【SS】ここだけイチカが闇落ちした世界線part2

  • 1◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 19:59:42

    ここだけイチカが色々あって闇落ちした世界線part2

  • 2◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:03:16

    前スレまでの闇落ちイチカ

    TTTを経た後の時系列
    トリニティのスケバン同士を抗争を止めたイチカ
    助けた相手にはあの時のハイランダーモブちゃんが!
    憶えて逃げられてしまったイチカは何かの糸が切れてしまい、正体を隠してヘルメット団を乗っ取り大暴れ!

    気が付いたら『ドラゴンマスク』なんて異名まで生えて、正実に名指しされるように!
    そんな中、後輩のマシロと戦闘開始!
    その際中に『ドラゴンマスク』の正体が自分だと知られてしまったイチカは正義実現委員会に退部届を残してブラックマーケットに!

    そこから数日、正実妥当を目指して戦力増強を続けてきたイチカ
    ある日、不良グループを襲撃してる最中に空から女の子が!
    その正体は正義実現委員会委員長のツルギ先輩だった!

    今、因縁の戦いが始まる!

  • 3二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 20:03:18

    たておつです

  • 4◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:04:42
  • 5◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:06:07
  • 6◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:07:36

    ※注意事項
    過度な曇らせ(殺し)とかはスレ主はメインで書きません!閲覧注意も書いてないからね!
    そこを期待してる方々は申し訳ありません!
    気が向けば別サイトで分岐ルートを書く気なのでそこまでお待ちください!

    また、大体スレ主のSSを毎日20時頃に投稿します!
    更新しない時は連絡しますのでお気を付けください!

  • 7◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:09:02

    というわけですので2スレ目でもよろしくお願いします!投稿してきます!

  • 8◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:10:39

    私は不良たちが蹂躙される光景を、何もせず、ただ見ていた
    予想外すぎて、呆然していたのもある
    けど、それ以上に、あの人が不良たちを蹂躙する光景
    それが、あまりにも圧巻で、美しく感じたからだ

    (ああ、そういうことっすか)
    私が、正義実現委員会を倒す…、否、ツルギ先輩を倒そうとしていた理由
    それは、あの人の振る舞いが、力が、持っているものが
    私の理想だったからだ
    自分を理解してくれる親友がいる、大好きな物がある、夢中になれるものがある
    それが、羨ましくて、眩しくて
    だからこそ…

  • 9◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:13:13

    「…それで、どうしたんですか?トリニティの正義実現委員会委員長さん」
    「ここは天下のブラックマーケットっすよ?あまり目立つと政治問題に…」
    「違う」
    一言、その一言に込められた圧に、私は次の言葉を紡ぐのを止める
    「今の私はトリニティの正義実現委員会委員長じゃない」
    よく見ると、ツルギ先輩は制服を着ていない
    「ただの”剣先ツルギ”として、お前を止めに来た、イチカ」
    ごくり、と生唾を飲む

    「そうっすか…、ならこちらも遠慮なく!」
    ツルギ先輩にも、私の『本気』は見せたことがない
    だから、勝機は0じゃない

  • 10◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:15:02

    あの人を倒す方法をいくつか考えていた
    一番可能性が高かったのが『圧倒的な物量での完封』
    いかに回復力が高いツルギ先輩でも、改造銃の雨なら削り切れるはず
    しかし、それはもう叶わない
    この場で取れる選択肢は1つしかない

    『長期戦で体力を削ったところで大きな一撃を加える』、手元には一つだけだが、手榴弾がある
    それをいかにして当てるか、それが勝負
    …1発をどう当てるか
    マシロの時と立場が完全に逆だな、なんて考える

  • 11◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:17:04

    ARを構え、銃弾を放つ
    ショットガンの間合いに入られると厳しいからこそ、相手の動きを阻害することを優先した弾道で
    それすらも見抜いているのか…
    お構いなしで、あの人は私に突進を仕掛けてきた

    「そう来るっすよね!」
    取り出したのは一つの拳銃
    マシロとの一戦、その時から近接戦用にサブウェポンを用意していた
    近距離用に、1発の威力を高めたもの
    密着して打つことを前提とした、打撃武器としての拳銃
    ここからは削り合いだ
    私がショットガンを受け倒れるか、あの人に先に手榴弾を押し付けられるかの勝負

  • 12◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:18:15

    「イヒヒ…!」
    あの人はいつもの笑い声をあげながら、銃弾を回避しこちらへと近づいてきた
    「楽しいか?イチカ!」
    「さあ、どうっすかね!」
    さっきまでの高揚が、熱が、一気に引いていく
    格上の圧に押されたせいか、はたまた後ろめたさ故か

    ともかく、今は時間を稼ぐ
    そうすれば司令塔ちゃんの援軍が…
    「ああ、そうだ」
    「”外”はハスミが制圧してるはずだ」
    と、思い出したかのようにツルギ先輩が呟き

  • 13◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:22:11

    「くっ…!」
    よく考えてみれば、当たり前だ
    この人が来てるということはハスミ先輩もいる
    ということは援軍は期待できないだろう
    「だったら一人で倒させてもらうっすよ!」
    「きひゃひゃ…!その意気だ…!」
    「だがどうした…?」
    「なんでそんなしかめっ面なんだ?」
    「それがお前のやりたいことなんだろう?」
    こちらに、ツルギ先輩が問いかけて来る

    「マシロからはそう聞いていたんだが、その割には笑顔の一つも見せねぇじゃねぇか」
    「…うるさい」
    「なぁ、イチカ、お前は自分から」
    「うるさい!!!」
    声を荒げ、その先の言葉を否定する

  • 14◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:24:57

    「あなたには分からない…!」
    ギリリ、と歯が擦れる音がする
    「私の思いは、絶対に…!」
    「全て持ってる、あなたには!!!」
    私は再びあの人の間合いへと近づく
    拳銃を鳩尾へと撃ち込み、そのままARの斉射を浴びせようとする、が…
    銃口は蹴り上げられたことにより、大きくそれる

    「…そうか」
    「だったら、無理やり連れ戻させてもらう」
    危険を感じた時にはもう遅かった
    「ギヒャハハハ!」
    ショットガンの一撃が、右肩に当たる
    「がっ」
    「まだだぁ…!次行くぞぉ!」
    そのまま繰り出される連撃
    私は対処しきれず、段々と回避できなくなっていく
    そして…

  • 15◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:27:14

    「………」
    やがて、動けなくなり膝をついた
    「終わりだ、イチカ」
    ショットガンが額に突きつけられる

    「…あはは、ここまでっすか」
    「…あの退部届は不備があった」
    「だから、まだ受理はしていない」
    「お前が、本当にやめたいなら受け入れてやる」
    「イチカ、これはお前が抱えているものを見抜けなかった私たちのミスだ」
    「戻ってこい、トリニティに」
    ツルギ先輩は、そう声を掛けてくれる

  • 16◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:29:38

    …だけど
    それでも、私は
    どうしようもない、『悪』なんっすよ
    「お断りっすよ」
    手榴弾のピンを抜き、手に抱える
    ツルギ先輩はそれを見て、弾き飛ばそうとするが………
    「さようならっす」
    そのまま手榴弾を握ったまま、右手であの人の腹を殴る

    その後、爆発音が鳴り響く
    「くっ…!」
    ツルギ先輩はそれでも倒れなかった
    だけど、隙が出来た

  • 17◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:31:26

    だから、私は全力で駆け出した
    なりふり構わず、全力で
    あの人から、逃げた

    「待て、イチカ………!」
    あの人が追いかけてこようとするがもう遅い
    私は、止めてあった一台のバイクに乗り込み、そのままブラックマーケットの奥へと走っていった

  • 18◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:33:45

    というわけで今日の更新はここまでです!明日で2章が終わります!(書き上げ済)
    同じく20時頃から更新予定です

  • 19◆PAotg1C8B0EC25/08/08(金) 20:39:27

    というわけでハスミもしっかりいました(前スレへのレスへの反応)
    あの子スナイパーだしということで外でヘルメット団と対峙してました

  • 20二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 01:59:16

    これヘルメット団ほぼ全滅してるだろ、、、ツルギも強すぎる

  • 21◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 07:25:29

    >>20

    前門のツルギ、後方のハスミですからねぇ…

  • 22二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 07:40:07

    思えばまだ正実以外の一般生徒に目立った被害出してないんだよな
    そこの一線を越えてしまうまではどこまでも手を伸ばしてくれるのかな…

  • 23◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 13:26:45

    TIPS:改造拳銃・ドラゴンクロウ
     命名・司令塔ちゃん
     イチカが近接戦用に持つようになった拳銃
     マシロとの戦闘で近接用の武器も欲しいと感じたらしい

  • 24二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 16:17:29

    イチカの暴走が本人の意志ではない真の『暴走』になろうとしてないか?

