【閲覧注意】🎲リーリヤのことが大大大大大好きな13人の初星アイドル 3【百合注意】

  • 1◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:00:35

    今日から八月ですね。
    というわけでこんにちは、異常葛城愛者です。

    有難いことに3スレ目です。
    残る恋人候補は燐羽、燕、咲季です。

    これから燐羽編です。
    はりきっていきましょう

  • 2◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:02:19
  • 3◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:03:29

    【ルール説明】
    1.基本的に運命の彼女と目が合うことで恋に落ちます
    (だから例えば星南の隣にことねがいても、目が合ったのが星南なら彼女だけと恋に落ちます)
    2.皆さんリーリヤが何股かけることに関しては寛容です(刺すとかの展開はない)
    3.リーリヤははみ出しを回避する方向に動きます。
    4.途中で学Pからお助けアイテムなどが付与されます

    余談ですがまとめ動画のこの100カノ再現したタイトルロゴ、まとめた方が作ったんですかね?
    できればほしいから連絡したんですけど返事はありませんでした、ままならないね

  • 4◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:08:38

    【燐羽編】

    ――別に優等生なんかじゃなかった。
    ――とはいえ、人並みには……責任感はあったと思う。
    ――ともかく、望む結末ではなかった。どうにか軟着陸を試みたけれど。
    ――そうもいかなかった。人生なんて、こういうものなのだろう。

    燐羽「…………チッ」

    また同じ夢だと、燐羽は苦々しく笑う。
    いつしか……いいや、時期はわかっていた。初星を辞めた日から、同じ夢ばかりを見る。
    叶わなかった夢、今更な夢。それは後悔とも言う。
    それが頭を離れないんだ。

    ……手毬と美鈴はどうしているのだろう。
    最後に美鈴のしょうもない愚痴を聞いて以来、特に接点はなかった。
    ふと、様子を見たくなった。

  • 5二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:15:22

    このスレ我慢出来ないシリーズの人なんだ、本当に何でも書けるんだな

  • 6二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:29:00

    この描写力というかなんというかがとても羨ましい

  • 7二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:30:41

    この人は天才なんだ。
    いつぞや俺が書いた駄文のIFストーリーを書いてくれたときも鮮やかに超えていかれて舌を巻いた。

  • 8◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:37:14

    燐羽「…………驚いた」

    レッスン室の窓から、そっと手毬と美鈴のレッスンの様子を伺う。
    驚いた、というのもいくつかの理由がある。

    燐羽(美鈴が真面目にレッスンをやってる?御するなんて早々できないのに……)
    燐羽(それに……手毬がきちんと体力管理を覚えている。一時期は不安定になったと聞いていたけど、それはもう見る影もない)
    燐羽(一体なぜ――いいや、考えれば、この現場を見れば嫌でもわかる)

    葛城リーリヤ。

    燐羽(少し気になるわね)
    燐羽(別に光る才能のある子でも、倉本千奈のような天然の愛嬌を持つというワケではない。私は嫌いじゃないタイプだけど、この世界では没個性と言っても過言ではないのに)

    燐羽はリーリヤに興味を持った!

  • 9◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:54:24

    リーリヤ「あれは……」

    見慣れない生徒が私の近くを通り抜けた。
    何かを企む冷たい微笑に、私は少し驚いてしまう。

    美鈴「まぁ……りんちゃん」
    リーリヤ「お知り合いですか?」
    美鈴「ええ、私とまりちゃんの――太陽」

    納得した。
    中学時代に、一緒に組んでいた人だろう。
    だけど驚いたのが、聞いていた印象と違うところだ。
    ぱっと見ただけだけど、彼女から感じられたのは――諦観。失望し、疑い、現実を割り切っている。
    まるで追い詰められた人のようだ。

    私は、そういう状態になってしまった人を知っていた。

    美鈴「リーリヤさんの御想像の通り……今のりんちゃんは、過去の彼女とは違います」
    美鈴「もしかしたら、リーリヤさんとの縁で、何かが変わるかもしれませんね」
    リーリヤ「買い被りすぎだよ。私は……できることをやるだけだよ」
    美鈴(かっこよくて顔を赤くしている)

  • 10◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 21:02:48

    一方その頃。

    燐羽「やっほ、お姉ちゃん」
    咲季「貴女のお姉ちゃんになった記憶はないわ、賀陽燐羽」
    燐羽「つれないこと言わないでよ、まぁ、いいわ。今日は知りたいことがあって訪ねてきたの」
    燐羽「お姉ちゃんなら知ってるだろうと思ってね」
    咲季「ふふん、まかせなさい!」
    燐羽「葛城リーリヤ。彼女のコトなんだけど」

    そう言った途端、咲季の表情は苦々しいものに変わった。

    咲季「わ、わたしの佑芽を奪った女よ!くやしい!!!」
    燐羽「あら、あの子、佑芽と付き合ってるの?妬けるわね」
    咲季「それに、ことねも千奈も篠澤広も……先輩たちも、清夏は……まぁ納得だけど」
    燐羽「ちょ、ちょっと待ってちょうだい!?何股してるの!?」
    咲季「有名よ。皆を幸せにしてるって……」
    咲季「手毬も秦谷美鈴も……みんなおかしいんじゃないかしら」
    燐羽「…………は?」

    手毬と、美鈴が?
    その言葉を聞いた時、私の心中は穏やかでなくなった。

  • 11二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 00:38:04

    賀陽燐羽の↖︎↗︎

  • 12◆je8PYTqP5Ydc25/08/02(土) 03:42:37

    明くる日

    手毬「今日も最後まで自主トレ手伝ってくれてありがとう」
    リーリヤ「気にしないで。私もするつもりだったし」
    手毬「お腹空いたね」
    リーリヤ「うん。門限まで時間はまだあるし、何か食べに行こうか」

    簡単に汗を流し、私たちは学園を出ようとした。もう人の気配はなく、冬なので日も暮れてしまっていた。
    晩御飯何にしよう。

    リーリヤ「そういえば商店街の向こうに鍋料理が食べられる店があるみたい」
    手毬「ほんと!?行きたい!」
    リーリヤ「決まりだね」

    校門を通ろうとしたとき、その中央に誰かが立っているのを確認した。

    燐羽「熱心な自主トレね、手毬。そして――葛城リーリヤ」
    手毬「燐羽、か」
    燐羽「少し話したいのだけど、いいかし――」

    ビビーーーン!!!!

    燐羽「!」
    リーリヤ「!」
    手毬「?」

  • 13二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 11:12:45

    保守

  • 14◆je8PYTqP5Ydc25/08/02(土) 16:29:44

    手毬「りーぴゃん、どうしたの?」
    リーリヤ「い、いえ……」
    燐羽「…………」
    リーリヤ「賀陽さん……?」
    燐羽「貴女、ちゃんと見るととっても可愛いわね」

    そう言って近づいてくる。

    チュッ。

    そして彼女は私の頬に突然キスをした!

    手毬「!?」
    リーリヤ「!?」
    手毬「り、燐羽、な、なにしてるの!?」
    燐羽「ふふ、すこーし……マーキングしただけだけど?」
    手毬「…………」ウルッ……
    燐羽「あっ」燐羽「あっ」
    手毬「りーりやを、と、とらないでよぉ」ジワッ……」
    手毬「今日はぁ、わたしがりーりやとごはんたべにいくのぉ!」フエエエエエ
    燐羽「チッ……泣けばなんでも解決すると思って……」
    リーリヤ「……これは賀陽さんが悪いんじゃないかなぁ」
    燐羽「あら……分が悪いわね、また出直させてもらうわ」

  • 15◆je8PYTqP5Ydc25/08/02(土) 19:06:53

    お鍋を食べる私と手毬ちゃん。
    油断してたのもあったけど、あまりにも手毬ちゃんには不誠実な行動だった。

    リーリヤ「ごめんなさい」
    手毬「ううん、リーリヤは悪くない。あれは燐羽の独断だから」
    リーリヤ(あれが……手毬ちゃんと美鈴ちゃんとユニットを組んでた人か)パクパク
    リーリヤ(二人の実力を、中学生トップにするほどまでの力量があったとか)パクパク
    リーリヤ(でも手毬ちゃん曰く、グレてるらしいけど)パクパクパクパク……
    手毬「り、りーぴゃん!」
    リーリヤ「わ、ど、どうしたの?」
    手毬「いくら食べ放題でも食べ過ぎじゃない……?」

    はっ、となって更に目を向けると、お肉がいっぱい入っていた皿が空っぽに……。

    手毬「りーぴゃんってそういうところあるよね、考えると止まらない」
    リーリヤ「ご、ごめんね」
    手毬「怒ってないよ。表情が二転三転して、見ていると面白いし」
    リーリヤ「そうかな……そうかも……」
    手毬「気になってそうだし、折角だから燐羽について少し話していい?」

    私が頷くと、滔々と語りだす。
    彼女のお姉さんがすべてのはじまりだったこと、凸凹でもなんとかやってこれたこと、最期に失敗しちゃってちゃんとした形で解散ができなかったこと――彼女自身がアイドルを辞そうとしていること。

    リーリヤ「大事に思ってるんだね、燐羽ちゃんは二人のことを」
    手毬「うん、だけど……責任を全部自分で背負い過ぎるよ。そういう意味では……リーリヤに似てると思う」

  • 16二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 23:55:55

    このレスは削除されています

  • 17◆je8PYTqP5Ydc25/08/02(土) 23:58:00

    明くる日。

    早速賀陽さんを調査しようと思ったのだけど……。
    美鈴ちゃんと手毬ちゃんが何故かくっついてきます。

    リーリヤ「え、ええっと……」
    美鈴「今日はとてもいい天気ですよ」
    美鈴「だからゆっくり過ごしましょう」
    手毬「だね。せっかくの休養日だから」
    リーリヤ「……賀陽さんのところに、行かせないようにしてる?」
    美鈴「まぁ、ひどい」
    リーリヤ「目を見て話してほしいかな」
    美鈴「…………」

  • 18◆je8PYTqP5Ydc25/08/02(土) 23:59:29

    公式がまだ燐羽を書き切ってないから非常にこわい
    解釈違いだったらどうしようかしら

  • 19二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 00:02:45

    >>18

    解釈は人の数だけある

    気にすんな

  • 20◆je8PYTqP5Ydc25/08/03(日) 00:16:30

    美鈴「……さぁ、そのようなことは」
    リーリヤ「あるよね、手毬ちゃんも」
    手毬「私は……」
    リーリヤ「昨日言ってたよね。ある意味で、私とあの人は似ているって……美鈴ちゃんはどう思う?」
    美鈴「何故私にも聴くのですか?」
    リーリヤ「まだ私は、二人ほど賀陽さんを知らないから」

    そう、何も知らないんだ。
    こういうときの噂なんて何の助けにもならないことを私は知っている。
    中学生の時間を、一緒に過ごした二人以上に……彼女を知る人はいないはずだ。

    美鈴「私の中にあるのは、ほんのちょっとの未練。ようやくまりちゃんと一緒の道を走ることができるようになりました。それは間違いなく……リーリヤさんの存在があったからです」
    美鈴「だからこそ、私にそうしたようにりんちゃんも……あるいは、と思えてなりません。だが一方で」
    手毬「リーリヤが、もしかしたら離れていくかもしれないって」
    手毬「わかってる。ありえないってことも、今までのリーリヤを見て、それを知っているから」

    でも時折、それが怖くなって。
    その恐怖がじわじわと広がっていくのだという。

    リーリヤ「……絶対なんてことはないよ。だけど、最善は掴み取ることができると思うんだ」
    リーリヤ「そのためなら何度だって失敗するし、何度だって迷うよ。それは、美鈴ちゃんも手毬ちゃんも同じじゃないかな」
    リーリヤ「同じ道を再び進めるか……まではわからないけどね」

