- 1◆EPynOvGJx225/07/30(水) 15:53:06
- 2◆EPynOvGJx225/07/30(水) 15:53:40
- 3◆EPynOvGJx225/07/30(水) 15:57:26
続き
腕を引きアタックの姿勢を整えるアメジオの脳内には、昨夜ホテルで見た恋愛ドラマの映像が流れていた。同じ男を愛してしまった女同士が醜く争い相手の腹を殴る光景……アメジオはそれを痛快なシーンだと捉え、強い憧れを抱いていた。
今のアメジオはミニスカートを穿いて女装をしており、目の前には憎たらしいサンゴがいる。
(試すのには絶好のチャンスだ!)
アメジオはサンゴの腹に向かって勢いよく拳を突き出した。 - 4◆EPynOvGJx225/07/30(水) 15:58:50
- 5◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:03:30
- 6◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:09:47
- 7◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:15:40
- 8◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:24:25
- 9◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:29:46
- 10◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:36:43
- 11◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:42:00
- 12◆EPynOvGJx225/07/30(水) 16:46:36
- 13二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 18:26:15
大丈夫か…!?
- 14◆EPynOvGJx225/07/30(水) 21:57:29
「……ッ」
アメジオが目を覚ますとそこは控え室ではなかった。照明の眩しさに目を細めつつ、上体を起こすと頬や腹が痛み出し顔を歪める。
ジャラ……という音に両手を見れば片手ずつ手錠をされ、それは床から伸びる鎖に繋がれていた。両足も同じように拘束されている。
家具がないため広く見えるが、本来の部屋の広さは差程でもないだろう。アメジオは青白い照明に照らされるだけの部屋で、白く硬い床に寝かされていた。
(まるで独房だな……)
アメジオは自身が囚われの身になったことを察した。サンゴに気絶させられた後、エクスプローラーズによって別の場所に運ばれ拘束されたのだろう。
ドアが目に入り立ち上がろうとするが、手錠の鎖の長さが足りず満足に立つことすら叶わなかった。
(しくじったな。どうしたものか……)
アメジオの行動dice1d4=1 (1)
(1.拘束を解けないか試す2.ソウブレイズのことを考える3.眠る4.食べ物のことを考える)
- 15◆EPynOvGJx225/07/30(水) 23:29:54
- 16二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:26:46
駄目か…
- 17二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 07:40:51
保守
- 18◆EPynOvGJx225/07/31(木) 12:30:51
- 19◆EPynOvGJx225/07/31(木) 16:08:42
「調子はどう?“アメジオ君”」
入ってきたのは赤が印象的なショートカットの女性だった。彼女はドアを閉めると、アメジオの目の前に腰に手を当て立った。
「私はルーベラ。スピネル様直属の部下よ。よろしく」
「スピネルだと……!」
自分を見下ろすルーベラをアメジオは睨みつけた。
「俺を拘束した目的を言え!」
「フフ、そんなの決まってるじゃない。貴方を自由にしていては我々の計画に不都合だからよ」
「計画だと?やはりスピネルは何か企んでいるのか!」
「さあね。精々その硬い頭でよーく考えることかしら」
ルーベラは立つことのできないアメジオにしゃがんで視線を合わせると、うっすら笑みを浮かべた。スピネルの部下らしい皮肉めいた表情だった。
「今度は私から質問させていただこうかしら。貴方はRVCと組んで我々の邪魔をする気なの?」
