- 1二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:11:47
- 2二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:13:23
トンカツからしソース
- 3二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:14:03
油淋鶏
- 4二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:14:48
からあげ
- 5二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:14:51
精神衛生のためにはよ忘れろ
チーズ入りハンバーグ - 6二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:15:24
欲望を吐き出して賢者モードになったなコイツ
子供の肉 - 7二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:15:36
鳥南蛮
- 8二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:16:10
おい鬼が居るぞ!!!!!
- 9二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:18:10
春巻
- 10二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:21:44
- 11二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:22:54
おは無惨様
- 12二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:24:29
天ぷら!!
- 13二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:25:36
- 14二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:28:09
揚げ餃子(わかるよ、病身を押して怪我した俺の見舞いに来てくださった時の慈愛に満ちた微笑みと俺のガサついた手を厭わず包んでくれた柔らかな手の温もりを百万回思い出してはその度に劣情を催していたことなどを書き連ねてどうかこの愚か者のことなど顔も名前も忘れてくださいと遺書を書き結んでおきながらお館様はこんな俺のことさえ忘れることなく墓を参ってくださるのだという崇敬の念と己の穢らわしさを悔いる気持ちの中であれほど尊い御方にこんな下卑た感情を伝えてしまった一抹の背徳感に溺れながら短い一生を締めくくりたい)
- 15二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:29:30
お館様は隊士の墓参りをするというので俺の墓にも来てくれるんだろう
俺の死体は鬼の腹の中にあるし家族だっていないから墓は形だけの石に過ぎないんだが誰かが来て拝むことに意味があると思うのでこの際俺がそこにいるかどうかは重要ではない
これまで長きにわたる鬼殺隊の歴史の中散っていった数多の隊士たちの中の一つに俺の墓もあってお館様が奥方に支えられつつ俺の墓に水をかけ花を添えしゃがみ込んでは手を合わせて俺の死後の幸福を祈ってくれれば嬉しい
お館様が俺の墓を見るたび何を思うのかは俺が慮っていい内容ではないためここでは触れないことにする
一族の呪いなのだというその爛れた両手を合わせて目を瞑って「お疲れ様」や「ありがとう」や「よく頑張ったね」など父や母が子供にかけてくれるような優しい言葉をかけてくれることにそこにいないはずの俺は涙を流したい
回鍋肉(わかるよ)
- 16二次元好きの匿名さん25/08/19(火) 23:52:51
茄子の焼き浸し(剣才に恵まれず隠の一人としてお仕えするようになって数年が経ったある日あまね様ご不在の折に高熱で床に伏せるお館様のお世話を仰せつかりお身体の汗を拭わせていただく際に俺の手が震えたのを見て熱に上がった吐息混じりの声で「ごめんね、移るものではないから、安心しておくれ」と気遣いの言葉を掛けてくださったそのお優しさに涙しただ御身の尊さに触れることを躊躇ったのだと必死に弁明しながら内心ではよからぬ妄想で頭が一杯になっている自分に深く恥入りそんな愚かな俺の感情に気付かぬふりで「ありがとう」と笑んでくださったお館様の清い御心に打ちのめされて翌日職を辞したい)
- 17二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 00:06:44
遺書チェック係とか新設した方が良くない?酢豚
- 18二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 00:17:02
ある日何の脈絡もなくお館様の屋敷に招かれ何をしてしまっただろうかまさか必死に秘めていたはずの思いが全て見透かされてしまっただろうかと刑を言い渡される罪人のような心持ちでお館様を待っていると待たせていただいていた隣の部屋から「入っておいで」と脳の神経を蕩かすような声で言われ恐る恐る襖を開くと布団に半身を埋めたお館様がいらっしゃって見てはいけないものを見た気にさせられるんだ
そして「何か御用でしょうか」とわななくわななく尋ねれば「もう少し近くにおいで」と手招きをされたので膝を擦りながらにじり寄れば骨が浮くような細い両手が俺の豆がいくつもできて潰れた手を取り着物へ忍び込ませた
慌てて手を振り解こうとするもお館様に乱暴はできぬとそのままでいると「今日は妻も子もいないから、一晩だけだよ」と俺の頭に都合のいい熱を注ぎ込んでくるものだから俺も赦された気になりその手を進めると「こんな身体でごめんね」と咳が混じった声で眉を下げるお館様の表情をその目に焼き付け
まで夢想したところで目が醒めて今までの事象が全て夢であったと悟ると同時に夢の中でお館様を勝手に歪め、あまつさえ娼婦のように俺なんかを床に誘い「こんな身体」などと自分を卑下するような発言をさせてしまったことを悔いつつも正直な半身を鎮めるべくまだ日も上がらぬうちから冷水を浴びにいきたい - 19二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 00:36:26
おいただの劣情じゃないかとんかつ
- 20二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 01:38:07
16歳の女の肉
- 21二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 03:30:53
沼鬼もおるやん 鬼居すぎだろ
- 22二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:14:03
鬼殺隊に属しながら盗みを働いたことがあると、まず懺悔したい
初めからそんな罪深い行いを目論んでその部屋を訪うた訳ではない。先輩から掃除をするように命じられ仕事の一つとして座敷へ入った
一刻前まで、この部屋でお館様が恋柱様から任務のご報告を受けられていた。晴れ空を征く雲のように軽やかなお声が平素は寂とした屋敷に響き、誰の心も自然と華やいだ。お館様の御前では声をひそめていらっしゃったご様子だが、恋柱様の底なしの明るさが、重責と心痛に耐え続けるお館様の心の慰めとなるだろうと思うと嬉しかった
早く掃除を終えなければと畳に膝をつき座布団を持ち上げた時に指先に何かが引っ掛かった
髪だった。持ち上げれば、つやりと長い黒髪
途端、全身から汗が吹き出す感覚があった。内に押し込め何度となくすり潰し消し去ろうとしてきた思慕の情が臓腑を突き上げ息苦しかった。たった一本の髪如きに何をと思われるだろう。それでも御仏の如く慈悲深く尊いお館様が、髪が抜ければ汗もかく、生身の、人の身体でここに座しておられたのだと思うと気が狂いそうだった。残酷な呪いに犯されてなお、その肌は温かいのだろうと思うと
その後どうやって一日の仕事を終えたのかよく覚えていない。一人家の寝床に転がって心臓がバクバクと鳴るのを聞きながら己の罪の証拠を懐から引き出した
お館様の御髪。艶々と光を帯びた美しい一条
そうして俺は人生で最も恍惚とした冒涜の一夜を過ごした。しなやかなそれは口に含めば甘い気さえした。俺の舌に翻弄され、たおやかに捩れ、優しく引けばピンと張った。ぬらぬらと男の欲に塗れながら変わることなく清廉な黒がそこにあった。その一つ一つに褥に横たわるお館様の汗ばむ肌を俺の手で乱してゆく悍ましい妄想を重ね合わせながら一心不乱に夜を明かした
これが俺の懺悔だ。この全てを知られたく無いという切実と、いっそ知られお館様の軽蔑の眼差しに打ち据えられ地獄へ堕ちたいという欲望が渦を巻き、もはや自分でも何がしたいのかわからない
故に顛末のいっさいを遺書として書き残し、天命に任せたいと思う
お館様、誰よりもお優しく美しいお館様。心よりお慕いしております。御身の穢れることの無いように、俺は貴方より一日でも長く生き抜きたいと思います
最期に、もう一つだけ。先述の冒涜を、まるで一夜のみの過ちの如く書き記した嘘を、深くお詫び申し上げます
アジフライ - 23二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:18:59
文章の暴力と惣菜との温度差でグッピー死んじゃうよ
ごぼうとにんじん炒めたやつ - 24二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:26:01
やたら語彙のあるアジフライが書いた遺書みたいで草
よだれ鶏 - 25二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:28:41
もう文才を隠してないんだよね
水餃子 - 26二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:36:46
惣菜名が名前みたいになっとる
豚キムチ - 27二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:39:50
このスレに遺書を書き記した人間が何人いるのか想像するだけで恐ろしいよ
焼き鳥 - 28二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 11:45:09
全員その文才を別のことに使えよ
揚げた豆腐に餡かけたやつ - 29二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 13:13:36
生まれ変わって結ばれたいなんて贅沢は言わないのでお惣菜として転生してお館様に咀嚼され歯の冷たさと唇や舌の柔らかさを知りたいという妄想を遺書に書き連ねて死にたい
春菊の胡麻和え - 30二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 17:28:43
- 31二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 21:25:23
お館様の目が見えなくなってからはおそらくあまね様が遺書を読み上げて聞かせているのだと思うが…
- 32二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 21:38:49
こいつらの遺書読まされるあまね様の気持ちになれよ
豚トロを甘辛く炒めたやつ - 33二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 21:46:52
なんか最近遺書はお館様がお読みになる前に他の誰かが中を検めることになったんだよな…もしやとは思うが恨み言を書く奴がいたとか?いてもおかしくないもんなぁ……あ、この人風の呼吸使いだったんだ、誰ともしれない隊士に読まれるのも嫌だろうし、検めは風柱様に頼むか
根菜をあまじょっぱく煮たやつ - 34二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 21:55:25
最近食ったんだが稀血はやっぱ美味いぞ
- 35二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 22:07:51
普通にもうまともな運動も立ち行かず手を弱々しく上げることしかできなく、たまたま喋る元気がない日にその1/fゆらぎを発揮することができない状況下で葵レベルの下級隊士である自分に乗り掛かられて無体を働かされてしまって無気力を感じる中この下級隊士も自分の可愛い我が子でありどうしようもない子でありながら憎みきれないとかすれた嬌声をあげながら叱るように手を触って欲しい
- 36二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 22:45:48
ふ、普通……?
