○かいけつウインディ

  • 1二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:26:21

     トレセン学園の敷地内の一角、多くのトレーナーとその担当ウマ娘たちが目標のレースに向け調整を重ねているであろう時間帯に、俺は全人類が見惚れるであろう美しいシリを、鼻血を垂れ流しながら眺めていた。
     勘違いされては困るが、俺は別にシリに劣情を催したから鼻血を出しているのではない。シリの持ち主である俺の担当ウマ娘、シンコウウインディに顔面を蹴られたから鼻血を垂れ流す醜態を晒しているのだ。
     こうなった経緯自体は別段複雑なものではない。
     いつも通り担当トレーナーである俺を子分呼ばわりするウインディが、トレセン学園の敷地内でもあまり人のこないこの一角に俺を呼び出したのが事の始まりだ。

  • 2二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:33:13

    >>1

    呼び出された場所に向かうまでの俺の脳内では、とうとうトレーナーである俺にその類い稀なシリを差し出す気になったのだな、という期待9割と、どうせまた落とし穴を掘ったから俺を嵌めようとしているのだろうという疑惑が1割ほどせめぎあっていた訳だが。

     呼び出された先に到着した俺の目の前には、想像を超える光景が待っていた。

     なんと。

     地面からシリが生えていたのだ。

     シリが地面から生えていたと表現してもよい。

     それもただのシリではない。

     ジャージの上からでも分かる、決して大きすぎず品を失っている訳ではない、それでいて十分な張りを持つ、すべてのウマ娘が求めるべきといっても過言ではない、至高のシリだ。

     ミスターシービーやシンボリルドルフでさえ、このシリには平伏するしかないであろう。

     これ以上の表現ができない俺の語彙の貧相さが憎らしいほどのものだった。

  • 3二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:34:21

    このトレーナー頭が…

  • 4二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:36:47

    面白いから続けて頂けると助かる
    貴重なウィンディちゃんスレいいね

  • 5二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:41:03

    >>2

     俺は、これほどのシリの持ち主はそれこそこの世にウインディくらいしかいないだろうと思っていたものだから、このシリを見つけた時は例えようがないほどに驚愕し、全身が力が満ち溢れ、これまでにないほどに精神が高揚し、思わず

     「ファアアアアアアアァァァァッー!!?」

    と歓喜の奇声を発してしまった。

     ああ、これは俺の日頃のシリに対する信仰を認めてくださったシリ女神が生やしてくださったのだ、としばらく狂喜乱舞していた俺だが、大変な問題に気づいた。

     それは、このままここにこの美しいシリが生えていては、いずれ誰かがその魅力に取り憑かれ持ち去ってしまうのではないかという

    ものであった。

     いや、そうでなくとも世界遺産として保護され俺の手の届かぬ場所に言ってしまう可能性もある。

     シリをシリ尽くした(激マブギャグ)俺でなくともその存在の格の高さを理解できるような、素人にも俺のような玄人にも一目でその価値が理解できるであろうシリだ。

  • 6二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:43:00

    ふぁっ!?なんだこのトレーナー頭がおかしい…(褒め言葉)
    ウインディちゃん見かけによらずすごいスタイルだよな…某スレの影響はでかい…尻だけに…

  • 7二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:44:47

    本当に気持ち悪いよ…つづけたまえ

  • 8二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:45:52

    かいけつゾロリみたいな悪戯の王者ウィンディかと思ったら

  • 9二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 21:49:10

    >>5

     誰かがこのシリを独り占めすることだってあり得る。

     ─そんなことはあってはならない。

     これは、俺にのみ与えられたシリだ。

     類稀なシリを神から与えられこの世に生を受けたにも関わらず、人に噛みつき、飛びつき、あわよくば俺を落とし穴に嵌めようとするし、さらにはいい大人の俺を子分呼ばわりするサビシンボバッドガールシンコウウインディのトレーナーとして一生懸命に指導し、世話を焼いてきたからこそ賜ったのだ。

