- 11/2425/08/07(木) 22:51:34
胡蝶「これ自体はまあ、定期的なやり取りなので、担当地区の情報やご自身の近況の報告が主でした」
胡蝶「私の体調も心配してくださってました」
胡蝶「…………彼女の明るさに、きっと私も救われているのでしょうね……」
胡蝶「ｵﾎﾝ。それはさておき、中には恋愛相談まで詳らかにされてまして、」
胡蝶「いえ、わかってます。言われずとも、この様な内容を他人に話すのは無粋の極みです。わかってますとも」
胡蝶「しかし……、“伊ぐｒ” ｺﾞﾎﾝｺﾞﾎﾝ、“あの方を見るとキュン♡となってドキドキしちゃって！目が合うと熱くなっちゃって！最近は夢にも出てききちゃうの！”
……と、情熱的にしたためられた可愛い手紙だったのに、」
胡蝶「私が“心拍数や血圧が上がった時の対処法、脳における記憶と神経系の反射行動についてと、安眠方法”の回答を送ると……」
胡蝶「…………、 “貴紙、拝読しました。之を有り難きと存じ、参考にすべく心得ます。”
などと返信されました……それはもう達筆に」
胡蝶「さすがにこうもなれば、『あれ？私、なにか間違えたかな？』と思い至ります」
胡蝶「私は、甘露寺さんを応援したいし、力になってあげたい」
胡蝶「やり方を間違えたのであれば、これまでとは違う切り口が必要……ですが、男女のこととなると、私一人では限界があります」
胡蝶「なので案を出してください」
冨岡「なんで？」 - 22/2425/08/07(木) 22:52:39
～ 某年某月某日、蝶屋敷 ～
胡蝶「冨岡さん……、貴方は甘露寺さんのことはどうでもいいと？」ｼﾞﾛｯ
冨岡「違う。胡蝶、なぜ俺なんだ？」
胡蝶「えっ、なぜ」
冨岡「えっ、なんで？」
胡蝶「なんでってなぜ」
冨岡「なぜってなんで？？」
胡蝶「え？」
冨岡「え？？？」 - 33/2425/08/07(木) 22:54:02
胡蝶「私は女です」
冨岡「ああ」
胡蝶「男女のことを知ろうとしても、私一人では女のことしかわからないじゃないですか」
冨岡「ああ」
胡蝶「で、冨岡さんは男です」
冨岡「ああ」
胡蝶「なら、男のことはわかりますね？」
冨岡「ああ……」
胡蝶「つまり私たち二人いれば、男と女のことがわかるじゃないですか」
冨岡「ああ……？」
胡蝶「だからです」
冨岡「…………」 - 44/2425/08/07(木) 22:55:04
.
冨岡「なるほど」ｳﾝ
胡蝶「でしょう？」ﾄﾞﾔｧ
――二人は天然だった。
.
- 5二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 22:55:28
アホしかいない……
- 65/2425/08/07(木) 22:56:09
冨岡「では、どうする？」
胡蝶「そうですね……とりあえず、ひとつずつ検証しましょう。まず“胸がキュン♡”ですが」
冨岡「“キュン♡”とはどういう症状なんだ」
胡蝶「こう……胸を、“キュン♡”と締め付けられるというか」
冨岡「“キュン♡”は縛られることなのか」
胡蝶「そうではなくて、“キュン♡”と撃ち抜かれるような感覚というか」
冨岡「“キュン♡”は飛び道具なのか」
胡蝶「そうではなくて、“キュン♡”と押し付けられるというか」
冨岡「“キュン♡”は打撃なのか」
胡蝶「そうではなくて……」 - 7二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 22:58:06
天然vsド天然か？
- 86/2425/08/07(木) 22:58:22
.
