- 1二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:05:40
- 2二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:06:58
「グレーたん、知ってますか?」
星穹列車に遊びに来ていたヒアンシーがこちらを振り返り言った。彼女の大きな瞳はきらきらと輝き、まるで何か面白い秘密を打ち明ける子どものようだった。
「……なんだよ、急に」
穹は眉をひそめる。
「たんたんは――尾骨の辺りをたんたんしてあげると、すごく気持ちよさそうにするんです」
「…………は?」
思考が一瞬止まった。
近くにいた丹恒がピクリと肩を震わせたが、すぐに無表情を装う。だが、わずかに耳が赤くなっているのを俺は見逃さなかった。
(……いやいやいや。近くに丹恒いるのにそれ言うのかよ……!)
頭を抱えたくなったが、ヒアンシーはお構いなしに続ける。
「本当ですよ。この前ちょっと試したら、たんたんが……ビクッて反応していて、とっても気持ち良さそうだったんですよ」 - 3二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:07:59
「……!」
丹恒の眉間がピクリと動き、ヒアンシーに鋭い視線を向ける。だが彼女は気にせず、むしろ得意げに胸を張った。
「――そんな事実はない」
低く淡々とした声。けれど少し赤くなっている気がする。
「じゃあ、もう一度試してみましょうか?」
ヒアンシーはきらきらと目を輝かせる。
「……別に、やってもいいが」
ほんの少し嫌そうに顔をそむけつつも了承する丹恒。
「おい、やめといた方がいいんじゃないか?」
俺は嫌な予感がして口を挟む。
「問題ない。事実無根だから、それを正すだけだ」
丹恒はきっぱりと言い切ると、ヒアンシーの近くに移動して座り直した。 - 4二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:09:02
「ふふ。じゃあ……たんたん、姿勢を変えてください」
ヒアンシーの細い指先が、姿勢を変えた丹恒の尾骨の辺りをゆっくりと這うようになぞる。反応を確かめつつ、微かに圧を変えながら敏感な部分を探っているようだ。適宜指先を一度止めて”たんたん”と刺激を与える。それを繰り返していると、次第に丹恒が反応してしまう。
「……っ」
丹恒の背筋がピンと伸び、わずかに肩が震えた。表情は崩さない。だが、顔にうっすらと赤みが差していく。
「……いや、これは……」
苦し紛れの言葉を探すが、再びヒアンシーの指先が尾骨の辺りをゆっくりと這うようになぞると、徐々に呼吸が乱れていく。
「やっぱり! たんたんはここを触ると、すごく気持ちよさそうですね!」
ヒアンシーは嬉しそうに声を上げる。 - 5二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:10:12
「……ち、違……」
否定の言葉は最後まで続かず、丹恒は唇を噛んで目を逸らす。体はビクンビクンと反応してしまっていた。
「…………」
その様子を見ていた穹は、額を押さえて天を仰ぐ。
(やっぱりダメだったじゃん……まぁ、否定したい気持ちは分かるけど…)
「グレーたんにもやってみてもいいですか?」
「はあ!?」
急にそんなことを言うヒアンシーに驚き、思わず声が裏返った。
「いや、別にいいけど……俺は反応しないからつまらないと思うぞ?」
少し考えてから虚勢を張るように言ってみせる。けれど正直心のどこかで――ヒアンシーに体を触られることに、少し怖いような、妙な期待のような気持ちも混じっていた。 - 6二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:11:19
「ではグレーたん、触りますね!」
ヒアンシーは迷いなく穹の腰へ手を伸ばす。
「ちょっ……!」
制止する暇もなく、腰回りをもみもみされ、その後にヒアンシーの手は徐々に下へと下がっていき、内股を”さわさわ”されたその瞬間――背筋にゾワリと電流のようなものが走った。
「……っ!」
思わず体がビクンと跳ねる。
(な、なんだこれ……!)
くすぐったさとも違う。不思議な心地よさが全身に広がり、呼吸が浅くなる。原因の一つに、ヒアンシーに触られているからというのもあるかもしれない。
「グレーたんは、ここが気持ち良いんですか?」
ヒアンシーは嬉しそうに目を細める。
「……いや、ち、違う……別に気持ち良くなんて……」 - 7二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:12:22
穹は必死に言い訳するが、体は正直だった。再び”さわさわ”されるとまた反応してしまう。
「……穹」
低い声で名を呼ばれ、顔を上げると――やや冷ややかにこちらを見つめる丹恒。呆れつつも、どこか同情めいた温かさが混じっている気がする。
「いや、お前も同じような反応してただろ!」
穹が叫ぶと、丹恒は咳払いでごまかした。
「うるさい……俺は穹ほど反応してない」
「いや、丹恒もだいぶ気持ち良くなってただろ!」
「ふふっ。やっぱり二人とも同じような反応ですね!」
ヒアンシーは満足そうに手を叩いた。
「一緒にするな」
「……俺より丹恒の方が反応してたって!」
二人同時に抗議するが、ヒアンシーは全く悪びれない。むしろ楽しそうに続けた。 - 8二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:13:30
「でも不思議です。グレーたんは内股を、たんたんは尾骨をちょっと刺激するだけで、とっても気持ち良さそうにするなんて……次は、もっと感じやすいところを……」
「ヒ…ヒアンシーさん…?」
冷や汗が背中を伝う。頭の中でヒアンシーの指が次に触れそうな場所を勝手に想像して、胸の奥がざわつき、気が気じゃなくなってしまう。
「グレーたん、どうかしましたか? それより別の場所も試してみたいんですが、いいでしょうか?」
「絶対やめろ!」
「二度とやらないでくれ」
二人の声が重なり、ようやくヒアンシーは「むぅ」と頬を膨らませて手を引っ込めた。
しかし――その無邪気な笑みを見る限り、彼女がまた同じようことをしてくる日も遠くはなさそうだった。次はどこを触られてしまうのだろうか……やめてくれと言いつつも、少しだけ期待してしまっていた。
完。 - 9二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:14:28
- 10二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:16:22
ブクマした ありがとう
- 11二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:23:54
そうそう。このスレ!
- 12二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:28:04
NTRに萌えてんのかテクニシャンなヒアンシーに萌えてんのかもう分かんなくなってきたな ナイスSS
- 13二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:20:18
ここじゃなくてpixivに上げなって言おうとしたらもう上がってて草
- 14二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:36:16
軽い気持ちで開いためっちゃ良いSSだった…
その気になったら続きを書いてくれると嬉しい - 15二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 00:47:25