     女神は俺を見ていてくれたのだ。

     ─これは俺のものだ

     ─俺には、いや、世界で俺にのみ堪能する権利があるんだ

     ─いや、これは独り占めとかじゃなくて世界でただ1人女神に選ばれし者としての特権なだけだから

      恨むべきは選ばれなかった自分なのだから

     そう思い至った俺は、シリを引っこ抜こうと思い切りシリをむんず、と掴んだわけだが──

     「ウギャアアアアアッ!!?」

     「あべしっ!?」

     シリから伸びていた足に思い切り顔面を蹴り飛ばされたのだった。

  • 10二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:06:05

    >>9

    結論から言うと。

     俺に授けられたと思っていたシリは、ウインディのシリだった。

     どうやら俺を落とすための落とし穴を掘っていたところ、誤って上半身から転落、シリがはまって抜けなくなったらしい。

     そしてその様子を見た俺が先程の勘違いを起こしたのだった。

     全く、紛らわしいにも程があるというものだ。

     というかやはり落とし穴だったわけか。

     聡明な俺は十中八九そうだと見抜いていたわけだが。


     ちなみに、ウインディは穴にハマったままだ。

     なんとか抜こうとしてみたものの俺の力では厳しいし、抜くために再度シリを掴めばくすぐったいらしくまた蹴りが飛んできた。

     これはどうにも八方塞がりというやつだ。

     ん?ウインディ、なんだって?

     ──足を掴んでくれればくすぐったくないのだ?

     いや、悪いな、やっぱくぐもってて聞こえなかったわ。

  • 11二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:19:11

    続きを...続きを......

  • 12二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:25:20

    >>11

    書きながらなので少し時間かかります。

    申し訳ない。

    >>10

    なんにしてもウマ娘はその身体能力と引き換えに見た目と裏腹にかなり重く(独自解釈)、俺のような平均的な成人男性1人では手に余る。

     穴も狭く深く掘ったようで手をつくこともできないという。

     とはいえ、ずっとこのままというわけにもいかない。

     自分で掘った穴に自分で落ちてしまったなんて俺だったら恥ずかしくて助けを呼べないが、ずっと逆さまだと頭に血が集中して体に良くないと聞くし、専門外だからわからないが穴の中の空気も無くなって窒息ということもあるかもしれない。

     俺はしばらくシリを眺めながら、

    ─助けを呼ぶべきか、でも今回のことが学園に広まったらウインディは恥ずかしい思いをするだろうしなあ。

    ─にしてもあらためて見るとホント類稀なシリだよなあ。

    ─助けを呼ぶとするなら口が堅いウマ娘だなあ。

    ─やっぱり女神が与えた造形美というべきだよなこのシリはよお、これ以上のシリを俺は知らないぜ。

    ─このシリならトップを取れるぜ、いや、取らせて見せる…!

    ─頼りになって力もあって口も堅くて助けを求めやすいウマ娘、そしてあわよくばいいシリとなると──

     そうした高度な思考をまとめつつ、俺はウインディのシリをカメラに100枚ほど収めながら助けを求めるべきウマ娘の姿を脳裏に浮かべた。

  • 13二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:29:33

    理事長ー!こいつ変態だ理事長ー!

  • 14二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:38:43

    >>12

     ウインディのシリをあらためてじっくり観察するいい機会でもあり名残惜しいが仕方がない。

     ウインディは恥ずかしい思いをするだろうが自業自得だと思って反省してもらうかと思いつつ、助けを呼ぶ事を伝える。

     「ウインディ、悪いけど助けを呼んでくるからちょっと待っててくれ」

     そう言うとウインディは両足をばたつかせた。

     雰囲気から察するに了承したらしい。

     穴の中からも、

     分かったから早くするのだ、子分!

     いつまでも親分に苦しい思いをさせるんじゃないのだ!

     とくぐもった声がする。

     少しは悪びれろよ、と思いつつ助けを呼びに行こうと振り返ると──

     「あんた何やってんだい、こんな所で」

     俺が助けを求めるに相応しいと思い至ったいいシリの持ち主で、褐色の女子力マシマシ姉御肌で、いいシリの持ち主である、俺が助けを求めようとしたウマ娘、ヒシアマゾンがそこにいた。

  • 15二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:45:08

    尻好きすぎだろこのトレーナー

  • 16二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:48:04

    >>14

     「ヒシアマゾン!そっちこそなんでここに…」

     「質問してんのはこっちなんだけどね。

     …まあ一応答えると、この近くを通りかかった子が尋常じゃない様子の男の叫び声が聞こえるって言うんでね。

     様子を見にきたのさ。」

     「ああ、なるほど…。」

     ヒシアマゾンに言われて俺は納得した。

     今の時間、大体のウマ娘たちはトレーニングに励んでいるし、そんな時間帯に男性の叫び声が聞こえればそりゃあ非常事態だ。

     不審者だったり危ないやつかもしれないってことになる。

     まあ今回はトレーナーであり全く問題などない俺が叫び声の主だったわけだが。

     シリは好きでも弁えない匹夫ではないのだ。(ヒップジョーク)

     「…ここら辺は少し気温が低いのかね?