芋とひき肉絡めて煮てとろっとさせたやつ - 37二次元好きの匿名さん25/08/20(水) 23:49:42
このスレ鬼湧きすぎだから藤の香焚け
- 38二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:14:01
藤の香で鬼は逃げても異常者は減らないんだよなあ…
肉じゃが - 39二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:18:19
お館様から藤の花の香りがしたら嬉しいよな
- 40二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:22:26
エッチグッズ専用サイトで藤の花の香水が売ってた
買おうかどうしようか迷った
焼き鳥のねぎま - 41二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:29:31
募る恋情に耐えかね明朝お館様がお召しになる肌襦袢のうなじを喰み背骨に沿うように舌でなぞり、何も知らぬお館様がその襦袢に身を包んでいらっしゃることに頭が焼け付くような興奮を感じ何度も何度も脳内でその日を反芻しては己を慰めてきたことを俺の死後に突きつけられたお館様のか細い身体がわずかに強張る瞬間が見たい
メンチカツ - 42二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 00:59:45
美味そうな惣菜がペラペラ喋ってると思うと美味しそうに見えてくる
これが鬼の気持ちだろうか…
あんかけ唐揚げ - 43二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 01:39:16
あまね様ご懐妊の報を受けてこれほど清らかな聖者のように立ち振る舞っておきながらそのお身体は既に無垢ではなかったのだと今更思い至り新雪だからこそ踏み荒らさずにいたものをと身勝手な怒りに精神を焦がし衝動のまま己より二回りも小さなお身体を引き倒し組み敷いて細腰を痣になる程掴み欲望のままに蹂躙しながら裏切りを詰る俺をわけもわからず怯えを孕んだ目で見上げるお館様と目が合った瞬間に悲鳴をあげて飛び起き全てが夢だったことに気づいて安堵したい
ポテトサラダ - 44二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 01:44:18
まぁこのスレの惨状を見てもお館様は表情を崩さずに微笑んでくださりそうで怖い
ひねポン - 45二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 03:11:44
友人が死んだ。厳密には友人と同僚の境にいたような男が死んだ。
こんな仕事をしていれば覚悟はある。それでも胸のうちに吹く寒風に私は意外とあの卑屈な男を好ましく思っていたことを知った。酒が入ると厄介で、こちらの都合などお構いなしにクダを巻く。と、そこまで思い返した時に男がしたたかに酔って例の卑屈な引き攣り笑いで吐き出した言葉を思い出した。
身の程知らずにも、あの男はお館様に恋慕していた。お笑い種である。それこそ酒を煽って忘れるべき不敬だ。あのお優しい方を慕わしく思う気持ちこそわかれど、なんと畏れ多い。
男もそれはよくよくわかっていたらしい。そうして、行き先の無い想いの丈を遺書としてしたためたそうだ。仮に読まれれば俺は地獄行きだ、だからしねない、それに死ななけりゃ心優しいお館様を悲しませずに済むと寂しげに笑った。秘した恋情を打ち明けたくらいで地獄行きとは大袈裟な。私がそう言うと男は違うんだよと声を顰めた。
お館様に宛てたその文には、その肢体をいかにして愛で、乱し、喘がせるかばかりを書き連ねたと。指先をしゃぶられ、腹を突き上げられ、跳ねる足先を擽られ悶える様がいかに扇状的か。はらと落ちる涙が、あえかな声が、弱々しい抵抗がいかに男の欲をそそるのか。やがて忘我に至りくったりと力の抜けた身体へそれでも押し込まれる悦楽に悲鳴をあげて逃げを打つ背のなんと儚く美しいか。その全てを余すところなく仔細に並べ、言葉によってあの御方を陵辱せしめるのだとひひと笑った。
その時は呆れ果てて言葉もなかった。それでもどこか死は遠く、男の情念が成就される日が来ようとは想像さえしなかった。
だが、どうだ。男は死に、あの遺書はお館様の手に渡る。
その夜はうまく寝付けなかった。男の言葉がぐるぐると脳の中を踊った。お館様が、威厳と慈愛に満ちたお美しい御方が、汚れた遺書の封を切る。遺書の中身を知る私はそれを止められた。それでも、止めなかった。
翌日、常と変わらず気高く微笑むお館様のお姿を前に、私の背はぞくぞくと震えた。口の端に浮かびそうになる笑みを必死で殺した。
お館様。美しく尊い、恋慕うことさえ不敬な我らの父。しかしその御身体は清廉なままに昨夜、確かに死者に陵辱されたのだ。
私だけが、それを知っている。
カニクリームコロッケ - 46二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 03:19:33
スーパーの惣菜コーナー行くたびにこのスレ思い出したら責任取れんのかよ
焼き鳥 - 47二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 03:32:51
- 48二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 05:34:13
- 49二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 13:41:17
劣情の限りをぶつけて軽蔑されたさと許されたさが同じだけある
水餃子にポン酢とネギかけたやつ - 50二次元好きの匿名さん25/08/21(木) 19:57:09
心優しいお館様に恋情を燃やしている隊士がいかに多いことか。任務で同行した者から聞く、ささめごとに耳を傾ける。話題はもっぱら故郷で帰りを待ってくれている恋人の事、家で待つ妻のこと、片思いの相手のこと。いつ鬼と遭遇するかわからない気の昂りを、帰ったら思い人を抱きしめたいという話題にすり替える。そのささめごとの中にお館様への思いを打ち明ける者もいた。畏れ多いやつ。とその場にいる者はせせら笑う。私は自分の思いをぐっと飲み込んだ。笑われたり貶される事が嫌なわけではない。お館様は妻子ある人であり、やはりこの想いを口に出す事は畏れ多い事である。それに一般隊士の身分の今は堪えどころだと思っている。柱になればお館様に顔を合わせる機会は今以上に出てくるはずだ。私はそれまでお館様への恋情を大切にしまっておきたい。溢れ出そうなこの思いをどこまでしまっておけるか。いつかあの隊士の様にふと口をついてしまうのではないか。今はそれが恐ろしく思う。烏が新月の夜空に飛び立つ。鬼が近くにいる事を告げた。
牛肉コロッケ - 51二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 01:50:47
怪我による高熱で朦朧とした意識の中で慈悲深くも見舞いにいらしてくださったお館様がその両の手で優しく俺の手を包んでくださっていることに気づいて耐えがたいほどの安堵感に包まれ、あろうことかその御身体に縋り付いて子供のように泣きじゃくった。そんな俺の頭をお館様は幼子をあやすように優しく撫でて俺の耳元で「よく頑張ったね」「ありがとう」と労いのお言葉まで掛けてくださった。我に返って顔を蒼白にして詫びれば「元気が出たのなら良かった」となんでもないことのようにお優しい笑みを浮かべられた。
そして俺はお館様がお帰りになられた後でやっと縋りついた御身体の骨ばって儚く頼りないこと、藤の香にすらかき消せぬ膏薬の匂いに気がついて、己の苦しみなど露ほども表へ示さずただ俺を慈しんでくださったお館様への畏敬の念を新たにした。
そんな夢のような日のことを追想している俺に馴染みの女が言う。「あんた、ほんとに痩せっぽちの女が好きだよねえ」と。肋の浮くような女を好き好んで相手する男はいない、物好きなと笑いながら女が体を寄せてくる。俺は女の首に軟膏を薄く塗りつける。
痩せた身体、膏薬の香、俺が抱いているのはあの日の美しい人ただ一人だ。黒々とした女の髪だけをじっと見つめる。いよいよ果てると言うその時に、女が─俺が初めて店に来たその日に言いつけた通りに─俺の耳元で言った。
「ありがとう」と。
牛すじ - 52二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 06:44:07
畏れ多くも最終選別でお見かけした
お館様の御子達かわゆすハァハァとか思ってた俺はまだまだだったんだな
お前らもう鬼殺隊辞めて小説家にでも転職しろよ
里芋の煮っ転がし - 53二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 07:58:10
あまね様このバカどもで…いや無駄な心労をあの方にもかけたくねえ…どうすれば
ぬか漬けのきゅうり - 54二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 11:10:18
鬼殺隊辞めたらお館様の御尊顔を拝する機会が失われるから無理な相談だ
いつか仲間の待つところへ逝ったとしてもお館様が母のような穏やかな愛に満ちた御顔で俺の墓を参り俺の一生をねぎらってくださると思えば今日も俺は頑張れるんだ
隊士として遺した遺書とは別に自宅に隠したお館様への下卑た劣情を書き連ねた遺書が発見されてお館様の目に留まる瞬間のことを思うと正直身体が震えるほど興奮するがそれはそれだ
なにも問題のない模範的な隊士と見えた男が常に悍ましい妄想を脳内に滾らせながら己を見ていたことを知らされるお館様のお姿はきっといたいけでさえあるだろう、それでも気丈に振る舞われる姿にまた俺のように心を狂わす隊士が出るのだ、そうだ俺のせいではない、俺がおかしいなんてことは断じてない、全てはあの御方の美しさ故に起こるのだ、俺のせいじゃない
シュウマイ - 55二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 12:14:34
お館様に劣情向ける隊士がこんなに居たなんて
別の意味で柱の護衛要るじゃん…
焼き茄子 - 56二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 15:43:05
お館様…
自分が任務中に大怪我して寝込んでいる際お見舞いに来てくださった時のこと忘れることは出来ません…
柔らかな笑顔で優しく見つめていただき、労いの言葉はまるで頭の芯に痺れるかのように染み込んできて…。
心の底から温かい気持ちになり思わず涙が溢れてしまいました…。本当は拭いたかったけれど上手く手が動かせない、そんな私を見かねてかそっと伸ばして拭っていただいたその手の温もりが本当に心地よくて。
お礼を述べたら手を頬に当てたまま自分を覗き込んできて、そして……。気がついた時にはまるでイタズラっぽく笑うお館様が離れていき、同時に唇に微かに温もりが残されていて。
「そろそろお暇するね、この事はナイショだよ?」
そう言って部屋をあとにするお館様を見送ってすぐに再び意識を失ってしまったのですが…
あれは夢ではなかったですよね…?
焼き鳥 - 57二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 15:45:05
なんでやたらと高湿度の長文だらけなんだよ怖えーよ
生春巻き - 58二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 15:55:20
なんだろうこう漫画とかでよく見るクリミアの天使ナイチンゲールの名シーン患者側の湿度を感じる
栗きんとん - 59二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 17:05:10
これヤバくね柱にチクった方がいいんじゃねぇのって気持ちと
もう少し野生の文豪達が綴る怪文書を読みたい気持ちと
心が二つある〜
鯖の味噌煮 - 60二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 17:34:41
俺お館様にお会いした事ねぇから
お前らがそこまで心酔する理由がわかんねーわ
最終選別の時に見た子供らはぶっちゃけ因習村で「みんな死んじゃうよ」とかクスクス笑ってそうで不気味だな〜と思ったんだけど
そっちとは似てねーの?
筑前煮 - 61二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 19:30:17
私は代々藤の花の家紋の家を継いでいる家系に生まれた。私は今年の夏にようやく二十歳になり、当主を務めている六十代の祖父に連れられて、この八月に初めて鬼殺隊を統べるお館様にお目通りをする事が叶った。
汽車とバスを乗り継いで一刻半。ひと気の無い道で2人の隠と会った。目隠しをされて隠に背負われた。
二十歳になって他人に背負われる事になるとは思ってもいなかった。話には聞いていたがお館様がいらっしゃるお屋敷を隠す為との事だ。途中、背負ってくれる隠を数人経由した。1人目の隠に背負われた頃は蝉の声が時雨の様に降り注いできたが、徐々に体感は下がり蝉の声も聞こえなくなった。そのしてふわりと香る慣れた匂い。
あゝ、これは藤の花の香りだ。
隠の背から伝わってくる振動が止まり、「到着しました」と声が掛かった。隠の背から慎重に降りてようやく目隠しを取られた。布に覆われていた目に光が差し込んできて眩しく目を細めた。その光に慣れてきて周りを見渡す。まるでお伽話の絵巻物に出てくるような、白石を敷き詰めた広く優雅な庭と、立派な日本家屋の前にいる事がわかった。いよいよお館様に会うと思うと忘れていた緊張が蘇る。隣にいる祖父の顔を見た。同じ様緊張していると思ったが安心している様な表情をして、片膝を付いている。
私も慌てて片膝を付いた。お館様とはどの様な方なのだろう。慈悲深い人と聞いていたが祖父の表情を見るにその通りなのかもしれない。その時「お館様のおなりです」と幼い少女の声が響く。私は祖父に倣い、頭を下げた。からりと襖の開く音がして、畳を歩く数人の布ずれの音がする。胸の鼓動が高鳴る。今は八月のお盆の前のはずなのに、まるで青藍吹く時期のような心地の良い気温と、広い庭中に薫る藤の花の香り。何か別の世界に来た様で暑くもないはずなのに額に汗が浮かぶ。
「よく来たね、2人とも。顔を上げて」
柔らかい男性の声が心にすっと入ってくる感覚。こんな感覚は初めてだった。
顔を上げる。俺は、その声と慈悲深い微笑みを浮かべたその人に心を釘付けにされた。
枝豆 - 62二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 21:00:59
お館様に護衛をつけて怪我人の見舞いは暫く控えていただいたほうがよろしいのではないか…?
