【SS：ターボ・マーチャン　「記憶のかけら、いのちの返歌」】

1二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:03:29

【起】第1節：ツインターボと古い歌集 | Writening　空が、どこまでも、青い。　アスファルトを焼く陽射しがじりじりと音を立てて、世界ぜんぶが、大きな生き物みたいに、息をしている。　七月の匂いがする。でもほんのすこしだけ、風向きが変わった。夕立が…writening.net

2二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:05:35

【起】第2節：アストンマーチャンと心の標本 | Writening　アストンマーチャンは、この世界で起きるすべての一瞬を、かたちにして留めておきたい、と願う癖があった。　だから彼女は、たくさんの音や光で満ちている場所を、むしろ好んで訪れた。放課後のラウンジの…writening.net

3二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:06:54

【起】第3節：ふたつの歌と七夕の邂逅 | Writening　その日のターボは、なんだか身体がすごく軽かった。地面を蹴れば、そのまま空まで飛んでいけちゃいそうな、そんな感じ。　なんでかなって考えたけど、すぐにわかった。そうだ、今日は七夕だ。一年に一度だ…writening.net

4二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:09:01

【承】交換日記と秘密の手帳 | Writening　七夕の、あの不思議な夜に。たくさんの星が瞬く下でまた明日と約束をした。　たったそれだけのことを思い出すたび、ターボの足は、地面の歩き方をすこしだけ忘れてしまう。　一歩ごと、心がスキップしたが…writening.net

5二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:10:02

【転】第1節：青いノートと知らない涙 | Writening　夏が、秋へと姿を変えようとしていたある日のこと。アストンマーチャンは消えた。　海に溶けるように、朝霧が晴れるように、はじめから、そこに存在していなかったかのように。　彼女が使っていたベッド…writening.net

6二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:11:05

【転】第2節：幻肢痛の返歌（ラブレター） | Writening　その日からターボの世界は、一冊の青いノートを中心に回り始めた。　食事も、眠る時間も惜しかった。トレーニングが終わると、まっすぐ寮の部屋に帰り机にかじりつく。　ノートを開き、知らない誰かの、あ…writening.net

7二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:12:20

【結】これが、諦めないってことだ | Writening　　　青いノート最後のページに「ありがとう」書いたら海へ行くと決めてた　歌を読んだ瞬間、ターボの心臓は、どくん、と一度だけ、大きく鳴って、そして、しいん、と静まり返った。　ノートの最後のペー…writening.net

8二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:13:28

【余】つづく | Writening　どれくらいの時間、そうしていただろう。　灰色の海が、東の空からゆっくりと白み始めていた。　夜の闇が、朝の光にその場所を譲っていく。世界が、新しく生まれ変わろうとしている。　マーチャンは、腕…writening.net

9二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:14:41

長くなってしまったので、こんな投稿の形がOKなのかはわかりませんが
よければお読み頂ければうれしいです。

10二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:15:59

10保守

11二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 22:54:35

全話一括分です

記憶のかけら、いのちの返歌 | Writening【起】第1節：ツインターボと古い歌集　空が、どこまでも、青い。　アスファルトを焼く陽射しがじりじりと音を立てて、世界ぜんぶが、大きな生き物みたいに息をしている。　七月の匂いがする。でもほんの…writening.net

12二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 23:59:02

想いを形に残せるという事は素晴らしい！
マーチャンとターボの組み合わせも、意外性がありつつ短歌が上手く結びつけてくれました
感想に代えて最近詠んだ一首を

血は命　なりと云うなら　分かつ事は
一つを共に　持つと云えるか

>>13 >>19 >>21

13二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 05:28:50

>>12

ありがとうございます。ご自身で短歌を詠んでいる方にも見て頂けてうれしいです

まさにひとつを共に持つ二人のお話になりました

14二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 11:52:28

このレスは削除されています

15二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:43:17

感動した
確かに掲示板形式で投稿していくには向いてないボリュームかもだけど
多くの人に読まれてほしいな…

>>17

16二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 18:21:04

マーチャンとターボの短歌が交互に殴ってくるところ
デジタルが見たら死にそう

>>18

17二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:27:38

>>15

ありがとうございます。

広大なネットのなかで誰かひとりに読んでもらえるだけでじゅうぶんすごいことだし、ありがたいものです

広大なネットの海に流した瓶　たったひとりに届けば奇跡

18二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:33:03

>>16

デジタルさんにも短歌詠ませたくなってきたなあ……！

もう二度と会えないはずのふたりがね、隣の席でジュース飲んでる、沱。

19二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:51:10

>>12

急に短歌でレスすることを思いついたのと、

そもこの文語の歌をちゃんと解釈できてるかわからないし、口語で返歌することがありなのかもわからないのですが

血は川だよ　別々の川だよ　でもねぜったい海で会えるの

>>21

20二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 23:27:27

あなたの書く話がもっと読んでみたいんだけどpixivなどで活動はしていますか？

>>22

211225/08/10(日) 00:55:45

>>19

実は>>12には、命を共有するというのはロマンティックなだけではなく「血が命の本質ならば、個々の肉体も知性も『従』であり『主』である血に縛られている」とも見られる、という意味を潜ませていました

あなたの返歌の「海で会える」が、全ての魂が還ってはまた旅立つグレートスピリット(シャーマンキング)のようで実に腑に落ちます。血液は生物が活動範囲を広げるための「持ち運べる海」と言われていますからね(例えが古くてすみません……)

5点満点なら6点を付けたいアンサーでした！

>>23

22二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 01:20:56

>>20

まず、もっと読んでみたいと言って頂いてありがとうございます。

「あなたの話をもっと読みたいと請われたことがある」は

書く側にとって今後一生覚えているであろう体験です。本当にうれしいです。

pixivに過去の作品は置いてありますが、

1000～5000字ほどの、気まぐれに掲示板に書いていける、気楽なタイプの作品しかありません。

そして数も少ないです。

なので、今回のような話をもっと、と求めるなら期待に添えないと思います。

小説を書くというのも数年ぶりでしたし、

ひとつのタイトルとして、これだけの文章量を書いたのも生まれて初めてなのです。

またあたらしいものを書くかもしれませんが、

数日後に書き上がるか、また数年後に取り組み始めるか、それも気まぐれです。としか言えません。

それでもよろしければ。（pixivのアドレスの貼り方これでいいのかな）

acaciaの小説pixivwww.pixiv.net

もし過去を読んでくれたら笑ってね　へたくそな「好き」が詰まってるって

23二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 01:28:24

>>21

6点ありがとうございます。

海ということばがあなたに刺さったのなら、

それはきっとマーチャンからのアンサーだからです。

【SS：ターボ・マーチャン 「記憶のかけら、いのちの返歌」】

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