- 1二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 13:49:23
- 2二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 13:53:48
私とある製菓会社でアルバイトしてるんです…
ただ最近素材を仕入れられる量が少なくてですね。
仕入れ統括役の人が変わったとの事で大丈夫かなと
思ってたんですよ…そしたらある日の夜見たんです。
仕入れ量が少ないアルバイトの背後に仕入れ統括役が
ユラーっと現れてアルバイトの背中を鎌で…ズバッと
驚いた私は思わず逃げようとしたんですが物音を立てて
バレまして…そしたら仕入れ統括の方が私の胴体に
鎌の刃をそっと当てて「アンタも量増やさないと…
わかってるわね?」と、あれ以降必死に働いて成績を
伸ばしていますが…未だにあの光景を忘れられません - 3二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 13:56:48
彼女は、そっとため息をついて、テレビを消した。
今度こそ、うまく行ったと思ったのに。
「家に伝わる古文書は隠した。昔の本家の祠の壁画へ続く道も封じた。あの手この手で、海外を放浪するように仕向けた。それなのに、なんでこうなっちゃったんだろう?」
お兄ちゃんは、結局、クウガになってしまった。 - 4二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 13:59:48
おお! いいですね!
- 5二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:00:59
クウガ。この世界のみのりちゃんは、何度も「やりなおし」をしています。
- 6二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:42:12
いやぁ~俺の友達が運送業しててな……飲料水の配達が主な仕事でなぁ…
飲料水とかも差し入れでちょくちょく貰えるらしくてさ…それでいつも飲んでた訳よ…
それで何かニュースでその飲料に汚染が確認されたらしくて…その時くらいから音信不通なんだよ
少し前にアイツの彼女に似た女が殺されたみたいネットニュースを見たし…ん…アイツから電話⁉
おぉ…少し席を外すな……
「おぉ…久しぶりに会いたいか…いいぞ…てか大丈夫かぁ音信不通だったし」
「…そうか大丈夫そうで何よりだ」
すまない…友人との再会だ…久しぶりに良い事あったぜ
【その後にその男は何者かに〇害されたと言う】 - 7二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:57:19
テレビをつけた時、番組表に無い奇妙な映像が流れたらすぐに電源を切った方がいい
俺は昔、両親が眠った後にこっそりテレビをつけて深夜の番組を見ようとしたことがある
テレビをつけた時、そこに流れていたのは大して面白くもない通販番組で、もっとアダルトなやつを求めていた俺はがっかりして自分の部屋に戻ろうとした
すると、いきなりテレビの映像が乱れてどこか分からない荒野が映されたんだ
そしてそこでは、ウルトラマンに似た真っ赤なヒーローと怪獣が泥臭い取っ組み合いをしていて、最終的にヒーローが怪獣を槍で滅多刺しにして倒した
俺はいきなりの出来事に戸惑って何もできなかったけど、怪獣を倒して立ち上がったヒーローがいきなりこっちを見たかと思ったら、画面に手を伸ばして来た
バチバチという嫌な音がして、画面からヒーローの巨大な指先が出てきた時、俺は怖くなってテレビのコンセントを引き抜いた
そうしたらテレビも、ヒーローの指も消えた
あれから今に至るまで、テレビをつける時はあの出来事が頭をよぎるし、背中に冷たい汗が流れる
次にあの映像が映った時、あの情け容赦の無い「ヒーロー」はこっちに出て来てしまうと思うから - 8二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:02:16
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
実際のところ。
契約したこと自体を後悔したことは、一度もないのだ。
でも。それでも。
みちるは、頭を振って、娘の手を取った。
「おうちに帰ろう。お父さんが、待ってるから」 - 9二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:23:39
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」(2)
「ねえ、父さん。僕、なんだか・・・昔、お母さんがいたような気がするんだけど」
デンテは、首をかしげた。
「それはおかしいのう。お前を産んでくれた女はもちろんいたが、ずいぶん昔に死んでしまったし・・・それからは、ずっと、ワシとお前だけだ。そうだろう、ショウマ?」
ショウマは、ため息をついた。デンテによく似た大きな目が悲し気にぎょろぎょろする。
「やっぱり、そうだよねえ。まあ、いいや」
そうして、ショウマは、にぱっと笑った。
「・・・それよりも、ランゴさんの言っていたサプライズって、なんだろうね? 『美味しいものがいっぱい』とか、『これで会社をもっと大きくできる』とか、本家のみんながウキウキしていて、なんか、オレ、すっかり仲間外れにされている気分なんだけど!」
デンテは、かははと笑った。
「まあ、ちょっと待っていなさい。次には、お前を連れていけるよう、頼んでおいてやるから・・・守秘義務とかいろいろあるが、まあ、お前なら大丈夫じゃろ。なんて言っても、このワシの息子なんじゃからな!」
- 10二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:25:39
- 11二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:27:28
- 12二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:30:19
ヒトプレス集めのバイトに協力してくれる不思議な女について知ってる奴、他にいる?
