【超閲覧注意】きっと俺は疲れてる

  • 11主25/07/31(木) 08:42:17

    雄英の寮から出て、少し外に出ようとすれば市民の嫌な視線が俺を突き刺す…当たり前だ
    父親はエンデヴァー、兄弟は荼毘
    殺されていないことが逆に不思議なぐらい恨まれている

    『焦凍』

    ‪”‬燈矢って立派な名前があるんだから‪”‬

    「っ!」
    「…またこれか」
    俺が一息つこうとすると毎回コレが起きる
    幻聴だ
    それに加えて悪夢も見る
    …当たり前だ、あんなものを見て、精神状態を保てるわけが無い
    水分補給のために支給されたペットボトルを握りしめながら、俺は空を見上げた
    『なぁ、焦凍、なんでてめぇは普通に生きてられる?』
    背中側は壁のはずなのに、後ろから声が聞こえた
    「…燈矢兄」
    幻聴に声をかけても何もならないのは、重々承知してる
    けど、最近おかしい
    『嬉しいよ焦凍、俺のことを荼毘って呼ばなくなって』
    「…」
    本来幻聴なんてもんとは、会話できない
    一方的な声だけの存在だ
    なのに…なのになんで…
    『同級生とのお話は楽しいか?』
    「…燈矢兄…が知る必要は…」
    『ひでぇな焦凍、俺にも教えてくれよ』

    …きっと俺は疲れてるんだ

  • 21主25/07/31(木) 08:43:31

    「轟くん/さん!」
    「お…飯田と八百万か」
    「大丈夫かい?轟くん…顔色が悪いが…」
    「…気が滅入ってしまいますわよね…私たちにできることがあればなんでも仰ってくださいまし」
    「いや…そんなんじゃねぇ…最近寒いから…すこし…」
    自分で自分の口を覆った
    流石に嘘が下手すぎた…でも、2人に心配かけたくねぇ…
    「本当に大丈夫だ、A組のみんなが居てくれるだけで俺は…」
    A組のみんなの顔を思い浮かべるだけで、心が暖かくなる
    全部終わったあとに…ちゃんとみんなに言いたいな
    感謝の言葉…絶対に伝えなきゃな
    『俺にかける言葉も見つかったか?』
    「轟くん?大丈夫か?」
    飯田が俺に手を差し伸べてくるが、その手がだんだんだんと焼けていき…テレビで何度も再放送されたあの体…あの…手
    「…あ、あぁ…心配すんな…それと…寮に戻って少し寝たいんだが…ここ任せられるか?自分勝手でわりぃ…」
    俺はその手を無視し自分で立ち上がった
    「ええ!大丈夫ですわ!あ、各班の皆さんに連絡しますわね」
    「無理だけはしないでくれ轟くん」
    「わかった」
    『本当は誰もお前のことなんて心配してない、早く死んでくれって思ってるよ焦凍』
    『俺にはわかるんだ…だって燈矢は死んだんだから』
    『死人に口なしって言いたいのか?けど、燈矢の代わりに俺が生まれた』
    『大丈夫だ焦凍、お前はただ…』
    「うるせぇ…!」
    俺は飯田と八百万が去ったことを確認したあと、思い切り後ろを振り返って怒鳴った
    当然誰も居ない…はずだったのに
    『死んじまえばいい』
    燈矢の顔は満面の笑みだった

  • 31主25/07/31(木) 08:44:32

    寮に着くと、みんな外出中だったようで、誰もいなかった
    俺はシンとした部屋がいつぶりか怖く、自室に戻って耳郎が歌っていた曲をスマホで再生し、できるだけ音を大きくしたあと、布団の上に横になった
    まだスーツも脱いでいないからか、少し汗臭かったが…そんなことよりも疲労の方が強かった

    ‪”‬僕、轟燈矢はエンデヴァー家の長男として生まれました‪”‬

    ノイズまみれの再放送
    電波ジャックされてるらしい
    …うるさいな

    幻聴じゃない、フラッシュバックに似たようなものだ
    ただ、永遠とあの瞳…お母さんを追い詰めた瞳がずっとこっちを見てるような気がして
    ノイズまみれになった後のテレビ画面を見つめながら
    ただ心臓がやけにうるさくて、痛くて、切なくて
    今すぐ取り出してしまいたいと何回も思った

    死んだら楽になるのだろうか?
    死んだ燈矢兄は幸せなのだろうか?

    …そんなの燈矢兄の感じ方の話だ
    本当に死んだわけじゃない…死んだら何も残らない
    幸せとは真逆だ

    『案外地獄も楽しいかもな、焦凍』

    黙ってて欲しい…もうこれ以上俺を追いつめても、燈矢兄が行くのはきっと地獄だ
    俺を追い詰めても天国なんて行けやしないのに…なんでそんな笑ってられるんだ?
    教えてくれ、燈矢兄…その瞳に何が写ってる?

  • 41主25/07/31(木) 08:45:46

    「焦凍!おい?」
    「…っ…燈矢兄…」
    「何怯えてんだよ?焦凍、あ、痛かったか?冬美ちゃん〜!夏くん〜!焦凍怪我しちゃったかも!」
    「何やってるの〜!燈矢兄!」
    「焦凍泣いてない?」
    「泣いてないよな?焦凍は男の子で、お父さんの子供なんだから!」
    ふわっとした白い髪、クリっとした目、火傷跡なんてひとつも無い綺麗な肌
    そんな燈矢兄が、俺に手を差し伸べてきた
    俺は…どうやら転けたみたいだ、燈矢兄がボールを持ってる
    そうだった、俺と燈矢兄、冬美姉さん、夏兄はボール遊びしてたんだった
    「うん!泣いてない!大丈夫だから、もっと…遊ぼう?」
    燈矢兄は、その言葉を聞いて年相応の純粋な笑みを浮かべた
    「だってさ!2人とも!お母さん!お父さん!いいよね〜!」
    縁側に座っていたお母さんと親父
    お母さんはニコニコ笑いながら燈矢兄に返事を返していた
    親父は、そんな俺たちを見てただ微笑んでいた
    なんて平和なんだろうか、いやこれが当たり前なんだ
    「じゃ、焦凍からな!」
    ボールが俺の方に飛んできた
    キャッチをするかボールを蹴るか、俺にはどっちかよく分からなかった
    とりあえず受け止めてみようかと、俺は手を伸ばしボールをキャッチしようとしたが、受け止められず落としてしまった
    すぐに拾おうとしたが、やけに辺りが静かで、俺は辺りを見渡そうとした
    「焦凍…」
    「どうしたの…?燈矢に──」
    涙をポロポロ流しながら燈矢兄は俺にハグをしてきた
    凄く…ものすごく困ったが俺も燈矢兄を抱きしめ返した

  • 51主25/07/31(木) 08:46:47

    「あれ…燈矢兄、冬美姉さんと…夏兄は?」
    「焦凍」

    ‪”‬そうだよ焦凍、兄ちゃん何も感じなくなっちまったぁ‪”‬

    怖い、見たくない
    違う、これも幻聴だ…そうだ、疲れてるんだ俺は
    だって、そうじゃなきゃ…燈矢兄の腕はこんなに大きくないし、力だって強くないし、こんな声じゃない
    ならなんでこんな熱いんだ?さっきまでのみんなはどこに行った?なんで俺達の周りは蒼い炎に包まれてる?

    違う、違う、違う…違う違う違う違う違う!!

    『過去は消えない』

    ──────────
    寝ていたみたいだ
    寝汗でベットのシーツが濡れていた
    そんなことはどうでもよかった、少し焦げ臭いと思っていたら、無意識に個性を使ってしまったようで少し壁が焼けていた
    火事にならなくてよかったなんて思ったのは1秒もあっただろうか
    爆音で流していた音楽もいつの間にか止まっていて、寮の中に人の気配を感じた
    けど、今の俺の身体はまるで凍っているかのように動かなくて
    それに今は誰とも話したくなくて
    ただ、横になりながらさっきの光景を思い出しては、記憶から消そうと、歯を食いしばった

  • 61主25/07/31(木) 08:51:54

    ‪”‬君の!力じゃないか!‪”‬

    鏡を見る度、俺の左手を見る度にあの言葉が俺を救ってくれた
    まだ緑谷は帰ってこないだろうか…
    でも…帰ってきても…何を話せばいいか分からない

    落ち着いたあと、仰向けで天井を見つめていると、なにかにのしかかられるような感覚が走った
    『焦凍』
    何回聞いたか分からない声で俺の名を呼んだ
    俺は動けなかった、まだ夢を見ているだけだと思った
    燈矢兄の指が俺の心臓辺りを指さした
    『俺はな焦凍、お前のここを燃やし尽くしたい』
    『心臓、脳、肺、胃、肝臓、膵臓』
    『そして、心…精神…全部燃やし尽くしてやりたい、エンデヴァーの炎で』
    『…ははっ!そうしたらお前も被害者だな…あぁ、お揃いなのはここだけじゃなかったのか』
    燈矢兄が俺の左目を無理やり開かせた
    『こんな失敗作と同じだなんて、焦凍はとことん不幸だな』
    『大丈夫だ、焦凍…死んじまえば楽になる』
    「っ…お前は…」
    『ん?』
    「お前は親父のことしか…見てねぇだろ」
    のしかかっていた燈矢兄は、俺のことを押し倒すような体勢になり、じっと俺の目を見てきた
    『何を見てそう思った?俺のことを何も知らないくせに、最高傑作のお人形が何言っても許されると思うなよ』

    その言葉を言い終えたあと、燈矢兄はふっと吹いた風と共に消えていった

    その目をやめて燈矢兄

  • 71主25/07/31(木) 09:22:30

    ドアのノックの音で俺はようやく動く気になった
    ドアを開けると、目の前には緑谷が立っていた
    死柄木が復活するまで時間も限られている
    なのに、今緑谷に全部ぶちまけて泣きつきたい
    でも、緑谷の負担にはなりたくない…
    「轟くん…色々考えてる時に悪いんだけどさ…」
    緑谷が白い紙製の袋を差し出してきた
    「リカバリーガールから…轟くんが悩んで寝れない時とかに飲んでだってさ」
    「なんでも言ってねって言うのが1番の重荷になるのは知ってるよ」
    「だから、僕は言わないけど…本当にどうしようもなくなったら言って、僕たち友達でしょ?」
    緑谷が薬を渡したあと、拳をこちらに向けた
    俺はそれに応え拳をぶつけた

    こんな薬意味が無い
    だなんて、到底言えるわけもなかった
    俺の視界の端には、空になった睡眠薬の箱が積み重なってゴミ箱に入っていた

  • 81主25/07/31(木) 09:30:12

    俺がみんなを困らせちゃダメだ、ただでさえ迷惑かけてるのに
    緑谷が居なくなった部屋で俺はまた横になっていたが、流石にそろそろ動かなきゃいけない
    でも…そんなこと言ったってなにすりゃいいか…わかんねぇ
    親父は今何してんだろうか…まだギリギリ日は照ってるから、ヴィランやダツゴク探しか?
    親父がああなった分…俺がしっかりしなくちゃ行けねぇ
    これぐらいで負けるな
    俺は自分の胸を叩いた
    「…」
    「っし…」
    俺は、軽く深呼吸をした後部屋の外に出た
    「あら…轟ちゃん、もう体は大丈夫なの?」
    「まだちょっとだるいけど、みんなに心配かけさせるレベルじゃねぇ…それに、俺も多少は無理しねぇと」
    蛙吹は不安そうな顔をしていた
    「轟ちゃん、ちゃんと仲間がいるってことを忘れないでね」
    「何時でも、何があってもお話を聞くから」
    「…お友達が苦しんでいるのは辛いもの」
    「蛙吹…」
    「ありがとう」
    『どれだけみんなに迷惑をかければ気が済む?』
    「…その…他のみんなにはもう…俺の事心配しないでくれって言っててくれ…本当に大丈夫だ」
    「そう…ね、しつこいのも迷惑かけちゃうもの、ごめんなさい轟ちゃん」
    「いや、本当に…嬉しいんだ、けど、みんな自分のことだけ考えてて欲しい、最後の戦い以外に不安なことがあったらダメだ」
    蛙吹は何か言いたげだったが、俺の手を優しく両手で包んだ後笑顔で言った
    「轟ちゃん、頑張ってね、ヴィランなんかに負けちゃだめよ」
    「あぁ」

  • 91主25/07/31(木) 09:32:08

    俺はできるだけ心配かけないように、自室に置き手紙を置いた後に、外へと出た
    単独行動は危険だが…どうしても今は1人になりたかった
    幻聴、幻覚があるなんて事は…流石に誰にも言えなかった
    これ以上みんなの負担になったらダメだ…
    『そうだな、お前は楽になったらダメだ』
    『あそこの建物少しお前が本気を出して押せば崩れてくるんじゃねぇか?瓦礫に押しつぶされて死ぬなんて言うのも…惨めでいいんじゃねぇか?』
    何がおかしいのかクスクス笑っている燈矢兄
    角と羽と尻尾がないだけの悪魔だ
    触ろうにも幻覚だ、触れるわけが無い
    燈矢兄は死んでもないのに幽霊みたいに…
    これもヴィラン連合の策略なのか?
    なら、なんで俺なんだ?普通…ヒーロー側に打撃を与えるとしたら親父を選ぶだろ
    『何不思議がってんだよ焦凍』
    「…なんで俺なんだよ」
    『ははっ!お父さんが苦しめばいいと思ってんのか?』
    「そういう意味じゃ…」
    『安心しろよ焦凍、これは全部幻…』
    『お前が見てるのは不幸で残酷で哀れな夢だ』
    「ふざ…けんな」
    『お前が頑張れば誰にも迷惑かけずに済むぞ?いや、もうかけてんのか、そうだな…これ‪”‬以上‪”‬迷惑かけなくて済むが正解か』
    「…耐えてやるよ」
    燈矢兄は、笑いながら消えた
    全身に鳥肌が立ってまだ治まらない
    さっさとパトロールをしよう…何かしてないと本当に頭イカれちまう…

  • 101主25/07/31(木) 09:33:09

    なにか事件でも起きていればいいのになんて思う俺はきっと、ヴィランだ
    言い訳が許されるなら、こんなぐちゃぐちゃな心で平静を保っていろというのはあまりにも酷だ
    なにか俺の思考を置いてけぼりにするぐらいのことが起きないと…俺の心と頭のぐちゃぐちゃは綺麗にならない
    最低だな
    『よく分かってるじゃねぇか』
    燈矢兄の手が俺の脇腹から前に回された
    『あぁ…ここにお父さんがいればなぁ…目の前で大切な大切なお人形を燃やしてあげるのに』
    妙にゆっくりとした話し方で、ゾワッとなる俺を、燈矢兄はやはりずっと笑っていた
    笑っていた…笑っていた…
    何がそんなにおかしいのか分からない
    俺が苦しんでいる姿の何が面白いんだ?
    『分からないか?お前の大切な人たちが苦しんでる姿は面白くて滑稽だろ?』
    「…そんなことあるわけないだろ…みんなを侮辱するな…」
    『想像しちまったんだな?ははっ!焦凍は素直でいい子だな』
    気持ち悪い、気味が悪い
    こんな感覚は生まれて初めてだった
    胃のそこから、嫌悪感が溢れ出してきそうだった
    けど、そんなところにちょうどヴィランが来た
    …俺は口角を上げた

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 10:17:56

    どろっどろで鬱だ....
    いいね、続けてくれ

  • 121主25/07/31(木) 14:28:25

    やっと…考えずに済む
    〔てめぇ…エンデヴァーの息子じゃねぇか!ちょうどいい…鬱憤溜まってたんだ!今ここでズタズタに引き裂いてやるよ!〕
    ヴィランが何か言ってる
    …目の前にいるやつが、ただの火種にしか見えない
    『燃やしちまえよ…火種があるならそこから燃やさなきゃな』
    左側から炎が燃え盛る
    〔全部お前ら家族のせいだ!〕
    透明な空気の刃が俺に向かって飛んでくる
    すぐに氷の壁を作りそれを阻止する
    熱さでイライラする、燃やしたい…これがヒーローとしての罪だとしても俺は…
    地面を思い切り踏み込み、ヴィランを足元から凍らせる
    そして一気に…焼き殺──
    「轟くん!」
    俺は黒鞭で拘束された後軽く吹っ飛ばされた
    地面が上にある
    違う…これ…落ちて…
    「っと…」
    地面に着くか着かないかギリギリで緑谷がまた黒鞭で拘束した
    「何してるのさ…轟くん」
    「え…」
    理解が追いつかなかった
    俺が何を…?
    俺はヴィランを殺そう…と

    全身の血が凍っていくみたいに冷たくなっていく

    『残念だな焦凍…お前のお友達が邪魔したなぁ…そいつも殺したらどうだ?』

    緑谷の目は、俺のことを心配しているような目だったが
    俺にはその目のもっと奥で…俺のことを軽蔑しているように感じた

  • 131主25/07/31(木) 15:47:05

    「…轟くん、事情は…聞かない方がいいのは分かってるけど」 「これは間違ってるよ」
    緑谷が、通信機で他のみんなに連絡をする
    俺は自分の左手を思い切り握りしめた
    氷の冷たさでだいぶ頭が冷えてきた
    …馬鹿なことをしようとした…ヴィランだって人間だ
    殺していいわけが無い
    〔…え…エンデヴァーと…同じ目だ〕
    〔呪われてるんだ…よ…お前らの家は…クソ家族が〕
    『雑魚ヴィランが何ほざいてんだよって感じだよなぁ…焦凍』
    「轟くん、顔色が悪いよ、すぐに戻ろう…それとも僕がおんぶして行こうか?」
    「いや…大丈夫だ、今ので頭が冷えた、もう少しひとりで…」
    緑谷の顔が見れない、なんて言えばいいのかも分からない
    失望されただろうか?友達を辞めたいと思っただろうか?
    胃が痛い、頭がちりちりする…
    「轟くん、休もう」
    「…1人にさせてくれ…頼む緑谷」
    「…分かった、けど、近くにいるから、それでもいい?」
    「1人にさせてくれるなら…それでいい」
    ごめん、緑谷…今は本当に…
    『1人になって何する気だよ?焦凍』
    燈矢兄が後ろから俺の左手を優しく撫でるように触ってきた
    それが言葉にできない感情が溢れ出してきて
    気づけば俺は、走り出していた
    この場にいたくなかった

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:53:32

    鬱すぎる
    続けてくれ

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 18:06:27

    興奮してきたな、文が上手い読みたくなる!!

