全力を出したつもりだが、負けてしまったな……

1二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 01:01:22

──最後の異星の使徒としてカルデアと対峙したが、勝利の女神はカルデアに微笑んだか。後少しすれば消えゆく意識が過去を再生されていく。
フィニス・カルデアにて初めて彼らと対峙し、レオナルド・ダヴィンチを殺したこと。
ロシア異聞帯ではカドック・ゼムルプスと協力し、雷帝の目覚めを妨げたこと。
北欧異聞帯にて捕らえられていたカドックをギリシャに連れていったこと。
アトランティスで汎人類史のサーヴァントを千子村正と一緒に戦ったこと。
オリュンポスにて異星の神の降臨を見守ったあとは蘆屋道満に遅れを取ったカドックをカルデアに渡したこと。
北極に現れた特異点で激辛メニューを楽しんだこと。
アトラクション型特異点にてゲスト解説をしたこと。
ミクトランでサッカのチームを監督し、大統領の最期を見送ったこと。
フィレンツェの特異点でカルデアのマスターたちと麻雀をしたり、検事をしたこと。
そして、カドック・ゼムルプスの覚悟と最期を目の当たりにした。
思えば異星サイドの思い出はほとんどなく、敵であるカルデアとの出来事しかないことに違和感はあるが、気にしたら負けだろう。
しかしなんにせよ、悔しいという感情はない。あるのはやりきったという達成感。
せっかくだからと最期の言葉を考えるが、どうしてもカルデアのマスターの隣に大統領の姿があるのがどうも気になる。が、突っ込んだら負けだろう。
そう神父は考えた。その時、ふと呟いた。
「ああ──安心した」
どんな意味はあるのか本人にも分からない。でも不思議と納得感はありこれはこれで良いと神父はすっきりした気持ちになった。