アメジオは仲間の話題に目を細める。サンゴ、あるいはオニキスが彼らがミスコン会場にいたことを報告したのだろう。
アメジオの態度dice1d4=4 (4)
(1.冷静に2.挑発的に3.無言4.手を出す)
- 20◆EPynOvGJx225/07/31(木) 17:21:24
アメジオは鎖に繋がれた足でルーベラの膝を蹴飛ばした。
「きゃッ……!」
鎖のせいで強くは振りかざせなかったが、不意打ちが決まりルーベラはバランスを崩して床に手をついた。ルーベラはすぐに顔を上げ、サンゴ程とは言わないが、眉間に皺を寄せた恐ろしい形相でアメジオを睨みつける。
「何をするッ!」
「お前に情報は一切渡さない!スピネルを出せ!」
アメジオは怯まずルーベラを睨み返す。
「…………フッ、まあいいわ。許してあげる」
ルーベラはふっと表情を緩め、意味深な笑みを浮かべ立ち上がると再びアメジオを見下す。
「今から貴方にはきつーい拷問を受けてもらうわ。言いたくないことでも思わず口にしちゃうくらい辛いわよ。覚悟しなさい!」
「……ッ!」
拷問。アメジオはこれから始まる地獄を想像し、奥歯を強く噛み締めた。
- 21◆EPynOvGJx225/07/31(木) 17:26:46
- 22◆EPynOvGJx225/07/31(木) 22:06:46
- 23◆EPynOvGJx225/07/31(木) 22:08:45
ノノクラゲの足がうねうねとアメジオを取り囲む。
「あっ……クっ……」
脇腹、脇の下、内腿、首筋など弱い部分をこちょこちょと細長い足でくすぐられる。
「クッ……く……ッ……くすぐったいッ!!」
アメジオは悶絶した。だがノノクラゲは勢いを緩める気配はない。素早い動きでアメジオをくすぐり続ける。アメジオが体をくねらせる度にガチャガチャと鎖が鳴り、逃げようとすればすかさず細長い足が絡みついて離さない。
アメジオが悶え苦しむ様子をルーベラとインディは愉快そうに眺めていた。
「女装までしてミスコンに潜入するなんて……目的のためなら何でもするのね意地汚い」
侮蔑されたことを咎めるような余裕は今のアメジオにはなかった。
「やっやめろッ……く、苦しい……ッ!」
「あら?でも顔は笑ってるわよ?」
「ふっ……クッ……ふふっ、ハハハハッ!」
「いいぞノノクラゲ。この調子で全身くまなくくすぐってやれ!」
「「ノノ〜!」」
アメジオの弱点を完全に把握したノノクラゲが一切の無駄なく責め続ける。
「ははははッ!もう、やめッ、やめてッ、アハハハハッ!」
笑うアメジオの目には涙が滲んでいた。
- 24◆EPynOvGJx225/07/31(木) 22:25:46
- 25◆EPynOvGJx225/07/31(木) 22:28:38
- 26◆EPynOvGJx225/07/31(木) 22:47:05
- 27二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:38:40
その他…
- 28◆EPynOvGJx225/08/01(金) 08:39:35
(そ、そこは……ッ!?)
ノノクラゲの足がアメジオの体で最も敏感な部分に集合した。
「ッう――!?!?」
声にならない声を上げ、アメジオの視界は白く霞みパチパチと光った。同時にスカートがみるみる重たくなっていく。
「あ……あ……」
アメジオの目は焦点が合わず呂律も回らない。対してルーベラとインディは饒舌にアメジオを貶し始めた。
「失禁だなんてはしたない。こんな坊やがエクスプローラーズの次期トップ候補だったなんて信じられないわ」
「やはりトップはスピネル様しかありえない。お前のような雑魚は汚れた床に寝てるのがお似合いだ」
アメジオに二人の揶揄は届かなかった。既に意識は踏みにじられた尊厳とともに崩れ落ち、手放されていたのだ。
※アメジオが次に目を覚ます場所dice1d4=1 (1)
(1.同じ部屋2.広い部屋3.見慣れたベッドの上4.船の中)
- 29二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:35:12
ここのアメジオと公式のアメジオのどっちがより酷い目に遭ってるか気になってる
- 30二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 18:15:50
- 31二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 18:16:57
「インディとルーベラの仕業だな。いや、指示したのはスピネルだろう。災難だったな」
オニキスの口調は淡々としながら所々悲哀も感じられた。よく見れば服は濡れたままだが床は綺麗になっており、傍には雑巾のかけられたバケツが置いてあった。