     今度はこっちの質問に答えておくれよ。

     なんであんたは鼻血出しながらウインディのケツ眺めてたんだい。」

     「いや、別に眺めてたわけじゃなくてさ。

     実は…」

     俺はここまでに至る経緯を簡単に説明した。

  • 17二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:48:52

    >>16

    もちろん歓喜の奇声などは伏せ、単にウインディの現状に驚いたからだと伝えた。

     あくまで俺はシリの素晴らしさに興奮したから奇声を上げたのだが、ここでバ鹿正直に説明すれば担当ウマ娘のシリに興奮する変態と誤解されて変態の烙印を押されるだろう。 

     そうなればウインディのシリとおさらばすることとなる。

     ヒシアマゾンは若干胡散臭げな視線を向けながらも俺の説明にうなづきつつ、ハンカチで俺の鼻血をぬぐってくれて、さらにはウインディの発掘作業に取り掛かった。

     その時、ヒシアマゾンは力を込めるため膝を若干曲げたわけだが、シリの形がくっきり見えた。

     ──やっぱりヒシアマ姐さんのシリも中々……

     さすが女傑…いや、女ケツと呼ばれるウマ娘……

     そんな思考が頭をよぎると、いきなりヒシアマゾンは土を巻き上げ俺の顔に飛ばしてきた。

     「あたしは後ろ見てたってどこ見てんのか分かるんだ。

     あんまりくだらないこと考えてんじゃないよ。」

     「……すいませんでした。」

  • 18二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:49:00

    「で」……

  • 19二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 22:50:54

    すげえ…ここまでで既にシリという言葉が40回を越している…

  • 20二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 23:04:56

    >>17

     「さて、ヒシアマ姐さんに任せな。

     ウインディ、今助けるから大人しくしてるんだよ。」

     分かったのだ、の返答を聞くと同時にヒシアマゾンはウインディを穴から引き出した。

     それはもうあっさりと。

     ヒトとウマ娘の力の差が絶対なのは分かっても、ちょっとジェラシーになるくらいかっこいい。


     穴から脱出したウインディは、土汚れに塗れていたのもあるが、耳も萎んでおり涙目だ。

     自分で仕掛けた罠で落ちるのもショックだっただろうが、もともと寂しがりのかまってちゃんだ。

     真っ暗な穴の中で身動きが取れなかったことは少しの時間でもウインディに大きなストレスだったのだろう。

     ……少しは説教をかましてやるつもりだったがこんな様子を見てはそんな気持ちも失せてしまう。

     ついでに言うと、言ってる内容に反してこんなに辛そうにしていたのにシリの事にばかり目がいっていた罪悪感もある。

     時間はあるがトレーニングもなしだ、こんな状態では怪我もしかねない。

     「ありがとな、ヒシアマゾン」

     「いいってことよ

     まあ、今回はあたしがまた反省させといたってことにしとくから、あんたはウインディを寮の前まで送ったげな」

     「……何から何まで悪いな、今度埋め合わせするよ。」

     「期待してまっとくよ。

     …ウインディも、今の時間なら風呂場に誰もいないだろうからしっかり汚れを落としときな。」

     

  • 21二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 23:39:13

    >>20

    その後、俺はウインディを寮に送り、俺もトレーナー寮に戻った。

     今日の分の遅れを取り戻すメニューと、落ち込んだウインディを励ますにはどうすればいいかを考えてまとめなければならない。


     しかし、いつもならすぐに纏まる考えも今日は中々纏まらない。

     「何でだ…?」

     今日はいい日のはずだ。

     ウインディの世界に誇るべきシリを、今日はさまざまな角度から撮影した。

     あれほどのシリをじっくりと観察できたのに、なぜ俺はこんなに気分が沈んでいるんだ?

