。

    君たちに許されたとはいえ、散々君達を殺しておいて"これ以上君達に迷惑をかけて嫌われたくない"なんて思えるような奴に、君たちの手を借りる資格があると思う?

    それに、僕は一度壊滅に染まりかけた化け物だ。君たちに危険が及ばないとは限らない、それでも構わないのかい?」


    化け物──そう彼が口にした瞬間、空気が凍り付いた。開拓者は呆れと心配の入り交じった溜息をつく。


    「ちょっと相棒……これに関してはどう言われても仕方がないと思うんだけど?」

    「う〜ん、出来れば挙骨だけは避けて欲しいかなぁ」

    「…覚悟はしておいてよね。」



    「あの…この質問は、私に答えさせてくれませんか?」

    「キャストリス…いいよ、とりあえずこの頑固者にガツンと言ってやって。」

    「勿論です。私も少し、言いたいことがあるので。」


    「私たちはもうあなたを受けいれています。失ったものや犯した過ちばかりに目を向けていては、前に進めないままです。

    ……私のこの両手も、多くの命を屠ってきました。

    ですが、それを知りながらもこの手を暖かいと言ってくれた方がいるのです。この手で救えた命があるのです。私達は他者を救うことで喜びを知ることが出来る人間なのです。

    貴方が壊滅に染まった化け物だと自蔑するのなら、私も…厄災のタイタンの一柱であるタナトスから凋落した───」


    アナイクスがこれ以上は聞いていられない、と言うように僅かに身動ぎをした。

    開拓者も黙ってはいられなかった。


    「キャストリス!」

    「……それ以上は言わないでいいよ、キャストリスさん。…ごめん。」

    「理解していただけたのなら幸いです。」

  • 107スレ主 25/08/11(月) 00:40:37

    「キャストリス……」
    そんなこと、本気で思ったりしてないよね?

    静観していたアナイクスが、重い口を開いて問いかける。
    「キャストリス、それは本気ですか?」
    「いいえ。その、思っていたよりも…こう、頭に来ていた?みたいで…」

    アナイクスはアグライアを見やり、何らかの確信を得たのか、キャストリスの発言は事実であると断定したようだ。

    「…嘘では無いようですね。よろしい、追及はやめにします。」


    「サフェルとモーディスは何か言いたいこととかないの?」
    「俺はさっき面と向かって話したからな。あとはそこの2人に任せ……
    いや、一つだけあるな。ファイノン、異常を放置し、隠そうとするのはやめろ。取り返しがつかないことがあるということを、お前は身をもって知っているだろう」
    「あたしはパス!言いたいことは今まで言ってきたからね!今回はみんなが代わりに言ってくれたから、ライアとアナ先生に任せるよ!」

    「じゃあアグライアとアナイクスだね。……どうしよう、2人の前なら色々吐き出しやすいとは思ったんだけど…こうなった以上全員居たほうがいいよね?」
    「…どうもこうも、全員を集めて話そうと言ったのはお前だろう、返してどうする。」
    「だよね…じゃあ相棒、皆の前で吐き出す練習、今からしよう。」
    「……はは……えっ……と、本当に……?」
    「本当に。ちなみに納得はした?それとも諦めただけ?」
    「納得はしてる。だから、これからは、君たちを頼るつもりで……」


    「本当に、心からそう思っての発言ですか?…アグライア、貴女の事です、どうせ金糸でも張っているのでしょう?」

  • 108二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 04:20:46

    ほしゅ

  • 109二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 09:14:33

    そういえばこれビターエンド行きなんでしたね
    不穏になってきた…

  • 110二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 13:14:40

    ほしゅ

  • 111スレ主 25/08/11(月) 20:17:18

    保守ありがとうございます! 念の為保守
    用事が終わってないので深夜に上げると思います、すみません🙇🏻

  • 112二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:29:54

    日常生活優先、大事!
    待ってるので大丈夫ですよ

  • 113二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:14:22

    いつもお疲れ様ですー!

  • 114二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 00:50:00

    保守

  • 115スレ主 25/08/12(火) 01:33:45

    保守ありがとう!!!
    トリビーとキャスのイラストをあげ忘れたことに気づいたのでどこかであげるかも(描くのが楽しい)

    「……えぇ。いつから気づいていたのですか?」
    「確信を持ったのはほんの少し前です。…貴女が、先程の……キャストリスの発言を黙って見ているはずがない。」
    「…今の発言が真実かどうかを聞いているのでしょう?」
    「他に目的があるとでも?…実際、どうなんです?」
    「彼が話した後…ほんの少し、金糸が揺れました。」

    「はは……今のは本心のはず、なんだけどな…?冗談は程々にしてくれないかい?」
    「限りなく真実に近い…ですが、金糸は変わらず揺れています。」
    「勘弁してくれよ……」
    「私と丹恒が尋問を受けた時に、ちょっと揺れたけど通過にします…って言ってたよね?そんな感じ?」
    「成程。嘘では無いが、保証は出来ない…という訳ですか」
    「っ、そんな、無茶苦茶な……」

    アナイクスは、まだ分からないのか?と言いたげに目を細めつつ、彼を説得することを試みた。

    「…あなたは生意気ですが、私の最も優秀な生徒でもあります。あなたは聡い。自身が何を思っているのかだけではなく、相手が何を思っているか、どんな言葉が欲しいのか。それらを理解している。
    己の心を殺し、私たちの望む言葉を与えようとしているのでしょう?もう一度聞きます、あなたは何を考えているのですか?」
    「皆と協力して、それから…」
    「自身の想いと、周りが求めているものを混同するのはやめるべきだと何度も言ってきたはずです。
    私たちはあなたの本音ひとつで傷つくほどヤワではありません、侮るのも大概にしなさい。私は"エリュシオンのファイノン"に問いかけているのですよ」
    「そんなこと言われても…」
    「分からないことはないはずです、言ってみなさい。先程トリスビアスの言った通り、貴方が何を言おうと軽蔑することはないのですから」
    「……僕、は…」

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 02:02:18

    あんな難しい装飾のアグライアが描けるの凄すぎない…??あと想像よりファイノンが病人してて好きです(?)

  • 117二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 06:17:29

    >>115

    うおぉぉぉぉぉおお上手い!!

    ファイノンの表情ぃぃ…

  • 118二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 13:57:26

    ファイノンがどう答えるか楽しみ〜
    保守

  • 119二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:26:26

    イラストまで大変だろうけど
    楽しみに待ってる~!

  • 120二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 22:15:41

    保守

  • 121スレ主 25/08/12(火) 23:28:42

    保守ありがとう!
    なんとしてでも入院着は着せたかった所存…
    明日はラウンドワンに行ってくるので浮上は昼頃になります
    ────────────
    ■■■■■ 皆が、僕を見ている。

    「………少しずつなら、頼ってみるつもりなんだ…でも、…君たちへの恐怖や、罪悪感は、僕が何とかしないといけない。
    だから、待ってて、欲しい…っ僕が、僕を許せる日まで…!それまで、どれくらいかかるか分からないけど…!」

    心の底を吐き出すことが恐ろしくて仕方がない。声も、体も、震えが止まらない。自身を構成する全てが、恐怖を訴えている。

    「…っそれに、僕が協力を受けいれたところで、いつか、君たちが…怖くなって、っ突き放してしまうかもしれない!
    過去の君達の非難は当然だった、間違いなく君達が正しかった…!けど、苦しかったんだ…!また、嫌われたらって!そう思うと、怖くて……!
    っでも、それと同じくらい…、君たちの温もりに、救われてる!…だから…もし、許されるなら…!」

