ウマ娘昔ばなし『わらしべ長者』

  • 1読み手25/07/29(火) 20:46:57

    昔々あるところにそれはそれは貧乏な1人の男がおりました。


    貧乏な男 dice1d130=109 (109)

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:48:15

    あらいらっしゃい!
    ご無沙汰じゃないすか!

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:49:01

    貧乏ダンツ…
    きっとみんなに分けまくってるせいだろうな

  • 4読み手25/07/29(火) 20:54:29

    男は毎日毎日真面目に一生懸命働いていましたが、人が良すぎて周囲の人間に食べ物などを分け与えたり奢ってあげたりしてあげていたせいで一向に貧乏生活から抜け出すことが出来ませんでした。

    「うーん…今日もまたあわご飯…。毎回止めようとは思ってるけど、困ってる人が居るからなぁ…」

    自分の性根にはどうしても逆らえない男はある日の帰り道にとある神社の前を通りました。

    「そうだ!仏様にご相談してみよう!いや、でも…うーん…どういうご相談にすればいいんだろう…。こうなってるのは自分のせいなわけだし…うーん……」

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:55:55

    待ってました!

  • 6読み手25/07/29(火) 20:56:38

    男はしばらく悩んだ後、手を合わせて仏様にお願いをしました。


    「困ってる人がなくなりますように!」


    すると男のお願いを聞いた仏様が男に語りかけてきました。


    仏様 dice1d130=130 (130)

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:57:38

    自己犠牲の塊みたいな仏様来ちゃったよ

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 20:58:22

    ブーケ菩薩様…

  • 9読み手25/07/29(火) 21:03:20

    「こんにちは…」
    「あ!こんにちは!」
    「お願い…聞きましたよ。自分の事ではなく他人の為に願う…。とても素晴らしいことだと思います」
    「えへへ…ありがとうございます!」
    「ではそのお願いを叶えてあげましょう。でも物事には全て段階があるのです」
    「段階?」
    「はい。まずこの神社から出てから初めて触れたものを大切に大切に持ち続けて旅に出てみるといいでしょう」
    「分かりました!やってみます!」

    男が元気良く返すとそれっきり声は聞こえなくなりました。
    男が顔を見上げると仏様がニコリと笑ったように見えました。

  • 10読み手25/07/29(火) 21:08:00

    「よーし!大切にするぞー!」

    男が決意を新たに神社から旅立とうとすると、うっかり石畳で一段ほど段差があることを忘れてしまい神社から出た直後に転んでしまいました。

    「イタタタ……あっ!」

    転んだ男はつい入口の傍に生えていた一本のわらしべを掴んでいました。

    「触れちゃったや…。じゃあ、これを持って旅に出るんだね」

    男はわらしべを持つことを受け入れて、取り敢えず行ったことのない道に向かって旅をすることにしました。

  • 11読み手25/07/29(火) 21:09:43

    男が旅に出た直後、顔の周りを1匹の大きなアブが飛び回り始めました。


    アブ dice1d130=16 (16)

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:11:12

    ブ(ライ)ア(ン)を逆にして…(こじつけ)

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:11:54

    強そうなアブだ

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:13:19

    >>13

    何か蜂をねじ伏せてそうなアブ

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:15:39

    藁ちぎって脱出するだろこのアブ

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:16:24

    このアブの食性は少なくとも植物関係じゃなさそう

  • 17読み手25/07/29(火) 21:18:52

    「……ブーン…ブーン…」
    「わあっ!大きなアブ!」
    「肉…肉…」
    「うー…ずっと付いてくるよ〜…」

    男はアブに苦しんでいましたが、あっちへ行くように払っていたわらしべの先に偶然アブが引っかかり、それっきりアブは大人しくなりました。

    「あ、すごい!これも仏様のおかげ!?」
    「肉…肉…」

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:20:06

    まぁ、獲物となる虫さえ見つければおとなしくなるだろ!…多分。

  • 19読み手25/07/29(火) 21:22:16

    男が先端にアブの付いたわらしべを持って旅を続けていると、大泣きする男の子とそれをあやすお母さんが道の端の方で困っていました。

    男は困っている人を放っておけないので声をかけることにしました。


    お母さん dice1d130=45 (45)