     いくら素晴らしい至高のシリを思い出しても、それは土汚れにまみれたウインディの顔に塗りつぶされる。

     「いや、そうか……俺は……」

     世界一のシリマイスター(自称)としては恥ずべきことかもしれないが。

     どうやら俺は、ウインディが落ち込んでいたことに動揺していたらしい。

     俺は自分が思っている以上に。

     いいシリを持っているとか関係ないところで。

     大分、ウインディのことを気に入っているようだ。

     そんな自分の心情に気付いた翌日。


     ウインディの機嫌を取るべく用意したにんじんプリンを持って出勤しようとした俺に、学園から連絡が来た。


     ウインディが発熱し寝込んでいるとのことだった。

  • 22二次元好きの匿名さん21/09/18(土) 23:50:11

    >>21


     連絡を受けた俺は、薬局で薬やスポーツドリンクなんかを買い込んで真っ先にウインディのいる寮に向かったわけだが、ここで重大な問題が発生した。

     いくらトレーナーであってもウマ娘の生活する寮に入ることができないという鋼の掟を、寮を目前にして思い出したのだ。

     まさかシリませんでした、なんて言って進入するわけにもいかない。

     ウインディが薬を常備しているとは思えないし、なんとか他のウマ娘を経由して届けてもらえないものか、と考えていると寮の前に見覚えのあるウマ娘がいた。

     彼女は俺に手を振ってきた。

     ついでにその魅力的なシリも振って見せてくれないだろうか。

     「来ると思ってたよ。

     見舞いの品はあたしがちゃんと届いといたげるよ」

     「ヒシアマゾン…!」

     

  • 23二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:12:57

    >>22

    「あたしは今日はリギルの遠征準備で休みでね。

    ちょうどよかったよ。」

     あれから、ヒシアマゾンは俺の見舞いの品をウインディに届けてくれた。

     そして今、俺とヒシアマゾンは食堂にいた。

     ヒシアマゾンに、ウインディのことで話があると言われたからだ。

     注文したスイーツとドリンクを摘んで少しした頃、俺は話について切り出した。

     「……ウインディの話って何なんだ?」

     「ん、まあ、そう身構えるほどの話でもないんだけどねぇ、あんたには言っといた方がいいと思ってさ。」

     そう前置きをつけると、ヒシアマゾンは話し出した。

     「あんたがウインディの担当になる前なんだけど、度々問題起こしてたあの子の面倒をあたしが見てたことは知ってるだろう?」

     「ああ、勿論。」

     この話自体は俺でなくとも、学園の生徒、トレーナーの多くが知っている話だろう。

     現に俺もウインディの担当になる前に、ウインディの評価として挙げられるものとして真っ先に聞いていたのが、類稀な気性難であることだった。

     他のウマ娘に突然噛み付く、トレーナーがついてもまったく言うことを聞かない。

     そうした問題が起こるたび駆り出されたのがヒシアマゾンだった。

     彼女自身噛みつかれることもあったそうだが、その器と面倒見の良さから次第にウインディの態度も軟化し、ある程度はヒシアマゾンの言うことを聞くようになったという。

  • 24二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:37:47

    >>23

    「でもね、あたしの言うことを聞くようになっても、周りとの摩擦がなくなるわけじゃない。」

     たしかに、それはその通りだ。

     どれだけ理由をつけても、噛み付いたり、落とし穴にはめる、というのは他人を傷つけることに他ならない。

     大きな怪我に繋がったことはないが、怪我に直接的につながる行為だ。

     特にこのトレセンのウマ娘は競技者であり怪我を最も恐れる。

     走るよりいたずらばかりするウインディが理解されることは難しい環境だ。


     俺も今でこそウインディの性格を分かっているが、組んだ当初は大変だった。

     シリに惹かれてとんでもないじゃじゃウマをスカウトしてしまったとも思った。

     しかし、これこそが俺の信仰を捧げるシリ女神様の与えし試練として捉えることで乗り越えてきた。

     それからウインディも俺に少しずつ心を開いてくれた。

     もともと中央に入れるポテンシャルとやる気のあるウマ娘であり、練習に対する熱意もある。

     本人的には構ってもらうことの方が重要なので今までいたずらしていただけなので、俺がその構ってちゃん欲求を満たせばいいのだ。

     俺の指導も自分なりに理解しようとしてくれるし、噛み付いたりするのも俺だけになった。

     子分呼ばわりされるようにもなったけど。

     