    君たちのことが大好きだから、嫌われたくなかった、怖かった。でも、もしも許されるなら。君たちの目を見て、伝えないと。そう思って彼らの目を見る。

    「……ぁ…、………」
    「ストップ。アグライア、金糸は?」
    「…微動だにしていません。」
    「ありがとう」

    彼らと目を合わせた瞬間、恐怖のあまり声が出なくなった。彼らは待っていてくれたのに。息が上手く吸えなくなる。
    きっと失望しただろう。こんな臆病者に、彼らの手を取る資格なんて───

    「どうせ失望されたかもとか思ってるんでしょ?そんなわけないじゃん。」
    「……え…」
    そっと抱きしめられて、優しく頭を撫でられた。
    やっぱり皆は、僕と違って温かい。すこし離れたところに、僕の大好きな仲間達がいる。叶うなら、ずっとそばに居たかった。彼らを、守りたかった。

  • 122スレ主 25/08/12(火) 23:56:02

    「……こうすれば平気?深呼吸して、大丈夫だから。そうそう、上手上手。」
    「………っごめ、僕また……」
    「大丈夫だって。……あんたを否定する人はどこにもいない、私が保証する。
    あんたが皆を信じられないなら、私があんたの分まで皆を信じてあげる。だから、私を信じて、相棒。
    …さっき、何を言おうとしたの?」

    こんなにも簡単に救われてしまう僕が、嫌で仕方がないけど、今なら声に出せる気がした。

    「………い…いっしょ、に…」
    「うん。」
    「勝手が、許されるなら、い、一緒に…君たちと……色々なところに行って、君たちと過ごした、日々を…っ思い出したい……!君たちの、そばにいたい…!」
    「よくできました。アグライア、今の全部聞いてたよね」
    「ええ、もちろん。…ファイノン。」
    「……っ!!…やだ、いやだ…!まだ言わないで!」
    「だ〜か〜ら!大丈夫だって!あんたが思っているような言葉は帰ってこないから!」

    「あなたの承諾を得られたのなら、私たちはいくらでもあなたに協力しましょう。あなたの恐怖が薄れるまで、何年でも。」
    「怖くなって突き放す?それなら俺たちが手を引いて戻してやればいいだけの話だ。」
    「怪我が治ったら、一緒に、色んな所へ行きましょう。真の黎明を迎えたオクヘイマを、一緒に巡って、たわいもない話をしましょう。」

    「ほらね。あんたが愛した、愛してる人達は、今どんな顔をしてる?」
    「…笑って、る…?」
    「もう、なんて顔してるの。抑え込む必要は無いんだから、泣いたっていいんじゃないの。」
    「……っ、…」

    気づいた時には涙が頬を伝っていた。蒸発しないんだ、なんて他人事のように思っていたら、色々なものが込み上げてきて、嗚咽が抑えられなくなって……最終的には恥も外聞もなく泣きじゃくった。こんなに涙を流したのは、いつ以来だろう。神火のもたらす激痛に耐え難くなった時?彼らを殺すことに疲れた時?

    ……今くらいは、何も考えなくて、いいのかな。
    ─────────────────
    載せていなかったトリビーとキャスを添えます

  • 123二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 00:01:12

    あ〜〜このまま良い話だったね、お終い。じゃダメですか??
    今からドン底に突き落とされるんですか?

  • 124二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 00:05:15

    相変わらずイラスト可愛い〜!
    ここから突き落とされるの逆にワクワクしてきたな…

  • 125二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 00:10:46

    そんな...ここから突き落とされるなんて.....

  • 126二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 03:17:17

    ビターエンドって確定してるのがわかってる状態で読むのもだいぶ怖いけど、これ結末がシークレットダイスで決められててスレ主以外わからない状態じゃなくてよかった
    仮にこっから怒涛に落とされて最後にビターエンドでした〜されるの、絶対苦しいだろうからわかってる分マシだと思いたい(バッドエンドじゃないからそこまでかもだけど)

  • 127二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 08:24:51

    ここからビターになるのか……えっ!今からでも入れる保険ってあるんですか?!

  • 128スレ主 25/08/13(水) 15:08:51

    コラボルーム凄かった
    ──────────────────
    「お〜い、相棒〜?うわっ?!」

    体から力が抜けたのか、こちら側にもたれかかってきた。彼と私とでは体格差が大きいせいで、踏ん張ることしか出来ない。

    「ええ?!ちょ、アナイクス手伝って!」
    「私はアナクサゴラスだと言ったはずです!」
    「ごめんって!でもほんとに潰れるから助けて…!」
    「……ねぇ、…」
    「どうしたの?」「何ですか?」
    「……あつい、つかれた。あたまいたい………ねむい……」

    開き直ったのか、はたまた私たちに弱みを見せても大丈夫だと思ったのか。どちらにせよ、こうして弱音を吐き出せるようになったのはいい傾向だろう。

    「もうちょっとだけ粘って!…うっそ…もう寝てる……」
    「誰かさんと同じ溜め込むタイプなら、休める時に休ませておくほうが効率的じゃない?」
    「……セファリア、一言余計ですよ」
    「別にライアのことだなんて一言も言ってないよ〜?」

    「あはは、もう…さっきまでの雰囲気が嘘みたい。」
    身体的疲労と、本音を吐き出したことによる心労が重なったためか、彼はすぐに眠ってしまった。
    久しぶりに穏やかに眠っている姿を見たような気がする。

    「目、冷やさないとな……起こすのはやめておこう。」
    「あとは、記憶だけですね」

    「その件はまた後で話してもいい?正直、私も結構疲れたし、休みたいかな……」
    「そうだね!一旦あたちたちも解散しよっか!」

  • 129二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 16:11:25

    「あとは記憶だけ」
    そ、そうですね…

  • 130二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 18:15:09

    思い出せないエンドなんだっけ、うーーーん怖い

  • 131二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 01:03:48

    保守

  • 132スレ主 25/08/14(木) 01:55:10

    開拓者は、雨が窓を叩く音で目を覚ました。


    「ん〜…、……雨うるさいな…」


    開拓者が視線を動かすと、彼はベッドの上で、胸元を抑えながら丸まっていた。言葉を発する余裕も無いようだ。


    「っごめん!…とりあえず、歯ぎしりはやめよう……?今から質問するから、肯定なら私の手を握って。…胸のあたりが痛いの?」 肯定。



    「熱くて痛い?」 肯定。

    「気持ちが不安定になったりした?」 否定。


    「お腹の傷は痛む?」 肯定。

    「腕は?」 否定。


    「他に違和感があるところはある?」 肯定。

    「頭痛?」 肯定。


    「…私の事、わかる?」 控えめに手を握られた。おそらく、記憶自体はないが情報事態は頭に入れている、と言う感じだろう。なら、確認は必要なさそうだ。


    しばらく彼の背中をさすっていると、すぅすぅと寝息が聞こえはじめた。顔を覗き込むと、穏やかではないが眠りにはつけたようだ。汗で張り付いた髪をのけてやる。


    「冷や汗が酷い…放置してたら風邪引いちゃうな…」


    拭ってやりたいが、さすがに異性となると躊躇する。頭が開拓の私にだって、ミリ程度の常識と良心はあるのだ。

    以前はアナイクスが居たからどうにかなったけど…。私がどうにかするしかないのか?


    「…いや、さすがに呼ぼう。呼ぶなら(ダイス結果)かな。アグライア以外オフにしてたみたいだし、大丈夫でしょ。」

    dice1d2=1 (1)

    1 モーディス 2 アナイクス

  • 133二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 07:31:28

    このレスは削除されています

  • 134二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 07:49:45

    モーディスーー!!助けてーー!!!