    だから、やれるだけやってから、後悔したいかなって……そうとも思うんだ。

  • 21◆je8PYTqP5Ydc25/08/03(日) 00:22:31

    手毬「行っちゃったね」
    美鈴「ええ、そもそも止められると思っていたことが過ちかもしれません」
    手毬「だけど」
    美鈴「まりちゃんも気づいているのですね」
    手毬「うん、自分も一歩間違えればそうだったから。まだリーリヤは気づいていないだろうけど、私が燐羽とリーリヤが似ているって言ったのには他の意味もある」
    手毬「たぶん、美鈴以外のみんなも薄っすらと把握していると思う」
    美鈴「でしょうね。会長などは、私たちよりも目がいいので」
    美鈴「とっくに気付いているのでしょう……」

    葛城リーリヤの持つ、本当の意味での危うさが。

    -----
    私は少し街中から離れた公園のブランコに腰を下ろす。
    そこから15分くらい後。

    燐羽「驚いた」

    賀陽さんがやってきた。

    燐羽「どうして先回りができたの?手毬にも美鈴にもこの場所は教えていないんだけど」
    リーリヤ「なんとなく……ってのもあるけど、前、ここに一人でいるのを見たことあるから」
    燐羽「だから決め打ちで待ってたの?正気とは思えないわ。もう来ないかもしれないのに」
    リーリヤ「そうかもね、でも来るとも思ったんだ」
    燐羽「どうして?」
    リーリヤ「いつかここで佇む賀陽さんを見た時、とっても悩んでいそうな顔をしていたから、かな」

    すると彼女は苦笑して目を閉じる。

    燐羽「なんなのよ、それ」

  • 22◆je8PYTqP5Ydc25/08/03(日) 04:26:31

    燐羽「あなたエスパーなの?」
    リーリヤ「えっ?」
    燐羽「この場所に来たことといい、手毬や美鈴を御していることといい……偶然にしては出来過ぎているわね」
    燐羽「私だって、そこまではできない」
    燐羽「理由を教えてよ、葛城さん」
    リーリヤ「理由なんて」
    燐羽「ない、か」

    賀陽さんの笑みは、実に蠱惑的で一気に彼女へと引き込まれる。
    これが……トップアイドル。星南会長とは違う輝きだ。

    燐羽「まぁいいわ。それで……貴女は私に何を望むの?」
    燐羽「手毬みたいに初星に戻れっていう?それとも美鈴みたいにSyngUp!をもう一度っていう?」

    その言葉だけで、二人がどれだけ彼女を大切に思っているかが、よくわかる。
    その言葉に辟易している……ようではなさそうだ。
    成程――やっぱり、彼女もSyngUp!。

    リーリヤ「ううん、その意思はない」
    燐羽「だったらどうして?」
    リーリヤ「ただ……お話がしたいだけだよ」

  • 23二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 12:43:42

    昼保、残った攻略対象揃って濃いよなぁ…いや元々薄いのも居ないけど

  • 24◆je8PYTqP5Ydc25/08/03(日) 16:05:06

    そう言うと、賀陽さんは驚いた顔と呆れた顔ともとれる表情をした後に、素直に笑った。

    燐羽「もう……本当に、不思議な子ね」
    燐羽「ちょっと睨んで驚かせてやろうと思ったのに、肩透かしを食らったじゃない」
    リーリヤ「賀陽さんはそういうことは……しないって思ったから」
    燐羽「ふふ、あの二人に何を吹き込まれたの?」
    リーリヤ「何もないよ。ただ、私の意思でお話したいなって」
    リーリヤ「そう思っただけなんだ」

    私がそう言うと、賀陽さんはそっと遠くを見る。

    燐羽「二人に監視され続けるのも癪ね」
    リーリヤ「えっ!?」
    燐羽「気付いてなかったの? 鈍感なのか察しがいいのか、わからなくなってきた」
    燐羽「まぁ、これは貴女の責任じゃないモノ。だから、場所を移しましょう」

    そう言って移動したのは、比較的新しそうなマンションだった。

    リーリヤ「ここは……?」
    燐羽「私の家。流石に室内は監視できないから」
    リーリヤ「えっ、いいの……?」
    燐羽「構わないわ、もしかして”そういうこと”、したいの?」
    リーリヤ「ち、違うよぉ」

    不思議な話だけど、ここから毎日……私と賀陽さんの奇妙だけど楽しい逢瀬が始まった。
    ただお話して、お腹がすいたらご飯を作って、一緒に食べて……帰る。それだけの日々だった。

  • 25二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 21:44:03

    ほしゅ

  • 26◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 01:23:36

    二週間くらい、いつもレッスンだとかデートだとかの予定を終わらせた後、燐羽ちゃんと一緒に部屋で過ごしていた。
    皆に寂しい想いをさせるけれど、事情を説明したら受け入れてくれた。
    本当に、皆が優しい。いつも私は救われている。

    別に部屋で何かをするわけじゃない。その日の話をして、少し明日のお話をして……たまに外泊して、解散する日々。
    その間で何度も燐羽ちゃんに対する印象が変わった。

    燐羽「髪乾かしてあげるわよ」
    リーリヤ「ありがとう」
    燐羽「ほんと……あんたよく食べるわね、そのくせ全然太らないんだから。妬けちゃうわ」
    リーリヤ「それは……」
    燐羽「あなた、本当に防御力ないわね、ま、そこが可愛いんだけどね」

    燐羽ちゃんはいつも、口が上手い。
    一通り乾かした後に、突然燐羽ちゃんが後ろから抱きしめてくる。
    お互いお風呂に入ったので、燐羽ちゃんからはフローラルの香りがする。

    燐羽「本当に何もしてこないのね」
    リーリヤ「何も、ってのは?」
    燐羽「わかってるくせに」

    首筋にそっとキスをしてくる。

    燐羽「女の子の部屋にあがっておいて、それも毎日よ?」
    燐羽「アプローチもしているのに……私に魅力はないかしら?」
    リーリヤ「わ、私も女だから……」
    燐羽「そんなの手毬と美鈴に対してしている行為の時点で同じじゃない?」

  • 27◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 01:31:08

    燐羽「私は貴女のこと、好きよ。最初は好奇心だったけど……今は自信を持っていえるもの」
    燐羽「それに貴女は今日まで一度も初星に戻れ、とは言わなかった。どうして?」
    リーリヤ「どうであっても私のスタンスは変わらないよ。二人は喜ぶと思うけど」
    燐羽「そうね、でももう私は惚れているのよ?命令されたら素直に従っちゃうかも」
    リーリヤ「従うつもりないよね」
    燐羽「ふふ、まぁね」
    リーリヤ「それにね、最期に決めるのはやっぱり燐羽ちゃんだよ。燐羽ちゃんの決めたことを、私はただ応援して手伝いたいよ」

    そうなんだ、と笑うと戸棚からクリアファイルに入った一枚の書類を渡す。

    リーリヤ「これは……」

    初星への転校に関する書類だ。

    燐羽「すぐには無理よ、流石に年内は極月。だけど、年が明けると戻れそうね」
    リーリヤ「燐羽ちゃんが決めたんだよね?」
    燐羽「ええ、私、ちょろいのかしらね。貴女がいるなら、またあの場所に戻ってもいいかなと思える自分がいる。勿論、あの二人もまぁ、気になるけど」
    リーリヤ「そっちの方がつよいくせに」

    と笑う。すると何も言わずに燐羽ちゃんは苦笑する。

    燐羽「どんな形でも、リーリヤがいれば……私が果たせなかったことに、少しは近づけるかもしれないし」
    燐羽「それに覚えておいて」
    燐羽「手毬と美鈴よりも、私が一番愛が重いんだから」

    こうして私と燐羽ちゃんは恋人になった!

  • 28◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 01:36:43

    【燐羽編の後日談的な何か?】

    恋人になったその日の夜。
    翌日は早朝からレッスンの為、私は寮に戻る。

    その帰り道、公園のブランコに美鈴ちゃんが座っていた。

    美鈴「……リーリヤさん」
    リーリヤ「美鈴ちゃん」

    それ以上の言葉はなかった。
    ただ、彼女の眼は僅かに腫れていていることがわかった。
    泣いていたんだろう。

    美鈴「ありがとう、ございます」
    リーリヤ「え?」
    美鈴「私ではどうしようもできなかった……りんちゃんの後悔を、一生の傷にしないようにできた」
    美鈴「それが本当にうれしくて……」
    美鈴「言葉にできなくて……」
    リーリヤ「……何事にもね、遅すぎるってことはないんだって私は思うんだ」

    最近思うようになったことだ。

    リーリヤ「手毬ちゃんと美鈴ちゃんがリスタートできたように……燐羽ちゃんだって」

    それは紛れもなく、燐羽ちゃんの選択だ。
    生きている限りは、やり直せるよ。

    その日はそれ以上何もなく、私たちは戻った。
    翌日以降、美鈴ちゃんの表情が本当に少しだけだけど、明るくなったように見えた。

  • 29◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 01:38:43

    ということで燐羽編、了です。
    早く実装してくれ、お願いしますよ。

    てなわけで次の子ですが、折角なんで最後を咲季にしようとも思うんで、次は燕編にいきます!
    よろしくお願いいたします。

    それではよい夢を!

  • 30二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 09:41:23

    あさほし

  • 31二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 17:06:39

    ほしゅ

  • 32◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 20:10:50

    【閑話休題編】
    広「ふぅ、今日はこれくらいにしておこう」

    ふらっ……。

    広「ご飯食べるの忘れてた……きゅう」ドタン、パリン……。
    広「あれ、何か割れた?」
    広「気のせいかな」
    -----
    リーリヤ「という次第でございまして……」
    燐羽「壮観の景色ね」
    佑芽「あーーー!!!りんはちゃんだー!!!」
    リーリヤ「面識あったんだ」
    佑芽「お姉ちゃんにキスしたから!!!」
    燐羽「ふふ、そうだったかしら?」

    奇妙な関係性だ。でも燐羽ちゃんってそういうところあるからね。

    燐羽「キスってのは……こういうこと?」リーリヤ「ふぇっ」チューーー

    突然燐羽ちゃんが深いキスをしてきた!

    手毬「りんは!?」美鈴「まぁ……」

    なにか……様子が変?

    広「……起きちゃったみたいだ、ね」千奈「どうかしましたの?」
    広「キスゾンビハザードが」

    キスゾンビ編、開幕!

  • 33◆je8PYTqP5Ydc25/08/04(月) 20:43:59

    なにか、燐羽ちゃんのキスの後から空気が……がらりと変わった。
    皆が……殺気立ってる?
    いや、違うかな……色気づいている。これは、まずいのかも?

    ずいずいと私の元へやってきたのは……美鈴ちゃん。

    リーリヤ「え……」
    美鈴「んちゅ……ちゅ……ぷはっ」

    私にかなり情熱的なキスをしてきた。

    燐羽「ちょっと、美鈴!?いったいなにを――むっ」

    チューーーーーーー!
    なんと続いて美鈴ちゃんは燐羽ちゃんにもキスをし始めた!

    ことね「お、おい!?ど、どうなってんだ!?」
    リーリヤ「ことねちゃんは無事っぽい」
    広「これは、間違って割っちゃった薬のせいで起こった症状。みんながキスをしたくなる」
    広「抗生物質は、これから作る」
    ことね「なんてことを……」
    広「みんなの力が強くなる。だから気を付け――」

    そういった広ちゃんは千奈ちゃんに押し倒され、襲われ始めてしまった!
    美鈴ちゃんは燐羽ちゃんを押し倒して唇を貪っている。まだ他の人は動いていないけど……時間の問題な気がする。
    次いで発症が早まってそうなのは、星南会長だ。

    星南「ふふ……ことね……ことね……」
    ことね「標的はあたしかよ~!」

  • 34◆je8PYTqP5Ydc25/08/05(火) 00:28:54

    ものすごい素早い動きで星南会長がことねちゃんを押し倒す!

