- 11じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:39:57
- 21じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:40:22
【Part1スレ】
【ダイスと安価】ブルアカキャラがマスターの聖杯戦争|あにまん掲示板っていう感じのやりたいじゃんね☆スレ立て初めてだから優しくしてほしいじゃんね☆適宜、ダイスと安価で聖杯戦争をぶん回してくじゃんね☆とりあえず主人公のブルアカキャラの誰にするかダイス振りたいから>…bbs.animanch.com【前スレ】
【ダイスと安価】ブルアカキャラがマスターの聖杯戦争Part7|あにまん掲示板っていう感じのやってるじゃんね☆このスレは7スレ目じゃんね☆主人公は『阿慈谷ヒフミ』ちゃんじゃんね☆召喚したクラスは『セイバー』じゃんね☆補習授業部メンバーと一緒にキヴォトスで発生した聖杯戦争に殴り込…bbs.animanch.com【ハーメルン版】
syosetu.org - 31じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:40:57
【Part7スレまでのあらすじ】
①主人公はヒフミちゃん、召喚したのはセイバーことアーサー王。聖杯戦争開始から14日を越えるまでに勝利しないとマスターは全員魔力の拒絶反応でデッドエンド。
②ヒフミちゃんの目的はハッピーエンド、サーヴァント含めた参加者全員を犠牲にしない形での聖杯戦争終結。全陣営を説得して停戦し、予備システムの起動(に託けて大聖杯自体にアクセスして機能停止)するのを目指す。セイバーはその目的を叶えてヒフミを日常に戻すのが願い、お仕事的には聖杯戦争の解決もしたい
③聖杯戦争9日目までにセイバー陣営、キャスター陣営、バーサーカー陣営が同盟を結ぶ。残す陣営は中立を謳う監督役のアサシン&黒服、敵は全員殺すウーマンなライダー陣営、自分が犠牲になる気まんまんのアーチャー&トキ、物理的に令呪のある腕を切り落とすぜい!って感じのランサー&マリーの四つの陣営。
④9日目深夜に聖杯陣営(仮称)が出現、各自治区に大きな被害が……ナツちゃんが魂を奪われて意識不明の重体、先生も行方不明に!強欲のアーチャーは倒せた為、残る敵は四騎のサーヴァントと推定ラスボスの先生LOVE勢ユスティーツァ(仮称)!
⑤黒服と交渉して新しく依頼を受けたよ!これからハナコちゃんの頼みでサクラコ様に手紙を届けに行くよ!
⑥モモイ、ウイ、ミドリ、キャスターは古書館で資料集め中
⑦アリスちゃんとヘルタースケルターちゃんはゲヘナ近郊で乗っていたヘリごとアーチャーに撃墜されて、現在は元ライダー陣営を名乗るカヨコちゃんと共に行動中
細かい話はハーメルン版かこれまでのスレを見てみてね!
というわけで帰ってきたじゃんね☆
ただいまじゃんね☆
ようやく書く方向が固まったからまた頑張っていくじゃんね☆
今日からまた頑張るからよかったらお付き合いくださいな!じゃんね☆ - 4二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 20:40:59
- 51じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:41:41
- 61じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:43:01
あ、安価先間違えちゃったじゃんね……
それはともかく!
①描写をヒフミちゃん周りに絞る、書くならおまけ程度で
②質問系の安価は必ず個数制限入れて長くならないようにする
③戦闘イベントを増やして盛り上がるとこを増やす
④目的を明確にする、やらなきゃいけない事を主人公たちにしっかり提示する
⑤宝具を使える、使いたいと思えるイベントを出す
⑥無駄に伏線仕込むのやめる
⑦交渉イベントはやめる
個別に理由を書くと
①すごい間延びしたからもう必要ない箇所は地の文で流す、物語のスリム化
②同上、安価は絶対とはいえ交渉イベントだけでとんでもない文章量になってた
③戦闘にカタルシスがないとの指摘があった、進んでる感じがない
④やる事はっきりさせる、分かりにくすぎた
⑤敵を!倒して!爽快感を!!!
⑥回収しなきゃいけないものが多すぎる
⑦1はそんなに頭良くないじゃんね……
という感じじゃんね☆
一本道のお話をやるつもりは今もないけど、それ以前にどういう手順だったら倒せるか、現状を打破出来るかをちゃんと筋道立ててお知らせしてくじゃんね☆
その中でどんな過程を経て歩いていくか、間に合わせられるかを楽しんでもらえたらと思うじゃんね☆
ご了承のほどよろしくお願いします、じゃんね☆
ただいまじゃんね☆
遅くなっちゃってごめんなさい……じゃんね☆
- 7二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 20:48:59
たておつです
交渉イベントはやめるってことはこれから先他陣営と話し合いってなった時はどうするんだろう - 81じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:49:26
さて、改めまして新スレを建てるのが遅くなってしまってごめんなさい。
私事ですごく申し訳ないのですがまた入院になってしまい、恥ずかしいことに絶賛入院中です……体調自体は元気になったんですけどね!書く分には問題なし!エンディング周りとか細かいネタとかもリアル知人に共有してるのでそっちも大丈夫です!
ただとにかくご心配をおかけしてしまって本当にごめんなさい。
これからはきっと年度内には書き終わる、はずと思って頂ければです!
もう少しだけお付き合いいただければ幸いです。
最後になりましたが今日まで読んだり待っててくださった方々、本当にありがとうございます。
またこうして皆さんにご挨拶できて、本当に嬉しいです!……じゃんね☆
それはそれとして123話短編の続きは絶賛格闘中です……書くべきことが多すぎるじゃんね☆ - 91じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 20:51:37
- 10二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 20:58:29
お久立て乙
ちょっと今のうちに見返しとくか… - 111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 21:04:55
- 12二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:05:26
お久しぶりです!無理はなさらないでください!
- 13二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:06:51
待ってたじゃんね☆
出てきたサーヴァントを何処かでまとめてくれるとここから見始めた人にと優しいかもじゃんね☆ - 141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 21:16:25
お久しぶりですじゃんね☆のんびり、リハビリペースでやらせて頂きます……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆ナイスアイデアじゃんね☆
というわけでまとめたじゃんね☆
【同盟陣営】補修授業部、ゲーム開発部、工務部、エンジニア部、ティーパーティ、セミナー
剣:アーサー・ペンドラゴン/阿慈谷ヒフミ
術:チャールズ・バベッジ/才羽モモイ
狂:スパルタクス/安守ミノリ
【弓陣営】特異現象捜査部
弓:アーラシュ/飛鳥馬トキ
【槍陣営】蒼森ミネ、???
槍:レオニダス一世/伊落マリー
【騎陣営】便利屋68、カイザー系列企業
騎:メドゥーサ?/陸ハ魔アル
【殺陣営】
殺:スカサハ/黒服
【聖杯陣営】
暴食のセイバー:ネロ
強欲のアーチャー:プトレマイオス(脱落)
怠惰のランサー:クー・フーリン
憤怒のライダー:丑午前
嫉妬のアサシン:???
??のバーサーカー:???
マスター?:キヴォトスの杯ユスティーツァ
- 151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 21:20:08
【10日目午前/通常イベント】
【トリニティ自治区・大聖堂シスターフッド本部前】
【Recommend BGM……〈Usagi Flap〉】
「じゃあ私、本部の方に行ってくるから」
「僕も着いていく形になるね」
黒服さんとのお話を終えた私達はそれぞれ次の場所へ向かいました。
まずミノリさんとスパルタクスさんは古聖堂から出てすぐにお別れです。このままお二人には一足早くですが、その足でゲヘナに向かってもらう事になっています。
次にコハルちゃんと付き添い兼護衛役のセイバーさんは霊体化して正義実現委員会の部室へ。
そして私とハナコちゃんとアズサちゃん。
三人でこれから、サクラコ様とお話をしに行きます。
「ヒフミ、分かっていると思うけど」
「はい!……いざとなったら令呪、ですよね?」
私と離れての行動をしてもらう事については色々話し合いましたけど、結局このタイミングで白昼堂々とトリニティに攻め入る陣営は恐らく少ないこと。万一アサシンが襲ってきたとしてもアズサちゃんが護衛してくれているから令呪で呼ぶ時間は安全に稼げること。そしてセイア様も話を通してくださっているのか、そもそも古聖堂からここまでの道のりでも警備がかなり厳しく敷かれている点。以上から三班に分かれることにしたんです。
「ああ。今回は僕がコハルの方に着いていく。だから君の方に何かあった際はただ念じてくれればいい、それで僕が駆けつけるから」
「はい!コハルちゃんをよろしくお願いしますね、セイバーさん!……セイバーもお気をつけて」
「承った。安心して任せてほしいな、マイレディ」
「あはは……それは勿論」
冗談めかしてウィンクするセイバーさんですけど、彼がいてくれるならコハルちゃんの安全は間違いありません。だから私も
「行ってらっしゃい、お二人とも!」
何も心配せずにお二人を見送れました。 - 161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 21:27:40
「それじゃあ、アズサちゃん、ハナコちゃん。行きましょうか」
やらなきゃいけないのは目の前にあります。
セイア様が連絡を入れてくれていたから、そして昨日の夜襲でシスターフッドの方は炊き出し等に出払っているから。
ですから、この大きな聖堂の受付に立っておられるのは案の定一人だけでした。
【Recommend BGM……〈冬の記憶〉】
「お待ちしておりました、本日はどういったご用件でしょうか?」
「話を」
前に出るのは、今回は私じゃありませんでした。
「貴女と話をしに来たんです、サクラコさん」
いつもの優しい微笑みは、ありませんでした。すっとして涼やかな目線は冷たさと熱がいっぺんに篭っている、そんな力強い目をしたハナコちゃんがそこにいたからです。いつもの彼女を知る人ならきっとびっくりされるでしょう。落ち着いた様子なのに息を呑むぐらいの強さが見え隠れしていて、私達は頼り甲斐を感じちゃいます。
「そうですか、話と……それはそれは、『楽しい時間』になりそうですね。ですが、話であるならば尚のこと」
でもそんなハナコちゃんの様子にサクラコ様は特段の反応を示されないまま。
「どうぞ静かな場所で。秘め事は密やかに、そうでしょう?」
ゆっくりと、人気のない聖堂の奥へと手を向けられました。 - 171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 21:28:21
【行動安価です】
【以下の選択肢から歌住サクラコと話す場所を選んでください】
【選択肢によって今後の展開が変化する場合もあります】
【ご注意下さい】
①マリーとお茶会をしたテラスガーデン
②前回サクラコと話した
③今は使われていない告解室
④ティーパーティの第二事務所
⑤誰もいない寂れた古書館
【安価先>>22】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 18二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:43:51
①でいいかな
なんとなくだけど - 19二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:45:37
①かな~
- 20二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:45:45
かそく
- 21二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:46:44
このレスは削除されています
- 22二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 21:46:46
- 231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:02:03
【>>22、①マリーとお茶会をしたテラスガーデン】
【トリニティ自治区・大聖堂テラスガーデン】
【Recommend BGM……〈星空のヴェール〉】
通して頂いたのは私たちの希望で執務室でも会議室でも、ましてや告解室でもありませんでした。
『さぁ、着きました。シスターフッド自慢の───』
「(マリーちゃん……)」
テラスガーデン。
あの日、マリーちゃんに槍を向けられてお別れすることになったあの時。私達が話をして一緒のテーブルを囲んでお菓子を食べて笑い合った、思い出の場所を今回の話し合いで私達は希望しました。
「……正直に告白するのなら」
人払いはとっくに済んでいたのでしょう。私たちが席に着くと、重々しくゆっくり、サクラコ様は口を開かれました。
「貴女方がまたこの場を訪問なさるとは思いませんでした」
「主は正しい方、とは貴女達シスターフッドが常々口を酸っぱくされて言われることでは?」
「葡萄酒を口にする機会などキヴォトスにはそうありませんよ、ハナコさん」
難しいやりとりはきっと経典に書かれた内容の引用、なんでしょう。ハナコちゃんはそういうことにも詳しいですし、サクラコ様にしてみれば礼拝のお時間に説法を担当してくださることもありますから。でもやはり空気は重く鈍いです。冗談で返す時ですはため息が聞こえてきそうなぐらいでした。
だからでしょうか、ハナコちゃんは直球で勝負に出ました。
「話を逸らさないで下さい。私が言いたいのはサクラコさん、貴女がまだ告白すべきことがある……そういうことです」
- 241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:03:37
- 251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:13:16
「罪があると思っている───だから貴女は炊き出しにも出られないのでは?」
ハナコちゃんが一瞬気圧されるぐらいの冷たく沈んだ声と視線。でもそれをぐっと、机の下で私達の手を握った彼女はめげずに話を続けてくれました。
「なるほど、私に罪が仰るのですね。ええ勿論、あることでしょう。そう他ならぬ私の罪悪とは」
ですがサクラコ様は小さくため息を吐いてから本人も無意識かもしれませんが、苛立たしげに艶の落ちた爪で机を叩き、短く吐き出しました。
「───伊落マリーという罪人を匿い続けたことでしょう」
いっそ憎々しいと言わんばかりのどす黒い影を。
「マリーちゃんはッ!……マリーちゃんは……っ!」
思わず立ち上がってしまったのは仕方ありませんでした。私だってマリーちゃんに思うところがない、というわけじゃありません。でも何か事情があるって信じてます。たくさん辛い思いをしてるんだろうって不安になります。だからマリーちゃんを指して、罪人だなんて。
マリーちゃんが大好きで大切にしていた居場所を、その彼女達自身が罪人だなんて言ってほしくない、そう思ったんです。
「……ヒフミ、待って。まだハナコの話にも、サクラコの話にも続きがある」
「あぅ……アズサちゃん……っ、はい、お二人とも失礼しました……」 - 261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:22:11
ですが話の腰を折ってしまって、それも大きな声を出してしまいました。つい感情的になって声を荒げてしまったのを謝罪すると、サクラコ様は小さく呟かれました。
「……ハッピーエンド、でしたか」
口の中で言うような、そんな小さな声。私達が前回の話し合いでお伝えしたハッピーエンドという話について、だと思います。ただどこか、その呟きに苦々しい痛みのようなものがあった気がしました。
「伊落マリーは聖杯戦争のマスターです。阿慈谷ヒフミさん、貴女と同じ。そして全く違う思想の人間であり……唾棄すべき、罪人です」
改めて、サクラコ様はマリーちゃんを罪人だとはっきり言われます。まるで『そう言うことこそが己の役割なのだ』と言わんばかりに堂々と、けれど淡々と。感情の挟まる余地すらなく、繰り返していました。
「彼女は自らの獣欲を満たすが為に勝利の杯を欲した。恐ろしき企みのもと他の生徒達を害さんとした。私達はただ後輩だからという理由で彼女を庇護し、ただ志を同じくするシスターだと盲信して守護せんとした。殺し合いに巻き込まれた哀れな仔羊だと……そう、信じて」
「で、でも!マリーちゃんにはランサーさんを「だからなんだというのでしょう?」……っ」
「伊落マリーは白昼堂々と貴女を到底癒せぬ大きな傷をつけようとし、そしてシスターフッドの物資まで略奪して雲隠れしました。全ては己が望みの為、聖杯なぞという偽りの救いに身を焦がして欲望を啜る」
それは私には否定できない言葉でした。私自身があの夕方に襲われた。私はマリーちゃんがランサーさんを受肉させたいという願いなのだということしか知らない。その結果、そしてそれを成す為の過程。彼女は誰かの為に他の誰かを傷つける選択をして、サクラコ様はそれを悪だと言って止まって下さりません。 - 271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:31:56
「そんな愚かな妄執に駆られ主の教えすら裏切った大罪人。であれば、あの娘は罪である。であれば、であればなのです……それを匿った事は我々の咎である、そう考えることに間違いがあるでしょうか?」
止まらない、止まろうとしない。サクラコ様は徹底的にマリーちゃんは悪で、そんな彼女を匿った自分達には咎があると言って憚らない。あんまりな言い方に私はまた声を上げてしまいます。
「そんなのっ!そん「……それが……っ」……ハナコちゃん?」
ですが、その途中。ハナコちゃんが苦しげな声を喉から絞り出しました。ないまぜになった激しい感情を、叫び出したくなるほどの想いを。
奥歯で噛み潰してなお溢れてきたかのような声はそのまま鋭くサクラコへと向けられました。
「それが貴女達のやり方ですかッ!それが……ッ!そんなやり方がッ!貴女とマリーちゃんが描いた青写真ですか……ッ!」
青写真。ハナコちゃんが言うには先ほどまでの会話の中に、もしくは会話そのものがサクラコ様とマリーちゃん、お二人が目指したものだと言うのです。
一体何のことなのか、そう思っていると眉ひとつ動かさないままサクラコ様も疑問を口にされました。
「……何を仰っているか分かりかねますが、これはシスターフッドの代表者としての判断ミス。私は……私達シスターフッドは伊落マリーに騙されたのです。あの娘に欺かれたのです」
サクラコ様の言葉は、いえ会話の着地点な変わってくれません。
「それが全て、それが私達の結論。たとえ貴女達にも崩せない論理の牙城」
必ず彼女の言葉は、マリーちゃんは悪でありそしてそんな彼女を匿ってマスターだと誰にも知らせなかった自分達もまた悪なのだと言って憚らない。必ずそこに着地して『しまって』どうしても平行線になってしまう。そんな印象を受けました。 - 28二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:38:38
あかん取り付く島もない状態になっておる
- 291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:43:37
「その上で打診を。阿慈谷ヒフミさん、貴女がティーパーティと秘密裏に協力関係にあると聞いています」
会話の流れがずっと悪いです。ハナコちゃんも肩で息をしているぐらい、なんと言って止めようか考えあぐねている。それなのに気がつけば私達が質問していた筈なのにサクラコ様が会話の主導権を握り始めていました。
「なら是非私達シスターフッドにも協力の機会を。あの娘を匿っていた我々を戦力的に信用する事は難しいでしょう。ですが、私単独であれば話は別」
先ほどまでの泥濘んで一歩も歩き出せないような諦観に満ちた目からは一点、今度は寒々しい笑顔。いえ、知らない人が今のサクラコ様を見られたのならその白皙の肌も相まって、大理石で出来た彫刻と見間違うほど美しい笑みです。でも温度がありません。それは表情筋をただ動かしただけの笑顔って記号を装ってるだけの顔でした。
「シスターフッドはこれより聖杯戦争で発生した凡ゆる被害への補填を無償で行いましょう。無論、私達の献身では手が届かぬ物もありましょうが、現に今も昨夜の被害に対して炊き出しを行っているように。必要であれば自治区を問わず被害に遭われた方を見舞いましょう。そして歌住サクラコは」
一息の呼吸。それからサクラコ様は今度こそにっこりと、まるでこうすれば私達に良い印象を与えられるだろう、そう言わんばかりの着飾った笑みを浮かべて続けました。
「貴女方が伊落マリーとの戦闘時に威力偵察ないしは遊撃……体の良い鉄砲玉となりましょう」
自分を使い潰せ、そういう言葉を。
「貴女はッ!貴女はどこまで……ッ!」
「それが組織です。ハナコさん、貴女には『到底理解できない』でしょうが、これが組織を背負うという事です」
「ッ!……このっ「そして貴女に決定権はないのでは?」……っ」
ハナコちゃんの言葉が挫かれる。いっそ嘲笑混じりの、それも綺麗だと思えるぐらいに丁寧な言葉と品の良さで隠した毒で前に出ようとすることさえ許してくれません。ハナコちゃんとの建設的な対話へ彼女は徹底してノーを突きつけた。そうして向けられるのは、私の。いいえ。
「お願いします、阿慈谷ヒフミさん。哀れにも聖杯戦争なる惨劇、殺し合いを強制する悍ましき儀式に巻き込まれた私達に。愚かにも伊落マリーの言葉に耳を傾けてしまった私達に」
聖杯戦争のマスターへの要請。
「釈明と贖罪の機会を───」 - 301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:46:15
- 31二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:49:43
ここで失敗したら
失敗の仕方次第ではハッピーエンドは無理って展開になりそうだな
どうするべきか - 321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 22:51:53
- 33二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:52:46
②は絶対まずいのは分かる
一応確認ですけど今回の目標ってなんでしたっけ? - 34二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:54:06
これ攻略するなら乱暴な言い方だけど「シスターフッド」の立場から引きずりおとして「サクラコ」としての本音を出す必要があるのか?
しかしそのための糸口に使えるのがどういうのかがイメージつかぬ - 35二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:55:59
相手の想定外の状況を用意することが出来ればって感じかな?
一か八かのハッタリも場合によっては視野に入れた方がいいかも - 36二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 22:58:01
一回シスターフッドとして聖杯戦争終わった後のマリーをどうするのかを聞いてみるとか?
スタンスははっきりさせたいし - 37二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 23:00:12
もう少し会話しないと何とも言えなさそうな以上ここでお願いを決断するのは怪しいか
- 381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:01:33
- 39二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 23:01:38
実際やる気はないけど何かをやるフリをするとか?
まあその何かをどうするかは浮かばないが - 401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:03:56
- 411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:26:31
【10日目午前/特殊イベント】
【ゲヘナ自治区郊外・スラム街】
【Recommend BGM……〈暗雲の中へ〉】
歩く、歩く、歩く。ゲヘナ郊外に墜落『させられて』意識を取り戻してから既に三十分ほどが経過した。その間、元ライダー陣営だと名乗った鬼方カヨコにいざなわれて、天童アリスはその背を追いかけ薄暗い路地裏に歩を進めるしかなかった。
「あの……」
ここまで来れば話声は聞こえないから喋って良いと言われたのは一分ほど前かそれとも五分前か、いっそ一時間は前のことのようにアリスは思えた。だから今こうして、焼けるように痛む擦り傷の疼きに耐えながら、アリスは久しぶりに口を開いた。
「なに?」
逆にカヨコの返答は驚くほど淡白だった。アリスの躊躇いがちな声かけに前を行く彼女は振り向かず周囲を警戒したまま、けれどちらりと目線だけ送ってやっていた。その赤い瞳が視界の端にアリスとその彼女に手を引かれてあるく壊れかけのヘルタースケルターを捉えたからだろう。アリスは一度肩をびくりと震わせてから、また躊躇いがちに、言葉を選ぶようにして切り出した。
「カヨコは、その……」
けれどそれを口にするのはアリスには憚れた。今言おうとする単語が、言われた相手にとってどんな風に聞こえるか、どんな風に受け止められるか、まだ幼い彼女には分からなかったから。
だから、カヨコは視線を逸らしてから軽く息を吐いて、年下の少女の困惑を汲み取ってやることにした。
「……どうして今の陣営を裏切ったか」
そうでしょ、と振り向かずに小首を傾げつつ案内のためにまた路地を縫って歩き出すカヨコ。そんな彼女の背を追いかけていくと、背中越しにアリスへと言葉が投げられた。
「どうして貴女を助けるのか、そもそもどうして自分はあんな目にあったのか、ゲヘナの現状はどうなっているのか……こんなところ?」
今度は赤い瞳がアリスを掴んで離さなかった。羅列された言葉はどれもアリスが聴きたかったことであった。驚きもあってか彼女は何も言えず、けど恐らくそれすら読んでいたのだろう。声も出さずに首を縦に振るアリスの様子をしばらく眺めてからカヨコはまた前を向いて歩き出した。
「聞きたいことぐらい分かるよ、逆の立場だったらって……さ。まだ安全地帯に行くまで時間がかかるしこのルートなら多少声を出しても『グール』達にはバレないよ」 - 421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:40:31
だから聞きたいことがあれば、と続けるカヨコにアリスはそれならと言わんばかりに声を出した。
「せ、先導者よ……グールとはなにか?あの、もしかしてそのエネミーの名前は腐臭漂うオートマタとして登録されている敵と同じ種類でしょうか?」
「フシュウ?……ああ、腐臭ね。ふぅん、そんな風に呼んでたんだ。まあそうだね、そう表現するのが正しいか」
カヨコは得心がいったと言わんばかりに軽く頷くと同盟陣営達がかつて対峙した腐臭を漂わせるオートマタの軍勢について、その正体を明かし始めた。
「あいつらはライダーが召喚した使い魔。元はヤーファのグールって言うんだけど……ごめん。面倒だし仕組み自体も複雑だから色々説明は省くよ。とにかく私達はグールって呼んでた」
グールという単語にアリスの脳内アーカイブに蓄積された情報からどういう存在なのかが漠然と見え始め、前回戦ったあの悍ましい存在と一致し始める。
「その様子だとあのオートマタがどういう物なのかは分かってたけど中身の正体まではって感じかな?……まあ、私は知らないけどライダー本人も、メドゥーサっていう英雄とグールは少しばかり『迂遠な間柄』だって言ってたしね」
グール、漢字で表記するならば食屍鬼。読んで字の如く死体を貪るアンデッドとしてRPGやファンタジー小説等に登場する、所謂モンスターである。サーヴァントという規格外の存在がいるのだから今更ゲームに出てくるモンスター程度、驚きはしない。
「とにかくそのグールを中古品とかジャンクのオートマタの中で育ててやる。魔力とか適当に流し込んでね。そうしたらあとは知っての通り」
とはいえ、だ。画面の向こうだけの存在が別世界由来とはいえ存在して、あまつさえ以前自分はそれと戦ったのだと認識するのは中々どうして驚くものだ。だがアリスがそれ以上に驚いたのはカヨコがさらりと言ってのけた一言。
「卸したとしても中身は解析できない、魔力が切れればその場で死ぬ、命令されれば死ぬまで戦う。PMCが喉から手が出るほど欲しい都合の良い死兵。そんな便利屋68の次期主力商品の出来上がり」
彼女は何の気負いもなくライダーの真名を口にしてしまっていた、同盟陣営のメンバーであるアリスに向かって、だ。 - 431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:48:20
キャスターから口酸っぱく真名の取り扱いには気をつけるようにと言われてきたゲーム開発部にしてみれば一応敵対していた相手側の情報がこんな形で手に入るだなんて思ってもみなかったのだ。
「こっち、遅れないで……とにかくそういう戦力だったり準備だったりを私達はずっと続けてきた。それで私は、そうだね、疲れた」
だがそんな衝撃を受けているアリスのことは気にした様子もなく、カヨコは話を進めると共に路地に立つビルの中へと身を隠しながら突っ切っていく。
「昨日の今日でゲヘナに来たって事は分かってるでしょ?私達は先生とやり合って、実質的に敗北した。折角さ、風紀委員会どころかキヴォトス丸ごと敵に回しても勝てるって嘯いた馬鹿の言葉に唆されたっていうのに」
皮肉げな言葉とは裏腹に声色は淡々としていた。静かなほどに、事実を読み上げるように彼女は話を続けていく。
「結局この様。私達は先生に勝ち切れなかった。私達の誰も先生を殺せなかった。本当に愚図で役立たずだよ。勝ち馬に乗れやしない……無様な間抜け」
だがどこか、疲れているようなそんな風に聞こえるとアリスは感じた。これがもしこの場にいたのがモモイやヒフミであれば、同じように、けれど少しだけ違う風に聞こえただろう。つい最近になってめざめ、自我を確立し、同世代との関わりが基本のアリスよりもう少しだけ幼い頃から色々な人と関わってきたのだから。彼女達が聞いたのならば、疲れ切った老人のように聞こえたことだろう。
「思い返しても悔しい、かな。せめて空崎ヒナか聖園ミカのどちらかだけでも……ううん、それに挙句に聖杯の狗共まで出てくる始末で大損害。だっていうのに……社長はまだ諦められなかった」
ビルの一画、棚を外してしまった先にあるのは壁ではなく隠し通路。埃があまりないあたり、頻繁とまではいかなくても少なくともこの数ヶ月でも使われてきたような印象を受ける。そのままカヨコは通路へと足を踏み入れる。
「聖杯が欲しくて仕方がない、こんな世界はいらない、壊したい。子供の癇癪みたいな本当につまらない理由でまだ戦争をしたがってる」
暗い、昏い、黯い。明かりもなく壁に手を当てながら進むようアリスに指示を出したカヨコは僅かに反響する通路の中で息吐くように。
「───本当、気持ち悪いよね」
それを漏らした。 - 441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/23(土) 23:52:34
えーここで1の体力が尽きたのでお休みなさいなりまふ……続きはまた明日、とりあえずヒフミちゃんがサクラコちゃんと話しての感想だったりまとめを出しときますのでそれもまた見て頂いて……
明日の14時ぐらいから安価って形にしたいと思いますじゃんね☆
123話短編(あれの続きも急いで書いてます!)含めてなんだか諸々不穏……だけどまあここ乗り越えちゃえば大きい展開になるって1は思ってるじゃんね☆のでので、よければちょっと暗めが続いちゃってますけどお付き合いくださいな!じゃんね☆
今日は皆様に久しぶりにお会いできて嬉しかったです!たくさんコメントありがとうございました、また今日から頑張ります!じゃんね☆
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 45二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 23:53:48
乙です
カヨコ…それを本音の全部みたいに言わないで(´•̥ ω •̥` ) - 46二次元好きの匿名さん25/08/23(土) 23:57:47
お疲れ様です
サクラコとの交渉、1回目より難易度上がった感あるな
カヨコたちの方も色々気になるところではある - 47二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 02:07:05
どんな話し合いになるかな
- 48二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 03:41:58
徹底的に議論して相手の牙城を崩すか
相手の想定外になりうる何かを用意するか
って感じになるのかな - 491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 06:20:14
おはよーござますじゃんね☆
今日は14時ごろから安価するじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
カヨコちゃん大好きじゃんね☆
……ドレスカヨコちゃんはうちにはいないじゃんね……
ありがとじゃんね☆
サクラコちゃんもまだ10代の女の子……じゃんね☆
カヨコちゃん?あの子はほら、うちのお話の場合だと貧乏くじというか本来別の子がやる筈だった役割を3つぐらいまとめて背負ってるから……じゃんね☆
楽しくお話してみてほしいじゃんね☆
ちなみにスレの方だと5スレ目のレス番649あたり(SSは消えてるけどみんなの反応はちゃんと残ってるじゃんね☆)、ハーメルン版だと89〜91話が前回のサクラコちゃんとのお話シーンじゃんね☆
よかったら参考に……なったらいいなぁ……なんて、じゃんね☆
- 50二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:05:53
おそようさまじゃんね☆
- 511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 14:09:25
【……うぅ、頭が痛いです】
【どうしてこう想定を超えて事態が動くのでしょう】
【ただでさえエクストラクラスは負担が大きいというのに、ましてや……いえ】
【彼方の話ではなく今はこっちを……うー、たすけてくださいよぉ、まー】
【……】
【───】
【観測可能領域との接続を確認……おーるぐりーん】
【皆様、こんにちは】
【サポートシステムが起動しました】
【今】
【いいですか?】
【今起動しました】
【さて】
【現在阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサの三名は】
【シスターフッド代表者の歌住サクラコと交渉中です】
【この間】
【歌住サクラコへ話しかけた際の彼女側のリアクションを受けて】
【上記三名が何を考えてどう受け止めているのかを確認することが皆様はできます】
【つまり彼女達の表層思考へ同調し確認できるという話です】
【……安易な言葉に言い換えれば考えてることを確認できる、と言えます】
【はい】
【こんにちは】
【サポートシステムがご挨拶申し上げます】
- 521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 14:11:09
【確認できる人数は上記三名のうち】
【dice1d3=2 (2) 人】
【安価先で阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサの中から指定人数まで選んでください】
【安価先>>58】
【選ばれた生徒が歌住サクラコとの交渉を通してどう考えているかを確認できます】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 53二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:16:25
流れ的にはヒフミとハナコの2人を選ぶのが安定しているだろうか
- 54二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:24:47
ヒフミとハナコかな
- 55二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:33:57
ksk
- 56二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:37:27
かそくで
- 57二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:38:14
ヒフミとハナコ
- 58二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:38:32
ヒフミとハナコで
- 591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 14:45:21
【安価の達成を確認】
【それではこれより】
【表層思考への接触を行います】
【あくまでも影響は最小限に抑えますが】
【それで最短時間での接触となります】
【ご理解ください】
【それでは】
【───声は近くに、私の瞳は貴方を映す】
【side:浦和ハナコ】
……やられましたね。
正直に言えば想像も想定もしていなかったわけじゃありません。マリーちゃんが何を考えているか、どうして今の立場で動くことにしたのか。そしてサクラコさん達シスターフッドがなぜ今、ここまで頑なに組織を『危険に晒す』真似をしているのか。
恐らく、この話はマリーちゃん側とサクラコさん側で齟齬があって、なのに一部分だけ利害が一致しまっているからこそ、これだけ捻れている。
ある意味で、マリーちゃんは魔性の女の子ですね。結果的にとはいえサクラコさん達をここまで翻弄させることになったんですから。
……マリーちゃん、ですが、『どうして』?
(1.なし、2.なし、3.なし、4.なし、5.なし、6.なし、7.TUFロール)
少なくとも私が想像する限りの最悪のケースだとしても……いえ、今は後にしましょう。
とにかくサクラコさんについての問題は解決済みです。
もしこの交渉がうまくいかなかったとしても推測で話は進められます。
結論を急ぐ必要はありません。恐らくマリーちゃんに会えたのなら、そこで勝てさえすれば。
ただ、私のわがままかもしれませんが。
マリーちゃんが託そうとした想いは今目の前にいる不器用な彼女へ届けるべきで、それは友達である私がしたいと思うんです。 - 601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 14:46:34
【side:ヒフミ】
うぅ……困りました。正直、ここまでサクラコ様が頑なになってる、というのは想定外でした。
前回の交渉でサクラコ様が反応を見せてくださったのは。
『えぇ……そうでしょう。彼女は確かに優しい子『でした』』
『はい!今だってきっとそうです!ね、セイバーさん!』
この会話の後、でしたから。
整理しましょう。今回の目的はあくまで前回の話し合いで聞けなかったサクラコ様の本心に触れること、そしてお渡しできなかった封筒と鍵を渡すことです。ハナコが言うにはサクラコ様にはまだ隠している事がある……そういう話でした。そしてそれを聞いてから前へ進みたい、マリーちゃんに会いたいと。
だから、サクラコ様の心のうちに踏み込まなきゃいけません。そして人の心に踏み込むのなら、私も覚悟がいります。ティーパーティからの要請も無視するなんて立場が悪くなる一方なのを組織ぐるみで続けるほど頑なになった彼女達が何を想っているのか。
それほど想うものを秘めた心に踏み込むってことはきっと相手も嫌がります、けど。
踏み込まなきゃいけないのなら、そしてその嫌がる場所こそがウィークポイントなのなら。
前回の話し合い、サクラコ様が明らかにさっきまでと違う反応を見せたのは……。
それを考えるとサクラコ様が抱えていることを『踏み込んだ上で解きほぐすには……』 - 611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 14:49:55
- 62二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 15:08:06
- 63二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 15:08:24
皆悩まれているな
会話継続させるなら1か5で選択肢を作るかだろうか - 64二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 15:46:08
正直どうなるかわからないけど、自己強制証明について話した上でサクラコがマリーを完全に敵として見ていて全く信用できないというなら場合によってはサクラコの望む内容で自己強制証明をマリーと結んでもいいって言ってみるとか?
揺さぶりとしてはかなり効果ありそうな気はするし
ただこれを言ってどんな展開になるのかは全く読めないけど - 65二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 16:00:06
①から④の中の正解が全く分からないな
②だけは違うのはわかるけど - 66二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 16:19:37
- 67二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 17:02:11
初手でだいぶ煮詰まった感があるな
どうするべきか - 68二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 17:09:06
- 691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 17:15:47
安価へのご参加ありがとうございましたじゃんね☆
結果は>>68さん(>>62さん)案の『⑤提案を受けた場合サクラコはどう動くか、聖杯戦争終了後マリーになんらかのアクションをする気はあるか
後略奪して雲隠れしたって言ったが具体的に何を略奪したのか』になりましたじゃんね☆
……覚えてる人いてちょっと焦りつつ嬉しい1じゃんね☆
それじゃあこれを元に書いてくる……んだけど1は今入院中でなんと!……食事の時間というのが決まってるじゃんね☆
看護師さんとか調理師さんにご迷惑をおかけするわけにいかないからちゃんと時間通りに食べなきゃじゃんね☆
というわけでこっちの都合で遅くなっちゃうけど、ご容赦とご理解の程よろしくお願いします……じゃんね☆
今日はあともう一回ぐらいは安価いくじゃんね☆
- 701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 18:54:40
【⑤提案を受けた場合サクラコはどう動くか、聖杯戦争終了後マリーになんらかのアクションをする気はあるか、後略奪して雲隠れしたって言ったが具体的に何を略奪したのか】
さてと、と気づかれないように深呼吸。
「(まずは、様子見から。そうですよね?ペロロさま……!)」
踏み込んで、聞かなきゃいけません。だからって硬く閉じてしまっている気持ちのドアを強引に叩くのも違うと思うんですが。前回は最後の最後に勇足すぎて失敗しましたしね。
「その提案を受けた場合、サクラコ様は私達と一緒にこの聖杯戦争を戦ってくれる……そういう理解でよかったですか?」
だからまずは確認から。今すぐにイエスかどうか答えるより、話を続けながらよりサクラコ様から言葉を引き出す。その為の一手を今打ちました。
「ええ、もちろん。私はあなた方への助力を決して惜しみません。『すべて』を投げ打ちましょう」
サクラコ様の返答は怖いぐらい和やかでした。先程までの頑なな雰囲気とちょっと違います。これは私が『提案を受け入れる前提で条件を詰めようとしている』、そんな風にサクラコ様は受け取ったからなのかもしれませんね。
「それではまるで指揮下に入る、という風に聞こえますね……確か仰っておられた筈だったと記憶しますが?組織がどうこう、と」
すかさず追撃、というか話に加わってくださったのはハナコちゃんです。ただなんというか。
「ええ、ハナコさん。組織に属する人間として、社会的秩序と人道に基づいて犯した罪を注がんとする。それは至極当たり前では?」
「他ならぬ主に仕えるシスターフッドがそれを言う、というのは如何でしょう?」
「おや、でしたらぜひご教示を。どうか祭壇に登って私達に代わり経典を手に取っては頂ければ、と」
お互い笑顔で毒を吐き合う光景というのはちょっと見ててお腹痛いですね。それはともかく、サクラコ様のスタンスは改めてはっきりしました。
───是が非でも私達に協力したい、というところでしょうか。
難しいのは言葉通り贖罪が、とかそういう話ではないというのがなんとなくですけど直感してます。何せ協力したいなら以前ティーパーティが召還を呼び掛けた時点で応じてる筈ですから。だから多分、もっと『サクラコ様個人的な理由で協力したい』とか或いは……。 - 711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 19:04:32
そんな風に私がハナコちゃんとサクラコ様の会話を聞いている中で考えに耽っていると、ハナコちゃんの隣から声が聞こえました。
「サクラコ、一つ聞きたい」
「……なんでしょう、白洲アズサさん」
「───ヒフミは、そして私達は聖杯戦争を必ず終わらせる」
「っ……それは「私達はハッピーエンドに必ず辿り着く」……」
「アズサちゃん……」
真っ直ぐに見つめられて、サクラコ様の顔と机の下で綺麗に揃えられた爪先がほんの少しだけ逸れるのが見えました。
「だから、サクラコが仲間になってくれるなら私は嬉しい。今は少しでも事情を知った上で秘密裏かつ信用できる相手が一人でもほしい」
「……買ってくださるようで大変恐縮です。それでは阿慈谷ヒフミさん。白洲アズサさんもこう仰っ「それに」……」
「サクラコは……あの時私を助けてくれてトリニティで生活できるよう働きかけてくれた一人だ」
このタイミングで、というサクラコ様の気持ちがありありと伝わってきます。残念ですが、アズサちゃんはこういうところが素敵なんです。眩しいぐらいに真っ直ぐで直向きですから。
「……それはあくまでもトリニティの生徒としてすべき事をしたまでです」
「だとしても、私が感謝しちゃいけない理由にならない。それに前に来た時も言った筈だ」
そしてアズサちゃんは一呼吸置いてから、澄んだ声でサクラコ様に改めてその言葉を伝えました。
「誰かを想う気持ちに貴賤なんてない───醜いだなんてある筈ないって」
前回。それは私達がサクラコ様のもとを訪れた時にアズサちゃんが言っていた言葉。 - 721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 19:05:04
- 731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 19:21:57
「……何も」
沈黙は思ったよりずっと短かったです。
「……ええ、何も。私がすべき事は何一つ変わりません」
アズサちゃんの視線を逃れるように下を向いたサクラコ様の顔は窺い知れません。ただ、小さく零れ落ちたのは、なんだか小さな子が泣いてるようだと私は思ったんです。
「罪人がこの地に戻るというのならばそれは贖罪の為に他ならないでしょう。彼女が罪を告白するというのならばシスターとして聴くことはあるやもしれません」
別に泣いてるわけじゃありません。別に声を荒げておられるわけでもありません。しゃくりあげてるなんて事もないです。淡々と冷静に話しておられます。
「あくまでそれはシスターフッドと一生徒との関係。既にシスターフッドを去った彼女を我々がどうこうはしません。ただ彼女はトリニティの校則によって裁かれるだけです」
マリーちゃんは裁かれる。マリーちゃんは悪人である。そう言い切られるサクラコ様は本当に事務的でした。でも。
「私達の関係は───それだけです」
『私が、『私程度』が語れる事なんて何も……何もないのです』
それだけだと呟くその一言がどういうわけか、私には前に聞いた、サクラコ様が吐露した気持ちと被さって聞こえたんです。 - 741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 19:24:14
【歌住サクラコが話した内容について】
【阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサ】
【以上三名が何を考えてどう受け止めているのかを確認することが皆様はできます】
【確認できる人数は上記三名のうち】
【dice1d3=2 (2) 人】
【安価先で阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサの中から指定人数まで選んでください】
【安価先>>80】
【選ばれた生徒が歌住サクラコとの交渉を通してどう考えているかを確認できます】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 75二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 19:24:54
ヒフミとアズサかな?
- 76二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 19:47:51
ksk
- 77二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 20:01:21
かそく
- 78二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 20:15:13
加速
- 79二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 20:15:56
ヒフミとアズサ
- 80二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 20:16:14
ヒフミとアズサで
- 811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 20:28:16
【安価の達成を確認】
【それではこれより】
【表層思考への接触を行います】
【あくまでも影響は最小限に抑えますが】
【それで最短時間での接触となります】
【ご理解ください】
【それでは】
【───声は近くに、私の瞳は貴方を映す】
【side:白洲アズサ】
狙撃手が一、奥の物陰に三……素人だな、塊すぎだしスポットが分かりやすぎる。狙っているのは私でもヒフミでもなく……ハナコか。
ならサクラコの指示じゃなく、あの時受付にいた誰か。制圧は多分問題ない。すぐ済むし、命に関わるようなやり取りにまではきっとならない。だったら今は観察に留めよう。
それに『私は私で別の任務がある』。ヒフミには悪いけれどこれだけは済ませておかないと。
……セイバーがいない今、私がしっかりしなきゃ。
でも……マリー、か。マリーとサクラコが何を考えてるのかは分からない。だけど短い期間だったけど、私はマリーとサクラコがお互いを想い合ってる、そんな関係だと思う。
だから多分、今この二人はすれ違ってる。色々悩んでお互いを想うからこそ、必死になってる。
まるであの時の私と……そういうことなのかもしれないな。
じゃあサクラコは───守りたいのか。 - 821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 20:41:14
【side:阿慈谷ヒフミ】
落ち着きましょう。なんとなく、ですけどサクラコ様が何を隠しているのか……いえ。『何に苦しんでいるのか』が見えてきました。確かにこれはうまく伝えないと上辺だけを滑っていってしまって虚しく聞こえるだけ、そんな顛末になるかもしれません。だからこそハナコちゃんも言いあぐねているんですね。
もう一度整理です。今回は、前にサクラコ様と話した時のことも思い出して。
サクラコ様はたとえマリーちゃんが無事にトリニティに戻ってきても裁かれる、そしてそれに職務以上の関わりを持つつもりはないと仰られている。ここまで明言して、私達への協力を申し出ているとなれば「マリーちゃんと自分達は無関係で被害者なんだ」と主張しようとしている風にも聞こえます。でもそれにしては『主張するタイミングが遅すぎる』と思うんです。これはサクラコ様の言動の矛盾点ですね。
次にそういう事務的な関わりをするお二人の間柄をサクラコ様はご自分から「私達の関係は───それだけです」と仰られました。この言葉によく似た会話が前回の対談でもありました。
自分はどこまで行っても部外者、ただの上司だった人間、そして『そんな自分はマリーちゃんが何を想って聖杯戦争に挑んだのか語る権利がない』。
最後に前回踏み込みすぎて話し合いが終わった時、最後にした質問。それは「マリーちゃんについてどう思っているか」というもの。
ここら辺が恐らくサクラコ様の気持ちの根っこにある……んですけど、うぅ。
どうしたらいいでしょうか……
あと、それからもう一つ。
『限界、だったんだろうね。理由は定かじゃないけど限・界・の中にいたサクラコにとって欲しかったのは、自分から気持ちを吐露する勇気じゃなかった。不安を和らげて、解消してくれる安心感だ』
セイバーさんが前回の話し合いが終わった後に言ってくれた言葉。なんとなくサクラコ様の影に不安が見え隠れした、そう伝えたところ返ってきた言葉です。
だとすると─── - 831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/24(日) 20:45:23
【それではこれより】
【行動安価を行います】
【の続きとなります】
【以下の選択肢から1つ】
【或いは】
【自由記述を選択してください】
①マリーとのお茶会の話をする
②サクラコのお願いを受け入れる
③サクラコのお願いを拒否する
④サクラコのお願いを一度保留する
⑤マリーがシスターフッドを離れる直前にどんな風にしていたか尋ねる
⑥マリーが初めてランサーを召喚した時のことを尋ねる
⑦マリーがいつから他マスターに対して過激な行動を取り出したのか尋ねる
⑧封筒と鍵を渡すようハナコにアイコンタクトを送る
⑨助けてペロロさま〜(自由記述)
【安価先>>90】
【それでは皆様】
【よき検討を】
- 84二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 21:21:01
一気に選択肢が増えたな
どれが正解か
もう1回確認して次で踏み込むべきなのか
一気に踏み込むべきか
もう絶対マリーはシスフに戻ることが出来ないのかを念押しして確認するとか?
極端な話自己強制証明を使った縛りをマリーが受けることになったとしても戻ることは出来ないのかって
その場合自己強制証明の説明を先にする必要はあるけど - 85二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 22:39:37
- 86二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 22:52:25
- 87二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 23:28:38
間違ってるかもしれないけど多分本音は「マリーを助けてあげたい 全てが終わった後で味方になってあげたい」だと思う
でもシスフという組織のあり方やそのリーダーという立場が許さない
さらに言えばマリー自身が自分を切り捨ててもらうことを望んで離れて行ったんだろうしサクラコからしたらそれが共に罪を背負ってもらったり助けてもらう相手として不適格だと言われたように感じられた
ってことは「①立場的に嬉々としてデスゲームに参加する悪人を庇えない②巻き込みたくないと思われている自分たちが今更どんな顔で救いの手を伸ばせばいいのかわからない」の二つが問題なのでマリーの参加理由や過激な方法を取る理由を見つけて悪人じゃないと示すことで①を解決してシスフのリーダーの仮面を剥がして②の「サクラコがどうしたいか」だけ考えられるようにするのが正解なんじゃないかと思う
ってことで参加理由に繋がりそうな⑥か過激化の理由に繋がりそうな⑦を推す
出した被害については>>85の言う「事故で処理できる」を伝えればいいけど初手だと「隠蔽できるからいいってもんじゃない、罪は罪」で終わりかねないからタイミングは測ったほうがいいかも
- 88二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 23:53:13
まだ情報がもらえるならばギリギリまでは引き出した方がよさそうな感じを踏まえて⑦がいいのではないだろうか
一番の転換点はそこだろうからそこを突き詰めることで今回のサクラコが抱えてる考えや悩みの中の解決の取っ掛かりになりそうな部分が見えて来るのではないかという意味で一番有益さに期待できる気がする - 89二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 00:02:28
⑦で
- 90二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 00:02:43
⑦でお願いします
- 91二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 00:09:08
事故で処理されるっていうのはマスターがマスターを殺したとしても裁かれることは決してないってことでもあるからな
一般人を片っ端から倒しましたとかならともかくマスター同士の戦闘でどっちが死んでも監督役の黒服がそれを罪に問うわけないし
マリーが死んでも誰も罪に問われないってことでもあるからそこで揺さぶりかけられるんじゃないかって考えもある - 921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 05:34:32
- 93二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 05:54:33
寝落ち、よくある
- 94二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 09:08:20
なんとか話し合いが成功するといいが
- 95二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 11:18:39
休んでいる間にブルアカもFGOも色々あったな
ブルアカで水着ミカが出てきた直後にFGOで水着ミカが出てきた時は驚いた
あとイチカちゃんとカスミちゃんの交渉でこのスレのやりとりを思い出した
温泉開発部の出番しっかり見たのここが初めてだからそれ以前からそういう描写はあったのかもしれないけど
友達のために行動する相手に協力したいと思う程度の情はあるけどそれはそれとして交渉で有利な条件はもぎ取る、ただし若干甘くはなる
って描写がこの作品と一致しててミカ主は凄かったんだなと思った - 961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 15:53:52
診察と検査長すぎじゃんね……というか廊下の空調がおしゃかさんじゃんね……まあとりあえず終わったからよしとするじゃんね☆
今から書いて19時までには投下、19時30分から安価……って流れでいくじゃんね☆
ごめんなさいじゃんね……ついついベッドで書いてたからそのままバタンだったじゃんね……☆
なんとかうまくいけるよう1も祈りつつ尽力するじゃんね☆
先ちょロスからの水着ティーパーティは本当にハフバとして最高だったじゃんね☆グルストも本当よかったじゃんね☆
FGOのミカちゃんも可愛かったしイベント自体も1的には歴代の水着イベの中で屈指に面白いストーリーだったと思うじゃんね☆
あのミカちゃんといいサメの甲冑といい、若干鉄血ネタ……?と思わないでもなかったじゃんね☆
TTTでイチカちゃんとカスミちゃんに脳を焼かれた1としてはそう言ってもらえるとすっごく嬉しいです!じゃんね☆
まだまだ研鑚の余地は大いにあるし、特にカスミちゃん周りは1の書き方というか手癖もあってか原作の可愛らしい彼女をもっともっと書けたよなぁ……って反省が大きかったから……だからそんな風に言ってもらえるの、ホッとするじゃんね☆
ありがとうございます!……じゃんね☆
- 971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:06:18
- 98二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 19:20:14
この話し合いの重大な要素じゃないならそれが分かり次第回想とかで後で描写すればいいんじゃないかと
- 991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:29:07
- 1001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:30:57
【⑦マリーがいつから他マスターに対して過激な行動を取り出したのか尋ねる】
サクラコ様はマリーちゃんに対する気持ちの中に何故か『不安』が見え隠れしている。これは前回の話し合いでも同じでした。そこについては疑問に思う必要はないかもしれません。では、どうすればその気持ちを吐露して頂けるか。それがこの話し合いでの重要な中間目標、ですね。
となれば、です。
「サクラコ様。教えて頂けませんか?……マリーちゃんが今のように聖杯戦争に対して活発に行動するようになった時期やきっかけを」
ちょっと遠回りでも次の一手にマリーちゃん関連で少しばかり突いてみましょう。
「伊落マリー、彼女がいつから今のように聖杯戦争へ乗り気となったか……ですか」
フルネーム。頑なに自分達の元を去ったマリーちゃんはもう仲間じゃない、と言いたげですね。
「好戦的な行動を取った、という意味でしたら間違いなく阿慈谷ヒフミさん、貴女へ槍を向けたあの夕暮れこそがその始まりでしょう。それまで我々シスターフッドは彼女がそのような行動をした、していたのを認識していませんでした」
そしてここでもそう。シスターフッドとマリーちゃんを徹底して分けて話しておられます。ハナコちゃんをチラリと見れば分かってくれたように滑らかな口取りでわざとらしい疑問を口にしてくれました。
「ですが、治療にあたってはおられたのでしょう?我々キヴォトスの人間がサーヴァントの方へ魔力供給する際の弊害である“魔力に対する拒絶反応”の」
この前セイバーさんに黙りこくって考え事をしているのを注意されたばかりですからね。特に今は話し合い。ゆっくり考え事をしたいとなれば、この間を別の会話で保たせてもらうのも一つの手。ハナコちゃんにアズサちゃん、今日私一人でなくてお二人がいてくださって助かりました。
「……よくご存知で。ああ、なるほど。そちらには古関ウイさんがいらっしゃるのですね。古関さんから話を聞いて、ですか。随分と『仲良く』されているんですね、『あの』彼女と」
サクラコ様とのこれまでの会話、それからナギサ様から伺った『シスターフッドは伊落マリーは既に退部したから無関係であると言って召還を無視している』という話からも分かるように彼女達はマリーちゃんとシスターフッドを切り離して考えている。 - 1011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:37:01
私達を夕方に、人払いしてるとはいえ自治区内で襲いかかったりトリニティとゲヘナの自治区境界線でアルさん達と戦って被害を出したり。そうやってマスターとして、つまり殺し合いの当事者として精力的に活動する彼女は自分達とは無関係だっていう主張を通すことに必死になっている。
なるほど、それは確かに分かります。
ですが、そうなるとサクラコ様の発言。前回もそして今回もどういうわけか、『マリーちゃんに対して引け目や負い目を感じている』ような雰囲気や言葉を感じるんです。なにより他のシスターフッドの先輩達の言葉。
『───我々は最後まで、私達の可愛い後輩の味方です』
自分達が処分を受けようと構わない、組織に影響はないからと言い切った彼女達がした『選択』。それは恐らくマリーちゃんに味方すること。
サクラコ様含めて個人としての彼女達のスタンスと、シスターフッドという組織そのもののスタンスは乖離している。
そんな風に感じます。
「古関『先輩』の話をされてたいのでしたらどうぞ、ご本人のいる私達の拠点まで。それともそんな時間も余裕もありませんか?」
そう考えているとハナコちゃんが微笑みながらそんな風に言うのが聞こえてきました。時間、稼いでくれるのは嬉しいですけどそんな前のめりに言わずとも、そう思ったんですけど。
「まさか、結構です。それともこうお伝えしましょうか?」
静かにカップを置いたサクラコ様の一言は。
「───わざわざ『歩いて』出向くのは少々億劫ですので」
彼女がシスターフッドという巨大な組織の長であることを改めて認識させるには十分な一言でした。
「……っ」
バレている、私達がここまで迂遠な方法(※命綱なしスカイダイビング)でトリニティまで来たり、それぞれ隠れて行動してきたことが恐らく全て。少なくとも拠点ではなく今日このトリニティに、古関先輩がいることを。そしてさっきの鎌掛けに反応を見せなかった限り。 - 1021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:45:25
「(あぅ……やっぱりシスターフッドの情報網はすごいです……)」
古関先輩が私達の拠点に昨日から来ていることも彼女達は把握している。ナギサ様からお話は時折伺っていましたけど改めていざ自分達が内密に調べられる側の立場になると、背筋に冷たいものがはしるようです。
「ハナコさんは知恵も回りますし思慮にも長けます、が。予測をわずかでも越えられると言葉に詰まったり動揺したり……もう少しばかり『落ち着きを持つ』ことをお勧めしますよ」
「……うふふ、ご指導ありがとうございます……♡」
とはいえ、ハナコちゃんがいっぱい時間を稼いでくださったので情報の整理もできました。
あとはもうひと押し、確認作業をしておきましょう。
「あの、サクラコ様。マリーちゃんのその、雰囲気とか……」
ちょっとずつ小出しにしながら反応を見つつ、敢えて前回も挙げた話題を口にする。
「私が合宿所で会った時のマリーちゃんはいつも通りのマリーちゃんでした。優しくて、誰かを想える素敵な女の子……そんな彼女です」
この前聞いた時に彼女が声を荒げた部分はどこだったか、それは今も変化はないのか。あまり気持ちの良いやり方ではありませんから、なるべく丁寧にじっくり。相手を傷つけないよう注意して。
「サクラコ様から見て、何か変化があったタイミングはありませんか?最初から今みたいに暴力的な方針だったとまではとても思えないんです、だってランサーさんだって正々堂々と私達に会いに来てくれました!」
サクラコ様から見たマリーちゃん、という『話題』を出すことでマリーちゃんについてどう考えているか。
「ちょっとしたことでもいいんです!たとえば……その拒絶反応を発症してから、とか……そういうなにか様子がその前後で変わったこととかがあれば……!」
或いは、言葉に出すことすら出来ないぐらい拒絶するのか、組織という仮面を被るのかどうか、そして。前回も見え隠れしたサクラコ様の『失望』は一体誰に向けられたものなのかを確認する為に。
「彼女は私達にその内心を隠し、殺し合いの場に上げられた憐れな仔羊であると欺き続けた生徒です。己が欲望の為に聖杯を奪うことを決め、我々シスターフッドの秘蹟すら奪い、窃盗の罪まで重ねた愚か者……そんな彼女の内心に私如きが触れることも思案することもできない、赦されないのです」 - 1031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 19:46:54
【歌住サクラコが話した内容について】
【阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサ】
【以上三名が何を考えてどう受け止めているのかを確認することが皆様はできます】
【確認できる人数は上記三名のうち】
【1人】
【安価先で阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサの中から指定人数まで選んでください】
【安価先>>109】
【選ばれた生徒が歌住サクラコとの交渉を通してどう考えているかを確認できます】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 104二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:05:40
まあハナコかな?
- 105二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:32:34
かそく
- 106二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:36:51
ksk
- 107二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:38:13
加速
- 108二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:38:56
ハナコ
- 109二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:39:17
ハナコで
- 1101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 20:53:04
【安価の達成を確認】
【それではこれより】
【表層思考への接触を行います】
【前回と同様に】
【あくまでも影響は最小限に抑えますが】
【それでも阿慈谷ヒフミ以外との接触は最短時間でとなります】
【ご理解ください】
【それでは】
【───声は静かに、私の瞳は貴方を映す】
【side:浦和ハナコ】
サクラコさんも随分とご機嫌な様子ですね。いつもとは比べ物にならないほど。……いえ、内心でこんな風に皮肉っていても仕方ありませんね。
とにかくヒフミちゃんの考えは整頓できてきたようですし、私が最初に声を荒げたところについても恐らくは意図を気づいてくれている筈。
サクラコさんの言動は『矛盾』している。そしてマリーちゃんはそれも計算した上で行動している可能性がある。
……その発想に至らないあたり、サクラコさんの心労も相当なようですが。
ただそうなるとマリーちゃんは本当に限りなく『正気』でここまでトリニティと本気で敵対関係を築いているという事になりますか……彼女は一体、何を『知って』しまったんでしょう。
いえ、今はそれよりも。とにかくサクラコさんの突破口を開かないと。あちらがまた話を切り上げてそそくさと逃げ出してしまう前に何か、サクラコさん自身が抱える矛盾、いえ。
板挟みの感情を解消して、個人に傾ける必要がありますね。
その為に必要といえば私なら───。
『私は今!痛がって!苦しんで!そうやって泣いてるハナコをひとりぼっちにするのが嫌なの!!』
……そうですね。私ならお友達のことで苦しんでる時、大丈夫だって確信を持てたら、きっと前に進めるとおもいます。 - 1111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/25(月) 20:54:50
【それではこれより】
【行動安価を行います】
【の続きとなります】
【以下の選択肢から1つ】
【或いは】
【自由記述を選択してください】
①マリーとのお茶会の話をする
②サクラコのお願いを受け入れる
③サクラコのお願いを拒否する
④サクラコのお願いを保留する
⑤マリーが初めてランサーを召喚した時のことを尋ねる
⑥封筒と鍵を渡すようハナコにアイコンタクトを送る
⑦助けてペロロさま〜(自由記述)
【安価先>>118】
【それでは皆様】
【よき検討を】
- 112二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 21:09:51
仮にこの聖杯戦争で死者が出ても事故として処理されるということを伝えた後⑥とか?
あるいは素直に6いくか
マリーは死んで戻ってこない可能性を突きつけてそうなったら間違いなく後悔するって感じで話すことがどう転ぶかって感じになるけど
まあ素直に6行くのが無難な気はするが - 113二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 21:16:46
- 114二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 21:44:42
「罪人の内心など考える必要はない」じゃなくて「考えるなんて許されない」
『私程度』とか「許されない」とか自分を卑下したりマリーに対して後ろめたそうな態度が目立っている
まるでサクラコ様の方が罪人みたいに聞こえる
この辺りのことをうまく指摘するとか?
⑥に行くなら「ランサー陣営の情報収集のために鍵で開けた中身を見せてもらいたい」と要求しつつ渡すとかがいいかな
あとは前回の話し合いでミスった時の選択肢にもあった①も気になるけどそもそも前回の正解だったとも限らないし今回は選ぶべきじゃないのかもしれない - 115二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 21:58:41
マリーが罪人だって言うならさっきの案を飲む場合の条件を追加してサクラコ自らがマリーに対する処罰を決めるようにするとか?
ただまだ受け入れることを決めたわけじゃないっていう必要もあるけど
それぐらいなら実際ナギサたちにも通せるだろうし、私が決めたとしてマリーが処分を守る保証がないってサクラコが言う可能性もあるから
ヒフミとマリーで自己強制証明を結んでマリーに対する条件をサクラコが決めるって条件を加えてもいいし
実際シスフのメンバーだったわけだからサクラコが処分を決めるべきっていうのは変なわけじゃない気はするし
そこの反応次第でサクラコの反応は明らかにおかしいって指摘すればいい気はする - 116二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 23:30:11
正直黒服も言っていたけど自己強制証明は効果が強力すぎるからあんまり交渉の手札として使わない方がいい気がする
- 117二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 23:59:42
- 118二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 23:59:56
- 1191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 07:00:39
- 1201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 09:42:21
【⑦封筒と鍵を渡すようハナコにアイコンタクトを送る→ランサー陣営の情報収集のために鍵で開けた中身を見せてもらいたいと要求する】
サクラコ様の反応を見て大凡の検討はつきました。サクラコ様は『マリーちゃんの内心に触れる』内容について『話すことそのものに忌避感を覚えている』。もしくは『後ろめたさを感じている』。
「(……私がもし、逆の立場なら……いいえ、マリーちゃんの立場と状況を当て嵌めるとするならば)」
マリーちゃんはシスターフッドを去った。退部届を出して自分の居場所じゃないと言うように、シスターであることを辞めた。そしてサクラコ様が、『もしもそれを引き留められなかった』という経緯があるならば。
「(私の妄想かもしれません……でも、そういうことなら何となくですけど分かる気がするんです。だって)」
それはあの日私自身が感じた無力感そのもの。
───……人殺しになった私は、もう友達ではいられないだろう?