「あとこれは着替えだ。下着もある」
オニキスは畳んで重ねてあった服をアメジオの隣に置いた。
「着替えの間は枷を外してやる。ただし逃げようとはするな。オレも見張っているからな」
オニキスによって四肢を拘束していた枷が外され、アメジオは自由に手足を動かせるようになった。
dice1d4=2 (2)
(1.大人しく着替える2.隙を作って逃げようとする3.綺麗な床について尋ねる4.お腹が鳴る)
- 32二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:33:26
- 33二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 01:27:45
着替え見られちゃうねえ
- 34◆EPynOvGJx225/08/02(土) 08:02:35
- 35◆EPynOvGJx225/08/02(土) 13:47:01
アメジオはスカートを脱ぎやすくするために立ち上がろうとした。
「あ……っ」
しかしバランスを崩しふらついて尻もちをついてしまった。
「力が入らない……?」
アメジオが戸惑いそう呟くとオニキスが眉をひそめた。
「まさか毒でも使われたのか?」
毒。そう言われ、アメジオには思い当たる節があった。
「ノノクラゲのしびれごなだ」
気絶している間にノノクラゲの足と接触した部分……つまり全身に毒が回ってしまったのだろう。手足を動かすことはできるが思うようには使えない。
「ノノクラゲか。それなら放っておいてもすぐに毒は抜けるだろう……自力で服を着替えるのは無理そうだな。手伝ってやる」
オニキスはアメジオの濡れたスカートに手をかけた。
「あ…待て……ッ」
アメジオはオニキスの手から逃れようとするが体が痺れて抵抗できない。
(まずい!オニキスにも見られてしまう……!)
dice1d2=1 (1) (1.見られる2.見られない)
- 36二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 20:26:36
やった!
- 37◆EPynOvGJx225/08/02(土) 22:15:44
- 38◆EPynOvGJx225/08/02(土) 22:52:27
- 39◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:00:58
- 40◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:05:25
- 41◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:26:17
(……ッ、ここは女子トイレか)
アメジオは昨日ファミレスで漏らしそうになってフリードの目の前で女子トイレに駆け込み用を足したことを思い出した。
(もう二度とこんな真似はしないと誓ったが……クッ、今はやむを得ない……!)
アメジオは人の気配がないことを確認し、這いながら何とかドアノブに手を伸ばし中に入った。ドアを静かに閉めると、中には個室が3つほどあった。アメジオは一番手前の個室に入り鍵を閉める。
(いくら清潔にしてあるとはいえ、トイレの床を這うのはいい気分ではないな……)
アメジオは便座の上によじ登りほっと息を吐く。だが、ここは安置とは言えない。
(さて、これからどうするか……ん?まずい!誰か入ってきた!)
- 42◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:27:21
- 43◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:57:08
- 44◆EPynOvGJx225/08/02(土) 23:58:39
- 45◆EPynOvGJx225/08/03(日) 01:20:11
(こうなったら……!)
アメジオは怪しまれないようわざとトイレの水を流した後、ドアを押して個室を出た。しびれごなの効果が薄れてきたのか少々マシに動けるようになり、這い方もほふく前進から四つん這いに進化した。
心臓をバクバクと鳴らしながらアゲートの個室の前を通り過ぎ、奥のロッカーの扉をそっと開く。
(よし、あった!)
アメジオはロッカーから柄の長いモップを取り出すと、それを中央のアゲートのいる個室のドア前に置き、洗面台の扉とちょうど突っ張り棒のようにする。
(このトイレのドアは外開き……これでアゲートは外に出られないはず!)