    星南「ふふふ、このときをずっと待ってたわ」
    ことね「やめろー!あたしたちはリーリヤちゃんの彼女だろー!?」
    星南「あとでリーリヤに上書きしてもらえば問題ないわね」
    リーリヤ「そうかな……そうかも……」
    星南「それに……私はことねを大切に思っているのよ?いずれきっと、私以上に輝けるって……」
    ことね「会長……」
    ことね「って!いい雰囲気だしてもしたくないのは……」
    星南「ふふ、隙あり」

    チューーーーー!

    とても長い、深いキスだった。されたことねちゃんは目を白黒させながら抵抗する。
    一方でキスを終えた星南会長は恍惚とした表情を浮かべながら――気絶した。

    燐羽「ふぅ」
    リーリヤ「燐羽ちゃん、無事?」
    燐羽「ええ、美鈴はとりあえず眠ったわ。でも……この室内にいるのはまずいわ、学園内に逃げ込みましょう」
    ※ここは屋上のリーリヤハウス。
    リーリヤ「うん!」

    私たちは手を取って、その場を逃げ出した。

  • 35◆je8PYTqP5Ydc25/08/05(火) 01:08:57

    とりあえず物陰に隠れることにした。

    燐羽「とんでもないことになったわね」
    リーリヤ「本当だよ……」
    燐羽「いつもああなの?」
    リーリヤ「いやあそこまでは……というか、美鈴ちゃんにキスされたけど大丈夫だった?」
    燐羽「びっくりはしたわ。まだ体が火照ってるけど」
    リーリヤ(たぶんそういう症状なのかな?)
    燐羽「せっかくだからリーリヤ、上書きしてよ」

    ズイっと、顔を近づけてくる。

    リーリヤ「私、ちょっと怒ってるんだよ?」
    燐羽「ごめんね。ちょっと……強引だったわ。だから今度は、その、そっちから……」
    リーリヤ「うん、わかった」チュッ……。
    燐羽「……優しいのね」
    リーリヤ「嫌だった?」
    燐羽「むしろ……好き」
    リーリヤ「今度は許可なく人にしちゃだめだよ?」燐羽「……うん」

    佑芽「おねえちゃーーーーーん!!!」ドドドドド

    室外から聞こえた声に、私たちは目を合わせる。
    キスゾンビハザードが始まってしまった!

  • 36二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 08:52:50

    hoしゅ

  • 37二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 15:49:22

    ほっしゅ

  • 38◆je8PYTqP5Ydc25/08/05(火) 19:05:02

    おい……なんで……ことねなんだ……?
    りなみじゃないのか!?

  • 39二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 22:38:43

    ほっしゅ

  • 40◆je8PYTqP5Ydc25/08/06(水) 03:09:20

    今日は学園自体はお休みの日。私たちしかいないのは幸いだろう。
    とりあえず、この乱痴気騒ぎの原因となった病原菌を排除しないと……!

    燐羽「手立てはあるの?」
    リーリヤ「今はないかな。でも、広ちゃんなら……」
    燐羽「あの子が?」
    リーリヤ「うん、薬を作ったのも広ちゃんだから」
    燐羽「どうしてそれほどの天才がアイドルを……?」

    そう思うのは仕方ない気もする。

    リーリヤ「ともかく、広ちゃんを助けよう」
    燐羽「それが先決ね」

    佑芽「どこーー!!!りんはちゃーーーん!リーリヤちゃーーーん!!!」ドドドドド

    燐羽「佑芽が走り回っている。ただでさえ力が強化されてる中で……」
    リーリヤ「捕まると詰みだね」
    リーリヤ「あれ、でも私にキスする分には問題ない気がしてきたな」
    燐羽「確かに」
    燐羽「……困った時は囮にしていい?」
    リーリヤ「や、やめてね!?」

    目標:広の確保!

  • 41二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 11:28:12

    ほっしゅ

  • 42二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 16:23:19

    再びほっしゅ

  • 43◆je8PYTqP5Ydc25/08/06(水) 18:01:02

    私と燐羽ちゃんはこっそり屋上に続く扉の外を除く。
    そこには気を失ってて倒れてるだろう広ちゃんとそれを守るようにたたずむ麻央センパイ。

    燐羽「頭数は……こっちの方が上ね」
    リーリヤ「だね」
    燐羽「攻めましょう」
    リーリヤ「いいのかな……」

    私たちは麻央センパイを抑えるために乗り出した!

    麻央「きたね、リーリヤ、燐羽」
    燐羽「こっちの方が数的には有利よ。諦めて」
    麻央「それはどうかな」
    リーリヤ「え?」
    莉波「妹ちゃん♡」
    二人「「!?」

    そこには隠れていた莉波センパイが!
    むわっ、とする空気。これは……お姉ちゃん力!
    そしてそれにつられて、いないはずの皆が……万事休す!?

  • 44◆je8PYTqP5Ydc25/08/07(木) 01:28:35

    力がつよい!あっという間に、私は押し倒されてしまう!

    リーリヤ「燐羽ちゃん、ぶ、無事だね!?今のうちに逃げて!」
    燐羽「な、なんで……」
    リーリヤ「私が犠牲になって燐羽ちゃんが無事なら、それが一番いいから。あと、広ちゃんを一緒に……」
    燐羽「ごめんなさい……ごめんなさい……でも絶対にワクチンを作るわ!」

    燐羽ちゃんは気を失った広ちゃんを肩に担いで逃げていった。

    莉波「うふふ、捕まえたよ。妹ちゃん」麻央「ちょっと莉波、ボクも忘れないでよ」
    莉波「勿論だよ。さ、妹ちゃん。お姉ちゃんとキスしようね。姉妹だから何ら問題ないよね」
    リーリヤ「お姉ちゃんでもないし、姉妹はキスしないよ!?」
    莉波「それはそれ、これはこれだよ♡」
    リーリヤ「だめみたいだ」

    チュッ……ととっても、世界一優しいキスを私にしてきた。
    勿論莉波センパイとのキスは嬉しいけど、組み敷かれてされるのは何だろう……複雑な気持ちだ。

    麻央「あ、チョコレートあるよ。ボクらと一緒に食べようね」

    唇にチョコをくわえた麻央センパイが莉波センパイと交代するように――そっと私の口にチョコを運ぶ。
    涙が出る程美味しい……。

    ことね「あ!いた!」

    そのとき、屋上の入り口からことねちゃんたち集団がやってくる。助かった……!

    ことね「よくも星南会長に売ったなぁ?いっぱいキスしてやるからな~!」

    だめそうだ。

  • 45二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 09:11:53

    ほしゅ

  • 46二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 11:46:00

    ほっしゅ

  • 47◆je8PYTqP5Ydc25/08/07(木) 16:54:47

    ことね「も~う我慢できないからいっぱいキスしてやるぞ」
    リーリヤ「お、落ち着いて……」
    ことね「落ち着いてるって」チュッチュッチュッ
    リーリヤ「うう、嫌じゃないけど恥ずかしいよ」

    キスの雨あられで私は恥ずかしくて動けなくなっている。

    そのすきに、どんどんと皆が屋上に集結してきた!

    リーリヤ「ええい、こうなったら時間稼ぎだよ」
    リーリヤ「みんなが満足するまで」
    リーリヤ「キスをやめないからね」

  • 48◆je8PYTqP5Ydc25/08/07(木) 20:53:36

    まず勇んでやってきたのは星南会長だった。

    リーリヤ「星南」ファサッ

    私が突然立ち上がり、普段と違う呼び方で星南会長の名前を呼ぶと早速彼女は床に倒れ込んでしまう。
    そのまま私は覆いかぶさるようにそっと上に乗り、彼女の頬に意地悪げに触れる。

    リーリヤ「私を放置してことねちゃんとのキス、楽しかったですか?」
    星南「ち、ちがうの、あれは……」
    リーリヤ「ことねちゃんとよろしくするために私の下に近づいたんですよね」
    リーリヤ「この変態」(耳元に囁く)
    星南「ひぅっ……」
    リーリヤ「ことねちゃんのキス、私で塗り替えてしまいますね」

    問答無用で星南会長の唇を私は貪った。
    ながーーーいキスだ。吸いつくようなキスを数十秒してやると……星南会長は目を廻して顔を赤くして倒れてしまった。
    それを見ていた皆は息を飲み、私の凶行を絶句していた。
    いや、違う!
    羨ましがっている!こうなったら……

    リーリヤ「みんなそこに並んでください!」
    全員「「は、はいいい!」」

  • 49◆je8PYTqP5Ydc25/08/07(木) 23:51:01

    リーリヤ(錯乱)「次は美鈴ちゃんだよ」
    美鈴「まぁ……どうされるので」
    リーリヤ(錯乱)「こうするけどね」

    ぐいっと、普段ではしないような力で強引に美鈴ちゃんを抱き寄せる。

    美鈴「!?」
    リーリヤ(錯乱)「美鈴ちゃんって普段は飄々としているけど、私から攻められるのに弱いよね?」
    美鈴「……そのようなことは」
    リーリヤ(錯乱)「声裏返っているけど」
    美鈴(ポカポカポカポカ……)無言で叩いて抗議しているつもり
    リーリヤ(錯乱)「やめていいのならやめるけど……」
    美鈴「いぢわる……」
    リーリヤ(錯乱)「ふふふ、かわいい」チュッ
    美鈴「!?!!」キュウクラリン

    美鈴ちゃんはノックアウトされてしまった!

  • 50◆je8PYTqP5Ydc25/08/07(木) 23:57:40

    リーリヤ(錯乱)「口ほどにもありません」
    リーリヤ(錯乱)「次は……」
    手毬「り、りーぴゃん……こ、こわいんだけど……」
    リーリヤ(錯乱)「怖いなら近づかない方がいいかな?」
    手毬「そ、そんなこと言ってないよ!」
    リーリヤ(錯乱)「おいで」

    そう促すと、涙目になりながらも手毬ちゃんは抱き着いてきた。

    リーリヤ(錯乱)「手毬ちゃんは暴れなくてえらいですね」
    手毬「そ、そうかな。でも体は熱いよ」

    発症はしているみたいだけど、個人差があるみたいだね。
    ならちゃんと受け入れてあげよう。

    リーリヤ(錯乱)「手毬ちゃん、目を閉じて」
    手毬「わ、わたしも美鈴みたいに倒すつもり!?」
    リーリヤ(錯乱)「美鈴ちゃんはおいたがすぎただけだから、そんなことしないよ」
    手毬「なら……優しくして」
    リーリヤ(錯乱)「うん、もちろんだよ」チュッ

    手毬「すやぁ……」

    恥ずかしがって眠っちゃったみたい。よし、次は……。

  • 51◆je8PYTqP5Ydc25/08/08(金) 02:52:39

    すみませぬ……一番大好きな作品の最終巻で情緒ぐちゃぐちゃなので暫く更新お待ちください……

  • 52二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 11:10:34

    補習

  • 53◆je8PYTqP5Ydc25/08/08(金) 17:28:13

    佑芽「うおおお!お姉ちゃんいなかったからリーリヤちゃんのところにきたよ!!!」

    タックルする勢いで突撃してきた佑芽ちゃんを私は大きく手を広げて、ガシッ、と受け止める。
    受け止めると同時にそっと首筋を撫でてみると、佑芽ちゃんは驚いてビクンと震える。

    佑芽「え、え、えっちだ……よ……?」
    リーリヤ(錯乱)「でも好きなんじゃないの?」
    リーリヤ(錯乱)「正体見たりって感じですね」
    佑芽「す、好きだと言ったらどうするんですか!」
    リーリヤ(錯乱)「こうします!」

    ドギューーーーーン!!!!

