オリキャラ同士をAIで戦わせるスレ 第六幕

  • 11◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:45:21

    安価で出たオリキャラたちが戦っている様子をAIが短編小説化してそれを楽しむスレです。

    不定期進行な上AI生成の都合上納得のいかない結果になることもあります。




    ※閲覧注意が必要になるキャラは禁止です

    ※相手が能動的に突ける弱点を必ずつけてください。

    ※AIの生成によるインフレは仕方ないですがそうでない限り勝てないほど強くするのはやめてください。

    ※スレ内で死んだキャラはifルート以外では復活しません。命には非常にシビアです。

    ※ここに出たキャラクターは基本スレ内でのみフリー素材です。要望があるなら必ず設定と一緒に記載してください。

    ※コテハンを本スレでつけていいのはスレ主のみです。


    全部のまとめです

    オリキャラAIバトルスレ・アカシックレコード | WriteningオリキャラAIバトルスレのページやリンクをギュギュっと一つにまとめたページです。 このページの編集コードは「aiai」です。 新しいページやスレが作られた時は追加していっていただけると助かります キャ…writening.net
  • 21◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:47:12

    10まで保守がてらやっちゃいます


    題名『ふるさとを、うたわないで』

  • 31◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:47:29

    風がゆれる。
    やわらかな日差しが草原を照らし、虫たちの声が遠くで響いていた。

    「……ひじり、まって……」

    「だいじょーぶだよ、みこと! かみさまがいったもん、こっちにおもしろいのがあるって!」

    丘の上を、ふたりのちいさな影が駆けていく。

    ひとりは、身の丈よりおおきな大弓を背負ったおとこのこ――佐藤 命(みこと)。
    もうひとりは、ちいさな背中におおきすぎる大剣をひきずるおんなのこ――佐藤 聖(ひじり)。

    神様からもらった武器をかかえて、ふたりはきょうも冒険ごっこをしていた。
    ただの草原のはずだった。でも、今日は――ちがっていた。

    「……こんにちは、ちいさな ぼうけんしゃ さんたち」

    聞きなれない声が、ふたりの足をぴたりと止めた。

    丘のうえ。
    そこにいたのは、ふしぎなすがたの女のひと。
    黒と金のスーツをまとい、からだにはバイオリンやらホルンやらが溶け込んでいるようだった。
    その手には指揮棒。
    肩にのせたのは、ひとりでにうごくコントラバス。
    その名を――

    「“のうきょうがくだん” チヨ・ホタル。
     あなたたちに、いちまいだけ、しょうたいじょうをもってきたの」

    「……しょーたいじょー?」

  • 41◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:47:42

    「うん……わたし、もってないよ」

    「これは、こころのなかにだけ とどくの。……あなたたちの“こきょう”へ、かえりませんか?」

    チヨの声は、やわらかく、あたたかかった。
    でもその音色のなかには、どこか「さびしいね」がまざっていた。

    「ねえ、ひじり……このひと、ちょっとこわいよ……」

    「だいじょーぶだよ! わたしたち、かみさまがまもってくれるもん!」

    聖は、にぱっと笑った。
    その手が、命の手をぎゅっと握る。

    そのとき――

    ぱんっ

    チヨが指揮棒をふると、
    空気が“音”に変わった。

    それはやがて楽団の合奏となり、草原にひびいた。
    ヴァイオリンのさえずり、木琴のしぶき、トランペットのさけび。

    ――《望郷楽団(ぼうきょうがくだん)》、演奏開始。

    ふたりの目のまえに、ちがう風景が広がりはじめる。

    どこかで見た、たのしかった日。

  • 51◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:47:54

    おにいちゃんたちと、かぞくみんなで食べたケーキ。
    おふとんのなかで聞いた、かみさまのおとぎばなし。
    だけど、その風景に――
    しだいに「火」がついた。

    「あ……あれ……やだ……」

    「……けむり……うちが……やけてる……!?」

    目にしたのは、
    **“自分たちの心のなかの故郷が、もえていく光景”**だった。

    「ほら、きこえるでしょう? あなたたちのいえが、いま、さよならをうたっている」

    チヨは指揮棒をふりつづけていた。
    その顔に、涙のような音符がこぼれていた。

    「かみさま、いない……」
    命の声はふるえた。

    「ちがう……かみさま、いるよ!」
    聖は命の手をぎゅっとにぎった。

    「……わたしたち、ふたりで かみさまになろう? いっしょなら、きっと……!」

    ふたりの手が、もういちど、しっかりとかさなった。

    その瞬間――
    双子の背に、
    ふしぎな光がきらめきはじめた。

  • 61◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:48:07

    「ふたりで……かみさまに、なる……?」

    命のこえは、ふるえていた。
    けれど、その手はもう にげなかった。

    聖のてのひらが、あたたかくて――それが、ちからになった。

    チヨ・ホタルの楽団は、止まらない。
    音がまわりの風景をゆがめていく。
    草原はまるで絵の具のようにとかされ、絵本のなかの町にかわりはじめる。

    ――ふるさとのまち。
    けれどそこに、においも、ぬくもりも、いない。
    あるのは、つくられた「なつかしさ」と、うそみたいな「さよなら」。

    「こきょうは、まもられるために あるんじゃない。
     やがて こわれるために あるの。
     こわれてなお、こころにのこるもの――それが、うた」

    チヨの指揮棒がふられるたびに、音楽は深くしみこんでいく。
    命の目から、涙がこぼれた。

    「……やだ……みんな……いなくなるの……」

  • 71◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:48:17

    「みこと!!」

    聖のこえが、命のなかの“なにか”をひっぱった。

    「わたしたち、なにをもらったの?」

    「……かみさま、からの……おくりもの……」

    「そうでしょ!?」

    そのとき、ふたりの足もとがかがやいた。

    白金のひかり。
    それは、神のいたずらのように天からふりそそぎ――

    “かみさまからの おくりもの”が、目をさます。

    「――てを、つないで」

    「――せーのっ」

    ふたりのちいさな声が、重なった。

    「おおきな ちからよ、ぼくたちに ちょっとだけ、つかわせてください……!」

    ぶおおおおおおっ!!
    しろいかぜが吹いた。
    その中心、ふたりの姿はもうそこになかった。

    かわりにそこに立っていたのは――

  • 81◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:48:29

    ・身の丈よりもはるかにおおきな大弓を構える命(みこと)
    ・肩よりおおきな大剣を両手でかかげる聖(ひじり)

    双子は、光の衣をまとっていた。

    「ふぁ……ふぁいと、する……」

    「まけないもんっ!」

    命の手には、ひかりの矢。
    聖の目には、まっすぐな怒り。

    ――ふたりは、たたかうことを、えらんだ。

    チヨの手がぴたりと止まる。

    「……あら。すてき」

    彼女のほほがすこしゆるんだ。

  • 91◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:48:40

    「でも、それだけで “ふるさと”は まもれないわよ?」

    そういうと、チヨは両手をひろげ――

    無数の楽器が、空からふりそそいだ。

    ピアノ、チェロ、サックス、ビオラ、ホルン、オルガン……
    それらが空中でかってに動きだし、“ふたりのふるさと”を、音でこわそうとしていた。

    「ひじりっ!」

    「まかせてっ!」

    聖が大剣を振りかぶった。
    だけど、そのおおきすぎる刃に体がひっぱられて――

    「わああああっ!? うごけなーいっ!」

    「ひじりぃぃぃっ!?」

    命がうしろから手をひっぱる。

  • 101◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:48:54

    「わたし、こんどは ぜったい ふりおとされないもんっ!!」

    「ちゃんと もちかた かえようよおぉ!」

    ちょっとしたコントのようなやりとり。

    だけど、そのどたばたのなかで、聖の剣がまぐれで空の楽器のひとつをぶちこわす。

    カァァァァン!!

    金属音が空をゆらした。

    「……あら。なるほど、あなたたち」

    チヨが目を細めた。

    「わたしの“きょく”を、こわすつもりなのね」

    命と聖は、こくんとうなずいた。

    「ぼくらの ふるさと、こわさせない……!」

    「ぜったい、まもるんだからっ!」

    空がゆれ、音がふたたびうねりはじめる。

    ――楽団が激昂するように、つぎのきょくへと進みだす。

    これは、たのしくて、こわい、
    ふたりと ひとりの、ふるさとの たたかい。

  • 111◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:51:31

    「“ぼうきょうがくだん”第二楽章――『雷のスフォルツァンド』」

    チヨ・ホタルの声が、空をわたる。

    空に漂う楽器たちが、いっせいにひかりだした。
    トランペットが空気を裂き、バイオリンが風を震わせ、太鼓が大地を鳴らす。
    そして――

    ズドォォォン!!
    雷が、ふるさとの空をこなごなに打ち砕いた。

    「ひゃあああああっ!?」

    「う、うわあああっ!?」

    命と聖がふっとびながら、砂まみれの地面に転がる。
    空はまだ、割れるように音を立てていた。

    「ど、どうするの……みこと……っ」

    「う、うう……わかんないよおおおおっ!」

    ちからはある。
    でも、どうやってたたかえばいいのかわからない。

  • 121◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:52:00

    あたまはまっしろ、てあしはがくがく、心臓はどくどく。

    それでも――
    命は、てさきをさぐって、聖のてをぎゅっとにぎった。

    「でも、いっしょなら、こわくない」

    「うん、うんっ!」

    ふたりの手が、光った。
    それは“かみさまからの おくりもの”が、ふたりの願いにこたえたしるし。
    命の大弓が、輝きだした。

    「ぼく……いちどだけ、ちゃんとねらって、うつ……!」

    彼のうしろには、聖がぴたっと立つ。

    「わたし、ささえるよ! がんばって、みこと!」

    命の弓にこもった光が、一筋の矢にかわる。
    チヨは、その様子を冷たく見下ろしていた。

    「……おそいわ。音楽は、もう止まらない」

    雷鳴の嵐が再び集まりはじめる――!

    「いまっ!!」

    命が矢を放つ。
    その放たれた矢は、彼のちいさな腕の力に見合わぬ、ひかりの奔流となって空を射抜いた!

  • 131◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:54:16

    バリィィィィィィィン!!!

    雷のたまった雲の中心が、まっぷたつにわかれた。

    空に浮かぶ楽器がつぎつぎに砕け、音の奔流が霧散していく。

    「なに……!?」

    チヨの顔が、はじめてくもった。

    彼女の服が風にゆれ、ほそい指がふるえた。

    命は、がくがくの足でよろめきながらも、顔をあげて――

    「ぼくたちのふるさとは……やさしくて……あったかくて……みんながいて……」

    「だから! ぜったい、まもるのーっ!!」

    聖が叫び、大剣をふりあげた。

    「おうちを、うたで、こわさないでよーっ!!」

    どごぉっ!!

    ふたりが全力で放った弓と剣。
    その“想い”の一撃が、空にのこった最後の“音”をかきけした。

  • 141◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:54:39

    音楽が、とまる。

    空が、しんとする。

    チヨ・ホタルのまわりから、楽器がすべてきえていた。

    風がふきぬける音だけが、のこった。

    「…………ほんと、に……」

    チヨが、ぽつりとつぶやく。

    「あなたたち、ほんとうに……“かみさまのこども”なのね」

    そこにあったのは、うらやましさか、さびしさか。
    音をうしなった楽団の長が、くずれそうに立っていた。

    けれど――それでもまだ、終わりではなかった。

    彼女のくちびるが、わずかにうごいた。

    「じゃあ、これはどうかしら……」

    “亡境楽団”――

    世界が滅びる童話。
    すべてをなかったことにする、最終楽章。

    小さな双子と、音楽の魔女の、ふるさとの戦いは、次の幕へ。

  • 151◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:55:19

    「“亡境楽団”──最終楽章、《うたのおわり》」

    チヨ・ホタルの指が、ゆびきりをするように空をなぞった。

    ──カチリ。

    どこかで、オルゴールが開くような音がした。

    空の色が、変わった。
    青でも赤でもない、灰色の幕が空から降りてくる。
    音のない、無音の旋律。
    だがそれは、確かに聞こえていた。

    “国破レテ 山河在リ”──

    それは、世界を呪い、思い出を破壊する童歌。

    「……ひじり……こわい……」

    命がしゃがみこむ。
    足がふるえて、立てない。

    聖も、両手で大剣をぎゅうっと抱きしめた。

    「……ここ……どんどん……さむくなっていく……」

  • 161◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:55:42

    さっきまでの“ふるさと”が、すこしずつ消えていく。
    まるで、世界そのものが“なかったこと”にされていくように。

    木が消える。
    空が崩れる。
    地面が、波のようにひびわれていく。

    チヨ・ホタルは、もう何も演奏していなかった。
    ただ、空間そのものが音楽だった。
    ただ、すべてが“さよなら”をうたっていた。

    「……おにいちゃん……おねえちゃん……たすけて……」

    命がつぶやく。
    聖の目に涙がたまる。

    「……みこと……」

    そして――
    聖は、そっと手をのばした。

    「て、つなご?」

    命は、びくりと顔を上げた。

    「……!」

    その小さな手を、彼はぎゅっと握る。

    「ぼくたちは、ふたりでひとつ……だもんね」

  • 171◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:56:15

    「うんっ!」

    その瞬間だった。

    ピカァァァァァッ!!

    命の背から、光の羽が生えた。
    聖の足元から、金色の花が咲いた。

    神の力が、ふたりの中で“ひとつ”になる。

    「かみさまのちから、ぜんぶ、つかう!!」

    「わたしたちで、まもるの!!」

    ふたりが、手をつないだまま、両方の武器を掲げた。
    大弓が、大剣が、ひとつの十字にかがやく!

    「「おわらせないで!!!」」

    ドォォォォォォォォォォォォン!!!!