少し前に赤ガヴとその仲間たちに追い詰められて、ああ俺もここまでか…って諦めたんだけどさ、黒い服の上に白のコートを着た女が赤ガヴたちを弾き飛ばして、俺が落とした闇菓子を拾って返してくれたんだよ
逃げる前にお礼を言ったら「もっと闇菓子食え」としか言わなかった
本社から来た助っ人としか思ってなかったけど、最近になって嫌な噂を聞いてさ
前にその女に助けられて闇菓子をたくさん貰えてたバイト仲間がみんな行方不明になってるらしい
噂だと全身が口みたいになってる化け物に食われたって聞くけど…俺は大丈夫だよな?
闇菓子はもう十分貰えてるし、これからあの女を探して聞いてみたいと思うんだ - 13二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:32:35
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
ガヴとマドカのクロス
ガヴの映画世界
みちるがインキュベーターと契約した時にはすでに少女ではなかったが、いろいろな運命の糸がからみつきまくっていた状態で、潜在的なパワーが激増しになっていた
みちるの願い
「はじめから闇菓子のなかった世界」
「自分が闇菓子のスパイスにするためい攫われたり、ブーシュと出会ったりすることが、そもそもなかった世界」
問題はショウマだった
みちるがショウマを愛していたのは本当だったから
それで、「ショウマははじめからデンテの子供で母親もグラニュートで人間との混血ではない」という形になった
- 14二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:47:10
- 15二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:48:48
- 16725/08/01(金) 15:49:15
- 17二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:51:37
- 18二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 15:51:58
ラキアの心臓の鼓動は結晶窟に宝石を落としたような澄んだ音がするものだったのが、いつの日からかそれは人間と同じものに変わっていた。
拾ったメモに殴り書きされていた「かいぶつの歯 たくさん」の文字と、つい先程見つけたガヴから全ての歯が無くなっているグラニュートの死体。
深夜にふと目が覚める時はいつも、チョコゾウたちが俺の腹を凝視している。
寝入り端に扉が叩かれて「お父さんはどこ」と聞かれるのに、「ここにはもういない」と返すのにも慣れてきた。 - 191225/08/01(金) 15:55:12
- 20二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 17:55:39
- 21二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 19:09:13
- 22二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 19:10:41
- 231825/08/01(金) 20:00:10
- 24二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:05:03
「水龍の祟り」
もう何年も昔の話になるが、戒めとして語らせてほしい
俺と友人は二人で壬町(みずのえちょう)という田舎を訪れて、観光を楽しんでいた
壬町は昔ながらの穏やかな空気に包まれた綺麗なところで、ここで収穫された野菜やお土産に売られている水饅頭、水羊羹が今までにないくらい美味かった
何でもこの町は水脈を司る龍神様の恩恵を受けていて、綺麗な水に恵まれているのだという
俺たちはせっかく来たのだから、その龍神様が祀られている祠を見に行こうと決めた
俺たちは街から離れた森の中へ入り、その奥にある洞窟へ入った
そこに龍神の祠はあった
祠の中には綺麗な青い球が置かれていて、これが御神体なんだと分かった
すると友人があろうことかその球を祠から盗ってしまった
思えばこの友人を連れて来たことが間違いだった…友人は面白い奴なんだが、所謂転売ヤーでしかもかなり手癖が悪かった
後先考えずに手を出す友人に困り果てていた俺だが、さすがに今回はまずいと思って球を祠に戻させようとしたが、その時に揉み合った拍子に球があらぬ方向へ飛んで叩きつけられ、罅が入ってしまった
「罅が入っちまったら価値が下がるからいらねー」と引き返していく友人を睨みつつ、俺は球を拾って祠に返し、必死で龍神様に土下座して謝った - 252425/08/01(金) 20:30:09
