- 1二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:12:43
- 2二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:14:32
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「UMAがダメなら他の動物も考えてみようよ!」
「普通、UMAは最初に除外するものなんですけどね。砂漠で有名な動物を展示するわけですか」
「真っ先に思い浮かんだのはサソリ!コブラ!かな!」
「毒を持った動物ばかりじゃないですか。飼育するのは難しくないですか?」
「うーん…そっかー…」
「それに女性ウケが悪そうなので虫や爬虫類をメインにするのはやめておきましょう」
「ひぃん…」 - 3二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:16:37
「ユメ先輩」
「どうしたの、ホシノちゃん?」
「私も一応考えてみたんですけど、ラクダを競馬のように走らせるラクダレースというものがあるそうです」
「そうなんだ!」
「ラクダは砂漠に適応した生き物ですし、安定して生産、調教ができれば興行として成立するかもしれません」
「それいいかも!」
「というわけで可能なら一頭捕獲してこようと思うんですが、ユメ先輩はアビドス砂漠でラクダを見たことや目撃情報を聞いたことはありますか?」
「うーん、残念だけど見たことも聞いたこともないな〜」
「そうですか…」
「フタコブラクダならぬフタコブユメならここにいるけどね!」バイーン!
「ふんっ!」ペチン!
「な、なにするの、ホシノちゃん!?」プルン!
「自慢ですか!?このこの!」ペチン!ペチン!
「ひぃん!」バルン!ボイン! - 4二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:18:39
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「アビドスに相応しい目玉動物見つけたよ!これ!フンコロガシ!」
「フンコロガシ…」
「フンコロガシは昔スカラベ?って呼ばれてた神聖な虫で太陽や再生の象徴!って感じで大切にされてたんだって!アビドスにピッタリでしょ!」
「虫はやめておきましょうと言ったばかりなんですけど…」
「展示するんじゃなくて、ゆるキャラにしてアビドスのマスコットにするのはどうかな?」
「マスコットですか。その方向なら女性ウケもよさそうですし良いかもしれませんね」
「デザインも考えてみきたんだよ!ほらコレ!」
「うーん……何というかこれは……正直ペロロ未満ですね」
「ひぃん…」 - 5二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:20:24
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- 6二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:21:24
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「他にも食べ物でアビドスをアピールするのはどうかな!」
「アビドスの農業に特徴的なものってありましたっけ?」
「ふふん、甘いねホシノちゃん!砂漠にしか生えない植物、あるよね?」
「なるほど、サボテンやヤシですか。地域性を活かしてますし一理ありますね」
「さっそく試食しに行ってみない?」
「わかりました。ユメ先輩は携帯コンロやフライパンなどの調理器具を用意しておいてください」
「まかせて!」
「私は水やコンパスとか『命 に 関 わ る 物』を『し っ か り』用意しておきますね」
「ひぃん…」 - 7二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:23:00
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「サボテンステーキ焼けたよー!」
「わかりました、すぐに行きます」
「ヤシの方はどうだった?」
「見つかりませんね。さすがにオアシスがないと育たないみたいです」
「そっかー…残念…」
「ところで焦げ臭くないですか?」
「あっ!火を止めるの忘れてた!」
「気を付けてくださいね」
「ひぃん…」 - 8二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:24:56
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「お味はどうかな?」
「これは…何というかオクラに近い感じで思ったよりイケますね」
「やったー!」
「でもわざわざ砂漠まで来てお金払ってまで食べたいかというと正直微妙ですね」
「うーん……そうだ!調味料も色々持ってきたから試してみようよ!」
「そうですね。オクラに近いので醤油や出汁が合うかもしれません」
「この組み合わせはどうかな?バター醤油なら鉄板でしょ!」
「それはもうサボテンとか関係なしにバター醤油が美味しいだけじゃないですか?」
「ひぃん…」 - 9二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:27:05
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「いつか砂祭りが復活したらさ、サボテンステーキの出店をやってみるのもいいかもね!」
「売れますかね、コレ」
「ご当地グルメなら一度くらいは食べておこうって人も多いと思うしきっと大丈夫だよ!」
「そういうものなんですか…?」
「うん!それにお祭りの楽しい雰囲気の中で食べればなんでも美味しく感じるよ!」
「たしかに、そうかもしれませんね……それはそれとしてクレームが来たら発案者であるユメ先輩が対応してくださいね」
「ひぃん…」 - 10二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:28:45
「ユメ先輩」
「どうしたの、ホシノちゃん?」
「校舎に入る前にしっかり砂を落としてくださいね」
「わ、わかってるよー」
「髪や服だけじゃなくて盾のヒンジや拳銃のスライドに砂が噛んでないか確認するんですよ。後でメンテナンスするのも忘れないでください」
「はーい!……これでよしっと!」
「ここの谷間を確認するのを忘れてますよ」ペチン!
