Let the right one in. Part4【SS・オリキャラ有】

  • 1二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 19:56:51

    夜が深まる

    何かが目覚める

  • 21◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 19:57:51
  • 3二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 19:58:19

    立て乙

  • 41◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 19:59:20

    お盆休みを満喫していたら大変な事故が起きてしまったSSの続きを書いていきたいと思います

  • 51◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 20:09:56

    まずは相談事から。
    先日の生放送で、新規生徒として白尾エリさんが追加されるとの発表がありました。
    このスレを以前から読んでいただける方はご存じでしょうがエリというオリキャラを登場させていまして……名前が被ってしまってどうしましょう、という相談です。
    今の所二通りプランがありまして
    1.オリキャラの方のエリを別の名前に置き換えて続きを書いていく
    2.完結するまではエリで通して、その後別媒体(笛など)にアップする際に名前を置き換える
    のいずれかになるかなぁ……と考えています。
    どちらが良いですかね……?

  • 61◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 20:17:25

    私としては2で行きたいと思っていますがどうでしょう……?

  • 71◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 21:05:19

    このまま待っているのもなんなので、一先ず書き進めていきますね

  • 81◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 21:32:40
  • 9二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 21:42:14

    別にそのまんまで良いと思うけどなぁ
    もし作中で関わったときに分かりやすくしてもらえれば

  • 10二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 21:59:21

    変えなくていいんじゃね派

  • 111◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 22:39:16

    モモフレンズの限定グッズを買った帰り道、トリニティ総合学園の学生、城島ルカはD.U.の夜道を歩いていた。寒さで頬と鼻を赤らめて、長い髪が揺れる。

    まったく充実した一日だったと、ルカは右手に持った戦利品で膨らんだビニール袋を見ながら思った。特にファッションブランド「ローレライ」とピンキーパカのコラボぬいぐるみを買えた時は、思わず叫びかけた。コラボの初報が出て以来ずっと欲しくて探していたのに、トリニティの学区内ではどの店舗でも品切れで、半ばあきらめかけていたのだ。

    補習授業部のあの方には、感謝しないといけないわね。ルカは脳裏に人当たりが良い笑顔を浮かべたおさげの少女を思い浮かべた。「シャーレの当番に行ったときに、まだグッズが残っているのを見かけた」と彼女が氷の魔女に話しているのを偶然立ち聞きすることが無ければ、ルカが今日D.U.に来ることは無かっただろう。

  • 121◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 22:40:32

    ルカはモモフレンズのキャラクターの中でピンキーパカが一番好きだった。カバだかカピバラだかカモノハシだか、今一つ判然としないあやふやな姿(彼女自身はアルパカだと信じている)が可愛らしく思えて、グッズを見かける度つい買ってしまう。そのおかげで寮の部屋が少々手狭になって来てきたのが、最近の悩みだ。

    同好の士を探して、戦利品を共有するとか?

    トリニティにはビッグブラザーのファンクラブが存在すると風の噂で聞いた。いっそ自分も音頭を取ってピンキーパカのファンクラブを作ってみるべきかもしれない。ルカはそんな事を思いながら、大通りを歩く。

    彼女が居るのはD.Uの中でも郊外に近い区画であり、手の入っていない廃ビルがちらほらと見受けられ、中心街に比べるとやや寂れた雰囲気がある。遠くにはサンクトゥムタワーがまるで灯台の様に煌々とそびえていた。

    早く帰ろう、とルカは思った。買い物に夢中になって、少し遅い時間になってしまった。今から帰ると寮の門限に間に合うかは五分五分といった所。なんとしても間に合わせるべく、彼女は急いでいた。

    高校生にもなって門限が必要だとは思わないが、だからといって無視するのは気位が許さない。
    何より、折角楽しい一日だったのだ。最後にケチをつけたくはなかった。

  • 131◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 22:47:10

    二十四時間営業のジムの横を通りすぎたルカは、そこにあった横道に入った。そこを通る方が、駅までの道筋は短くなるからだ。

    横道に入った途端に辺りは暗くなった。ビルとビルの間にできた細道に街灯はなく、ビルの窓から漏れる灯りが心許なくアスファルトを照らしている。その暗さは、よからぬ事を企む手合いが身をひそめるのにうってつけだ。

    ルカは横道を早く抜けてしまうべく歩みを早め、それと同時に肩から提げていたアサルトライフルに手を添わせた。トラブルに巻き込まれないに越したことはない。だがいざという時は……幼少期から学ばされてきた護身術を試すいい機会になるだろう。

