- 1レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 21:54:38
~~~INTRODUCTION~~~
「フロア・セントラル」は、1900年代から長らく計画され建造が続けられてきた巨大人工島である。
世界の海抜が大きく上昇し陸地の凡そ5割が海面の下へと沈んだ現在、2100年代の地球に於いて、太平洋上に浮かぶその鋼鉄製の大地は人類にとって最も主要な生活拠点として機能している。
中央政府による統治、限られた世界の中で日々を暮らす人々、解放を謳う無法者達とそれを取り締まる警察機構。
混沌とした科学技術といつからか人に宿る様になった異能。
ようこそ、セントラルへ。
ようこそ、人類最後のフロンティアへ。
~~~~~~~~~~~~~~
・wiki(「大雑把な世界観」の項目をご一読ください)
ここだけ異能集う海上都市【1/31更新】INTRODUCTION 「フロア・セントラル」は、1900年代から長らく計画され建造が続けられてきた巨大人工島である。 世界の海抜が大きく上昇し陸地の凡そ5割が海面の下へと沈んだ現在、2100年代の...w.atwiki.jp・前スレ
https://bbs.animanch.com/board/5256648/?res=190
- 2レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 21:55:55
【参加したい方へ】
・新規参加の方はまずは進行中の裏スレにてキャラクターの作成と登録をしましょう!個人が保有出来るキャラクター数に制限はありませんので、まずは自分が一番動かしやすいと思うキャラを一人作ってみることをおすすめします。
・分からないことがあれば裏スレで聞いてください。
・当スレでは『置きレス』形式でのご参加を推奨しています、1日1レス返せれば良いor返って来れば良い、くらいの心持ちで。
・ただし連絡の無いまま待たせ『過ぎる』のは厳禁です、どうしても2日以上返信が滞ってしまいそうな場合は、予め裏スレの方でお相手にご連絡をさしあげてください。
・「私生活があるしリアタイ参加は難しい……」「荒らしとかしてないのにいきなり規制食らったんだけど!?」「スレの速度に着いて行けねぇよ~(涙)」とお悩みの方々、どうぞ一度お立ち寄りください。
・参加者及び参加者各自が保有しているキャラクターを管理する為、参加時には名前にトリップをつけることをお願いしております。
・あにまん管理側による集団規制、また個々の回線の問題などでスレ建て者によるレス削除等の管理が行き届かない場合があります、荒らしには反応せず通報やスルー対応を徹底してください。
・エロシチュグロシチュも許容いたしますが、ディープな描写をする場合はテレグラフを用いるなど削除されない様に対策をお願いします、またお相手がそうした描写を嫌がっているのに無理強いするのもやめましょう。
・次スレ建ては>>190を踏んだ方にお願いします。
- 3レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 21:57:15
【禁止事項】
・確定ロール、無敵ロール、一般的にこういった遊びで敬遠される行為は同じく禁止です。
・ただしこれら↑をうっかりしてしまう場合もあります、見かけた場合まずはやんわりとした口調で注意をお願いします。
・その他、お相手が「これは嫌だ!」と言う行為も都度対応していただければと思います、円滑な遊びの為にもコミュニケーションを大切にしましょう。
(以下キャラクリ時のお願い)
・当スレはオリスレです、版権キャラ、版権設定のご利用はご遠慮ください。
・舞台を破壊しかねない様な大規模の能力はご遠慮ください(例:「半径数kmに渡って凍結させるor炎上させるぜ!」「島の地面に海まで貫通する巨大な穴を開けられるぜ!」など)
・対処不能、或いは対処法が極端に限られる能力はご遠慮ください(例:「俺が時を止めた……動きたければお前も時の世界に入門するしかないぞ」「俺の質問に答えた奴は問答無用で洗脳されるんでよろしく~」など)
・舞台に単独で多大な影響を及ぼしてしまいかねない権力者キャラはご遠慮ください(例:「俺はフロア・セントラルの航行先を全部決められる船長で……」「俺がこの島の権力の頂点に立つ大統領なんだよね」など) - 4レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 21:59:48
- 5レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:03:29
⭐︎
- 6レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:04:46
⭐︎⭐︎
- 7レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:05:49
⭐︎
- 8レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:06:59
⭐︎≡
- 9レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:09:41
⭐︎
- 10レヴォルテ◆9wIDxpGzlg25/08/12(火) 22:10:46
🌞<⭐︎終わり
- 11大志◆.2EQ5ae7PI25/08/12(火) 23:07:54
乙です
- 12アル ◆Zc3hYIbqyI25/08/13(水) 21:09:37
>>前193
「首輪をつけろってんですからそんな扱いでしょう!」
大志の後に続く。
そういえばどの辺りに居を構えて、と言う言い方はおかしいかもしれないがとにかくアルは把握していない。
地下だったら業務用でない時の身体の保存は前より気を使わなくて済むだろうかなどと考えている
- 13二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 00:27:57
このレスは削除されています
- 14大志◆.2EQ5ae7PI25/08/15(金) 00:35:20
- 15アル ◆Zc3hYIbqyI25/08/15(金) 23:03:44
- 16二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 00:24:17
このレスは削除されています
- 17大志◆.2EQ5ae7PI25/08/17(日) 00:33:25
- 18満たされ始めた器?◆tsGpSwX8mo25/08/17(日) 01:22:34
【シチュエーション:日常(戦闘、恋愛発展可) 当シチュ内募集人数:先着一名 使用キャラ:土岐由美香】
(草木も眠る丑三つ時。黒い鞘の刀を持ち、淡い水色の髪を揺らしながら、裏通りを疾走する女性が一人。)
相変わらず、殺意が、高い…敵となったら、容赦ない…
(彼女がこんなにも走っている理由。それは後ろから裏切り者を追いかけてくるルブリスの準幹部二人をなんとか撒こうとしているからだ。どうやら、この走っている女性はお尋ね者になってしまったらしい。)
…そろそろ、体力が…限界……戦うしか…ない…?
(嫌そうな顔をしながらも刀に手をかける。敵とも言えども元々仲間なのもあるが、人を殺したくないからだろうか、斬り捨てるのを躊躇っている。…お前がそんな甘い考えを持っているから細川は殺されたんじゃないのか。) - 19大志◆.2EQ5ae7PI25/08/17(日) 20:16:56
射撃場に入ると、大志は管理人に警察手帳とカードを渡し、銃とマガジンを持ってきてもらう。
銃は一見すると、オートマチックの拳銃に似ている。
「これは戦時特攻班の基本装備の一つ。22口径電磁投射式拳銃。いわゆるレールガンの拳銃だ。
基本状態の銃身長は4インチバレル。重量は2キロ。装弾数は1マガジンで9発。初速秒速1.5キロ。有効射程はおよそ1000メートル。
銃身は変更可能で、アタッチメントとしてストックやスコープ、バーティカルグリップなどを取り付けが可能だ。
通常弾は砕軽軟合金が使われており、人体に命中するとフラグメンテーションする為、人体を貫通する事はない。
他にも徹甲弾や対サイボーグ用のNM弾などもある」
大志はイヤープラグをつけると、射撃場の射座に立つ。銃にマガジンを装填し、スライドを引いて装填する。
「使い方は従来の自動拳銃と同じだ。スライドを引くと薬室に弾が装填される。詳しい構造や整備の仕方については入ってからの説明だな」
シューティングターゲットの表示ボタンを押し、人の形をした的を表示させると、銃を構え発砲。独特の銃声が鳴り響き、ターゲットの顔正面を撃ち抜く。
「この通り小口径だから非常に撃ちやすく反動も少ない。直線弾道も非常に真っ直ぐだ。だが銃本体が基本状態でも2キロと拳銃としては重い方なので慣れる必要がある」
そういうと安全装置をかけ、アルに手渡した。
「まあ口でゴタゴタいうより体験してみた方が早いだろう。
撃ってみるといい」
そういって射座から離れた。
- 20サン◆aKQ2SJ2lbM25/08/17(日) 21:27:23
前スレ199
「あぁ、それに関しては俺はここに来るまで異能の事を全く知らなかったからそう聞こえるんだろう、マノーリンが異能者である事を把握したのは…助けてくれたビーチ目的の観光客に、俺の大切なこのマノーリンの御守りから、異能の力を感じると言われてからだからな…」
【彼がそう言うと、彼の懐のポケットからその例の御守りとやらのとある野球選手の野球カードを出す】
【御守りは、普通の御守りからは先ず出ないような異質な厳かな異能の力が出るのを感じる…】
