- 1二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 19:50:05
センパイってリーリヤをプロデュースすると決めた際にスウェーデンを訪れていたらしいけど、それってつまりリーリヤに馴染みある景色やスウェーデンの絶景をセンパイも見たことがある可能性があるんだよね
そうなると長期休みか何かでリーリヤが帰省した際、幼い頃から何度も見てきた美しい自然の景色を撮影してセンパイに送ったら、「以前スウェーデンに行った時に訪れましたが本当に素敵な景色ですよね(意訳)」
なんて返ってくる可能性があるわけですよ
「センパイもここに来たことがあったんだな……」とちょっと嬉しくなったリーリヤはつい、
「いつかセンパイとも一緒に、この景色を見たいです」なんてメッセージを送るんだけどさ、
二人で一緒にこの景色を見る姿を想像をしたリーリヤは、果たしてそれがどういう状況か、どんな経緯でそうなるかまで空想が膨らんじゃって、羞恥に熱くなった顔をスウェーデンの涼しい風が冷ましてくれるまで悶えることになるんだよね
一方でリーリヤからのメッセージを受け取ったセンパイも「あの場所に葛城さんが居るのか……」とスウェーデン訪問の記憶を思い返すんだよね
自分が実際に訪れた時のこと、そこに葛城さんが居る姿を想像したセンパイは、「今度は一緒に見に行きたい」という返信をこっそりと噛み締めて、複雑に込み上げたプロデューサーである今はまだ不適切な感情を追い出すように、開け放った窓の向こうに深く息を吐くんですよ
そんなコミュはありませんか - 2二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 19:51:02
てめぇシチュエーションだけ置いていくつもりか?
仕方ねェ………
俺が。
用意する!!!!!!!!!!!!!!!! - 3二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 19:51:07
そしてメッセージの返信にセンパイとリーリヤが各々悶えることになる話もきっとある筈なんですけどどう思いますか
現場からは以上です - 4二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 19:53:27
用意するからちょっと待ってて
- 5二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 20:07:47
書きたいことは書いたから後は好きにしてくれなんですけど、センパイとリーリヤにはスウェーデン旅行はもちろん国内の旅行もしてほしいですね
センパイの故郷とかどうですか - 6二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 20:12:12
すごくプラトニックな仲っすね
- 7二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 20:12:37
- 8二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 20:31:32
- 9二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 21:49:41
全体像できた
書く - 10二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 22:25:29
コーヒー冷めるから早く
- 11二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 23:17:36
スウェーデンの美しい湖沼に佇むリーリヤを想像してぼうっとしてしまうセンパイはきっと居る
- 12二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 03:46:22
今年の春休みは、例年より少し長いらしい。
その春休みの始まりに、俺と葛城さんはしばらくの別れを経験することとなった。
「行ってきますね、センパイ!清夏ちゃん!」
「いってらっしゃーい!」
「カゼ......ひくなよ。」
「せ、センパイ.......!!!!!」
一番欲しかった言葉ですと言わんばかりに、彼女は目を輝かせていた。
彼女が飛行機に向かっていく姿を見送り、俺のもう一人の担当アイドルである紫雲さんと帰路に着く。
最初に比べれば、HIFも超えて彼女とかなり打ち解けてきたと思う。
「紫雲さんは葛城さんと離れる事になったら.......もっと、涙を流しながら抱擁でも交わすものだと思っていたので少し意外でした。」
「ちょっと〜?センパイにとってあたしはそんなにおこちゃまに見えるの〜?」
「いえ。単純な印象ですね。」
彼女は、まあ、そうかもなといった表情を浮かべた。
「ま、昔は泣いてたけどね。次いつ会えるか分かんなかったし。」
「でもね、今は大丈夫なんだ。」
「リーリヤは絶対に帰ってくるって分かってる。ここに帰ってくるって分かってる。”次”がいつか分かってる。」
「HIFを優勝した二人で一人のアイドル、葛城リーリヤの変えるべき場所は、このステージだから!..........みたいな?」
「なるほど。」
こうして話していると、俺も紫雲さんもかなり”それっぽい”言い回しを好むようになったと思う。
「それにしても、今の言い方は月村さんの歌みたいでしたね。」
「あ~、それだ!」
葛城さんがいない寂しさを埋め合うように、俺達は話しながら天川の地へ帰った。 - 13二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 13:08:49
保守
- 14二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 16:42:26
Day1
翌日、葛城さんがメッセージと写真を送ってくれた。
『家につきました!』
業務連絡用に作った、三人のメッセージグループには葛城さんの実家の写真。
『おつ〜、それと、リーリヤあたしのこと好きすぎでしょ!」
その写真の手前側には、紫雲さんのちびぐるみが写っていて、彼女はそれを喜んでいるようだ。
それにしても、この町並みはなんとなく見たことがあるような気がする。
『俺が以前スウェーデンに行ったとき、そのあたりを通ったような気がします』
『本当ですか!?』
『うろ覚えですが.......』
『同じ景色を見てたって、なんだかうれしいです』
紫雲さんから、『わかる』とスタンプが届いた。
俺も、同様にスタンプを送っておいた。 - 15二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 20:17:52
ほしゅ
- 16二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 04:01:46
お父さん、お母さんが部屋はそのままにしてあると言っていた。
まあ、あらかた荷物は日本に送ってしまったんですけど、過去のアルバムや、清夏ちゃんに見せられないようなものはここに残してあるという訳で........。」
「このヤンデレ美少女ゲームは流石に持っていけないよ.........。」
そして、これも家に置いてきた。
釣り竿!