    男の子 dice1d130=94 (94)

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:23:15

    お母さん役ドンピシャじゃん

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:24:03

    母も子どもも違和感ないな

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:25:20

    ママでちゅよ〜〜

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:28:05

    そういえばこの人ダイス神に愛されてたわ

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:35:22

    まぁトレーナー居ないタップはオギャってるようなもんだしな…

  • 25読み手25/07/29(火) 21:36:53

    「は〜い!ママでちゅよ〜。泣き止みまちょうね〜」
    「Nooooo!!!!! Nooooo!!!!!」
    「どうかなさいましたか…?」
    「あら、すみません…。この子、泣き止まなくって…」
    「Nooooo!!!!! Nooooo!!!!!」
    「う〜ん…どうしたらいいんでしょうか…」

    すると男の子はアブが垂れ下がったわらしべの方を凝視すると泣き止みました。

    「肉…」
    「……! ROMAN…!」
    「あ!泣き止みました〜!このお兄さんが持ってるこれが良いのかな〜?」
    「YES…!」
    「すみませ〜ん…よければこれ、この子の為にもお譲りいただくことって出来ますかね…?」
    「あ、すみません…!これ、仏様から手放しちゃダメって言われてて…」
    「Nooooo!!!!! Nooooo!!!!!」
    「あぁっ…」
    「あぁっ…」
    「肉…」

    助けてあげたいのは山々だが、仏様の言いつけも守らなくてはいけないので男が困っているとお母さんはある提案をしました。

    「それじゃあ、このミカンと物々交換なんてどうでしょう?」
    「物々交換ですか…うぅ…どうしてもと言うなら…仕方ないですね…」

    男はお母さんにアブの垂れ下がったわらしべを渡し、代わりに一つのミカンを貰いました。

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:37:45

    泣きかたそれでいいのかタップよ

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:38:12

    ROMAN…!じゃねぇよ

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:38:31

    この時代の英語なんて赤ん坊がバブバブ言っているようなもんだからセーフだろ

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:40:35

    赤ちゃんめっちゃ外国人でウケる

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:40:53

    >>ROMAN…!

    どこの奥州筆頭だよ

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:42:02

    外国の赤ちゃんってそもそも「Nooooo!」って泣くの?

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:42:52

    >>31

    泣かねぇよ!

  • 33読み手25/07/29(火) 21:46:13

    「ROMAN!ROMAN!Let's dance!」
    「肉…肉…」
    「B・B・Q…!」
    「あら〜良かったでちゅね〜!本当にありがとうございました…!でも…言いつけも破らせてしまって…」
    「いいんです!困ってる人を助けれたので!次はこのミカンを大切に持って旅に出ようと思います」
    「すみませんでしたわざわざ…。お気を付けて…!」
    「See you!」

    男はわらしべを揺らして喜ぶ男の子を見て、晴れるような笑顔になりました。

  • 34読み手25/07/29(火) 21:48:14

    男が交換したミカンを持って旅を続けていると、道端に座り込んでいる男に出会いました。


    座り込んでいる男 dice1d130=63 (63)

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:48:31

    このアブさっきから肉肉言ってるけど大丈夫か?
    バイオ的な人食い虻とかじゃない?

