- 1二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:14:03
「はいはい、バカなこと言ってないで寝てなさいな。熱あるんだから無理しないの」
キングが呆れたような声を上げる。
いつものようにからかおうと思ったが、頭がぼうっとして言葉が出てこない。
ため息とともに優しくベッドへ押し倒される。
それがキングの手によるものだとわかったのは布団をかけられてからだった。
「……ありがと、キング」
「別に大したことはしてないわ」
そのままキングは私のベッドに腰かけた。
キングの手がおでこに触れる。
ひんやりとした大きな手だ。
またため息。
「それにしても雨が降ったのに気づかないで昼寝してたっておばかにもほどがあるわよ」
「にゃはは、面目ない……」
おでこに触れていた手が頬へと移る。
布団から手を出しキングの手に重ねる。
「キングは、優しいね」
「きゅ、急になによ……」
「こんなテキトーな私にいつも構ってくれてさ……本当に感謝してるよ」
熱のせいだろうか、らしくない素直な言葉が口から出てきてしまう。
「っ……変なこと言わないでよ、おばか」
ふいと顔をそむけられてしまったせいでキングの表情はよくわからなかった。 - 2二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:14:41
直後、部屋のドア越しに声が聞こえてきた。
天井に刺さるんじゃないかというくらいキングの尻尾が跳ね上がる。
「スカイさん?おかゆ作ってきたんですけど食べられそうですか?」
フラワーの声だ。
「カギ開いてるから入ってきていいよ~」
「ええと、ちょっと手がふさがってしまってて……」
「私が開けるわね!」
ぱたぱたと大慌てでキングがドアを開ける。
ドアの向こうにはお盆を持ったフラワーが立っていた。
フラワーがにこりと微笑む。
「キングさんもいらっしゃったんですね。でしたら看病もキングさんにお任せしたほうが……」
「えっ!?いや、その……そう!私はそろそろトレーニングの時間だからフラワーさんあとはよろしく!」
そう言うなりキングはフラワーの返事も待たずに早足で廊下へと消えていった。 - 3二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:15:37
首を傾げつつフラワーはお盆を机の上に置いた。
お盆に乗っていた大き目のお椀からいい匂いが漂ってくる。
匂いにつられるように身体を起こす。
「おいしそう……」
「えへへ、お口に合えばいいんですけど」
フラワーがレンゲでお椀からおかゆをすくう。
「はい、スカイさんあーん」
と、レンゲをこちらに向けてきた。
一瞬、なにをしているのか理解が追い付かなかった。
「えと、フラワー……?これはいったい……」
「ちゃんと冷ましてから持ってきてますから大丈夫ですよ?」
「いやいやいや、そういうことじゃなくて……」
不思議そうにまた首を傾げるフラワー。
するとなにか思いついたのかレンゲを口元まで持っていって。
ふうふうと冷まし始めた。
「はい、これでばっちりですね」
満面の笑みで再びこちらにレンゲを向けてくる。
違う意味でやばい気がするんだけど?
とはいえ食べないわけにもいかず、ぱくりとおかゆを口にする。
優しい味が口の中に広がる。
「おいしいよ」
そう言うとフラワーはまた笑顔の花を咲かせた。
一通り食べ終わると急に睡魔が襲ってきた。
あくびをしているとフラワーにまたしても優しくベッドに寝かされた。
そしてキングと同じようにフラワーの手がおでこに触れる。
小さくて、でもなんだか安心する手。
「おやすみなさいスカイさん……いつも、ありがとうございます」
花びら見たいなフラワーの声と一緒に私は眠りの世界へと落ちていった。 - 4二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:15:38
フラウンスキングが臓腑に染みる
- 5二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:16:19
「セイちゃんちょっと横になりますね~」から連想して書いてみました
お目汚し失礼しました - 6二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:18:10
あなたの作品がずっと好きだった
また見れて嬉しい - 7二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:19:03
キングフラウンス好き
- 8二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 21:20:55
まさかニシノフラワーの!