【無能力者には、まず感じ取れないが、確かに異能力者ならば分かる、そんな力のオーラを感じ取れる…】
【本人の死守ぶりも分かるような、異能力者にとっては不気味な代物であるが、異能力を持った砂糖入りのコーヒーが効いたのかこちらによこしてくれたようだ…】 - 21アル ◆Zc3hYIbqyI25/08/17(日) 22:00:28
- 22カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/17(日) 22:23:31
- 23満たされ始めた器?◆tsGpSwX8mo25/08/17(日) 23:57:23
- 24メイ◆9wIDxpGzlg25/08/18(月) 01:45:35
「わっ、確かに変な感じがしますね」
【丁寧に受け取り、推理ゲームさながらに観察する。メイから見ても、妙な感覚以外は普通の野球カードだ。しかし、却ってそのことが不気味さを増長させているように思える】
(サンチヤゴさん悪い人ではなさそうだけど、正直密入国かもしれない人がこんな物持ってたら、取り上げたくなる気持ちも分かるなぁ……)
【これをセントラルに持ち込もうとしたが、空港で止められる事を恐れて密入国しようとする。しかし、あえなく難破し中央政府に拘束されてしまった、などのストーリーが容易く浮かぶ。そのくらい、密入国の疑いと異能の品の食い合わせは悪いのだ】
【お守りを観察する険しい顔が、さらに険しさを増す。彼には悪いが、疑いを晴らすためにも一旦これは手放した方が良いのではないか】
「ありがとうございます。えっと、なんというか、あたしはサンチヤゴさんのこと疑っては無いんですけど……。異能の品って、結構疑われやすいんですよ。密入国の目的として。密入国の疑いが晴れるまでは、預けた方が良いと思いますよ。マノーリンさんも、自分のお守りでサンチヤゴさんが疑われるのは本意じゃないでしょうし」
【サンチヤゴに野球カードを返して、語りかける。誠実に、しかし深刻ではない声色で。彼と真剣に目を合わせながら。そして、自分の腰のあたりに手を添える。彼の視線からは見えない位置で、尋問官に“back up(援護して)”と粉砂糖で文字を見せた】
- 25サン◆aKQ2SJ2lbM25/08/18(月) 18:10:32
「ほう…やはりそうか…」「…もう、俺は疲れた。」
【御守りの野球カードを手にとって観察していく内に、その不思議な力がオーラとなって並々と蠢いていくのを感じる、そして、カードを持ち主に返した瞬間、何かに反応したように、異変が起きた】
【一瞬、その御守りの野球カードに写っていた、野球選手の目が、ギロリと、こちらを見たように見えた】
【それに全く気づかない老人はいつの間にか冷めてしまったコーヒーを飲み終える】
【机の上に置かれた野球カードに目を向けながら】
「いっそのこと、君達にあの御守りを任せてみるのもいいかもしれないな、今日は気分がいい…」
【そして、メイの秘密裏に出された指示に従って】
「ではサンチヤゴさん、彼女の言う通りに、私達フロア・セントラル公共機関の異能調査に協力しますか?」
【若い尋問官の彼女がテキパキと行動し始める】
【状況が良くなる度に、謎の緊張感が走る】
「それについて、こちらで色々と話したい事がある」
「…私達に協力する代わりに対して、付けたい条件があるということですか?」
「あぁ、そう言う事だ」【より不穏になって行く】
「…一応聞きますが、どの様な条件が」
「一つだけだ」【指を一本上に指して、話す】
「必ず、その御守りを俺の元に返す事、どんな形であろうとも…没収は容認出来ない」
「それだけ保証出来るなら、君達に協力しよう」
【ここまで話を聞いていたメイに何か不気味な感覚が襲いかかる、誰かが後ろから見ているような視線が…背中に突き刺さっていくのを感じる…】
- 26カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/18(月) 19:49:26
はぇ~
【本当に眠いのか舐めてるのか、気の抜けた声で返事をすると目の前で起こる戦闘を軽く眺める。新旧と異の武器と、異能たる力が絡むそれを観察しながら考えた
会話や動きから刀を持った女性が逃走中の身で、相手が追っ手ということは察せる。さて、どうしたら利益になるかな】
えっと…
【監視カメラや巡回ボットの死角、作られたような空白帯での戦闘を見ていると気付く。この女性、命に手を掛けることを躊躇っている。明らかに命を狙われた状態で、だ
自分が取れる選択肢は、手を出すか逃げるか。どちらが勝つかは知らないけれど人数や雰囲気からして追手側が組織だろうし、こんな家なき子を目撃者として消す可能性すらある。殺しが手段に入ってる人間は、どの場面でも選択肢に入り得る】
…けいさつ…?っ、きゃあ
【じゃあこれで様子を見てみよう。深夜の裏通りで小さな自分と出会って出る言葉が危ないから離れて。そして殺しへの躊躇い、この女性は甘ちゃんに違いない。擦れた裏通り仲間には嫌いな者も多いらしいけれど、お人好しはとってもだいすき
だって金を、衣食住をくれる可能性が高いから。さて、治安維持組織に通報でもしそうな弱者が転んで、逃走者と、追手はどうするだろう】
- 27大志◆.2EQ5ae7PI25/08/18(月) 23:28:16
「基本的に門部班長と呼ばれているから、そう呼んでくれて構わない。階級は警部だ」
警部は機動隊なら中隊長だ。部隊の指揮のみならず、隊員の指導育成、装備や人員の構成などを任されている。
「異能を使うか使わないは自分で決めればいい。的に当てようが外そうが、本官はなんとも思わない。
重要なのは実際に使った時の感触とその感想だからな」
所詮は射撃場の的。どれだけいい成績を上げようと通常射撃が上手い程度の評価だ。
(まあ異能を使うなら紹介文に書かれていた事の再確認にはなる。だが、それよりも問題があるな)
アルは見た目こそ10代の少女だが、中身は30代半ばのおっさんのはずだ。
(何が”白兵戦メイン”だ。配属された場合、基本となる道具の使い方を教わっている自覚がないのか。部下なら確実に説教ものだぞ)
心中穏やかではないものを感じながらもぐっと堪え、アルの射撃を見守る事に決めた。
- 28虚◆tsGpSwX8mo25/08/19(火) 00:32:54
- 29カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/19(火) 18:15:20
【弱者限定に対する慈悲か人の命なら貴賤はないのか、それともこの身が小さき者だからか。相手する戦力を分ける囮にできるチャンスを棒に振り、守ろうとする後ろ姿と結われた髪が舞う姿に思うことは感謝ではなく】
…あは
【聴こえない声量の喜び、この女性、お姉さんのお人好し具合はかなりイイ感じだ。不都合とあらば始末してこようとするあちらよりよっぽど好都合で、美味しい思いができそう。舌的にも懐的にも】
おねーさんっ、これ…!
【逃げるだなんてそんな、お姉さんを置いておけないよ。そんな気持ちの中身はともかく外面はウソではないので真に迫ったように、ツインテールの片側のリボンを解いてから女性へ後ろ手に掴める形で押し付けた】
役立つ、アタシのチカラ…あの人たちに近付いてっ
【異能は隠しておきたいけれど、まあこの場を切り抜けるなら多少の協力は必要コストだろう。わざわざ結んでいたのを使うことで、長い髪が肩に掛かりながら見上げれば必死さの演出にもなるかな
追手がリボンを警戒すればそれも隙になるし、上手く決まれば片割れは一瞬でも無力化できる。お姉さんがそれすらできないほど甘いか弱いときは…遺体が路地裏にいち、にぃ、さん…と転がるだけだ】
- 30メイ◆9wIDxpGzlg25/08/19(火) 21:36:41
【彼から前向きな言葉を聞き、罪悪感を感じつつもホッとする】
(悪いけど、これも本人のためだよね)
【しかし返す瞬間、カードの野球選手と目が合う。瞬きをしてもう一度見ると、普通の野球カードだ。思わず二人の様子を見ると、気づいた様子はない。この異能の品の気圧から来る幻覚だったのだろうか。話は何事もなかったように進んでいく】
【彼が預ける条件を提示する。メイとしては、大切な物なのだから返したいと思う。しかし、ここまでの妙な気配から、それが叶えられるか不安がよぎった。どう考えてもこれは、幸運のお守りで済ませられない物だろう。本当に危険な物なら、彼に返す訳にはいけない。それが中央政府の判断だ】
【しかし、誰かの大切な物の運命に嘘をつくわけにはいけない。それは彼の思いを裏切る行為だ。尋問官の女性を横目で見て、心の中で謝る】
「……絶対っては、言えないと思います。もしそれが誰かに危害をもたらす物なら返すことは出来ないし、帰ってきても監視されながらになるかもしれません。結局、異能の内容次第になっちゃうので……」
【正直今日来たくなかったな。背中に突き刺さる視線が心底そう思わせてくる。これを言った結果、呪ってきたりしないだろうかこのお守り】
- 31二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 01:42:33
- 32大志◆.2EQ5ae7PI25/08/21(木) 23:26:04
- 33虚◆tsGpSwX8mo25/08/22(金) 04:34:33
…?これは…リボン…?
(後ろにいる庇護対象から後ろ手に受け取ったものを確認する。確認し終えると普段はあまり回さない頭を少し回し始めた。)
【…役立つ、チカラ…多分、異能のこと…このリボンが、異能?…虚と、同じもの……いや、今は考える時じゃない…最悪、半殺しにするのを想定して…とにかく、動いてこの子から気を逸らさないと…!】
「うおッ…速ッ…!?」
シィッ…!