  • 181◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:56:31

    神の光が、“童歌”をかきけした。

    灰色の空が割れ、黒い地面が粉々にくだけていく。

    チヨの身体が、音のうずに呑まれ、ふわりと舞い上がる。

    そして――ふたりの武器が、すべての“さよなら”を貫いた。

    ……

    ……

    静寂。

    まっしろな空の下に、ふたりの子供が立っていた。

  • 191◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:56:48

    命は肩で息をしていて、聖はへたりこんでいる。

    「……かてた、のかな……?」

    「わかんない、でも……まだ、いきてる……!」

    そのとき、音もなく、チヨ・ホタルがふたりの前に現れた。

    楽器はすべて砕け、髪は乱れ、目は涙でぬれていた。

    だが――その顔に、かすかな微笑みが浮かんでいた。

    「……わたしね、あなたたちの“ふるさと”……少しだけ、見えたのよ」

    「……え?」

    「とっても、きれいだった」

    彼女は、そっとふたりの頭をなでた。

    「……あなたたちには、奏でるに値する“原風景”がある……」

    「う、うん……!」

    「ありがと……またね……おねえちゃん……!」

    チヨ・ホタルは、すこしだけ音を残して、そこからきえた。

    残ったのは、あたたかい風と、陽の光。
    そして、ふたりのてのひらに残った、光の余韻だった。

  • 201◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 18:57:24

    以上

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 18:59:04

    良かった
    …でもチヨの口調佐藤弟妹に侵食されてない?

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:03:23

    チヨ・ホタルが容赦なく現実を突きつけるかと思ったが、くじけなかったなあ…
    えらいぞ

  • 231◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:35:49

    題名『ベーゴマは回る、閃きは止まらない』

  • 241◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:36:36

    午後三時、空は晴天、町外れの廃遊園地。
    色褪せた観覧車、止まったメリーゴーランド、割れた窓から差し込む陽光が、不思議な戦場に似つかわしい陰影を落とす。

    「……ここが、勝負の舞台かぁ!」

    ひとり、ドタドタと靴音を立てて現れたのは、白衣を着た赤縁眼鏡の小さな発明家。
    ――ピカ・リンコ、9歳。ポニーテールが跳ねている。

    肩にかけた【お取り寄せバッグ】の口をガバッと開けながら、彼女は辺りをぐるりと見渡す。

    「静かだなー……まあいいや、なんか閃きそう!」

    その瞬間。

    「どやぁ!!」
    バァン、と陽気な叫びと共に屋根の上から降りてきた影がひとつ。空中でブレイクのスピンを一回転、そのまま着地と同時に手から投げられたコマが一つ、リンコの足元をかすめて地面に突き刺さる!

  • 251◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:37:11

    「うわっ!? いきなり攻撃!? 危なっ!!」

    「へへっ、遊園地に来て“どやぁ”されるなんて、ラッキーだよな?」

    着地したのは、フードを深くかぶったブカブカパーカーの少女――駒鳥ヒナタ。
    紐の巻かれたベーゴマを何個も腰にぶら下げ、片足を軽く跳ねさせるように構えている。

    「アタシが最強の独楽少女ってこと、忘れんなよっ!」

    「……!! いま、何か……すっごく発明したい気がしてきた!」

    リンコの目がキラーンと光る。

    「閃いちゃった!!!」

    【思考加速】、起動。
    世界が、止まる。

    ヒナタの動き、空に舞うチリ、揺れる白衣の裾――すべてがスローモーションになる中で、彼女はお取り寄せバッグに手を突っ込みながら、無数の部品を放り投げ、即席で何かを組み立て始める。

    (このコマ、物理法則を無視して空を飛んだ……じゃあ、磁気ジャミングが有効かも?)

    「ぐるぐるぐるーっと……ここをこうして……よし!完成!」

  • 261◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:37:29

    発明品第1号――【即席マグネ波放出装置(りんこちゃん特製)】
    手のひらサイズの装置が「ピョイーン!」と音を立てて、発動。

    ブン、と空気が鳴り、地面に刺さっていたコマが一瞬だけ揺れる。
    だが――

    「甘いねっ!」
    ヒナタは片足でコマを蹴り上げ、空中キャッチからの即巻き、再スロー!

    「コマは止まっても、アタシは止まらない!!」

    「きゃっ……!? は、はやっ!?」

    高速で舞うベーゴマが二つ、三つと出現し、廃遊園地の空間を縦横無尽に跳ね回る。
    ジェットコースターのレールを駆け上がり、ぐるりと曲がって――

    「うそ、あれ軌道っていうか、壁走ってない!? え!? どういう物理法則!?」

    「ふふーん♪ ワンダリング・コマーズ、なめたら怪我するぞ!」

    陽気に笑うヒナタに対して、リンコは焦りながらも――

    「でもね、発明ってのは……限界を超えたとき、次元が違う答えをくれるんだよっ!」

    次の瞬間。
    ピカ・リンコの脳内、閃光が弾ける。

    「閃いちゃった!!第二弾!!」

  • 271◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:38:31

    廃遊園地の中心――割れた噴水跡地。
    そこにピカ・リンコが組み上げたのは、謎の三脚付き装置。
    上部には球体のような何かが取り付けられ、左右からアンテナと銃口のようなものが伸びている。

    「名付けて!《エレクトロ・カウンター・コマ・キラーマシーン》!!」

    \ネーミングセンスはさておきすっごくヤバそう!/

    「へへっ、機械とかってアタシの独楽には効かないって、教えてあげるよっ!」

    ヒナタが再びベーゴマを紐で巻き、構える。

    「いっくよーっ!! コマ鳥流・二重駆動ッ!」

    二つのコマが交差するように走り、電気装置を挟み込むように襲いかかる――!

    「甘いよーっ! こいつはね、ただの機械じゃないの!」

    リンコがスイッチを押すと、装置が赤く光り、放電するようにバチバチと放電!

    「磁界フィールド展開っ!」

    攻撃を仕掛けた独楽が、装置の半径2m手前で突然フワリと跳ね、バランスを崩して地面にカツン!と落ちる。

    「なっ!? フィールドに弾かれた!?」

    「この子、回転物体の磁気浮遊を利用してベクトルをずらしてるのっ!要は……コマにだけ超意地悪な空間作ってるってこと〜!」

    「くっ……!でも!!」

  • 281◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:38:45

    ヒナタは回転が止まったコマを蹴り上げ、空中キャッチ!

    再度巻き始め――その手元が、光った。

    「“夢幻独楽舞踊”・強化モードッ!」

    彼女の腰のポーチがバサッと開かれ、十数個のコマが同時にばら撒かれる!

    「うわああ!? すごい数来たあああ!!」

    リンコの機械が次々と反応し、バチバチと磁場が拡張されていくが――数の暴力が上回る!

    「うそぉ!? パーツが足りな――」

    \ピョイーン/

    【お取り寄せバッグ】、作動。ネジと基盤とケーブルが空から雪崩のように落ちる。

    「はやく!はやく作らなきゃ!!」

    思考加速、再起動。

  • 291◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:39:29

    その間にもヒナタはダンスするように飛び回り、軌道を操る。
    両足を空中で交差させ、スピンして、ベーゴマをトリッキーに投げつける。

    「どやっ!! このコマは跳ねるぞぉ!」

    「このままじゃ――」

    カッ!!

    「――閃いちゃったああああああ!!!」

    その瞬間、リンコが工具を片手に謎の装置を二機連結。
    中央から伸びるアームがカシャカシャと展開し、三本足のロボットのような形になる。

    「《エレクトロ・コマ・リバーサーMk.II》!!」

  • 301◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:39:47

    「ど、どこがMk.IIなの!? いつの間に!?」

    \発動ッ!!/
    突如として周囲のコマが一斉に止まり、逆回転を始める。

    「えっ!? あ、あれ!? 逆!? なにこれ!?」

    「磁気の流れを干渉させて……コマの“慣性”そのものを奪ってやったの!」

    コマがヒナタの周囲で一つ、また一つとバラバラに分解していく。

    「……うぅ、どやる暇もなかった……!!」

    がくっとうなだれるヒナタに、リンコが言う。

    「わたしも、たくさん実験して、たくさん失敗してきたの。でもね……発明って、あきらめなければ絶対なんとかなるんだよ!」

    「うぅ……なんかそれ、ズルいほどカッコイイ……!」

    だが、ヒナタは――その目をギラリと光らせる。

    「でもさぁ、アタシのコマ……これで全部じゃないんだよ?」

  • 311◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:40:44

    「ふふん、こっからが本番だよ〜んっ♪」
    駒鳥ヒナタはドヤ顔で、腰の後ろに手を回した。

    ガシャッ。

    そこから引き出されたのは――巨大なヨーヨーサイズのベーゴマ。

    「なにそれ!? っていうかもはやコマじゃなくない!?」

    「いやいやいや!“超特大独楽《ドリームスピナー・ヒナタZ》”って名前付きなんだよっ!」

    地面に投げ出されたソレは、直径30cmを越す金属製の巨大独楽。
    見るからに重く、見るからに……超危険。

    「これ、回すだけで地面ちょっとえぐれるからね。だって……!」

    ヒナタは飛び上がり、軽やかにスピンしながら紐を全力で引き絞る。

    「“13年分のドヤ顔”が詰まってるから!!」

    \ギュルルルルルルルル!!!!!/

    ドリームスピナーが地面で炸裂し、噴水跡地が小さく震えた。

    「うわぁあ!? 地震!? いや違うこれコマのせいだぁあ!!」

  • 321◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:41:42

    ピカ・リンコが慌ててバッグから大量のボルトとパーツをぶちまける。

    「緊急モード!補強アーム!シールド装備!」

    思考加速、再起動!

    「“スーパービリビリドームMk.ゼット!”」

    即興で組み上げられたのは、帯電したフライパンのような丸いシールド。内部で電磁バリアが回転している。

    「受けて立つよっ!回転対回転だあああああ!!」

    \ドガアアアァァァァァン!!!!/

    巨大コマとバリアが衝突。
    発生した衝撃波で地面に亀裂が走り、空気がビリビリと震える。

    「おぉぉぉぉぉぉ!?!? なにこの迫力ぅううう!!!」

    ヒナタが全身でドリームスピナーの軌道を踊りながら制御し、リンコが両手に工具とチョコバーを構えて猛スピードで機械を修理。

    「まだいけるっ!まだいけるもんっ!」

    「じゃあ、わたしも――もっともっと、閃くっ!」

    バチバチと火花が舞う。ドリームスピナーが、リンコの防御装置を削りながら前進する。

    「これが……!ダンスと発明の、どっちもぜったい譲らないぶつかり合いなんだぁっ!!」

    まさに、才能と努力とお菓子がぶつかる、カラフルでハチャメチャなバトル。

  • 331◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:44:19

    「せーのっ!」

    ヒナタの両脚が、リズムよく弾む。
    ベーゴマが空中に舞い、スピンしながら軌道を描いて――地面に“着地”した。

    \ズガァァァァァァァァン!!!!!!/

    「う、うわあぁぁあぁあ!? 地面がっ、陥没……!?」

    ピカ・リンコの発明したバリアごと、地面ごと、“ヒナタのドリームスピナー”が貫いた。
    直撃は避けたものの、想定外の“演出”にリンコの発明魂が大爆発。

    「すごすぎるぅぅううううう!!!」

    思考加速が、再び唸る。

    「こんなの見たことない! でも、見たからには……!」
    「“つくるっっっ!!!”」

    背後の“お取り寄せバッグ”が唸り、部品が舞う!
    発明、組み立て、試作、調整――そのすべてを、たった数秒でこなす脳と手先の暴力。

  • 341◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:44:44

    「名付けて……“ピカ式ベーゴマ対抗型・磁力加速型コマスラッシュくん”!!」

    \バンッ/
    サイズはヒナタのベーゴマより小さい。だけど、リンコの瞳は自信満々。

    「加速!加速!さらに加速!磁力でギュインギュインだよぉおおお!!」

    \ギュルルルルルルル!!!/
    金属音を響かせながらコマが加速し、ヒナタのドリームスピナーに真っ向衝突!

    ヒナタの目が見開く。

    「え!?まってこれ……押し勝ってるぅ!?!?」

    \ゴギギギギギギギ……!/
    一瞬、巨大なコマが後退する。リンコの磁力コマが予想を超えるパワーを発揮したのだ。

    「いっけええええええ!!“スラッシュくん”んんんんんん!!」

    その声に呼応するように、コマがスピンを上げて跳ね上がる!

    \カッ!/
    ドリームスピナーの回転軸を突いた。

  • 351◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:45:20

    「っ……止まった……!?」

    ドリームスピナーの軸がズレ、地面に転がった。

    ヒナタの肩が落ちる。

    「ま、負け……」

    が――。

    「ふっふっふーん!でもぉお?わたしのダンスはまだ止まってないんだよぉおおっ!」

    \ヒュン!/
    ヒナタが回転しながら再び距離を詰める。

    リンコが息を飲んだ、その瞬間――

    「――はいっ、チョコバー補給完了!」

    脳が回復、思考加速オン!

    リンコの脳内で瞬時に計画が立ち上がる。

  • 361◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:45:57

    「ダンスには、リズムがあるよね!」

    「そうだよっ!!」

    「じゃあ、リズムに合わせた対抗策は――」
    「“ピカピカメトロノームバリア!!!”」

    \ピンポンパンポン♪/
    目にも止まらぬ勢いで、リズムを刻むバリアがヒナタの軌道を遮った。

    「うわっ!?足が……ズレ……」

    ヒナタの体勢が一瞬崩れる。
    そこへ、リンコの“手製コマスラッシュくん”が最後の回転を突き立てた。

    \カコン!/
    ヒナタの足元でベーゴマが鳴る。

    「……へへ、やられたぁ〜……!」

    ヒナタが崩れ落ちるように、笑顔で尻もちをついた。

    リンコもまた、フラフラとよろけて、地面にぺたん。

    「……たのしかったぁ〜〜〜〜……」

    空の下、発明と独楽の少女たちが、笑いながら倒れていた。

    ――勝ち負けより、もっと楽しいことがある。
    “最高にワクワクするバトル”は、今ここに完結する。

  • 371◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 20:46:14

    以上

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 20:47:07

    最高!!

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 20:47:28

    投下乙でした  なんか……和むな

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 20:48:40

    ハチャメチャで面白かった~!