    初めて佑芽ちゃんとキスしたときと同じような、勢いがありあまる激しい接吻だった。

    佑芽「ひゃあ!」

    すると、みるみる、まるで湯沸かし器のように顔を赤くして体温を上げに上げた佑芽ちゃんはバタン!とその場に倒れ込んでしまう。
    すんでのところで受け止めたため、怪我はなかったけどこれでよかったのだろうか……?

    まぁ、大丈夫だろう。
    次!

  • 54◆je8PYTqP5Ydc25/08/08(金) 22:32:18

    千奈(ガクガクブルブル……)
    リーリヤ(錯乱)「千奈ちゃん」
    千奈「ひゃい!」
    リーリヤ(錯乱)「怖がらないで?」
    千奈「は、はい……乱暴しませんの?」
    リーリヤ(錯乱)「千奈ちゃんは暴走してないからね。どういうキスが好き?」
    千奈「か、かわいい小動物みたいなのが好きですわ」
    リーリヤ(錯乱)「わかったよ」チウ……
    千奈「ふふふ」
    リーリヤ(錯乱)「えへへ」

    そうして数十回、小鳥のようなキスを繰り返すと千奈ちゃんは満足して眠ってしまった。
    すやすやと、安心して眠る様を見るとこっちも安心できる。
    そっと、額にキスをしてあげると、「にへへ」と千奈ちゃんは笑う。
    天使なんだなって……そう思った。

    次にいこう。

  • 55◆je8PYTqP5Ydc25/08/08(金) 23:42:06

    リーリヤ(錯乱)「ねぇ、清夏ちゃん」
    清夏「ひぅっ、リーリヤ!?」
    リーリヤ(錯乱)「端っこに座ってどうしたの?」
    清夏「な、なにもないよー?」
    リーリヤ(錯乱)「もしかして参加するのに物怖じしてた……じゃない」
    リーリヤ(錯乱)「漁夫の利を狙おうとしてた?」
    清夏「ぎくっ」
    リーリヤ(錯乱)「悪い子なんだね、清夏ちゃん」

    さてどうしたものか、と考える。普通のやり方だと多分、満足してくれなさそう。
    そこで思い出したのは――ハワイ旅行の最終日の、広ちゃんのキス。
    それを、真似てみよう。

    リーリヤ(錯乱)「キス、するね?」
    清夏「う、うん」

    そっと最初は静かに唇に触れる。
    そこで……私はいきなり舌を絡める!

    清夏「えっ!?」

    清夏ちゃんは面を喰らったようで、嬌声をあげる。
    やめるもんか。十秒くらいじっくりと濃厚なキスをしてあげると……彼女は倒れてしまった。

    これで……とりあえず全員かな?

  • 56◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 00:45:07

    燐羽「戻ったわよ!」広「おまたせ、だね」

    二人が戻ると、全員が顔を赤くして気を失っている空間を見てぎょっとした顔をした。

    広「酒池肉林」
    燐羽「何がどうしてこうなったの……?」
    広「たぶん、リーリヤも発症して、一番……悪化した」
    燐羽「ええ……」

    リーリヤ(錯乱)「待ってたよ、はやくキスしよっか」
    燐羽「そのようね……って!?」

    燐羽ちゃんがそうこう言う前に、私は一気に広ちゃんに詰め寄り、キスの雨を浴びせた!

    広「ふふふ、強引……でも、そういうところも……きゅう」
    燐羽「そんな!?」
    広「すやぁ……」

  • 57◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 00:49:31

    燐羽「万事休す、か」
    リーリヤ(錯乱)「燐羽ちゃんも、しよ?」
    燐羽「そう……病気が貴方をこうさせるのね」
    燐羽「こういう姿も悪くないとは思うけど……」
    燐羽「前のリーリヤの方が好きよ、私は!」

    燐羽ちゃんはそう言って、私に何か注射を刺した。
    すると……あれ?
    意識がはっきりしてきた。私は一体……?

    リーリヤ「えっ、なにこの光景は」
    燐羽「忘れたの?貴女が情熱的なキスを手あたり次第した結果がこの惨状よ」
    リーリヤ「なんてことを……」
    燐羽「まぁ、偶にはそういうのもいいんじゃない?もうこれでリーリヤに逆らわなくなるんじゃない」
    リーリヤ「別にそんなのは望んでないよぉ……」

  • 58◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 01:00:03

    燐羽「それで……私とは、してくれないの?」
    リーリヤ「え、今?」
    燐羽「今だからこそでしょ。今こそキスしてもおかしくない時はないと思うけど」
    リーリヤ「そうかな……そうかも……」
    リーリヤ「でもさっき、私は燐羽ちゃんに」

    そう言っていると、燐羽ちゃんは私のネクタイを優しく引く。

    燐羽「リーリヤが酒池肉林しているときに、私は奔走したのよ?」
    リーリヤ「酒池肉林……」
    燐羽「だからご褒美、望んじゃだめかしら?」
    リーリヤ「だめ、じゃないよ」
    燐羽「私、リーリヤのこと大好きよ。こんなにも恋をしたのは初めて、だから……裏切らないでね」

    ちゅ――最後のキスはこれまでの燐羽ちゃんのとは違い、とっても優しいものだった。


    キスゾンビ編、完結!

  • 59◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 01:29:05

    【閑話休題 投書箱】

    今日は私だけが休養日。

    リーリヤ「好き同士だからって」
    リーリヤ「言いにくいこともあると思うんだ。だから、投書箱を一週間前に家のわかりやすい場所に置いてみた」
    リーリヤ「筆跡で特定できちゃうからちゃんとパソコンで作ってコピーする形式にしてもらったけど……結構入ってるや」

    ごそごそ。

    リーリヤ「まず一枚目」
    『今度一緒に地元に帰ろうね』
    リーリヤ「……誰だろう。何となく莉波センパイな気がするけど。でも、地元って……私はスウェーデンだし、福岡のことかな?近いうちに旅行計画でも練ろう……次」

    『特殊プレイがしたいわ!』
    リーリヤ「根拠はないけど星南センパイな気がする。キスゾンビのときに私がしたキスのせいで、ちょっとだけMっぽくなってる気もするし……」
    リーリヤ「特殊プレイ……?なんだろう……そういう作品漁ってみるか。次は……」

    『くもりにする機械の運用を即刻停止してください』
    リーリヤ「これは……たぶん美鈴ちゃん。曇りの日しかレッスンしないから……」
    リーリヤ「流石に露骨すぎたか。でも強引に言えば結構言うコト聞いてくれることもわかったから……頻度は減らそう」

    そのとき、殺気に似た気配を感じた気がしたけど……流石に気のせいだよね

  • 60◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 02:46:58

    リーリヤ「次を読もう」
    『皆様でピクニックをしたいのですわ!』
    リーリヤ「これは……千奈ちゃんかな?」
    リーリヤ「本格的に冷え込む前に一回計画しようかな。紅葉を見てみたい」
    リーリヤ「千奈ちゃんは本当に平和で天使だな……次」

    『お姉ちゃんを一緒に倒そう!!!!!』
    リーリヤ「これは佑芽ちゃん。ずいぶんと咲季ちゃんは私に怒っている気がする」
    リーリヤ「決着をつける必要はある……だけど、彼女はとてもつよい。日々のレッスンをより頑張らないと」

    『掃除中に何の薬かわからない瓶を割っちゃった』
    リーリヤ「えっ……これは広ちゃんだよね」
    リーリヤ「……とりあえず見なかったことにしよう。何もないかもしれないし」

    『りんはが私のラーメンを取り上げるの!止めて!』
    『あのおばか、気を抜けばすぐだらけるんだから。暇なときに手伝って』
    リーリヤ「……投書箱ってなんなんだろう」

    『ねー、リーリヤー、明日の授業の課題ってなんだったっけ』
    リーリヤ「投書箱はSNSじゃないんだよ……清夏ちゃん……」

    これを見て私は本人に直接聞いた方が早いと思って投書箱を撤去するのだった。

  • 61二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 11:57:35

    ほす

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 17:21:22

    【燕編】

    燕「……」

    莉波「妹ちゃん、あーんして」
    リーリヤ「あ、あーん……」
    -----
    燕「…………」

    麻央「リーリヤ、いつも書類を手伝ってもらってありがとうね」
    リーリヤ「気にしないでください、時間はあるんで」
    ----
    燕「………………」

    佑芽「リーリヤちゃん!!!あーそーぼー!!!」
    千奈「わたくしも遊んでほしいですわ!」
    リーリヤ「もちろんだよ!」
    ------
    燕「……………………」

    美鈴「あの機械の運用をやめてください」ゴゴゴゴゴ
    リーリヤ「と、止めません!」ゴゴゴゴゴ
    --------
    星南「うふふ、今日も可愛いわねリーリヤ。できればその……前みたいな……」
    星南「強引な、その、ね?」
    リーリヤ「ええ……」

    燕「…………………………」ブチッ

  • 63◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 17:41:56

    ↑コテハン付けミス。ごめんなさい。

    燕「十王星南!」
    燕「そこにこい!」
    星南「どうしたのよ、突然大きな声を出して」
    燕「たるんでる!たるんでるぞ!」ギャオオオオン
    星南「どうしよう、燕が壊れちゃった」
    燕「今までのお前は、多少迷いがあろうとも美しく素晴らしかった」
    燕「だが今はどうだ……女性の尻ばかりを追いかけて」
    星南「む、その言いぶりは聞き捨てならないわ。私は恋もアイドルも、今だって真剣よ?」
    燕「ぐぬぬ」
    星南「ぐぬぬ」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    燕「星南のバカ!」
    星南「バカって言う方がバカ!」

    佑芽「た、たいへんだー!」
    麻央「あわわ……」
    莉波「や、やめなよ……!」
    千奈「修羅場ですわー!!!」
    美鈴「すやぁ……」

  • 64◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 21:08:26

    千奈「た、大変でしたわ、止めるのに……」
    リーリヤ「そんなことが……」
    リーリヤ「とりあえず仲直りしましょうよ」
    星南「ぐすん……燕が悪いのよ、リーリヤのことを悪く言うから」
    リーリヤ「悪く言ってない気もするけど……」
    リーリヤ「私は気にしていないよ……?」
    星南「私が許せなかったのよ」

    気持ちはわからなくもない。そのときだった。

    『ちょ、落ち着いてください!副会長!』
    『葛城リーリヤ!!!!いますぐ生徒会室へ来るんだ!!!』
    『今すぐだ!!!!』キーーーーーーーン

    一同「………………」
    リーリヤ「いってくるね……」

    生徒会室に入ると、そこには燕センパイがいた。
    顔には……サングラスがつけられていた!

    リーリヤ(た、対策されている!)

  • 65◆je8PYTqP5Ydc25/08/09(土) 22:30:04

    明日以降少し旅になるんで更新遅れます!