  • 161主25/07/31(木) 18:30:07

    >>11

    >>14

    >>15

    ありがとうございます

    スローペースになると思いますので…

    気楽にレスしていってください

    皆様のレス読みたいだけですが…レス乞食ですいません

  • 171主25/07/31(木) 18:43:46

    なんで邪魔したんだ緑谷、もう少しでこの気持ちが晴れそうだったのに…緑谷さえ邪魔しなきゃ…
    「…違ぇだろうが!」
    俺の足元がじわじわと冷たくなっていく
    冷たくて薄暗くて落ち着く
    頭を冷やせ…冷静になれ…
    緑谷は俺が間違いを犯しそうな時に助けてくれた…紛れもないヒーローだ
    深呼吸をして呼吸をおちつける
    けど…すぐにそんな心は乱された
    氷を踏み鳴らす音が聞こえる
    『焦凍』
    「名前を…もう呼ばないでくれ燈矢兄…」
    『なんで?焦凍』
    「呼ぶなって…言ってんだろうが!」
    俺は辺り一面をものすごい速度で凍らせた
    一瞬にして、辺りは氷に包まれた
    流石の俺も寒さを感じると思ったが…そんなもの微塵も感じなかった
    『冷たいのって、俺は意外と平気だからなぁ…焦凍は寒いのって好きか?最高傑作の意見も聞きたいな俺は』
    ただ、腹の底から湧いてくるような怒りと、不安が、俺になんの感覚も与えてくれなかった
    『俺は焦凍とお話したいんだいいだろ?』
    「今のお前と話すことなんて…何もねぇ…」
    「消えろ幻…俺をそそのかすな、燈矢兄を使うな」
    『なァ、焦凍、なんでこれが幻だと思ってるんだ?』
    先程の氷に包まれた街は一瞬にして蒼い炎に包まれた
    じゅっ…しゅー…と溶けては蒸発する音がした
    幻じゃない…?実態がある?なら…緑谷、緑谷を呼ばなくちゃ…
    飯田も近くにいるか?爆豪が来たらもっと安心する…八百万も蛙吹も居たら…あと他のみんなも
    「轟くん!ごめん!やっぱり君を1人にしておけなかった!」
    「み、緑谷!荼毘が!すぐにみんなを!」
    「…何言ってるの?轟くん」
    「ここには轟くんしかいないよ…?」

  • 181主25/07/31(木) 19:10:50

    「え…だっ、だって…氷とあ、蒼い炎が!」
    「えーと…轟くんがなにか叫んでたから…大丈夫かなって思って…あれだった?ストレス発散には大声出すのが効果的って聞くけど」
    そんな…はずねぇだろ…だって確かに…
    俺は…燈矢兄は…
    「みどっ…緑谷ぁ…」
    情緒不安定
    情けないことに俺は泣き出してしまった
    緑谷も困っていたが、無言で俺のことを抱きしめてくれた
    その体はちゃんと暖かくて…安心した
    「ぅ…うう…緑谷…ごめん…迷惑かけて…ごめっ…」
    「大丈夫だよ、ちょっと待ってね」
    「こちらデク、ショートと行動中だったが、離脱する」
    了解と、5人ほどが答えていた
    「心が疲れちゃったね、轟くん…大丈夫…」
    背中を撫でられ俺は子供のように泣きじゃくってしまった
    「ごめんなさい…ごめんなさい…」
    「大丈夫…轟くんが謝ることなんてひとつも無いんだから」
    「歩けそう?僕と一緒に戻ろっか」
    通信機に少しのノイズが走ったあと、爆豪の声が聞こえてきた
    「大・爆・殺・神・ダイナマイトだ、デク、ショート、今人が少ねぇから帰ってくるならさっさと帰ってこい」
    「あ、かっちゃん、ありがとう」
    「大・爆・殺・神・ダイナマイトだ!」
    爆豪の元気の良さに思わず俺も緑谷も笑った
    やっぱり…この幼馴染2人は俺よりもずっと先にいるような気がする
    でも、そんな俺の手もとってくれるぐらい優しいんだ

    『それが全部嘘だったとしたら?』
    『情緒不安定、家庭事情最悪、疫病神、天然で馬鹿なところもきっとウザがられてるだろうな』
    『お前のお友達は賢いよ、焦凍と違って、ヒーローになるために平気で嘘をつくんだからよ』

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:53:45

    推しの嘔吐とか過呼吸の鬱展開、自虐展開が好きなんでめちゃくちゃ続きが楽しみ     

    ハピエンでもバドエンでも受け止めれるわ、ありがとうスレ主

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 20:18:15

    めーっちゃ好きです!!
    続き待ってます

  • 211主25/07/31(木) 20:28:43

    「轟くん、事情…どうしても話せない?」

    「…あはは…ごめん、迷惑だよね、言いたくないからずっと黙ってるんだもんね…」

    「緑谷が気に病む必要なんてねぇ」

    「俺たち家族の問題だ」

    「A組のみんなは轟くんにとって家族みたいな存在でしょ?…なんちゃって…!」

    緑谷は少し恥ずかしそうに笑った

    でも、緑谷の言う通りだ…A組のみんなは俺にとって大切な家族みたいなものだ

    『家族は裏切る、お前は普通じゃない、お前はお父さんの子供なんだから』

    『普通の家族なんか作れない、お前に幸せは似合わない』

    『幸せになるなんて、神や仏が許しても俺が許さない』

    『瞳孔も唇も震わせるだけかよ…反論しろよ焦凍』

    「…緑谷」

    「あ、ご、ごめん!本当に冗談だったからさ!い、嫌だったよね…ごめん!」


    轟は

    1 緑谷に相談する

    2 黙って全てを自分で抱える

    dice1d2=1 (1)


    >>19

    >>20

    ありがとうございます!

  • 221主25/07/31(木) 20:38:37

    「最近…俺、燈矢兄の幻覚を見るんだ」

    緑谷も俺も足音は止まらない

    「燈矢…全面戦争の時の…荼毘」

    「ずっと声が…姿が…俺を…」

    「罪悪感が、家族の責任が…不安が…恐怖が」

    「ずっと頭にこびりついて離れない…」

    緑谷の横顔は至って真剣で、たまに俺の方を瞳で追った

    きっと迷惑かけてる…俺が弱いから

    全部抱えて生きていかなきゃいけないのに…俺は…弱音を吐いた

    過ちを犯しかけた、迷惑をかけた

    こんな世界になったのに笑ってしまった

    『焦凍、俺は優しいから教えてやるよ』

    『緑谷出久はお前のことを───』


    心臓が痛い

    呼吸出来ない


    「あああああぁぁぁぁ!!うるさい!うるさい!うるさい!」

    「轟くん!落ち着いて!何!?何があったの!?」

    緑谷が俺に近づく

    なんで笑ってる?緑谷…なんでこんな俺を見て笑ってる?

    「ちかっ…近寄んじゃねぇ…」

    呼吸がどんどん浅くなっていく

    「轟くん落ち着いて!幻覚だ!幻覚なんかに負けないで轟くん!」

    「っ…幻覚なんかじゃない…お前は…俺のことを…」

    「ごめん、轟くん!」

    緑谷に首後ろを思い切り手刀で叩かれた後俺は気絶した


    轟の正気度

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  • 231主25/07/31(木) 20:49:28

    「…あ」
    目を覚ますと、地図を見ながら正座で俺の布団のそばに座っている飯田が居た
    「起きたか、良かった…」
    「体調の方は大丈夫かい?」
    俺はゆっくり体を起こした
    「…少し…疲れてただけだ」
    きっと俺は疲れてたからあんなものを見た、聞いた
    「緑谷くんからは、事情は聞かない方がいいと思って聞いていない…僕は…君の役に立てないかもしれない」
    「そんなことは…」
    「…正直起きた時に飯田が居てくれて安心した」
    「!」
    「ありがとう…飯田」
    「それは、本当に良かった」
    飯田には…話せないな
    コイツも兄の事で悩んで…きっとすごく苦労したに違いない
    これ以上…俺のせいで迷惑はかけたくない
    ヒーローになるなら、全部自分で何とかできるようにならなくちゃいけねぇ
    「それと、轟くん、疲れた時にはゆっくり風呂に浸かるのも効果的だと聞いている」
    「それに…」
    飯田が言いずらそうにしていた
    「あ…悪ぃ…汗臭いよな…」
    「いや!本当すまない!友達でも失礼かと思って言えなかった!」
    「ははっ…飯田は本当にそういうところあるな…じゃあ、風呂入ってくる」
    「僕も一緒に入ろうかなと思っていたが…」
    「飯田が好きなようにしてくれ」
    「分かった、なら僕はもう少し明日のパトロールの場所を分担できるように作業をしてくる」
    「いつもお疲れ様、飯田、無理しすぎんなよ」
    貰いすぎた言葉を返した

  • 24二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 00:28:45

    ほんとにほんとに好きすぎる!!
    暑いのでお体に気をつけて!続き待ってます

  • 25二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 06:44:51

    どんなエンドになるか楽しみすぎる

  • 261主25/08/01(金) 09:43:19

    何度もフラッシュバックするあの映像
    身体の作りは…似てないと思いたいけど
    流れてる血はほとんど同じだ
    「…」
    俺は軽く頭から冷水を浴びた後、すぐにお湯に切り替えた
    髪を洗っていると、いつも思う
    俺の右側は燈矢兄と同じなんだって
    …そりゃ…親父以外みんな白い髪は入ってるけど
    夏兄より俺の頭に浮かぶのはやっぱり燈矢兄なんだ
    「…ストレス…か」
    両手に白い髪と赤い髪が絡まっていた
    俺は体も洗い、汗臭い匂いをシャワーで完全に落とした後に湯船に浸かった
    天気が悪かったせいか、自分でも驚くほど体が冷えていたのか、風呂に入るとジーン…と足先から温まっていくのがわかった
    久々に落ち着けたような気がして、俺はゆっくり目を閉じた
    緑谷にもありがとうって言わなきゃいけねぇな…
    爆豪にも…他のみんなにも
    あと…は…
    全身の力が抜け俺は倒れるように湯に沈んで行った
    すぐに起き上がればいいのに、すぐに息ができるほど浅いのに
    何故か足をバタつかせられるほど深くて、重い
    お湯じゃなくなったと気づいたのは、何秒経ってからだろうか
    川の水のように冷たくなった
    ただ、そんな冷たい水の中に俺は沈んでいって
    呼吸ができない
    冷たいはずなのに、どこか熱くて
    背中からチリチリ焼けそうで
    必死に手を伸ばした
    俺の後ろ髪を誰かが掴もうとしたが、毛先に触れるだけだった

    「轟!」

  • 271主25/08/01(金) 09:48:47

    ガッ!と誰かに手を掴まれお湯の中から引っ張りあげられた
    「ごほっ…えほっ…!ごほっ…」
    「何してんだよ轟!?こんな浅い風呂で溺れるってどういうことだよ!?」
    「んっ…ごほっ!…上鳴…か」
    「なぁ、轟…梅雨ちゃんとかから聞いたけどよ…疲れてるんだろ?見た感じそうじゃん」
    「こんな浅い風呂で溺れるなんて普通有り得ねぇぜ?」
    上鳴は、少し呆れた顔をしてた
    「…眠く…なっちまったから」
    「顔色悪いな、飯食ったか?」
    「食欲湧かねぇんだ、でも、大丈夫だから」
    「相澤先生が居たら説教3時間コースだぞ轟」
    先生…か
    あの時助けられなかったのも…あの時俺は無理してでも動かなきゃならなかったのに
    「顔色悪ぃな…轟…飯一緒に食おうぜ?な?」
    「本当に…腹空かねぇんだ」
    「胃が動いてないだけだって!白湯とか飲むと多少良くなるらしいぜ!」
    「梅雨ちゃんが冷蔵庫のゼリー食べていいってさ!常闇が持ってきたリンゴ、砂藤が剥いてくれてたから、それもあるし」
    「少しでも元気だして欲しいんだよ」
    上鳴はニカッと笑った
    「なら…少しだけ貰う…」
    「んな事言って全部食っちまったりしてな!あ、もちろんいいんだぜ?」
    「ありがとう」
    きっと、上鳴に助けてもらわなかったら
    燈矢の幻覚か幻聴が俺を襲ってきて、パニックを起こして死んでた
    …そんなギリギリなのか?俺は

  • 28二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:16:29

    保守、いい感じの鬱具合でとてもすきです

  • 291主25/08/01(金) 14:55:29

    「疲れてんなら無理して髪乾かす必要ねぇんじゃねぇの?」
    「そうかもな…」
    「そうそう!イケメンもたまにはずぼらなとこあっていいって!」
    上鳴と一緒に話しながら、俺は脱衣所を出た
    「にしてもよ…轟が通るだけであんな顔しなくていいのにな」
    「轟が何したって言うんだよ…ほんとに」
    「…俺のために怒ってくれてありがとう」
    「まー、1番感謝するなら麗日か、緑谷だろうな〜ちゃんとお礼言った?」
    「…タイミングが合わな…いや、まだ言えてない」
    「そっかそっか」
    ──────────
    本当にただ、疲れてただけだったんだろうか?
    なんにも見えない聞こえない…いつもの…日常
    「轟ちゃん、美味しい?」
    「あぁ、譲ってくれてありがとう…蛙吹」
    「ケロッ、これぐらいいのよ」
    そういえば、蛙吹も兄妹がいたか…
    なんか妙に落ち着くのは…きっと蛙吹がお姉さんだからなんだろうな…
    「なー、梅雨ちゃんさ〜、爆豪見なかった?」
    「…ごめんなさい分からないわ、でも確か、切島ちゃんと一緒に…居たはずだから聞いてみてちょうだい」
    「そっか、サンキュー!」
    A組は俺が求めていた家族そのもの…なんて言っても過言じゃない
    というか…家族ってこういうものなんだろ?という理想系がA組だ
    なら、轟家は家族じゃなかったら一体なんなんだろう
    「…?」
    視界の端になにか光るものを見つけた
    俺は、2人に不思議そうな目で見られながらも立ち上がりそれを拾い上げた
    「…ピアス?」

  • 301主25/08/01(金) 15:05:03

    「お?なになに?どした?轟」
    「あ、いや、これ誰のピアスかなって…」
    「ピアス…?そんなのつけてる子なんていたかしら…?」
    「つーか…轟…ピアスってどこだよ?」
    「え?いや、今持ってるだろ、ほら」
    「「…」」
    あれ…これ…俺がおかしいのか…?
    でもちゃんとここにある…のに、2人には見えてない?
    「と、轟さ!やっぱ疲れてるんだって!」
    「え…いや…俺…」
    「あの…見え…え?わかんない…2人には…見えない…?」
    「あれ…俺おかしいよな…あ…?」
    冷や汗がダラダラ伝う
    全身、虫に這われているかのような不快感
    「落ち着いて轟ちゃん」
    「…ちゃんと…見えてるから」
    蛙吹が、俺の背中を優しく撫でた
    「そ、そうそう…ちょっと俺ゲームのやりすぎて視力落ちちゃったみてぇだから!」
    「それは、幻覚じゃないから…安心しろ!轟…」
    「そう…だ…よな」
    「緑谷ちゃんを呼んでくるわ、一番仲がいいものね」
    「…今緑谷は」
    「緑谷ちゃん、ずっと心配してたわよ、話してあげるのも…辛いでしょうけど、緑谷ちゃんの為になるわ」
    『あーあ、なんて優しいんだろうなお前の友達は』
    『流石最高傑作…愛されて愛されて…持ってないものなんて無いもんなァ…』
    「…」
    「2人っきりで話したい…けど…」
    「わかったわ、じゃあ、15分後に緑谷ちゃんに轟ちゃんの部屋に行くように伝えておくわね」
    「…本当にありがとう、蛙吹」

  • 31二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:54:06

    原作が「みんなが居るから大丈夫!A組大好き」な轟→「轟(くん)は悪くないのに...俺/僕/私達がついてる!」なA組だから亡霊が加わることでこんなにも轟くんの心がごちゃごちゃになるんだと思うと家族ってすげえなって.....
    それでも耐えれてるのさすとどですな

  • 321主25/08/01(金) 16:20:36

    ‪”‬俺は生きてる、許されない真実だ、お父さん‪!”‬
    「…ふー…」
    揺れる視界を何とか深呼吸で戻しながら緑谷が来るのを待った

    ‪”‬今日まで元気でいてくれて、ありがとうエンデヴァー!!‪”‬

    なんで俺なんだよ…
    クソッ…頭…グツグツいって…なんなんだ本当に…!
    俺はまた目を閉じて深呼吸を始めた
    ──────────
    ドアノブをひねる音で俺はハッとした
    「轟くん?鍵かけてる?」

    今やっと気づいた
    俺は部屋を凍らせていた
    でも、1番凍っていたのは扉だった

    「あ、あぁ…悪ぃ…ちょっとコントロールをミスって部屋凍らせちまった」
    「何がどうしてそうなったの!?」
    「とりあえず、ドアから離れてくれ」
    緑谷の気配が少し遠ざかったのを確認したあと俺は、震える左手で氷を溶かし始めた
    できるだけ高温で、でも燃やさないように
    …緑谷と話すのが怖かったのかな
    「多分…開けられると思う、ドアノブ熱かったら…」
    ガチャッと音が鳴ったあと、緑谷はなに食わぬ顔で部屋に入ってきた
    「あ…確かにちょっと寒いね…個性も身体機能の一つだから…まぁ…OFAと比較するのもあれだけど…調子悪い時もあるよね」
    「さっきは…ごめん…それと、ありがとう」
    「ううん…こっちこそごめん」

    『緑谷出久はお前のことを───』

  • 331主25/08/01(金) 16:31:43

    「それで、あの時の話の続き…できそう?」
    緑谷と向かいあわせで座る
    「少しづつでいいなら…できそうだ」
    「今、幻覚、幻聴はある?」
    「…特に」
    「原因から探っていこっか、あんまりお兄さんのこと思い出したくないのも分かるけど…さ…」
    「…うん」
    「お兄さんは、…エンデヴァーをコロす…轟くんをコロすことが目的だから当然生きてる」
    「なら、幽霊とかの説は無くなるね…もともとそこら辺はあんまり考えてなかったと思うけど」
    「そして…幻覚幻聴の原因って言うのはね…心因性だったりすると、強いストレスとかトラウマ」
    「肉体的とかになってくると、睡眠不足、過労…轟くんはないと思うけど、統合失調症、薬の乱用、薬の副作用とからしいんだよね」
    「それでさ…僕が思うに、轟くんは複雑性PTSDと慢性的なストレス…一般市民のみんなの視線とかだね、それとよく夢を見たりするんじゃない?だからちゃんと寝れてない」
    「すげぇな、緑谷…医者みてぇだ」
    「轟くんが少しでも楽になれるかなって…少し調べてみたんだ」
    「ありがとう…緑谷」
    緑谷の目の奥に俺はどう写っているのだろうか
    惨めに写っているのだろうか?哀れに写っているのだろうか?
    …目が怖い、視線に晒されるのが嫌だ
    俺をもう見ないでくれ…
    生きてるなら…直接会いに来いよ…燈矢兄
    「大丈夫だよ、轟くん」
    「僕がいる」
    少しぐらい…依存したって…今は…許されるよな
    薬に依存するよりもよっぽど…マシ…だろ

  • 341主25/08/01(金) 17:39:24

    「もうこんな時間だし、寝たらどうかな」
    「…寝れるかな」
    「僕が一緒に寝ようか?かっちゃんも呼んでちょっとお泊まり気分…とかさ」
    「騒がしくて寝れねぇな」
    緑谷がクスッと笑った
    「いつ起こしに来ても大丈夫だから…それか、電話してよ」
    「ありがとう…本当に」
    「(…弱気だけど仕方ないよね…轟くん今はちょっと疲れちゃってるから)」
    「じゃ、またね」
    緑谷が部屋から出ていったあと、俺は全身の力が抜け、その場に崩れ落ちた
    震えてるのはバレなかっただろうか、泣きそうになっていたのはバレなかっただろうか
    個性を使ってないのに、寒かったり暑かったり…なんなんだ一体
    俺が寝転がり天井を向くと目が合った
    「…あ…」
    ただ、無言で見下ろしてくる燈矢兄
    『お前のことが心配なのになんで帰るんだろうな?』
    『兄ちゃんはずっとそばにいてやってるのに』
    『アイツらの何が家族だ?』
    「と、燈矢兄…頼むから…もう出てこないでくれ…」
    『…ふーん…焦凍はもう俺の事どうでもいいんだな』
    『家族を見捨てて、お父さんと同じになるんだな』
    『なぁ…焦凍、家族を見捨てた奴の末路はどうだった?知らないとは言わせないぜ?』
    「ご…ごめんなさい…燈矢兄…ごめん…謝る…謝るから…」
    『焦凍は質問には答えてくれないんだな…悲しいな』

    親父とおんなじになりたくない…

    『そうだな、焦凍…お前はお父さんとは違うから…だから俺がいるんだ焦凍』
    『大丈夫、お父さんと同じ末路は辿らせねぇから…俺を信じろ』

  • 35二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 17:45:42

    順調に追い詰められてるのを見てにっこり

  • 36二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 17:47:01

    じわじわと苦しんでほしい

  • 371主25/08/01(金) 19:23:13

    瞬きひとつする間に、燈矢兄は俺の上にのしかかっていた

    俺のことを見下ろしている

    ずっと、あの時…ギガントマキアの上から見下ろしている燈矢兄の姿と重なる

    燈矢兄は俺の首元を撫でたあと、そのまま両手で俺の首を締め始めた

    『…焦凍はさ、生きて…生きた後にさ、その先に何を求めてんだ?』

    『あぁ、ごめん、焦凍の答えなんてもう決まってたか』

    「とっ…ぉ…やにいっ…!」

    俺は燈矢兄の腕を掴むが、炎が舞い上がり熱くて全力で引き離せない

    『腐っても兄ちゃんだからな…弟に負ける訳にはいかねぇんだよ』

    『哀れだな焦凍…悲しいな焦凍…きっとお前の‪”‬家族‪”‬は幸せな夢を見ながら希望が詰まった明日を迎える準備をしてるよ』

    「がっ…ぁっ…!」

    『可哀想な焦凍…大丈夫…すぐに殺してあげるから』

    『でも、地獄に行っても少しは待っててな…お父さんも…ほかのみんなもつれて来なきゃいけねぇから』

    『さぁ、焦凍…ヒーローなんて戯言はもう…』

    俺は燈矢兄を突き飛ばした

    燈矢兄は壁に当たったが、音は何もしなかった

    それが俺を心の底から安心させた

    「っ…ごほっ…はーっ…消えろ…幻覚が…」

    『恨みがある限り俺は消えない』

    『ヒーローも、お父さんもお前も…皆殺しにしてやる』

    『全部燃やし尽くしてやる』

    燈矢兄は、俺の目を見つめた、その顔はやはり笑っていて

    そのまま、また風と共に消えた

    「…っ…うっ…うぅ…おかあさ…」

    俺は自分の服を掴みながら、子供のようにボロボロ泣いた


    ファイルなう - アップロードされた複数のファイル1754043584709.jpg, 20250801-1859_51d5d78c0699cc4c1f94fba067bb... (928 KB)d.kuku.lu

    (首絞められショート)

  • 38二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 19:26:41

    >>37

    神絵師じゃん


    このスレ主見たことある気がする

  • 391主25/08/01(金) 20:21:33

    俺をどれだけ疲れさせたら気が済むのだろうか

    「…はぁ…」

    最近俺は…高校生とは思えないぐらい幼くなっているような気がした

    すぐに怒る…すぐに泣く…すぐに笑う

    感情的になること自体…みんなに迷惑かけちまうのに

    今日はさっさと寝ちまう…でも、また横になったら…


    轟の正気度

    83-dice1d50=34 (34)


    皆さんレスありがとうございます

    >>24

    できる限り無理しない範囲で頑張ります

    >>38

    ありがとうございます

    (…どのスレだろ?)