(ナイフを構えている片割れ…(この先Aと仮称する)の懐に素早く踏み込み、Aに鋭く突きを放つ。が、ギリギリの所でナイフを滑り込まされ、回避される。その時。何故かAの目の前には何故かリボンが宙を待っていた。)
…今なら、いけるよ
(後ろにちらりと目をやると小さく呟き、合図を出す。)
- 34アル ◆Zc3hYIbqyI25/08/22(金) 09:24:28
- 35サン◆aKQ2SJ2lbM25/08/22(金) 23:51:12
尋問官「………」
サン「…………」
【さっきまでの楽しげな雰囲気と陰湿な雰囲気が混ざった雰囲気が止み、シリアスな読み合いが始まる】
【互いに黙り合い、相手がどう出るか睨み合う、メイに向けられる後ろからの熱く黒く突き刺さる視線は、変わることはなく向けられる、プレッシャーを表すかの様に】
サン「いいや、お嬢さん」
【メイが放ったその言葉を一蹴する様に】
サン「その御守りは、いつか、必ず、俺の手元に帰ってくるさ、今までがそうであったように…無くすことはなく…かと言って無くしたこともないのさ…」
【その言葉には、絶対的自信が満ちている、少しハッピなー効果になれる異能砂糖の効力が消えてきた気がする】
尋問官「………」
【尋問官はその緊張感あるシリアスな雰囲気に耐えきれなくなってきて小刻みに貧乏揺すりをしだす、目の前の老夫サンチヤゴの出す異様な威圧のせいかもしれないが】
尋問官「………成程、貴方の言い分を飲み込む余地、確かに私達にもあることでしょう」
【暫くしてから、言葉を返す】
尋問官「ですが、メイさんの発言にも同様に賛成できる余地があり、異能という超常現象に対して向き合うのも、私達にしか出来ない仕事です」
サン「………」
【尋問官は勇気を出して言葉を紡ぐ、目の前の老夫は少し黙り込んでそれを聞く】
尋問官「全ての言葉の真意を、私達が理解出来る様な事は未だ難しいですが、それでも…どうか、私達を信頼してくれるでしょうか、サンチヤゴさん」
サン「………成程」
【相槌が返された】
尋問官「この件は、重く、広く、受け止めて、私達が貴方の所有するこの重要な異能アイテムの研究解明、そして保全を検討する事を約束しましょう、その為の書類の方も、判子の押印も付けて返します、紙切れ1枚で終わらせる無粋な事はしません、だから…」
【その必死の演説が、功を成したのか】
サン「………分かった、同意しよう、また寄越してくれ、その紙切れをな…」
【目の前の老夫は納得の態度を見せ、フロア・セントラル警察への協力する姿勢を態度にも表す】
- 36カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/23(土) 22:33:39
【女性の太刀筋は、武芸に明るいわけではないけれど殺意が足りないことは見て取れた。これでも殺しを叩き込まれているし敏感なのだ
そもそも異能らしき黒い闇か影が発生する現象。物質や力場か、特殊な効果であれ壁として機能するならもっと多用していいはずなのに使おうとしないのもやはり手加減を感じる】
…え、い!
【さてリボンをいい位置に配する程度の実力はあるようで安心した。ただ甘く弱いだけならとっくに命を落としているだろうし、当然といえば当然かな
このまま思いっきり首へ巻き付いたり眼球の片方でもほじくってもいいのだけれど、重傷を負わせるのはお人好しさんに脅威を感じさせてしまうかもしれない】
おねーさんっ
【わざと、まるでこれが精一杯とでも言わんばかりに手を伸ばしてぎゅっと握って、リボンを敵の目元へ。巻き付けば目隠しになるし防ぐにも隙はできる
あとはお任せしよう。あくまで弱く、頼りない異能を持っただけの弱者を演出したいのだ】
- 37大志◆.2EQ5ae7PI25/08/23(土) 23:45:34
- 38虚◆tsGpSwX8mo25/08/24(日) 00:47:46
「なっ…!?クッソが……」
ありがとう……!
(リボンを外そうとしている隙に二歩前に進むと刀の柄の部分でAのうなじを強打し、無力化するついでにナイフを回収する。トドメを刺さないあたり、やはり甘い。)
…今逃げるなら、痛い目を見ないで済むよ。
「黙れよ。裏切りもんが…偉そうにッ!」
…ごめんね
(Bはナイフを構えると迷わず女性の方に突進し、首を狙ってナイフを横に薙ぐが、女性が半歩後ろに引きつつカウンターとして回収したナイフを腹に軽く突き刺し、女性はそのまま後ろに距離を取る)
…それ以上、やっても、私には勝てないよ。さっさと、帰りな。
「ゲホッ…クッソ…テメェに一つ忠告しといてやる!次は首領が直々に殺しにくる!首洗って待ってろよアバズレ!」
(捨て台詞と共に少し血を吐くと、気絶しているAをおぶると走り去る。危険は去っただろう。)
…ごめんね、大丈夫、だった?
(刀を鞘にしまい、背中に担ぐと貴方の方を向いて目線を合わせるように少し屈み微笑みながら貴方の身を案じる)
- 39メイ◆9wIDxpGzlg25/08/24(日) 01:28:02
【“いつか必ず俺の手元に帰ってくる”。それは中央政府の権力ですら、意味を持たないと告げる言葉だ。自身の異能の効果からではないと、今までの経験が警鐘を鳴らした】
(ダメだ、なんかよく分かんないけど、これダメだ……!)
【子供の頃はパティシエールになるのが夢だったが、子供の自分に聞かせてやりたい。夢は叶えたけどそのせいでホラーな案件に片足突っ込んでるぞ、と。叶った夢は叶える前ほど輝いていないことは知っているが、一番思い知ったのが今日この時かもしれない】
【辛さに黙ることしか出来ないメイ。しばらく静寂が部屋を支配したが、尋問官が口を開いた】
(やった!がんばれ!がんばれお姉さん!)
【彼女の必死の説得に、心の中で感謝と応援を送る。完全に女児向けバトルヒロインに応援を送る幼女の気持ちだった】
【サンチヤゴが協力を肯定する。その瞬間、歓喜と安堵とぐったりとした疲れがメイの身体を駆け巡った】
「よかったぁ〜……!」
【思いっきり肩の力を抜く。この場にベッドがソファがあったら倒れ込んでいた。しかし、まだ仕事中ではあるのでなんとか耐える】
「ありがとうございますサンチヤゴさん!もし変な理由で戻って来なかったら、あたしも責任者の方に文句言いに行くんで!」
【なんとか丸く治った。だからこそ、彼に本心から伝えられる。怖くはあるが、それでも大切な物を大事にする人は好きだ。自分が大切な夢を大切に抱えて、叶うよう頑張ってきたからかもしれないが】
- 40人世◆9wIDxpGzlg25/08/24(日) 01:29:18
【シチュエーション:日常 当シチュ内募集:楊翠 使用キャラ:墨胆人世】
「全ての仕事を兄貴に押し付けて……。本屋巡り日和だねぇ」
【昼下がり、正午は回ったというのに暑さが和らぐことはない。むしろ風が熱されて、いよいよ夏といったところか。それでも人世はご機嫌だ。久々に本屋巡りをできるから】
【先日犯罪組織の矢面に立ったことを理由にして、“墨胆家”の仕事を兄の智兎に押し付けて外出中。目的は本屋巡りだ。意外と本屋は店によって、推している本が違っていて面白い。特に個人経営の本屋は、特色を出すため様々な工夫をしている。必死に生き残ろうと手を尽くす店側の恩恵だけに預かっている気がする。しかしまぁ、良い本があったら買うのだから許して欲しい】
(さてさて、次はどこだっけ。……あそこの稲荷神社の隣かぁ。確か、数年前に急に話題になってたところだったね。新しい古書店らしいし、参拝客を取り込むために移転したのかな?いや、それは博打が過ぎる気がするなぁ)
【地図アプリを横目で確認して、歩き出す。下世話な考察をしながらでも、最近の地図アプリはしっかりと目的地まで案内してくれた】
「思ったより小さいねぇ、この神社。……お参りは後でいいか」
【人世は参拝はする方だが、暑さの中で優先されたのはクーラーの効いているだろう古書店だった。残念ながら、暑ければ神仏よりクーラーに縋るのが現代人である】 - 41サン◆aKQ2SJ2lbM25/08/24(日) 01:56:51
尋問官
「…!ありがとうございます…サンチヤゴさん…」
サンチヤゴ
「間違っても、頭を下げないようにな、そう無闇に警察が推定罪人に頭を下げるようでは、威厳が無い…」
「…それと、よろしく頼もう、お嬢さん、出来れば、なる早に、というやつでな。」
尋問官
「それでも謝意を表したいのです、様々な感情が混ざれど当局を信頼し、暴力による抵抗に走らず、協力してくれる貴方に対しての事を…」
サンチヤゴ
「…大げさだな…それで…ディールしたからには…こうするべきだな?」【尋問官の方に、御守りを机に置く】
「…大丈夫だ…アレだけ不安になることを言ったが…人間は…俺は…そう簡単に死なん様に出来てるからな…」
尋問官
「…!」【渡された御守りの方を回収する】
「サンチヤゴさん、捜査にご協力頂き、ありがとうございました…!現在時刻、PM6:30を持って貴方を解放いたします…!本当にありがとうございました…!」
サンチヤゴ
「そんなにかかっていたのか…ハァ…疲れた…」
【ここまでで事が上手く進み、これにてハッピーエンドで終わるかの様に見えたが、それは無能力者の話、事は、そんな単純には終わらせないようだ】
尋問官
「メイさん、本日は応援の要請に駆けつけてくださり、ありがとうございました、報酬は…」
【先程まで、背中を貫く様に刺していた鋭い視線がふっと消えた、だが、老夫から若い尋問官のお姉さんへと渡された御守りのオーラが不穏な黒色になって強く反応し…】
【そして、その異変は…】
???『………』
【光すらも慈悲すらも表さない、物騒な黒い瞳でこちらを不気味に見つめてくる黒い人影そのもののような異質な存在がこの部屋にいつの間にか出現した事で、始まった】
サンチヤゴ
「尋問官さん、少し力を貸してくれないか」
「俺一人でここを出るには、少々気力が足りんくてな」
尋問官
「直ぐに肩をお貸しします」
???『………』
【その不気味な存在は、老夫と、尋問官の間の位置に常に挟まるように突っ立っている、こちらを見ながら…、どうやら、無能力者には見えないのか気づかれてすらもいないようだ…逆にそれが恐怖を醸し出す】
- 42カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/24(日) 09:03:14
…ふはぁ
【空気が抜けたように地面にへたり込む、フリをしながら目線を合わせるように姿勢を低くする相手の目を下から見る】
…大丈夫
【泣き出す、というのはストリートを住まいとしてそうな身にはぬるい態度だろう。いやこの性格ならそれはそれで騙せるかもしれない、けれど異能も使ったしここは幼気な弱者がよさそうだ】
とき?おねーさんは…ケガとかなぁい?
【ちょうどよく裏通りの汚れが手に付いたので目元を拭うようにしながら、頬に当ててイイ感じに汚す。薄汚れた状態で心配する表情、中身までは保証しないけれど外見だけなら愛くるしいと評判だ
あの追手たちは「toki」と発音してるように聴こえたけれど、ちょっと砂糖菓子で甘くなったような舌足らず風な発音で呼んでみる】
- 43虚◆tsGpSwX8mo25/08/24(日) 23:29:57
- 44メイ◆9wIDxpGzlg25/08/24(日) 23:56:03
- 45緋蓮◆15W0MhWe7w25/08/25(月) 00:24:24
【とある中華料理屋の中で男女2人が暇を持て余していた…】
緋蓮「ふむふむ…そんな事があったのか…」
【赤髪の男が何かの記事を読んでいる】
「もうっ!店長記事なんか読んでないで仕事してくださいよ!」
緋蓮「大丈夫だよ〜美琴ちゃん今は客いないし、楽にしようよ!俺だって客が来たらちゃんと働くって〜」
美琴「もう店長ったら…“あっち”の方に力をいれるのもいいですけど、こっちのお仕事もしっかりやってくださいっ!」
緋蓮「ごめんごめん」
【女の子が赤髪の男に対して怒っている。】
美琴「お客は来ないし、依頼も来ないですよね!こんな調子では私の給料がしっかり振り込まれるかも怪しいですよ…」
緋蓮「うっ…それは…本当にごめんっ!収入が入ったら絶対払うから!少し待って欲しい…」
【手を合わせて謝る】 - 46白狼王◆tsGpSwX8mo25/08/25(月) 00:40:56
- 47アル ◆Zc3hYIbqyI25/08/25(月) 00:45:30
- 48緋蓮◆15W0MhWe7w25/08/25(月) 01:02:50
- 49白狼王◆tsGpSwX8mo25/08/25(月) 01:59:57
- 50緋蓮◆15W0MhWe7w25/08/25(月) 02:59:10
- 51二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 18:02:35
このレスは削除されています
- 52大志◆.2EQ5ae7PI25/08/25(月) 18:24:25
「本官は異能と銃の同時使用の有無について尋ねたのであり、体の説明など求めていない」
こちらの質問に答えずに、自分の異能の説明をするアルフレッドに大志は大きく呆れた。
(これじゃ到底、使い物にならない)
能力の問題は道具でカバーできるが、コミュ能力は違う。
戦時特攻班は機動捜査班や遊撃班では対処できない強力な異能を用いる犯罪者及び犯罪組織を相手にしている。
現場は相互信頼が絶対条件の集団戦闘が基本となる戦場だ。
ドローン兵器が飛び交い、ロボット兵器が火を噴き、未知の異能が襲いかかる修羅場そのものだ。
コミュ能力が低い人間が来られても、迷惑どころか足手まといにしかならない。
「何故、射撃場に連れてきたと思ってるんだ?
基本道具となる銃の説明の為だぞ? 異能を使いたいというから許可をだしたら、銃と全く関係ない事をするとかどういう神経してるんだ? どこの世界に道具の説明中に、関係ない事をやりだすヤツがいるんだ?」
バカなのかお前はといいかけて、言葉を飲み込む。
「本官は戦時特攻班の代表として勧誘しにきた。
その一環として、戦時特攻班の基本装備である22口径電磁投射式拳銃の説明をしている。
鬼嶋警部補。”自分は新人である”という自覚がないのか?
勧誘されている立場だからと甘えているのか?
本官とは同期に近いかも知れないが、そんな事は関係ない。
新しい部署に配属されたのなら、そいつは等しく”新人”だ。
”30半ばのおっさん”が、配属先の案内や道具の説明をしてもらっている時に、新人としての自覚がない振る舞いをするとか、はっきりいってどうかしているぞ」
はっきりと苦言を呈した。大雑把だろうがいい加減だろうが、社会人としての振る舞いができないのは警察官として問題だ。
- 53カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/08/25(月) 22:02:06
うん、ケガした大変だもん…
【相手の表情から心配、軽い驚き、そして可愛いという接近動機付けの感情を読み取る。手前のあざとい振る舞いはかなり人工的な甘さなので、甘ったるすぎるという評価の可能性もあったけれど嫌悪はないようで一安心
ではでは、可愛さを押し売りしていこう】
…寝てたからびっくりしちゃったぁ
【地べたに腰を抜かしたように座ったまま、薄汚した状態で当然のように語る。闇も深い裏通りで眠るこの身を想像させる。接近動機付けの感情、つまり見守りたいといった感覚を本能的に持ってる女性に訴える】
あ、リボン…
【さっきの追手の隙を作るのに使ったリボンを手招きすると裂けて、布切れとなっていた。ただの装飾品なので想定内だけれどちょっと悲しそうにもしてみる
ツインテールが歪なサイドテールなのがより可哀想さやキュート感を演出することを狙って】
- 54白狼王◆tsGpSwX8mo25/08/26(火) 00:55:51
- 55虚◆tsGpSwX8mo25/08/26(火) 01:04:00
- 56緋蓮◆15W0MhWe7w25/08/26(火) 01:08:00
- 57楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/08/27(水) 23:14:08
「ふぅ。出版社さんから届いた新書の陳列は終わったな。流石に古書店を名乗るだけあって売れなかったときの返品のやりとりなんて面倒だから売れるであろう人気な新書に絞って卸してもらってるから早く終わって当然なんだけどな・・・。」
そう言いながら新書用のフロアである2階から古書のフロアである1階に降りて翠は出入り口と階段のそば、稲荷神社が映る窓の前に設置されたレジを置いているカウンターの裏に座り、パソコンを立ち上げた。
(よし・・・、万引き対策の監視カメラに問題はなし・・・。しかし・・・、「空白の12年」の間に発刊された古書が少ない問題はどうするかな・・・。まぁ経営的には2階建ての分1フロアあたりは気持ち少し狭い、もっといえば2階は半分居住スペースだから土地の広さや建物の高さどうこうから来るものには困らないけどなぁ。)
そう言いながら落ち着いた雰囲気だが、照明の取り付けられ方をよく観察すると作為的なものを感じる古書店の中を見回していると、ドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませ。」
- 58二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:23:39
このレスは削除されています
- 59人世◆9wIDxpGzlg25/08/28(木) 01:25:19
【入ってきたのは、白いシャツに黒いパンツスーツの若い女性。店内を見渡すような視線がなければ、営業周りの新人かと思うだろう。肩にかけられた大きめの鞄は、見るからに重そうだ】
【翠を認識すると、笑顔を向けてペコリと軽く会釈をした】
(さーて、どこから見るかな)
【軽く見渡すと、陳列されたされた新書が目につく。最近出版された本だ。大手の本屋で平積みされているのを見た記憶がある】
【話題の新書なんて情報が出た直後にネットで予約している。なのでここはスルー。いつもの癖で、誘惑されるように小説のある方へ向かう。照明が文字通りのスポットライトを浴びせるところもあるが、まぁ後でいい。一般書や専門書は、最終的に仕事の資料として探してしまうのだ。まずは純粋な読者として本屋に居たって良いだろう】
(割と少ないな、残念)
【正直言って、店の規模としては少ないと感じる。絶対数というよりは、あの本が無い、という感覚的なものだ。店舗の本屋には未知の本を探しに行くのに、知っている本が少ないとガッカリするパラドックス。結局本屋とは品揃えが全てなのかなぁ、と考えつつ背表紙を見ていく】
【ふと、本のタイトルに違和感を感じる。古典的な小説と最近の小説の並び。それはどこの本屋でもよくあることだ。古書店には少ないとはいえ、最新の本が入荷しているあたり、ここは半分普通の本屋みたいな店だ。変なことでは無い】
【しかし、好奇心がそれでは片付けられないと本に手を伸ばす。何冊か奥付を確認すると、違和感の正体が姿を現した】
「あ、15年前くらいからの本が無くなってるのか」
【スッキリした頭が、思わず推理を口に出していた。意外と違和感の正体自体は大したことでは無い。しかしながら、改めて考えると新しい古書店とは思えない品揃えだ。やっぱり神社を当てにしてどっかから移転して来たのかな、と持っていた本を棚に戻した】
- 60楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/08/28(木) 21:53:26
(ううむ・・・?あの人、私はどこかで知った顔だと思うけど・・・?誰だったかぁ?確か、古書店であるこの店に新書を卸してもらう為に出版社さんに交渉してもらう時に何かで見たような気もするけど・・・?)
そんなことを考えながらも答えが出ないと感じたので、翠は視線をパソコンに戻した。
理由は2つ。1つは、古書の出張買い取りの依頼メールが来ていたから。もう1つは、店内の様子は監視カメラで把握できるから。困っているにせよ怪しい動きをするにせよ映像で確認できるのだが、今ドアベルを鳴らした女性客を含め、今のところ数人の客のうち誰にも怪しい動きはなかった。
「ただ・・・、何か目当ての本を探している、か・・・?もう少しだけ様子を見て、見つからなそうなら声を掛けるか・・・。」
そう呟いて、視線を上げて一度肉眼で先ほどの客を確認しようとした。
- 61人世◆9wIDxpGzlg25/08/29(金) 00:37:52
【謎も解決したので、別の本棚を漁ろうと方向転換。とりあえずは一般書に向かうべく歩みを進める。しかし解けたのは事実だけだ。理由まで分からなければ、真実とは言い難い。その勝手な悩みが、店主の方に顔を向かせる。それが丁度、彼女が視線を上げたタイミングと一致した】
【人世が怪訝な表情で、翠の顔を見つめる。目を細めたまま、客としてギリギリの距離まで彼女に近づいた】
「……どーっかで会ったことありません?○○っていう出版社で見かけたような気がするんですよね。いやそれだと店主さんは私のこと知らないか」
【昔用事があって出版社に赴いた時、彼女のような人物を見た気がする。話している内容から店を構えている本屋らしかったので、取次じゃ無いのは珍しいと記憶に残っていたのだ】
- 62サン◆aKQ2SJ2lbM25/08/29(金) 00:58:00
【尋問官が今接収してる例の御守りは今この場で貴方だけに分かる黒い気を放ちながら変わらない】
???「………」
【そして、例の御守りの異変と共に現れた、黒い影の様な存在もこちらを黒い瞳で見つめたまま動かない】
尋問官「よいしょっと…それでは、行きましょうサンチヤゴさん、そのまま歩いて下さい」
サン「助かるよ、尋問官のお姉さん、行こうか」
「…何処を見ているんだいメイさん、そんな怖い顔をせず早くここから出ようじゃないか」
尋問官「こちらの部屋ももうすぐ清掃して次に使用しますので、なるべく早くここを出ましょう、メイさん」
???「………」
【2人はそのまま互いに話して、助けあい、この部屋を出ていくが、突如現れた謎の存在も、こちらを見つめたままその後を追うように出ていった】
- 63メイ◆9wIDxpGzlg25/08/29(金) 23:20:28
「はーい、今行きまーす」
【二人に続いて、メイも部屋を後にする。】
(これあたしの方見てない?なんかした?確かに調査の協力はしたけど、それならなんでお姉さんは……)
【尋問官には気まずい空気を打破してくれた恩があるが、それとこれとは別だ。この恐怖も分け合って欲しい】
【実際には異能力者か否かが条件なのだが、サンプルがたった3人では推察も難しいだろう】
「……そういえばお姉さん。実際、異能の品ってどんな風に調べるんですか?特定の人にしか使えない物だったら、サンチヤゴさんもまた実験とかに呼ばれるんですかねー」
【結局、メイは一旦伝えずスルーすることに決めた。もし帰っても自分に付き纏われていたら、尋問官さんに連絡して、知り合いの家に駆け込もう。人世やゾイあたりは博識なので、追い払う方法を知っているかもしれない。後者は出会ったら生気を吸われて死にそうだが】
【それでも、いやその為にも出来る限り条件は調べておくべきだ。他に誰か、この黒い影が見える人はいないのか。メイは軽く見渡して、他の人物を探す】
- 64楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/08/30(土) 15:35:41
先ほどの客と目があったどころか、近づいて会ったことがあるか問われたことに翠は驚いた。
「んえっ?!った、確かに・・・、取次経由では新書を卸してもらうことは難しいと感じて、それで出版社さんに直取引の交渉をしに行ったときに・・・、あなたによく似た人に会ったような気がするとは感じてましたが・・・。何かお探しの本などがありますか?・・・それとも・・・、私自身か・・・この古書店自体に何かおありですか?」
(出版社で会ったとしたら・・・、出版社さんの人間?それとも取次?だとしたら本当にまずいぞ。古書と新書を両方取り扱うって確実に取次が嫌う営業形態だし直取引に踏み切って顔をつぶしてるし・・・。)
- 65人世◆9wIDxpGzlg25/08/30(土) 22:47:43
「おぉ、よかった合ってた。いや単に記憶に合点がいっただけですよ。大手っぽくないなーとは思ってたんですけど。なるほど、古書店だったんですねぇ」
【喉の小骨が取れたように、悩ましげな眉間の皺がなくなる】
【古書店が新刊を置くなら、面倒事を避けるために買取をするのは十分考えられる。それなら取次を通さずに出版社に掛け合うのも自然な発想だ。最近は業界に直接取引も増えていることだし】
「言っときますけど、私は別に出版社の人じゃないですよ?取次でも書店でもないですし。単にお客さん。まぁ特段欲しい本がある訳じゃないんですけど、実店舗って偶然の出会いがあるじゃないですか。本より先に人間と邂逅したのは驚きましたけどねぇ」
【怯えが見てとれる翠に、人世はけらけらと笑った。嘲りでは決して無い。しかし、混乱した幼子を微笑ましく楽しむ大人のような、愛玩の意地の悪さだ】
- 66楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/02(火) 00:25:52
(出版社で出会う可能性があって出版社の人間でも取次でも同業でもない・・・作家先生?まぁじゃあ誰先生か、というのはわからないしお客さんという話に乗ってあげた方がよさそうだな・・・。筆を折られると困るし。)
「偶然の出会い・・・。実店舗の魅力はそこにありますよねやはり。このネットショッピング全盛の時代だと見落とされがちな価値ですし、実際ネット通販も始めている私が語るのも滑稽ですけど、その魅力を感じていただけるのであれば古書店店長として冥利に尽きますよ。・・・本当は私自身より早くお客様と邂逅できる本があれば良かったのですが、申し訳ないです。」
最初は取次と思って警戒していたが、彼女曰くただの「お客さん」であること、話の内容から近しい立場であることを感じたことから、少しずつ警戒が解け、普段の接客、いやそれよりは少し近しい相手との会話のテンションに近づいていた。しかし、冷静に彼女の発言の内容を咀嚼しているとこの古書店の弱みを思い出し、けらけら笑ってるから主題はそこではないだろうなとは思いつつ、立場上謝罪しないとと思い、深刻な雰囲気を出さずに謝意を伝えた。
- 67人世◆9wIDxpGzlg25/09/04(木) 00:10:01
「いいや。見たのは小説のコーナーだけなので、単に店主さんと先に出会えたってだけですよ。小説は大体ネットで予約する現代っ子なのでね。最近の小説は既にあらかた……。15年以上前の本も、売れたものなら大体家にありますし。次は一般書を漁ってみようかなって」
【15年という具体的な言葉で、自分の推理を見せびらかす。抑揚自体はさらっとしていたが、人世の知り合いが聞いたら露骨さに軽蔑するだろう。特に人世には、手厳しい友人しかいない】
【推理してみたら語りたくなるのは、自分が書いた探偵に逆に影響されたからだろうか。もっとも、人世は合っていれば良し、違っていてもそれはそれでのエンジョイ勢であるが。彼女の描く憂鬱探偵は、憂いという名の慎重さがある】
- 68カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/09/04(木) 12:21:29
うん、寝てたぁ
【憐憫に庇護欲といった雰囲気を感じ、さらには施しの気配までしてきた。正確には補填かな、どっちでもいいけれど】
おねーさんのせい?じゃないよ~
【厄介ごとを持ってきたのは女性だけどに首、リボンを突っ込んだのは自分だから。なんていうのは建前で罪悪感とかを刺激したいのが本音
ツインの片側しか残ってないリボンを取り、明るい色の長髪が下ろされる。それをゆっくりと両手で纏めていくと後頭部で結う】
ほらねっ、アタシはだいじょうぶ…あ
【ポニーテールにし、キュートな笑顔を見せるけれど腹の虫は黙っちゃくれないし身なりが可愛さでカバーされつつもちょっと汚れてる風を装う
特殊繊維のオーダーメイドなリボンなら恵んでほしいけれど通常素材なんて価値が低すぎる。いっぱいあるし、だからくれるならもっと形に残らないものがいい】
…えへへ
【ちょっと作り過ぎかな?でもこのレベルのあざとさなら通じそう。施されるなら塩梅が大事、今回だけとは言わず次がありそうな程度、しかし今回だけの可能性もあるのでしっかり身になるものを】
- 69サン◆aKQ2SJ2lbM25/09/04(木) 17:21:21
「エミュ終了エピローグ」
尋問官「…異能アイテムの調査ですか?ええと…さぁ…それに関してはまた別の異能機関が割って入って担当すると思いますから私はどうにも…」
サン「それなら、また近い内に手に戻るだろうな」
???「……………」
【他愛ない会話と共に警察署内を歩き回る、警察署内にいる人はその謎の存在に微塵も気づく気配はない、外に出たが、謎の存在は何かを呟きながらこちらをじっと見ているだけで、特に行動はしていない】
尋問官「それではサンチヤゴさん、捜査の協力、どうもありがとうございました、これから貴方を一時的にフロア・セントラルに仮釈放という形で外に解放したします、良い一日をお過ごしください!」
サン「分かった、もうお世話にならない事を願うよ」
【その後、老人は今は行く当ても無く、フロア・セントラルの街中を散歩して消えていった】
尋問官「…コレで良しと、メイさん、本日は捜査の協力、どうもありがとうございました、いつも通り、報酬金も振り込ませていただいてると思いますので、そちらも良い一日をお過ごしください!」
【そう頭を深々と下げ、お礼をした】
???「………」
【……結局、アナログホラーにでも出てきそうな、あの御守りから発生した謎の黒い影のような存在は、こちらに危害を加えることも無く、じっとこちらを見つめるだけであった…だが、そう思われた矢先に何かをし始める】
- 70楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/05(金) 00:07:01
「…(ため息)。作家先生ともなると手厳しいですね…。確かにうちは小説よりは一般書、それも稲荷神社…、農業を中心とした産業の神様を祀る場所の隣という場所柄…、神道や伝承…、後は最近力を入れ始めた農業や経営などの特定のジャンルに重きが置かれている特徴があるのは事実ですが…。…やはり以前この書物の在庫を使った商いをしていた方が引退してから私が在庫を引き継いで新しく商いを始めるまでのタイムラグが一番の問題なんでしょうね…。」
(嘘は言っていない。ただ引退の理由が特殊詐欺グループに買取で得た個人情報を横流ししていたなどフロント企業のように立ち回っていたことが抗争によるグループ壊滅の余波で明るみになって逮捕されたからなこと、12年の時を経て店名も立地もレイアウトも経営方針も全てを刷新したことを話してないだけ。)
目の前の客の表情に意地の悪さを感じたからか、軽く牽制を挟みつつ、この店の特徴を説明していく。その中で、在庫の空白について目の前の客も知っていることから、その理由も話さなければと暗い気持ちになりつつも、重要な部分を話す理由もないので所々ぼかしながら最後は気持ちが漏れたように返答を締めた。
- 71メイ◆9wIDxpGzlg25/09/05(金) 23:38:50
「確かに調査は別部門ですよねぇ。良い人に担当してもらえるといいんですけど……」
【心臓を精神だけで抑えながら、他愛無い会話を続ける。他の人間は全く反応していない。やはり、自分だけ狙い撃ちにされているのだろうか。更に不安は大きくなる】
【外に出た。サンチヤゴとは此処でお別れのようだ。出来るだけ素敵な笑顔を作って、手を振る】
「お元気でー!」
【彼の姿が街に消えていく。残った尋問官が、深々と頭を下げた。そして、影はまだ存在している】
「いえ、結局私の方が助けられたって言うか……そうだ、お姉さんから見て、あの御守りってどう……」
【できるだけ、自然に、気づかれないように。日常でもあり得そうな範囲の質問を紡ぐ】
【しかしその言葉を言い切る前に、件の存在が動き始めた】
- 72人世◆9wIDxpGzlg25/09/06(土) 00:11:19
「ありゃ、作家だって言いましたっけ?……いやあんな言い方したら、言ったも同然か」
【作家であることを言い当てられ、一瞬してやられた、という表情を浮かべる。“お客さん”扱いはわざとだったのか。流石に煽りが過ぎたかと、ほんの少しだけ反省する】
「なるほど、そんな事情が……。その間買取ができなかったハンデを補うのも、新書を入荷する理由って訳ですか。あぁいえ、非難してる訳じゃありませんよ。立派な戦略です」
【符号が合致して、疑問が解消される瞬間は心地いい。思わず口角が上がってしまう。その機嫌の良さのまま、一般書の置いてある方に視線を向けた】
「んー、どうしよっか。伝奇ものっぽいのを作るに資料は必須だけど、もう書いてるっちゃ書いてるしな……。農業もアリ?ベタだけど桜の木に死体を……」
【ぶつぶつと悩ましげに呟き続けるうちに、笑みが消えていく。首の角度が曲がっていくが、急にガバッと顔を上げ、良い笑顔で翠の方を向いた】
「まぁ良いや!とりあえず店主さんオススメの面白い本あります?」
【小説の資料集めという、肩の力が重くなる仕事を放棄する。一旦は“お客さん”でも良いかという諦めも混じった笑みだった】
- 73サン◆aKQ2SJ2lbM25/09/06(土) 09:11:32
サン「おーう!」【手を振り返す】
影「……………」影2「…………」
【影がサンチヤゴに手を伸ばした瞬間、彼が日に照らされて出来た影からまた新しい謎の存在が現れた、そしてその影と共にサンチヤゴは行ってしまった】
影「………」
尋問官「え?いや普通だと思いますよ?何かそういう…彼がそんなに言うのか?ってぐらいの曰くがないくらい普通に見えましたけど…」
影「………」
【そんな訳は無い、現に影は尋問官の後ろに立って、尋問官から何か黒い気の流れのような物を吸収している】
尋問官「あ、もうそろそろ此方も行かないと…それではメイさん、今回も捜査にご協力、ありがとうございました、また今後もご贔屓に!」
【そう言うと尋問官はまた警察署に戻っていった、ただ、影も貴方を見つめながら尋問官に付いていった】
【そして、貴方は一人残された】
【エミュ終了】
- 74楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/06(土) 21:29:19
「そうですね・・・。一般的な書店としてこの店を利用されるお客様相手なら2階にある虞帯先生のような人気な先生の作品等をおすすめすることもあるのですが・・・、作家先生みたいなお客様ですと書店で主に取り扱われるような新書や有名な本なんかは既に読まれているかと思いますので・・・、古書店らしいおすすめとして敢えて王道や万人受けした本は外して・・・小説のおすすめならば20年前の「死体吊りの因習」はどうでしょう?・・・この小説はもちろん純粋にミステリとして本格的なのはもちろんですが、かつての日本国における土着の言い伝えが伝わる山村の狂気的で、陰湿な舞台描写が資料に忠実に再現されているのかすごく丁寧に書かれていて、前半は推理する余裕もなく緊迫した心持ちで読めるかと、・・・一般書のおすすめなら賛否両論あって知ってはいるでしょうが、読まず嫌いされているかもしれませんが・・・、3年前の「誘導の心理実践」かと。・・・確かに著者は特殊詐欺グループの元幹部ですが、既におつとめを果たして全うにやり直しているそうなので、犯罪者への資金援助にはならないかと存じていますし、犯罪者の使った手法を知っておくことで対策になるかと。特にお客様は人の心を動かす仕事をされていますし、それでなくても社会で全うに使うこともできる内容でしたので。後は一般書だと100年前に初版が出て、うちの在庫にあるのでも50年前の第5版になる「偏見の罠」はどうでしょう?人間の偏見の恐ろしさと信じたいものを信じる性質を過去実際に起こった魔女狩り、狐憑き等といった事例を元に読者に警告していく内容ですが、その事例調査の内容が鮮明に示されていて、歴史の資料としても興味深い一冊かと。」
あまりにもざっくりした、かつ難しいリクエストに頭を悩ませながらも、「らしい」チョイスをしなければと思い、古書、かつ力を入れている神道や化け狐関係等といった稲荷神社に関係するもの、農業や経営と言った稲荷神社の主な参拝客に関連するもの、武術関係といった個人的に集めて売り物にしているものの4分野を中心にパソコンにリストを立ち上げながら頭の中のリストもフル回転させ、一般書でも小説でも対応できるように、かつ資料としても純粋な読み物としても活用できるようにと絞り込みながら、その中でおすすめできるものとその理由をいくつかあげていった。
- 75白狼王25/09/07(日) 21:33:10
- 76虚◆tsGpSwX8mo25/09/08(月) 01:58:29
- 77人世◆9wIDxpGzlg25/09/08(月) 02:13:50
【虞帯の名が出たことで、バレたかと瞬きで目が逸れたのを誤魔化す。しかしその様子はなさそうで、すぐに翠に視線を戻した】
【彼女の滔々とした説明に対して、真剣な面持ちで耳を澄ます。というより、人世も頭の中で記憶や今後の題材やらと相談しているのだ。雑な質問にしっかりとした答えが返ってきたことで、微妙に仕事のスイッチが入ってしまったのもある】
「『死体吊りの因習』は読んだことありますね。サスペンスとミステリーを志す者として、構成比など参考になる小説でした。しかし参考資料はじっくり読んで調べた記憶は無いですね。確かまだ家にあった筈なので、引っ張り出してみます。『誘導の心理実践』は兄が即座に買ってまして。久々にアタリだったよ〜、とかウキウキで言ってたので、兄が読み終えた後私も読んだのですが……」
【まっすぐな姿勢と視線が逸らされ、天を仰ぐ。此処にいない何かを、呆れを孕んだ微笑みで見つめている】
「引きました。兄に。いやしっかりした本でしたけど」
【こういうのから技術を会得しているのかぁ……、みたいな気持ちが駆け巡った本だった。家族から借りると、借りた相手がチラつくのは仕方ないとしても。そういうとこだぞ兄貴】
「『偏見の罠』は純粋に知りませんでしたね。こういう専門を持たない本って、調べずに伝聞を書いてる本も多いですから、博打に感じてあんまり手が伸びないんですよねぇ。なので、その中の良い本を聞けて嬉しいです。まぁ50年前っていうのが少し怖いですが、他の資料と照らし合わせるなら十分でしょう。検証に耐えられてきたのが良い叡智、ですからね」
【何処にありますかー?と一般書コーナーを指差す。表情からは満足が伝わってくる。ただし、大好物を食べたというより、良い店で良い食事を食べたような怜悧な満足のように見受けられる】
- 78緋蓮◆15W0MhWe7w25/09/08(月) 02:17:53
- 79白狼王◆tsGpSwX8mo25/09/08(月) 02:29:20
- 80緋蓮◆15W0MhWe7w25/09/08(月) 03:01:31
- 81楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/10(水) 20:43:25
- 82カチュー◆tpP7hhUYPqJ325/09/10(水) 22:37:07
ごはん、おねーさんの手づくり?
【女性の表情や雰囲気は一般人ですら感じるほどに自責思考といった性格が匂う。低すぎる自己評価は相対的に他人を値上げさせ、無価値な己をベットの掛け金としているようだ
そんな彼女による食事の提案。手作りは値段という部分では評価しにくいけれど懐に入り、庇護下の対象になるのは悪くない】
えーとぉ…お金、なくてもイイならぁ……
【親から子に向けたような手つきを頭で受け入れる瞬間、思考と寒気がカラダを駆け回る。急所を触れられることへの危惧、しかしここで危害を加える地味もない、こんな手つき、大昔に貰ったようなそあでもないような
記憶もほぼないような過去、それはきっと血の訓練と異能の暴力に汚れる前の記憶。ああ、今の『アタシ』には似合わない感覚だ】
ん~…食べたぁい…かなあ
【罪悪感?自己嫌悪?全くのノー、そんなものは短い人生の大半を裏で染めらたときに一緒に塗り覆われてしまった。偏った愛情の手に、ツインからポニーになった明るい髪の頭を擦り付ける。気を許した猫ほどカワイイものもあるまい、飴玉を溶かして舐める味を声にすればこんな感じじゃないかな】
- 83人世◆9wIDxpGzlg25/09/11(木) 23:15:29
「良いですよ。あ……」
【しゃがんでプレートを手に取った瞬間、“楊翠”という名前が目に入ってきた。楊という名字は、実にありふれている名字である。しかし、此処の本棚は15年前からの本が無い】
【15年前、確か楊というトップを持つ特殊詐欺グループが壊滅した記憶がある。何せ墨胆家と取引をしていたのだから、家も少し騒がしくなった。不幸中の幸いとして、壊滅したことで“始末”は特に無かったが、一人娘が居たとかなんとか……】
「……良かった、特にひび割れとかないですよー」
【面をあげ、満面の笑みで立ち上がる。少し不自然な間が空いたのを、傷を確認していたことにして手渡した】
(なるほど、以前商いをしていた方ってそういうことかぁ。中々大変なんだねぇこの人も)
【現在進行形で家業に振り回されている身として、同情と少しの嫉妬が胸を刺す。いっそのこと実家が無くなったら良いと思った時期もあったが、今は自分も完全に本丸側だ】
「『偏見の罠』はこっちの奥でしたっけ。それと……そういえば二階ってどんな感じなんです?一階と本の種類は同じなんですか?」
【『偏見の罠』付近でも探してみるつもりだが、二階の蔵書も気になる。一般的な本屋は財布が軽くなるものだが、古本屋はそうでもない。なので多めに買ってしまうのも仕方ないのだ。その代わりとして、右手が重くなることを忘れて】
- 84二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 20:06:57
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- 85楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/12(金) 21:27:52
「2階ですか?2階は新書用のフロア…実質的には一般的な書店のようなフロアになっております。この辺りはセントラルでも中心街からはかなり離れているので、地域住民が中心街に出向かずとも気軽に本を買えるようにと用意したフロアになっております。ただ…2階は1階よりも売り場が狭いのと、直接取引で購入をしている都合、あまり多くの在庫を抱えられず…、長期間の在庫にならないだろう、人気の書物に絞った品揃えになっておりますので…、お客様のような売れた本がおおよそ家にあるような方ですと、もしかしたら品揃えにあまり満足はできないやも…。
…、もし2階にあがられるようでしたら、階段のそばに置いてありますカゴをお使いください。本を抱えたまま階段を降りるのは危ないかと思いますので。」
新書も店内で品揃えを見たような発言をしていたよなぁと目の前の客の質問に不思議がりながらも、2階の蔵書の特徴を説明していく。ただ目の前の客の様子からして2階に求めているものはないだろうなとも感じ、2階の品揃えの内容の理由を話した上で合わないだろうことを正直に伝えた。
また、最後に2階についての質問を受けた際の定型分を最後に添えた。というのも、手すりがあるとはいえ過去に運動神経の良くないくいなが何冊も2階の本を買おうとして階段を降りた時に、転びそうになっていたからである。店内で怪我などされたらたまったものではないのは、商人共通の想いだろう。
- 86人世◆9wIDxpGzlg25/09/14(日) 23:38:44
「ああ、なるほど。それなら一階の方をしっかり見た方が良いのを見つけられますかねぇ。上がって私のを……」
【見てもしょうがない。そう言いかけたところで、自分のペンネームを伝えて無い事を思い出す。表情に出てしまったかもしれないが、直ぐに恐らく大丈夫だろうと思い直した。偶然、上の階の本は自分の著作しか言及していないと、思い出されない限りは】
【さっきのプレートで、つい線引きの内側に入れてしまった。しかし、それは自分だけだ。自分は“お客さん”なのだから】
「さぁて、長々と質問してしまいすみませんね。ありがとうございます」
【先程より何処となく硬い笑みで会釈し、『偏見の罠』の本棚に向かう】
【詐欺グループのフロント企業にしては、彼女は実に真摯に仕事に向き合っている。グループが復活したという話も聞かない、恐らく表の人間として継いでいるのだろう。つまり、裏の世界から解放された人間なのだ。自分と同じ側と言うには、少し陽の当たる面積が違うだろう】
(あの人何処まで知ってるんだろうなぁ……。私も裏の仕事とか無ければ、顔出しとかしてたのかな)
【教えてもらった本棚のあたりまで来た。本棚をなぞりながら、目当ての本と、他の面白そうな本も探す。本は空気みたいだ。憂鬱な世界でも、どうにか息ができる】
- 87楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/15(月) 21:59:04
- 88893◆.2EQ5ae7PI25/09/16(火) 23:18:28
その時、ドアベルが鳴る。
店のドアが開き、一人の老人が姿を現した。
時代劇から現れたかのように、着物を着流している白髪の老人だ。ツバなしの帽子を被っている。
その目つきは”武道家”の如く険しく、また”修行僧”のような厳しい表情が浮かんでおり、全身から只者ではない空気を漂わせていた。
老人は無言で、されど堂々とした態度で店の中に入ってくる。
70半ばを過ぎている枯れた身体ながらその背筋は真っ直ぐで、足腰かくしゃくなのか杖を持たない。
その威風堂々とした姿は知らぬものが見れば、店の主人かご隠居のように思わせただろう。一方で、滑らかな足さばきながら、頭を上下させず幽霊の如く歩き進む様はどこか奇妙で、ぬらりくらりとつかみどころのない印象を与えた。
「ま、まさか……あの男は……」
たまたま来店していた近所に住んでいる今年米寿の老人が、彼の姿を見るなり目を見開いた。
「ドアを開き、さも店主の如く堂々たる歩みで店内に入るあの姿……あやつ立読師じゃ」
まるで誰かに説明するかのようにそう口にした。
- 89人世◆9wIDxpGzlg25/09/17(水) 23:12:07
「たちよみ……し……?」
【人世の耳に、老人の声が届く。瞬間、脳裏によぎったのは叔父との会話であった】
『おれはな、昔本物の立読師に会ったことがあるんだ。いや、おれが一方的に見ただけだけどな。一見するとパラパラとページを捲ってるだけなのに、あの人の目には確かに本の奥の奥まで見えていたんだ』
『えー、本屋さんは困らないのかって?お前たちはそういうとこまで気が回るんだなぁ。まぁ確かにそうだ。でもな、一般書は中身を知らないと買うのは怖いだろ?それにな、立読師ってのは“買うか買わないか決めてない人”だ。そんな人を惹きつけられる本屋は、良い本屋なんだよ。立読師が来る本屋は良い本屋だ……』
【脳内で記憶の再生が終わる。獣に食われるのは美味い野菜を作ってる証、みたいなことを言われた気がする。まぁ、一理なくはない。自分も一般書は目次くらいは読んでから買う。しかし、しかしそれはそれとして、店内で立ち読みを許すか許さないかは店主の裁量ではないか】
【携帯を取り出し、“立ち読みで有名な人が来た”とメモ帳アプリに打ち込む。立読師に警戒の空気が伝わらないよう、ゆったりとカウンターに向かっていった】
- 90893◆.2EQ5ae7PI25/09/19(金) 23:50:06
立読師。
いってしまえば立ち読みのプロである。
その始まりは江戸時代にまで遡り、収集した書籍を見せていた初代大野屋惣八の客の一人が起源とされるが定かではない。
彼らは長らく本屋を中心に書籍を取り扱う多くの店に存在していたが、21世紀に入り、若者の本読み離れ、流通貫行の難題による本屋の減少、電子書籍の台頭、そして何よりコンビニを始めとした各種店舗での立ち読み禁止が増えるに伴い、立ち読み文化は廃れ、彼らもまた姿を消した。
「今では伝説とされている立読師……よもや生き残りがいたとはのう……」
近所の老人はしみじみと呟く。
店に入った立読師は悠然たる歩みで店の奥へと足を進める。
「見よ。あ奴の動きを。あえて監視カメラに映るよう狙いを定めて歩いておる。
己が犯罪者ではないと所作で示しておるのじゃ」
何故か近所の老人も彼のあとをついていき、解説する。暇なのだろうか?
立読師は凄まじい緊迫感を放ちながら歩き進め、やがて店の本棚に気に入ったものを見つけたのか立ち止まると、本を手にする。
「本棚と通路に対して平行に並び、本を傷つけぬよう引っ張り抜かず、隣の本を軽くかき分けてからとりだす。足元の重心は速やかに動けるように外側に向け、店内の動きを意識しながら、胡蝶が舞うが如くページを進ませる……見事よのう。全く隙がない」
老人の解説が終わると同時に立読師も手にした本を戻した。
- 91二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 23:35:06
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- 92白狼王◆tsGpSwX8mo25/09/20(土) 23:51:19
- 93緋蓮◆15W0MhWe7w25/09/21(日) 01:53:21
- 94楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/21(日) 09:05:53
「なんでこんな白昼堂々と・・・?・・・いや、ただの客か・・・。」
あまりの雰囲気に裏社会の人間かと警戒し、カウンターの棚の中に仕込んでいるトンファーを出しかけるが、自分には向かわずに店内の奥に進んでいったことから警戒を解き、トンファーを元に戻した。
(立読師・・・。立ち読みで有名な人が来た・・・、か。)
近くにいた店内では近隣住人なのではと思える頻度で見かける老人客の発言やゆっくりとこちらに向かう先ほどの客の持っているスマホの文字から着物の客の正体に気づき、どう対応するか思案しだした。
(同業の人と話をする機会があるときに聞いたことあったな・・・。即座に最初から結末まで読むくせに買わないこともある迷惑な客とも・・・。ただネタバレを流出させるわけではないしそもそも他の客に迷惑は掛けていないとも・・・。購入する本を決めて来店するわけではないからリピーターにするかどうかが仕入担当の見せ所とも・・・。・・・何考える余地があるんだ。うちの店は立ち読み自体は禁止していない。カメラの映像で見ても他の客に迷惑は掛けてないし商品に傷もつけてない。どちらかというと隣の老人の方が迷惑なくらいだ。それに結末まで読まれた上で購入せずに帰ったとてそもそも来店してない、他の店で購入したのと私からしたら同じようなものだし結末まで読むことなんてあの客にしかできない、無理矢理真似する馬鹿は時間が掛かりすぎるんだから止められる、後一人の迷惑行為にかまけてられるほど暇じゃない。)
「とりあえず2階に上がったりそこの新書コーナーに来るなら警戒、1階2階関わらずコミックとか児童書とかフィルムで立ち読みできないようにした本を無理矢理読もうとするならつまみ出す。何冊も何冊も立ち読みするなら牽制の意味も込めて声をかける。それで行こう。」
そう小さく呟き、いつもより監視カメラの映像に注視しながら、あと少しで終わる出張買取の手続きに再び取りかかった。
- 95人世◆9wIDxpGzlg25/09/21(日) 21:48:12
(ふぅん、店主さんは一応受け入れる気みたいだねぇ)
【彼女に文字が見えたのを確認し、ポケットにスマホを仕舞う。好感は持っていないようだが、今の所は許容範囲と言ったところか。なら良い。義理立てはした】
「やぁ、初めまして。あの立読師に会えるなんて、幸運ですねぇ。私の叔父が貴方のファンなんですよ。……サインとかやってます?」
【立読師に近づき、胡散臭い笑みで話しかける。店に配慮しているのか、かなり小声だ】
【叔父には随分と世話になっている。家の仕事もあるが、それ以上に親戚としてというか、資金面というか……。つまるところ、お小遣いである。昔から会うたびに、そして今でも貰っている。表の仕事とはいえ、自分より収入が高い甥と姪にお小遣いを搾り出す叔父には涙を禁じ得ない。たまには恩返ししなくては。決して変人に自分の好奇心が唆られた訳ではない。ほら、自分が話しかけた方がそんなに立ち読みしないかもしれないし。多分きっとメイビー】
- 96893◆.2EQ5ae7PI25/09/23(火) 11:25:14
立読師は無言で睨みつける。老いてなお鋭い視線が話しかけてきた人世を射抜く。
「あんさん……誰かと勘違いしとるんじゃないんですかい?」
地の底から響くような低い声が返ってきた。
「アッシはあのとか付けられて呼ばれるような男じゃありゃしやせんぜ」
睨むを止め、苦笑いをしたあと、背を向けて漫画コーナーに向かっていく。
「立読師というのは食文化に置ける立喰師と同じく闇の中の生き物。普通の人はまず知らん。しかも歴史の闇に消えたと思われていた存在。ワシとて今日この時まで消え去ったと思うておった。
”間違っても有名な存在などでは断じてない”
ファンとかいわれても当人からすれば困惑を通り越して不気味なだけじゃろう」
老人が彼の心情を解説する。そういう異能でも持ち合わせているのだろうか?
コミックコーナーに来た立読師はコミックを手に取る。
コミックはフィルムがされており開く事ができない。立読師といえど開けぬ本は読めない。
普通なら諦めるところだが、立読師は慌てる事なく本を手にすると、カウンターに向かうと、
「中身の確認をしたい」
店で唯一本のフィルムを合法的に外せる存在──カウンターで作業をしている楊翠に話しかけた。
- 97893◆.2EQ5ae7PI25/09/26(金) 00:34:45
「店員に対して堂々と要求する様はまるで普通の客。しかしワシには分かる……
かつて恐るべき速読で店員の前で大胆不敵にも立ち読みを完遂しえる立読師がいたという……
その男の名は……人呼んで速読のヨミじゃ!」
ババーンと謎の効果音が老人の声に合わせてなったような気がするが、恐らく気の所為だ。
「そして奴は気になった本があったらとりあえず目を通すいわゆる雑食派。
気に入れば金を惜しまずに買う。されど気に入らなければ何が何でも買わぬ。おだてられようとも、貶されようとも、泣きつかれようとも決して購入しない男じゃ。果たしてどうなる事か」
老人はそういうと黙り込み、成り行きを見守る。
- 98893◆.2EQ5ae7PI25/09/28(日) 23:00:34
- 99二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 23:20:57
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- 100二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 23:33:18
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- 101楊翠◆X8YCQtJ5qr5e25/09/28(日) 23:34:39
(ふぅぅ。まさかそう来るかぁ。さて、どうするかな・・・。まず前提としてこの客だけに特別扱いはできないししたくない。今後もし立ち読み目当ての客じゃない客が来ても同じ対応をしないといけない可能性がある。但しこの客の言い分も一理ある。フィルムは本を傷つけないという目的もあるけど古書なんだから今更というのもそうだし実際立ち読み防止の意味が強かった。・・・この客が本当に書店を渡り歩いているなら・・・。)
「このコミックの中身の確認ですね。かしこまりましたが、購入されない場合でも再包装をいたしますので私に返却をお願いします。・・・後、お客様が様々な書店を渡り歩いていると見込んでお伺いしますが・・・、いくらコミックであっても古書であれば自由に立ち読みや中身の確認はできるようにしておいた方がよい、もしくはそれができるようにしておくことでメリットがあると思われますか?」
(これで立ち読みさせることにメリットがあるならよし、メリットがデメリットを超えられなさそうなら立ち読み自体は認めつつ自由を奪えばいい。例えばこのカウンターの近く、つまり店主の私の目の前で読むようにさせるとか。)
- 102人世◆9wIDxpGzlg25/09/30(火) 02:17:03
【立読師のつれない態度に肩をすくめる。三割くらいは皮肉を込めていたのが透けただろうか】
【叔父には土産話で満足してもらうか、などと思案していると、彼が動き出した。フィルムのコミックを立ち読みする気らしい】
(まぁ、できるっちゃできるけどね)
【実際にやるには、かなりの勇気がいるだろう。特に有名人━━札付きと言ってもいい━━の立読師は、断られる可能性も十分あり得る。張った弦のような雰囲気に包まれるのも、当然だろう】
【その空気の中、翠が了承の言葉を口にした。しかし、タダでは転ばないつもりらしい】
【まぁ自分も一旦立読師がなんて答えるのか聞いてみたい。ずっと立ち読みをしてきた者が語る立ち読み。実に興味がある。満足のいく答えを得る、そのためにも……】
「本当にいーんですか?店主さん」
【立読師に支配された雰囲気の中を、ヒールを鳴らしながら歩く。もちろん行き先はカウンターだ】
「“汝の意志の格率が常に普遍的立法の原理として妥当するよう行為せよ”。模倣犯が出てきたらどうします?コミックなら、他の人だって読んでオワリってできますからねぇ。全員が立ち読みしたら、少なくともマンガ業界はやっていけない。立ち読みは“読みきれない”という点で、グレーの立ち位置を担保されてるんですよ」
【正直カントのあの一節は、自分は嫌いな方だ。主に腐れ縁のはとこのせいで。しかし、崩されるつもりの論理なら、むしろ彼奴を煽るのに使えるだろう】
【ヨミの横に立ち、挑発的な目線を送る。反論してみろ、と言わんばかりだ】