――このとき艶(ｴﾝ)は、胡蝶しのぶの鎹鴉は、こう思った。
「ツッコミがいない」
……と。
. - 9二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 22:58:44
まず甘露寺さん語を標準語に直す行程を挟まんとなにも進まんなこれ。
……今それをやってんのか。 - 107/2425/08/07(木) 22:59:59
胡蝶「外傷ではなく、心と感情の問題です。なにか、そういう、苦しくなるというか……」
冨岡「……つらい記憶を思い出したとき、自分の無力さを思い知ったとき。そういうときに、胸が苦しくなることは、ある……」
胡蝶「……ええ、私もです」
冨岡「そうか……」ﾁﾗｯ
胡蝶「はい……」ﾁﾗｯ
冨岡 ﾊｯ
胡蝶 ﾊｯ
「「 …………………… 」」
胡蝶「……ｵﾎﾝ、あまり関係なさそうですね」ｳﾝ
冨岡「そうだな」ｳﾝ - 118/2425/08/07(木) 23:02:49
冨岡「次は、“ドキドキ”しちゃって……？これは、動悸のことか……？」
胡蝶「心拍数が上がるということでしょうね……」
冨岡「緊急事態……あるいは、恐怖……？」
胡蝶「……冨岡さん、こんな話をご存じですか……？」
冨岡「？」
胡蝶「これは……昔……姉さん……姉から聞いた話なんですが……」ﾋｭ~ﾄﾞﾛﾛ~
冨岡「…………っ」ｿﾞｸｯ - 129/2425/08/07(木) 23:04:22
＞＞ 10分経過 ＞＞
胡蝶「そこで……お坊さんが振り返ると………！」
冨岡「…………」ｺﾞｸｯ
胡蝶「さっきまで琵琶を弾いていたはずの女が！客を殴り殺そうとする姿がーーっ！」ｸﾜｯ
冨岡「ひいいいいいいいいいいい！！」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ
胡蝶「……ドキドキしました？」
冨岡「してる……なるほどこれか」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ
胡蝶「ええ、おそらく。……、『ひいいいいい』って……」ﾌﾟﾌﾟｯ
冨岡 ﾑｯ
- 1310/2425/08/07(木) 23:06:28
胡蝶「ﾌﾟｯ……ｸｸｯ、あ、アハハハハハハ！ひ、『ひいいいいいい！！』って……！」ｹﾗｹﾗ
冨岡「…………」ﾑｩ
胡蝶「アハハハ、はあー……面白かった……！」ﾂﾔﾂﾔ
冨岡「…………胡蝶、」
胡蝶「ﾊｧ~……、はい？」 - 14二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:07:42
＞琵琶を弾いていたはずの女が！客を殴り殺そうとする姿
おい
おい
- 1511/2425/08/07(木) 23:10:15
冨岡「 ワ ッ ！ ！ ！」
胡蝶「ふぁっ！？！？」ﾋﾞｯｸｩ
冨岡「……驚いたか？」
胡蝶「……驚きました、っていうかそんな大声出せたんですね」ﾄﾞｷﾄﾞｷ
冨岡「ドキドキしているか？」
胡蝶「してます……なるほど、これですか」ﾊﾌｰ
冨岡 ﾑﾌﾌ
胡蝶 ｹﾞｼｯ
冨岡「……痛い」
- 1612/2425/08/07(木) 23:12:21
胡蝶「次は“目が合うと熱くなる”、ですね」
冨岡「見つめ合うのか」
胡蝶「そうですね、やってみましょう」
胡蝶 ｼﾞｰｯ
冨岡 ｼﾞｰｯ
胡蝶 ｼﾞｰｰｯ
冨岡 ｼﾞｰｰｯ
胡蝶 ｼﾞｰｰｰｯ
冨岡 ｼﾞｰｰｰｯ
胡蝶「……なにか変わりましたかね？」ﾊﾃ