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 08:01:31

    ほしゅ

  • 67二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 14:44:21

    >>64

    おっと、予想外の強敵だ。

  • 68二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 15:02:27

    保守序にログ追ってたら既にされてたわ

  • 69◆je8PYTqP5Ydc25/08/10(日) 22:03:43

    スレ主です

    リーリヤと清夏(の中の人)がデュエットする脱法リー清イベントに参加してました

    ゆっくりと更新していきます

  • 70二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:06:30

    このレスは削除されています

  • 71二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:16:20

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:32:35

    このレスは削除されています

  • 73二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:36:12

    このレスは削除されています

  • 74◆je8PYTqP5Ydc25/08/10(日) 22:41:54

    燕「よく来たな、葛城リーリヤ」
    燕「なぜ呼んだか……わかっているな?」
    リーリヤ「は、はい」(本当はわかってない)
    リーリヤ「というか何故サングラスを?」

    そう尋ねると、ピシッと指をさして力強く彼女は宣言する。 

    燕「貴様がことごとく生徒会の人間を奇怪な妖術で誑かしていることはわかっている。何やら視線で射止める類ではないか」
    燕「で、あるならば対策は容易」
    燕「私は十王星南のように籠絡されんぞ!」
    リーリヤ「ええ……」
    リーリヤ「でも、雨夜センパイの目って綺麗ですよね。見れると思ったんですが残念です」
    燕「ふはは!そうか、ならば今回は見せてやろう!」

    サングラスを外しそうになったところで、ふくかいはハッとなってすんでのところで止めた!

    燕「その手には乗らんぞ!卑怯なやつめ!」
    リーリヤ「ええ……」

  • 75◆je8PYTqP5Ydc25/08/10(日) 22:43:09

    燕は即落ちしそうよな、と思って最初は書きましたが、自分で書いてても少し早すぎた気がするので修正しました

  • 76◆je8PYTqP5Ydc25/08/11(月) 00:12:25

    1時間くらいお話して帰ってきた。

    麻央「燕……」
    莉波「意固地になってるね」
    星南「もうみんなで羽交い締めしてサングラスを奪ってやりましょう!」
    リーリヤ「いや流石にそれは……」
    清夏「それは半分犯罪だよ」

    きっかけが「目を合う」ことに気づいたあたり、本当に副会長は洞察力が凄い。

    星南「とはいえ実際問題どうするの?」
    リーリヤ「うーん」
    リーリヤ「別にどうにもしません」
    麻央「えっ?」
    リーリヤ「皆さん勘違いしてるよ、私は別に彼女を集めているわけじゃないよ」
    リーリヤ「まだ候補かもわからないし……」

    今は少し勘違いされてるだけだ。

    リーリヤ「お話して、納得してもらうだけかな」

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 10:01:15

    ほしゅ

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 15:54:18

    hoshu

  • 79二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 00:05:13

    寝る前保守

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 01:38:04

    このレスは削除されています

  • 81二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 05:12:23

    このレスは削除されています

  • 82二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 11:13:09

    このレスは削除されています

  • 83二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 13:19:48

    このレスは削除されています

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 13:29:36

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  • 85二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 14:25:17

    このレスは削除されています

  • 86二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 16:17:47

    このレスは削除されています

  • 87二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 17:51:43

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  • 88二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 18:23:53

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  • 89二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 19:56:17

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  • 90二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 20:29:55

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  • 91二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 20:35:03

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  • 92二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 22:15:55

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  • 93二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 22:24:06

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  • 94二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 02:37:17

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  • 95二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 02:50:34

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  • 96二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 11:27:47

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  • 97二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 12:21:05

    さぁいよいよラスボスのお出ましか

  • 98二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 14:44:04

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  • 99二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 15:03:02

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  • 100二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:35:49

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  • 101二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 00:12:12

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  • 102二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 00:24:50

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  • 103二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 00:28:38

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  • 104二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 03:32:51

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  • 105二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 12:43:30

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  • 106二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 15:37:15

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  • 107二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 15:41:49

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  • 108二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 16:14:48

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  • 109二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 20:00:20

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  • 110二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 20:02:27

    【悲報】スレ主、ホスト規制

    覚えてる範囲で書き直しますね

  • 111二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 01:14:24

    ほしゅ

  • 112二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 10:06:20

    保守

  • 113二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 16:43:00

    保守

  • 114二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:37:30

    ほし

  • 115二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 08:13:29

    ほしゅ

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 18:02:34

    ほしゅ

  • 117二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 23:07:22

    頑張って!

  • 118二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 07:39:37

    しゅ

  • 119◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 15:11:01

    スレ主です。保守ありがとうございます。
    今晩から改めて投稿していきます
    重複になるとは思いますが、どうかお付き合いください

  • 120◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 20:26:52

    明くる日。
    今日は星南ちゃんのライブ公演の日だ。ちゃんとチケットを一般で応募しようと考えていたんだけど、本人からあっさり関係者席をもらえた。
    いいのかな……。

    リーリヤ「……あれ、あそこにいるのは……」

    変装っぽい恰好はしている副会長じゃないかな?
    サングラスはしているけど……。

    リーリヤ「……副会長?」
    燕「ち、違う!人違いだ!」
    リーリヤ「そうなのですか?ここは関係者待合列ですよ、初星学園外の人は……
    燕「わ、私は関係者だ!私が十王星南と一番付き合いが長いのだからな!」
    リーリヤ「副会長ですよね?」
    燕「…………」
    燕「何も!知らない!」ピュー
    リーリヤ「逃げちゃった」

    でもライブの時にはちゃっかり隣に戻ってきていた。

  • 121◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 20:36:07

    また明くる日。

    リーリヤ「待ちに待った日が来たぞ。シルヴェスタオンリーイベント」
    リーリヤ「入場さえも事前抽選制で当たるか不安だったけど……どうにかなった」
    星南「そうなの?」

    今日は先述したオンリーイベントのペアチケットが当たったため星南ちゃんと一緒に現地までやってきた。入場まではまだ結構時間があるけど……。
    というのも……なんと星南ちゃんはここ最近、シルヴェスタを履修してくれたのだ! 私に気を遣ったワケではなく、完全にドハマり。
    なのでそれ幸いとペアチケットなので一緒に来たのだ。

    星南「不覚だったわ。私としたことがあれほどの名作を知らないでいたんて」
    リーリヤ「そ――「そうだろう!そうだろう!」
    星南・リーリヤ「え?」

    そこには昨日と同じ格好をした副会長がいた。

    星南「あら、燕じゃない」
    燕「なっ、ひ、人違いだ!」
    星南「だったらナンパかしら、通報しなければ……」
    燕「ぐぬぬ」

  • 122◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 20:57:52

    リーリヤ「副会長ですよね……?昨日と同じ格好ですし」
    燕「そ、それは……」
    星南「昨日、リーリヤの隣にいたのはそういうことなのね」

    サングラスは一応私対策だろうけれど……。

    リーリヤ「それよりも、燕副会長……もしかして、貴女も」
    燕「愚問だ。私とて、弱輩ではあるが……シルヴェスタを愛している」
    星南「貴女リーリヤよりも年上じゃない」
    燕「だが、僥倖だ。葛城リーリヤが同志だとは、これほど嬉しい日はない」
    燕「どうだ、十王星南だけでなく私とも一緒に回らないか?ちょうど同じ時間なのでな」

    なんと三人で回ることを提案してきた。
    こっちとしては断る理由はないケド……。

    星南「いやよ!」

    拒絶したのは星南ちゃんだった。

  • 123◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 21:09:38

    星南「いやよ!今日は私とリーリヤのデートの日、燕であっても邪魔をさせないわ」
    燕「ふんっ、神聖な場で乳繰り合うとは風上にも置けぬな」

    会話が平行線になった。理屈としては星南ちゃんが正しい。
    だけど、相手が相手だから燕副会長は私が止めに入っても納得しないだろう。
    だからこそ、二人の意見が衝突した際には……これしかない。
    訪れたのは、隣接するゲームセンター。そこにあるのは、ダンスダンスレボリューション!

    ことね「いらっしゃ……あれ、リーリヤちゃんたちじゃん。会長と副会長は何してんの?」
    リーリヤ「ダンスのスコア対決だよ。三曲のスコアで競ってる」
    ことね「なるほどナー」

    学園No.1とNo.2、言葉では確かに序列ができあがっているが――こと”ダンス”の分野では、間違いなく燕副会長は強い!

    星南「やるわねっ!」燕「うおおおおお!」
    ことね「これ……ダンスバトルだよね?」
    リーリヤ「一応は……」

    白熱した勝負の結果、なんと――。

    リーリヤ「三曲目が……同じスコア!?」

    決着がつかなかった!

  • 124◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 21:42:39

    星南「なんていうことかしら……」燕「決着がつかないとは……」
    ことね「この場合……どうなるんだ」
    星南「あっ♡ ことね♡」
    ことね「疲れてるのに変わり身が早いなぁ!もう!」
    リーリヤ「どうしよう」

    勝負を引き分けで預ける……ってのはたぶん、二人も納得しないだろう。
    だけど星南ちゃんはかなり疲弊している。今後のデートも考えると、継続させるのは……。

    星南「ということで……私は指名するわ」
    星南「リーリヤ、貴女の出番よ」
    リーリヤ「ええ!?」ことね「!?」

    えっ、私……?

    燕「ほう、紫雲清夏であるならばわからなくもないが……葛城リーリヤか。十王星南、根拠はあるのだろうな。よもや愛ゆえに盲目とは言うまい」
    星南「ええ、彼女はゲームセンターの常連よ?」
    ことね「そうですね」
    リーリヤ「知られてた……」
    星南「それに下手の横好きではないわ。彼女、強いわよ?」」

    た、大変なことになった……。

  • 125◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 22:36:52

    燕「断ってもいいのだぞ?」
    リーリヤ「――いいえ」

    ことね「よかったんですか?リーリヤちゃんに任せて」
    星南「いいわ。あの子は強い子よ。勝つわよ」
    ことね「実力を知ってたんですね」
    星南「それもあるけど……それ以上に、愛があるから」

    最後の戦い……ということで一曲きりの勝負だ。

    後に、後姿を見たことねちゃんは、こう語る。

    ――気迫が、普段とは段違いだった、と。

    燕「よもや、だな」

    そしてまた、後日燕副会長が言う。

    ――相対した瞬間、鬼が見えた、と。

    燕「準備体操はいらぬのか?その程度であれば待つこともできるが……」
    リーリヤ「燕副会長」
    燕「?」
    リーリヤ「――戦うん、ですよね?」
    燕「!」ビリビリ
    燕「余計な言葉は不要だったな……いくぞ!」

  • 126◆je8PYTqP5Ydc25/08/17(日) 23:41:48

    リーリヤ「はあああ!!!」燕「むうううう!」

    燕(先程の戦いで、彼女は我々の足をちゃんと目で追っていた)
    燕(いうまでもなく、葛城は熟練者)
    燕(下手な搦め手は意味がない)

    燕副会長がとった選択肢は……短期決着を目指した全力疾走。
    確実に、今の体力であればガス欠も見えてくる。
    だが敢えて、そのリスクをおかして――勝ちに行く。
    流石だ。
    星南ちゃんと対立し続けられるだけある。
    本気には、本気で応える!

    数分後……。

    燕「はぁっ……はぁっ……!」リーリヤ「っ…………」
    ことね「そんなことって、あるんですか!?」
    ことね「リーリヤちゃんが……理論値を出したぁ!?」
    燕「ぐっ、最早何も言うまい」
    ことね「星南先輩、これって……」
    星南「ええ、リーリヤの……勝ちよ」

    葛城リーリヤ、ゲームセンターに戦跡を刻めました!

