- 1二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:10:07
休日開けのトレーナー室。いつものように調子の良さそうなバクシンオーだったが、けれどもいつもよりちょっとだけ元気がない、例えるなら好調ではあるけど絶好調ではないみたいな、そんな感じがしたので理由を聴いてみたら、思ってもない答えが返ってきた。
「ハイッ、そうなんですトレーナーさん!実は昨日、精神を統一することで優等生の風格を磨こうと考え、座禅体験に参加したのですが!しかし、静かに…と言われ目を閉じ、じっとしていたところ、疲労感がすごく…。」
「なるほど、静かにしようとするのは難しいからな。」
「ハイッ、ですがトレーナーさん!周りの方は座禅によって楽になったと…!私は、まだまだということ、なんでしょうか…?」
ふむ、確かに静かにしてと言われたらバクシンオーは律儀にそれを守るだろう。けれどもそれだと、バクシンオーには逆効果だろうな。
「そうだな。多分、『静かにする』ことに集中しすぎたんじゃないか?」
「しかし、静かに…とお寺の方が。」
「うん、でも座禅の本当に重要なことはそこじゃないんだ。」
「何ですと!」
「よし、じゃあちょっとだけやってみようか。」
「ハイッ、よろしくお願いします!」 - 2二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:11:30
それから椅子を二脚出し、向かい合わせに置いて片方に座った。
「じゃあ、そこに座って。」
「ハイッ!」
「まずね、座禅の目的は精神統一ではないんだ。」
「何ですと?!」
「精神統一というのはただの結果だ。目的はそこに至る過程そのものなんだよ。」
「なるほど!!かてい!」
「ちょっと難しいか。まあ実践することが大事だから、実際にやってみようか。」
「ハイ!」
そう言って、真っ直ぐ見つめてくるバクシンオー。相変わらず大きな目だ。
「よし、まずは目蓋を下ろして。」
「ハイ!」
ちょっと眉間にシワが寄ってる。
「うん。じゃあ、今、何が聞こえてる?」
「ハイ!トレーナーさんの声です!」
「そうだね。他には?」
「他に?」
ここで、少し声を小さくする。
「そう、耳を澄ませてみて。」
「…廊下から声が聞こえます!」
「他には?」
「校庭からも!」
「そう。じゃあ今度はもっと近く。」
声をさらに小さくして囁く。 - 3二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:11:51
「近く?」
バクシンオーの声も少しだけ小さくなった。
「体からも、音が。」
「体??……あ!服の音、擦れるような音が聞こえます。」
「そうだね。まだある。」
「あと、…呼吸の音、…心臓の音。」
「そうだ。その音をよく聞いてみて。」
「はい……。」
囁き声のまま、次にうつる。
「次に、今、君がいる場所。」
「?…トレーナー室です。」
「そう、君の周囲に何があるのか、思い浮かべてみて。」
「周囲に…。」
「君に向かってくる音で、君に触れている空気で、感じるんだ。」
「感じる…。」
「そう。…この部屋の全てを。」
「全て…?……トレーナーさんのことも…?」
「そうだ。」
「……。」
いけたかな?ちょっと座禅とは違うが、まあこれも精神統一の一種だ。(就寝前とかにも使えるぞ。)バクシンオーの気分展開になったなら幸いだ。と、安心してため息を吐いた。
「………ッ。ちょっ、ちょわーー!!!!!!!」
「うわっ!!なんだ?!」
「駄目!!駄目ですトレーナーさん!!!」
「は?え?何が??」
「いや!もう!その…ば!バクシーーーーン!!!!!」
といって飛び出して行ってしまった。
「え?なんで?」
(後日この話をナイスネイチャとライスシャワーのトレーナーにしたら「うちの担当も不安定な時があるから参考にする」といっていた) - 4二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:50:48
バクシンオー視点
「よし、まずは目蓋を下ろして。」
「ハイ!」
ふむふむ、ここは同じですね!
「うん。じゃあ、今、何が聞こえてる?」
「ハイ!トレーナーさんの声です!」
「そうだね。他には?」
「他に?」
「そう、耳を澄ませてみて。」
言われてトレーナーさんじゃない音を探します。
「…廊下から声が聞こえます!」
多分生徒の声ですね!楽しそうです!
「他には?」
「校庭からも!」 - 5二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:51:11
「そう。じゃあ今度はもっと近く。」
「近く?」
どういうことでしょうか?!一番近くと言えばトレーナーさんですが…。
「体からも、音が。」
体?!トレーナーさんの体の音ということですか?
「体??……あ!服の音、擦れるような音が聞こえます。」
「そうだね。まだある。」
言われて耳をトレーナーさんにさらに傾けてみます。…あ!聞こえてきました!
「あと、…呼吸の音、…心臓の音。」
優等生ですから!耳もいいんです!
「そうだ。その音をよく聞いてみて。」
トレーナーさんの囁くような声。改めて聞くと、これが『いい声』というものでしょうか?
「はい……。」
さらに耳を澄ませます。トレーナーの息づかい、鼓動。ゆっくりしてますね。なんだか落ち着いてきました。
「次に、今、君がいる場所。」
「?…トレーナー室です。」
「そう、君の周囲に何があるのか、思い浮かべてみて。」
「周囲に…。」
周囲と言えば、トレーナーさんです。
「君に向かってくる音で、君に触れている空気で、感じるんだ。」
「感じる…。」
「そう。…この部屋の全てを。」
「全て…?……トレーナーさんのことも…?」
「そうだ。」
「……。」 - 6二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:51:42
トレーナーさんを感じる?
息づかいと、鼓動。
それから、温もり。
離れているはずなのに。
あっ、いま、ため息を、
息が暖かくて、
「………ッ。ちょっ、ちょわーー!!!!!!!」
「うわっ!!なんだ?!」
「駄目!!駄目ですトレーナーさん!!!」
「は?え?何が??」
「いや!もう!その…ば!バクシーーーーン!!!!!」 - 7二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 00:58:42
初めて書いたssになります
ちなみにトレーナーさんは男でも女でもいけるように一人称は入れないようにしました
あとトレーナーさんが言っていた「体の音」はバクシンオー自身の体のことです
主語大事!
読んで頂きありがとうございます - 8二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:00:30
- 9二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 01:03:45
貴重なバクシンオースレ助かる
- 10二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:39:49
座禅したくなってきた
- 11二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:43:49
バクシンオースレ助かる
- 12二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:47:22
なかなかないからなバクシンSS
- 13二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:48:27
みんな育てているだろうけど中々ないな確かに
- 14二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:49:58
トレーナーの言うとおりにトレーナーの音に意識を集中しすぎてバグったバクシンかわいい
これは羽化を待たれたら変な解釈しちゃうわ - 15二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:51:14
- 16二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:52:43
ありがとう、君のおかげで太陽を拝める人達がいることを知ってほしい
- 17二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 02:55:54
- 18二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 03:13:58
ありがとう…感謝
- 19二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 05:12:53
はーーーーー!
好き… - 20二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 09:22:44
感想ありがとう
バクシンオーは湿度が低いので、まずは上げないとなって考えたら音フェチバクシンオーになってました
また書いてこうと思うのでよろしく - 21二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 09:25:11
すき
- 22二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 12:41:06
直前的な描写は無いけどなんかエチなのいいよね…
- 23二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 12:42:34
勘違いして勝手にバクシンする描写自体はあるもんね...