- 1二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:10:54
- 2二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:11:38
猫ちゃん!
- 3二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:12:41
猫ちゃんからの手紙!
- 4二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:22:44
にゃーって言う声が!
- 5二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:22:51
猫ちゃん...
- 6二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:23:16
里親が見つかって良かったね...
- 7二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:24:03
猫ちゃん...
- 8二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:24:16
フラワーに手紙が届くかな?
- 9二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:24:50
ウララからなにか届きそう
- 10二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:24:58
来るか...
- 11二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 10:29:20
ニシノフラワーと猫ちゃんは永遠なんだよね...
- 12二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 11:39:12
ニシノフラワーは、ぼんやりと自室の文机に向かっていた。教科書とノートを開いているが、手は止まっている。トレーニングは休みだが、外出する気分にもならず、急ぐ必要もない宿題に、こうして朝から取りかかっているのだった。
例の保護区が閉鎖されてから、フラワーの気分は沈みがちだった。仕方のないことだということはわかっている。子猫たちにとっても、きちんと世話をして、家族として暮らしてくれる里親に迎えられた方が、幸せであるに違いない。しかし、どれだけ説明を尽くしたところで、心が納得するかどうかは話が別だ。理屈ではわかっていても、悲しいものは悲しいし、寂しいものは寂しいのである。
ふと、コンコン、とドアを叩く音がした。誰だろう、とフラワーは振り返る。背中合わせに、同じく文机に向かっていた、ミホノブルボンも同じことを考えたのだろう。二人は目が合い、ブルボンが先にフラワーを手で制した。彼女は立ち上がり、「はい」と小さく返事をしてからドアを開いた。
「おはようッ!」と、はつらつとした声がフラワーの耳に届いた。「休日に朝から失礼する」
その声を聞いて、フラワーも立ち上がらないわけにはいかなかった。──秋川やよい理事長が、直々に訪ねてきたとなれば、対応しないわけにはいかなかったからである。
「ああ、よかった」フラワーの顔を見て理事長は言う。「届け物があるから、受け取ってほしい」
理事長の右手は、いつもの扇子ではなく、一通の便箋と、古ぼけた鍵を掲げていた。 - 13二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 11:39:42
葉桜の緑が木々を彩る今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
急に手紙を送られて、きっと驚かれたことかと思います。しかしながら、ご学友であるハルウララさんとライスシャワーさんから、ニシノフラワーさんの元気がないとの相談を受けて、こうして手紙を書かせていただく決心をしました。無礼は承知しておりますが、どうかお許し下さい。
さて、ニシノフラワーさんの元気がない理由について、勝手ながら私に思い当たったのは、やはり子猫たちの存在でした。思えば、引き渡しの際に少しお話をしただけで、あなたがどのように子猫たちと過ごしてきたのか、あなたの口から聞くことはありませんでした。一月以上も面倒を見ていたのだそうですね。人づてに聞くだけで、子猫たちの生き生きとした姿を見るだけで、あなたの献身の日々がありありと思い浮かびます。ですから、今のあなたは、きっと寂しい思いをされているのではないでしょうか。
私に新しい家族を紹介して下さったあなたが、元気のないままでいるのは、私としても胸が痛むばかりです。私にできることは多くありません。そこで、ひとまず子猫たちの元気な姿を写真におさめ、あなたに送ろうと考えました。もし許されるならば、今後もこのように手紙のやり取りをさせていただきたく思うのですが、いかがでしょうか?
最後に、わたしの連絡先と住所を記載しておきます。いつでも遊びに来てください。あなたの「保護区」に負けないくらい、わが家も命を育む場所に、愛情に満ちた場所にするつもりです。
- 14二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 11:40:05
ニシノフラワーは、ぽろぽろと涙を流しながら、手紙を小さな腕で抱きしめた。
保護区に関わったすべての人たちが、今一度、空き教室に集まっていた。机を四つ繋げて、その上に写真をいっぱいに広げると、誰からでもなく思い出を語りはじめた。──この子はやんちゃで特に手を焼かされた、反対にこの子は大人しかった、のんびり屋はどこに行ってものんびり屋だ、人見知りだったはずなのに、里親さんの膝の上で丸まってる──そんなことを、口々に話した。話題は尽きず、保護区はかつての賑わいを取り戻したようだった。
「また、みんなと遊びに行こうよ」セイウンスカイは、フラワーの肩をそっと抱いた。「猫ちゃんたちもさ、あんなに元気に過ごしてるんだ。……次に会うとき、フラワーも元気いっぱいじゃなきゃ、ね」
「はい……はいっ」
フラワーは何度も、何度もうなずいた。その目には涙が浮かんでいたが、それは悲しみだけのものではない。子猫たちばかりではなく、フラワーもまた、門出を迎えていたのだ。大切なものと離ればなれになり、新しい生活を送ることになったのだという事実を、フラワーはようやく心から納得した。だからこの涙は、喜びと祝福の涙だった。
始まったものはいつか終わる。花が咲き、散っていくように。しかし、地面に落ちた花びらは、次に芽吹く命の養分になるだろう。終わったものから新しい始まりが生まれ、木々はより逞しく、花はより鮮やかに成長していく。
- 15二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 12:06:39
ssありがとう...過去作とかあります?
- 16二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 17:06:58
手紙来たんだね、よかった・・・
- 17二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 18:43:39
- 18二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 18:50:41
優しい世界はもっともっとやれ
- 19二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 00:44:52
ほんとに良かった...
- 20二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 12:26:19
里親さん達はたまにトレセン学園に猫を連れて来てくれるんだよね