蕗子の煮物 - 63二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 22:22:51
なんか狂気度高くないですかここ…怖…
お館様劣情勢になると文章力が上がる呪いとかあるの?
味噌カツ - 64二次元好きの匿名さん25/08/22(金) 22:25:50
藤の家紋の家や隠の中にまで劣情勢が…鬼共に利用されないか心配だ…
若竹煮 - 65二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 01:12:34
まぁなんだ、人には内心の自由ってもんがあるからな
どうしても抱えたまんまでいるのがしんどいなら、せめてぶちまけるのはこの場だけにしとけや
だし巻き卵 - 66二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 03:00:26
- 67二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 05:48:42
おおう鬼殺隊のカシラも大変だな……なんというかまぁ、妄想する分には良いじゃねぇか……?
臨月 - 68二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:04:14
だから会った事ねぇし為人なんか知らねーって言ってんだろ
鬼殺隊に入ったのは給料が良いからだ
働いた分だけ金が貰えれば文句は無いが
この際だから俺も言いたい事吐き出しておくぜ
あんな適当な試験で死人出しまくる連中を神様みたいに崇めるなんてどうかしてる
ほうれん草のお浸し
- 69二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:13:05
最終選別アンチここに流れついてきたのか
- 70二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:25:42
知るかよ気色悪い、あの選別が無駄に人手不足招いてるカスなのは事実だろ
- 71二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:32:37
自分は選別で大怪我を負ってから数日ずっと隠れたままだったなあ
血の匂いで鬼に気づかれないことを祈りながら患部を縛って止血して、あたりに生えてる草や虫を食って飢えを凌いでた
当然だよな、育手の爺ちゃんの修行辛かったからサボってばっかだったし
目の前で同じ試験に挑んだ仲間たちが何人も殺されてくのを震えながら見てたよ
そんで選別を終えた俺はお館様の屋敷に呼ばれたんだ
てっきりお前みたいな態度の奴は鬼殺隊には相応しくないって言われるのかと思ったが、お館様は土下座してる俺の前にしゃがみ込んで「君も私の大切な子どもたちの一人だよ」って言ってくれてさ
今考えるとおかしいよな、試験中の俺の様子なんて誰も知らないし鎹鴉だっていなかったのに
でも俺はその言葉に救われてさ、それで初めてこの人のためなら辛い修行だってできるし、命だって張れるって思ったんだ - 72二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:39:26
- 73二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 06:46:58
お館様が隊士達の前に姿を見せる→不埒な想いを抱く輩が増える
お館様が隊士達と顔を合わせなくなる→我等はただの駒扱いかと恨まれ真意が伝わらない
痛し痒しとはこの事…困ったものだ
ひじきの煮物 - 74二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 08:20:02
- 75二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 10:55:04
選別が始まった藤襲山の夜。次々と襲ってくる鬼は恐怖でしかなかった。同じ選別を受けている者と合流した時は協力をして鬼と戦った。五日目の夜からは一人で鬼と戦う。生き残っている者は私以外に何人いるのだろう。孤独と不安と恐怖。一縷の望みは「必ず生きて帰る」と手を強く握って交わした育手の師匠との約束だった。
七日間を生き残ったのは、私と少年のたったニ人だけだった。
案内役のニ人の子供から案内されるまま猩々緋砂鉄を選び、隊服と鎹鴉を支給された。
帰り支度に師匠に借りた日輪刀を布に包みながら「こんな選別意味があるのか。私たち二人以外は皆死んでいったぞ」この選別の制度の愚かさに怒りで腑が煮えくりかえる。自分の刀が届いた頃には私の心もある程度は収まり、隊服に袖を通して鬼殺隊士として働いた。
次の年に唯一の同期が、鬼の討伐の中で死んだと言う事を知った。選別を通過したあの日から私は弟のように同期を可愛がり、手紙のやりとりをしていた。悲しみが込み上げてくる。あいつはまだ十五なんだ。この先楽しい人生が待っているはずだった。
同期の戦死から二年後、私は仲間の鬼殺隊士と共に雑木林の中に鬼を追い詰めた。だが木の根に足を取られた隙に鬼に肩から右腕を喰いちぎられた。死ぬ。これで死んだ家族や同期に会えるだろうか。私の意識はすぐに無くなった。
次に目覚めた時は蝶屋敷のベッドの上だった。起きあがろうとして思い出した。肩から右腕が無い事に。右目も見えていないようだった。この体ではもう鬼とは戦えない。悔しくて涙が出てくる。傷口に涙が滲みて痛い。
「痛ぇ…」と呟いた時に「頑張ったね。ありがとう」と優しい声が掛かる。驚いてそちらを見ると、肩で髪を切り揃えた柔和に微笑む男がいた。男は椅子に座っていて、さらに顔を寝ている私の視線に合わせるようにして身を屈める。それが私が初めてお姿を拝見したお館様だった。お館様に拝謁することがあるなら、選別や死んだ同期の事、人の命を何だと思っているんだなどを言ってやりたいと常々思っていたはずだった。
しかし上品で柔和な笑顔と心を蕩かすような安心する不思議な声。私の残った左手を取りさする温かく優しい手。その時から私の心はお館様の虜になってしまった。
この人の為に戦ってこられた。たった三年の間だが。それは私の幸せの一つに数えられるのだろう。そう確信した出来事だった。
漬物の盛り合わせ - 76二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:25:16
たった一度お会いしただけで魂を抜かれたように魅了されるってなんか怖いな…
もしお見舞いされるような事態が起きたらお断りしようかな
味噌田楽 - 77二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:30:23
文字量が多すぎて読めないわさつまいもの甘露煮
- 78二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:34:33
いい加減悪ノリが過ぎてキモくなってきた漬物
- 79二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:34:38
あにまんは1000文字しか投稿できない事をこのスレで知る
書いた2000文字の半分は泣く泣く削ってる
お館様への劣情の半分は余分な文字でできている
鶏の唐揚げ - 80二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:44:55
- 81二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 12:54:36
- 82二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:15:23
仕方ないじゃないか
優しげなお顔立ちで温かい眼差しで、ゆらぎの為に不思議と心地よく流れ込んでくる声で。
あの世へ旅立っていった隊士たちの事も覚えてるという驚異的な記憶力、自らお墓参りをし続ける部下たちへの献身
惹かれる者は少なからず居るだろうさ
餃子 - 83二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:28:45
僕孤児だし育手も兄弟弟子もみんな死んじゃったから、殉職しても遺骨の引き取り手とか居ないんだよね
『故人を思うと天国でその人の周りに花が降る』って言うじゃない?
僕が生きていた事をあの方が憶えていて、たまにでいいから花を降らせてくれたら嬉しいなって
卯の花 - 84二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:49:07
お館様に弄ばれたい。わかっている、あれほど慈悲に満ち父祖の愛で俺たちを包み込んでくださるお館様に限ってありえない愚かしい妄想だ。それでも俺は、だからこそ誰も知らぬ顔で俺に笑いかけてほしい。扇情的に、艶然ととした手つきでびくつく俺の身体をまさぐり、正直にも即座にいきりたった俺を見ていたずらな声で「悪い子だ」と耳元で囁いてほしい。あまりの畏れ多さに指一本動かせぬ俺に跨り蛇の如くに纏いつき、俺の手を取ってその柳腰に導いてほしい。脳が沸騰するような心地でお館様と身体を繋げた途端に果てた俺を「こら」「頑張りなさい」と叱責してほしい。そして情けなさに泣きながら再度の交情を懇願する俺を見て今度はお館様が手ずからその温かな隘路へと俺を導いてくださるんだ。そうして俺の上でゆるゆるともどかしげに身体を揺らすお館様の尻を鷲掴みにして突き上げれば快に蕩けた御顔で「いい子だね」「上手…」と褒めてくださるんだ。そうして深々と痩せた御身体へ杭打ちながら思わず愛を打ち明けそうになった俺の口をその唇でしっかりと塞ぐお館様のぬめる舌が与えてくださる悦楽に溺れ、俺は二度目の果てを迎えるんだ。今日も「愛しています」の一言を言わせてはくださらぬお館様を憎らしく思いながら……
カニ玉 - 85二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 23:43:20
博愛の人で在らせられるお館様に特別扱いされたいという気持ちはわかる
全力で鍛錬していつか「君だけが頼りなんだ」って言ってもらえる最強の柱になるぞー!!
麻婆豆腐 - 86二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 00:23:44
柱になる!とか冗談でも言えないし、お館様にお会いした事は一度もないけど
もし俺が任務で命を落として骨だけになって帰って来たら「頑張ったね」って一言でも労いの言葉をかけて貰えるかもって想像すると何かこう、いいよね
藤の家の人達とかは「鬼狩り様」って呼んですごく感謝してくれるけど、そういうのとはまた違うんだよね
鰤大根 - 87二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 00:42:35
おいなんか文豪が複数出現してるぞ
かき揚げ - 88二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 09:29:13
変態性が高いのがちらほらいるがおおむねお館様への愛を胸に任務頑張る方向性だからいいか………いいのか?