その夜、旅館に引き返した俺は今日やってしまったことを町の人たちにいつ言おうかと悩んで、せっかくの料理も満足に食べられなかった
友人は自分がやったことにも関わらず能天気で、帰ったらいい加減縁を切ろうと思った
そして深夜、俺が前述の理由から眠れずにいると、俺と友人以外に何かの気配を感じた
それを確認すると、それは銀色の髪の、やけに露出度が高い衣装を着た若い女性で、背中側に青い龍の頭が何本も生えていた
「動くな」とその頭の一つが俺に向かって厳かな声で言った
そして女性は寝ている友人の傍に屈むと、指先で友人の体に触れた…すると、友人は水のように溶けて、女性の手のひらに吸い込まれていった
その手のひらには、あの青い球が傷一つない状態で綺麗に輝いていた
驚きと恐怖で動けない俺に、女性は微笑んで静かに消えていった
翌朝、俺は壬町を後にしたが、友人は消えたままだった
姿形だけじゃない、旅館の予約も俺一人になっていたし、帰っても友人は「存在しない人間」になっていた…
実を言うと、俺も時間が経つ度に友人の顔を忘れていってる
皆は御神体に向かって、失礼なことをしないようにな - 26二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 21:08:29
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:08:43
- 28二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:14:55
このレスは削除されています
- 29二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:15:05
ありがとう!
- 30二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:40:55
- 31二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 01:48:20
大丈夫だよ。
おじさんは、『時計』だったら、なんでも直せるんだから。 - 32二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 08:11:46
このレスは削除されています
- 33二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 08:28:37
- 34二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 09:48:03
- 35二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 09:52:32
この「バーバ・ヤーガ」というSSの続きは、こちらのスレにあります。
ここだけ、ショウマと絆斗とラキアの立場が入れ替わっている世界|あにまん掲示板これは、ショウマと絆斗とラキアの立場が入れ替わっている世界について語ったり、妄想したりするスレですbbs.animanch.com「バーバ・ヤーガ」(43番)
「バーバ・ヤーガ」の解説(44番)
- 36二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:30:11
- 37二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 12:04:08
地べたを這いずりこちらへ向かってくる片腕に「本体も来なくちゃ縫合できないでしょ?」と言って聞かせているニエルブはどこか間違っている気がする。
扉の外から話しかけてきているのと今通話しているのと目の前で机に突っ伏して寝ているのと、どの絆斗も本物ではない。
道端で変な占い師から押し付けられた札を見てラキアが「石の腐った匂いがする」と顔を顰め捨ててしまった。
ニエルブくん、悪いけど人間が闇菓子を食べたらどうなるかの実験レポートは焼いちゃうことにしたから。
なんとも言えない味のする美味い石が大量にあった山は、どうやら大量殺人鬼が殺した人間を大量に埋めた土地だったらしい。
ごく稀にミミックキーが身体に合わないアルバイトが居るが、ニエルブがそいつをどうしたのかは杳として知れない。
扉の間に見たこともない姿の生物を見つけたら、それから三日は誰も立ち入ってはいけない。 - 38二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 13:35:39
- 39二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 13:39:55
- 40二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 14:59:22
宣伝のために立てたスレなの?