  • 25二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:45:42

    >>24

    ヒシアマゾンも寮長ではあっても学生であり、何よりトレセンでもトップクラスのチームリギルの一員だ。

     自分のレースもあるし、ウインディの面倒をずっと見てはいられないと頭を悩ませていたという。

     そんな時にウインディのトレーナーとして名乗りをあげたのが俺だったのだという。


     「あんたがウインディのトレーナーになってから2ヶ月くらい立った頃かな、ウインディのやつあたしのところにやってきてね。

     やたら嬉しそうにしてるからどうしたんだい、って聞いたら自慢の子分ができたっていうんだよ。」

     そう言って、ヒシアマゾンは微笑んだ。

     学生に向かってこういう例えもどうかと思うが、まるで母親が我が子の成長を喜んでいるようだった。


    「自慢の子分っていうのはあんたのことだけど、今までウインディは他のトレーナーとは2週間保たなかったから、ずっと自分から離れないヒトができたのが嬉しかったんだろうね。

     ……あんたはあの子に大分手を焼いてるし、大変だと思うけど、少しずつあの子もあんたのおかげで変わってきてるんだよ」

     「…変わってきてるかあ?」

     俺もウインディに多少は懐かれた自覚はあるが、行動内容自体はあんまり変わったようには思えなかった。

     精々あの至高のシリがますます磨きをかけ、進化していることくらいしか変化していないのではないか。

  • 26二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:59:59

    >>25

    「いや、変わってるね」

     しかし、俺の言葉に対してもヒシアマゾンはキッパリと変わった、と断言する。

     …具体的にどのあたりか教えてくれないだろうか。

     「まあ当事者だし分かりづらいかね。

     じゃあ言うけど…。

     ウインディはね、他でもないあんたに構ってほしいんだよ。

     その辺りが行動に出てきてるのさ。」

     …ますます分からない。

     「やっぱりちょっと…かなり鈍いね。

     もっと言うと、あんたに会うまでは誰かに構ってほしいから誰彼構わずイタズラしてたのが、あんたが自慢の子分になってからはあんたに構ってほしいからあんたにだけイタズラしてるんだよ。」

     「以前なら練習コースにも落とし穴を掘りかねなかったのが、人気のない場所にあんただけを呼び出してあんただけを狙ってるんだ。」

     「あんた、ウインディにかなり気に入られてるし、甘えられてる。

     あんたの思う以上に好かれてるんだよ。

     トレーナーなら許してくれるってさ。」

     ……そう言われると、思い当たる節がある。

     そもそも呼び出したら落とし穴があることがバレバレだし、ウインディにとってはコミュニケーションみたいな感覚だったのかもしれないし、俺と気心の知れた俺と2人で遊びたかったのかもしれない。

     それに、説教しようとしたのも結局シリに免じて許してしまった。

     

     …俺がウインディを理解しているように、ウインディもまた俺という人間を理解していたのだ。

     …ウインディのシリが好きなのはバレていないはずだが。

     

  • 27二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:01:51

    あれ?なんかゲロ甘なスレになろうとしてない?

  • 28二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:16:16

    いいぞもっとやれ

  • 29二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:16:18

    良い話になりそうで草。応援しとるで

  • 30二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:18:46

    >>26

    俺は昨日、自分が思っていたよりウインディ『が』好きだったことを自覚したわけだが、今日はヒシアマゾンの指摘によって、自分が思っていたよりもウインディ『に』好かれていたことを教えられた。

     ヒシアマゾンはにんまりとしている。

     昨日の女ケツの件といい、こいつは俺の心を読めるのだろうか。

     「あたしとしてはあんたがウインディのトレーナーになってくれて本当に感謝してるんだよ」

     ここまで褒められると、なんというかむず痒くなってくる。

     シリに惹かれた結果がこれだと、自分が酷く矮小な存在に感じてしまう。


     ─いや、俺がシリを好きなのは性癖とか関係ないから別に恥じなくてもいいな。

     やっぱり矮小に感じる必要はなかったわ。

     シリは偉大だ。

     それは目の前のヒシアマゾンが証明している。

     なんかいいシリのいい女に褒められて調子が戻ってきたぞ。


     やっぱりいいシリの女はいい女になるんだな。

     …何?ヒシアマゾンはシリ関係なくいい女?