チキンナゲット - 89二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 11:31:49
妄想を書き殴って発散する分には構わんが現実でお館様に無体を働こうとするなよ
犯行予告と思しき文を書き込んだら流石に上に報告させてもらうぞ
既に目を付けられてる奴が何人か居るからな
豚の生姜焼き - 90二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:47:20
仮にバレたとしても頭の中で妄想を捏ねまわしていただけならお館様は「仕方のない子だね」ってイタズラをした幼子を叱るような隠せぬ慈愛に満ちたお声で許してくださりそうでそんなところにも劣情を覚える
トンテキ - 91二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 20:32:22
「隊士達を消耗品扱いしている」ってお館様に悪感情を抱いていた同期が実際にお会いしたら一転、崇拝者に鞍替えしたんだが…あいつ昔から思考が白か黒かの極端な奴だったんで、それ自体はよくある話なんだけど最近言ってる事が怖えのよ
「お館様のために死にたい」
「この命も血も肉も全てあの方に捧げる」
「人肉や内臓は薬になると聞いた。鬼共が喰らってあれだけの力を付けるのだから効果があるのは間違いない」
「俺がお館様の薬になる。あの尊い存在を一日でも長らえさせる事が出来るなら本望だ」
「お館様に咀嚼されて飲み込まれ胃袋で溶かされたい。あの方の血肉となって永遠に共にありたい」
…なぁこれどう思う?聞かされる俺としては勘弁してくれ‼︎って感じなんだけど実行に移さなければ問題ないのかな?仮に問題があるとして、じゃあ何処に言いに行けばいいんだろう…柱に話しかけるなんて畏れ多くてできないし…
いんげんの胡麻和え - 92二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 21:25:32
- 939125/08/25(月) 01:36:24
- 94二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 09:49:37
蟲柱様がご存じなら馬鹿な真似は何も出来ないだろうからそこは安心だ
第一、人を食って生き長らえるなど鬼の如き所業をお館様が喜ばれるはずが無いだろうに…お館様を鬼にする気か愚か者とガツンと言ってやれ
ししゃもの唐揚げ - 95二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 11:32:37
こんな好きな惣菜を発表しながら長文を書くという特殊なスレ初めてみたな…
なんか鬼もいるしすごいな…
もも肉 - 969225/08/25(月) 12:41:42
楽しみに待ってるぞ
えぇ……こわ……
まぁ、蟲が知ってるならやべぇことは蟲が止めるだろ。いつもお疲れ様です
「鬼は人を食って強くなる」から「お館様にも人(自分)を食べてもらって強くなる」はお館様=鬼って言ってるようなもんなんだよな、不敬も不敬だろ。一発殴っとけ
水は美味いぞ
- 97二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:09:52
(1/3)
お館様の護衛の任に就くこととなった。俺のような病み上がりが何故そんな重大な任務をと思ったが、どうやらお館様ご本人が護衛というものを嫌がるそうだ。それをなんとか周りが説き伏せて、怪我や病で休養していた隊士が機能回復を兼ねて側に付くという形でやっと飲ませたそうだ。護衛は夜の間のみで、確かに休養中ですっかり昼型になった身体を夜に慣らしたい気持ちはあった。それにしても、そんな半端者が護衛で有事に役に立つものだろうか。訝しめば、上役は複雑そうに言葉を濁した。
本人が嫌だというなら放っておけば良いのに。そもそも護衛を嫌がるとはどういうことか。お館様などと呼ばれていても十六の若さでは自分の置かれた立場への自覚に欠けていても仕方ないか。周りを振り回して、良い御身分であらせられる。そんな風に、まだ思い通りに動かない身体への苛立ちとごちゃ混ぜになった憤りと共に俺は同じく護衛となった二人の隊士と共に、初めてお館様にお目にかかった。
藤の香。
衣摺れ。
静謐。
「初めましてだね。どうか、畏まらないでほしい」
響く声が、脳の奥深くをそっと撫でてゆく。ただの一声で頭の芯がくらりと揺れる。
「顔を見せておくれ、私のかわいい子供たち」
雪風。澄んだ声音に冴え冴えと心が晴れる。許しを得て、伏していた頭を持ち上げる。
「会えて嬉しいよ、 」
俺の凡百の名さえこの御方が紡げば美しく輝く。 - 98二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:11:21
(2/3)
護衛の任を万全に勤めたく、俺は暇さえあれば己を鍛えた。以前の俺を知るものが目を見張るほどに。そうして夜はお館様の寝所の次の間に控える。秀でた御相貌を痛々しく侵す爛れの通りに、お館様は虚弱の身体でいらっしゃった。酷い咳をされることも多く、熱は上がり下がりを繰り返した。これまでは御内儀のあまね様がお世話をされていたそうだ。落ち着いて眠れぬだろうと寝所を分けているのに、何故か不思議と駆けつけてくれると語るお館様の御顔がその時ばかりは年相応に見えた。
護衛の任を繰り返すにつれ、益々にお館様への崇敬の想いは強まった。それと同時に、俺はお館様を隊士としてだけでなくただ一人の人間として愛しているのだと嫌が応にも気づかされた。偉ぶったところなど一つもなく、顔を合わせれば身体に障はないか、皆は満足に食べ、眠れているかと隊士たちをいたわる言葉ばかりを口にされるお優しいお館様。慈母を思わす柔和な笑みの儚さ。熱に潤む瞳で見上げられれば心臓が高鳴り、細く浅い息を吐くお館様の首元の汗を拭う時には背を羽でなぞられるような密かな官能があった。二週間も経たず、護衛は三人から二人になった。居なくなった隊士は自ら護衛の任を辞し、戦線へ帰ったと聞く。俺の体も随分と回復した。じきにここを離れ、鬼狩りの任に戻らねばならない。
寂しいと俺に縋り、引き留めてはくれぬだろうか。俺を頼りと思ってはくれぬだろうか。甘えては、くださらぬだろうか。荒唐無稽ばかりが、心に積もってゆく。
常の通りに次の間に座し、じっと息を殺した。外は雪だ。冬の屋敷はしんと冷えている。慎重にも慎重を期して襖を細く開いた。ほうと溜息を吐く。眠るお館様の横顔の、なんと美しいことか。
音を殺して、お側へとにじり寄った。規則正しい呼吸に安堵しながら、滑らかな頬がほんのりと朱いこと、睫毛の長さ、唇の可憐さ、引き連れた皮膚との境が描く艶美な紋様を目に焼き付けた。
そっと、布団へ手を伸ばす。邪ではなくただ知りたい。今生の別となる前にこの御方の何もかもを、知りたかった。
ゆっくりと布団を捲る。冬の寒さが憎らしかった。 - 99二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:12:45
(3/3)
お館様は目を覚さない。首筋から肩への流れの頼りなさ。つんとした鎖骨の色めいた様に唾を飲む。
そうして、夜着に手を伸ばし、
「寂しいのかい、 」
ひ、と悲鳴と共に俺は身体を跳ね上げた。
「今日は随分と冷えるものね。こんな厳しい夜にも、私の子供たちは命を賭して戦ってくれている」
ざりと音立てて後退る俺を不審がるでもなく、お館様が小さなお咳をしながら身体を起こした。
その、神々しいまでの清らかさ。
「本当に、ありがとう」
つ、と涙が伝った。堪らず這うようにしてにじり寄り、お館様の背を覆うように抱き縋った。俺の腕の内にすっかり収まってしまう華奢な御身体に、覗くうなじの透き通る白にこの期に及んで俺は欲を覚えている。俺は屑だ。斯様な醜い性根を抱えてなぜここに居られようか。打ちのめされ、それでも温もりを離しがたくお着物に皺を刻む俺の手に、お館様の手がそっと重なった。
「我儘を、言っていいかな」
手の甲を撫でる温もり。幼い頃に熱を出して寝込む俺の頬を撫でてくれた母の姿をなぜか思い出した。
「私は、ここからほとんど動けないから。子供たちに君から伝えて欲しいんだ。心から感謝していると」
俺を、頼ってくださるのですか。望外の幸福に、胸の内が焼けるように熱くなる。こんな俺のことでさえ、その御手で掬い上げてくださるのですか。
頼られたい、甘えられたい、そんなものは俺の身勝手な独り善がりに過ぎないのに。
「甘えてしまって、ごめんね」
嗚呼なんて、慈悲深いお館様。
俺の御仏。俺の信仰。
翌朝、上役に現場へ復帰したいと願った。まるで俺がそう言い出すことがわかっていたようにとんとん拍子に話は進んだ。隠に背負われ、この先、生涯訪うことのない屋敷を後にする。
夢まぼろしのような時だった。けれど生涯忘れることはない。お館様の与えてくださった全てを、俺は絶対に忘れない。
心は晴れていた。
藤の花が、優しく香った。
ズッキーニのマリネ - 100二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:19:58
また文豪が現れやがった……強い……
焼き鳥 タレ - 101二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:34:32
湿度高い文豪と鬼が居着くスレ
陰の気が篭もるからかねぇ
藤の香焚いとこ…
五目豆 - 102二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 18:03:45
鬼も文豪も好きな惣菜は律儀に発表してくのほんと草
千枚漬け - 103二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 18:21:44
好きな惣菜さえ書けばあとは何を書いてもいいと思ってる奴いるな いいぞもっとやれ
アミルスタン羊のユッケ - 104二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 19:19:32
お惣菜は免罪符だった…?
菜の花の白和え - 105二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 19:52:24
- 106二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:09:27
鬼と思しき書き込みが結構あるな
てか人肉の別称ってそんなにバリエーションあんのかよ…
そら豆と海老の塩炒め - 107二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:15:15
噂程度でしか知り得なかったお館様のお姿、そのお人柄。すごい方なんだな、くらいにしか認識していなかったその方をたった一度だけ、お見かけしたことがある。藤の花咲く産屋敷邸に言伝をしに行った時のこと。
美しく凛とした立ち姿。風になびく艶やかな黒髪。病に侵されていいようともその魂には不可侵だった。一目見てお館様その人であるとすぐにわかった。
不躾にもぼうと見惚れていると、お館様は俺に気づき、顔をこちらに向け微笑んだ。
たったそれだけ。その一瞬で、安い俺の人生に、命を賭ける理由ができた。
血飛沫が舞う。俺の血だ。
後悔はないとは言わない。むしろ悔いまみれだ。またお会いしたい。またあの笑顔にお目にかかりたい。できれば一言俺にお声を掛けてくださらぬだろうか。
血に塗れた両手で地面に這いつくばり最期に浮かんだのは、気高き信念でも誇りでも家族や仲間への想いでもない、ただの欲望だった。
エビチリ - 108二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:40:06
お館様、鬼とは違ったそういう類の怪異に片足突っ込んでませんか…?
鶏にレモンペッパー振って焼いたの - 109二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:52:10
オム・ファタールってやつかねぇ
そういやこのスレのお館様に狂ってる連中って男ばっかなのな
塩焼きそば - 110二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 21:06:51
女性隊士はあまね様に狂いまくってたらどうしよう
オムそば - 111二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 00:16:20
縁台に掛けたお館様の御御足をそっと水に濡らす。隊士の墓を参られ、足を痛めてしまわれたそうだ。薬と包帯を取りに行かれたあまね様を待つ間に、痛めた箇所を清める役目を俺が仰せつかった。
どくりと、心臓が震えた。かねてより俺は、お館様をお慕いしてきたのだ。
片手で折れてしまいそうな細い足首を支えて、真っ白な足袋を剥ぐ。するりと現れた甲は白絹の如くで、爪先は桜の花を置いたように清廉だった。俺は口いっぱいに溜まる唾液を無理やりに飲み下した。
足袋には血が滲んでいた。歩き疲れ、足裏の皮が剥けてしまったと言う。清潔な水を掛け、滲んだ血を洗い流す。情けないことだとお館様が寂しげに仰った。一言断りを入れて、御御足に触れる。ぞくりとした。触れた足裏の肌は水にひんやりと冷えて、柔雪のように心地よく俺の指の腹を愉しませた。日々隊士たちの墓を参り、死線を彷徨う隊士がいればその枕に駆けつけてくださる御方の足とは思えなかった。これもまた、この方を蝕む呪いなのだろうか。飛び立つことを許されぬ鳥のように、弱く脆く、柔らかな、お美しいままの素足。
丹念に血をすすぐ。指の股へ触れたときに、御御足がかすかに強張った。気づかぬふりで繰り返し繊細な箇所を摩る。踵を手のひらでくるみ、触れるか触れないかの爪先で足裏を撫で上げ、舐るように指先の一つ一つを丹念に清めてゆく。努めて繊細に、むず痒いほどの弱さで、何度も、何度も、執拗に、嬲りぬく。きゅう、とお館様が爪先を丸めた。沓脱石に置かれたままのもう片方の御御足がほんの僅かに逃げを打った。眩暈がする。俺の手が、指が、白昼の庭でこの清らの御方を悶えさせている。
傷の具合を確かめるように御御足を持ち上げた。痛々しく擦り切れた傷口のその下を、さも検分する顔でそうっと擽る。ん、と頬を染めたお館様の唇から艶めかしい吐息が溢れ、
あまね様が戻られた。俺の役目は、そこで終わった。
松前漬け - 112二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 00:25:42
なにこの…何?