  • 25◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 18:46:16

    スレ主です
    今日も20時頃に更新を入れま~す
    なんか動画化されててびっくりです

  • 26◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 18:52:10

    それとそれに際してこちらのスクリプトを導入しました

    使い慣れてないが故不手際が起きる可能性がありますがよろしくお願いします

    また、荒らしに関しては”完全に無視”する方向性ですのでもし湧いてもスルーして下さるようお願いします。反応したレス含め全消しするのでお気を付けください


    ミュート機能導入部屋リンク & スクリプト一覧リンク | Writening  【寄生荒らし愚痴部屋リンク】  https://c.kuku.lu/pmv4nen8  スクリプト製作者様や、導入解説部屋と愚痴部屋オーナーとこのwritingまとめの作者が居ます  寄生荒らし被害のお問い合わせ下書きなども固…writening.net
  • 27◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 19:58:09

    それじゃあ投稿開始しまーす

  • 28◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:00:29

    ~Side:ツルギ~

    「クソがぁ!」
    ダメだった、抑えきれなかった

    イチカがあんなものを抱え続けていたことに、私は気が付けなかった
    そのせいで、思い詰めていることにすら気が付けなかった
    私は傲慢じゃない、だがそれでも大事な後輩のこんな悩みに、爆発するまで気が付かなかった
    それが悔しくて、悲しくて、恥ずかしい

  • 29◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:02:08

    「ツルギ!大丈夫ですか!」
    ハスミがこちらへ、一人の少女を担ぎながらやってくる
    「…大丈夫だ、すぐ治る」
    「だが、イチカを取り逃した………」
    「…そう、ですか」
    「分かりました、それなら彼女から話を聞きましょう」
    「…そいつは?」
    「ヘルメット団のリーダーだそうです、抵抗してきたので気絶させました」
    「…わかった」
    「落ち込まないでください、ツルギ、まだ機会はあります」
    「イチカはまだ致命的な犯罪には手を染めてません、扇動行為はしていますが、襲撃してるのも不良生徒や、違法組織」
    「まだ、間に合います」
    それを聞き、私は頷くことしかできなかった

    「…やっぱり、あいつは何か理由があって、自棄になってるだけだ」
    「だから、意地でも連れ戻す」
    「そう決めた」
    「…わかりました」
    「今日は戻りましょう、ツルギ、長居は良くありません」
    「………そうだな」

    満月も地平線に沈む頃
    その月と共に、私たちはブラックマーケットを後にした

  • 30◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:03:39

    ~Side:イチカ~
    「はぁ…はぁ…」
    右手が痛む、当たり前だ
    手榴弾がほぼ直撃したのだから
    それにショットガンを何発か受けて、ぼろぼろだ
    足と左腕が動くのは幸いだったが

    ヘルメット団のアジトへ戻る
    しかし…

  • 31◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:05:16

    恐怖の目で、こちらを見るヘルメット団員たち
    …ここでも、またか
    「司令塔ちゃんはどうしたっすか?」
    分かっていたことだ、気にすることじゃない

    「リーダーか…?」
    「リーダーはな、捕まっちまったよ!」
    1人の団員が叫び、瓶を投げて来る
    頭に衝撃が走り、ガラスの音が鳴り響く
    「あんたのせいだ…!」
    「あんたがこんな、余計なことをしたから私たちは目を付けられた…!」
    「そうだ!」
    同意の声が上がる
    「もう出てけ!出て行ってくれ!」
    その声と共に、あちらこちらから物を投げられる

  • 32◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:06:45

    「…はは、分かったっすよ」
    司令塔ちゃん、あなたが言ったこと、正解だったっすね
    静かに、諦めたかのように、言葉を紡ぐ
    「やっぱり、最初っから一人でやるべきだったんっすね」
    罵声が途絶え、物が飛んでこなくなる

    どうしたのかと思い彼女たちを見ると、蛇ににらまれた蛙のように、動きを止めていた
    「あー、安心していいっすよ、もう出てくっすから」
    荷物を手に取る、と言っても銃2丁に、仮面、適当な服に財布だけだが
    「今までお世話になったっす、残ってる資金は好きに使ってください」
    それだけ告げ、私はアジトだった場所から出ていく

  • 33◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:07:51

    ツルギ先輩に負け
    居場所も失い
    積み上げた全てを失い
    残ったのは『私』が一人

    「最初から、こうすればよかったんすよ」
    仲間を作ろうとしたのはなんでだったか
    やがてこうなるとわかっていたはずなのに

  • 34◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:09:08

    「なんだかんだ、愛着湧いてたんっすかねぇ」
    司令塔ちゃんの顔がちらつく
    彼女ときちんと話していれば、私を受け入れてくれたのだろうか

    だが、それらは全て幻だ
    もはやあり得ない未来だ
    私は、誰からも、どこからも受け入れられない『バケモノ』だ
    …だから、これからは一人で戦おう
    目的なんてもはや無いに
    それが、この『仮面』を被った理由なのだから

    2章、終わり

  • 35◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:11:02

    というわけで2章はおしまいです!ありがとうございました!

  • 36◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:13:47

    明日の更新ですが、3章プロットの練り直しがあるのと、昼頃から頭痛に苛まれていて筆が進んでない可能性が高いです
    その時は連絡します、申し訳ありません

  • 37◆PAotg1C8B0EC25/08/09(土) 20:15:00

    というわけで今後とも闇落ちイチカをよろしくお願いします!

  • 38二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 20:31:07

    イチカの衝動が恐れられてしまったから悪という道に走っただけで根底は「自分を認めてほしい・受け入れてほしい」って欲求が暴走してしまってるんかなこれ…

  • 39二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 23:14:12

    闇落ちイチカ...いい...

  • 40二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 01:12:32

    BNDエンドルートではここで「もう良いや」とヘルメット団を皆殺しにしてしまったのかな

  • 41◆PAotg1C8B0EC25/08/10(日) 02:46:12
  • 42二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 07:18:56

    >>40

    こっちのバージョンも見てみたい

  • 43二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 07:22:13

    >>41

    前スレの予想と照らし合わせると、先生を殺したら精神崩壊ルートなのかな

  • 44◆PAotg1C8B0EC25/08/10(日) 13:25:01

    >>43

    実はもう片方はあまり考えてないんですよね…

    気が向けばそっちにも何かしらのIf書くかもです

  • 45◆PAotg1C8B0EC25/08/10(日) 15:19:33

    今日の更新は3章に向けて練り直しをするためお休みです
    また明日20時頃に更新予定です

  • 46二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 20:31:33

    カスミとの絡みが楽しみ
    いとも容易くドラゴンマスクの正体を看破するんだろうな

  • 47二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 21:28:15

    先生との関係?みたいなのはどうなるんだろう

  • 48◆PAotg1C8B0EC25/08/10(日) 22:12:47

    >>47

    どういう形かは内緒ですが先生はきちんと出しますのでお楽しみに!

  • 49二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 00:33:09

    続き楽しみ

  • 50◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 02:36:47

    TIPS:イチカの戦闘スタイル
    ※スレ主の考察です
    推定されるものとしてイチカの戦闘スタイルは攻撃力と素早さ(回避)に振ったネルタイプだと考えています
    プラスで頭を回す平時の戦い方、というイメージです。これらを組み合わせて考えたものを採用しています。

  • 51二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 07:28:22

    おはようの保守っす~

  • 52◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 13:29:25

    今日は更新できます!
    20時頃に更新しますのでお楽しみに!!