     別にいいだろ、俺は自分に都合よく解釈するよ。

     

     よし、ウインディが復帰するまでにメニュー組み直して、寂しンボなあいつのためにメールの相手でもしてや…


    「まあ最初は女のケツばっかり追いかけるやつだって聞いてたから不安だったんだけどね」

     「ちょっと待って」

     

     

  • 31二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:20:22

    このトレーナー、学園での仕事を一番楽しんでる説あるな…

  • 32二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:36:17

    >>30

    「え、いや、何それ?

     誰かが俺のことそんな風に言ってたの?」

     「誰が言い出したとかじゃなくて、あんたのいつもの様子を見てたらみんなそう思うよ。

     色んなウマ娘のシリを撫で回すように観察するやつだってね。」

     「いや、俺はそんなふうに見てないから。」

     「そう思ってるのはあんただけだよ。

     あんたがやたらシリを眺める新人トレーナーっての、一時期噂になってたからね。」

     なんだというんだ、それは。

     もしかしてウインディ以前に全く契約出来なかったのはその根も歯もない噂のせいだったのか?新人で実績0だからとかじゃなくて?

    その噂のお陰でウインディのシリと契約できたにせよ、今回ばかりは見過ごせない。

     これを機会に俺は誤解を解き、いかにシリが素晴らしいかを説くことにする。

     「いや、違うからね。

     俺がシリに拘るのは、シリこそがいわば下半身を稼働させる上での心臓部っていう理由あってのことだから。

     つまりシリがデカイってのは有利なわけじゃん。

     やっぱり重心にも関わってくるしみんなが注目するトモだってシリから伸びてるんだぜ。

     てことはシリが立派ならトモだって太く立派にしやすいってことなんだよ。

     まあ太すぎるとまたズレとか起こすし無駄なウェイトにもなるからでかけりゃいいってもんじゃないんだけどね、その点ウインディのシリは…」

     「もういいよ、分かったからさ。」

  • 33二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:40:35

    急に早口になるじゃん…

  • 34二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:41:32

    あいつ

  • 35二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:49:02

    >>32

    ヒシアマゾンはそう言うが、俺の誤解を特にはまだ説明が足りないだろう。

     とはいえ、一息に話したので頼んでいたドリンクを飲み干して息を整える。

     「まったく、さっきまで真剣な表情してたってのにねえ…。

     そうやってすぐムキになるところとか、早口になるからだめなんだよ。」

     「真剣ねえ…。

     ところで真剣ってシリアスって訳せるじゃん?

     尻にASS(ネイティブ発音)って考えるとやばくない?

     尻が二つってことじゃん。

     つまりアメリカ人はシリの重要性をよく理解してるってことなんだよ。

     リギルの新人にグラスワンダーっていたよね。

     あの子ならシリ的にも俺の言うこと理解してくれると思うんだけど今度紹介してくれない?」

     「絶対紹介しないよ。」

  • 36二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:52:19

    グラスが恐怖に戦きそうな唯一のトレーナーでは?