  • 127◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 00:18:46

    その日の夜。

    リーリヤ「ということがあったんだ」
    清夏「はえー、ことねっちが騒いでたのそういうことだったんだ」
    リーリヤ「そうなんだ」
    清夏「で、今何やってんの?」

    私が荷物をまとめたダンボールを引っ張り出したのはスペックが高い最新ハードのゲーム機とシルヴェスタの対戦ゲーム。

    リーリヤ「今日のイベントでまたちょっとランクマッチをしたくなって……」
    清夏「らん……なに?」
    リーリヤ「ネット対戦かな。そんなに強くないけど……」
    清夏「でもこれどう見ても最高ランクじゃん。さっきから連戦連勝だし」
    リーリヤ「運がいいだけだよ」
    清夏「……それはともかく、その『しゅきしゅき星南ちゃんトップオタ』って名前は何?」
    リーリヤ「あー、これはね」

    賭けみたいなものだが、これはある意味で釣り餌である。

    リーリヤ「私が思うに……」
    リーリヤ「燕副会長も、私側の人間だと思うんだ。それに、きっととても強い」
    リーリヤ「きっと同じランク帯に……いると思う」
    清夏「根拠にしては薄くない?」
    リーリヤ「当時は気にしてなかったけど、似た名前があったんだよね」

    上位のレートとなると同じ相手と被ることも増えるからね。

  • 128◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 00:48:54

    数回戦闘を重ねた。今日の熱を保ったままだからきっと燕副会長はゲームを引っ張り出していると思う。

    リーリヤ「この人とは……戦ったことがある」
    リーリヤ「きっと、この人だ」
    清夏「仮に本当だとしてさ、どうするの?」
    リーリヤ「あまりマナーはよくないけど……」

    まず、完封勝ちする。
    そのうえで……。

    リーリヤ「こうする」
    清夏「屈伸してる?」
    リーリヤ「要するに煽りだね、褒められた行為じゃないけど……」

    少しした頃。
    ドドドドド、と遠くから音が響いた。
    ドンドンドンドン!と扉が叩かれる。

    清夏「ひぃっ!?」
    燕「葛城リーリヤ!!!いるんだろ!!!開けろ!!!私と正々堂々と闘え!!!」
    リーリヤ「うまくいったね。清夏ちゃん、窓の外に麻央ちゃんが待ってるから避難して」
    清夏「わ、わかったよ。明日は添い寝してよね」

    というわけで清夏ちゃんを逃がした。
    準備は万端だ。

  • 129◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 00:56:22

    ガチャ。

    燕「見損なったぞ!今日の戦いをしたお前があのような蛮行を――」

    ビビーーーン!!!!

    そう、燕副会長は絶えずグラサンをしていた。
    心を閉ざしている風にも見えた。だけど、感情的になればきっと開いてくれると思った。

    燕「っ……この、小癪な……」
    リーリヤ「ごめんなさい!」
    燕「!?」
    リーリヤ「卑怯な真似をしてごめんなさい。燕副会長とちゃんとお話するためとはいえ、武士道に反する行いでした」
    リーリヤ「軽蔑、しましたよね……」
    燕「……はぁ、振り上げた拳のおろしどころがわからないじゃないか。まぁ、よい。二度とするなよ」
    リーリヤ「はい!あ、よければ……」

    既に部屋には二人分のコントローラーを用意している。
    それを見ると、燕副会長はニヤリと笑って誘われるのだった。

  • 130◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 01:02:54

    麻央「で、時間も忘れて徹夜で対戦し続けた結果……」
    莉波「二人とも揃って昼まで爆睡……」
    燕「返す言葉も」リーリヤ「ありません」
    星南「ぷ、ぷぷ……あの燕がっ、ゲームで徹夜して遅刻だなんて……明日は大雨ね!」
    燕「十王星南、きさ――」
    リーリヤ「撤回してください!!!」
    星南・燕「「え???」」

    私は居ても立っても居られなかった。

    リーリヤ「燕ちゃんは私にとって大切な好敵手(こいびと)です!そんな燕ちゃんを笑うなんて許せません!」
    星南「ええっ!?」
    リーリヤ「ということでお仕置きです!」
    リーリヤ「私とことねちゃんに2週間、接触禁止です!!!!!」
    星南「そ、そんな!?」

    二週間後、干からびた状態の星南ちゃんが発見されたけどそれはまた別の話。

    それはともかく、思えば、燕ちゃんとはそれといった告白の言葉はなかった。
    だけど、時には……それでもいいかな、と思えるのだった。

    燕とリーリヤは恋人となった!

  • 131◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 01:06:07

    お疲れ様です、ちょこちょこ更新していきます。
    上手くいけば明日中に咲季編に入れます。一応ことねの妹=ことは編を挟むけどね

    というワケで良い夢を!

  • 132二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 08:22:03

    いよいよラスボスの御出座しかぁ………あれこれバトル漫画だったっけ?

  • 133◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 14:11:54

    【閑話休題 妹は突然に】
    学P「こんにちは」
    リーリヤ「あ、センパイ、こんにちは」
    学P「がんばっているようですね。リーリヤさんの霊力が著しくあがっています」
    学P「その結果、13人という最初の話は撤回されました」
    リーリヤ「えっ」
    学P「ですが大丈夫でしょう、葛城さんであれば13人以上でも……それこそ100人であっても、幸せにしてくれますから」

    ----
    一方そのころ。ことね宅。
    ※以下ことね妹を「ことは」とします。他箱の田中さんとは関係ありません。

    ことは「お姉~」
    ことね「ナンダヨー」ジュースを飲んでいる
    ことは「リーリヤちゃんを紹介してほしいんだけど」
    ことね「ぶーっ!」
    ことは「きったな」

    顔を洗った後……。

    ことね「お前は何を言ってんだ?」
    ことは「何回か遊びに来てくれてるじゃん?最初は一目ぼれだったんだけど、たまに話すと楽しくって」
    ことは「惚れちゃいました」
    ことね「あたしの彼女なんだけど?」
    ことは「複数人いる中の一人にしてほしいナーって」
    ことね「えぇ……」

  • 134◆je8PYTqP5Ydc25/08/18(月) 19:25:42

    ことね「ということなんだけど……」
    リーリヤ「そうなんだ」
    リーリヤ「……ことねちゃんは嫌じゃない?大切な家族だから」
    ことね「あたしは別に……ただあいつばっかり構うと、その、妬いちゃうけど」
    リーリヤ「そんなことはしないよ」チュッ
    ことね「も~♡しゅき~♡」
    ことね「あいつ、ちょー猫被るだろうけど、騙されないようにナー」
    ----
    週末。
    ことは「こ、こんにちは……!」
    リーリヤ「こんにちは、ことはちゃん。今日は――」

    ビビーーーン!!!!!

    ことは「!」リーリヤ「!」
    リーリヤ(センパイが言ってたけど、まさかことはちゃんにも反応があるとは……)
    ことは「きょ、今日のデートは、よろしくお願いしますっ!」
    リーリヤ「うん、よろしくね」

    ことはちゃんはとても緊張しているようだ。
    そっと、私が手を差し出すと……少し遅れてことはちゃんは握り返してくれた!
    とっても和むなぁ……

    物陰にて。
    ことね「うう、ついてきてしまった……」
    星南「ことねに呼び出されたと思ったらそういうことだったのね……相変わらずことはちゃん、可愛いわね」
    ことね「それはありがとうございますけどぉ……」

    ことねは複雑な気持ちだった!

  • 135二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 00:46:30

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 07:47:25

    保守

  • 137◆je8PYTqP5Ydc25/08/19(火) 09:35:21

    おしゃれなカフェ。

    ことは「それでお姉が……ちびたちが……」
    リーリヤ「うんうん」
    ことは「はっ……ごめんなさい、またお姉たちの話を……」
    リーリヤ「いいんだよ」
    リーリヤ「少し前、ことねちゃんは言ってくれたんだよ。その人を知るには、その人の周りの話をしっかり聞くことだって」
    ことは「お姉が……」
    リーリヤ「だからことはちゃんのことをもっと知りたいな」
    ことは「うゆ……///」

    ----
    カフェの少し離れた席にて。

    ことね「妹が……女の顔をしている……」
    星南「ことねにそっくりね」
    ことね「そんなに似てます?」
    星南「食べちゃいたいくらいには」
    ことね「食べないでください」

  • 138二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 17:48:54

    夕保守

  • 139二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 00:36:40

    ほしゅ

  • 140◆je8PYTqP5Ydc25/08/20(水) 05:05:49

    あの後、カラオケやゲームセンターを巡った。
    ことはちゃんは楽しんでくれただろうか?
    もっと、ロマンチックな場所を選べたらいいんだけど……。

    そう考えていると、時間の経過は早い。流石にまだことはちゃんは小さいため、門限がある。
    日暮れごろ、まだ学生が往来を行く時間帯だ。
    私とことはちゃんは手を繋ぎながら、せめてもの抵抗みたいに、ゆっくりと歩いていた。

    ことは「言うか、悩んでいたんです」
    ことは「でもやっぱり、言わないで後悔したくないんです」
    リーリヤ「…………」
    ことは「私、リーリヤちゃんが……好きです」
    リーリヤ「ことはちゃん」
    リーリヤ「私もことはちゃんの一生懸命なところ、とっても大好きだよ」
    リーリヤ「私、知っていると思うけど……」
    ことは「構いません!好きな気持ちは……止められませんから」

    ----
    星南「ねぇ、ことね。気になったことを言っていいかしら」
    ことね「……いいですよ」ドヨーン
    星南(妹と同じ人と付き合うのは流石に凹むようね……)
    星南「あなたの妹さん、ことねよりも恋愛強者じゃない……?」
    ことね「薄々そんな気はしてましたが……どこで差がついたんだー!?」

    ことねは数週間悩み続けたのだった

  • 141二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 13:11:04

    保守

  • 142◆je8PYTqP5Ydc25/08/20(水) 18:02:54

    【咲季編】

    莉波「ことはちゃん、とっても可愛いね」ナデナデ
    佑芽「妹ができたみたい!」ナデナデ
    千奈「とってもきゅーとですわ~!」ナデナデ
    ことは「え、えへへ、は、恥ずかしいですよ」

    絶賛ことはちゃんは可愛がられていた!

    ことね「…………」ムスー
    手毬「あ、ことねが拗ねてる」
    ことね「拗ねてないしー」
    麻央「実の姉妹だと無理もないとは思うけど……」
    リーリヤ「あはは……」

    そのとき、リーリヤの目の前に矢が刺さった!

    全員「「!?」」
    リーリヤ「これは……やぶみ!?」

    そこにはなんと『果たし状』と記されていた!

  • 143二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:45:35

    ほしゅ

  • 144◆je8PYTqP5Ydc25/08/21(木) 01:09:42

    『果たし状よ!
    葛城リーリヤ!貴女の最近の行動は目に余るわ!
    だから勝負をしなさい!
    内容はなんでもいいわ、五番勝負!
    負けたら佑芽を返してもらうわよ!』

    佑芽「え゛~~~!お姉ちゃんからの果たし状!?」
    リーリヤ「どうしたものか……」
    千奈「やるからには派手にいきましょう!まずは会場ですが……」

    千奈ちゃんが言うには……なんと倉本家に持て余している大きな土地があるようで……。
    私もよくわからないままとんとんと話が進むと……数日後にはなんと巨大なドームが完成していた!

