- 1二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 12:18:39
マッチングアプリで同僚関係の胡蝶しのぶと冨岡義勇がマッチングした世界線のスレです。
ぎゆしの要素が多分に含まれます。
今のところはないですが展開によっては他のCP要素も含まれる可能性があります。
スレ主は前スレのスレ主とは別人です。
前スレ↓
しのぶ「暇だったので」|あにまん掲示板しのぶ「マッチングアプリ使ってたら、冨岡さんが来ました。居た堪れない空気感がすごいです」bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 12:19:45
これまでのあらすじ
はじまり(前スレ130)
しのぶさん…暇だし登録したら「鮭大根」という変な名前の人とマッチング。変な名前とは違って丁寧で誠実な文章がしのぶさんにはヒット。好印象を抱いたので、試しに会ってみるものの相手はまさかの同僚だった。
義勇さん…友人作りとして宇髄に勧められて登録。
「紋白蝶フグ」という奇妙な名前の人とマッチング。最初は渋々だったがメッセージでのやり取りが意外にも楽しかったこともあり、宇髄に相談して会ってみることにした。
相手はまさかの同僚だった
何度かデートをして楽しむも友人関係から全く進展しない(前スレ183)
胡蝶といっぱい話せて楽しい(胡蝶といっぱい話せて楽しい)胡蝶と出かけるの楽しい(胡蝶と出かけるの楽しい)な冨岡さんとあれこれ考えたり意識しちゃってぐるぐるしてるしのぶさん
周囲(宇随さん、カナエさん等):くっつけよう - 3二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 12:30:34
たておつ
- 4二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 12:34:54
乙です
義勇さんの誠実な文章が好印象になるのリアルで笑う - 5二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:24:41
お互いがお互いにあれなので周囲が気ぶったり気を揉んだりしているの草
まあ友達を作るアプリだと聞かされてる方の冨岡さんの方は本来の目的聞かされたら「俺には必要ない」でバッサリしそうだからしゃーないが - 6二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:29:12
一緒に話すことが楽しいのだから早く付き合っちゃえよ!
- 7二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 14:57:44
宇髄さんは面白がってないで元凶としてお世話焼いてあげて
- 8二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 15:04:56
多分派手柱は別に持ってる競泳水着でいいだろうと友達と遊ぶつもりで行こうとしている冨岡を水着買わせに引きずって行ってる
しのぶさんの方は姉と恋柱に水着を買いにつれていかれて水着を選定されて混乱している - 9二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 15:38:06
派手柱は面白がっているのか世話焼いてくれているのか
- 10二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 16:12:08
半々じゃねえかな
途中までは完全に派手にからかってただけだけど - 11二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 16:25:39
- 12二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 16:32:46
竈門炭治郎は夕日の照らす道を二人で歩いていた。
先刻、片手にショッピングバッグを手にした兄弟子が家路につくところを見かけて声をかけた。
「義勇さん、何か買い物に行ってきたんですか?」
なんの気もなしにそう聞くと宇随と水着を買いにいってきたとの返答があった。
「水着ですか?あ!ひょっとしてこの間、俺がプールが楽しかったって話したから義勇さんも行くんですか?
宇随さんと行ったらすごく楽しそうですね!」
「いや、胡蝶と二人で行くつもりだ」
「え?しのぶさんと二人で行くほど仲よかったんですね」
「ああ、しばらく前にマッチングアプリでマッチングして今ではいい友人になれたと思っている」
一人満足そうにムフフと笑う義勇。
それを聞いて炭治郎は思ったことをそのまま声にした。
「へえ~!マッチングアプリって友達も作れるツールだったんですね!
俺使ったことないからてっきり恋人を作るだけのツールだと思ってました!」
そう言われて義勇はきょとんとした顔をする。
「???…恋人?」
「え?俺は今までそういうイメージしかなかったですけど?」
曇りなき眼で疑問を疑問で返したところ、兄弟子の顔色がさっと変わった。
「…聞いていない…」
義勇から突然、焦りと怒りの匂いがして炭治郎は困惑した。
「あ、あの…義勇さん?」
「すまないが、宇随に確認することができた」
義勇はさっと踵を返すと一瞬で走り去っていった。 - 13二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 20:17:08
これが吉と出るか凶と出るか
- 14二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 21:04:53
と、友達を探す場合もあるから…
- 15二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 22:13:10
雛鶴は突然の客人の来訪に驚いていた。
訪ねてきたのは夫である宇随天元の同僚冨岡義勇である。
宇随はいないかと問われたが生憎まだ戻ってはいないと告げると少々彼は眉を動かした。
今日は確かこの同僚と一緒に出掛けると聞いていたはずなのだがどうしたことだろう。
「天元様は今夜はまきをさんの順番でデートデーだから結構遅くなると思いますよ~?」
そう話しながら家の奥から須磨が出てくる。
「おそらく今は連絡つかないかと思いますが、上がってお待ちになりますか?」
そう雛鶴が伝えるが冨岡は提案を固辞しそのまま帰っていった。
「えー?何の用だったんですかね??」
須磨と雛鶴に疑問を残したまま去っていった冨岡義勇の胸中は焦りと怒りが同じくらい混在していたのが
今ではほとんどが焦りへと変わっていた。
炭治郎のように匂いで感情のわかる者でないと表面上は涼やかでとても動揺しているようには見えないのだが。
宇随に「友達探しのツール」だと言われてマッチングアプリなるものを利用してきた。
しかし今日、弟弟子にそれを伝えたときの反応に義勇は嫌な予感がした。
きっちりと宇随に確認したかったのだが主人不在の家で長時間奥方たちと待つのも
一緒にでかけている奥方の邪魔をして無理に連絡を取ろうとするのも適切ではないと判断した。
宇随の性格と炭治郎の性格と状況を鑑みて推定するしかない。
おそらく宇随も炭治郎も嘘は言っていないだろう。
ただし宇随は嘘は言ってはいないが真実もあえて全部言っていないのではないか?