あの夜に噛み締めた悲しさを私はまだ覚えています。アズサちゃんにあんな哀しい笑顔をさせてお別れをさせた現実への怒りをまだ刻んでいます。だから、全く同じじゃなくても、なんとなくだとしても、サクラコ様が抱えている気持ちが少しだけ私なりにですけど分かる気がするんです。
「(だとしたら封筒の中に入っていたあの鍵は……)」
ふと思い出すのは───dice1d4=1 (1)
(1.🪽、2.🐳、3.クリティカル、4.熱烈歓迎🔥)
- 1211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 09:43:03
- 1221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 10:54:22
───「アズサちゃん」って呼んでくれてありがとう。
───……私は、人殺しになる。
───……たとえもう、あの世界に戻れないとしても。
あの日送られてきたメッセージ。あの日告げられた別れの言葉。あの日届かなかった手。全部ぜんぶ、忘れてなんかいません。あの日の悔しさも悲しさも、そして怖さも全部私の胸にまだ残っています。もしあの日、エデン条約の時の一件が起きた時の私達の立場とサクラコ様とマリーちゃんの今の関係が似ているのなら。
「(あの鍵の正体はウイさんが以前お話ししてくださっていたように……)」
だとすれば、です。サクラコ様の気持ちを傾ける一手になる可能性があります。ちらりと隣のハナコちゃんを見れば、私の方を見て優しく頷いてくれました。
「サクラコさん、でしたらやはりこちらのお手紙は貴女にとって不要なのでは?」
「……っ、それはこの前の……」
「ええ、先日お渡し『しそびれた』時計台で見つけたシスターフッドの封蝋付きの封筒です♡」
私の意図を察してくれたハナコちゃんが胸元……いえ、もうそこに突っ込むのは野暮ですね。とにかく取り出したのはハナコちゃんがこの前の探索で見つけてくれた宛名も差出人も不明の封筒。中に入っているのは。
「この中身の手紙、実は私もまだ拝見していなくって……どうでしょう?サクラコさん、よかったら私達も一緒に『中身』を見させては頂けませんか?」
「……無論、それを見つけてまたこうして見ることなく持ってきてくださったことには感謝しています。ですがお伝えした通り、それはシスターフッドの機密文書に押される封蝋となっております。そのような書類を『無関係』の貴女においそれと見せる、などど」
「なるほど、『機密文書』である『書類』は見せられない。それがシスターフッドの代表たる貴女の真っ当な言い分ですね?」
「……一体何を……?いえ、確かにその通りですが……」
そしてハナコちゃんはサクラコ様の返事を聞くとにっこり微笑んでから、止める間も無く封筒を開いて中身を取り出しました。
「では書類でない以上、これを使って中身を確認するのは大丈夫な筈ですよね?なにせこれは『文書』ではなく鍵なんですから♡」
そう、書類なんかではなく『鍵』。 - 1231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 11:05:07
「ああ、この鍵で開けた場所に何が入っていても関係ありませんよね?だってその場所にある物は、サクラコさんの言う『機密文書』を入れる封蝋を押された封筒中に入っている書類ではないんですから♡」
屁理屈と言えば、屁理屈です。でも今このタイミング。よく考えれば前回から恐らくサクラコ様は封筒の中身が『書類か手紙』だと考えていた筈。その前提を思い切り覆した状況は困惑の種となりました。現にサクラコ様はハナコちゃんが突然言い出したら屁理屈染みた持論の展開と予想外の物が出てきた現実に戸惑って驚きで一杯の様子。そう、現実に追いつけていません。
「(このタイミング、ですよね?ペロロ様)」
ちょっと乱暴なやり口ですけど致し方ありません。サクラコ様の気持ちは本当に頑なで、苦しんでおられるのは事実です。だったら、ちょっとばかりショック療法かもしれませんけど。
「(私は───私の友達を信じます)」
マリーちゃんが残した物を見る。それがサクラコ様にとってそして『彼女の願いや想いに触れたいと思う私達』にとっても最良の結果に繋がると信じて。私は勇気を出して口を開きました。
「サクラコ様、この鍵は恐らくシスターフッドの、それもマリーちゃんと関わりのある場所の鍵の筈です」
どこの鍵なのか、までは検討がつきません。もしかするとここを離れたシスターフッド専用の学生寮にあるマリーちゃんの私室、そのどこかかもしれません。古関先輩が言うにはそう大きな物ではない、シスターフッドの備品で恐らくないという話ですけど、だからこそどこの鍵か私達にはまるで分かりません。でも信じてます。
「どうかこの鍵を開けた場所にある中身を見せて、いえ」
この鍵を誰にも見つからないようにこっそり時計台に隠して、でもシスターフッドの封蝋を押したのには理由があるって。そしてその理由こそ。
「私達と一緒に見てください」
中身の鍵をシスターフッドの方が見ればきっと分かってくれる、そういう意図なのだってことを。
「……それ、は……っ」
真っ直ぐにサクラコ様の目を見ようとしても彼女の視線は下を向いてしまわれます。焦りもあるし、考えもまとまらないし、私達も待ってくれない。だからどうしたら良いか迷っておられるんです。だったら、背中を押してあげたいと私達は思います。 - 1241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 11:10:50
「理屈が欲しいのでしたらそうですね、協力すると言われたのはサクラコさんからですよね?なら、私達が協力してほしいと言うのを無碍に断るだなんて、少々筋が違いませんか?」
ハナコちゃんはランサー陣営の情報収集というそれっぽい理屈を用意してくれました。
「サクラコ。貴女が私達に協力したいと申し出てくれるならまずそこから始めてみてほしい。何かを諦める為じゃない、足掻くために。まずは自分自身を諦めないで、そして」
アズサちゃんは大丈夫だと、間違ってない筈だと。
「───マリーを信じて鍵を開けて欲しい」
そんな風に力強くサクラコ様の『本当の気持ち』を応援してくれました。後は彼女の気持ち次第です。
───分かり、ました。
───その鍵を入れる為の鍵穴まで
───ご案内しましょう
その言葉を引き出せたのはそれからもう少し時間が経ってからでした。
- 1251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 11:14:57
- 126二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 11:32:05
- 1271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 12:26:42
ファウスト短編書かねば……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆
新スレ、1も建てれて嬉しいじゃんね☆ひとえに待っててくれたみんなのおかげじゃんね☆
ありがとうございます!……じゃんね☆
お待たせしていたマリーちゃんがシスターフッド“に”残した秘密も今日で回収、明日からは午後行動!……できたらいいなぁじゃんね☆
ま、マリーちゃんの願いはレオニダス王の受肉ってサクラコちゃんが言ってたじゃんね嘘とまでは言ってないじゃんね(目逸らし)……☆
ありがとう!!!!いや元々その話は書く予定だったけどハーメルン版読み直してもまーじでどこにもないし一体全体どこに書いたっけ?それともコメントで触れたんだっけ?……ってなってたじゃんね☆
このスレの最初の方の会話文は本当に入院前に書いてた話だからすっかり抜けてたじゃんね☆
1はあほあほじゃんね……まあとにかく!ありがとうございます!……じゃんね☆
- 1281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 19:24:46
【6日目午後/回想イベント】
【トリニティ自治区・大聖堂シスターフッド本部】
【Recommend BGM……〈燃えた絵本〉】
『トリニティを退去する前に一言、ご挨拶に伺った。そう言ったのです、サクラコ様』
理解が出来なかった。目の前の少女が何を喋り始めたのか、どうしてその手にシスターフッドの宝物と彼女自身の愛銃が握られているのか。
『ま、りー……?何を、何を貴女は……?』
そしてその銃口が何故私に向けられているのか、あの日の私には、いいえ。今もずっと、分からないままでいる。
『お昼に予定していますセイバーのマスターである阿慈谷ヒフミとの会食を終え次第トリニティを発ち、まずは彼女の腕を他陣営へ見せつけましょう。ですがこれで暫くはトリニティに用もなくなりますね』
彼女は微笑みを最後まで絶やさなかった。今日のおもてなしの支度をするからと連れて来られた場所は人気のない、ひんやりとした貯蔵庫。
そこで戸を背にして振り返った彼女の手には銃が握られていた。
「サクラコ様には、最後までご迷惑をおかけしてしまいました。面目次第も御座いません」
『なん、の話を?マリー、落ち着いて、どうかゆっくりと私にも分かるように話しては頂けませんか?もしやまた体調が……っ!それとも昨晩の戦闘で?』
ここ数日、魔力の拒絶反応で崩した体調をおしてまで他の陣営と戦ってトリニティを守ってきたのがマリーだった。だから、その疲れが出て、だからそう。きっと、そんな風に私は解釈したのです。
『ああけれど、人払いに関してはもう少し丁寧に行っていただきたかったですね。今日この日この場に、私がマスターである事を知っている人間がいるのは大変不都合ですから』
けど、無意味でした。小さく鈴を鳴らすようにころころと嗤う彼女は、初めて見る顔をした。その表情を彩るのは紛れもなく冷たい侮蔑。 - 1291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 19:35:26
『何故、何故……だって今日は!ヒフミさん達と話を……マスターとしての協力関係を我々と共にっ!だから代表者……の、わたし、だけ……ぁ』
『ああ、気づかれたのですね。そうです、貴女だけ残した理由はお分かりでしょう?サクラコ様。今この場、この大聖堂に私達以外はおらず、だからこそ』
気がつけば後頭部に別の銃口が、首元には冷たい矛先が添えられていました。それがマリーからの意思だというのは言われずとも分かりました。
『この大聖堂よりシスターフッドに通達された連絡を彼女達はサクラコ様、貴女が発した命令だと認識する。そう、たとえそれが私が命じた偽りの言葉であっても』
猫のように細められた瞳からは狂気の色が滲み出ていた。でも、だからこそ理解できませんでした。
『長く引き留めすぎましたね、さて。サクラコ様?なんのご心配も必要ありません。貴女の肩書きはお借りしますが、それ以上は求めません。そちら寝ていてください』
どうして、何故。
『───もとより、シスターなどと夢見ているわけないではありませんか』
何故マリーは、このような暴挙を───。
【10日目午前/通常イベント】
【トリニティ自治区・大聖堂シスターフッド本部】
「どうぞ、こちらです」
結局、あの後マリーはシスターフッドを出奔した。ヒフミさん達へ刃を向けて、銃弾を打ち込んで、ナギサさんにまで喧嘩を売って、挙句に正義実現委員会の追手すら躱して。
そうして退部届を出して私達になにも言わずに殺し合いに向かってしまった。
銃弾を受けて今扉を開けたこの貯蔵庫、テラスガーデンのすぐそばに備えられた嘗てのワインセラーで倒れていた私が起きた時にはもうどうしようもなかった。どうにもできなかった。
「伊落マリーの自宅にあった物品や備品等は全てシスターフッドの方で見分しています。それらに何かしら彼女の足跡となる物はありませんでした。ですが」
マリーの真意を理解しようとした。でも、ダメだった。考えれば考えるほど彼女が最後に向けた視線が恐ろしかった、表情ではない。その奥にある全てを諦めてしまったあの色が怖かった。空を切ったこの指が恨めしかった。考えることはもう、できなかった。 - 1301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 19:37:44
「伊落マリーがこのテラスガーデンの管理をしていた頃に使っていたガーデニング用の道具入れ。これだけは鍵が見当たらず、ですから恐らく」
ヒナタや他のシスターたちは彼女を探す為に、そして彼女が帰って来れるように働きかけようとしているのは知っている。だけど自分にはもうこれ以上は無理だった。今はまだいい、けれどもし聖杯戦争の問題が表面化してしまえば。
私はもう───。
「……では、私はこれで。どうぞご自由にご確認下さい……中身は帰り際に提出だけして頂ければ」
【以下の選択肢から一つを選んでください】
①サクラコと共に道具箱の中身を確認する
②サクラコとは別に道具箱の中身を確認する
【安価先>>135】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 131二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 20:00:41
①かな?
- 132二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 20:10:27
①が無難な気はするけど
どうなんだろう - 133二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 21:03:55
①でお願いします
- 134二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 21:07:23
①で
- 135二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 21:07:37
①かな
- 1361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 21:31:03
【①サクラコと共に道具箱の中身を確認する】
私とサクラコ様が同じだなんて、私は口が裂けて言えません。人の痛みはその人にしか分からないんです。でもだからこそ、私達はしなきゃいけないことがあります。
───“友達でも、言わないと伝わらないからね”
───じゃあなんで、言ってくれなかったんですかっ
言葉を、尽くさなきゃいけません。私の目は誰かの心を透かして見ることなんて出来ません。でも言葉を尽くして誰かの想いに寄り添うことは出来ます。誰かの痛みを分け合ってほんのちょっとでも一緒に背負おうとすることだって出来るって信じています。だから。
「一緒に見ましょう、サクラコ様」
「……阿慈谷、ヒフミさん……それは……」
「この箱を開けた時、何が入っているのかは私には分かりません。だって」
私はマリーちゃんじゃないから。彼女がした事、思っていること、思ったことなんて何一つまだ分からない。ランサーさんを受肉させてあげたい、そういう願いを持ってる事以外はそんなに分かっていません。
「いいえ、だけど。私は───信じてますから」
「……わたしは、わたしは……」
「サクラコ様がマリーちゃんとの間でどんなことが起きたのか、私はまだ聞いていないから知りません。だけど信じています」
でも、でもなんです。
「私の友達は理由もなく誰かを傷つけたり悪意をもって誰かを、そして大切な人を傷つけたりなんかしないって」
だから。昏い顔をして俯くサクラコ様の手を私は取って、もう片方の手に鍵を握りました。
「私達が、ハナコちゃんもアズサちゃんもいます……だから大丈夫です。一緒に見ましょう」
だってきっとそこには、マリーちゃんからのメッセージが残されているって私は信じていますから。
箱の中には一通の手紙と見覚えのある小さな欠片が二つ入っていました。 - 1371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 21:39:42
【Recommend BGM……消えない想い】
歌住サクラコ様へ
自分の名前を書き残さないままお手紙を書く失礼をお許しください。
お元気にしていらっしゃいますでしょうか?
なんて、出奔した私が聞くのも可笑しな話ですね。
この手紙がいつのタイミングでサクラコ様に届くのか、どういう形で受け取ることになるのか、それとも誰にも読まれないまま捨てられてしまうのか。
そもそも裏切った私の手紙なぞ、受け取ってはくださらない、そんな事も考えていました。
でも、赦されるのならどうか貴女に。シスターフッドという場所を守り慈しみ愛してくれた当代の長へこの手紙が届いて読んでくださる事を、恥知らずながら願わせて下さい。
私が参加した戦いに終わりはありませんでした。
無学な私では全てが分かっているわけではありません。彼や私の病の面倒を診てくださる彼女とも話し合いましたが、どうにも分からないのです。
ただ一つ。
私達に選択肢なんてものはなく、このままいけば私の大切なものは全て無くなってしまう。あの、空が赤く染まった時のように。
ごめんなさい、サクラコ様。
私はどうしても我慢なりません。たとえもう私個人の願いも夢も叶わないとしても私はこの望みだけは捨てられないんです。
トリニティを。
大好きな人達を。
大切な友達を。
不条理に傷つく誰かを護る為に。
あの日あの夜、彼に。
そして私自身の心に誓ったこの望みだけは、どうしても果たしたいのです。
これが私の『覚悟』、私が勤める最後の仕事。 - 1381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 21:40:20
ただサクラコ様、お願いがあります。
どうか愚かな私を赦さないで下さい。
皆さんを、大好きなシスターフッドも。
皆さんが信じて応援してくださった夢すら捨てた私を。
シスターフッドの信念と名前を穢して暴力を振るう事を選んだ愚かな私を。
どうかどうか、決して赦さないで下さい。
認めず、憎んで、そうして無関係を貫いて私の首が落ちるその日を願って下さい。
貴女方に迷惑をかけてしまった事がこれから幾ら戦っても取り返せなくて、どれだけ後悔しても悔やみきれないのです。
だから、ごめんなさい。
それではそろそろ筆を置こうと思います。
どうか健やかにお過ごしください。
そして願わくば私の戦いの果てに、皆さんがもう二度と傷つく事のない、その手を血に染めなくていい世界が来ますように。
祈りを、捧げさせて下さい。 - 1391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 21:44:11
【それではこれより】
【10日目午前最後の】
【行動安価を行います】
【安価内容は伊落マリーの手紙を読んだ上でどう行動するかです】
【今この場には阿慈谷ヒフミ、浦和ハナコ、白洲アズサ】
【そして】
【以上三名と共に歌住サクラコが同席して手紙を読みました】
【その上で】
【以下の選択肢から1つ】
【或いは】
【自由記述を選択してください】
①マリーとのお茶会の話をする
② サクラコのお願いを受け入れる
③ サクラコのお願いを拒否する
④サクラコのお願いを一度保留する
⑤助けてペロロさま〜(自由記述)
【組み合わせも可能です】
【安価先>>146】
【それでは皆様】
【よき検討を】
- 140二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 22:31:36
ここで①か?
- 141二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 22:54:51
①を話した上で、体の良い鉄砲玉としてではなく仲間としてサクラコに合流してもらうというのはどうかな?
- 142二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:19:42
- 143二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:28:27
シスフの合流を勧誘しつつの①でよさそうな気はする
- 144二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:38:54
- 145二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:45:46
- 146二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:46:04
- 1471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/26(火) 23:53:08
- 1481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 00:10:42
【10日目午前/特殊イベント】
【ゲヘナ自治区郊外・スラム街】
【Recommend BGM……〈暗雲の中へ〉】
───本当、気持ち悪いよね。
鬼方カヨコが告げたその一言にアリスは何も答えられなかった。腑の底から漏れ出した憎悪が形となった一言は霧散することなく続けざまに路地裏へと吐き出されていく。
「陸八魔アルは諦めない。必ず、どんなやり方をしても聖杯を手に入れる。陸八魔アルは必ずこの聖杯戦争に勝利する……きっとキヴォトスを無人の荒野に変えてね」
憎い、憎い、憎い。どうしようもなく許せない、認められない。こんな筈じゃなかったのにどうして。アリスには決して理解できない、理解したくない醸成された仄暗い熱情が渦巻いている。
「だから私は裏切ったの。大した理由じゃなくて悪いけど、言ってしまえば方針の違い。私はもう陸八魔アルのやり方には付いていけない。便利屋68に私はもういらない、あの場所にいられない」
気がつけばカヨコもアリスも立ち止まっている。知らぬうちに壁を叩くようにするカヨコの右手からは赤い雫が滴っていた。
「醜くて気持ちが悪い、浅ましくて悍ましい。誰も彼をも裏切って、のうのうと幸せになりたいだなんてさ。甘ったるい夢で溺れちゃいそう」
後ろにいるアリスへ振り返ることなくそう言う背中は震えていた。怒り、純然たる黒き感情が暴発しそうになるのをその細い体のうちに留めるが故の震えである事は、まだ幼いアリスにも理解できた。
だからこそ、恐ろしかった。
「……そういうわけで私は陸八魔アルにも便利屋68にも、そんな奴らと同盟を結ぼうとしてる連中にも愛想が尽きて飛び出した」
「どう、めい……」
「そう、同盟。カイザーは……知ってるか。あのハイエナ共もそうだし、それに」
振り向いてまた道案内を始めた彼女の顔に張り付く表情が笑顔だったことに。その手の甲だけでなく掌も赤く染まっていることに。だというのに、先ほどまでの激情の余韻なぞどこにもないことが、アリスには妙なほどに恐ろしかった。
「アーチャー陣営。あいつらも朝が明けるより早く私達に接触して、今は残りのマスターを殺し尽くすまでの協力関係を結んでる」 - 1491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 00:13:11
だが、今はそれどころではない。己のうちに芽生えた何に対してかも分からぬ恐怖より優先すべきことがあった。アリスは最早音声機能すらまともに稼働しなくなりぎこちなく動くヘルタースケルターの手を引いて、急いでカヨコの背中を追いかけた。
「貴女が撃ち落とされたのも多分それが理由。大方、ミレニアムから極秘裏に飛んできたヘリなんて明らかに聖杯戦争絡みの相手だったから撃ち落としておいたっていう点数稼ぎでしょ。いくら同盟って言っても力関係だとアーチャー達より私達の方がずっと上だから」
前を向いたまま話される内容は、アリス達の想定をずっと超えていた。アーチャー陣営とライダー陣営が協力関係を結んだ。それは戦力的にも、そしてアリス達の方針的或いは戦略的にも厄介極まりなく且つ絶対に知っておかねばならない情報であった。
「そしてそれが理由なのは私も一緒。貴女が撃墜されてきたのを見て、渡りに船だと思った」
そう言って振り返るとカヨコは指を指した。向かう先は侵入禁止のテープが貼られた地下通路、若しくは地下横断歩道と言ったところか。聞いていた雷帝シンパが築いた坑道とはまた別のもの。
「だから感謝なんてしなくていい。落ちてきた貴方を見て、この聖杯戦争で夢みたいに甘っちょろいことを考えてる陣営の仲間なのを思い出したから……命乞いするなら点数稼ぎ、必要でしょ?」
そう言って微笑みを貼り付けるカヨコにアリスは何も返せない。対してカヨコは特に気にした様子もなく肩をすくめてからテープを跨いで地下通路へと足を踏みいれる。
「……別に同意が欲しいわけじゃないよ。言ったでしょ?馴れ合わなくて良いって。どうせ短い付き合いになるんだから、そんなに色々気を遣わなくていいよ」
そうして、カヨコとアリス、そして残る壊れかけのヘルタースケルターは地下通路へと潜っていった。 - 1501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 00:19:28
というお話だったじゃんね☆
明日はさくさくっとサクラコちゃんの話を書いて、書いて……こうちょっとうまいこと短めにしつつサクラコちゃんとお話するじゃんね☆
あと午後の行動も決めなきゃだからアリスちゃんの話も明日で一回きりがいいところになるじゃんね☆
いやぁみんないい感じの方向に行ってて嬉しいじゃんね☆
というわけで今日もお付き合いくださりありがとうございました!明日は日中にも(一応)投下予定ですが19時〜19時半で午後の行動安価に向けた話をしていこうと思います!じゃんね☆
ではでは皆さんおやすみなさい……じゃんね☆
ファウストちゃん短編は次でおしまい、アヴェンジャーな彼女のステータスとスキルを含めた詳細はもちろんだしトリニティの⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎な彼女との会話やがっつり戦闘も次回でやる予定じゃんね☆
投稿は今週頑張って書いて……しゅ、週末予定だからよかったらまたやってくださいな!じゃんね☆ - 151二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 04:27:31
お疲れ様です
- 152二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 06:29:49
とりあえず今回の話し合いは終わりか
午後の行動どうするかな
安価について考えてる際に出てた自己強制証明について、改めて黒服の会話見ると自己強制証明についてはかなりしっかり警告してるな
黒服はなんでここまでこれについてはしっかり警告したんだろう
まあ使うとしたらもうどうしようもない状況か、前スレで出てた先生を関わらせないようにするために自己強制証明を使うって感じの案みたいなそれを使うことでしか無理そうな場合のどちらかになるのかな - 153二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 06:39:50
単純に自己強制証明使わずにハッピーエンドに辿り着くのが望ましいって話でしょ
1もその先は先生がヒフミちゃんルートに入って実質バッドエンドみたいな事言ってたし
自己強制証明が生徒の命に食い込む異物である以上エンディングに存在してて良い物では無いと思う - 154二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 07:08:59
バッドエンドというよりは先生が個別√に入るんじゃなかったっけ?
それで先生のことが好きな生徒が泣いちゃうって感じでバッドエンドとはちょっと違う気はするけど
自己強制証明使わずにハッピーエンドに辿り着くのが望ましいってのはその通りではある
聖杯戦争が命懸けの戦いであるとはいえ
聖杯戦争中の期間とかだけで済む内容ならまだしも、聖杯戦争後にも関わってくるような内容で結ぶのはどう考えてもまずいのは確かだし
聖杯戦争後に影響及ぶ契約結んじゃったら最善のエンディングとは言えないとは思うし
ただ黒服が使わずにハッピーエンドに辿り着くのが望ましいって意図で警告したのかなって
黒服だし他の理由がありそうな気はする - 1551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 12:56:00
おっひるーじゃんね☆
とりあえず書いてるけどもうちょいかかるじゃんね☆日中には投下するじゃんね☆
ありがとじゃんね☆今晩もがんばるじゃんね☆
午後行動はわりとやる事が盛りだくさんじゃんね☆黒服に関してどうしてセルフギアススクロールを使わせたがらないかは割とすごくシンプルな理由じゃんね☆
人間っていうのは一度その選択肢を選んじゃうと二回目以降は結構簡単に選びがち……というのは1の経験則だけどわりと合ってると個人的に思ってるじゃんね☆
個別√行きだからもれなくミカちゃん筆頭にガチ恋勢が泣くじゃんね☆
そういえばこのスレに一人だけ明確にガチ恋勢で先生に求婚してた奴がいたじゃんね☆
黒服は別に本編と“極端に”乖離させたくなかったからあくまでも相変わらずホシノちゃん狙ってた時みたいに悪辣な悪い大人であることには変わらないじゃんね☆
ただ今は監督役という立場にあっては真っ当にお仕事してるよって話じゃんね☆
プライベートとお仕事は分かる、それもまた大人、じゃんね☆
- 1561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 14:42:46
【⑦サクラコや合流出来るだけのシスフの人たちに合流してもらってみんなでマリーを説得しに行こう、被害は事故として処理される話も必要ならする】
手紙を読み終えるのに時間はかかりませんでした。
送り主の書かれていない、名前こそ挙げられていても関係性までは特定できないように遠回しな言い方。そして、ただの一言も直筆で書かれていない文章。言葉だけではなく、淑やかなジャスミンを思わせる優しいベリーアロマと共に描かれた心遣いが意味するところを、私達は言わずとも共有していました。
「……マリーの」
名前を呼んで話しかけることを、アズサちゃんは敢えてしませんでした。一人言のように、ただ前を向いて誰に話すわけでもなく淡々と。
「マリーの願いの形はきっと私達と同じだった」
そうやって訥々と語り出したのはアズサちゃんから見たマリーちゃんの気持ち。この前の話し合いでサクラコ様が人の想いを類推するなんて自分には烏滸がましいと、醜いと仰られたそれ。今、アズサちゃんはあの時優しく否定したのと同じように、今度は自分からそれを口にして実践してくれました。
「背負うべき役目を、果たすべき責任を。マスターという立場になったからマリーは、それだけを背負っていくことを決めたんだと思う」
───不条理に傷つく誰かを護る為に。
─── 私自身の心に誓ったこの望みだけは、どうしても果たしたいのです。
─── これが私の『覚悟』、私が勤める最後の仕事。
マリーちゃんの願いは、覚悟でした。他ならないこの地に住む大切な人達を守る為に、たとえ自分の手を汚してでも、どれだけの誹りを受けようと戦うという誓いでした。その願いがどうして今の行動に繋がるのか、それはまだ私達には分かりません。
「サクラコ、これは私の勝手な推測だ。サクラコからすればいい加減な妄想にしか聞こえないかもしれない。だけど、知ってるんだ。私もかつて、同じ選択をしたから」
でも間違いなくこれだけはわかります。
「人殺しになってでもこの温かい世界を守りたいって、だから思い出も絆も何もかも手放してでも……だからきっとマリーも同じなんだと思う」 - 1571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 14:50:03
マリーちゃんはまだ私達の知ってるマリーちゃんなんです。私達の、ハナコちゃんの、サクラコ様の大好きなマリーちゃんなんです。そして今きっと彼女は苦しんでいる。今もその前も、ずっと。
「サクラコ様。私はこの聖杯戦争でハッピーエンドを勝ち取ります。それが私の戦いの目的でみんなの願いです。だから」
そう、だから。私達にもまた果たしたい望みがあるんです。マリーちゃんが誰かを傷つけてでも、自分を苦しめてでも大切なものを守ろうとするのなら。
「貴女もマリーちゃんも泣かせたままにだなんてしたくありません。そんなエンディングは、そんな悲しい終わり方なんて私は嫌です。みんなで笑ってまたお茶会をしたいんです」
私はそんなマリーちゃん“も”ちゃんと守りたい。
「聖杯戦争で起きた被害を行政機関は事故として内密に処理します……その良し悪しを今は語りません。でも、少なくとも」
私達が欲しいハッピーエンドはありきたりなものでいいんです。特別じゃなくてごく普通に友達と喧嘩しても仲直りして笑って隣でまた過ごせる、そんな明日が欲しいんです。そして私は、それが私だけじゃなくて私の大好きな人達にとってもそうで在って欲しいんです。
「マリーちゃんが私を襲ったことだって不幸な行き違いによる事故として処理できるはずです」
「……っ!」
ズルなやり口なのは百も承知です。詭弁と言われてしまうかもしれません。組織を守りつつ最後の一線までマリーちゃんのことを庇おうとして必死になっていたサクラコ様からすれば、何を馬鹿なと言われるかもしれません。でもそんなの。
「一緒に迎えに行きましょう、サクラコ様。私達と一緒に、マリーちゃんを。だってマリーちゃんはトリニティに、シスターフッドに帰って来れるんですから」
私は知らない。そんな馬鹿みたいな方法だろうとなんだろうと笑ったもん勝ちです。笑顔になってまたテーブルを囲んでお茶会をして遊んで、そんな風に過ごせるようになる方が小難しい理屈よりずっとずっと大切なんです。
「みな、さん……っ、でも、でも私は……っ」
それでも、サクラコ様は手紙を握って俯いておられます。駄々をこねるように漏らす声は少しずつ濡れてきていて、痛ましさを増していく。今日までの彼女の心労を思えば私達も辛くなります。
「今日の為にサクラコ様と何度も練習してみた自信作……だそうですね?」 - 1581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 15:00:11
だからこそ、今日この場にハナコちゃんはいてくれたんです。
「この前この場所でお茶会をした時に出してくださったアイスティーはシスターフッドの特別ブレンドで抽出時間も秘蔵なのだとか……マリーちゃんは」
「っぁ……っ!」
私達の中で誰よりもシスターフッドと、サクラコ様とそしてマリーちゃんと付き合いが長いハナコちゃんだからこそ、この言葉は届くと思うんです。
「貴女と過ごした、シスターフッドでシスターとして在った時間を本当に愛しんで私達に語って聞かせてくれました。それは彼女にとってシスターフッドという場所と思い出が」
「ぅ、ぁ……ぅぅ……っ」
サクラコ様がずっと抱えていた不安と失望。それがもし、マリーちゃんに頼られることなく彼女が出て行ってしまったことに起因するなら。自分達という存在が大切な彼女にとっては、大切じゃないと思い込んでしまっているからなのなら。
「───宝物だからなのでしょう」
その誤解を解けるのは共通の友人で長い付き合いのあるハナコちゃんだからこそでしょうから。
「わた、しは……っ!ま、りーっ、まりーっ!……っ!」
崩れ落ちたサクラコ様の肩へそっと寄り添うハナコちゃんとアイコンタクトを取って私達は先に貯蔵庫から外に出る。午前の日差しはいよいよ真上へ向かって輝きを増している。
「ヒフミ」
「はい、アズサちゃん……次、ですね」
手紙はサクラコ様宛が一通、それと。
「(これは確か……)」
二つの遺物。一つは古びたテーブルの破片、もう一つは赤茶けた砂岩。破片の方はうんともすんとも言いませんけど、砂岩の方はいつかと同じで熱を帯びている。
「セイバーさんとコハルちゃんと合流次第、また確認しましょう……次の行動も決めなきゃいけませんからね」 - 1591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 15:02:06
- 160二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 17:49:48
乙です!
一つの関門を突破出来てトリニティは何とかなったか……
残りはライダーとアーチャー陣営…… - 1611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 19:14:54
えー大変恐縮ですが、この後の安価についてですじゃんね☆
色々考えた結果、「話の途中だがワイバーンだ!」ならぬ「話の途中だけれどアリスが乗ったヘリが撃墜されたわ」というとんでも連絡がヒフミちゃん達の元に舞い込んでくる……ということになりましたじゃんね☆
したがって午後の行動に影響や制限が出かねない状況になった(半年前の1が勝手に作りやがった)ので……今回のサクラコちゃんとの交渉がうまくいった記念に、なにかトリニティでしておきたい行動(1個か2個ぐらいじゃんね☆)を先に安価して描写することにしたいと思ってますじゃんね☆
もし大丈夫そうならちょっと時間ずらして19:45から安価募集するけど、すぐき午後安価したいから導入書いて!って話ならそっちでもおっけーじゃんね☆ - 162二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:24:52
トリニティで行動出来るならしたいしそちらかな?
- 1631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 19:44:22
- 1641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 19:56:49
【あくせす】【あくせす】【でりーと】【くらっく】【あくせす】【……】【はぁ……】
【……んんっ】
【観測可能領域との接続を確認……おーるぐりーん】
【皆様、こんばんは】
【サポートシステムが起動しました】
【これより午前中の追加行動安価を行います】
【各グループの配置は以下のようになります】
・ヒフミ、アズサ、ハナコ→大聖堂
・ウイ→古書館
・コハル、セイバー→正義実現委員会部室
・モモイ、ミドリ、キャスター→古書館で積荷を回収して現在はdice1d6=5 (5) (1.トリニティ自治区内、2.まだ古書館、3.トリニティを出発済み、4.もう拠点、5.クリティカル、5.ふぁんぶる)
・ミノリ、スパルタクス→ゲヘナにdice1d4=3 (3) (1.向かう準備中、2.到着済み、3.向かって飛行中、4.通功の古聖堂にいる、5.クリティカル、6.ふぁんぶる)
・ユズ、エンジニア部→拠点
・アリス→ゲヘナ自治区スラム街地下歩道
- 165二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:58:29
このレスは削除されています
- 166二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:00:29
- 1671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 20:04:19
- 1681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/27(水) 20:08:58
【!?!?!?】
【し、失礼しました】
【それでは追加の行動安価を行います】
【皆様はこれより】
【トリニティ自治区内にいる生徒の行動を指示することが可能です】
【ヒフミ、アズサ、ハナコ、ウイ、コハル、モモイ、ミドリ】
【上記7名の行動を選択して下さい】
【なお観測されるのは阿慈谷ヒフミの行動のみとなりますがご理解ください】
【安価先>>175】
【それでは皆様】
【よき安価を】
【なお】
【安守ミノリとバーサーカーは最良の選択をした結果】
【追加での情報取得判定】
【及び】
【既にゲヘナに到着したという観測結果になったことを皆様にお伝えします】
- 169二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:28:37
ダブルクリティカル!?
これは結構アドバンテージかな?
トリニティでやりたいこと……ナギサ様たちのお見舞いとか?
直接今後の展開には関わらないかもだけど、聖杯セイバーの情報とか共有できるかも? - 170二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:52:44
一回ヒフミとセイバー二人で密談したい気持ちはあるんだよな
この後のこと考えてもサーヴァントと交流深めるのは大事だろうし
後単純に絶対裏切らないだろうから他のメンバーには相談しにくいことも話せるし - 171二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 21:33:47
コハルとセイバーと合流してハナコとコハルは人が多い安全な場所で情報収集
ヒフミ、アズサ、セイバーは裏路地などの治安悪そうな場所で情報収集しつつどこかで3人もしくはヒフミとセイバーで密談とか?
後のメンバーをどうするかはなかなか浮かばないが - 172二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 21:45:19
今のうちに黒服からの依頼をこなすって手もあるが
アリウス自治区に今から行くわけにもいかないしな
しかもアリウス自治区にはアリウスの生徒が残っていることが確定してるからどうなるか
戦闘になりそうだからな
モモイたちには③トリニティ某所に入院している特定の患者のお見舞いに行ってもらうのが無難かな? - 173二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:19:30
- 174二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:19:47
かそく
- 175二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:20:03
- 1761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 06:40:17
おはよーございますじゃんね☆
安価へのご協力、いつもありがとうございます!じゃんね☆
安価の結果、>>175さん(>>173さん)の「モモイたちには③トリニティ某所に入院している特定の患者のお見舞いに行ってもらった後残った時間で情報を集める
ウイは古書館のヘルタースケルターたちに引き続き護衛をしてもらって引き続き古書館に
モモイたちはキャスターいれば大丈夫だろうし
ヒフミたちはまずコハルたちと合流した後まずナギサのお見舞いに行き、その後ハナコとコハル班とアズサヒフミ、セイバー班に分かれてハナコとコハルは安全な場所で情報収集兼休憩、ヒフミたちは裏路地などで情報収集しつつどこかで3人もしくはセイバーとヒフミ、あるいは両方の交流時間を作るが無難かな?」になったじゃんね☆
……ここに来てセイバーとのお話タイムを設けてもらえるとは思ってなかったじゃんね☆
折角だしタイミング見て安価も交えつつしっかりお話、やるじゃんね☆
ちなみにきょうの昼間は更新なしで夜からのみ更新じゃんね☆
……今日はリアルの方で色々やることというかやってもらう事があるのと、そろそろ短編書かなきゃいけないとかの理由があるからじゃんね☆
ごめんなさい、じゃんね☆
- 177二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 10:39:50
了解です
- 178二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 14:37:42
どんな感じになるか
- 1791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 20:37:48
1じゃんね☆起きてるし投下する気はばちばちあるけどまだぜーんぜん書けてないというか時系列関係を整理したりしてて時間取られてるじゃんね……
とりあえず書けたら短くても投下、今日はコハルちゃん達と合流のとこまで書いて明日以降でナギミカちゃんのとこに行くじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
前スレで難易度🍅が選択されたからそのつもりでかなりハードな展開に……って考えてたけどWクリティカルをよりにもよって1番強いタイミングで引いたからうーん……まあ少なくともみんなとヒフミちゃんにとっては有利な展開になるじゃんね☆
クリティカル分だったり交渉イベント分のボーナスが溜まってるから10日目夜の絆上げは、お茶がぶ飲みして戴冠戦周るぐらいの勢いでがんがん上がりそうじゃんね☆
……みんなはEX戴冠戦は周ってるじゃんね?1はマシュちゃん絆15目指してちまちま走ってるじゃんね☆
- 1801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:33:57
【10日目午前/通常イベント】
【トリニティ自治区・大聖堂執務室】
別段、それほど長い時間待つことはありませんでした。アズサちゃんと二人でテラスガーデンの木陰で待ちつつ、こちらの状況をエンジニア部の皆さんとユズちゃん、それにリオ会長とモモイちゃん達に連絡したりして待っていましたから。暇になることもなければかといって焦って連絡をし終えなきゃいけないほどでもない時間が経った頃に、ハナコちゃんとサクラコ様は元ワイナリーだという貯蔵庫から出てこられました。そうしてそのまま案内されたのは大聖堂の執務室。この前の応接間とは違って普段サクラコ様が業務をなさっている場所だそうで、『秘めやかな話をするのにこれほど優れた場所はそうありません』とご本人が仰っていました。
「……先ほどはお見苦しい姿を見せてしまいました」
そして案内されてから一番最初。彼女がしたのはまず私たちに向かって頭を下げるという謝罪でした。
「そ、そんなサクラコ様!どうか頭を上げてください!」
「いえ、先ほどのことだけではありません。これまでのシスターフッドの非協力的な対応と皆さんへの態度は全て長である私の責任。何より……」
さっきとは違って純粋に下を向いているから合わない視線。その瞳がいつもの珊瑚色より強く赤みを増しておられます。
「私自身も視界が曇るように正しき行いを見出せず……結果としてあのような言動をとっては皆さんに酷い態度とご迷惑を……」
揺れて濡れている瞳の奥にある罪悪感。今もまだ色々なことを抱えて苦しんでおられるのが、ここまで話をしてきた私たちにはありありと窺えます。そしてその罪悪感を抱えてでも懸命に成すべき事を成そうと、己の責務を果たそうとする責任感の強さがあることも。そんな彼女へかける言葉を探した私たちは一度顔を見合わせてから頷き合いました。
「マリーのことでサクラコが苦しんでいたのを私たちは分かってる。だから私もハナコも、そしてマリーと同じ立場のヒフミだって気になんかしていない」
「はい!そうですよ、サクラコ様!……いきなり殺し合いの当事者にお友達がなって、そのまま出奔してしまって、お辛かったのはサクラコ様達シスターフッドの皆さんなんですから!」 - 1811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:35:17
分からないこと、というのは実はまだ結構あるんです。サクラコ様やマリーちゃんは元々聖杯戦争に対してどういうスタンスだったのかだとか、他のシスターさん達とサクラコ様の間で方針の違いがあるんじゃないかとか、そもそもサクラコ様は組織とマリーちゃんとの間で板挟みになってたんじゃないかとか。あとはマリーちゃんがランサーさんを召喚した経緯だとかそういう、色々なことをまだ私たちは知りません。だけど、分かることはちゃんとあるんです。
「ヒフミさん、アズサさん……」
それはサクラコ様が、この前受付にいたシスターの先輩方が、そして今この場にいないマリーちゃん達が。それぞれが苦しんで、考え抜いて、最善だと思う行動を取ろうと踠いているということ。今日までずっと辛かったということです。
「ヒフミちゃんが言ったのは聞いておられたでしょう?貴女もマリーちゃんも泣かせたままで終わりなんてさせない、ハッピーエンドにするんだって」
「……ええ」
「だったら、もう泣いてる暇なんてありませんよ。だってヒフミちゃんはそういう子なんです、サクラコさん」
ハナコちゃんが茶目っ気のあるウィンクをしてくれますけど、なにはともあれ泣かせっぱなしでいい気持ちなんてちっともしません。みんなで笑って美味しいお菓子を食べていつものように授業を受けて、放課後は遊んだり礼拝に行ったり部活動をしたり。
「みなさん……ありがとうございます。改めて、我々シスターフッドで協力できることがあればご用命下さい。そしてどうか」
そんな風にそれぞれが幸せだなぁって感じられるいつもの毎日に戻る。そこまでいかなきゃハッピーエンドなんて嘘なんですから。だから。
「はい、連れ戻しましょう。マリーちゃんを」
その毎日にいるべき、いてほしい誰かが欠けてるだなんて真っ平ごめんなんです。 - 1821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:37:04
「とりあえずこの後は、お互いに持っている情報の交換であったり、と思っていましたけど……もう数分もすればコハルちゃん達も戻ってくる時間ですね」
「それなら一度合流してから改めて行動別に班分けをするか。午後もトリニティで活動できるかは分からない。午前中のうちになるべく出来ることをしておこう」
「そうですね、っと。そういえばサクラコさん」
「なんでしょうか?」
正義実現委員会のハスミさんに会いに行ってくれているコハルちゃんとセイバーさんともそろそろ合流の時間です。セイア様の方にまで届いていない現場目線から見た意見なんてのもあるでしょうし、ナツちゃんの事もあります。コハルちゃん達から良い情報が来るのを待ちましょう。
→dice1d6=6 (6) (1.バーサーカー、2.セイバー、3.アサシン、4.白い女、5.クリティカル、6.ふぁんぶる)
「二点ほど確認を。まず一つ目ですがもし今後、マリーちゃんとの接触を図った場合についてです」
そしてお二人を待つ間にやっておきたいということでハナコちゃんが切り出したのが、幾つかの確認。
「私達はサーヴァントの方を含めた犠牲者なしで聖杯戦争を終わらせる方法を模索しています。現状は一つ、不確定なのがもう一つ、腹案としてあります」
一つは予備システムの起動及び起動時に大聖杯に接触する事で聖杯戦争のシステム自体に干渉する案。まだアサシンさん達と完全な協力関係が出来上がっているわけじゃありません。けど。
「(前回の話ぶり、というかどれか一つの陣営に肩入れできないと言っている以上───黒服さんとアサシンさんが“私達に肩入れできる条件”は明白ですね)」
監督役のお二人と協力関係を結ぶのは恐らく最も困難ですが、一方で一番単純でしょう。だから今はあちらが中立を維持している以上、無理してどうこうしてもらう必要も、私達がどうこうしようとするのも意味ありませんしね。残る不確定な方法、はかなりの力技。要するに大聖杯の魔術式を見つけて破壊するという方法です。こればっかりは大聖杯を見つけてかつそれがある場所への被害を抑える方法も考えなきゃですから、難しいです。
- 1831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:39:06
- 1841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:41:12
「そうでしたか……サーヴァントの方も……それは、マリーやヒナタ達が喜びますね」
「あら?ヒナタさん達というともしや……?」
「ええ、全員が知っていたというわけではありませんがランサーさんは現界後は大聖堂で過ごして頂いていましたから。力仕事や清掃のボランティア、時には近隣のお年寄りの方向けに開いている体操講座のお手伝いもして頂きました」
「そうでしたか、あのランサーさんが……!」
考えごとの最中に聞こえてきたのはランサーさんについてのお話。直接会ってお話しする機会はこれまでそう多くはありませんでしたけど、実際に剣を交えたセイバーさんが素敵な人だったと仰っていました。それに私達トリニティの生徒を守ってくださったのも紛れもなく彼です。
「ええ、短い間でしたが私共としても……良好な関係を築ける、素敵な大人の方だと、そう信じていましたから。勿論マリーとの関係も」
そんなランサーさんとサクラコ様やシスターの皆さん、そしてマリーちゃん本人が仲良くされていたと聞いてなんだかホッとするような、嬉しくなるような、そんな気持ちになります。
「あの子が体調崩す前も後も、主従というか関係であれ大聖堂裏の庭園から一緒にランニングをしたりと仲良さげにしていました」
「……それを聞いてなおさら、気持ちが固まります。セイバーさん達はきっとまた困った顔をするかもしれませんけど」
だからこそ、やりたいことが私の中でぐんと強くなりました。
「私はサーヴァントの方を切り捨てるやり方は出来ません。マスターもサーヴァントも、どっちも助かる未来が欲しいです」
「だからサクラコ。私達はマリーと戦うことになってもランサーを倒す、つまり退去まで追い込む戦い方は取らないし取れない」
私はマスターの方もサーヴァントの方も誰一人だって諦めるつもりはありません。だから、誰も殺さないし、誰にも殺させない。それが私なりの覚悟です。
「なるほど。最終的には説得とマリー達の納得が必要、ということですね。そしてその為に我々にも出来ることがある、と」
「話が早くて助かります。マリーちゃんとの接触にシスターフッドの方もいてくだされば、私達だけじゃ届かない心の側面にも言葉が響くかもしれませんから」
「分かりました。聖杯戦争に関する事案はシスターフッド内部でも一部の者しか知らないので大人数は動かせませんので何名か選抜しましょう」 - 1851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/28(木) 23:56:03
流石はサクラコ様といいますか、さっきまでが嘘みたいに話はトントン拍子で進んでいきます。これで、シスターフッドの方にも協力をお願いできるようになりました。とはいえ直接的な戦闘で、というのは最後の最後まで控えて頂いて、温泉開発部のみなさんのように後方からの支援をお願いしたいです。ただでさえ同盟陣営は人が多いですからね、これ以上となると人を動かすのだって大変になってきます。
「ありがとうございます。それで二つ目ですが、サクラコさんが仰っていた話の中でどうにも気になった部分がありまして」
「それは一体……?」
「マリーちゃんがヒフミちゃん達を襲撃してトリニティから行方を晦ました日のことです。サクラコさんの口ぶりではどうやら物資を略奪したということですね?」
話はそのまま二つ目の疑問、ハナコちゃんが気になっていた部分に移りました。私はあまり気になっていなかった、というよりサクラコ様の雰囲気に圧倒されてたりこれから話すことを考えるので一杯一杯で見逃していた内容です。やっぱりハナコちゃんに来てもらって助かりました。
「医薬品や食料品、或いは銃弾といった兵站を、と最初は考えました。ですが、私達はマリーちゃんの傍には現在、協力者としてミネ団長がいるだろうと予想しています。救急医療のスペシャリストであり最大派閥の一角であるヨハネ分派の首長。そんな彼女がいるのならある程度の物資は事前に、そして秘密裏に用意し切ることも簡単でしょう」
聞いていると確かにと頷く内容です。ミネ団長はヨハネ分派の首長。勿論それを振り翳して権威を主張されるような方では決してありません。けど、無闇矢鱈と権威を振り翳さないのと、実際に権威を持っていないかは別の話。彼女は間違いなく由緒正しい一分派の首長であり、相応の権威と立場。そしてそれに伴う責任と義務を持っておられるのですから。一人や二人がセーフハウスに住むのに必要な物資なんてもの、物の質を選ばなければそれこそ一時間かそこらで自分が動かなくてもすぐ用意できてしまうでしょう。実際ナギサ様ならそれぐらい出来てしまわれますし。 - 1861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:05:56
「ですからマリーちゃんが持っていってしまった物資とは、そういった消耗品などではなくシスターフッド内部において重要な物品なのではありませんか?」
「……ハナコさんの言うとおりです。マリーがシスターフッドの保管庫より持ち出した物は複数あります。その殆どは写本、聖徒会時代から綴られてきた特異な現象の記録や研究資料」
ハナコちゃんの言葉に頷いたサクラコ様はマリーちゃんが持ち出していったという資料のタイトルや分類番号の書かれたリストを見せてくださいました。私にはさっぱり、ですけど古関先輩に聞いてみたらいい答えが返ってきそうです。
「それからエデン条約の一件以降に古書館から提供された物を含めた、アリウス自治区や地下のカタコンベについて書かれた記録。後は催事の際に聖別して保管しておいた銀製の弾丸」
銀製の弾丸といえば聖杯戦争開始から七日目の夕方にマリーちゃんと自治区境界線で会った時に拾った物です。やはりシスターフッド所有のもので間違いないようで、また後で効能などを聞いておかなきゃいけませんね。でもとにかくこれで気になりつつも確認しそびれていたことが判明しました。小さな一歩、かもしれませんが間違いなく前進です。それが嬉しくてハナコちゃんとアズサちゃんの顔を見れば、お二人とも嬉しそうに頷いてくれました。 - 1871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:07:25
- 1881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:08:47
それじゃあちょうどいいですし、さっきの余りのお茶菓子をアズサちゃんと食べさせ合いっこしましょうか。
「(な、なぜ?なぜマリーちゃんが?あれほど着るのを嫌がっていたものだったのにあんな必要性と不必要性を限界まで吟味することで弾き出したと言わんばかりのフェティッシュな全身⬛︎⬛︎⬛︎タイツの⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎衣装をハっまさかマリーちゃんは本当は嫌がっていたのではなく恥じらうことに快感を得ていたけれどそれをシスターである己が感じていることをこそ恥じてしまってあの場ではあんな風に言葉を取り繕ったのであってマリーちゃんもまた心身を解放いえ逆に縛り付けることに喜びを感痴態ということだったのでしょうかそんなわけないでしょ!!!!いい加減にしない浦和ハナコ!!!!私の!!!!お友達の!!!!かわいいかわいいマリーちゃんが!!!!そんな!!!!卑猥な!!!!いえマリーちゃんはえっちですからそれはそれで似合いますね禁欲せざる得ないからこそ醸成される性癖はより濃くならないって言ってるでしょ!!!!マリーちゃんは!!!!清楚なんです!!!!解釈違いやめてください!!!!)」
サクラコ様が出してくださったお菓子は美味しいですねアズサちゃん。でも私の指はがじがじしないで良いんですよ。え、なんですか?親指と薬指でクッキーを持って食べさせてほしい、出来れば左手で、ですか?別に大丈夫ですよ、ちょっと待っててくださいね。 - 1891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:09:54
「それもまたマリーの覚悟だったのでしょう。手紙にもあったように、かつてトリニティの安寧を守り抜いた彼女達の意思を継ぐ、新しき───「───サクラコさん」……なんでしょう?ハナコさん」
はい、あーん……ってアズサちゃん。もうっ、また私の薬指がじがじして。いえ、別に痛くはありませんけどちょっと跡みたいになっちゃいますし、それに私の指はお菓子じゃありませんから。
「アレが……“覚悟”なのですか!?」
「あの、破廉恥な衣装が!?」
「アレが本当に!マリーちゃんが誓った願いに対する覚悟なのですか!?」
よく見たらモモトークにコハルちゃんから返信が来てますね。ちょっと前に大聖堂前に着いて今はセイバーさんと一緒に待合室にいるみたいです。お外は暑いですから涼しいところで待っててくれてありがたいですけど、返信きたのは結構前ですね。もしかすると執務室の方に向かってきてくれてるかもしれません。なんとなくそんな“直感”がしますし。
「その……つまり、これから、覚悟をキメたマリーちゃんと対峙するにはあの衣装を私達も着用する必要がある!ということでしょうか!?」
さて、そろそろ会話の方に戻りましょうか。ハナコちゃんが鼻息を荒くしていますけど一体どんな服装なんでしょうか。一応聞くところによるとシスターフッドの前身組織にあたるところでの制服、だという話ですけど。
「え、ええっとハナコちゃん……?あの一体何の話を「もぅっ!なんで誰も返事してくれないのよ!」わっ、コハルちゃん、セイバーさん!」
そう思って声をかけようとしたタイミングで開いた執務室のドアから入ってきたのはぷんぷんしてるコハルちゃんとにこやか、というかなんだかご機嫌のセイバーさんでした。 - 1901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:10:59
「ちょっと!今戻ってるモモトーク送ったのにどうして誰も出てきてくれないのよ!シスターフッドの先輩方が心配して案内し「着るのにかなりの覚悟が必要とされる、鼠蹊部ギリギリラインハイレグレオタードを……!?」そけっ!?!?」
「歩くたびに後ろのか細いラバー部分が食い込んで仕方ないであろう、非合理的な布面積のデザインを……!?」
「ハイレグ!?洗脳!?全頭ラバーにウィンプル!?!?」
すごい聞き捨てならない話になってきたのは分かりますけどこれは私が突っ込んでいっても駄目そうだなと早々にコハルちゃんにお任せすることにして、私はもう一人の方へ振り返りました。
「あ、お帰りなさいセイバーさん。お話どうでしたか?」
「やあ、ただいまヒフミ、アズサ。無事に済んでね、聞いてぜひ喜んで欲しい───僕の指名手配が解除されたんだ」
「……あ」
私はその話を聞いて、そういえばセイバーさんは指名手配されたままだったなぁ、とアズサちゃんにがじがじされながら思い出しました。ちなみに私、というかファウスト関連のはナギサ様が便宜を図ってくれました。ありがたい話です。
「ははは……あ、じゃないよヒフミ。本当に大変だったんだから、ガウェイン好みの美女、確かハスミと言ったかな?彼女が来てくれるまで誤解を受けて一年生の子達に取り囲まれるし」
「つまり下着は───まさか。ああなんということでしょう、それなら確かに物資は少なくてすみます。なにせあの礼装を着用しているならマリーちゃんに下着は必要ありません解釈違いです!!!」
「ノーパンレオタード!?ダメに決まってるでしょ!ちょっとハナコ!なんの話っていうかそんなの一体どこで買っ「ま、待ってください!前の時も話しましたがあれはユスティナ聖徒会よりシスターフッドが受け継いだ歴史ある伝統の礼装」身内ぃぃぃッ!!!」 - 1911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:14:38
と、とりあえずですね。
「……マリーちゃんの覚悟とは、つまりそういうことだったのですね。なら私も友達として応えなくてはいけません」
「何で脱ぐの!?ばか!あほ!ハナコ!!」
「さあヒフミちゃん、コハルちゃんも合流して全ての準備が整いました───この午前中で最後にやるべきことを検討しましょう」
「先に服を着なさいよこのすけべ!変態!バカ!エッチなシスターフッドはダメ!死刑!!!!」
「あはは……それじゃあみなさん揃いましたし「ヒフミ?聞いているかい?ヒフミ」揃い!ました!し!」
セイバーさんの言うことは今はとにかく無視です、無視。あとで時間を作ってゆっくり聞きましょう。
「モモイちゃん達と連絡繋げてこれからの話、しましょうか」
ということになったんです。
【伊落マリーの願いが確認されました】
【→聖杯戦争から友達や大切な人、理不尽に傷つけられる人々を守る】 - 1921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 00:19:37
というお話だったじゃんね☆
コハルちゃん達とも合流していよいよ明日からはナギミカ茶んのお見舞い&個人面談タイムじゃんね☆ 途中でファンブった気がしたけどまあなんとかするじゃんね☆
そんなに本編にはがっつり影響しない範囲の話じゃんね☆
ようやくユスティナ礼装の件をお披露目できて満足じゃんね☆ランサーをレオニダス一世に割り当てた時から決めてたから大満足じゃんね☆
初期に想定してたランサー組とはサーヴァントも方向性も変わったけどまあよしじゃんね☆
それでは今日も読んでくださってありがとうございました!明日は19:30頃から日付変わるぐらいまでぼちぼち書いたり安価したりするじゃんね☆
ではではみなさんお休みなさい……じゃんね☆ - 193二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 01:46:48
お疲れ様です
覚悟のこと角度っていうのやめろよ!(定期) - 194二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 04:25:14
クリティカル2回の後ファンブルっていうのはなかなか極端な結果になったな
- 1951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 08:11:29
- 196二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 10:54:08
セイバーとは何話すんだろうか
- 197二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:26:55
聖剣は13拘束がある以上、ここでもフル威力出せないだろうからその分やっぱり絆で威力を底上げしたいよなとも思う
- 1981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 19:57:59
- 1991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 19:59:09
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・大聖堂前】
【モモイ、ミドリ、キャスター→トリニティ某所に入院している患者のお見舞い】
【ウイ→古書館で調査】
【ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハル、セイバー→ナギサのお見舞い】
【Recommend BGM……Mischievous Step】
一度サクラコ様にご挨拶をしてから大聖堂を後にした私達は待合室で通話会議をしていました。
『おっけーおっけー!それじゃあ私達がお見舞い担当ね!』
『私はそのまま資料を集めておきますので。外のことはお任せしました』
『お留守番チームも了解しました。み、みなさん!……おき、お気をつけて……!』
サクラコ様のご好意と言いますか配慮のおかげで人払いは万全の状態でここまでの情報をモモイちゃん達とリオ会長達お留守番チームとで共有出来たのは幸いでした。
『それでサクラコ先輩だっけ?新しい仲間が増えてこっちとしてもありがたいねー!』
「はい!ひとまずの合流はまだ先、というかその前に午前中のうちに色々とやる事があるそうで……でも、サクラコ様ならきっと力になってくださいますよ!」
『謎めいたシスター集団のトップ……うーん、流石トリニティ。お嬢様学校なだけあってキャラクターも設定も濃い……』
「あはは……まあ、人も多いですしそれなりに長い歴史の学校ですので」
『それなりなんて事はないわ、ヒフミさん。認識は正しく共有した方がいいでしょう。いいかしら、トリニティの創立は我々ミレニアムが把握す「うわーん、リ゛オ゛か゛い゛ち゛ょ゛お゛ぉぉ!このつまんない書類仕事いつまでやればいいんですかー!」……コユキ、貴女は出来る子よ。そのユウカとノアが担当していた書類は任せるわ「お゛に゛ぃぃぃぃ!」』
「あはは……」 - 2001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:13:06
リオ会長は変わらずセミナーの方に戻ってユウカちゃん達が治療で抜けた穴を埋めるべく、陣頭指揮をコユキちゃんという子と一緒にされておられます。暫くは拠点からアバンギャルド君さん経由でお話しする、というのもなさそうですね。
「そういえばアリスちゃんとミノリさんの方はどうでしょうか?」
『アリスなら既に空路でゲヘナへ向かっているよ。それでミノリの方は……』
続いて溶接機片手に雷ちゃんのサブアームでハンズフリー通話をしているウタハ先輩から教えてもらったのは私達に先んじてゲヘナへ向かった先遣チームのお三方について。そのうちアリスちゃんはミレニアム保有の大型ヘリで空から、そして。
『そうだね、うん。同じように空路でゲヘナへ向かっているよ』
ミノリさんは、残っていた三画のうち一画分の令呪を使ってスパルタクスさんを強化、そのままジェット噴射の要領で魔力を放出してゲヘナへ向かわれました。はい、そうです。飛んでいくスパルタクスさんに抱えられて、です。
「あはは……大変ですね、ミノリさん」
「ちなみにだけど。やろうと思えば僕も出来るんだよ?ヒフミ」
「あぅ……や、やだなぁ、セイバーさん!こんな移動方法なんて滅多矢鱈にするわけないじゃないですかぁ」
「ははは……ソウダネ」
「あはは……ソウデスヨー」
絶対にやめてほしいです。今日はもうパラシュートなしフリーフォールでお腹いっぱいなんですから。これ以上はご勘弁ってところです。
「さて、話はまとまりましたね?それではみなさんそれぞれ動きだすとしましょうか。私達補習授業部はティーパーティ現ホストであり昨晩の襲撃で負傷した桐藤ナギサのお見舞い兼情報収集へ」
ハナコちゃんのまとめが入った所で電話会議もそろそろおしまい。時計はまだまだ午前中の時間がある、と教えてくれていますけどそれでもちょっとでも早く動くに越したことはありませんからね。
そんなわけでハナコちゃんのまとめを引き継ぐ形でモモイちゃんも話を始めてくれたんですが。 - 2011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:15:00
『私とミドリはこのままナツって子の所に行ってくるよ。この前のナースさんには連絡しておいてくれてあるんだ『はい、いつでもご案内できますよ』だ、誰っ!?なに、なになになに!?』
モモイちゃんのいる背景的に多分古書館なんでしょうけど、なんだか見覚えのある撫子色の髪と一房の羽がモモイちゃんの後ろから声をかけておられました。
『モモイよ、慌ただしきモモイよ。落ち着け。ただの客人、いや案内人である。すまないが世話になるぞ、セリナよ』
『セリナちゃん、急なお願いなのに来てくれてありがとう』
『はい、キャスターさん。いいえ、ミドリちゃん。全然お気になさらずです、こちらこそよろしくお願いしますね!』
『ねぇ!待って!?なんでキャスターもミドリもわりとナチュラルに受け入れてるの!?さっきまでいなかったって!セリナいなかったよね!?ね、ウイ先ぱっていない!?逃げた!?あっ、ちょっと!ねぇ!ねぇってば!ちょっと和気藹々として私一人置いてかないでよぉ!』
ナツちゃんの所へはセリナちゃん経由で案内していただけることになっています。一応、私からもアイリちゃんにモモトークをしていますが返事はdice1d7=1 (1) (1.あった、2.あったけど……、3.なかった、4.あった、5.クリティカル、6.ふぁんぶる、7.なかったけど……)。
『……はぁ、騒がしい。おまけにこれでシスターフッドの歌住サクラコまで?……勘弁して、本当に』
もそり、と音がついてきそう動きでゆっくりと物陰になっている棚の方から出てこられたのはウイさん。どうやら今さっき出て行かれたモモイちゃん達の元気な声から避難しておられたようです。
「そんなウイさんはこのまま資料集めを、ですね?」
『そっ。ある程度、今後を見据えた分も含めて持っていける資料をまとめてたけど……』
「助かるよ、ウイ。無理を言ってすまないね」
セイバーさんが言うようにウイさんには今回かなりの量の文献に当たってもらっています。さっきまでした情報共有の際に聞いた限り、今の所の進捗は大体dice1d100=16 (16) %だそうです(50%以下の場合、古関ウイは午後の行動に影響が出る場合があります)。
- 2021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:26:23
『……別に。これぐらいのことは司書としての仕事ですから。ただ、うちの子達はそもそも古書館や博物館で保管する事が前提の処置を受けている子が多いの。幸いミドリさんと……モモイが契約してるサーヴァントの方の協力があってデータ化したりしてなんとか準備は進めてるけど……』
「ふふっ♡まあまあ、ウイさん♡そんな疲れた喘ぎ声出さないで下さい♡」
『喘いでないでしょ耳糞でも詰まってるんですかおバカ』
あ、えっと……あえ……うぅ。その!そういう声ではなくてですね、疲れたように溜息を吐かれる古関先輩にハナコちゃんは上機嫌でゆっくり吐息混じりにお名前を告げられました。
「うふふ───ヒ、ナ、タ、さん♡」
花が咲く、とはこういう表現にもなるのかもしれませんね。ハナコちゃんが言われた一言で、古関先輩の反応は見たことないぐらい激変されました。
『へぇあっ!?な、なななななんで今ヒナタさん!?ヒナタさんなんで!?』
「サクラコさんから“又聞き”の伝言ですよ。『ウイさんが前に出て戦っているのなら、私も一緒に』だそうです」
『っ!……そう、ですか……ふへへ……』
初めて見るんじゃってぐらい口元がふやけている古関先輩に、私もアズサちゃんも、あと何故かすごい目をしているコハルちゃん(※死刑かどうか様子を窺っている)もついついじっと見てしまいました。 - 2031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:27:04
『んんっ!……分かりました。大急ぎで資料をまとめる作業に移ります。あーただ、そうですねもし“人員”を寄越せるという事でしたら別に誰とか指定するわけではありませんけど』
「はい♡お楽しみに♡」
『そっ……まあじゃあ、期待してるわ』
それに気づかれたのか咳払いを一つ。それからハナコちゃんと何かお話しされてから古関先輩も通信を切られました。残るのは私達と通信を繋ぎつつ並行して作業を進めてくださっているお留守番メンバーの皆さんです。
「現在トリニティにいるメンバー、それからゲヘナへ向かって出発したメンバーのそれぞれの動きはこんな所か。私達はこのまま午前中のうちに可能な限り情報を集めよう。昨晩の騒動についてだけじゃない、マリョク留まり……だったか?黒服からの依頼についても気になるし」
「そうですね、まずはできる事から。やれる事から始めましょう」
昨晩の襲撃。ナギサ様とミカ様、ツルギ委員長の容態。そして黒服さんから引き受けた依頼について。まだまどトリニティで調べられる内容はありますから、少しでも動かなきゃですね。
「それじゃあ、行くんでしょ?ナギサ様のところに、お見舞い」
「ええ。では皆さん……行きましょうか!」 - 2041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:28:06
- 2051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/29(金) 20:41:53
【皆様】
【こんばんは】
【サポートシステムが起動したことをお知らせします】
【これより】
【行動安価を行います】
【阿慈谷ヒフミ及びセイバーを含めた補習授業部の一同はこれより桐藤ナギサ達トリニティ首脳陣ののお見舞いに向かいます】
【行き先はティーパーティ御用達の医療機関となります】
【以上を踏まえて】
【次の《1》と《2》の行動を】
【するかしないかを決定して下さい】
《1》生徒の持つスマートフォンを
①マナーモードにする
②電源を切る
③何もしない、そのまま
④助けてペロロさま〜(自由記述)
《2》お見舞いの品を
①買う
②買わない
③私がプレゼントです!
④助けてペロロさま〜(自由記述)
【安価先>>212】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 206二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 21:36:43
⦅1⦆についてはアリス撃墜の知らせに関わるんだろうけど①気づくかどうか判定になるけど着信が鳴り響くことによるデメリットを回避できる(そもそも病院だからマナー違反、着信に気づかれるとまずい?) ②気づくのが確定で病院イベント終了後になるから対処が遅れる 逆に言えば病院イベントが中断されない ③確定で一発で気づくが鳴り響いてデメリット発生?病院イベント中断率が高い?
って感じかね
⦅2⦆は買うとなんかメリットがあるんだろうけどそんな時間ねぇよボケと言えばそう
③を選ぶとヒフナギ百合イベントからのヒフアズ修羅場イベントで尺を取られて話が進まなそうなので回避したい - 207二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 21:50:48
《1》いざって時に通信出来ないと困るし①
《2》礼儀を払っておいた方が話を聞きやすそうだし① - 208二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:15:52
両方①がいいだろうか
《2》、時間があるなら③もありだったがもうそれどころではない - 209二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:47:51
両方①かな?
- 210二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 23:01:53
かそく
- 211二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 23:02:12
加速
- 212二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 23:02:28
両方①で
- 2131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 00:32:37
- 2141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 07:52:29
- 215二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 13:01:46
ティーバッグとか?
- 216二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 15:44:13
今日の昼頃に気づいた!リアルタイムするのはこれが初めて!スレ休止期間中に過去のスレ全部見たりしてきて、再会するのをとても楽しみにしてました!内容全部記憶できてるわけではないけど、皆が納得することの出来るハッピーエンドを目指す為に大したことは多分出来ませんが、それでも出来ることがあると信じて、頑張ります!