  • 37二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:04:48

    >>35

    「そっか…。」

     流石の俺もウインディのことで散々世話になっておいてこれ以上は図々しく頼み込めない。

     素直に撤退することにする。

     グラスワンダーはマイルもいけるらしいしウインディとも戦う機会もなくはないだろうしそれまで待つかな。


     しかし、ヒシアマゾンが言った、俺がシリ大好きの変態だと学園全体で思われていたことが、まあ認めたくないが事実だとしてだ。

     ならばなぜウインディは俺を担当トレーナーとして認めてくれたのだろう。

     ウインディも身だしなみにはあまり気を使わないもののれっきとした女性だ。

     俺にだって変態と噂されているのが君のトレーナーになりたいだなんて言ってきたら迷わず断る。

     いやまあ、誤解なんだけどね。

     シリは大好きだけど俺は変態じゃない。

     この真実だけはちゃんと伝えておきたい。

  • 38二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:13:42

    >>37

    「それは単にウインディがあんたの噂のことを知らなかっただけだろうね。

     あたしもそれとなく探りを入れてみたけど反応しなかったし。

     噂話とかに興味あるようには見えないしね。」

     「なるほどなあ…。」


     おそらくはそれに加えて、そういった話をする相手がそもそもいなかったのであろうとも想像できる。口には出さないが。


    「でも、そうなるとやっぱり、俺とウインディが出会ったのは必然というか運命だったのかもな。」


     もし、噂を知っていればウインディが俺をトレーナーにしてくれる可能性は低かったろう。

     やはりこれはシリ女神のお導きだったのだろう。

     帰ったらお供えもののにんじんシリシリをいつもよりも多く納めなければなるまい。

     感極まっている俺に対し、ヒシアマゾンはなんだか冷めた視線を送っているように見えた。


    「なんでそんな目で見るのさ」

     「幸せそうな考え方してるっていうのが手に取るように伝わってくるからさ。

     あんた、ホント考えてることが分かりやすいから気をつけな。」

     

  • 39二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:50:27

    >>38

     それからしばらくして俺たちは食堂を出た。

     勿論俺の奢りだ、礼はちゃんとするって約束だったしな。

    ヒシアマゾンにとんでもない量の飯を頼まれたせいで財布がペラペラだが。

     まあいいシリの女に奢れて、至高のシリのウインディのための話ができたのだ。

     勲章くらいに思っておこう。

     食堂を出て少し歩き、別れる前にヒシアマゾンは俺に忠告してきた。

     「最後に2つ言っとくよ。

     まず、あたしから話を聞いたってのはウインディに伝えないこと。

     ウインディはいまのところ、あんたが自分以外に構ってると面白くないみたいだからね。」

     ふむふむとメモをとる。

     要するに子分が他人に取られた気がするということか。

     ヒシアマゾンもウインディとある程度打ち解けているが寮長の立場として諌める側だ。

     ウインディが求める子分や味方の立場にはなれないということか。

  • 40二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:52:36

    >>39

     「2つ目は、他のいいシリの女を追いかけ回したり、更にいいシリがあったからってそっちに乗り換えたりすること。

     ないとは思うけど、もしそうなったら…」

     「大丈夫だよ。」

     多分言葉の続きは許さないだとかそういう言葉だったのだろうけど、俺は遮った。

     ヒシアマゾンにそんなことは言わせたくなかったし、そして何より

    「俺、ウインディのシリこそが理想だと思ってるからさ。

     それに俺、シリは好きでもシリ軽じゃないから(決め台詞)。」

    「冗談みたいにダサい決め台詞だね。

     …じゃ、任せたよ。」

     そう言って、ヒシアマゾンは景気づけに俺の尻をバシンと叩いた。

     突然で、しかもそれなりに力の入ったものだったので俺は痛みで思わず飛び上がった。

     「イデェッ!?」

     「おっと、力入れすぎたかい?」

     「ッべぇ…!今ので俺の尻真っ二つに割れたかも…!?」

     「生まれたときから割れてるだろうに。

     そんなバ鹿言えるなら大丈夫だね。」

     言い終わると、ヒシアマゾンは寮に向かって歩いて行った。

  • 41二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:53:17

    >>40

     …俺は少し迷ったが、尻をさすりながら言った。

     「アマゾン」

     「ん、まだなんかあるのかい?」

     アマゾンはおれの呼びかけに振り向いて応えてくれた。

     「今までウインディのこと見てくれてありがとう。

     …俺がウインディと会う前も、会ってからも支えてくれてたんだよな。」

     「……」

     「これからは俺がウインディを支えるから。

     心配することなんてないから。

     だから、遠征とその明けのレース、頑張れよ。

     …応援してる。」

     「…おう、ありがとよ。」

     ヒシアマゾンは短く例を述べると、再び寮に歩き出した。

     ヒシアマゾンがクールに去っていく。

     俺はその様子(主に歩く度に振られるシリ)を、しばらく眺めていた。

  • 42二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:04:25

    >>41

     それから1週間して、ようやくウインディは完治した。

     どうやら風邪の延長線上のようなもので、後遺症などはないらしい。

     それ自体は喜ばしいが、1週間のプランクは大きい。

     練習メニューを組み直したが、次のレースまでにどれだけ持ち直せるか少々不安だ。

     ウインディ自身やる気を見せているから、それに応えてやりたい。


    「ウインディちゃん、完全復活なのだ!