  • 53◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 19:53:51

    それじゃあ3章、最終章です!更新初めて参ります!

  • 54◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 19:55:18

    3章までのあらすじ

    TTTを経た後の時系列
    トリニティのスケバン同士を抗争を止めたイチカ
    助けた相手にはあの時のハイランダーモブちゃんが!
    憶えて逃げられてしまったイチカは何かの糸が切れてしまい、正体を隠してヘルメット団を乗っ取り大暴れ!

    気が付いたら『ドラゴンマスク』なんて異名まで生えて、正実に名指しされるように!
    そんな中、後輩のマシロと戦闘開始
    その際中に『ドラゴンマスク』の正体が自分だと知られてしまったイチカは正義実現委員会に退部届を残してブラックマーケットに

    ブラックマーケットで活動を続けたイチカ
    しかし、連れ戻しにツルギとハスミがやってきて敗北してしまう
    何とか逃げ切ることには成功したが、ヘルメット団から追い払われて一人になってしまう
    彼女はこの果てに、一体どのような結末を迎えるのか

    最終章、始めてまいります

  • 55◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 19:56:27

    ~Side:イチカ~

    「出たぞ!ドラゴンマスクだ!」
    「お前ら迎撃態勢!」
    悲鳴の如き指示が飛ぶ中、私は歩みを進める

    「トリニティに戻ってきたと思ったらまた不良狩りかよ…!」
    「おい、来るぞ!」
    私は、左手にARを持ち、走り出す
    「あは、あはは!」
    相手は10人、だがこの程度は大したことはない
    「どうしたっすか~!この程度じゃつまらないんで、もうちょっと頑張ってくださいよ~」
    暴力による快楽が私を支配する
    悲鳴が、血が、私を満たしていく

  • 56◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 19:57:47

    「もっと、もっと…!」
    まだまだ、暴れ足りない
    だが、しかし…
    「あ~あ、全員くたばっちゃったっすね~」
    不良たちは気が付くと全員意識を失っていた
    「ま、ただの不良はこんなもんっすか」
    「伝説のスケバンとかいたら楽しそうなんっすけどねぇ…」
    そうぼやくと、何かが転がってくる

    「おっと?」
    それは、よく見ると…
    「…っ!」
    それを蹴飛ばし、目をつぶり耳を覆う
    しかし、その閃光と音は、私の目と耳を的確にくらませる

  • 57◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 19:59:34

    確か、閃光弾を愛用するのは…
    「自警団っすか」
    朧げな視界の中、白い影を補足する

    「ドラゴンマスク、今すぐ武器を捨て投降してください」
    (確か…守月スズミ、っすね)
    閃光弾を愛用することで有名な、自警団の人間
    私も何度か共闘したことがある
    ということは話せない、か 声でバレる
    …この期に及んで、まだ『私』をさらけ出して、暴れることを恐れているのか

  • 58◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 20:00:59

    そんな自分が嫌になる、だけどどうしてもをそれをやめる気にはならない
    仕方ないので、抵抗の意志ありと銃を構える
    「…抵抗しますか、それなら武力行使をさせていただきます」
    朧げな視界の中、銃口が向けられたのを察知し、壁に隠れる
    同時に、私が立っていた場所に銃弾の雨が降り注ぐ

    「隠れても無駄です!」
    からんころん、と先ほどと同じ閃光弾が転がってくる

    (…なるほど、これは厄介っすね)
    卓越した投擲技術と銃撃スキル
    これらの組み合わせで、逃げ道を封じられる
    だが、それなら…

  • 59◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 20:03:20

    閃光弾が弾けると同時に、私は壁から出て彼女の方向に走る
    閃光弾の弱点、それは『相手の視界も塞ぐこと』
    もちろんこちらの視界は潰れる、ただしその代わりに
    「なっ…!」
    間合いを一気に詰めることができる
    (これで、終わりっす!)
    近接用の拳銃を胴体へと放つ
    しかし…

    「まだです…!」
    体を逸らし、致命的な一撃をいなされる
    (トドメにならないっすか…!なら…!)
    彼女はそのまま私に銃を放ってくる
    「…っ!」
    思わず痛みに声が漏れる
    反射的に銃を蹴り上げ、そのまま銃床で頭を殴る

  • 60◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 20:05:04

    「がっ…!」
    その一撃で、彼女は意識を失った
    「いたた…、やられましたね…」
    「まあ不良たちよりは全然楽しめたっすよ、スズミさん」
    倒れた彼女を道端に寄せる

    「とりあえず、ここまで騒ぎになっちゃいましたし、逃げるっすか」
    痛む体を無理やり動かし、この場を離れる
    しばらくして、肌に冷たいものが落ちて来るのを感じる
    「…雨っすか」
    「…雨をしのげる場所、探さないとっすね」
    今の私は一人だ、服の変えも、雨宿りできる場所も持っていない

  • 61◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 20:06:28

    トリニティの裏路地を歩く
    雨に濡れた道が、独特の足音を鳴らす
    そこに…

    「どうしたんだい?そんなびしょ濡れになって」
    「なあお嬢ちゃん、いや、ドラゴンマスクと言った方がいいかな?」
    『同類』の声が聞こえる
    「…カスミっすか」
    目の前にいたのは、ゲヘナのテロリスト
    温泉開発部の部長、鬼怒川カスミだった

  • 62◆PAotg1C8B0EC25/08/11(月) 20:07:57

    というわけで本日はここまで!
    やっとカスミ出せた!!!(中の人の声)
    明日も20時頃に更新予定でーす!

  • 63二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:43:09

    このレスは削除されています

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 21:29:02

    カスミ、、、敵か味方かどっちになるか、、、

  • 65二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:41:52

    温泉掘るイチカもそれはそれで見てみたい
    …この世界線ではないんだろうけど
    誰かifとしてかいてくれ゛え!!

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 00:23:45

    このレスは削除されています

  • 67二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 00:29:20

    更新お疲れ様です
    イメージと合っているかは分かりませんが自分なりに解釈して描いてみました
    続きも楽しみにしています

  • 68◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 00:34:58

    >>67

    ものすごいイメージ通りです!

    自分が書いたSSにこうして絵を描いてくれる人が居るとすごく励みになります!

    素晴らしい絵をありがとうございます!

  • 69二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 03:33:05

    このレスは削除されています

  • 70◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 04:41:47

    >>69

    あ、これ次回投降分が分岐点のやつじゃねぇか!!!

    すいませんまた後で温泉開発部IFSSはあげ直します、申し訳ない!!!

  • 71◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 11:21:56

    TIPS:守月スズミ
    ※スレ主の考察
     イメージとしては準最強枠よりは弱いけど戦闘を主としない部活のメンバーよりは強いと考えている。
     閃光弾を巧みに使った初見殺しが上手な気がする

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 13:02:46

    追いついた!
    続き楽しみ!

  • 73◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:47:39

    それじゃあ今日の分の更新を始めます!