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:50:36

    癒されたー、たまにはこういうのも良き

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 21:56:49

    ヒナタが予想以上にドヤってて吹いたわ
    なんやねん、13年分のドヤ顔って

  • 431◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:09:52

    題名『恋情は巨城に届くか』

  • 441◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:11:09

    風が吹いていた。
    荒れ果てた大地をなぞるような、乾いた風。空には雲ひとつなく、ただ、巨大すぎる“影”だけが世界を覆っていた。

    その姿はまるで、かつて神の軍勢が築きし巨神の廃墟。
    超巨城ギ=ガテラ・ペータ。
    高さ600km。全身が武装と装甲に覆われ、頭上は雲海を突き抜け、脚部は地平を二分する。既に稼働を停止して久しく、草木も鳥も近づかぬ“神棄ての城”だった。

    だが。

    「――祈るよ、あなたが痛まぬように」

    ひとり、その胸元に降り立つ存在があった。

    天使の輪を持たず、悪魔の翼も持たぬ。
    ただ、その手のひらから、慈愛の魔力が溢れ続けていた。
    彼女の名は――恋情のヴァルブルガ。

    「この身は、傷つけぬ。あなたも、誰も傷つけぬ。その約束だけは、持ってきたから……」

    裸足の足が、鉄の装甲の上に触れる。
    途端、空気が震えた。巨城の内部で何かが“起きた”。

  • 451◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:11:37

    ギィィイィィ――
    超低音の警告音が世界に響く。
    巨大な巨神の胸にあるハッチが、軋むようにして開いた。

    そして現れるのは――

    「……免疫反応、確認」

    機械音声と共に、無数の影が生まれた。

    無骨な外骨格を纏った兵士たち。赤く発光する視覚センサー。背に装着されたブースター。
    それはギ=ガテラの“免疫”――キーロ・ガテラ。

    次々と召喚される機械兵士。空間を埋め尽くす数百体。
    それでも、ヴァルブルガの顔に恐怖はない。

    「……ああ、やっぱり。あなたは、まだ“動いて”いたのね」

    目を閉じる。
    その瞬間――彼女の全身が淡い光に包まれた。

    それは攻撃でも防御でもない。
    “癒し”。
    ただの、治癒魔法。

    「皆さん……本当に、つらいんですね……」

    兵士たちが一斉に発砲する。
    無数の銃弾、ビーム、焼夷弾が、彼女の身体を襲う。

  • 461◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:12:21

    ――だが、

    「……治りますよ」

    彼女の身体は、銃弾が貫いたその瞬間から、一瞬で修復される。
    血が流れたことすら無かったかのように。
    皮膚が、骨が、臓器が、完全に再生される。

    「もう、無理しないで」

    彼女は歩みを止めない。
    何千という銃撃の中を、何百という敵に包囲されながらも、ただ前に進む。

    兵士たちは、それでも撃ち続ける。撃ち続けるしかない。
    この巨城において、それが“免疫”の本能だから。

    だが。

    ヴァルブルガの目は、微笑んでいた。

    「痛かったでしょう? 怖かったでしょう? もう、大丈夫」

    その瞬間、全ての兵士が“同時に”膝をついた。

    ――彼女の治癒は、ただの再生ではない。
    彼女の力は、心の傷すらも癒す。

    戦いしか知らない兵士たちの、残された僅かな“心”すら――。

  • 471◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:12:50

    「入りますね。あなたの中心まで。優しく、静かに」

    彼女は巨城の心臓部へと、歩を進める。
    その先にあるのは、超巨城ギ=ガテラ・ペータの“核”――神々が遺した最後の“心”。

    世界が震えていた。
    それは戦慄か。あるいは、救済の予兆か

  • 481◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:15:26

    ヴァルブルガが歩むたび、
    彼女の周囲に、静かな光の波紋が広がる。

    無数の“免疫”たち――キーロ・ガテラの機械兵士たちは、すでにその場に倒れていた。
    破壊されたわけではない。彼女の治癒の波動によって、戦意という名の命令が霧散し、沈黙したのだ。

    「……これだけで済むのなら、それが一番」

    だが、ヴァルブルガの眉が、ほんのわずかに曇った。

    ――何かが変わった。

    空気の密度。振動。重力すらもわずかに変化している。

    そして、
    ギ=ガテラ・ペータの構造内部が、音を立てて“駆動”を始めた。

    「動いてる……? まだ、心臓が――」

    その瞬間。

    彼女の真上から、巨大な“拳”が降ってきた。

    否、それは拳ではない。
    一棟のビルに匹敵する装甲パーツが、彼女目掛けて落下してきたのだ。

    ズドォォォン!!

  • 491◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:16:08

    地響きと共に大地が揺れ、煙が噴き上がる。
    着弾地点にはクレーターのような穴。無数の鉄骨。ひしゃげた柱。

    だが。

    「……ふう。びっくりしました……」

    光が揺らめき、煙の中心から無傷のヴァルブルガが姿を現す。

    肩は潰されていた。頭蓋骨は半壊し、片足は膝から下が欠けていた――一瞬前までは。

    すでに全て治癒され、彼女はまた歩いていた。
    髪に一本の乱れもなく、清らかな祈りのように。

    「ギ=ガテラ……あなた、“防衛本能”を再起動したのですね」

    ドォォォン!

    今度は壁面から“砲塔”が起き上がり、ヴァルブルガ目掛けて火砲が発射された。

    ビーム、炸裂弾、音波兵器――あらゆる時代の兵器がこの巨城には存在していた。
    それらすべてが、彼女を排除せんと集中砲火する。

    轟音が、鉄と魔力と破壊の嵐が、すべてを飲み込む。

    だが。

    「……はぁ。ほんとに、痛いのはイヤですよ?」

    光が弾ける。

  • 501◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:17:28

    次の瞬間、全ての攻撃は“無かったこと”になったかのように、霧散した。
    いや違う、彼女の肉体が傷つくたび、それが瞬時に修復され、“当たらなかった”ように見えるだけなのだ。

    爆風の中心で、ヴァルブルガは小さく呟く。

    「あなたの中で、眠っている“誰か”が、叫んでる気がして……」

    その時だった。

    ギ=ガテラ・ペータの“体内”――
    そこに、本格的な第2層の免疫機構が起動した。

    ズラリと並ぶ巨大な兵士型免疫――
    全高5メートルを超える、異形の精鋭たち。

    身体の半分が武器。
    自律思考を持つ人工知能兵。
    光学迷彩、反魔力装甲、超振動剣など、ありとあらゆる対人類想定兵器を備えた“殺戮人形”。

  • 511◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:17:55

    その中央で、唯一マントを纏った一体が名乗りを上げる。

    「……侵入者。貴様は免疫機構第九十二部隊、指揮官機“コア・レギオス”が討滅する」

    「……ふふ。そんな怖い顔しないで。あなたも、誰かに作られたんでしょう?」

    ヴァルブルガは、指一本動かさない。
    戦う気配すら見せない。

    だが。

    指揮官機“レギオス”が疾駆する。
    バーニアを吹かし、超加速でヴァルブルガの胸を一撃で穿たんと――!

    ズガァァン!

    命中した。心臓を貫いた。

    それは彼女にとって唯一の“弱点”。

    そして――

    「……ごめんなさいね……少しだけ……時間がかかるの……」

    ヴァルブルガは、静かに倒れた。

    だが彼女の瞳には、恐怖ではなく、“確信”のような光が宿っていた。

    「あなたたちの痛みも、すぐ……癒しますから……」

  • 521◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:19:44

    心臓を貫かれたヴァルブルガの身体が、ゆっくりと地に倒れ伏す。
    金糸のような長髪が、瓦礫に絡みながら揺れる。
    その姿を見て、“免疫機構”の兵たちは動きを止めた。

    ――殺、害、確、認。

    「……終わったのか?」

    指揮官機“コア・レギオス”の声に、兵士たちは一斉に警戒態勢を解いた。
    だが。

    ズズ……ッ

    地面に染みるように零れた血が、淡く光を帯び、逆流を始める。

    ヴァルブルガの胸元から――
    “心臓”の位置に再び光が灯った。

    「…………ッ!?」

    レギオスが構えを取り直すのと同時に。

    彼女は、ゆっくりと身体を起こしていた。

    「……痛かったです……ほんとに、びっくりするくらい……」

    胸の傷は塞がりつつあった。いや、塞いでいたというより――
    “損傷そのものが、存在していなかったかのように”修復されていく。

    命の鼓動が再び蘇る。

  • 531◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:20:49

    「でも、今わかりました……あなたたちは、“殺すため”に生きているんじゃないんですね」

    ヴァルブルガの瞳が、レギオスを真っ直ぐに見つめる。
    そこにあるのは、敵意ではない。慈悲だ。

    「ずっと戦い続けてきたのでしょう? ずっと、ここで……一人で……」

    「……我らに“感情”はない。命令に従い、排除を行う。それが存在理由だ」

    レギオスの大剣がうなりを上げる。今度は一撃で頭部を砕くつもりだった。
    しかし――

    「治してあげます」

    ――言葉と共に、空間が光で満たされた。

    ドオオオオオォォン――!!

    眩いほどの純白の癒しが、爆発的に放たれ、レギオスごと第九十二部隊全体を呑み込む。

    彼女の【ヒール】は、ただの治癒ではない。

    “存在”そのものを癒す。
    戦いに囚われた魂ごと、傷ついた使命ごと、“敵”という定義ごと、癒してしまう。
    そして。

    数秒後――

    爆心地に残されたのは、倒れ伏す機械兵たち。
    しかしその表情(人間のように作られた仮面)には、安らぎにも似た静寂が宿っていた。

  • 541◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:26:47

    指揮官機レギオスもまた、武器を手放し、その場に膝をつく。

    「……排除プログラム、機能不全……命令、解凍……無効……」

    ヴァルブルガはそっと歩み寄る。

    「あなたたちは、まだ眠っていなきゃいけない存在だったのよ……きっと、神様が帰ってくるまでは」

    その言葉を最後に、第九十二部隊の免疫機構は完全に沈黙した。

    そしてヴァルブルガは、再び歩き出す。
    向かう先は――

    ギ=ガテラ・ペータの“心室”。

    地上600km級の巨神構造、その中心中枢部。
    動力炉と精神核が併設された“巨神の心臓”。

    扉を開くと、そこには脈動する大いなる心臓があった。

  • 551◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:28:22

    神々の遺産とも呼べる、機械でも生体でもない“鼓動する器官”。

    「……やっぱり、あなた……泣いてる……」

    彼女はそれに手を触れる。

    ギ=ガテラ・ペータの中枢意識が、初めて彼女に応答した。

    《……痛い……苦しい……誰もいない……でも、壊しちゃダメって言われたの……守らなきゃ……でも、誰も、誰も……帰ってこない……》

    それは、一人で何億年も“門番”として存在し続けた巨神の、心の声だった。

    「もう……守らなくていいの。あなたの使命は……もう、終わったの」

    彼女は祈るように呟きながら、心臓にそっと口づけを落とした。

    瞬間。

    ギ=ガテラ・ペータの全身が、静かに――“眠り”に入った。

    中枢の灯が、ゆっくりと消える。免疫機構も完全に停止。
    600kmの超巨城が、全ての機能を停止した瞬間だった。

    「……おやすみなさい。いつか、本当に目覚める日まで……」

    ヴァルブルガの涙が、一粒だけ、頬を伝って零れた。

  • 561◆ZEeB1LlpgE25/07/31(木) 23:30:48

    以上

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:32:09

    キスだなんて…ヴァルブルガさん大胆!!

  • 58二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:32:59

    対戦ありがとうございました!

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:36:09

    >>58

    ありがとうございます!

  • 601◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 00:05:21

    今日の朝11:00に安価10個募集

  • 61二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 08:45:19

    保守

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:59:05

    もうすぐか

  • 63二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:00

    名前:獄蠍モノ=ス
    年齢:ものすごく高齢
    性別:オス
    種族:バケモノ
    本人概要:
    ものすごくデカいサソリ。尻尾が毒針のかわりに第3のハサミとなっている。この図体で壁や天井を這い回ることができる。
    能力概要:
    『外殻』
    ものすごく硬い外殻。物理攻撃を通さない。
    『怪力』
    ものすごく強い怪力。ハサミで挟んだ相手をバキバキにつぶす。
    『猛毒ガス』
    ものすごく危険な毒ガス。3つのハサミから噴射される。
    弱点:
    デカい図体に加え、外殻が動きに干渉するため移動速度が遅い。
    構造上、一度ひっくり返ってしまうと二度と元の体勢に戻れない。
    腹側(普段地面に面している側)への攻撃手段がない。
    変温動物なのにものすごくデカいため熱に弱い。

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:00

    名前:123456789/数言数(かずこと かぞえ)
    年齢:判定不能
    性別:判定不能/男
    種族:不明
    本人概要:数十年前の数言家頭首、元々時間を引き延ばす能力だったが、ある日能力が暴走し、【判定不能】年異空間に閉じ込められる。
    異空間の中で過ごす内、生物として変化し、全く新しい、生物と言えるのかどうかもわからないような存在になった。
    見た目は、浮遊している球体の周りに、さまざまな立体図形が浮かんでいる。
    能力:123456789
    能力概要:1から9までの数字を自由に操る能力。数字で表せるこの世の全ての事象に干渉できる。この世に存在するために、常に「1」の能力を使用しているので、他のことで「1」の能力は使えない。戦闘中では、発射した物体の速度を【数を入力してください】倍にしたり、自身の質量を【数を入力してください】kgに変えたりすることができる。
    弱点:意思のあるものには能力を使用できない。同時に二つしか能力を使えず、一枠は「1」で埋まっているので、実質一つしか能力を使えない
    要望(任意):言葉の端々に数字をいれてください。例「こん3にち9は」

  • 65二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:00

    名前:浄瑠璃 餌海(じょうるり えみ)
    年齢:16
    性別:女性
    種族:人間(心中の一族)
    本人概要:病弱で儚げな風貌の少女。両足に疾患があり一歩足を動かすだけでナイフで刺されたかのような激痛が走る。
    それでも彼女は病室を抜け出し彼に逢う。少女を救い、そして植物状態となった彼を生き延びさせるために力を使う。ただ一時の幻想だとしても、彼と触れる瞬間だけが彼女から痛みを取り除けるのだから。
    能力:心中(カニバリズム)、泡魔法
    能力概要:自身の肉体を食わせることで相手を回復させる異能。条件は相手を心より愛していることであり、食わせる部位は重要であればあるほど効果的。“彼”はほとんど死んでいる。肉体的にも、精神的にも。しかし彼女が与える血肉(××と薬指、他いくつかの臓器)によって彼の魂は永遠に肉の檻に閉じ込められている。彼の真実も気付かぬ彼女に、恋が実ることはありえない。
    泡魔法は彼を敵から守るために身につけた魔術(呪術の方が近い)、自身の血液を媒介に呪いに満ちたシャボン玉を作ることができる。さらに、自身の心中の特性も併せて、シャボン玉を割った相手の身体を喰うことができる。大量のシャボン玉が敵を啄み食い散らかす様はさながらピラニアを連想させる。
    弱点:肉体的には貧弱を超えた貧弱であること。また、能力・魔術どちらも肉体的な負荷が大きいため長期戦に脆弱。
    要望(任意):“彼”はただ善意で自殺しようとした餌海を救っただけの一般人、だから彼女を助けた結果、彼自身もまた溺死寸前となり植物状態となってしまった。彼にとっての悲劇とは助けた相手が普通ではなかったこと、沈むように静かに死ぬはずだった“彼”は彼女によって永遠に生き延びさせられている。彼は無限の闇の中、ただ死だけを望みながら溺れ続けている。