  • 36読み手25/07/29(火) 21:54:55

    「はぁ…計算を誤りました…」
    「どうなさいました?」
    「あぁ、すみませんこんなところを見せてしまって。今日は山菜を獲りに山へ5回入って、今から田植えを10セットするつもりだったのですが水筒を家に忘れてしまって…。喉が渇いてしまったのです」
    「それはお疲れ様です…!最近は暑いですからね…」
    「取りに行こうにも、私の家は山を2つ超えた先…流石に難しいです。川の水でも飲もうかとも思いましたが最近は暑すぎて水が干上がってしまっていてどうにも…」

    座り込む男は目の焦点が微妙に定まっておらず、今にも倒れてしまいそうでした。

  • 37二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:57:33

    計算間違えたとかのレベルじゃないと思うんですけど

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:00:51

    わらしべ長者時代の暑さならわからんが、現代の酷暑で山菜取りを水分補給無しでやるってだいぶまずいのでは?

  • 39読み手25/07/29(火) 22:04:52

    「じゃあ、このミカンを絞ってジュースにして飲みますか…?」


    座り込む男に貰ったミカンを男が差し出すと、先ほどまで合っていなかった男の目の焦点がピッタリ合って、どこかキラキラしているようにも見えました。


    「いいんですか…!」

    「はい!どうぞ!」

    「ありがとうございます…!」


    座り込んでいた男は立ち上がると、ミカンを一瞬で握り潰してジュースにして勢いよく飲み始めました。

    喉を通るミカンジュースの音が辺りに響くような勢いでした。


    「ぷはぁ……!本当にありがとうございます…!このお礼、なんと申し上げたらいいのか…」

    「いえいえ!全然全然!あなたが困っていたんですから!」

    「いえ、お礼をさせて下さい!そうですね…では、水筒を取ってくるついでに家から>>43を持って来てお譲りいたします」

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:06:51

    メガネ

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:07:12

    蹄鉄

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:07:41

    勝負服

  • 43二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:08:05

    クソ高え反物

  • 44二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:08:26

    あ、原作通り

  • 45二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:09:47

    ダイスも安価も荒ぶらない、平和だ

  • 46読み手25/07/29(火) 22:13:02

    では、水筒を取ってくるついでに家からクソ高え反物を持って来てお譲りいたします」
    「ええ!?急に口調が変わったけど……そんな言葉の時点で高そうなもの、いいんですか…?」
    「ええ!是非是非!貴方は命の恩人ですから!では、行ってきます!」

    元気になった男は山を2つ越えた先の家に一瞬で戻り、先ほどのところまで一瞬で帰って来ました。

    「どうぞ!クソ高え反物です!」
    「わぁ…!ありがとうございます…!」

    男は緑色を基調とした綺麗でいかにも高そうな反物をプレゼントしてくれた。

    「あっ、水筒忘れました」
    「……大丈夫かなぁ…」

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:14:31

    安価に忠実だからイクノが「クソ高え反物」って言ってくるのじわじわくる

  • 48読み手25/07/29(火) 22:15:54

    「いやぁ…ただのわらしべがこんな高そうな反物になっちゃったや…どうしようかな…」


    男が反物を持って旅を続けていると困った様子の侍が道に立っていました。


    侍 dice1d130=69 (69)

  • 49二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:20:15

    馬どうするんだろ

  • 50読み手25/07/29(火) 22:20:35

    「どうにかなりませんか…?」

    「どうなされました?」

    「あら、見苦しい姿を見せてしまいました。少し向かうところがあるのですが同行している彼女の様子がおかしくて…このまま置いていくかを皆で話し合っておりました」


    男が侍の見ていた方に目をやると、そこにはとても疲れた様子のウマ娘と彼女を心配する侍の家来たちの姿がありました。


    疲れたウマ娘 dice1d130=25 (25)

    家来A dice1d130=125 (125)

    家来B dice1d130=56 (56)

  • 51二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:22:49

    このレスは削除されています

  • 52二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:24:05

    なるほど、体調の優れないウマ娘なら辻褄バッチリだ

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:24:59

    コーヒー不足かな?

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:29:00

    別の意味でもつかれてません?