  • 135二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 12:06:25

    急に展開が変わってきたな、ドキドキですな

  • 136二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 18:10:46

    保守

  • 137スレ主 25/08/14(木) 19:37:45

    おかえり我らの地母神ダイス

    ──────────────────

    「連絡は見たよね?……ほんっっとうにごめん!!さすがに異性となると申し訳なさすぎる!!」

    「……お前に遠慮という概念があったのか」

    「失敬な!確かに普段の私は頭開拓だけど、遠慮はするよ!」

    「……?まぁいい。さっさと終わらせる。お前は一旦ここから出ろ。……なんだ、その不服そうな顔は」

    アグライア達に連絡だけでも入れておこう。壁に寄りかかってメッセージを打ち込んでいると、怒鳴り声と大きな物音が聞こえた。


    「どうしっ…!…ごめん、何これ?」


    扉が開くと、そこにはファイノンを押さえつけているモーディスの姿があった。


    「開拓者、聞きたいことがある。今日、こいつは何も確認していないのか?…おい、動くな。お前は仮にも病人だろう」

    「…っ病人を、こんな風に扱う人がいるのかい?初めて、知ったよ…」

    「えっと、私が起きた時はもう体調が悪化してたから分からない。けど、見てないことは無いはずだよ。毎朝すぐに確認してたし、今日は何もされてないから。」

    「そうか。……こいつは俺が触れた瞬間目を覚まし、腕を掴み引き寄せた後、側頭部を殴ろうとした。。衰弱しているとは言え、実戦経験のあるものでなければ避けられなかっただろうな」

    「っ、話の途中で…悪いんだけど、そこにいる女の子は…?その感じを見るに危険じゃないことは分かった。その、僕って…記憶喪失、だったりする?」


    記憶喪失だよ。とんでもない速さで記憶が飛んだし、おまけに今までは認識できていた黄金裔のことさえ覚えていない!


    「あ゛〜!ヘルタに連絡しないと!そんであんたはそこにある石版を確認して!」

    「その質問の答えはYesだ。前途多難どころではないな…」

    「わ、分かった…!…あ、道具は置いておいて!自分で出来るから。何が何だか分からないけど、ごめんね。」


    1 「寝て」 2 「起きて待ってて」

    開拓者 モーディス dice1d2=2 (2)

  • 138二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 21:59:27

    寝たら記憶飛ぶの!?
    モーディスで良かったね…

  • 139二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 23:03:09

    ほんとモーディスで良かった
    先生だったら拘束する前に銃が出てたかもな……

  • 140二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 23:42:30

    よかった寝ない…やっぱモスちゃんいるとダイスが最適解(多分)出してくるな…

  • 141スレ主 25/08/14(木) 23:59:25

    保守ありがとう!イベントアナちゃん呼びになってた…

    ──────────────────

    「全部終わったら寝ておくから、次は驚かないって約束する。本当に、迷惑をかけた。特に金髪の君…殴りかかってすまなかった。」

    「もう済んだことだ、気にするな。それと、俺のことはモーディスと呼べ。」

    「モーディス。…うん、覚えた!あ、名前といえば…僕の名前はファイノン…で合ってるよね?」

    「……あぁ、合っている。」

    「良かった…メモ帳に名前が書いてあったから僕の名前かな?って。口に出してみると結構しっくりくるね、この名前。」

    「さっき寝るって言ってたけど、一応寝ないで待ってて。あんたの記憶喪失は、寝ることが引き金になってるかもしれないから。それと私の名前は星!覚えておいて!」

    「分かった!う〜んと、星……星さんだね!分かった!」

    「さんは付けなくていいよ。私はみんなとかヘルタに連絡してくるから、あとは頼んだよ!」

    「分かった。」


    他でもない彼が言っていたのだから、予測は出来ていた。けれど、こんなにも早くその日が訪れるなんて思ってもいなかった。

    「……私たちがオンパロスから離れる日も近い、早く解決策を見つけないと」


    曇らせダイス

    開拓者 dice1d100=33 (33)

    モーディス dice1d100=27 (27)

    ■■■■■ dice1d1=1 (1)


    「……ねぇ、モーディス」

    「なんだ?」

    「メモ帳は見たんだけど…その、君たちから直接話が聞きたいんだ。……君たちのこと、僕のこと。教えてくれないかい?」

    「…あぁ、構わん。今日に限りいくらでも付き合ってやろう。」


    居残りのふたりは何か変な勝負とかした? dice1d3=2 (2)

    1 した 2 しようとした 3 してない

    持ちかけたのは? dice1d2=1 (1)

    1 白い方 2 金色の方

    本編も全部が終わったらワイワイして欲しいね

  • 142二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 00:01:54

    記憶ないのに変な勝負ふっかけようとしてて草

  • 143二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 00:20:32

    イラストめっちゃ良い……2人とも笑顔で嬉しい……
    ファイノン全然曇ってないの嵐の前触れすぎるけどとりあえず喜べる
    あとやっぱモスちゃんには地母神ついてるだろ

  • 144スレ主 25/08/15(金) 00:45:23

    完全にネタダイスだったのにしっかり本編してる…
    ─────────────────────
    アグライア達に連絡した後、界域アンカーを使ってヘルタとの通信を図った。

    「……君じゃなかったら、とっくに連絡を切ってるところだった。」
    「ごめん!模擬宇宙頑張るから許して!……ファイノンの記憶障害の原因ってわかってたりする?」
    「また記憶が消えたの?」

    開拓者は頷き、事の経緯を簡潔に説明した。

    「そう。質問に対する答えだけど、解明されていたならとっくに言ってる。それに、記憶はメモキーパーの管轄だって君たちもわかってるでしょ?」
    「ファイノンに限って諦めることはないと思うの。何がきっかけなのかも見当がつかなくて…」
    「ちょっと、聞いてるの?……はぁ、元々限界を超えて稼働していた脳が、昨日の時点で壊れてしまったとしたとしたら?
    あの子はその膨大な記憶を抱えながら生きていた。 おまけに鉄墓に統合までして……生きて会話ができるだけでも、奇跡だと思った方がいいと思うけど。

    "空白の自己認識に使命を詰め込んだ、罪悪感に苛まれた人間"…全てが終わり、許しを得てしまったら、その子には一体何が残るの?」
    「つまり、皆が真の意味で彼を受けいれたから、堰き止めていたのが決壊してしまったってこと?」
    「──人間が最も油断する瞬間って、いつだと思う?」

    「…まさかとは思うけど、私たちの行動が間違ってたなんて話じゃないよね?」
    「君にしては珍しいね、そんなことは一言も言っていないのに。残念だけど…定期的に聞いていた彼の様子だと、いずれ限界を迎えることになったはずだよ。心が潰れるのが先か、体が限界を迎えるのが先か……それだけ。」
    「もう、戻らないの?」
    「確率の話?限りなく低い、かな。推測が正しいか正しくないかの問題じゃない。失ったものが、完全に元通りになるなんてことがあると思うの?」
    「それでもこんなの、納得いかない…!」

    ヘルタは案外情に厚い。私の声を聞いて思うところがあったようだ。

    「…諦めろとは言わない。けど、君も理解しているはず。その道は茨の道なんて言葉で片付けられるものじゃないって。彼の仲間にも、そう伝えておいて。
    それと、これ以上時間を割く訳には行かないから、この件についてはもう連絡してこないで。」
    「……分かった。」

  • 145二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 01:14:44

    あれがトリガーだったのマジか…読んでるだけで辛いのに星のショックも相当だろうな…

  • 146二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 01:24:20

    悲しい…
    でも遅かれ早かれこうなってたなら記憶を失う前に仲間の赦しを得られたのはファイノンとしては幸せだったのかもね
    でも悲しい…

  • 147二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 07:31:27

    曇り度も低いしファイノン自身は幸せなのなら……とは割り切れない~~!!