冨岡「いや。少し喉が乾いた程度だ」
胡蝶「私も、少し手汗をかいた程度です」
冨岡「暑くなってきたからな」ｳﾝ
胡蝶「そうですね」ｳﾝ - 1713/2425/08/07(木) 23:14:29
冨岡「ただ見つめ合うだけではだめなのではないか」
胡蝶「ほう？」
冨岡「つまり、戦闘と同じだ」
胡蝶「……、戦闘に於いては対象の外観や行動を観察し分析することで次の一手を予測し行動する、ということですね」ﾌﾑ
冨岡「ああ」ｺｸ
胡蝶「それと同じで、こちらも相応の反応を起こすためには、そのきっかけとなる相手のことを注意深く観察しなければならない、と」ﾌﾑﾌﾑ
冨岡「ああ」ｺｸ
胡蝶「では、相手のことを分析しながら見つめ合うということで」ｳﾝ
冨岡「ああ」ｺｸ
胡蝶「私ばっかり喋ってるじゃないですか」ﾊｧ - 1814/2425/08/07(木) 23:18:17
胡蝶 ｼﾞｰｯ（分析……髪、ボッサボサですね。切ればいいのに）
冨岡 ｼﾞｰｯ（髪長い。髪飾り付いている）
胡蝶 ｼﾞｰｰｯ（さすがに悲鳴嶼さんや宇随さんほどではありませんが、この人も身体大きいんですよねぇ）
冨岡 ｼﾞｰｰｯ（体格は、俺よりは小さい）
胡蝶 ｼﾞｰｰｰｯ（……瞳、青みがかってるのかしら？）
冨岡 ｼﾞｰｰｰｯ（……目が大きい。藤色を帯びている）
胡蝶「…………なにか、変わりましたかね」
冨岡「……いや。ただ、一点を凝視したせいか、視野が朦朧とした」ｳｰﾝ
胡蝶「……私も、少し汗ばんだくらいですかね」ﾌﾑ
冨岡「暑いからな」ｳﾝ
胡蝶「ええ。日射病には気をつけてくださいね」ｳﾝ
冨岡「ああ」ｳﾝｳﾝ
- 1915/2425/08/07(木) 23:19:37
珠世「いわゆる熱中症の諸症状は、洋の東西を問わず古来より現れ、また文献にも記されておりますが、それらが日本に於いて『熱中症』という言葉で統一されたのは２０００年代に入ってからの事です」
愈史郎（医療の歴史を語る珠世様も美しい） - 2016/2425/08/07(木) 23:21:35
冨岡「そして、“夢に出る”……か。これは、実際に眠らなければ何とも言えない」ｳｰﾑ
胡蝶「そうですね……とはいえ、私たちがそれぞれ異なる状況で実験をしても意味がありませんよ？同じ条件で結果を比較しなければ……」ﾌｰﾑ
冨岡「そうなのか。では、」 - 2117/2425/08/07(木) 23:23:11
＼ ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ ／
栗花落「師範、ただいま戻りましｔ」
冨岡「胡蝶。一緒に寝よう」
栗花落「……！？」
胡蝶「そうですね、そうしましょう」
栗花落「！？！？」 - 22二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:24:23
なんかもうトンチキな結果になるのが目に見えているが、そこに至るまでの経緯を事細かに説明すれば甘露寺さんはきっと満足してくれるだろう。
- 2317/2425/08/07(木) 23:25:19
栗花落「……、……？？？？？」
胡蝶「あら？おかえりなさい、カナヲ」
冨岡 ﾍﾟｺﾘ
栗花落「えと、水柱様？師範？あの」
胡蝶「騒がせてごめんなさい。いま冨岡さんと、」ﾁﾗｯ
冨岡「ああ」 - 2419/2425/08/07(木) 23:27:08
胡蝶「男と女の関係について話していたの」
冨岡 ｳﾝ
栗花落「 」
.