ほうれん草の胡麻和え - 113二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 00:34:24
なんかお館様が可哀想になってきた
周りがこんなじっとりした視線向けてくる連中ばっかりなんてお労し過ぎる
手羽先と大根のさっぱり煮 - 114二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 00:34:33
また何というか…業の深い文豪が来ちまったな……
海老のキッシュ - 115二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 00:56:22
隊士を我が子と思って優しくしてきた結果ねっとりしたエロい目で見られてるのめっちゃ不憫でおいたわしいと思いつつ怪文書楽しみにしてて申し訳ない…でもその哀れさが最高にエロいのでもうどうしようもなくて…
きんぴらごぼうに胡麻ふったやつ - 116二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 07:26:40
ねっとりしてきたな
お刺身 - 117二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 08:24:10
スレ折り返してんじゃねーか
異常者多すぎるだろ今までどこに潜んでたんだよ
かぼちゃの天ぷら - 118二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 10:19:36
何この文才の無駄遣いみたいなスレ
いももち - 119二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 12:57:12
怪文書スレと同時に好きな惣菜発表スレとしてもちゃんと機能してるのがウケる
レンコンの肉詰め - 120二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 19:45:15
肉親を目の前で◯されて決意してなんとか鬼殺隊には入れたものの、才能がなかったために“隠”となった。
とても悔しい想いはしましたが裏方として隊士を支えればいいと思い直し、日々仕事に励んでおります。
その中に密かに待ち望んでいる仕事がございます。お館様方のお住まいに伝達や配達があるのですが月に3度ほどその係がこちらへ回ってくるのでございます。
勿論お館様ご自身との接触は基本的にないのですがそれでもかの方にお側に行けるという状況に心躍るのでございます。
極々稀にお墓参りに行かれるご夫妻に鉢合わせることもあり、慌てて伏せるのですが「荷物の配達、いつもご苦労さま。」と優しくお声がけ頂いたこともあります。
胸の高まりを抑えるのにしばらく苦労しました…。
だし巻き玉子 - 121二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 01:08:36
良かった、(スレ内比で)まともな人もちゃんといた…!
こんにゃくの炒り煮 - 122二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 06:40:06
このスレなんでこんなに伸びてんの…
ささみチーズフライ - 123二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 08:25:02
藤の花を押し花にして懐にしまっている。
産屋敷邸で拾った。いや、舞い込んできたのだ。風に吹かれて俺の顔に張り付いた花弁一枚。これは運命だと大事に持ち帰り押し花にした。きっとお館様が、産屋敷邸が、この俺に戦えと鼓舞してくださっている。胸が高鳴った。
それが先日、仲間にばかにされた。心の拠り所にして何が悪いと言い返すと、そいつは得意げに嘲った。お前がその押し花を時折懐から取り出して、口付けをしているのを知っているんだぞ。男のくせに女々しい、気味が悪い。俺はついかっとなってそいつを殴った。赤くなった頬を掻きながら、なおもそいつは笑った。怒るなら、図星じゃないか。
今も奴の言葉が頭を駆け巡る。そうだ図星だ。あの花弁はお館様だ。俺はお館様を思い浮かべて臆病な自分を奮い立たせるためにあの押し花に口付ける。そうでないと戦えない。あなたのためならどんな怖いことにも立ち向かえる。お館様、不敬をお許しください。また押し花を取り出し口付ける。俺の涙に濡れてしまわぬよう、慎重に。
かぼちゃサラダ - 124二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 11:55:46
花ならまだまだ可愛いもんじゃないか
お館様が歩いた地面の小石拾って
後生大事にしてる奴知ってるぜ?
メンチカツ - 125二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 18:24:37
以前寄らせてもらった藤の家紋の家にお館様のお部屋があって驚いたよ
十年以上前に療養所のお見舞いに行く途中で寄って、そのお部屋で休憩されたんだって
こんな田舎に?って驚いたけどいずれ身体が動かなくなる前にって何処へでも足を運んでいらっしゃったらしくてさ、お会いしたことなんて無いけど聞いてた通りお優しい人なんだなー、真面目だなーってちょっと感動したし、お館様が十歳くらいの頃って聞いてほんと驚いた。子供にしては頑張りすぎだよ
三度三度の食事まで用意してるのはやりすぎじゃ無い?って思ったけど、いつまたお越しいただいてもいいようにって主人が話してた。お館様のお陰で家族を亡くした痛みにやっと向き合えた、この先の命はお館様と鬼狩りの皆様を支えるために全て捧げるって話してくれる目がちょっと怖かったけど、両親の仇討ちのために生きてるって喋る時の俺の目も案外似たようなものかもな
でも、そのお館様のお部屋で主人が小さな膝掛けに頬擦りしてるの見ちゃった時は流石に背筋にきたよ
どこか知りたい?あ、やめとく?うん。俺もそれでいいと思う。形はどうあれあの主人にとっては、確かに生きる希望なんだろうしさ - 126二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:54:59
- 127二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 21:21:52
滅多に御目通りの叶う方じゃ無いからなあ
俺は怪我で蝶屋敷にお世話になっていた時にお会いしたらしい
さらさら揺れる黒髪の、指や身体に芳しい紫の藤のまといついた美しい天女様が俺の頭を優しく撫でてくれる夢を見てた
目を覚ましたら天女様、じゃなくてお館様が本当に俺の頭を撫でてくださっていたらしいんだけど、朦朧としてて同室の隊士にそういうことがあった、お前ちゃんとお館様に礼言って話ししてたぞって聞いても夢が現かわからないくらいだ
その日から藤の香り袋を肌身離さず持ち歩いてるんだ。優しい眼差しを思い出して、大丈夫だ、今日も頑張れるって自分に言い聞かせてる
あの方は俺の夢の中でだけはずっと、俺の天女様なんだ
芽キャベツ入りのポトフ - 128二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 00:21:45
妻子ある、立派に当主を務め上げていらっしゃる御方にこんなことを言うのはおかしいが
天女様や慈母というものの気持ちがよくわかる
彼の方のお声を聞くだけで母の腕のうちで何の不安もなく眠っていた子供の自分が甦る。彼の方の微笑みを見れば魂が幸福に憩う
彼の方に抱擁され眠ることが出来たらどれほどの安息を得られるだろうか
そして、そんな風に、母を慕う子のように無垢にお館様をお慕い出来たらどれほど良かったろうか
どうしたって俺はお館様への思慕の念に混じる不埒を取り除けずにいる
お館様を抱擁し、この手で乱し、慈母の笑みが耐え難い熱に犯され崩れる様が見たい。我が子と呼び慈しんだ男に組み敷かれ、眼前に在るのは愛し子ではなく愚かな雄でしかないと突き付けられた貴方の悲嘆が見たい。逃げる身体を引き戻されて、一人の美しくか弱い人間の顔で怯える貴方の涙が見たい
申し訳ありません。こんなにも唾棄すべき劣情を抱えながら、俺はいっそ貴方がこれほどに清く無ければとさえ思っているのです
本当に申し訳ありません。この世の何より美しい、我らの慈父よ。命を持って償います。命の続く限り、俺は鬼を討つために戦います。皆のように美しい心は持てません。それでも精一杯に、やり抜きたいと思います
大根餅 - 129二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 09:09:37
鬼殺隊のトップって柱じゃなかったんだ…とここで知ってびっくりした新米隊士俺
正気を失くす先輩方を前にお館様にお会いしてみたいようなしたくないような複雑な気分だ
かき揚げ - 130二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 15:54:30
お館様劣情勢がいることにもびっくりだし長文まみれなのもびっくりだしいろんな惣菜を知れるしなんだこのスレ
揚げ出し豆腐 - 131二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 17:28:53
柱はあくまで実働部隊の長だからね
何処そこへ任務に行けって指令を出すのがお館様
最終選別を取り仕切ってた子供達はお館様の御子達
見た目は全員母君のあまね様に似てるんだよね
ご家族そろって神霊めいた佇まいだけど、お館様が纏う空気はもっと柔らかい感じかな
産屋敷一族は代々短命の呪いに侵されていて、当代のお館様である耀哉様はもう外見で分かるほどに呪いの侵食が進んでいるんだ
そう遠くないうちにお姿を拝見する機会もなくなるんだろうな…
カニクリームコロッケ
- 132二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 23:22:51
素晴らしき文豪様たちのような文才溢れるものを書けなくて申し訳ありません。しかしこの私の劣情を吐き出させていただきたいのです。私はしがない一般隊士です。もし生まれ変われたとしてもお館様が一度だけ通る道の横に生える雑草程度にしかならないでしょう。しかしこんな私のこともお館様はご存じだったのです。お館様が私の見舞いに来てくださった時に私の感情は変化しました。もとは「尊敬」していただけだったのです。その歳でご立派なお館様に。しかしその日に感情は劣情となりました。あんなにも恐れていた死が今は怖くありません。お館様の記憶の中に私が存在する。それだけで私は立ち向かえます。さて、今眼前には下弦の参がおります。尊敬の念を抱いていた頃であれば恐怖のあまり逃げ出していたでしょう。しかし今は死という事実でもいいからお館様の頭の中に一瞬でも入りたいという欲が出てしまいました。死んでも打ち倒してもお館様の耳に入るでしょう。だから私は今、刀を振るいます。
牛肉弁当 - 133二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 23:24:51
お館様は……なんというか、溶かされるような魅力というか……
点滴 - 134二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 01:44:09
不思議と心の浮き立つお声に、慈しみに満ちた菩薩の如き眼差し、そして、けして口外することは無いがあの忌まわしき呪いこそがお館様を完全足らしめていると思えてならない
理不尽な病苦に喘ぎ痛めつけられながら、どこまでも気高く我ら鬼殺の隊士を護り導いてくださる尊いお姿、艱難辛苦に耐えどこまでも穏やかに微笑む御尊顔の儚く美しいこと、至宝とも思える美しい御身体がゆっくりと爛れ蝕まれていくその境界の艶やかさ、お館様が吐き出す血はきっと薔薇か椿のように無垢な赤色だ、お側に侍りその一日一日をこの目に焼き付けたい、やがて褥にふせり指先さえも満足に動かなくなったお館様の汗を拭い包帯を変え、そのお姿がどれほど美しいのか語って聞かせて差し上げたい、人としての形を、機能をゆるゆると失っていくお館様のお姿は神とも紛うばかりに神々しく私の心を打つのだろう、細く浅い呼吸の音は天上の調べとなり私を救うだろう、私はその日が待ち遠しくて待ち遠しくて、いつだって気が変になりそうなんだ
知っている。私はそこに立ち会えない、私如きはお館様のお世話を出来る立場には無い、それを思うたびに叫び出したい気持ちになる、爛れた皮膚の退廃的な美しさに心奪われたあの日から、何百回と繰り返した穢らわしい妄想
お館様の、事切れる瞬間が見たい。きっと世界の何よりも美しいその一瞬が見たい
あまりにも悍ましい願望に背筋が冷える、俺は、こんなにも狂った人間だったろうか
お館様はきっと、末期の瞬間にさえ我々の幸福を祈ってくださると言うのに
鮭のルイベ - 135二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 01:53:27
実に幸運なことに年に数回お館様をお見かけする事がある
品があり、そして不思議とどこか妖艶な空気を漂わせるお館様。
しかし段々とそのお顔の皮膚が変質していき病状の悪化をうかがい知る事が出来てしまい、実に心が痛む。
一隊士として出来ることは一体でも多くの鬼を倒し、少しでもお館様の憂いを払うことだけである。
…心が痛む。それは紛れもない本心だ。心身ともにお館様を苛むモノなど排除すべきだ。
しかし、どこか、あの“呪い”とも呼ばれる病の存在がほんの少しだけ羨ましくもある。
お館様の身体の細胞の一部として、お館様の中にて四六時中、共にあれるのだ。
苦しめたいわけではない、決して。
しかしお館様の体温、息遣い、五感…その全てをもっとも身近で感じ取れる気がする。
そしてやがて其れはお館様の健康で美しい細胞たちにもじわりじわりと手を伸ばし、侵して飲み込んで自らの領域を拡げていくだろう。
あぁなんて妬ましくて悩ましい“呪い”なのだ。
自分は触れることすら出来ぬというのに…。
ナムルセット - 136二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 06:40:50
もしお館様が身罷られたら、後追いする隊士続出しそうで怖いわ…
豆腐ハンバーグ - 137二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:06:49
想像したくも無いが万一にもその様な日が来たら
どうにか生きて、お館様のいかに尊く偉大であったかを終生語り継ぎ、御心の安らかである様に日々祈りたいと思う
きっと機会を与えていただいてもその墓に参ることはない
泣いて縋りついて墓石に口付けてしまいたい欲求を俺は抑えられないだろうから
鮪の漬け - 138二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 18:01:33
唐揚げ
- 139二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 00:14:15
鯨の肉
- 140二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 08:17:40
あぁ、お館様
今日も自分の夢に出てきてくれましたね
なんて甘い声と天女のごとき微笑みを向けてくれるのでしょう…そして自分のことを……
おかしいでしょう?現実世界ではお会いしたのは片手で数えられる程度だというのに。あり得ないのに。
夢は自分の願望が出るものとも聞きます。
きっと自分にとってはあれがそうなのかもしれません。
あまね様にも御子様方にも申し訳がたちませんが、夢の中だけですから。きっとお許しいただけますよね。
……え、任務の前に呼び出し?なんだろう?