     子分も差し入れとメール、褒めてやるのだ!」


     ちなみに復帰直後に俺に向かってウインディが言い放ったのがこのセリフだ。

     差し入れは毎日したし、メールも暇を見つけて送信し、可能な限り寂しい思いをさせないようにしたがどうやら功を成したらしい。


     少し前なら憎らしく思っただろうが、これもウインディなりの甘え方だというのなら、少し合わせてやってもいいかもしれないな。

  • 43二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:20:04

    キヤアアアアーーーーーシャベッタアアアアアアア

  • 44二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:20:14

    >>42

    「そうだな、子分の俺が親分のために頑張ったんだから、親分はそれに応えてくれないとな。

     …頼りにしてるぞ?」

     少し乗ってやると、

    ウインディはパァッ!と笑顔を見せて

     当然なのだ!

    と答えてみせた。

     シリもいいが、ウインディは笑顔も魅力だと思えるようになった。

     …次のレースは不安に感じると言ったばかりだが、やっぱり少し楽しみになってきた。

     

     俺はウインディが穴にはまった日と、その次の日の2日間で考え方を大きく変えることとなった。

     しかし、ウインディにとってのその2日間は寝込んでいた1週間の内の2日間でしかない。

     

     ヒシアマゾンとの約束もあるし、その2日間で俺が得たものについて、俺はウインディに言うつもりはない。


     でも、俺が得たものは、直接彼女に伝わることがなくとも、俺自身が行動で示すことで、ウインディにいい変化をもたらすことができるだろうという確信がある。

     

  • 45二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:38:15

    >>44

    ウインディの、あまり大きいとは言えない体に備わった大きな武器こそがシリだ。

     約150センチの体に備わった88センチのシリの威力を最大限に生かし、勝利へと導くのが俺の役目だ。

     いやホント素晴らしいシリだよマジで。


     

     今の俺の目標は、俺の愛バ、シンコウウインディはトップ選手にも引けを取らないと証明すること。

     そして、俺が噂に流れるようなシリに劣情を催す変態だという風評被害を消し去ることだ。

     どちらも、勝ち続ければ叶うものだ。

     …ウインディが勝って喜ぶ姿も見たいしな。

     だからこそ、俺はウインディを全力で勝利に導いて見せる。

     

     ──シリ窄み気味かも知れないが、これで   俺とウインディの話は一区切り。

     

     

              でかいけつウインディ


               お   し   り

  • 46二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:45:48

    さてはお前阿良々木さん因子注入してるな?素晴らしいスレだった

  • 47二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 05:39:11

    なんであの始まりでいい感じになってるのか
    面白かった

  • 48二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 05:47:58

    笑いありシリAssありな話っプリで、ケツ末までガッツリ読み切ってしまった
    ありがとう、○かいケツウィンディ

  • 49二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 05:59:35

    いいお話りだったよ、ありがとう

  • 50二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 06:51:28

    これから毎日ウインディのssを書き続けるんだ

  • 51二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 07:41:55

    シリ女神ってなんだよって思ってたら偶像崇拝してやがる
    まさか…つくったのか?自分で?像を?

  • 52二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 07:42:58

    ケツの良さに目覚めそう

  • 53二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 08:53:34

    >>1

    です。

     初投稿で色々拙いところもありましたが、読んでいただきありがとうございました。

     正直ヒシアマ姐さんが出てくるところまでしか考えてなくて、それ以降は勢いでした。

     なんでこんな変態が主軸なんだ、ウインディちゃん全然喋ってないじゃん…と自分でも思いましたが、この方が綺麗なケツ末になるし、ウインディちゃんが幸せな終わり方ならいいやと開き直って書き上げました。

     小話をある程度考えているのでまた投稿するかもしれません。

     ダート王ウインディちゃんの実装を願っております。

     あと誤解されてそうなので弁解しますが、私自身はシリフェチではありません。

     これだけは伝えておきたかった。

     それでは失礼します。

  • 54二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 08:58:52

    ウソを言うなーっ!

オススメ

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