  • 40二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:25:10

    >>39

    ホークスの曇らせスレ書いてました?

    あと轟くんがじわじわと苦しんでるねえ

  • 411主25/08/01(金) 20:29:48

    >>40

    はい、そのスレ主と同一人物ですね

    絵でもスレ内容でも覚えてて貰えて嬉しいです

  • 421主25/08/01(金) 20:36:10

    夢枕に立つなんて言葉はあるが…それは、神や故人の話だ
    なら…そんなことありえない…ありえねぇんだ
    「…」
    静かになった部屋が怖く、音楽をまたかけようと思ったが、今大音量で音楽を流したら近くの部屋のみんながゆっくり休めない
    俺は仕方なく目を瞑りながら明日のことを考えた

    明日はどうしよう…動けるか?
    いや、無理してでも動け…市民を助けろ…少しでもAFOに…荼毘に繋がるヒントを掴め
    そして、みんなが幸せに楽しく暮らせる世界に…

    幸せになったら…最初に何をしようか
    家族みんなで蕎麦が食べたいな
    …それはいつもの話か…
    燈矢兄は何が好きなんだろう
    分からないな…

    …気づいたら燈矢兄のことを考えてる
    そんな歌詞をどこかで聞いたことがあるけど、愛なんて素敵なものじゃない
    憎しみと恐怖と罪悪感で頭から離れないだけだ
    考えたくないのに、俺が燈矢になったみたいに、一体化してしまったみたいに、離れない
    最高傑作だなんて言葉はもう聞きたくない
    俺が…俺が1番の失敗作なのだから

    みんなに迷惑かけてごめんなさい
    家族に迷惑かけてごめんなさい

    産まれてきてごめんなさい

  • 43二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:34:12

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:22:02

    鬱々しい〜

  • 451主25/08/02(土) 00:10:41

    リン…と風鈴の音が鳴った
    俺は縁側に座っていた
    隣には中学生の燈矢兄が居た
    「疲れたな焦凍」
    汗をかきながら少し頬を赤くして俺に微笑む燈矢兄
    アイス片手に、汗をかく姿は…俺が思う‪”‬普通‪”‬の子供
    「燈矢兄…あの…ね…あの」
    俺はなんて言えばいいか分からなかったが、とりあえず燈矢兄と話がしたかった
    「あのね、燈矢にぃ…んむ…!?」
    「あはは!なんだその間抜け面!焦凍も暑いだろ俺が食ってたヤツでいいならそれ食べとけ」
    燈矢兄が食べていたアイスを口に無理やり突っ込まれた
    ひんやりとしたアイスが俺の口の中を冷ました
    「あのな、焦凍…俺ヒーローになりたいんだ」
    「ひー…ぉ…ー?」
    「うん、お父さんみたいなかっこいいヒーローになりたい」
    「なれるかな?」
    俺はアイスを食べながら、少しズキリと痛む頭で考えた
    「…親父…みひゃいな…ひーぉには…ん…なって欲しくねぇ」
    「なんで?」
    「かっこ悪いから」
    「…あはは!あんなに髭生やしたりはしないよ!焦凍は可愛いな、俺が言ってるのはそういう意味じゃなくてさ」
    知ってる…けど…燈矢兄が楽しそうに話してるならそれで良かった
    「でもさ…お父さんみたいに…平気で家族を捨てられる奴にはなりたくねぇよなぁ…焦凍』
    『でも、俺はかっこいいと思うぞ?平気で家族を捨ててさも何も無かったように振る舞う姿は…クズで滑稽で…それでいてどこかかっこよくてさ』
    『大っ嫌いだ』
    燈矢兄は、ただ俺の頭に手を置いた
    『そしてお前も…』

  • 46二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 06:51:27

    途中から荼毘になってる…

  • 471主25/08/02(土) 08:42:39

    目が覚めた、途中からわかっていた、あれは夢だって
    ベットシーツが濡れてる、汗?それとも…
    「っ…うるせぇ…夢のくせに…!」
    「幸せな夢も見ちゃダメなのかよ…!?」
    俺は床に自分の拳を振り下ろした
    誰もいない部屋に、怒りの行き先は無かった
    息も乱れ、目の奥が熱くなる
    部屋の空気は、冷えたり暑くなったり
    個性が全くコントロールできない
    「う‪”‬ぅ…なんで…なんでぇ…」
    「とぉや…にぃは…っう…俺にいじわる…するんだよっ…」
    精神的苦痛から逃れるための幼児退行
    恥ずかしくて情けないはずなのに
    スッキリするのは何故だろうか

  • 481主25/08/02(土) 09:00:54

    けど…起きた時点で俺は終わってた
    寝てる方がマシだなんて…あんな夢を見る方がマシだなんて…冗談もいいところだ

    親父の怒鳴り声
    お母さんのあの目
    冬美姉さんの怯える顔
    夏兄の苦痛から逃れようとする顔

    燈矢兄の笑う顔

    頭の中で何もかもが混線して、身体の奥からなにかがせり上ってきた
    それは、コポッ…と嫌な音を立てていた
    「うっ…!?」
    「やだっ…ぁ…やだっ…」
    体も頭も心もぐっちゃぐちゃ
    自分でも何がしたいのか分からなかった
    空っぽの胃がきゅうっと縮まるような感覚に襲われた

    「っ…げほっ…おぇ…っ…!」
    畳に嫌な匂いが広がっていくのが分かった
    「げぇっ…ッ…ぐっ…ぅっ…」
    濁った色の吐瀉物の上に透明の涙がぽたぽた垂れた
    俺の口から変に粘り気のある物が垂れたあと
    俺は吐くものがなくなったのか、嗚咽は漏れたものの
    もう何も出なくなった
    頭がクラクラする…水分不足だ…あんなにシーツを濡らしたから
    音が遅れて聞こえた
    何言ってるか分からない…けど…蛙吹と砂藤が来た
    あぁ…こんなみっともない姿…見ないでくれ
    頼むから…そんな目で見ないで…くれ

  • 49二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 09:15:34

    しゃぁぁぁ!!吐いた!!
    今んとこ出たのが緑谷、爆豪、上鳴、蛙吹、飯田か?この調子で先生含め漏れなく全員巻き込んで欲しいね...
    楽しみだ

  • 50二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 09:32:36

    >>49

    おめえ言ってることとんでもねえクズだぞ


    正直気持ちはすげえわかる

  • 511主25/08/02(土) 11:17:08

    「…あ」
    「轟さん、起きましたか?身体は動かせますか?」
    「八百万…」
    「轟、食欲ねぇかもしれねぇけど…一応飯は食っとけ!蕎麦はさすがに無理だったから、お粥で勘弁してくれよ」
    「砂藤…」
    共同スペースのソファーに寝かされていた俺
    「あ、蛙吹は?」
    「今、轟さんの部屋の掃除をしていますわ」
    「は…?ちょ、ちょっと待ってくれ…流石に同級生にそんなことさせるのは…!」
    「大丈夫よ、轟ちゃん、汚いとも思わないわ…ただ、悲しいだけよ」
    蛙吹がバケツと雑巾片手に現れた
    なんにも大丈夫じゃねぇ…俺は同級生になんてことをさせてんだ
    「体調悪かったなら、言ってくれよ轟」
    「言えるわけ…ねぇだろ…砂藤…みんなに迷惑かけたくねぇんだ…俺は」
    「…言わせてもらいますが、それが一番の迷惑ですわ」
    八百万は冷静に俺に淡々と伝えてくる
    「ここに運んでくださったのは、瀬呂さんです」
    「瀬呂さんも言っていました、「もっと早く相談して欲しかったな」と」
    言えるわけねぇだろ…なんでわかってくれないんだ
    「今日は…休みましょう、轟さん、体調不良で動くのは…」
    「八百万達に俺の何がわかるんだよ…!?」
    「俺は行く、砂藤悪ぃな…本当に食欲ねぇんだ…」
    「それと、蛙吹、変に取り繕わなくていい、汚いと思ったら汚いって言ってくれていい」
    「ま、待ってくどさいまし!」
    「八百万も、もう俺に構わないでくれ」
    「轟ちゃん…私達はただ…!」
    「轟!」
    俺は、立ち上がり自室に戻ってコスチュームに着替えた

  • 521主25/08/02(土) 11:24:05

    「お…轟…って…待てよ!お前体調悪いんだろ!?」

    廊下で瀬呂と出会ったが無視して進んだ

    だが、当然止めてくる

    「無視っていうのは酷くないか轟」

    腕をテープで拘束されるが、俺はすぐにそれを燃やした

    「…気分悪ぃんだ…頼むからもうやめてくれ…」

    俺はそのまま走って寮を出た

    ────────

    見るな見るな見るな

    俺が何をしたって言うんだ?親父の息子で荼毘の兄弟

    それってそんなにいけないことか?

    呪われて殺されるぐらいいけないことなのか?

    ────────

    俺は何とか雄英の敷地外に出た後一息ついた

    …計画性皆無何をしよう

    >>55


    A組エミュがホント苦手です

    あと完全余談ですが、前のホークス曇らせスレで次は轟くんでやろうって言ってたんですね私…記憶になかったです

  • 53二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:27:12

    とにかく遠くまで行く

  • 54二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:38:20

    瀬古杜岳に行く

  • 55二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:38:29

    気晴らしに散歩

  • 561主25/08/02(土) 12:24:16

    とりあえず、ふらふら…目的なく散歩するか
    気晴らしになればいいんだけどな…
    ────────────
    瓦礫まみれで酷い世界になったなと、改めて思わされた
    散歩と言っても…遊びに来たわけじゃない
    パトロールももちろん兼ねてる
    けど、瓦礫の下敷きになった人もいないし、嗅いだことは無いが死体の匂いもしない
    そんな中足に何かが当たった
    「…?」
    俺はそれを拾い上げた
    どうやら小さい子供の絵日記のようだった
    〔だいすきなひーろー!えんでばぁー!〕
    拙い字で書いてある日記
    子供らしい可愛らし絵で、親父が描いてあった
    「親父が好きだなんて…珍しいな」
    俺はその日記帳をそっと元あった場所に置こうとしたタイミングで、その日記帳が燃え上がった
    先程のページが開き、穴が空くようにじわじわと燃えて黒くなっていく
    俺はただただ無感情でその光景を見ていた
    どうせ幻覚なのだから…
    それに…朝ごはん食ってねぇせいか…驚く元気もねぇ
    でも、なんだろう…気分がいい

    俺は普段しないようなことをした
    スキップをしたり、ダンスを踊るように歩いたり
    何となく‪”‬普通‪”‬の小さな子供のように俺ははしゃいだ
    見られたらひとたまりもない、もしかしたら病院送りかもしれない
    俺は正常だ、狂っているのは燈矢兄だけだ
    俺は至って普通に生きたいだけなんだ
    邪魔を…しないでくれ

  • 57二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 14:18:08

    読んでて興奮してきた、最高…スレ主さんの分には届かないけどssも書きたいです…

  • 581主25/08/02(土) 14:47:05

    >>57

    ありがとうございます

    自分の言葉に何か感じてくださったのなら、素直に嬉しいです

    よければ、ぜひ書いてください

  • 591主25/08/02(土) 15:05:39

    結構遠くまで来た

    ヴィランも事件も特になくて良かったと思う反面、やっぱり心が落ち着かない

    『なら、人でも殺してみたらどうだ?』

    思わず後ろを振り返った

    『お前にはそれが出来るだろ?最高傑作』

    「…ぁあ」

    情けない声が、無意識に漏れた

    『兄ちゃんも手伝ってやるから、な?ほら…』

    燈矢兄が俺の手を取って、そのままゆっくりと歩き始めた

    手を離してなんてことは到底言えるわけなくて

    俺はただ、兄に手を引かれ歩いていた

    ────────────

    そこそこ歩いただろうか、燈矢兄が俺から手を離したあと、指を真っ直ぐ前に向けた

    〔…起きて…起きてよぉ…!〕

    「…子供?」

    何故燈矢兄が連れてきたかが、次の一言でわかった

    俺よりも何歳か年下の…多分10歳ぐらいだろうか

    〔あ…エンデヴァーの…ん…〕

    〔お、お願いします…兄ちゃんを…お兄ちゃんを助けてください…!〕

    その少年の横にはぐったりと横たわっている、少年の兄が居た

    助けなきゃいけない…助けなきゃ…

    『焦凍〜、ちなみにこいつの兄貴は死んでるぞ?』

    『それなのに健気だなぁ…お前と違って』

    『なァ、焦凍こういう時どうするのが正解だと思う?』

    『助けて…やらないとなぁ‪”‬お前の方法‪”‬で』


    50以上で無視、80以上で───

    dice1d100=79 (79)

  • 60二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:07:01

    あっぶねぇ……
    80以上明らかにやばいやつっぽい…

  • 611主25/08/02(土) 15:14:18

    「っ…そいつはもう死んでる…避難所はあっちだ…」
    〔…え?〕
    俺は何も見てない
    知らない、見てない、燈矢兄が勝手に連れてきただけだ
    はは…きっとこれも幻覚だ…大丈夫
    悪い夢だ…悪い夢だから

    無視して置いていっても大丈夫だ

    『…ふ、ははは!そうそう!正解だよ!焦凍!』
    『まぁ、満点はあげられねぇけどな』
    燈矢兄は、打って変わって優しい声色になり、俺の頭を撫でてきた
    『さ、帰ろっか焦凍、それとももう少し散歩するか?付き合うぜ?』
    〔待って…置いてかないで…お願い…お兄ちゃんを助けて…〕
    『あー、大丈夫大丈夫…兄ちゃんが着いてるからな、幻聴なんて聞かなくて平気だ』
    何となく、今は燈矢兄が優しく見えた
    普通の兄貴みたいに…なんか…自分でも変だと思うけど、落ち着く
    『で?どうする?今俺は機嫌がいいから、遊んであげられるぞ?何したい?』
    もう、‪”‬幻覚‪”‬のことは見ずに‪”‬燈矢兄‪”‬だけを見ていた
    「じゃあ…燈矢兄と一緒にまだ歩きたい…昔の話をしたい…」
    燈矢兄は、笑ったあと、また俺の手を引っ張って歩き始めた
    きっと俺は疲れてるだけだ…だって
    燈矢兄は火傷なんてなくて、お母さん譲りの綺麗な顔で俺に微笑んでいるのだから

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:28:04

    このレスは削除されています

  • 631主25/08/02(土) 15:29:23

    轟の正気度

    49-dice1d49=3 (3)


    これで数字めっちゃ高かったらSAN値回復イベントします

    多分まだ皆さんイジメ足りないと思いますし

    それに私は、完全に狂っちゃったあと取り返しがつかないことをして、正気に戻って絶望する展開が大好きです

    あと、80以上だった場合、兄弟を殺していました

    長々とした余談すいませんでした

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:33:10

    >>63

    (*^ω^*)

  • 651主25/08/02(土) 15:34:39

    なんかこれが普通の兄弟なのかなって、馬鹿なことを思いながら笑う燈矢兄を見ていた

    けど…ふと水溜まりを見れば、燈矢兄の姿は反射してなくて

    ほんの少しだけ怖くなったりもしたけど

    燈矢兄の笑った顔を見てたら…そんなこと吹き飛んで

    落ち着い…


    プルルルル…と着信音が鳴った


    『無視しろ無視、今俺と遊んでんだから』

    「…けど…」

    俺はスマホを見つめていた

    画面には電話番号

    誰だ…?この番号って…確か…

    思い出せそうで思い出せない

    俺は電話に出てみることにした


    「もしもし…?」


    相手は誰だった?

    1 エンデヴァー

    2 デク

    3 ホークス


    dice1d3=1 (1)

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:38:04

    パパきた

  • 67二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:45:40

    すっごくデジャヴを感じるなワクワク、、、って見てたらホークスん時のスレ主でワイ歓喜

  • 681主25/08/02(土) 22:21:19

    「焦凍!」
    「…親父?どうした?」
    「A組の…名前は忘れてしまったが、焦凍のクラスメイトから聞いた、今どこにいる?」
    「…親父が知る必要はねぇだろ」
    俺はすぐに電話を切ろうとするが、親父があまりにも必死に止めて来るものだから、少しだけ話を聞いてから切る事にした
    「焦凍」
    『おっ!お父さんじゃねぇか、そういや焦凍の口からお父さんの話出てこなかったからなぁ…』
    燈矢兄は俺の肩に肘を乗せながら会話を聞いていた
    「すまないが…デクから事情は聞いた」
    「…!」
    「燈矢の…幻を見るのだと」
    親父の言葉でハッとした
    違う、これは燈矢兄じゃない…幻覚で幻聴…俺が作り出した幻だ
    俺は燈矢兄を振り払った
    『…なんでどいつもこいつも邪魔するんだろうな、お父さんはまた俺のことを否定した』
    『過去を見ないことにした、俺を無かったものにした』
    焦げ臭い匂いが辺りを蹂躙した
    『なァ…焦凍…焦凍は違うよな?』
    まともに呼吸ができなくなってきた
    何されるか分からない、殴られるだけで済むだろうか?
    「っ…ぅ…あっ…はぁ…ぁ…はっ…!」
    「焦凍!落ち着け焦凍!」
    「それは幻だ!」
    「ほ…ほんとに…?だって…燈矢兄はここにいて…俺と話して…遊んで…燈矢兄は…っ…分かんねぇ…分かんねぇよ!親父ッ…!」
    「頼む…俺を信じろ…焦凍!」
    親父の涙まじりの声が聞こえ、俺は、少しづつ落ち着いてきた
    自分より取り乱している奴がいると案外落ち着くものだ
    燈矢兄は舌打ちをしたあとまたどこかに消えた
    俺はゆっくりと肺に酸素を送った

  • 691主25/08/02(土) 22:28:37

    俺はその場に膝から崩れ落ちた

    何楽になろうとしてるんだ…違う…あれは幻覚だ

    …感謝なんかしたかねぇけど…ありがとう…親父

    「早く帰ろう…早く」

    身体が鉛みたいに重い…

    疲れた…早く…

    足が動かない、動け…早く帰って…俺は

    何をすればいいんだ?とりあえず…謝らなきゃ…

    また迷惑かけちまって…ごめんって…




    轟は

    1 そのまま気絶してしまった

    2 何とか歩いて雄英付近まで着いた

    3 その場にdice1d20=2 (2)

    が来た


    dice1d3=3 (3)