「ひぃん!今回は自慢してないよー!」プルン! - 11二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:30:52
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「メンテナンスしようと思ったら拳銃のスライドが変なんだよー!」
「見せてください…確かにスライドの動きが渋いですね。でも砂が噛んでそうな感触でもないし……」
「何が原因なんだろう?」
「ん?何か匂いがおかしいような……あっ!ユメ先輩、ガンオイルと間違えてサンオイル塗りましたね!?」
「えぇっ!?そんな間違いしてたの!?……あれ?ということは私が身体に塗ったのって……」
「早く洗い流してきてください!かぶれますよ!」
「ひぃん!」 - 12二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:32:38
「ホシノちゃーん!」
「なんですか、ユメ先輩?」
「今いる動物や植物の他にも、いなくなった動物を探すのはどうかな?」
「どういうことですか?」
「化石だよ、化石!ちゃんと場所の目星も付いてるよ!外の世界の砂漠には化石がたくさん埋まってた谷があるんだって!アビドス砂漠の谷にも化石が埋まってるかも!」
「それは……」
「カッコいい恐竜の化石や、もしかしたらホシノちゃんが大好きなクジラの化石も見つかるかもしれないよ!」
「……本当に、馬鹿ですね……」
「あ、あれ?ダメだったかな……?」
「私は本当に馬鹿です!どうして今までその可能性を見落としてたんでしょうね!」
「えぇっ!?」
「ユメ先輩!ツルハシやスコップはどこに置いてましたっけ!?さっさと準備して行きますよ!」
「ひぃん!」 - 13二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:34:06
「ユメ先輩!」ザクザク!
「どうしたの、ホシノちゃん!?」ホリホリ!
「クジラの化石が見つかったらアビドスアクアリウムのエントランスに飾りましょう!」
「それいいね!絶対観光客が増えるよ!」
「恐竜の化石が見つかったらミレニアムの考古学を研究してるところに売り飛ばしましょう!」
「えぇっ!?売っちゃうの!?博物館を建設して観光資源にしたほうが…」
「その建設資金を稼ぐためにもまずは売却です!モノによっては億単位で売れるらしいですよ!それに一体見つかればその周りにも埋まってるに決まってます!また掘ればいいんです!」
「ひぃん!」 - 14二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:35:31
「ユメ先輩!」ザクザク!
「どうしたの、ホシノちゃん!?」ホリホリ!
「発見した化石が新種だった場合、発見者に命名権があるそうです!」
「命名権?つまり名前をつけれるってこと?」
「そうです!だから今のうちに名前を考えておいてください!例えばアビドスユメサウルスとか!」
「えーっと…じゃあアビドスホシノクジラ!」
「トリケラクチナシプス!」
「シロナガスタカナシクジラ!」
「クチナシクチアリトゲトゲサウルス!」
「クチないの!?あるの!?えーっと…メガロホシノシャーク!」
「ユメ先輩!シャークはクジラじゃなくてサメです!」
「ひぃん!」 - 15二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:36:56
「はぁ、はぁ……ホ、ホシノちゃん……」
「な、なんですか……ユメ先輩……?」
「だいぶ暗くなってきちゃったね」
「そうですね、今日はここまでにしておきましょうか」
「はぁー!疲れたぁー!」
「少し休みましょうか」
「…………」
「…………」
「ホシノちゃん」
「なんですか、ユメ先輩?」
「星が綺麗だね」
「そうですね」
「…………」
「…………」 - 16二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:38:16
「ホシノちゃん」
「なんですか、ユメ先輩」
「ごめんね、今回も収穫ゼロだったね」
「気にしないでください。これはきっと…………私が望んだことですから」
「そっか!でも、またホシノちゃんといっぱい遊べて楽しかったよ!」
「私も、またユメ先輩と色々話せて楽しかったです」 - 17二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:40:20
「ユメ先輩」
「どうしたの、ホシノちゃん?」
「お盆……終わっちゃいますね……」
「そうだね……」
「…………」
「…………」
「ユメ先輩」
「どうしたの、ホシノちゃん?」
「前にも言いましたけど、私はもう、大丈夫です」
「そっか!じゃあ私は安心して『戻れる』ね!」 - 18二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:42:35
「ユメ先輩」
「どうしたの、ホシノちゃん?」
「大丈夫っていうのは……その、もう会えなくてもいい……って言う意味じゃなくて……」
「うん、ちゃんとわかってるよ」
「だから、また来年……帰ってきてください」
「もちろんだよ!じゃあまた来年ね!」
「はい」
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・ - 19二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:44:25
・・・・きて・・シノ・・輩
「起きて、ホシノ先輩」
「うへぁ!?」
「寝過ぎ、もう夜」
「おはよー……じゃなくてこんばんは、かな。シロコちゃん」
「…………」ジーッ
「な、なに?よだれとか寝癖でもついてる?」
「なんだかすごくニヤニヤしてる」
「うん……久しぶりに楽しいユメを見たんだ」
「そう、夢もいいけど現実もこれから楽しくなる。ん、コレ」
「賞金首の手配書?」
「アビドスの廃墟に潜伏してる。でも手下の数が多い。夜襲をかけるから手伝って」
「おっけー!たまには後輩にカッコいいところ見せないとね!じゃあ行こっか!」
「ん!」
おわり - 20二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:46:00
以上
ユメパイにいっぱいひぃんって言わせたかったSSでした - 21二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:46:18
哀しい
- 22二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:46:41
乙でした
こんな夜、こんなユメがあってもいい
なんたってお盆だからね - 23二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 19:48:14
素晴らしい
- 24二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 20:26:17
ホシノが自分を許した事でユメ先輩との楽しい夢を見れるようになったと考えるとエモい…
- 25二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 20:29:38
いやあ
よかったよかった - 26二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:03:45
帰りの精霊馬から落っこちねーか心配になるユメ先輩だ
- 27二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 21:09:04
盆の終わりにしんみりと心地よいお話でした
- 28二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:24:57
もうお盆も残り30分ちょっとか
ユメパイは天国まで無事にたどり着けたんだろうか - 29二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 23:01:00
感想かんしゃあ〜
諸君らも良いユメを