  • 74◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:48:43

    「なんでドラゴンマスクが私だと?」
    「なんでも何も、簡単なことさ」
    「背丈と戦闘スタイル、何よりも実力、それだけ聞けばおや?と思うさ」
    「安心したまえ、私以外は君のそれを知らないから気が付きはしまいよ」
    笑い声を上げながら、気安く彼女は話しかけてきた

    「ともあれ、どうやらイチカちゃんは今困っているようだ」
    「久々の再会だ、私の所でお茶でもどうかな?」
    と、相変わらずの言い回しで私を誘ってきた

    「…あんたと私、そこまでの仲じゃないと思ってたんっすけどね」
    「まあいいっす、このまま雨に濡れるよりマシなので付き合いましょう」
    ため息を吐きながら、私は彼女についていくことにした

  • 75◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:50:34

    「さあさあ、上がってくれたまえ」
    向かった先はゲヘナの不良が多くいる地区
    その一つ、彼女のアジトのようだった
    「服はこれを着るといい、一泊ぐらいはしても構わんさ」
    そう言いながら彼女は服を私に手渡してくる、ゲヘナの制服だが…今の私にはもうゲヘナを嫌うという感情もあまりない

    「さあさあ、座りたまえよ」
    そう言いながら彼女は、1杯の珈琲を差し出しながら椅子に座る
    「…それで、なんの用っすか?」
    「いやなに、あそこまで隠したがっていた本性をあんな形でさらけ出しているのに興味が湧いてな」
    「そういう話なら私は帰るっすよ」
    「いいのかい?話をするだけでこの雨に降られることもなく、一泊することまでできる」
    「今なら弾薬補給とこの治療キットまでつけてあげよう、右腕が痛むんだろう?ツテで手に入れた特注品だ、喉から手が出るほど欲しいものだと思うがね?」

  • 76◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:52:18

    …本当、口がうまい
    気が付けば私の状況を全て見抜いて、欲しいものを差し出してきた
    「…チッ、いいっすよ、そこまでしてもらうなら充分っす」
    「これ以上関わることもないだろうっすからね」
    「ハッーハッハ!交渉成立だ!」
    「今後の関係については後ほどということにしようか?」

    「それで?どうしてそんな『仮面』を被っているのかい?お嬢さん?」
    「なんてことない話っす」
    「私自身隠すのが面倒になっただけっす」
    私は『同族』に語る
    今まで起きたことを、今の境遇を

  • 77◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:54:20

    「…これで満足っすか?」
    「ふむふむ、なるほど」
    カスミは話を聞き終え、内容を噛み砕くように首を振る

    「私の本質はやっぱりあなたと同じ」
    「自己中心的なテロリストだったんっすよ」
    「『似た者同士』ってのは、言われた通りだったっすね」
    つい、言葉が漏れる

    「いいや、違うな」
    カスミは言葉を漏らす
    「私が言ったあの言葉は、そういう意味じゃないさ」
    「え…?」
    コーヒーを啜りながらかつての彼女の言葉を否定する
    「私がイチカちゃんのことを『似ている』といったのは隠していたものが原因じゃあない」
    「君は何故その暴力性を秘めながら『正義実現委員会』などという秩序を保つ組織に居たんだい?」
    「それをよく思い出してみると言いさ」
    「そもそも私は『暴力』は苦手だしな!ハーハッハ!なるべく平和に行きたいものだ!」
    「どの口が言うんっすか、ゲヘナ最大のテロ組織の首魁が…」

  • 78◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:56:00

    「まあゆっくり考えてみるといいさ、私はここを去ろう、その方が邪魔にならないだろうさ」
    「落ち着いたら好きに出ていくといい、このまま私と共に温泉開発に励むというなら残っててもいいがな!ハーッハッハ!」
    高笑いをしながら、彼女はアジトを出て行った

    私はあいつの言葉を考える
    (私が言ったあの言葉は、そういう意味じゃないさ)
    …一体、どういうことだろうか

  • 79◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:58:02

    私は、あの時の言葉の意味を考える
    似ているというあの言葉、私はずっとお前も『悪』であるという意味だと
    そういう意味だと捉えていた
    けど、違う…?
    (…訳わからないっす)

    私は『悪』だ、『化け物』だ
    そう思うようになっていた
    だから、同じ存在であると言いたいのだと解釈していた

    (けど、違う…?)
    私は、その意味を、夜が明けるまで考え続けていた
    結論は出なかった

  • 80◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 19:59:52

    ~Side:カスミ~
    「まさか、お嬢さんがあそこまで思いつめてるとはな」
    自分の言葉がきっかけの一つだということに罪悪感を覚える

    「思い出してくれよ、イチカちゃん」
    「君の目はあの時、もっと別のものを見ていたはずだろう?」
    「だからこそ、私は『似ている』といったんだ」

    スマホを取り出し、電話をかける
    「だからこそ、少し見ていられない」
    「かといって私が声を掛けても、ダメだろう」
    「必要なのはあなただ」
    「そうだろう、先生?」

  • 81◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 20:02:02

    というわけで本日の更新はここまでです!
    一番やりたいところまでやってこれた!
    明日も20時頃に更新します!

  • 82二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:05:37

    カスミが罪悪感抱くの新鮮でいいね

  • 83二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:50:05

    >>40

    >>42

    理解できる

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 21:54:18

    殺戮の竜ルートのどれかでは「身近な人や大切な人を殺していけば自分はもっと化け物に近づける」という考えに至ってそう

  • 85◆PAotg1C8B0EC25/08/12(火) 23:39:57

    >>82

    スレ主の解釈としてはカスミは同士とか同族には優しくする傾向があると思っているので、自分の発言がきっかけの一つということへの『罪悪感』を持たせました


    私の推しなので妙なフィルターが掛かってる可能性はあります()

  • 86二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 03:16:40

    保守

  • 87◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 09:02:15

    TIPSネタが無いのでスレ主の話をば
    カスミが出ません助けてください(ゲームのお話)

  • 88二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 12:20:21

    カスミの姉御ぉ、、、、!

  • 89◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 18:56:20

    今日も20時頃に更新予定でーす

  • 90◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:05:09

    それじゃあ更新再開しまーす!

  • 91◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:06:47

    ~Side:イチカ~
    目が覚めると、畳まれた服の上に仮面が置かれていた
    周囲を見渡してもカスミの姿はない
    「…いくっすか」
    長いして捕まるといいことはない
    流れで温泉開発を手伝う羽目になる可能性すらある

    服を着替え、装備を整え外へ出る
    「…とりあえずトリニティに戻るっすか」
    ゲヘナに長いして問題を起こすと風紀委員長と遭遇することになる
    ツルギ先輩に勝てなかった私には、彼女と戦っても勝ち目はないだろう

  • 92◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:08:51

    しばらく歩いていると不良らしき生徒たちと遭遇するが、ひそひそと話始めたかと思うと蜘蛛の子を散らすように姿を消す
    (…噂がここまで広がってるんっすかね)
    まあそれならそれでいい、今は暴れる気分でもない
    そうして歩いていると、気が付いた時にはトリニティにたどり着いていた

    歩いて、歩いて、歩いた先に…
    「イチカ」
    懐かしい声がする
    あの時、正義実現委員会から立ち去った時に心の中で別れを告げた
    唯一『私』を受け入れてくれた人

  • 93◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:10:36

    「…先生」
    先生が、そこに立っていた

    「先生、どうしてこんなトリニティの裏路地に?こんなところに居たら悪い子に襲われちゃうっすよ」
    「それこそ、私とか」
    この場に先生がいる、ということは私のことに気が付いたのだろう
    止めに来たのか、捕まえに来たのか
    分からないが、今の私は先生の敵だ

    「会いに来たんだよ」
    先生は朗らかな笑みを浮かべながら近づいてくる
    「…そうっすか」
    「まあとりあえずコーヒーでも飲む?」
    そう言いながら、先生は缶コーヒーを手渡してきた

  • 94◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:12:31

    先生に渡された缶コーヒーを飲む
    …苦い
    「それで、私のことはどこから聞いたんっすか?」
    「昨日の昼間にハスミとカスミからそれぞれ連絡が来てね」
    と先生はあっさり答える


    「ハスミ先輩は分かりますが…カスミもっすか?」
    「うん、カスミなりに心配してたみたいだよ?」
    「そうなんっすか、それで…」
    思わぬ人物の行動に驚く
    …あの行動は、私に気をかけてのことだったのか

  • 95◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:13:52

    「…で、結局先生は私を捕まえに来たんですか?」
    「『優等生』をやめて、先生を裏切った私を」
    ははっ、と思わず自分自身を嘲笑してしまう
    私のことを受け入れてくれていた先生ですら、裏切ったのだから

    「裏切ってなんかいないよ」
    しかし、先生はそれを否定してきた
    「…は?」
    「大丈夫、イチカは私を裏切ってなんかいないよ」
    「私とイチカは、暴れちゃいけないとか」
    「『いい子』じゃなきゃいけないとか約束したわけじゃない」
    「もちろんイチカがそう在りたいって思ってたのは知ってるし、応援はしてたけどね」
    「け、けど私、結構悪いことしましたよ?」
    動揺のあまり自分から悪いことをした、なんて言ってしまう

  • 96◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:15:59

    「そうだね、それについては怒らなきゃダメだ」
    「生徒のやりたいことは応援するけど、それが悪いことだったら引き留めるのも大人の役割だからね」
    「だけど、別に裏切られたとは思ってないよ」
    「心配はするけどね」

    こんな私を、心配してくれるんですか
    いろんな人を傷つけて
    『正義』も何もかもを投げ捨てて
    自分のためだけに動いていた、私を…?