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:00

    名前:ウナ
    年齢:8歳
    性別:女
    種族:半神半人
    人物概要:クーフランの一族に連なる巫女の末裔。ドルイド(ドルイダス)の役割を持つ。幼くして神々とは異なる、「かみ」なる高次元の存在と交信することができる超逸材にして特異点。
    聡明だが、性格はアンポンタンで騙されやすい。
    一人称は『ウナたん』。
    能力:「かみ」の魔術
    能力概要:高次元存在と交信することで授かった魔術の数々。主に天候を操作して雷や雹を降らせる、水を操って水鉄砲や洪水を撃ち出す、樹木を操って動きを止めるなど、自然を操ることに長けている。
     他にも切り札として
    ・ウィッカーマンと呼ばれる大怪獣レベルの大きさで魂ごと焼き尽くす性質の炎を纏った人身御供用の巨大木人形を複数操る。
    ・イチイの神樹を急成長させて一瞬にして樹海を作り上げる。国造り神話を思わせる質量攻撃とイチイの樹毒による二段攻撃。
    ・高次元空間に自らを極僅かな時間の間だけ位相をズラしてあらゆる物理・概念干渉を回避する。「かみ」が作り出したために如何なる能力をもってしても干渉することができない一つの宇宙、世界一つを持って攻撃・防御を行う奥の手。
    …の三つを持つ。
    弱点:ウナ自体はただのロリっ子なので接近されると何もできない。ビンタ一発で戦意喪失するし子供のパンチで気絶するレベル。
     身体能力・耐久力・機動力も幼女相当に低く、操った水流や成長させた樹木で緊急回避ができる程度。しかもその回避に関わる判断力も低い。
     魔術以外の能力は幼女なので隙だらけ。簡単なフェイントにも引っかかるし、挑発にも精神を乱されて魔術操作が雑になる。
     切り札の魔術にはクールタイムとリチャージタイムがそれぞれ数十秒間あり、その間は完全なる無防備になってしまう。

  • 67名無しの英雄25/08/01(金) 11:00:01

    名前:ドロメッド
    年齢:1000以上
    性別:雄
    種族:千年生きて妖魔と化した駱駝
    本人概要:痩せこけてあちこちに緑色の斑のある巨大な駱駝の姿。
    渇きで死んで腐らぬままミイラ化した飼い主の無念を晴らすため、「砂漠に潤いをもたらしたい」という本能的な執念だけを抱いたまま砂漠を彷徨っている。
    敵を見つけると「滅するべき渇き」と認識する
    能力:『Make desert Green again』
    能力概要:背中の瘤の中に湿気とカビを溜め込んでおり、それを口から放出し、浴びた者の肉体を侵食する。
    また、駱駝としての高い脚力や持久力、咬合力を有する。
    弱点:瘤にダメージを受けると能力が使用不能になる。長時間外気に触れていると自動的に乾燥して弱る。

  • 68二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:01

    名前:仁藤 舞【にとう まい】
    年齢:?
    性別:男?
    種族:人間?
    本人概要:二刀流の演武を極めている。本人の年齢は不明であり十年前と5年前の姿が全く変わっていない事もあり本人は人間だと言うが本当は神様なんじゃと言われている。見た目は完全に女性だが本人は男だと言っている。
    能力:演武
    能力概要:長年極めていた演武。目が見えない人、廃人、死人、美しさを感じない人すら美しさで涙を流す程の美しい演武を舞える。
    弱点:耐久力は人間と同じ。演武なので戦闘に専門じゃないから苦手。

  • 69二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:01

    名前: アリセイン=ヴラド
    年齢: 14歳
    性別: 女性(出生時の性別)
    種族: 人型生物兵器Hound-02《赫姫》/人類改造体
    本人概要
    高適性個体として精神強化手術を受けた元少女兵。本来は温和で知的な少女だったが、軍の実験により人格が壊されている。高い知性と戦術眼を持ちながら、それを「生き延びるため」「任務以外の自我を保つため」に利用するだけで、心からの殺戮衝動は持たない。
    普段は寡黙で、戦場でも必要以上の会話をしないが、「殺さなければ自分が壊される」という恐怖から、結果的に大量虐殺者となっている。敵や捕虜と会話する時は、むしろ「止めてほしい」と懇願するような錯乱を見せる場合がある。
    • 通常形態:
    赤黒く脈動する液状有機装甲に覆われたハウンド形態。
    背中には感情に応じて形状変化する「羽状神経展開器」が4枚生え、装甲には血管状に蠢く神経触手が走る。4つの細い眼を持った細長い頭部になり、鼓動音が常に響き、肉体そのものが生き物のように蠢く。
    • 第二形態《スカーレット=クリュシス》:
    極限下で死の恐怖に押しつぶされたことによって発現した第二形態。敵味方識別不能となり、無差別に暴走。血液を媒介とした群体汚染体を周囲に放出し、群体汚染体に触れた有機体を内部から「血の化身(ブラッドドール)」(Lv3改造強化兵に匹敵する歯を剥き出した真っ赤な操り人形)へ変異させる。この状態の姿は流体状の羽衣を纏う血の女帝。
    能力:《ブラッド・ロジカ》
    血液を情報・物理・精神の三次元融合媒体とする異能。
    自身の血液は高濃度思念汚染体であり、プログラム的制御が可能。
    能力概要
    • 一滴の血から最大1,000体の自己疑似複製を同時制御可能
    • 凝縮した血核が敵神経網に侵入し、脳を遠隔侵蝕して支配
    • 血液増殖速度:1秒あたり3,500倍(理論値) → 広域殲滅が可能
    • 空間内に血液ネットワークを展開し、「無数の自己」による包囲戦術を実行
    弱点
    感情構造の破綻により、愛情・無償の共感など特定の情動刺激に過剰反応する。
    乾燥・凍結・真空など血液が機能不全を起こす環境に極端に弱い。
    高い機動性を持つが、本体は軽量で防御力もかなり低い。
    Houndシリーズは胸部の透明樹脂内に収まる小型脳核群を破壊することによってのみ
    殺可能。

  • 70二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:01

    名前:蛮 剛太郎
    年齢:36歳
    性別:男
    種族:人間
    本人概要:
    世界無差別格闘家トーナメントにて全試合を一撃KOでストレート優勝し最強の称号を得た実績を持つ真の空手家。
    ひたすらに強さを追い求め、如何なる厳しい修練をも根性で乗り越える不屈の精神を持つ筋肉ダルマ。
    空手家として正面から相手と試合を行うように戦う主義。
    能力:〘気合〙
    能力概要:
    空手における、技を出す瞬間に出す掛け声のこと。(例:「セイッ!」、「押忍!」など)
    力を出す基本の腹式呼吸を意識するため、全身を使って声を出す。
    気合の掛け声を出しながら技を出すことで技の威力が底上げされる。
    弱点:
    女性は殴れない気質なので自分が苦手とする組み伏せる戦い方にシフトする。
    遠距離攻撃手段が無い。罠には必ず嵌る単細胞。

  • 71二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:02

    名前:エク
    年齢:3100歳
    性別:無し
    種族:機械
    本人概要:願望器のプロトタイプ。完成品が叶えた願いや其れによって世界がどう変わったのかを記録する役目も持つ。そして、完成品の動きを止めて欲しいと願い、行動をしている。完成品を止めてくれる存在が出てくれるならば、どんな手段も取ろうという悲痛な覚悟を持っている。
    完成品の願望機は、純粋で、人々が願った事全てを叶えてしまう存在である。
    エクは完成品が叶えた願いの中から以下の二つの願いを再生出来る。
    「己が見えなくなったら」→【透明化】、「己がもう一人いたら」→【二重身】
    能力:《deus ex machina:archive》
    能力概要:完成品が叶えた願いの内、エクが再生出来る記録二つを、再び世界に出す能力。二つの願いは、希望者が死ぬまで世界に認識をさせなくした【透明化】、ドッペルゲンガーを作り、相手の存在をドッペルゲンガーにじわじわと塗りつぶした【二重身】である。
    【透明化】は物などに付与して、トラップとしての運用が主軸である。
    願望機の性質を持つ為、己に《deus ex machina:archive》は使用できない。
    弱点:プロトタイプ故に、全べての行動が0.3秒の準備時間がないと動けない。
    プロトタイプ故に、耐久面・身体能力が一般並みである。
    願望器のプロトタイプ故に、再生出来る記録は、本来起きた事の半分の効力しか出せない。
    例 【透明化】を付与した物の場合は、良く注目しなければ見えない 【二重身】の場合は身体能力のみのドッペルゲンガーを出す

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:06

    名前:スーパーアルティメットイモータルドッグ
    年齢:13才
    性別:雄
    種族:犬……?
    本人概要:【提唱者】が考え言葉にして生まれた超強い理想のペット
    提唱者の5才のときの妄想産故設定がふわふわしていたが【肯定者】に肯定して貰ったことで存在が強固になった
    見た目はハスキー 
    能力:私が考えた最強のペット!
    能力概要:早く走ったり、爪でなんでも引き裂いたり、吠えれば衝撃波が放たれるしとにかくめちゃくちゃ
    犬が行う行動を大規模~世界に影響を与える超規模で行う 能力を全力で使用すると存在するだけで世界に影響を与える存在になれる
    弱点:通常時は存在が安定しているが 
    規模がデカい行動をする瞬間は存在に綻びが生じてとても脆くなっていく為 
    超規模な行動は連続して行えず行った場合は自滅する、また全力を出せるのは刹那な上即座に自壊する為実質不可能
    能力使用時には身体に亀裂が生じる 亀裂部分に攻撃を当てると即座に無力化出来る
    これは行う行動の規模が大きいほど亀裂が大きくなり当てやすくなる
    知能は犬レベルな為 罠を受けやすいし、誘導されやすい

  • 73二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:00:21

    代理安価
    名前:武神メーク
    年齢:数えていない
    性別:中間
    種族:武器神
    本人概要:金髪碧眼の中性的な顔立ちの全ての武器、神器の神。
    いつもは天界の仕事部屋に籠って作業をしているが、武器が完成すると現界に降り立って人間達に配って回っている。
    人間達の進化や発展にどの神よりも喜んでいる。
    かなり破天荒な性格であり、武器への愛情は強い。常に浮遊している。
    神器に対する知識は並み外れており、能力を使わなくても大体の効果と情報を知っている。
    能力:【錬成】+【付喪】=【神器】
    能力概要:【神器】は材料を用いて特別な神器を錬成可能。また、相手の武器の情報を得てそれに対抗する力も付与できる
    弱点:常に浮遊しているためか、身体能力は低く、地上では自由に動けない。
    戦闘スキルが低い。戦闘ほとんど神器頼り。
    材料となる素材が不足した状態で錬成すると中途半端な神器になる。この状態の神器は特別な力のない、普通の武器になる。

  • 74二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:01:16

    とまれえ

  • 751◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 11:11:06
  • 761◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 11:32:45

    獄蠍モノ=スvsアリセイン=ヴラド
    エクvsスーパーアルティメットイモータルドッグ
    仁藤 舞vs蛮 剛太郎
    ドロメッドvs数言数
    浄瑠璃 餌海vsウナ

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 19:37:42

    ウナたんが名前の字面だけでもう好きになっちゃってズルい
    なんだよ「ウナたん」って

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:19:53

    ウナたんひじみこ兄妹と絡ませたい
    絶対ほんわかする

  • 79二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:27:16

    ちなみに「ウナ」自体は元ネタになったケルト神話の原産地であるアイルランドの女性の名前としてしっかり存在しているのデース

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:27:43

    トリッシュもウナだもんな

  • 811◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:30:24

    題名『殺さなかった者』

  • 821◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:30:44

    夜闇を裂くように、巨大な影が砂漠の岩壁を這い上がっていく。
    その姿は圧倒的な異形。全身を覆う外殻は鋼鉄の如く硬く、獰猛な三対の巨大ハサミは獲物を一瞬で引き裂く凶器となる。
    獄蠍モノ=ス――その名は絶望の象徴。

    対峙するのは、赤黒く脈動する液状有機装甲に包まれた少女、アリセイン=ヴラド。
    その瞳は必死に虚勢を張り、震えを隠そうとしていた。
    絶望の巨獣に挑むにはあまりにも小さく、脆い身体。

    「……ここで終わるわけには……」
    呟きは砂漠の冷たい風に消えた。

    モノ=スが吐き出す猛毒ガスが空気を満たし、呼吸を奪う。だがアリセインは血液の防護膜で呼吸器を守り、必死に耐えながら反撃の糸口を探る。

    しかし、どれだけ攻撃しても硬い外殻はビクともしない。
    巨大なハサミが振り下ろされ、地面が震え、砂塵が舞い上がる。逃げ場などない。

    「まだ、まだ……」

    だが、足元が揺らぎ、刹那の隙に致命的な一撃が襲いかかる。
    「くっ……!」

    絶望的な力の前で、アリセインの身体は粉々に砕け散るかのようだった。

    勝てない。
    それでも、目の前の敵を倒さなければ、
    逃げなければ、
    ――何も残らない。

    彼女の戦いはまだ、始まったばかりだった。

  • 831◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:30:58

    獄蠍モノ=スが三つの巨大なハサミから猛毒ガスを吹き出す。
    その毒は空気を一瞬で蝕み、呼吸器に侵入した瞬間、激しい痛みと吐き気をもたらす凶悪な猛毒だ。砂塵と混ざり合い、視界は霞み、感覚は鈍る。

    アリセイン=ヴラドは流体のように蠢く血液を盾とし、肺を覆う防護膜を張り巡らせる。毒ガスを吸い込まないよう必死に耐え続けるが、容赦なく侵食されていく体内の神経は悲鳴を上げていた。