いなり寿司と太巻きのセット - 141二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 12:06:54
まず一番に申し訳が立たないのはお館様に対してではないだろうか、惣菜は訝しんだ
チリビーンズ - 142二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 13:14:31
処女
- 143二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 17:47:45
- 144二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 17:50:55
やっぱり鬼殺隊は異常者の集まり
- 145二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 21:51:26
- 146二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 21:55:34
こういう激きしょ文学を味わえるのがあにまんの醍醐味のような気がする
大根と鶏肉煮込んだやつ - 147二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:04:08
空屋となった屋敷の、戸や障子を閉めて回る。
産屋敷家の皆さまは不定期にお住まいを移されている。執念深くお館様の影を掴まんと蠢く鬼の目から逃れるために。
慈しみに満ちた微笑み。たおやかな仕草。繊細で、やわく、しかし相反する威厳を備えた生まれながらの貴人。春の木漏れ日の如く我らを包み込んでくださる、お館様。
あれほどのお方がまるで罪人の様に居を追われて生きねばならないと思うと、全身の血が凍る様な怒りが込み上げてくる。鬼を討つ。一匹残らずこの世から消し去る。その誓いを新たにする。
部屋の見回りを終えれば、俺もまた屋敷を出る。屋敷の管理は専任のものに引き継がれる。隠に背負われてきた為、地名さえも定かではない。咲き誇る藤が季節感さえ狂わせる。
外界から隔離された、美しい幻想の屋敷。
こうして屋敷を見て回ると、お館様その人さえも俺の見た幻想だったのではないかと思えてくる。いや、その方が自然とさえ思える。あれほどの幽玄の美は、生身の人が持つものではないと。
馬鹿げた妄想を頭の中で転がしながら屋敷を巡る。その端々にお館様の優美な姿が思い起こされる。
寝所についた。開け放たれたままの障子。眼前に広がる庭園の美しさに息を呑む。床に伏せることの多いお館様。視力も随分と弱くなっておいでだが、それでも寝所から望む景趣がせめてもの心の慰めになればと庭の手入れにはご内儀様が特に気を配られていた。
その、お館様を思う者たちの目から逃れる様に、障子を閉めた。
畳に膝をつく。確かにこの場所に、お館様がその玉の御身体を横たえていたのだ。
どく、と心臓が跳ねる。
そうして、寝乱れた夜着の徒な姿とは裏腹に、汚れない慈悲の微笑みで俺を手招くお館様の幻影に、俺はそっと口付ける。
畳がざりと鳴った。涙が一つ、音立てて落ちる。
ああ、汚してしまった。
鮭のホイル焼き - 148二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 08:26:09
あんなに儚く優美なお館様が父親であるということに興奮する…人妻に岡惚れしていた同期を笑えない……
目玉焼き - 149二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 08:32:48
また1つスゴイ文章を出してきたな
なすの煮浸し - 150二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 13:01:15
あんな超然とした人間離れした存在感のお館様が、同じく神さびてまるで新雪で造られたような御姿のあまね様と五人も御子を儲けられたという事実…ぶっちゃけ興奮する
蟹玉 - 151二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 20:47:04
菊の花
- 152二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:19:56
鬼を喰うと、鬼の如き力が宿ると話に聞いた
ならばお館様の爪の一欠片でも飲み込むことが出来たなら、と、ここまで思いかけて否定する
俺はあの方になりたいのではない、俺は俺のままにあの方に男として愛され求められたいという分不相応な願望を抱いているだけだ
だがそれにしても、お館様の爪や髪、汗の一滴でも口に含み嚥下することが出来たならどれほど甘美な味がするのだろうか
牛肉のしぐれ煮 - 153二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 06:46:48
お館様はとても神秘的な御方だ
その声を聞き、息遣いを感じ、優しくも艶やかな微笑みを向けられる…その度に頭の天辺から爪先まで全身を電流が駆け巡っていく
共にそれを体験した同期も『何なんだあの方、めっちゃやべぇよな』と顔を紅潮させ同意してくれる
なかなかお目にかかる機会はないが、それでもいつも俺たちの心の内側にいるんだぜ。
「たとえ死んだとしてもお館様に憶えておいていただけるんだから全然怖くないわぁ」
そんなコトを言ってしまえるほど、敬愛しております。
ローストチキン - 154二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 15:56:40
お館様のコトを想い始めてからというもの、しばらくはどこかふわふわとした感情に支配されていました。恋に焦がれる状態というのはこういう事なのだろう。
しかしある任務で柱の凄まじい活躍を目の当たりにした。
俺はそこまで酷い怪我ではなかったものの蝶屋敷で療養することに。そこで自らの力不足・鍛錬不足、柱たちの強さをしみじみと実感した。
お館様は末端の隊士の事でさえ憶えておられるお優しい御方ではあるが、どう考えても柱の方々ほど鮮明ではないに違いない。
立場的にも記憶の残りやすさからしても、今のままだとあまりにもあの御方から遠すぎる。
もっと強くなって活躍せねば…強くなって鬼を倒しまくって…そしてお館様に鮮明に俺の姿を認知してほしい、憶えてほしい。
「頑張ってるようだね。スゴイ子だ、◯◯」
そんなお言葉をいただけるような、近い存在になりたいな
海老フライ - 155二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:31:59
みんなすげえな、俺はこう、間違いなくお館様に……その、焦がれているというか、それは間違いないんだが上手く言葉に出力できねぇわ……
冷奴 - 156二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 06:39:34
美文かつ何とも言えないねっとり感があるよね文豪達の綴る怪文書は
海老しんじょう - 157二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:35:33
(クソッ、お館様に授乳手コキしてもらっていい子いい子されながらオギャつきたいよーとか書ける雰囲気じゃねえ…!俺に文才があれば…!!)
おいお前たち良い加減にしておけよ全く、お館様のお気持ちを考えろ
里芋の煮っ転がし - 158二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:41:24
お館様へ
私のような下級隊士では、あなた様のお顔を拝見することすら叶いませんでした
最期にせめて、あなた様のお声だけでもと思うのは欲張りでしょうか
あなた様は我らの父であり、救い主です
どうかお心を痛めることのないように
あなた様の子供でいられて、私はしあわせでした
名もなき下級隊士より
鶏の照り焼き - 159二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:14:38
- 160二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 00:36:52
(お前らの文才がえげつなくて、なんも書けねえよ………)
申し訳ないです。お館様…私は身も心も弱い者だった故、こんな所で終わってしまいました。
貴方のお顔もお声も知らぬまま、この世を去るのがとても心残りです。強欲かもしれませんが、一度でもいいから、貴方様に名前を呼んでもらいたかった。そして、答えたかった。
ありがとうございました。お館様。私達の父よ。
チーズインササミカツ - 161二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 09:48:20
僻地の任務からの帰る道中、神社の鳥居が見えたので立ち寄ることにした。
任務が無事に終えられたことの礼、そして鬼殺隊本部まで何事もなく帰りつけるように、と拝殿で拝んでいると清掃のためか神主が出てきた。
少し雑談をしていると、ここが『恋愛祈願』で密かな人気となっている事を知った。
正直なところ、鬼を狩り続けているのは家族の仇を討ちたいからが1番大きいのだが…。
もう一度賽銭箱へ金を入れて鈴を鳴らし手を合わせる。
『あの方に…お館様にお会いしたい、声を聞きたい、手を触れたい、です……どうか叶えてください神様』
私の淡い恋心、届きましたか神様
刺身の盛り合わせ - 162二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 14:52:35
すごいものを見てしまった...