    「きっと、他の子たちもそうだよ」
    「いろんな思いはあると思う」
    「けどきっと、今のイチカを心配してる」
    「話したいと思ってるはずだよ」
    「今日はそんな子たちの代表として、ここに来たんだ」

  • 97◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:17:13

    「イチカ」
    先生は、その問いを口にする
    何度も、何度も
    いろんな人に問われ続けたその問いを

    「今のイチカは、本当にやりたいことをやれている?」

  • 98◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:18:40

    「…正直、分からないっす」
    ぐちゃぐちゃの心の中
    先生だからだろうか
    つい甘えてしまい、そのもやもやを声に出してしまう

    「こうしていたいってのも本心なんっす」
    「ハイランダーの時のあの事件を覚えてるっすか?」
    「あの時にあそこにいた子を助ける機会があったんっす」
    「けど、助けた私に怯えて、逃げちゃいました」
    あはは…、と苦笑いをこぼす

  • 99◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:20:16

    「いや、もっと前からっすね」
    「昔にも一度、少し爆発しちゃったことがあって」
    「それ以来一部の子から怖がられちゃったりもしてました」
    「そういうのもあって、段々と私が助けることへの意味とか」
    「他の子との意識の違いとか」
    「そういうのを感じちゃって」
    「ありのままの自分は受け入れられないんだーって」
    「『いい子』の私が求められてるんだーって思うようになっちゃったんす」

    「それで色々嫌になっちゃって、悪さをしようと思い立ったんっす」
    「『いい子』で居るのもダメなら、我慢せずに好きにやろうって」
    「けど、結局思い切れなくて」
    「そこでも本性を隠して振る舞って」
    「正実への未練も、今だに残っている」
    「どっちつかずなんっすよ」

  • 100◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:21:42

    先生は、話をゆっくりと、時々相槌を打ちながら聞いていた
    そして…
    「そういうものじゃないかな、人間って」
    と先生は言った

    「色々悩んで、迷って」
    「試して、答えを出す」
    「まあ今のイチカの行動は褒められたことではないけど…」
    「それでも、イチカは悩んで、迷ってる」
    「ということは、変わろうとしてるんだよ」
    「それは悪いじゃない、手段が間違ってただけ」

  • 101◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:23:10

    「…そうっすか」
    この人は、本当にずるい
    人の心を見透かす事でもできるのだろうか
    私は、今の自分を叱って欲しかったし、肯定もしてほしかったのか
    先生の言葉に、心がぐっと軽くなる
    曇っていた空が、晴れていくような気分だ

    だが…
    「それでも、私は…」
    皆を傷つけた、だからもう、正義実現委員会には

  • 102◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:24:43

    「大丈夫」
    先生が立ち上がる
    「ちょっと先の倉庫までおいで」
    「みんなが待ってるから」
    といい、先生はその場を立ち去ってしまった

    「みんなって…」
    ツルギ先輩、ハスミ先輩のことだろうか
    カスミもいるのかもしれない
    マシロは…、あの負傷だから来れないと思うが、勝手に病室を抜け出してきそうな気もする
    あの子も頑固だから

    あれだけ悩んで、うじうじしていたはずなのに
    あの人と話しただけなのに心が軽くなってしまう
    我ながらなんとちょろいのだろうか

    「行ってみるっすか」
    行かなくてもいいはずだ
    だけど、そのはずだけど
    私の足は、自然と先生に言われた場所へと向かっていた

  • 103◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 20:26:53

    本日の更新はここまでです!
    明日の更新も20時頃を予定しています!

    終わりに向けて準備をしていますので、明後日はお休みするかもしれません!
    あと少しですがお付き合いよろしくお願いします!

  • 104二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:29:01

    最後までついていきますぜ!!
    全裸待機しておきますね

  • 105二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:29:54

    >>84

    そこで先生まで殺してしまって精神崩壊かな……?

  • 106二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:31:25

    更新かんしゃあ!

  • 107二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:40:01

    乙〜

    SS本編のイチカは勢力拡大とか潜伏とかを優先的にやろうとしたおかげで罪が比較的浅いんだよな
    仮にどこかの拍子に不良との抗争で堅気の人とか普通の生徒とかを取り返しのつかない目に合わせていたら今回のところで先生に付いていくことなく姿をくらましそう

    それでも先生はイチカに寄り添おうとするのかもしれないけどイチカ自身がもう在り方とか決める資格はないって考えそうなんだよな…

    ここに至るまで先生と指揮とかで対峙しなかったのも大きそう

  • 108◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 21:25:56

    諸連絡
    今日以降私が寝る時間からしばらくは例のスクリプトの自動削除を起動します。
    なるべく寝る前と起きた時には連絡を入れますので、その間のレスは消えてしまうことをご注意ください

  • 109二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:20:53

    このレスは削除されています

  • 110◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 22:25:50

    それじゃあ今日は寝ますので、以降の書き込みはしばらく自動削除されます
    お気を付けください

  • 111◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 22:31:59

    テスト

  • 112◆PAotg1C8B0EC25/08/13(水) 22:34:21

    テストその2、ちょっとどうなってるか分かりませんがとりあえず起動したまま放置して寝ます

  • 113二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 00:17:53

    このレスは削除されています

  • 114◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 03:19:09

    眠れはしませんが嵐は過ぎ去ったようなので解除します、ついでにTIPS投げます

  • 115◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 03:20:29

    TIPS:先生
     タイミング的にカルバノグ2章か百鬼かそこらへんで忙しかったのとかでイチカの状況を察知することが出来ていなかった

     気が付いた面々が最初は自分たちでどうにかしようとしたこととかもあり気が付いたのがこのタイミング。なんせ作中時間で2週間少ししか経過してないからね!

  • 116二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 10:57:09

    保守

  • 117◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 14:36:11

    今日も20時に更新します!今回は展開の切りのいい所で終わらせる都合短めです!
    代わりに温泉開発部IFSSを投げますのでお許しください!

  • 118◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:01:25

    それじゃあ投稿再開します!

  • 119◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:03:06

    倉庫の扉を開ける
    すると、そこには二人の人物がいた
    「来ましたね、イチカ」
    「…よく来てくれたな」
    ツルギ先輩と、ハスミ先輩のお二人だった

    「こないだ振りっすね、ツルギ先輩」
    「ハスミ先輩は顔を合わして話すのは一週間ぶりっすかね?」
    「…こないだよりはいい面してるじゃないか」
    「そうっすね、先生のおかげで」
    「それでイチカ、どうしますか?」
    ハスミ先輩が、問いかけて来る

  • 120◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:05:41

    「まだあの退部届は受理していません」
    「ドラゴンマスクとしての被害の方は…、先生がどうにかしてくれるそうです」
    「…そうっすね」
    「ここで戻るっていうのが一番楽なんでしょう」
    静かな倉庫の中に、私たちの声だけが響く

    「ですけど、やっぱりまだ踏ん切りがつかないっす」
    「私自身が、受け入れられないので」
    ここに来るまでに私が至った結論
    思ってしまえば簡単だ
    暴力を振るう『私』自身を、私が否定しているのだ
    だから、誰かに同意してほしかったのだ
    それはダメだと
    同時に、肯定もしてほしかったのだ
    それも『私』なのだから
    我ながら度し難い考えだ、けど事実、先生の言葉でそうだと自覚してしまったのだから仕方ない

  • 121◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:06:58

    「ですので…」
    「これが最後だと思って、ドラゴンマスクを捕まえてください」
    「我儘言って申し訳ないっす」
    そう言いながら銃を構える

    「…あぁ、分かった」
    「こないだの続きと行こう、イチカ」
    隣で話しを聞いていたツルギ先輩が、笑みを浮かべた

  • 122◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:08:11

    「ええ、分かりました」
    「支援しますよ、ツルギ」
    「ああ、頼む」
    前とは違い、ハスミ先輩の援護もある
    なのに、何故だろう
    あの時より勝ちのビジョンが見えるのは

    「さあ、いくっすよ…!」
    「きひひ…!こい!イチカァ!」
    私たちは、同時に駆け出した

  • 123◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:11:34

    というわけで本日はここまでです!
    次回!最終決戦!
    カスミIFSSはこの後すぐに投げます!

