- 1二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:11:36
- 2二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:17:36
ボクは有村麻央。初星学園の3年生。
幼少期は子役として有名で、今はカッコいい王子様に憧れているが、カッコいいアイドルとして売っていたボクはあまり人気が出なかった。
でも、プロデューサーが付いてから、ボクは可愛いという魅力もあるということに気づけた。
今は、可愛くてカッコいいアイドルとして売っている。
3年生のボクが輝くチャンスが出来たのは、プロデューサーのおかげだ。 - 3二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:29:41
プロデューサーには、もう一人担当アイドルがいる。ボクの親友の姫崎莉波だ。
莉波は、妹系アイドルとして売っていたが、人気は伸び悩んでいた。
でも、プロデューサーが付いて姉路線に変更してからは、一気に人気を伸ばしている。
ボクも莉波にはお姉さんのような包容力があるとは思っていて、路線変更には賛成したが、ここまでとは思わなかった。
でもボクも、莉波にはよく可愛いと言われていて、可愛い方面でも売り出すと言った時は喜んでくれていた。
親友同士、本当の魅力には最初から気づいていたのかもしれないね。
だからこそ、ボクたちの魅力を見抜いて、あの時の桜のように咲かせる手助けをしてくれたプロデューサーには感謝しかない。 - 4二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:43:52
ボクたちは、NIAに出ることになった。
ファンを奪い合う形式で、優勝すれば、大きく知名度を上げられる。
3年生のボクたちにとっては、実力や知名度を伸ばす最後のチャンスのようなものだ。
「莉波、プロデューサーから話は聞いたかい?」
「NIAの話?うん、絶対このチャンス、ものにするよ!」
「そうだね、ボクもまだ、一番星の座は諦められない」
「私もだよ。みんなをお姉さんの弟にしてあげるんだ」
「ふふふ、変わった意気込みだね。でもボクも莉波に負けるつもりはないよ」
ここで結果を出せばHIFも見えてくる。お互いに、気合いが入っていた。
でも、現実は、そう上手くは行かなかった……… - 5二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 16:57:23
ボクは、NIAで結果を残せなかった。
最初は戦えていたが、極月学園の1年生、白草四音に負けてから、どんどん成績が悪くなっていった。
あの人に負けた時に色々言われたのが最後までメンタルに響いていたのかな。
一方の莉波は、優勝者を決めるオーディションのFINALEまで勝ち残っていた。
極月学園のトップアイドル、白草月花には惜しくも勝てず準優勝だったけど、お姉さんアイドル・姫崎莉波の知名度は、大きく上がった。
それに莉波は、四音にも勝ってくれた。そのおかげで今のボクのメンタルは安定している。
本当に凄いな、莉波は。 - 6二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 17:10:40
3年生のNIAで結果を残せなかった。
プロデューサーにも、HIFへの出場はかなり厳しいと言われてしまった。
でも、ボクはアイドルを続けたいと思っていた。それは、何故だろう?
その答えの1つは、ボクの心にあった。
おそらくボクは、プロデューサーに、恋をしているんだ。
プロデューサーと初めて手を繋いだ時、この感情の正体を確信した。
それ以降も、プロデューサーの行動にドキドキする事が多かった。
ボクの中に、恋心の結晶が出来ていた。
それでプロデューサーと結ばれるのなら、ボクはまだアイドルでもいいかもしれないね。
プロデューサーと、結ばれたかったな……… - 7二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 17:20:10
ある日、ボクは見てしまった。
プロデューサーが莉波に告白している所を。
莉波はプロデューサーの幼馴染だ。
きっと最初から、プロデューサーの気持ちは莉波に向いていたんだろう。
「そう、だよね………」
莉波の笑顔から、告白の結果は明らかだった。
恋心の結晶に、ヒビが入る音がした。
でも、ボクはまだ諦められていなかった。
プロデューサーに、告白しよう。 - 8二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 17:41:45
「プロデューサー、どうしても伝えたいことがあるんです」
「麻央さん、改まってどうしたんですか?」
「あの、プロデューサー。ボクは、キミの事が好きです」
「………」
結果は分かりきっていた。でも、この耳でそれを聞くまでは、信じたくなかった。
「………麻央さん、ごめんなさい。俺はあなたの思いに応える事は出来ません」
「理由を、教えてくれますか?」
「俺は既に、莉波さんと付き合っているんです」
「………」
分かっていたことだが、プロデューサーから聞いて、改めて理解した。これが、失恋、か………
ボクの恋心の結晶が、砕けていく……… - 9二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 17:57:46
「麻央さん」
「どうしたんですか?プロデューサー」
「今度の日曜日、俺と莉波さんと3人で出かけませんか?」
そんな訳で、プロデューサーと莉波と3人で出かける日がやってきた。
でも、その日の目覚めは最悪だった。
目の前で、プロデューサーと莉波がトラックに轢かれる悪夢を見たからだ。
プロデューサーには、せめて莉波と幸せになってもらわないと。
だから、ありえないだろうけど、この夢の出来事が現実になったら、絶対ボクが2人を庇わないと。 - 10二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:18:06
「莉波さん、そのネイル、可愛いですね」
「ほんと?この日の為に買ったかいがあったな〜」
あれ?この会話…聞き覚えがあるな…間違いない。あの夢と同じだ。
という事は、この後…
手を繋ぐ莉波とプロデューサーに、夢と同じように、トラックが迫ってきた。
「危ないです!」
「麻央!」「麻央さん!」
2人の声が、かすかに聞こえる。
これで、よかったんだ。2人がこれからも幸せになれるなら。
誰かを守って終わるなんて、ボクは最高にカッコいい王子様だ。
意識が、遠くなっていく。
最後に見えたのは、ボロボロに砕けた蛍石のペンダントだった。
END - 11二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:20:57
- 12二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:23:45
- 13二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 18:26:34