和風麻婆豆腐 - 163二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:52:07
お館様とどうこうなりたいんじゃなくて
お館様とあまね様がイチャイチャしてる所が見たいんだよなぁ俺は
茄子の肉挟み天 - 164二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:11:48
(1/4)
半年ぶりの墓参りだった。あいつが死んでもう二年経つなんて信じられない。広大な墓地だが、前回訪れた時も今もどの墓を見ても綺麗に手入れされている。親族のいないものの方が多い鬼殺隊士のために、産屋敷家は随分と墓の管理に気を遣ってくれているそうだ。
正直、平隊士の俺からすれば柱さえ殿上人だし、さらにその上のお館様なんてほぼ存在の実感もない。けれどこうして仲間の墓を訪れる身になって、大切に手入れされ、厳かに聳える墓石の列を見ると産屋敷家というものへの好感が生まれた。俺の大切なものを誰かが大切にしてくれている光景は、単純に嬉しい。
あいつが好きだった麦酒の瓶と、似合わないし要らないと言われそうだが一応は花も持ってあいつの墓へ急ぐ。
自慢してやろう。この半年で俺の階級は一つ上がったぞと。
と、林立する墓石の列を抜けて角を曲がった先、俺の目指す墓の前に人影があった。
正直なところ、俺はまず白髪の、この世のものとも思えぬ美貌の婦人の姿に目が釘付けになった。いかにも良家の貴婦人然とした品のある立ち姿。お顔立ちの華やかでいながら凛とした清潔さ。季節は夏なのに、白雪が人の形を纏って降り立ったようにその婦人は涼やかにそこにいた。
穏やかに凪いだ大きな瞳が俺を捉え、俺はびくりとたじろいで一歩後ずさった。
その時、声が聞こえた。頭の芯の部分を優しく包むような、温かな声が。
「———かい?」 - 165二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:13:02
(2/4)
ただいま帰りました。
そんな言葉が口をつきそうになった。それを聞いて、笑顔でおかえりと言ってくれる母は、十年も前に鬼に喰われたというのに。無性に、泣きたくなるほど、懐かしい。
その黒髪の御方は、墓の前に膝を付いていたのだろう。優雅な仕草で膝の汚れを払って、婦人の手を借りてゆっくりと立ち上がった。その身体が、くらりと揺れる。俺は思わず手を伸ばしたが、当然ながら隣に立つ婦人がその御方の御身体を支える方が早かった。
「ありがとう、あまね」
俺が、お支えしたかったな。頭に浮かぶ思考に驚く。心臓が早鐘を打ち、その御方の声をもっと聞きたいと胸がざわついた。
「——も、——に会いに来たのかな」
黒髪の貴人が、俺に向き直る。線の細い、まだ少年と呼んだ方が良いような年頃の、その御方の微笑みに俺は足元が急に覚束なくなって、現実を確かめるようにぐっと身体に力を込めた。
菩薩か、あるいは天人かと思うような深い慈悲の籠った笑みの際立った美しさ。額から左目にかけて、病と思われる引き攣れが走っていたが、それさえも初めは藤の花が咲いているのだと無邪気に信じ込みそうになった。眼前におわす美しい御仏の似姿。この世の穢れの全てから切り離されていると確信させる、神々しいまでの威厳。
どく、どく、と脈打つ心音ばかりに気を取られていたから、俺は気がつくべき違和感を全く無視してただその御方を見つめ、惚けていた。
「——?」
再び、名を呼ばれる。そう、俺はこの御方が何故俺の名を知っているのか、そんな当たり前の疑問さえ浮かばないほどに心を乱されていた。
「は、い……」
絞り出すように返事をすれば、ふわりと笑みを深めて道を譲るように一歩下がった。
そこでようやく、はたとする。絵画のように美しく寄り添われたお二人。
ああ、そうか。この御方こそが。
お館様。 - 166二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:14:52
(3/4)
「気を遣わないでおくれ、墓参りの邪魔になってしまってすまなかったね」
慌てて平伏しようとした俺を、お館様その方が制する。
「本当に仲良くしていたものね。もう二年になるなんて……」
墓へ視線を戻したお館様の御声に宿る慈愛と哀切。穏やかな郷愁。ああ、お館様は俺の友人の死を、己の肉身を亡くしたかのように悼んでくださるのだ。
俺はそれがあまりにも有難くて、嬉しくて、目の前にいるのがまるで友の母であるかのように友がいかに勇敢だったか、どれほど励まされたかを必死になって喋っていた。
思えば順序も何も無い、支離滅裂とさえ言える俺の話にさえお館様は親身に相槌をうち、先を促してくださった。
なんて、お優しい方なのだろう。胸の内に畏敬の念がとめどなく溢れ返る。
そこで、踵を返せば良かったのだ。御多忙の中を引き止めてしまったことを詫び、美しい敬愛だけを握りしめてその場を去るべきだった。
お館様が俺が墓に供えた麦酒を見て、友が無類の酒好きだったこと、どうか死んだら墓に供えてくれとわざわざ遺書に念押しして書かれていたことを我が子を懐かしむように口にされた。
「酒は、飲まれるのですか」
何の気無しの疑問だった。言わなければ良かったと、今でもずっと後悔している。
お館様の微笑みが、変わった。
「それが、全くダメなんだ。医者にもきつく止められていてね」
秀麗な眉尻が僅かに下がる。途端、御仏の如き御顔が揺らいで。俺はそこに、ぞっとするほどの美貌の少年を見た。
「婚儀の時には唇を濡らしはしたけれど、それだけでもうくらくらと、身体中いけなくなって」
そう言ってお館様は恥じらうように目を伏せた。その、少年らしいまろみを残した滑らかな頬が仄かな含羞に染まる。記憶を辿るように、真白い指先が唇に触れた。
その、眩暈がするほどの艶めかしさよ。
「ほろ酔うとは、どんな心地なのだろうね」
そうして寂しげに小首を傾げるお館様の、黒絹の髪がさらと風に揺れた。あまりに頼りなげで可憐な御姿に胸を締め付けられる反面で、匂い立つような色香に雄の欲望が奮い起こされる。
カア、と鴉が鳴いた。それが無ければ、俺はきっと正気に帰れなかっただろう。
ぎこちなく別れを告げて、俺は逃げるようにお二人の元を離れた。お館様は最後まで、俺の命を案じ、気遣いの言葉を掛けてくださった。
なのに、嗚呼、俺という男は。 - 167二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:18:09
(4/4)
その夜に、夢を見た。
まったき幸福な悪夢だった。
白無垢に身を包んだお館様が、恥じらいながら盃に唇をつける。これは婚儀だ。輿入れだ。そう、この時から、お館様は、この美しい人は俺のものになるのだ。
盃にはなみなみと酒が満ちている。お館様の形良い唇が艶々と濡れている。躊躇っておいでなのだろうか。怖いだろうか。無理もない。お館様はまだ若く、純粋無垢でいらっしゃるのだから、俺が導いて差し上げなければ。
盃に残る酒を一息に含み、たおやかな肢体を引き寄せる。そうして終生に渡り護りぬくと誓いを込めて口付ければ、花綻ぶように唇が開かれ、口移しに注がれた酒を従順に飲み下す。その瞳は酒精に犯されて潤み、俺への愛に熱く煌めいている。ほう、と熱い息を吐き俺にしな垂れかかる御身体を引き倒し、ふるりと震えるのを無視して白無垢を剥いでゆく。背徳感が背骨を貫き、嗜虐の欲に似た凶暴さで何度も口移しに酒を含ませる。その度に華奢な身体が蕩けだし、ひくんと跳ねるのを堪能する。全身を朱に染めて身悶える淫靡な様を目に焼き付けて。
思い切り背中を蹴り飛ばされたような奇妙な心地で、目を覚ました。
そうして夢現から我に返り、己の浅ましい願望の、そのあまりの悍ましさに頭がぎりぎりと軋んだ。安酒を浴びた後の二日酔いよりなお酷い。俺は俺の内にある獣に喰われようとしていた。
俺を蹴りつけ、助けてくれたのは友だろうか。きっと、そうに違いない。
友への感謝を深くして、俺は己の願望に蓋をした。きつく戒め、二度と溢れぬようにと幾重にも埋め。何度も何度も擦り潰し、目を背け、掻き消して。
それでも、消えてくれない。
ずっと、ずっと、どれほど時間を経ても忘れられない。
あの美しい人が、あまりにも鮮烈に脳に焼きついて。
慈悲深く高潔なるお館様。ただ貴方の威光にほろ酔うていられれば、どれほど良かったろう。
お館様。神仏の如く威厳に満ち、少女のように清廉な色香を纏う可憐な貴方。
俺は、あの日からずっと、貴方様に酩酊しているのです。
ガーリックシュリンプ - 168二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:20:02
啜ってた蕎麦吐き出したわ遠慮しろw
- 169二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:26:41
文豪が全力出してきやがった!
お館様の何がここまで文豪どもを駆り立てるんだよ怖いよ
かますの塩焼き - 170二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:38:36
すっげーな…
文豪が本気を出してきたぞ
思わず入り込んでしまった…
これほどまで魅入らせるお館様もスゴイ
ミックスフライ - 171二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 13:29:30
続き
(1/3)
「本当に良い奴でした」
畳の上に向かい合う、お館様と俺の友。
そうか。死んだのか、俺は。だから二人とも傍らに座る俺に気づかない。
「仲が良かったようだね。いつも笑い合っていた」
「はい。……たまに、けんかもしたけれど」
友が俯く。泣いてくれているのか。
「……ちょっとたしなめる程度のつもりだったんです。あいつ、臆病なくせに藤の押し花をお守りにして無茶するから。お館様のためならなんでもするって、聞かないんです。本当にお館様のこと、敬愛していました」
思い出させないでくれ。お前を殴った俺が悪い。死ぬ直前のやりとりがあれだって知っていたら、けんかなんかしなかった。
「鬼殺隊は、本当に素晴らしい隊士に恵まれた。仲間思いの君もそうだ。勇敢で優しい、私の子どもたち……寂しい思いをさせたね」
「はい……はい……」
- 172二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 13:30:44
(2/3)
やめてくれ。そんなんじゃない。友よ、泣くな。お館様、こいつは何も知らないんです。俺は藤の押し花を貴方に見立てて、欲と一緒に懐に仕舞い込んでいた。自分を奮い立たせるためだなんて言い訳をしながら、風の冷たい夜には寝床で花弁を取り出して、貴方の唇を浮かべながら目を閉じ触れていた。きっとあの方も藤のように柔いに違いない。肌も髪も、病など感じさせない、みずみずしい美しさがあるはずだ。
ほんの少し恥入った仕草で手招きしてくるお館様に恐れ多くも近づき、赤みが差したその頬に、唇に、口付ける。
心地の良い声を聞き、暖かな体温に触れ、微笑む頬を寄せながらあの方と同じ布団で眠る夢を見ながら夜を明かす…………。
- 173二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 13:32:14
(1/3)
「押し花は、君が持っていておくれ」
「大事にします……たったひとつの形見だから」
そんなことなどつゆ知らず、俺を思い泣く友にすがり付き、届かない声で喚いた。
やめろ、やめてくれ。美談にするな。お館様が今にも泣きそうな顔で微笑んでいる。
申し訳ない。こんな歪んだ俺のために苦しんでくださるお館様に顔が立たない。死ぬ前に当たり散らかした友に顔が立たない。
俺はいつまでも俯き肩を震わせる友に覆い被さり、その隊服にしがみつき、胸を掻きむしり、呻き続けていた。
アボカドサラダ
- 174二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 14:53:53
- 175二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:10:35
- 176二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 01:16:56
- 177二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 01:18:41
- 178二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 10:21:20
一切の邪念なくお館様に尽くし、お支えし、やがて全幅の信頼を置かれて俺を頼みとしずっとお側においてほしいという邪念が消えない
焼きビーフン - 179二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 15:55:06
御館様の指をチュッパチュッパ!