    明日の更新はちょっとスレ主の個人的な事情(FGOの石1000個を拾いに行くために奏章4を走り終わ和らせなきゃいけない)で滞るかもしれません!所長天井まであと60連なんだ許してください(土下座)

    筆がスラスラ進んだら投降できると思うのでできない場合は早めに連絡します!

  • 124◆PAotg1C8B0EC25/08/14(木) 20:14:00
  • 125◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 00:39:13

    TIPS:鬼怒川カスミ
     ドラゴンマスクの戦闘スタイル、出現地域、行動などを元にドラゴンマスク=イチカだということを看破した。
     そのタイミングが具体的にはトコトコヘルメット団潰滅後、その噂を聞いて存在を認知したため
     そこから準備を整え、イチカに会いに行った

    スレ主の解釈だがカスミは同族嫌悪するタイプよりは気に入るタイプだと思ってる(蛇足)

  • 126◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 00:55:12

    そろそろスクリプトを起動しますので、ご注意ください

  • 127◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 04:34:55

    TIPS:温泉開発部ENDについて
     即興で作ったものですが、あそこで立ち止まり、正義実現委員会と向き合わず、乗り越えられずに終わったENDになります。変化はできたが、成長はできなかった。という意味でバッドでもハッピーでもない、メリーバッドエンドという風に作っています

     カスミに飼われてる(部下になってる)という意味では尊厳破壊なのかもしれない、けど外からブレーキが外されてる分イチカ自身は気持ちが楽かもしれない

  • 128二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 09:20:16

    ふむふむ
    ゲヘナ入りイチカ…いいな…

  • 129◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 13:54:42

    更新できます!!!
    20時頃予定です!

  • 130◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:50:04

    それじゃあ本日の更新始めます!

  • 131◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:52:09

    距離、条件共にこの間と近い
    しかし、一つ違うのは…
    (ハスミ先輩は上っすか)
    あちらのは、大きな味方がいる
    ハスミ先輩の狙撃を常に警戒しなければならないというノイズが、私の思考を狂わせる

    だから私は…
    「今回は負けないっすよ!」
    全力でツルギ先輩へ近づく
    いざという時はツルギ先輩を盾にできるように
    「ぎひひ…!ぎゃはははは!」
    そんな私を見て、あの人は狂気的な笑みを浮かべる
    「あははっ!」
    つられてしまい、私も笑みがこぼれてしまう

  • 132◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:53:40

    私は拳銃、ツルギ先輩はショットガン
    互いに打った弾を、時には避け、時には受けて、体力を削り合う
    以前はこの状態になってからすぐに決着が付いてしまった

    「いい面になったじゃないかイチカ!」
    「まあ先生の御蔭、で!」
    ショットガンを躱し、流れで蹴りを打ち込む
    そのタイミングで…

    タァン!
    と、一発の銃声が鳴り響く
    (…!ハスミ先輩の狙撃!)
    蹴りを入れたことで、僅かにツルギ先輩との距離が空いた
    その隙間を縫うように、銃弾が放たれたのだ

  • 133◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:56:18

    以前の私だったら回避はできなかっただろう
    だけど…
    (まだ、負けられないっす…!)
    反射で、音がした方向から弾道を予測し、体を逸らす
    頬に赤い線が走る…がしかし、その一撃を回避することに成功する

    「今…!」
    狙撃でハスミ先輩の居場所が割れた
    だからこそ、優先するべきは…
    私は一つの道具を取り出す
    昨日、転がっていた一つを拝借したもの
    ”守月スズミの閃光弾”を放り投げる
    同時に私は背を向け、ハスミ先輩がいる方へと駆け出す

    「待て…!」
    ツルギ先輩が駆けだそうとするが、間に合わない
    大きな音と共に、閃光が倉庫の中を支配する

  • 134◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:58:27

    後ろからショットガンで追撃が来るが、近距離ではければ軽傷で済むので我慢する
    駆けて、駆けて、倉庫のコンテナの上にいるハスミ先輩の元へたどり着く
    「…ツルギを出し抜いて私の所に来ましたか、お見事です、イチカ」
    静かに、ハスミ先輩が私に声を掛けて来る
    「ツルギ先輩とハスミ先輩、同時に相手はできないっすからね、ここで仕留めるっす」
    「…そう簡単にやらせるとでも?と言いたいところですが」
    「私はここまでですね」
    銃を降ろす

    「…意外っすね」
    「私にも思うところが色々とありました」
    「あなたの悩みに気が付けず、色々なものを押し付けてしまった」
    「その後悔は、今もずっと残っています」
    「………」
    私は、黙ってハスミ先輩の話を聞く

  • 135◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 19:59:36

    「…ヘルメット団の彼女から話を聞きました」
    「あなたがどうしてああして不良をまとめていたのかも」
    「行動の理由も全て」
    「…そこまでさせてしまった」
    「気が付けなくて、申し訳ありません、イチカ」
    そう、ハスミ先輩は謝罪の言葉を述べた

    「…謝られることじゃないっすよ」
    「私が勝手にやっていたことっす、周りに自分を隠してた」
    前は自分で否定していた、あの言葉を言う
    ツルギ先輩が言葉にするのを遮った、あの言葉を
    「自分から、『拒絶』してたんっすから」
    それを、認める

  • 136◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 20:00:36

    「あはは…、当たり前っすよね」
    「自分が認められるわけがないと、こんなのが許されるわけがないと」
    「一番自分を否定してたのは私だったんっす」
    気が付いてしまった、その心を吐露する

    「…そうですか」
    「では、最後に私からは2つ」
    「一つは、今でも”私たち二人”はあなたのことを大事な後輩だと思っています」
    「あなたがどう思っていても、友人でもあると思っています」
    「…退部届は受理してませんので、戻ってきてください」
    「反省はしっかりしてもらいますが」
    少し、笑みを浮かべながらハスミ先輩は私にそう告げた

  • 137◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 20:06:25

    「そして、もう一つ」
    「あなたのことを心配する人は、受け入れようとする人は先生や私たち以外にも居るということです」
    その言葉と共に、目の前に見覚えのある物体が投げ込まれる
    そして、聞き覚えがある声が耳に響く

    「第二ラウンドですよ、”イチカ先輩”」
    それを聞くと同時に、目の前が光に包まれ、耳をつんざく音が鳴り響く
    見覚えがあるはずだ
    だってそれは、先ほど自分が投げたものなのだから

    「ここからは私達が相手させていただきましょう」
    「トリニティ自警団、守月スズミ、参ります」

  • 138◆PAotg1C8B0EC25/08/15(金) 20:07:36

    というわけで本日はここまでです!
    明日の更新も20時!

  • 139二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 20:45:43

    >>137

    マシロとスズミもキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

  • 140◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 00:20:47

    TIPS:精神崩壊ルートについて
     分岐は考えてみましたがマシロを倒した時にビルから突き落としてしまうという不慮の事故で手を染めるのがきっかけですかね、気が向けばきちんと文章に起こします

  • 141二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:53:55

    このレスは削除されています

  • 142二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 04:22:01

    保守したい

  • 143二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 08:00:33

    最高かよ

  • 144◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 12:50:09

    今日も20時頃に更新予定でーす!