    ことね「あたしもリーリヤちゃんも理解できなかったけれど……こんなことありえるのか~!?」
    ことは「千奈ちゃんって……すごいんだね……」
    リーリヤ「ど、どうしよう……」
    千奈「葛城ドームの完成ですわ!」
    リーリヤ「その名前は恥ずかしいかなぁ……」

    清夏「でもどうせやるなら派手にやろう!あたし、応援団やるよ!」
    麻央「それはいいね、ボクも参加しよう」

  • 145◆je8PYTqP5Ydc25/08/21(木) 01:25:19

    星南「なら大々的で学園で宣伝しましょう!」
    燕「うむ、そうだな。次期一番星候補と名高い二人の頂上対決となれば、多くの注目を集めるだろうな」
    莉波「ならお姉ちゃんはお弁当を作ろうかな!一日仕事になると思うからね」

    とんでもないことになった……。

    手毬「咲季は強いよ、だからこれくらい準備しなければ失礼」
    燐羽「そうね。Pもつけずに、次期一番星候補になっている……強敵ね」
    美鈴「このドーム、VIP席はソファなんですね。よく眠れそうです」( ˘ω˘)スヤァ

    広「当日の音響、電気関係は任せて。ドローンも、使おう」ドヤッ
    リーリヤ「事態がどんどん大きく……」

    十人十色の反応を示す中、一人、神妙な表情を浮かべた佑芽ちゃんが離しかけてきた。

    リーリヤ「どうしたの?」
    佑芽「あたし、ずっとお姉ちゃんに勝つために頑張ってきた。リーリヤちゃんと一緒に……」
    佑芽「だからお願い」
    佑芽「あたしが最初になれないのは残念だけど、お姉ちゃんを倒してほしい」
    リーリヤ「…………」
    佑芽「今、お姉ちゃんは独りぼっちだと思うから……」
    リーリヤ「任せて」

    私は、佑芽ちゃんの手を握る。

    清夏「それで勝負内容はどうしよう?好きにしていいって、咲季っち大きく出たね」
    リーリヤ「ここはフェアにいきたい。だから……」」

    五番勝負の内容は皆に決めてもらうことにした。当然、内容は私も当日までわからない。
    これで正々堂々戦えるだろう。

  • 146二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 08:43:02

    あさほしゅ

  • 147二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 11:29:47

    アイドル勝負、ゲーム関係、後はタイマンで出来る運動は有りそうとして他何の勝負が選ばれるだろうか…料理関係も行けるかこの二人なら?

  • 148◆je8PYTqP5Ydc25/08/21(木) 15:54:54

    こんにちは、異常葛城愛者です。

    勝負内容安価にするか悩んでます
    よければ意見くださいな

  • 149二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 16:18:32

    倉本コーポレーションの最新技術を使った遊○王バトル

  • 150◆je8PYTqP5Ydc25/08/21(木) 23:52:31

    あくる朝。
    できた通称倉本ドーム前をランニングしていた。

    咲季「葛城リーリヤ」
    リーリヤ「その声は……」フリカエリーリヤ

    ビビーーーン!!!

    今回ばかりは、この感覚があると……私は思っていた。最後は咲季ちゃん、そんな気がしていた。

    咲季「話し合うには、遅すぎたかもしれないわね」
    リーリヤ「そうかもしれないね」
    咲季「今顔を見て思ったわ。私、きっと貴女のことが好きよ」
    リーリヤ「!」

    即決即断とは咲季ちゃんらしい。

    咲季「だけど、この関係に答えを出すのは」
    リーリヤ「うん、わかっている。決着がついてから」
    咲季「泣いても笑っても、どっちでも結論は変わらないわ。だからこそ」

    ピシっ、と指を刺して宣言する。

    咲季「勝つわ!」
    リーリヤ「……負けないよ」

    「勝つ」と「負けない」、それぞれの性格が現れた宣言だ。
    ……これは急ごしらえのトレーニングでどうにかなることではない。
    これまでの全てをぶつける戦いだ。
    言わば……愛の決戦なんだと思う。

  • 151◆je8PYTqP5Ydc25/08/21(木) 23:58:21

    そして決戦の日。

    清夏「リーリヤ、ちゃんと眠れた?」
    リーリヤ「うん、大丈夫だよ」
    ことね「緊張してるナー?」
    リーリヤ「ちょっと……だけどね」
    手毬「リーリヤは負けないよ。頑張ってきた」
    リーリヤ「……うん」

    戦いへの最後の道、そこに佑芽ちゃんがいた。
    すると、彼女は拳を突き出してきた。

    佑芽「すぅーっ……」
    佑芽「大好きなリーリヤちゃん!」
    リーリヤ「うん!」
    佑芽「任せたよ!」
    リーリヤ「任されました!」

    そうして、決戦が始まるのだった。

  • 152◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 01:01:08

    こんにちは、異常葛城愛者です。
    この五番勝負、オチは考えておりますが過程はなーんもまだ思いついてないので更新遅れますがよろしくお願いいたします。
    良い夢を!

  • 153二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 09:02:01

    hoshu

  • 154二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 16:44:56

    ほしゅ

  • 155二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 20:54:39

    おお…一体どうなるというのだろう
    楽しみなり〜

  • 156◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 22:06:21

    試合内容の発表は、ドームで一番目立つ電光掲示板に表示される。

    一つ目の試合は――『おもてなし』
    ……おもてなし?

    星南「ルールを説明するわ!!!!」

    リーリヤ「会長が直々……」咲季「説明するのね」
    星南「今回の開催に際して、うちと倉本家の料理人に料理を作らせたわ!」

    えっ、料理はもうできてるの?

    星南「それをゲストに配膳し、ゲストの希望にこたえる!総合的な満足度で勝負よ!」
    ことね「解説役の藤田ことねでーす」
    咲季「ちょっと!なんで料理は既に終わっているのよ!」
    ことね「お前が作ったら無条件でSSDになってその時点でリーリヤちゃんの勝ちになっちゃうからだろ」
    咲季「ぬわんですって!?」
    リーリヤ「咲季ちゃん落ち着いて……」

    てなわけで、私と咲季ちゃんは体を動かすものばかりと思って体操服に着替えたのにいきなりメイド服に着替えることとなった。

  • 157◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 22:49:29

    星南「今回ゲスト役にお願いしたのは、三人よ」
    星南「リーリヤに有利な子が一人、咲季に有利な子が一人。そして中立の立場の子が一人」
    ことね「その三人からの合計点数で勝敗が決まるってワケ」

    リーリヤ「ふむふむ……」咲季「なるほど」

    ことね「まずリーリヤちゃん陣営、これは正直激論でした」
    星南「決めるのにまず予選が起こったくらいよ。だけど、厳正なる審査の結果、清夏が選ばれたわ!」
    清夏「よろしく~」
    星南「咲季が清夏のおもてなしをしてもらうわ」
    星南「そして、咲季陣営は……」
    佑芽「わたしです!」

    佑芽ちゃんになるよね。陣営かどうかと言われればグレーゾーンだけど……。

    ことね「で、中立ポジにいてくれるのは~」
    手毬「お腹空いてるんだけど」
    ことね「手毬でぇ~す」
    ことね「……まぁ、食事十割の手毬には中立がちょうどいいよナー」

    ヤンヤヤンヤ……

    ことね「料理が出来次第開始でぇーす」

  • 158◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 23:48:35

    パーテーションで仕切られている。私と咲季ちゃんは互いに見えないようになっている。
    まずは向こうの陣営からはじまる。
    佑芽ちゃんだ。

    メイド……というか執事なのかな?
    作法なんてわからない。それこそ……アニメで見たような見様見真似しかできない。
    ……運ぶ段階になって思う。
    きっと、選ばれた人たちが求めているのは、一挙手一投足、丁寧な動きではない。
    求められているのは……全身全霊のおもてなし!私の知るメイドは……。

    リーリヤ「お帰りなさいませ!お嬢様!」
    佑芽「ふぇえっ!?り、リーリヤちゃん!?」
    リーリヤ「とーっても美味しいご飯ができあがっています!さぁ、どうぞ!」

    クロッシュを開くと、そこに入っていたのはオムライスだった!
    できたてで、まだ湯気がたっている!

    佑芽「わぁ!美味しそう!」
    リーリヤ「ですが、まだこの料理は完成していません」
    佑芽「そうなの?」
    リーリヤ「はい!だから最後の完成を、お手伝いしていいですか?」
    佑芽「うん!」

    さぁ……やるぞ……。

    リーリヤ「美味しくなーれ!萌え萌えキュン!」決めポーズ。

    ……会場が静まり返ったぞ。

  • 159◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 23:53:30

    これは……滑った、のかな……?
    違う!佑芽ちゃんは勿論のこと聴衆の皆が顔を真っ赤にして照れてる!なんか急に恥ずかしくなってきたよ……。

    佑芽「えええ、え、えっちだよ!」
    リーリヤ「え、えっちじゃないよぉ……」

    てなわけで、私の佑芽ちゃんへのおもてなしは終わった。

    次いで手毬ちゃん、清夏ちゃんの順だ。自分に自信を持って、同じパフォーマンスに徹底した。
    手毬ちゃんも言葉数こそ少ないけど顔を赤くしてたし、清夏ちゃんに至っては鼻血を出して倒れかけていた。
    成功だったと願おう。
    ----
    【咲季のターン】
    咲季「手毬!貴女の為に料理を用意したわ!」
    手毬「ふぅん、早くしてくれる?」
    咲季「勿論よ!って、料理はとんかつじゃない!カロリー高いわよ!」
    手毬「し、知らない!私はおもてなしされるだけだし!」
    咲季「衣剥してあげるわ!貸しなさい!」手毬「いやだ!!!!」

    ことね「あちゃー、咲季、おもてなしを勘違いしてるナー」
    星南「リーリヤのメイドカフェもちょっと違う気がするけど……結果としてユニークになったからヨシとしましょう」

  • 160◆je8PYTqP5Ydc25/08/22(金) 23:55:00

    困ったぞ、次スレまでに五番勝負が終わらない気がしてきた

    スレを跨ぎそうです。
    誠にごめんなさい

  • 161◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 02:14:40

    一回戦の判定に入る。

    清夏「うーーーん、やっぱときめいたのはリーリヤかな」
    手毬「美味しかったのはリーリヤの方」
    佑芽「難しいよぉ、だからお姉ちゃんとリーリヤちゃん、同じ点数かなー」

    というわけで、一回戦はなんとか勝てた!

    星南「一回戦から名勝負だったわね」
    ことね「二回戦はー、なんとスポーツ!」

    その言葉に、私の緊張は高まる。花海姉妹はスポーツが特に強いからね。

    ことね「その競技は抽選の結果……砲丸投げになりましたぁ」
    咲季「砲丸投げ?」
    リーリヤ「やったぁ!」
    咲季「えっ?」
    咲季「どういうこと……?」
    リーリヤ「私、砲丸投げ好きなんです!楽しみ!」ブンブン
    ※中の人ネタ

  • 162二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 11:38:44

    保守

  • 163二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 14:34:15

    リーリヤ「えーい!」ブンブン……パッ!