  • 148二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 13:46:25

    >>141で記憶ないけどイラスト可愛いし和やかでいいな〜とか思ってたのに>>144で突き落とされた…

  • 149二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 19:16:42

    保守

  • 150二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:45:02

    >>146

    その考え好きですありがとう。

    辛いけど少し心が楽になった

  • 151スレ主 25/08/16(土) 05:16:55

    「…戻らないと。」
    二人が待っている。…きっと、今の私は酷い顔をしているだろう。

    「……ただいま。言わなきゃ行けないことがある。」

    やはり笑えてはいなかったようだ。

    「えっ…と。星さ……星、大丈夫かい?」
    「ごめん。心配させるつもりはなかった、本当に」
    「……何を聞いた?」
    「ごめんモーディス、今は言えない。……ファイノン、あんたに言わなきゃいけないことがある。」
    「僕のことについてだね?いいよ。」
    「簡潔に言うね。あんたがついさっき自覚した記憶障害だけど、それはズバリ悪化してる。賢い私の知り合いもお手上げだって。今回は記憶を失った原因も判らない。睡眠を取ったからか、単なる時間経過によるものか……だから」
    「いつか突然記憶を無くして、二度と会話が出来なくなるかもしれないって?」
    「…そういう、ことになる。」
    「そっか……ありがとう、教えてくれて。……不思議と恐怖は感じないんだ。だから、僕は大丈夫。」
    「あんたの大丈夫は聞き飽きたよ。ちなみに、一度も大丈夫な時なんてなかった。」
    「あはは、辛辣だな…記憶は無いんだけど……なんというか、心が軽いんだ。のしかかっていた重いものが無くなったような……」
    「……!!」
    「おい、本当に平気なのか?」
    「ごめん、いざ直面すると……。っ気にしないで、後で必ず話すから。」

    「えっと、深刻な事態だと理解した上での提案なんだけど…」
    「何……?」「なんだ?」
    「今日は1時間だけ眠ってみるからどちらかが起こして欲しい。……原因を探ってみないかい?」
    「確かに合理的だけど…!!」「お前……!!」
    「ちょ、そんな怖い顔しないでよ…!もうひとつ提案があるんだ!……君たちと一緒に街を巡って…記念撮影したいなって。あ、もちろん体調も万全にした上で。」
    「…残念だけど、私はあと5日でここを出なきゃ行けないんだよね」
    「えっ嘘?!えっと……なら、2日で治すから!3日で回ろう!!さすがに高熱は厳しいけど、単なる熱と痛みには耐えられるから平気だよ!」
    「……馬鹿…」「HKS…」

  • 152二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 05:30:52

    なるほど…記憶喪失じゃなく記憶障害だもんね…
    これからもファイノンは不定期に記憶をなくすかもしれないのか…

  • 153二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 12:13:54

    忘れてる方がファイノンは苦しまないのかもしれない…

  • 154二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:16:00

    5日かぁ、
    開拓者だから開拓しに行かなきゃだもんね

  • 155スレ主 25/08/16(土) 21:53:26

    「ごっ、ごめんって!だけどそれ以外に浮かばないだろ…?それに……その、君たちがいるから大丈夫かなって」

    今の彼は、仲間と認識した私たちに頼ることを恐れていない。あの頃とは大違いだ。

    「……協力しないと言ったら?」
    「君たちの知ってる"ファイノン"ならどうすると思う?きっと僕も同じことをするんじゃないかな」

    開拓者は長考し、長いため息をついた。

    「……はあ〜…分かった、一緒に怒られてあげる。」

    そこまで言うのなら仕方がない。時間は有限だ。今のうちに、最後の思い出を作ったほうがいいと判断した。モーディスはというと、「信じられない」といいたげな顔をしていた。

    「…本気か?今までのこいつの行動を振り返ってみろ、パニックに陥ったらどうするつもりだ?」
    「本気。…ちゃんと説明する。アグライアとアナイクスの説教を受ける覚悟は出来てるよ」
    「はぁ…同行するにしても、手綱を握る者が必要だろう?」
    「……!2人とも、ありがとう…!」
    「よし、決まり。…今日は1時間経ったら起こせばいいんだよね?」
    「うん、頼んだよ。あ、でもさすがに近くに人がいると寝られないから……」
    「分かってる。またしばらくしたら帰ってくるから。」
    ───────────────
    部屋を出て、少しだけ廊下を歩いた後、モーディスは開拓者に向き直り、問いかける。

    「それで、お前が大丈夫であると確信を持っている理由はなんだ」
    「それを説明するためには、まず今の状態を話す必要がある。……知り合い曰く、記憶障害は悪化することはあっても治ることはないって。
    この前、全員で話し合ったでしょ?それがきっかけで記憶を繋ぎ止めていた罪悪感が無くなったからじゃないか、って知り合いが言ってた。
    ファイノンが取り乱した原因は、ほとんどが罪悪感や恐怖によるものだった。でも今は違う。あの日…皆に許されて、受け入れられたから……」
    「なるほどな。俺達に対する恐怖が無くなった今、あいつがあの状態に陥る理由は無いと。」
    「うん。……記憶に関しては、私もいつか限界は来ていたんじゃないかって思う。だから最後に…」
    「無理に自分を納得させようとするな。あいつの現状には納得していない者の方が多いだろう。無論、俺もだ。」

  • 156二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:02:57

    正直記憶に関することはヘルタより記憶陣営に聞いた方が適切だと思うのでブラックスワンー!助けてくれー!

  • 157二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 02:06:59

    モーディスが良い奴すぎて惚れる

  • 158スレ主 25/08/17(日) 03:15:49

    彼が寝ていることを確かめてからアグライアに連絡し、その後は二人で3日後のことについて話し合った。


    「…そろそろ起こしに行かなきゃ。モーディス、行こう。」


    扉の向こうにいる彼は、ついさっきまでのことを覚えているだろうか?

    「お邪魔します……」

    とりあえず彼を起こそう。

    「おい、起きろ」

    「ん、おはよ…う…」

    「寝たままでいいよ。名前はわかる?私たちがあんたを起こしに来た理由は?」

    「えっと、…星、さんと…モーディス…。僕の、名前は…っ分からない、僕の、名前と…理由は……う、頭…ズキズキする…」

    「いいよ、止まって。あんたの名前はファイノンだよ。目的は、あんたの記憶が飛ぶ原因を探ること。この感じだと、睡眠、意識を飛ばすことは原因の一つと考えた方が良さそうだね。落ち着いてメモを確認して。今から説明するから。まず───」


    彼には3日後のことの全てを説明し、石版に残しておいてもらった。彼の体調以外の準備は整った、あとは待つだけだ。彼が完全に記憶を失う前に、最後の思い出を作ろう。



    シークレットダイスので4が出たので、意識を落とすことに加えて時間経過でも記憶が飛ぶかも……?