  • 55読み手25/07/29(火) 22:34:39

    「はぁ…はぁ……」
    「どうしちゃったのかしら…。いつも言葉少なではあるけどここまで黙りこくっちゃうだなんて…」
    「ムムム…これは…!霊障の類いなのではないでしょうか!!!」
    「あまり大きい声を出してあげない方がよろしいかと…」
    「すみません!!!」

    どうやら荷物を運んでいたウマ娘が疲れてその場で座り込んでしまっているようです。
    しかし家来たちによると旅立ったのはつい2〜3分ほど前。ほんの目と鼻の先だと言うのですが、疲れた訳を聞いてもウマ娘は何故か答えてくれません。

    「あわわわわアルダン様どうしましょう!?このままでは謁見に遅れてしまって私たち共々打ち首に……!!!」
    「…仕方ないわ。この子はここに置いて、わたしたちで荷物を持って向かいましょう。口も効いてくれないし、知らないうちに何か無理をさせてしまったんだわ」
    「しかし…この子は度重なる功績が認められ、お館様へ献上する予定でもあった子です…。そう易々と置いていくわけには…」
    「でも荷物と一緒に担ぐのも無理よ」
    「ムウウウ…!ど、どうすればいいんでしょうか!?な、なにか…代わりになる献上品か何かは…!?」
    「そんなものあったらとっくに考えてるわよ…」

    焦りからか喧嘩になりかけていた3人に割り込むように、男は「あの!」と声をかけました。

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:35:39

    うるさそうな家来と別の意味で憑かれてそうな娘がw

  • 57読み手25/07/29(火) 22:43:43

    「あの…!これとか…代わりになりますかね…?」
    「す、すごい高そうな反物です…!」
    「確かお館様、お気に入りの緑色の着物が破れたと不満を漏らしていたわ…!」
    「これなら許してくれるかもしれませんね!!!」
    「それなら良かったです…!」
    「旅のお方、ありがとうございます。何か譲れる物があれば良いんですが、我々も急いでいる身なので…」
    「えーっと、じゃあ…この子、引き取ってもいいですか?」

    男は座り込むウマ娘に寄り添うように言いました。

    「え、ええ…大丈夫ですかね…?」
    「その子が元気になる保証はあまりないのだけれど…でも、こんな優しい人が面倒を見てくれるなら助かるわ!」
    「すみません!では私たちは行ってまいります!」

    侍たちは疲れたウマ娘を男に任せ、重そうな荷物を担いで先を急ぎました。

  • 58読み手25/07/29(火) 22:55:45

    「ウマ娘ちゃん、大丈夫?何か…具合とか悪いのかな?」
    「………えぇ、もう大丈夫です」
    「わあっ!」
    「あ、すみません。急に喋って驚かせてしまって…」
    「ううん!いいのいいの!元気になったみたいで良かった〜」
    「すみません私…霊感が強くて…。橙色の人、今日が初めましてだったんですが、なんだか凄いものを連れていて、ついそれに当てられて気分が優れず……」
    「そう言うことだったんだ。確かにそれじゃあ心配してくれてる人相手に離れて下さいとか言いにくいよね」
    「こちらこそお気遣いありがとうございます。…どこか向かうところはありますか?私は先ほどの高価な反物との物々交換のようなものですから、貴方について行きますよ」
    「うーん…実は貰い物を大切に持っておくってだけなんだよね。それ以外は自由に旅をしてるの!それじゃあ行こっか!あ、えーっと…」
    「はい。マンハッタンカフェです」
    「カフェちゃん!よろしくね!」

    男はマンハッタンカフェと共に歩き始めました。

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:57:00

    それもしかしてシラオ…げふんげふん

  • 60二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:57:38

    同期2人旅の形になってなんかいいね

  • 61二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:57:56

    >>59

    むしろ姉じゃ…?