    「こんな毒……! でも……負けられない……」

    血液が細かく震え、防御膜は少しずつ薄くなっていく。毒の猛威は容赦なく、少しの隙間も与えない。

    一方の獄蠍モノ=スは毒の霧を利用し、姿を隠しながらじわりじわりと距離を詰める。
    その重い体躯を揺らし、砂に埋もれた足を掻き分け、捕食者の狩りのようなゆっくりとした足取りで獲物を追い詰めていく。

    「逃げられると思うな……絶望の底まで連れて行くぞ……」

    視界がほとんどなくなった中、アリセインは手探りで攻撃の機会を狙うが、毒に蝕まれた意識は徐々に薄れていく。動きは鈍くなり、思考は霞み、何度も倒れかけた。

    「まだ……あきらめちゃ……だめ……」

    脳裏に駆け巡る過去と、かつての自分の面影。
    逃げられない絶望の前に、少女は心を奮い立たせる。

    この毒の中で倒れたら、もう二度と立ち上がれない。
    絶望の獄蠍は、ゆっくりとその巨体を彼女に向けて這い寄っていた。

    砂漠に響くのは、血と毒と絶望の重い息遣いだけだった。

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:32:20

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  • 85二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:32:39

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  • 86二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:33:08

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  • 87二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:33:45

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  • 88二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:34:00

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  • 89二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:34:31

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  • 901◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:37:29

    ――意識の海。
    それは血の湖のようで、浮かぶのは己の断末魔。

    「……たす、け……やだ……壊れたくない、まだ……やりたいこと、あったのに……」

    誰かにすがるような声。
    それは、自分自身のものだ。

    かつて“人間だった”アリセイン・ヴラドは、ここで何度も死に、何度も壊され、何度も自我を喪失した。
    そして今、再び壊れようとしている。あの巨大な化け物に、何もできず潰されたまま。

    「やめて……お願い……もういやなの……」

    祈りは届かない。
    神など、いない。
    けれど。

    「――アリセイン。」

    深紅の声が響いた。
    それは、彼女自身の中に眠る、もう一つの存在。

    ――殺さなければ壊される。
    ――壊されるくらいなら、壊せ。

    本能と理性の境界が融解していく。
    脳内を埋め尽くす血の思考が、悲鳴とともに形を持ち始める。

  • 911◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:37:44

    「壊したくない。でも、壊されるのは、もっと……嫌ぁぁああああああああああ!!!!」

    その絶叫は、血液の律動を狂わせた。

    ズギュアアアアンッッ!!!

    遺跡が震える。
    “それ”は、血の繭を破って現れた。

    全身を液状の血衣に包まれた女帝――《スカーレット=クリュシス》。
    その瞳は、もはや「人間」の感情を持たない。
    髪のように蠢く血管、腕から滴る粘液、羽衣のように広がる血の展開器官。
    彼女自身が、災厄だった。

    「……識別、無効。敵味方、再定義。全てを、血に還す。」

    それと同時に、空間が“赤”に染まる。
    血液の飛沫が霧状に放たれ、群体汚染体が次々に生まれ始める。
    アリセインの血から生まれた、1000体の疑似自己。
    天井、壁、床、すべてに這い出す赤黒い怪物たち。彼らは、自身の一部であり、ひとつの意志で繋がっている。

    「お前が……何体、潰せる……?」

    地獄の密度で、蠍の巨体に群がる血の獣たち。
    脚に、腹に、顎に、ハサミに、何百という体が噛みつく。
    一斉に神経侵食を行い、筋肉組織に“命令”を上書きする。
    「止まれ」と、「壊れろ」と、「お前も、血になれ」と。

    ドズゥン……! ズゥ……ギギ……ギ……!

  • 921◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:37:54

    巨蠍の動きが、初めて鈍った。

    「……効いてる。効いて……!」

    だが。

    ブチィッ!!!! グシャアッ!!!

    蠍が暴れた瞬間、血の獣たちは数百体が一瞬でミンチになった。
    そのうちの何体かが叫んだ。
    「やだ……こわい……いやだぁぁ……」
    それは、アリセインの声だった。

    「やっぱり……駄目なのか……これでも……」

    呼吸は荒れ、神経網が悲鳴を上げる。
    消耗が尋常ではない。

    それでも、彼女は止まらない。止まれない。

    「お願い……誰か……私を、殺してよ……」

    その懇願とともに、アリセインは血の女帝のまま、なおも立ち上がる。
    血液で構成された大鎌を作り、
    自分の命すら賭けて、
    まだ、抗う。

    だが、モノ=スの外殻は傷一つついていなかった。

  • 931◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:40:56

    毒の霧が晴れる気配はない。
    アリセインは血液を利用し、周囲の地形を脳内にマッピングしていた。視界に頼らず、空間認識でモノ=スの巨体を追う――だが、それすらも限界だった。

    ズズ……ズゥゥン……

    砂が沈み、地鳴りがする。
    真上から、異常な質量の気配。

    「……っ!!」

    反射的に跳躍――が、遅い。

    ドガァンッ!!!

    ハサミが砂漠を抉る。
    反応が1秒でも遅れれば、アリセインの体はそこに潰されていた。爆発のような砂塵が舞い、血液で編んだ羽がちぎれる。跳ね飛ばされたアリセインは、地面を転がりながら起き上がる。だが、脚が震える。肺が焼ける。全身が、軋んでいた。

  • 941◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:41:15

    「まだ、だ……まだ……!」

    血を撒き散らしながら、周囲に“網”を張る。
    自らの血で罠を作る――それが《ブラッド・ロジカ》の本領。

    広範囲にばら撒かれた血液が、瞬時に糸のように細く伸び、地中に潜る。そして、微細な感圧神経として働き始めた。血の地雷原が完成する。モノ=スが動けば、その位置はすぐに知れる。

    「……踏め。動いた瞬間、血で内部を焼き尽くす……!」

    策は完璧――のはずだった。

    だが。

  • 951◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:41:25

    「それは……足がある奴にしか効かん罠だ。」

    地響きと共に、獄蠍モノ=スが天井を這っていた。

    天井――!?
    この巨体で!?
    天井は百メートル上、支柱すら朽ち果てた古代遺跡の天蓋だ。
    そこにへばりついて移動している。常識ではありえない重さが、あらゆる理を捻じ曲げていた。

    「無駄だったな、小娘。」

    その瞬間、上から――

    ガシィッ!!!

    ハサミが、アリセインの腹を掴んだ。

    「あ──が……ッ!」

    全身がバキバキと潰れていく。
    血液の装甲も、肉も、骨も、ハサミの圧に耐えられない。

    それでも叫ばない。ただ、ぎりぎりと歯を噛み締めて。

    「ッ──ァ……ァあああああああああああああああ!!!!」

    砕ける。

  • 961◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:41:37

    背骨が、臓器が、視界が、何もかも。
    絶望の巨蠍は、涼しい顔で言った。

    「獲物が罠を張ってどうする。お前は狩る側じゃない。……獲物だ。」

    まさに、狩人と獲物の差を見せつけるように。

    アリセインの意識は、暗闇に沈んでいった──

  • 971◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:42:02

    「────────」

    沈黙が降りた。
    押し潰された瓦礫の中、肉片と赤黒い液体が混じり合い、ただただ蠍が動きを止める。
    獄蠍モノ=スは“死体”を前に、確認のため、巨大なハサミを振り下ろそうと──

    “ズ”──ン……
    突如、空間が“引きつれた”。

    その場の光景に“何かが混入”する。
    違和感の塊。世界の論理を歪める“意志”そのもの。

    「ッ……!?ッ……!!ッ……ッ!!!」

    それはモノ=スですら理解を拒む何かだった。
    脅威に対して認識が追いつかず、巨体が警戒の咆哮を放つ。

    だが遅い。

    その中心で――“少女”が、立ち上がった。

    いや、“少女”ではない。

    《第二形態:スカーレット=クリュシス》

    それは形容不能な“女帝”。
    血を纏い、血に祈り、血を指揮する、群体災害そのもの。

  • 981◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:42:26

    「────────……」

    声はなかった。
    言葉という概念を殺したような静寂が、世界に流れ込む。

    ブワアアアアアアアアッ!!

    空間に展開されたのは、視界全てを赤黒く染め上げる血の網。
    その網の一点一点がアリセインの思念汚染体として脈動し始めた。

    1秒あたり、3,500倍の血液増殖速度。

    「……■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」

    言語すら消え去った精神の咆哮とともに、
    モノ=スの全方位から真紅の暴風が襲いかかる。

    彼女の血は、兵士だ。
    彼女の怒りは、軍勢だ。

    「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!」

    モノ=スの外殻が軋んだ。

  • 991◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:42:57

    物理を超越した暴風のような集団突撃。
    情報毒を受けた血核すら、強引な再定義で復元され、
    “もう一度死ぬため”に蘇ったブラッドドール達が次々と特攻する。
    だが――モノ=スは、まだ崩れない。
    砕けない。
    倒れない。

    その硬殻は、あまりにも“強すぎた”。

    「…………まだ、終わらない……の……?」

    血の女帝の中で、わずかに残る“アリセイン”の声。
    それが最後に囁く。

    「──壊れろ。」

    その瞬間だった。

    ズガアアアアアアアアアアアン!!!!

    天井を突き破って、
    直径10メートル以上に膨れ上がった凝縮血核が、モノ=スの背後から撃ち込まれた。
    一点集中、超質量、高速貫通、精神汚染──
    すべてを合わせた血の槍が、蠍の胴体を貫いた。

    「ギ……ギギギ……ギ……ィィ……イイイイィィィィ……!!!!!」

    ――しかし、それでも死なない。
    モノ=スは“腹側”を貫かれながらも、なお動く。
    それが何よりも、恐ろしかった。

  • 1001◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:43:27

    世界が、血と毒と咆哮で満たされていた。

    それでも、まだ。

    まだ、どちらも死んでいない。

    瓦礫が崩れ落ち、焦げた地面が爆ぜる中、
    赤黒い女帝《スカーレット=クリュシス》は、確かに息をしていた。

    その周囲には、死体の海。
    ブラッドドールたちはもはや動かない。
    彼女の血液増殖限界を超えてなお戦った“軍勢”は、ついに沈黙した。

    彼女の全身は裂け、流れ出した血がそのまま固まり、
    装甲のようになって張り付いている。

    ──限界だ。

    アリセインの肉体は、もう悲鳴をあげていた。
    再生も、拡張も、もう追いつかない。
    彼女の血液ネットワークは完全に過飽和し、情報の干渉が破綻を始めていた。

    にもかかわらず。

    「まだ──動いてる……?」

    音もなく、影が揺れる。

    それは、巨大な異形。

  • 1011◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:43:40

    あの“絶望”が――まだ、歩いていた。

    獄蠍モノ=ス。

    死にかけていた。
    外殻は無残に穿たれ、腹側は裂かれ、片腕と尾が失われている。
    視覚器官も一つは潰れ、猛毒ガス腺も空っぽ。

    それでも、なお。

    本能だけで“殺しにくる”。

    その巨体が、四肢を引きずりながら地を這う。

    「……………っ!」

    アリセインはその場に膝をついていた。
    羽状神経展開器も、もう破損している。
    血液の増殖も停止していた。

    本体を防御する装甲も、もうただの肉だ。

    彼女は──もう、戦えなかった。

    「や……めて……やめて……もう、やだ……」

    呻きながら、しゃがれた声で抗う。
    心の奥で、何度も何度も“逃げたい”と叫ぶ。

    それでも、モノ=スの“殺意”は止まらない。

  • 1021◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:44:17

    世界のすべてが、止めてくれない。

    だから──

    アリセインは、

    自分の胸に、爪を立てた。

    ──そこにある。
    自身の中枢神経の塊、小型脳核群。

    あれを壊せば、自分は終われる。

    「……やっと……静かになれる……」

    彼女は、笑った。

    しかし。

    その時だった。

    ズシンッ……

    音がした。
    蠍が、崩れた。

  • 1031◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:44:40

    地面を割り、壁を砕き、
    崩れるように──ただ、沈んだ。

    巨大な蠍は、死んでいた。

    完全に。

    アリセインは、それを理解するのに数秒かかった。

    ──“なぜ”?

    あれほどの化け物が。
    倒れても動き続けた獄蠍モノ=スが。
    血の軍勢を超えてなお、生き延びた怪物が。

    どうして。

    それは、偶然だった。

    血核の一撃が、
    一部露出していた神経束を正確に撃ち抜いていたのだ。

    それだけ。

    戦術でも、理屈でもない。

    “たまたま”、死んだ。

    アリセインは、目を見開いて、

  • 1041◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:44:52

    そして、
    ──泣き崩れた。

    勝者など、いなかった。

    ただ、
    “殺されなかった”者が、
    生き延びただけだった。

  • 1051◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 20:45:30

    以上

    規約違反で消えるから即コピーしてメモに入れといたら順番がわからなくなって修正しまくってました
    すいません

  • 106二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:46:18

    あらら
    そうだったんですね
    お疲れ様です

  • 107二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:47:45

    規約がらみならしゃーない
    ……あと蠍強くね?

  • 108二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:48:26

    なんか2回くらいスカーレットクリュシスに目覚めてないか?

  • 109二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:55:02

    勝ったけど全く救われてねえ、どうにかしてヤメイもん!

  • 110二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:55:54

    良かった! 一度目のスカーレットクリュシスは不完全で
    二度目のスカーレットクリュシスは完全みたいな意識してる

  • 111二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 21:03:48

    絶望で自害しようとするのはエグい

  • 1121◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 22:24:48
  • 113二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:27:57

    い、いぬーっ!!

  • 114二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:29:32

    ダレーーーッ!?

