- 1二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:46:46
作:美遊・エーデルフェルト
イリヤは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のイリヤを除かなければならぬと決意した。
イリヤには政治がわからぬ。
イリヤは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。
けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。
きょう未明イリヤは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此の冬木の市にやって来た。
イリヤには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な兄と二人暮しだ。
この兄、村の或る律気な一牧人を、近々、花嫁として迎える事になっていた。結婚式も間近かなのである。イリヤは、それゆえ、花婿の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。
先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。
イリヤには竹馬の友があった。イリヤである。今は此の冬木の市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。
歩いているうちにイリヤは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。
もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。
のんきなイリヤも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した。
若い衆は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いてイリヤに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。イリヤは答えなかった。
イリヤは両手でイリヤのからだをゆすぶって質問を重ねた。イリヤは、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「イリヤは、人を殺します。」 - 2二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:50:22
最低だよイリヤ…
- 3二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:59:26
(古伝説とイリヤルの詩から)
- 4二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:00:20
イリヤ「生きているなら、イリヤだって殺して見せる」
- 5二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:01:07
父・母「………」
- 6二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:09:13
せめて竹馬の友のところには自分を当てはめてほしかったぞ美遊…
- 7二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:12:02
イリヤには竹馬の友があった。イリヤである。の意味不明感すき
- 8二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:13:13
問1.イリヤはイリヤに対して何を思ったか答えよ
問2.イリヤはイリヤとどのような関係であったか答えよ
問3.イリヤは何をしているか述べよ - 9二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:13:58
イリヤは、人を殺します(聖杯戦争ぶん投げて自分を置いていった父親への恨み)
- 10二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:21:55
「イリヤ、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、イリヤの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
イリヤは、ひどく赤面した。 - 11二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:33:16
士郎だけイリヤを回避している…