  • 701主25/08/02(土) 22:42:55

    「轟!」
    「…芦戸」
    芦戸は何も言わずに俺を抱きしめた
    「帰ろ…轟、みんな心配してるよ」
    「みんなに…謝らなくちゃ…いけねぇ…」
    「轟は責任を感じすぎだよ、でもねみんな心配してたから1回ちゃんと怒られた方がいいよ」
    「…そうだな」
    「目の下のクマ酷いね…寝れてないの?」
    「一応…寝れてはいる」
    芦戸は俺の腕を自分の肩に乗せ、そのままゆっくり歩き始めた
    女子にこんなことをしてもらうのは…本当に情けないと自覚させられた
    けど…本当に悪いことだって分かってるけど

    みんなが俺のことを心配してくれて…嬉しい

    …本当に俺はどうしちまったんだ?
    疲れて…疲れすぎて頭がぶっ壊れちまったか…?
    「轟は無理しなくていいからね、ゆっくり歩こっか」
    「ありがとう…芦戸」
    何となく芦戸の姿がミッドナイト先生と重なった
    芦戸も…前に進もうと頑張ってるのに…俺は…

  • 71二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:43:56

    救われるな
    もっと苦しんでくれ

  • 721主25/08/02(土) 23:27:03

    まだ少し湿っている畳を見ながら、俺は部屋に入った
    「…」
    謝らなきゃ…いけねぇ…
    けど…

    心配して欲しい、俺に構って欲しい
    優しいみんなに触れたい…それなら俺はいくらでも苦しめる

    『俺を利用すればいい…お前はお父さんの子供なんだから』
    「…利用ってなんだよ…」
    「…幻覚の癖に」
    『焦凍はまだ気づかないか?』
    『俺はこんなに大火傷を負った…酷い火傷だ…』
    『心配してくれる人間は誰もいなかった…!でも焦凍はどうだ?家族に等しい存在が19人程いるんだぜ?』
    『幻覚でも兄ちゃんだからなぁ…助けてやらねぇとなぁ』
    燈矢兄の手が俺の頬に触れた
    『大丈夫だ焦凍…苦しいのは一瞬、すぐに楽になるさ』
    頬に熱いものが走った
    熱い…熱い…痛い痛い痛い
    燈矢兄は手を離したあと、にっこり笑って消えた
    頬を触らなくても分かる
    火傷でぐじゅぐじゅになった頬
    どうしようと、混乱しながら、俺は部屋を出た
    とりあえず冷やさないと…
    いくら炎に耐性があるとはいえ…これは
    「うぉっ!?とどろ…おい!?それどうした!?」
    瀬呂とぶつかって隠していた頬が晒された
    「ちょ、待ってろ…今冷やすもの持ってくるから!」
    その目は心の底から心配してくれていて
    俺は…何故か笑ってしまった

  • 731主25/08/02(土) 23:39:12

    瀬呂に保冷剤で冷やしてもらっていると
    麗日、切島、障子、尾白が帰ってきた
    「…え?瀬呂くん…轟くん…な、何があったん?」
    「いや、分かんねぇ…轟も心当たりがないって」
    「轟が焼けるほどの熱ってなんだよ…!?」
    驚くばかりの麗日と切島
    「い、痛いよね、轟くん…今…怪我治せる人おらんから…」
    「漢なら我慢!って言いたいところだけどよ…轟はずっと我慢ばっかりだよな」
    「…ありがとう、麗日、切島…痛いだけで別になんて事ない」
    「少し我慢しすぎなんじゃないか、轟は…個性が暴走してしまったのでは…と考えたが」
    「ちげぇと…思う、あんまり覚えてない」
    「無理はしないでね、轟、俺に出来ることなんて限られてるけど、相談に乗ることぐらいはできるから」
    テンプレートのような返し
    けど、俺はそれが心の底から安心できて…
    嬉しくて

    みんなが俺を見てる

    心配してくれてる
    嬉しい…嬉しいな…
    頬の火傷だけでこれなら…ならもっと…
    『兄ちゃんは応援してるよ、焦凍』
    っ…だめだ…だめだ…
    違う、間違ってるこんなのは…違う
    迷惑かけっぱなしは違うだろ!
    「どうしたん?轟くん…泣きそうな顔してるけど」
    「大丈夫…だ、俺は、明日のこと考えておく…心配せずに、今日はゆっくり休んでくれ…みんなも大変だろ?」
    この言葉一つ一つ発するのが、とても苦しかった
    俺だけを見てほしい、俺だけにかまって欲しい
    そんなの…ダメに決まってるんだ…いい加減理解しろ

  • 74二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 06:48:17

    曇り焦凍にしかない栄養がある
    めっちゃ楽しんでる

  • 751主25/08/03(日) 13:08:50

    何度考えても、言葉が捻れる、感情がぐちゃぐちゃに腐っていく

    「俺は…俺は……なんで……っ」

    部屋に戻って俺は、布団に顔を埋めて、声を殺した

    泣きたくないのに涙が出る、泣いてるのは、嬉しかったから?

    誰かがそばにいてくれたから?

    それとも、最低な自分がやっとバレそうで怖いから?

    「……どれも嫌だ……っ」

    でも、どうすればいい?

    また誰かに優しくされたい、そのために、自分を…

    それでしか満たされないのか

    それが、“俺”なのか?


    首をガリガリと掻きむしる

    指の先に血が付着するがそんなことは、どうでもよかった

    俺の中の血が…記憶が、細胞が…こんな思考に陥れるんだ

    気持ち悪い…こんな気持ちになるぐらいなら…死んじまった方がマシだ


    でも…死んだらまた…


    俺は?俺はどうすりゃいい?

    燈矢兄に会えばわかるか?

    A組のみんなに吐き出せば楽になるか?

    分からない…分からない…


    轟の幻覚、幻聴の件は

    1 轟が自分から話した

    2 デクが勝手に悪いと感じながらもみんなに話した

    3 デク以外みんな知らない


    dice1d3=2 (2)

  • 76二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 15:42:19

    言っちゃったか……デク……

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 21:55:59

    ほしゆ

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 23:22:07

    精神が参ってく描写が上手すぎて最高

  • 791主25/08/03(日) 23:32:51

    「…え?轟さんが?」
    「うん…轟くんが」

    小さな声で廊下で誰かが話しているのが分かる

    「マジか…ていうかそれ…轟には言ったの?」
    「ううん…僕が勝手に…最低だと思うけど、轟くんのためになればって…」

    緑谷の声だ
    勝手に?轟くんのためになれば?
    何…言って…

    「轟くんのお兄さんの幻覚見なくなる方法を…みんなで考えよう」

    「勝手に…勝手にって……っ」

    拳が布団を殴りつける、息が荒い、
    何で言った? 俺がどんな顔で“あれ”を見てたと思ってる?
    俺がどんな気持ちで…兄を…燈矢をまだ想ってるか、知らねぇくせに
    わかったような顔して、俺を助けようとするな
    俺のためだって?俺の“弱さ”をばらまいて、それで何が救いになるって?
    なんにも知らない奴が…勝手に…勝手に…
    平気で人の心を…あぁ、そうだな緑谷はそういうやつだ
    それに救われた、けど…今は憎くて仕方ない

    優しいみんなから俺はきっと軽蔑される
    優しくなんてもうされない…こんな…俺なんかのことをもうみんなは…

    さっきまでのみんなの優しさ全てが嘘のように思えてきた

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 23:44:10

    このレスは削除されています

  • 811主25/08/03(日) 23:45:35

    ドアのノックの音が聞こえてきた

    俺は、出るか迷った

    けど…俺はドアをゆっくり開けた…すぐに後悔した

    「轟くん」

    「飯田…」

    「事情は緑谷くんから聞いた」

    「っ…だったらなんだよ」

    「もう、みんな知っている…A組だけの…僕たちだけが知っている」

    「だから!なんだって言うんだよ!」

    俺は飯田の胸ぐらを掴んだ

    「…情緒不安定だな、轟くん…君らしくない」

    飯田は哀れみの目で俺見てきた

    …やめてくれ…本当に…俺の弱さをこれ以上知らないでくれ

    「帰れ…帰れよ…!なんの用で来たんだよ!?」

    「僕はただ君を助けようと…!」


    「…余計なお世話なんだよ」


    俺は飯田を両手で押した後、そのまま扉を直ぐに閉めた

    やらかした、言い過ぎた

    きっと許してくれない…もう飯田は俺のことを友達と思ってはくれない

    俺のせいで…俺の…俺が弱いせいで

    『頑張ったな、焦凍…偉い偉い…そうだ、お前はひとりでずっうっと…苦しめ…誰にも頼るな、ひとりで苦しんでシね』

    『兄ちゃんも一緒に地獄に行ってやるから…な?大丈夫、俺がいるから…お前は1人で苦しむだけでいい』


    轟はどっちを信頼してる?

    1 A組

    2 燈矢

    dice1d2=1 (1)

  • 82二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 23:48:42

    それでもA組かぁ

  • 831主25/08/03(日) 23:57:51

    「うるさい…幻覚の癖に…俺を…陥れるな」
    「A組のみんなは…優しいんだ…燈矢兄と違って」
    燈矢兄は俺の胸ぐらを掴んだ
    『何がだよ』
    『優しい?優しいって思うなら!なんで追い返した?なんで罵倒した?』
    「…わかんない…もうわかんない…」
    俺は、涙がボロボロ溢れて止まらなかった
    燈矢兄がまだ生きてる頃…あの時の幼い俺みたいに
    泣いて…嗚咽を漏らして…誰かにすがりたくて
    『そんなにあいつらが大事ならもっと心配してもらえよ』
    『あぁ…轟がそんなになっちまうぐらい…辛いことがあったんだ…可哀想に…って馬鹿なあいつらならきっと思ってくれるさ』
    『さァ…最高傑作…これだけ助言してあげたんだから…さっさとしろ』
    聞いちゃいけない…燈矢兄は信頼したらいけない
    燈矢兄はガソリンと同じだ…俺が足を踏み入れた瞬間に俺ごと巻き込んで爆発する
    「お前の言うことなんて聞かない…」
    『…あっそ…いいよ別に』
    ふっ…とまた消えた
    胸がずっと痛い…苦しい…飯田のあの目が頭の奥にまで焼き付いて離れない
    情緒不安定…否定できなかった
    そうだよ飯田…お前の言う通りだ…
    信じなきゃ…仲間の言うことは信じなきゃいけないのに…
    ずっと心の何かが俺を邪魔してきて

    出さなきゃ…この何かを引きずり出さなきゃ

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 00:01:27

    >>83

    まずい

    自傷に入る


    いやもう入ってるな…

  • 85二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 06:56:31

    念のため保守

  • 861主25/08/04(月) 08:07:16

    「ぁっ…え‪”‬ぇ…っ…おえっ」
    自分の腕をお母さんから貰った個性で傷を付けた
    血が鋭い氷に付着して…なんかもう…それだけで気持ち悪くて
    早く全部取り出さなきゃって
    そしたら…嘔吐が止まらなくなって
    「っぐっ…ぅ…あ…げぇッ…!」
    胃がゴロゴロ鳴って、俺の腕にできた傷からはまだ鮮血がポタポタ垂れて
    畳の上が殺人現場みたいになって…
    でもまだ気持ち悪いの…取れてなくて
    …気持ち悪いのの正体はここにあるんじゃないかって

    俺はゆっくりと胸に手を当てた

    なんか妙に納得してしまって、俺はまた不安になってきた
    俺はシャツをめくり、手首をもう一度出した
    真っ直ぐに切られた傷、リストカットとは、本来横にするらしいが…俺はそんなこと知ったことじゃない

    また俺は調理でもするかのように鋭い氷を自分の皮膚に押し当てそのまま引いた

    ──────────
    手に付着した薄ピンクの液体を見ながら、俺は壁に背を預け座り込んだ
    「はぁっ…はぁっ…やだ…なんで…こんなっ…」
    息が苦しい、深く吸おうとしても肺が広がらない
    酸素が入ってこない、胸が締め付けられて指先が痺れる

    目の前が揺れて吐き気がぶり返す

    「…ごめんなさい」

  • 871主25/08/04(月) 10:02:58

    少しだけ落ち着いた

    …嫌な匂いがずっと溜まってる

    換気…しなきゃな

    ──────────

    吐瀉物と血液を雑巾でふき取ったあと、俺はコスチュームに入れていた包帯で出血部位を巻き、長い袖で隠して、雑巾を洗いに行った

    夜だからか、みんな寝ていた…都合がいい

    …なんの都合がいいんだ?


    頭の中が、ぐちゃぐちゃでろくな思考ができない

    俺は雑巾を洗ったあと、無意識に緑谷の部屋の前に来ていた

    きっと今頃夢でも見てるんだろうか


    俺のことを使って、自分が1番のヒーローみたいに…


    「ちげぇ…緑谷はそんな思いで…してねぇ」


    頭が痛い

    少しだけ残った理性と良心が逆に苦しい

    目眩がする、月明かりすら眩しい

    先生がいたらきっとこの時間起きてる時点で怒られてるな


    俺は…

    dice1d100=32 (32)

    50以上でノック、80以上で──

  • 88二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 10:10:33

    このレスは削除されています

  • 891主25/08/04(月) 10:11:38

    やめとこう…緑谷ももしかしたら…俺のことで考えすぎて疲れてみんなに相談したのかもしれねぇ

    俺は、重い足を引きずりながら、少し外の空気を吸ってみることにした

    雄英から出ると、やはり市民もみんな寝てるみたいで、雄英周りは暗かった

    けど…

    〔ねぇ…あの人?エンデヴァーの息子って〕

    〔雄英体育祭で見てたけど…怖い子だったわよねぇ〕

    〔早く出ていかねぇかなぁ…あのボロボロのやつも一緒に〕

    小声で話してるつもりなんだろうが、バッチリ聞こえてる

    タチが悪い

    言い方は悪いが、守ってやってるのになんでこんなことを言われなきゃいけない?

    〔うわっ…睨んできた…〕

    〔怖いわねぇ…あんな目ヴィランとおんなじよ…〕

    気分が悪い、少しだけなら…外に出てもいい…よな?

    先生達も疲れてんのか知らねぇけど、俺のこと止める人間もいないし

    …自由だな、今日の夜は


    『一人ぼっちは寂しいだろ?兄ちゃんも一緒に行ってやるよ』

    なんて都合のいいタイミングで出てくるんだろうか

    俺は、燈矢兄の胸ぐらを掴もうとしたが、だいたい予想してた通り体をすり抜けた

    「…何」

    『散歩するんだろ?1人だとお前勝手に死じまいそうだからよ』

    「…勝手にしてくれ」


    轟は

    1 特に誰にも出会わなかった

    2 トップスリーに出会った

    3 ヴィランに遭遇した

    dice1d3=3 (3)

  • 90二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 10:21:02

    このレスは削除されています

  • 911主25/08/04(月) 10:22:04

    〔…てめぇ、エンデヴァーの息子か〕

    巨体が上から降ってきた

    俺はそのヴィランをボーッと見ていた

    〔なんとか言ったらどうだ!〕

    ヴィランの拳が俺に当たる寸前に個性を使う

    「…穿天氷壁」

    そのままヴィランの拳ごと凍らせた

    そのまま俺はヴィランの顔以外全て凍らせた

    「ダツゴクじゃねぇのか」

    〔やっと話したかと思ったら…それかよ〕

    俺は何も考えずに、槍のように先端が尖った氷をヴィランの喉元に当てた

    「多分、今ここでお前を殺しても、罪悪感も湧かねぇし…この気持ちもスッキリしないと思う」

    『でも、やって見なきゃ分からない』

    「…」

    〔ま、待て…おい!お前それでもヒーローかよ!?〕

    「ヒーローってなんだ?お前は知ってるのか?」

    俺は震える手を気合いで握りしめながら、ヴィランに懇願するような眼差しを向けた

    「なぁ…知ってるなら…教えてくれよ」

    「おい!聞いてんのか!?」

    ヴィランは何も言わずに黙っていた

    俺はもう一度氷の槍をヴィランの喉に突きつけた

    もう手は震えていなかった、今ならやれる…できる


    1 そのまま殺した

    2 トップスリーが来た

    3 オールマイトが来た

    4 ヴィランが何とか逃亡


    dice1d4=1 (1)

  • 92二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 10:23:42

    アッ……

  • 931主25/08/04(月) 10:33:38

    俺はそのまま腕を振り上げ、ヴィランの喉元を突き刺した
    そして苦しむヴィランの声を無視しながら、抜き、もう一度…何度も何度も突き刺した
    身体が大きい分血液の量も多いのか、人を殺めるのが初めてだから、これが普通なのかはよく分からなかった
    ただ、感触が不快で、早く死んでくれないかなと思っていた
    ──────────
    とんでもないことをしてしまったのに、何故だか心は晴れやかだった
    夜の犯行だ…バレることは無いと信じたいが…
    俺は死体を見ながら、考えた
    『焚き火しようぜ、焦凍』
    『いい薪があるじゃねぇか?ほら、お前の左手を添えて少し力を込めるだけだ』
    燈矢兄に手を軽く掴まれ、そのままヴィランにその手を添えさせられた
    俺は少し躊躇ったが、バレた方が大問題だ
    そのまま氷を溶かして、ヴィランは‪”‬俺の炎‪”‬で燃えた
    「…あれ」
    『あー、焦凍は知らないか、人間って燃える時、蒼い炎を上げるんだぜ?なんか、体内元素とかが…まぁ、ンなこと考えずにさっさと燃やしちまおう』
    火力を上げて燃やしていく
    『お揃いだな?』
    「…」
    何となく蒼い炎を見ていると、燈矢兄が燃やしてるんじゃないかって、罪悪感が麻痺していく
    燈矢兄が、そんな俺の頭を撫でてくれた
    意味がわからなかった、なんでたまに優しくするんだろう?
    燈矢兄はヴィランなのに…信じちゃダメなのに

    『今日のことは俺と焦凍だけの秘密かな?』

  • 94二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 12:56:51

    >>93

    良くない、おんなじだ

  • 95二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 13:38:53

    やっちゃった

  • 961主25/08/04(月) 13:53:06

    俺は、こんなことをしてしまったということがバレたくない一心で、走っていた

    A組のみんなが来るわけが無い

    だって、もうこんな迷惑かけるだけのお荷物なんかに構ってられないだろうから


    ドサッ…


    その場に転けてしまい起きる元気も分からない

    「本当に…何してんだ俺は…」

    手に残る生々しい感触、悲鳴

    さっき前のことなのに思い出すだけで、恐怖で歯がガチガチと音を立てた

    『ヒーロー失格だな、だってお前は人を殺しちまったんだからなぁ』

    燈矢兄の言葉が胃に重くのしかかった

    そう…俺は…人を…


    車が止まる音が、俺の心音に混じって聞こえてきた

    「焦凍!」

    視線をあげると、親父と…ホークスとジーニストが居た

    「大丈夫…か、焦凍!その血は!?」

    「…俺の血だ…別に…なんて事ない」

    「明らかに誰かの血だろう…血液を使うヴィランだったのか?」

    俺は焦った

    殺人がバレたら何をされるか分かったもんじゃない

    「…なんで親父達がここに」

    「ちょうど夜のパトロールを始めようと思っていたところに焦凍が居た、一旦雄英に…」

    「なら…ちょうどいい、俺もパトロールに付き合わせろ」

    「いいよな?親──」

    「焦凍くんさ、なにか隠してるでしょ」


    ホークスの感の鋭さ(60以上で殺人に気がつく)

    dice1d100=71 (71)

  • 97二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 13:56:49

    殺人者仲間?