  • 115二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:30:41

    犬負け、知らんヤツ現れた

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:33:35

    そういや提唱者はこんな化け物を作れるのか

  • 1171◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:20:49

    題名『型と舞』

  • 1181◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:22:57

    夕暮れの武道会場。

    砂利が敷かれ、周囲には観客すらいない。だが、空気は震えていた。

    ここは、選ばれし者のみが辿り着ける**「至道演練試合場」**。

    肉体、精神、技術のすべてを極めた者同士が、最後に辿り着く場所。

    「……押忍ッ!!」

    轟く声。

    爆発のような足音と共に、壇上に登場したのは、筋肉の塊のような空手家――

    蛮 剛太郎(ばん ごうたろう)。

    白帯のまま、世界を一撃で蹴散らした伝説の格闘家だ。

    「こちとら正真正銘、空手一本で生きとるんじゃァ……!」

    片腕の拳を握り、反対の掌を添える。

    “正対して、ぶつかり合う”。

    それが彼の全て。

    そこへ、風のように現れた。

  • 1191◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:23:20

    すっと、舞台に舞い降りたのは――

    「仁藤 舞(にとう まい)……参上」

    長い黒髪をなびかせ、袴姿のまま二本の木刀を手にした“女のような男”。

    柔らかな動きで、軽く礼をする。

    「……君が、噂の蛮剛太郎さん。うん、筋肉が美しい」

    「押忍! おめえが俺の相手か!?」

    剛太郎は唾を吐き、全身をブンと震わせた。

    「見た目で舐めんなよ!? こっちはなァ、“最強”って称号を拳で取った男なんだよ!」

    「そう。じゃあ……僕の“舞”で、君の拳に、敬意を表そう」

    静かな声音。

    そして、仁藤舞の演武が始まった。

    風が止まった。

    その一瞬、世界に音が無くなったようだった。

    右の刀が右手から消え、気づけば宙に。
    左の刀が空を斬ると、そこに“線”が引かれたような残像。

    それはもはや戦いではなく、“儀式”。

  • 1201◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:25:15

    「……な、なんだこりゃ……」

    蛮剛太郎の瞳に映るのは、攻撃でも威圧でもない――

    涙が、頬を伝った。

    「う……おおお……っ……!?」

    わけが分からない。

    だが美しい。

    腹の底から込み上げてくる何か。

    叫ぶしかなかった。

    「セイッ!!!!」

    ――爆裂。

    大地が割れた。

    剛太郎の拳が、地を滑るように舞へと突き出された。

  • 1211◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:25:40

    仁藤舞は、演武の流れのまま、ほんの僅かにその身を捻る。

    それだけで――剛太郎の拳は、空を斬った。

    「今のは……避けた……だと……!?」

    「……君の拳は真っ直ぐすぎて、演武には届かない。だけど、綺麗だった」

    仁藤の二刀が、ゆっくりと交差する。

    それは、決して攻撃にならない動き。

    けれど――

    剛太郎の膝が崩れた。

    「……な、なにぃ……!? お、俺が……!?」

    演武の中にいた彼は、呼吸を忘れ、重心を崩し、技の流れに飲まれた。

    「君の拳に、僕の舞は……届いたかな?」

    ふわりと立つ仁藤舞。その笑顔は、舞台そのものを美しくしていた。

    だが、剛太郎の目はまだ死んでいない。

    「押忍……次はァ、ちゃんと“技”で答えるぜ……!」

  • 1221◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:26:18

    崩れた膝を、拳で叩いて立ち上がる。

    音を立てて割れる石畳。それは彼の再起の号砲だった。

    「クソッ……俺ァ、空手バカでいい……でもなァ、負けっぱなしは性に合わねェんだよッ!!」

    ――蛮 剛太郎、再起動。

    仁藤舞の演武を“美しい”と認めてしまった己の心に、拳を叩き込むように。

    「セイッ!!」

    瞬間、爆音。

    足を踏み出すだけで地面がめくれ、肘が動くだけで風が裂ける。

    「気合が違うんだよ、こっちはァアア!!」

  • 1231◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:26:41

    動きは単純。

    直線。拳。足。肘。膝。

    しかしそれらは、研ぎ澄まされた“型”。

    無駄を削ぎ落とし、“美しさ”すら超えた領域。

    仁藤舞の眉が、わずかに動く。

    「……美しさを超えた、意志の型……?」

    彼もまた、演武に入る。

    音が消える。

    風が止まり、影が凍りつく。

    舞の足が地に触れぬまま、左右の木刀が空を泳ぐ。

    その動きは確かに美しかった。

    だが―

  • 1241◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:27:09

    「そんなモン、効くかァァアア!!」

    破る。

    蛮剛太郎は、ただ前へ。

    足を止めぬ。

    演武が描く結界のような軌跡を、真正面から打ち砕いた。

    「セイッ!!!!!」

    拳が、木刀を砕いた。

    仁藤舞が初めて目を見開く。

    その瞬間、彼の袴が破れ、背中が大きく後ろへのけぞった。

  • 1251◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:27:47

    拳が届いたのだ。

    「がっ……ふ……!」

    演武では止められない、“信念の一撃”。

    「俺の拳はなァ、世界チャンピオンどころかッ、山も象も砕いたんだよ!!」

    汗を撒き散らし、仁藤舞が後退する。

    顔に微かな傷が走る。
    その血を指でぬぐい、見つめる。

    「……痛い」

    初めての感情。

    「君の拳……ほんとに綺麗だった」

    「押忍ッ! これが空手じゃァァアアア!!!」

    拳と演武がぶつかり合う。

    一撃一撃が、地形を塗り替える激突。
    美しさと、根性。
    気品と、怒号。
    静寂と、咆哮。
    それが今、等価に交わり始めていた。

    だが、戦いはまだ――終わらない。

  • 1261◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:28:39

    「もう……限界だ」

    仁藤 舞の口から漏れたその言葉は、どこまでも静かだった。

    しかし、確かに折れかけていた。

    美しく、鮮やかに、しなやかに――舞うように戦っていた彼の動きに、乱れが生じる。

    木刀は一本は砕かれ、もう一本も軌跡が鈍る。

    脚が沈む。足運びに無理がある。

    (これが……肉体という“限界”か)

    彼は人間ではないと言われた。

    しかし、自身はそうであると信じていた。

    いや、信じたかった。

    人間の美しさを信じたかったからだ。

    だが、いま目の前の“蛮 剛太郎”は、その理想の上を行った。

    「演武は好きだぜ」

    その言葉が、仁藤の耳に届く。

  • 1271◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:28:57

    「けどな……演武だけで戦いが終わるなら、空手はとっくに絶滅してらァ!」

    足音。重い。一歩、一歩、確実に迫ってくる。

    地が割れ、空気が震える。

    近い。あまりにも近い。

    (もう……避けられない)

    仁藤の目が閉じる。

    静かに、手を交差させる。

    それは、防御の構えではなかった。

    ――演武の終わりの型。

    彼は、美しく散ることを選んだ。

    「……貴方のように、強くはなれなかった」

    「バカヤロウ」

    拳が止まった。

  • 1281◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:29:09

    風が、そっと流れる。

    その中心に、仁藤舞と蛮剛太郎がいた。

    「強ぇよ、あんたは。美しさを極めるってのも、尋常じゃねェ覚悟だ」

    「……なぜ、止めた」

    「空手家にとっちゃな。自分の拳に“勝った”やつは、敵じゃねェ」

    沈黙。

    仁藤舞は、膝をつき、息をつく。

    蛮剛太郎は、その場に正座する。

    「礼を言う。君の拳は、僕に“痛み”を教えてくれた」

    「押忍。あんたの演武、目に焼き付いたぜ。……美しかった」

    拳と刀は交わらなかった。

    だが、意志と意志は交差した。

    それだけで、彼らには十分だった。

    そして、どちらも再び立ち上がる。

    ――これが、武の道。

  • 1291◆ZEeB1LlpgE25/08/01(金) 23:29:27

    以上

  • 130二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:34:43

    男の友情

  • 131二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 07:42:45

    保守

  • 1321◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:32:49

    題名『渇きと数の間で』

  • 1331◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:33:47

    黄砂の海がすべてを覆っていた。風はうねり、空気は焼けつく。生き物の気配など、とうに絶えたはずの場所――

    だが、その中心を、一対の足跡が刻んでいた。

    ずるり、ずるり。

    乾いた砂を踏むその音は、地の奥底から響くような重みを持っていた。

    巨大な駱駝――その皮膚はところどころ苔むし、緑色の斑が腐ったように広がっている。

    ドロメッド。

    砂漠に潤いをもたらすべく、“渇き”を滅するために生まれ変わった存在。

    瘤がぐつぐつと波打ち、湿気と瘴気が漏れ出す。

    「……潤せ……潤せ……潤せ……」

    その腐った瞳が見据える先に、奇妙な“物体”が浮いていた。

    球体のような中心の周囲に、立方体や円柱、星型の立体が浮遊している。

    それは、生物とも人工物ともつかない姿だった。

    「こ2ん9にち3は、ミドリイロの駱駝さん……」

    数言 数(かずこと かぞえ)。
    “数字で世界を操る者”。
    ドロメッドは、声にならない咆哮を放つ。
    その声に含まれるのは、乾きへの怒りと、果てなき飢え。

  • 1341◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:34:57

    瘤が裂け、内部からどす黒いカビ混じりの蒸気が放たれた。

    大気が腐食し、地面がぬめりを帯びる。

    「湿度、限界……侵蝕、開始」

    世界が腐る――その一歩手前で、数言数が口を開いた。

    「9キロメートル、後退……」

    ぽん。

    数言の周囲に浮いていた八面体が輝き、彼の身体が砂漠の地平線まで一瞬で移動した。

    残されたのは、腐った湿気だけ。

    「さ5て……“渇き”とは、対話が通じな9タイプとお見受けしま4た……」

    球体の表面に数字が浮かびあがる。

    【8】。

    数言数の能力が起動する。

    直後、空間が“圧縮”されたような衝撃が走る。

    次の瞬間――

    8倍の速さで、空から岩塊が落ちてきた。

  • 1351◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:36:20

    どこから、なぜ、という問いに意味はない。
    “数字”は、それを可能にするのだ。
    ドロメッドはそれを避けなかった。

    ――岩が、瘤に命中した。

    裂ける。腐る。蒸気が漏れる。

    しかし。

    「潤せ……潤せ……まだ……終わらない……!」

    倒れず、むしろより激しく、より禍々しく、ドロメッドの息は荒くなる。

    彼の渇きは、限界を超えてなお、潤いを求めていた。
    数言数は、数字をひとつ変える。

    【2】。

    その瞬間、自身の質量が2kgになる。
    蒸気の中を浮遊する速度が上がり、ドロメッドの周囲を旋回するように移動する。

    「し1んたいが腐っても……意志があるなら、“渇き”もまた、意思……」

    ぽつりとつぶやきながら、次なる数字を選ぼうとしたその時――

  • 1361◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:36:48

    「潤せぇええええええ!!」

    ドロメッドが、今度は口から黒緑の泡を吐き出す。
    それは数言数の球体に向かって一直線。

    蒸気とカビと腐敗の全てを詰め込んだ、“死を呼ぶ潮”。
    数言数の思考が一瞬遅れた。

    【1】は常に使っている。
    【8】で発射速度、【2】で質量――

    今、もう新たな数字を割り振ることはできない。
    そして、球体の中心に――カビの塊が命中した。
    空間が歪む。
    数言数の形がぶれる。

    そして――

    彼は静かに、数字を口にした。

    「0……?」

  • 1371◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:39:28

    「0……?」

    その言葉が零れた瞬間、数言 数の身体が“消えかけた”。

    【0】――この世のいかなる“量”をも打ち消す、最終の数。

    しかし、彼の能力には制約がある。

    「わた2しは……常に【1】を維持しなければ……この世に存在できな9」

    今、自分は【1】と【2】を使っている。ゆえに、0を唱えた瞬間、自身の存在が打ち消されかけたのだ。
    まるで“数”そのものが、彼という存在を否定し始めていた。

    ──ガチンッ。

    歯が砕ける音。
    それは、数言数の中に残った“生命”が、【0】という虚無に軋む音だった。

    そして――その迷いを、ドロメッドは見逃さない。

    「滅せよ……渇きを……拒むものよ……!」

    腐敗と湿気の瘴気が、瘤から再び漏れ出す

  • 1381◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:39:47

    瘤は一度裂かれ、能力の精度は落ちている。それでも、彼の中にある“潤したい”という本能的な怒りが、衰えることはない。

    砂漠の底から沸き上がるように、ドロメッドは跳躍した。

    痩せこけた脚から信じがたい脚力。
    その巨体が浮き、空気を押しつぶすように、数言数に襲いかかる。

    「マズ3……!」

    ぎりぎりで【2】を解除し、代わりに【7】を入力。

    【7倍速】で回避する。
    が、瘤から飛び散った粘性の瘴気が、空中で数言数の一部の浮遊図形を掠める。

    バチッ――!

    球体の外殻にカビがまとわりつく。

    「うっ……こ3れは……質量ではなく、意味への干渉……?」

    数言数が浮かべていた立体図形が、次々と“意味”を失い、形を歪めていく。
    三角形が四角になり、球体が角を持つ。
    数言数は、空中でバランスを崩す。

    「潤せ……潤せ……潤せ……ッ!!」

    ドロメッドが、今度は牙を剥いた。

  • 1391◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:40:21

    渇きに耐えきれず、狂ったように獣としての“本能”を出し始めたのだ。
    かつては飼い主と穏やかに旅したはずの駱駝。
    今はただ、“渇き”という概念を敵と定めている。

    ズバァン!

    砂が抉れる。

    ドロメッドの一咬みが、数言数の後方をかすめた。
    その瞬間、数言数は判断した。

    「も5はや……この“砂漠”が、わたしにとって“0”なのかもしれな1」

    【1】を、いったん解除。

    そして――

    「【4】――!」

    一瞬、世界が静止した。
    それは、“時間の流れ”を1/4にする処理。

  • 1401◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:40:39

    今だけは、【1】という存在保障を外してでも、回避に全てを注ぎ込むべきだ。

    その一瞬。

    ドロメッドの咬合が、空を裂いた。
    だがそこには、すでに数言数の姿はなかった。

    ――瘤の背後へ。

    「カビ、腐敗、腐肉、瘤……構成する数字を、ひとつだけ操れるなら――」

    数言数は静かに、最小限の声で宣言した。

    「【3】、瘤の密度を3分の1に減少」

    ドシュッ!