    最後のハプニングダイス それぞれ70以上で発動

    dice2d100=85 91 (176)

  • 159二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 03:18:30

    最後の最後でダイスくんさあ!!!!!
    大丈夫?ほんとにビターエンドですか?いやビターエンドは確定なのはわかるけどバッドエンドな空気しかしないよ

  • 160スレ主 25/08/17(日) 03:48:34

    全てを知った黄金裔達の曇り度合い dice7d100=45 8 85 4 8 62 40 (252)

    左からアグライア トリビー サフェル アナイクス

    モーディス キャストリス ヒアンシー です


    アグライアの説教 dice1d100=51 (51)

    アナイクスの説教 dice1d100=8 (8)

    曇り度合い70以上で補正+20です。数字が大きいほどキツい説教(了承はしてくれます)


    開拓者とモーディスは強制同行

    アグライア、トリビー、サフェルと向かう場所 dice1d2=2 (2)

    1雲石市場 2英雄のピュエロス

    アナイクス、キャストリス、ヒアンシーと向かう場所 dice1d2=2 (2)

    1 神悟の樹庭 2 黎明の崖

    最終日 エリュシオン

    ───────────────

    ついにきた想い出づくりの一日目。

    今日はアグライアとサフェル、トリビーとモーディスが来ることになっている。肝心のファイノンはというと───


    「待って、考え直して!アグライアが泡吹いて倒れるからやめて!!!」


    記憶が無いこと以外は特に変わりなかった。


    「え、ダメかい?なるべく好きな色をと思ったんだけど……」

    「責められない……けど、正直に言うと熱でもぶり返したのかと思うくらい壊滅的だよ!せめてこうして…」

    「わ、分かった!」「着るの手伝うよ。」

    「大丈…!…い、っ…」

    「急に立つから…手伝うよ。まだ動きにくいだろうし、そこに座ってて。」

    彼の着替えを手伝っていると、コンコンと軽いノックが聞こえてきた。

  • 161二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 11:05:53

    壊滅ファッションしようとしたなこいつ??

  • 162二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 11:16:16

    曇り度合いはトリビーモーディスアナイクスが一桁か…
    モーディスつっよ…

  • 163二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 11:35:29

    記憶無くしてもファッションセンスは変わらないのか…

  • 164スレ主 25/08/17(日) 14:49:46

    好きな色を詰め込みたい故の壊滅ファッションは健在であれ


    やっと準備を終えた開拓者は、トリビー達の入室を許した。

    「2人とも元気そうでよかった!」
    「二人共、息災で何よりです。」
    「2人とも久しぶり!今日はピュエロスへGOだよ〜!」
    「皆おはよう。全員揃ったなら出発だね」
    「星、モーディス…その、腕貸してほしい…」
    「いいよ。」「あぁ。」

    「ふぅ、おまたせ。行こっか」

    ───────────────
    「あ〜、平和なオクヘイマの雰囲気が身に染みる…」
    ここに来たのはあの一件があった時以来だ。彼はあの件について話すこと、この場に近づくことを恐れ忌避していたが、今の彼は平気なようだ。

    「みんな、楽しそうで何よりだ。」

    その皆を守ったうちの一人であるあんたはそんな状況なのに。あまりにも満たされた顔をするものだからこちらが参ってしまう。

    「…ほんとあんたは変わんないね」
    昇降機に向かう途中、視界の端に足を滑らせた子供が映った。

    「ッ危ない!!!」
    私たちがそれを認識した瞬間、もう彼は走り出していた。彼は子供を抱えたまま、勢いで体を強く打ちつけてしまった。


    これは訪問時の3人

  • 165スレ主 25/08/17(日) 15:03:49

    「……っ!君、大丈夫かい?」
    「ごっ、ごめんなさい!」
    「僕は平気だよ。次からは気をつけてね。」

    助けられた子供はペコペコと頭を下げながら走り去っていった。すぐに起き上がるかと思いきや、なかなか起き上がろうとしない。

    「頭打った?」「受身は、取れたから大丈夫…」
    「ファイちゃん、顔色が悪いよ?」
    「記憶をなくしていてもこの調子では早死にするだろうな。今日は中止にするか?」
    「ダメ、だ…!すぐに回復させる!君達に時間を割いてもらったんだから…!」
    「あたしも止めるよ。坊や、あんたの顔見てみなよ、青色通り越して真っ白じゃん」
    「……ピュエロスに向かい、やるべきことを終え次第すぐに休むこと。これに従うのなら、あなたを上に連れていきます。」
    「「なっ……」」
    「…は、…ははっ…理解してくれて助かるよ、アグライア。…2分だ、2分待ってくれ」

    壁を背に座り込んだファイノンを横目に、トリビーは頬を膨らませながらアグライアに声をかける。

    「…ライアちゃん。」「なんですか、師匠。」
    「あたち今怒ってるんだよ。でも、ライアちゃんには怒らない。…ライアちゃんも本当は休んでほちかったんでちょ?」
    「……はい。」「…なら、明日は全員であいつに説教だな」
    「あっはは!坊や聞いた?明日全員で説教だってさ!」
    「…許してくれないかい?」
    「ダメだね」「いいえ」「無理だな」「ダメ!」「ちなみに私もダメ〜、だから諦めて。」
    その後は何とかして写真を撮り、語らいの場を設けることが出来た。今は疲れ切ったのか、ぐっすり眠っている。

    「…また明日。ちゃんと休むんだよ」
    プリントアウトした写真と、メモ帳を彼の傍に置いておいた。

    今度こそあげ

  • 166二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 15:56:42

    イラスト可愛い!
    ファイノン頭ぶつけたの大丈夫なんですかね…

  • 167スレ主 25/08/17(日) 16:37:54

    どちらにせよ記憶は飛ぶので誤差です!!NGワード…
    ───────────────────
    今日は2日目。私たちは今、黎明の崖へ向かっている。日常に戻りつつある黄金裔たちが、ここへ足を運ぶことは減りつつあった。

    「はぁ。何が悲しくてこのような長い道を……」
    「昨日はあんなにもやる気に溢れていたのに、どうしちゃったんですか?」
    「それとこれとは別です!あの女、覚えておきなさい……」
    「カリュプソーも同じこと言ってたけど、理性の半神って代々文弱なの?」
    「知りませんよそんなこと、そもそも疲れてなどいません!……キャストリス、あなた何笑ってるんですか」
    「ふふっ……すみません…っ」

    口元に手を当て、くすくすと笑うキャストリスと、それを見てはにかむヒアンシー。対して不満気なアナイクス。

    「神などのためにわざわざこんな長い道を歩くなど…」
    「アナイクス先生、ここはその信仰者が沢山いるんだから…」
    「アナクサゴラスと呼びなさい。」
    「昨日と違って騒がしいな。……あの件があれば人も減っていると思ったんだが、おい。」
    「メンツがメンツだからね……それについてはまぁ、初めて襲撃を見た時も信仰が〜なんて言ってたから、納得はするかな……大丈夫?」
    「ここが半神議院です。もっと上に行けば──」

    アナイクスはそう呟きながら、後ろに目線をやった。
    「…一旦足を止めましょう、ヒアンシー。」
    「分かってます!」

    「…ようやく頼ることを覚えたようだな、上出来だ。傷が痛むのか?」
    「……」
    緩く首を縦に振った──肯定だ。
    モーディスに寄りかかりながら、あの日刺された部分を抑えていた。

  • 168スレ主 25/08/17(日) 16:46:23

    人目のつかない所へ連れていき、傷に障らないよう、ゆっくり座らせた。

    「…少し触りますよ。開いてはいないみたいです」
    「ごめん、ありが………ッ…」

    ほっと息をついたのも束の間。彼は突然、右腕の二の腕辺りを抑え始めた。もちろん、右腕は健在だが…恐らく彼に蓄積された身体の情報が、エラーを起こしたのだろう。

    「……はっ……は、……ぐ……」
    「右腕………そうか。爪を立てないで、あんたの腕はちゃんとあるよ。傷が付いちゃう。」

    見た目は普段通りでも、実際はどこもかしこもボロボロだ。とりあえず横になってもらおうと膝枕を試みる。

    「ここに頭を乗せて力を抜いて。大丈夫だよ、あんたの腕はちゃんとあるから。」
    「ゆっくり息を吐いてください」
    「……っ」
    「そう、上手。…もう今日はやめよう。でも、明日はエリュシオンに行く予定だから、もうここには来れない…写真だけお願いしてもいい? 」
    「分かりました。」
    「…あれ、もしかして吐きそう?」
    「だ、じょぶ、耐え、れる…」
    「サフェル呼んじゃう?」
    「あの方は便利屋ではありませんが…後で私から謝罪しておきます。少し待ってください。位置特定ができるように…あ、もう既読が──」