そしてマリーちゃん何やってんだあぁ!? - 217二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 15:48:11
普通に考えたら果物とかお茶菓子だけど
前回の交流があのヒフナギ回だったり直後に襲撃があったりしたことを考えると「またお茶会しましょうね」で茶葉持ってくとか? - 218二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 18:00:06
- 2191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 19:48:08
なんだかんだでバタバタした土曜日だったじゃんね……明日はゆっくりのんびりいきたいとこじゃんね☆
日持ちするティーバッグは嬉しい一品じゃんね☆
ご新規様じゃんね☆いらっしゃいませ、のんびりゆっくり更新中だけどよかったら遊んでいってくれたら嬉しいです!じゃんね☆
あとあと、スレの方ぜんぶ読んでくれてありがとうございますじゃんね☆消えちゃったりして読みにくい箇所もあるけど、どうしてその展開になったのかとか、みんながどんなふうにアイデアを出してくれたのかも辿れるからスレ読んでくれるの嬉しいですじゃんね☆
マリーちゃんはマリーちゃんなりに色々考えたりしつつ、じゃんね☆
覚悟礼装と舌令呪は……体操服マリーちゃんの絆ストーリーを読んだ上での1の判断じゃんね☆
約束は大切じゃんね☆
次への希望って、入院期間中とか会えない時期は特にそうじゃんね……としみじみ思うじゃんね☆
寂しいって感覚を持って安価に臨んで頂けるのめちゃめちゃ嬉しいですじゃんね☆
そういう事ならちょっと1も考えあるから安価で相談してからにしようかな、じゃんね☆
- 2201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 20:04:59
1じゃんね☆なんかめーちゃめちゃ熱帯夜だけど負けないじゃんね☆
さてお見舞いの品の話じゃんね☆
てけとーに買って持って行った……というか持ってきたか持ってきてないかどうかで作動するギミックがあるだけの話だったけど折角だからヒフミちゃんの方だけ買い物描写入れるのもありかなーって思ってるじゃんね☆
その場合、>>218さんの意見を参考にセイバー&ヒフミちゃんペアでお茶菓子を買いに行くついでに安価案の中にあった『ヒフミたち(ヒフミ・アズサ・セイバー)は裏路地などで情報収集しつつどこかで3人もしくはセイバーとヒフミ、あるいは両方の交流時間を作るが無難かな?』のセイバーとヒフミちゃんの交流時間に当てようかと思ってるじゃんね☆
順番前後するけどセイバー・ヒフミちゃん・アズサちゃんで情報収集もする予定だからそれとはまた別でって感じじゃんね☆
というわけで安価じゃんね☆
以下の選択肢から一つ選んでくださいな!じゃんね☆
①お茶菓子を買いに行くついでにセイバーとの交流イベントする
②地の文でさらっと流してお見舞いイベントに行く
③助けてペロロさま〜(その他補足等あれば自由記述)
安価先>>227じゃんね☆
ちなみにこれやってる30分後にはアリスちゃん撃墜されるんじゃないの?って気になってる人もいると思うけど……うんまあ大丈夫じゃんね☆
めーちゃくちゃ無理くりだけど時間確保したからみんな気にしないで自由に選択してもらって大丈夫じゃんね☆
- 221二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:24:42
どのみちあとでやるイベントだし前倒ししても問題ないかな
①で - 222二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:25:21
まあ①で問題ないかな
- 223二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:33:40
①かなぁ
- 224二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:35:13
かそく
- 225二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:35:57
加速
- 226二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:36:10
ksk
- 227二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 20:36:28
①で
- 2281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 20:41:32
- 2291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 21:42:45
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……Daily Routine 247】
行きには持ってなかった大きなスーツケース、というかちょっとした小さなコンテナを抱えたコハルちゃんとセイバーさんが戻られてからの話です。
モモイちゃん達との電話会議も終わったところで私達はナギサ様達のところへお見舞いに向かおうと思ったのですが。
『折角ですからお見舞いの品も持っていって差し上げましょうか?きっと“色々と”心労もあるでしょうから……ね?』
というハナコちゃんの提案から行きがてらお土産を見繕う事にしました。勿論、ナギサ様達が入院されているような場所です。下手な物は勿論ですけど、そもそもお見舞いの品なんて渡しても検問で……ということも十分に考えられたのですが。
『いえ、ヒフミちゃんなら多分顔パスだと思いますよ。ですよね?セイアちゃん』
『平時ならね。まあ今回に限っては私の方で手続きを処理しておこう。ああ、感謝は結構だよ。七施を労うというのなら甘味とカフェインを頼むよ。思惟が朝靄に煙れてから晴れる気配がなくてね』
と通話越しにセイア様からも二つ返事で、いえ二つ返事と言っていいかは疑問ですけどとにかく、オッケーが頂けたので日持ちするお見舞いの品を用意することにしたんです。
「それじゃあ私はコハルとハナコの護衛も兼ねてこっちのチームで目標を確保してくる」
「はい!アズサちゃん、ハナコちゃん、コハルちゃん!よろしくお願いします!」
一つは茶葉。紅茶にするかそれともハーブティーにするか、なんだったらフルーツティーなんていうのもいいかもしれません。入院中だけじゃなくて退院してからも日持ちする物が望ましいでしょう。
もう一つはお茶菓子。聞けば退院も近いということで食事の制限はないようです。ただ病院内だと買えるスイーツにも限界がありますからね。流石に生ものは食中毒だったりのリスク管理の面から無理でしょうけど、それでもなるべく美味しくて病院だと入手し辛い物を選びたい気持ちはあります。
そんなわけで、時間もありませんから今回は二チームに分かれての行動。
アズサちゃん達三人は大通りで茶葉を探しつつ、人の集まりそうな場所の下見をしてきてくれるとのことです。
そして私とセイバーさんは。 - 2301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 22:10:41
「ええ、日中ですし何より街中。危険は恐らくないと思いますがヒフミちゃん達もくれぐれもお気をつけて」
「ああ、ヒフミのことは無駄遣いをしないようにしっかりと見張っておくさ」
「そんな話はしてないじゃないですかぁ!もうっ!」
二人でお茶菓子の方を探しに行くことになりました。
「日持ちしなくてもいいのなら今ちょうど百夜堂のアンテナショップも来てますから、そちらも候補になったんですけどね……」
「あー、例の新商品でしょ?百鬼夜行でお試しで売った時はかなり売れ行き良かったって……モモスタに書いてあったっけ」
コハルちゃんの言うように百夜堂が特別出張という形でトリニティに売りに来ているのは水饅頭を筆頭に見た目も涼やかな生菓子の新商品です。本店の方でしたら半生菓子や干菓子も種類を置いてるんですが、今回の出張店舗は屋台形式。ちょっと買っていくのは難しいというのが残念ですけど本音です。
それはそれとして、ですよ。
「コハルちゃん……」
「な、なによ!」
ハナコちゃんがまるで雷にでも打たれたような顔をして座り込んでしまいました。ああ、みなさんの注目がと思わないでもないですが、正直気持ちは分かります。何せ、コハルちゃんの口からモモスタなんて単語が出たんですから。
「コハルちゃんがモモスタなんて不埒なSNSを……!ああ、なんてことでしょう!このままコハルちゃんがモモスタで承認欲求を満たす過程の中でほいほい乗せられてあれよあれよという間にまずはオフショルダーをずらし始めて育ち始めた⬛︎⬛︎の膨らみを見せたかと思えばよいしょされて次は⬛︎⬛︎まで、そうしたら絆創膏を「ひ、昼間っから何言ってるのよ!このバカ!変態!さいてー!死刑!」うっ……」
いえ別にモモスタはそんな不埒なSNSってわけじゃないんですけどね。ただコハルちゃんからその手のSNSの話題とかって全然出ませんからてっきり興味がないのか、あまり得意じゃないのかなぁなんて思っていました。ただされていたのなら話は早いです。
「あはは……でもコハルちゃんモモスタしてたんですね?てっきりあんまりSNSはされないのかと……あ、拠点に戻ったらアカウント教えてくださ「嫌よ、絶対に嫌」あぅぅ……なんでですかぁ」 - 2311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 22:14:35
どうせだったらフレンドになって一緒に写真とか共有したりいいねし合ったりしたかったのですが、断れちゃいました。残念ですが今回は諦めておきましょう。
「セイバーはモモスタやモモッターはしないのか?」
「僕はそもそも携帯電話を持ってないからね」
「そうか、なら今度ヒフミと一緒に買いに行くといい。モモッターはいいぞ、たくさんモモフレンズ好きの人がいる。でもヒフミが中々ふぃるたりんぐ?とかいうのを外してくれないからちょっと調べられないこともある」
「そうなのかい?じゃあ僕のを買ってもらう時に一緒に相談してみようか。ほら、同じタイミングなら言いやすいかもしれないしね」
「本当か!ありがとうセイバー!」
それに後ろからとんでもない会話が聞こえてきましたからね。コハルちゃんのアカウントの話はまた帰ってからゆっくりミレニアムの人たちも交えて話せばいいですし。
「……ヒフミちゃん」
「はい、ハナコちゃん。絶対に外しませんしセイバーさんにはお説教しておきます」
「よろしくお願いします」
「……あんた達なんでアズサのスマホに勝手にフィルタリングしてるのよ……」
そんなことは決まっています。まだまだあまりSNS慣れしていないアズサちゃんの健全な育成にフィルタリングは必要ですからね。ご自分で判断できるぐらい使い慣れるまではもう暫くつけておこう、というのがセイバーさんと会う前に起こったアカウント乗っ取り事件で被害を受けかけた時に出た私達の結論なんです。 - 2321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 22:33:06
三人と一度別れた私達が歩くのは大通りを一つ外れたところにあるマーケット。
石造りの店舗を眺めつつ、なるべく日持ちしそうなお菓子を探していきます。
「そういえばセイバーさん、今日は霊た……ええっと、隠れてコソコソしないんですか?」
「ははは……なんだか棘が見え隠れするなぁ」
「あはは……気のせいですよぉ」
すぐに買い食いとか無駄遣いとかお小言を仰るセイバーさんにはこれぐらいでちょうど良いんです。ただ実際のところ珍しい様子なのは間違いありません。勿論昨日の騒ぎも含めて連日の休講の影響もあります。人通りはいつもよりぐっと少ないですし、開いていないお店もちらほら見えます。とはいえ霊体化されずにセイバーさんがこうやってトリニティの街を出歩いておられる、というのを見るとなんだか不思議な気持ちになります。
「まあ大手を振って出られるようになったのと、それからまたヒビキが服を用意してくれたからね。君と二人で歩くという折角の機会なら、袖を通す理由には十分じゃないかな?」
そうやって言う彼の服装はパロットグリーンのジャケットに白いシャツと青いストライプのネクタイが眩しいスリーピースです。
「よく似合ってますよ、セイバーさん」
『(よくお似合いですよ、アーサーさん)』
セイバーさんというと鎧の印象もあってでしょうか、蒼とか銀色が私の中では彼の色という感じでしたけど流石はヒビキちゃん。こういう落ち着いた色合いもよくお似合いでした。 - 2331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 22:39:16
「これはこれは。お褒め頂きありがたい限りです、レディ」
『(いつの間にか念話も上手くなったものだね)』
口で話すのと同時に念話で少し内容を変えてお伝えする、なんていうのにもすっかり慣れてきました。これなら押し黙って念話に集中して周りの人に訝しまれたりしなくて済みますからね。継続はなんとやら、何事も慣れというのは大事です。
「さて買う物を決めるとしたいところだけど、どうしようか。本来ならエスコートを、と言いたいところだけど僕はこの手のにあまり詳しくないし土地勘もない。悪いけれど」
「はい!あんまりゆっくりとは出来ませんけど折角なので」
勿論午後のことを考えたら早くナギサに会いに行ってとか、そもそも心配だからという気持ちがないわけでは決してありません。ただ、いつまでも暗い顔して不安がったりこわがったり、それこそ見えない敵に怒りを燃やしたりするには私の心は多分そこまで強くありません。必要な時に戦えるように。やるべき時に私に出来ることを全力で頑張れるように。
「───色々ご案内しますね!セイバーさん!」
今は少しだけ肩の力を抜いて、セイバーさんに私の大好きなトリニティをご紹介するのを楽しむことにしたんです。 - 2341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/30(土) 22:39:41
【行動安価です】
【以下の選択肢からヒフミの行動を選択してください】
①すぐ近くにある店に入る(dice1d100=98 (98) )
②セイバーと話をする(希望される話題があれば併記願います)
③カフェ街通りを観光しつつそのまま進む
④助けてペロロさま〜(自由記述)
【今回の行動安価は合計で3回行われます】
【3回以内に店舗に入ってお土産を購入して下さい】
【その際、選択肢にある店舗の横に書かれたダイス目は以下のリストにあるようなお店だとお考えください】
【また】
【お見舞いの品の購入時に追加で特典アイテムが手に入ることが稀にあります】
【ご期待下さいませ】
【安価先>>241】
【それでは皆様】
【よき安価を】
1〜10:クリティカル
11〜20:蜘蛛の巣の張った謎のお店
21〜50:小洒落た喫茶店
51〜70:老舗の洋菓子店
71〜90:人気のケーキ屋さん
91〜99:モモフレンズ専門店
100:ふぁんぶる
- 235二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 22:44:50
これヒフミなら①か……?
交流イベだから②がよさそうだけど - 236二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:04:08
せっかくの交流の機会だし②を選びたいな
それはそうと「11〜20:蜘蛛の巣の張った謎のお店」は何かありそうだな - 237二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:22:55
ここでモモフレンズグッズ買ってったらちょっと面白いけど、さすがに②かな
絆レベル上げていきたいけど何話そう?
過去の聖杯戦争のこととか聞いてみる? - 238二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:29:42
②で
- 239二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:58:21
- 240二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:59:57
とは言え、いつかセイバーの聖杯戦争事情語る機会は夢しかないだろうし②聞いたら?
- 241二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 01:02:31
②セイバーと話をする。内容(セイバーが過去に経験した聖杯戦争、並びに当時のマスターについて)
- 2421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/31(日) 02:34:40
- 243二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 09:04:24
了解です
- 2441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/31(日) 15:09:07
- 2451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/31(日) 15:09:30
つくづく降ってこない日じゃんね……
- 246二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 15:16:50
気長に待ちます
- 247二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 20:56:25
どうしても無理なら明日でもええんやで。無理して体壊したりしたら本末転倒や。
- 2481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/08/31(日) 22:33:01
粘ったけど今一ついい感じのが思いつかずで体力切れちゃったじゃんね……話題自体は1としても話しておきたかったことなんだけど着地点が難しくて……ちょっと明日のお昼に何時からやるかはアナウンスするじゃんね☆
まだ思いつかなかったら?その時はもうアリスちゃんの話(残り二話)を進めるかコハ・ハナ・アズサチームの話やってなんかいい拾い物するか、はたまたドキドキ姉妹限界修羅場をやるじゃんね☆
というわけで今日はごめんなさい……明日は頑張りますじゃんね……
ありがとじゃんね☆
キリンさんにさせちゃってごめんなさいじゃんね……
ありがとじゃんね☆
思いの外体力のなさとブランクが露呈して情けないとこじゃんね……
明日はその分頑張っていくじゃんね☆
- 249二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 06:12:44
頑張ってください
- 250名無しのリハビリ25/09/01(月) 07:25:20
- 251二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 13:16:19
何気に他の聖杯戦争事情話すのは初かも?(バベッジで平安京の話が出たけどあれは独白だし)
- 2521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 19:31:40
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……Daily Routine 247】
『僕は、セイバー。きみを守る───サーヴァントだ』
お話の終わりと始まりは、その言葉からでした。小さな小さな破片を寄り集めて編まれたお話。セイバーさんの口からゆっくりと語られた遥か遠い宙の下で行われた聖杯戦争の話でした。
さめざめと泣く、とはこの事でしょう。
空はこんなに晴れているのに私の頬には雨が伝っていました。
「うぅ……ど、どうしてぇ……」
セイバーさんに手を引かれて歩くのも気にならないぐらいのショックさ。きっとノゾミさんなら『私はショッキングです……』と落ち込まれてしまうぐらいな感じです。これもどれも、私の手を引いて歩きつつ露天やショーウィンドウを眺めている意地悪さんのせいです。
「はいはい、モモフレンズはまた今度。今日はナギサのお見舞い用の物を買うんだろう?」
モモフレンズ専門店、通称フレンズショップ。そちらへセイバーさんを意気揚々とご案内して差し上げるつもりが何故か『買わない、いらない、拠点にも同じのあるだろう?ほら早く行くよ』と若干呆れた顔で手を引っ張られて軌道修正されてしまったんです。こんな、こんな酷い事が許されるんでしょうか。折角私がエスコート役する予定だったのに。
「そんなぁ……ナギサ様のところには“セイバーさんと二人で午後”から行くんですからちょっと覗くぐらいぃ……それにフレンズショップ限定のお菓子だってありますし……!」
大きな声は出してませんけど、一応念の為にブラフを張っておくのは大事ですからね。ショックなのは本当ですけど、だからと言って拠点の外で完全に気を抜けられるほど私ものんびり屋さんじゃありませんから。セイバーさんもそこら辺は察してくださってるようで、二重の意味で肩をすくめつつからかい混じりの目線を向けてこられました。
「別に僕はそれでも構わないと思うけど、本当に大丈夫なのかい?ほら、ナギサの感じだと」
「ナギササマナラキットヨロコンデクレマス」
「心にもない事を言うのはどの口かな?」
「ふぁ!ひふぉいへふ!ふぁたほうひゃっへ!ほっへほひひゃったらほうふるんへふは!」
「ははは……もう十分に伸びるようだから気にしたって仕方ないさ」 - 2531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 19:37:18
そんな話をしつつカフェ街を歩く中、私はいつもよりやっぱり控えめな街の喧騒に紛れるようにして気になっている事を念話越しに口にしました。
『(ところで、アーサーさん。ちょっとご質問が)』
『(おや、そちらで呼ばれるとは?何かなレディ、どうやら込み入った話のようだけど)』
『(あはは……ご明察、でいいんですかね?実はそのぉ……)』
少しばかり躊躇いがちになってしまったのは、何も具体的な理由があったわけじゃないんです。彼の真名を知りました。彼の過去を垣間見ました。彼の口からたくさんのことを教わりました。
もちろん私達の間にはまだまだ知らないことがたくさんあるけれど、だからと言ってそれでおしまいというわけじゃない。知らないからこそ知っていける、彼の色んな一面をこれから見ていく、彼が駆け抜けてきた時間に触れていける、そう思っています。
『(聞きたいんです、アーサーさんが参加されていた前の聖杯戦争について)』
だから、これは本当にささやかな心のしこり。仲良くなって、親しくなって、大切な人だと思うからこそ。この人が私“達”の知らない誰かへ向ける温かくて切なくなるような気持ちを聞く度に小さな寂しさを感じるから。ですから本当になんとなく、聞き辛かったけど聞きたかったから躊躇いがちになった、それだけなんです。
とはいえ一応もっともらしい理由もあります。
『(僕が参加した聖杯戦争について?)』
『(はい。ええっとほら……今朝のスパルタクスさんの話を伺った時に思ったんです。私もちゃんと聞いておいた方がいいかなぁって)』
『(ははは……確かにね、類稀な相性の良さを見せる二人にしては珍しい齟齬だったとも)』
彼の言う通りスパルタクスさんとミノリさんのお話は、珍しいすれ違いでついつい笑ってしまいました。けど、一方で聞いておいた方がいいという気持ちが大きくなったきっかけとなる一件だったのも間違いありませんから。 - 2541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 19:51:45
『(さて、どこから話したものか……僕が参加した聖杯戦争は複数回ある、という話をしたのは覚えているかい?)』
『(はい、これまで何回か参加して……聖杯戦争に参加したりしながら旅をして……)』
『(そう、悪しき獣を討つ為に剣を振るい足を運び続けてきた)』
───悪しき、獣。
その言葉を聞いた時、背筋に奔った“直感”は警鐘を鳴らしてくれました。
“気をつけろ”“耳を欹てろ”“決して違えるな”、と。
私に向かって教えてくれている気がしたんです。
『(もっとも、元々はこんな予定ではなかったのだけれどね)』
『(っと、そうなんですか?)』
『(ああ、二度の聖杯戦争を終えて騎士としての役目を果たした身だからね。そのままアヴァロン……そうだな、楽園と呼ばれる場所へ至る筈だった)』
『(それって古書館で読んだアルスル物語の……)』
つい、“直感”に気を取られてしまいましたが、セイバーさんのお話には聞き覚えがありました。アサシンさんの真名探しをした時に古書館でアズサちゃんが手に取って一緒に読んだ御伽話。
『(そう、アルスル、或いはアルトゥールス。国や地域、そして時代を越えて語られた、いずれも僕を指す名前だ。このキヴォトスに辛うじて遺されていたアルスル物語は僕の世界でいうアーサー王物語、というわけだね。まあ後者の呼び名に関してはあまり良い思い出がないけれど)』
アーサーさんの真名なんてものを全く知らなかったあの頃にたまたま手に取った『アルスル物語』が、彼の真名そのものを指す最大のヒントだったなんて。もしあの頃の私に教えてあげたのなら、きっと腰を抜かして驚くことでしょう。
ですが、それ以上に。
『(話を戻そうか。君が読んだアルスル物語に書かれた結末は正しくアーサー王伝説と呼ばれる英雄譚の終わりであり、僕の生涯の最後そのものだ)』
アズサちゃんと一緒にあの時間で結末まで読んでしまっていたから、私は驚くよりも先に納得と言いようのない痛みに襲われていたかもしれません。
『(ブリテン島を治めるアーサー王と円卓の騎士達が描かれた物語における正真正銘の幕引き。僕という存在はカムランの丘で深傷を負った後に、楽園の妖精に看取られて湖より楽園へと見送られ……然るのちにブリテンは滅びる)』 - 255二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:01:57
このレスは削除されています
- 2561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 20:03:30
大好きな場所を守る為に、たくさんの人を助けて、たくさんの戦場で戦って、その最後に裏切られて死んだのだと。そんな悲しいお話を読んだ直後に、当の本人は隣にいますと言われたらどうなってしまうかなんて分かりませんからね。
『(神代の色濃き時代はアーサー王の死によって終わりを告げる。それが汎人類史、いや、人理に刻まれた変えようのない結末……なんだけどね)』
まあそんな私の気持ちを知ってか知らずか、彼はあまり気にした素ぶりも見せないまま肩を竦めて苦笑いを浮かべました。
『(彼女はそれを許してくれなくてね。そのまま獣を狩り終えるまで還ってくるなと叩き出されたというわけさ。我がことながら中々に不憫な話だよ、まったく)』
穏やかな旅の終わりはまだ遠そうだと疲れた溜め息を吐くアーサーさんはちょっとおじさんっぽいです。ですが今はアーサーさんに対する感想は一先ず置いておいて、先ほど気になった単語について聞いておかなきゃと思ったんです。
『(アーサーさん。ちょっと気になったんですけど、その“獣”っていうのはなんなんですか?)』
『(……この話を直接口に出すのではなく念話ですることになったのは、偶然とはいえ僥倖だったよ。相手を見る、名を口に出す。要するに相手を認識するとかかる呪いというのは、いつの世にも存在するからね)』
暫く念話の反応がないまま隣を歩く彼はほんの少し瞠目していて、それからゆっくりと言葉を選ぶようにして念話が届きました。
『(アーサーさん?)』
『(少し長くなるから掻い摘んで断片的に語るけれど構わないかい?)』
『(え、ええ……それは勿論ですけど……)』
元々アーサーさんほどの人にマーリンさんがお願いするほどの事案です。ましてやアーサーの話から察するに、そもそも声に出すのもあまり良くない話題なのかもしれません。だからその悪しき獣、というのはよほどの存在なのはなんとなくですけど察しました。ただどの程度の脅威なのかなんていうのはさっぱりです。
『(ありがとう、ヒフミ。それなら最初の疑問も含めて答えるとしようか)』
『(最初の疑問?)』
だから黙ってアーサーさんの話を聞くことにしました。悪しき獣とアーサーさんの因縁の始まり。
『(ああ、全ての始まり───あの東京で行われた聖杯戦争についてを)』
蒼銀の騎士が愛する人と手を取って日常を勝ち取った、そんなお話を。 - 2571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 20:23:46
───トウキョウ。
アーサーさんが初めて聖杯戦争で召喚された土地。たくさんの人と建ち並ぶビル群で夜でも明るい、そんな大都会で第一次聖杯戦争と第二次聖杯戦争は行われた。
『(そうして僕と綾香は嘗てのマスターを討つ事で、世界に生まれ落ちようとした悪しき獣を)』
東方の大英雄、神代の戦乙女、熱砂の太陽王、元素使いの賢者、静謐なる毒の娘、善悪の彼岸に立つ者。黄金の英雄王、光の御子、怪物狩りの大英雄、神代最高の魔女、極東の魔剣使い、狂える巨雄。
『(───ビーストを討伐したんだ)』
トウキョウに集ったサーヴァントの方々はセイバーさんから見ても一騎当千、誰も彼も恐ろしく強かったそうです。
『彼方の、いやこの地からすればそれこそ異邦の1991年と1999年』
そんな彼らを召喚して願いを叶える為に戦ったマスターさん達との戦いは恐ろしく困難を極めて、ですがその果てに。
『一度ならず二度までも終末を迎えんとしたあの世界において僕は王ではなくたった一人の貴婦人を守る為の騎士として戦い抜き、東京の地下に張り巡らされた廃棄孔───地下大聖杯を完膚なきまでに破砕した』
トウキョウという都市部の地下にあった数百メートルの孔、地下大聖杯から顕れたビーストという存在を斃したのだという。 - 2581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 20:37:21
『(だからアーチャーとはそれこそ長い付き合いになるね、何せこれで彼と同じ戦場で相見えるのは三度、いや四度目かな。ただ、思うところはないよ。何せ、嘗て退去する寸前だった僕の霊基を押し留めて綾香を守る為の右手を維持してくれたのも、彼だからね)』
その時のマスターが沙条アヤカさん。先代のマスターで、アーサーさんが言うには『僕の口から彼女のした事と彼女の赤心を語るのは難しい』と仰られた方が召喚したビーストは、アヤカさんや他のサーヴァントの方達と一緒に倒したのだとか。
その一度目の時に助けてくれたのが、アーチャーさんだそうです。
『(さて、これで僕の話はおしまいかな。はぐらかした箇所は一つか二つあるけれど、基本的には全て伝えられる事は伝えた筈だよ)』
アーサーさんのそう言う顔はどことなく寂しそうで憂いのようなものを帯びておられました。けれど同時に、胸を張って誇るような輝かしい思い出を語られ終えた時のように晴れやかでもありました。
その顔を見て、やっぱり私はなんだか寂しくて、けど考えも纏まらなくて、結局念話どころか直接言葉に出す事も何も出来ませんでした。
第一、教えて頂いた話のスケールが大きかった、というのもあります。世界が滅びる、とかだけじゃなくて千年以上前の過去を破壊してアーサーさんが生きた時代をやり直そうとする、だなんて。今で精一杯の私にはもう何が何だかというところです。
『(……無理に何か言わなくても構わないよ。こんな話を聞かされたんだ、整理するのだって時間がかかるだろう)』
私がアーサーに何も言えないでいると、彼は苦笑しつつ念話でそう告げてくれました。無理をしなくていい、と言われましたからそれならと私も納得して。
「(私は彼に何を言うべきなんだろう)」
何か、何か彼に伝え気持ちがある気がしました。
それは滅茶苦茶で支離滅裂な、暴れるような纏まってない気持ちの羅列かもしれません。
だけど、長い間戦い続けて、悪いビーストさんを倒そうと必死にあてもなく旅を続ける彼に。
何か、何か言いたいと。
私は思ったんです。 - 2591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/01(月) 20:48:34
えー、めーちゃくちゃざっくりした説明をするじゃんね☆
セイバーは第一次聖杯から(蒼銀のフラグメンツ)、第二次聖杯戦争(prototype本編)、そしてビーストⅥ/Sとの決戦(アーケード時空)までの戦いをざっくりヒフミちゃんに話して『自分は元々マスターが召喚しちゃったビースト退治したり元マスターに大切な事(蒼銀五巻参照1はあのシーン本当に好き)を教わって答えを得たりして騎士として最後までやり切ったと思ったら面のイイ女に頼まれてもう一回獣退治の旅をしてるよー』っていうのを共有きたじゃんね☆
という前提を踏まえた上で行動安価じゃんね☆
以下の選択肢から一つ選んでくださいなじゃんね☆
【行動案:セイバーに何か言いますか?】
①言う(内容は自由、質問でも労いでもざっくり抽象的な指定でもオッケー)
②何も言わないまま黙っている
①はともかく②でも1としてはバッドコミュニケーションとかには絶対にしないじゃんね☆
あくまでロールプレイ感覚で好きな方、ヒフミちゃんだったらこっちがいいなぁってのを選んでくれたらオッケーじゃんね☆
安価先は>>266
ではでは安価よろしくお願いします、じゃんね☆
- 260二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:29:24
①がいい気がする
労いと共に改めて頼りにしてる旨を伝えるとか? - 261二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:31:03
「こんなことを言うのは傲慢かもしれないけどいつか旅が終わることを願っている」みたいなことを言った方がいいのか
下手な労いや慰めは違う気もするけどどうなんだろう
情報を得るなら「じゃあアーサーさんが来たってことはキヴォトスにもそのビーストがいるってことなんですか?」って聞くとかかな
ちょっとネガティブになるし乗り越えた話蒸し返すのもなんだけど「解っていましたがやっぱり向こうの世界で行われる聖杯戦争は殺し合いなんですね」「私たちが誰も死なせたくないって言うのはやっぱり甘い考えなんでしょうか」って聞くのは見てみたい
直感発動で「今の話に出てきたビーストⅥって聖杯のセイバーに似てませんか?」って気づくのもありかな - 262二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:15:14
もし、ビーストがこの世界にいたとして、ビーストを倒すことが出来るが聖杯戦争は続くのと、ビーストは逃すけどこの聖杯戦争は終わるかの二択を突きつけられたらセイバーはどちらを選ぶのかとか?
多分そこで相違が出たらまずいことになるしはっきりさせときたい気持ちはある
後自分が暴走したら止めてほしいって言うとかかな? - 263二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 00:39:12
- 264二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 05:30:41
- 265二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 05:31:05
かそく
- 266二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 05:31:22
- 2671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 07:03:19
- 268二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 10:32:33
まあ流石に愛歌レベルの惨事がこの聖杯戦争で起きるとは思いたくないけど
愛歌本人がこっち来るとか起きたら分からないが
ヒフミに何かしらの形で愛歌が接触してくる可能性はあるのかな?
後もうそのルートに行くことはなくなったけど場合によってはこうなっていたかもしれないって感じのifルートとかは気になるな - 269二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 10:40:32
黒服との話し合いの時もそうだけど出てきた安価案全部盛りは話が長くなるしスレ主がまとめるの大変でパンクしかねないんだからやめたほうがいいんじゃないかな
前回止まったのその辺の負担もあるんだろうし
あとセルフギアススクロールもそうだけど刺してでも止めろとかいうほど覚悟ガンギマリじゃないと思うんだ - 270二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 10:50:37
流石に黒服の話し合いレベルの量ならともかく
このぐらいなら大丈夫じゃないかな?
まあただスレ主さんに無理をしてほしくないのは確かだから必要に応じて数を制限するとかの対応をしてもらった方がいいかもだけど - 271二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 10:58:29
このレスは削除されています
- 272二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 10:59:05
流石に自己強制証明を今のヒフミはそう簡単に使うことはないだろうけど、万が一なんらかの理由で未来のヒフミが聖杯使ってやばいことしようとしてたら今のヒフミは何がなんでも止めてほしいだろうと思うけどな
そりゃヒフミだって死にたくはないだろうけど未来の自分自身が大量に犠牲者出すようなことをしようとしているなら話は変わってくるだろうし
もちろん自分の命も助かるなら助けてほしいだろうけど倒して止める以外ないってなら話は変わるだろうと思うから - 2731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 11:32:01
1じゃんね☆ちょっと大事なお話するから真面目口調になるじゃんね☆
まず、安価についてご心配をおかけしてしまっていることについて本当にごめんなさい。
どなたも1のことやこの作品の今後の進行について考えて心配してご意見を交わしてくださっているのを見るだけで1はやる気を頂けます。
その上で、アナウンスとして改めて二点をお伝えしますね。
一点目として今回の安価結果については量的な問題はありません。もちろん質、という言い方が適切かどうかは分かりませんがいつも通りみなさんが提案してくださる内容は私には思いつかないような素敵な安価です。全部盛りということで前スレの1の醜態を思い出してご心配をおかけしてしまいましたが
今回は大丈夫です、必ず書き上げれます。
……本来でしたら楽しんで遊んで頂いて読んで頂く皆さんに1のキャパの問題なんて無用な心配をさせてしまうのは本当に申し訳ない限りです。
でもみなさんのそういう優しくて、理知的にお話をしてくださる素敵なところに助けられています。みなさんいつもありがとうございます。
二点目に>>6にある安価な個数制限について。
質問系は気になる事が多いでしょうからどうしても数が多くなりがちです(仕方ないことですから大丈夫です!)ので、数を5個とか制限しようとは思ってます。逆に言えば『制限しますって宣言してない安価募集の時はそこまで気にしなくても大丈夫』という感じです。
折角ブルアカのクロスですし『水着じゃなくて下着だと思えば』のノリで時には大人なやり方でハッピーエンドへ向かって頂ければ嬉しいです!
改めて、色々考えて心配してくださってる皆さん本当にありがとうございます。
安価内を除く個別へのお返事は昨日の分も含めてまた夕方にさせてくださいな。
上のコメント、今回出た安価も含めてお話してくださってる全部がすごくすごく嬉しかったです。
今日は19:30から投下予定ですし、安価もしますしのでよかったらまた遊びに来てやってくださいな!
……じゃんね☆
- 274二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 14:10:24
まあ気負い過ぎずにまったり楽しくだな
それはそれとしてセイバーやアーチャーにバイク乗ってもらいたい
ヒフミならサイドカー、トキならタンデムが似合うだろうか? - 2751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 18:36:35
きちんと話すのは初めてじゃんね☆
キャスターの参加した聖杯戦争については地の文だったり会話の裏で流してた感じで、なんとなくふわふわっとヒフミちゃん達は知ってる感じじゃんね☆
モモイちゃん?あの子は大体の話をヒフミちゃんと同盟組む前に聞いてるじゃんね☆
サーヴァントとはまた別の出禁枠じゃんね☆
……という冗談はさておき、愛歌ちゃんについてはBADエンドでも出てこない、というかよっぽどのファンブルでも出さない限りは出てこないじゃんね☆
まだルート決まってないからなんともだけど、少なくとも初期段階でマリーちゃんがヒフミちゃんの仲間になるifルートもあったし、ハナコちゃん離脱ルートもあったじゃんね☆
あとはサーヴァントの面子、とか?
心配してくださってありがとうございますじゃんね☆今スレからは止まらぬようにしてこれ以上みんなに迷惑かけないよう頑張るじゃんね☆でもあったかい気遣い、嬉しかったですありがとうございます……じゃんね☆
現時点で覚悟ガンギマリなのはラスボス候補の四陣営じゃんね☆
ありがとじゃんね☆みんなが色々書いてくれることや考えてくれることそのものはすっごくすっごく嬉しいですじゃんね☆
1のキャパの問題で心配させちゃって申し訳ないです……でも今回は全然いけそうだから頑張って描きます!じゃんね☆
1のことまで考えてくれて、ありがとうございます!……じゃんね☆
未来のヒフミちゃん……一体どんな子になってるのか……謎じゃんね☆ちなみにここのヒフミちゃんが将来的に何をするかは全部みんな次第じゃんね☆
ぜひハッピーエンドに向かってほしいじゃんね☆
楽しく読んでくださったり安価に参加してくださることほど書き手として、スレ主として嬉しいことはないじゃんね☆遅筆だし心配かけさせちゃうだめだめ1だけも、どうぞお付き合いくださいな!……じゃんね☆
分かるじゃんね☆セイバーにはVMAXも捨てがたいけどサイドカーありならトライアンフのスラクストンとかボンネビルみたいなお洒落な英国車を……アーチャーにはやっぱりナナハン!90年代の名車ゼファー750を!じゃんね☆
- 276二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:42:39
今回の夏イベで初めてレオニダス王使ったけど原作の炎門の守護者ってカウンター効果なかったんだな
- 277二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:47:25
よっぽどのファンブルが出たら出る可能性あるのか
よっぽどのファンブルってどんな感じなんだろうな
愛歌登場ってなったらセイバーは間違いなくガチになりそう
なんとかハッピーエンドに到達したいところではあるが - 2781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 19:48:50
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……君の願い】
『(……何を言えば)』
アーサーさんの長い旅路を想う。かつて垣間見た夢の中でたくさんの戦いを繰り返し、何度も傷ついて血を流して、最後には裏切られた彼の姿を思い出す。
『(どんな事を私の口から話して良いのか……分からなくなります。いいえ、私みたいな平和な世界で生きる子供に言える事なんてないかもしれません)』
それなのに、まだ戦っているのだという。叶えたい願いがあってサーヴァントとして召喚されるのとはまた違う。ただひたすら、かつて愛した祖国から連綿と続く未来を守る、その為に。愛しい人がいる未来をビーストの魔の手から守る為に。
『(だからこれから私は驕ったことを口にします)』
そんな彼の戦いに、私みたいな平凡な学生が言える事は本当だったらきっとないんでしょう。だけど、それでも。私だって彼のマスターだから。彼を大切な人だと思っていて、今日までみんなで一緒に戦ってきた仲間だから。
だから、黙ったままで我慢するなんて出来ませんでした。
『(セイバーさんの旅が締め括られる日を)』
その終わりに目を向ける。いつか春風の吹く穏やかな楽園に帰った彼が傷ついた体を休められるその日が来ることを。
『(その旅の終わりで本当に大切な人とまた手を取り合える日を)』
どれだけ時間がかかってももう一度待ち人と再会して、大好きな人と一緒にいられる幸せを噛み締められることを。
『(約束します。私はアーサーさんの為にそれをずっと祈ってます……もしも)』
そんな未来が彼に待っていることを私は信じて、希う。 - 2791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 19:53:58
『(もしも私個人の願いがあるとするなら)』
私はハッピーエンドが好きです。この聖杯戦争でも誰も死なないで笑顔で終われるハッピーエンドになって欲しいと思って戦ってます。でももし、個人のお願いごとがあるのなら。命をかけても構わないと思えるぐらい大切な願いがあるとするなら。
『(私は私達を大好きになってくれた貴方の戦いもハッピーエンドを迎えてほしいです)』
この聖杯戦争を通して見つけた、大好きな彼が大好きな人と幸せになってほしい、そんな願いが私の本当の気持ちなのかもしれません。
『(……まったく君は)』
暫くの沈黙が流れて、でも彼は眦を優しく細めたまま。そっと私の頬に手を当てて、目と目が合う。翡翠色の視線がそっと私を掴んで離さないまま。
『(どの口が言ってるんだいって最初に言ったはずだよ?)』
「ふぁーふぁーふぁん!?ひふぉい!いふぁい!いふぁいれふよぉぉ!」
また私のほっぺたを引っ張り始めました。大変遺憾です。女の子の肌をなんだと思ってるんでしょう。意地悪アーサーさんはそのまま私の頬を一頻り揉みくちゃにしてから。
『(我が友。可憐で大胆不敵で、けれど誰よりも勇気ある心優しい君よ。どうか私のことを想うなら、君にこそ私の友である事を誇ってほしい)』
ふっと五月の風のように笑いました。
『(───友が僕を想う言葉を喜ばない筈はないのだから)』 - 2801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:05:39
『(まあ友とは思っているけど、どちらかと言えばやんちゃな娘、いや。君は手のかかる年の離れた妹、だけどね)』
『(いーやーでーす!意地悪アーサーさんの妹なんてお断りですぅ!)』
『(おや残念、まあそれは置いておくとして)』
『(というかいつまで私のほっぺ引っ張るんですかー!元に戻らなくなっちゃいますよぉ!)』
誰が妹ですか、こんな意地悪なお兄ちゃんは願い下げです。うぅ、ほっぺ赤くなっちゃってます。
『(さて、話を戻すけれど。今の話を聞いて聖杯戦争のマスターとして気になる点はあったかな?我が主人)』
そんな風に楽しくお喋りしてたのも束の間、空気がぴりりとします。マスターとして、ならきちんと聞かなきゃいけないことがありますから。
『(ビーストというクラスについて。まずこのキヴォトスにアーサーさんが来られたということは“可能性”があるんですか?)』
ビースト。厄災の獣。海より来たる終末の化身。その正体は人類史の癌細胞、人や人間社会の裡より産まれ落ちる人類悪そのもの、だそうです。彼らがいるとそれこそあの空が赤く染まった時のように世界が滅びに向かいかねない、というのは理解できましたから。聖杯戦争があって、アーサーさんを偶然とはいえ私は召喚しました。ならこのキヴォトスにはビーストが存在する、そんな可能性あるかもしれないと思ったんです。
『(今のところ、直接的な残香はない。ただ)』
それにアーサーさんは首を横に振りつつ、険しい顔をされました。いない、というのは確かなのでしょう。でも、それはあくまで現時点の話。もしかすると昨日の夜までだったらアーサーさんもいないと言い切ってくれたかもしれません。
『(聖杯陣営、彼らについて僕は悪相の兆しとなる直感があるんだ。ただそれが僕の探しているビーストと同じかと問われれば難しい。少なくとも映像越しであってもアレに原種のような気配は感じ取れなかった)』
『(……セイバーさんがそう思われるのは、ユスティーツァって人の事でしょうか?それとも……私の顔でナギサ様を襲った聖杯の……)』
そう、聖杯陣営。先生を襲い、ナツちゃんの魂を奪って、更にはナギサ様達まで傷つけた彼女達の存在が浮上しました。本来の聖杯戦争ではありえない八騎以上のサーヴァントの召喚。もしかしたらの可能性は拭えません。 - 2811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:15:09
『(どちらとも言えないかな。特に後者については、僕らの世界で語られた伝聞によって獣と深い繋がりを持つ英霊だからね……ネロ帝、僕のいたブリテンとも関わりを持つ古い皇帝さ)』
聖杯のセイバーさん。映像資料は全く残されてなくてあくまでも意識を取り戻されたミカ様からの聞き取りで分かった彼女についての情報。そこから“古関先輩が導き出した答え”がローマという国の偉い人だったネロって英雄さんでした。アーサーさん達が今朝の会議で言っていたように、本来知っている彼らと聖杯のサーヴァントの方達は随分と様相が違っているようですが、そもそもネロさんはビーストと密接な繋がりがあるようです。
皇帝ネロ、一体どんな方なんでしょうか。
ナギサ様の一件もあったからでしょう、直感とは別にどうしてか胸がざわつきます。
『(ただ、彼女達からはどちらもなんと言えばいいのか……そう、獣特有の気配がなかった。だというのに、強い違和感がある。まるで扉を挟んだ向こうに得体の知れない怪物がいるのを確信している、そんな風にね)』
ですが、アーサーさんもまた思うところがあるようで押し黙ってしまいます。獣の気配を敏感に感じ取れる彼をしても計れない彼らの正体はなんなのか。気になりますし、不安に思って気が滅入りそうにもなります。でも私は知ってるんです。
『(でも、今このキヴォトスにはアーサーさんがいます。私達の大切な仲間でお友達で、私達を守ってくれる誰よりも強い最高の騎士が)』
私にはお友達がいます。私の夢を一緒に叶えようと歩いてくれる仲間がいます。そしてこんな平凡で取り柄もない私と契約してくれて、私の夢を理解して手を繋いでくれる頼もしい騎士がいるんです。
だったら怖いことなんてありません。怖い未来なんて訪れません。必ず私達はハッピーエンドに辿り着くに決まってるんですから。だから、クヨクヨなんてしてられないんです。 - 2821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:26:30
『(……そうだね、僕は君のサーヴァント。君が呼んでくれた騎士だ。誰が相手だろうと決して負けはしない。それに自慢じゃないけどこれまで三騎のビーストを討伐してきたからね。流石に星見の彼らと比べたら数で劣るとはいえ、我が事ながら獣狩りに関しては一家言あると思ってくれて良い……だからヒフミ)』
彼の目が同じように語ってくれています。大丈夫だと、安心して欲しいと。それは理由があるとか根拠があるとかじゃないんです。信じられるから。積み重ねてきた時間は確かに短いですけど、その中で築いた信頼があるから。
『(今はまだビーストのことは気にしなくても大丈夫だ。もし仮にこの世界にビーストがいるなら私が必ず打ち滅ぼそう。私の誓いは何も変わらない)』
そして彼は私に誓ってくれたから。
『(君を必ず日常に戻す。君が僕を想ってくれるように、僕にもまたこの聖杯戦争で願うべき誓いを見つけたのだから。目の前にいる君の命と未来を僕は必ず守り抜くよ)』
『(ええ、信じてます。私のたった一人のセイバーさん)』
騎士の言葉に私は真っ直ぐに頷きます。この人となら大丈夫。私はきっとこの人と一緒に、いつもの騒がしくて平凡でなんてことのない、でも大切ないつもに戻れるって信じられるんです。
『(おっと含みがあるかな?)』
『(あはは……さあ?どうでしょう……っと)』
気がつけば通りも随分進みましたね。もうすぐ折り返しになります。時間的に余裕はありますけどそろそろ何を買うか考えなくちゃいけません。でも、やっぱりと言いますか、私の頭の中を占めるのはさっきまでのお話。
『(でも改めてこうやってお話を聞くと)』
それはアーサーさんから伝え聞いたからこそ、静かに事実として受け入れられた情報。
『(やっぱり向こうの世界で行われる、本当の聖杯戦争は殺し合いなんですね)』
私たちのしている聖杯戦争というのはどこまでいっても自分の願いを叶える為に相手を殺さなきゃいけない戦争だということでした。
『(私たちが誰も死なせたくないって言うのはやっぱり甘い考え、なんてすごい魔術師のマスターさん達だと思われるのでしょうか……)』
良いか悪いかで言えば、私の価値観で判断するなら聖杯戦争は悪いことです。でも本来は自治区どころか世界の壁すら越えた場所で行われている戦争。 - 2831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:32:39
何より命をかけて、そして相手の命を奪ってまで叶えたいと思う強い願いを持って戦いに臨んでいる彼らを私は一概に全否定することはできないと思うんです。むしろ、私の願いの方が甘いなんて思われちゃうかもしれません。サーヴァントの方も誰も喪わないなんて、と。
『(───もしも聖杯戦争がまた起きたのなら、誰があの子を守れるだろうか)』
セイバーがぽそりと呟いたのを聞こえたのは周りの音を気にせずに直接会話できる念話だったからでしょう。それぐらい小さな声でした。
『(……これは僕の知るある魔術師の言葉だけど、彼は僕より遥かに立派な父親だった。魔術師として卓越した技量はなくとも、魔術師という価値観に隔てられようと、彼は間違いなく人として大切な善性を娘へと注いでいた)』
それが誰のことなのか、私にはなんとなくとしか分かりません。でもその彼の事を口にするセイバーの表情に浮かぶ色は懐かしさと敬意がありました。多分、アーサーさんにとってはそれぐらい大切な言葉だったのでしょう。
『(魔術師だって大切な者を喪いたいだなんて想う者は誰もいない。君の場合は、その大切な者である友達がマスターになった。自分の立場に置き換えて彼女達が契約したサーヴァントも大切だと考えた。少しばかり人より大切な人の範囲が広いのは大変だろうけど)』
一言区切ってから、そっと彼は私の髪を溶かすように撫でてくれました。風と歩いたので少し乱れていたそれが、真っ直ぐに整えられていく。
『(僕は君の優しさに心からの尊敬を抱くよ、ヒフミ)』
それと同時に私の心にもすとんと言葉が落ちてきて、いろいろ聞いてモヤモヤしてた考えごともすっきり整えられていくようでした。 - 2841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:35:11
- 2851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 20:39:51
【行動安価です】
【以下の選択肢からヒフミの行動を選択してください】
①すぐ近くにある店に入る(dice1d100=52 (52) )
②セイバーと話をする(希望される話題があれば併記願います)
③カフェ街通りを観光しつつそのまま進む
④助けてペロロさま〜(自由記述)
【今回の行動安価は合計で3回行われます】
【3回以内に最低1回は店舗に入ってお土産を購入して下さい】
【なお、行動は必ず3回まで行われますので2回目の行動でお土産を購入してもイベントが終了することはありませんのでご安心ください】
【その際、選択肢にある店舗の横に書かれたダイス目は以下のリストにあるようなお店だとお考えください】
【また】
【お見舞いの品の購入時に追加で特典アイテムが手に入ることが稀にあります】
【ご期待下さいませ】
【安価先>>292】
【それでは皆様】
【よき安価を】
1〜10:クリティカル
11〜15:蜘蛛の巣の張った謎のお店
16〜20:油の匂い漂う画材店
21〜50:小洒落た喫茶店
51〜70:老舗の洋菓子店
71〜90:人気のケーキ屋さん
91〜99:モモフレンズ専門店
100:ふぁんぶる
- 286二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 20:47:37
お土産買うならここで①が無難かな?
- 287二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 20:58:07
一回目のダイスがめちゃ高い数値出してるの不安だからここでお土産買おう、①で。
- 288二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 20:59:50
次で91以上が出たら困るから①にしておこう
- 289二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 21:11:57
まあ素直に①で
- 290二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 21:12:27
安定求めて①っぽい
- 291二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 21:12:44
かそく
- 292二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 21:12:57
①で
- 2931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 21:32:15
【安価の達成を確認】
【ヒフミとセイバーは小洒落た喫茶店でお見舞いの品を購入しました】
【購入したお土産】
dice1d7=4 (4)
0〜10:ふつう、11〜20:うれしい、21〜50:さすトリ、51〜70:ヒフミさん♡、71〜90:ヒフミさん♡♡、91〜100:ヒフミさん♡♡♡
①七種のクッキー缶(dice1d100=44 (44) )
②爽やかレモンのメイズ・オブ・オナー(dice1d100=88 (88) )
③やわらかしっとりマドレーヌ(dice1d100=21 (21) )
④カロテンたっぷり人参ケーキ(dice1d100=66 (66) )
⑤マカロンさくさく(dice1d100=53 (53) )
⑥黄金卵のキャトルカール(dice1d100=88 (88) )
⑦甘酸っぱいミンスパイ(dice1d100=31 (31) )
【なお】
【♡ひとつにつき一個の特典があります】
【それでは皆様】
【よき判定を】
- 2941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 21:34:05
- 2951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/02(火) 21:40:51
【行動安価です】
【以下の選択肢からヒフミの行動を選択してください】
①すぐ近くにある店に入る(dice1d100=25 (25) )
②セイバーと話をする(希望される話題があれば併記願います)
③カフェ街通りを観光しつつそのまま進む
④助けてペロロさま〜(自由記述)
【今回の行動安価な目標だったお土産の購入は完了しました】
【ですので3回目の行動は自由となります】
【店舗に入って買い物をするのも】
【セイバーと念話でしっかり話すことに専念するのも】
【のんびりと観光がてら散歩するのも】
【それ以外にしたい事をするのも】
【皆様の選択次第です】
【安価先>>302】
【それでは皆様】
【よき安価を】
1:熱烈歓迎!
2〜10:クリティカル
11〜15:裏通りに佇む怪しいお店
16〜20:油の匂い漂う画材店
21〜30:古い本屋さん
31〜50:アンテナショップ
51〜70:クレープの移動販売車
71〜90:人気のケーキ屋さん
91〜99:モモフレンズ専門店
100:ふぁんぶる
- 296二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:15:33
ここまで選んでないから逆に③だろうか。
緊急というか今のうちに伝えておきたいことがあれば②でいいかもしれないけど。 - 297二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:37:07
②で、改めて夢で話してた事を話しながらマーリンという人物について聞く、とか?
- 298二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:50:20
③にしてみるかアイテム狙いで①にするか
②だったら今度は平和な話題がいいな - 299二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 00:45:52
③だとどう転がるか気になる
でも②で今度は自分の過去について話すのもいいかも
補習授業部ができる前後のこととか - 300二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:16:38
- 301二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:31:02
- 302二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:31:56
- 3031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 06:43:11
- 304二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 10:02:11
本屋で何か得られるかな?
- 305二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 12:57:36
お見舞い終わったら午後行動なのかな?
まあ墜落の件があるから救援に向かうチームを作ることになりそうだけど - 3061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 14:59:38
FGOもブルアカもイベント終わっちゃったじゃんね……みんなは新キャラはお迎えできたじゃんね?
1は玉兎ちゃんで大爆死かました挙句に石が四桁から一桁、ブルアカはハフバで本気出しすぎた&カノエちゃんで爆死したから王にもなれず何も得ず……じゃんね☆
でもでも今からブルアカ始めたらアニバまでに石は多分(ストーリー分足したら余裕で)4天井は貯めれるし、FGOも年末までに二部クリアしたら石1000個貰えるから始め時じゃんね☆まだやったことないよーって人はぜひぜひ、じゃんね☆(媚をウルク)
ランサーの宝具効果にあるカウンターはマテリアル内に記載のある効果でFGOゲーム内の効果としては実装されてないですじゃんね☆
あとはアニメなんかでも再現されてたりしたじゃんね☆
本格的なカウンター宝具の実装はZeroコラボイベントまで待たなきゃいけなくって、初期実装組のレオニダス王はタゲ集中と防バフとスター獲得って効果で実装されてたじゃんね☆
もしも1の書いたことで僅かでも混乱させたりご迷惑をおかけしちゃったのなら、ごめんなさい……じゃんね☆
あーもうこれバッドエンドどころかデッドエンドルートに首まで浸かっちゃったなーってレベルじゃんね☆
アイテムを一個は獲得、情報もすこーし出すじゃんね☆
本当はここでファンブル処理するつもりだったけどノイズになりそうだからやめたじゃんね☆
今切実に半年前にヘリを撃墜するシナリオ考えた1をぶっ叩きたいじゃんね……なーに考えてた、のかは覚えてるし安価で難易度ルナティックが選ばれたから張り切ったのも分かるけど今の1がひーひーじゃんね☆
- 3071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 19:34:48
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……Lovely Picnic】
【④本屋に行きつつマーリンの話をする】
お目当てのキャロットケーキはトリニティの伝統的なお菓子です。爽やかなチーズのフロスティングでお化粧したパウンド生地には数種類のドライフルーツとすりおろした人参が入っていて、ヘルシーで美容にも健康にも良い美味しいケーキ。
そんなキャロットケーキを無事に小洒落た喫茶店で包んでもらった後のこと。
お店を出た所でアーサーさんが話を切り出されました。
「さて、買うものは手に入ったわけだし……」
ちらりと向けられた目線とわざわざ話しかけてきてくれた意味はすぐに分かりました。この後、私達はハナコちゃん達と合流します。もうすでにポケットの中で見ないままモモトークでその事も伝達済み。ですが、念には念をです。
「そうですね、“午後まで時間を潰しましょうか”」
声に出す、と言っても自然な声量で。けれど内容にはブラフを含ませます。先ほど私が言った言葉と矛盾しないように設定は統一させておくのがコツですね。後はもう一手間。
「それじゃあ、ちょっとブラブラしましょうか」
「悪くないね。ついでに昼食と洒落込もうか……うん、それならどうだろう」
アーサーさんが指差したのは少し奥まった路地。これからするのは単純。一応、念のために。
「あちらの方でテイクアウトのできそうな露店でも探すというのは?」
「はい!それじゃあエスコート、お願いしますね!」
「お任せを、マイレディ」
監視の目、というのを警戒して私達は入り組んだ路地を通ってハナコちゃん達と合流するポイントまで歩き始めました。
『(そういえばアーサーさん。アーサーさんとマーリンさんは、やっぱり長いお付き合いになられるんですよね?)』
『(ははは……残念ながら、ね。彼女とは子供の頃、それこそ物心ついた頃にはだから兄や父と同じぐらい本当に長い間さ)』 - 3081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 19:43:07
少しだけ日差しが遠い、そんなちょっぴり雰囲気のある路地。湿気った煉瓦の香りが鼻に触れるの感じながら歩く中で私は、自分がふと出した話題に返ってきた思いがけない返答に驚いてしまいました。
『(……アーサーさん、お兄さんが?)』
『(おや?アルスル物語にはなかったかい?)』
『(それがかなり専門的な本で……あらすじみたいな注釈部分を追うので必死だったんです……)』
読まなかったわけじゃないですよ、なんて言い訳がましく言うのは私にも一応マスターとしての責任感だったり、それ故の若干の申し訳なさがあるわけなんです。実際難しかったのは本当ですしね。
そんな私の言い訳に得心がいったように頷きつつ彼は仕方ないという風に話しかけてくれました。
『(なるほど。確かにアーサー王物語は長い歴史を持つのもあって学術的な研究の対象にされるほどだ。そういう書物もあるのだろうね……自分で言うというのは少々気恥ずかしいけれど)』
少し照れの入った言葉でしたけど、それを聞くと改めて隣にいる彼が遠く感じるような気がします。研究の対象、だなんて。本当にアーサーさんは英雄なんだなぁ、なんて間抜けな感想が出てきちゃいます。何せ私からすると彼はちょっと意地悪で、でも私のことを大切にしてくれる兄のような人ですから。
『(それで、マーリンのことで何かな?)』
『(……そうですね。私、ちょっとマーリンさんの話で聞きたいことがあるんです)』
ちらりと下を向いたのは私自身、この話題をどういう形で踏み込んで聞くか、難しいから。いえ、もっと言えば漠然としていてどうにも要領が得ない、つまり何からどう聞けばいいのかよく分かってないということなんです。それぐらい、マーリンさんとの邂逅で知った事は多すぎて、そして難しいことでしたから。
だから敢えて、二人きりの今この場で聞くとするなら。
『(実は───)』 - 3091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 19:50:57
【行動安価です】
【以下の選択肢からセイバーへの質問を選択してください】
①マーリンについてどう思っている(人間関係)
②マーリンの話した三つの秘密の一番目について
③マーリンの話した三つの秘密の二番目について
④マーリンの話した三つの秘密の三番目について
⑤マーリンの言うマスターの責任について
⑥ハッピーエンドとバッドエンドについて
⑦助けてペロロさま〜(その他自由記述)
【今回の安価で選択できる質問の個数は1個です】
【マーリンについて1個まででしたらどんな事でも質問できます】
【ただし】
【質問への答えはあくまでもセイバーの主観、経験、判断に基づくというのはご了承ください】
【安価先>>316】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 310二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:21:13
個人的には⑤かな?
またはマーリンは複数人いて、他のマーリンが介入してくる可能性はあるのかって質問もありかもだけど - 311二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:42:52
まあ⑤でいいかな?
- 312二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:44:54
①か⑤かな?
まぁ⑤でよさそうだろうか - 313二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:45:48
まあ⑤で決まりで良さそうではある
- 314二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:46:10
かそく
- 315二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:46:23
加速
- 316二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:46:37
⑤で
- 3171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 22:42:49
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……ありふれたメロディ】
【④本屋に行きつつマーリンの話をする】
『(マーリンさんが夢の中で話してくれたことの中でちょっと気になることがあったんです)』
数日前のことです。私がアルさん達と初めて戦ったあの日の夜に夢の中であった純白の人。お人形さんのように無垢で、でも凄く大人の色気があって、なのに小さな子のようにあどけない愛らしさがある。そんな不思議な人とお茶会をした時間、そこで言われた言葉がずっと気になっていました。
『(私だけはマスターである責任から逃げてはいけない。もし逃げるようなことがあれば)』
『(……自死を選ぶ、そうマーリンは言ったんだったね?)』
それは警告。私がもしマスターを辞めてしまったら、私は最後に自分の手でヘイローを砕くのだとマーリンさんは仰られました。私は、その選択を耐えられないのだと。
『(はい。どうしようもなくなった最後以外で私は決してマスターである責任から逃げ出してはいけない……それが気になるんです)』
煉瓦道をスニーカーのゴムが叩く音が僅かに木霊して、それがまるで扉を叩いているように感じました。別に早歩きしているわけじゃないのに、遠くから静かに、でもはっきりと耳に残って頭に刺さって鼓動を揺らす。
『(私は、誰かに任せっぱなしにしてこの戦いが終わるのを待つだなんて選べません。だから私のマスターとしての責任が戦うことだっていうのなら、ちゃんと最後までやり切りたいと思うんです……でも)』
それは不安。私は最後まで戦います。決して途中で諦めるわけにはいかないんです。必ず最後まで足掻いてハッピーエンドを探すと決めてるんです。でも
果たしてそれは。
『(なるほど。君は一体何を指してマーリンはマスターである責任だと言ったのか、それが分からなくなっているんだね)』
マーリンさんの言っていた責任というものと食い違っている、なんてことがあったりはしないでしょうか。ある意味自分が死ぬ原因と呼ぶべきものの意味を、私は履き違えてるんじゃないかと。ほんの少しだけ不安になったりするんです。 - 3181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 22:48:27
『(……はい。戦うのを、死ぬかもしれない怖さを誰かに押し付けるなんて、そんな怖いことを私は出来ません。だからマーリンさんの言う責任がそれなら大丈夫なんです。でも違うのなら)』
私がそう考えるのはセイバーさん達の話を聞いて“違い”を理解したから、というのもありました。たとえばそう。
『(私達は元々聖杯戦争とも魔術とも縁のない世界の人間で、ただの学生です。だから本当にマーリンさんの言う責任をちゃんと果たせられてるのかなぁって……少し不安になったんです)』
聖杯戦争は殺し合い。なのに私は殺し合いなんてダメだと叫んでいる。良し悪しではなく、もし私の今のやり方自体がマーリンさんの想定と違ったら、なんて柄にもなくちょっぴり不安になっていました。
『(……君は、どうやら自分で言った言葉を忘れているようだ)』
『(はへ?)』
だって言うのに、ですよ。
『(───誰も殺さないし、誰にも殺させない)』
アーサーさんは呆れたように、でも優しい声で私の小さな悩みを吹き飛ばしてくれました。
『(君の持つその覚悟こそが僕は聖杯戦争のマスターに求められる責任だと思う)』
こつりとスエード生地の革靴が上質な音を鳴らして立ち止まると、彼は上から微笑みを降らしてくれた。それはまるで雲の隙間から指す柔らかい日差しのようでした。
『(聖杯戦争は己が願いを叶える為に命を奪い合う熾烈な殺し合いだ。その戦いの場にあって責任があるとすれば命を背負う者、戦士としての責務だろう)』
『(なら、私は……?)』
『(君は逆なんだ、ヒフミ。殺し合いの場で誰も殺さない選択をした君に課される責任があるのなら、それもまた本来の物とは逆しまに)』
逆転する立場。だからこそ、その責任のあり方も逆となる。そう、アーサーさんは仰られます。 - 3191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 23:01:47
『(けれど人として最も正しい在り方の責任となる)』
殺し合いに参加する人間の責任が命のやり取りをすることとその命を背負うこと。なら逆に殺し合いを否定するなら、その責任も真逆の在り方として存在するのだと彼は言う。
『(誰も殺さないし、だから誰にも殺させはしない。君がその道を貫くことがハッピーエンドに繋がっているし、その覚悟と責任を守り抜くことが逃げずに戦うということなのだと僕は思うよ)』
だから、その責任を果たすことが“私の聖杯戦争での責任ある振る舞い”であり“逃げ出さない”ことになるのだと仰られます。
『(……なら、大丈夫ですね)』
『(ああ、他ならぬ僕のマスターだろう?なら大丈夫さ、君は負けないし逃げない。必ず描いた未来に辿り着くよ)』
そう、それなら大丈夫なんです。だって私は逃げません。お友達が殺し合って傷つけあって苦しんで、最後に死んでしまうだなんて。そんなの絶対に嫌ですし、一人だけ怖いからって逃げることも我慢できませんから。だから、私は責任を最後まで掴んで離さないでいられる、そうアーサーさんの話を聞いて思ったんです。
『(はい!ありがとうございます、アーサーさん……っと?)』
小さく残っていたしこりが取れてつい声が跳ねた時でした。
『(どういたしまして、だけど。どうしたんだい、急に立ち止まって)』
『(いえ、珍しいお店があるなぁと思いまして)』
路地に立ち並ぶ店々の一画。放課後はいつもトリニティの学生で賑わうようなカフェ街にはちょっぴり似つかわしくないお店。
『(……確かに。書店、それも古本や雑貨、いや古物商かな?とにかくカフェ街にあるにしては少しばかり違和感があるね)』 - 3201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 23:02:21
本が書かれた看板は錆びついて店名はもう読めません。ショーウィンドウも申し訳ない程度には本が飾られていますけど、どれも日焼けしてしまっています。種類もバラバラで、海の生物図鑑にロードバイクの雑誌、骨董品のカタログにアルバイトの求人雑誌。なんというか品揃えもちょっと不思議な感じです。それこそ。
『(“セイバーさん”から見てどうですか?)』
罠ではないかと疑う程度には。怪しい感じがありました。けれどその反面、大丈夫じゃないかなぁと思う所もあるんです。
『(変わった魔力の反応もなければ殺気立つものもない。僕には対魔力があるからある程度の魔術は弾けるのを踏まえても)』
その証拠にセイバーさんも同じように普通の、けどちょっと品揃えが変わってる古い本屋さん程度にしか見えないと仰られます。私自身、直感さんが警鐘を全然鳴らさないので大丈夫かなぁなんて思うところもあるんです。
『(恐らく普通の建物だとは思うかな……少し気になることもあるが)』
『(気になることですか?)』
『(いや、なに。入ってみないことには、ね。時間はまだ大丈夫かい?)』
セイバーさん的にはどうやら気になるところがある様子です。赤煉瓦の三階建の小さな物件、その一階部分に入ったお店。扉も古く、真鍮色のドアノブは何度も握られてなのか塗装が一部禿げて滑らかになっています。
『(そうですね、少しでしたら)』
『(それじゃあ少しだ、この不思議な建物の調査といこうか)』
『(はい、昨日の今日です。セイバーさんがそう仰るのなら)』
そんなちょっとだけ気になるお店に。
『(確認だけでもしていきましょう───)』
私達は足を踏み入れたんです。 - 3211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 23:06:13
- 3221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/03(水) 23:09:21
- 323二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:15:01
????????
- 324二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:15:25
これは予想外
- 325二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:10:48
どんなアイテムがあるのかな
- 3261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 08:10:51
おはよーございますじゃんね☆
一年越しに水着ミサキちゃんが実装、めでたいじゃんね☆これからの季節にぴったしの加湿が捗るじゃんね☆
それはそれとしてアケミちゃんとニヤニヤ教授の実装も待ってます、じゃんね☆
今日はちょっぴり遅い21時から、その分夜中の1時か2時ぐらいまでは起きてる予定だからのんびり頑張るじゃんね☆
元々コハルちゃん🎲分のファンブルを消化するイベントの予定だったじゃんね☆
気が変わってゲスト出演してもらうことにしたじゃんね☆
流石に本屋さんだけどシュロちゃんは出さなかったじゃんね☆百鬼夜行二章面白かったじゃんね☆
最初は本屋さんってことで、1が大好きでFGOのシナリオ制作にも参加しておられる鋼屋先生の代表作『斬魔大聖デモンベイン』(←フォーリナー好きな人とか熱いロボ物好きな人とかにめーちゃめちゃおすすめ、win10なら起動できる全年齢版もあるじゃんね☆)リスペクトオマージュネタってことであの子を出そうと思ってたけど……ややこしくなるのとセイバーが多分剣抜きそうだったからやめたじゃんね☆
あの子はあの子で色々頑張ってくれてるし奏章Ⅲでお世話になったから、いつか良い機会にしっかり良い活躍書きたいものじゃんね☆
- 3271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 08:12:41
- 328二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:13:24
その特徴的な一人称は…!?