つまり、マッチングアプリとは一般的には炭治郎の言うように「恋人探しのためのツール」であって
宇随の言う「友達探しのツール」としての利用は例外的なものなのではないか。
そうだと知っていたら利用することはなかっただろうに。 - 16二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 03:13:10
なんかもやもやしながらお互いプールに行きそうだな
- 17二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 04:48:58
2人ともすれ違っているなあ
- 18二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 09:44:50
冨岡義勇は自室の机の前で腕を組んで微動だにせず座っていた。
これ以上はないだろうというほどに眉間にしわを寄せながらひたすら思考を巡らせる。
自分の推論が正しいのかどうか改めて自分なりに調べてみたがどうやら間違いはなさそうだと確信した。
と、なると…これまでの経緯を振り返ってこれはまずいことになったと思った。
宇随に対して怒りはあるものの自分一人だけの問題だとしたらたとえ彼がからかっていたのだとしても
世間知らずな自分にも多少なりとも非はあるだろうからそこまで追求もせず不問にしてさっとこの件はおしまいにしてもよかった。
だが実際には胡蝶を巻き込んでしまっている。
そうまさに明日、彼女と会う約束をしてしまっている。
待ち合わせの時間まですでに12時間もない。
胡蝶との約束をとても楽しみにしていたが前提が崩れてしまった今、話は違ってくる。
胡蝶も友達を探すツールで友達を探していてお互い納得して友達になったとばかり思っていたが
自分のようにマッチングアプリの利用目的を勘違いしていたわけではないのなら胡蝶は恋人を探していたということになるのだ。
ここでふとマッチングして初めて会った日の胡蝶の言葉を思い出す。
「割と楽しかったので、友達からということで」
あのときはただ友達になることを了承してくれたのだと思って喜んでいたのだが
「から」という言葉の意味に今更ながら冷や汗が出るようだった。
これまでの経緯を全て説明して誤解だったと謝りたいし普段の自分ならすぐにそうしていただろうが
彼女の楽しそうな笑顔が頭をよぎり、自分がすべてを明かした場合に彼女がその笑顔を失ってしまうと思うと
胡蝶に連絡をとるのがとてもためらわれた。 - 19二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 10:43:44
冨岡さんは認識さえ間違えてなければ洞察力や判断力はあると思うんだ
- 20二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 12:26:57
胡蝶しのぶはまだ朝だというのにじりじりと焼け付くような日差しの中、冨岡義勇と並んで歩いていた。
お互いに待ち合わせの時間より少し早く到着するのはいつも通りのことで
そして先にいたほうが異性から声をかけられているところに後から来たほうが割って入って
絡んできている人物を退散させるのもいつものことだった。
今日もしのぶがナンパされているところに義勇が到着して助け舟を出してくれた。
目的地への道すがら、しのぶは「冨岡さん、先ほどはありがとうございます」と礼を言ったが
「いや、…」と言葉を濁してそのまま押し黙ってしまった。
(どういう気持ちの表情?)
見た目や言動から気持ちなんてほとんどわからないようなほうが彼らしくはあるのだが
なんだかずっと何かを考えていて、心がここにあらずといった気配がする。
これまでデートしていたときにも何を考えているかわからないことは多かったが
少なくとも意識はその場にあった…と思うのにこれはどうしたことだろう。
(やっぱり…)
デートをしてみたうえで恋人としては考えられないと思って
今日断りを入れるつもりでそのことを考えていたりするのだろうか?