- 25二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:28:55
SSスレ！鬼滅カテでは珍しいSSスレじゃないか！！ありがてぇありがてぇ……
- 2620/2425/08/07(木) 23:29:01
栗花落「 」
栗花落
栗花落 ﾊﾞﾀｰﾝ
冨岡「！？」ｷﾞｮｯ
胡蝶「カナヲ！？カナヲォォォォ！？！？」
カナヲー！
カナヲー……
カ……ー……
・
・
・ - 2721/2425/08/07(木) 23:30:57
～ 医務室 ～
栗花落「ぅ……？」
炭治郎「あ、目が覚めた！大丈夫！？」
栗花落「た、炭治郎？」ﾋﾞｸｯ
炭治郎「しのぶさんからカナヲが急に倒れたって聞いたんだ！良かったー！」ｷﾞｭｯ!
栗花落「そ、そう……ありがとう……」ｷｭﾝ
炭治郎「『日射病』？の恐れがあるって言ってた。熱が出ちゃうんだって。いまはどうかな？どれどれ」
ﾋﾟﾄｯ
栗花落「！？！？」ﾄﾞｷｯ!
炭治郎「うーん……」
- 2822/2425/08/07(木) 23:32:27
炭治郎（わ、わからない……！）ｱｾ
――炭治郎の基礎体温は、高かった。
栗花落「…っ……！…///」ﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷﾄﾞｷ
炭治郎「……あれ？顔、赤い！まだ休まなきゃだめだ！」ｶﾞｼｨ
栗花落「へっ、あ、」ﾄﾞｷ
炭治郎「大丈夫！しっかり休めば、すぐに良くなるよ！ね！」ﾆｶｰ
栗花落「ぁ、」
炭治郎 ﾆｯｶﾆｶｰ
栗花落「～～～～ッ！///」ﾎﾞﾌﾝ
- 2923/2425/08/07(木) 23:33:59
栗花落「 」
栗花落
栗花落 ﾊﾞﾀﾝ
炭治郎「あれ！？カナヲ！？カナヲー！？」 - 3024/2425/08/07(木) 23:37:03
胡蝶「カナヲは調子を崩したようです。顔が真っ赤で動悸が激しく汗の量も多くて……」
冨岡「そうか、暑いからな」
胡蝶「ええ。暑いですからね」
冨岡「俺も、動悸が激しくなった気がする」
胡蝶「私も、汗の量が増えた気がします」
冨岡「暑いからな」
胡蝶「暑いですからね」
「「 ………… 」」
「「 では、寝るか（寝ましょうか） 」」
～ ～ ～ ～
甘露寺「しのぶちゃんから聞いたんだけどね！伊黒さん！一緒に寝ましょう！！」ｷﾗｷﾗ
伊黒「 」
不死川「オイ……」
悲鳴嶼「ｷﾃﾙ……南無……」 - 3124/2425/08/07(木) 23:38:08
以上だ。
すまないね。
なんとなく義勇としのぶが仲良く話す的な話を書いてみたくなっただけなんだ。
私は好きにしたから、君たちも好きにしていいよ。 - 32二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:47:44
しのぶさんなんて話したんすか・・・？
- 33二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 00:05:55
乙
蛇よ、漢になるときが来たぞ - 34二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 00:33:20
ラスト気ぶり柱が健在でニコッとした
- 35二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 01:03:45
最後完全にR18の夜にしけこむ雰囲気じゃねーかお館様ぁ！
- 36二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 07:57:44
狙ってるとしか思えないスレ画ほんと好き
- 37二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 08:02:39
ド天然同士のやり取り面白かったよ乙
- 38二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 14:53:22
ちょうどぎゆしのを摂取したいと思ってたんだ
良SSをありがとう - 39二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 22:26:03
ぎゆしのはこのくらいのキテるのかキテないのかわからない距離感がすき
- 40二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 08:19:55
冨岡さんを天然呼ばわりしてるがしのぶさんも天然なんだよなぁ
しかもどちらも無自覚なうえ指摘されたら冨岡さんは「……？」だけどしのぶさんは自分は天然じゃないと怒るタイプ