魔王学院原作初見感想待機スレ10

  • 1二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:32:12

    魔王学院原作初見感想待機スレです
    スレ主が見ている範囲までのネタバレあり

  • 2二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:33:18
  • 3二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:36:05

    一先ずWeb版の無事を確認したため、スレ建てさせて頂きました。皆様、今後ともよろしくお願いします(^^)

  • 4二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:37:05

    とりあえず待機

  • 5二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:40:21

    待機

  • 6二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:43:09

    待機中

  • 7二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:45:15

    待機

  • 8二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:47:24

    待機

  • 9二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:50:14

    待機

  • 10二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:51:33

    明日か明後日が楽しみやでぇ……!

  • 11二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 00:32:20

    魔王待機中

  • 12二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 07:49:22

    待機

  • 13二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 08:48:20

    待機

  • 14スレ主25/08/11(月) 12:02:42

    「神のもとへ行くより、お父さんと一緒にいたい、と。彼は嘆き、教えに背いて、娘を殺した選定者を恨んだ。彼はわたしに願った。すがるように訴えたのだ。その選定者に裁きが下り、永劫の死が訪れるのを。それだけが救いだと彼は言った」

     その者を救うためには、娘を殺した選定者を破滅に追いやらなければならぬ、か。

    「どうしたのだ?」

    「そのときのわたしは選定神ではなく、名もなき神でしかなかった。選定者に裁きを下すことはできない。わたしは彼を説得しようとした。復讐はなにも生まない。娘の命は戻らない。あなたが幸せに生きることを、死んだ彼女も願っている」

     アルカナは一度言葉を切り、それから改めて口を開いた。
     
    「あなたが望むのならば、死んだ娘を蘇らせるとわたしは言った」

    「根源が滅びていなかったのか?」

     アルカナは俯き、首を左右に振った。

    「それではいくら神とて、蘇らせることはできまい」

    いきなり難しい話に行くのやめない?俺の脳のキャパ結構限界よ?

  • 15スレ主25/08/11(月) 12:03:54

    「……ふむ。嘘をついたか」

     こくりとうなずき、アルカナは言った。

    「知らなければ、それで彼は幸せになる。わたしはそう考え、アーティエルトノアの力で、彼の娘を創造した」

     アルカナが俺の目をじっと見つめる。

    「彼はそれを喜んだ。わたしは救えたのだと思った」

     それが間違いだったと彼女の顔が訴えている。

    「その数ヶ月後、彼は首を吊って死んでいた。泣きじゃくる娘がわたしに言った。選定審判を経て、代行者に選ばれた者が彼に娘は偽物だと告げたと。その者は、彼の実の娘を殺した男だった」

     唇を噛むようにアルカナは口を閉ざす。
     しばらく無言のまま、彼女は暗い表情を浮かべていた。

    「誰が彼を殺したのか?」

     自問するように、アルカナは言う。

    「彼を嘲笑うように真実を告げた代行者か。それとも、復讐心を抱いてしまった彼自身の咎なのか」

     ゆっくりと否定するように、アルカナは告げる。

    「いいえ。殺したのはわたし。偽物の娘を創造することでわたしは彼を救おうとした。けれども、それは救いではなく、絶望の種を撒いたにすぎなかった」

    重い、重いです

  • 16スレ主25/08/11(月) 12:06:01

    「神を滅ぼす暴虐の魔王。もしも、本当に、あなたが神の力を超えているというのなら、わたしの問いに答えてくれるかもしれないと思った」

     それで、魔法体を飛ばし、俺にわざわざ尋ねたというわけか。

    「不適合者アノス・ヴォルディゴード。あなたはきっと、秩序から外れた存在。わたしは審判を下す。あなたこそ、神の代行者に相応しい、真に全能者へ至る者」

     アルカナは静かに手を伸ばし、俺が持つ全能者の剣リヴァインギルマに触れた。

    「すべてを救えなくて、どうして神なのだろう?」

     独り言のように彼女は言う。

    「悪人も咎人も愚者も悪魔さえ救えずに、どうしてわたしは神なのだろう? 神はただ秩序を守るだけの理で、これではなにも救えはしない」

     俺が手を離すと、彼女はその剣を水平に持った。

    「わたしはすべてを救う優しい神になりたかった。本物の神に」

     一筋の雫が、彼女の瞳からこぼれ落ちる。

    「そう思って、名を捨てた。たぶん、きっと」

     左手に鞘を、右手でアルカナは柄を握る。

    「間違いだった。だから、あなたがくれたこの敗北が、罪を犯したわたしへの罰。そして同時に、なによりの救い」

     ぐっと彼女は右手に力を入れる。

    「さようなら。あなたの勝利を願っている」
    ようやく出たよねまともな神

  • 17スレ主25/08/11(月) 12:09:08

     はっと気がついたように、アヒデは目を開いた。


    「どうだ、ペテン師? 散々神に裏切られ、いい加減、神を否定することにも慣れたか? 信仰など綺麗に消え失せたのではないか?」


     俺の言葉が耳に入り、それを吟味するように考えた後、アヒデはふっと息を漏らした。


    「……フ、フハハハハハッ……!」


     笑い声を上げながら、むくりとアヒデは身を起こす。


    「フヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ! 戻ってきました! 戻ってきましたよっ!!」


     神に裏切られる悪夢を千度繰り返したためか、現実に戻ってきた解放感に、アヒデはタガが外れたかのようだ。


    「ふむ。気でも違ったか?」


    「正気ですよ。信仰も捨ててはおりません」


    「心から信仰を捨てねば、<羈束首輪夢現ネドネリアズ>からは覚めぬ」


     その言葉に、アヒデはニヤリと笑った。


    「ですから、神を信じるがゆえに、心から信仰を捨てたのです。理解できませんか? 先程のあなたが言ったことと同じですよ。あなたが全能者の剣を使いこなすのならば、わたしは全能者の心を持つ者。信仰を捨てつつ、同時に信仰を抱いたまでのことです」