    次の瞬間、瘤が自重に耐えられず、潰れた。
    蒸気が噴き出す。
    ドロメッドが、ようやく呻いた。

    「……潤せ……ない……ッ」

    その目から、一滴の水が流れた。

    それは――まぎれもない“涙”だった。
    数言数は沈黙する。
    言葉ではなく、数字ではなく。
    彼の浮遊図形のひとつが、ゆっくりと空に溶けた。
    それが、何を意味するのかは、誰にもわからない。

  • 1411◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:42:28

    瘤は潰れ、蒸気は消え、駱駝は沈んだ。
    だが、ドロメッドの身体はまだ立っていた。

    ――潤せ。

    それだけを願って千年。
    滅んだ主の傍らで、空を仰ぎ、砂を踏み、干からびた眼で世界を睨み続けた。

    だがいま、瘤は潰れた。
    渇きを潤す“手段”を失った駱駝は、己の存在にヒビが入り始めていた。

    「……潤せ、潤せ、潤……せ…………?」

    その呪文のような願いが、急に、止まる。
    ドロメッドの足元に、雨が降ったのだ。
    正確には――雨のように数字が舞った。

    1、2、3、4、5、6、7、8、9。

    その全てが、ドロメッドの影に溶け込んでいく。

    「わた4しの……最期の数、です。貴方が敵でなければ、使いたくなかった」

    数言 数の声は、浮遊する図形の震えから伝わる振動であった。

    「【9】。この瞬間の“美しさ”を、世界の渇いた記憶に刻む」

  • 1421◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:42:49

    その能力は戦いのものではない。

    けれど――

    乾ききった砂漠に、記録される「涙」という記憶があってもいいはずだ。
    その【9】は、記録。

    意味を与える数字。

    湿った空気が、砂を覆う。

    ドロメッドの乾ききった瞳が、わずかに潤む。

    「……雨、だ」

    その言葉を、駱駝は死ぬまでに一度は言ってみたかったのかもしれない。
    だが、その直後。

    身体が崩れた。

    瘤を潰されたドロメッドに、もう潤す力はない。
    崩れ落ちた骸が、砂と混じり、風に吹かれていく。

    「……0になった、か」

    数言 数は、静かに呟いた。

    「だが、そ3れでも、貴方は“何か”を潤した。ぼく9の数字で……少しだけ」

    球体が、静かに空へと昇る。

  • 1431◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:43:18

    記録された【9】は、これから何千年もの後――砂漠に“雨が降った”という記憶だけを、どこかに残し続けるだろう。
    戦いの意味は、誰にも分からない。

    けれど、数字と涙が交差した一瞬だけは、確かに美しかった。

  • 1441◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 11:43:42

    以上

  • 145二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:49:26

    綺麗な物語やんした…

  • 146二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 12:14:48

    よかった…少しでも救われて…

  • 1471◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 15:26:04
  • 148二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:33:42

    切ねえ……でもなんか綺麗だな……

  • 149二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:36:40

    グロくて満足
    ありがとうねぇ!

  • 1501◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 15:38:29

    次の安価は16:00より募集
    今回のみ14個で枠を増やしての募集です

  • 151二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:59:22

    このレスは削除されています

  • 152二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 15:59:59

    このレスは削除されています

  • 153二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:00

    名前:平原ランナー
    年齢:N/A
    性別:N/A
    種族:管理者専用モンスター
    本人概要:
    MMORPGにて悪質なプレイヤーを強制的に排除するため平原を駆けるモンスター。
    二足歩行のウマの姿をしている。100万人を超えるチートプレイヤーを屠った真の化け物。
    プレイヤーの反射神経を遥か凌駕する速度でフィールドを爆走し圧倒的な威力の蹴りで悪質プレイヤーをキックする。
    能力:【爆走キック】/【再爆走】
    能力概要:
    【爆走キック】:マッハ2の圧倒的速度で走った勢いで相手に飛び蹴りする。馬鹿みたいに速いため強い。
    【再爆走】:静止した状態からでもコンマ0.1秒でトップスピードに達する超加速。
    弱点:
    平原以外のフィールドだと加速力が落ちる。特に水中は苦手で走れないし泳げない。水が弱点。
    管理者が操作するモンスターであるため知性は無く、爆走・索敵・攻撃・回避 の4行動しかとれない。

  • 154二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:00

    名前:魔法少女カウントダウン
    年齢:18
    性別:女
    種族:魔法少女?
    本人概要:本来頭部のあるべき場所に不気味な魔力の渦が設置された異形の魔法少女 コンファインメントと大体同じような経緯で魔法少女になったが暴走バイオ怪獣群との戦いで頭部を失った 今のカウントダウンは制御不能になった悪魔の力により操られたいわゆる闇落ち形態というやつである
    能力:念動力 魔力弾 感知
    能力概要:魔力を込めた物体を操る これにより自身の肉体と剣4本を操り強化している もちろん操っている物体は自身の肉体含め浮遊させることもできる あと頭部の渦から魔力弾を撃てる 威力も怯ませるくらいにはあるし当たった物体を操れる ちなみに頭部が無くなった事で視覚聴覚嗅覚味覚が失われているが視覚と聴覚は低出力魔力フィールドによる接触および振動の感知で補っている 一応メリットになるかもしれないからここに記載な
    弱点:操っている物体を壊されると脊髄にダメージを受け他の物体の操作が乱れる 生物は操れない 10mを超えると感知性能が格段に落ちる あと脳が無いためか思考能力が低い

  • 155二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:00

    名前:高橋礼
    年齢:76歳
    性別:女
    種族:人間
    人物概要:佐藤紬の母親であり佐藤兄妹(雪、蓮、純、凛、命&聖)のおばあちゃん
    とあるマフィアのリーダーで裏社会で犯罪者や極悪人を密かに消す事業をやっている
    黒スーツに葉巻を加え様々な武器、暗器を隠し持ち死を恐れず裏社会では「邪悪を狩る死神」として恐れられている。
    どんな極悪な能力者の首をもとってきてあらゆる戦場で生き残った凄腕だが猛者だが力の影響でどこかへいなくなる事が多々ある
    性格は豪快でよく笑う戦闘狂であり悪を許さない正義感を持つ、だが子供や可哀想な相手などに弱く涙腺がめっちゃ脆い
    能力:不滅の主
    能力概要:超次元の再生能力と理外の生命力、言葉にできぬ不滅性と復活をなど持つ
    超次元の再生能力は傷付いた瞬間に一瞬で再生し絶対に治らぬ傷や四肢なども簡単に再生する
    理外の生命力はどれだけ酷い状態でも(状態にも寄るが)1分~3分程度なら生きれるそう簡単には死なない生命力
    言葉にできぬ不滅性は存在や能力、自我や魂を消されたり失っても(無事では済まないが)超強引に戻ってくる
    復活は上記を踏まえてもなお死亡した場合、一か月後~半年後に肉体が再生し世界のどこかで蘇る
    弱点:彼女は不滅の主以外の特別な異能を持っておらず言ってしまえばめっちゃ死にづらいだけの人間
    戦闘に役立つ異能は持たないので再生力と生命力で泥仕合を仕掛けるほかなく能力持ちや人外相手だと長期戦&苦戦必至
    身体能力は高いし経験も豊富だし武器を扱う技術もあるが耐久力やスタミナなどは普通の人間である
    超次元の再生能力は体力消費がありその体力消費も超次元級、いつのまにか体力が無くなり隙が増える
    再生すればする程に体力がごっそり無くなり体力が無くなれば無くなる程に再生速度が落ちる
    また首、脳、心臓、肺、脳幹に紫色に光るビー玉程度の大きさの核があり一個でも壊されると再生せず死亡する、復活はする
    要望:佐藤紬の母親で佐藤兄妹(雪、蓮、純、凛、命&聖)のおばあちゃんです
    武器はナイフ、拳銃、暗器、仕込み武器、爆弾などです
    死亡したらそこで決着でお願いします

  • 156二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:00

    名前:邪神
    年齢:不明
    性別:???
    種族:外なる神
    本人概要:とある外宇宙の化身の一つ で化身の中でも上位の存在 
    終わりを呟く者、剥がし屋、嗤う万象の模倣者などを作り出した
    性格は愉悦部で傲慢な上自分の想定を上回ると興奮する嫌な奴
    能力: 繝九Ε繝ォ繝ゥ繝医?繝??
    能力概要:あらゆる冒涜的な魔術を操ったり、自身の様な化身を生み出す
    召喚される化身は終わりを呟く者、剥がし屋、嗤う万象の模倣なども含むが即席な為本家よりは弱体化している
    また化身は多種多様で人間だったり、怪物だったり、機械、現象だったりもする
    弱点:自身が 顕現する為に必要な黒光りして赤い線が走る多面結晶体型の宝石の首飾りが破壊されると即座に消失
    また化身は強力な個体であればある程生み出すの時間が掛かる、魔術も同様である

  • 157二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:01

    名前:ただの犬
    年齢:5歳
    性別:雄
    種族:犬
    本人概要:見た目は犬、たまに顔が裂けたり触手が伸びたりしているが、犬である。ただの犬だが身長が5メートル近くあり全身が虹色に光る。ただの犬だがその図体ではありえないほどの速さで走る。ただの犬だが人間を食べる。体の節々に青黒い膿が付着しており、膿には毒性がある。
    能力:洗脳
    能力概要:自分自身をただの犬だと思わせる能力。触手や膿などは生物としての固有能力である
    弱点:鼻が死ぬほど弱く、小石をぶつけられただけでも気絶する。また、走りも直線的で読みやすい。
    要望(任意):喋らせないで下さい

  • 158名無しの英雄25/08/02(土) 16:00:01

    名前:ヴィネ・クリムゾン
    年齢:30
    性別:女
    種族:人間
    本人概要:表の顔はワインソムリエ、裏の顔は殺し屋。バーに来た客に暗殺依頼を受けている。
    能力:ソムリエ式暗殺術
    能力概要:
    ・テイスティング:触れる・見る・聞くなど何らかの五感で相手を認識することで能力を分析する
    ・デス・シャトー:ワイン瓶に偽装した銃による攻撃。
    弱点:ワイン瓶に偽装した銃は壊れやすい

  • 159二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:01

    名前:釣神
    年齢:不明
    性別:女
    種族:神(釣神様)
    人物概要:ツインテールの金髪に麦わら帽子を被った釣り人スタイルの少女。性格はメスガキそのものであり、嘘と釣竿で相手を釣る。
     昔は神として自らの神域から無辜の民を肉体的にも精神的にも釣っては楽しんでいたが、世界の修正者(ヤメイ)にリア凸を喰らい、凄まじい死闘を繰り広げて最終的に敗北した。
    それ以降はネットサーフィンで相手を釣り上げることに執心している。
    能力:【釣神】+神器《海幸彦》
    能力概要:釣神は釣りに関する技術において、過去現在未来において並ぶ者が居ない。
     釣りの技術と釣り竿の形をした神器《海幸彦》と組み合わせることで、あらゆる空間・時間・次元を飛び越えて相手を釣り上げる。逃走や防御は絶対に不可能である。
     釣りの対象は星や世界規模だろうと重さ・大きさを一切無視し、物理的な存在に留まらず、概念や能力にも及ぶ。
    弱点:釣神が持ちうる技術は「釣り」に限定されており、その他一切の武術・銃器に関する技術は全く持ち合わせていない。
     釣り上げた対象を振り回して攻撃することはあっても、釣ること自体に攻撃能力は一切ない。
     釣ることができるのは「一度に一つまで」。更に何かを釣り針に引っ掛けている間は釣果をリリースしない限り、これといった釣りによる干渉はできない。

  • 160二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:02

    名前:ニャンズニャーニャー
    年齢:不明
    性別:不明
    種族:群体猫
    本人概要:次元の間からやってきたコネコ達!たくさんのコネコの総称をニャンズニャーニャーと言う。
    黒猫、白猫、三毛猫とたくさんの種類のコネコ達が様々なところから因果や概念、改変、常識を突き破って現れる。
    コネコ達はとても愛らしい姿をしており、大きさは手のひらサイズ!ペットにしたくなるほど可愛いコネコ達!
    みんなコロコロとしててポテポテ歩いてとても可愛い。
    この次元に来たのは世界征服のため!仲間にワンズワンワンがいる。みんなで一緒に世界征服を頑張ろうとしている。
    世界征服の目的は世界から負の感情を消すため。
    能力:【ニャニャンがニャン!】
    能力概要:相手が放った能力を吸い込んでしばらく経ってから威力が倍になったネコルギー砲にして発射する。溜めている間は体が風船のように膨らんでフワフワ浮遊していく。ネコルギー砲は安定していない。

    能力ではないが、相手の顔などに張り付いて邪魔をしたりをよくしている。
    邪魔するのは構ってほしいから。
    弱点:ネコルギー砲でコネコも吹き飛ばされる。
    一匹一匹に10分の溜め時間がある。
    次元を行き来するには空間が破けるまで引っ掻く必要がある。これは時間がかかる。
    また、気紛れであるため戦闘を放棄して次元の間から帰ってこず戦力が落ちることがある。
    溜め中に攻撃されると、ネコルギー砲が不発に終わる。
    要望(任意):コネコ達に喋らせないで。

  • 161二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:02

    名前:救世機構S.S.S.
    年齢:製造から108年
    性別:生体ユニットは女性
    種族:機械神、生体ユニットは人間(供犠の一族)
    本人概要:S.S.S.は”Savior System:Sacrifice”の略称。
    外観は古代文明の祭壇のような23.9mほどの巨大な機構。それは人為的な神にして、人の愚かさを示す悪魔。
    全ての不幸を誰か一人に押し付け、救済されたいという悍ましき人の業が形となったもの。
    腕を振るえば干天に慈雨が降り注ぎ、一歩踏み出せば砂漠に緑が満ち溢れる。
    人を滅ぼす災害を堰き止め、人を喰らう怪物はその鉄拳で討ち滅ぼす。
    人を救い、救い、救い続ける救世機構(かみさま)──ただ一人の少女にその全ての地獄を注ぎながら。
    能力:供犠(生命)、リ・インカーネイション
    能力概要:生体ユニットとして組み込まれた少女の力。彼女の供犠はその生命を捧げることである。生命とはつまり続くことだ。生存に必要な機能…例えば臓器、血液、骨、知恵、そして生殖機能。それらを捧げることで彼女は奇跡を起こせた。不幸は、ある災害によって人類が危機に瀕したこと、人類を救うためには少女の生命は少なすぎたこと、そして少女の生命を無限とする”リ・インカーネイションシステム”が完成してしまったこと。
    少女の細胞一欠片まで捧げたとしても、リ・インカーネイションシステムは少女を無理やり再誕させて奇跡を起こし続ける。
    少女がいる限り、救世機構は世界を救う。
    少女が死んでもリ・インカーネイションシステムは少女を蘇らせる。
    リ・インカーネイションシステムが損傷しても少女の奇跡はそれを修復させる。
    ──死んで、死んで、死に果てても少女の奇跡に終わりはない。
    弱点:人類の脅威・困難を排除するために動くため、正義の味方など人類の味方には敵対しない。
    生体ユニットとリ・インカーネイションシステムを繋げる回路”アンビリカル・コード”が損傷すると機能不全を起こし奇跡の規模が大きく損なわれる。(機能の回復には数時間単位の時間経過が必要)
    生体ユニットとリ・インカーネイションシステムを同時に完全に破壊すれば完全に停止する。
    駆動するためにも供犠の能力が使われており、多く損傷すると修復のためにより多く供犠の力を要するため動きや奇跡の規模が下がる。
    要望(任意):S.S.S.が動くたびに少女の悲鳴を響かせてください。