- 3291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 08:16:58
- 330二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 12:00:46
どんな感じになるか楽しみ
- 3311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 20:50:38
- 3321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 21:13:43
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街通り】
【Recommend BGM……白天の城、黒夜の城:ショップテーマ】
【④本屋に行きつつマーリンの話をする】
建て付けのあまり良くない扉を開いたその先。橙色の灯りが緩やかに店内を照らしている其処は、まるで時間から切り離されているような穏やかな静謐さを湛えていました。まるでトリニティの図書館、それか古書館がもしかすると1番近い、そんな場所。ゆっくりといつもより針の歩みが厳かでいて、けれど陽だまりのようにのんびりと迎えてくれる。古い本の香りに包まれた場所でした。
「ふむ、学徒の都に店を開いてみせたはいいがちと立地が悪かったのでな。人も滅多に来なんだ物だから少しばかり埃が目立つ、が」
決して広くはない店内の奥。カウンターの向こう側でこちらに背を向けて本を捲っていた大きな体が
私達の方をちらりと見てから、向きを変えました。
「此処は若人にこそ開かれた叡智の門、我が愛しき記憶の集積に他ならず。故にお前たちに相応しき品を必ず提供できると自負している」
先生やサーヴァントの皆さんと同じでヘイローのない体。日に焼けたような白みがかった銀の髪と、同じ色の豊かな髭。深い夜空みたいに静かで上品な質のいいお洋服。まるでお伽話に出てくる魔法使いみたいなお爺さんが其処にはいました。
「改めて、うら若き客人よ。我が“ムセイオン”によくぞ来た。さあ好きだけ書に記された叡智を求めると良い」
改めて、と仰るので私もついでに文字通り改めて情報を整理しましょう。
「ムセイオン、というのはその……お店の?」
『(……セイバーさん)』
呼び掛ける理由は単純です。このトリニティの、それも何度も来たカフェ街にあった見かけない古いお店。その店員さんにはヘイローがない大人の人。そして昨晩の襲撃。
「うむ。我が書店の店名、と言えば良いかな。吾にとっては最も馴染みある銘だ、これ以外は思いつかなんだ。嗚呼、それと」
怪しむな、という方が無理があります。
そう、無理があるのは重々承知してるんです。
ただ、違和感がありました。 - 3331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 21:24:58
『(覚えているかい?ヒフミ。ランサーと相対したキャスターが抱いた疑念を)』
『(……なるほど。それがセイバーが引っかかったこと、つまり)』
まず前提としてセイバーさんが仰ることは覚えています。キャスターさんが今朝方私達との会議で改めて口にされていたこと。
───怠惰のランサーには魔力の反応がなかった。
一体どういう絡繰なのか、少なくとも宝具の発動による魔力の使用は測定したという話でしたけど彼の霊基からは魔力が感知できなかった、という事でした。セイバーさんは確かにこのお店に入る前、魔力反応はないと仰っています。ですがランサーさんという前例がある以上は。
「この店の主人は不在だ。故に店番として吾が立っている、そういうわけだな」
『(ああ、目の前の御仁から魔力の反応はほぼ全くと言って良いほど感じ取れない。正直に言おう、もし仮にこの御仁がサーヴァントだったとしても、魔力反応だけで判断するとなれば僕は言われなければ気付かない)』
目の前で落ち着いた声で話を進める彼が私達の知り得ないサーヴァントである可能性を、つまり聖杯陣営に与する敵である可能性を考慮しておかなくてはいけません。思わず、掌に汗をかいちゃいます。お互いの距離はそれなりにありますけど、たった数メートルほど。サーヴァントの方じゃなくたって、体育が得意な生徒さんでしたら一息でこっちまで来れる距離です。それにここは閉所。自然な様子でセイバーさんの半身が私を庇うように立ってくれていますけど、だからと言ってうまく戦えるかは分かりません。何より最悪の場合、このカフェ街で戦闘が勃発するという事になります。いつもの銃撃戦とは違う、本当の命のやり取りが、こんな場所でです。
「さて見たところ、興味本位で偶然足を運んだ入ったようだが……なに、それなら時間が許す限り見ていくと良い。お前達の旅路に必要なものが何かしらはあるだろう」
『(それ以外だとどうですか?)』
『(……少なくとも、一廉の人物であるのは肌を通して感じるよ)』
慎重な立ち回りが求められる、というのを私の理性は訴えかけてきます。
だというのに、なんです。 - 3341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 21:33:41
「あはは……ありがとうございます。ただ私達も本当にたまたまこちらのお店を見つけて伺っただけですので特に何か探してるってわけではなくて……本当に、こんな場所で珍しいお店です」
「うむ、全くもって失策だ。吾とて許されるならもっと相応しい場所に店を構えたいところであったよ」
今苦笑いを浮かべて困ったように頬をかく目の前のお爺さんを、どうしても私の直感が疑えないでいるんです。
「……これだけ飲食店が集中している通りだ。書店を求める客層を望むというのも難しいでしょう……さぞご苦労が?」
「如何にも若い娘達にとって書は黴臭いようだ。訪ねに来る者は日に一人いれば御の字という有様に吾も渋面を作らざるを得ん。しかし……ふむ」
困ったという風にため息と頬杖をついたお爺さんのの瞳が私を見ました。月明かりのように静かさに満ちてるのに、どこか猛禽類のような鋭さが見え隠れする視線。そこに剣呑な色は決してないのに、生きてきた時間の重さからか、隠し事なんてできないと思わせられる説得力がありました。
「貴殿も其方の令嬢も随分と礼を重んじるようだ。だが……ちと堅いな」
ふっと、その視線が解きほぐれたのはすぐのこと。彼の目元がまた緩まりました。
「吾は所詮、雇われ店主。閑古鳥代りの店番、ただのしがない死に損ないだ。もう少しお前達の喋りやすいよう口にしてくれ構わんよ」
「ありがとうございます、ええっと」 - 3351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 21:44:31
気安く話してくれて構わない、という彼に感謝を述べようとしたところでお名前を伺っていない事を思い出しました。ですがそれを口にする前に。
「老い先短い爺の名など若人が知るものでもあるまい」
私の考えを察したお爺さんは髭を撫でながら軽やかな笑みを浮かべていました。乾いているのに爽やかで、けれど大人の落ち着いた雰囲気。トキさんが契約しているあのアーチャーさんとはまた違う、月の輝く広大な夜の砂漠のような人。
「雇われとはいえ店主は店主。店長でも構わんし、爺とでも呼びたければそう呼べばよかろう。さてと、だ」
そんな店長さんは一区切りしてから私とセイバーさんの顔をじっと見て、それからゆったりと手を広げられました。
「この店に人が来るのも随分と久しいが、なんだ。此処にあるのは全て、吾が揃えた品故、どれも一級品に違いない。好きな物を選ぶがいい」
指差す先にあるのはたくさんの本と雑貨。整頓されて置かれた品物はアンティーク調の剣や籠手もあれば、鯨のぬいぐるみや大小の歯車が重なったもの、それから何やら怪しい壺なんかがあります。
「……だが、もしも。本当に偶然の導きでこの場所に訪れて、選ぶべき物に悩むというのならばどうだろう?吾が選ぶというのも手だが」
そう言う店主さんの言葉に私も悩んでしまいます。正直言って、今目の前にある情報だけで推理をするなら店主さんの存在は敵かどうかに関わらず怪しいです。だというのに私の心はこの人をちっとも怪しいと思わない。
どうやらそれはセイバーさんも同じ様子。明らかにどうしたものかと困り顔をされています。
「さて、如何する?若き雛鳥よ」
ですから、この矛盾を解消する為にできる事なら少し質問したりしてみたいとも思います。でもここはお店。その為にはせめて一つぐらい買い物をした方がいいでしょう。
そうなると、私は───。 - 3361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/04(木) 21:58:25
【行動安価です】
【以下の選択肢から阿慈谷ヒフミの行動を選択して下さい】
①古本屋の店主に品物を選んでもらう(dice1d10=6 (6) )
②ヒフミとセイバーが自分達で探して選ぶ
③助けてペロロさま〜(その他提案があれば)
【今回の行動安価後】
【アイテム取得の判定を行います】
【1d100を振りセイバーもしくは古本屋の店主の幸運値以下の出目が出ればアイテムを取得できます】
【ただし】
【セイバーとヒフミの場合は低確率でレアアイテムを通常のアイテムとは別に追加ドロップしますが古本屋の店主から入手できるアイテムは必ず一つだけになります】
【また】
【交渉イベント分のボーナス3回が残っていますので、ヒフミ達を選択した場合はボーナスを消費して振り直しが可能です】
【安価先>>343】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 337二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:16:02
ありなのかは分からないけどミレニアムかトリニティに頼んで全部買い占めとかはありなのかな?
まあ1か2なら2にした方がいいのかな
あるいは上の提案をしてからダメなら2って感じでもいいけど - 338二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:25:03
幸運値の関係上①の方が取得率が高かったりするんだろうか
それはそれとして追加ドロップとか振り直しとか考えると②の方がいいかな - 339二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:47:22
全部買うはやりすぎにしても目についたものを常識的な範囲で複数買うのはありだと思う気はする
聖杯戦争絡みの予算を聖杯戦争中は気にする必要はないし、多く買い物した方がいいことあるかもしれないし - 340二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:29:23
常識的な範囲で買えるだけ買うのが問題ないなら買って
無理なら2にするのが無難かな? - 341二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:33:23
加速
- 342二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:34:06
ksk
- 343二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:34:19
- 3441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 00:29:22
【② ヒフミとセイバーが自分達で探して選ぶ】
「(さて、どうしましょうか)」
一応、お財布の中にはそれなりの金額をいれてあります。ちょっとした専門書ぐらいでしたら、何冊か購入したとしても問題はありません。雑貨に関しても、あまり大きい物は持って帰るのが大変、という問題はありますがそれでも金銭的には問題ないでしょう。
「(……“どっち”を買うか、ですね)」
通常、商品を求める際に“複数個買う姿勢”を見せることで店員の方に望むのは、一個当たりの値段を値切る為。つまりは安く買う為です。
ただ今回の場合、私は商品の値段の交渉がしたいというわけではありません。むしろ商品の購入はおまけ。欲しいのは買うことでスムーズかつビジネスライクな手法で得られる安全な情報です。そういう意味ではとにかく何でもいいから買ってしまう、値段も言い値で、というのが望ましいです。
ですが反面、このお爺さんが持つ品物が本当に私達の戦いにとって有益な物になるのなら、少しでも安く値切ることで可能な限りの数を購入するというのが最重要の目的になります。
「(情報の入手に主観を置いてとにかく適当な物を買ってしまうか、それとも本気で探しつつ値切るのも視野にいれて複数個買うか……)」
難しいところです。明らかに状況証拠として怪しい人ですからね。売っている物も曰く付きか、はたまた余程有益な物と見てもそう大きく外れはしないと思います。なにせブラックマーケットとかだとそういうことありますしね。となれば、今回は。
「(ちょっと無理してでも良さそうな物を見繕ってみましょうか)」
当初の予定からは外れますが、値切るのも想定してのお買い物をする気持ちが固まりました。そうと決まれば、まずは確認からです。
「ええっと、それじゃあ確認を……」
「ほう、無論構わないとも。お前が気になることを好きに聞くといい」
「あはは……それじゃあですね。あのぉ、購入制限のことなんですけど……」 - 3451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 00:43:41
- 3461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 00:46:30
「───ヒフミ、下がって」
空気が一変する。セイバーさんが羽織っておられたジャケットが黄金の粒子に包まれたかと思えば見慣れた蒼銀の甲冑姿となっている。
「であれば吾のやる事は一つか。気乗りはしないが、これもまた務めなれば、ナ」
ゆっくりと腰を上げた店長さんは髭を撫でながら目を細めて、そして愉快そうにその口元を歪めている。その瞳の奥に獰猛な色を潜めながら。
「やれやれ、こんな所で老骨を折る事になるとは思わなかったが仕方あるまい。数が欲しいというのなら、それなりの代価が必要だろう。何せ此処は吾の店、吾の愛すべきムセイオンなのだから」
空気が変わる。呼吸が締め付けられるほどに圧倒される。乾いた熱砂の痛みが目を襲ったかと思えば、次の瞬間に世界は一変した。
「故にセイバーとそのマスターよ、剣を摂るがいい」
水晶か硝子か。恐ろしいほどに美しく透き通った書架は先ほどまでの埃が積もった古本屋との装いとはまるで違う。現実とは思えぬほど荘厳な威容を目にして、けれど、重さすらある存在感に圧倒されることで現実だと脳が強制的に理解させられる。
「なに、話は簡単だ」
あまりにもあんまりな話の変わり具合、ですけれど。でも、私の心はすぐに切り替わる。
「欲しい物があるのだろう?数が欲しいと言うのだろう?ならば戦争らしく」
もうこういう突拍子のない事態もセイバーさんと聖杯戦争に参加してきたおかげで。
「───このプトレマイオスから力尽くで奪うが良い」
すっかり慣れっこですからね。 - 3471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 00:53:52
というところで今日はおしまいじゃんね☆
一応勘違いさせたくないからお伝えするけど別に選択肢的に間違ってたとか不利益に繋がるとかはないじゃんね☆
むしろここで1番薄い線通して戦闘イベを引いてくれたのは本当に笑ったじゃんね☆
というわけで明日は元気に戦闘イベントじゃんね☆
ばんばん宝具使って倒してもらっちゃって大丈夫じゃんね☆
そんなわけで今日も安価へのご参加ありがとうございました!明日は久々の戦闘イベント!戦闘終わったら1が戦闘シーン書いてる間暇になっちゃうだろうからその間のものも用意しておきます!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
しっかしファンブルイベントがこうも健全なイベントになるとは数日前は思ってもみなかったじゃんね☆ - 348二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 00:57:30
お疲れ様です
これ普通に1か2を選んだら起きなかったイベントってことかな? - 3491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 07:05:06
おはよーございますじゃんね☆
今日は19:30から久々の戦闘イベントじゃんね☆
一応戦闘イベ開始前には大まかなイベントの説明もするから安価とかするのは多分20:00ぐらいになるじゃんね☆
模擬戦感覚で楽しんでもらえたら嬉しいじゃんね☆
こんな感じになったじゃんね☆
まず本屋さんに行かなかったらプトレマイオスには会わなかったじゃんね☆
別のお店なら別の生徒が担当してたじゃんね☆
それで今回の安価に関しても1だったら3つか4つあるアイテムから1つを選んで、2だったら🎲振って幸運以下でアイテムゲットの流れだったじゃんね☆
初手財力でねじ伏せてくる案出てきて流石に笑ったし複数欲しいって話も出てきたから面白……げふんげふん、みんなの要望にお応えして可能な限りプレゼントを用意することにしたじゃんね☆
逃げたら1つ、進めば2つ、奪えば全部ゥッ!……じゃんね☆
- 350二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 10:29:48
これも安価スレの醍醐味――
だいぶ不利な戦いにはなりそうだけどその分アイテム群にも期待したい
それはそれとして、マリーはどうやってここの情報を得たんだろう?それで何のために来店したのか - 351二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 12:04:34
消耗しすぎず勝ちたいところではある
消耗が激しすぎたら色々予定変わるだろうし
というかこれ場合によってはお見舞いどころじゃなくなりそうだな - 352二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 13:40:27
力尽くで奪うが良い
って言ってるんだし勝った際にはここにある本全部回収していくべきかな?
多分手間も時間もかかるけどその価値はあるだろうし
まあ出来るかは分からないけど
戦闘イベか
まさかここで戦闘することになるとは - 353二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 13:44:13
これ本屋以外だったら戦闘は起きなかったのかな?
ウイにここにある本見せたらどんな反応するんだろう - 354二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 14:10:46
これ戦闘終わったら色々爺ちゃんから聞けたりしないかな
- 3551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 15:38:32
Q.聖杯陣営の中でプトレマイオスだけなんか良い役じゃない?1の推し鯖だから?
A.山があるなら谷もあるじゃんね☆あと1はプトレマイオス大好きだし聖杯も金フォウも入れたいけど宝具0じゃんね☆
……ちょっと泣く、じゃんね☆
元々真名も明かさないままお別れする、そんなちょっと不思議なひと時の邂逅……にする予定だったじゃんね☆
でも安価の結果を見て───やめました
マリーちゃんに関しては色々あってこうなったじゃんね☆
1はマリーちゃん大好きじゃんね☆絆ストーリー読んで本当に好きになったしゲバラ戦でもアイドルマリーちゃん大活躍してくれてめーちゃめちゃ嬉しかったじゃんね☆
もう一回言うけど1はマリーちゃん大好きじゃんね☆
アフターケアまでバッチリがこのスレのプト爺だから楽しんで遊んでもらえたらそれで大丈夫じゃんね☆
そこらへんを全部説明する為の戦闘回じゃんね☆
奪えば全部ゥッ!……じゃんね☆
お店もそうだし、①〜③のどの選択肢選んでも戦闘イベする予定は(一応)なかったじゃんね☆
最初する予定で結局ここではやめたファンブル処理もメンタル面の方の予定だったじゃんね☆
ウイちゃんはきっと大喜びで引きこもりコースじゃんね☆半年は出てこなくなるから……相性が良すぎるのも考えものじゃんね☆
一応話す予定にしてる事はあるけど、それを踏まえて聞いてもらえたら嬉しいじゃんね☆
1の中ではとっくの昔に終わった話だからぶっちゃけこの戦闘は本当に安価で笑った分のボーナスみたいなもんじゃんね☆
- 3561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:30:59
【10日目午前/戦闘イベント導入/追加行動】
【トリニティ自治区・古書店ムセイオン】
【Recommend BGM……白天の城、黒夜の城:進撃〜夜〜】
気がついた時には私達はその場所にいました。
「セイバーさん……ッ!」
「ッ、これは……やられた、結界……いやこの規模。宝具かッ!」
透明な結晶を光が通っては跳ねるように散乱し、眩い輝きとなって溢れていました。
硝子とは違う、水晶のような何かで創られたその場所を一言で表すなら巨大な図書館。
「如何にもと答えよう、若き諸王。これこそが我が第二宝具にして此度の現界よりついぞ陽の目を見なんだ我が秘奥───即ち、吾が作りし大図書館である」
大きな体育館やコンサートホールほどもあるその広い場所には、立ち並ぶように“本の置かれていない”書架がありました。
「プトレマイオス、大図書館と来れば貴君はそうか……ッ!あの名高き救済者!ディアドコイ戦争の勝者!叡智の王かッ!」
セイバーさんの背に隠れるように私は立ちながら、愛銃のチャンバーを確認してから構えます。周り一面、水晶細工。敵の懐中に入ってしまった状況下ですから、警戒は絶対に怠れません。何より今は頼れる仲間がほぼいない状況。私がセイバーさんの背中を守らなきゃなんです。
「再び答えよう、如何にも。吾こそがプトレマイオス、征服王イスカンダルと沓を並べ世界へ指をかける旅路を制した将にしてファラオ。そして」
そんな私達に対してプトレマイオスと名乗った店主さんは先ほどまでとはまるで違う、空気が震えて泣き出すほどの圧倒的な威圧感を漂わせて。
「───強欲の罪咎を刻まれしアーチャーである」 - 3571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:39:00
私達もよく知るその銘を、心底忌々しいと言わんばかりに顔を顰めて謳いあげられました。その様子に私は、何故か驚きより先に不思議な納得感に襲われて、気がついた時にはセイバーさんが制するより前に口を開いていました。
「……プトレマイオスさん、とお呼びしても?」
「構わないとも、セイバーのマスター。お前の好きなように呼びなさい。それで、だ。吾に聞きたいことがあるのだろう?」
「はい、ありがとうございます」
私の疑問なんてお見通しなのでしょう。なら、必要なのは確認なのかもしれないな、と私は気楽なぐらいの心持ちでその言葉をくちにしました。
「元からそのつもり、ではなかったですよね?」
つまるところ、私達があのお店に来た時にはこうやって宝具を使うつもりなんてなかったんじゃないか
という確認です。
「はて。どうであろうな。年老いたとはいえ吾も将だった身の上。何よりお前達も理解しているように吾は聖杯に与する者。ならばこうしてお前達を宝具に閉じ込め嬲り殺しにせんとするなぞ、当然と見る事は出来ないか?」
怖いことを言われている、というのはよく理解できます。私も同じ立場で相手がこの方でなければ、そう思うでしょう。
「出来ません。私が貴方が出した二択へ素直に答えたらきっとこの展開はなかった、そう思います。だって」
そう、今この瞬間こそが答えなんです。
「今こうしてわざわざ私達の疑問に答えてくださる時間を割いてくださってるんですから」
声に出して文字通り、わざわざなんです。今の私達の状況は罠にかかった鹿さんと同じ。このケッカイというのでしょうか、宝具内にいる以上、どんなことをされるかなんて分かったものじゃありません。だというのに、プトレマイオスさんは淡々とお話を続けられるだけ。侮りや慢心といった心の余裕があるようにも見えませんし、そもそもこんな時間を作るぐらいなら有無を言わさず混乱させたまま攻撃してきたらいいんです。 - 3581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:42:53
「それは少しばかり甘い考えだな、セイバーのマスター。吾にしてみればこの大図書館を展開し終えた時点で勝負は着いたようなもの。キヴォトスで生まれ育ったお前がどの程度宝具について理解しているかは知らんが」
そんな私に対して、ここにきて初めてプトレマイオスさんは厳しい顔をしてから冷たく言い放たれました。
「───宝具とは英雄譚の再演だ」
それは、プトレマイオスさんという一人の英霊が語る宝具というすごい物への講義。
「その者が最も輝ける時に成し遂げた価値ある事、それも人理に刻まれるまでに磨かれ後世の人々の信仰の対象となって奇跡。それが宝具だ」
私なんかはとにかくすごい必殺技、程度にしか考えていません。セイバーさんなら彼の伝説を語る上で切っても切り離せない大切な半身のようなもの、ぐらいの認識です。後は精々。
「展開させたら負けなのが聖杯戦争の通例だとお前はまだ習っていなかったか?」
「勿論。セイバーさんから口酸っぱく教えてもらってます」
「ならば理解できよう。宝具の展開が済んだ以上は既に決着だ、吾からすればこれは末期の言葉を聞く時間に過ぎんと」
使わせたら負け、ということぐらいでしょうか。
ええそうです、それはよく知ってます。
「あはは……それじゃあおかしいですよ」
けれど、だからと言って納得できるかは話が違う。そしてそれこそ当たり前の話なんです。
「プトレマイオスさん、貴方の目の前にいるのは私達のセイバーさんです───宝具の一つや二つ使われたからって負けっこありません」 - 3591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:43:40
- 3601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:50:25
激昂ではなく笑い声。空気が割れるほど、堪らないと言わんばかりの気持ちのいい笑い声が水晶の図書館に響きました。
「はははははは───ッ!嗚呼痛快だ、嗚呼そうだった、嗚呼そうだとも。お前はそうだ、そういう事を言ってのける娘達だった。嗚呼、なんという。吾として事が意地の悪いことを言って気取り返ってみればなんという不意打ちを貰ったものかッ!」
思わずと言わんばかりに膝を叩いては髭を撫で付けて、眦に涙まで溜めるプトレマイオスさんの反応に私もセイバーさんもちょっと戸惑いすら覚えてしまいました。むしろ挑発ぐらいの気持ちだったんですけど、何故かプトレマイオスさんは嬉しそうにされていたんです。
「……嗚呼、非礼を詫びよう。お前を侮るつもりはなくとも詰まらぬ謎掛けを口にした。お前の言う通りだ、ヒフミ。この場を展開したのはあくまでこれよりの戦いの為、今この時間はお前達の疑念を解消する為、そして最初の問いに立ち返ろう」
一頻りしてようやく笑い声が止んだ後、プトレマイオスさんゆっくりと語り始められました。
「確かに吾は元よりお前達と戦うつもりはなかった。ただ、うん、まあなんだ、気が変わったとでも言えばいいか。少しばかり欲を出してきたのでな、吾の方もそれなら応えてやりたくなったのだ」
やっぱり元々は戦闘の意思はなかった、という事はこの後の対応もちょっと変わってくるかもしれません。ただ、侮って勝てる相手じゃないというのも肌で感じれます。 - 3611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:51:03
「外界への影響もこれから過ごす時間の事も気にするな。宝具を使おうと外にはさして漏れはせんし、お前達が勝って外に出たら一分と経ってはいない」
何せさっきから空気と水晶が震えているんです。プトレマイオスさんの身体から目に見えないけど放たれるプレッシャーは今もちっとも減ってない。むしろずっと強まって、殺気だった闘志が膨れ上がっていくよう。
「宝具を使える、か。随分と自信があるようだね、古きファラオ」
「猛るな小童。吾が作りしアレクサンドリア大図書館に瑕はない。今の貴様が振るうソレ程度で完全に破綻する設計なぞしておらんよ」
それこそ宝具の使用も検討する必要があるかもしれません。でもなにはともあれ。
「そうか、なら───胸を借りようかな、アーチャー」
「貸すのは構わんが───別に倒してしまっても構わんだろう?セイバー」
久しぶりの戦闘です───気合い入れて頑張っていきましょう! - 3621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:51:35
初めての人もいるかもだから簡単な説明いくじゃんね☆
戦闘イベントは安価を募って自陣サーヴァントやマスター/生徒の行動を決めてもらうじゃんね☆
サーヴァントの行動に関してはまずスレの皆んなには筋力、耐久、敏捷、魔力、幸運の5つのステータスのうちから1つを安価で選んでもらうじゃんね。
安価で選んでもらったステータスと敵サーヴァントのステータス(こっちは🎲選択)をぶつけて数値が勝ってると相手にダメージを与えられるじゃんね☆
戦闘ターンは全3ターン、その間に与えたダメージの総量が多い方、もしくは先に相手の耐久値を削り切った方が勝ちじゃんね☆
ちなみに相手は🎲でステータス・スキルを選択するじゃんね☆
宝具は1d100を毎ターン開始前に振って合計100pt以上になったらそのターンに使う(ただし防御系の宝具それ以外にも味方サーヴァントの宝具使用に合わせて使用してくる)感じじゃんね☆
行動選択の順番はマスター/生徒→自陣サーヴァントの順番。
注意点は以下の通り。
①各ターン開始前に先手後手を決める。
各ターン開始前に双方の🎲を振って大きい目が出た方が先手か後手を決められる。
後手は相手のステータス・スキル選択を見てから行動選択できるメリットあり。
先手のメリットは②を参照。
②先手ボーナス
先手を取った場合、選択したステータスに応じてボーナスが発生する。
その場合の各種ボーナスは以下の通り。
筋力:クリティカル補正(1.5倍)
耐久:勝利時にそのターンのダメージ完全無効
敏捷:次ターンも先手選択可能
魔力:魔力選択後も宝具使用時にコスト運用できる
幸運:↑四つの効果からランダムで1つ発動 - 3631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:52:07
③連続攻撃と回避/防御処理について
ステータス敏捷と耐久について。
先手で敏捷を選んだターンに判定で勝利したら次のターンも先手を選択可能。
ただし一度の戦闘イベントで連続して同じステータスは選べないから毎ターン敏捷を選択して連続攻撃……なんて事は出来ない。
回避/防御についてはサーヴァント同士で戦う時または味方生徒がサーヴァントの攻撃を受ける時の2パターン、そのターンの行動を放棄する代わりに回避できる。
回避は相手の行動の判定値と自分の敏捷か耐久の判定値を比較して判定。
相手より自分の判定値が上回れば成功、そのターンは全てのダメージを受けない。
下回ったら回避/防御失敗でそのままダメージを受ける。
ただし自分の敏捷/耐久ステータス分のダメージを軽減できる。
そして最大の特徴は回避/防御はその特性上、『後手』を選択した場合のみ使用できる。
ただし、一度使った敏捷/耐久はその戦闘イベント中には再選択できないから注意が必要。
それから連続して回避/防御は選べないよ。ポケモンの「まもる」とかと同じ仕様。
④敵陣営の動きについて
1.先手の場合は宝具発動に+10ptボーナス
2.後手の場合は選べるステータスから自動的に確定で敗北するステータスを1つ減らす。例えばセイバーが耐久:A+を選んだら、それに判定負ける数値のステータスを1つ減らして4つのステータスから🎲で選ぶ感じ。
⑤ダメージの判定
ダメージの判定は以下の計算式で1がします。
相手の判定値×(相手の判定値/こちらの判定値) - 3641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:53:55
- 365二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 19:57:52
お前達が勝って外に出たら一分と経ってはいない
って言い回し的に負けた時は時間経ってるとかあるのかな? - 3661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 19:59:00
ないから安心してほしいじゃんね☆
- 3671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:16:05
- 3681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:16:34
- 3691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:17:26
【味方サーヴァントの霊基データを表示します】
クラス:セイバー
【現在HP】
975
【ステータス】
筋力:A(実数値:52+1=53)
耐久:A+(実数値:56+3=59)
敏捷:B(実数値:47)
魔力:B(実数値:43)
幸運:B(実数値:43)
宝具:C/EX(cost:30/150)
【クラス別能力】
○対魔力:A
効果:敵からのステータス「魔力」によってダメージ受ける場合、1d50のダメージカット発生。
○騎乗:B
効果:騎乗中にステータス「敏捷」選択時、1d8のダメージボーナス。
【保有スキル】
○魔力放出:A
効果:選択したステータス・宝具に1d50のボーナス。
○直感:A
効果:1d100で判定。成功値30以下で、そのターンの攻撃が1.1倍になる。
○巨獣狩り:A
効果:発動ターン中のみ、1d100の超巨大特攻ボーナスを付与。マスターの魔力を20増やす。 - 3701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:18:04
- 3711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:18:31
- 3721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:23:52
【続いて】
【敵サーヴァントの霊基データを表示します】
クラス:聖杯のライダー
最大HP/現在HP:666/666
筋力:B(判定値:40+dice1d10=9 (9) )
耐久:A(判定値:50+dice1d10=3 (3) )
敏捷:C(判定値:30+dice1d10=2 (2) )
魔力:A(判定値:50+dice1d10=10 (10) )
幸運:A++(判定値:56×3=168)
【クラス別スキル】
スキル名:対魔力
ランク:B
効果:敵のステータス「魔力」によってダメージ受ける場合、1d40のダメージカット。
スキル名:単独行動
ランク:A→-
効果:詳細不明。使用不可能
スキル名:陣地作成
ランク:A+
効果:詳細不明。使用不可能
スキル名:強欲の権能
ランク:E
効果:不明
- 3731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:26:16
- 3741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:31:15
- 3751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:31:48
(おわった)
- 376二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:34:01
ヒフミに宝具初手で使われるってこれ最悪だな
威力的にデッドエンドになったりしないかこれ - 377二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:38:01
宝具発動には2ターンいるから相殺もできない
しかも相手がどの宝具を使うにしてもレンジ的にセイバーが庇ってセイバーだけ喰らうことも難しい
あれ、これゲームオーバー? - 378二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:39:16
ダイスちゃん!?
- 3791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:42:14
- 3801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:42:57
【これより】
【1ターン目の行動安価を行います】
【阿慈谷ヒフミの行動を選択して下さい】
①攻撃(サーヴァントのダメージ計算後に追加ダメージ)
②妨害(相手の判定を阻害)
②回避
③防御
④宝具発動の為に魔力供給(発動は次のターンまでかかる為、1・2ターンは行動できません)
【上記の①〜④から行動を選択して下さい】
【阿慈谷ヒフミのアクティブスキル“助けて、ペロロ様!”を使用する場合は宣言をお願いします】
【各種行動との併用可能です】
【安価先>>387】
【また】
【基本的には攻撃か回避、防御となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります】
【それでは皆様】
【よい行動を】
【うぅ……なんでこんなことになってるんですかぁ】
- 381二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:48:33
まあ回避か防御しかないな
問題はそれやってもどうしようもない気がすることだが
他に思いつく手としては一か八かサーヴァント相手に突進でもして宝具発動を妨害するかぐらい? - 382二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:52:10
回避しかなーい!
- 383二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:57:00
まあ回避するしかないけど普通に回避しても宝具はどうしようもない気はする
相手が死なせる気がないというのに賭ける感じにはなるけど、逆にサーヴァントの目の前に近づいて攻撃してみるとか?
相手が行動止めてくれるかも
相手はこれ以上ないほど最善手打ってるのは間違いないな
初手宝具を打たれたら手の打ちようがないし - 3841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 20:57:36
- 385二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 20:59:18
助けて、ペロロ様!は、1d75で判定って書いてあるけどどうやったら成功するんだろう?
- 3861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 21:03:09
ごめんなさい!
もうちょっと説明したいから安価やり直させてくだしゃい!!!!
助けて、ペロロ様はCT5!
1d100で75以下が出たら敵の攻撃を誘導成功でダメージ0です!!!!
あとヒフミちゃんは現在プーリンから貰った花飾りつけてます!!!!
というわけで再度安価します……
安価先>>391です……
- 387二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:06:17
助けて、ペロロ様を使いつつ一か八か接近して相手の行動をかき乱してみるか?
想定外の行動取るのは悪く無さそうだし - 388二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:11:16
助けて、ペロロ様を使うしかないかな
4分の1引いた時はどうしようもないと諦めるしかないか
このスレ最大の危機がこのタイミングで来るとは
万が一当たった場合どうなるんだろう - 389二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:21:52
- 390二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:23:40
>>389かな
- 391二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:23:56
- 3921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 21:28:46
【安価が達成されました】
【阿慈谷ヒフミの行動を判定します】
【なお】
【具体的な行動指定があった為、それを加味してのボーナスを付与しています】
回避:dice1d23=10 (10) +39
助けて、ペロロ様!:dice1d100=64 (64) (75以下で成功)
【続いて】
【安価を行います】
【1ターン目、サーヴァントの行動を選択して下さい】
【安価先>>396】
【なお】
【阿慈谷ヒフミのアクティブスキルによって攻撃誘導が成功している場合、セイバーはダメージを受けずに攻撃を行うことができます】
【それでは皆様】
【よい選択を】
- 393二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:36:11
宝具使った直後に背後から耐久と風王結界で奇襲というのはどうかな
大ダメージが見込めそうだし
それに大ダメージ出さないと完全撃破は難しいし - 394二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:52:17
- 395二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:55:54
騎士様の戦い方じゃない……けど>>394で
- 396二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 21:57:21
- 3971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:03:33
- 3981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:08:31
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……無常の嵐】
【1ターン目】
虚構の輝きを見せるとしよう
ああ、つまりだな───覚悟せよ、殲滅戦だ
【敵サーヴァント:強欲のアーチャー】
【行動選択:月は知らず、虚構の光(判定値:1200+53+2)】
掲げるは我が胸の切望。
鈍き光よ、我が行く先を拓く事は最早叶わずともッ!
幸なる過去への手向けを果たせッ!
悪いけれど、それをさせるわけには
【味方サーヴァント:セイバー】
【行動選択:耐久+風王結界(判定値:59+60= 119)】
いきませんッ!
お願いします、ペロロ様ッ!
【味方陣営:阿慈谷ヒフミ】
【行動選択:助けて、ペロロ様!(攻撃誘導→成功)】
───月は知らず、虚構の光
【戦闘結果】
(くっ……ここで宝具をッ!それもなりふり構わないように見えてこれは……流石と言わざる得ない。だけど)
【味方陣営の勝利】
【ランサー:HP666-119=HP547】 - 399二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:09:54
そういえば耐久はA+なら59じゃなくて118じゃないかな?
- 400二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:12:25
これどうやったら完全撃破できるんだろうか
宝具を打っても撃破には届かないし - 4011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:12:51
- 4021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:14:27
- 4031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:16:26
- 4041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:16:57
!?!?!?!ん
- 405二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:17:17
また宝具!?
もう打つ手なくないか? - 406二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:18:58
えぇ…
- 4071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:19:00
ちょっと、ちょっと待ってほしいじゃんね
おかしいじゃんね
🎲が荒ぶりまくってててて
どうしてこんな目に - 408二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:20:04
紛れもなく最強の敵だな
こんな宝具乱発されたら勝ち目ない - 409二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:20:30
連続発動は魔力足りなくないか…?あれでも聖杯直下だからそこらへん問題無し…?
- 410二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:24:31
真面目にどうやって勝つんだこれ
- 411二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:28:10
一回見ているのと、最初の回避である程度距離がある筈だから、何かしらの補正とかがあったりするかもしれない。
- 4121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:29:08
アーチャーが宝具を撃てるのにはカラクリがあるじゃんね……
でもまさかこんなことになるとは思ってなかったじゃんね……こんなの一部六章のモーさんじゃんね……
現在、一応1からは解決策としてプーリンの花飾りでこの場を離脱する方法ともう一つある、と思ってるじゃんね
この場限りのズルというか下駄を履かせることになるし消耗する物もあるけど……安心して使ってもらって大丈夫だというのもあるじゃんね……
他にも方法、ある……かも……
【この戦闘イベントを続行しますか?】
【続行する場合は阿慈谷ヒフミとセイバー】
【それぞれの行動を指定してください】
【続行せずここで終了する場合は】
【戦闘イベントを終了するとお答え下さい】
【安価先>>420】
- 413二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:31:10
連続して回避は使えないんだよな
となると勝つには手は一つしかない
令呪使ってブーストかけて宝具を使うしかない - 414二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:36:37
ヒフミちゃん魔力補助アイテム何個か持ってなかったっけ?
それがあるなら使ってもいいかもしれない
ただもしここで降参しても死なないならぶっちゃけ降参でいい気はする
あくまでアイテムゲットのための戦いで本番じゃないのにここで令呪や髪飾りを消費するのは勿体無いと思う - 415二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:37:17
- 416二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:42:59
今、固有結界?の中に居るって認識で間違いないよね?なら固有結界その物に対して巨獣狩り使って攻撃仕掛けて宝具の妨害とか何とかなったりしない?(多分無理だろうけど)出来るなら筋力でやろう。まあ半分ただのネタだけど。言うだけならタダだし。無理なら普通に降参か令呪で何とかしよう。
- 417二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:45:22
スレ主さん
質問なんですが今どんなアイテムをヒフミはもってますか? - 4181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 22:54:46
○アイテム名:ブリテンの円卓の欠片
個数:1
分類:情報マトリクス/アクティブ
効果:宝具使用時にそのコストの1/10を肩代わりする。複数ある場合は同時使用や個別で1個ずつでも使用可能。
○アイテム名:錆びついた円卓の欠片
個数:1
分類:???/アクティブ
効果:詳細不明。ヒフミが触ってもなんの反応もしないが、誰かの想いが籠っている。
○テルモピュライの熱砂
個数:2
分類:情報マトリクス/アクティブ
効果:完全に消費することで魔力を1個あたり1d50追加する。
○アイテム名:新発売「キヴォトス製励振火薬」
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ/使い切り
効果:マスター及びキヴォトス内の学生の「攻撃」時、使用宣言する事で1d20のボーナスを付与。
ヒト科以外のサーヴァントに「妨害」時、1d20のボーナス。
○アイテム名:赤銅の林檎
個数:1
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ/使い切り
効果:戦闘イベント時、使用者を選択。
選択した使用者のHPと魔力を10回復(増加)する。
○アイテム名:赤銅の林檎ジュース
個数:1
分類:戦闘補助アイテム/アクティブ/使い切り
効果:戦闘イベント時、使用者を選択。
選択した使用者のHPと魔力を10回復(増加)する。
- 419二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:59:53
まずいな、もう安価がすぐそばだ
とりあえず私からの案としては
セイバーの魔力とヒフミからの魔力供給、林檎と林檎ジュースとブリテンの円卓の欠片を使ってこのターンに宝具を打つかな
それが無理なら令呪使って宝具を打つで - 420二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:05:54
セイバーの魔力とヒフミからの魔力供給、林檎と林檎ジュースとブリテンの円卓の欠片を使ってこのターンに約束された勝利の剣を打つで
後スキルも全部使う
無理なら考え直しかな - 4211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 23:15:39
【巨獣狩り:Aの発動を確認】
【メイン宝具のコストが150→130に減少】
【直感:Aの発動を確認】
判定:dice1d100=39 (39) (30以下で1.5倍ダメージのクリティカル発生)
【魔力放出:Aの発動を確認】
判定:dice1d50=43 (43) (追加ダメージボーナス)
【アイテム:赤銅の林檎の使用を確認】
【メイン宝具のコストが130→110に減少】
【アイテム:赤銅の林檎を消費しました】
【アイテム:赤銅の林檎ジュースの使用を確認】
【メイン宝具のコストが110→100に減少】
【アイテム:赤銅の林檎ジュースを消費しました】
【アイテム:ブリテンの円卓の欠片の使用を確認】
【メイン宝具のコストが100→85に減少】
【以上により、セイバーの消費魔力のうち差分の33が追加ダメージとなります】
- 422二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:16:57
しまった、使いすぎちゃったかな
- 4231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 23:23:16
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……無常の嵐】
【2ターン目】
言った筈だぞ───覚悟せよ、と
故にだ、塵すら残さず平らげるとしよう
【敵サーヴァント:強欲のアーチャー】
【行動選択:月は知らず、虚構の光(判定値:1200)】
貴殿の覚悟を受け取らせてもらった。
なら私も、いや
【味方サーヴァント:セイバー】
【行動選択:魔力+魔力放出+約束された勝利の剣(判定値:33+43+300= 376)】
私達も全力です───!
【味方陣営:阿慈谷ヒフミ】
【行動選択:魔力供給(75→0)】
───月は知らず
約束された───
【戦闘結果】
『⬛︎、や⬛︎⬛︎ぎ』
『だ⬛︎⬛︎』
『⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎ってね───⬛︎⬛︎⬛︎』 - 4241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 23:25:20
- 4251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 23:29:14
はい!!!!
というわけでね!!!!
戦闘イベントおしまいじゃんね☆
いやあの、実は裏話するじゃんね☆
このイベント、宝具解禁イベントの予定だったじゃんね☆
だからプトレマイオスも宝具撃ってもええよーって言ってたじゃんね☆
こうレベリングも兼ねてね、実戦が何よりも得難い経験になるのはね、やっぱFGOで冬木のころからだしじゃんね☆
だから火力も上がる気だったけどね……
ぜんぶ🎲監督のせいで予定がめーちゃくちゃじゃんね☆
ここまで付き合ってくださったみなさん、いつも本当にありがとうございますじゃんね☆
この後はこのひっでぇー内容をSSにしてくるから投下は明日になりますじゃんね☆
お疲れ様でした、明日は14時からになります……じゃんね☆
今日はあとほんの少しだけ短編投下じゃんね☆ - 426二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:31:59
このレスは削除されています
- 4271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/05(金) 23:35:01
- 428二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:35:07
とりあえず勝って良かった
ただ不必要にアイテム使ったことに安価取ったあと気がついたのは申し訳ないな
勝利報酬でどんなアイテムを得られるか
宝具連発の時はファンブルイベントだったっけ?
って思うぐらい運がなかったけどなんとかなってよかった - 429二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:37:26
他にも方法、ある……かも……ってのはアイテムのことだったのかな
正直ここで花飾りか令呪使ったらかなりプラン変わっだろうし気がつけてよかった - 430二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 23:44:27
この宝具乱発の件はすぐにでも仲間に共有すべきではあるかな?
今後こういう事態が発生する可能性があるし - 4311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 06:40:45
言い訳をさせてくだしゃい……
昨日無事?に戦闘イベントが終わって短編の地の文もほとんど完成してなんかレイドあるけどログインだけはしとかなきゃああでもカフェタッチも……って思ってたけどなんだか体がだるくて……
仮眠取ったら今朝だったじゃんね☆
……本当にごめんなさい、じゃんね☆
今日は14時〜15時ぐらいに昨日の戦闘書いたもの出して終わったらなんか一回だけ聞きたいこと聞く感じにして、そしたらお見舞いへの流れじゃんね☆
すーぐにばたんきゅーする1だけどよかったら遊びに来てやってください……
全然大丈夫じゃんね☆使える時に使った方がいいじゃんね☆
本当にとんでもない強敵だったじゃんね……ラフなノリで楽しくしたかったじゃんね……
アイテムのことだったじゃんね☆
フルで使えば届くかなぁというのと林檎ジュースとか以外にも一個だけなんとかなるアイテムがこの場限定だけどあったじゃんね☆
持つべきものは友達じゃんね☆
ほうれん草は大事じゃんね☆
- 432二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 09:27:45
乙でした!
プトレ爺の殺意が高すぎる……
でもやるやらんで言ったらやる御仁よね…… - 433二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:39:03
アイテムはお守りではないからね。使うべきなら奮発するべしだね
- 4341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 16:07:32
- 4351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 21:17:52
- 4361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:46:25
【10日目午前/特殊イベント】
【ゲヘナ自治区郊外・スラム街】
【Recommend BGM……〈迷信の町〉】
暗い道だった。カヨコの持つスマートフォンの明かりだけを頼りに歩く地下歩道はスラム街の名に違わず、薄暗く汚い。外はまだ昼前だというのにこの道に明かりの一つも入ってくる事はない。時折スマートフォンが照らす先に下手くそな落書きや焚火の煤、乱雑に捨て置かれた缶詰の類が幽鬼のように浮かび上がる。ミレニアムではそう見ない、いや。明るく温かい場所で生きてきた天童アリスにはまるで見慣れない場所であった。
「この辺のスラム街はね」
調子外れな機械の足音は重々しく辿々しい。それを甲斐甲斐しく隣で手を引くアリスへ背を向けたまま、カヨコは誰に聞かせるわけでもないように語り始める。
「ちょくちょく風紀委員会の連中がガサ入れに来るんだ。不法滞在だし、そもそもアイツらにしてみたらスラム街なんて目の上のたんこぶだしね。そこに住んでる不良なんて追い出したいに決まってる」
静かな声であった。天童アリスという少女はその自我が生まれたその瞬間から、明るい場所にいた。賑やかな声の中で情緒を育み、8ビットの輝きとチップチューンに囲まれてきた。それがアリスだ。だからその、ミレニアムではあまり耳馴染みのない、雨音のようにひとりぼっちで地下道を反響して沈んでいく声をどう表現し、どう己の中で解釈するのか。何も分からない。
「だからこうやって地下にも拠点を作ったりして、連絡網が出来上がる。私達も便利に使わせてもらったよ、上だとドローンとかの目もあるしね。こういう上からだと見えない場所、ゲヘナには結構あるからそういうとこで私達はカイザーの連中と取引してた」
カヨコの言葉を聞いてアリスは周りと、それから自分が今まで歩いてきた道を振り返った。カヨコのスマートフォンがなければ明かり一つない地下道なのだ。アリスの後ろはぽっかりと闇だけがあって、それがまるで口を開いた獣みたく思えた少女は、硬く目を瞑るようにしてまた前を見た。 - 4371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:47:54
「ああ、いないよ。全員私達が追い払った、というか逃げ出した。このままいたら全員喰われるとでも思ったんじゃないかな?」
それを見ていたのだろう、少し青くなった薄い唇に笑みを乗せてカヨコは言った。戯けるような言い方だというのに、ただ空寒く声は響いて消えていく。アリスは何も返せず、けれどカヨコは気を悪くするでもなく、話題を切り替えては空気を流そうとした。
「ライダーの真名は聞いてる?……まあ、大体予想はついてるだろうけどさ」
それは彼女なりの気遣いだったのかもしれない。まだ幼なくともたくさんの人と交流のあるアリスは、先を行く案内人がどうやら不器用な人なのだということ徐々に理解し始めていた。
「ライダーの真名はメドゥーサ。陸八魔アル、あの女が従えた怪物の名前はソレだった」
淡々と語る内容は暗闇に沈んで進む恐怖を払拭は出来ずとも、紛らわすには十分なほどアリスにとって、そして同盟陣営の人間として有益な内容であった。
「宝具は二種類。召喚した天馬を従える黄金の馬具“騎英の手綱”、結界内に存在する有機物を溶解して生命力を啜る魔眼の拡大展開“他者封印・鮮血神殿”。一応、魔眼を封じておく宝具もあるけど敵との戦闘じゃ使わないからそっちは省くよ」
前者は使えば空中での機動力を手に入れるだけじゃなく強力な攻撃を行うことができると彼女は告げた。宝具の詳細。通常の聖杯戦争のマスターであれば、喉から手が出るほど知りたがる貴重な情報をカヨコはなんの呵責もなくつらつらと口ずさんでいく。それを空恐ろしいとも、虚しいとも、今のアリスには理解できてしまう。どこかそう、目の前にいるこの少女は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎になっている、と。
「“他者封印・鮮血神殿” は文字通り、陸八魔アルの切り札でね。土地を傷つける代わりに魔術に耐性のない私達生徒をまとめて一気に狩り尽くせる。ただ陣地を敷いて使う関係上、土地への負担から使えるのは一回限り……つまり、うまいこと無駄打ちさせれたら一気にライダー陣営の優位性は消え失せるよ」 - 4381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:52:00
とはいえだ。ライダー陣営から絶対に流出させるわけにはいかない生命線とでも呼ぶべき情報であるには違いない。こんな場所でこんなタイミングで、少なくとも敵対関係にある自分に話すことではないとアリスはつい思ってしまう。
「……なんでこんな話を、って顔?」
顔に出た、というわけはないだろう。何せアリスの方を見たのは言葉より後からだった。まだ道半ばで暗い歩みに目処をつけたのか、それとも単に慣れているのか。カヨコはライトでわざわざアリスの方を照らしてやりながら、もう片方の手で適当な大きさの瓦礫を転がすとその上に座った。
「座りなよ……疲れたでしょ」
疲れたと言わんばかりに小さく、けれど長いため息の後に、カヨコがそう言ったのも聞いてしばらく迷ってからアリスは彼女に倣うことにした。
「……ありがとう、ございます。カヨコ」
「どういたしまして」
淡々とした会話。未だ動揺と混乱が収まらないアリスの辿々しい礼に、気にした様子はなく一言だけそう返した後にはまた沈黙が続く。
「まぁ……そのさ」
どれほどそうしていたか。切り出したのは意外にもカヨコからだった。
「馴れ合うつもりはないけど……酷い顔してるの放っておくのも違うから。こんなものぐらいしかないけど」
ヘルタースケルターから火花混じりに聞こえてくるぎこちない駆動音を背景にして、カヨコはポケットをまさぐって取り出した包み紙をアリスへと渡した。
「あの……えっと、これ」
「……口に合わなかったら別にいいよ」
「……いいえ、嬉しいです。ありがとうございます」
チョコレート。板状だったそれは砕けて歪な破片となっているが、溶けたりはしておらず。アリスが指で摘めば、地下だからだろうか、この季節にポケットへ入れていたという割に意外なほど冷たかった。それを溶ける前にと慌てて口の中へ放れば。
「美味しいですっ!……あ、えっと」 - 4391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:54:09
「ふふっ、ならよかった。大丈夫、ここならまず他のに聞かれたりしないから」
非常食代わりに持ってきたからまだあるよ、と続けながら水筒も差し出すカヨコに口へ頬張ったままアリスは何度も頭を下げる。甘いものを食べたからだろう、ヘリの墜落から続いていた焦りや困惑が徐々に落ち着きを取り戻していくのをアリスは自覚する。
「ライダー陣営は強いよ。最強のマスターって意味ならトリニティの伊落マリーだけど、陣営って意味なら間違いなく私達だからね……正直貴女達の同盟陣営だっけ?戦力は揃えたみたいだけど根本的な部分ではまだ敵わない」
それに合わせて、カヨコもまた暫くしてから話を戻していった。チョコを食べるアリスが手を止めないでいいように、軽く頭に被ってしまっている土埃や灰をはらってやりながら。
「私は陸八魔アルと縁を切った。これ以上は着いていけない。だけどあの女に従ってたのは残念ながら周知の事実。だったら点数稼ぎでもしてちょっとでも戦争が終わった後のことを考えなきゃでしょ?」
何故とどうして。アリスが気になっていた疑問に対してのアンサーを打ち出していく。それはカヨコなりの前払いの礼であり、申し訳なさでもあった。
「だから貴女達には勝って、陸八魔アルを倒して欲しい。完膚なきまでに叩きのめして、聖杯を手に入れるっていう欲望に溺れるあの女を……そうだね」
同盟陣営。現キヴォトス聖杯戦争において三騎のサーヴァントを擁する最大戦力。無論、それでも彼女達は三騎揃えて漸く土台に上がれているかどうかというラインだが、それも今後次第ではどうなるかまだ分からないとカヨコは読んでいた。それこそ、明日にでも下馬評が変わってもおかしくないと。
だからこそ、頼りにすることにして、その為にカヨコはアリスを利用するのだという。
「きちんと倒してほしいんだ。じゃないと、私もゲヘナに復学するのが大変だからさ」 - 4401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:55:27
元の生活を取り戻したいのだと。
そういうカヨコの顔はどこか寂しそうで、見ていると胸の辺りがぎゅっと苦しくなるのをアリスは感じた。だから何か言おうとするが、口の中はチョコだらけでまだ飲み込めていない。
「……ゆっくりでいいよ、時間ならまだあるし」
そんな彼女に静かで小さな笑みを唇に浮かべてからカヨコは端末を取り出した。細い指で運ばれてアリスの前に届けられたのはカヨコのスマートフォン。
画面に映るそのアンテナは辛うじて一本、立っていた。
「もし連絡取りたいならこの端末使って。ここは地下だけど……今いる場所なら多分ギリギリだけど、メッセージぐらいなら送れるから」
両手にチョコと水筒を持って三角座りをするアリスの膝上にそっとスマートフォンを乗せてやると、カヨコは立ち上がって伸びをした。
「それが終わって、少し休憩して落ち着いたらあと少しだけ歩こう。そしたら外に出て」
振り向くことはなく、まだ先の長い闇の向こう側を見つめる。アリスには見えないが、どうやらもう暫く歩けば、その暗闇の先に出口が見えてくるのだという。
「きっと貴女の迎えが来れる安全な場所に辿り着くから、さ」
そして悩みも不安もそこでおしまいを告げるのだと、見惚れるほど優しい笑顔をアリスに向けてカヨコはそう言った。 - 4411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/06(土) 22:59:57
というお話だったじゃんね☆
1はアリスちゃんもカヨコちゃん大好きじゃんね☆
加湿が捗るじゃんね☆
FAアリスちゃんとケイちゃんの実装とデカグラ更新待ってます……じゃんね☆
それはともかく、アリスちゃんの話は次回更新でひとまずおしまいじゃんね☆
前スレの🎲でカヨコちゃん引けてよかったね!じゃんね☆
さて、今日の投下はこれでおしまいじゃんね……申し訳ないじゃんね……
明日は頑張って夜ぐらいには投下しますじゃんね☆
またお昼に進捗報告しにきます!じゃんね☆
ではではみなんさん、おやすみなさい……じゃんね☆
そういえばクリティカルボーナス貯まってるからうまいこと処理したいじゃんね……なんかいい案とかこういうのが良いなぁみたいのあったらぜひぜひ教えてくださいな!じゃんね☆
今のところだと絆上げぐらいしか思いついてないじゃんね☆ - 442二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 07:21:43
カヨコも割と真意が見えないな
アルの評価はフェイク入れてるんだろうし今後の生活ってのも方便クサい - 443二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 11:26:35
自分・他のマスター・キヴォトス(社会)っていう守るものと聖杯戦争に対する続ける・終わらせるの選択があるとして各マスターのスタンスは
同盟陣営…全部救う・終わらせる(モモイが若干自分に対する優先度が怪しい)
アサシン…キヴォトス優先でそれ以外はできれば・続ける
アーチャー…自分以外全部救う・終わらせる
ランサー…自分以外全部救う(他のマスターは最悪命が助かれば多少の欠損は許容してもらう)・続けるしかない
ライダー…自分+便利屋メンバーが助かる・どっちでもいい
マリーはハッピーエンドを諦めて少しでもましな結果に辿り着こうとしてる
アルは聖杯戦争でキヴォトスは滅ぶ運命にあると見切りをつけて自分と自分の大切なものだけでも守ろうとしてる
って感じなのかね - 4441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/07(日) 12:40:59
- 445二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 19:28:13
- 4461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/07(日) 21:21:25
- 447二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:38:20
1さんのペースでいきましょう
無理しないでください - 448二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:39:35
- 449二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:49:23
そもそも拘束あるのに全部解かなくても使えるとはこれ如何にってなったことがある
- 450二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 10:02:39
戦闘で勝った報酬はどんな感じになるんだろうな
- 4511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/08(月) 12:28:13
今日の20時から安価するじゃんね……質問者はアリスちゃん、内容はカヨコちゃんに聞きたいこと!
質問の個数はdice1d3=1 (1) 個じゃんね☆
……今日中にプトレマイオス戦は終わらせるじゃんね☆
ありがとう!!!じゃんね☆
あったかい言葉に泣きそうじゃんね☆
今回のケースだとあともうちょっと承認降りないじゃんね☆
完全解放は多分対セファールみたいな相手に使う感じなのかなぁって1は思ってるじゃんね☆
普段使いと切り札、みたいな?じゃんね☆
……普段使いの宝具とは一体……うごご、じゃんね☆
そっちも結構悩んでるじゃんね☆
魔力補填系のアイテム(これは今回の戦闘で使用した分の補填じゃんね☆)となんかステータス系で有用なアイテムと絆関連と……みたいな感じじゃんね☆
うーん、わんぱくセットじゃんね☆
- 452二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 13:38:50
ヒフミちゃんのマスタースキルもどっかで獲得しないと
礼装獲得イベントはどこで起こせるのか - 4531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/08(月) 20:06:27
>【Access_#######】
>【Reactivate_#######】
>【Index_#######】
>【System_online→okay】
>【サポートシステムが起動しました】
>【対象との相互観測を行います】
>【マッチングまであと5……4……3……2……1】
>【回路の接続を確認】
>【言語野の拡張子をコンバートします】
>【……完了】
>【コレより】
>【aん価を行イます】
>【aaあア安価内容】
>【対象:鬼方カヨコ】
>【質問者:天童アリス】
>【課題:疑問の解消】
>【……】
>【アリスが鬼方カヨコに1つまで質問できます】
>【聞きたいことを1つ決めてください】
>【指定は特にあliません】
>【安ka先>>460】
>【以上】
- 454二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:09:00
仮に無事に帰れて元の生活に戻ったとしてカヨコはどうする気なのかとかかな?
- 455二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:41:27
- 456二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:49:19
思い切って>>455聞くのはありかもな
- 457二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:54:08
願い事についてを聞くのは良いと思う。
ただなぁ、普通に知らない可能性も無くは無いの考えると、ハルカとムツキについて聞きたい気もするんだよね。特にムツキ。
…どうにかしてもう一つ質問出来ればな… - 458二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:38:38
確実に知ってそうなことを聞きたい気持ちはある
- 459二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:55:14
一か八か>>455かな
- 460二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:55:28
- 4611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/08(月) 22:16:15
>【>>460】
>【……観測対象より反応あり】
>【観測結果をコンバートします……5……4……3……2……1】
>【解析完了】
>【これより】
>【天童アリスへの干渉を開始します】
>【対象への干渉】
>【及び接触は現在のサポートシステムでha】
>【著しku時かンを要すru】
>【場合がアります】
>【ご諒承くだささささsasasasasasasa】
>【Kb/storage_Error】
>【continue→Yes】
>【天童アリスの表層思考との一時的接触を開始します】
- 4621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 01:32:24
- 4631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 06:13:28
- 464二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 11:28:44
気長に待つです
- 4651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 15:47:22
- 4661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:01:13
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……無常の嵐】
【1ターン目】
ヒフミ達の周囲に広がる、否、世界を模るのは正しく学問の為の神殿。
それはキヴォトスより遥か遠き汎人類史と呼ばれる世界で築かれた一つの伝説。
古老の賢者プトレマイオス一世が自ら指揮し建設した九柱の女神に捧げられた大神殿にして開かれた蔵知の集積所。
古典世界の研究において最大かつ最も重要と謳われた“図書館”。
凡ゆる研究者達にとって垂涎の、そして今はもう亡き幻想の産物。
水晶状に加工されたフォトニック結晶を建材とするアレクサンドリア大図書館が其処にはあった。
「では駆逐を始めようか、楽園の霊長」
偶発的な遭遇戦。
有り得ざる第二にして強欲のアーチャーとの邂逅。
重装な夜色の外套を纏い、片手に分厚い革装本を載せた立ち姿に漂わす渇いた死の気配は、冬の砂漠を思わせる。
「嗚呼、祈りは済ませておくといい。吾はその手の事には寛容でな、何せ他文化を上手く取り込んで他国を治めた王だ」
開幕の合図は他ならぬ強欲のアーチャー自身の口から告げられる。
ヒフミとセイバーの前で宣言してみせるは絶対的強者の言葉。
「お前達の神に祈ることも好きにせよ、所詮は」
お前達はここで死ぬ、ただ一つの例外もなく駆除される、と。それはこれから始まるのが彼我の力量が五分する戦いではなく、一方的な屠殺が行われるのだという宣言であった。
「末期の祈りに過ぎぬのだから」 - 4671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:02:16
だが当然、それを聞き逃すわけにも見過ごすわけにもいかぬ者がこの場にいる。
右手に携えた剣に纏う疾風が昂り景色を捻じ曲げるほどの屈折率を生み出すのは、主人の心を現してか。蒼銀の鎧を苛立たしげに鳴らして、セイバーはヒフミを背に庇うようにして前に出ると、皮肉げな笑みを浮かべた。
「ヒフミの話を聞いていた割には随分驕るじゃないか。耳が遠いのかい?叡智の王」
「若い身空でどうにも覚えが悪いな、騎士の王。言った筈だぞ」
さりとて、強欲のアーチャーは小気味よく嘲笑うのみ。それもその筈、この男からすれば今この状況はあまりにも致命的。どう足掻いても己が優位は崩れようもないほどに、完璧な奇襲が相成ってしまっているのだ。当て擦りの一つや二つがどうしたというのか。そう、獅子の顎に咥えられておいて今更じたばたと藻搔いて今更何になるのか。
「此処なるは吾が築きし大図書館。吾の指は既に」
後の祭りとはこの場にいる全員を指し示すのだ。
緩々とした所作は余裕の表れ。セイバーが踏み込むよりも、ヒフミが引鉄に指を掛けるよりもずっと早く。
「───お前達の喉笛に掛かっている、と」
強欲のアーチャーの指は、書の一節に触れた。 - 4681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:10:24
「ヒフミッ!」
「ひゃうっ!」
セイバーが叫ぶや否や、ヒフミは悲鳴と共に頭を隠してしゃがんだ。念話を通してではない。直感と彼の叫び。そして送られた真剣な眼差しに生物として萎縮したのだ、セイバーの想定通りに。そうしてしゃがんだお陰で、ヒフミの頭が先程まであった場所へと降り注いだ光弾はセイバーによって無事切り払われる。
「アーチャー、貴様……ッ!」
「……憤るか、若き王」
ぎちりと剣を握るセイバーの右手から嫌な音がした。硬質な怒りは魔力を伴い、背に庇うヒフミを囲うようにして膨れ上がっては周囲に陽炎を生み出すほどの熱量を生じた。魔力放出。術理の一つもありはしない、魔力をただ体外へと放出するだけの純然たる生体機能。それが一呼吸ごとに夏に暈を作る積乱雲の如き分厚さで周囲へと立ち込める。
「マスター狙い程度で一々騒ぐ。お前はそれでも騎士達が遺した最後の華、彼の高名な星造りの聖剣、その当代の担い手か?それともその軟弱な心構えがお前達騎士の道とでも言うか」
激憤は仕方ないことであった。強欲のアーチャーの一手はセイバーへ最初から向けられることはなかった。アーチャーが掲げた書に従い真っ直ぐに放たれた光芒の狙いは始めからヒフミにのみ絞られていた。アーチャーは、彼の大英雄は。この場で最もか弱き乙女を殺すつもりで光を放ったのだから。
「貴君に騎士としての戦いを強いるつもりはない。だが」
己を馬鹿にされるのは構わなかった。己の未熟さを謗られるのも相手はあの大英雄プトレマイオス、いくら霊基の汚染があると思われても偉大なる先人だ。セイバーは恥じる事はあれど不満に思う事はない。だが、ソレは、ソレだけは許し難かった。たとえ聖杯戦争であったとしても。あの東京での戦いを経て、愛しい人との邂逅と答えを得て。そしてこの地で新たな友を作ったアーサー・ペンドラゴンは、王でも将でもなく、貴婦人を守る獣狩りの騎士であると己が道を定めているのだから。
「心清き貴婦人に、未だ若きこの子に手を挙げる。ましてや貴君に対して礼を尽くしたこの子に殺意を以て返礼をするとは───その非道、如何に償うと釈明するかッ」
大気は最早、ヒフミに喋らせることすら許してはくれなかった。 - 4691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:16:52
燃え盛る業火を思わせる熱量で魔力は迸る。ヒフミが言った通り、久方振りの一対一でのサーヴァント戦。昨晩のシャドウサーヴァント達との乱戦ともまた違う戦場にあって、騎士は激る赫怒に身を焦がし、荒ぶる颶風の化身と成った。
ヒフミの周囲を守るように拡大展開されるは風王結界。其の銘に相応しく、城壁の如き守りが敷かれる。
対するアーチャーもまた不動。悠然と構えるは当然であった。何故ならこの場はプトレマイオスが誇る大図書館、“王の書庫”その内なのだから。
「釈明、か。阿呆め騎士王。戦場に出てきたのもマスターとして戦うと決めたのもそこの娘だろう。であれば、いつまでも庇護して可愛がるのは道理違いだ。それともそこの娘はお前の愛玩動物か?」
何も恐れるに足らずとアーチャーは皮肉げに目を細め唇を歪めた。事実この場において圧倒的な利はアーチャーにあるのだ。憮然としながら悠々と、覇道を征く王者の如き風格を漂わせて、弓兵は騎士が胸中に懐く情を嘲笑う。
「何より、敵の急所を狙うのは戦の常道、違うかな?」
「言い訳が上手だね、それで?話はお仕舞いかな?それじゃあ───老い支度は済んだとみるぞ、アーチャー」
セイバーの霊基に宿る常人を遥かに超えた膂力を秘めたる筋肉が静かに張り詰める。問答は仕舞いだと機を見計らいながら、少しでも隙を見せれば素っ首落とさんと聖剣が構えられる。それを見てなお、アーチャーはつまらなそうに嗤う。
「ふん、若造がよく吠える」
アーチャーは剣士の焦りを“熟知”していた。何を恐れているのか、何に怒りを抱いているのか、ある種ヒフミより正確に把握できた。だからこそ、嘲るのだ。
「ならば凌いで魅せろ」
緩りと右手を掲げんとするその姿、その筋肉の動きが確認できた瞬間にセイバーの軸足は大地を蹴らんとした。
だが踏み込みよりなお早く、灯火は爛然と瞬いていた。
「───我がアレキサンドリアの光芒をッ!」
アーチャーの前面に展開されるはdice3d100=86 80 33 (199) の砲門。放たれるは鉛の砲弾ではなく砂漠の夜空に輝く星明かりによく似た閃光。青白き輝きは死となってセイバーへ殺到する。視界を覆いつくす光の榴弾は一つ一つが絶死の熱量を宿す。瞬間出力は英霊の纏う鋼の鎧すら容易く両断、否、溶断してみせる光の雨であった。
- 4701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:22:44
「いいとも───ッ」
されどセイバーに恐れはなく、轟音を鳴らしてその手の剣を振り抜く。砂漠の砂を思わせる閃光の大軍は文字通りセイバーの視界全てを灼き染める。英霊の身でなければ直視するだけで暫く眼は効かなくなりかねない光量は圧倒的な手数に由来するが故。たった一振りの剣を構えて、セイバーに何が出来るか。
「───やってみせるさッ!」
無論、答えは一つ。
己が主君を守る事が出来る。
アーチャーの狙いは理解していた。徹頭徹尾、マスター狙い。戦の常道を征く賢しい戦い方である。ならば、自ずとやるべき事は見えてきた。
「勢ィ───ッ!」
ヒフミを背に置いての真っ向勝負。それは己が立ち位置こそが最前線であり防衛線と定め、自身の身体を城壁として立ち塞がる徹底抗戦。元々の霊衣数値、そしてヒフミとの相談で強化を続けたことに由来する補正、この二点によって得られた高い【耐久】を有するセイバーだからこその戦い方。銃火よりなお眩しい煌めきの強襲に、剣一振り携えての防戦であった。
「ほう……見事なものだ」
書の一節を指で辿りつつ目線を剣士へと向けるアーチャーは思わずといった様子で感嘆を漏らしていた。眼前に映る光景は正しく神話の再現。剣の一振りが幾百もの光弾による一斉掃射を文字通り斬り伏せていく。今なお続く息も吐かせぬ集中射撃の嵐を前に、セイバーはただ一つのかすり傷すら主人に与えぬよう一歩もその場から離れずに、猛攻を捌いてみせていた。
「吾は弓兵としては少々特殊でな。弓も引かねば矢も番えん。ましてや此処は言うなれば工房の内とも言えるだろう。並の者ならば防ぐ事すら叶わんとも。認めよう、お前は吾が見てきた剣士の中でも選りすぐりだ……しかし難敵を前にして年甲斐もなく嬉しく思うのは悪癖だな」
三尺余りの刀身は身幅にして僅かに四寸。セイバーの名の通り、彼の持つ聖剣は形状だけで言えば典型的な西洋剣の範疇を出はしない。どれだけ疾く振ろうと、成人男性の腕の長さとその刀身の長さではカバーしきれないのが必定。数百の砲撃を前には、背後の少女ごと穴を開けて容易く散るが常だろう。
「加えて、手にした聖剣もまた見事な一振りだ。魔力を光に変換する効率の良さにも驚くが、恐らく真名解放時はその上をいくと見た」 - 4711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:39:34
されど、そんな結末には至らない。
至らせる筈もない。
「ふむ……魔力の流れ方と汲み上げ方から察するに本質は指向性を……なるほど、集束に伴う霊子間の運動加速によって強制的に指向性を持たせるわけか。無茶な設計だ、しかし破綻も狂いもない。よほどの作り手というわけだな、噂に聞く湖の乙女とは」
だからこそ、彼は英霊であり、対峙する弓兵は称賛の声を挙げたのだ。今、セイバーの手に握られる聖剣から溢れる輝きはそのまま刀身を象り、言わば巨大な光の剣を作り上げていた。其処にこそ届かぬ間合いと足りぬ手数を補う為の妙技がある。
「流石は神代黎明期より雛型を打たれた神造兵装、星の内海より我ら地上の徒に贈られた奇跡か。人の手には余りある神秘をよくぞ振るってみせる。当代最後の聖剣使いの名は伊達ではないか、セイバー」
だが、アーチャーが驚嘆を浮かべるにはまだ足りない。今セイバーがしているのは宝具の疑似解放、そしてそれによって引き起こされる魔力の“暴走”、その制御だ。注ぎ込まれては聖剣より荒れ狂う形で放出される光を完璧に制御し、その強大な出力に負けぬ膂力と剣技を以てアーチャーの斉射を真正面から打ち砕く。正しく、身技剣一体の極地。
だが驚いたのはセイバーも同じであった。
「……この一合で測った、と……ッ?」
「驚異的な変換効率で仕組みが見え辛いが設計は至って単純とみた。この手のはなセイバー、まず細かい部分を深くあれこれ考えるより先に、全体像を掴むことに主眼を置けば自ずと見えてくるものがある物だ」
「御教授ッ、感謝するよ……ッ!」
触れたわけでもなく、一目見ただけで完璧に聖剣の性質を当ててみせる知識量と解析力。アーチャー本人が言ったように成る程確かに、セイバーの有する聖剣の基本的な機能というのはシンプルだろう。だが、それはあくまでも常識の範囲で言えばの話。明らかに理外の出力と変換効率は如何なる仕組みが現代の魔術師では到底理解すら及ばないだろう。巨大な術式に何百節も必要とする大儀式であるならば分かる、出来る。だが、たかが剣に魔力を込めた結果、途方もない破壊を生み出す出力に変換されるなぞ理解できる筈もない。そんなあり得ざる幻想は認め難い。
「さて、そうと分かれば吾もやり方を変えてやろう」 - 4721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:43:41
その常識を、アーチャーは容易く見破り棄てた上でぴたりとセイバーの剣の正体を当ててみせた。それは魔術に対する柔軟な思考と相反する造詣の深さが成せる推測であった。
「どれ、それだけの魔力を制御するのだ。垂れ流しというわけにもいかないのであれば」
そしてそこまで見抜いたとなれば当然、分かるのだ。今セイバーが無理をしている事。そして致命的な弱点を。
「───主従揃って魔力の消費もさぞ辛かろう」
左手に掲げられ開かれていた革装本から僅かに青い光が漏れ出すと、弾き出されるようにして幾多もの紙片が宙へと噴き出した。溢れ出すは禁断の項。魔導の叡智を刻まれた術理と摂理、そして読むどころか視認することさえ禁じられた呪詛を孕む魔導書の断章。鬼火の如き青白い光と共に、アーチャーが手に持つ魔導書よりバラバラと立ち昇った紙片は、幾十、幾百、幾千と噴き出そうと途切れる事を知らず。
「なッ……!?」
「ななななんでもありですか!?」
数える事すら馬鹿らしくなるほどの量が舞い上がった後、そうしてついにアーチャー自身を中心に宙を踊っていた紙片達はそれぞれが形を新たにしていく。一人でに纏まり、綴られ、編まれていく様は正しく新生。そうして綴じられたはdice1d10=8 (8) ×dice1d10=7 (7) 冊の新たな魔導書であった。
- 4731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/09(火) 21:51:26
- 474二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 21:58:35
毎度見ても聖杯バフ込みとは言えホンキ凄すぎない?