  • 145◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 19:54:32

    そろそろ更新します!

  • 146◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:04:23

    今日の更新について
    様々な事情により2日分を投稿して次スレに移行します、そのため明日はお休みとなります、ご注意ください!

  • 147◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:05:56

    視界が潰れ、耳に痛みが走り、平衡感覚が狂う
    (マシロとスズミさんっすか…!)
    マシロは予想していたが、思わぬ人物に驚きを隠せない

    「驚いているようですね」
    見透かしたように、スズミさんが言う
    「私自身もこうなるとは思っていませんでした」
    「昨日あなた…、ドラゴンマスクと戦い、それをイチカさんと結びつけ、正義実現委員会に話をつけに行ったところ、状況を聞かされまして」
    「マシロさんから協力してほしいと強く願われ、やってきました」
    「それに…」
    と彼女は言葉を続ける

  • 148◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:07:34

    「私としても、イチカさんには親近感を覚えていたので」
    「親近感…?」
    「私たちは治安を維持しようと、戦う者同士です」
    「そのため、他者から奇異な目で見られることもあります」
    「あなたも、同じような悩みを持っているのかと考えていたのです」
    「…もっと根深い悩みを抱えていたことまでは想像してなかったですが」
    スズミさんは、銃を構えた

    「というわけで、私はあなたと友人になりたいのですよ、イチカさん」
    「きっと何かしらは共有できるものがあると思いますから」
    「…そうっすか」
    衝撃の連続だった
    昨日、私は彼女を傷つけた
    そこまで深い仲でもなく、たまーに共同戦線を張る、同年代の子
    その認識しかなかった
    にもかかわらず、彼女は私に手を差し伸べて、友になってくれるというのだ

  • 149◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:08:48

    「…返事はけじめをつけ終わった後でいいっすか?」
    「ええ、イチカさんもその方がいいでしょう」
    「では、参ります」
    気が付くとハスミ先輩は近くにいなかった
    ツルギ先輩も居ないらしい

    コンテナという不安定な立場の上で、私たちは銃撃戦を開始する
    遮るものが何もない、つまりあちらも閃光弾はもう使えない
    私の視界も耳も、話してる間にだいぶ回復した
    しかし、遮るものがないということは…
    (マシロの狙撃があるってことっすね)
    あの子の声がしたということは、比較的近くにいるはずだ
    注意を払いながら、スズミさんと戦闘を続ける

  • 150◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:11:04

    この人も戦闘経験の多い人だ、閃光弾がなくとも厄介である
    周りに警戒を払わなければならないのもあり、前回のようには行かない
    「あははっ!」
    それが、楽しかった
    ひりついた空気、私の『全力』をぶつけられる
    「楽しそうですね、イチカさん!」
    「ええ、楽しいっすよ!」
    心の底から、そう思えた
    その時、後ろの方から弾丸が飛んでくる

    「おっと~」
    それを気合で躱す
    ここしばらく、戦い続けてきたからだろうか
    私の『勘』は研ぎ澄まされていた

  • 151◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:12:12

    「それを躱しますか!」
    何かしらの方法で2人はうまく連携をしているらしい
    あの二人にもつながりはなかったはずだが、『正義』を愛する者同士、波長が合うのだろうか
    (長引かせると厄介そうっすね…)


    私は一つギアを上げる
    今までは中距離で銃を打ち合っていたが、一気に間合いを詰め、拳銃を取り出す
    「そうはいきません!」
    何かが転がされる、これは…
    (煙幕…!?)
    思わず一瞬踏みとどまる
    しかし、一向に煙が出ることはなかった
    「ブラフっすかッ!」
    立ち止まった一瞬の隙、それを虎視眈々と狙っていた狙撃が私の背中に当たる
    左肩に傷みが走る、それでも…
    「これで終わりっすよ!」
    ブラフだとわかれば、駆け抜けるのみ
    スズミさんも応戦しようとしてくるが、滑り込むように懐に入り込み、銃弾を放つ

    「がっ…」
    その一撃でスズミさんはうずくまる

  • 152◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:13:37

    「さて、これで後はマシロだけっすよ」
    静かな倉庫の中、居場所を探ろうとするが…
    「そのようですね、スズミさんは治療してきてください」
    コンテナの下から、マシロが現れる

    「…上じゃなくて、下からっすか」
    「射線が開けてるので、常に警戒する必要がある」
    「なら私自身が捕まらないように動くべきだと思いましたから」
    「ですが、こうなったら話は変わります」
    「…リベンジ、お願いしましょうか、イチカ先輩」
    「いいっすよ、受けて立つっす」
    後輩の気概に、思わず笑みがこぼれる

  • 153◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:14:57

    その言葉を皮切りに、私たちは走り出す
    「私なりに色々考えました!」
    「先輩が何を考えてるかを、どうしてあんなことをしてたのかを!」
    「色々考えましたが、やっぱり私にとって、あなたは憧れの先輩の一人なのは変わりません!」
    私の銃撃を避けながら、マシロは語り掛けて来る

    「そう言った思いが、先輩を苦しめていたと聞きました」
    「ですが!」
    マシロは語気を強めながら言う
    「先輩がどう思っていたとしても、先輩が行っていた『正義』は本物でした!」
    「あなたがどんな暴力性を秘めていようと!誰かを助けようと思って、行動していた!」
    「だからこそ、私は先輩に憧れているんです!」

  • 154◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:16:19

    「押し付けなのかもしれません、それでも!」
    「やっぱり先輩は優しい人です!」
    「正義実現委員会という居場所がなかったとしても、仕事じゃなかったとしても!」
    「困ってる人を助けてしまう、そういう人間だと思っています!」
    「私は白か黒か、はっきりさせないと気が済まない人間です、ですが!」
    「どっちかだけなんて人間はいないことを、最近知りました!」
    「先輩はどうなんですか!」
    「今までの話は私の妄想でしかありません!だから…」
    「先輩のことを、教えてくださいよ!」

    私は銃弾を放ちながら、その話を聞いていた
    私の『正義』、『優しさ』
    それが何なのか…
    考え、考え、気が付いた
    『優等生』の仮面をかぶるためでもなく、『良い子』であるためでもない
    私が『正義』を、人助けをしている理由

  • 155◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:17:39

    「…そうっすねぇ」
    「まだはっきりと答えは出てませんけど」
    「『ありがとう』って、言ってもらえるからっすかね」
    「私でも、誰かを笑顔にできる」
    そう、気が付いた気持ちを言葉にする

    「…なるほど」
    「ありがとうございます、これで納得しました」
    「ですので、意地でも連れ戻させてもらいますよ!」

    「…やれるなら、超えてみるっすよ!!!」
    マシロの狙撃銃の銃口がこちらを向く
    決着をここで付ける気みたいだ

  • 156◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:18:44

    世界が、時間が、ゆっくり動いてるように感じる
    マシロが引き金を引く動作が、はっきりと見える
    この距離、普通なら避けられない
    しかし、それでも…
    引き金を引き切ったと同時に、私は駆け出す
    弾丸が、私の真横をかすめる
    そして…
    「お見事です、イチカ先輩」
    マシロの額に、拳銃を突き付けていた

    「ありがとうっす、マシロ」
    「私の疑念が一つ、消えました」
    「私がしていたこと、その理由が」
    「ですから、敬意をもって終わらせます」
    「…はい」
    その返事を聞き届け、私は銃弾を放った

  • 157◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 20:20:54

    というわけで今日の更新はここまでです!
    明日は告知通りお休みです!
    スレ立ては様子を見て明後日の投稿前のどこかで行います!
    それまでは感想とか送ってスレを盛り立ててくれると私がとても喜びます!

  • 158二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:26:22

    うーんイチカ強いねぇ
    ずっと思ってたんだが戦闘描写上手くね?