- 41二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 16:59:51
別スレを参照して「この世界観を使ってホラー系のSSを書きました!」ならまだ分かるけど、怖い話じゃないSS貼ったりこの話の続きはこちらにあります!とか別スレを宣伝するのは違うだろ なにがしたいのかよくわからん
- 42二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:13:03
24だが別スレのネタとか知らんし意識とかしてないのに消されたのが妙に納得いかない
たまたまネタが被ったとかなら仕方ないけど - 43二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:13:42
このレスは削除されています
- 44二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:16:05
- 45二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:19:55
- 46二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:21:21
- 4724&2525/08/02(土) 17:27:56
【解説】
御神体は地帝大怪獣ミズノエノリュウの権能を封じた龍玉
語り手の元に現れた女性はミズノエノリュウ(怪獣娘)
この話ではミズノエノリュウの化身として登場
無礼を働いた友人を龍玉の修復をする為の材料にしてその存在を抹消し、語り手は謝った為に見逃した
再掲載です - 48二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 17:31:03
- 49二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 18:12:23
「呼び声」
これが多分、最後の書き込みになる
俺はあるバラエティー番組の企画に携わっていたADだ
その企画っていうのは、何年か前に■■県近海で見つかった不思議な海底遺跡を探索してお宝を発見しよう、っていう内容だった
近頃は某動画投稿サイトやサブスクリプションが充実してきて、テレビの視聴率はめっきり伸びなくなってきてる
だからここで一発大きな挑戦をして、視聴者を見返そうというのが局の魂胆だった
撮影に備えて売れ出し中の若手俳優や、人気の芸人も呼んで、スキューバダイビングの訓練もさせた
当日の皆のやる気は凄いもんで、普段から煩いディレクターは倍増しでやる気が入ってたし、芸人も「これで財宝見つかったら何買います?」とか若手俳優に話振ってたりしてた
俳優と芸人、スキューバダイビングのトレーナーとカメラマン…合わせて七人がダイブして、海底遺跡に向かっていった
遺跡の一部が見えて、監視する船の上ではいよいよかと興奮の声が沸き起こった
よくよく見ると遺跡の表面にはいつ、どこの言語か分からない文字が彫られていて、これは放送する時にスタジオで専門家に解読してもらおうということになった
とりあえず一日目は遺跡を見つけるまでで、本格的な財宝調査は明日になった
本当に、ここでやめておけばよかった
みんな知ってるだろうが、この番組は放送されちゃいない、お蔵入りになったからな
だってみんな死んだから
みんなみんな、海の底に沈んだから - 50二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 18:21:24
「ヒーローとヴィランを見分ける方法」
ピーターは、その大きな虹色に光るメガネを取って、ため息をついた。
「やっぱ、ダメかあ。なんとかなると思ったんだけどなあ・・・」
「あら、どうしたの?」
ナターシャが近寄ってくる。
「あのね? ヒーローとヴィランが一目で見分けられる装置とプログラムを作ろうとしたんだけど・・・全然ダメなんだよ、これ。だって、みて? これだと、スタークさんとキャップが、両方ヴィランってことになっちゃう!」
ピーターは、ナターシャに、その大きな虹色の眼鏡を手渡した。
「これは、いわゆる「オーラ」を見えるようにした眼鏡なんだけど・・・とりあえず、僕がチューニングしたAIに、いままで遭遇したヒーローとヴィランのオーラを分析させてみたわけ。それで、分かりやすく、ヴィランだったら紫のオーラに雷がバチバチ走っている感じで、ヒーローだったら、暖かいオレンジ色に見えるようにしたはずだったんだけど・・・」
ナターシャは、その眼鏡をかけて、仲間たちをみてみた。
「・・・ああ、なるほどねえ。それはそうとして、あたしのオーラは何色に見えるのかしら?」
ピーターは赤面した。
「ええとね、ナターシャさんは、すごくあったかいオレンジ色だよ!」
ナターシャは、そっとため息をついた。
「ピーター君。これ、たぶん、なんか別のものを読み取ってるんじゃないかと思うんだけど」
ピーターは、うんうんとうなずいた。