  • 62二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:58:06

    全部ダイスで決まってるのに理由付けちゃんとしててすごい

  • 63二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:59:15

    >>60

    でも馬ってこの後…

  • 64読み手25/07/29(火) 22:59:35

    男がマンハッタンカフェと旅を続けていると大きな屋敷の前に着きました。

    屋敷の前にはこの屋敷の主人と見られる男が何か悩んでいる様子でした。


    屋敷の主人 dice1d130=57 (57)

  • 65二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:00:29

    いかにも旅に出そうな人選

  • 66二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:00:49

    これは確かに帰ってこなさそう

  • 67二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:01:24

    めっちゃ見目の良さそうな主人

  • 68二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:05:39

    雨天時も気にせず外出しそうな主人来たな

  • 69読み手25/07/29(火) 23:09:26

    「うーん…どうしようかな…」
    「どうかされました?」
    「いや、今からフラッと出かけようと思ってさ。でもアタシこんな立場だしさ、この屋敷を留守にするわけにはいかないよねーって思って」
    「そうなんですね…」
    「…そうだ!キミ、この屋敷の留守を頼んでもらってもいいかな?」
    「えええ!?わたしですか…!?でも、こんな大きなお屋敷を私が…」
    「大丈夫大丈夫!3年経ってアタシが帰って来なかったら好きにしてもらっていいから!でも、その代わりにいいかな?」
    「はい!」
    「そこのウマ娘をお供に連れてってもいいかな?」
    「えっ…!」
    「………」

    男とマンハッタンカフェは少し動揺したような顔をしました。

  • 70読み手25/07/29(火) 23:15:41

    「ほら、流石にアタシだけは夜道とか危ないしさ」
    「私のせいでもっと怖くなるような気もしますが…」

    しかし会話を続ける中で打ち解けて行っていた男とマンハッタンカフェはすっかり友達になっていたので2人は少しだけその要求に渋りました。
    これまですぐに物々交換に応じていた男も、今回で初めて躊躇しました。

    「………私は構いませんよ」
    「カフェちゃん…」
    「これまでと同じようにすれば必ず良いことが起きるんですよね。大丈夫ですよ、安心して下さい。必ず3年後に戻って来ますから」
    「……約束だよっ!」
    「……はい!」

    こうしてマンハッタンカフェを屋敷の主人に任せ、男は屋敷の留守を引き受ける事になりました。

  • 71二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:17:40

    とりあえず長距離という意味では心強い相方

  • 72読み手25/07/29(火) 23:21:16

    男は物々交換に応じ続けてただのわらしべから始まってこんなに大きな屋敷を譲り受けましたが、その心中は少し複雑なものを残していました。
    やはり折角友達になれたマンハッタンカフェと別れた事が心残りだったのです。

  • 73二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:22:31

    モノ手放すのと友達と別れるのとじゃやっぱり違うもんな

  • 74読み手25/07/29(火) 23:25:28

    屋敷を譲り受けてから3日後。
    お屋敷でのんびりと過ごしていた男を誰かが尋ねて来ました。

    「はーい…」
    「あ……お久しぶりです…」
    「ええっ!?か、カフェちゃん!?」
    「フフッ…」

    なんと、マンハッタンカフェがお屋敷に帰って来たのです。

    「ど、どうして…!?屋敷の主人さんのことは…!?」
    「えっと…それに関しては私に関しても少し分からない事がありまして……」
    「分からない事…?」

    マンハッタンカフェは男に経緯を話しました。

  • 75読み手25/07/29(火) 23:35:06

    貴方と別れて2日が経った頃、私が主人さんと一緒に歩いているとまた少し疲れてしまったんです。
    主人さんは私を気遣って側に居てくれたのですが、一向に良くならず…。

    そんな時、旅の人が私たちの様子を見て声をかけて下さったんです。まるで貴方のようでした。
    旅の人は私を引き取る代わりに動きやすい豪華な衣服を主人さんにお譲りになりまして…。主人さんは旅の人に私を任せ、いただいた白い服を着て走って行ったのです。

    ただ、今回は旅の人と2人きりになっても謎の疲労感があって…。折角行く当ても聞いたのに申し訳なく思いながらも「置いて行って下さい」と断りを入れようとした時でした。

    「お友達が待っておりますわよ」

    そう言って旅の人が私の目の前から居なくなったんです。
    ただ、とても優しい笑顔でした。

  • 76二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:36:13

    このレスは削除されています

  • 77二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:37:16

    カフェダンだと!?