- 475二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 00:42:53
- 4761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/10(水) 01:26:52
「とある星見台には我が王の名を冠す図書館があるという」
アーチャーは片手で髭を撫で付けながら虚空に浮かぶ魔導書を辿るように腕を振るう。その様子を見たセイバーにはまるで古い本の項を捲るように、ヒフミにはタブレットに並んだアプリを操作するように見えた。両者が懐いた感想は異なっていたが、その所感は正しい。正しく今弓兵がしているのは魔導書を捲り、操作する為なのだから。
より正しく、より正確に。もう一つだけ付け加えるとするならば。
「なっ……そうか、貴君はまさか……ッ!?」
魔導書を並べるアーチャーがしているのは“整列”。つまりは是より指揮する軍勢をどう並べどう攻め入るかの下準備に他ならぬ。
「吾はそこなる図書館に足を踏み入れた事はないが」
再び振り下ろされるアーチャーの腕に、けれどセイバーは攻め込むことが出来ない。先程までの二百近い砲門から放たれた光線こそ落ち着きは見せたが、かといってこの場はアーチャーの宝具の内。下手に動けば、如何に風王結界と魔力放出の合わせ技で守っているとはいえ、背後のヒフミに危険を晒しかねないのだから。
「聞けば日夜、可憐な司書が書を管理しているそうだが、可笑しな事に書が一人でに空に浮かび動き回っては人に襲いかかる珍事があるのだそうだ」
故に、動けず。今まさに、アーチャーの指揮の元、自律稼働を始めて虚空を浮上しながら進軍を開始した五十六冊の魔導書に対して何も策を講じられずいる。
「ああッ!目の前で今まさにその珍事が起きているとも……ッ!」
そうして始まるのは一対五十六という圧倒的な数的不利を強いられる戦いであった。
「実に奇妙な話だが、それでも我らが偉大なる王の名を拝命し、あまつさえ吾が作り上げた大図書館と名を同じくする。であれば、倣うのもまた一興だろう」
奇怪至極。
指揮棒でも振るうかの如く袖を揺らすアーチャーの指先に合わせて動き出すは玄妙極まる魔導書の軍勢。一斉に動き出した五十六冊の書はそれぞれが役割を果たす。 - 4771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/10(水) 01:30:31
「ミエザより我が王と師に奉る───」
即ち、包囲戦。取り囲む相手はセイバーとその背でへたり込む阿慈谷ヒフミのたった一人と一騎。ましてやセイバーはヒフミを守る為にその場を動けない。となれば半径にして二十五メートル。三百六十度全域、周囲を囲うようにして隊列は組むのは必勝を目指す上で至極当然とも言えよう。
「ヘラクレイトスの燭台よ、灯せ」
根來塗りで装丁されるは熱病の呪詛。灼熱を秘める大地の膿。捲られる項より放たれるは岩漿の砲撃。
紅き魔導書はアーチャーによって事前に組み込まれた術式に従い火焔を吐き出す。
「タレスの水甕よ、満たせ」
瑠璃付けで装丁されるは凍傷の呪詛。皮膚を引裂く青蓮の花。捲られる項より放たれるは雹害の散弾。
蒼き魔導書はアーチャーによって事前に組み込まれた術式に従い氷塊を撃ち込む。
「デモクリトスの角笛よ、歌え」
黄檗染めで装丁されるは痺患の呪詛。暗雲より墜つ天上の矢。捲られる項より放たれるは霹靂の狙撃。
山吹の魔導書はアーチャーによって事前に組み込まれた術式に従い稲妻を狙い放つ。
「アナクシネメスの吹子よ、来れ」
山繭織りで装丁されるは風病の呪詛。科戸より流る野分の声。捲られる項より放たれるは業風の矢弾。
若草の魔導書はアーチャーによって事前に組み込まれた術式に従い鎌鼬を振り抜く。
「ッ!元素変換……味な真似をッ!」
火、水、風、雷。四大元素からはやや外れはする物のセイバーが察する通り、魔導書がその項に込められた魔力を消費して放つのは元素変換、フォーマルクラフト。いずれも発動まで一秒に満たぬ一工程ながら、元はアーチャーの宝具より分たれた物。通常の魔術とは異なり、セイバーの対魔力すら貫き迫らんとする程の神秘を宿す総勢五十六冊の兇器であった。 - 4781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/10(水) 01:35:53
もうちょっと書けた、けどキリが悪すぎるので今日はここまでになりますじゃんね……遅筆が本当に恥ずかしい限りじゃんね……
明日はもっともっと頑張ります!じゃんね☆
というわけで!今日も読んでくださってありがとうございました!同時進行でカヨコちゃんへの質問(←こっちはサクッといけそうじゃんね☆)書いてるので今やってる話が終わり次第、次にいきたいじゃんね☆
明日も21時から投下しますのでよかったら覗きに来てやってくださいな!じゃんね☆
ではではおやすみなさい……じゃんね☆
HF見すぎてオルタちゃんに脳を焼かれた1じゃんね☆
まああと今回の戦闘に関してはカラクリがちゃんとあるじゃんね☆
ありがとうじゃんね☆
明日、というか今日また体調崩して更新0です、なんていうことにならないようここら辺でお暇します、じゃんね☆
- 4791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/10(水) 07:21:28
- 480二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 08:58:26
実質2回ともファンブルしたようなもんだしね…
まぁ絵面は白熱しそうだし最終的に勝ったから大丈夫 - 481二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 17:12:07
戦利品が楽しみだね
情報もどこまで喋ってくれるか - 4821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/10(水) 21:24:25
迫り来る脅威は数を増やした。
先ほどまでの二百近い砲門ですら畏るべき攻勢であったというのに、次は増兵と来たのだ。真っ当な戦であればとてもではないが戦力比が釣り合っていない。
「セイバーさんッ……!」
「問題ないッ!君はそこにいてくれ!ヒフミッ!」
ましてや此度の進軍もまた、既に狙いは定められている。セイバー達へと降り注ぐは元素変換の術式によって生み出される自然を模した災厄。新たに用意された五十六の精鋭から、“ヒフミだけを狙って”放たれる攻撃を前に最早猶予はなし。そう決断したセイバーは早かった。
「いざや、真正面ッ!」
魔力を再び漲らせ、聖剣より溢るる魔力量を調節。暴発し無駄撃ちする水際を見極めながら、魔力の刃を振るう。騎士の手にあるのは最早太刀筋に在らず。波濤を思わせる黄金の松明が如き光の軌跡は、まさに魔力で出来た破城槌であった。
「撃ちィッ……砕くッ!」
松明の如き輝き。剣の形を象りながら聖剣をより溢れる光は濁流となった。四尺の刀身を数倍にも伸ばすことで間合いを広げる秘策は、魔力の放出を敵の攻撃に合わせて直接ぶつけ叩くという力技によって、盾となり得たのだ。
「ほう、良くやるものだ。攻城戦でこれを振るわれたと思うとゾッとするとも」
黄金の輝きはこの場の何よりも鮮烈であった。放物線を描いて放たれた焔は呑み込まれ、垂氷の礫は鎧を貫く前に触れた側から蒸発し、流電の遠当ては弾けてその狙いを狂わされ、嶺渡す太刀風はねじ伏せられるように吹き抜ける事もできずに滞留して霧散する。そしてセイバーが剣を振るう度に空気は赤熱化し、魔力の鋒が触れた大図書館の書架や壁は文字通りに溶断されていく。その光景に弓兵は髭を撫ぜながら、唇を皮肉げに歪める。
「だが良いのか?セイバー。見るに貴様の宝具は変換効率こそ良いが、種火と薪となる燃料自体は相応の量を求めるだろう。となれば、だ」 - 4831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/11(木) 06:43:19
- 484二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 06:43:41
- 485二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 06:45:05
- 486二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 10:32:35
今回は宝具のフル火力出せたから良かったけど、フル火力出せない状態で宝具乱発されたらまずいな
- 487二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 11:20:31
相当難航してるなら一回後回しにして先に進むとかでもいいかと
- 4881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/11(木) 15:55:33
やーっと検査が終わったじゃんね……いろいろお世話になっててありがたい限りというか枕向けて寝られないレベルだけど待機列長いのと待合でスマホ弄れないのが難点じゃんね☆
とりあえずちょっと休憩したらまた書いて夜には何かしら投下するじゃんね☆今日は夜に備えてコーヒーとエナドリも用意したじゃんね☆
……6時過ぎると1階の売店行けないの泣きたくなるじゃんね☆チャンカも置いてないじゃんね☆
そんなことないですよ、保守してくださるのも楽しみにしてるよと仰ってくださるのも書き手としてもスレ主としてもありがたい限りです。いつもありがとうございます、少しでも皆さんに楽しんで頂けるようちょっとずつでも頑張ります!……じゃんね☆
火力盛れたのは一応理由がちゃんとあるじゃんね☆
今回とか後はアビドス戦なんかは特にそういう理由が出しやすい環境だったじゃんね☆
……長々書いてた最強組の戦闘シーンに関しては1の中でも反省はあれど今回はマジでアビドス戦書いてて良かったと思ったじゃんね☆
書きやすいところから手をつける、という形を取るかもです……もう単純に体力ががが……本当に貧弱虚弱体質が嫌になるじゃんね……
- 489二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 16:09:37
気分転換にサーヴァント達がマスター運ぶ時どういうタイプか考えようぜ!
セイバーやアーチャーやキャスター、バーサーカーはもう劇中で描写されてるけどさ! - 4901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/11(木) 17:38:58
- 491二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:45:08
- 492二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 22:30:58
どこかの世界線でマスター達がお茶会しながら英霊の英雄なところの愚痴とか言い合ってきゃいきゃいして欲しいでござる
- 4931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:30:44
鋒を床へ押し付けて魔力を溜め込んでからの刀身の搗上げによってセイバーの前面に盾のようにして光の瀑布が生じる。
その代わりにセイバーの肩で嫌な軋みが悲鳴をあげた。
軸足を起点にした回転で生んだ遠心力に物を言わせて無理やりに振るった魔力の濁流が周囲ごと溶断せんと薙ぎ払っていき、魔導書から撃ち放たれた元素の呪詛を呑み込んでは焼き払っていく。
その代償にセイバーの両腕の腱と筋肉は断裂を告げた。
頭上と背後より同時に迫る火焔と爆風への対処を迫られ、一太刀真っ向唐竹からの剣先を止めずに体重移動。振り返り様に返す刀で掬い上げを放つ。
それによって生まれた両横の死角から迫った一撃がセイバーの全身を襲うのは必要な犠牲であった。
「今の戦い方では貴様もマスターも一刻と保たんであろうよ」
そう、ジリ貧。聖剣に慮外な魔力を注ぎ込んで無茶な疑似解放を続けるなんて戦い方、それこそ聖杯にでも直接接続していなければ霊基も魔力も保つ筈がない。
霊基は軋み、魔力は限界まで搾り取られていく。どれだけの負担か、既にセイバーの肉体は悲鳴を上げ始めている。
確かにセイバーの魔力量は他のサーヴァントと比較しても高い部類であろう。そしてマスターであるヒフミの魔力供給許容量もまた、汎人類史の魔術師達と比較すれば同じく高いと評価され得る。だが、そうであっても本来であればこんな戦い方は出来ないし、する選択肢がそもそも存在しない。幾ら燃料があろうと駄々漏らしにするような事をすればすぐにガス欠なのだから。
「承知の上だッ!その前に貴君の首を落とすッ!」
それでもやらなくてはいけない、とセイバーは判断した。そうではなくてはいけない、と。
「セイバーさんッ!?」
ヒフミの驚愕は当然であった。これまでもセイバーが闘志を漲らせる事は何度もあった。昨晩のシャドウサーヴァント達を掃討する時とてその手の剣に淀みも躊躇もなかった。だが、これほどの殺気を。
『(……すまない、ヒフミ)』
相手を明確に“殺す”と宣言した事はない。そしてそれを明言した上で、セイバーは謝意を念話越しに口にした。 - 4941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:32:29
『(これは僕の判断でありミスだ。君の咎じゃない。聖杯陣営へのスタンスを話し合い終えていなかった事にまで配慮がいなかった)』
セイバーにとってこの事態は確かに想定外ではあった。だが、考慮しきれなかったかと己に問えばそれは違うと彼は既に断じている。結論を出しているのだ、自分がもっと上手くやっていればと。
『(違っ……あ、あの……ッ!?)』
『(第一、もっとキャスター達とよく協議をしていれば)』
アーチャーの宝具をみすみす展開させてその内で戦うような、そんなヒフミを危険に晒す戦いをする必要はどこにも無かったと。
『(だからこそ、後手にまわってこの有り様だ。なら、汚名の返上ぐらいはさせてほしい。謝罪はその後にまた。まずは)』
『(ぁあああの、あのえっと、せ、セイバーさん!?ちょっと……!)』
焦燥であり、羞恥であり、後悔であり、憤怒であった。セイバーの内心に渦巻くのはただ一つ。コハルに、ハナコに、そしてアズサに。笑顔でヒフミを任されておきながら致命的な危険に晒してしまった事。敵である聖杯陣営、その主力であろう聖杯のサーヴァント達は相対しても魔力を感じない可能性があるのを分かっていたのに危険に飛び込んでしまった事。そんな判断をしてこの不始末を招いた己に不甲斐なさを感じ、だからこそ怒りに猛るのだ。必ず、誓いを守る為に。ヒフミをこんな己に託してくれた友の元へ連れ戻す為に。
「君を討つッ!今ッ!この場でッ!」
この聖杯戦争開始から初めて、つまりヒフミの方針を受け入れてから初めて、意思なきシャドウサーヴァント以外に対しての明確な殺意をセイバーは剣に灯す。それは大義であり正義であり、揺るぎようのないヒフミとヒフミの仲間達への、そして己を信じてくれたこの地の友達への友誼に他ならない。故に、彼は己が霊基を燃やす。敵の宝具内に取り込まれた最悪の状況を必ず打破する為に。
気焔は聖剣より放たれる魔力の輝きが正に呼応して形となっている。それを認めて、強欲のアーチャーは鷹揚に頷いた。
「その心意気は買ってやろう。であれば吾も遠慮は不要だな。吾の書店どころか図書館にまで押し入った猛々しい盗人には罰を与えてやらねばならん」
「どの口が……ッ!」 - 4951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:34:08
降り注ぐ砲撃を切り抜けるもそれでも決定打は未だ遠く。ただひたすらに背後にいるヒフミを守る為だけの魔力を消費していく時間は歯痒さと不安をセイバーに強いていく。
「(まずいな。今は良くても僕もヒフミも必ず限界が来る……あちらが根負けして少しでも欲をかいてくれさえすれば……ッ)」
どうしても背中にいる少女を守らねばならぬ都合上、自由に動くことが出来ない。常の戦場であれば隠れさせるなり出来ようものが、今は敵の腹の中。相手の宝具という致命的な戦場はそもそもまともな戦いの土俵の上に立つことすら許されない。もし少しでも距離を離してヒフミだけ隠れようものなら、その少しの隙でヒフミを遠隔越しに殺されかねないのだ。確実に、自分の目の届く距離で、そして宝具で護らなくてはいけない。だがそれは同時に、セイバーの動きを大きく制限し、防戦一方にならざる得ないということ。その事実に歯噛みしつつもセイバーは未だ勝機を見据えている。
「(一度で良い。ただ一回でも、守り続ける僕の動きに痺れを切らして大きく動いたその瞬間に───全力で宝具を撃つ。最悪ヒフミに令呪を切ってもらうのも考慮しなきゃいけない、だけど。それでも一瞬の好機さえあれば……)」
攻めあぐねた結果、一度だけでも大技を繰り出そうとアーチャーが動けばばいい。そのタイミングでならセイバー、差し違える形であっても距離を詰めてゼロ距離から宝具を叩き込める。そうすれば距離を詰める過程で“己の体を盾にしながら”アーチャーにまで迫ることで動きをある程度阻害しつつ、同時に己の宝具発動までの隙とヒフミの令呪使用の時間を稼げるという算段であった。
「(やらなくてはいけない。ここで勝たなくては、ここでヒフミを生きて返さなくては……!この優しい子に、あの優しい子達に、我が友たちに僕は必ず報いて応えなくちゃいけない……!)」
無茶に無謀は承知の上。それでもその一手を狙ってセイバーはひたすらに暴雨の如き魔力の砲撃を防ぎ続ける。全ては己の判断で不要な危険に晒してしまったヒフミを友の元に返す為。己を友と呼んでくれる彼女達の為に。そしてヒフミとの誓いを果たす為に。セイバーは己の無力感も罪悪感も全て闘う原動力へと変えて、無理を通さんとする。 - 4961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:36:04
「さて、と。伝え聞くにだ、騎士の王よ。お前は戦争に次ぐ戦争で島を平定し終えた。そしてその締め括りをローマ外征で飾ったそうだな」
それを知ってか、それとも知らずか。強欲のアーチャーは巨木の如き泰然とした態度のまま、語りを続ける。音に乗せるは淡々として悠揚な口振りで、けれどどこか皮肉るような嗤いが。そして悪辣な殺意な密やかに秘められている。
「ならばお前も知っていよう?戦場を征く長き旅路で畏れるべき痛みを」
「ッ……受けて立つ……ッ!」
銃を構えて左より迫る魔導書へ対処しようとしたヒフミ。けれどそれより早く魔導書より奔ったdice1d10=5 (5) 本の霜で作られた大銛を、聖剣に込めた魔力の放出で消し飛ばしたセイバーは。
「では、講義の時間だ」
アーチャーの言葉に直感する。これより先の攻勢は。
「ミエザの教え、アリストテレスの学びを知るがいい」
先程までの比ではない、と。
- 4971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:38:12
号令はアーチャーの右腕が頭上から振り下ろされるのと同時であった。先程まで魔導書から放たれていた攻撃は成形炸薬弾を思わせる破壊を降り注いでいた。だが号令をした後、それらはがらりと様相を変える。
「火傷は肌を冒し恐怖で思考を鈍らせる。故に火計は禍根を遺す」
火柱。否、言うなれば岩漿柱。火災積雲を伴う程の爆発的な火咆が鳴り渡り、薄ら青に輝く結晶細工の床を呑み込みながらマグマが吹き出す。純粋な熱量だけであればマグマより炎が上、だが。小規模な爆発を伴うマグマの柱から熔解した岩石がまるで砲弾のようにヒフミ目掛けて降り注ぐ。
「凍傷は骨を喰み悲哀で歩みを遅らせる。故に冬の山越えは如何なる強者をも畏れさせた」
霜の槍は鋭さを増す。最早それは剣山。百鬼夜行の伝承にて語られる地獄の概念、その一つ。皮膚すら凍り付かせて叩き割っては赤き花を咲かす紅蓮地獄か、それともアーチャーの故郷に伝わるコキュートスか。床から、壁から、そして虚空から。僅かでも水分を持つ凡ゆる場所より霜が立に、次の瞬間には人の胴ほどもある巨大な円錐の氷塔となってセイバーへと矛先を向ける。
「痺患は髄を捩り失意で指先を奪い去る。故に我らは老いに天上の裁き見るのだ」
雷轟流電。魔導書一冊どころか複数冊をまとめ上げる事で編み上げられた術理は、発生源たる魔導書から枝葉を伸ばすようにして虚空へと稲妻が駆ける。一見すれば無作為に放たれたように見える雷撃はそれら全てが避雷針に吸われるようにして、この場で最も誘電性を持つ魔力の集合体、つまりサーヴァントであるセイバーへと向かう。どこへ逃げようと追跡する様はまさに天上の王たるオリュンポスの主神が放つシリウスの猟犬が如き。
「風病は肺を患い絶望で視界を曇らせる。故に毒風を受けた砂漠の民は死を想って涙する」
歴史の祖たるヘロドトスに曰く、サハラの砂漠を越えて吹く赤き死があるという。その名をシムーン。吹き荒れる暴風は呼吸すら奪い、その熱は皮膚を焼く。ならばプトレマイオスの書庫に納められていた魔導書が再現する神秘は、砂漠の民に恐れられてきた風の暴威は如何程の物か。燃え滾る岩漿を、凍て穿つ白魔を、猛り爆ぜる雷霆を、絶叫と共に掻き混ぜては不規則に撒き散らす様は正しく狂い風。火災旋風ならぬ災害旋風となって凡そ人の理解を超えた超常の破壊を大図書館内で創り上げる。 - 4981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:51:28
「さて、どうするかな?若き諸王、当代の聖剣使いよ」
「期待、してもらうか……ッ!」
ああ、恐るべき四種の元素変換。どれか一つであっても、凡庸な魔術師では生涯と莫大な資金をかけて準備した儀式を成功させねば到底起こせぬ大魔術。それを同時に四種も行使する、だけではないのだ。元よりこの場で編まれた魔導書の数は数えて実に五十六冊。マグマも氷の槍も雷電もシムーンも、一つずつではなくそれぞれが複数同時に円形劇場の如き広い図書館中を覆い尽くす形で放たれている。
「……こんなのって……っぅ!」
莫大な魔力を制御しながら力の限りに剣を振り、幾十もの魔導書からの攻勢を防ぐ果敢な姿に。そして今目の前で繰り広げられる異様な戦いを見てヒフミは何を思うか。現代育ちの彼女ならこの戦い方にはむしろセイバーより遥かに馴染みがあるだろう。
「(っ、これ……まるでドローンみたいな……!)」
そう、ドローン。岩漿を、氷塊を、雷霆を、業風を。使役者であるアーチャーは安全圏から指示をしている中、それぞれの魔導書は独立稼働して四つの災害を放ち続けている。一人でに浮遊し独立して編隊を組みながら目的に向かって爆撃の要領で幾多の破壊を齎していく。規模感こそ違えどそれはまるでドローン戦のようにヒフミの目に映った。
「この地のサーヴァントは多くの制約を受けている。元より本来召喚する下地となければ、星の加護も人理の檄もありはしない。宝具一つ取っても満足に振るえんのは至極当然の事だろう」
セイバーからの相槌もヒフミからの言葉も望んでなぞいないように、二人に話しかけるでもなく淡々と弓兵は語り始める。もしかするとそれは憐れみであったのかもしれない。それもその筈だろう。
「……っ、セイバー、さん……ッ!」
既に決着を見えつつあった。
片や宝具の開帳も出来ぬまま、一人その背に少女を隠して戦う剣士。片や十全な宝具を完璧な形で展開し終えた状態から開戦し、その背に誰も守る事のない弓兵。蓋を開けてみれば答えは分かりきっていたのだ。
「……大丈夫だよ。これぐらい、その昔した卑王との戦いに比べたら遥かに軽い怪我さ」
笑ってみせるその姿は痩せ我慢であることなんて誰が見ても一目瞭然であった。 - 4991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 02:56:28
防ぎ切れなかった岩漿の津波を鎧で受け止めては肌を焦がし、氷塔は貫き通しこそしなかったが鎧越しに深々と突き刺さった痕が残る。雷撃によって生じた痛みからか足取りが重みを増している。幾多の太刀傷を窺わせる鋭い傷は熱風によって焼き切られた痕であった。何より無茶な聖剣の運用で魔力も霊基も少なくないダメージを蓄積した。
「故にこの地においてサーヴァントは異物である事は紛れもない事実だ。そもそも、ある手順を踏まなくては召喚そのものができない。仮に出来たとしてもそれは真っ当な霊基ではないのだ」
「けど……自分達は、その、制約を受けてないと?……ふぅぅぅ……」
呼吸を整えるのは再生の為。セイバーは炉心と称される魔術回路を有していることもあって他のサーヴァントと比べても、比較的秀でた霊基回復力を有する。今受けた負傷もこのまま休めば一刻もせず回復し切るだろう。
「……ああ、そうだ。御高説染みた自己紹介、感謝するよ御老体。だが喉が疲れただろう、そろそろその無駄に回る舌を仕舞ったらどうか……なッ!」
ああ、だが見よ。疲れが徐々に見え始めてか、額より溢れた汗と、腹から無理に声を出して賦活して剣を振るう姿を。何もしなければ回復する怪我も、このまま、また同じように無茶をし続ければ治るものも治らない。魔力の消費を膨れ上がり、怪我は治らず残り続けて霊基へのダメージの蓄積は止まらない。
「……“分からんか”、まあ良い。しかし……ふむ。先程までの余裕がないではないか、セイバー。面だけは一丁前な優男が主人の前で冷や汗なぞ流すものではないぞ」
これが強欲のアーチャーが勝ち方。分かりやすく己の強みを押し付けて、相手に不利を強制させる戦術。
「隠れる事は許さぬ。逃げる事も許さぬ。分かるか、セイバーとそのマスター。これが宝具だ。」
岩漿が空気を灼く。氷塔がセイバーの血で化粧をする。雷撃がどこへ逃れようと次の瞬間にはまた狙いを定めて襲いかかる。業風は暴徒が乙女に手を掛けるようにしてセイバーの風王結界を剥がしてヒフミの生命を狙わんとする。徐々に形勢は弓兵へと傾いていくのは誰が見ても分かること。
「さて、次はどうする。その次はどう防ぐ。」
それでもセイバーの奮闘は形となった。ここまで凌ぎ敵の攻勢を凌ぎ切り、五十六の魔導書の内、実にdice1d56=6 (6) 冊を討ち取ったのだから。
- 500二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 08:55:09
討ち取れたのは6冊か
こっからどんな感じになるかな - 5011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:22:59
結果としてアーチャーが睥睨し問い掛けたこの瞬間、一時的にではあれ猛攻は束の間の緩みが生じていた。
「セイバーさんっ!」
だからきっと。ヒフミが声を上げることが出来たのはセイバーの奮闘があってこそだろう。
突然の戦闘開始。そこから風王結界に守られ続けたヒフミ。はっきり言おう、それが最善手なのは間違いなかった。何せここはアーチャーの宝具の中。言ってしまえば敵の掌中。下手に個人で動けばすぐさま光の矢で穿たれる。ましてやヒフミ自身は決してアズサ達のように特別、戦闘に長けた生徒ではないのだから。故に、セイバーの背で守られて、聖剣だけでなく風王結界までもヒフミの守りとして強引な形で拡張展開させて負担を強いてしまっていたことも。そうすべきだとセイバーが判断したことも、戦略的な観点で言えば何も間違ってはいない。
「……大丈夫だよ、ヒフミ。任せてほしい、君のことは僕が「そんな事は知ってます!」へ?」
ただし、だ。
「私が言いたいのは!さっきからずっと……ッ!」
間違っていないからといって、それが正しいかと言われればこう答えるべきだろう。
「一体全体ッ!一人で何をされてるんですかッ!」
今回に限っては、“見当違い”だと。 - 5021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:28:16
【Recommend BGM……】
【 ̶無̶常̶の̶嵐̶→Pause】
【GGF→Start!】
ヒフミが叫んだのは、彼女からしてみれば当たり前だった。自分のせい?僕の判断ミス?問題ないからそこにいろ?全て、全部、たった一人、自分の相棒と呼ぶべきサーヴァントに押し付けて?
「(ふざけないでください……!)」
そんな事を、阿慈谷ヒフミという少女が我慢できるはずがない。咎も罪も苦しみも、そして喜びも嬉しさも幸せも。辛いから一緒に背負って、嬉しいことは分かち合いたいから一緒に喜び合う。そうやって手を取り合って共に進むのを望むのが阿慈谷ヒフミという少女なのだから。
「何ですか!さっきからずっと私のことほったらかしにして!」
それはセイバーすら意図しない反応。思わず剣を握ったまま立ち竦む彼に対して、立ち上がった彼女はずんずんと前へ。風王結界で囲われた守りすら越えてセイバーの方へと行く。
「ひッ、ヒフミッ!?一体何を……!?今はまだ」
「そんなの知りません!私怒ってるんですッ!」
ついにセイバーの隣に立った彼女はけれど目線は強欲のアーチャーへと、真っ直ぐに前を見据えたまま啖呵を切った。
「なんですか、アーサーさんっ!一人で勝手に突っ走って、僕が悪いだなんてウジウジ言って!」
それは苛立ちであった。大人としての責任感に基づいて、けれどある種鬱屈したセイバーの決意。
「しかも!あの聖杯陣営のアーチャーさんを倒しちゃうのは僕の罪だとかなんとかって……なんですかっ!もう!本当にもうっ!」
それに対してヒフミが感情のままに叫ぶ声はずっと幼なげで、子供っぽくて、けれどこの場にいる大人達にとって眩しいぐらいに鮮烈であった。
「いやその……っと、邪魔だ、なァッ!」
「ナイスですアーサーさん!……あ、横から来てます!」
「ああ!……ってそうじゃなくて、ねッ!」 - 5031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:30:55
ヒフミの言葉にしどろもどろになりながら言い返そうとしつつも、アーチャーからの攻勢はまた勢いを取り戻し始める。セイバーの奮闘が手にした猶予は終わりを告げた。ここからは先程の巻き戻し、またセイバーさんは終わりの見えない消耗戦を強いられる。
「危険なのが分かるだろう!ここは敵の陣地っ!ましてや宝具の内で、しかも相手はあのプトレマイオス一世「誰ですか!」勉強!しなさい!って!いつも!言ってるじゃないか!」
だというのに、どうしてだろうか。先程までとは違ってセイバーの動きはずっと軽やかになっていた。
「知るわけないじゃないですかぁ!セイバーさんの世界の偉い人のことなんかぁ!教えてくれなきゃ分かりませんよぉ!あ、反対側から来てます、もう!逆です逆!」
「右かッ!左ッ、かでェッ!言ってほしいなぁ!」
放たれた溶岩混じりの火球を。幾十もの棘を蓄えた氷塊を。ヒフミに向けて食指を伸ばす雷霆を。酸素ごと奪い尽くす密度を宿した恐るべき暴風を。それら一切の全てを、会話をしながら手早く処理してみせるセイバーの手際はいっそ鮮やかであった。それこそ思わずと言った様子で声もなく弓兵の目が見開かれるほどに。
「私の気持ちも!一緒に戦いましょうってお話したことも!あの方を倒すことを決めるのも!二人で一緒にこの本屋さんに入ろうって決めたことも!そういうの全部ほったらかしにして!」
だが、二人にしてみればそんな事はどうでも良いのだ。今ここが戦場だとか、敵の目の前だとかそんな事は全て些事。ヒフミはただずっと、何度も呼びかけていたのに無視されたことや自分の気持ちを無視された事に腹が立っていて。セイバーにしてみればそんなヒフミのこの場に似つかわしくない、そして可愛らしい癇癪を受け止めるので精一杯。邪魔する輩の手品なぞに拘っているよりずっと、お互いの気持ちを伝え合う方が大事なのだから。
「もうなんなんですか!一人で戦って一人で怪我して!それなのに私のことは守ろうとしてまたぼろぼろになって!全部自分が悪いんだって……ッ!」
「……ヒフミ」
つまりは全てそういうこと。
「そんな悲しいお話、あって良いはずないじゃないですかッ!」 - 5041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:32:54
阿慈谷ヒフミという少女は、この世界でセイバーを召喚したマスターは、とんでもなく我が強い、けど何処にでもいる普通の女の子なのだ。だから、誰かが傷つくのも、傷つけられているのも。ましてや友達なのに、仲間なのに、自分のせいだと背負い込んで一人で頑張っているのを見ているだけだなんて我慢できる子ではないのだ。
「……ヒフミ、僕は……」
「あ、セイバーさん前来てますよ」
「ああもうッ!締まらない、なァッ!」
そんな少女が齎した空気が戦況を掻き混ぜる。先程までの鬱屈し、悲壮感すら漂う激戦は残り香すらある事を許されない。それは別に世界が違うからだとかそんな小難しい話ではない。いるのだ、こういう少女は。セイバーも、そしてアーチャーも知っている。言葉で、行動で、心映えを前へと進めてくれるそんな力を。迸る熱情を乗せた言葉でその場の空気を一変し己の想いを実現させる力を。
「……私は平凡で弱っちくて、何にも知らないマスターです。私なんかいたって守ってもらって足を引っ張ることしかできないのかもしれません」
それがたまたまヒフミの場合、世界征服でも王国の統治でもなく、大切な人と一緒にハッピーエンドに行くという方向性なだけなのだから。人に想いを伝播する名もなき力。伝わらなければ武力と違ってなんの意味もない力。
「でも、そのままアーサーさんが辛い思いを、苦しい痛みに耐えてるのを見てるなんてできません。私を守る為に一人で傷つくなんて私は嫌です。苦しいことがあるのなら、私は二人で、みんなで乗り越えたいんです!」
けれど、伝わりさえすればどこまでも広がっていく人が人たらしめるコミュニケーションの力である。明るく、前向きに、胸を張って。ヒフミはセイバーに向かって、否。今この瞬間、世界の全てに向かって叫んでみせる。
「一人で大変なら二人で!私だって」
マイ・ネセシティ。ヒフミは自ら“必需品”だと名付けた大切な愛銃を手に取り、その銃口を敵へ。
「貴方のマスターで!貴方のお友達なんですッ!」 - 5051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:34:16
強欲のアーチャーだと名乗る敵へと向ける。それは明確なヒフミの決意の顕。柚取ナツを、桐藤ナギサを、早瀬ユウカを。それだけでなく多くの人を傷つけた聖杯陣営に対して、斃すのだと。それが他者から殺人であると突きつけられる可能性を頭の中で掠めてなお、斃さなきゃいけないと訴える理性と直感を、そして仲間達の言葉を信じる事に腹を括ったのだ。
「だから後ろはお任せください。私が」
そして背後を振り向いたヒフミの指先は心地の良いほど軽く引鉄を弾く。突撃銃特有の乾いた甲高い銃声が高らかに叫び、密かに迫りつつあったdice1d6=3 (3) 冊の魔導書へ鉛の杭を突き立てて紙屑に変えてしまう。
「全部やっつけちゃいます!」
残心、からの力瘤を作って決めポーズ。その陽気な仕草に毒気と肩の力を抜いたセイバーは困ったような、けれど晴れやかな笑みを浮かべた。
「……確かに。君が出来ない事を僕が補うのならその逆があるのもまた然り。何よりどんな逆境でも諦めず、最後まで自分にできる事をする、それが」
今日までの時間。セイバーもまた不思議でどこか懐かしい日々を過ごしてきた。その中で彼もまた、ヒフミとの絆を確かに紡いできたのだ。だからこそ、言える言葉がある。
「はいっ!先生から教わった大切な」
「ああ、君の信条で、誇りだからね」
託せる想いがある。
「頼んだよ、ヒフミ───僕は君が向かせてくれた前だけを見よう」
「はいっ!よろしくお願いします、セイバーさん!」
- 5061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:35:15
再び二人の目線が離れて、それぞれが敵と向き合う。先程までの暗い雰囲気はとっくに霧散した。戦闘とは時に雰囲気によっても趨向は転じる。今すぐに二十倍近い戦力差が覆っただとかそういう話では無論決してない。
「……聖杯戦争で召喚されたサーヴァントと抑止の後押しで土地に召喚されるサーヴァントには大きな違いがある」
「おや、また講釈かい?すまないね、うちのマスターはどうにも不勉強なものだから助かるよ」
「あはは……セイバーさんがちゃんと教えてくれてないからですよぉ」
だが、変わったのだ。両者が並び立ち、共に背中を預け合う。強さの多寡では決して測れない、信頼できる相手がいるからこその数値化できない何かが今、この場にはあった。
「その最もたるが、これだな」
それをこの場で、ともすればある意味セイバー以上に理解しているからこそ、強欲のアーチャーは魔導書任せにせず再び自ら光芒を放った。指先一つの指示は、剣を振るうより遥かに速い。それは腕と指とでの運動範囲の差という覆しようのないものだ。
「っと!……危ないな、ヒフミの脇腹が少し減るところだ」
「あーりーまーせーんー!そんな離れたところにあるほど私のお腹にお肉はついてませんよーだ!」
だというのに、セイバーはヒフミの肩を軽く抱き寄せたかと思えば半身をずらすだけで軽く躱してしまう。先までの必死な攻防はなんだったのかとそう問い詰めたくなるほど、落ち着いて、穏やかに、いつもの調子で。その事実に弓兵は苦い笑みを浮かべた。
「……サーヴァントとマスター。本来であれば脆弱なただの魔術師、戦争も知らぬ、戦士でもない現代の人間との契約。だというのに、時に我らサーヴァントはマスターと心を通わせることで常ならざる力を得る」
ヒフミは目の前の老人がする苦み切った笑みに何か不思議なものを覚えた。ある種の直感だったのかもしれない。その笑みは自嘲するようで、儚むようで、呆れるようで。
「こうなる前に仕留められたのなら話は簡単だったが、やはりそうもいかないものだ。まったく、サーヴァントになってまで人の生涯の道行、その難しさを実感するとはな」
けれどどうしようもなく愛しい物を見たような、そんな眩しい物を見て目を細めるような笑みだったと。 - 5071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:36:34
「マスターの存在するサーヴァントは致命的な弱点と驚異的な爆発力を併せ持つ。であれば、だ。決着は早々である事が望ましいだろう。さて、セイバーとそのマスターよ。余力は残さん」
けれどヒフミがその笑みを改めてよく見る前に、夜色の外套を翻したアーチャーの顔はまた渋面を作っていた。並々ならぬ覇気は先程までよりもずっと強い。残る魔導書達はアーチャーの闘志に呼応してなのか、再びバラバラと紙片へと戻りだすと、その項から青白い輝きを取り出す。その光がアーチャーへと一つ、また一つと宿るたびに紙片は床へと崩れながら堕ちていく。理解はできないが、何をしているのか察しはヒフミにもついた。
「ここからは、虚構の輝きを見せるとしよう」
青黒い銀の輝きが色味を増して強くなる。そう、全力。
「ああ、つまりだな───覚悟せよ、殲滅戦だ」
宝具発動の前兆である。
「おっと、どうやらあちら全力のようだね」
「ええ……だったらこっちにだって、やりようがあります!」
「……良い作戦だ。なら、任せてもいいかい?マイレディ?」
それに対して前を見るのはセイバーに任せたヒフミはごそごそと鞄の中身を漁りつつ念話で作戦を二言三言で伝える。とうの昔に“一度見せている”のだから、“何を使うか”と“どう助けてほしい”かさえ言えば後はもう自分の役割しか残らない。だから伝える事はそれで十分。大切なのは、やる気と勇気と。
「はい!もちろんです!」
相手を信頼する気持ちだけなのだから。
「掲げるは我が胸の切望」
準備を始めるヒフミ達と同じく、アーチャーもまた朗々と声を響かせる始める。荘厳なる言の葉はこれより呼び起こす絶大なる一撃を謳う祝詞にして呪詛。
「鈍き光よ、お前が未だ熱を喪えぬと嘆くならば」
其れなるは、ヒフミの知らぬ汎人類史において既に失われつつも世界七不思議にも数えられた至高の神秘が一つ。奇しくも魔導書の数と同じ五十六キロ先まで照らし海岸線に潜む敵船の悉くを焼き尽くした対艦兵器。アレクサンドリアの大灯台、その要たるトリトンの大鏡。 - 5081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:37:35
「我が行く先を拓く事は最早叶わずともッ!」
魔力を含めた凡ゆるエネルギーを集光し熱と光へと変換する遥かな神代の遺産を用いて此度放たれるのは虚構なれど侮り難き光の奔流。強欲のアーチャーの霊基を形作る⬛︎⬛︎と魔力の双方を集光させ混合する事で極大の神秘を創り上げる、違法改造を経て誕生した正真正銘の“対学園都市宝具”。
「幸なる過去への手向けを果たせッ!」
生半可な神秘相手ならば掠りでもしただけでその身を猛毒の如く冒しつくし、正面から当たればまず間違いなく蒸発する熱量を宿す生徒の神秘に対する特攻。躱す事以外は許されない、防ぐなぞしようものなら盾を掲げる事すら本能が拒否するほどの純粋なる殺意の結晶体、それが強欲のアーチャーが持つ宝具の正体である。そんな物を今この場で放つと宣言された。そして今この場は王の書庫が内部。これもまたヒフミ達は知らぬ事だが下手に躱したところで、強化補助され疑似的な未来視すら可能にするアーチャーの【演算能力】で躱す事すら読まれてしまう。では何とするか。
「悪いけれど、それをさせるわけには」
決まっている。その為の方法はとうの昔にセイバーに魅せていた。だから念話で密かにそれを伝えられた時、彼はヒフミの案に二つ返事で了承したのだ。確かにアレならば、と。
月は知らず───
あの奇怪な人形であれば。モモフレンズが発売した大音量と大型バルーンでほんの一瞬とはいえ視覚的・聴覚的な情報遮断を行えるあのデコイならば。
「いきませんっ!お願いしますっ、ペロロ様ッ!」
「風よ───ペロロに翼をッ!」
ヒフミが心から愛するペロロと。
今この瞬間までヒフミを守り続けた風の鞘を“完璧なタイミング”で同時展開すれば。
───虚構の光
防げずとも宝具による一撃を“誘導”できるのだ。 - 5091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:47:17
というわけで1ターン目おしまい!!!……一週間もかかってごめんなさいじゃんね……
とりあえず2ターン目に関しては昨日出してもらったレスが面白かったから採用して上手いことやるじゃんね☆
GGF、大好きじゃんね☆
続きはまた夜に、じゃんね☆時間は未定だけど明日は安価の予定だからまたアナウンスしますじゃんね☆
ちなみに1が改“悪”した宝具シリーズの中では今のところアーチャーのやつが1番お気に入りじゃんね☆
ダクテュロスって単語見つけた時は嬉しかったし、なんか今回よく見たら🎲目が偶然ぴったりだったじゃんね☆
ぜーんぜん!気にしないでねじゃんね☆むしろ保守してくれようとしたり気を遣ってタイミング見計らってくださったり……そういう優しい心遣いがすごく嬉しいです!ありがとございます!……じゃんね☆なんとか書けてお出し出来てよかったじゃんね☆
それもやりたいじゃんね……1は基本的に女の子達がわちゃわちゃお茶会してるの大好きじゃんね☆
でもその為には、アルちゃん、それからマリーちゃんとトキちゃんの問題を解決しなきゃじゃんね☆
ヒフミちゃんが追加で三冊持ってったじゃんね☆
それでもってここからはブルアカのノリでいくじゃんね☆
- 5101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 09:54:25
1個大事なことアナウンスし忘れてたじゃんね☆
今回地の文で出したアーチャーの宝具説明にあった『アレクサンドリアの大灯台、その要たるトリトンの大鏡』のトリトンの大鏡っていう固有名称はFGO原作にも冒険シリーズでも出てきてない似非用語じゃんね☆
原作では普通に遺跡で拾ってきた鏡としか言われてないじゃんね☆
トリトンの大鏡っていうのは史実のアレクサンドリアの大灯台の構造を元にした造語?じゃんね☆
折角トリトンだしイベントの時期的な意味でも合うからつい出しちゃったじゃんね☆
ちなみに1はまた爆死したじゃんね☆
ちょっと泣く、じゃんね☆
だから解釈とかの話じゃなくまじのガチで原作には出てこないワードだから雰囲気で楽しんでね!じゃんね☆ - 511二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 12:54:38
どんな感じの描写になるか楽しみ
- 512二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 15:57:43
今回は意図せずファンブルイベントみたいになっちゃったけど負けイベとか今後あるのかな
- 5131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 16:31:24
いーま書いてるじゃんね☆ぼちぼち進めてるけどやっぱりクヨクヨしてる展開より「うるせ〜〜!!!!!知らね〜〜〜〜!!!!ブルーアーカイブ!」やってる時は楽しいじゃんね☆
……おっかしいじゃんね、これ書く前はもっとこう鬱っぽいお話書く方が得意だった筈だしなんなら流行りの曇らせにもリスペクトを欠かさない上で敢えて挑戦するつもりだったのに……ど、どうしてこんなことに?じゃんね☆
最後のちゃんとした出番になるから大事に書いてるじゃんね☆どの子もよそ様のお子さんだから可能な限り、1なりに大切に書きたいじゃんね☆
……聖杯のサーヴァント達の裏コンセプトが某カードゲームのディスペクターっていうのにインスパイア受けたのは内緒じゃんね☆
明確に負けイベントで用意してたのは対ライダー戦ぐらいじゃんね☆あれは完全にイベントボス戦じゃんね☆
残りはあと一回ぐらい、みんなの選択肢と🎲の出目でやるかなぁって思ってるじゃんね☆
ここからは1の基本的な考え方だけど、折角安価に参加してもらってるから負けイベントにぐいぐい持ってくのは実はあんまり……じゃんね☆1が一人で作ってるならそういうのも山場でちょくちょく入れるかもだけど、あくまで参加してもらって一緒に作ってもらってるからなるべく勝って、やったー!とか負けても良い情報ゲットできたし結果的にオッケー!ってなるようにしたいじゃんね☆
1はお話を進めてく上で難易度調整はしても別にみんなの敵になるつもりはないじゃんね☆
みんなの敵は1年前に1が考えたプロットというか初期案(崩壊した初期プロットの次のやつじゃんね☆)……ぐらいに思ってもらえたらありがたいじゃんね☆
- 514二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 16:40:47
この戦いでもし、令呪や花飾り使ったらどんな感じになったんだろうな
- 515二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 16:45:57
今後、相手によっては両者が宝具乱発展開になる可能性もあるのかな
まあセイバーの宝具を街中で何発も打たなきゃいけない事態になることは避けたいが - 516二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 19:08:23
思い出したんだけどさ、工務部の部員達は無事なのかね?聖杯陣営によって何かしらの損害を被ってたりしてない?それとも、自分が見落としているだけでどっかしらで言及されてたっけ?
- 5171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/12(金) 21:58:49
- 518二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:12:05
乙です
適度に休憩をとってこちらも待っております - 5191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/13(土) 08:59:30
- 520二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 14:34:46
楽しみに待ってます
- 5211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/13(土) 23:21:54
- 522二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 00:17:53
あまり根を詰めて体調を崩さぬよう……
身体が第一ですので - 523二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 00:44:50
健康が一番ですから無理をなさらず
それはそれとして待ってます - 524二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 02:27:01
大丈夫?またミカ主すてみタックルしようとしてない?