    さすが瞬速と言ったところか、少し不機嫌そうな顔をしたサフェルがこちらへズカズカと歩いてきた…尻尾も下がっている。

    「ちょっと引きこもり姫!あたしは便利屋じゃ……あ〜、なるほどね。その病人貸して、運ぶから。誰が同行するの?」
    「私とモーディス、それとヒアンシー。」
    「体が大きいと介抱も一苦労だね〜、分かった。3秒待ってて!それと、やっぱライオンちゃんを先にあの部屋に運ぶね…はい、手を出して。私は重い方から運びたいの。」
    「?あぁ───」

    モーディスとサフェルが消えた。

  • 169スレ主 25/08/17(日) 16:49:32

    2人を見送ったアナクサゴラスは呆れ顔だ。

    「…先にモーディスを運べば、何かがあっても一人で運ベるから という理由でしょう。」
    「素直じゃないなぁ……」
    「サフェル様はそういう所があるので…」
    「…顔に心配だ〜って書いてましたもんね」
    「ちょっと聞こえてるよ。はい、次はそこの坊や。……説教2回分、覚悟してよね。」
    「……うん」
    「うっわ、素直じゃん…!言質は取れたし、ライアにも言うからね。…今度おすすめの骨董品教えてよ。」

    また消えた。そうして、気づいた時にはヒアンシーがサフェルに抱えられていた。
    「では、私も先に行ってきますね。」
    「ねぇ、あたしがお嬢ちゃんのこと運ぶのって何回目?」
    「確か4回…?」「そんなに運んでた?まぁいっか、次はグレっちだからね〜!」

    また消えた。思うところがあったのか、キャストリスが視線を彷徨わせながら、口を開く。

    「そういえば、ファイノン様はご自身の趣味を覚えているのでしょうか?」
    「多分覚えてないね、名前も忘れてたし」
    「…つまりエリュシオンのことも?」
    「多分、覚えてない。けど、今日みたいに何かが起こるかもしれないから。……2人はどうする?」
    「私はアグライア様へ報告を。それと…いえ、これは今言うべきではないですね、忘れてください。」
    「私はあなたがたに任せて、樹庭へ戻ります。エリュシオンに関する資料ならいくつか宛があるので。」

    「グレっち〜!」
    「迎えが来たから行くね、今日はごめん、それとありがとう」
    「開拓者さん、また明日お会いしましょう。」
    「話、できなかったね。明日時間を取れるように采配するから…」
    「電話でもなんなりすればいいでしょう、とりあえず今は彼の回復に集中してください。」
    「そうしておく。ありがとうね、2人とも」

  • 170二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 00:03:29

    やっぱりどんどん悪化はしてるんだな…つらい

  • 171二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 00:07:25

    どんどん記憶失っていくって人格保てるのかな…
    最終的にどうなっちゃうんだファイノン…

  • 172スレ主 25/08/18(月) 01:16:20

    1度の瞬きの間に、もう扉の前へついた。サフェルにお礼を言い、扉を開ける。

    「体調はどう?」
    「げほっ!ゔっ………ぇっ…」
    「この通りです。腕の痛みが酷いみたいで…一旦方向転換してもらって、点滴を取りに行ってたんです」
    「…吐いたんだね」
    「先に運んでもらえて助かった、礼を言わないとな。…帰ってきてからずっとこれだ。」
    「替えの包帯と…新しいタオル取ってくるね。」
    「…っ!…ぐ、………は、げほっ!」
    「もう吐ききったか?今は回復に専念しろ。ここには専門医がいるのだからな。」
    「…でも、行かないと!」
    「もう、大人しく目を瞑っててください。そろそろ怒っちゃいますよ?」
    「だそうだ。あのヒアンシーを怒らせるなんて、と語り継がれることになるだろうな」
    「…でも!」
    「私たちがいます。大丈夫ですよ、眠るのが怖いなら、手を。」
    「何があっても大丈夫だ、俺が抑え込む。安心して眠れ。」
    「………そ、か…」

    「……寝たか」
    「…寝てくれましたね。…今日は4人でお泊まり、ですか?交代で見張りましょう」
    「お泊まり…?概ね間違いではないが…まぁ、そういうことになるな。」

    「───あ、もう寝てる?」
    「帰ったか。」
    「ふふっ、それはもうぐっすりと。休ませてあげましょう。グレーたんも、しっかり休んでくださいね?」
    「うん、分かってるよ。」

    ついに明日、私はオンパロスを去ることになる。
    ────────────────────────
    全部書き終わったので、あとは投下するだけです〜!

  • 173スレ主 25/08/18(月) 01:30:49

    ついに最終日だ。 ……といっても、明らかに出かけられるような体調ではなかったため、部屋で療養することになったのだが。

    「具合はどう?自分のこと、私たちのことはわかる?」
    「…全く、分からない。具合は…特に悪いところはないよ」
    「良かった。でも、絶対安静だよ。夕方頃に皆が来るから、情報の確認も忘れないでね」
    「今日の予定は無くなったからな。…開拓者、今日の夜にお前はここを発つのだろう?伝えておきたいことは無いのか?」

    言い残しておきたいこと、か。いざ別れの時間が近づいてくるとなると、言葉がスラスラ出てくるものかと思いきや、そんなことはないようだ。
    開拓者が言いあぐねていると、ファイノンの石版の通知が鳴った。

    「なんだ?……通話?」
    「えっと、何……キャストリス…さん、から?」
    「キャスたんがビデオ通話なんて珍しいですね…とりあえず出ましょう!私が持ちます!」

    『あ、あー。マイクテス、マイクテス……私の声は聞こえていますか?』
    「聞こえているぞ。何かあったのか?」
    『!よかった、ありがとうございます。突然すみません…その、なぜビデオ通話にしたかと言うと、……切り替えますね』

    タップ音が聞こえたのと同時に、画面にはエリュシオンの景色が広がっていた。

    「エリュシオン…!もしかして1人で?」
    『はい、アグライア様からの許可も得ています。開拓者さんのいるうちに、この景色を…ファイノン様、他でもないあなたに見てもらいたかったのです。』
    「エリュ、シオン……僕に……?」
    『私に出来ることは何かと考えた結果、こうするべきなのではないかと思って……ファイノン様?』
    「あ、あ……!そうだ、ずっと…そこに、帰りたかった…!行きたかったんだ!」
    『…ふふっ、ここがどこか分かったみたいですね。どこか、巡りたいところはありますか?どこでも、あなたを連れていきましょう。』

    思い出したの?とは聞かない。今はその気持ちに浸らせてあげよう、言葉を挟まずに見守ることに徹しよう──3人は同じように考えた。

  • 174スレ主 25/08/18(月) 02:51:47

    「僕の中にあった、心残りは…っ…父さんと、母さんに……リウィアと、ペソも…」
    「…ええ、1人ずつ探しましょうか。あなたの家は、何処にあったのですか?心当たりでも構いません。」
    「……湖から、右の坂を登ったところ…」
    「分かりました。……あの白髪の方でしょうか?」
    「っその人…!母さん…、生きてたんだ…っ良かった……!」
    「話しかけますか?」
    「…え、…それは……きっと、僕の姿を見たら、母さんたちは…」
    「話しときなよ、今のうちに。…思い出せるうちに」
    「グレーたんの言う通りです。後悔しないように、今話しましょう。」
    「なら、お願い…します。」
    「心得ました!声をかけてきますね。少しお待ちください。」

    キャストリスのファインプレーの甲斐あって、"最後の心残り"が無くなった。彼が救われたことを幸せと捉えるか、彼が記憶を失うことを不幸と捉えるか。それは人それぞれだ。
    ぼろぼろと涙を零しながらでも…彼が幸せだと笑っているのなら、今はそれでいいだろう。

    "心残り、ね。それが無くなったら、あんたはどうなるの?" その言葉は、今はまだ。
    ───────────────────
    「───と、言うわけで。あと1時間でここを出なくちゃいけないわけだけど……。皆に伝えたいことは全部伝えた。
    ……相棒。思い出してるんでしょ?」
    そう言われた"彼"は私たちの知っている顔、仕草で『気まずいです』というような表情を浮かべる。

    「…あはは、ちゃんと言うつもりだったのに、先を越されちゃった。何となくわかってるんだ、きっと今日がまともに話せる最後だって。奇跡もいいところだよね。最後の最後で、こうして言葉を残せるなんて。」
    「記憶が戻って始めて奇跡っていうんじゃないの?」
    「…ははっ、君にしては随分と悲観的だね?相棒。」
    「っ、ずるいよ…そんなの言われたら」

    「…十分だよ。これ以上望んだら、天罰が下る。それに、記憶がなくなっても……この気持ちは、絶対に忘れないから。…今の僕は幸せだよ、どうしようもないくらい。だって、ようやく僕は君たちを頼れたんだ。もう怖くない、大丈夫さ。ちゃんと残ってるよ。」

    彼は自分の胸にある温もりを確かめるように、手を当ててゆっくりと目を瞑る。

  • 175二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 03:10:55

    悲しいなぁ

  • 176二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 10:20:00

    これはビターですねぇ…

  • 177二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 18:01:22

    保守…

  • 178二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 18:27:59

    もう終わっちゃうのかここ…悲しいなぁ

  • 179スレ主 25/08/19(火) 00:36:20

    「きっと、明日の僕は今までとは違う。いい意味でも、悪い意味でも。
    だから、これで最後だ。…"僕"としてお別れを言わせてくれ。今は…ただ聞いて欲しいんだ


    ───アグライア、君の弟子になれて光栄だった。僕が言えたことじゃないけど…なるべく無理をしないで欲しい。 …僕をこの街に連れてきてくれてありがとう。僕は君に、救われたんだよ。

    モーディス、君と友人になれてよかった。もし記憶が戻っている僕が居たら、僕の持ちかけた勝負に付き合ってくれると嬉しいな。
    それと、ピュエロスにも変わらず付き合ってよ。

    トリビー先生。先生は僕が行き過ぎた時に、いつも叱ってくれたよね。だから、これからも僕が道を踏み外しそうになったら…また叱ってくれないかい?

    アナイクス先生。134回の輪廻のとき、僕を案じてくれて嬉しかった。先生は素直じゃないけど、僕達を想ってくれていることは伝わってたよ。……ただ、研究にのめり込んで自分の体を使うのはやめて欲しい。

    ヒアンシー、君が僕を治すと言ってくれた、2357万回目の輪廻の時…君のおかげで、止まりかけていた足を前に出すことが出来たんだ。本当にありがとう。…君は立派な医者だ。僕の心は、ちゃんと治ったんだよ。

    サフェルさん、君と話したのはほんの少しだったからあまり言葉が出てこないんだけど…君はそんな態度をしていながら、利他的で正義感が強い。…それに加えて、肝心なところで詰めが甘い。これからは気を付けてね。

    キャストリスさん、今日の件は心から感謝しているよ。最後に、父さんと母さんと話せて幸せだった。……僕を引きめようとしてくれて、ありがとう。君のその優しさが、二度と君を傷つけることがありませんように。

    そして相棒。君のおかげで、あの徒労に意味があるんだと思えた。こうして、仲間たちと話せているのも君たちのおかげだ。
    いつかまた、この星に来てくれたら…天外の冒険について聞かせてくれないかい?

    最後に、…今までの君たちに。僕は、罪の器として生まれ落ちたけど…間違いなく君たちのことを愛してた。
    何度繰り返しても、その度に君たちが好きになるんだ。
    記憶がなくなっても、ずっと…ずっと君たちのことが大好きだよ」

    そう言いきった彼は、私たちの知っている笑顔を見せた。言われた側はたまったものではない。

    「あっ!相棒がトリビーとヒアンシー泣かせた〜!」

  • 180スレ主 保守ありがとう25/08/19(火) 00:53:05

    ヒアンシーは震えた声で言葉を紡ぐ。

    「ぜ、絶対に…!あなたの記憶も元通りにしてみせます…!どれだけ長くなっても、絶対!」
    「えっ?!え…?!えっと、気長に待って…いや、次は僕が待たせるのか…その、きっと茨の道なんてものじゃないし、それでも君たちは僕に手を差し伸べてくれるのかい?」
    「それは聞くだけ野暮じゃない?」
    「それもそうか…。相棒、これからは僕たちで頑張るから、君は帰るべき場所に帰って旅を続けてくれ。もう時間なんだろ?…さようならだ、相棒。」
    「さようならじゃないよ、また明日でしょ?……覚悟してよね、あの時以上に大泣させてやるんだから」
    「ははっ!さすがに恥ずかしいから勘弁して欲しいかなぁ。…うん、また明日。」
    「絶対顔を出すから、忘れないでよね!」
    「うん!ほら、君たちは見送ってきなよ。僕はここで待ってるか──わっ?!モーディス!?」
    「…お前が動けないなら、俺が運べばいい。」
    「ちょっ!降ろしてくれよ!さすがに俵担ぎは恥ずかしいって……!」
    「腹の傷は塞がっているから平気だろう?誤魔化した罰だ。」

    黄金裔一行と、開拓者は界域アンカーを使って列車の前に着いた。

    「ごめん、おまたせ!」
    「…遅い。」「なにかトラブルでもあったんじゃないかって心配したんだから!丹恒なんか、心配ですって顔でソワソワして「それは言わなくていい。」…えぇっ!?」


    「ようやく来───?!」
    「あらヴェルト、どうしたの?」
    「っいや、なんでもない。そこの、白髪の者が……」
    「わ゛ーっ!白髪って僕しかいないじゃないか!穴があったら入りたい…!」
    「穴ならあるよ、ほら。」
    「さりげなくゴミ箱に入れようとするな…」

    モーディスとやいのやいの言い合っていたファイノンは、ようやく降りる許可を貰えたようだ。

    「…やっと降ろしてもらえた…もう、ちゃんと掴まってるから大丈夫だよ。丹恒以外の方は、初めましてかな。…迷惑をかけてしまって本当にすまなかった。それと、オンパロスを救ってくれてありがとう。」

  • 181スレ主 25/08/19(火) 01:01:43

    「…どう?人違いだった?」
    「人違いではあるが、似てはいるな」
    「その、君たちの指す誰かのことは存じ上げないけど……またこの星に来ることがあったら、是非オクヘイマに来て欲しい。素敵なところなんだ。」
    「…あぁ、考えておくとしよう。」
    「良かった。…モーディス、あとは、おね、が……」
    「あぁ、休んでいろ。」

    開拓者はモーディスに支えられている相棒に近づき、目を合わせられるように身をかがめた。
    「行ってくるね。」 「うん」
    「ちゃんと休んでね。」 「…うん」
    「本当にお疲れ様、相棒。もう無理しないでね」
    「…っ、うん……」

    「───よし、それじゃあ……必ず来るから!!行ってきます!!」
    開拓者が乗り込んだ列車が、オンパロスを去っていった。

    「ばいばい、星穹列車、相棒……」
    「もう行った、眠っていいぞ。」
    「うん…ねぇ、みんな」
    「皆さん、静かに。聞いていますよ。」
    「大好きだよ、僕が、思い出すまで……待って…て、…………。」

    その言葉を最後にして、ファイノンは眠りについた。

    「寝ちゃったね。」
    「…ああ。」
    「待つことは研究の基本です、何年でも待ってあげるとしましょう」
    「今度は私たちの番、という訳ですね」

    彼の言った通り、それ以降彼の記憶が戻ることはなかったそうだ。恐らく、これからもその機会には恵まれないだろう。

  • 182二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 01:32:48

    切ないけど面白かった…
    ありがとうイッチ

  • 183二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 01:54:34

    切なさ、悲しみ、感動。全部の感情で泣いた。

    本編はまだ1レス程度あるのかな…?