  • 78二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:38:04

    >>76

    童話やおとぎ話はちょくちょく内容違うのあるからね

    はるか昔と今ではいろんな事情で改変されたりしてる訳で

  • 79読み手25/07/29(火) 23:40:50

    「そして、言葉通りそのお友達……えっと…貴方のところへ会いに戻ったというわけです…」
    「カフェちゃん…!」
    「フフッ…ちょっと痛いです」
    「あわわっ!ご、ごめん!」
    「構いませんよ。では、私と一緒にこのお屋敷で3年間主人さんを待ってみましょうか」
    「うんっ!」

    男は友達に抱かれて大粒の涙を流しながら笑顔で頷きました。

  • 80二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:46:10

    いい話だ

  • 81読み手25/07/29(火) 23:47:01

    そして3年の月日が流れました。
    約束の日になっても主人は屋敷に帰って来ることはなく、男が正式に屋敷を譲り受ける事になりました。
    しかし、男はそんな大きな屋敷も譲ってしまいました。

    「良いんですか…?お屋敷、手放しちゃって…」
    「うん!だって…わたしの側には物々交換関係無くカフェちゃんが居てくれてるもん。私が本当に貰ったものっていうのはきっとカフェちゃんの事なんだよ!」
    「……ありがとうございます」
    「いやぁ…でもわらしべと屋敷を交換したのは流石にだったかなぁ…?」
    「フフッ…では、またわらしべから何か交換してもらうことにしましょうか…」
    「そうだね!」

    2人はそれからも幸せに暮らしましたとさ。

    おしまい

  • 82二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:48:24

    おお綺麗にまとまった

  • 83二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:50:55

    まぁお屋敷→カフェなら全然ランクアップよ

  • 84読み手25/07/29(火) 23:55:00

    お疲れ様でした。今回は『わらしべ長者』をお送りしました。
    物々交換を経てわらしべが大きな屋敷になるというお話ですが、本編の途中で馬と反物を交換するイベントがありましたので最初からこういう着地の仕方にしようと予め決めておりました。ですが馬役がカフェになったことでダンツとの同期の関係性が生まれて更に良い着地になりましたね。良かったです。
    物よりも大切なかけがえの無いものをこうして書ききれたかなと思います。
    ではまた次のお話でお会いしましょう。改めてお疲れ様でした。

  • 85読み手25/07/29(火) 23:56:27
  • 86二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:58:31

    ブーケちゃんマジ仏様でしたGJ

  • 87二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:06:01

    おつ

  • 88二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:06:02

    久しぶりに見たけど流石の落ちのまとまり具合や
    今回も楽しませていただきました、ありがとう

  • 89二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:54:39

    カフェに霊感ある設定を使って疲れた理由をシラオキ様(お姉ちゃん?)と仏様っていうオカルトなものが来たからってしてるとこでスゲーってなった

  • 90二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 02:00:01

    相変わらずダイス神に愛されてる読み手さんやな
    かぐや姫のときなんか狂愛向けられてたもんな

  • 91二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 02:22:31

    >>78

    「あっ やべ!!まだ続いてるじゃん!」で自分で消しました。

    『観音祈願型』『逆玉の輿型』『三年味噌型』のあくまで大きく分けての3つであってそれぞれの中間みたいな話も探せばもっとあるのかもしれませんな

  • 92二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:00:15

    この人のシリーズはダイスのおかげであまり絡みが無いカプが見れるのも良いんだよな
    ダンカフェありがとうございます

  • 93二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 13:50:52

    ちょっとこっち思い出した

    軽島太郎|あにまん掲示板bbs.animanch.com

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています