- 1◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 17:34:04
- 2二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 17:40:23
日本史勉強してたの何年前だったっけ……?
ってレベルで参加して大丈夫です? - 3◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 17:41:20
毎回、選択肢(自由記述あり)を用意していますので、お気軽にご参加ください〜
- 4◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 17:43:02
- 5◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:05:11
───
時は遡り、群雄が割拠する戦国の世。
室町幕府の権威は地に堕ち、各地では守護大名に代わって、才覚と武力を備えた戦国大名たちが頭角を現していた。
日ノ本の大地は幾度もの戦火に覆われ、城下も山里も焼かれ、無辜の民があまた命を落とす。
その混迷は、まさに「乱世」と呼ぶにふさわしかった。
しかし、乱れに乱れた国を鎮め、平和をもたらそうと志す者たちもいた。
その一人が、三河の片隅に生まれた若き武将――徳川家康。
一介の小豪族に過ぎなかった男は、やがて幾多の試練を越え、日ノ本を新たな時代へと導くことになる。 - 6◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:06:45
第一章 その名は、次郎三郎
目が覚めたとき、最初に聞こえてきたのは、どこか必死な声だった。
「……殿! 殿、気がつかれましたか!」
視界に入ったのは、和装に髷の男たち三人。額には汗をにじませ、心配そうにこちらを覗き込んでいる。俺は……なぜか布団に寝かされていて、身体が妙に重たい。熱があるようだ。夢か、熱のせいで見ている幻覚か?
「……誰?」
そう尋ねると、三人の表情がいっせいに曇った。
「おいたわしや、殿。お苦しみのあまり、お気も違われたか……」
二十代ほどの年長の男が、うやうやしく頭を下げる。
「それがし、石川与七郎数正。こちら、鳥居彦右衛門元忠、そして平岩七之助親吉にございます」
……聞いたことのある名前だ。どこかの戦国ゲームで見たような……。
「殿は、三河松平家の御当主、次郎三郎さまにあらせられまするぞ」
俺は思わず目を見開いた。
三河? 松平? 次郎三郎……? - 7◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:07:13
「お分かりですか。ここは駿府、今川館にございます」
俺は恐る恐る尋ねた。
「なあ……今って、何年だ?」
「今は弘治二年。 殿は先日よりのご病気にて、生死の境を彷徨っておられましたが……ようやくご回復の兆しが」
――弘治二年。つまり、西暦でいえば1556年。戦国時代、ど真ん中。
間違いない。俺は戦国時代の人間に転生してしまったようだ。
だが、この時の俺は――それが後に「徳川家康」と呼ばれる人物だなんて、夢にも思っていなかった。 - 8◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:08:45
男たちは、“次郎三郎”が何も覚えていないことを嘆きつつも、それを長患いによるものだと受け止めたようだった。
そして、まるで子どもに教え諭すかのように、ゆっくりと語りはじめる。
「殿は、先の三河・岡崎城主、松平広忠公と、尾張・水野家の姫・於大の方様の御長男にございます」
石川数正が、穏やかに言った。
「御生誕は天文十一年、三河の地にて。されど、わずか六つの折……尾張・織田家の人質となられました」
「三河の者は誰一人、あのときの無念を忘れてはおりませぬ……」
鳥居元忠が、唇を震わせる。
「泣きながら馬に揺られてゆく殿の後ろ姿――我が父は『生涯忘れられぬ』と、幾度となく申しておりました……」
「その後、殿は今川と織田の人質交換によって駿府へ移され……そして今に至るのです」
平岩親吉が、静かに言葉を結んだ。
俺は必死に頭の中で年表を組み立てる。
松平広忠、於大の方、水野家――どれも、戦国ゲームや歴史本で見覚えのある名だ。 - 9◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:09:29
石川数正が、声を落として続ける。
「殿の母君・於大の方様は、兄・水野信元殿が織田と同盟したため、御家を離縁され……今は尾張・阿古居城にて、久松長家殿に添われております」
「……母上が、他家に……?」
思わず漏らした言葉に、三人は驚いたように顔を見合わせ、すぐに静かにうなずいた。
「やはり、何も覚えておられぬのですな……ご無理もございませぬ」
数正が、わずかに声を震わせて言った。
「そして、父君・松平広忠公も……七年前、すでに亡くなられております。突然の死――敵の刃によるものか、あるいは……」
鳥居が何か言いかけて、唇を噛み、言葉を飲み込む。 - 10◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:09:51
「いずれにせよ、三河は今、今川の手の内にございます」
数正の声は、淡々としていながらも深い悔しさを帯びていた。
「岡崎も、家臣たちも……いかに忠義を誓おうとも、殿がこのまま駿府に幽閉され続けては、三河に先はございませぬ」
その言葉に、鳥居と平岩は嗚咽をこらえるように息を震わせた。
「それがしら、殿が必ず三河を取り戻し、松平の御名を再び掲げる日が来ると信じ……こうしておそばに仕えてまいったのです!」
三人は床に額をすりつけるように深く頭を下げた。
その必死な姿を前に、俺は――いや、“俺”として生きてきた人間は、何と答えればいいのか分からなかった。 - 11◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:10:12
【年:1556年(弘治2年)】
【年齢:14歳】
【主君:今川義元】
【官位:なし】
【領地:三河(名目上)】
【居住:駿府・今川館】 - 12◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 18:11:00
次の展開
【選択肢】
1.病が癒え、今川義元と対面
2.義元の母・寿桂尼が見舞いにくる
3.今川軍師・大原雪斎が見舞いに
4.今川家臣の娘・瀬名と田鶴が見舞いに
5.その他(自由記述)
該当レス下3つからダイス - 13二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 18:24:30
今川義元暗殺未遂の一報がもたらされる(あくまで未遂)
- 14二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 19:04:45
1の 病が癒え、今川義元と対面
- 15二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 19:36:46
3で
- 16◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 19:38:16
- 17◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:09:19
第二章 駿河の支配者たち
それから一週間ほどが過ぎた頃。
病も癒え、体力が戻りつつあった俺は、今川館の主――今川義元に挨拶へ向かうこととなった。
「殿が病によってすべてをお忘れになったことは、すでに館中に広く伝わっております。太守様……義元様も、その旨ご承知とのこと。しかし――お覚悟を」
石川数正が低く囁く。その声音に、緊張が増すのを感じた。俺は深くうなずき、気を引き締める。
これから対面するのは、駿河・遠江・三河を束ねる「海道一の弓取り」――今川義元。
その嫡男・今川氏真。
そして、義元の母にして、事実上の今川家を陰で支配する女傑、寿桂尼。
その三者が一堂に会する場へ、俺はこれから足を踏み入れる。 - 18◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:09:49
今川館の広間に通される。
燦然と輝く金箔張りの襖が、差し込む光を柔らかく反射し、磨き抜かれた床は姿を映すほど滑らかだ。
床の間には流麗な筆致の掛軸が掛けられ、薄く漂う香の香りが鼻をくすぐる。
すでに三人は揃っていた。
今川義元――高貴な直垂をまとい、立烏帽子を戴いたその姿は、まさしく「将軍家をも凌ぐ男」の風格を放っている。顔立ちは細く整い、眉目は端正。だが、瞳にはただの貴族にはない、鋭く通った芯と、周囲を支配する威厳が宿っていた。
その隣に控える嫡男・氏真――同じく直垂姿で立烏帽子を戴くが、父に比べればまだ若く、どこか気取りが強い。仕草や視線に、自分を飾り立てようとする癖が垣間見える。
そして、二人の脇に控える老女――寿桂尼。
質素な尼衣ながら、ただ座しているだけで空気が張り詰める。背筋は真っ直ぐに伸び、年齢を重ねても衰えぬ気迫がその眼差しに宿っていた。彼女の存在は、義元でさえ軽々しく扱えないものだと、一目で分かった。 - 19◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:10:15
俺は石川数正に軽く促され、床に手をついた。
「松平次郎三郎、参上仕りました」
背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと深く頭を下げる。床に額が触れそうになった瞬間、義元の落ち着いた声が響いた。
「面を上げられよ、次郎三郎どの」
顔を上げると、義元の鋭くも澄んだ瞳が真っすぐ俺を射抜いていた。その眼差しは威圧というよりも、品定めをする冷静さと、わずかな慈愛を含んでいる。
「回復されたようで何よりじゃ。……よう戻ってこられた」
その言葉に、俺は一瞬ためらいながらも、はっきりと応えた。
「もったいなきお言葉、かたじけのうございます。されど……それがし、病の熱のために、己の名も、生い立ちも、すべて忘れ申してしまいました。まこと、お恥ずかしゅうございます……」
義元はほんのわずかに目を細め、低く息をついた。
「存じておる。それほどまでに苦しまれておったのじゃな」
俺はただ、無言でその視線を受け止めるしかなかった。 - 20◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:10:35
「次郎三郎どのは、三河よりお預かりした大事な御仁。元服の折には、余と氏真のもとにて、存分にお働き願いたい」
義元は微笑を浮かべつつ、視線をゆるやかに寿桂尼へ向けた。
寿桂尼は静かにうなずき、言葉を発することなく再び俺へと目を向ける。
「次郎三郎どの、そなたはお若い。これからにございますぞ」
その声は柔らかく、慈母のような響きさえあった。だが、その奥に潜むものは決して甘いだけのものではない――そんな感触が背筋を撫でる。
ふと横を見ると、氏真が口の端をわずかに上げていた。笑みと呼ぶには冷たく、目の奥には見下す色がはっきりと宿っている。
言葉には出さずとも、その視線は語っていた。
――“お前は家来として、ふさわしくしておれよ”。
俺は、その意味を測りかねながらも、ただ静かに膝を折ったまま、彼ら三人の視線を受け続けていた。 - 21◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:12:08
【年:1556年(弘治2年)】
【年齢:14歳】
【主君:今川義元】
【官位:なし】
【領地:三河(名目上)】
【居住:駿府・今川館】 - 22◆qurqnrwxxY25/08/14(木) 20:12:25
次の展開
【選択肢】
1.今川軍師・大原雪斎と対面
2.今川家臣の娘・瀬名と田鶴と対面
3.元服(成人の儀)を提案される
4.その他(自由記述)
該当レス下3つからダイス - 23二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 20:29:57
4
一向宗、本願寺の一揆対策に高田派を支援する事で弱体化する事を狙えるのでないか?と相談する - 24二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 00:37:01
1で