  • 98二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 13:57:22

    >>97

    おそろいだね

  • 991主25/08/04(月) 14:01:54

    「…ホークス、あまり焦凍を…」
    「ちょっとすいません、エンデヴァーさん黙っててください」
    ホークスの真剣な眼差しに俺は耐えきれずに視線を逸らした
    「あのね、焦凍くん、俺、今日先輩の見舞いに行っていたんだ」
    「焦凍くんも知っての通りだと思うけどさ」
    「俺は人殺しで、それでもヒーローをやってた」
    「そうい人の目ってさ、全員同じなんだよね」
    人殺しという単語に思わず俺はドキッとしてしまった
    相変わらずホークスの目は猛禽類と同じように獲物を狩る目をしており、初めてこの人に恐怖を抱いた
    「焦凍くん、正直に話して」
    「君は誰かを殺したの?」
    俺は…首を横に振った
    『そうさ、焦凍…こいつは裏切り者だ』
    『トゥワイスを殺した、大切な仲間すら‪…殺っちまう外道だ』
    『…く…ふふっ…もしかしたらA組の奴らも、こいつと同じ思考回路してたりしてな?』
    「エンデヴァーから、事情は聞いていた、轟燈矢の幻覚を見ると」
    「惑わされないで焦凍くん、君は強くてかっこいいヒーローなんだから」
    「焦凍、みんなで倒すんだろう…燈矢を」
    『何いい雰囲気で終わらそうとしてるんだよ、お父さん』
    『なァ…焦凍…こんなヤツらの言う事聞かなくていい』
    「…殺した」
    「俺が…殺しました」
    「…そっか、妙に焦げ臭いと思ったけど、もしかして死体焼いた?」
    「普通なら足がつくよ」
    「ジーニストさん、ハンカチかタオルか持ってませんか?焦凍くんがいつまでも血塗れのままじゃ可哀想だ」
    「あぁ、分かった、少し待っていてくれ」

  • 100二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 14:03:56

    あ....やさしい

  • 1011主25/08/04(月) 14:10:49

    俺はジーニストの車に半分無理やり乗せられた
    「焦凍、事の重大さを焦凍ならわかっていると思う」
    「なぜそのような思考に至ったかは聞かないでおこう」
    初めて父親を怖いと思った
    初めてヒーローを怖いと思った
    空気が重くなるのが分かった、隣にいた親父が肩に手を添えた
    嫌だとか…そんなことはあんまり思わなかった
    「じゃ、人殺しヒーローからのアドバイス」
    ホークスが冗談交じりにそんなことを言ったからか、隣にいたジーニストに少し睨まれていた
    「…すいません、こんなテンション感で話すことじゃないっすよね」
    「焦凍くんさ、人を初めて殺した感想は?」
    「…気持ち悪かったです」
    「その感情は大事だよ、何人も殺していくと、罪悪感とかそういう気持ちとかなくなっていくから」
    『聞かなくていい、それはいいことだ焦凍…さっきの気持ち悪さ無しに晴れやかな気持ちが代わりにやってくる』
    『社会のゴミ共を燃やすのは楽しいだろ?真のヒーローになれた気がして気持ちがいいだろ?』
    『理解してくれない社会の方が悪いんだ』
    「焦凍くんが血塗れの日々を送る理由がない、きっと今日のことは何十回、何千回も夢に見るよ」
    ホークスの説得力のある話に、親父はまるで説教を食らった子供のように黙っていた
    「…エンデヴァー、轟は…」
    「雄英に預ける方が不安だ」
    「何故?」
    親父は俺の腕を掴んで袖をめくった
    ホークスとジーニストは驚いていたが、すぐに冷静になり、雄英とは逆方向の道へと車を走らせていた

  • 102二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 14:17:10

    そういえば相澤先生はこのこと知ってるんだろうか...

  • 103二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 18:22:32

    ほしゅ

  • 1041主25/08/04(月) 22:25:58

    『あぁ、ヒーローっていうのはやっぱり…いつもいつも…』
    「焦凍、話すのは辛いだろうが、具体的にどんな幻覚、幻聴が?」
    「…俺の事…を」
    燈矢兄の幻聴しか聞こえないはずなのに、声が詰まる
    必死に声を絞り出そうとしても、なかなか言葉が出てこない
    「緊張するときは水を飲むといい」
    ジーニストは後部座席の方に手を伸ばし水を渡してきた
    俺は申し訳なく思いながらも、勢い良く飲んだ
    「…俺のことを責めてくるような…みんなを裏切ろうとさせるような…」
    「とにかく…俺が辛い目に遭うようなことを…」
    「…あの、ホークス…ホークスは夢って見ますか?」
    「たまに見るよ、仕事慣れちゃった今でもね」
    ホークスがまだ何か言いたげだったが、咳払いをしたあと、チラッと親父を見た
    「焦凍、聞かれてはいないが…俺も夢を見る」
    「家族みんなが食卓を囲んでいる夢だ」
    「だが…その中に俺も…燈矢も居ない」
    「…最近はずっと暗い空間で燈矢兄に見つめられる夢を見る」
    「その燈矢はずっと笑っているが、手を伸ばして触れようとすると俺ごと燃やして消えてしまう」
    「焦凍…が見る夢はなんだ?」
    親父の話を聞きながら、俺は窓の方を見た
    反射する顔は俺の顔なのに、段々と白髪の面積が増えていき、両目が青くなっていく
    どこまで付きまとわれるんだろう
    本当に死ぬまで…なのか?
    助けて…くれ…殺してくれ…もうこんなもの見たくない
    目をくり抜けばいいのか?脳みそを潰せばいいのか?
    それともな─────
    「焦凍」
    親父は俺の頭に手を置き、ゆっくり撫でてきた
    「なんだよ…クソ親父っ…ぅ…」
    それがイライラするぐらい落ち着いて、涙が溢れて止まらなかった

  • 105二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 22:35:23

    このレスは削除されています

  • 1061主25/08/04(月) 23:28:18

    ある程度進んだところでジーニストが車を停めた
    「今はここを拠点にしている、あまり使わないがな」
    「…少し別のところで休んでみるのもいいのではないか?」
    「…ありがとう…ございます」
    拠点と言うよりかは大きなテントが置かれたキャンプだ
    中に入ると2人分の布団があった
    「あんまり使っていないから綺麗だ、というか1回も使っていない、荷物を置く程度だ」
    「そうっすね…基本あんま寝ませんし」
    「焦凍くんは休んでてください、それとエンデヴァーさんも」
    「…俺は…別に」
    「休んでてください!」
    「ナンバーワンヒーローだろう…もう少し察してくれ」
    ──────────
    親父と2人きりでそこそこ広いテントの中
    俺は布団に横になった
    人を殺した醜い手…燈矢と何ら変わりない
    「…寝ないのか?」
    「寝たら…また夢に出てくるから」
    「俺のせいで…焦凍まで苦しまなきゃいけない…本当にすまない」
    「…そうだな、全部お前のせいだ…けど」
    「俺にだって責任はある」
    無言の時間が続いたあと、俺はふときになって聞いた
    「A組のみんなには言ったのか?」
    「一応、雄英にいるプレゼント・マイクに伝えた」
    「イレイザーヘッドに伝えるのは…奴自身の負担になり兼ねん…今は入院中だからな…最終決戦にもきっと奴は参加する」
    「…また大勢死ぬのか?」
    「そうさせない為に俺がいる」
    「人殺し親子が何言ってんだろうな」
    燈矢兄は親父が殺した
    親父も分かってるのか黙って、少し頷いた

  • 1071主25/08/04(月) 23:36:24

    たまにテントの外から足音が聞こえた

    ジーニストかホークスが代わる代わる見回りをしてるのだろうか

    親父は、寝る様子は無く、ただただ座っていた

    落ち着かなかった…ずっと

    この状況下ということもあるのだろうが…

    なんか…俺は本当におかしくなっちまったのか

    目を一瞬でも閉じれば、ここにいる誰かに殺されちまうんじゃないかって

    『焦凍』

    『寝れないなら子守唄でも歌ってやろうか?』

    「…消えてくれ」

    「焦凍聞くな」

    『ふーん…焦凍のことは助けるんだな、お父さん…最低だな…本当に』

    『なァ、焦凍、怖いか?なら自分から行動しなきゃいけないだろ?』

    『ここを燃やしちまおう、そしたら…ちょっとは心のモヤモヤが晴れる…大丈夫だ、俺がお前の行動を全てを肯定してやる』


    轟の正気度

    46-dice1d46=32 (32)


    どちらを信頼している?(数値の大きい方を信頼している)


    燈矢dice1d100=1 (1)

    トップスリー(A組も含む)dice1d130=98 (98)


    正気度が30下回ったら…どうなるかはお察しください

  • 108二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 23:39:36

    待て待て待て 落ち着け 早まるな

  • 109二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 23:43:16

    信頼ダイス両極端だな
    迫真の1出すとは…

  • 1101主25/08/04(月) 23:55:33

    「…るせぇ」

    俺はテントの外に出ようとした、その手を親父に引っ張られた

    「おい、焦凍何を…!」

    燈矢兄の言うことも、みんなの言うことも聞きたくねぇ…うるさい

    誰が…何を信用しろって?

    みんな嘘つきだ、信じなきゃ…

    信じなきゃなのに…うるさい…うるさい!


    俺の体から炎が上がる

    たちまち火の温度は俺の限界を超え、うっすら青色が混じっていた

    親父はその光景を見ながら瞳孔を震わせていた


    異変に気づいたのか、テントから出てくる俺を拘束しようとする、ホークスとジーニスト

    でもそんなこと関係ない…俺は…俺は…


    「炎を止めろ!焦凍!」

    親父に後ろから抱きしめられた

    「死んでしまう…!お前まで!」

    親父のコスチュームが徐々に焼けていく

    …あぁ、俺…そんなに高温出てたのか

    皮膚が焼けていく…痛い…熱い…

    ホークスもジーニストもなにか叫んでるけど…聞こえない

    熱いのに…なんか…笑っちまうぐらい幸せだ


    ‪‪”‬みんなが俺をみてる‪”‬


    25以上で轟は体力の限界を迎え炎を止める

    dice1d100=78 (78)

    30下回りましたが…信頼度がめちゃくちゃ偏ってたので、救いを

    それに…まだ殺したくないですし

  • 111二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 00:13:14

    死ななくてよかった…


    死んだら苦しめないからね

  • 1121主25/08/05(火) 00:30:25

    「…ぁ」
    ふらっと…俺は親父の方に倒れ込んだ
    痛すぎて、これ以上火力を上げられなかった…
    そっか…燈矢兄って何も感じないって…あぁ…
    「ホークス!ジーニスト!今すぐ応急処置を!」
    ──────────
    左側の感覚が無かった
    親父に言われるがまま氷を出して、それで冷やしていた
    段々と氷を使うたびに頭が冷えて…俺は、胃から来るものに耐えきれなくなったが、もう胃液しか出てこなかった

    なんで俺は信じてた人たちの前で自殺をしようとした?
    親父を巻き込んで殺そうと…
    俺は…俺は…
    「…まだ痛むだろう、動かなくていい」
    「……っ、は……っ」
    氷の冷たさが、皮膚の奥まで染み込んでいく
    でも、それさえも、痛かった
    視界の端で誰かが喋っている
    親父だ、ホークスの声も、ジーニストの低い呼吸も聞こえる
    うるさいとは、もう思わなかった
    「……あの時、なんで……」
    自分でも、理由がわからなかった
    皆を信じてた、A組のみんなも、親父達も…信じてた
    信じて、預けて、任せて……それなのに
    それなのに、どうして、俺は…
    「……死のうと…したんだ………」

  • 1131主25/08/05(火) 00:31:27

    左半分がズキズキと痛む
    でも、それ以上に痛かったのは、自分がしたことだ
    皆の目の前で、俺は、親父を巻き込んで、死のうとした
    生きていたくなかったわけじゃない
    誰かを本当に殺したかったわけでもない
    ただ……消えてしまいたかった、全部、終わらせたかった
    信じることに疲れて、戦うことに疲れて、優しくされるたびにみんなが汚れていくような気がして……
    「…ははっ…」
    痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
    「あははははは!!」
    なんかもう今ので頭まで溶けちまったんじゃないかって!
    なんか楽しくて仕方なくて!痛いのすら笑ってしまえば吹っ飛んで、楽になって!

    馬鹿だ…苦しい…助けて助けて…痛い痛い痛い痛い痛い…

    冷たいのも熱いのも嫌です、助けてください
    仏様がいるなら…すぐに俺を楽にしてください

    あ‪”‬ぁぁぁ!この世界は嘘しかない
    偽善しかない、緑谷出久は俺を…違う…あれは善意だ
    ならなんで俺は苦しんでる!?
    理不尽にも程があるだろう…俺が何をした?
    轟家に生まれたのが間違いだった
    生まれてきてくれてありがとうなんて言葉を俺は貰ったことがない
    要らない…そんな言葉要らないから
    殺してくれ

  • 114二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 06:45:31

    うーん、弱り轟いいな

  • 115二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 09:19:43

    死ぬな

    苦しめ

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 09:53:24

    ほしゅ

  • 1171主25/08/05(火) 10:55:27

    「もー…焦凍はドジなんだから…ほら、痛いの痛いの飛んでいけ」
    「燈矢兄…」
    「はい、もうこれで痛くないだろ?」
    「ドジな弟って大変だな〜、冬美ちゃんも夏くんもしっかりしてるのに焦凍はさ〜」
    燈矢兄は幼いままなのに、俺は高校生で
    これはすぐに夢だと分かった
    「火傷まで俺とおそろいにしなくていいんだぜ?」
    「…」
    「な、焦凍」
    「俺はさ…家族みんなで幸せになりたい」
    「お父さんに見てもらいたい…それが一番だけどさ」
    「みんな仲良しで…普通の家族」
    「素敵だろ?」
    イタズラな笑みを浮かべる燈矢兄
    なんかもう、それだけで俺は腹の底から怒りが湧いた
    「焦凍?」

    「っぐあ!?しょ…ぅっ!」
    「うるさい…黙れ…」
    「そんな嘘にもう俺は騙されない…黙れ幻覚」

    燈矢兄の細い首を両手で思い入り掴みそのまま骨を折った
    だらん…と首がありえない方向に垂れてきて、俺はそのまま手を離した

    「…おい、起きろよ…燈矢兄」
    「なんだよ…いつもみたい俺に罵声浴びせねぇのかよ…」

    死んだ、心臓が止まった脳が止まった

    俺が殺した

  • 1181主25/08/05(火) 11:09:03

    「酷い寝汗だったぞ、焦凍」
    親父が俺の額の汗をハンカチで拭ってくれていた
    まだ左側が痛い…当たり前か
    「…恐らくそのぐらいの火傷なら綺麗には無理だろうが治る」
    「そう…か」

    俺が殺した

    「…2人は?」
    「今雄英の方に連絡を入れている、焦凍は…まだ雄英に居た方がいい」
    「それは…ダメだ親父…だって俺は…」
    「人殺しだから?なんて言いたいんですか?」
    ホークスがテントの中を覗き込みながらそう言った
    「その顔やっぱりロクでもない夢見たんですね」
    「焦凍くんも知ってるでしょ?A組が…あの子たちがどれだけ優しいのか」
    だから不安なんだ…そんなこともわかってくれないのか?
    「雄英…には…俺は戻れない」
    「こっちにいる方が地獄だろう、それに…また同じようなことがあったら対処出来る個性がいない」
    「…俺はどこにいても迷惑なんですね」
    「もー…焦凍くんさ、卑屈になりすぎだって」
    「大丈夫、きっとみんな燈矢から守ってくれるから」
    「ね?どうしてもA組のみんながダメなら俺達もいるし」
    「…分かりました」
    ──────────
    「で?エンデヴァーさん、今回の件は?」
    「…」
    「はいはい、分かってますし、俺も最初からそのつもりでしたから」
    「焦凍くんの罪は揉み消しときます、それが最善の選択ですから」
    「…ありがとう、そして…すまない」

  • 1191主25/08/05(火) 12:41:31

    人が少ない時間帯、誰が誰に合図を送ったかは覚えていないが、俺は一直線にハイツアライアンスに向かった

    扉を開けたら、A組全員が俺のことを見ていた

    ゆっくりと、その中から緑谷が俺の方に来た

    「…本当にごめん…僕が勝手なことをしたせいで…」

    緑谷が、少し後ろに下がったかと思ったら、頭をゴンッ!とぶつけるような土下座を俺の前でした

    …別にそんなことして欲しくなかった

    それで俺の気持ちが晴れると本気で思ってるのか?


    俺は困ってしまい、他のみんなに視線を向けた

    皆俺のことをチラチラと見るだけで、何も声をかけてくれない

    だが、爆豪と飯田は、緑谷と俺に声をかけようか悩んでいる様子だった


    なんか、俺だけが悪人みたいで

    みんな…アイツらと一緒だ

    コソコソ話して、俺のことをそんな目で見て


    俺は拳を握りしめた


    轟はデクのことを


    1 恨んでいる

    2 怒っている

    3 よく分からない


    dice1d3=3 (3)

  • 1201主25/08/05(火) 12:52:07

    「…ぅ」
    俺はまだ靴も脱がずにその場に蹲った
    土下座をしている緑谷と、その場に蹲る俺
    なんとも奇妙な光景だろうが、自分でも何をすればいいか分からなかった
    人としては、恨んで当然だ
    人としては、怒って当然だ
    けど…俺はよく分からないこの感情に支配されて…許すに許せない
    「…と、とりあえずさ、ウチ…2人とも顔上げた方がいいと思うんだけど」
    「お、オイラもそう思うぜ…!緑谷も轟もさっさと顔上げろよ!」
    耳郎と峰田がそう言うとみんなが動き始めた
    「轟、立てるか?」
    「聞いてたけど…酷い火傷だね」
    常闇と葉隠が俺の両腕を掴み、そのまま起こしてくれた
    緑谷の方はみんなに諭されながら自分で立っていた
    「本当にごめん、僕が…先に相談してればよかったのに…」
    「轟くんが…言いたくないこと…みんなに言ってごめん…」
    「デクは、阿呆だ…ンで…とびきりの馬鹿だ…許さなくていいって俺から言ってやる」
    「けどよ、轟、これはこっちのわがまま聞かなくたっていい」
    「クソデクがお前のことを救おうとしてやったってことは…覚えておいて欲しい」
    「…」
    心にかさぶたができたみたいに痒い
    そんなの…ズルじゃねぇか…なんで緑谷はみんなから愛されてるんだ?
    なんで…なんで…
    俺よりも沢山のものを持ってるくせに…
    なんで不幸なフリをする?
    緑谷は、優しいんだ、俺と違って

  • 1211主25/08/05(火) 12:56:45

    俺は一旦部屋に戻った

    机の上には、多分…砂藤が剥いてくれたリンゴと、蛙吹からの少しのメッセージ付きのゼリーが置いてあった

    俺はそれを少し見たあと、ゴミ箱に捨てた

    悪いとは…思った…けど、今はあいつらのことを考えたくない

    なにかするべきなんだろうが…何もしたくない

    このモヤモヤが晴れるならなんだってする…


    何をしよう

    >>122〜125

  • 122二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 13:13:41

    建物ごと燃やそう きっとすっきりするよ?

  • 123二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 13:16:14

    冷たいシャワー浴びよう
    頭がすっきりするかも

  • 124二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 13:18:33

    お蕎麦食べよう
    吐いても食え

  • 125二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 13:33:43

    お母さんに電話しようか
    出てくれるか分からないけど

  • 1261主25/08/05(火) 13:36:44

    ヴィランが2人ほど…


    それをする時の抵抗度(高いほど抵抗がある)

    dice1d100=91 (91)


    1>>122

    2>>123

    3>>124

    4>>125


    dice1d4=1 (1)

  • 127二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 13:37:39

    最悪だよ
    まあすげぇ抵抗してるけど

  • 1281主25/08/05(火) 13:54:08

    全部燃やしちまえば…この気持ちはスッキリ…するのか?
    俺は壁に手を当ててみた
    まだジリジリ痛む左側を使おうとしたが…
    目の奥から、溢れ出す記憶
    みんなで笑って、話して、たまに少し喧嘩したりして
    そんな思い出まで俺は燃やしちまうのか?
    『全部壊しちまおう、焦凍』
    『分からないなら俺が手取り足取り全部教えてやるよ』
    『お前は何も考えずに燃やせばいい』
    俺は壁に手を当てた
    なんかもうどうでも…良かった…

    1度感覚を掴んだら、慣れちまうのは割とすぐだった
    うっすらと青さを孕んだ炎で壁を焼こうとする
    ダメだ…こんなこと…
    ジリジリ、また俺の身体が焼けていく
    痛い…熱い…

    炎ってどうやって止めるんだ?