  • 159二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:37:04

    >>158

    どこかで見た戦闘描写の基本、みたいなのを参考にしています


    攻撃側のアクションを決めて

    それに対する防御側の回避、防御or命中してダメージを受けるなどの描写

    これらに相打ちやカウンターなどの選択肢を入れるといいとかなんとか

  • 160◆PAotg1C8B0EC25/08/16(土) 21:38:12

    あ、トリップを付け忘れた

    スレ主です

    >>159

  • 161◆PAotg1C8B0EC25/08/17(日) 03:31:16

    TIPS:イチカの強さについて
     原作イチカより絶対盛ってます()
     物語の展開上連戦にした方が熱くなると思ったんや!仕方ないやろ!

     というスレ主のコメントはさておき
     実際のところは
    ・二週間激しい戦闘を繰り返していた
    ・自分の本当の戦い方を相手は知らない
    ・シンプルにテンションがハイになってポテンシャルが最高
    あたりで120%の力が出てる状態です

  • 162二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 07:08:58

    ほしゅ

  • 163◆PAotg1C8B0EC25/08/17(日) 12:37:40

    予告通り今日の更新はお休みです!
    明日の更新をお楽しみに!

  • 164◆PAotg1C8B0EC25/08/17(日) 19:52:31

    改めて今日の更新はお休みです、お気をつけて〜!

  • 165二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 00:13:01

    イチカのifとしてだけでも面白いのに、戦闘描写が素晴らしいんでより一層引き込まれる
    続きが楽しみ

  • 166二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 05:09:45
  • 167◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 11:44:11

    >>165

    ありがとうございます!

    皆さん優しく褒めてくださって嬉しい限りです

    完結まであと少しですのでお付き合いお願いします!

  • 168◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 17:58:27

    本日20時更新予定です!
    このままここで更新してから次のスレ行きます!

  • 169◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 19:46:27

    それじゃ投稿再開しまーす

  • 170◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 19:57:45

    「…さて」
    「これで完全にタイマンっすね、ツルギ先輩」
    倉庫の入口、そこに再びツルギ先輩がいた
    ハスミ先輩もいるが…これはマシロを回収しに来たのだろう

    「ああ、そうだ」
    ツルギ先輩は笑みを浮かべ、こちらへと足を進める
    私もコンテナから降り、ツルギ先輩と向かい合う

    「今度は逃げるなよ?イチカ?」
    「ええ、逃げないっす」
    深呼吸をして、弾倉を変える
    「決着を付けましょう、ツルギ先輩」
    「きひひ…!やって見せろ!」

  • 171◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:01:39

    実質3度目の対決
    私の戦い方も、既に看破されてるからだろう
    3連戦で私の体力も限界だ
    だけど…
    銃音がまるでリズムを刻むように
    お互いの動きはまるでダンスを踊るように
    「いひひひひ…、うひゃひゃひゃは!」
    「あはははは!」
    笑い合いながら、銃撃戦を舞う

    あの人の背中をずっと見ていた
    あの人の隣にはずっと親友が居た
    あの人の心には、常に夢中になれる物があった

    だから、私は…
    (あの人のことが、羨ましかった)
    (あの人に、焦がれた)
    そして、気が付く
    カスミが言った、あの言葉の真意を

  • 172◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:03:09

    「ああ、そういうことっすか」
    「あぁ…?」
    「気にしないでください、こっちのことっす」

    『気が付いているか?…実は我々が結構似ていることに。』

    この言葉に含まれている、本当の意味を

    カスミは仲間を大事にしている
    そして、その中で最も大事にしている、一人の存在がいる
    ということを前に先生から聞いたことがある

  • 173◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:05:14

    (私と同じく、『焦がれていた』んっすね…)

    メグという人物を私は知らない
    けどあの言葉遊びが上手で、常に頭を回している
    そんなカスミが、隠すこともなくお気に入りだと言ってしまう、そんな子なのだろう

    (勘違いしてた自分が、バカみたいっすね…)
    先ほどの一言で、リズムが崩れ、仕切り直しとなってしまった
    脳内のアドレナリンも、途切れ始めたのかマシロに撃たれた肩や、あちこちが痛みを訴える

    けれど、私は、『仲正イチカ』はまだ立てる
    もう、こんな風に、本気の本気でこの人とぶつかれる機会はないだろう

  • 174◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:06:52

    …負けたくない
    ………負けたくない!
    その心が、私の心に再び火を灯す

    「ツルギ先輩、勝たせてもらうっすよ!」
    私は、拳銃を投げ捨て、ARだけを持ち、駆け出す
    「ふふ、ははははは!」
    ツルギ先輩は笑い声をあげ
    「行くぞぉ…!」
    あの人もこちらへと駆け出してくる

  • 175◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:12:44

    そして、
    そのまま近くの壁を蹴り、羽を羽ばたかせ、ツルギ先輩の上を取る
    「はああぁぁぁ!」
    そのまま銃弾を、撃ち尽くす
    しかし…

    「…きひひ、私の勝ちだ、イチカ」
    その一撃を受けても、ツルギ先輩は倒れなかった
    私の動きも見抜いていたのか、ショットガンの銃口が上を向いている

    そして、銃口から光が溢れ…

    仮面が割れ、コツン、と床に落ちる音がする

    そうして私は、倉庫の冷たい地面の上に、倒れ伏した

  • 176◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:15:19

    というわけで本日の更新はここまでです!
    次回の更新は次スレに移って同じく20時です!
    スレ立てはもうしばらくお待ちください!

  • 177◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 20:37:30
  • 178◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 21:19:05

    TIPS:静山マシロ
     ※スレ主の考察なども含みます
    ハスミの後継者的な立ち位置であると考えられる
    ただしあの子がどっちかというとアクセル踏む側なのでブレーキ役が欲しくなる。

  • 179二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:39:25

    埋め

  • 180二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:58:11

    某荒らしが参戦する前に埋めちゃいますか
    スクリプトあるとはいえめんどくさいですし

  • 181二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:59:56

    だね~、埋め

  • 182二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:00:52

    >>26

    現れる可能性もあるので一応再掲兼埋め


    また、荒らしに関しては”完全に無視”する方向性ですのでもし湧いてもスルーして下さるようお願いします。反応したレス含め全消しするのでお気を付けください


    ミュート機能導入部屋リンク & スクリプト一覧リンク | Writening  【寄生荒らし愚痴部屋リンク】  https://c.kuku.lu/pmv4nen8  スクリプト製作者様や、導入解説部屋と愚痴部屋オーナーとこのwritingまとめの作者が居ます  寄生荒らし被害のお問い合わせ下書きなども固…writening.net
  • 183二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:04:16

    埋め
    いつもこういうスレ見てるとSS書ける人すげぇってなる
    しかもここの方基本毎日投稿だし、、、
    どないなっとんねん(褒め言葉)

  • 184二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:12:59

    埋めめ

  • 185◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 22:14:11

    >>183

    期限がないと文字書けなくなっちゃう人間なのでね…

    毎日投稿ぐらいのつもりでジャンジャン書いてます

    代わりに校正とかがあまりできてないのが悩みです

  • 186◆PAotg1C8B0EC25/08/18(月) 22:16:35

    >>183

    後お褒めいただきありがとうございます

    そう言ってくださる方々がいるからモチベ継続できてるのもでかいのでね…

  • 187二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:23:01

    うめうめ~

  • 188二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:47:25

    埋め

  • 189二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:16:11

    埋め埋め

  • 190二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:17:33

    うめうめ~

  • 191二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:51:00

    うめ

  • 192二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:53:13

    埋める

  • 193二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:54:53

    200が遠い

  • 194二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:58:47

    うめ~

  • 195二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 00:07:43

    埋め

  • 196二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 00:11:45

    うっめ

  • 197二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 00:59:55

    うめ

  • 198二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 03:27:53

    うめ

  • 199二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 07:56:39

    うめ

  • 200◆PAotg1C8B0EC25/08/19(火) 12:36:31

    >>200 ならきっとイチカはハッピーエンド

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