  • 162二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:02

    名前:グスタフ・東條・ランゲイン
    年齢:19
    性別:男
    種族:人間
    本人概要:不良集団「愚巣咤武(ギュスターヴ)」のリーダーであり、頭をガチガチの角刈りにキメた特攻服の大男
    見た目は怖いが根は熱く懐の広い人物。イカした魂を感じた奴ならばどんな相手でも心から認め、その人物がピンチならば敵味方問わずその身を削ってでも助けになろうとする
    まさにワニの口のように器のデカい漢
    他のメンバーもそんな彼の事を尊敬し心の底から慕っている
    能力:「爬忠変生(レプティレス・アルター)」
    能力概要:自身の肉体及び武装と認識したものを爬虫類に変える事が出来る
    これにより自身の肉体は強靭なワニ人間を始め蛇、亀、トカゲ、カメレオン等様々な形態に変身できる
    武器を爬虫類に変える条件は「変身時に身体に触れている事」
    武器と認識出来れば対象に制限は無く、ただの鉄パイプから愛用のバイクまで自由自在に変化させられる
    弱点:とにかく極端な温度変化に弱く氷結、または高温系の攻撃に弱い
    極度の寒い場所、または暑い場所では大幅に能力が落ちる上、武器への変生は解除されてしまう
    また、他人の所有物である武器、武装は相手の同意がない限り変化させることは出来ない

  • 163二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:03

    名前:メルト=リクィデール
    年齢:流体としての活動開始から167年

    性別:女性形態を好むが、本質的には無性

    種族:変態流体種(アモルファス・ハイドロイド)

    本人概要:
    かつてとある禁忌の研究施設で、量子液体と人工意識の融合実験によって誕生した存在。人間の記憶の断片を取り込み、自らの人格を形成していく「自己進化型流体」。普段は淡い光沢を放つ液状の身体を自在に変形させ、人間の姿にも擬態可能。その美しさと不気味さが共存するフォルムは「動く鏡」とも呼ばれる。

    外見は透き通るような蒼銀色の髪と肌、液体のように滑らかに揺れる衣装を纏い、常に微細な波紋が体表を流れている。

    能力:
    《動態吸収:フルイド・コンスクリプション》

    能力概要:
    ・非ニュートン流体特性を活かし、衝撃に応じて硬化・流動を切り替える。斬撃・衝突は瞬時に無効化し、拳を通すと手が抜けなくなるような捕縛を起こす。
    ・接触した流体・液状物質を自分の肉体に変え、同時に取り込むことで、性質・情報・記憶を解析し、自身の構造に取り込める(例:毒液を触れば毒の効果を得る/血液から遺伝子情報を吸収し模倣するなど)。
    ・流体分離により複数個体に分裂可能。戦闘時には霧状・液状・粘体といった形態を瞬時に切り替えることで、回避・浸透・侵入・撹乱など幅広い戦術を取る。

    弱点:
    ・極低温(−50℃以下)で流動性を失い、活動が大きく制限される。
    ・強力な凝固剤や吸収素材(超多孔質構造など)に触れると、体の一部を失う。
    ・乾燥し切ると死亡し、魔力核を破壊されても死亡。

  • 164二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:10

    名前: ルーク・デッドマン
    年齢: 20歳
    性別: 男
    種族: 人間
    本人概要:
    19世紀末の煤けたロンドン、霧深い裏路地に蠢く殺し屋「デッドマン三兄弟(ブラザーズ)」の末弟。茶色っぽいベストに白い絹手袋、そして常に薬瓶を懐に忍ばせた神経質な青年。白い肌と痩せた体躯は、日光を避けて地下の錬金室に籠る生活の証。
    その顔には社交界の紳士のような作り笑いが張り付いているが、瞳だけが腐った毒蜘蛛のように冷たく光り、人間を毒で壊す瞬間にのみ興奮を覚える。
    表の世界では薬師を装い、裏では標的の「死に様」を芸術品と称して愉しむ異常者。
    能力: 『毒薬調合師(トクシック・アポセカリー)』
    能力概要:
    ロンドン裏社会で密かに流通する劇毒や幻覚剤の製造者。毒の種類は「即効性の神経毒」「呼吸困難を引き起こす煙霧」「理性を奪う幻覚剤」など多彩で、吹き矢・毒霧・刃物への塗布と手段も豊富。
    彼自身が戦闘に長けているわけではなく、狭い路地や密室での待ち伏せを得意とする暗殺者である。
    標的をただ殺すのではなく、「ゆっくりと苦しませて死に至らせる」ことを好むため、仕事はしばしば過剰に長引く。
    ・神経毒: 呼吸困難で徐々に窒息させる
    ・幻覚剤: 悲鳴をあげさせるため錯乱させる
    ・遅効性麻痺毒: 苦痛と恐怖をじわじわ与える
    戦闘より暗殺を得意とし、吹き矢・毒霧・毒刃を駆使する。だが何より恐ろしいのは「死に至るまでの過程」をわざと長引かせる異常な執着心である。

    弱点:
    ・身体能力は貧弱で、近接戦闘では一般の喧嘩屋にも劣る。
    ・薬品と道具を失えば、ただの虚弱な青年に過ぎない。
    ・「死に様への執着」が強すぎるため、仕事中に余計な行動を取りやすい。

  • 1651◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:00:47

    審査入ります

  • 166二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:00:59

    このレスは削除されています

  • 167二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:01:08

    2人フライングしてね?

  • 168二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:01:15

    このレスは削除されています

  • 1691◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:01:38

    あと一個だ
    16:05

  • 170二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:01:58

    このレスは削除されています

  • 171二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:02:04

    >>169

    違います。あと2個ですよ

  • 172二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:03:14

    本当は14キャラ集まってたんですけど、>>151>>152 がフライングなので2枠空く感じですね

  • 1731◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:03:45

    >>171

    うおぉ

    どっちにしろ5分から

  • 174二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:05:00

    名前:面白 道【おもしろ どう】
    年齢:25
    性別:男
    種族:ホムンクルス
    本人概要:適当な男、何事も深くは考えないが自分(スレを見ている人)たちをを認識しており面白は自分たちを楽しませる為に動いている。
    能力:適当
    能力概要:戦って面白なる丁度よい強さになる。
    弱点:相手に合わせて力が上がったり下がったりするので普通に負ける事もある。耐久力は人間並み。

  • 175二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:05:01

    名前:ミツカイ
    年齢:200
    性別:女性
    種族:御使い
    本人概要:カミコ様の護衛と身の回りの世話を認められた唯一の人物で天下に名を轟かす槍の腕前に一眼見られただけで国を傾かせる美貌を持つ絶世の美女
    カミコ様に絶対の忠誠・忠義を誓っており空を飛べと言われれば空を飛び、星の反対側にいようとカミコ様の声はどんな囁きだろうと聞き逃さない、カミコ様の為ならどんな事もやってのける桁違いの忠誠心と強さがカミコ様の身の回りの世話と護衛を任されてる由縁である
    主な役割はカミコ様に何不自由無い暮らしをさせることと毎日のようにカミコ様の身を狙う不届者を退治することが主
    能力:カミコ様
    能力概要: ミツカイの使える主人でミツカイ曰く如何なる言葉だろうと決して表せない計り知れぬ美貌を持つこの世を超越したお方
    その姿はもちろん、極々一瞬の色香でさえ知らぬ者の価値観を変える程の衝撃を与え、その魅力は生物だけに留まらず物や世界、神々でさえ例外なく魅了する
    そして魅了された世界がカミコ様の言った事を現実にする、しかしその度に世界が歪み、その歪みを世界が解消する為突発的な災害や環境の変化などが起こる
    カミコ様もこの事を自覚しておりそれゆえ自らが作った社で自身を閉じ込めた、社の中にいる間は力が外のミツカイに3〜5割程の強化をかける程度に収まっている
    弱点:カミコ様の衣服か体に傷をつけられる、カミコ様の社を破壊される
    どれかを達成されるとミツカイの精神が乱れ明らかに槍の制度が落ちる
    ミツカイはカミコ様の強化を受けた状態で長時間全力で動けない
    要望(任意):戦いの場はカミコ様の社がある都でお願いします

  • 176二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:05:29

    すとっぷ

  • 1771◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:05:34

    はぁい
    審査します

  • 178二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:07:04

    わくわく

  • 179二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:07:57

    こ、怖い、

  • 180二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:07:59

    ドキドキ

  • 181二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:08:00

    このレスは削除されています

  • 1821◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:14:35

    >>158

    なんとなく前回は見逃しましたけどコテハンやめてくださいね


    今回の審査対象は

    >>163

  • 183二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:15:44

    あー弱点が限定的だな

  • 184二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:16:53

    ・極低温(−50℃以下)で流動性を失い、活動が大きく制限される。
    ・強力な凝固剤や吸収素材に触れるとアウト

    ふーむ特定キャラじゃねぇと無理な奴だ

    セーフにするんだったら・極低温(−50℃以下)があったり強力な凝固剤や吸収素材がある
    ステージにすれば良いのかな? 実験場みたいな

  • 1851◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:19:49

    >>163

    模倣、物理無効、拘束、霧状化

    あまりにもな性能過ぎるのでそれににあった弱点がないのなら今回ははじきます

  • 186二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:20:46

    >>185

    じゃあ一旦調整しなおしたいんで、今回は下げてもらって大丈夫です。

  • 187二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:21:48

    調整期待してます! 自分も良いキャラだとは思うので

  • 1881◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:23:03

    >>186

    おけです


    16:30からあと一個

  • 189二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:29:59

    このレスは削除されています

  • 190二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:29:59

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  • 191二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:30:00

    このレスは削除されています

  • 192二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:30:01

    名前:ベーテン
    年齢:5000歳
    性別:なし
    種族:カラクリ
    本人概要:4本の腕を持つ仏を象ったカラクリ。自分と相手の《ステータス》を見てから冷静に判断を下す。相手が武器を持っていなければ、《ステータス》が発動しない為、奪わせるように誘導をする。
    能力:《ステータス》+グラビティシュタープ+ゲフリーレン
    能力概要:《ステータス》は武器を持った存在の現在の状態を常にリアルタイムで数字状に強制的に出し誰にでも見えるようにする能力。この能力は使用者にも発動する。武器を持っていない存在には発動しない。数値化する項目は、体力・気力・速度・攻撃力・防御力である。武器の判定は、剣・盾・槍・鎌・弓などである。
    グラビティシュタープは重力を操る杖である。
    重力を操り、相手の重力を重くし動きを鈍くしたり、己の重力を緩くして動きを俊敏にしたり、さらには重力の球体を作り、擬似的なブラックホールを作る事も可能である。疑似ブラックホールの範囲は、10mである。この武器は壊れても、壊れた部分を近づければ修復可能である。
    ゲフリーレンは氷結の剣である。空気中の水分を凍らせたり、氷の剣を作ったり、相手の四肢の一部を凍らせて、動けなくさせたり出来る。
    弱点:グラビティシュタープは重力を操る為の準備時間は1秒必要な為、その間は隙となる。疑似ブラックホールは10秒の準備時間が必要でその間は隙となり、顕現時間は3秒である。ゲフリーレンの空気中の水分を凍らせるのは0.5秒必要で、氷の剣を作るのは2秒必要である。四肢を凍らせるのは、傷口に氷結の剣の一部を入れて、1分の時間を掛けなければ発動できない。
    要望(任意):相手が武器を奪う選択を取らなくても大丈夫です。

  • 193二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:31:26

    名前:"斬々舞"のエリクナ
    年齢:17歳
    性別:女性
    種族:竜人族(血は薄く耳と犬歯が尖ってて瞳孔が爬虫類っぽいくらいしか種族的特徴がない)
    人物概要:標高3000mを超えるドンベ山脈の頂上付近に暮らす民族、シェンザの若き舞い手
    物静かであまり喋らないが都会に出て剣の腕試しをしてみたいと言う夢がある
    能力:シェンザの剣舞(シェンザ・アーオン)
    能力概要:シェンザの民が伝える戦神ヤグロに捧げる舞
    祭儀用に作られた波打つ形状の剣を独特な歩法と呼吸を用いて振るう
    かつてヤックソン族と共に傭兵部族として猛威を奮ったシェンザが編み出した、足場の悪い場所でも使える剣術を有事の時に使えるよう舞として伝承した物であり
    独特な呼吸によりトランス状態になった使用者の身体能力を100%まで引き出す事が可能
    また反射神経などの神経も鋭敏化する事でどんな攻撃であってもほぼ確実に躱し、回転とそれに伴う遠心力により鋭くなった剣で切り刻む事も容易
    弱点:神経が鋭敏化し過ぎた影響で巧妙なフェイントには引っかかりやすい
    また使いすぎると使用後に動けなくなる

  • 194二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:32:35

    >>192

    これかな

  • 1951◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:34:04

    >>192

    これです

    >>193

    これ今回採用されてないですけど好きです

    次回に期待

  • 196二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:34:14

    先に取られたと思って>>191削除しちまったよ

    よく見たら先の2人フライングなんだから残しておけばよかった

  • 1971◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:34:46

    >>196

    やらかしですね

  • 198二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:35:28

    >>197

    次回に期待します 確認は大事ですね

  • 199二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:35:45

    スーパーベビーは?

  • 200二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:36:43
  • 2011◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:37:49

    >>198

    設定面白かったですし待ってます

  • 2021◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 16:45:24
  • 2031◆ZEeB1LlpgE25/08/02(土) 17:09:25

    邪神vs救世機構S.S.S.
    面白 道vs平原ランナー
    ベーテンvs釣神
    ルーク・デッドマンvs魔法少女カウントダウン
    グスタフ・東條・ランゲインvsヴィネ・クリムゾン
    ミツカイvs高橋礼
    ただの犬vsニャンズニャーニャー

  • 204二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 00:04:35

    ふむふむ

  • 205二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 07:33:15

    保守

  • 206二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 09:35:32

    ほす

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