    「止まらな…炎っ…」
    俺はパニックになっていた、もう燃やそうだとか思わなかった
    痛さと熱さが奇跡的に俺を正気に戻していた
    『大丈夫、そのまま燃やしちまおう』
    違う、無理だ燈矢兄…雄英はこんなことも対策済みに決まってたのになんで俺はそこまで頭が回らなかった?
    今度は自分の死が確実に頭の中にジンジン響いていた
    俺は右手で自分の左手を覆った
    次の瞬間、炎は氷に包まれた
    氷はすぐに液化していき、蒸発していった
    壁は真っ黒になっていた

  • 1291主25/08/05(火) 14:10:22

    臭いに気がついたのか、部屋の前が騒がしかった
    俺は、自分でまた火傷した左側を凍らせながら、冷たいため息をついた
    なんでこれで生きてるのか分からない
    扉が蹴飛ばされ開けられた
    「…っ!なんかドタバタうるせぇなと思ったら!テメェ!」
    俺の胸ぐらを掴む爆豪
    「爆豪ちゃん!やめて!轟ちゃんを責めたら…」
    「そうですわ!一旦落ち着いてくださいまし!」
    瀬呂と砂藤が、蛙吹と八百万をなだめていた
    「何ウジウジしてんだ!?お前はそんな人間じゃねぇだろうが!」
    「なんにも…知らねぇくせに…」
    俺は胸ぐらを掴む爆豪の手を掴みそのまま炎を使おうとした
    けど…やっぱり、そんなことできなくて
    「ごめんなさい…もう…俺は…」
    「俺のことを殺して…くれ…疲れた…もう無理だ」
    「燈矢兄だって、俺の死を望んでる…お前らに迷惑かけたくな───」
    パシッ!と爆豪の重いビンタが俺の頬にヒットした
    「軽々しく殺してくれなんて言うんじゃねぇよ!命の重さがわかんねぇのか!?てめぇは…!」
    「…わかんねぇ…殴って気が済むなら…いくらでも殴れよ」

    「人でも殺したんかお前は」

    「っ…!知らねぇくせに!なんでお前は偉そうに説教垂れるんだよ!?俺から事情を聞いたわけでもねぇのに?緑谷がなんて言ったのか知らねぇ…けど、なんで全部わかった気で居るんだよ!?」
    「お前は…お前らは…俺のヒーローにはなれねぇよ…」
    「頼むから…もう…俺を…」
    「楽にさせてくれ…ヒーロー…」

  • 130二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 14:15:30

    うーん
    最高

  • 131二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 20:52:02

    保守

  • 132二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:31:27

    このレスは削除されています

  • 1331主25/08/05(火) 23:32:30

    「泣くな…何の解決にもねぇ涙流すんじゃねぇよ!」
    「馬鹿野郎が…!馬鹿も休み休み言え!」
    何事かと、階段を登ってきた奴が数人
    「かっちゃん!落ち着いて!」
    爆豪を引き離そうとする緑谷
    「元はと言えば…お前が原因じゃねぇか…」
    「俺のこと…言わなきゃ…今こんなことにもなってないんだ…」
    それが緑谷にとってどれだけ深く刺さるか俺は考えてもいなかった
    自分のことしか考えられなかった…なんて言うのは言い訳だ

    「お願い…だから…かっちゃん離れて」
    「もう…僕のせいで誰かが傷つくなんてことがないように」
    「お願いだから…かっちゃん!」
    「…デク、お前まで泣いてんじゃねぇよ」
    爆豪は俺を軽く放り投げた後、自室に戻っていった
    緑谷は少し壁にもたれたあと、俺の顔を見たあと、そそくさと爆豪と同じように戻って行った

    その腕には…

    「轟さん、どうしたら…貴方は落ち着いてくださいますか?」
    「わかんねぇ…本当に…」
    「紅茶を淹れますわ、共同スペースで…そうですわね…今ここにいて、比較的元気な方と一緒に過ごしましょう」
    「もう日が暮れてしまっていますから、紅茶は…轟さん以外は飲まないようにしましょうか…いや…ですが…それも…轟さんが眠れなくなっては…」
    「僕は起きておこう、轟くんがいつどうなっても大丈夫なように」
    「私も…起きておくわ、轟ちゃんが心配だもの」
    「オイラも、徹夜は雄英入る前から慣れてるからな!轟!」
    「なら、俺も起きておこう、夜の方が落ち着ける」
    八百万、飯田、蛙吹、峰田、常闇がそう言ってくれた
    俺は、罪悪感でざわつく心を何とか抑えながら頷いた

  • 134二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:46:43

    満足感がすごい
    もっといこう

  • 1351主25/08/05(火) 23:48:56

    八百万の淹れてくれた紅茶を飲みながら、俺はさっきまでの光景を思い返していた

    酷いことをまた言った

    仏の顔も三度まで、俺はきっと許されない

    「…緑谷は俺のこと許してくれねぇだろうな」

    「緑谷くんがそんな人間だと本気で思っているのかい?」

    飯田が、曇りなき眼で俺を見てきた

    「そういう意味じゃ…ねぇ…けど」

    「俺がしてきたことを考えたら、いくらそんな人間でも…」

    「あのね、轟ちゃん…本当に考えすぎよ?緑谷ちゃん…悩んではいたけれど、許さないとか怒ってるとかそんなのは全くなかった、私が断言するわ」

    「轟も知ってるだろ?頭おかしいぐらいアイツは優しいんだって、オイラは、緑谷に直接聞く度胸はねぇけどよ、きっとオイラたちが思ってる通り、アイツは怒ってなんかねぇよ」

    「そう…だな」

    「心配しすぎなんだ、轟は、俺たちがここにいるということを忘れないでくれ」


    『信じちゃダメだ焦凍』

    『友人と言っても所詮他人だ、結局は裏切る』

    『お前が役たたずの燃えカスだと知った時こいつらが何をすると思う?』

    『燃えカスのお前を踏みにじって完全にコロすんだよ、他人は他人…結局1番大事なのは自分自身で』

    『お前のことなんてどうでもいい、自分が気持ちよく正義ズラするために都合よく使われてるだけなんだよ』

    『けどな、焦凍…俺は思い出したんだ…俺達は家族だ』

    『家族は家族を裏切らない…俺はもう焦凍を裏切らない』

    『だから、俺を…燈矢を信じろ』


    どちらを信頼している?(信頼度の変動)


    A組&トップスリー 98→dice1d100=52 (52)

    燈矢 1→dice1d100=46 (46)

  • 136二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:58:38

    わりと差がないけど、A組&プロヒが勝ったか

  • 1371主25/08/06(水) 00:01:00

    答えは出なかった、燈矢兄に返事を返さなきゃと思ったら、飯田に肩をトン…と叩かれた
    「答えたらダメだ轟くん、それは幻聴なのだから」
    『焦凍…兄ちゃんを裏切るのか?聞けよ焦凍』
    『こいつらが毎日お前のことをどう思ってるか』
    『迷惑だ…またなにかやらかすんじゃないか…戦力外通告もいずれ出されるかもなぁ!?』
    「轟さん、私たちがついてますわ」
    「轟ちゃん…大丈夫よ、私達がいるわ」
    『邪魔するなよ…ゴミ共が…』

    『わかった、焦凍…』
    『飯田天哉はお前のことを───』

    「っ…」
    持っていたマグカップが徐々に冷たくなり始め、凍っていく
    「轟さん…!」
    「轟!」
    そんなことあるわけない…緑谷の時もそうだった、そんなこと思うわけないのに
    心の底から信用出来ない…苦しい
    心が不安定だ…壊れそうだ…
    「轟くん、僕は君のことを助けたい」
    「余計なお世話だっていい、ただ君を…」
    飯田の手の温もりだけが、俺を現実と繋ぎ止めてくれていた
    けど、俺は…
    もう、みんなの目が信用出来なくなってきた
    不安、恐怖、哀れみ、軽蔑
    そんな目線が俺に向けられるなんて…思いもしなかった
    そんなこと絶対しないなんて…楽観的な思い込みに過ぎないと
    身をもって俺は体験した
    …誰も…信じられない…俺には分からない
    答えを持っている人間がいるのなら、今すぐ俺の耳元で答えを叫んでくれ

  • 138二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 07:12:29

    うーん、疑心暗鬼だ

  • 1391主25/08/06(水) 11:33:37

    色々考えてると、なんか妙に落ち着いてきた
    ソファーに座りながらもふらつく俺の頭を飯田が肩で支えてくれた
    「ゆっくりしてていい、他のみんなは…」
    八百万が、わざわざブランケットを人数分作る
    「皆さんここで寝ましょう、轟さんも1人じゃない方がいいですわよね?」
    「…そこまでしてもらうのは…」
    「轟ちゃん、たまには私たちに甘えてちょうだい」
    「そうだぜ!想像してみろよ!八百万が作ったブランケットが全身を包み込…ぐへっ!」
    「ちょっとした宴のようで、仲間との交流も深まるはずだ」
    「…ありがとう」
    少し雑談を交えながら、八百万がみんなの分のマグカップを洗っていた
    なんとなく…修学旅行の夜のようで、落ち着いてきた
    きっと八百万の紅茶のおかげだ、洗い物が終わったら…ありがとうって言わな…く…ちゃ…
    「眠そうな顔をしているな、轟くん、僕に体を預けたまま寝ても大丈夫だ」
    「…いや流石にそれは…」
    「む…もしかして筋肉で硬いか?」
    「そういう訳じゃねぇけど…悪いだろ」
    「気にする事はない!ドンと来い!」
    「じゃあ…」
    俺は飯田の肩にまた頭を預けたあと、ゆっくりと重くなったまぶたを閉じた
    まだ少し話し声が聞こえてくるのが、俺の心を癒してくれた
    こんなに落ち着くのはいつぶりだろうかと言うほどまで落ち着いてきた
    さっきの迷いが嘘のように…
    情緒不安定…飯田に言われた言葉だな…全く…
    本当に俺は、爆豪に言われた通り馬鹿野郎だな

  • 1401主25/08/06(水) 11:34:50

    「焦凍、こっちにおいで」
    優しい母の声だった
    俺は何も考えずにお母さんに抱きついた
    「まだまだ甘えたがりね…いいのよ」
    お母さんも俺を優しく抱きしめてくれた
    けど、俺の司会の先には、陽炎のようにぼんやりとした燈矢兄が立っていた
    それは、毎回夢で見る火傷跡の無い綺麗な燈矢兄じゃない
    『家族に愛されるのは幸せだろ?』
    「焦凍どうしたの?」
    『お母さんに愛されるのは幸せだろ?』
    お母さんは優しく俺の頭を撫でながら、抱きしめてきた
    「お母さ…後ろ…燈矢…にぃ…が」
    「燈矢?一体誰の話をしてるの?」
    「…え?」
    「変な夢を見たのね?夏雄のことを…お友達?の燈矢って子と間違えちゃったの?」
    「違う…燈矢兄は…轟家の長男で…」
    「そんな子必要無いでしょう?」
    お母さんがそんなことを言うわけが無い
    ここは夢だ…夢だとしたら…これは
    『お前が思ってる事だよ、早く俺なんて消えて無くなればいいと思ってる』
    『焦凍、逆に聞くが俺が何をしたって言うんだ?ただ、俺は家族に認めて欲しかっただけの、可哀想な‪”‬普通‪”‬の人間だ』
    『夢っていうのは過去の記憶を掘り起こしたり、無意識の記憶を再現したりするもんなんだよ』
    『お前は無意識に過去ごと消そうとした…最低の人間だ』
    「ごめ…んなさい…燈矢にっ!…ぐっ…あっっ…!」
    いつの間にか消えていたお母さん
    俺は腹を蹴飛ばされ、その場に蹲った
    夢なのに痛い…痛い痛い…
    待て…これは本当に夢なのか?
    八百万!飯田!蛙吹!峰田!常闇!起こしてくれ…!
    もうこんな悪夢…俺…俺はっ…!

  • 1411主25/08/06(水) 11:36:28

    「轟くんってさ、他に好きな食べ物ってあるの?」
    「…え?」
    さっきの光景が丸ごと消し飛び、パトロール中の緑谷が俺に話しかけてきた
    「蕎麦好きなら…うどんは無いよね…?轟くんって和食好きそうだし…焼き魚とか?」
    「あはは!それはさすがに渋すぎるね」
    絵に描いたような幸せな笑みを浮かべる緑谷
    俺は咄嗟にそんな緑谷の肩を正面から掴んだ
    「あ、ごめん…怒った!?」
    手に力を込める
    緑谷は苦しそうな顔をしながら、俺に何故こんなことをするのかずっと質問してきた
    自分でも緑谷に対する感情が分からなかった
    なら…1度殺してみるのもありなんじゃないかって
    そしたらなにか変わるはずだ…どうせ夢なんだから

    俺は手を滑らせ、緑谷の首を締めた
    「や……め……」
    緑谷は足をばたつかせながら、俺の腕を掴みなんとかして引き剥がそうとする でも俺は力を緩ませずにそのまま首を締め続けた
    「あ……かはっ……」
    緑谷は口から涎を垂らし、目が虚ろになっていく
    「ごめ…ん…ね」
    緑谷の目は息絶える瞬間とても優しい目をしていた
    俺は、その目が怖くなり、つい燃やしてしまった
    みるみるうちに耐火性のない緑谷のコスチュームは燃えていき、緑谷も燃えていった
    『自分を脅かすもんは全て燃やし尽くしちまえばいい』
    『ほら、自分の胸に手を当ててみろ…軽くなっただろ?』
    「…わかん…ない」
    『なら現実でやってみるんだな、きっと清々しい気持ちで1日が過ごせるぜ?』

  • 1421主25/08/06(水) 11:37:32

    「焦凍くん」
    場面は切り替わらず、気づいたら後ろにホークスが立っていた
    「あー、またやっちゃったの?燃やしたら足がつくって」
    ホークスはいつもの調子で俺に話しかけてきた
    この人なら…大丈夫だ…何もしてこな───
    カチャッと、金属音が鳴ったと同時に俺の首にひんやりとした刀の感触があった
    そこからじわっとした痛みが広がっていく
    「人殺しを信用したらダメだよ』
    その声には、燈矢兄の声も少し混じっていた
    これはホークスじゃない…よ…な…
    「焦凍くんはさ、人殺しで、なんで平然と笑ってられるのかな?」
    「そ…それは…貴方もですよね…ホークス」
    「俺?俺はまぁ…ていうか今焦凍くんの話してる最中だから関係ないよね?」
    「言いたいことはそれだけ?」
    ホークスは刀を握り直し、そのまま俺の首を切り落とそうとしたが…
    突然ホークスの体から蒼炎が上がり、そのまま緑谷の焼死体の近くで同じようになって息絶えた
    「…嘘だ…違うっ…これは夢だ…!」
    内容もぐちゃぐちゃ、俺の精神状態がいかにイカれてるかが分かるいい機会だった
    そんなわけない、最悪だ…気持ち悪い…吐きそうだ
    『なるほどな、焦凍はこんなことを思ってた訳だ』
    『俺のことが怖くて、緑谷出久のことをどう思ってるか分からなくて、ホークスに人殺しってことがバレてるから殺されるかもしれない…と』
    『面白いなぁ…ずっと見てたいよ、焦凍』
    「うるさい!もうこれ以上俺の中をかき乱さないでくれ…!」
    「ぐちゃぐちゃになって…戻らなくなる…俺が…俺が保てなくなる…!」
    「あぁぁ…嫌だ…気持ち悪い…俺の中に入ってくるな…助けて…助けて…!誰か俺を…!」

  • 1431主25/08/06(水) 11:40:03

    「っはー…はッ…はっ…はぁ…」
    全身汗でぐっちょりだった
    もう部屋は暗くて、飯田達がすやすや寝息を立てていた
    時間を見ると、午前2時ちょうどだった
    俺は、チラリと視線を向けた
    その先は風呂場だった
    何故かほんの少し明かりがついていて、何かと思い
    俺は他のみんなを起こさないようにゆっくりとその場所へと向かった

    これが夢でないことの確認が出来ない
    夢の中ですら痛みを感じてたはずだからだ
    いくら頬をつねったとしても、これが現実だという確信は持てなかった

    そして、風呂場の近くから俺はこっそりと中を覗いた


    「─────!?」

    「…─────!!」

    何か言い争っているような声で、たまに物音もした
    もう少しだけ俺は近づいた

  • 1441主25/08/06(水) 11:48:55

    【数分前・緑谷視点】
    僕はかっちゃんに呼び出された
    共同スペースには、轟くん達が寝てて
    それが僕のせいなんだと嫌という程自覚させられた
    少しだけ明かりが灯った風呂場
    「どうしたの…?かっちゃん…」
    いきなりかっちゃんに僕は腕を掴まれた
    「謝罪のつもりか?これか…クソデクが」
    「気づいてたんだ…謝罪とかじゃないよ…ただ…痛かっただけ」
    「罪悪感が…溢れてきて…ネットで…これしたら楽になるって書いてあったけど、大嘘だね」
    「…はぁ…まぁ、これ以上テメェの話をしても意味がねぇから、本題入るぞ」
    「轟の件についてだ」
    「…アイツは…俺が思うに何かやってる」
    「何かって…何さ…?」
    「その正体を知るために聞いたんじゃねぇか…察し悪ィな!」
    「はー…お前が落ち込んでるのも分かってんだよ」
    かっちゃんは僕の頭を軽く叩いた
    「もう…僕、轟くんと話すの無理だよ…」
    「…辛いから…何言われるか分からないから…」
    「全部否定されるから…」

    「もう僕は…轟くんと話したらダメだ…轟くんのことをさらに苦しめるだけなんだよ…!?」
    「おい落ち着けやデク…!!」
    「うるさいなぁ…!かっちゃんに何がわかるのさ!?」
    僕はかっちゃんの胸ぐらを掴んだ
    「ずっと怖いの我慢してさ…OFAを持った時…AFOに狙われた時…最終決戦が目前の今…ずっと…ずっと怖くて毎日震えが止まらなくて」
    「そんな僕の気持ち…かっちゃんに分かるの!?ねぇ!?」

    「これ以上…‪”‬面倒事‪”‬を僕に押し付けないでよ」

  • 1451主25/08/06(水) 12:01:59

    ‪──────────
    ”‬焦凍こ…あの子の左側が、時折とても醜く思えてしまうの‪”‬

    ‪”‬私…もう育てられない、育てちゃダメなの…‪”‬

    何故かあの時の母の言葉と、煮え湯を浴びせられた感覚がよみがえった
    緑谷とお母さんの姿が何故か怖いほど重なって
    憎くもなんともなかった母にまで憎悪を抱いてしまったという罪悪感が、俺を奇行に走らせようとしていた

    「…デク、なんか今音が」
    「わかんない」

    「…悪い、2人とも何の話してたんだ?」

    俺が姿を現すと、二人の瞳孔が同時に開いた
    だが、爆豪は、すぐにそれを落ち着かせ、話し始めた
    「…明日の作戦会議だ、それと、デクの悩み相談」
    「明るくて起こしちまったか?悪かったな」
    爆豪の後ろに隠れるようにして話を聞いている緑谷
    「そうか、別に…ちょっと喉乾いたから起きただけだ」
    「汗酷いな、悪い夢でも見たか?」
    「…うん」
    「デクも疲れてるんだ、よそよそしい態度取ってるけどお前のことをちゃんと心配してるから安心しろ」

    ‪嘘吐き 嘘つき うそつき ウソツキ

    「ありがとう、2人とも、明日も早いから…俺含めて早く寝なきゃな」
    俺は拳を握りしめながら、必死に笑顔を作った
    緑谷が1人になるタイミングはいつだろうか

  • 1461主25/08/06(水) 12:26:24

    このスレで終わらせたいというのが本音です…!

    別に次スレ全然いいんですが…ネタ切れ感が否めません

    まだまだ曇らせたいよ〜いじめたいよ〜って方いるなら…次スレ視野に入れますし、レスして次スレの為に少しでも埋めてくれると助かります


    轟の正気度

    14-dice1d14=11 (11)


    今、轟の心を支配している感情は?

    1 憎しみ

    2 怒り

    3 罪悪感

    4 全て

    dice1d4=4 (4)


    基本みんなは轟に向けてどんな気持ちを向けている?

    1 少しでも負担を減らしてあげたい

    2 悩みがあるならすぐに言って欲しい

    3 最近少しだけ様子がおかしくて怖い

    4 ちょっと迷惑かも

    dice1d4=3 (3)


    あとこの先、多分!友情ぐちゃぐちゃ展開になると思うのでそこら辺注意してください

  • 147二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 12:43:34

    感情グチャグチャなの正気度虫の息っぽくていいね
    怖い、なの手遅れなのが薄っすらわかっちゃったのかな
    次スレ100とかで終わっても悲しいし

  • 1481主25/08/06(水) 13:23:51

    …まぁ、次スレ逝ったら、いったですよね

    全然レス出来ずに終わっても知ったこっちゃないです

    私は書きたいもの書いて終わらせます


    轟はデクをどうしたい?