     千度の悪夢を経て、なおも腐りきったままの男を見て、口の端から笑いがこぼれる。


    「つくづく期待を裏切らぬ男だな、お前は。ならば、約束通り、最後の悪夢を見せてやろう」


    いやーこのメンタルの図太さは見習い……たくはないですな

  • 18スレ主25/08/11(月) 12:12:38

    「さて、一〇〇一回目ですか。神を信じ切っている馬鹿な信徒や、普段お高く止まっている教皇に、<全能なる煌輝>などいないということを突きつけてやりますか。さっさと目が覚めてくれればいいのですがね」


     <羈束首輪夢現ネドネリアズ>が覚める条件は、自らの国ジオルダルで、神などいないと吹聴して回ることだ。それを千回続ける。


     回を追うごとに少しずつ、吹聴しなければならない人数を増やすなど、難易度が高くなるようにしておいた。

     試行錯誤し続けたアヒデは、最早、神がいないことを突きつける術に習熟しているだろう。


     本物の教皇とジオルダルを相手に、その培った技術の妙をどう見せつけてくれるのか、さぞ見物だろうな。


    「頑張ることだ。これまでと違い、一筋縄では行かぬとは思うがな」


     そう口にすれば、苛立ったようにアヒデが俺を睨めつける。


    「夢の中のあなたにこれ以上言っても仕方がありませんが、もしも聞いているのなら、覚えていなさい、不適合者アノス・ヴォルディゴード。わたしはあなたを、絶対に許しません。必ず、どんな手を使ってでも、地獄の底に送ってやります。この目が覚めるときを、楽しみに待っていることですね。フフフ、ハハハハ――」


     魔法陣に魔力がこもり、彼の姿が消えた。


    「――ハーハッハッハッハッハッハッハッハッハッッッ!!!」


     そんな高笑いを残して。


    「残念だが、アヒデ、その悪夢は一生覚めぬ」


    しっかし最後まで元気な男だったな本当……

  • 19スレ主25/08/11(月) 12:14:08

    「過ちを犯した神を誰が信じるのか。罪を抱いた神を誰が許すのか」
     もしも許せる存在がいるのだとすれば、自ら命を捨てたその男以外にないだろう。
     だが、滅びたものは今更元には戻らぬ。不可能というものだ。
    「ならば、俺が許そう」

     その言葉に、アルカナは目を丸くした。

    「お前の罪を俺が許そう。選定の神アルカナ。お前を糾弾する者が、この地底のどこかにいるというのならば、俺がその盾となろう」

     呆然とアルカナは、俺の言葉に耳を傾けている。

    「犯した罪は決してなかったことにはできぬ。たとえ、その者が蘇ったとしても、時間が戻り、すべてがなかったことになったとしても、お前の罪は消えはしまい。ここでお前が消えたとて、その罪まで消えはせぬ」

    「……あなたはどうすればいいと考える?」

    「過ちを認めたのならば、償え。その生涯をかけて」

     押し黙り、それから、彼女はまた尋ねる。

    「償える?」

    「お前はこの戦いで見たはずだ。エミリアを。勇者学院の生徒たちを」

     アルカナはうなずく。

    「あなたが立ち直らせた」

    「それは違う。彼女たちが自ら罪を認め、そして償おうと前を向いたのだ。かつて犯した過ちに、エミリアはこれからも苛まれるだろう。それでも、一歩ずつ前に進むしかないと彼女は気がついた。罪が消えぬ以上は、そうするしかあるまい」

    この章のテーマって自分や過去と向き合うでいいのかな

  • 20スレ主25/08/11(月) 12:15:13

     彼女の手にした剣を優しく奪い、手の平に魔法陣を描く。
     アルカナからもらった俺の選定の盟珠がそこに現れた。

    「お前を信じよう。お前の優しさを、俺は決して疑いはせぬ」

     神を信じる。
     それが、盟約の手段だ。

    「俺の神となれ、アルカナ。お前が償いをするというのならば、俺がその罪を許してやる」

     盟珠の中心にぼっと紅い火が灯る。
     それは神との誓いを表す、盟約の炎。

     俺たちの誓いは、一つだけ。

    「選定審判をぶち壊す」

     それは罪を犯した神と交わした、許しと償いの言葉だった。

    アノス様がぶち壊すと言ったら絶対だな

  • 21スレ主25/08/11(月) 12:17:53

    とりあえずスレのラスボスがアヒデになるのを回避してホッとしてます

  • 22二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 13:07:09

    完結した後に、初見のスレ主と一緒に振り返れるの良いな

  • 23二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 13:12:08

    >>22 分かる。これからどんな反応を見せてくれるのか、毎度楽しみで仕方ないんだわ

スレッドは8/11 23:12頃に落ちます

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