レジャー用の椅子を置いて、アイスピックで穴を開け、その穴を広げて糸を垂らす。
お父さんのお下がりのウォークマンで音楽を聞きながら、ワカサギが食いついてくるのを待つ。
冬から春にかけてのの趣味として、わたしはワカサギ釣りをそこそこ嗜んでいた。
氷の上を滑ったりするのは苦手だったから........。
「センパイと、いつか一緒にやりたいなぁ。」
いつか、二人でスウェーデンに。
今回だって、撮りだめをした動画を切り崩してもらっているし、今もセンパイは仕事をずっとしている。
じゃあ、来れるのはわたしがアイドルを卒業したあと。
でも、センパイには見せたい場所がいっぱいあって、ワカサギ釣りはそんなに派手じゃないし、わたしも住んでいた頃だからこそ楽しめたものだと思うから......小旅行ではやる時間がないかなぁ。
「センパイがこっちに住んでくれたら、な。」
........ちょっと待って。
それって、わたしとセンパイが、結婚するってこと?
いやいやいや、ちょっと飛躍しすぎ、
でも、ないのかな........?
.......うぅ、なんだかドキドキしてきた。
わたし、センパイのことが好きなんだってわかってたけど、結婚したいの”好き”だって分かったのは、今この瞬間かもしれない。 - 17二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 13:54:42
ほしゅ
- 18二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 22:32:48
てぇてぇ……
- 19二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 02:38:55
事務所で仕事をしていると、母親から電話がかかってきた。
『あんた、春休みはかえってこんとや?』
うちの母親はいつも唐突だ。
『仕事しとるけん、そんな急には帰れん。」
『は〜......まああの雪の妖精さんみたいな娘ぉ。かわいらしいもんな、お母さんも会ってみたいわ。』
『はぁ.......葛城さんは今スウェーデンに帰っとるけん、帰るとしても会うのは無理や。』
『あんた、普通に考えてアイドルがプロデューサーの実家に行くわけなか!なんば言いよっとや?』
『.......まあ、そうか..........。」
よく考えたらすごくおかしな話だ。いかに学生同士とはいえ、葛城さんが興味を示したからといって、実家に行くのはアイドルとプロデューサーの関係として俺達は不健全なのかもしれない。
「プロデューサーくん?」
「ああ、先生。今行きます。」
『まあ、夏は顔を出します。』
『はーい、元気で。』
.......でも、今更葛城さんから離れられる気がしない。
俺のよく遊んだゲームの話もしたい。俺のおすすめのラーメン屋さんにも連れていきたい。
お母さんの作る唐揚げはうまいから、ぜひ食べてみてほしい。
福岡だけじゃない、九州にはいろんなものがある。そのすべてを知っているわけではないけど、知っていることすべては教えたい。
もし将来福岡に住んだら、葛城さんはおとなしいから苦労するだろうけど.........。
.......俺はプロデューサーなのに、なんで彼女の引退後のことを、しかも葛城さんが自分と一緒になってくれる前提で考えているんだろう。
よくない。よくないけれども、考えてしまう。
俺が仕事を終えて家に帰ったとき、彼女があの唐揚げを作っていてくれたら、どれだけ幸せなことだろうかと。
彼女が仕事のときは、俺が今作り置きしている、簡素で栄養補給に特化したようなものではなく、柄じゃないかもしれないけれど、ちょっとおしゃれな料理も作ってあげたい。
俺は、葛城さんが恋しい。まだ少ししか経っていないのに、ずっとあっていないようで、彼女の事ばかり考えてしまう。
離れてみて、強く再確認させられた。
俺は、彼女のことが好きだ。