鮭大根 - 180二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 16:34:08
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- 181二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:08:12
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- 182二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:33:42
俺は憤っている。この不埒者どもめが。あれほどお優しく心清い御方に欲を向け、あまつさえお館様ご自身がそのような汚れた行いを求めて男へ媚びるような振る舞いをすると妄想するその性根に心底憤っている。こんな妄言がお館様の目に留まればどれほど悲しまれるか。御自身に一切の非が無いにもかかわらず、己が振る舞いの何がいけなかったかと思い悩まれるに違いない。或いはその御身体が不埒な視線に晒されている事実に戸惑い、恐れを抱かれるかもしれない。或いは、そもそもいったい何が書かれているのかと不思議そうに首を傾げ、誰ぞこの奇妙な文を読み解ける者はないかと探されるかもしれない。心が痛む。お館様の、あの清らかさ。世の猥雑など知らぬ御方だ。甘く香りたつ無菌の華だ。すでにお子を成した身であろうと、儀式に臨む巫子の如くに、清々しいほどの神聖さを持って閨に臨まれたのだと俺にはわかる。これ程純粋で尊い御方を欲に穢そうなどとよく思えたものだ。それでも、お優しすぎるお館様の心身を御守りするために、心を鬼にする時かもしれない。出来うる限り言葉を選び、不埒な男どもが御身にいかな瀆神を働かんと妄想しているのか、それがいかに淫らで悍ましい行いかをお教えし、ゆめ警戒を怠らぬようにと献言する。それを聞かされるお館様の悲嘆を想像すると胸が張り裂けそうになる。我が子を疑うことなどしたくないと嘆かれ、涙さえ流されるかもしれない。我が身を汚さんとする獣の影に怯え震える痩せた御身体を抱きしめて、そのような愚か者は決してお側に寄らせないと誓い、慰めて差し上げたい。そう、どこまでも御心清らかなお館様は、男の腕の内に閉じ込められてさえ俺を疑うことなどない。抱擁を親身な励ましと信じて身体を預けてくださるに違いない。耳に吹き込まれる慰めの言葉に安堵され、その髪に鼻を埋めた男の荒げた息に気づくこともない。腰を掻き抱く腕を疑わず、柔らかな尻を撫でる手にくすぐったそうに微笑むのだ。たった今、その身を穢す淫蕩な欲を教えられたばかりだと言うのに。
そう、俺は憤っている。お館様は決して穢れぬからこそ尊いのだ。それが故に震いつきたいほどの艶やかさで男を惑わすのだ。自ら男を求める雌犬の如くに貶める妄想をして何が楽しい。穢れてしまえばただの人だ。お館様は違う。ただの人に堕してよい存在ではない。永遠に穢れない神聖だからこそ、お館様は至美の方なのだ。
麻婆茄子 - 18314025/09/06(土) 02:16:58
まったくその通りで、まずはお館様へ申し訳が立ちませんです。
>>140の後、呼び出しに向かった先で俺はなんと霞柱様にきつく詰められました…。
お館様の夢を見て浮かれすぎていたのか後輩にぽろりと零したのだがその時の様子が一段おかしく見えたらしく…。
「お館様は僕たち鬼殺隊全体の父。敬愛するも心酔するも自由だ。僕も勿論しているしね。たださ…まさかとは思うけどキミ、あの方を穢したいみたいな頭のオカシイ考え、持ってないよね?まさかね?サルじゃあるまいし、ね?あ、サルにも失礼かな、ふふっ。そんな腐りきった塵屑みたいな思想、もし持っていたらその小さな脳味噌に留めるだけにするかいっそ焼却処分しといてね?じゃないと次は忠告だけじゃ済まないからね。……じゃ、任務がんばってね。戻ってきたら特別訓練の予定入れといてあげるね」
以前よりも喋るようになった柱にそうにこやかに木刀を顔スレスレに突き立てられて“忠告”されたよ…
めっちゃ怖かった……
白身魚のフライ
- 184二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:48:50
ぽろっとこぼしたくらいだからそれで済んだんだ、運が良かったと思おう
ここの怪文書群がそのまま柱の皆様の目に入ったらどうなることか…
豚トロの塩麹焼き - 185二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 13:02:57
とんでもねえスレを見つけてしまった
柘榴 - 186二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 16:34:39
- 187二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:27:50
お館様の御尊顔を眺めながら死にたい
タコときゅうりの酢の物 - 188二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:01:22
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- 189二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:09:15
何か罷り間違って輝利哉ちゃん達にこの怪文書共が目に入ったらどうなるんだろう
ピーマンとじゃこの和物 - 190二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:16:24
以前同期から「お館様に血肉を捧げて一つになりたい」とか言われて困ってるって相談した>>91なんだが…その事ではもう悩む必要が無くなったんで一応報告しとく
あいつな、こないだの任務で殉職したんだわ
お館様宛ての遺書に「自分の肉を食べ骨を粉にして飲んでほしい。貴方の一部になりたい」とか書いたって生前言ってたが、肝心の死体は鬼に食われて骨の一欠片も残らなかったってよ
俺はその時違う任務に行ってたから本当かどうかはわかんねーけど…
あいつ天涯孤独だったし、あんな奴だから他の同期には全く相手にされてなかったんだ
俺だってそこまで親しいわけじゃなかったけど捌け口になる相手がいなくなったら更に暴走するかもしれないから黙って聞いてた
いよいよヤバくなったら胡蝶様に報告しようと思って…その必要が無くなって一安心、と普通ならなるとこなんだが
それ以来、毎晩あいつが夢に出て来んのよ
「悔しい」
「恨めしい」
「鬼なんかに食われちゃいない」
「俺はここに居るのに」
「なぁ頼む、ここから出してくれ」
「お館様の元に届けてくれ」
「お前にしか頼めないんだ」
…正直俺、迷ってる
あいつの墓を暴いて中が本当に空っぽなのか確かめた方がいいのかなって
肉団子の甘酢餡かけ
- 191二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 05:23:39
よしんば骨が残っていたとて、それを確かめてもどうにも出来ないのだからやめておけ
それよりもお祓いに行くことをお勧めするよ
嬰児の肉 - 192二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 07:48:40
常識的な回答だが鬼は全て滅殺だ‼︎
因みに俺の故郷では「骨喰み」と言って故人の遺骨を噛んだり食べる風習がある
少量ならば害は無いが有毒な成分が含まれているという話もあるので、無論お館様にそのような事をさせるわけにはいかないな
家族全員分食った俺は大丈夫だったが
手羽元と卵の甘辛煮
- 193二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 16:55:40
死のうと思っている。金輪際、帰るつもりは無い。藤の家にも、診療所にも世話になるつもりは無い。任務を与えて欲しい。この身体の動く限り鬼を斬り、斬り、斬りして死ぬつもりだ。これは俺が俺に課す刑罰だ。命を持って償わねばならない。俺は大逆を犯したのだ。
ある夜、鬼を狩った。ケラケラと笑う女の形をした鬼だった。血臭の中に、腐り落ちる寸前の果実のようなむせ返るほどの甘い匂いをさせた鬼だった。恍惚とした表情で肉を喰み血を啜っていた。頭を、ぐわんと揺らされるような不快感の中で、その鬼の頸を斬り落とした。
その日から、俺の頭の中で外れてはいけない箍が外れた。恍惚と、かつて命だったものを貪る鬼の姿。死肉の一欠片さえも余すまいと一心不乱の様。その貪婪にして吝嗇の見苦しい姿を嫌悪しながら、俺は心のどこかで敬愛する博愛の方が、こうして浅ましいと思えるほどに己が命にしがみついてくれたらと考えてしまった。一度浮かんだ悍ましい願望を振り切ることは困難だった。いつしか俺は、あの御方が鬼となればどれほど良いかとさえ考えるようになった。病に侵された痛ましい肌は冴えた月に映える青白い輝きに取って代わられ、不規則な鬼の紋様が全身を愛撫するように走る。艶めく黒髪の下、瞳は爛々と月光を跳ね返し、血の滴る唇が妖艶な弧を描いて俺を誘う。男を手招く仕草の、背筋も凍る酷薄と妖美よ。そうしてふらふらと誘われるままに残酷に微笑むあの御方の前に頭を垂れて、鋭い牙のもたらす壮絶な苦痛と快美の中で息絶えたい。食い散らかされ、髄をしゃぶられ、骨を伝う舌のざらつきさえも知り、あの御方がやっと満たされた腹をさすりうっとりと笑う。その手が与えてくださる悦楽を俺はあの御方の身の内で味わうのだ。
ただ貴方を慕っていた。ただ一日でも長く生きてほしかった。そう願い刀を握ってきた俺はあの夜に息絶えました。ここにあるのは狂った欲望に取り憑かれた、人の形をした貪婪の鬼に他なりません。鬼殺の隊士として、これ以上の裏切りがありましょうか。故に俺は、俺自身を罰しなければなりません。ただ一心に鬼を狩り、死んでゆこうと思います。
書き置いた遺書が、俺が真っ当に人であった頃のものだということに安堵しています。この唾棄すべき妄執を貴方にだけは知られたく無い。
お館様。心から、お慕いしておりました。
ゴーヤチャンプルー - 194二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 17:08:42
パトロール中、休憩がてらふと見上げると美しい星空が広がっている。
あちらこちらに瞬いている星々…
あの中に居るのだろうか。鬼に襲われて死んだ俺の家族が、共に戦って殉職してしまった仲間たちが。もし俺も死ぬような事があればあそこに行って混ざれるのだろうか。
この星空をお館様もご覧になっておられるのだろうか。月や星々の光だけでも感じられているのだろうか。
あぁ、お館様…。穏やかな微笑みを浮かべ、スーッと染み渡るようなお声で、我々を包みこんでくださるお館様。
そうそう殉職するつもりはないけれども、もしそうなったとしても誰よりも瞬き輝く星になりてお館様の元へ光を届けてみせます。その時はどうか俺、いや、私のことを感じ取って天女の如き微笑みをくださいませ…。
鶏手羽先の照り焼き - 195二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:19:42
ねっとり怪文書が癖になっちまったから終わりが見えてきて寂しいよ
大葉の天ぷら - 196二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 09:18:40
妙に出来のいい狂気を拝ませてもらったぜ
お館様ってのは、なんていうかとんでもないお人なんだなぁ…
海老と青梗菜の中華炒め - 197二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 17:51:54
膨れ上がる思いをここで吐き出さねば、いずれとんでもない間違いをしでかしていたかもしれません。
お館様のお手に触れてみたいという感情は尽きませんが、せめてその華奢な双肩に掛かる重みを少しでも減らせるように任務に励みたいと思います。
それにしても鬼が多いことには驚きました。現実でまみえた時には素っ首はね落とさせていただきますのでお覚悟を。
アスパラとベーコン炒めたやつ - 198二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:45:59
最初から最後まで怪文書たっぷりのスレだったな…いったいどこに潜んでたんだよ文豪たち
海老と枝豆の生春巻き - 199二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:04:25
文豪も鬼もみんなお疲れ様、これからもお館様への忠誠と劣情を胸に頑張ろうな、あと鬼は滅殺だからな!
チーズインウインナー - 200二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:05:54
好きな惣菜発表隊士が好きな惣菜を発表するよ!
決然と鬼の始祖に相対し至尊の肉体の一欠片さえも残さぬやり方で我ら鬼殺隊のため血路を開かれた勇敢にして偉大なるお館様の御遺灰。
やがては地に溶けて水とも雨ともなり我らの渇きを癒してくださるのだ。大いなる慈愛にて我らを包み込んでくださったお館様その人のように。