- 5251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 02:50:43
- 526二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 11:26:20
ミカ主よ焦らなくて大丈夫ですよ
- 5271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 17:44:16
- 5281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:29:30
話はアーチャーの宝具が放たれる五秒前に戻る。演算によって未来視すら掌中に収めかねん事で決して標的から狙いを外さない宝具。絶体絶命とはこの事を指す状況下にあって、ヒフミ達は回避も防御も選択できなかった。
「走るよ、ヒフミッ!」
「はいっ!セイバーさんっ!」
否、しなかった。演算がどうのこうのなどというのを理解していたわけではない。だが、今この場は強欲のアーチャーを名乗った男の宝具のうち、魔術師でいう工房内、神職や神霊であれば神殿の中なのだ。そんな場所で下手な動きをしたとしても、確実に仕留めるつもりの宝具から逃れる事は難しいという判断をするのは何も間違ったことではない。だから二人は、“前に走った”。
『(あの時、黒服さんに初めて会った時に使ったペロロ様なら。それだけじゃ難しくても!)』
『(ああ、僕の宝具だけじゃ難しくても。君とペロロがいるなら)』
発射まで残り4秒。敵が今まさに宝具を放たんと魔力を爛々と輝かせる真っ只中にあって、ヒフミ達は全速力でアーチャーへ向かって駆け出していた。自殺志願か、それともやけっぱちか。
阿呆め、この二人に限ってそんなはずが無いのだ。
何よりセイバーは最初から分かっていたではないか。苛烈な攻勢を凌いでも敵の宝具のうちにいる以上はジリ貧だと。ならばやる事はあの時、一人で戦っていた時から何も変わらない。
『『((二人でなら一瞬の隙を作れる───!))』』
その為の三手。
一手目が全速力疾走での前進、ならば次はセイバーの番であった。 - 5291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:30:21
「(今日はとことん無理をさせるね、だけど。お前もまた、この騎士王の宝具だというのなら)」
残り三秒。猛る輝きは腐爛の刻を迎えていく中、セイバーは風を撫ぜた。
「(貴婦人を守る今が命の張り時だ、存分に奮って魅せろッ!)」
二手目、その銘は風王結界。セイバーが所有する聖剣“約束された勝利の剣”を守護すると共に拘束する二つの鞘の内の一つ。ブリテン十三の秘宝が一つ“姿隠しのマント”との関連もあるのではと古書館の魔術師も語るこの鞘は、純粋な宝具として確立した魔術であり風そのもの。故に形ある宝具と違いその性質である“風”と“光学迷彩効果”を柔軟に使い分けることが出来る稀有な宝具である。ランクこそ中位だが、普段は逆巻く風によって光の屈折率を変えることで聖剣の御姿を隠し、ひとたび完全解放すれば暴風にも転じる。だがその役割、鞘としての形質はもう一方に劣ることは決してなく。
「風王結界───風よッ!今一度、我らをッ!」
残り二秒。獅子の咆哮を思わせる勢いで吹き荒れる風に乗ったヒフミ達はついに三手目を迎える。
前線へと躍り出たヒフミの手より投げられた円盤は、王より受領した薫風に乗って前へ前へと突き進む。それはモモフレンズグループがミレニアムサイエンススクールと共同開発した特注品にしてヒフミが愛銃と並んで好んで使う愛用品。内部のエアポンプは神秘を孕んだ春風を吸い込むと円盤の蓋を押し上げて、内部の機構は正しく起動する。
「ペロロ様!私とセイバーさんを!」
残り一秒。円盤より膨れ上がりながら現れるのは戦場どころか神秘豊かな大図書館にも当然似つかわしくない惚けた造型と賑やかなエレクトロポップ。キヴォトス製らしく対刃、対弾、対爆の三重処理を施されたダミーバルーンはセミナーの技術規格試験を通過したヒフミの切り札。厚手でありながら柔らかさを残す特殊ゴム素材が使用された事でイメージを損なわないで商品化されたその姿は、純白の巨躯に嘴の端から垂れた舌と黄色の鶏冠がチャーミングポイント。その銘は───モモフレンズ筆頭キャラクター・ペロロ。
「守り給えッ!」「守って下さいッ!」
そうしてキャッチーな音楽と光を照らし風の中で踊るようにしてペロロが現れたのと、アーチャーの宝具が放たれたのは全くの同タイミングであった。 - 5301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:31:16
極限にまで高められた青黒い光はモザイクが掛かったように出鱈目な光り方をして、けれど真っ直ぐに標的へと向かって伸びていかんとする。
「……なるほど、これは一本取られたな」
けれど紙一重。全身に風を纏う形で外も内も風王結界に守られて展開された今のペロロは疑似的にとはいえ、宝具と言える状態。ならば、完全に防ぎ切る事は出来ずともほんの僅か数瞬程度であれば完全に拮抗して攻撃を文字通り受け止めて“ずらす”ことができるのだ。
そしてその数瞬こそが、セイバー達の狙い。
「ああ、その通り」
「というわけで申し訳ないですけど」
ペロロ型ダミーバルーンは意外にも二メートル近い巨躯を誇り、横幅も同様にペロロのデザインを完璧に再現する為にふくよかである。それこそ、“二人程度が背中に隠れたら完全に見えなくなる”程度には大きいのだ。
「「一本」」
強欲のアーチャーが放った宝具の射線上に風王結界を纏ったペロロを置く事で盾とする。その際、宝具を放っていて動けない状況の上に、宝具同士の衝突による衝撃やペロロ自体の大きさと調子外れの音楽といった要素によって視覚的、聴覚的な撹乱を行う。それにより、ほんの数瞬だけだが弓兵が動くこともヒフミ達を視認することも出来ない完全な隙が生まれたのだ。
ならば、それをどう活かすか。決まっているだろう。
「貰っていきます!」「貰っていくよ!」
射線ぎりぎり、ペロロを遮蔽物にしての吶喊。後方から放たれるヒフミの声援と弾幕の援護を背に受けながら、セイバーの剣は閃く。ペロロと風王結界の併用によるドラフティング効果が齎した加速は極限へ。
「……見事」
騎士の太刀筋は古代の王へ深い傷を与えた。 - 5311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:32:15
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……SAKURA PUNCH】
【2ターン目】
勝敗を分つ一撃、とまではいかずともセイバーとヒフミによる渾身の一撃は確かな手応えを二人の手に残した。発射直前にペロロを盾にしつつ斜線に割り込ませた事で、風と音と存在そのもので瞬間的だが決定的な意表を突く。そうしてほんの僅かな射線のズレと隙を狙って、ペロロの後ろより突貫しての正面からの奇襲に成功した。間違いなく、今まで防戦であった事を考えれば、そして相手の宝具内で成し遂げたと考えれば大きな一手となったのは間違いない。
「(ありがとうございました、ペロロ様……!それから)」
しかし、同時にこれ以上の追撃が望めないのもまた事実であった。
「セイバーさんっ!」
「ありがとう。“もう下がったよ”、ヒフミ」
ヒフミの呼び掛けに答えた時にはやや前に出つつも彼女の隣に降り立ったセイバー。そしてそんな彼が数瞬前までいたアーチャーの正面は、今。
「一手与えてすぐ逃げるか。吾が相手にしているのは騎士ではなくこそ泥の類だったかな?」
宝具とはまた別に、魔導書から放たれた砲撃によって焼き払われている最中であった。その様子に思わずヒフミが唾を飲み込む。そうなる事は予測していたが、だからといってもしもまだセイバーがあの場所に残っていたら。“もしも”を想像して、追撃を選択したセイバーが集中砲火に遭ってしまっていた思うと、鳥肌が立つのをヒフミは止められなかった。
「おや?冗談の切れ味が悪いね。急に宝具なんて持ち出したから腰でも痛めたのかい?」
「小僧っ子が……」 - 5321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:33:08
軽口こそ叩いているが、それはセイバーも同じ。確かに状況は先ほどより好転した。だが依然としてヒフミ達は囚われたまま。強欲のアーチャーが言う“宝具の影響が外部に漏れない”という話や“時間は気にする必要がない”という話が本当ならば、ヒフミ達は空間ごと隔離されているということに他ならないのだ。
『(ヒフミ、現状は未だに最悪から脱していない)』
『(はい。私達はアーチャーさんの宝具の中。脱出するにしても彼がいる限りは恐らく、そんな事する暇は与えて頂けませんね)』
そしてその隔離している張本人であり、空間の主人はとびきりの強敵。少しでも隙を見せればヒフミを最優先で殺そうとするにも関わらず、自分は残る四十四冊の魔導書を従えて手数も戦力も地の利も優位に立っている。傷の一つや二つだけでは埋まらない差がそこにはあった。だからこその一撃離脱戦術。そしてだからこそ、次の一撃はより確実に突破口を開く物が求められるのは二人とも理解していた。
『(かといってそう何度もさっきみたいな隙を作ってくれる、なんて都合の良い話はありませんしね……うぅ、ペロロ様……壊れてないといいんですけど)』
『(帰りに拾っておこうね。それに拠点に戻ればきっとキャスターや彼女達がいる、きっとどんな風になっていてもちゃんと君の元に帰ってくるよ)』
『(持つべきものは頼れる仲間のみなさんですね、本当に……)』
理解はしている、しているのだが。ヒフミの心配事はそれよりも先ほど使用したモモフレンズブランド謹製ペロロ型エアーデコイ。放り投げるわ、暴風に吹き飛ばされるわ、宝具化するわ、挙句に宝具を受け止めるわと数え切れない過酷な実用は正に本戦闘の立役者と言えるだろう。明らかに酷使し過ぎたのもあって帰ったら絶対にオーバーホールをキャスターとウタハ達に頼もうと誓ったヒフミは無言のまま引鉄を弾く。
『(さて、と。それじゃあいつまでも睨めっことはいきません。私達は早くここを出てアズサちゃん達と合流してお見舞いに行きたいんです。だから)』
セイバーが一撃を与えた後に後退してから束の間、敵の攻勢は既に勢いを取り戻した。今もセイバーと背中合わせで念話をしつつ背後をカバーするヒフミの視界には少なくともdice1d44=17 (17) 冊の魔導書。
- 5331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:34:11
『(ああ、そうなる以上僕たちがやらなきゃいけないのはシンプルだ)』
『(ええ、それじゃあ私は)』
恐るべきアーチャーの従僕。縦横無尽に巨大な図書館を駆ける姿は、形と規模こそ異なれど正に現代のドローン戦争。少なくとも歩兵が相手にするには少しばかりでなく苦労する敵と戦術であるに違いない。触れたら軽い怪我では済まない一撃を放つ相手を前にして、それでもヒフミの目に諦めは存在しない。震えも恐れもなく、ただひたすらに銃弾を撃ち込んでいく。
『(残りの魔導書の相手を。セイバーさんは次の一手で)』
『(不幸中の福音さ。被害も考えなくていい折角の機会だからね、君に見せようとも。僕の宝具、我が祖国を共に守護した星造りの聖剣を、ね)』
それは安心。自分がそうするように今まさに、自分の背中を守りながら敵を見据えて好機を物にせんと戦う騎士の姿があるから。だから大丈夫だと彼女は何も心配することなく心から思えるのだ。
『(はいっ!頼りにしてますよ、アーサーさんっ!)』
自分は決して負けはしない、必ず勝ってみんなでお見舞いに行けると。
『(ああ、僕の方こそ。背後は頼むよ、ヒフミ)』
『(あはは……お互い様ですよ、アーサーさん。私の後ろも、よろしくお願いしますねっ!)』
半ば確証染みた信頼を、ヒフミだけでなく双方がお互いに向けて。だからヒフミは何も心配せず、目の前のことに集中していた。
「ああ、任されたッ!」
それはセイバーも同じ。彼もまた、ヒフミからの信頼に応える為に。そしてヒフミを託してくれた友からの信頼に応える為に。最良の好機と未来を手繰り寄せんと、綱渡りの如き最適の選択を続けていた。 - 5341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:35:22
「……うーん、吾は別に良いが」
だから、また足を止めて防戦になるのをセイバーが嫌がるのも。
「お前達はそれで良いのか?特にセイバーのマスター」
そしてその対策として後ろを向いていたヒフミをそのまま左手で小脇に抱えるという選択をしたのも、ある意味非常に効率的で合理的な選択だったのだ。
「ぃぃぃ良いわけないじゃないですかぁ!?!?なんでこんな風に抱き抱えるんですか!?いや本当になんでですか!?今そんなこと話してませんでしたよね!?」
哀れ、阿慈谷ヒフミ。最早恒例となりつつある運搬の時間であった。それも今回はお米様抱っこである。ことヒフミ相手には何故かデリカシーがないのだ、セイバーという男は。
「いや君に背中を任せるとしても僕が抱えた方が咄嗟に避けやすいし、かといって前に抱き抱えるのは一応ほら、君もレディなわけで」
「その!配慮が!出来て!どうして!小脇に!抱えるんですかぁ!しかも!後ろ向きに!スカートの中がアーチャーさんに見えちゃいますよぉぉ!」
合理的ではあるのだ。片手が塞がるとはいえ足を止めなくて済むようになり、かつ移動自体もセイバーの脚力でとなれば間合いの詰め方、引き方も自在。更に抱える際のヒフミは、セイバーの後ろを向きつつ腹這い姿勢となる。銃で背後をカバーするとなればこれほど合理的な運び方はないだろう。
「ははは……まあほら、下に履いてるし、ね?」
「ね?……じゃないんですよ!!」
女子高生の尊厳とかそういうのを完全に無視している、という一点に目を瞑ればの話であるが。ストッキング履いてるんだから良いだろうなんて言ってはいけないのだ。
「あー、そのなんだ。セイバーのマスターよ、毛布ぐらいならあるが、使うかね?」
「うぅ……流石にそれは申し訳ないので謹んでお断りします……」 - 5351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:36:29
あまりに不憫に思ったのか、目を逸らしつつ提案してきたアーチャーに対して暫く黙りこくってから、苦渋の決断と言わんばかりの顔でヒフミは断った。それはもう渋い顔だったわけだが、反対を向いているセイバーもアーチャーも見えなかったので何の抗議にもならなかった。
「さて、と。休憩には十分だろう?話はそろそろお仕舞いにしようか」
「いえ、普通に私はお話というか文句言い足りないんですが」
「いざ!仕切り直しだ、古代の王!偉大なる救済者よ!」
某湖の騎士も驚きの都合の良い耳をしているセイバーはヒフミの話をしっかりシャットアウト。そのまま勢いに任せつつ、左手に主人、右手に聖剣を構えた騎士は一歩前に踏み出して吼えた。
「───さあ、勝負といこうかッ!」
「うぅ……多少暑くても次から絶対厚手のデニールにしましょう……」
「受けて立つとしよう───あとセイバーのマスターよ、熱中症になるからそれはやめておけ」
少々決め切らないのは御愛嬌。片手にヒフミを抱えたセイバーはそのまま、前面より放たれた魔導書からの攻撃を躱わしつつ前進する。
先駆け一番槍が騎士の誉なのは今も変わらず。片手になったというのに先ほどの調子はそのまま、疾風と変じたセイバーの歩みは止まる事はなくアーチャーの懐を目指して突き進む。 - 5361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:37:37
「(しかし形振り構わないやり方になったが……どうやらそれは)」
円柱状に築かれた神殿内部は直径にして実に百六十メートル。初めに見たヒフミがコンサートホールを想起したのも無理もない広さをセイバーは一息に駆け抜けていく。進行を止めようと爆撃が五月蝿く襲いかかるのを物ともせず、蒼銀の騎士と意外と強い自分の三半規管に驚いている少女は風となる。そして、今。
「お互い様かな?アーチャーッ!」
一度目の断撃に続かんと再び聖剣は閃いた。戦法は変わらず一撃離脱。爆撃で生じた爆風も相まって加速に次ぐ加速で剣戟の閃きは恐るべき鋭さを得ている。すれ違い様の片手大振りでの左一文字。鮮やかな一撃は竹藪に入っては手で仰いで伸びた草を払うような軽やかな無遠慮さがあった。
「……機嫌がいいな、セイバー」
あからさまな苛立ちはセイバーの太刀筋のせいか。白く蓄えた舌にある口元を不愉快そうに歪めながら弓兵は難詰すると共に手の痺れを感じて、短い舌打ちを漏らした。だが幸いなことだろうか、ヒフミは勿論、セイバーにもそれが聞こえることはなかった。
「小娘の尻に敷かれてからのその威勢、ブリテンの王は随分良い趣味をしているではないか」
何故なら今この瞬間、虚空に火色の花弁を撒き散らせる硬質な音が幾度にもわたって咲いているのだから。
「なに、今の僕はただのしがない流浪の騎士、だからねッ……おまけに今は、キヴォトス在住中ッ!」
爆発的な速度で迫ったセイバー自身の加速を上乗せした横薙ぎによる切り抜けを紙一重で防ぎ今、推されながらもセイバーの聖剣と切り結ぶは光り輝く大剣。
「年若い子達に合わせるのも年長者の務めだよ」
「ふん。ならば年長者を敬うのは生意気な若造の務めだと刻んでいけ───その体になッ!」
セイバーが先にしていた魔力を刀剣の形に押し留めて疑似的に刀身を伸ばすのと技術の体系としては同じ。魔力操作によって創り上げた魔剣であった。 - 5371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:39:11
「切り削る───ッ!」
口で歪み合いながら、けれど老将と騎士の剣舞は終わらない。宝具たるセイバーの聖剣と切り結べるほど、そして先ほどセイバーがしていた物とは比べ物にならないほど精緻かつ高い密度で編み上げられた魔剣が唸りをあげて騎士の剣技に喰らいつく。
「覇々々ッ!脆弱ッ!脆弱ゥッ!」
もしも魔剣に質量があれば空間を押し潰すような轟音が響き渡っていたことは想像に難くない。
流石は音に聞こえしヘタイロイ。幼き頃より征服王イスカンダルの側近として磨き上げたアーチャーの武練武略は歳月を経てなお翳りなし。どこにそんな膂力があったのか、片手とはいえセイバーと打ち合ってみせる。
「どうしたセイバー?老耄相手にこの様では最優の名も泣くというものだ!それとも吾の大図書館に書き加えておこうか?」
豪壮無骨。老獪な術理や駆け引きで戦場を支配するプトレマイオス一世の剣技はその一言に尽きた。セイバーの剣が騎士の手で振るうに相応しい壮麗な型ならば、老王のものはひたすらに基礎基本を追究し尽くした研鑽の賜物。書と師からの教えを戦場の中で磨き上げ続けた果て、一廉ならざる武技にして理論の極北。とはいえ、剣技と聖剣で王座に君臨し続けたアーサー王その人と比べるとなれば華という一点は見劣りせざるを得ない。
「吾が相対した騎士は面貌だけが取り柄で耄碌した愚王にすら劣る武練だった、となァッ!」
ならば彩りを添えるだけのこと。強欲のアーチャーは生前、決して魔術師として名を残した英雄ではない。だが、彼が手ずから蒐集した七十万を超える書と、それを納める為に建設した大図書の内には遍く魔術の叡智が集積された。今、彼は自在にそれら魔導の技術を無限とも思えるデータベースから出力する事が可能。そして彼こそは、その経緯から汎人類史において数少ない明確に最強の名を背負うことを許された、ディアドゴイ戦争の勝者たる名将。戦略ではなく戦術であろうと、国同士の戦ではなく個人間の決闘であろう、彼の才は冴え渡る。
「呑め!ヘラクレイトスの燭台ッ!踊れ!アナクシネメスの吹子よッ!」
爆轟。十重に二十重に刃筋を重ねる最中のことであった、突如セイバーの足元より岩漿が噴き上げたかと思えばそのまま暴風に攫われて黒雲立ち込める火災旋風が発生したのは。 - 5381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:40:26
無論、下手人は分かりきっている。是ぞ、個人間の戦闘における大英雄プトレマイオス一世の真骨頂。並列化された高速思考による情報処理を基に、超高度魔術と鍛え上げた白兵戦を併用する余人には到底真似できぬたった一人で完結した鉄床戦術である。約千二百度の灼熱を宿した岩漿が渦を巻いて巻き上がりながら大図書館の床と天井を業火で繋いで焦がす様は運命の赤い糸。無論糸の先に繋がるのは恋人の薬指ではなくプレゲトーン河の畔であろう。戦闘中の息継ぎ、その最中に差し込まれる一小節。僅か一息、一秒の刹那に発生した大魔術の連続発動。規模も威力も尋常ならざる滑らか極まりない連撃は然しもの騎士王も今度ばかりは。
「調子が出てきたのかな?さっきより苛烈じゃないか」
「あれがゲヘナで有名なヒノム火山で見れるマグマですか……まだ伺ったことがありませんでしたけど、実物はやっぱりあれぐらいの迫力なんでしょうか?」
「さて、どうだろう。今度はゆっくりゲヘナの観光もしてみたいけどね」
「あはは……それはまた今日次第、でしょうか」
当然、無傷。軽やかな足取りで先ほどいた場所から離れた位置へと降り立ったかと思えば、軽口一つ。すぐさま息を整えて吶喊。獅子奮迅とは斯く言うか、黄金の髪と亜麻色のおさげを二人揃って揺らす姿は正に百獣の王、その鬣と長き尾。一人と一騎は迅雷の如き獅子となりてその爪牙たる聖剣を荒々しくアーチャーへと向け放った。
「さて、老いてなお益々盛んとは恐れ入った。だが勇猛さでは僕も負けはいられない。何せレディの前だから、ねッ!」
「無様なばかりか物も知らん若造と小娘に負けてやっては我が主人にドヤされるのでなッ!ましてや娘子片手の騎士とあらばッ!」
「おや?ご存知ないようだ。騎士とは貴婦人を守り抱き留めるのが本懐、さッ!」
再びの衝突によって発生する衝撃波。その度に吹き荒れるマグマと火災旋風は大図書館中の赫々と照してはフォトニック結晶の建材を熔かし爛れさせる。今やアーチャーが宝具として展開した王の書庫は、トリニティの古書館にその銘を残し古関ウイが修復を“自らの意思と後悔”から手掛けた『ガリア戦記』に語られる灼熱の檻を想起させる有様であった。
「注げ!タレスの水甕よッ!」
大図書館に新たな柱を岩漿と旋風で築いてなお、未だヒフミ達は健在。ならばとアーチャーが踏み込みと共に口にしたのは次なる一手。 - 5391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:41:27
真逆の絶対零度を秘めた拡張弾頭を撃ち放つ。ミレニアムでは既に使用が規制される危険弾頭が、魔術という神秘によって再現される。その威力は当然折り紙つき、皮膚に潜り込んだならばどうなる事か。今まさに結晶床へと深々と突き刺さった氷の礫が、その内側より薊の荊棘が如き矛先を全方位へと伸ばしてした。それが人体で展開したのならばどうなるか、言わずとも誰もが分かるだろう。
「相も変わらずお前達は浮ついた関係に溺れ易いな、円卓の騎士ッ!」
「何事も色恋に結びつけるのは証明だよ、貴君の頭の固さのねッ!」
何処に逃げようと立て続けに襲いかかっては天地を焦がす岩漿の地雷。岩漿と交わる事で焔の落胤を孕んだ陣風による無差別爆撃。それらの攻撃より飛ぶようにして書庫内を駆け巡りながら逃れては剣を振るうセイバー達へ、隙間を縫って放たれる惨虐極まりない氷塊の乱れ打ち。止めとばかりに古代の大英雄プトレマイオス一世が手ずから処刑刀を振るうのだ。これぞ地上に降臨した地獄絵図、古代の人々が見たならば神々の権能とでも見間違う光景だろうか。天が齎したのではなく人が手にした災害と言うならば、これぞ正しく人災だ。たった二人を相手に万全を喫して確実に殺しに掛かる仕掛け役者の手練手管は最早恐怖を通り越して狂気的な程。そして今。狂気の内に秘めた冷徹な殺意にヒフミが気づき叫んだ。
「セイバーさんッ!右奥ッ!」
ばちりと爆ぜるは紫電。剣撃と人災による飽和攻撃によって戦況の正確な分析と把握が難しい状況下にあって行われる絶好の機会。いつの時代も弱卒が王者を殺し得る可能性を秘めた秘中にして必中の一撃。つまりは、混乱に乗じた暗殺。今回の場合であれば狙撃、神解けの遠雷である。 - 5401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:42:23
凝縮、凝縮、凝縮。狙撃点ならぬ雷撃点は遥かに遠く、けれど雷速からすれば指が触れるほどに近く。書架の奥底に隠れ潜んでいた魔導書から立ち昇り膨れ上がる魔力は奔雷となりて今号令を待つ。回避は間に合わず、防御も許されず、勇者達に遺される猶予は既になく。けれど少女の叫びに騎士は応えんが為に疾風を振るい、対して旧き王はそれをさせまいと迅雷を奔らせる。
「遅いッ!───神なる裁き、パテクの雷よ」
「風王鉄槌───間に合わすッ!」
地を駆ける風の王と天より注ぐ雷の王。雷騰雲奔、騎士の風と旧き王の雷の衝突が齎したのは局地的な爆風であった。溶けた硝子の破片が粉塵となって舞うカーテンの向こうで今何が起きたか。即ち、圧縮された風圧と電力の接触により瞬間的に大気は沸騰しプラズマ化にまで至ったのである。もし仮にこの場に余人がいれば蒸発は免れない一撃。それほどまでの恐ろしき殺意の応酬を受けて、双方がただで済む筈はないだろう。ましてや片方は生身のヒフミを抱えた状態。普通に考えて、今の衝突で大きな負傷を受ける羽目になってしまうのは想像に難くない。
「……少し慣れてきたけれど」
だが、所詮想像は想像。絵空事でしかない。騎士がその手に抱き留めた少女を傷つけるようなことがあるだろうか、否、ない。 - 5411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:43:23
「やはり相手の形が本だからか、いざ目にすると面食らうよ……だけど侮れない。なにせ」
「やってる事は極々普通の伏兵、ですもんね」
「ああ、本当に参ってしまうよ」
硝子煙の分厚いカーテンを斬り払いながら現れた二人は他愛ない軽口を話しつつ肩をすくめている。多少頬や手足、衣服に爆風による擦り傷はあれどほぼ無傷。セイバーの風王結界はまたしても主君を守り抜いてみせた。見れば雷を放った下手人たる魔導書は事切れたようにして、太刀風を受けて真っ二つに分たれている。これでまた一冊、その前にヒフミが三冊とセイバーが六冊。そしてヒフミを担いでから今までの間にdice1d46=8 (8) 冊の魔導書が切り捨てられた。徐々に戦いは劣勢から拮抗へ、そして拮抗から優勢へと傾き始める。
「それをこうも簡単に、そして何度も捌かれるとなると……うむ、吾としては少々自信をなくしてしまうな」
「確かに最初は物珍しい歓待だったけど、見慣れてくれば飽きもするさ」
「あはは……私は普通に心臓に悪いので良ければやめて頂けると嬉しいですぅ……」
対し、叡智の王もまた傷一つなく。夜色の外套をふわりと揺らしながらその長き歳月を思わせる白い髭を撫ぜると、笑った。
「ふむ。なるほど一理あろうな。では」
微笑みは優しく、けれどその目の奥にある輝きは獰猛極まりない。衣服も合わさり夜の狩人、宵のしじまに翼を広げて獲物を攫う猛禽を思わせる。
「───少し趣向を変えてみるか」
- 5421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:45:03
強欲のアーチャーはその手に持っていた剣を解くようにして魔力へと分解していく。代わりにアーチャーの周囲で輝きを増すのは、水平線に見える篝火の如き微かに瞬く魔力の反応。言わずともその仕草が、白兵戦の時間は終わりなのだと雄弁に告げている。
「飽きもせず振り出しに、と言いたいところだけど」
最初にヒフミ達を襲った攻撃と同じ種類を、二人が連想するのも無理はない話であった。元素変換による局所的な災害を齎す魔導書の攻撃に比べれば、幾分か素直だがやはり侮り難い光による攻撃。セイバーの小脇に抱えられたヒフミも周囲を警戒しつつ、従者へ注意を促した。
「さっきのお話聞く限り、間違いなく新しい手を打ってこられますね!セイバーさん、お気をつけて!」
直線的とはいえ実に百九十九という圧倒的な数で光の砲撃は当たれば十分に危険。ここから先もまた数の有利不利を押し付けられる戦いになるのは容易に想像が出来て。
「アレクサンドリアの光芒、その神髄を見せるとしよう」
次の瞬間、前方より放たれた閃光が“ヒフミから見て左と斜め下”から迸り。
「くッ……これ、は……君が言っていたので大当たり、かな?」
「……はい。ですがこれはちょっと……」
大図書館の書架の上に降り立ったセイバー達は顔を顰めた。何が起きたのか、片時も目を離さず注視していたセイバー達には理解できている。だが、何が起きているのか、現実を受け止めることは極めて難しかった。 - 5431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:46:22
「どうやら、少しはお前達の肝を冷やせたようだな。外は暑い、この季節には怪談より余程涼しくなるだろうとも」
破顔ってみせるアーチャーはいつの間にか革装本を再度手にしたまま、指先で一節を撫ぜる。声に出さず、口に述べず。ただ指先一つでアーチャーの周囲に光背が生まれ、光球の砲撃が放たれていく。そしてそれらは全て。
「(想像より面倒、いえ、厄介を通り越してこれは……!)」
ヒフミ達に向かって放たれる直線的な軌道ではなく、幾度にもわたって空間内を折れ曲がりながら縦横無尽と駆け回っていた。その様は宛ら光線の檻。一度触れれば容易く焼き切る熱量が込められた致死の柵である。何が起きているのか。一つや二つならまだしも、放たれた全てがランダムかつ複雑な軌道を描きながら逃げるヒフミ達へ追い縋るのだ。前面から放たれたのにも関わらず次の瞬間には右に、左に、下に、上に、三百六十度逃げ場を許さぬ光の狩人。恐ろしき妙技に、ヒフミもセイバーも戦慄を隠せずいると、アーチャーが朗々と語る声が館内に響いた。
「屈折と乱反射は光の特性だ。書物にとって最も忌むべきものの一つだからこそ吾は誰よりも光を学び、それを解析し、研究し尽くした」
つまり絡繰は至って単純。元より魔力を物質的な質量のない光と熱への変換しての攻撃。そしてこの場にはそもそもが魔力伝達率が破格のフォトニック結晶体の建材が天井から床、果ては書架にまで敷き詰められているのだ。“放った光線を至る所に振り撒けばそのまま反射と屈折によって光線が拡散する”という簡潔な仕組み。
「ヒフミッ!カバーッ!」
「はいっ!やってみせますッ!」
だがそれによって、最早セイバー達に隠れるという選択肢は今度こそ完全に消え失せた。今この場は天井から備品の椅子に至るまでの全てが銃口へ転じたような物なのだから。ヒフミ達も必死に防戦で、手持ちの手榴弾を投げては書架を叩き壊しつつ逃走を計る。光の檻を擦り抜けつつ必死に隙を伺い、その手の剣を振るう機会を辛抱強く待ち続ける。だが、この戦術の真に恐ろしきは。
「取らせてもらうッ!」
「舐めるな、小童。神髄を見せると言った」
担い手が彼のプトレマイオス一世であることだろう。多角的、多面的な斉射を実現しているのは確かに光の性質に依るだろう。 - 5441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:47:21
だが、それが死角なき狙撃と化してヒフミ達の逃げ場を真綿で絞めるが如く追い立てていくのは、プトレマイオスという英雄あってこそだ。
「ッと!良い技だね、アーチャー!これは些か以上に骨が折れるッ!」
「ふむ、気に入ったか。なら好きなだけ貰っていけ」
疑似的な未来視にすら到達した演算能力で考えるのは数手先。どこに光を放てばどのように屈折するか、そしてどこに屈折すればセイバー達が苦しむか、果てはそれらを全く同時に並列して複数の光線に対して思考し指揮する。将として、学者として、戦士として極めて高いレベルにあるからこそ取れるプトレマイオスだけの戦術。百に下らぬ光を放つ砲の屈折と反射までを完璧に制御した上で追い込む、至高の鉄床戦術である。
「先程までしていた魔術師の真似事に比べたらずっとねッ!ただ、貰うのは遠慮しておこう。ちょうど今、重い荷物を持ってるんだ」
「あはは……面白いことを言いますね、セイバーさん。お夕飯抜き」
「……昼食じゃないだけ有情かな?それじゃあ夕餉まで時間があることだ。早く終わらせて、機嫌取りに専念しなくちゃ、ねッ!」
軽口でも叩いていないととてもではないがやっていられない、というのもまた二人の本音だろう。これこそが将にして王たるプトレマイオスの高き視座。持って生まれたスキルであり生来の才たる分割思考。生前より膨大な書物を集積、管理してきた高速思考。それらを十全に振るうにたる強敵難題との戦いを生涯にわたって繰り広げた事で得た知見と研鑽。純粋な専門的知識量で言えば上回る者はいよう、学術的な才で彼より秀でた天才もまた人類史にはいただろう。ましてや戦士としても将としても、彼を超える才と武勲で名を残した者もいよう。だが、大英雄プトレマイオスほど叡智と武略、そして個人の武勇のいずれをも深く学び、それら全てを駆使して数々の分野で偉業を成し遂げた者はそうはいない。
「弓兵の本分は何であるか、これまでの戦いでお前は知り得たか?セイバーのマスター」
そんな大英雄が眩く瞬いては次の瞬間に空間を溶断する閃光を放ってくるのだ。ヒフミ達からすればたまったものではない。なんとか隙を狙い続けていても、講義をするように一人言を口にしている今もなお、明確なそれは訪れてはくれない。 - 5451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:48:13
「遠間からの狙撃、息も吐かせぬ乱撃、戦場を覆う天蓋が如き物量。戦争における弓兵の役割とは本質的には騎兵と変わらん。即ち、作戦可能領域の拡大だ」
降り注ぐ光の裁きは先ほどまでの元素変換すら凌ぐ熱量と魔力によって構成されている。時に笏丈となって周囲を薙ぎ払い、時に馬上槍となって空間を抉り穿つ。あるいは檻となってヒフミ達の進路を防いだかと思えば、反射に次ぐ反射によって直進しか出来ない光の性質をうまく制御し鞭のようにしならせて遅いかかる。まさしく如意自在かつ精緻にアーチャーの意のままと奔る光芒は、畏るべき大業であった。
「人の腕より遠く、人の町より広く、人の足より速く、人の数より多く」
降り注ぐ、解き放つ、乱れ打つ、そして狙い撃つ。長槍に直剣に硬鞭に鉄檻に、果ては鋭き曳光弾となって。殺意はセイバーとヒフミの心の臓や顳顬へと殺到する。閃光と黄金が共に刃を交えては火花を散らす戦いの余波で図書館の水晶が悲鳴をあげる。その様はまさに、キヴォトスにあり得ざる魔術という神秘を用いた頂上決戦であった。
「いいか、セイバーのマスター。正確に矢を届けられる範囲が戦場における将の取り分、人の身を過ぎたる将の間合いなのだ。将を、ましてや弓兵を抱えた相手との戦いは間合いと地の利を如何に得るか、或いはより遠くから相手に致命の一撃を与える他ない」
「勉強になる、それに、だ。確かに随分アーチャーらしくなってきたじゃないか」
弓兵の講釈と今まさに距離を開けないが故に起きている惨状とのギャップで苦笑いを浮かべた、セイバーに対して、ヒフミはそんなことよりと言わんばかりの声を上げた。
「なるほど、そういう……いえ、ちょっと待ってください!全然弓使ってないのにらしくなってきたってなんですか!?」
「弓兵なんて基本はそんなものだよ、ヒフミ。トリスタンと言ってね、僕の友人なんだが彼は弦じゃなくて竪琴を弾いて、矢の代わりに音を飛ばして首を刎ねてくる弓の名手だったよ」
「私の世界とセイバーさんの世界では弓の定義がもしかして違うんですか!?」
「しかし「聞いてますか!?セイバーさん!」はいはい、その話はまたあとでね」 - 5461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 19:51:05
考えてはいけない。今思うと彼の弓はちょっと弓とは言い難かったかもしれないなといつも眠そうにしていた友人の顔を思い出しつつも、セイバーは目の前の相手への対処により深く集中していく。なにせ片手間でやり合えるような状況はとっくの昔に過ぎ去ったのだから。
「流石にこれを全部捌くのは僕でもちょっとキツいか、なッと……ッ!」
「あーもうっ!任せるなら一言ぐらい仰ってくださいよぉッ!」
ぐるりと急旋回。慌ただしく景色が変わったヒフミの目の前に映るのは突撃してこんとする魔導書の群れ、その数なんとdice1d38=20 (20) 冊。それに対して文句を言いつつも念話で自分の真後ろでより危険な光芒の対処をしているセイバーへの感謝を伝える。お互いがやれる事を、互いにできない事をカバーし合う。
セイバーをしてキツいと苦言を漏らすほどの猛攻を前にして、いまだに二人は大きな怪我もせず歩みを止めないでいた。その姿をじっと見つめながら光線を放ち続けていたアーチャーは、暫くしてから口を開く。
「ああ、しかし。よくぞ凌いでみせるものだ。この大図書館に足を踏み入れた瞬間を思えば、どうなるかと思ったが」
「踏み入れたというより君が勝手に招いたんだけどね」
「しっ!セイバーさん、お話中なんだから失礼ですよ!それに一応本屋さんの方には私達から足を運んでますし!」
フォローになっているのかいないのか。少なくともアーチャーからすると切り替えていきたい所なのは間違いない。
- 5471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 20:07:42
「……こほんっ。しかし見ればまだ余裕があるな。歓待に不足があっては吾の沽券に関わる」
態とらしく咳払いを一つ。思えば両陣共に短いながらも濃密な戦闘を繰り返してきた。一進一退、いつどちらが首を刎ねて刎ねられる立場になるか分からぬ戦況。無論、優位に立ち続けたのは最初に宝具を展開した上で土俵を拵えて戦う事を選んだ強欲のアーチャーに違いない。
「これしきでは数にもならん、と。ならばよし」
だが本来であれば、戦いにすらならず擦り潰されても当たり前としか言えない程の劣勢。それを綱渡りとはいえこの瞬間まで耐え抜き凌いできたのは紛れもなくセイバーとヒフミの一組だったからこそ。常で考えればここから先の消耗戦で強欲のアーチャーが負ける事はあり得ない。だが、この二人ならば。
「(たとえそれが那由多の果てだろうと、砂漠の中で一粒の砂を見つけるほどの可能性であろうと、この者達なら掴み取りかねん……か。まったく)」
勝ち得てしまう、そう、アーチャーは判断してしまった。だからこそ、選んだのは紛れもない秘中の秘を今この瞬間に使い切る選択肢であった。
「───お前達の全力を振るわざる得ない機会を、吾自らが与えてやろう」
【Recommend BGM……】
【 ̶S̶A̶K̶U̶R̶A̶ ̶P̶U̶N̶C̶H̶ →Pause】
【誕生の時来たれり〜御使いの四柱戦〜→Start!】
アーチャーの霊基より虹色と黄金を混ぜた光が漏れ出たかと思えば、次の瞬間、彼の手には見覚えのない物質が握られていた。大きさにして小鉢程度はあるのではないだろうか、それは精緻な彫刻が品よく控えめに施された黄金に輝く杯であった。
「あの形状はまさか……ッ!?」
「コップ……?いえ、違う。なんでしょう、私、あれを……ってッッ!?」
セイバーが愕然とした声を、そしてヒフミは初めて見るはずのそれに不思議な違和感を覚えたかと思うと喉の奥から引き攣った声をあげた。理由は、目の前の光景を見れば一目瞭然であろう。 - 5481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 20:24:51
「……やれやれ、声を出さなかっただけよくやったと褒めてやれと言うべきか。もっともこの程度の血で騒ぐようではこの先が思いやられるがな」
いつの間に手にしたのか、装飾のない無骨な短剣を構えたアーチャーはその刃を己が首筋へと当てて、そのまま刃を滑らせていた。流れ落ちる赤い血は、そのまま空中にふわりと浮遊を始めた聖杯の中へと吸い込まれていく。
「聖杯より零れ落ちた影よ。我が罪咎を焼べて虚ろの神聖、是に、偽りの銘と形を与えよう」
杯へと捧げられた赤き血は呪詛を帯びて変換され新たな形質を溢れさせる。是即ち、新生にして零落の儀。汚染を拡張し自らの裡にある罪咎を明確な形として顕現させる至上の切り札にして、聖杯の代弁者が用意した首輪である。だがそれは、あくまでも正常に機能した場合の話。
「神名装填、神名展開、神名喚起───ムセイオンよりミエザの学徒、リコポリスのストゥムが大いなるアイギュプトスの神々へ奉る」
この場にいるのが一体誰か、そして此処がどこなのか、分からぬ者はこの場にいないのだ。此処こそが最後の神殿、最果てより旅を続けた墓守の終の棲家。
「受胎せよ。拝領せよ。これに堕ちるは七つの罪咎が一柱。魔獣殻マモン───否、此処に今一度新たなる銘を打ち立てよう!」
顕現する、確立する、出力される。邪悪なる意思によって染め上げられる筈の汚染を捩じ伏せて、大いなる神格がその銘を謳いあげる。其は荘厳にして誇り高き人造の神霊。数多の祈りを編纂し、プトレマイオス自らの手で作り上げた究極の神秘。
「我が神殿にて祀る二神が一柱、嘗て我らが至りし最奥の極地ッ!其の銘、合神アモン・ハピであるッッ!」 - 5491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 20:26:05
- 5501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 21:34:32
其れは悍ましさと荘厳さが混ざり合った混沌の神聖。種族としてのソレでもなければ幻想種でもなく、無論のこと真性現象でもない。其れはキヴォトスとは異なる世界“汎人類史”の魔術世界において、魔神と称される高次の情報生命体に極めて近いナニカ。二十一世紀を迎え、ほぼ存在しなくなった過去の遺物であり、紛れもない大災害の先触れ。
「馬鹿な……その姿は魔術王、いや妖妃の───ッ!」
故に、セイバーの動揺は至極当然であった。“あり得ない”、その一言がセイバーの胸中を占める。何故ならそう、セイバーは半ば確信に近いものを感じていたのだ。獣狩りの騎士として、“このキヴォトスに悪徳の獣に連なるモノは存在しない”と。だからこその驚愕、だからこその動揺。されど魔神へと転じた弓兵はその明確な隙に対して、何もしなかった。
「……なるほど、漸く合点がいった。騎士王よ、お前は吾の知らぬ星見の者を知っているのだな。恐らくは、遠く、そして何かを掛け違えた未来の」
「待ってくれ、一体それはどういう……?」
「やめておけ。ほんの一時でもあ奴らの事を、あの旅の名を口にしない方が賢明だ。お前達がこれから対峙するであろうアレは大概の悪食、下手な情報を与えては万一もある」
それどころか、どこか懐かしむような。或いは憐れむような音を震わせるばかり。姿こそ恐るべき魔神ないし神聖の物であったが、裡にある彼自身の精神に疵一つないことは、その理知的な言葉からも察する事は容易であった。何より、セイバーもヒフミも知らぬ事だが、アーチャーが名乗り上げた通りその身は既に魔神に在らず。 - 5511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 21:35:32
「さて、老い先短い吾には時間が足りん。お前達へのもてなしも是を以て最後としよう」
遥かな古き時代、神託を受けてメンフィスより運ばれた土着の神性。メソポタミアの流れを汲みながらもギリシャ、エジプトの両神話体系に組み込まれた人造にして彼の隠れし太陽神と並んで最も隆盛と信仰を得た奇跡。そしてこの地に召喚されたプトレマイオスが先人に倣って密かに作り上げた、最後の切り札たる神聖。
「真に価値ある物とは何か、吾の終生の答えをここに遺す。それがお前達が望む物を贈る店主としての務めだろう。故に、だ」
精神に疵などあるはずもない。有り余る神威に屈する筈もない。
「───吾の一撃を見事に打ち破って魅せよ」
ただ荘厳に、ただ偉大に、ただ悠然と。習合神聖アモン・ハピは其処に在る。誇り高き勇者の到来を待ち望んで。 - 5521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 21:43:51
「……ヒフミ」
「はいっ、セイバーさん」
その偉容に何を心に思い、何を考えるか。ヒフミにしてもセイバーにしてもそれは混濁として判然とはしない。突然のことで分からない事の方が多いのだから。だが、はっきりしていることもあるのだ。
「さっきまでの話はともかく、だ。以前釈然とはしないけど、どうやら彼は僕達との一騎打ちをご所望らしい。ここまでしてきた早撃ち勝負ではなくね」
「……ええ、そういう事なら」
目の前のアーチャーが転じた神聖は驕りも油断もなく、けれど誇りと威厳を持って待ってくれていることを。恐らく切り札であろう霊基の拡大変容を使ってまで、自分達との最後の戦いに全力を賭けんとしてくれている。ならば、どうするか。
「やりましょう、セイバーさん」
決まっている。願ってもない好機、何度も狙い続けた宝具を打ち込んで状況を打破できる機会が降って湧いてきたのだ。
「全身全霊、全力でッ!私も、一緒にッ!だからッ!」
何より此処で逃げては、そう、誇りが廃る。ヒフミにはそれがまだ今一つ理解できてはいないが、けれど逃げちゃいけない、誘いを掛けられたこの大一番からは“逃げたくない”と魂が訴える。直感でも、理性でもなく、そう、本能が叫ぶのだ。
「あー、気合いを入れているところすまなんだが」
そんな二人の熱を帯びてますます勢いを増していく空気に反して、若干くぐもった戸惑いの声が館内に響いた。
「ヒフミよ、あとセイバー。お前達は何をしているのだ?」
何を隠そう、声の主は目の前で黄金の巨躯にラピスラズリで装飾を施した偉大な神聖アモン・ハピ。そんな彼からの、本気で困惑と若干引いている声であった。それもその筈。
「「なにっておやつ休憩ですよ/だよ」」
なにせ、ヒフミ達は気焔を挙げて吼えたかと思えば徐に鞄の中から丸の林檎と紙パックジュースを取り出して喫食を始めたのだから。 - 5531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 21:57:42
「……はぁ、セイバーよ。お前はそれでいいのか?」
「まあ、魔力ふぉ補ひゅうできふひね」
アモン・ハピも気づいたのだろう。偉大な神聖はその水晶に覆われた黄金の瞳をヒフミ達へと向けると、その手中にある赤銅の林檎の正体に気づく。気づいた上で、その大きな身体をややくの字に曲げつつ深々とため息を吐いた。
「まったく、これだから最近の若い者は……」
「ははは……たった八百年程度の差じゃないか」
「あはは……もうスケールが大ひふぎるはら、ひはなかったほとにひまふね……んっく」
少々緩いぐだぐだな雰囲気は先ほどまで真剣に生命の奪り合いをしていた間柄の会話とは思えない。もしかするとこれもまたヒフミの雰囲気が齎す空気、というやつのかもしれない。だが同時に、それだけではないのだろう。命を奪い合い、互いが全力で細い勝ち筋を拾いにいった。それは決して健全な関係ではないが、最後の一線すら踏み越えてお互いがお互いの懐にまで飛び込んだ間柄なのだ。友でもなく、かといって憎い仇でもなく。敵で、そして今は同じように勝利を求め合う。そんな関係なのかもしれなくて、だから両者は肩の力を抜いて最後の瞬間を過ごしていた。勝っても負けても、泣いても笑っても、次の一合で決着なのだから。
「よしっ、と!セイバーさんっ!準備万端ですっ!」
「ありがとう、ヒフミ。今度はドライフルーツか焼き菓子にしておいてくれると助かるかな」
「文句言うなら今度ご一緒してください、作り方教えて差し上げますから」
「それはまた一つ楽しみが増えたね」
肩の力は抜けている。甘い物を食べた多幸感はリラックス効果も与えてくれた。瑞々しい果実と華やかながら爽やかなジュースで喉と腹を潤した。それにより、未だセイバーどころかキャスターも調べ切れていないが、何故かヒフミの体内に魔力が染み渡り、そのままセイバーへと流れ込んでいく。
「待たせたね。こっちも漸く腹拵えが済んだところだし、それじゃあ改めてやろうか」
「はあ……好きにするがいい。とはいえ、手加減はせんぞ」
「勿論、言っただろう?胸を借りるよ、と」
セイバーもヒフミも、そして神の銘を己の存在に刻み込んだ英雄も。
「全身全霊だ───借してくれる以上は斃れてくれるなよ?」
「ほざけよ、小童───お前の方こそ斃れてしまわぬよう励むがいい」
今この瞬間に、両者両陣営共に、準備は整った。 - 5541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 22:42:17
【Recommend BGM……】
【 ̶誕̶生̶の̶時̶来̶た̶れ̶り̶〜̶御̶使̶い̶の̶四̶柱̶戦̶〜̶ →Pause】
【the sword of promised victory~Fate/Zero ver. →Start!】
最後の開戦。始まりにして終わりの号令は軽やかな阿慈谷ヒフミの可愛らしく、けれど芯の強さを秘めた声であった。
「セイバーさんっ、宝具をお願いしますっ!」
「イエス、マイレディ!」
二つ返事の了承からセイバーは両手で剣を構える。それは剣士が戦闘に用いる型に在らず。騎士が敬意を表して贈る最上位の礼、即ち剣礼。刃面を顔の中央に向けて、切羽を口の高さに持ってくる姿勢。これを指して捧げ剣という。そしてセイバーが戦闘に際し聖剣を用いて剣礼を行う理由はただ一つ。その身が担う当代の聖剣使いとしての勤めを果たす為である。
「十三拘束解放!円卓議決開始ッ!」
「葬礼神殿完全起動、対象霊基との接続確認」
遥かな神代に曰く、その始まりから星の聖剣は、ただひとりの英雄のみが使用を決めるに非ず。星の外敵を両断せしめる剣。世界を救うために振るわれるべき最強の剣は、個人が手にする武装としてはあまりに強力に過ぎるが故に、騎士王と十二の騎士たちが取り決めて備えた安全装置。それこそが、第二の鞘たる十三拘束“アヴァロン”である。
『是は、生きるための戦いである───承認、ケイ』
嘗てブリテンにありし円卓の騎士。彼らが遺した守りにして魂の欠片による裁定こそが十三拘束の正体。
『是は、己よりも強大な者との戦いである───承認、ベディヴィエール』
個人が振るうにはあまりにも強大過ぎるその力を、担い手が常に正しく振るえるように是正する。
『是は、精霊との戦いではない───承認、ランスロット』
聖剣に込められた英雄の魂の欠片達、そして聖剣を打つ為に編み込まれた幾多幾億の祈り。血みどろの戦場。死の恐怖と絶望に晒された極限の地獄においてなお、それでも“ヒトよ、尊くあれ”と謳い、輝きに散りゆく者たちが、胸に思い描く全ての結晶。末期の願い。
『是は、邪悪との戦いである───承認、モードレッド』 - 5551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 22:43:11
どうかその道の果てに誰もが幸いなる笑顔を浮かべられる日々が来ますように。愛する人と手を繋いで生きる安寧がありますように。理不尽に奪われる邪悪を断ち切れますように、と。
『是は、私欲なき戦いである───承認、ギャラハッド』
そんな、騎士の誉への祈りがこの聖剣には宿っているのだ。
「是は、世界を救う戦いであるッ!」
『───承認、アーサー』
そして光が集う。セイバーを取り囲むようにして立ち昇った十三の光の梯子は明滅と共に光の粒子となって散っていく。そうしてより一層の輝きを増していくセイバーとその手に持つ聖剣には、散っていった光の粒子が眩く束ね上げられてあく。
「習合改訂機構及び⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎承認」
対して合神アモン・ハピもまた凄絶なる魔力の高まりを示していた。見れば周囲の空間が悲鳴をあげ、まるで風化するように大図書館の建材が崩れていく。それはまるで夢が解ける十二時の魔法のよう。
そして双方は最終段階に突入する。 - 5561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 22:46:12
- 5571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/14(日) 22:50:23
完結!!!!おしまい!!!!疲れたじゃんね……まーじでしんどかった……とりあえず色々言いたいというか言い訳したいところは山ほどあるけどひとまずこれでプトレマイオス戦はおしまいじゃんね☆
それじゃあこのあとは戦闘後の処理に入るじゃんね☆
とりあえずまずは強欲のアーチャーことプトレマイオスに聞きたいことをdice1d3=1 (1) 個募集するじゃんね☆
安価先は>>567じゃんね☆
その話が終わったら次はアイテムの安価……は多分明日やるじゃんね☆
ではでは安価の方、よろしくお願いします!じゃんね☆
- 558二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:08:42
どれを聞くべきなのか
とりあえず魔獣殻について聞くか聖杯陣営とは何なのかを聞くか
あんまり核心に近いことを聞くのは危険なのだろうか - 559二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 00:53:30
やはりエクスカリバーのキメ技度はすごいね
それはそれとして聖杯陣営とは何なのか、そこまでやってキヴォトスの何が欲しいのかが聞きたい - 560二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:31:00
聖杯陣営とは何なのかについて聞くのが無難かな?
- 561二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 07:36:22
まあ確実に知ってることを聞くのが無難ではあるか
- 562二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 08:45:30
聞くことで、何かしらのリスクがあるのかどうか
ないなら核心に迫る質問をしてもいいかも? - 563二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 09:17:02
- 564二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 10:03:19
かそく
- 565二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 10:25:08
- 566二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 11:10:58
- 567二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 11:13:53
- 5681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 11:46:22
- 5691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 19:43:30
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……ライヘンバッハに消ゆ】
罪なる哉、咎なる哉。
あれほど温かい旅路を我らは知らなかった。許されないのは理解していた。間違っていることも分かっていた。けれど、それでも。足掻くことこそが正しいと、諦めを受け入れることは間違っているのだと、証明したかった。この世界に救いはあるのだと、童話の締め括りのように心から祝福できる終わり方がきっとあると、信じていた。
「(知っているとも)」
罪なる哉、咎なる哉。
悍ましきはリコポリスのストゥムよ、お前は何も出来ない。お前は何も成せない。ならばせめて、残すがいい。ならばせめて、遺していくといい。醜く足掻き、無様と嗤われようと、我らの旅路の終着点がこんななんの形にならぬ場所であっても。誰も看取る者がいなくとも。
「(ああ、それでも)」
愚かな王はそれでもこの地に遺すべき物を遺す。成すべきこと成せぬまま、果たせぬ誓いを果たせぬまま。けれど、それでも。この旅路はきっと意味があったと胸を張る為に。
「(……ここまで来た甲斐もあったというものか)」
それが大人の、無様にも今日まで生き続けた先人の責任と義務なのだから。
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……絆】
セイバーさんが放った宝具、約束された勝利の剣。魔力なんでしょうか、全身から何かがずんがずんがと抜けていく感覚があって。一瞬ふらついたその次には、そんな痛みなんて私は忘れて彼を見入っていました。
「(あれが……セイバーさんの宝具……!)」
眩い黄金の光の柱が聳え立つ中で厳かに唱えられる解放の儀式。拘束されていた鞘を脱ぎ捨てて現れる本当の刀身は先程までよりずっと装飾が少なくて、ぐんと実践向けなのが分かりました。
そしてそんな剣を背へ回すほど深く構えてから振り抜いた一撃は、光の束となってアーチャーさんが放った魔力の砲撃とぶつかって。 - 5701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 19:59:49
「決着だね」
頬に煤を、裾が引き裂かれた青い外套を揺らして、鎧のあちこちが焼け溶けた跡を残すセイバーさんは、それでもしっかりとした足取りで私の元に帰ってきてくださいました。完勝とはいえません。結構色んな貴重品を食べたり使っちゃったりしましたし、ペロロ様だって故障してるかもしれません。だけど突然始まった戦闘、相手の宝具の内側でという圧倒的に不利な中で私達は生きて勝つ事ができました。間違いなく大金星です。
「……はい。お疲れ様でした、セイバーさん」
正直なことを言えば、今思い出すととても怖かったです。ふざけてお喋りもしてましたけど、マグマは吹き荒れるし室内で竜巻がぐるぐるしてますしかと思ったらどこからともなく氷のダムダム弾とか雷が飛んできますし。本当にセイバーがいなかったらどうなっていたか、そんな気持ちを込めて私はお礼を言ったんですけど、彼は困ったように微笑むばかりでした。
「いいや、お礼を言うなら僕の方こそだ。……ありがとう、ヒフミ」
「へ?」
セイバーさんの方から言われるようなこと、私は今日は全然出来てません。強いて言うなら魔力供給を頑張ったぐらいですけど、それだって三分の一ぐらいはセイバーの自前の魔力。だからそんなしんみりしみじみと、お礼を言われると思ってなくて聞き返そうとしたタイミングでした。
「───流石は星の聖剣とその担い手か。吾の切り札では些か相性が悪かったとはいえ、こうも完膚なきまでに敗北するとはな」
先ほどまでお目々が沢山ある巨大な柱になっておられたアーチャーさんがいた場所、今は硝子の砂煙に覆われて見えない向こうから声がしたのは。 - 5711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 20:19:37
煙を払うように現れたのはやはり夜色のお洋服を召されたアーチャーさんでした。所々、怪我をされているのか動きがぎこちないですけど、血が流れていたりなんかはしなくて。まだ、お元気にも見える姿でした。
「アーチャー。君はまだ……いや、無粋な問いだった。非礼を詫びたい」
「構わんよ。吾は吾の務めを果たしたように、お前はお前の務めを果たす。今の問いかけも、サーヴァントとして当たり前だろう」
ただ、私なんかより正面から戦っていたセイバーさんの方はハッキリと分かったのでしょう。少し離れた所まで来たら立ち止まってしまった彼を見て、剣こそ手放してませんけど、明らかに警戒を薄められました。
「あ、あの!」
そのセイバーさんの判断を見て、自分の直感が間違っていないことに何となく寂しさと苦しさを覚えながら、私は大切なことを聞こうと思ったんです。
「ふむ。何かな、セイバーのマスター。ああ、セイバーからは離れぬように。吾は比較的マシだがそれでも聖杯に与したサーヴァントだ。吾の意識とは別にお前を害す可能性は十分にある」
この方が何者なのか。私達はどうして、あの赤い空を見た時のように、聖杯のサーヴァントの方やそれに連なる存在を見ると条件反射的に拒否感を、恐怖を抱くのか。それは分かりません。あの話し合いでも、私達は基本的に聖杯のサーヴァントの方々は倒さなきゃいけないと考えていました。明確な敵だと。それは私だけじゃなく直接会ったモモイちゃんやホシノさん達もそうだと。ただこうやって話す分には、なんだかすごくそれが変な気がして、どうにもつっかえてしまう物がありました。
「……ありがとうございます、心配してくださって」
「なに、構わんとも。言ったはずだぞ?吾は吾の務めを、敗者の務め果たしているに過ぎんのだから」
うまく言葉で表現は出来ません。正直に言えば、直感はしてるんです。本能で分かってるんです。絶対に私達がお呼びしたサーヴァントのみなさんと聖杯のサーヴァントの方達は致命的な違いがある。セイバーさん達に感じるお話出来て、一緒に喜びあって、そんな温もりがないのを、気づいている。
「プトレマイオスさん、とお呼びしても?」
「……ああ、懐かしい響きだ。うむ、勿論良いとも。好きにしなさい」 - 5721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 20:22:58
「はいっ!ありがとうございますっ」
だけど、それなら尚更知る必要と責任があると思うんです。何が違うのか、何故彼らは敵だと私達は認識するのか。
「それで何かな?セイバーのマスター。お前の聞きたいことは」
「あはは……なんでもお見通し、なんですね。それじゃあ、一つだけ」
今こうしてお話できて、私を気遣ってまでくれる紳士な彼と、どうして戦わなきゃいけないのか。どうしてこんなやり方で私達マスターやキヴォトスに住む人達を苦しめようとしているのか。
「貴方達聖杯陣営について、私達はユスティーツァと名乗る方の姿こそ知っていますけど目的が分からないんです。彼女と貴方達の関係性も、そして彼女が本当に私達の敵だと、そう考えて大丈夫なのかも」
ちゃんと話して知らなきゃいけないと思ったんです。
「だから、教えてください。貴方達について、あの若い姿の貴方が残してくださった言葉以外のことを」
私の問いかけに、プトレマイオスさんは暫く黙ってからゆっくりと口を開かれました。
「……そう、か。アヤネは無事にお前達に情報を届けられたか」
「はいっ!アヤネさんとホシノさんが私達にって!見せてくださいました!」
どこか寂しげにそう言う彼は、けれどとても眼差しが優しくて、暖かくて。やっぱりなんだが、この人達を敵だと思うのが理性では不思議に感じてしまきます。
「……吾は昨晩の様子は知らぬが……そうだったか。お前のその様子ならば、心配はいらぬのだろう。吾の名乗りに驚かなかったのは知らない故かと思ったが、若い吾から聞いていたかそれとも単純にお前達の価値観の柔軟性か」 - 5731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 20:58:56
- 5741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 21:16:14
そう言ってからプトレマイオスさんは目を瞑ってから、じっくりと何かを考えておられました。楽しかった思い出を懐かしんでいるようにも、悲しい出来事を忘れないために振り返っているようにも見えました。それから暫く、本当に少しの間そうされてから、またプトレマイオスさんは口と瞼を開かれました。
「聖杯陣営とは何か、だったな。お前達も分かっていようが前提として吾は全てを話すことは出来ん。何故ならこの霊基は強欲のアーチャーとして召喚されてから分けた身だからだ」
「……アルターエゴのような物かな?」
「驚いたな。お前は随分とあの天文台と深い関わりがあったようだ。だが少々違う、吾のこれはスキルによる物だ」
ゆるゆると首を振ってからプトレマイオスさんは私にも分かるように説明を始めてくださいました。アルターエゴ、とはいったい何なのか。“今というこの聖杯戦争には関係ない”という直感はするんですけど、何となく気になる気もするんですよね。
「元より首輪を付けられた状態での召喚だったのもあって話せる範囲が縛られている。言ってしまえば魚が丘で呼吸をする機能がないように、吾も直接的にお前達に全てを詳らかにする機能がそもそもこの霊基に備わっていない」
プトレマイオスさんが言うには全部言う事が出来ないのは体の機能、みたいな物らしいです。そう言えば霊基の説明を受けた時もそんなようなお話をセイバーさんから聞いたかもしれませんね。召喚に際する器である霊基っていうのは、それぞれのクラスに合わせて召喚者や聖杯さん達運営の方がシステムごと用意してくださるんだとか。
「その上である程度は話しておくとしよう。まず第一に、お前達が如何なる道を選ぶにせよ絶対に我ら聖杯に与したサーヴァントを討伐しておけ」
「君達は一体……っと、これは……ッ!?」
討伐、となるとやはり戦わなくてはいけない。彼がどうして、どんな理由でそれを言うのかで私達も聖杯陣営の方達へのスタンスと向き合い方が大きく変わるなと思っていたらプトレマイオスさんが何かを投げ渡してくださいました。それは先ほど彼が使っているのを見たばかりの。
「小聖杯だ。吾を含めて全部で七つ、各クラスに応じて存在する。吾達は大聖杯と繋がったこの小聖杯を各自地区に置くことで、疑似的な龍脈を作り上げている」 - 5751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 21:21:03
所定の位置に置かなければ作動せん故に危険性はないがな、と彼は言いますけどちょっとドキドキしますね。なんでもこの聖杯を経由して彼らは大聖杯がある位置から、小聖杯を置いた場所まで移動できるらしいです。何より、こんな物がトリニティの、それもカフェ街にあるだなんて思いもしませんでした。
「龍脈があれば吾達は動きやすいのと、大聖杯自体が少々中途半端な場所に格納されているからな。そのおかげでこういった処置が必要だった」
「大聖杯の位置については?」
「それは言えん。だが、あと二つか三つも小聖杯を集めれば逆順で辿れるだろう。事実、経緯は違えど魔力溜まりを調査していた伊落マリーはそうやってこの場所も突き止めた」
意外な、けど考えてみれば戦闘が始まる前にも聞いていた名前が飛び出して私は思わず口を挟んでしまいました。
「マリーちゃんがっ!?」
「ああ、知らなんだか。まったく奴の聞かれた事しか説明せん癖は健在だな。セイバーのマスターよ、お前は監督役からの依頼を受ける取引には応じているな?」
「は、はい……あの、もしかして?」
何となく頭の中で今朝お会いしたばかりに黒いスーツの方と美人のお姉さんのお二人がピースしてる姿が思い浮かびました。もしかして、もしかすると、なんでしょうか。
「うむ。魔力溜まりなぞ本来魔術や魔力の存在せぬこの世界では発生し得ない。無論互換性のある物質はあるが、それはまた話が別だ。だから吾達のいた世界の魔力がこの世界で明確に溜まっている場所があればそれは当然、人為的な働きであり」
「それが君達が設置した小聖杯というわけか!」
「お前達で感知出来なかったのは、その小聖杯自体が少々特殊な作りだからなのもあるだろう。それは言ってしまえば形ある物質ではなく影に過ぎんからな」
影。これもまたさっきの戦闘中で聞いた覚えがあるような気がします。ただあんまりにも破茶滅茶かつ規模の大きな戦いでしたから、どのタイミングで仰られてたかまでは今は思い出せません。あとでセイバーさんとも振り返り、しなきゃですね。 - 5761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 21:33:18
「さて、聖杯に与した、つまりお前達の言う聖杯陣営の目的は聖杯戦争の完遂だ。それ以上でもそれ以下でもない。それが大聖杯の意思であり、望みである以上、大聖杯に使役される吾達サーヴァントは必ずその願いを叶える為に動く。同時に吾達は首輪として罪咎を当てがわれる」
「君達の言う、特殊なスキルのような物だったね」
「うむ、罪咎はキヴォトスという土地が抱える罪そのものだ。そして吾達は各々に当てがわれた罪咎によって霊基を拡張汚染する形で強化している」
霊基自体を汚染する、いわば毒。しかも取り除く事も決して出来なくて、助ける為には相手を倒すことこそが尊厳と心を救う唯一の手段なのだとそうプトレマイオスさんは仰られます。そしてその罪咎と呼ばれる毒は、聖杯陣営のサーヴァントの皆さんの心や体を蝕むだけじゃなく、力も与えているのだと。
「吾であれば倒した相手の使役、暴食のであれば戦闘を行う相手に対する極度の精神汚染だ。いずれも権能クラスの強制力を有する危険な代物だと思え。何より吾達は限りなく不死に近い」
「霊基出力がサーヴァントの域だけれど、その実、権能の行使まで可能とする存在か……」
「元々吾達は大聖杯の守護者だ。そして吾達が仮想敵とするのはこの地の生徒に他ならん。であれば、最低限でもその程度の力は必要だと判断したのだろう」
言うまでもなく、判断したと言うのは大聖杯が、と言う事なんでしょう。なんだかここまで聞いた限り、そしてあのユスティーツァという人の存在もあってか、大聖杯がなんだかただの無機物のコップだとは思えません。どちらかと言うと、ちゃんと意思のある存在みたいな感じがします。
「吾達という存在はセイバー、今お前が持つ小聖杯自体と紐づけられている。ソレを壊すか無力化せん限りは時間はかかれど復活するだろう」
「……貴君、それを望んでいるんだね」
「……今そこには若い吾の魂が入っている。いずれはそれを核として霊基が再生するだろう。その度に精神と魂により強い汚染を受けながらな」
次はもう、あの映像で見た彼じゃないのだとプトレマイオスさんは仰られます。たくさん戦って、ホシノさん達を傷つけて、だけど。どことなくずっとホシノさん達を気にかけておられる優しさが見え隠れしていたあの方は、もういないのだと。 - 5771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 21:43:07
「吾達は敗北者。愚かにも聖杯の甘言に乗せられてこうして生き恥どころか死後すら恥を晒すばかりだ。最早この霊核は既に鼓動を止めたというのに、な。そしてこの罪咎という毒がこれ以上進行すれば、吾達は罪咎そのものに呑み込まれてこの地に根ざす事となる。そうなれば吾達の魂は座へと戻る事すら不可能になって」
そして私達がある意味で、いえ、本当の意味で聖杯陣営のみなさんを倒さなきゃいけない理由が今一つ増えた気がします。
「正真正銘の腐れたる悪性情報の集合体に成り果てるだろうよ」
それは、その終わり方だけは絶対にいけないと。何となくですけど私の中で直感が警告してくれるのが分かりました。
「そして何故我ら聖杯陣営を倒さねばならんかだが」
それから、プトレマイオスさんは話を切り替えるように一度声色を戻されましたが、少し口篭ってから眉根を顰めました。
「……少し時間が足らんか。さて、お前達の最後の疑問に答える前にやるべき事をしておくとしよう」
彼が見つめる先にあったのは少し節くれだった指先。それをじっと見つめられてから改めて彼は私達の方を見られました。
「言ったはずだぞ、吾はこの店の雇われ店主だと」
その指先からほんの少し、金色の粒子が漏れていたのを隠すように後ろ手にして。
「さて、幾つかお前達に必要な物を考えておいた。好きな物をそうだな……dice1d5=3 (3) 個(最低2個)まで選ぶといい。すぐに取ってこよう」
最初に会った時と同じように優しそうな笑みを浮かばれたんです。
- 5781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 22:09:12
「アイテム購入ショップ、我がムセイオンへよくぞ来た!……嗚呼、こうして店番をするとは何とも懐かしい物だ。いや、こちらの話だ、気にしないでいいとも。さ、好きなものを選ぶがいい」
【アイテム購入リスト】
今回入手できるアイテム数:3個
①叡智の業火
交換限度:dice1d3=3 (3) 回
分類:サーヴァント強化アイテム
効果:サーヴァントのステータスを5点強化できる(5点は各種ステータスに割り振り可能、ただし種火一つにつき一騎のみ強化可能)
②叡智の種火
交換限度:なし
分類:サーヴァント強化アイテム
効果:サーヴァントのステータスを1点強化できる。
③特殊レポート
交換限度:dice1d3=3 (3) 回
分類:生徒強化アイテム
効果:対サーヴァントとの戦闘時のみ、生徒の支援火力を5点追加(パッシブ)
④初級魔術教育BD
交換限度:なし
分類:マスター強化アイテム
効果:マスター礼装のスロットにランダムでスキルを追加
- 5791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 22:09:37
- 5801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/15(月) 22:15:23
【上記①〜⑦から3つまで交換したいアイテムを選択してください】
【交換限度内で3つまでなら同一商品を幾つ交換しても構いません】
【また】
【今回は更に戦闘イベントに参加及び勝利している為】
【上記とは別に使い切りの魔力回復アイテム等がプトレマイオスからランダムに渡されます】
【なお】
【こうしたアイテムは今後もとある条件を満たした場合、ある人物から購入が可能です】
【今回限りではないことを念頭に入れて】
【自由に選択してください】
【安価先>>587】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 581二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:33:30
無難に行くなら①、⑤、⑥なんだけど⑦がいつか役に立ちそうで気になる
④はマスター礼装持ってないから今は使えないけどいつか手に入れた時にすぐスキル付与できるからアリかもしれない
マスタースキルが変更可能かによってはランダム性が怖いかもしれない - 582二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 23:34:50
①、④、⑦かな
ショップ担当って誰だろ。黒服かと思ったけど彼ならもっと早くなってるよね - 583二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 00:10:05
①、④、⑦ を推したいかな
- 584二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 00:38:37
異論なし、加速
- 585二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 02:06:53
かそく
- 586二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:02:39
①、④、⑦
- 587二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:03:01
- 5881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 08:13:54
安価へのご協力いつもありがとうございますじゃんね☆安価な結果、>>587さんの①叡智の業火、④ 初級魔術教育BD、⑦真名のかけらが選ばれましたじゃんね☆
アイテムはまた定期的に購入したり交換できる場所を一括でまとめて用意するから安心して欲しいじゃんね☆
……当初の予定だと黒服がその役割だったけどいつの間にかそれどころじゃなくなったのは内緒じゃんね☆
続きはまた19時から、今日はプトレマイオスとお別れしてアズサちゃん達と合流してナギちゃん達のところに行って……それから安価するじゃんね☆
安価終わったら書いてる間用にアリスちゃんの質問のやつも投下する予定じゃんね☆
いやぁ、まだ終わってないけど本当にプトレマイオス戦は長くなっちゃって申し訳ない限りじゃんね……1もまさかこんな長い付き合いになるとは……おかげで未所持なのにプトレマイオスのスキルとステータスと大体のマイルームボイス覚えちゃったじゃんね……
- 5891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 08:21:46
- 590二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:48:47
それにしても礼装ってどこで手に入るんだろうか。他にショップ担当の人が居るらしいからそこかな?パッと思いついたのは、バベッジさん、先生と聖杯戦争対策部の誰か、大穴で監督役を除いた他のマスター、シュロ、そもそもまだ出てない誰か、ってとこかな?流石にちょいヒント欲しいな。複数手に入るのかとか既に出てきてる人か出てない人なのかとか。
- 591二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 12:56:52
真名のカケラはどんなアイテムなんだろうな
- 592二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 14:41:47
そういえば黒服からの依頼である小聖杯/魔力溜まりの調査はこれで達成したことになるのかな?
- 593二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:05:06
依頼で思い出したが、アリウス自治区の調査の依頼を受けていたけど
今アリウスどうなってるんだろうな - 5941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 18:56:53
今日はライブ?で書いてくじゃんね☆
朝から夕方まで出ずっぱりで戻ってきたらバタンキューだったじゃんね……とりあえず珈琲は飲んだから寝ずに頑張れそうじゃんね☆コメント返してくじゃんね☆こめころ!
令呪は最低一画残ってたら1としてはシナリオに組み込めるからいいなぁ、ぐらいのラフなノリだなら別に使ってもらっても大丈夫じゃんね☆花飾りはマス○ーボールみたいな物だから大事に使ってほしいけど物語的な意味はないお助けアイテムだからやばい時は全然使ってほしいじゃんね☆
街中で連発だけはしないでほしい……と思いつつ原作に倣って空に向けて打つとかやりようはあるじゃんね☆Fateで敵が大抵上か地下にいるのはそういう作劇的な理由があるんだなぁと書いててしみじみ(勝手に)思うじゃんね☆
みんな元気じゃんね☆
これは一回長めに釈明というか言い訳するじゃんね☆とりあえず早めに礼装用意できるようにはしておくじゃんね☆
アイテムショップは早ければ10日目の午後か夜には開設、もう二軒ぐらいあるけどそれはおいおいじゃんね☆
んー……ちょっとまだ悩んでるけどFGOで言う(ちょっと違うけど)無記名霊基みたいな物だし結構大事にかつぱわぁアップ的な使い方にしたいじゃんね☆
あれは残り5箇所あるじゃんね☆ただ1箇所は終えたから報告したらアイテム交換所が開設されるじゃんね☆
……お話的にも1のリアル事情の方でも色々あってアリウス関係は今空白状態じゃんね☆
一応今から突入するってなってもいけるけどその場合は可能な限り本編との齟齬が起きないような描写にする予定じゃんね☆
……まさかアリウス編やってくれるとは思ってもみなかったじゃんね☆
- 5951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 19:15:51
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……白天の城、黒夜の城:ショップテーマ】
【安価→聖杯陣営とは一体何者なのか】
【安価→ 叡智の業火、④ 初級魔術教育BD、⑦真名のカケラ】
「わぁ……」
取ってこよう、と仰られた意味はすぐにわかりました。並べられるのはホログラムの映像。まるで実物がそこにあるみたいに、それぞれがどんな物でどういう風に使うかまでを簡単な映像付きで紹介してくれていました。
「先ほどまで戦っていた相手から受け取る物なぞと警戒する気持ちは分かるが……吾手ずから用意したこれらはいずれも有益と自負する逸品だ。どうしても安全性を確かめたいのなら」
どういう理屈なのか、ふわりと浮いているそれらの画面を優しくなぞっては画像や動画を展開していくプトレマイオスさんの姿は、どちらかというとなんだかミレニアムの生徒の方。古代の王様というより最新技術を駆使する科学者の方のようです。
「監督役にでも売りつけてやると良い。あ奴とて此処にある品のどれかを渡されたのなら無碍な扱いは済まい」
「……プトレマイオス王よ。貴方は随分と監督役を買っておられる。もしや聖杯陣営は彼らと何かしら接触が?」
「……それなりの付き合いだ。ただ敗者の吾が勝者のお前達に言うとするなら、誓ってお前達が気にするような関係性ではないとも。聖杯陣営と監督役に繋がりはない、それは嘘偽りようのない事実だ」
嘘、では決してないでしょう。ここまで戦って、つまらない事で騙してくる方だなんて思えません。それに黒服さんにしても裏で何かコソコソしていたとしても、何というか致命的な所まではしてない、そんな直感がするんですよね。
「アレは良くも悪くも公平な男だ。性根は悪人であれ、監督役としては信用に値する誠実な男だとも」
「非礼なことを聞いたようだね。謝罪をここに」
「構わんよ、騎士王。吾とて同じ反応をするだろうさ。ところで良いのか?お前は品選びを手伝わなくて。見ればお前とて分かるだろう、此処にある品が」
「ああ、素晴らしい品揃えだ。流石は貴方が誇らしげに語られただけはある。それだけでも信用に値するとも」
「世辞はやめよ。だが……ああ、悪くない気分だ。お前の褒め言葉を受け取ろう、騎士王」 - 5961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 19:42:02
穏やかな時間を受け入れられている事に、自分でも驚いてしまいます。さっきのさっきまで本気で命の取り合いをしていた、という自覚がありました。セイバーさんだってそれは私なんかよりずっと分かっておられるでしょう。
「こちらこそ、さ。ただ、そうだね。僕はヒフミの選択を信じている。これまでも彼女は様々な局面で多種多様な選択をして、今日までの時間を掴み取ってきた。なら、多分この瞬間もきっとそうさ」
だけど彼は今もただ、プトレマイオスさんを相手に敬意を払いながらも、とても和やかな会話を続けておられます。それが、彼の選択だと私は思うと、切ないような苦しいような胸の痛みに襲われながら、でも尊重したいとそう思うんです。
「それにレディの買い物にあれこれと男が口を挟む物ではないだろう?」
「ははは、違いない。ああ、確かにそうだ。そうだったとも」
茶化した彼の言葉に思いの外気持ちのいい笑い声で返されたプトレマイオスさんは、目線を私の方へと向けられました。
「ではセイバーのマスターよ、選択は済んだかな?あまり急かす真似をしたくはないが、何分吾もこの後予定があってな」
「……えっと、あの……じゃあ」
突然のことでしたけど、時間がないというなら仕方ないんです。それに私もある程度は決めれてましたし。
「(これで良いですよね?ペロロ様)」
心の中で大好きなペロロ様を思い描きながら、自分が選んだ品物に改めて自信を持ちつつ、プトレマイオスさんに用意して頂きたいものをお願いしました。
「ああ、なるほど。確かにこれは良い選択だ。して、魔術礼装は既に確保済みだろう?吾からの介添や補助は必要か?」
「はへ?」
「あれ?」
「む?」
そんな三人の声が並んだのはちょっとだけ面白かったですけど、今はそれどころじゃありません。どうやら私が何となく必要そうだと思って選んだ商品の中には。
「……待て。まさかお前達、その様子だとマスター礼装を手に入れていないな?いやそれどころか、礼装自体の説明もまだか?」
思った以上に重要そうな物が紛れていたようです。 - 5971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 20:17:56
「……待て。まさかお前達、その様子だとマスター礼装を手に入れていないな?いやそれどころか、礼装自体の説明もまだか?」
思った以上に重要そうな物が紛れていたようです。
「はぁ……仕方あるまい。時間がないのは事実だが、簡単に説明しておこう。この地の人間には魔術回路はなく、マスターとなった人間には多大な肉体への負担が強いられる。それは分かるな?」
魔力供給による肉体への負担、過剰反応と呼ぶべきそれが私達、サーヴァントの方と契約したマスターに課せられた大きな問題なのは私もよく理解しているつもりです。そしてその原因の一つは、私達にはそもそも魔力回路というものがないから、と言うことだそうです。
「故にこの地の人間に魔術は使えない、というわけではない。例えば令呪を消費すれば指向性のある魔力の利用も可能だろう。或いは己の身に流れる魔力を何らかの形で取り出して加工する、というのもあり得る話だ」
難しい話です。正直そもそも魔力が流れていること自体が負担になっているから完全に遮断してしまう以外には、魔力量の調節だけで負担を軽減することは難しい。というのはキャスターさんの見解でした。だからこれまでも私達の肉体に大聖杯から汲み上げられて流されている魔力を直接どうこうするって話にはあまりならなかったんです。
「魔術礼装はそうしたお前達の内に流れる魔力を横流しすることで発動できるようにした限定礼装と呼ばれる区分になる。作成には……」
そんな宝具を使う時にぐらいしか役に立ってくれている感触のなかった魔力ですけど、どうやらプトレマイオスさんの口振りですとうまく活用できるかもしれません。
「手順がいるがそれはまた後日、他の者から聞くといい。だがそうなるとすぐ使える礼装がない、か。ならば……」
彼は近くの書架にいつの間にか立て掛けられていた大きな本を手に取られました(dice1d100=5 (5) 、75以下で目星成功)。その中から何かを抜き出すようにして取り出されました。
「これを持っていくといい。少し使い古してはいるがなに、必ずお前の役に立つだろう。己の礼装を手に入れるまではそれを使うといいさ」
そう言って彼が私に差し出してくださったのは、細かな傷はあるけれど丁寧にお手入れのされた白い拳銃でした。
- 598二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 20:54:44
このレスは削除されています
- 5991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/16(火) 20:55:29
【阿慈谷ヒフミはマスター礼装/魔術礼装を獲得しました】
【以下に詳細を表示致しますのでご確認ください】
補助拳銃
分類:サブ礼装
スロット:dice1d3=3 (3) −1(最低保証スロット数:1)
詳細:プトレマイオスが大切に保管していた拳銃。
ところどころ修理した痕跡があるものの、こまめに手入れしているため運用に問題はない。
【今回の安価で】
【④初級魔術教育BDが選択された為】
【以下のスキルから上記の空きスロットの数まで礼装にスキルを追加できます】
【補助拳銃に追加するスキルを選択して下さい】
①簡易強化
効果:選択したステータスにそのターン10点追加
②応急処置
効果:対象を1d10回復
③緊急避難
効果:対象が回避する際に10点追加
④霊子補填
効果:宝具の魔力コストを10減少
【安価先>>606】
【なお】
【スキルは魔術に精通した者であれば随時付け替えが可能です】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 600二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:39:07
王道の①、④かな~
- 601二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:47:37
2や3があれば最悪の事態を避けられる可能性はあるけどあるけど1,4にしとくか
- 602二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:52:47
折衷案で3・4で両方取るのもありだと思う
- 603二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 21:57:36
宝具の矛先がマスターの方に向く事考えると③欲しいけど、今回みたいに連続で来た場合無力だからいっそ①、④もありかな。
- 604二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:16:20
流れ的に①と④でよさそう?