    1 とりあえず1発殴りたい

    2 話し合いで自分の本音をぶちまけたい

    3 殺してやりたい


    dice1d3=3 (3)



    轟が1番燈矢に思っている気持ちは?


    1 さっさと消えてくれ

    2 ごめんなさい…だからもう現れないで…

    3 なんで俺なんだよ?

    4 燈矢兄はなんだかんだ言って俺のことを…


    dice1d4=1 (1)

  • 149二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 13:26:14

    スターアンドストライプ戦前?後?
    青山内通バレ前ならこのまま突入したらどうなるか気になる
    青山くん燃やしちゃう?

  • 1501主25/08/06(水) 13:34:39

    >>149

    内通者バレ後をとりあえずイメージしてました

    ユアネクストでも、スターが作ってくれた猶予は…少ないながらもそこそこあった気がしたので(私が覚えてないだけでギリギリだったかもしれませんが…)

  • 1511主25/08/06(水) 13:40:12

    俺は、結局朝まで寝れなかった
    モヤモヤする気持ちが抑えられずに、火傷跡を少し掻きむしったり、髪を思い切り掴んで、そんな少しの痛みで正気を保とうと必死だった
    ソファーの上で横になっていて、気づいたら朝日が昇っていた
    朝日が昇ると同時に、八百万、飯田が目を覚ました
    流石、委員長と副委員長だ、朝が早い
    「…轟くん、おはよう…」
    まだ声が眠そうで、飯田にもう少し寝て欲しかった
    けど、飯田は目を擦ったあと、眼鏡をかけ、身体を伸ばした
    「昨日はちゃんと寝れたかい?」
    「…悪い夢を見て…寝れなかった」
    「そうか…僕のことを起こしてくれても構わなかったのに」
    「いや、流石にそれは…出来なかった」
    「睡眠は大事ですわ…轟さん」
    八百万は悩んでいるようだった
    「…作らなくていい、今元気なんだ」
    「全く寝れなかった訳でもないから…安心してくれ」
    「そう…ですか」
    「とりあえず、蛙吹さん達はまだ寝かせておきましょうか、飯田さん」
    「あぁ、分かっている…だが…」
    「轟くん、少し…散歩でもするかい?今日はいつものよりも早起きをしてしまったからな」
    「…飯田と八百万が良いなら」
    「私の事は気にせずに行ってください、轟さんの気分が少しでも晴れるなら」
    「ありがとう、八百万」
    「あ、ちなみにただの散歩ではないからな!コスチュームに着替えてくれ、一応パトロールも兼ねているからな!」
    「分かってる」

  • 152二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 13:41:34

    >>150

    了解です

    皆バタバタしてる時期でA組のフォロー手薄になりますね

    ゾクゾクします

  • 1531主25/08/06(水) 13:48:51

    俺と飯田は、雄英を出ようとぼちぼち歩いていた
    「君は何もしていないのに、何故こんな目で見られてしまうんだろうな」
    「…生まれてきたこと自体が…」
    飯田に軽く頭にチョップを食らわされた
    「卑屈になりすぎた」
    「…」
    そんな俺と飯田が話している時に割って入る音があった
    足元にカラカラと空き缶が転がる
    俺が振り向こうとしたが、飯田にそれを阻止された
    「行こう、轟くん、見たらダメだ」
    「…分かった」
    『振り返れよ』
    『そしてその恨みを忘れるな』
    「聞かなくていい、轟くん」
    「僕達の言葉だけを聞く…というのは難しい話かもしれないが、君の兄の言葉は信じなくていい」
    「ただ、僕達のことは信じてくれ」
    余計なお世話…
    今の俺は、あの時の緑谷と同じなのだろうか?
    背負うものがあまりにも多すぎて、あんなになっちまった緑谷と同じなのか?
    緑谷…
    思えばあの時から全て狂ったんじゃないか?
    緑谷が俺のことをバラした時から…ずっと…
    みんなに迷惑をずっとかけて、残りの時間も少ないのに…みんなの負担になって
    だから…違うだろ…!
    「…なぁ…飯田」
    「緑谷は…優しい…奴だよな?良い奴だよな?」
    飯田は無言で頷いた
    信じてやらなきゃいけないのに…なんでだろう
    今なら何も思わずに、殺せそうな気がする

  • 154二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 13:51:19

    色々轟くんのメンタルをこれ以上ない位ぐっちゃぐちゃにして(A型メンツは傷つける程度で殺さない方がいいかも)、救世主用意して正気にさせたい
    どんどん辛いに行くのもいいけど、正気状態での罪悪感で張り付いた笑顔させたい
    そういうのすごいみたい、原作青山みたく優しいみんなにもっと劣等感抱いてほしー

  • 1551主25/08/06(水) 13:59:07

    飯田のお兄さんみたいな優しい人が辛い思いをして
    辛い思いを知っている燈矢兄みたいな人がなんで人を平気で苦しめるんだろう
    「っ!?」
    何も意識せずに歩いていた俺は、瓦礫につまづき転けた
    「大丈夫かい!?やっぱり…寝不足が悪さをしてるんじゃ…」
    「いや…考え事してた俺が悪い」
    「顔を擦りむいてるじゃないか…少し待っててくれ」
    飯田が大袈裟なぐらい、俺のことを心配していた
    頬を消毒し、綺麗なガーゼとテープで固定してくれた
    その間に俺は、飯田に質問した
    「なぁ、飯田は…人を何人殺した後からヴィランになると思う?」
    「…何を」
    「…え…あ…」
    楽しい話題を出したかったのになんでこんなことを言ったのか俺も分からなかった
    「悪い…忘れてくれ…」
    「君が何故そんなことを聞いたのか僕には分からないが」
    「犯罪を犯したら…犯罪者…殺人をしたらヴィラン…黒と白で決めつけられるほど僕は賢くも偉くもない」
    「もし君が人を殺したとしても…僕は君をヴィランとは決めつけられない」
    「轟くん、君は優しい人だからそんなことをしないとわかっているよ」
    そんなこと言わないで欲しかった
    優しい目をしないでくれ
    俺はお前らが思っているよりも最低の人間で…

    「お前らのことを…

    その声は俺の口から出たのか、燈矢兄の口から出たのか、はたまた飯田の声から出たのか、俺には分からなかった

  • 1561主25/08/06(水) 14:09:33

    「もう、流石に避難してない市民は居ないようだな」
    乾いた血が、あちこちに付着している
    この間の兄弟はどうなったのだろうか
    「ヴィランが出る前に、一旦帰ろう」
    「気は…晴れなかったかもしれないが」
    「いや、少し楽になったありがとう」
    「それが本当の言葉だと…信じたいよ」

    『飯田天哉は、ヒーロー殺しのことを恨んでいる』
    『当たり前さ、兄のヒーロー生命を終わらせたんだから』
    『でも、焦凍はどうだ?お父さんのことを恨んでいるのは、自分のこと、お母さんのことだけだろ?』

    違うよ…燈矢兄、それは…本当に違う
    親父が、燈矢兄の事を見てくれなかったから…お前が荼毘になっちまった
    その事で俺は親父を恨んでる

    『後付けの話だろ?俺のことを死んだと思って、もう俺の事なんかずうっと考えてなかったくせに』
    『あの時俺のことに気づかなかったのも…身内なのに気づかなかったのも、俺の事なんか忘れて、雄英の大切なお友達との時間の方が大切だったからだろ?』

    違う…燈矢兄のことを忘れたことなんて無い

    『都合の悪いことは、上から塗りつぶして無かったことにする』
    『あぁ、お前はやっぱりお父さんの息子だよ』

    「飯田」
    「俺のことを殺してくれって言ったら…お前はどうする?」
    飯田の目に映る俺は、薄ら笑みを浮かべていて
    ついに俺はイカれてしまったと、心の底から思った

  • 157二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 16:59:48

    やはりこのスレ主さんの文章上手い!!

  • 1581主25/08/06(水) 17:30:20

    飯田は何も言わずに、俺の手を取って、そのまま来た道を戻って行った
    飯田の手には力が入っていた、そのせいか少し震えていた
    痛い…離して欲しい
    飯田にそう伝えたかったが…
    飯田と親父の姿が重なった
    あれは…燈矢兄達がボール遊びをしてる時の…
    「離して…離して飯田…痛い…から」
    「この手を離したら君がどこかに行ってしまいそうで…」
    「行かないから…離して…痛い…飯田!」
    飯田も精神的に参ってるのか知らないが、何がなんでも離したくないようで、俺は炎を使うかほんの少し迷ったが
    自分を苦しめる存在は…全部
    『燃やしちまえばいい』
    「っ…轟く…!」
    「離せ…頼むから…この手を…」
    飯田が熱さに耐えきれず、手をようやく離してくれた
    もう…俺は炎を使うことに躊躇いなど一切なく
    ただ…自分が楽になるために使う…そんな最低な使い方しかできなくなっていた
    「…すまない…僕も気が動転していたようだ」
    「君の…顔が…何故かとても恐ろしく、つい…」
    「本当にすまない」
    「飯田、火傷してないか?」
    「それは…大丈夫だが」
    「そうか、早く帰ろう」
    「…あ…あぁ、分かった…」
    「(なんで轟くんはこんなに…平然としてるんだ?)」
    「(…分からない…この気持ちは…恐怖か?)」
    俺と飯田はその後2人とも無言だった
    気まずいとも思わなかった、早く帰って緑谷を…としか考えてなかった

  • 159二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 17:39:26

    このレスは削除されています

  • 1601主25/08/06(水) 17:40:43

    飯田に割と強引におぶられながら、雄英内に入り、そのまま寮へまた戻ってきた

    「轟〜どこいってたんだよ?」

    「少し…朝のパトロールに」

    「いくらなんでも早過ぎないかしら?飯田ちゃんもよ」

    「心配しなくて大丈夫だ、僕はいつもこのぐらい早起きだからな!」

    「さて、今日の行動班を決めたいのだが…いつも通りで…」

    「轟くんはどうする?」

    「俺は…まだ…本調子じゃないから…すまねぇ」

    「分かった、ではみんな!行こう!」

    みんなが寮を出る時心配の言葉をかけられながら、出ていったが

    どこかほっとしたような目をしていて

    あぁ…みんな俺の事…が

    なんて言うの嫌な考えが浮かび、ただ無言で手を振ることしか出来なかった


    緑谷は、ちらりとこちらを向いたと思ったら、とても小さな声で何かを言って、隈が酷い目を少し笑わせ、みんなと共にパトロールに向かった

    なんて言ったのか大体わかった


    ‪”‬ごめんね‪”‬


    …そんな薄っぺらい言葉なんかいらない

    思ってもないことを言うな

    「うるさい!俺をそそのかすな寄生虫…!」

    髪の毛を引っ張りながら喉元を掻きむしる

    「そんなんじゃねぇって…!何回言ったら!お前は!」

    幻聴も聞こえないのに俺は自分に向かって叫んでいた


    …何をしよう

    >>161〜165

  • 161二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 17:46:57

    自傷行為

  • 162二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 17:48:28

    轟くんからの行動でなくてもいいなら
    冬美ちゃんから電話がかかってくる
    不可なら燐の練習

  • 163二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 17:49:48

    流石にそろそろ何か食べる
    蕎麦とか

  • 164二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:01:30

    保健室に薬を貰いに行く

  • 165二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:17:56

    自分の個性でやけどしてみよう

  • 1661主25/08/06(水) 19:32:38

    1>>161

    2>>162

    3>>163

    4>>164

    5>>165

    dice1d5=3 (3)

  • 167二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:44:40

    知らずのうちに好物が熱く煮えたぎったうどんに変わってたりして(まだ最終決戦前のかっちゃんの(荼毘の)好物は熱く〜に違いねぇは発生してないよね?)

  • 168二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:17:30

    どんどん堕ちていって最高〜〜〜
    スレ主さんの文章力すごすぎるよ

  • 169二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:20:17

    最後は他の子(デク等)庇ったエンデヴァーに骨も残らず燃やされてほしい
    NO.1ヒーローは常にヒーローとして一番正しい行動をするに決まってる

  • 1701主25/08/06(水) 23:22:27

    腹が減るとイライラするって聞いたことがあるな…
    何か…食おう
    蕎麦、あったか?
    俺はさっきまでの狂人じみた行為が嘘のように落ち着き、空腹を満たすために、蕎麦を食うことにした
    今の俺は極端に感情のコントロールが出来ない
    言わば、1か100
    「…昨日は…何食ったっけ」
    静かな寮内に俺の声だけがほんの少しだけ響く
    「何も食ってない」
    俺は鍋にお湯を入れながら、沸騰するまでずっとその鍋を見ていた
    何の気なしに、その沸騰した湯に指を突っ込んでみた
    「熱っ…」
    反射的にそう言わなきゃいけないような気がした
    自分でも何がしたかったのか理解できない
    俺は指を抜き、自分の左側にある火傷跡を押さえた
    この間エンデヴァー達と一緒にいた時に出来た火傷はまだ少し残っていたが、思ったよりも綺麗に…そして早く治っていた
    こういうことがある度に
    ‪”‬最高傑作‪”‬という言葉が脳裏をよぎる
    「お腹…空いてるから…気持ち悪いんだ」
    蕎麦をお湯に入れたあと、俺は深呼吸をした
    大好物がもうすぐで食べれるというのに、心のモヤモヤは晴れなかった

  • 1711主25/08/06(水) 23:23:31

    湯を切ったあと、水で締め、適当な皿に盛り付けた
    麺つゆを出したり…箸を出したり
    こんな手間がかかって面倒だとは普段思わなかったのに、今日はめんどくさくてたまらない

    「いただきます」

    俺はやっと椅子に座っあと手を合わせ、食べ始めた
    美味しいと思いたかったのに、なにか物足りなかった
    冷たい蕎麦…俺の大好物のはずなのに…
    あったかい蕎麦とかも…たまにはありなのかもな
    それか他の…うどんとか…
    『蕎麦って…美味しいよな』
    「…好きなの?」
    俺は食事中ということもあってか、はたまた準備するのに疲れたのか、そこそこ冷静に燈矢兄と話せた
    『さぁな…』
    『1人寂しく朝ごはんか』
    「…なにか悪いかよ」
    蕎麦をズズッと吸うと、燈矢兄はニヤニヤ笑っていた
    『よくそんな味気ないもん食えるよな』
    「…蕎麦嫌いなのか」
    『ん〜?』
    「…腹に入ればなんでも同じだろ」
    『ほんとにそう思ってるか?』
    俺は無視して蕎麦を啜った

  • 172二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:24:19

    そういやスレ主前のホークス曇らせスレで焼き鳥吐いても食わせてたな

  • 1731主25/08/06(水) 23:29:04

    >>168

    ありがとうございます!

    >>172

    吐瀉物食わせるのはやり過ぎた…と反省


    食事シーンを書くのがいちばん楽しいです

    轟くん食べるの好きだし…

    トラウマになって食べる度に吐いちゃうのも可愛いよね…と

    あと、人殺した時点でハッピーエンド無理です、諦めよう!轟くん!


    多分次スレ行けます、それだけご報告

    あとマジでレスしてくれる度に元気出るので…本当にありがとうございます

  • 1741主25/08/06(水) 23:39:53

    俺は、残り半分ぐらいになったタイミングで椅子から立ち上がろうとした
    もうこれ以上食えないと思ったからだ
    ただ、立ち上がろうとして机に置いたその手の上に燈矢兄の手が添えられた
    『食えよ、残さず全部』
    「…」
    「お腹いっぱいでもう食えない」
    『いっぱい食わなきゃ、お前の大切なもんは守れねぇぞ?』
    「ははっ…大切なものってなんだよ…守るって何をだ?」
    「何も知らないくせに…」
    『そうだ…兄ちゃんが食わせてやるよ、それならいいだろ?』
    燈矢兄の明るい声ながらもどこか威圧感のある声で、俺は、もう一度椅子に座った
    『ほら、あーん』
    俺は、口を開け、燈矢兄が食わせてくれるのを待った
    なんで幻覚なのに、箸が持てるんだろう、俺に食わせることができるんだろう
    …どうでもいいや
    『美味いか?』
    「…わかんねぇ」
    燈矢兄が食わせた蕎麦が毒みたいに俺の体の中を侵食していく…それが…まるで…蛆虫みたいに…長くて…細い…
    『ほら、次食えよ、口開けろ』
    「と…燈矢兄…それ…何…」
    『何って…蕎麦だろ?』
    端の上でうねうねと蠢くのは蕎麦なわけがない
    俺は燈矢兄に無理やり蕎麦を口の中に突っ込まれた
    1口噛んだ瞬間、ぶちゅっ…と口の中で何かが潰れた
    口の中にじんわりと液体が広がっていく
    『…ただの蕎麦に何そんな怯えてんだお前』
    気持ち悪い…俺…何…食っ…て…

  • 175二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 06:53:28

    うーん、虫に見えてるのかな
    やばいね

  • 1761主25/08/07(木) 09:04:45

    「っっ…ああぁあ!」
    「お‪”‬ぇっ…げぇっ…!」
    俺は自分の口の中に手を突っ込む暇もなく、一刻も早く身体がこの気持ち悪い物を出したいと拒否反応を示していた
    俺は椅子から転げ落ちるように床に吐瀉物を広げていた
    さっきまであったほんの少しだけ落ち着くような雰囲気はどこに行ったのか
    その場の雰囲気は凍りつき、ただただ床を汗と涙と吐瀉物が汚していく
    俺が椅子から落ちた衝撃で蕎麦が入っていた器も倒れたのか、地面に落ちており、そこからまた何かよく分からない物が蠢いていた
    「っう…お‪”‬ぇぇっ…なん…でっ…!」
    『なんでって何がだよ』
    「幻覚…げんか…うっ…」
    びちゃびちゃとまた吐瀉物が広がる
    「なに…食わせっ…」
    『え?あー…?』
    燈矢兄は自分の顎に手を当てたあとまたあの嫌な笑みを浮かべた
    『そうだな、お前が自分自身の意思で食ったのになんでか知らねぇけど俺が食わせたことになってる』
    『そして勝手に、俺に変なもの食わされて、お前に何が見えるか知らねぇけど、その変なもんに怯えてる』
    『ははっ!マジで何がしたいんだよ焦凍!』
    『全部無茶苦茶だなぁ…あぁ…無様だなぁ』
    燈矢兄はしゃがみこみ、吐瀉物まみれで汚い俺を抱きしめた
    『憎くて憎くてたまらないはずなのに…妙に愛着が湧く』
    『家族ってこういうものなのかな?焦凍…兄ちゃんでもわかんねぇや』
    「離して…もう消えて…燈矢兄…」
    「消えてよぉ!もうっ…苦しいのやだぁ…!燈矢兄…きらぃ…嫌い嫌い!」
    『はいはい、わかってるよ…ずっと苦しもうな…焦凍』

  • 1771主25/08/07(木) 09:11:40

    「…掃除…しなきゃ…」
    身体が鉛のように重かったが、ずっとこのままという訳にもいかない
    泣いたら少し楽になった…本当に少しだけだが
    俺は、雑巾とバケツを持ってきて、吐瀉物と落とした蕎麦を片付け始めた
    『小学生かよ、散々遊んで…その後は片付けろって怒られて…』
    『あぁ、我が家にはそんなのなかったな』
    「…そうだな」
    『今日はよく会話してくれるな、嬉しいよ』
    「…燈矢兄…は、幻覚なんかじゃ…ないんだろ?」
    『さぁな?実は俺はもう死んでて、お前に取り憑いてるとかだったりしてな?』
    「燈矢兄は…ちょっとやそっとじゃ…死なねぇだろ」
    『やっぱ、俺も焦凍も家族なんだな、よく分かってる』
    『俺は死んでない、そして俺は…』
    燈矢兄が咳払いをした
    『…なんなんだろうな』
    『けどよ、一つだけ分かる』
    『お前を殺したい…惨たらしい死を迎える瞬間をこの目に収めたい』
    『俺の為に死んでくれ…焦凍』
    『お前が今まで生きてきた理由は、俺のために死ぬことだ』
    俺は、すぐに小さい氷を生成し、燈矢兄に投げつけた…が
    当然そんなの当たるわけなく、壁にコツンと当たり落ちていった
    『ははは!そんなに死ぬのが怖いか!?』
    『本当はずっと死にたくて仕方が無いのに!?』
    燈矢兄は俺の髪の毛を掴み無理やり自分の顔を見させた
    『哀しいなぁ…轟焦凍』
    『なんで死を自分で選べると思ってる?』
    『怖いか?怖いよなぁ?焦凍…そんな結末辿りたくないよな?』
    『なら、お前のお友達を全員殺せ…そしたら、お前のバットエンドは回避だ…どうだ?いい提案だろ?』
    俺は何も答えられなかった

  • 1781主25/08/07(木) 09:32:27

    俺は一通り片付けたあと、時計をちらりと見て、まだみんなが帰ってこない事を確認した
    燈矢兄の幻覚が俺の後をついてきた、どうでもよかった
    早く消えてくれ

    俺は緑谷の部屋の前に着いたあと、そっとドアを開けた
    緑谷の部屋にはオールマイトのグッズが綺麗に揃えられており
    言わいる…オタク部屋ってやつなんだろうな
    俺は緑谷の机の上に置かれたノートをペラペラとめくる
    自然と罪悪感は湧かなかった
    あくびが出るほどつまらない内容の日記だった
    急いで書いたのか知らないが、字は汚かった
    そういえば…天才は字が汚いとか聞いたことあるな
    『日記ってさ、思い返してこんなこともあったなって…くだらないことをするためのもんだろ?』
    『なんでこんな一生懸命に書くんだろうな?』
    「…知らない」
    燈矢兄がうるさい…なんか今日は異様にうるさい
    …そういえば燈矢兄は…居なくなってから学校とか行ってない…よな…
    じゃあ、実質俺より年下みたいなもんなのか…妙に子供っぽかったりするのはそれが…

    ○月✕日
    最近、轟くんが怖い
    こんなことを思ったらダメなのは知ってる
    正直、ここ最近はかっちゃんと話してる時の方が楽だ
    だって轟くんは────
    これ以上は僕が壊れる
    壊れる前に、轟くんをどうにかしなきゃいけない

    ────は消しゴムで消して上から塗りつぶしていたから見えなかった

  • 1791主25/08/07(木) 09:40:11

    『完全に化け物扱いだな』
    俺はページをぐしゃっと掴み
    そのままそのページを破り捨てた
    「はー…はー…」
    緑谷がこんなことを書くわけない…これは…俺が見てる悪い夢だ
    そうに違いない…だって…そうじゃなきゃ…
    俺は疲れてるんだ、昨日あんまり寝れてなかったから
    『もう自分を誤魔化すのはやめようぜ、焦凍』

    緑谷出久は…
    違うって…違う…違う、緑谷はそんなんじゃない!