    記録は12m50!
    全国大会の女子中学生における最高記録が14m台なのでいい記録だと思う。


    麻央「一見するとスポーツ対決は咲季が圧倒的に有利に見えるよね」
    莉波「……砲丸投げを提案したのは麻央だよね?ならどうして……」
    燕「佑芽と一緒に日夜トレーニングしているからな……今のリーリヤは、花海咲季にも負けぬさ」
    麻央「それに……砲丸投げはリーリヤの得意な競技だからね」

    咲季「やるわよ!ええーい!」エゴッ

    美鈴「砲丸が落ちた場所は……」
    燐羽「だいたい同じね。その時点で驚愕だけど……」
    手毬「リーリヤが咲季に肉薄している、って考えた方がいいよ。ことスポーツにおいては、咲季はとても強いから」

    千奈「計測しますわ~!」
    広「ふふ、補助する」

    千奈ちゃんと広ちゃんがメジャーを持って咲季ちゃんの記録を確認する。
    落ちた場所はそう離れていなかったけど……。

    佑芽「わかったよー!お姉ちゃんの記録は……12m39!」
    咲季「な、なんですって!?」
    リーリヤ「やったぁ!」

  • 164二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 14:45:52

    二連続で勝ちを収められた。このまま……押し切りたい。

    三回戦は……。

    咲季「な、なんですって!?」
    リーリヤ「!」

    なんと格ゲー対決だ。

    ことね「勿論既存のゲームだとリーリヤちゃんが有利だよナー」
    星南「だから、今回は私と千奈の家で、新規の格ゲー……初星バトルロイヤルを作ったわ!」

    それはなんと……私たちをベースにした全く新しい格ゲーだった。
    格ゲーごとに操作性や戦略が変わるため……ニュートラルな状態で対決ができる。

    ことね「一時間だけ各々が試遊して、キャラを決めたり戦略を決めたりしてもらいまーす」
    星南「一時間後に決戦よ!」

    ----
    一時間。取れる時間はそうない。
    プレイアブルキャラは、私と咲季ちゃんを含めて13人。

    ことは「リーリヤちゃんは何をやってるの?」
    リーリヤ「キャラの調節かな」

    トレーニングモードで操作感やコンボを確認する。
    完成度の低いゲームなどでは無限コンボなどがある。それがあると勝負は不利になってしまう。
    が、普段から私のやってる作品を熟知していたのだろう……そういったわかりやすい粗はない。
    それに各キャラの性格が現れている。
    わかりやすい強キャラから……ピーキーな厨キャラまで。私が選んだのは……。

  • 165二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 14:53:11

    一時間後。

    私の選んだキャラは……燕ちゃんだ。
    理由はいろいろあるけれど、武器が竹刀なため中距離型だ。一方で、近距離性能はそこまで高くない。
    が、全体的に性能が平均して高い。コンボ同士の移行も滑らかだ。
    ……時間が許せばもう少し個性の強いキャラを狙いたかったけど、今はこれが最適解だろう。

    そして咲季ちゃんが選んだのは……広ちゃん!?
    恐らく全キャラで一番ピーキーなキャラだ。
    まず何よりも紙装甲が目立つ。一撃をもらった際の減りは一番大きい。
    が、最も近距離性能が高いキャラでもある。また、難度は高いがコンボが繋がれば……無法なまでにダメージが出せる。
    「攻撃をもらわなければ……勝てる」。
    言わば何事にも通じる理想論だが、その理想論を追求したキャラだ。


    ルールは格ゲー対決では比較的一般的な……10先勝負。
    ※ゲーミングお嬢様から引用。

    リーリヤ「……負けないぞ」

  • 166◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 15:00:10

    麻央「なっ……」
    ことね「嘘だろ……こ、こんなことが……こんなことが許されていいのか!?」
    リーリヤ「……っ」

    この勝負を制したのは、咲季ちゃんだった。
    最初の三連戦を制すことはできた。だが、その時点で咲季ちゃんは私の動きに適応し、追い上げてきた。

    莉波「リーリヤちゃんは格闘ゲームにおいて咲季ちゃんよりも上だったはずじゃ……」
    麻央「……咲季の適応能力は、高かった」
    燕「さしづめ、八握剣異戒神将――咲季」ツヤツヤ
    星南「自キャラを選ばれてウキウキしてるわね、燕」
    燕「う、うるさい!」
    燕「……だが、恐らく……敗因はリーリヤが一番理解していると思う」

    敗因は幾つかある。
    だが間違いなく言えるのは、私は「安牌」を選んだことによる敗北。
    時間的制限、そして先の二勝に甘んじて……冒険をしなかった。普段の私なら、もっと厨キャラを選んでいた。
    立場は同じだった。いや、むしろ経験値的に新しいゲームだとしても私の方が優位だった。
    そんな中で咲季ちゃんは……敗北を恐れずに理想のキャラで挑んだ。

    清夏「リーリヤ……」
    リーリヤ「……ゲーマー失格だね」

    甘んじた方が、妥協した方が死ぬ世界だ。
    それをわかっていて……ミスをしたのは、私だ。
    言わば確約された敗北だった。

  • 167◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 15:25:57

    四戦目……であるが、先の格ゲー敗北が響いたか、咲季ちゃんが勝利した。
    結果として最終戦まで流れ込んだ。

    清夏「リーリヤ、少し休憩しよ?」
    リーリヤ「大丈夫だよ」水を飲む。
    星南「駄目よ。休みなさい……」
    リーリヤ「だけど……!」
    星南「勘違いしないでほしいことがあるの」
    リーリヤ「?」
    星南「私たちは誰一人と……咲季との勝敗がどうであろうと、好きである気持ちは変わらないわよ」
    リーリヤ「…………」
    星南「だから……私たちの言えることはひとつよ。楽しむことを、忘れないで」

    その言葉ではっとして、私は一度自分の頬を自分で叩く。

    リーリヤ「大切なことを忘れていたよ」
    リーリヤ「ありがとう、みんな」
    清夏「リーリヤのことは皆よくわかってるよ、大好きだからね」チュッ
    ことね「あ、ずるーい!みんなを心配させたから、リーリヤちゃんにはここで全員にペナルティキッスを要求しまーす!」
    リーリヤ「あはは、まいったなぁ、みんな、おいで」
    全員「「「うん♡」」」

  • 168◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 15:46:14

    咲季「いい表情をするようになったわね、流石私の好敵手」
    リーリヤ「勿論だよ。失礼な戦いは、できない」
    咲季「いいわね」
    リーリヤ「咲季ちゃん、お願いがあるんだけど……」
    咲季「何かしら?」
    リーリヤ「キスしてほしい!!!!」
    咲季「はっ!?な、なにを言っているの!?」

    咲季ちゃんは鳩が豆鉄砲を食ったような顔で驚いた。

    リーリヤ「前に言っていたよね」
    リーリヤ「勝敗に関係なく、私が好きだって」
    リーリヤ「だから、しよ?」
    咲季「リーリヤって……」
    リーリヤ「?」
    咲季「奥手だと思っていたのに、案外強気なのね」
    リーリヤ「!」
    咲季「いいわ、そういうところも好きよ。お姉ちゃんのキス、してあげるわ」

    チュッ――と静かな音が響く。
    咲季ちゃんらしい、力強く私を引っ張ってくれるようなキスだった。

  • 169◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 16:08:28

    正真正銘、最後の戦いだ。
    五番目の勝負は……なんだろう?

    勝負内容は――『借り物競争』?

    星南「一度っきりの勝負よ。最終決戦にはちょうどいいわね」
    ことね「恨みっこなしだぞ~!」
    ことね「せっかくだからコメントもらおうかな」
    ことね「咲季~!」

    咲季「最後まで正々堂々よ!」
    ことね「咲季らしいナ~!んじゃ、リーリヤちゃん!」
    リーリヤ「同じだよ。私の愛が、誰よりも強いことを証明するんだ」

    ワー!リーリヤカッコイイー!!!

    咲季「とんだアウェイね」
    咲季「でもだからこそ戦う価値があるってことね」

    そして、よーいドンと共に私と咲季ちゃんは走る。

    テーマは一緒だ。
    『大好きな人』。
    みんならしい選択肢だ。

  • 170◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 16:14:55

    同時に、一緒の場所を目指す。

    佑芽「うえっ、えっ、ええええええ!?」

    私と咲季ちゃん、速度は変わらない。
    同着で……佑芽ちゃんの元へ辿り着く。

    咲季「私の大好きな人は、他でもない佑芽よ!」
    佑芽「うえへへ、嬉しいなぁ」
    リーリヤ「…………」
    佑芽「あっ、でも……待って!」
    佑芽「私が着いていった方が……勝ちってことになっちゃうの!?」

    そうなってしまうのだ。

    千奈「こ、この展開は……」
    広「あり得た可能性。だけど、この戦いまでに決着がつく可能性があったからこそ……」
    美鈴「目を背けていた問題ですね」
    リーリヤ「…………」

    燐羽「……これは酷な話よ。家族の愛に、恋人への愛。それに優劣を付けろっていうの?」

    佑芽「ど、どうすればいいかわかんないよ~!」

    星南「こ、これは困ったわ……」
    ことね「ど、どうしましょ~、これは今からお題を変えた方が……」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    リーリヤ「…………」

  • 171◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 16:20:49

    リーリヤ「…………違うよ」
    咲季「リーリヤ?」
    佑芽「リーリヤちゃん?」
    リーリヤ「この戦いは、誰かが喜んで、でも誰かが悲しむ……そんな理不尽な戦いじゃないんだよ」
    リーリヤ「みんなで一生懸命挑んで、みんなで力の限り応援して……」
    リーリヤ「その果てに、お互いを理解し合うための戦いなんだ」
    咲季「…………」
    リーリヤ「だから私は、選ぶなんて真似はしないよ」
    咲季「それはつまり……佑芽を譲るってこと?」
    リーリヤ「それも違うよ」

    佑芽ちゃんも離さないし、咲季ちゃんも離さない。勿論、みんなもそうだ。

    リーリヤ「だから私の答えは……決まってます」
    咲季「聞かせてもらおうかしら」
    リーリヤ「はい」

    すぅーっと息を吸ってから叫ぶ。

    リーリヤ「みんなー!!!集合ーーーー!!!!」
    咲季「なるほど……そうきたか!」

    そう叫ぶと、今までできた繋がり、全員が私の周りに集まってくれる。

    咲季「そうすれば、佑芽もそっちにつきやすいってことかしら?」
    リーリヤ「ううん、それも違う」

    そう言って、私は咲季ちゃんにも手を差し出す。

    リーリヤ「全員で、一緒にゴールするんだよ」

  • 172◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 16:30:21

    それは……予想していなかった一手。
    ルールの抜け穴かもしれないが――考えられる最善手。
    それを聞いた咲季ちゃんは……元気に笑った。

    咲季「あははははは!」
    佑芽「お姉ちゃん……?」
    咲季「これは間違いなく、私の完敗よ」

    そして咲季ちゃんは私の手を握る。
    そうして、ゴールラインの前に皆で横並びになる。

    星南「……なるほどね」
    燕「星南?」
    星南「一番星になったとき、頂点は一人だと考えていたの」
    星南「だけど……リーリヤはその固定観念を、潰してみせた」
    燕「――ああ、そうだな。リーリヤは……強い子だ。だからこそ、惚れたのだがな」
    星南「変わるわよ、これからのアイドルは」

    リーリヤ「みんなー!準備はいいですかー!」
    全員「はーい!」
    リーリヤ「いくよー!せーの……」
    全員「「「ゴール!!!!」」」

  • 173◆je8PYTqP5Ydc25/08/23(土) 16:32:19

    こんにちは、異常葛城愛者です。

    なんとかこのスレの内に五番勝負、もとい咲季編を終わらせることができました。
    この「みんなでゴール」エンドが描きたかったから企画したイベントです。

    てなわけで、全員揃いました。
    以前も話しましたがここからが本編です。とはいえ、このスレも完走が近いので、次スレが「final」になります。
    今後ともよろしくお願いいたします

  • 174二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:47:40

    これ本当にふたなリーリヤと同じ人が書いてるの?

  • 175二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 01:06:28

    ほしゅ

  • 176二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 01:08:15

    【閑話休題 キス祭り】
    清夏「ちょ、リーリヤ?」チュッ
    清夏「ど、どうしたの?」チュッチュ
    リーリヤ「キスがしたいから……」

    リーリヤにもそういう日はあるのだ!

    清夏「もうリーリヤ可愛すぎ~!」チュチュチュチュチュ……
    リーリヤ「えっへへ~……」
    ----
    翌朝。

    星南「話は聞いたわ!」

    屋上の家に呼ばれたら、逃げ場をまるで奪うかのように全員に円形に囲まれた!

    咲季「聞いたわよ!」
    燕「キスしてほしいんだとな」
    ことは「だからいっぱいします!」
    燐羽「覚悟なさい」
    リーリヤ「ふええ……」

    チュッ……
    チュッチュッ……
    チュッチュッチュッチュッ……

    チュチュチュチュチュチュチュチュチュチュチュチュチュチュチュ……

    リーリヤ「た、たすけてぇ……」
    清夏「無理だと思うなぁ、みんな普段からしたがってたし」

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