ジャアア……
「……!」
目の前で水が流される音がした。アメジオは慌てて四つん這いで女子トイレの外に出た。
(うう……こんな姿絶対に誰にも見られたくはない……着替えを掴み取ってから逃げてこればよかった……)
ぐっしょりと濡れたままのTバックが肌に張り付き、さらに空気に晒されていることで下半身が冷えてきた。
(とにかく隠れなくては……!)
- 46◆EPynOvGJx225/08/03(日) 01:23:42
- 47二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 02:10:04
ギリギリだなあ
- 48◆EPynOvGJx225/08/03(日) 08:32:44
アメジオは女子トイレを出てから懸命に廊下を這った。近くに部屋はあったがもう少しアゲートから遠くに隠れたい。アメジオは途中で道を曲がり少し進んだ後、その先にドアを見つけた。
(この道は見覚えがある……この部屋は確か物置だ)
(……ッ、誰かがこちらに歩いてくる!)
遠くから足音が聞こえ、アメジオは迷わず物置の中に入った。中に入ると真っ暗で、アメジオはじっと足音が通り過ぎるのを待った。
段々と足音が近づいてくる。波打つ自分の鼓動を感じながら額に冷や汗が一筋流れる。
やがて足音は物置の前を通り過ぎて行った。
(よかった……足音の感じからしてアゲートやオニキスではなかったな)
ほっとして力の抜けたアメジオは数秒間ドアにもたれかかったまま放心していたが、すぐに気合を入れてその場に立ち上がった。足どりはおぼつかないが順調に痺れは取れてきている。
(体はあと少しで完全に回復するだろう。物置か……もしかしたら!)
アメジオはドアに聞き耳を立て足音や話し声がしないことを確認すると、ドア横の電気のスイッチを押した。
パッと視界が明るくなると、物置の中は物の詰め込まれたダンボールで雑多としていた。
(この中に服はないだろうか。探してみよう)
- 49◆EPynOvGJx225/08/03(日) 08:34:48
- 50二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 08:36:05
駄目だったか…
- 51◆EPynOvGJx225/08/03(日) 08:38:15
- 52◆EPynOvGJx225/08/03(日) 17:36:02
- 53二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 22:04:09
なんでそんなもんあるんだ
宴会するのか? - 54◆EPynOvGJx225/08/03(日) 22:21:54
- 55二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 00:33:59
仲間になるか…!?それとも…
- 56二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 09:07:19
保守
- 57二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 12:28:28
「チュッ」
ダンボールの中には服……はなく代わりに黄色い小さなポケモンがいた。
「バチュルか……」
どこからかやってきて物置に迷い込んでしまったのだろうか。アメジオは可哀想に思い、物置の外に逃がそうとバチュルを両手で掬った。
「バチュッ!」
「うあッ!?」
バチュルが威嚇して蓄電していた電気を放電した。バチッと大きな音と痛みにアメジオは驚いて手を離す。
(しまった……ッ!)
アメジオは叫んでしまったことに気づいたが、もう遅かった。
「誰かそこにいるのか!」
(……ッ!この声はアゲート!トイレから出られたのか……!まずい、ドアを封鎖しなければ!)
だがアメジオが振り返った瞬間、勢いよくドアは開かれてしまった。
「……ッ、アメジオ!」
現れたアゲートの眉が大きく跳ね上がり、信じられないものを見たというように動揺している。
- 58◆EPynOvGJx225/08/04(月) 12:30:31
「……」
「……」
気まずい沈黙を挟み、アゲートの眉がキッと歪められた。
「アメジオ……お前と言う奴は……ッ!」
アゲートはアメジオに向かってツカツカと迫り片手を大きく振り上げた。
「なんだその破廉恥な姿は!」
パシィィンッ!
本日二度目の平手打ちをくらい、アメジオは再び意識を失った。
- 59二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 17:50:18
アゲートはそんなにアメジオが破廉恥なのNGなんか…
- 60二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 00:38:24
保守
- 61二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 08:32:33
保守