(まあ、それも仕方がないですよね…)
以前だったら知らなかった文章で綴られる彼の誠実な人柄のメッセージからして
そういったことはしっかりと熟考してきちんと線引きをするのだろう。
(じゃあもう一緒に出掛けるのも今日で最後かもしれませんね)
しばらくそのまま無言で歩いて、誰もがはしゃいで騒ぐ今日の目的地が視界に入ってきたが
今の自分の気乗りのしなさで向かうのはふさわしくないような気がした。
だからといっていくのを今からやめようとも言いづらい。
せっかくはじめて彼から提案してくれた行き先で嬉しかったのになと思うとほんの少し心がチクリと刺されたような気がした。 - 21二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 13:49:19
すげえ
ほんとの小説みたい - 22二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 15:09:25
- 23二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 15:38:39
冨岡義勇は内心戸惑っていた。
「何度もすみません、冨岡さん」
着替えのために別行動をしていただけで次に胡蝶しのぶの姿を見たときにはまた彼女は見知らぬ男性から話しかけられていて
朝の待ち合わせのときと同じように割って入ることになった。
彼女は容姿だけで抜群に人目をひき、異性から引く手あまたな存在だと今更ながらに認識しなおす。
たしかに胡蝶しのぶは美人だ。
飛びぬけて整った顔立ちをしている、それは以前から認識していた。
が、これまでそれをさして気にとめてはいなかった。
同僚として気にすることは仕事の能力であるし、友人としては一緒に遊んで楽しいかが重要だからだ。
しかし…昨晩からずっと考え続けていることには影響がある。
『異性から引く手あまたな存在であるはずの胡蝶が一般的には恋人を作るためのツールを使い
何度もこうして自分と会っているという事実からして彼女からは恋人候補として見られている可能性が高い』
なんで?としか思えない。
そもそも同僚としての付き合いの印象は胡蝶は姉のようにやたらと世話を焼いてくるしっかり者の人物だった。
手のかかる子どものように思われていないだろうかと思うこともしばしばだった。
その胡蝶が、だ。
彼女だったら他にいくらでも彼女のお眼鏡にかなう相手を探せるだろうによりによって自分などを相手に考えているようなのだ。
普通ならありえない、思い上がりも甚だしいとこんな考えを一蹴するはずが状況がそれを許さない。
「もしもーし?冨岡さん聞いてます?」
あまりに考えすぎていたためか胡蝶から訝しまれ声をかけられ
意識をあらためてしっかり胡蝶に向けなおした。
すると普段はあまり露出の多い格好をすることの少ない彼女の白い肌に気づいた。
「どうしました?もう熱中症にでもなったんですか?」
「…問題はない」
思わず視線を逸らす。
少し動揺したせいだろうか、漠然と考えてはいたことを再度認識する。
『自分が彼女を恋人候補だと思っているように彼女からは見えている』 - 24二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 15:39:03
- 25二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 15:51:00
読んでいてすごく面白いので応援してます!!
- 26二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 16:12:27
めっちゃ良いです!!
尊いです!! - 27二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 16:17:20
義勇さん、寡黙なだけで本当は思慮深い人なんだよなあ
- 28二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 16:37:34
- 29二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 18:31:08
やばい、おもしろい
続き待ってます - 30二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 18:50:02
甘露寺蜜璃は大きくため息を吐いてうなだれる彼女の親友を励まそうと必死だった。
親友の胡蝶しのぶが共通の同僚である冨岡義勇とプールデートをするというので
先日、蜜璃は大喜びで一緒に水着選びに付き合った。
そしてそのプールデートの日の話がしたいとしのぶに呼び出されウキウキしながらお茶することにしたのだが。
「なんなんですかね…本当に訳が分からないですよ」
最初から彼女のテンションはひどく落ちていた。
しのぶはいつもは落ち着き払って冷静にふるまってはいるがよほどのことがあったときにだけ
その感情を露わにするがいつもなら信頼されていて嬉しいと思うそれがあまりの落ち込みっぷりに
蜜璃までなんだか動揺してしまっていた。
一体全体何があったの?と聞くことも憚られたが何も聞かずには話は始まらない。
「特に何もなかったんですよ、なんにも」
しのぶ曰く、1日中、冨岡義勇はぼーっと考え事ばかりしているように見えて
いつも以上にまともな会話ができなかったというのだ。
遊びに行ったという手前、スライダーに乗りませんか?と誘ったりかき氷食べます?と提案したりして
実際、行動にうつしたのだがほぼほぼ反応が返ってこなかった。
これまでなら言葉の足りない彼なりにぽつりぽつりとでも感想の一言でも発していたのに。
「いよいよこれはお断りされるんだろうなと思っていたんですよ」
ところがそれすらも彼は何も言ってこないまま帰ろうとしたらしい。
「それで、『冨岡さん、何か言うことがあるんじゃないんですか?』って聞いたんです」
『胡蝶は…何か言うことはあるのか?』
『!?…何ってお別れの挨拶か何かですか?』
『ああ…じゃあまた』
「え?それだけ?ど、どーいうことなのしのぶちゃん?」
「知りません、こっちが聞きたいですよ」
おまけにと言ってしのぶが見せてくれたメッセージには相変わらずの丁寧な文章でデートの礼が書かれていたが
【貴殿と肝胆相照らすこと喜ばしく思います】としめられていた。