  • 184スレ主 25/08/19(火) 02:12:35

    書きたくなった後日談です
    ────────────
    私たちがオクヘイマを離れてから■ヶ月が経った。
    そっちに行ってもいい?とアグライアに連絡し、承諾を得ることが出来た。
    だが、その文面に"彼の記憶は戻っていません。くれぐれも彼が『救世主』であることを教えないように。過度な詮索もしないでいただけると助かります"と注釈が付いていた。
    ───────────────
    「…私はアグライアから招かれた、星穹列車の星。よろしくね。」
    「君がアグライアの客人だね、初めまして。
    僕は───」

    僕はファイノン。定期的に記憶をなくしてしまうらしいから、留意しておいてくれると助かるよ。らしい、というのは覚えていないことさえ覚えていないからで……医者も、外の人もお手上げなんだって。

    え、僕のことを知りたい?…うん、構わないよ。
    このメモ帳達と、石版に保存された文章たち。これを読み切ることで、僕の一日が始まるんだ。疲れたりはしないよ、文字を読むことには慣れているんだ!どうしてかと言うと……あれ、どうして、だったかな?

    話を戻そうか。僕の生活についてなんだけど、話す上でどうしても欠かせない人達がいてね。…毎日、僕に話を聞かせてくれる人たちがいるんだ。『黄金裔』って言うんだって。誰が来るのかは当番制みたいで、1、2……7日前?…担当はアグライア。…なんでこんなに日が空いてるんだ?

    ん?あぁ、これは占いの本だって聞いたよ。ここにカードが挟まれてるだろ?でも、注釈文が変だし、1枚だけ空白のカードがあるから半信半疑なんだよね……もしこれが本当に占いの本なら、この『救世主』の空白はどういう意味なんだろうね?自由、とかかな?
    ……あれ、あんまり聞きたくなかった?


    「───相棒、」
    「……え?あの、その…アグライアが僕に会わせる時点で不思議だったんだけど、君はこの星に来たことが……いや。僕を知ってるの?」
    「……うん。その救世主のカードが何を意味しているのかも、知ってる。」
    「えっ、これの意味も知っているのかい?これはちゃんとした占いのカード?」
    「うん。『救世主』の大切な友達が、持っていた占いの本だよ。そして、その『救世主』だけど───

    最後まで運命に抗い…世界を守り抜いた、どうしようもなく諦めが悪くて、無謀で優しい。仲間と、世界を愛していた…等身大の、普通の男の子だったよ。」

  • 185スレ主 25/08/19(火) 02:16:19

    「……へぇ、僕も小さい頃はそんな人になれたらなって夢想してた…はずなんだ。いつか、僕もそんな人になれるかな?」
    「……うん、っうん。きっとなれるよ。」
    「…君、ずっと悲しそうだ。本当に大丈夫かい?」
    「大丈夫、ほんとに大丈夫…。あんたに似てるんだ、その『救世主』が。」
    「えっ?僕はそんな大層な人間じゃないよ……!なんでか分からないけど、僕はそんなことを言われるにふさわしくない人間な気がするんだ。一昨日来た人の話を聞くに…僕は世界にとって、良くないものみたいだし。」
    「そんなことないよ。『救世主』も、最初はそう言ってたし、言われてた。だけど、彼は厄災なんかじゃなかった。世界を救った英雄の1人だった。」
    「なんか、随分と具体的だね?」
    「あははっ、だって彼は大切なあ……やっぱり秘密。」
    「え?!『救世主』が何者か教えてくれないのかい?!」

    「お待たせしました。」
    「「アグライア!」」
    「そこの貴賓の方、こちらへ。あなたはしばらく待っていてください」
    「うん、分かった。」

    「先程は、よく堪えてくれましたね。」
    「危うく言っちゃうところだった……記憶が戻る気配はなさそう?この前紹介したメモキーパーはどうだった?」
    「……それが7日前です。貴方なら何があったのか、分かりますね?」
    「あ、そういうこと…」
    「記憶については、戻ってはすぐに忘れての繰り返しです。…ですが、私たちは諦めるつもりはありません。他の方法を探すまでです。愚かと言われても関係ありません。」
    「さすがだね。私の設定は過去に来た古い友人って感じでいい?」
    「…ええ、お願いします。彼は会話を好んでいました。話し相手が増えて、きっと喜んでいるでしょう」
    「わかった、あんたがそう望むなら。」
    「本当に、申し訳ないと思っています。……それでも、承諾して下さったあなたに、心からの感謝を。」

    アグライアに連れられ、黄金裔のみんなと久しぶりに話をした。みんな元気そうで何よりだ。話を聞いていると、ファイノンの危惧していた心配事が改善されているように思えた。

    しばらくして彼の待っている病室へ戻り、外の世界のことを沢山聞かせて、笑いあって、和気あいあいとした時間を過ごした。でも、今回は少しだけしか時間が無い。

  • 186スレ主 25/08/19(火) 02:21:18

    この時間が名残惜しい。

    「そろそろ帰らないと。」
    「もう帰っちゃうんだね、寂しいなぁ..君と僕は似てる者同士だし、気が合うと思ってたのに……」
    「また来るよ。絶対に。」
    「うん、分かった。君のこと……忘れないとは言えないけど、何度でも思い出すから。待ってるよ、ずっと。」
    「……もうずっとはないよ、相棒。…じゃあね、また明日!」

    開拓者はオンパロスに、黄金裔に、ファイノンという名の青年に別れを告げた。

    「不思議な人だったね、あの子、また来てくれるかな?」
    「あの方はきっと……"また"あなたに会いに来てくれますよ」
    「…うん。星が綺麗だね、アグライア」
    「えぇ。」


    彼の記憶が戻ることはないのかもしれない。
    けれど、黄金裔たちは彼と同じように諦めが悪いのだ。きっと、何度も、何度でも……"初めまして"を言うのだろう。

    黄金裔は、彼を思い出さない。彼を忘れたりはしないから。
    彼は忘れてしまう。けれど、何度でも黄金裔のことを思い出す。

    最初から結末を知っていて尚、彼らは同じ選択をするのだろう。
    彼は、黄金裔を愛していたから。
    そして、彼の愛した黄金裔も、彼を愛しているから。
    ──────────────────
    おしまい
    ビターエンド、これにて完成!
    というわけで完走です!!長い間お付き合いいただきありがとうございました!!
    また何か思いついたらスレ立てするかもです!!

  • 187スレ主 25/08/19(火) 02:48:57

    どこかに居たかもしれないニコニコピースノンを添えます
    笑顔が似合う男の子は素敵なひとだって相場が決まってる

  • 188二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 03:28:13

    完走おめでとうございます!!
    1スレ目から見守っていましたが、記憶を喪う事は辛くても紆余曲折ありながら最後の最後に今まで抱え込んでいた荷物をやっと下ろせたのは良かったのだと信じています。
    ありがとうファイノン。また明日になっても君の素敵な笑顔が見れますように

  • 189二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 12:52:36

    完走おめでとうございます!!
    このスレでファイノンを見守る事がここ最近の日課でした。すごく絶妙なビターエンドになってて、流石スレ主…!

    いつかまた見れることを楽しみにしてます、お疲れ様でした!

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