    「殺さなきゃ」
    「殺さなきゃ…俺が殺される」
    「緑谷はどこだ?今日は誰と行動してる?麗日とだったはずだ」
    「なら、麗日の部屋にも行かなきゃ行けねぇ…もしかしたら麗日も俺のことを緑谷と一緒に殺そうとしてるかもしれないから」
    「あれ、緑谷は…A組全員と仲がいいよな…じゃあ…みんな俺の事狙って…殺そうとしてる?」
    「違う!違う!」
    「きっとそうだ!俺は殺される…死にたくない」
    俺は急に胸が苦しくなり、その場で咳き込んだ
    荒くて不規則になった呼吸音に不快感を示しながら、俺は全員の部屋を回ることに決めた

    不安の種は全部燃やさなきゃ…

  • 1801主25/08/07(木) 10:00:33

    俺は全員の部屋を回ったあと、共同スペースのソファーの上で横になっていた

    「…」

    緑谷以外特に…何も無かった

    女子の部屋に入る時も躊躇いはなかったが今になって罪悪感が芽生えてきて…本当に馬鹿だと思い、自分を嘲笑った

    燈矢兄もソファーに座り、俺の方をただ黙ってジッと見ていた

    目を閉じても、あの青い瞳がこっちを見てるのが分かった

    この目もこの炎も呪いみたいに俺を蝕んでる


    そんな中スマホのバイブ音が響いた


    誰からの電話?

    1 エンデヴァー

    2 ホークス

    3 緑谷

    4 爆豪

    6 相澤


    dice1d6=4 (4)

  • 181二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 10:00:44

    スレタイ通り超閲覧注意になりそうだな。ここで切らせてもらうわサイナラ

  • 182二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 10:29:28

    保守

  • 183二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 12:18:37

    爆豪からか
    何の電話だろ

  • 1841主25/08/07(木) 12:37:34

    「…もしもし?」
    「おい、轟、飯は食ったか?」
    「…食った」
    「何食った?」
    電話相手は爆豪だった
    スマホにたまにノイズ音や爆発音が聞こえるということは、今何らかの事態が起きているということだろうか
    …けど…なんでそんな時に…俺に電話…
    「多分…蕎麦」
    「あ?多分ってなんだよ」
    「…まぁいい、んで、今調子は?水分補給はしたか?」
    「てめぇの体は今てめぇしか管理できねぇんだからしっかりしろ」
    どうやら、普通に…俺のことが心配で電話をかけてきたらしい
    「…あのさ…爆豪」
    「爆豪は俺のこと…殺そうとか考えてねぇ…よな」
    「…何言ってんだお前」
    この間の1件もあったからか、爆豪は少しピリついていた
    「そんなこと考えてる暇あったら、とっくに死柄木をブッ殺してんだよこっちは!」
    「何不安がってんのか知らねぇけどよ!てめぇの考えほとんどが間違ってるつーことだけは覚えとけ轟!」

    「じゃあ…俺が人殺しでも…か?」

    「…は?おま…何言っ…」
    ノイズが走ったあと、そのまま電話が切れた
    バレたらバレただ…もうどうでもいい

    …どうでもいいわけないだろ
    信じてくれたあいつらを裏切ることになるんだぞ!?
    あいつらに…頼れない…なら…俺は…
    俺は自分から電話をかけた

  • 1851主25/08/07(木) 12:38:34

    【爆豪視点】

    轟が人殺し?

    本格的に轟は病気なんじゃないか?

    トチ狂ったとしても、あいつはそんなことしねぇだろ…

    それは…アイツを過信しすぎてるだけか?

    クソ…!もう少し事情を聞かねぇとわかんねぇのに…なんで今更こんな地味に強いモブヴィランが出てくんだよ…クソが!


    最近アイツが何を考えてるか分からない

    初めてあいつのことが怖いと思った

    どこ見てんのか分からねぇ目

    変に薄ら笑みを浮かべる顔

    人間じゃねぇみてぇな…それこそフィクションでしか聞かねぇような、なにかに取り憑かれちまった奴みたいな…


    お前の苦しみもわかってやりてぇのに…

    俺じゃ…お前には…

    背負うものが違いすぎるお前らには…


    「クソッタレがァァ!!」


    爆豪は轟の殺人行為の事を

    1 確信を持つ

    2 疲れてるから、変なことを口走ったと思う

    3 とりあえずエンデヴァーに報告


    dice1d3=1 (1)

  • 1861主25/08/07(木) 12:47:56

    ‪”‬人でも殺したんか‪お前は”‬

    あの後、アイツは確かに…動揺した
    今まで見た事ないぐらいキレてた…俺に見せなかっただけかもしれねぇけど

    ‪”‬頼むから…もう…俺を…‪”‬

    この事は…言わないでおこう
    また轟を追い詰めることになっちまう…それに
    デクの腕の傷が焼印のようにしっかりと脳裏にこびりついていた
    「爆豪!大丈夫か?」
    「うっせ!切島!」
    切島が呆れたような顔を見せたが、その後嫌になるぐらい優しい声で俺に話しかけてきた
    「でもまぁ…しょうがねぇか…爆豪も気が滅入っちまうことぐらいあるよな」
    「あ?俺のどこがそんなふうに見えんだよ?」
    「だってお前、前よりずっと色んなこと考えてるだろ」
    「さっきのヴィランだってやけに時間かかったじゃねぇか」
    「…少し寒くてまだ汗が溜まってないだけだ」
    「心配なんかするんじゃねぇクソが」

    黙っておこう…そして…
    さっさと解決策見つけちまわねぇと…

    ‪”‬爆豪は俺のこと…殺そうとか考えてねぇ…よな‪”‬

    轟、悪いな、考えが変わった
    てめぇを救う方法がそれしかねぇなら、俺がやってやる
    けどな、それは、最後まで足掻いたあとだ…俺もてめぇも

  • 1871主25/08/07(木) 12:58:32

    【エンデヴァー視点】
    俺は焦凍から来た電話を切った後ホークスに話しかけられた
    「焦凍くん、なんか言ってましたか?」
    「…特に」
    ホークスが説明を求めてきているのは分かったが
    先程の電話内容は…本当に説明するのが難しかった
    本当に一方的に「殺されるかもしれない」「燈矢兄がうるさい」その言葉をずっとブツブツ言っていて、本当に何が言いたいのかよく分からなかった
    「そうっすね〜…エンデヴァーさんに質問なんすけど」
    「本当に焦凍くんが見てるのは幻覚だと思います?」
    「…それはどういうことだ」
    「いやー…ね?どうもA組の皆から聞く焦凍くんの話と、エンデヴァーさんから聞く焦凍くんの話…」
    「燈矢がまるで意志を持っているように俺は感じます」
    「…死んでるとでも?」
    「まさか!俺はそんなこと考えたことないですよ」
    「貴方を殺すまで燈矢は死なないでしょうね」
    「…そう…だな」
    「それで…あ、ここから先の話はあくまで仮説です」
    ホークスが地面に座り、指で地面に書き始めた
    「まず、まだAFOがどんな個性を持っているか未知数です」
    「それで俺は…その中に、特定の人物に…そうですね…幻覚、幻聴を引き起こす個性を持ってると思ったんすけど」
    「先程言った通り…俺にはなにか意志を感じる」
    「…そうっすね…オカルトじみた話しますと…個性…「憑依」っていったところですかね」
    「憑依?」
    「マジで仮説なんで信じないでください」
    「それで…個性発動条件は…恐らく憑依する対象者が、心も身体も疲れてる時…ですかね」
    俺はホークスの仮説を…もうすっかり信じ込んでいた
    ピースがピッタリハマったような気がしたからだ
    なら…燈矢は…今…

  • 1881主25/08/07(木) 13:00:34

    「燈矢は…恐らくAFOにその個性を…付与…或いは、使われてる…と考えるのが現実的です」

    「そして、そこそこリスキーな個性と考えると…」

    ホークスの指が止まった

    「ま、忘れてください、ちょっとした冗談です」

    ホークスは地面に書いた図形を足で擦って消した

    「さて、エンデヴァーさんどうします?」

    「焦凍くんに、薬支給するか…イレイザーに報告するか」

    「それとも、全てを持って生まれた最高傑作には何もしませんか?」

    煽りももちろん含まれているのだろうが、自分の罪を再認識させるような言葉に俺は、少し黙ってしまった

    「…イレイザーに連絡は…まだ…」

    「薬も、強めなのをあげたいところなんですけど…それが精神面じゃなくて別の内臓に悪さしたら大変ですからね」

    「さて、エンデヴァーさん」

    「自分のためじゃなくて、ちゃんと子供と向き合うために選んでください」

    「…」


    エンデヴァーは

    1 相澤にこの件を全て伝えた(殺人の件も含む)

    2 薬を支給するように頼んだ

    3 どちらもした


    dice1d3=1 (1)

  • 1891主25/08/07(木) 13:08:48

    「…イレイザーに…連絡する」

    「わかりました」

    「その、ホークス…ナンバーワンとして情けない話なのだが」

    「はいはい、わかってますよ、俺にも手伝って欲しいって話でしょう?」

    「あぁ」

    「ていうか、今イレイザーさん起きてるんですかね?」

    「あれ?そろそろ退院…でしたっけ?」

    ホークスの頭に手を乗せる

    「これが終わったら少し休め」

    「イレイザーは、もうすぐ退院だ、最終決戦には奴の個性が必要になる」

    「…っすね〜」

    俺は、深呼吸をした後イレイザーへ連絡をした

    ────────

    「…そう…ですか」

    「轟が…そんなことを…アイツら…A組のみんなは無事なんですか?」

    「あぁ、ジーニストがたまに見に行ってくれているらしい」

    電話口からでもわかる

    明らかにイレイザーは動揺していた

    …当たり前だ、自分の教え子がヴィランのせいで…俺の息子…自分の兄弟のせいで精神的に参ってしまい

    おまけに殺人までしてしまった

    教師として責任を感じないわけが無い

    それだけいい教師ということを…俺は全面戦争の時に知った


    相澤が轟の話を聞いた時の反応


    動揺 30+dice1d100=34 (34)

    困惑dice1d100=22 (22)

    後悔dice1d100=53 (53)

    悲しみdice1d100=81 (81)

    怒りdice1d100=32 (32)

  • 190二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 13:18:33

    困惑や怒りより悲しみが強いか....優しいねぇ
    厳しいように見えてちゃんと轟のこと見てたもんな

  • 1911主25/08/07(木) 14:14:03

    ────────────
    親父になんつー電話しちまったんだ…
    いくら気が動転してたとはいえ…さすがにこれは…親父もわかんねぇだろ…
    早く帰ってこないかな
    俺は自分の部屋に帰ったあと、誰に送る訳でもない手紙を書き始めた
    …よく考えたらこれは手紙なんかじゃないかもしれない
    遺書…かな
    俺がいつ死んでも…大丈夫なように
    死ぬつもりなんてないが…もしものためだ
    「別に…殺されるかもしれないだとか…そんなことを思って書いてるわけじゃない」
    俺のペンを持つ手が震える
    『焦凍は筆まめなのか?字が綺麗だな』
    「…」
    『入院中にお母さんに手紙でも送ってたのか?』
    『いいなぁ…みんな…俺になんにもくれなかったくせに…』
    「…与えないから、貰えないんだろ」
    書き出したのはいいが、続きが出てこなかった
    気づけば、俺はずっと同じ言葉を書いていた
    ‪”‬轟焦凍 轟焦凍 焦凍焦凍焦凍焦凍焦凍焦凍焦凍焦凍焦凍焦
    「…」
    『自己紹介か?遺書じゃなくて履歴書だったか?』
    俺は紙を掴んだあとそのまま燃やした
    机が少し焦げたが…別にもうそんなことぐらいでどうこうなるほど、俺の心に余裕はなかった

  • 1921主25/08/07(木) 14:46:36

    風呂にでも入ればいいのに、そんなやる気すら起きない

    ‪”‬‪僕、轟燈矢はエンデヴァー家の長男として生まれました‪”‬

    テレビを付けたら毎回これだ
    もういい加減みんな見飽きただろ
    そんなにみんなに見られたいのか?燈矢兄
    みんなに…見られるってどういう気分だ?
    どんな感じだ?
    知ってるはずなのに、知らない

    俺は、コスチュームに着替えた後、寮を出た
    ────────────
    市民の不安そうな視線
    ほんの少しだけ聞こえる俺たち家族に対する悪口
    心が痛くて痛くてたまらないはずなのに
    何故か…心のどこかで落ち着くような感じもあって
    それが不思議でたまらなかった
    『その感情の正体を教えてやるよ』
    『俺と同じっていう安心感だな…ほら、この世界にこうやって冷ややかな目線を向けられるのがお前だけだったら、今この場で誰かを殺すか、自殺するかの2択だろ?』
    『お前は俺を否定しきれない…だって俺とお前は家族だから』
    燈矢兄がまたハグをしてきた
    …俺は
    「あのね…燈矢兄…大好きだから…もうやめて…」
    「普通の家族に戻ろう…お願いだから」
    『何が普通の家族だ?冬美ちゃんが望んでいたら普通の家族なんてもんにはもう戻れないんだよ』
    「燈矢兄…お願い…」
    「俺を…助けて…」
    何に縋ればいいとか、何を信じればいいとか
    もう…俺には…

  • 1931主25/08/07(木) 14:54:57

    「轟さん!大丈夫でしたの!?」
    「…あ」
    気づいたらみんな帰ってきていた
    「轟くん!大丈夫だったかい!僕はずっと心配で気が気じゃなかったんだ」
    「…あ…あぁ、大丈夫…心配すんな」
    「大丈夫じゃねぇ…助けてくれ…」
    「とりあえず、もうすぐ雨が降ってきちゃうから、一旦お部屋に戻りましょう」
    飯田が俺の手を優しく掴みながら、寮まで一緒に歩いてくれた

    「麗日さん…あの…今日…ごめんね、ミスってばっかりで…」
    「まだあの怖ーい時のデクくんの感覚抜けてないんとちゃう?」
    「ちゃんと寝ないとダメだよデクくん!」
    「そう…かも、本当にごめんね」

    麗日と緑谷は本当に仲が良いな
    俺の事なんて今の2人の頭の中には一切無いんだろうな
    「…ん…爆豪?」
    「電話、調子悪い時にかけて悪かったな」
    「…いや…爆豪は…別に悪くねぇ」
    「ちゃんと俺が終わらせてやっから安心しろ」
    「何の話だ?爆豪くん、轟くん」
    「委員長には関係ねぇから、無視しろ無視」
    俺は飯田の手を強く握りしめた
    終わらせるの意味がよく分からなかったが…あんな電話をしたんだ…大体は察せる
    爆豪は本当に…俺のことを…
    「轟くん、またおんぶしようか?顔色が悪いぞ」
    「大…丈夫だ…気にすんな」
    「けど、戻ったら少し横になりてぇ」
    「あぁ、分かった」

  • 1941主25/08/07(木) 16:31:52

    だが、寮に着いたあと、みんなの様子が…おかしかった
    俺の気にしすぎかもしれないが、俺の行動行動一つ一つを監視されてるみたいで、気分が悪かった
    そして、俺がソファーから立ち上がった時、八百万の視線が瀬呂に向いた
    俺はすぐに八百万と瀬呂に体をぐるぐる巻きに拘束された

    殺される

    「轟さん!すいません!」
    八百万が何の薬か分からないもんを生成した
    まずい…毒殺か…!?
    なんでこんなみんな見てる中で…
    最初からみんなは…俺のことを…?
    「事情…説明からっ!入れ!」
    俺は八百万のロープと瀬呂のテープを焼き切って、逃げようとしたが、障子と常闇と黒影に押さえつけられ逃げることは叶わなかった
    ジリジリと近づいてくる八百万
    何がしたいのか分からなかった
    信じてた仲間が、俺のことをどうにかしようとしてるという事実が更に俺を絶望に陥れた
    助けて…嫌だ
    「ぁ…あぁぁ…!やだぁ…!やだぁ!」
    「死にたくないっ…死にたくない…!」
    「轟さん!落ち着いてください!これは死ぬようなものではありません、薬が支給されない分、睡眠薬と気分が落ち着く薬をリカバリーガール先生の許可の元で…」
    「嘘だ…!そうやって…俺のことを騙そうと!」
    「轟!俺達を信じてくれ、すこしで楽になってもらいたいんだ!」
    「楽に…」
    楽にって…
    俺の額からはずっと脂汗が滲んでいた

  • 1951主25/08/07(木) 16:38:29

    けど、俺は炎や氷を出すことは出来なかった
    いくら怖くてもて…仲間は燃やせないし…凍らせられない
    そんな‪”‬無駄‪”‬な正義の心が俺を邪魔した
    「やぁ…!やぁ…ぁあ!」
    俺は赤子のように意味のある言葉を話さず、ただジタバタと暴れた
    「轟さん!轟さん!」
    「私、正直に言いますと…最近の轟さんが怖かったんですの!」
    「何を考えているかよく分からなくて…!でもなにかずっと悩んでいらっしゃる」
    「そして、緑谷さんから事情を聞いたあとも、ずっと怖かった、轟さんがそんな風になってしまうのが、そんなふうに陥れたヴィランが憎かった!」
    「お願いします…轟さん…どうか」
    「いつもの轟さんに、戻れるように私たちが手伝いますから…」
    八百万の消え入るような鳴き声に、俺は…抵抗するのを辞めた
    「…打てよ」
    「八百万…を信じる」
    「…はい…ありがとうございます…」
    軽く消毒液が着いた布で拭かれたあと、そのまま注射器を刺された
    八百万の優しい目がそれが毒じゃないと物語っていた
    俺は眠くなってきて…そのまま眠りに落ちた

  • 1961主25/08/07(木) 16:39:50

    そろそろ次スレ立てます、もう少しお付き合い下さい

  • 1971主25/08/07(木) 16:48:17
  • 198二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 16:57:41

    梅うめ

  • 199二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 16:59:42

    うめ

  • 200二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 17:08:48

    うめ!
    続きも楽しみ

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