    来るならきなさい、と彼女は眼前に広がる暗闇を見据える。こんなところでたむろしている様なゴロツキに後れを取るつもりはなかった。

  • 141◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 22:48:45

    >>9

    >>10

    ご意見ありがとうございます

    それではこのまま行かせていただきます

  • 151◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 22:59:58

    ルカが今日はいくつ予備の弾倉を持ってきたかを頭の中で数え始めた時、何かが聞こえた。文字に起こせば「とさ」だとか「ぱさり」部屋に戻ってコートを床に脱ぎ落した時の様な、軽い何かが落ちた音だ。

    ルカは思わず立ち止まり、辺りを見渡した。そしてすぐに、前方に誰かが立っている事に気が付いた。つい数秒前まで、居なかった筈の誰かが。

    暗がりになれてきたルカの目が、その誰かの輪郭を捉えた。少女だ。ルカと同じくらいの年頃の少女。彼女の赤い瞳が、ルカをまっすぐ見つめている。そう、赤い瞳だ。周りに灯りはほとんど無いのに、そのほんの少しの光を受け止めて優しく輝いている。まるで大粒のルビーが二つ、闇の中に浮かんでいる様だった。

  • 161◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 23:23:29

    「たすけて……」

    少女がルカの方に歩み寄る。季節を間違えたような薄手の夏服に、弱弱しくやつれた顔。足取りはおぼつかなく、ふらふらと上体が揺れている。

    「え……」

    ルカは面食らった。この横道で誰かに出会ったときに起こりえること……例えばいきなり撃たれるだとか、下卑た笑い声を浴びせられるとか、そういうことは予期していた。しかしこれは、完全に想定外だ。

    「どうかなさったの……?」
    「たすけて……」

    ルカは思わず一歩後ずさった。明らかにただ事ではない雰囲気を前にして、足が竦んだ。だがすぐに、持ち前の勝気さが顔を出した。

    この子は犯罪に巻き込まれて、傷ついているのかもしれない。それを見ないフリをしてこの場を去ることはできない。その選択肢を一瞬でも思い浮かべた自分自身にも腹が立った。

    ぱん、とルカは両手で頬を叩き、少女の方へと駆けよった。

  • 171◆iT7WvLBL2aBf25/08/19(火) 23:31:22

    「しっかりなさい!」
    「おねがい、たすけて……」

    ふらり、と少女の身体が一際危なっかしく揺れる。ルカは両手を広げると、少女をしっかりと抱きしめた。
    少女は驚くほど細かった。抱きしめた勢いで骨を折ってしまわないか、ルカが思わず心配になってしまう程だ。それに、とても冷たい。まるで氷塊のように、少女の身体は冷えきっている。

    「貴女、大丈夫なの?」
    「ささえて……うまくたてないの……」
    「これで良いかしら?一体何があったの?」
    「……」

    ルカは少女の身体に腕を回したまま、尋ねる。少女は答えない。
    答えたくないのかもしれない。余程ひどい目に会ったのだろうか?
    ルカの中で、嫌な想像が膨らんでいく。それを振り払うように、彼女は首を大きく振った。

  • 181◆iT7WvLBL2aBf25/08/20(水) 00:33:27

    「病院……いえ、先にヴァルキューレ……?」

    どうするべきか、ルカは思い悩む。ただ、どうするにしても、少女をこんな場所に置いておくわけにはいかないだろう。だが、どうすれば……

    ──そうだ、さっきのジム!

    ルカはぱちんと指を鳴らした。
    この横道に入る時にジムがあったはずだ。あそこなら、この少女を休ませておけるだろう。距離もそう遠くない。運んでいけるはずだ。幸い体力には自信がある。
    護身術を学んできて良かったと、ルカは思った。

    「これから貴女を、休めるところに運んでいきます。よろしいですか?」
    「……ありがとう」
    「いえ、当然のことですから!ちょっと失礼しますわね……!」

    ルカは力強く言い切ると、少女を背負い上げた。
    抱き締めた時に予感した通り、彼女は軽かった。まるで、風船でも持ち上げたかのよう。これならば、問題なくジムまで行けるだろう。
    少女は安心したかのように、ルカの方へ顎を乗せた。

    「ほんの少しの辛抱ですからね!」
    「……本当に、ありがとう」

    少女のか細い声を聴いて、ルカは胸が痛んだ。この子をひどい目に合わせた輩が、きっとどこかに居るのだろう。
    ルカはその誰かの事を思って彼女は憤慨し……

    そして首筋に鋭い痛みを感じた。

  • 191◆iT7WvLBL2aBf25/08/20(水) 00:38:56

    書き溜めが尽きたので今夜はここまで

スレッドは8/20 10:38頃に落ちます

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