「僕もそんな気はしていたんだ。AIっていっても、万能にはほど遠いし。まあ、それはそうとして、研究はつづけるけどね!」
ナターシャは、二人で酒を飲みかわしているキャップとトニー・スタークをみた。
そして、そっと、ため息をついた。 - 51二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 18:23:24
- 52二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 18:36:20
(解説)
ピーター君のメガネ、本人が思う以上によく機能していました。
このお話の世界だと
キャップは「弱い者いじめをする奴らを懲らしめるのが大好きなヴィラン」
アイアンマンは「ヒーローっぽい活動をするのが大好きなヴィラン」
みたいな感じです
- 534925/08/02(土) 18:42:02
二日目の調査で、いよいよ海底遺跡の奥へ進むことになった
俳優も芸人も売れっ子だから、スケジュールに余裕はない
今日か明日で決めなきゃいけなかった
遺跡の奥へ進んだ時、海底に不思議なものを見つけた
それは大きな岩に、不規則な大きさで空いた沢山の穴…その奥には真っ黒な闇だけがあった
まず芸人が近づいて、その穴を覗きこんで数秒、「なんもないです」とやたら感情のない声で言ったんだ
俳優は不思議そうにしてたけど、同じように覗き込んで「ないです、なにも」と無感情な声で言った
数十分探索したけど何もなくて、ずっと無口だった俳優と芸人は「かえりましょう」と言って引き返して来た
ディレクターはまだ続けるぞって声を張り上げてたけど、俳優と芸人に真正面から「かえりましょう」と言われて何をビビったのか、「かえろう」と言って結局全員引き返したんだ
そこからだ
俳優と芸人は、その翌日に揃って失踪した
貴重品も家もそのままで、ただ「かえります」とだけメモを残して
ディレクターはその三日後、仕事中いきなり「かえるわ」とだけ告げて消えた
トレーナーも、カメラマンも、あの企画に関わった奴はみんなかえった
俺は夢を見た
あの海底で見た岩の、不規則に空いた黒い穴の中に、みんながかえっていく夢だ
穴の中は何も無い、闇だ
でもあの闇の中では誰も煩くないし、ダルい絡み方もされない
俺はずっとあそこに行きたかったんだろうと思う
きっとみんなもそうなんだろ?
あの闇が、俺たちみんなのいるべき場所なんだから
だか ら こ こ ま で よ んで くれ た ん だ ろ
さ あ
かえりましょう - 544925/08/02(土) 18:54:27
【解説】
海底遺跡はルルイエ
海底の岩は眠りについていた邪神ガタノゾーアの一部
俳優と芸人は穴を覗き込んだ時点で闇に魅入られており、それをカメラ越しに見たディレクターや語り手のADも引き込まれていた
「かえりましょう」は「還りましょう」の意味であり、この文章を通じて邪神の一部に触れてしまった読み手も既に… - 55二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 03:42:46
このレスは削除されています
- 56二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 03:44:27
- 57二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 09:18:33
- 58二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 10:39:42
「滴る」
俺の住んでいる団地は、五日前の大雨以降水漏れが酷かった
天井からポタポタ、壁の隙間からポタポタ…雨漏りにしても酷すぎた
大家も業者を呼んで対応しているが、水漏れの原因は分からずじまいだ
娘がせっかく描いた絵にも水がかかるから、早くどうにかして欲しかった
テレビをつけたら、防衛隊の攻撃を受けた怪獣が姿をくらましてまだ見つかっていない、というニュースがやっている…そんなのが今来たら、こんなボロボロの団地なんてすぐ潰されるだろうなと思った
そして今から数時間前、同僚と少し飲んでから帰宅した俺は、夜中に起きて水を飲もうとした
でも蛇口からは水が出なかった
代わりに壁からの水漏れがやたらと酷くなっていて、「勘弁してくれよ」と思ったら、その水になにか赤いものが混じってる
それが血だと分かって、しかも隣の部屋からだったもので俺は急いで隣人の部屋を訪ねた
廊下の灯りに照らされた玄関からは、隣人のものであろう血が混じった水が滴っていた
周りを見ると、他の幾つかの部屋も同じだった
俺は身の危険を感じて自室に戻り、妻と娘を起こしてすぐに車で逃げた
今、両親の実家に避難してテレビのニュースを見ている
ああ、もし眠ったままだったら俺たちも今頃怪獣の栄養になってただろうな - 595825/08/03(日) 10:45:04
【解説】
防衛隊から逃げた液体大怪獣コスモリキッドが、大雨に紛れて団地に侵入していた
水漏れの水はコスモリキッドそのもので、隣人は部屋の大部分を水が満たしたことで食われている