- 605二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:38:55
このレスは削除されています
- 606二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:39:13
- 6071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 08:15:16
おはよーございますじゃんね☆
安価へのご協力、本当にいつもありがとうございますじゃんね☆
安価の結果、礼装の空きスロットに突っ込むスキルは>>606さんの『①簡易強化と④霊子補填』が選ばれましたじゃんね☆
魔術礼装/マスター礼装のスキルはまた魔術教育BDを手に入れたら自由に付け替えできるし、同じスキルを複数……なんていうのも出来るじゃんね☆
みんなでカスタマイズしたって欲しいじゃんね☆
今日も19:30からやるじゃんね☆午前中が色々と予約入ってるから……午後から頑張って書いておくじゃんね☆
今日こそはナギちゃんとこまで行けるようファイトするから良かったら遊びに来てもらえると嬉しいです!じゃんね☆
……ここだけの話、魔術礼装というかマスタースキル関連はPart7.5スレから導入した新規要素……1もこれがどんな風な変化を起こしてくれるかドキドキじゃんね☆
ちなみに今回出た魔術礼装はドマイナーだけどちゃんと元ネタありじゃんね☆必死に探したじゃんね☆
- 608二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 09:35:10
これ他のマスター色々つけてるのかな
…ぴっちりスーツマリー概念来る? - 609二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:25:15
このレスは削除されています
- 6101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 12:54:06
- 611二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 15:41:07
アリウス行った場合どんな感じになるんだろうな
依頼ある以上行った方がいいのは確かだけど
アリウスの現状をヒフミやアズサが知ることになるだろうし - 612二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 15:42:35
そういえば黒服からの依頼を受けたわけだけど大聖杯や他の小聖杯ってどこにあるんだっけ?
- 6131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 20:01:23
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……絆】
【安価→聖杯陣営とは一体何者なのか】
【安価→①簡易強化、④霊子補填】
「これで使える筈だ。拠点に戻り次第、キャスターなりに見せればいいだろう。手入れについても覚書を付けておく、必要なら後で見返すように」
私の掌の上に置かれたのはポリマーフレームで出来ているのかとっても軽い拳銃。銃体は黒でスライドは白のシンプルながらまとまった色合いは、どこかで見覚えがあるような気がしました。
「(どこで……いえ、そう言えば……)」
何の変哲もなければ特にどこかに所属を示すような刻印があるわけでもありません。プトレマイオスさんの仰られた通り、前々から使われていた物のようで小さな傷や使い続けて擦れた箇所があちこちにありました。でもそれらは決して雑に扱われていたわけではなくて、むしろ逆。今まで大事に手入れをされて使われてきたのが手に持っただけで伝わってくる、そんな丁寧に、けど日々を共に過ごしてきた銃なのが分かりました。
「(一度だけ、いえ、そうじゃなくても……何かの形でこれとよく似た銃を……そういえば)」
そしてこの銃を取り出される時、プトレマイオスさんが手を伸ばした書架にあった分厚い本。他の革装本と違って紺色の表紙をしたハードカバーは、難しい学術書や古関先輩が管理されている古書のような本というより、なんだか私達にも馴染み深い。
「(あれってもしかしてアル……っと、その前に)」
掌の上に重みについてあれこれ考え事に浸りそうになりましたけど、今はそれどころではありませんでした。まずやるべきこと、それはプトレマイオスさんとお話しすることです。
「何から何まで……本当にご迷惑をおかけしちゃいました…… 」
マジュツレイソウ、という物を用意して頂きました。正直これについては今一つ分かっていませんけれど、とても貴重で、これからの戦いで重要になってくるものなのは。そしてこれがあれば、こんな私でも少しぐらい役に立てるかもと思うと、この重さが愛しくて、嬉しくなってきます。 - 6141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 20:19:20
そんな素敵な贈り物を用意して、しかもすぐに使えるようにわざわざ準備してくださいましたから。何よりプトレマイオスさんの反応を見るに本当だったら私の方が前もって用意しておく物、のようです。だから申し訳なさがありましたけど、彼は渋面を作っていました。
「言った筈だぞ、敗者の務めだと。勝者は勝者らしく堂々と貰っておけ」
「……はいっ!ありがとうございます!」
憮然と仰られるその表情は渋いですけれど言葉はとても優しくて、なんだかホッコリしてしまいます。そんな風に思っていると彼はまた一つ荷物を私に差し出してくださいました。
「それからこれも持っていきなさい。外に出ても違和感のないような包みにしてある。これならお前のような学生がカフェ街で持ち歩いても問題なかろう」
「あの、これは……?」
彼の手にあるのは黒いスクールバッグでしょうか。似たようなのですと確かアイリちゃんも使ってましたけど、それよりもう少しだけ頑丈そうなスポーツ用を思わせるナイロン製の鞄でした。
「なに、お前に入用な物を見繕っておいた。この先の道中で少しばかりの備えにはなるだろう。とはいえ大した物は入っていない」
そう言ってから開けるよう促されてセイバーさんと一緒に中を見ると、鞄の中には薬品の入った綺麗な硝子瓶がdice1d10=7 (7) 本、や何かしらの本がdice1d10=2 (2) 冊、何かが入った数種類のパウチがそれぞれdice1d10=6 (6) 個ずつ、それから小さな木箱が一つでした。
「ああ、お前が危ないと思うのなら監督役の奴にでも押し付けて買い取らせるが良い。高値で売れるだろう。ついでに礼装についても奴に聞いてやるがいいさ。説明不足はどういう了見だとな」
「ありがとうございます、すごく……嬉しいですっ」
これまで何度かサーヴァントの方と戦ってきましたけど、戦い終わってからこんな風にゆっくり穏やかな空気でお喋りするのはそれこそあの夜のアーチャーさんと以来かもしれません。こんな風に心を尽くしてくださる、本当に優しい方なのだと思うんです。そしてだからこそ。
「吾はこの後、外せぬ私用があってな。見送ることは出来ん上、これ以上の長居をお前達にさせる訳にいかん」
「……はい」
この人がそう仰られるのを、私もセイバーさんも分かっていたような気がしました。
- 6151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 20:46:22
「言った筈だぞ、勝者は勝者らしくしておけと。無理に勝ち誇る必要はないが、戦いに勝利した事実は誇りに思いこそすれ罪悪感なぞ懐くな。それは敗者への侮辱と知るがいい」
「プトレマイオス王……貴君はどうしてそこまで」
いっそ険しいぐらいの口調だと言うのにどうしてでしょう、私はそれを聞いても怖いとは全然思えませんでした。むしろ、私を気遣って、けれど大切な事をしっかりと教えてくださっているような、そんな勉強をしているような気持ちになったんです。
「愚問だな、セイバー。この身が嘗て仕え共に世界の果てを目指して旅をした主君が誰であったか、お前ならば知るであろう?」
主君、と聞いて首を傾げそうになりました。だってプトレマイオスさんは王様だと言う話でしたから。けれどセイバーさんはよくご存知のようで、少しだけ懐かしむような、何かすごいスーパースターに憧れる少年のような目をしてから口を開きました。
「……ええ、無論。彼の偉大なる征服王は貴君と共に。僕の生きた時代でも、その後の二十世紀でも、長く語り継がれておられたとも」
「であるなら、分かるだろう?吾は蹂躙すれど滅ぼさず辱めぬ、そんな在り方を。勝者と敗者を分つれど決してその価値を無碍にせずその身に全て背負い前を見据える。そんな覇道こそを尊ぶのだ」
私には彼らの言う話の半分だって分かりません。でも彼らの生きた時代。戦争という命の取り合いの中で、きっと私には想像できないようなたくさんの恨みつらみがあったりする中で。それでも相手を滅ぼすのではなく、必要以上に傷つけたり侮辱したりふるのでもなく、負けた相手のこともまとめて面倒を見る。そんなすごい王様がいたのだってことは分かりました。
「……吾のこの霊基はな、この地に呼ばれた時に万一に備えて切り離された物だった。吾という英霊の性質からそういう特殊なスキルを保有していた。故に、役割があったのだ」
ふと、眉根を緩めた彼は私の方を真っ直ぐに見つめられました。その目線に力強さはありませんでしたけれど、目を離せない想いが込められていました。
「勝者に託す事だ。吾が夢見たもの、吾が願ったもの、そして英雄としての矜持を。いつか来るマスターに託すことだ。だから」 - 6161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 21:05:48
- 6171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 21:24:44
【10日目午前/戦闘イベント/追加行動】
【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎・王の書庫内】
【Recommend BGM……人理の誓い】
【安価→聖杯陣営とは一体何者なのか】
「最後にお前が問うた疑問に戻るとしよう。セイバーのマスターよ、お前は吾に尋ねたな?お前達聖杯に与する者達とはなんぞや、と」
空気が、その瞬間にまたひやりと肌に刺したと思うぐらいに張り詰めました。けれどそれは戦意や殺気の類、ではなくて。
「まずもっての話となるが吾達聖杯のサーヴァントはキヴォトスに根差す罪咎を与えられた事で霊基が拡張汚染されている。聖杯のサーヴァントがキヴォトスで活動する際にお前達と違って一切の制限を受けないのは、そもそも霊基自体がキヴォトスを由来とする要素を組み込まれているからだ」
鋭いほどに真剣で、絶対に聞き逃してはいけないお話なのだからというのはすぐに分かりました。
「そして与えられた罪咎は、霊基と不可分の領域にまで結びついた、紛れもなく呪詛の域を超えた権能に近い代物だ。吾も含めてここまでの首輪はそれこそ想定外の事態だった」
想定外、ということはつまり。
「……お前達が今察した通りだ。招聘された以上、吾達は聖杯への望みを持つのは確か。だが同時に今キヴォトスに対して敵対している現状に関しては、決して最初から望んでいたというわけではない。しかしだからといって、吾達は今の状況を拒絶しているわけでもない」
「一体、貴君達は何が……いったい何故そんな歪な状態に?」
「履き違えるな、セイバー。我らの事情なぞお前達は“知る必要がないのだ”。何故なら聖杯のサーヴァント達は全六騎全てが、聖杯を守る事を自らの意思で至上としている。そこに同情の余地は決してなく、お前達から見て我らは間違いなく邪悪であり滅ぼすべき怨敵だとも。お前達はそれさえ分かっていればいい」
また少し込み入った話になってきました。恐らくこれ以上踏み込んじゃいけない、というのはお話からも分かるんです。ただ相手のことを理解した上でお話をして、というのを今までやってきた自分としてはどうにも相手の事情を聞かずに殴ればいい、と言われるのは変というかもどかしいというか、素直に言えば嫌です。でも、それを心の中で受け入れた方がいいと直感が言っているのも事実でした。 - 6181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 23:33:22
「さて、先ほど渡した小聖杯だが。破壊するにしても解析するにしても、内部に存在する魂を核に霊基が復活するまでdice1d5=5 (5) 日まで猶予が出来るように細工してある。吾の後始末を任せる形になってすまないが、それまでに上手く処理をしてやれ。」
セイバーさんが外套の内側に入れていた小さなお椀を手に取られます。金色に光っているそれは見るからに高そうで、私からは中身なんて空っぽに見えます。だけど実際にはその器の中に、目には見えませんけど強欲のアーチャーさん、今目の前にいるプトレマイオスさんとは違うあのアビドス砂漠でホシノさん達と戦った彼の魂が入っているのだと言います。そしてそれをちゃんと対処しないとまた強欲のアーチャーさんは復活して、そしてその時はもう前回よりもずっと心も体も罪咎と呼ばれる呪いに汚染されているのだと。だから、私はこれを破壊しなきゃいけないのだと。
「そうすれば吾の魂は今度こそ大聖杯に焚べられ」
そして、それはもしかするとあの時強欲のアーチャーさんが言いそびれたことだったかもしれません。
「大聖杯の完全起動に必要なサーヴァントの数は残り六騎となる」
─── 『七騎全てのサーヴァントを斃す事で顕現する大聖杯を破壊する事だ』
─── 『後者に関しては現状は必ず一騎、犠牲にしなけりゃ実行は無理だ』
恐らく彼が言いたかった必ず一騎の犠牲が必要というのは、そういうことなのでしょう。自分たち聖杯のサーヴァントを斃して、各サーヴァントが隠し持つ小聖杯を回収した後に然るべき方法で破壊する。そうやって全部で六騎分までの聖杯のサーヴァントの魂を大聖杯に焚べれば、私達が契約しているサーヴァントの方で犠牲となるのは一騎で済む、と。
- 6191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/17(水) 23:59:42
「吾の魂を焚べたのなら聖杯にも悟られるだろうからタイミングだけには気をつけよ。なるべくならある程度まとまった数の小聖杯を回収してから破壊するといい」
「事実上の宣戦布告になる、というわけだね」
「ああ。それから我らとだけでなく、他の陣営との小競り合いも手を抜くな。と言ってもだ、セイバーのマスター。お前の願いを考えれば恐らくだが他のマスター達との衝突は必須だろう」
「私、ですか……?」
話を振られるタイミングが意外だったのもあって気が抜けた返事をした私に、プトレマイオスさんは気にした様子もなく、寧ろご自分の考えに深く潜るようにしながら話の続きを語られていきました。
「或いは伊落マリーなら話せばすぐにでも、かもしれんが……どちらにせよ、経緯や意図はどうあれある程度は戦う素振りをしておけ。むしろ戦う事こそが必要なのだ」
「それは一体どういう……」
「戦況の膠着だ。誰よりもお前達にとってこそ、膠着状態が望ましくないのだ」
膠着した状況というのに覚えがないわけではありません。実際私達の戦略はとにかく情報を集めるところ、そして仲間を増やすところからでした。それもあってか正面から衝突をしに行く、というか自分達から喧嘩をしに行くということはこれまで一度もありませんでした。昨日仲間になってくださったミノリさんも含めて、今いる三人のマスター全員が、動きとしては消極的かつ受け身なマスターばかり。それが私達同盟陣営の一面なのは間違いありません。
「アレは気の長い女だ。たかが一度の聖杯戦争の趨勢程度に一々気を配ることはない。どんな結末になろうと聖杯の起動さえ適えばそれで万事よしとするだろう。だが」
その上で続くプトレマイオスさんの言葉は、決して聞いていて嬉しい話では決してありませんでした。 - 6201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 00:01:34
「だからといってあまり無為に過ごされるというのは面白くないと思う程度の情緒はある。下手に動かなければ聖杯のサーヴァント達を動かすだろう、それこそ昨晩のようにな」
「っ……それ、は……」
勝手な思い込みかもしれませんけど、それが意図した事ではない物だとは思うんです。プトレマイオスさんはあくまでも事実や起こり得る可能性の話をされているだけだと。ただその上で暗に昨晩の襲撃が私達のこれまでの方針が故に起きた、なんていう風に聞こえてきてしまったのは、やっぱり心の支えが少し揺れて軋む音が聞こえました。
『(ヒフミ、敢えてこう聞くよ……大丈夫かい?)』
『(……ありがとうございます。はい、“大丈夫です”)』
アーサーさんはこういう時、優しいけど厳しい言葉をくれました。今、私に必要だったのはそういう言葉です。無理にでも納得して、今考えるべきことだけに専念しなきゃいけません。だから大丈夫だと自分に言い聞かせてまず目の前の話に集中することにしました。反省とか後悔とか、それも不確かなものに対して不安を覚えるのは布団の中でだって出来ますから。それに、今はそれを共有して一緒に考えてくれる頼もしい仲間もたくさんいるんです。だから大丈夫。
「アレ、というのはアインツベルンを名乗る何者かの事でいいのかな?」
「そうだ、ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンを名乗る大聖杯の端末であり、大聖杯の意思そのもの。アレにとってサーヴァントが殺し合わない事態というのは苛立ちを覚えるほど腹立たしいことだというのは頭に入れておけ」
「大聖杯の端末、か。つまり君達との関係は協力者か、或いはそれこそマスターとサーヴァントのような?」
「その解釈で間違ってはおらんよ、セイバー。我らはアレに逆らえん」
「……難しいな。僕もそれなりに聖杯戦争とは関わりを持ってきたけど、本当にこの地の聖杯戦争は特殊なケー「いいや、違う、違うのだ」……プトレマイオス王?貴君は何を……」
首をゆるゆると振られるとプトレマイオスさんは疲れた目をして、けれどその奥に燃え滾る深い怒りを湛えて低い声で唸られました。 - 6211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 00:02:29
「特殊なのではない。何もかも間違っているのだ。通常の聖杯戦争とはそもそもの目的が違う模造品なのだ。そして聖杯の起動を願うのはサーヴァントでもなければマスターでもなく、ましてや聖杯を用意した人間でもない」
その目がまた私の方を見る。今度その琥珀色の瞳を彩るのは怒りだけじゃなくて。
「聖杯自体が産まれ落ちることを願っているのだ。だからこそ、お前達マスターには幾重にも制約が課せられた。必ず聖杯戦争を完遂させる為に」
多分それはきっと。
「吾達聖杯に与したサーヴァントは何れも約定に縛られている。それは己が意思であり同情は不要だ。吾達は己の願いの為に、大聖杯を守護する事を選んだ……揃いも揃って大馬鹿者なのだ」
憐れみ、だったのだと思います。 - 6221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 00:12:18
「お前達が正規の手順で聖杯戦争を完遂させる限り吾達は邪魔立てしようとも直接マスターを害する事もない。争って願いを叶えようとするのであれば、我らが動く事は一つの例外を除いて」
「例外……あっ、それってもしかして……っ!」
「そうだ。シャーレの聖人、この地でただ一人のディダスカロスにしてパイダゴーゴス。あの者への接触を除いてありはしない」
プトレマイオスさんが言うには私達マスターが聖杯戦争をちゃんと完遂させるのなら何の邪魔はしてこない、けど先生に関しては別、という話みたいです。黒服さんともそうでしたけど、ここでもやはり先生の存在は大きいです。私達はそれを知る必要はないのかもしれませんけど、やっぱりちょっと気になる。
「だがもしもお前達が聖杯戦争自体の枠組みを破壊しようとするならば」
そんな風に考えていると、プトレマイオスさんは締めくくるようにして、最後の言葉を私達に贈ってくださいました。
「この先、茨の道を歩むのなら。決して忘れるな」
気がつけば、プトレマイオスさんの姿が徐々に遠ざかって光の靄に隠れていくのが見えました。慌てて声を掛けようとしましたけど、その前に広い教会に反響しているような大きな声が降ってきました。
「お前達は決して間違ってはいないのだと」
「その道の後ろに幾つもの屍が積み重なって見えようと、それは過去の亡霊に過ぎん事を」
「ただ明日を目指して進む事だけを、忘れるな」
その言葉に結局私達は何も返事が出来ないまま、気づいたら元いたカフェ街の路地裏に荷物を持って立っていました。時計を見れば最初に本屋さんに入った時から一分も経っていなくて。そして。 - 6231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 00:13:17
- 6241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 00:20:48
というわけでプトレマイオス戦の話はこれで本当におしまいじゃんね☆まーじで長くなってごめんなさい、じゃんね☆
明日はさくさくナギちゃんのお見舞いやるじゃんね、そんなに長く話すことも多分ないし……じゃんね☆
色々ヒフミちゃんが気づいたりしてるのは目星でなんかクリってるからじゃんね☆なぁんでこんな1d100で出目が極端かなぁ……じゃんね☆
色々情報出してみたけどまだまだ足りなそうだしもうちょいどっかでなんとか絞り出すじゃんね☆
プトレマイオスには若い方にもお爺ちゃんの方にもたくさん喋ってもらって助かったじゃんね☆
まあこれで本当の本当にちゃんとした登場はおしまいじゃんね☆お疲れ様でした、じゃんね☆
鞄の中身はまた近日中に改めて全部出すじゃんね☆頑張ってプトレマイオスが消えかけの霊基で作ってくれたものじゃんね☆複数頼んだ場合はこうなったじゃんね☆
全部って言ったら?……戦闘なしで爆笑してどでかいの一個だけ渡す予定だったじゃんね☆
だからまあ結果オーライだったじゃんね☆
明日も20:00から大体1:00ぐらいまでやるじゃんね☆明日こそ!安価!やる!じゃんね!!のでまたよかったら遊びに来てやってくださいな!……じゃんね☆
ではでは今日も読んでくださってありがとございました!それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 625二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 01:48:27
長かったねぇ…
今回分かった事は、
・キヴォトスの聖杯戦争はFate世界の聖杯戦争を模したもの。
・7つの小聖杯(仮称)みたいなのがサーヴァントを繋ぎ止める要石みたいな役割がある。その小聖杯は聖杯陣営のサーヴァントが一騎ずつ保有しているみたいな形。
・聖杯の起動を願うのは"聖杯本体"(この世全て悪みたいな生誕願望を持っている)
・その端末であるユスティーツァは基本的に動かないが、イレギュラーには敏感(この場合、先生と参加者が聖杯戦争をしないこと)
関係ないが語ってはいけないこと。
・FGO世界(Arcade含む)は可能性の塊すぎて、語ったらその縁を利用しかねない為、基本的NG。曖昧な断片ならいい(バベッジ卿が経験した平安聖杯戦争など)
・ビースト及び人類悪。(これも縁によって顕現する可能性がある為)セイバーが言うにはかの獣達が現れる悪兆の兆しはないはずだが…?
一番なのは
倒すべき相手は"聖杯そのもの"ということ。 - 626二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 11:06:14
保守じゃんね
- 6271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 15:35:50
たでーまじゃんね☆
朝バタバタしててお返事も何にもだったじゃんね、ごめんなさい……じゃんね☆
今日は20時からぼちぼちやるじゃんね☆
ほんとーに長くなってごめんなさい……遅筆かつ中々腰が重いだめだめな1だけど、また頑張って書くじゃんね☆目指せ今年度完結!じゃんね☆
春になったら桜を見に行こう、じゃんね☆1はHFが好きじゃんね☆
あとまとめ、ありがとうございますじゃんね☆1のへっぽこなお話を読んでくださってるのがすごく伝わってきて泣いちゃうぐらい嬉しかったじゃんね☆
素敵な人が読んでくれててうれしいです!じゃんね☆
ユスティーツァちゃん(仮)は1が考える一番先生にとって最悪のガチ恋勢だから先生とゴールイン()するのが個人的な目標じゃんね☆
可愛いじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
朝から検s……ええっと保健室行きだったからまーじで助かったじゃんね☆
元気だからそこは安心してほしいじゃんね☆
木金で進めるじゃんね☆
- 6281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 15:50:26
補足というか気になった人いるかもだからちょっと言い訳じゃんね☆
プトレマイオスの言う「そうだ。シャーレの聖人、この地でただ一人のディダスカロスにしてパイダゴーゴス」でなんでパイダゴーゴス、つまり当時の使用人や奴隷の方までカウントしてるかについてじゃんね☆
まず一点目にパイダゴーゴスが今の教育学(Pedagogy)や教育者(Pedagogue←これはだいぶフォーマルというか固い言い方じゃんね☆今はあんまり使われないらしいし使う時もやや癖あるらしいじゃんね)の語源だから。
次に古代ギリシャ社会でパイダゴーゴスと呼ばれた使用人や奴隷の役割は、子ども達と共に学舎で学びその登下校を守り、帰ってから家庭教師をするっていうだったこと。現代風に見ると、学問をただ教えるだけじゃなく子ども達を庇護し子ども達に寄り添って大人としてケアする在り方かなって1は解釈したじゃんね☆
というわけで現代の教職者の在り方を1の経験とブルアカをプレイして見てきた先生の言動から踏まえてディダスカロス(現代で言う専門的な講師)だけじゃなくパイダゴーゴスをどうしても入れたかったじゃんね☆
だから悪意を持ってプトレマイオスに言ってもらった、とかそういうのはないから安心してもらえたら嬉しいじゃんね☆
……逆にディダスカロスは先生の元ネタ(推測)だったりの方で関連するワードだからそっちもどうしても入れたかったじゃんね☆
とはいえ1もそんなにすっごい詳しいわけじゃなくてレポート読んだぐらいだから間違ってるよーとかあったら今回に限らず教えてもらえると嬉しいです!じゃんね☆
長くなったけどまとめるじゃんね☆
1はかなり個性が立ってる原作のブルアカ先生、大好きじゃんね☆それに他所様の子だから大切に書いてるよ!って話じゃんね☆ - 629二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 16:08:23
はえーそういう感じか
しかしやってる事がやってる事だけに逆にビーストの線が今はないの逆に怖いな
にたようにやばい状態になってる冬木の奴はアンリマユ入ったせいでこうなったけどこっちの奴は何入っちゃったの… - 6301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 16:43:39
- 631二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 16:55:31
そういえばプトレマイオスから貰った小聖杯には英霊一騎分の魂が入ってるってことでいいのかな?
小聖杯を集めてそれを使って願いを叶えようと考える陣営って出ないのかな
冬木の聖杯戦争では小聖杯が万能の願望機だったはずだし
一騎分とはいえ受肉とかなら叶いそうな気もするし六騎分の小聖杯を集めれば大体のことは叶いそうだけど - 632二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:04:07
これ小聖杯の奪い合いに発展しそうな気もするな
小聖杯を宝具のリソースとして利用するとか考える陣営がいる可能性もあるし
ここで手に入った情報を共有するかどうかは一応一回セイバーと相談してからでもいいかもしれない
直感で教えるべきかどうか分かるかもしれないし
仲間を信用してないわけじゃないけど空中分解に繋がる可能性がかなりある情報な気がするんだよな - 633二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:28:59
この後ゲヘナの件が明らかになるんだよな
救援行くことになるんだろうけど流石に全員で行くのはまずいし戦力分担どうするべきか - 634二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:51:18
そういえばこの聖杯戦争でルーラーが召喚される可能性はあったりするのかね?まあルーラーの役割的に召喚されるのはヒフミ達にとってあまりおいしくないだろうけど
- 635二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:54:07
聖杯大戦になったらルーラー召喚あり得るんじゃない?
まあ誰が召喚されるかによって色々変わってきそうだけど - 636二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 17:56:09
今の状況で聖杯大戦ってどれぐらいありえるんだろうな
時間切れを回避するためにとかはあり得そうだけど - 6371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 20:20:52
【皆様】
【こんばんは】
【サポートシステムが起動しました】
【只今より簡易的な安価を行います】
【安価内容は宝具発動と突発的な戦闘を行って疲労状態にあるヒフミとセイバーのこの後の行動についてです】
【強欲のアーチャーとの戦闘ではヒフミ達がお土産】
【カロテンたっぷり人参ケーキ】
【を購入した時間から5分も経過していません】
【この後すぐにハナコ達との合流に移ります】
【その道中で行うことを】
【以下の選択肢から一つを選んでください】
①体力とメンタルの回復を図る為にクレープ購入
②スポーツバッグの中に小聖杯を仕舞いヒフミが持ち歩く
③カロテンたっぷり人参ケーキが戦闘の余波でダメになっていないか確認する
④体力とメンタルの回復を図る為にフラペチーノ購入
⑤ショートカットしてナギサ達のいる療養所まで行く
⑥疲れたから友達に連絡をする(指定自由)
⑦助けてペロロさま〜(その他自由記入)
【安価先>>642】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 638二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 20:46:52
回復がクレープとフラペチーノの二択なのが少し気になるけど、どっちか選んだ上で小聖杯に関してはとりあえずかいつまんで三人に説明して、まだ分からない事も少しあるから他の人への説明は黒服に報告してからって事にして、一旦保留する感じで。ついでに何を買ったのか聞かれた場合は一緒に状態を確認する事にしよう。…ところで確認する場合って、もしかしてダイス?
- 639二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:13:22
流石にまた店員や客がネームドってこともないだろうしクレープかフラペチーノで回復がいいのかな
- 640二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:47:15
- 641二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:48:48
①しつつセイバーと情報整理でいいかな?
- 642二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:50:11
- 6431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/18(木) 22:04:11
- 644二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 04:46:56
こないだテレビで塩辛クレープ紹介されてたなぁ
2人は何食べるんだろうか - 6451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/19(金) 08:12:55
- 6461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/19(金) 15:42:04
ぐだぐだ新規が来るじゃんね☆1は近藤さんとか服部さんとか原田さんとか藤堂さん(←記録残ってるから絶対イケメンじゃんね☆)すごい好きだからもしかしたら実装してくれるかも!?……ってすごい楽しみじゃんね☆
あの、ところでアリウス編あの色々あのえっとその……じゃんね☆
分かってたけどとりあえず1はマリーちゃんにごめんねしてくるじゃんね☆
そこのヒフミ!小聖杯一個に含まれる英霊の魂は英霊の魂一騎分だぜ……じゃんね☆
キヴォトスに限っては小聖杯と大聖杯の関係はモバイルバッテリーとスマホ、みたいな感じじゃんね☆
あと召喚したのは違うけど、聖杯陣営が明確な意思を持つ聖杯のサーヴァントを表舞台に出したのは9日目の深夜が最初、小聖杯を獲得したのはヒフミ達が最初じゃんね☆
ここら辺はまた黒服達に会いに行けば詳しくお話してくれるじゃんね☆
全部1年前の1が悪いじゃんね☆
小聖杯についての認識はヒフミ達とそれ以外の6陣営とで大きく違うじゃんね☆
曖昧に微笑んでおく、じゃんね☆
とりあえずいい案がやっと思いついて当初のゴールと繋がったから日曜日の深夜に片がある程度つくじゃんね☆
今次は召喚されないじゃんね☆
安価次第じゃんね☆
14日目まで普通にあり得る選択肢じゃんね☆
1は社c……げふんげふん、現役JKだから休憩と言えばクレープとフラペチーノって感じだったじゃんね☆タピオカ?なんのことじゃんね☆
あ、どれぐらい回復したかとかは🎲判定するかもじゃんね☆
……安価中の質問に答える方法、なんか考えてみるじゃんね☆
疲労回復ってことでヒフミちゃんは甘いもの、セイバーは昼食前なのもあって軽食感のあるやつにしようかなぁ……ってふわっと考えてるじゃんね☆
- 647二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 00:17:36
この流れで行くとラスボスはアーチャー陣営だろうか
何とかあと4日で辿り着けるかな? - 6481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/20(土) 07:01:29
おはようございます
もうちょっと待ってください - 649二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 12:18:11
無理しないでくださいね
応援してます - 650二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:21:09
保守
- 651二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 21:42:40
そういえば、ヒフミとトキは各自のサーヴァントと似たような関係性を築いているから何か対比っぽく感じる
偶然なのかそれとも意図して書いているのか……
何時ぞやに出てた山海経での先生とアーラシュの話とかも読んでみたいなぁ…… - 6521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/20(土) 23:59:49
- 653二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 05:17:15
Oh……
どうぞご無理なさらず…… - 654二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 10:35:16
保守
- 655二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:56:45
ほしゅ
- 6561じゃんね☆onejanne25/09/21(日) 18:26:39
- 657二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:26:03
アダムかイブでも飲んで今日は休みんしゃい
- 658二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 05:00:36
ほしゅ
- 6591じゃんね☆onejanne25/09/22(月) 07:56:02
- 660二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 12:10:12
了解です
- 6611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 14:11:56
20時から21時までにはなんとか仕上げるじゃんね☆
今週のノルマは果たしてみせる!……じゃんね☆
1にすら未定じゃんね……
ある程度は決めてるというか何パターンか考えてるけどスレ主の貧弱な想像と安易な想定を覆してとんでもない飛躍するのが安価スレの宿命……というのはこのスレでよく学んだじゃんね☆
おう、待っててもらってるんだから急いで書いてくるじゃんね☆
ありがとうございますじゃんね☆
応援の一言ほど心強いものはない、と1はしみじみ思うますじゃんね☆
……の、ノーコメントじゃんね☆
とりあえず言えるのは変則的にはなるけどヒフミちゃん、それから補修授業部はそれぞれ対応する形になってる子達が色々います!じゃんね☆
……相変わらず察しが良くて頼り甲斐のある読者様達じゃんね☆
まーさかの夏風邪じゃんね☆
拗らせて肺炎コースとか気管支炎コースとかにならなくて良かったじゃんね☆
心配してくださってありがとうじゃんね☆
お言葉に甘えて無理せずお薬飲んで横になったらだいぶ元気になったじゃんね☆
ありがとうございます、じゃんね☆
保守ありがとうございますじゃんね☆
正直ブルアカとかFGOにログインするのもキッツイ調子だたから助かりましたじゃんね☆
お返事ありがとじゃんね☆嬉しいじゃんね☆頑張るじゃんね☆
- 662二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:13:38
他の陣営と戦闘になった時どう対応するかとか空中分解防ぐにはどうするべきなのかとかもし避けられないとしてもせめて聖杯陣営の事をどうにか解決しておきたいとか色々考えるべき事が多いけど、これだけは言いたいから言っておく
昨日過去スレ見返してた時にスパさんの魂の改竄ptを敏捷に全振りしてたの見てたら頭の中に「スパルタクス、高速移動だ!」「叛逆!(おう!)」ってやっている絵面が唐突に浮かんできてそれからずっと頭から離れないんだけどどうすればいいと思う? - 663二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 19:52:40
改めて考えると全員生存を目指すストーリーに死ぬことが最大の見せ場になる人がいるのひどい
- 664二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:19:57
スッキリした頭で改めて色々考えたけど、礼装の簡易強化で魔力強化した場合は強化した分の魔力も宝具のコストに使える?
- 665二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:33:39
- 6661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 21:02:49
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・カフェ街/集合場所】
【Recommend BGM……Hello to Halo】
「つっかれたぁ……」
集合場所に指定していたのは先ほどみなさんと別れた場所から歩いてもう少し先にある公園。私達二人は、スクエアの水源から引いてきたラウンド・ポンドが有名なそこにあるベンチに座って一休み。プトレマイオスさんの宝具から出てきてすぐ、手荷物をまとめると、振り切るような思いでカフェ街からここまで歩いてきたわけです。集合場所のベンチに座ったら今更ながらどっと疲れが出てきました。
「流石に昨日の夜から連続はちょっと、ですね……うぅ、こんなことならもうちょっと鍛えておくべきでした……」
聖杯戦争のマスターになって早十日。昨日の夜はほぼ徹夜で大量発生したシャドウサーヴァントの対処を、夜が明けてからは会議をしてカスミさんと交渉して黒服さんの所に行って、そしてさっきはついに聖杯陣営の方と正面から戦闘。こんなハードスケジュールが待っているだなんて、マスターになる事を決めたあの晩には思ってもいませんでした。それに、です。
「如何に歴戦の騎士とて連日連夜の戦闘は応えるものだよ。それを考えたら君はよくやっているさ」
ぽんと乗せられた体温にもすっかり慣れるだなんていうのにも、驚きでした。
「……髪、崩れるんですけどぉ」
「ははは……とっくの昔にバサバサだよ」
「うるさいですよーだ……」
一応は戦闘後。昼間だからなんて言い訳が効かないのは身をもって理解したところでしたから、疲弊した状態を押してここまでノンストップです。身嗜みを整えるなんてすっかり忘れちゃってました。そんな私の崩れていた髪型を、よく出来ましたと撫でるように彼は整えてくださいます。昔、小さかった頃に膝に乗せてもらってブラシで梳かしてもらったような、そんな幼かった時のことを思い出すような懐かしい時間は。
「ああ、そうだ。ほら、ヒフミ」
セイバーさんから贈られた甘い香りで一時中断です。笑顔で差し出す彼の手にあるのは、近くのキッチンカーで買ってきて下さった二つのクレープ。 - 6671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 21:12:34
一つは彼のなんでしょうか、所謂おかずクレープでトッピングの種類はdice1d7=4 (4) (1.キャビアとサワークリーム、2.サーモンの塩辛とマッシュポテト、3.ハムと七種のチーズ、4.タコス風ワカモレステーキ、5.燻製豚とひよこ豆のポークビーンズ、6.しゃきしゃレタスと照り焼きチキン、7.きのこと厚切りベーコン)。私のは気を遣ってくださったのか甘いスイーツ系で、dice1d7=6 (6) (1.クリームブリュレ、2.ロイヤルミルクティ、3.モンブラン、4.ブルーチーズと無花果、5.木苺とブルーベリー、6.夏苺のドカ盛りクレープ、7.抹茶)のトッピングでした。
「わわっ、ありがとうございますセイバーさんっ!……あれ、でもよくお金ありましたね?私、お渡ししましたっけ?」
美味しそうな香りに頬が緩みつつも気になるのはお金のこと。食事関係の買い物もこの頃は拠点に配送して頂いてますからセイバーさんには特にお金とかお渡しした覚えはあまりありません。そもそも基本的に聖杯戦争が始まってからは彼とは常に一緒ですしね。何か必要な物があれば私のお財布から出せばいいだけですから改まって何かお渡ししておくということはしてませんでした。とはいえ、遵法精神がヴァルキューレの方から表彰されちゃうぐらいしっかりされているセイバーさんのことです。何もおかしな事はしていないのは分かりきってますけど、それはそれ。一応お金のことですから尋ねてみると、セイバーさんはちょっと困った顔しながら教えてくださいました。
「ああ、言ってなかったかな?今日出立する前に聖杯戦争で何か入り用になったらって事でリオがある程度の分を工面してくれたんだ」
「わぁ、それじゃあ後でお礼を言わなくちゃですね」
どうやら出処はリオ会長からだったようです。私達もバタバタしてましたし、何よりリオ会長は今頃セミナーの立て直しや復旧の陣頭指揮でお忙しい様子です。だからセイバーさん経由で少し活動資金を渡してくださってたのでしょうか。本当に頭が上がらないばかりですけど、会長の細やかな気が利いて私達の事を想って色々助けて下さるのは、お金や物資のような形ある物以上に心が温かくなります。また後で、午前中の予定を終えてからのミーティングでお礼を言わなきゃですね。でもまずはモモトーク越しになりますけどお礼を言わせて頂きましょう。
- 6681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 21:41:45
ほわんほわんほわんリオリオ〜
イマジナリーリオ「(マスターでない以上私にできる事は少ないわ。ましてや今はユウカやノアが抜けた穴を埋める為に一時的にセミナーに復帰しなくてはいけない。そうなれば益々あの子達の役に立つ事も、そしてもし私なんかで役に立てる場面があっても早々に対応できない局面も増える。ならせめて金銭面だけでも力になりたいわね。というわけで私のポケットマネーだから好きなだけ)これを使ってくれて構わないわ」→キヴォトスゴールドカード
「(リオは年若いのにとても聡明かつミレニアムのような大都市の運営を巧みにしてのけるほどの為政者だ。そして聖杯戦争への理解もあるそんな彼女が手渡すこれが一体どういうものなのかは分からない、聖杯からの知識によればこの手のカードは確かクレジットカードやポイントカード、あとは交通系のICカードやギフトカードがあるんだったかな……この場合クレジットカードを渡すはずはないだろうから、恐らくは事前に入金しておくギフトカードか交通機関用のICカードだろうね。幾ら入ってるかは分からないけど無駄遣いはしないようにしなくては。何より貴婦人からのご好意だ。金銭を授受するのは些か気苦しいが、大人としてもここは彼女の気持ちを汲んで無下にするのはいけないかな)ありがとう、リオ。ヒフミや同盟陣営の皆の為になるよう、大切に使うよ」
「ええ、そうしてちょうだい(よし、うまく話せたわね)」→ばっどこみゅにけーしょん
ほわんほわんほわんあーさー - 6691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 21:58:06
兎にも角にも、とりあえずは休憩です。ベンチの隣に座られたセイバーさんと並んで、やたらと大盛りというか薔薇のようにカットされた苺が並んでいるモモスタ映えしそうなクレープを一口。口一杯に広がる爽やかな酸味と一緒に追いかけてくる生乳の瑞々しさすら感じる生クリームの甘さを堪能しつつ、私はほっと息を吐きました。
「それにしても……だね」
私が一息つけた、と見ていてくださったのでしょう。彼も手にされたクレープを品良く、けど私より大きなお口で齧り付きながら、ちょっとだけ疲れたような笑みを浮かべていました。
「あはは……本当にお疲れ様でした、セイバーさん」
「ヒフミの方こそ、良い指揮だったとも。うん、良い決闘が出来た……けど」
「はい、本当……」
お互いに顔を見合わせて言うことは一つだけです。本当に今日という今日はまだ午前中も終わっていませんけれど。
「疲れましたね……」「疲れたよね……」
心底草臥れてしまいました。
「僕も聖杯戦争に携わるようになってそこそこ長いと自負があるけど、こんな昼間の市街地、それも学生街で戦闘する事になるとは夢にも思わなかったよ……」
「昨日の夜から立て続け、しかも今回に関して私達は久しぶりの真っ当なサーヴァント戦になりましたもんね」
「うん。この聖杯戦争ではサーヴァント同士の衝突よりも交渉を重視する方針だからね。それに周りへの被害だって起こり得る。秘匿に関しても完全に防ぎ切るのは人の手で行う以上難しい部分はある」
セイバーさんもおっしゃる通り、私達はこれまで比較的ですがサーヴァントの方や他の陣営の方との衝突が少なかったんです。それこそ黒服さん仰るような連日連夜小競り合いをしているらしいアルさんとマリーちゃん達とは大違い。ですが、私達はそういう道を選びました。積極的に戦うよりもまず調べること、そして話すこと。聖杯戦争で第一に掲げられるだろう聖杯の獲得ではなく、誰も殺さない、殺させない終わり方を見つける為に。私達の優先順位はどうしても普通とは違ってしまいます。だからその分、戦闘回数も少なくなりますし今後は隙間時間に連携だったりの訓練もやっておこうかなんて話しも出ていましたけど。 - 6701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 22:15:58
「その分どうしても戦闘回数は限られてくる、と想定していたんだが……やれやれ、今後はどうやらそうもいかないのかもしれないね」
「うぅ……出来るなら穏やかにいきたいんですけどね……」
昨日に続いて今日も午前中から戦闘。聖杯陣営という第三勢力の出現で、これまで私達が想定していた道のりが、随分と様相を変えていっているような気がします。
「そうも言ってられない、というのが聖杯戦争の常さ。聖杯にしろサーヴァントにしろ、本来は人の手に余る代物だ。当然、イレギュラーは生じる物だよ」
「ましてやこの土地で初めての聖杯戦争、ですもんね……」
「……うん、そうだね」
「なんですか、その意味深な反応?」
一瞬。セイバーさんが口籠ったのを私は見逃しませんでした。セイバーさんはちょっと意地悪ですけど、でも絶対に嘘をつかない誠実な方です。それぐらいは分かっています、だからこそ。
「……やめてくださいよぉ。なにか気づいたことがあるのなら、今外ですし、後でも良いですからちゃんと共有しておいてくださいね」
「勿論。君に隠し事は……ああ、まあ、それなりにだね」
「そこで嘘をつかなかったのは褒めてしんぜましょう」
「これはこれは。お褒め預かり恐悦です、レディ」
ふざけてやり取りをしてますけど、どうやらセイバーさん的には何か気になられる事があるみたいです。でも話してくれるみたいですし、今は待っておくとしましょうか。多分、拠点に戻って落ち着いたタイミングで私から切り出せばお話してくれるでしょうし。
「……まーいいです!そんなことより、中のアイスが溶ける前に食べちゃわないとですしね!」
「ああ、是非そうしてくれると買ってきた身としては嬉しいかな……ところで帰ってからの運動は付き合うつもりだけど、本当にそれ全部食べるのかい?かなりのカロリーな気がするが」
「セイバーさんが買ってきてくださったんでしょー!?もうっ!本当にもうっ!」
屋根のあるベンチでの休憩。いくら木陰があったりミストシャワーで周囲がある程度涼しい公園内とはいえ、夏空の下ですからアイスが溶けちゃうと思ったんですけどすぐにセイバーさんが茶々を入れてきます。本当にもう、この方はいつもこうやって意地悪を言われるんですなら。 - 6711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 22:52:53
「ははは……拗ねない、拗ねない。クレープ、だったかな?折角の甘味だ、やけにならずに味わって食べてあげるのが作ってもらった者への礼儀だよ」
「うぅ……そのセイバーさんのちょっと育ちの良いところ、普段は好きですけど今は嫌です……」
「ははは……父と兄の教育が良かったからね」
「あれ?マーリンさんは?」
「……彼女はほら、あんなだから、さ……」
「あー」
何故かピースサインをしている彼女の姿が目に浮かびました。どことなく掴みどころのない不思議でとんでもなく綺麗なお姉さん、という印象でしたけど、同じぐらいちょっと愉快な性格をされているというのも感じたんですよね。またいつか、お茶会をする機会があればいいんですが。そんな風に彼女を思い出しては空を見上げると澄み渡る青に、花の魔術師を名乗った彼女のように真っ白な雲が飾られていました。それをすこし溶け始めたクレープを齧りながらぼうっと眺める時間はとてもゆっくりしていて、なんだか夏のぬるい暑さと一緒に私まで溶けていくような感じでした。
「でも、不思議ですねー」
「何がだい?」
「いえほら、さっきまで結構長くプト……じゃなくて店長さんと戦ってたじゃないですか。でもあそこから出てきたら全然時間経ってなくて、まだ集合時間にもなってませんし」
一応急いでカフェ街からこの集合場所まで来ましたけど、それでも集合時間まではまだまだ余裕があります。体感だとそれこそ三十分から一時間ぐらいは戦ってた気がしますしそれぐらい疲れたのは間違いありません。だというのに実際の時間はちっとも流れていない、というのが背中をむず痒くさせるような違和感がありました。
「恐らく魔術による空間の拡張、それから所謂結界や対陣に分類される宝具の性質によるものだね。あの手の魔術や宝具によって形成される空間というのは、通常の時間軸からある程度切り離すことができたりするんだよ」
「ええっと、空間と時間はあくまで軸の方向性が、って話でしたっけ?前にちょこっとだけ講義で聞いたような……」
コユウケッカイなんてのもそうだね、と言うセイバーさんの口から飛び出してきた珍しい魔術に関する講義。ですが、幸いなことに今回のお話については私もなんとなくですけど聞いた覚えのあるものでした。 - 6721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 23:03:31
細かいところまでは覚えていませんけど以前、物理の授業でそういった話を聞いた覚えがありました。時間と空間は相互に関連性を持つ間柄なのだとか。そんな話を思い出していると、セイバーさんがじっと私の方を見つめていることに気がつきました。
「……ヒフミ」
「なななんですか!?急にそんな真剣な目でじっと見て……あっ!ひょっとして、私のやつも食べたくなりましたか?なら一口でしたら……」
「いや、そうじゃ……これはまた、上品な甘さだね。やはりここのスイーツはどれも美味しい、じゃなくてだね」
そうじゃないと言いつつ私が差し出したクレープに舌鼓を打つセイバーさんは、どうやらお口に合ったのか一頻り唸ってからもう一度私の方を見て。
「ヒフミ、君───真面目に授業受けてたんだね」
「人のことなんだと思ってるんですかもぉぉ!」
さらっと、そしてとんでもなく失礼なことを言ってこられました。一体全体、私のことをどう思ってるのでしょうか。これは問いたださなきゃいけません。
「いやほら、君は一応補習授業部なわけだし」
「一応じゃなくてちゃんと部長……ですけど、その!宿題だってちゃんと毎回提出してますし、授業だって真面目に出てるんですから!ハナコちゃんやユウカちゃんほどじゃありませんけど私だってそこそこ成績良いんですよ!」
「ははは……ところでホシノと初めて会った時の話だけど」
「あー!あー!きっこえませーん!」
おっと、危ないです。どうやら昨日私が誤魔化した話をまだちゃんとセイバーさんは覚えておられたようですね。このまましっかり無かったことにしないと突っ込まれたらまたお説教されてしまいます。だって仕方ないんです。あの時は限定のペロロ様をお迎えに行ってたわけですしブラックマーケットに行ったのも仕方ありません。ブラックマーケットにペロロ様を残していくなんてできませんから。そんな風にどうしても、仕方なく試験や授業とバッティングした時以外は私はサボったりなんかしてませんからね、なんだか最近誤解されてますけど私はちゃんと普通に真面目なんです。だからそういう抗議を込めてセイバーさんを睨んでいると。
「「……ぷっ」」
二人していつの間にか吹き出してしまいました。 - 6731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 23:22:45
「少しは疲れ、取れたかな?」
「ええ、ありがとうございます。でもセイバーさんの方こそ……すごい、戦いでしたもんね」
彼なりの優しさにまた触れて、ちょっとはしたないですけど吹き出したのと一緒に肩の力もするっと抜けました。
「ああ、聞きしに勝る凄まじい実力だった。魔術も剣技も、恐るべき技量だ。紛れもない強敵だったとも」
彼の方を見れば、いつも背筋を伸ばしている彼にしては珍しく背もたれに寄りかかってしみじみと感慨に耽っておられました。その姿が彼もまた肩の力を抜いてくれているのだと思うと嬉しくなります。
「流石は高名な賢人にして偉大な王だ。彼の征服王の功績を引き継ぎ一つの王朝を築いた最強の名は、伊達でも酔狂でも決してなかった」
空を見上げてそういう彼の目に何が映っているのか、身長差もあって隣に座る私からは窺い知れません。でもなんとなく、私の瞼の裏にまだ残る“彼”の姿を、セイバーも見ているようなそんな気がします。プトレマイオス一世。強欲のアーチャーを名乗った彼はとんでもなく強い、まさに強敵でした。たくさんの本をドローンのように操作して、だというのに飛び出してくるのはまるで砲弾や焼夷弾のような規模の爆撃。魔力で形作った剣でセイバーさんを相手取る実力。そして最後に見せた、巨大な柱のような姿。ガラス細工のように水晶で作り上げられた荘厳な柱へと転じられたプトレマイオスさん。見た目こそ怪物然としながらも、空気が震えるほどの神々しさと息が詰まるぐらいの圧倒的な存在感はまさに王様だというのがひしひしと感じられるほどでした。 - 6741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 23:40:28
まるで蟻と象のようだと、あの場にいた私は自分と彼を指してそう思ったほど。最初から勿論凄かったですけどあの最後に見せてくださった姿はそれぐらいの迫力と威厳がありました。恐怖よりも美しさを感じるほどにです。
「そして。そんな彼に、僕らは勝った」
「……はい」
そう、私達は勝った。彼を倒して、彼からまだ数え切れてないぐらいの沢山の報酬と貴重な情報も貰った。そしてその最後は、恐らく彼の気遣いによって私は見送る事すらしないで済んだ。つまり逆を言えば、私は───。
「君を傷つける言葉になるかもしれないが、聞いてくれるかい?」
「……聞かせて下さい、『(アーサー)』さん」
敢えて念話で、彼の本当の名前を口にしました。大切な事を話されると思ったから。直感ではなく、信頼から。
「───ありがとう、ヒフミ」
そしてそれは、思いがけない形でしたけど合ってたんです。 - 6751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/22(月) 23:55:27
「……えっ?」
「あの時僕は、己の失態を強く恥じた。万一の可能性を考慮できず、この地で出来た年若くも勇気ある友から託された君を、僕の判断からおめおめと危険な目に合わせてしまったと。敵の宝具内、というのがどれほど恐ろしいか……かつて偉大な神王との決戦を経験した僕はそれをこの地の誰よりも理解している筈なのにね」
慰めでも励ましでも、ましてや叱責でも。私が想像していたどれとも違う言葉に対して思わず出てしまった一言に、彼は微笑みだけ返して遠くをまた見ていました。あの時の戦いを振り返るように、それと同時に私の知らないいつかの戦いを思い返すように。
「だから、僕は焦ってしまった。君を、君の心を置いて剣を振るった。先走ってしまったんだ」
その言葉に私が思い出すのはプトレマイオスさんとの戦いで言ったことについて。腰に手を当てながらセイバーさんに向かって思い切り文句を言った事に、冷静になって今更ながら後悔が浮かんできました。
「あ、あの!そのあの時は……私もあんな風に失礼なことを言っちゃいましたけど……あのでも!私すごく守ってもらったのは嬉しくて!だからその……」
セイバーさんが必死に私を守ろうとしてくれているのは理解してました。あの場にいたのが私じゃなくてそれこそアズサちゃんのように頼りになる人だったのなら。アリスちゃんのようにどんな敵も吹き飛ばせる力があれば。空崎委員長やミカ様、ツルギ委員長のようにセイバーさんと肩を並べて戦える実力があれば、きっとあんな無理をさせる戦いにはならなかったんです。だというのに私はあの時、寂しいからってつい彼の思いにぶつかりに行ってしまった。今思うと、甘えだったのかもしれません。
「言い過ぎちゃって……ごめんなさい、セイバーさん」
だから、改めてあの時のことに頭を下げようとする私の肩を、いつの間にかベンチの前にしゃがんでいた彼の手がそっと止めました。 - 6761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 00:09:24
「違う、違うんだよヒフミ。僕はね」
その手の先。
「───本当に嬉しかったんだ」
彼が私を見つめる瞳はとても優しい色をしていたんです。
「随分と長く一人で旅を続けてきた。彼女と別れてからずっと一人で判断して、一人で歩いて、一人で旅をしてきた。この果てにいつか楽園に、そして彼女の幸いが繋がっていると心の裡で信じて。だからその選択に畏れも後悔もありはしない。けれどね」
彼女、というのが誰を指すのかは薄らとですけど分かりました。少し前に伺った沙条アヤカさん、その方のことなんだと思います。彼女がまだ小さかった頃に出会って、それまでの生き方を変えてくれた恩人なんだとか。そして、そんな大切な彼女と別れてからずっと獣と呼ばれるすっごく悪い人を追い続ける旅を続けてきたことも。
「騎士でも王でもない、恋した人に捧げた男としての僕でもない。ただ一人の僕という人間にとって、君の言葉が嬉しかった。一緒に戦おうという言葉が、共に並んで前に立ってくれたその姿が」
そんな彼の隣に、立ちたいと私はあの時叫んでいました。一人で無茶して頑張っているのが、どうしても我慢ならなくて。何にも出来ない駄目な私でも、それでも一緒になら私だって少しは助けになれる、なりたいと思って。それは間違いなく私の我儘に違いありません。
「心の中に小さく小さくあった寂寞をはらってくれた、そんな気がしてね。堪らなく嬉しかった。だからありがとう、ヒフミ。僕の隣にいてくれて、僕の勝手な後悔に喝を入れてくれて。僕は一人で責を負わんとする考えに溺れていた。でも君は、それを二人でなら大丈夫だからと引き上げてくれたんだ」
だっていうのに、彼は私の我儘こそを尊重して、そんな我儘に救われたと言ってくれる。
「君の檄があれば、僕はまだ戦えるとそう思えたんだよ」
お礼を言って、今こうして心からの笑みを向けてくれる。
「……お礼なんて」
それがどんなに嬉しいことか、目の前で微笑む彼は分かっておられるのでしょうか。
「いつも私の隣にいてくれて、私の夢を理解してくれて、同じ方向を向いて戦ってくれるのはセイバーさんですから。だったら、私だって」 - 6771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 00:10:18
これまで何度も彼は私の夢を応援してくれた。彼の生涯の一端を、私は夢を通して見た。それは凄惨で陰惨で、どこまでも血と鉄で溢れていた。キヴォトスではとても見ないそんな景色ばかりだった。それでも、彼は駆け抜けた。自分自身が誰よりもたくさんの血を流して、それでも多くの人の笑顔を守る為に。そんな彼が、私の夢を甘えた考えだなんて一蹴せずに本気で叶えようと寄り添って歩いてくれている。それがどれだけ、心強いか。
「平凡でも凡庸でも鈍臭くても、それでもやれる事を。貴方と一緒にできる事を、ちゃんと最後まで足掻いてやり切りたい……そんな私の我儘ですから!」
「可愛らしい我儘だが、レディたっての願いだ。応えなくては騎士の名が廃るというもの」
「ええ、これからもよろしくお願いしますね!アーサーさん!」
「こちらこそ───我が戦友」
友達だけどちょっと違う。家族というのともまた少し違う。恋人でなんかあるわけなくて、でもすごく大切な相手。私達の関係は確かに戦友、なのだとこの時再確認したんです。
「あっ!そういえば、セイバーさんの宝具すごかったですね!あのどかーんって光のビームが出るやつ!」
「そうだとも!あれが僕の切り札でね、これまで何度も窮地を助けてくれた相棒なんだよ。我が宝具ながら凄い剣でね!」
それから私達は、みなさんが来られるまでの時間、二人またベンチに並んでお喋りを始めました。
「あはは……あれ、今回はいいとしてそんなに頻繁に使ったら大変だったんじゃないですか?ほら、後処理とか」
「いや、これでうまいこと威力を調節してね。ここら辺はコツがいるんだけどそのおかげで鹿狩りで山に放った時は僕が騎士達の中で一番の大物を捕まえたものだよ。おかげでアグラヴェインも『さすがは陛下、全力ですな』と褒めてくれたものさ!」
「あはは……それ、褒めてるんです?」
今日あったこと、思ったこと。 - 6781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 00:11:06
「そういえば今日は例の店に行けなくて残念だったね。また今度、そうだな……午後は難しいだろうから明日にでも予定が合えば行ってみるかい?」
「本当ですか!?それならそうですねー!あっ!ミレニアムにも専門店があって!そっちなら拠点からも近くて!」
「買い物に付き合うのは約束だったからね。それはそうとモモフレンズだったかい?そんなに専門店があるとはどうやらアレ、意外と人気みたいだね」
「そうなんですよ!セイバーさんも中々分かっておられますねー!いいですよ、今度私が持ってるペロロ様のブルーレイを夜通し見ましょうね!」
「ははは……そっちは、うーん、ちょっと遠慮しておこうかな?」
「ええー!?どうしてですかー!?」
これからのことをお話ししたり。昨日からずっと慌ただしい時間を過ごしてきた私達は、そんな風に久しぶりにのんびりしながら夏空を仰いだんです。
「───うん、それで?」
い、一体どうして。
「あは、は……あ、アズサちゃん?」
「は、はは……は、ハナコ?落ち着いて聞いてくれるかい?そのだね、僕らにも申し開きの機会というかだね……はい、すまない……」
どうしてこんなことになってしまったんでしょうか!? - 6791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 00:17:39
というお話だったじゃんね☆
キリがいいから今日はここまで、明日また同じぐらいの時間からやってなんとかナギちゃん達とのお話安価まで辿り着きたいじゃんね……☆
とりあえず明日はぷんすかアズサちゃんとハナコちゃんとのお話するじゃんね☆コハルちゃんはまたやってるってため息吐いてるじゃんね☆
ちなみにセイバーが持ってるクレカは正式名称『キヴォトスゴールドエキスプレスカード』じゃんね☆
ユウカちゃんが知ったらまた血圧が上がるしヒマリちゃんが聞いたらバチギレするし、あとでヒフミちゃんが知ったら卒倒するじゃんね☆
リオちゃんは本当かわいいじゃんね☆
それでは本当に遅くなっちゃっててごめんなさい、今日からまた頑張って更新していきます!コメント返しはまた明日じっくり腰を据えてさせてくださいな!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 680二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 00:19:06
おやすみです
セイバーとヒフミのこの兄妹っぽい友人関係いいなぁ… - 681二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 08:15:59
保守
- 682二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 11:55:21
保守
- 683二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 13:22:11
勝手にサーヴァント達にお財布事情考察(描写されたものも含む)
セイバー:バイトしつつも基本はヒフミのヒモ
アーチャー:単発バイトとかしてそうだし、C&Cや特異現象捜査部の仕事手伝ってその分報酬もらってそう。更に案外トキもお小遣いとか渡してて、断ろうとすると機嫌悪くなったりしそう。
ランサー:肉体労働系バイトでちゃんと自立してる。
キャスター:講師とかアドバイザーで自立してそう。
ライダー:普通にバイト
アサシン:黒服
バーサーカー:お金必要なさそうだけど、場合によってミノリが払う。 - 684二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 15:21:00
キヴォトスゴールドエキスプレスカードをセイバーが持ってるってことはクレジットが使える場所なら全部買い占めとかも出来るのか
いざとなれば財力で誰かしらを味方につける手段も視野に入れた方がいいかもしれないな - 685二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 15:25:12
ライダー陣営に味方してるカイザーとかなら金で買収も真面目に視野に入れるべきかもしれないな
金で裏切る可能性はかなり高いだろうし - 686二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 19:37:57
多分財力を振り翳したらバーサーカー陣営が離反すると思うんですよ
- 687二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 19:58:10
意味もなくやりまくったら流石にあれだけどカイザー相手とかなら仕方ないってなるんじゃない?
まあもっといい手段があるのに使わないならともかく現状カイザー相手に取れそうな手段があまり浮かばないのはあるけど
監督役である黒服はまだしもカイザー相手だと武力行使か買収か弱みを握って交渉かぐらいしか浮かばないし
説得でなんとかなる相手とは考えにくいからな - 688二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 20:50:20
まあ買収云々はしないとしても、ライダー陣営の情報を得る為にカイザーと接触するの自体はアリではある。
- 6891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 21:27:01
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【Recommend BGM……Candy Step】
まだまだ暑い夏の陽射しを受けて私の頬は痛みを訴えるぐらいだっていうのに、何故かその頬を伝うのは冷たい汗。お昼前の公園、一仕事と言いますか戦いを終えた後の爽やかな気持ちをくすぐる木陰の風も今はどこか寒々しいです。何故って答えは一つでしょう。
「あはは……ええっと、ですね……そのぉ、怒ってます?ハナコちゃん」
「ははは……ほら折角の美人が台無しだよ、笑って……くれないよね、すまないアズサ」
クレープを食べ終えてセイバーさんとのんびりお喋りしつつ待っていた私達が並んで座っていたベンチの目の前。そこには、つい先ほど来られたばかりのアズサちゃんとハナコちゃんがそこには立っておられました。
「すみません、お二人とも。もう一度ゆっくりお話して頂けますか?」
絶対零度をまさか学園の実験室以外で拝見することになるとは思いもしませんでした。なんでしたら今夏なのにお二人の背中には吹雪が逆巻いているような気までしてきます。おかしいです、こんなはずじゃなかったんです。ついさっき合流した時は三人とも笑顔で、なんでしたらクレープの話もしてお昼前だけど皆さんも食べようかなんて話になって。それでその時にセイバーさんが『あ、そういえばさっき強欲のアーチャーと戦ったよ。ほら、これが僕が前に言ってた小聖杯の実物だよ』みたいな事を言うまではすっごく良い雰囲気だったんです。あれを言った瞬間、なんていうか空気が凍りついたんですよね、比喩抜きでそんなふうに私達は感じました。 - 6901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 21:52:38
『(うわーん!絶対セイバーさんがもうちょっと上手にお伝えしてくださったらよかったんですよぉ!)』
『(なにを!そもそも君が事前に連絡入れておけばよかったじゃないか、ヒフミ!僕はスマートフォン持ってないんだから!)』
微笑んでおられるのに明らか背負っている空気が冷たすぎで手が千切れちゃいそうなハナコちゃんにほっぺを膨らませたかと思ったらガスマスク姿で完全武装のアズサちゃん。お二人を前にして焦った私達は念話で作戦会議です。こんな時、私達だけじゃなくお二人の後ろで呆れた顔をしてるコハルちゃんも念話が出来たらと思うばかりです。
『(だってそんな話出ませんでしたし私とっても疲れてたんですもん……)』
『(……いや、すまない。それは確かに僕もだったしね)』
『(うぅ……仕方ありません。元はと言えば全部アーサーさんのせいですけど、ここは協力してなんとか雰囲気を和らげましょう!)』
『(ああ!ヒフミが面倒くさがらずにちゃんと連絡しておけば防げたミスだけど、二人で知恵を出し合ってなんとかしよう!)』
なんか文句を言ってますけど、そこは知らんぷり。まずは謝るにしても何にしてもこの取り付く島もない空気をなんとかするところからです。
「それで?ご相談は終わりましたか?」
「二人で内緒話とは良い度胸だ……セイバーはずるい」
「「す、すみません……」」
「はぁ……本当おバカなんだから……」
梨の礫な気もしてきましたけどここは前身あるのみです。まずは小粋な、そして嬉しいグッドニュースから話し始めましょう。
「ええっとですね……あのええっと、その……あっ!そうでした!実はですね、アーチャーさんから色々プレゼン「───ヒフミ」……はいぃ」
ここぞとばかりにプトレマイオスさんから頂いたスクールバッグを開けようと思ったんですけど、アズサちゃんの静かな声でピタッと手が止まってしまいます。聞けば分かります、これは。
「私、怒ってるから」
激おこアズサちゃんですね! - 6911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 22:05:24
なんて笑ってはいられません、本当に。もうガスマスク越しの冷たい視線が夏だと思えないぐらいの寒さを誘ってます。氷を背中に入れられてるんじゃってぐらいですわ
「そ、それは言葉を選べという話ですよねはい分かってますごめんなさいぃ……」
「ははは……駄目じゃないか、ヒフミ。心配してくれている友に対してこれ以「───セイバーさん?」は、はは……助けてくれないかい?コハル」
「無理言わないで、おバカ主従」
コハルちゃんの深いため息が聞こえたのを合図にハナコちゃんが満面の笑み浮かべてくださいました。
「うふふ……♡どうやら今、私達、冷静さを欠いてるみたいでして。それで?ええっと?なんでしたっけ?」
目は全然笑ってませんけども。
「先ほどのお話を聞いた限り私達には、少し前に別れてお菓子を買いに行かれた筈のお二人が」
時系列的にはそうなるんですよね。私達はプトレマイオスさんの宝具内にいたので通常の時間の流れとズレてたみたいで、三人からすると私達はちょっと前にお見舞いのお菓子を買いに行って三十分も別れてなかったという感じなのでしょう。私やセイバーさんの体感だとそれこそ数時間振りぐらいの気持ちなんですが、ここら辺も結界系の宝具の奇妙さという魔術や神秘の奥深さというやつなんでしょうね。
「ホシノさん達アビドスの方が倒した筈の強欲のアーチャーさんと何故か交戦して、しかも相手が大丈夫だと言ったから全力で宝具を使って、勝ったからたくはんお土産をもらって、最終的に小聖杯と貴重な情報まで受け取って帰ってきて」
『(いやぁ、実際アーチャーほどの大英雄が誇る宝具だし、なんといっても“あの”大図書館だからね。強度的にも最悪壊れるぐらいで外への被害はなしでいけるかなぁと思ってね)』
『(うるさいですよ、アーサーさん)』
「それを戦闘が終わった後や宝具から出た後すぐに連絡を入れることなく、ちょっと帰りにクレープまで勝って食べ歩きしながらそのままにこやかに今合流して今報告した……と聞こえましたけれど?ヒフミちゃん?セイバーさん?」 - 6921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 22:13:00
しかしこうやって羅列して頂くと中々ハードなスケジュールでしたね。本当に大変でした、けどそれはそれ。今はそんな感想より話さなきゃいけないことがあります。
「は、ハナコちゃん?私達もそのですね、割とこうシリアスな展開だったと言いますか、すごく大真面目に戦った後で結構ヘトヘトだったと言いますか……」
「は、ハナコ。僕らの話を聞いてほしい。実は僕の宝具は燃費が非常に悪くてね。これ以上ヒフミに無理をさせたくなくてね、だからその僕らがちょっとクレープを食べたのにはちゃんと理由があるんだ、そうなんだよ」
ハナコちゃん達の言わんとしていることはすごくよく分かります。もちろん逆の立場で今の話を聞かせられたらと思うと私達もきっと似たような反応をするでしょう。とはいえやっぱり怒られるのも冷たい空気も嫌なので、なんとか最後の足掻き的な抵抗を試みたところで。
「「だからその……ええっと」」
ですが、それへの反応は予想通り全く完璧に無視というわけでしたから、あとはもうする事は一つです。
「「……買い食いしてて連絡しそびれたの、本当にごめんなさいぃ……」」
白旗を挙げての全面降伏。アズサちゃん、ハナコちゃんが怒って、コハルちゃんに呆れられてしまった点について、心からの謝罪をするしかありません。 - 693二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 22:24:05
うーんこのポンコツコンビ
- 694二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 22:48:32
⑥疲れたから友達に連絡をする(指定自由)
これが正解だったのか…… - 6951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 22:50:46
「「「……はぁ」」」
ちょっぴり長めの沈黙の後、お返事はため息と一緒に返ってきてくれました。
「まぁ、そこが分かってるんならいいんじゃない?」
「ええ、仕方ありませんね」
「うん、ヒフミもセイバーも大いに反省してほしい」
ふわりと空気が緩んだと同時に三人は私達が座るベンチの隣へ。にこやかないつもの雰囲気な戻ってきたのを感じて思わず声も跳ねちゃいます。
「三人とも!」
「あ、お二人はまだ正座ですよ?」
「さ、三人とも……!?」
なんという事でしょう、明らかにこれでおしまいという雰囲気だったんですが。どうやらまだまだ正座は続くということに、そろそろ痺れが限界に達しつつある膝と太ももが悲鳴をあげています。ちなみにセイバーさんは余裕そうです、ずるいです。
『(セイバーさん、セイバーさん。なんかこう、万能な風王結界とか魔力放出で正座の痺れってなんとかなりませんか?あの、ちょっと浮かしたりとか)』
『(ははは……今ここでスカートが風で捲られ続けてもいいのなら君を浮かせる事もできるとも)』
『(……さいってーです)』
『(待ってほしい、君が、君が言ったんだよ?こら、やめなさいその目。なんだか悪い事したみたいじゃないか、僕が)』
そんなセイバーさんの意地悪発言に知らんぷりをしつつ痺れに耐えていると、ハナコちゃんの咳払いが聞こえてきました。
「それはともかくお二人とも」 - 6961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 22:51:56
- 6971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 22:52:46
「お疲れ様、ヒフミ。急な戦いで大変だったと思う。それに相手を倒す、その決断をしたことも」
「たとえそれが相手の為になるとしても、ヒフミちゃんが辛い想いをされたのには変わりありません。そして私達はマスターにはなれません。でも」
「私達は友達で仲間!なんだから!……一緒に歩いて背負うわよ、その重いのも」
「っ……もう、本当にみなさんは……!」
私の中でまだまだ完全に消化しきれた訳ではないことについてもさらっと、でもちゃんと向き合って一緒に考えてくれるという言葉。三人の目線を受けて、私は改めて思うんです。色んな不安なことも怖いこともあるけれど、やっぱり補習授業部のみんなとならどんな困難も乗り越えられるんだろうと。だって、今もう早速、私の胸のつっかえと重さは、羽が生えたみたいに軽くなってくれたんですから。
「セイバーさんもお疲れ様でした。そしてお帰りなさい」
「ありがとう、ヒフミと一緒に帰ってきてくれて」
「でも二人でクレープ食べてたのは減点なんだからね!」
「……ああ。そうだね、こう返そうとも」
セイバーさんもまた噛み締めるようにしながら、目元を緩ませて思いの丈を四文字に託されます。
「ただいま、アズサ、ハナコ、コハル。君達の元にこうして二人揃って帰って来れたのを、今改めて本当に嬉しく思うよ」
「あったりまえでしょ!あんたもヒフミも、補習授業部のメンバーで同盟陣営の仲間なの!だから」
そんな彼の言葉に、そして私の気持ちに。
「ちゃんと帰って来なきゃダメなんだから!」
三人一緒の気持ちをまとめ上げてコハルちゃんが胸を張って応えてくれました。 - 6981じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 23:00:40
というところで一旦休憩、残りは明日に回す予定のナギちゃんお見舞い編(多分マジでそんなに話すことないから一回か2回安価して流しで書いてくじゃんね☆ミカちゃんいるからイチャつかないじゃんね☆)の触りだけ書いて今日はおしまいじゃんね☆
それから言い訳じゃんね☆
今回のハナコちゃん達のお話は安価で『⑥疲れたから友達に連絡をする(指定自由)』を選択しなかった場合に発生するイベント、なんだけどこれはむしろ選ばなかった場合はハナコちゃん達が上記のフォローを話すタイミングがなくなるじゃんね☆
代わりに合流次第ガチトーンでバッグの中身の見分を始めるミニイベントが開催される予定だったじゃんね☆
わりとガチめな安価と違ってラフにみんなに好きな方選んでもらっただけあって、どっちが正解とかはないし選んだ方で何かしら得るものがあるようにしてるから安心してほしいじゃんね☆
得るものない選択肢がある安価は最初にちゃんと注意のアナウンス挟むけどよっぽどじゃないとそんなの無いじゃんね☆
じゃあ続き書いてくるじゃんね☆
dice1d100=29 (29)
1〜10:アウト/♡ボーナス消し
20〜30:まあまあアウト/ご機嫌🎲次第で↑
49〜89:余裕でセーフ
90〜99:♡ボーナス追加
- 6991じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 23:07:08
- 7001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 23:44:35
【10日目午前/特殊イベント導入/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【Recommend BGM…… Mischievous Step】
トリニティ・スクエアより少し離れた近郊地。喧騒が外れたその場所に建てられた療養施設を兼ねたセーフハウスに、その少女達はいた。
「あのさ、ナギちゃん」
「はい、なんでしょうか?」
桐藤ナギサ、聖園ミカ。所属は共にティーパーティ。トリニティ総合学園の最高執行部であり凡ゆる行政機関の統括組織。つまりはトリニティにおける生徒会を指す言葉であり、そこに所属する彼女達の立場もまた相応の物であった。
「ええっと、ね?あの私もこんな事はあんまり言いたくないかなぁ……って感じなんだけどさ」
「要領を得ませんね。仰りたいことがあるようでしたらいつものようにはっきりとどうぞ」
「……わーお☆言うね。それじゃ、遠慮なく」
キヴォトス三大校の一角に名を連ねるトリニティ総合学園ほどの生徒会が有する権威と名声は最早中小の自治区のソレとは一線を画すほど。そして三大校に数えられるほどに資産も生徒も武力も有したトリニティで、生徒達の代表たるティーパーティの肩書を背負うという事もまた重い。ましてやその首脳陣、全校生徒達の頂点たる僅か三席しかない生徒会長に座すともなれば、間違いなく傑物。故に、だ。
「入院中なんだから素直に入院着かパジャマでいいんじゃないかな?お洒落なんてしないでさ☆」
現在幼馴染に、友達がお見舞いに来るからどんな服で待とうかと相談する色ボケ……失礼。
どんな格好なら非礼がないかと確認している年相応の少女も間違いなく為政者としては、キヴォトス屈指の能力者なのだ、多分。
「……分かっていませんね、ミカさん」
「え?なになに、ここから私言いくるめられるとか思われてる感じ?」
そんなわけで昨晩の戦闘の怪我もすっかり良くなって元気にしているのをいい事に、ミカのベッドを占領して持ち込んだ各種私服を広げて吟味してきる桐藤ナギサにミカは雑誌片手に苦言を呈していた。今日の午前中にお見舞いに来ると聞いてからずっとこの調子なのだ。いい加減落ち着いてくれと幼馴染に対して強く、そして久しぶりに思っていた。 - 7011じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/23(火) 23:49:32
「事は非常に重要なのです。良いですか、まずもって現在のヒフミさんの立場というのは極めて危ういのです」
そんな苦笑いを浮かべるミカへときりっとした鋭い視線を向けるナギサが口にした言葉は思ったよりも真面目な話。それに対してミカも少し悩んでから自分なりの答えを口にした。
「あー、政治的にもってこと。確かに聖杯戦争のマスターになったっていうのは期限付きとはいえ、サーヴァントっていう武力を自由に使える訳だもんね。下手すれば三大校のパワーバランスが、って感じ?」
彼女とてトリニティが誇るティーパーティ、その生徒会長たる一翼を務めていたのだ。現在でこそ完全にお飾り兼雑用兼両生徒会長の補佐役兼相談役ポジションに流れてきたが、それでも元はあの武闘派集団パデル分派内の派閥をまとめ上げてきた才女である。勿論政治的なあれこれについては不得手ではあれど、それはあくまで生徒会長に求められるレベルにおいてという話。別に政治的な工作だって出来なくはないし勘所とて押さえてもいる。何より学力とて決して悪くある筈もないのだ。故に、彼女が出した答えは実に的を得ていた。
「───違います」
的を得ているからといって正解とならないのがこの世の常なのは無情と言うべきか。
「うーん、これでも真面目に考えた分だけ普通に気落ちするから直球の否定はやめてほしいかな☆」
ここら辺でミカは察していた。この話は多分面倒臭い方向性に向かうだろうなぁ、と。だが、さっきから通信越しに困惑顔をしている新しい友人にも切り上げるよう伝えようか迷った最中に、ナギサの淡々としつつも熱の籠った声は響き始めてしまった。ちなみにナギサは現在発熱までしている。いい加減大人しくベッドで横になってほしいと本気で頭を抱えているミカだった。 - 7021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 00:04:27
「いいですか、ミカさん」
「はいはい、なぁにナギちゃん」
「ヒフミさんは現在───ミレニアムに短期留学中なのです」
「はーい解散でーす!お疲れ様でしたー☆帰ろ帰ろー☆」
終わりだ終わりと手を払うようにしつつ、この会話を聞いている相手へなんと謝罪をすべきか頭の中で考えていると、ナギサの怒り声がヒートアップを始めた。昨日の騒動もあって彼女もちょっぴりメンタルがお疲れモードなのだ。
「ちょっと、ちゃんと聞いてくださいミカさん。ヒフミさんはあの憎っくきミレニアムの会長の魔の手にかかっているのですよ!聞いていますか?ミカさん!“リオさん!”」
『……ええ、聞いているのだけど。通信越しとはいえ私はこの場にいていいのかしら?』
同席者は何を隠そう、現在ミレニアム生徒会セミナーに本人曰く一時的とはいえ現職復帰を果たして徹夜仕事中の調月リオであった。
「ごめんね、リオちゃん。折角心配して改めての挨拶がてらに連絡してきてくれたっていうのにこんな調子でさ……そっちも忙しいだろうから、本当に切っちゃっていいんだからね?」
『いえ、チヒロ……うちの生徒から少し休憩しろと言われているから。それに私は不器用な人間よ、あまり他者とのコミュニケーションを得手とはしない。だからどんな形であれ、時間を合わせて貴女達とこうして交流ができるというのは幸いな事だわ。貴重な機会の損失は惜しいもの』
そう、セミナーから自治区内の復旧と被害状況の確認に努めて陣頭指揮に励むリオだったがいい加減マルチタスクと過剰労働が過ぎる、という頼れるヴェリタス副部長の叱責があり彼女は現在休憩中。時間もあってヒフミからお礼のモモトークまで実は内心ウキウキだったりする彼女なのだが、今はそれどころではなかった。何せやけ酒でもしてるじゃないかと言わんばかりに絡まれていたからだ、他校の生徒会長に。 - 7031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 00:05:32
「わーお☆リオちゃんも中々癖が強いタイプ、だけど結構面倒くさいタイプかな?ナギちゃんとセイアちゃん足して私引いた感じ☆」
「まあ!ミカさんは随分とご自分のことを客観的に見ておられるんですね、羨ましいことです」
「もー、ナギちゃんったら!リオちゃんの前で買えない喧嘩売らないでよー☆」
折角だから休憩時間を有効活用しようとお見舞いも兼ねてティーパーティのセイア経由で療養中ナギサ達に連絡を取ってみたのだが、これがいけなかった。最初のうちは穏やかに話をしていたのだが、ナギサも本調子ではないからいつもの嫋やかさは鳴りを潜めて生来のはっちゃけ具合が顔を出していたのだ。おまけにミカもまだ本調子じゃなかったり“ちっとも返事の返ってこない先生からモモトークに困惑していたり”でちょっぴりナイーブなのに、懐かしい元気なナギサの姿を見れて嬉しい気持ちもあったりと複雑な様子。おまけにリオは完全に忘れているというか全く気にしていないのだが、ナギサとリオの間にはモモトーク関連で一度トラブルもあったのだ、リオはそれをトラブルだとは全く認識していないが。そんなわけで女三人寄れば姦しいとはまさにこの事、いつの間に三大校代表による会談は騒がしい年相応のものになっていて。
「ちょっと!聞いてるんですか!?ミカさん!リオさん!」
「はいはい、聞いてる、聞いてる。ほらもうナギちゃん、そんなにおっきい声だすと傷に障るよー」
『あの……私はどうすれば……?とりあえず洋服なら制服でいいんじゃないかしら?一応礼服なのでしょう?』
「分かってません!分かってませんよリオさん!」
『え、えぇ……?』
ヒフミ達が来るまでこの騒動は続いていたと、ナギサ達の担当をしていた救護騎士団の生徒は本部に戻ってから臨時代表のセリナへそう報告したという。 - 7041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 00:11:03
という導入になったじゃんね☆
なんやかんや元気にやってるナギミカちゃん達じゃんね☆
しっかしナギちゃんはご機嫌じゃんね……毎回どうしてこうなのか、謎じゃんね☆
とりあえず明日は1としてはそこまで長くするつもりないしさくっと話をして1〜2回安価しておしまい!にするじゃんね☆
もう午後行くじゃんね☆その為にってこともあってリオちゃんも同席してもらうことにしたじゃんね☆
それでは今日も読んでくださってありがとうございました!明日は20時から投下、20時30分にはまず短めの安価を開始しますのでよかったら遊びに来てやってくださいな!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
今日はちゃっと体調的にもう一歩、なのでコメント返しはまた明日にさせてくださいなじゃんね☆
1にとってコメント読ませて頂くのも返すのもショートケーキの上に乗ってる1番甘い苺みたいな物だから、ちゃんと腰を据えて返したい……って我儘じゃんね☆ごめんなさい、じゃんね☆ - 705二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 07:32:21
乙です!
ナギサ様昨夜からの緩急でテンションがおかしくなってない?
ミカちゃんダイスもフォローしようと思ってたけどこんなに元気ならいっか〜、ってなったように見えるw - 7061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 09:23:02
おはよーござますじゃんね☆
なんだかすっかり秋めいてきて1的にもそろそろ窓から見える落ち葉が……なんてシチュを実際に言えそうで我が事ながらちょっとドキドキしてるじゃんね☆知らない天井だ、は飽きるぐらいやったじゃんね☆
それはそうと今日からブルアカは待望の新規イベント!&スケジュール追加!ミヨちゃん、フユちゃん、リツちゃん実装じゃんね☆……ミヨちゃん実装めーちゃめちゃ早かったしなんならワイルドハントの続きくるのも早かったじゃんね☆
こうなってくるとミリアちゃん?もいるしなんだが山海経イベントを思い出しちゃうじゃんね……☆
ミヨちゃん達めーちゃめちゃ引きたいけどカノエちゃんの爆死痕が癒えてない今はステイ……じゃんね☆
恒常だからアニバで頑張ってお迎えするじゃんね☆
ミヨちゃんの泣き顔すこだしフユちゃん面白イケメンオーラ感じるしリツちゃんもかわいかっこいいから好きじゃんね☆
FGOもどうやら今日生放送後に新規ぐだぐだイベントありそうな感じじゃんね☆1的にはNPCの中に結構実装待ってる子がいるから、低レア枠での実装とか期待してるじゃんね☆鎧が銀だから多分銀枠が似合うし、あとあっちの子は色合いがオータムカラーだから銅枠が似合いそうじゃんね☆金枠にすれば2倍楽しめてお得、という考え方もあるじゃんね☆
……ところで狂戴冠戦終わりってマジじゃんね?うち全然絆稼ぎ終わってないじゃんね……
という長話をしつつ今日は15時過ぎにコメント返し、20時から投下、20時30分から安価じゃんね☆
やーっと1の中である程度まとまったから今日はさくさくいくじゃんね☆
……いくら難易度ルナティックに安価でなったとはいえ、なんでこんな強引な展開にしたのか半年前の1を小一時間問い詰めたいじゃんね☆
まあなるようになるから、楽しんで書いてくじゃんね☆ - 7071じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 09:26:45
- 7081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 14:57:50
ありがとじゃんね☆恋人みたいな恋愛絡みの関係でもなければ1が好きでよく書くインモラルな関係でもない、かといってビジネスライクとも違うし友達というのには年齢差やギャップが激しい……という感じからちょっとずつ探る中で出来上がった関係じゃんね☆のでので、そうやって言ってもらえるとホッとします!じゃんね☆
保守ありがとうございますじゃんね☆朝よわよわだから助かりますじゃんね☆
>セイバー:バイトしつつも基本はヒフミのヒモ
我ながらひっでぇ設定になってしまったじゃんね……一応IF設定だけどお世話になった自治区には顔出して白兵戦や格闘戦の指導をしてる、みたいのはぼんやりあるじゃんね☆
ちなみにライダーさんはこのキヴォトスだと……いつか語れる日が来て欲しいじゃんね☆
全部買い占めたらそれ全部リオちゃんが払うことになっちゃうじゃんね☆
キヴォトスゴールドエキスプレスカードは限度額はない(筈?)だけど、結局クレカだから使った分は翌月なりに払わなきゃじゃんね☆
カイザーら辺についてはゲヘナに踏み込むかもう一個踏み込める場所に行くと話を聞けるじゃんね☆
……曖昧に微笑んでおくじゃんね☆
仕方ない、のラインはちゃんとあるのと1もみんなの選択は最大限尊重するしやばいときはアナウンスするから大丈夫じゃんね☆
その上で、FGO2部3章でのスパさんを思い出してね!……と速攻バッドや完全離反からの敵対、空中分解ってことにはならないって1は考えてるよーっていうのはお知らせしとくじゃんね☆
- 7091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 14:59:02
長くなって分けたら前分消えちゃったけどコメント返しじゃんね☆
ミヨちゃんチケットで来てくれないかなぁ……じゃんね☆
カイザーもまっさかここまで深く関わるとは予定してなかったじゃんね……というかタトゥーシールの話がこんなことになるなんて……じゃんね☆
FGO幕間や蒼銀本編よりもちょっとだけドラマCDとか花札とかそっちの方に近いラフなノリのセイバーじゃんね☆ヒフミちゃん含めて2人がこんなノリしてる細々した理由はちゃんとあるじゃんね☆
おかしいなって所は大体そうじゃんね☆
……どうして甘いもの好きじゃんね?
慌てて補足したじゃんね☆
というわけで正解とかは別になくて、選んだか選んでないかでイベントを二つ用意してたじゃんね☆
メンタル面へのフォローか物資的なボーナスか、どっちかだったじゃんね☆
基本的にみんなが選んでくれた安価で描ける範囲の最良の結果を書いていきたいところじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
ナギちゃん割とメンタルギリギリ、というかなんだったら時間軸的に夏空のやくそくイベもまだかもしれない中での襲撃だったじゃんね☆
ナギちゃんには早いとこ全て片付けてニコニコでお茶会したりお喋りさせてあげたい……じゃんね☆
ミカちゃんのダイスの反応はまさにそれ!……って感じじゃんね☆
なんだかんだ夏空と絆スト見てる限り成長した(あと多分プラスで落ち着いた)ミカちゃんは周りがよく見れる子じゃんね☆
- 7101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:05:20
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハル、セイバー→ナギサのお見舞い】
【Recommend BGM……Coffe Cats】
スクエアから歩いて少しばかり距離のある閑静な住宅地。そこからもう少し離れたその場所に、ナギサ様達がいらっしゃる療養用のセーフハウスはひっそりと建っていました。外見だけだと本当にごく普通、一般的な御屋敷にしか見えないその場所に入ると、中には厳重な警護の方達。コハルちゃんと挨拶を交わす正義実現委員会の皆さんにボディチェックをして頂いてから通して頂いた奥まった一室。
「ようこそお越し下さいました、皆さん」
静かな色調に気品のある調度品が過度にならない程度に置かれたお部屋。夏の陽射しが白いレースカーテン越しに差し込む中で、大きなリクライニングベッドに腰掛けたナギサ様達がそこにはいらっしゃいます。
「このような形でのご挨拶となってお恥ずかしい限り、ですがこうして皆さんが私達を見舞って下さる至上の愛に感謝を」
顔色はいつも通り、口調もとっても嫋やか。柔らかい慈愛は穏やかな紅茶の香気を思わせる上品さ。
「改めて補習授業部の皆さん、遠方よりお越し下さりありがとうございます。聖杯戦争という喫緊な異常事態への対処、特に昨晩はミレニアムや他自治区でも襲撃や大きな戦闘があったのは把握しています」
私の大好きなお友達でずっと良くしてくださっている先輩の桐藤ナギサ様。トリニティ総合学園に在籍する生徒達をいつも見守って下さるその方が、紅茶色の瞳に優しい色を灯して私達を出迎えてくださいました。 - 7111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:19:06
「残念ながら小さくない被害が出てしまった事には自治区の代表として、またこのキヴォトスに住まう一人の生徒として大変遺憾な思いと自らの不明を恥いるばかり。突発的かつ悪意に溢れた襲撃は身をもって聖杯戦争の恐ろしさを痛感しました。そんな戦いを制し、少しでも被害を抑えようとヒフミさんを筆頭に皆さんが尽力してくださった愛に応える術が私には到底思いつかない程です。本当にありがとう」
「い、いえそんな!あのえっと!」
起こしたリクライニングベッドに背中を預けられたまま腰掛けられてそう仰られるナギサの言葉に私も慌てて何か返そうとします。彼女の言う通り、昨晩遅くの出来事は予測も出来ないなかでの突然の襲撃でした。とはいえ、聖杯戦争に関与してかつ私達の陣営、そして私の助けになっている彼女が標的になるという点に関しては起こり得る可能性はなかったわけでは決してないんです。防げれなかったことも、もっと早く聖杯戦争終結に向けて動いていれば、というのだって考えられます。何よりナギサ様は直接被害を受けて、軽度とはいえアズサちゃん達が言うにはそれこそ化学兵器を受けたような症状だったんです。それなのにこんな風にお礼を言われると、私もなんだか慌ててしまいます。ですがそんな私の反応に、ナギサ様は微笑みを返してくださいました。
「ふふっ、良いんですよヒフミさん。それだけ、貴女方の愛は言葉にする事すら難しいほど大きく偉大な事なのです。そして、公的な立場では貴女を守る事も許されない女が私です」
「ナギサ様……」
包まれるような優しい愛情はいつだってナギサ様が贈ってくださる安心感。貴女のことが大好きだよ、と言の葉の裏にそっと寄せられた友愛と親愛に胸がぎゅっとなります。彼女の想いの温かさが、私には帰ってくる場所があるのだと、トリニティという大切な場所にはこんな素敵な人が待っていてくれるのだと、そう教えてくださるんです、が。 - 7121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:22:38
「ですからせめて、言の葉を、礼を、貴女への愛を、私の赤心を。どうかどうか、他ならぬ貴女へ尽くさせてください。自治区の代表ではなく、桐藤ナギサとして。では改めてお忙しい中、私達のお見舞いの為にこうし「あー!コハルちゃんも来てるじゃん☆」……ミカさん?」
今日はもちろん、いつもしていた二人きりのお茶会というわけじゃないので。溌剌とした声が跳ねるようにしてコハルちゃんへと向けられたかと思えば。
「えへへ、元気にしてた?あの時以来かな、覚えてる?聖園ミカだよ!」
「ふにゃー!?」
踊るような軽やかでナギサ様の隣を通り抜けたミカ様は、いつの間にかコハルちゃんの目の前で笑顔を向けておられました。
「……ミカさん?」
「なぁに?ナギちゃん」
にっこり笑顔はどうしてでしょう、明らかにさっきまでとは質が違います。なんというか目が笑っていないというやつです。
「私は今、とても、大変、非常に、とっても重要なお話をしていたのが、貴女の頭ではお分かりになりませんか?」
「あはは、面倒くさいんだもん☆お話、長すぎかなって!」
「……ミカさん!」
ついという感じで軽やかに笑うミカ様は唇を尖らせるナギサ様へは目を向けず、ハナコちゃんとコハルちゃんの間にするりと滑り込むと少しだけ腰を折って左隣を見て声をかけられました。
「だってねー?そんなにダラダラ喋ったって本当に言いたいのは来てくれてありがとう!すっごく嬉しいよ!……って事じゃん、ね?ねー、コハルちゃん!コハルちゃんは私の言いたいこと分かるもんねー?」
「あの、えと、その……あぅっ」 - 7131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:31:24
あの時以来、というのがいつの事を指すのかはさておき。どうやらコハルちゃんとミカ様は私達も知らないうちに仲良し、になったのでしょうか。人見知りなコハルちゃんはたじたじになってますけど、拒否というか嫌って感じではなく単純に恥ずかしかったり、どんな風にお話しすればいいか悩んでいる様子です。ミカ様もそれを察してか、話題を振り始められました。
「さてさて!久しぶり!コハルちゃん!どうどう?そっちの生活、大変じゃない?困ってることとかある?何でも言ってね!何でも力になるから!」
「ぁぅぁぅ……」
とはいえミカ様の元気の良さには中々ペースがまだ合わせられないようであうあうしています。これは助け舟がいるかな、と思ったところでベッドの方から軽めのため息が聞こえてきました。
「はぁ……まったく。一応示しとしてきちんとしたかったのですが……」
「いいじゃん、いいじゃん!折角来てくれたって言っても、補習授業部のみんなも忙しいもん。それにあんまり長居するとこわーい救護騎士団の子達が来ちゃうしね」
「まあ、私としても退院を控えている以上はあまり長く時間が取れないのも事実でしょうか……」
ミカ様の提案に仕方ないと言わんばかりのため息と流し目を向けられるナギサ様の姿はこれまでも何度か拝見してきたティーパーティの日常と言うべき光景でしょう。あのエデン条約の一件、そして今は聖杯戦争があってトリニティを離れているのもあってか、そんな懐かしくも微笑ましいお二人のやりとりを見れて嬉しさが増してきます。
「仕方ありません。今は公的な場でもなければ公務でもありません。プライベートである以上は相応の対応が必要、というのも分かります」
「そうそう!ほらほら、もっとラフにお話しよーよ☆」
「調子の良い人なんですから、本当にもう……では」
こほんと、咳払いを一つ。それからまた優しい笑みを浮かべられたナギサ様は背筋を伸ばして軽く会釈をされました。礼こそ軽め、けれど所作は洗練されて、まさしくお嬢様という感じです。
「来てくださってありがとうございます。聖杯戦争の最中、みなさんの安全とお元気な姿を確認できたこと、それからこうしてお見舞いに来てくださったこと、とても嬉しいです」
「はい!私達もナギサ様に久々にお会いできてすごく嬉しいです!……あの、それでお二人とも。体調の方は如何でしょうか?」 - 7141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:44:40
昨晩の襲撃で入院を必要とする負傷をお二人とも受けたと聞いています。ベッドに腰掛けられているナギサ様も、今元気に振る舞っておられるミカ様も、見た目ではお怪我は見受けられません。けど外から見て分かること、というのは案外少ないもの。ましてや私は救護騎士団の方のようにプロフェッショナルというわけじゃありませんからね。そう思って尋ねていたのですが。
「ふふっ、そう言って頂けると私としてもくすぐったい気持ちですね。ええ、大丈夫ですよ。退院自体は今日の午後に予定していますし明日には公務に復帰もできます。ミカさんに関しては……」
「私はもうすっかり元気だよ!あ、私については多分ハルナちゃん達から聞いてるよね?だから今は先生からの連絡待ちなんだ」
「なるほど、そういう「───けど」……ミカさん?」
ちょうどハナコちゃんが会話に加わろうとしたタイミングでした。
【Recommend BGM……】
【Coffe Cats→Stop……】
【Interface Hard Arrange→Start!】
「なんでか全然みんなと連絡つかないんだよね……おっかしいなぁ。おかしいよね?」
「あ、えっと……その……」
ひやりと、空気が固まりました。いえもっと言えば、鋭いぐらいに凍りつきました。ナギサ様は困りましたねなんて顔で頬に手を当てておられますけど、あの晩のミカ様のご様子を知っている私達としては。何より、これまで集めてきた情報から察せられる彼女と彼女が所属する部活のメンバーの方との関係を、たとえば私達に置き換えて考えたら。
「ねぇ───?」
彼女の目に浮かぶその色が何を意味しているかだなんて。
「ヒフミちゃん達は先生と、それに聖杯戦争対策部の子達と連絡取れない理由とかって聞いてたりするかな?」
考えなくても分かりきっています。 - 7151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 20:51:25
【皆様】
【こんばんは】
【サポートシステムが起動しました】
【これより阿慈谷ヒフミの行動安価を行います】
【安価内容は聖園ミカからの質問に対してなんと答えるか】
【以下の選択肢から一つ】
【または自由記入を選択してください】
①正直に先生達について知っている情報について可能な限りすべて伝える
②この場では伝えられないと情報の秘匿性を盾にして後々モモトーク経由で伝えると話す
③この場では伝えられないと情報の秘匿性を盾にして後々“セイアの”モモトーク経由で伝えると話す
④ゆっくり話したいが時間がないという理由を述べて現在先生達はゲヘナにいるが連絡が取れない状況らしい、と簡単に伝える
⑤先生達は無事だけど今は連絡が取れないようだとだけ伝える
⑥知らないと誤魔化す(話す人物:dice1d6=1 (1) 1.ヒフミ、2.ハナコ、3.アズサ、4.コハル、5.セイバー、6.ハナコ)
⑦助けてペロロさま〜(その他自由記入)
【安価先>>722】
【それでは皆様】
【よき安価を】
- 716二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 20:58:42
話したくないなら
今私たちはミレニアムに留学中である以上ミレニアムの生徒であり、セミナーから支援を受けてる身である以上セミナーから許可をもらう必要性がある可能性があるのでそれに関する話し合いをセミナーとしてからじゃないと知ってるか否か、知ってたとしてもどれだけ知ってるかを話すことは出来ないって言うとか?
素直に話していいかどうか正直わからないし - 717二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:26:07
とはいえはっきり白状しちゃった方がいいような気がするが……
ミカが暴走するにせよ、ヒフミ達的には先生の立ち向かう姿見てるわけだし
生徒として先生の無事を信じる姿勢を見せた方がいいような気がする - 718二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:36:59
メタ読みになるけど③という選択肢がある以上セイア経由で伝えることに何か意味があるっぽい?
- 719二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 21:38:29
ただなんで七択もあるかは気にならない?
こんなに選択肢あるのはここでの決断次第で色々問題が生まれる可能性あるからって考えることも出来るし
実際結構重大な情報もあるから仲間の許可なしに全部話していいのかって疑問もある
ここで味方の許可なしに全部話したことで後々味方が黙って行動することに繋がるかもしれないし
相談しようがない状況だったり命がかかった状況ならまだしもここで全部勝手に話すのは後々の問題になるんじゃないかな? - 720二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:31:42
- 721二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:34:56
>>720が良さそうかな?
- 722二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:35:10
- 7231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/24(水) 23:44:56
- 7241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 01:07:49
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【⑦モモイ、ミノリの二人とリオ会長に話して、大丈夫そうならセイア経由で話してもらおう。何をどれだけ伝えるかの判断はセイアに任せる感じで】
【Recommend BGM……Interface Hard Arrange】
先生の現状。それを全て今この場で話す、ということ自体は私としては出来れば“そうしたい”とも思います。ミカ様の立場をもしも自分だったらと置き換えて、どんな風に今彼女が感じているか。明る気に振る舞っておられたその瞳の奥で、どんな気持ちを抱いておられるか。それは、分かる気がするんです。
『(だけど、ヒフミ。今僕たちは、一人じゃない)』
『(はい、一人じゃない。だから私達はここまでこれて)』
思い出すのは今朝ミノリさんが話しておられたこと。仲間になってくださる方が増えて、組織として私達の同盟は大きくなった。しがらみなんて物はちっともありません、だけど一人でなんでも自由に決めれるわけでもない。大きくなったからこそ出来ることもあれば、大きくなったからこその制約とも。
「(いえ、違いますよね、ペロロ様。だってこれは、一人じゃないからこその不自由。受け入れたい、抱きしめていたい、そんな大事な……そう、手を繋いで歩くからこその)」
誰かと一緒に歩くのなら、その歩幅は自分一人で好き勝手なペースには出来ません。足並みを揃えないと進まないんです。そこに煩わしさが全くない、とはいえないでしょう。でも私は、そんな風に足並みを揃えて一緒に前を向くからこそ励まし合って、手を取り合って、自分一人の力よりずっと先まで進んでいけるのだと信じています。
『(なら、やらなきゃいけないことがあるね?)』
『(ええ、私は今ここで)』
【Recommend BGM……】
【Interface Hard Arrange →Stop……】
【KIRISAME→Start!】
『(ミカ様にお返事は出来ないとお答えしなきゃいけません)』
答えは決まりました。
「ミカ様にお話出来ることが私には確かにあります」
「ふぅん、そんな風に切り出すってことは」 - 7251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 01:10:54
つまらなそうなお返事にちょっぴり挫けそうになります。怖いとか嫌な気持ちになるとかそんなんじゃありません。ただ心苦しいんです。ミカ様の気持ちを思うと胸が張り裂けそうになります。だってあの映像を見た私達でさえ、そうだったんですから。
「はい。今この場ですぐに全部お伝えするのは難しいです」
「うんうん、オッケー。でもね?それってさ」
私の言葉にミカ様は目を細めてから、静かに問われる。
「───私が誰か分かった上で、なんだよね?」
高圧的、では決してありませんでした。これは確認です。ミカ様の今の立場を把握した上で、それでも答えられない理由は何かという。そしてもう一つ。
「はい。私は聖杯戦争のマスターで、トリニティの補習授業部の部長で、同時に聖杯戦争を止める為に集まった同盟陣営の一員です」
「うん、続けて☆」
「ですから私の一存で“別の組織の方”であるミカ様に私達が入手した情報をお渡しする事は難しいです」
私が自分の立場を理解して喋っているかの確認の意味も込めてくださったのでしょう。別にこの話がミカ様が私を試す為に始めた、なんて事は思ってません。多分本当にミカ様は事情をまだご存知ないんでしょう。じゃなかったら。
「……それってさ、私がお願いしても、かな?」
あんな不安そうに瞳の奥を揺らしている筈がありません。 - 7261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 01:11:18
「……はい。私の夢に協力してくれる友達が他にもいらっしゃいます。そんな友達と相談せずにお伝えしてしまえば」
でも私はそれでも今すぐにはお答えできない。もし仮に私がここで成り行きでもなんでもなく、ただ私の気持ち一つで“同盟陣営で入手した情報の取り扱い”決めてしまえば。
「多分気にしないって言ってくれると思いますけど、でもきっと嬉しくないと思うんです」
それはきっと周り回って誰かの気持ちを傷つける結果になってしまう気がするんです。
「私はミカ様の気持ちを大切にしたい、不安にされてるのはすごく分かるんです。でも」
ミカ様がどれだけ辛い気持ちなのかは察する事が私なんかでも多少はできます。聖杯戦争対策部としてずっとこの聖杯戦争に関わってこられて、昨日は恐らく途中でゲヘナでの戦闘を切り上げられた。そして今まで入院していたんです。ならきっと、その後の様子を彼女は知らない。大事な友達や先生と連絡もつかない、取れない。直前まで一緒に戦っていただけあって、どれだけの不安を覚えておられるかなんて考えるまでもないかもしれません。それでも。
「同じように私のお友達の気持ちも、私と一緒に戦場に出ている大事な仲間の気持ちも大切にしたいんです。だから相談をしてから、それからセイア様を通してお伝えしても良いでしょうか?」
私はミカ様の想いにちゃんと応えたいからこそ、性急に動くのではなく、一つ一つの段階を踏みたいと申し出ました。その言葉に彼女は。
「……うん、それなら仕方ないね☆」
優しい笑みを返してくださったんです。 - 7271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 01:16:51
というお話だったじゃんね☆
色々トラップ仕込んでたけどみんながぜーんぶ綺麗に回避しててちょっと1は己のへっぽこ具合に笑ったじゃんね☆
今回は2ルート、予備の1ルート想定だったじゃんね☆その中でも断トツで安定したルートに突入してて、1としてはみんなの頼り甲斐を改めて感じたじゃんね☆
というわけでミカちゃんはちょっぴり不安は残りつつもちゃんと後で信頼できる相手から話をしてもらえると約束してもらったので、ホッとできたじゃんね☆
明日はこの続き、と言っても本当に残りは特に話すこと1的にはそんなないからサクサクっていく予定じゃんね☆やりたいのはその後の聞きたいこと安価の方とミカちゃんの自己紹介ぐらいじゃんね☆
それでは今日も遅くまでお付き合いくださりありがとうございました!明日はまた20時から投下していきますのでよければ遊びに来てやってくださいな!
ではではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆ - 7281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 08:08:13
- 729二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 11:44:36
とりあえず正解っぽくてよかった
- 730二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 16:57:48
色々トラップが仕掛けてあったってことはもしかしてこれファンブル消化のイベントだったり?
- 7311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 17:18:27
はろはろじゃんね☆
さーっぱり続きが浮かばないまま今だけどなんとか思いつきそうじゃんね☆今日も安価してく……んだけど安価終わったら多分書く時間欲しいやつになるだろうから、この前(結構前)(とっても前)(1はほんとにだめだめ……)のアリスちゃん安価のやつを安価終わったら投下しておくじゃんね☆
話の流れも雰囲気も途中で変わっちゃうけどごめんなさい、じゃんね☆
まあカヨコちゃんもアリスちゃんもヘルタースケルターちゃんも可愛いからセーフじゃんね☆
ただ今日安価した内容についても今日中(時間的には日を跨いだ明日はセーフってことで)に投下するじゃんね☆今週からはがんばる宣言したからふぁいとじゃんね☆
んー、まだノーコメントにしておくじゃんね☆
ただ1個人としてはちょっと面白い選択で良い意味でヒフミちゃんの変化だったりを感じられる素敵な選択だったから今後の展開でもちょっとアクセントとして加えるスパイスにしよーって感じじゃんね☆
あ……(そういやファンブルあったなという顔)
んー……(どうしよっかなぁという顔)
……よし(まあ言わなきゃバレないじゃんね☆という顔)
そ、そそそうじゃんね☆
今回はトラップ多めにしてファンブル消化用のイベントだったじゃんね☆無事にクリアしてもらえれてホッとしたじゃんね☆流石みんなじゃんね☆
……ちなみに、トラップ発動したとしてもミカちゃんがここで暴走して……みたいな展開にだけは絶対するつもりがなかったのは一応お伝えしておくじゃんね☆ここら辺の補足も今日の投下分でちょろちょろっと書くじゃんね☆
思えば初登場時からミスリード役やってもらってたミカちゃんだけど彼女の役割はもうほぼ終わりじゃんね☆
あと残してるのは正真正銘の寄り道、それこそ完結してから書くかもしんないやつぐらいじゃんね☆
まあBADエンドなら役割が増えるかもじゃんね☆
- 7321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:10:03
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【ヒフミ、アズサ、ハナコ、コハル、セイバー→ナギサのお見舞い】
【Recommend BGM……KIRISAME】
「私のことまで考えてくれてありがとう、ヒフミちゃん」
はにかむミカ様の表情はとても晴れやかとは言えませんでした。けれどそのお顔を見た私たちが思うのは多分一つ。悲しいとか悲しませてしまったとかそういう否定的な受け取り方ではなかったんです。
「補習授業部の、そして同盟陣営の皆さん。貴女達の意向はティーパーティ所属、聖杯戦争対策部の聖園ミカがしかと受け取りました。その上でお礼を」
そんな風に私達へ気持ちを顔に出して素直に伝えてくださる事への安心感、とでも言うべきでしょうか。今こうして、普段の明るい仕草は鳴りを潜めて嫋やかな淑女然と振る舞いながらも、不安と、けれど確たる芯を見せるミカ様に。
「ありがとう、貴女達のように仲間のことを想える子達が聖杯戦争に立ち向かってくれている。そして先生からのメッセージを受け取っている。それを知れただけじゃなく、きちんと相談の上で私にも情報をくれようとしてくれてる。その思い遣りと誠実な態度に、私は信頼すべきものを見ました。だから」
あの晩に見た薔薇の棘のように触れては傷つけて、けれど自分を棘を折ってしまうような、そんな苦しくなる痛々しさのない、ありのままのミカ様からの返答に私達は嬉しさすら覚えたんです。
「公的な発言でなくとも、パテル分派の首長として。ティーパーティの一翼として。そしてトリニティの生徒として。そんな貴女達が味方でいてくれて、私、すっごく嬉しいよ☆」
まあ後任決まるまでの首長だしティーパーティの権限もないお飾りだけどね☆、なんて固くなった空気を溶かすように茶化す彼女へ。私はゆっくりと首を振って、敢えての謝罪を口にしました。
「いいえ。ミカ様のお気持ちを考えたら、これでも遅すぎるぐらいですから」
ミカ様の気持ち、それは“不安”。私たちの大好きな先生と、そして直前まで一緒に戦っていた仲間達と連絡が取れないんです。しかも事態は聖杯戦争中、おまけに昨晩に関しては聖杯陣営という新たな敵が現れています。 - 7331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:11:19
邪推でもなんでもなく、嫌な予想は幾つも彼女の頭を過っているのは分かるんです。私も本当に叶うなら、今知っていることを全部伝えたい気持ちもあります。同時にあまりにも辛く苦しくて不安を増長させる真実を本当に伝えていいのかという悩みもあります。それもあって、ちゃんと話し合ってからという選択をしたんです。大きくなった組織の中で動く意味、私一人じゃ出来ないことだってあるんだという自覚。そしてだからこそ、みんなで考えるべきだという選択肢が私にはありましたから。そんな気持ちを全部乗せた私の謝罪にミカ様はゆるゆると首を振って、それから困ったように微笑まれました。
「ううん、いいの。実はさ、なんとなく分かってるんだよね」
そういう彼女の顔はいつものどこか幼さもある華やかで可憐な笑みではなく、儚くとも毅然とした強さのある大人っぽい色でした。
「あの時あの場所にはゲヘナの角……じゃなくて風紀委員長がいた」
ゲヘナ自治区、特定立ち入り禁止区域の中心に聳えるライダー陣営の拠点“旧カイゼリン・ブリッツ記念教会”。そこで昨晩、先生とミカさん達“聖杯戦争対策部”の方はアルさんと会談をした。その結果は決裂。そして聖杯陣営のライダーが介入されるまで戦闘をされていたのだと言います。
「それだけじゃない。アズサちゃんも多分もう知ってるよね?」
「……サオリやアツコ、ミサキやヒヨリもいたんだろう?」
「うん。あそこにはサオリ達スクワッドとワニ女、じゃなくてハルナちゃん達美食研究会も、先生が無理言って呼んできてくれたあのウサギ女、だけじゃなくてサキちゃんやミユちゃん達もいた」
真面目な話、なんです。とても大事な、今お辛い立場にあるミカ様の内心を吐露してくださってる重要な場面なんです。ただ、なんと言えばいいでしょうか。
『(ねぇ、ヒフミ。これは僕の勘違いなのかもしれないけれど……なんだかこのミカという子の言葉にはその、あれだね。あー、うん。言葉の端々に女性らしい表現がないかな?)』
『(あはは……そんなことあるわけないですよ、多分……)』
セイバーさんが仰られるのも分かるんです。だってなんだか、こう一部と言いますか特定の人物に対してすごく言葉が鋭いといいますか。学園の垣根も越えて私達の知らないところで結成されていたという聖杯戦争対策部。彼女達の間で一体どんな事が起こっていたのか気になりますね。 - 734二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 21:13:37
このレスは削除されています
- 7351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:15:37
「あの子達と部長ちゃんこそいなかったけど、それでも戦力だけなら間違いなくどんな状況でも、どんな相手でも対応できるだけの最高の仲間が揃ってた。何より」
ですが、今はそれはともかく、です。ミカ様は一呼吸置かれて、それから切なげに彼の名前を口にされました。
「シャーレの先生がいた。私達をどんな時でも助けてくれて、いつでも駆けつけて、色んなことを教えてくれてきた大切な先生が」
そう、昨晩あの場には間違いなく先生がいた。これまで幾度も多くの困難に直面して、でも全て解決に導いてきてくださった私達の先生がいた。
「───なのに今になっても連絡がつかない」
だというのに、連絡がつかないとなればその答えは。
「だったらきっと……って思ってた。今も正直心配で胸が一杯。叶うなら今すぐゲヘナに行って直接確かめたい」
「ミカ……」
「けどね」
けれど、と。ミカ様は口にされます。最悪を予感させる答えがきっと幾つも頭の中で泡のように弾けているだろうに、彼女はそれを直視した上で“待つ”という選択をしていました。
「私がここにいるのには意味がある。だって私は先生に、あの時あの場所にいたみんなに、トリニティとナギちゃんを託されたんだから」
だからなのでしょう。信頼を託されたから。そしてその信頼に応えたいから。今彼女が浮かべたとびきりの笑顔に、先生の面影を感じるのは。私達より身体はずっと弱いのに、けれど誰よりも心の強い大人の面影を。 - 7361じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:18:42
- 7371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:33:45
【Recommend BGM……Coffee Cats】
「さて、お話もまとまったところでしょうか。それではヒフミさん」
「は、はい!なんでしょう?ナギサ様」
ミカ様からのお言葉を受け取って暫くの余韻を引き継いだのナギサ様からの問いかけ。いつの間にか空気はまた柔らかく温かいものへと移り変わっています。
「まあっ、ヒフミさんったら。そんな風に固くならないでください。大したことではありませんよ。ただ私達の間で一つ、どうしてもしておくべき事があるのでは、と思っただけのことですから。そうたとえば」
彼女は爪の先まで丁寧な手入れの行き届いた細くしなやかな人差し指をぴんと上に立てて、茶目っ気たっぷりにセイバーさんの方を見られました。
「私の記憶が正しければ私達はそう……まだ、そちらの殿方のご紹介を与ってはいない、違いましたか?」
そう言って口元を抑えながら小さな笑い声を漏らすナギサ様と「まーた持って回った言い方するんだからー」と呆れ顔をされてるミカ様。ですがお二人とも、ちょっとだけ、目に好奇心を宿らせています。
「ヒフミさん達がこうしてお見舞いに来てくださった事は勿論喜ばしいことですが、同時に行幸でもありました。何せ、御顔を合わせられた折角の機会ですからね。これまで聖杯戦争を止める為に、そして聞けば幾度もヒフミさんを危機から守り抜いてくださった方とのこと。ですのでヒフミさん、よろしければ」
そう言葉を切られたナギサ様からの意外な、でも嬉しい申し出に思わず私の声も跳ねちゃいます。誰だって大好きなお友達に別のお友達をご紹介するのはワクワクするものですから。 - 7381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:35:35
「は、はいっ!ぜひっ!ね、セイバーさん!」
「ああ、そういう事なら。こちらこそ折角のレディからの申し出だ。喜びこそすれ拒む道理はないとも。もっとも、真名に関しては」
「ええ、伺っております。ですので、この場では、ね?」
「ありがとう、それなら」
人差し指を唇に当てて片目を閉じるナギサ様にセイバーさんも微笑みを返すと咳払い。それから一息で魔力を纏うとスーツ姿から見慣れた蒼銀の鎧姿へ。
「こうして言葉を交わすの初めてになるね。はじめまして、私はセイバー。ヒフミと契約しているサーヴァントであり、当代の聖剣使い。そして彼女を守り、彼女の道を切り拓く一振りの剣だ」
手を胸に当ててそう告げる彼は正しく頼りになる騎士の王様そのものという感じです。思わず私のことじゃないというのに、私まで胸を張って自信がみなぎってきちゃいます。そしてそんなセイバーさんの自己紹介にナギサ様達も淑やかに一礼を返されました。
「ご丁寧にありがとうございます。ベッドからで大変恐縮ですが私共もご挨拶させてください。私はトリニティ総合学園生徒会ティーパーティのホストを務めております、桐藤ナギサと申します。そしてこちらは」
「はじめまして☆ティーパーティ兼シャーレ専属聖杯戦争対策部の頼れる副部長!聖園ミカだよ!よろしくね、素敵な騎士王さん☆」
「ああ、こちらこそ。ヒフミからよく話は聞いているよ、素敵な友人だとね。よければ二人とも、是非、ヒフミの友として私とも仲良くしてもらえると嬉しいな」 - 7391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 21:47:56
こうしてセイバーさんをナギサ様達にちゃんと紹介する機会が来るだなんて思ってもみなかっただけに、嬉しさで胸が一杯になります。ただ同時に、一つ懸念も。
「ようやくお話する機会を得られて感激に思います、国王陛下。これまで我が校の生徒を、そして私の友達を守って来てくださってありがとうございます。どうか今後も末長く、良き縁として友好を育ませて下さい」
「そういうことならどうか普段通り、君の話しやすいように言葉を紡いでほしい。今の僕は王ではなく剣として己を定めた身。ヒフミの便りを受けてこのキヴォトスという素晴らしい土地に立ち寄った旅人、ぐらいの認識が僕としてもありがたいんだ」
「これまでの貴方の献身的な愛と騎士道精神に、そして心尽くしに感謝を。それではお言葉に甘えて。改めて、これからどうぞよろしくお願いしますね」
セイバーさん。鎧姿になる度に私服のスーツを魔力の余波で破って消滅させてるんですけど、替えはまだあるんでしょうか。今回だけでもさっきの戦闘で一回破っちゃってますし、今は自己紹介で見栄を切る為に着替えてますし。というかそもそもあれ確か、ヒビキちゃんが用意してくれたものですよね。大丈なんでしょうか。
【残りの着替えはdice1d6=6 (6) (1.ない、2.あと一着ある、3.ないのをセイバーは失念していた、4.あと二着ある、5.あるけど破れる度にヒビキに自動で通知がいってる、6.全部事情を説明した上で複数ヒビキが用意して十分な数を渡している、実はセイバーはトランクの衣装ケースをずっと持っていたのだ)】
「はいはーい☆お話はとりあえずこれで終わりかな?それじゃあお見舞いだし、ガールズトークを!っていきたいけど……ヒフミちゃん達も忙しいでしょ?だからさ」
セイバーさん達のやりとりを見つつ取り留めのないことを考えているとミカ様から提案がありました。
- 7401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 22:00:43
「とりあえず一つか二つ、今のうちに話しておきたい事があったら言ってほしいかな☆」
今回のお見舞いはあくまでもナギサ様達の体調の確認、というのが目的。ですが思いがけずミカ様からありがたい申し出がありました。それなら聞きたいことを少しみなさんと軽く話し合って決めてしまおうと、思ったタイミングでのことです。
「ええ、私達も今日明日にはそれぞれ公務と部活動に戻る予定です。皆さんも午後からの活動は勿論、夜には拠点へ戻られるでしょうをそうなれば今後は通信でのやりとりとなりますが、やはり顔を見てこそ愛と真意は通じ合うものです。そうは思いませんか?」
ナギサ様が本当に自然な流れでその名前を。
「ねぇ───“リオさん”」
この場で聞くとは思わなかった名前を口にされたのは。思わず私だけじゃなくてアズサちゃん達どころかセイバーさんまで目を丸くして辺りを見渡していると、ベッド脇に置かれていた虫食い古木製のお洒落なスピーカーからすっかり聴き慣れた声が聞こえてきました。
『?いえ、別にトークアプリであろうと通信であろうと伝えるべき要件は相手に届くはずよ。もしそうでないとすればそれは要件ではなく通信環境の問題ね』
いえ、ただ聴き慣れただけじゃなくてすっかり馴染み深い調子の声と内容ですね。思わず、正しく彼女が言いそうな言葉に私達みんなが笑みをこぼしそうになった時、それより早くナギサ様が意外な行動をされまひた。
「顔を!見て!ちゃんと!話す!方が!伝わります!よね!先日!ヒフミさんのモモトークアカウントを!間借りして!私とやり取りされていた!リオさん!」
『え、ええ……貴女がそう思うのなら、それもまた一つの解なのかもしれないわね』
信じられない物、というわけではありません。以前から何度かミカ様とそういうやり取りをされてるのは見てましたから。ですが、リオ会長相手にもそんな風にはげしく、ましてやお布団をばしばし叩きながら熱の入ったお話をされるだなんて。 - 7411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 22:08:02
『(ナギサ様はすっかりリオ会長と仲良くなられたんですね……!いつの間にそんなことになってたんでしょう?)』
『(ヒフミ、ヒフミ。あれは多分違う気がするんだけど……)』
『(何言ってるんですか、もー!あんなにナギサ様が激しく声を出されてるんですよ?きっと仲良しに決まってます!)』
『(あー……うん。君の判断基準って時々歯車がズレる時があるよね。なんだったかな、そうそうモモイが言ってたバグだったかな?今がそうかも)』
なんだかセイバーさんが念話で頭を抱えているイメージを送ってきましたけど無視しましょう。そんな事より、今はこっちが優先です。
「え、あのリオ会長「リ、リオ会長!?ヒフミさんが他校の生徒会長を!?な、名前で!?」あはは……いえ、あの、リオ会長。もしかして今通話が?」
『ええ、繋がっているわ。というかさっきからずっと話は聞いていたわ。ミカさんの件については、先ほど貴女から受け取ったメッセージの件も含めてまた後で詳しく』
「は、はい。あはは……もう、いらっしゃるのならそう言って『ああ、それから』あ、あはは……」
どうやらずっと私達の話に口を挟まず聞き役に徹してくださっていたみたいです。それに私がここに来る前にモモトークで送ったセイバーさんのお小遣いについてのお礼。それからプトレマイオスさんと戦った件についての簡単な報告も目を通してくださったみたいです。その上で、彼女は。
『……その。ありがとう、嬉しかったわ』
「こちらこそ。私達もすっごく助かりましたし、嬉しかったです!またあとでちゃんとお礼をさせて下さいね!」
姿はみえませんけど、彼女らしい控えめで、けどちゃんと優しい声でそう仰ってくださったんです。
「お礼!?お礼ってなんの話なんですか!?リオ会長!?聞いていますか!!ヒフミさんに一体何をしたんですか!!ヒフミさんの優しさにつけこんで、一体どんなことを!?」
「ナギちゃん、疲れてるのもあるんだろうけどリオちゃん相手だとだいぶノンブレーキだよね……」
そんな声を聞きつつ、私達補習授業部はミカ様とこれから話す内容について検討することにしたんです。 - 7421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/25(木) 22:12:50
というわけで安価じゃんね☆
ミカちゃんナギちゃんとお話したいこと、相談しておきたいこと、聞いてみたいこと等々を募集するじゃんね☆
安価先は>>749じゃんね☆
指定はミカちゃんの言った通り、聞けることは一つか二つまで……ぐらいじゃんね☆
ただしここで前回の安価の影響があるから注意してほしいじゃんね☆
どんな影響かは……ヒフミちゃんが言ったのはミカちゃんナギちゃんにも当て嵌まるよって話じゃんね☆
とはいえ彼女達はそれぞれの組織でも立場と相応の裁量権がある子達じゃんね☆
この場で言えれる内容はしっかり自分達で判断し切って伝えてくれるから安心してほしいじゃんね☆
それでは安価のほう、よろしくお願いします!……じゃんね☆
- 743二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 22:53:34
聖杯のセイバーについて聞くとか?
- 744二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 07:32:55
まあ聖杯のセイバーについて聞ける範囲で聞くのと
連絡取れてるメンバーについて聞くとか? - 7451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/26(金) 07:51:48
おはよーございます、じゃんね☆
今回の安価があんまりにざっくりし過ぎた質問内容だったのと平日の夜遅い時間だったのと1の進行があまりにもカタツムリさんペースなのもあって、ちょっと皆さんに聞く内容・安価としては不適切だったじゃんね……1、反省じゃんね☆
本来であれば最後まで安価を待つ、というのが本義ですがそれでスレを落としては本末転倒、というわけで誠に申し訳ないのですが今回募集していた安価は取り下げさせて下さい。
募った安価へレスしてくださった>>743さん、>>744さん、ここまでお待たせしてしまったみなさん、本当にごめんなさい。
次回安価につきましては、本日19:30頃より改めていつも選択肢形式+自由記述形式で再度安価させて頂きたいです。
せめて頂いた二件のレスに関しては選択肢に盛り込む形での起用をさせて頂ければと思っています。せっかく夜遅い時間や朝早い時間に書き込んでくださったのにこういった対応となり本当に心苦しく、己の至らなさを恥じるばかりです。ごめんなさい。
1の不手際でご迷惑をおかけしてしまっていますが、よければご参加頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします!……じゃんね☆
- 746二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 13:23:45
保守
- 7471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/26(金) 19:03:06
こんばんは、じゃんね☆
というわけで安価の話をするじゃんね☆
ミカちゃんナギちゃんとお話したいこと、相談しておきたいこと、聞いてみたいこと等々を以下の選択肢の中から二つまで選んで欲しいじゃんね☆
多めだから安価先はちょっと長めに10個先にする予定じゃんね☆
①聖杯のセイバーについて
②連絡が取れている対策部メンバーはいるかどうか
③聖杯戦争対策部について
④シャーレの先生の聖杯戦争に対するスタンスについて
⑤アビドスに派遣している部隊について
⑥今後のトリニティの方針について
⑦正義実現委員会の様子について
⑧体調について
⑨聖杯戦争終了後のサーヴァント達及び各マスターへの処遇について
⑩温泉開発部について
11.マリーが手紙を残していった時計台について
12.トリニティで発生した特異現象について
13.監督役について
14.聖杯大戦について
15.助けてペロロさま〜(その他自由記述)
♡ボーナス:使用宣言でアイテム(お見舞いのキャロットケーキ)と♡ボーナスを消費して質問個数を1つ追加or組み合わせ含めて選択した質問のうち、1つの質問に対して重点的な回答を求めることが可能
注意書きは>>742に書いてあることとプラスで選択肢の組み合わせは各種2つずつぐらい(たとえば①と③、②と④を組み合わせて質問の個数を2個にする、みたいな感じ)でお願いしたいじゃんね☆
ただし組み合わせた場合は個別で聞いた時より情報量が減るから注意してねじゃんね☆
質問は安価開始の19:30まで受付中じゃんね☆
もしあったら今のうちにお願いします、じゃんね☆
- 7481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/26(金) 19:41:28
先生から呼び出しくらってちょっと遅れちゃったじゃんね……ごめんなさい、じゃんね☆
それじゃあリベンジオブ安価、いくじゃんね☆
以下の選択肢から二つ選んでくださいな!じゃんね☆
①聖杯のセイバーについて
②連絡が取れている対策部メンバーはいるかどうか
③聖杯戦争対策部について
④シャーレの先生の聖杯戦争に対するスタンスについて
⑤アビドスに派遣している部隊について
⑥今後のトリニティの方針について
⑦正義実現委員会の様子について
⑧体調について
⑨聖杯戦争終了後のサーヴァント達及び各マスターへの処遇について
⑩温泉開発部について
11.マリーが手紙を残していった時計台について
12.トリニティで発生した特異現象について
13.監督役について
14.聖杯大戦について
15.助けてペロロさま〜(その他自由記述)
♡ボーナス:安価時に使用宣言する事でアイテム(お見舞いのキャロットケーキ)と♡ボーナスを消費して質問個数を1つ追加or組み合わせ含めて選択した質問のうち、1つの質問に対して重点的な回答を求めることが可能
安価先は>>758じゃんね☆
それじゃあ安価の方、よろしくお願いします!じゃんね☆
- 749二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 20:50:32
1と14を組み合わせて、聖杯大戦になった場合、聖杯陣営は手を出して来ないらしい旨を伝えた上で、それでもやっぱり避けた方がいいから、直接聖杯のセイバーを相手にしたミカ様から見てどういった敵なのかを聞いておくとか?もう一つの方は6と7で今後の方針次第ではあるけど、トリニティ自治区内でまた聖杯陣営との戦闘が起きた場合に、何らかの形で協力してもらう事は可能かを聞こう。♡ボーナスはセイバーについて詳しく聞くのに一つ使いたいかな?
- 750二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:09:32
①セイバーの情報は「この二人しか証言できる者がいない」「今後の戦いに大きく関わる」「二人にあまり隠す意味がない」って意味では聞いたほうがいい情報っぽいな
「お答えできません」される可能性がめちゃくちゃ高いことを除けば⑨は非常に戦力、政治的に保有することにメリット、デメリットが生じる存在であるサーヴァントそのマスターに対して綺麗事抜きにどう思ってるのかリオ会長も含めて聞けそうだから興味はある - 751二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 21:30:00
①を聞くのはほぼ確だけど、よく考えたら⑤と⑩も少し気になるんだよなー…⑤の方は聞ける事少ない可能性それなりにあるし温泉開発部についてここで聞く事に何かの意味があるかもだから⑩聞くのもありか?
- 752二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:24:34
質問の選択肢について思った事まとめる
①一番聞いておきたい
②何か手掛かりを得えそうだけどうーん…③割と聞きたい寄りだけど今聞くべきか?④出来れば本人から直接聞きたいかなって⑤気になるが、そこまで重要ではなさそう
⑥と⑦聖杯陣営との戦いに関わるだろうし聞いておいて損は無さそうに感じる
⑧ちょい気になるが、聞かんでもよさげ?⑨>>750さんの言う通り、聞けなそう
⑩何かライダー陣営について知れるかも?⑪あの時計台にまだ何かあるのか?重要度は高く無さそうではあるが興味はある
⑫シャドウサーヴァントの事かな?
⑬単純に黒服の事殆ど知らん気がする
⑭聞くなら①とかとあわせて聞きたい
考える時にちょっとでも参考になったなら幸いです
- 753二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 22:48:26
⑨番についてはリオ会長を経由すれば聞ける可能性はないか?
セミナーからの正式な要請を名目にすれば断りにくくなるんじゃないかな
この場でリオ会長に先に⑨番に対する回答をしてもらった上でトリニティでのセイバーたちの処遇をはっきりさせてくれなかったら戻った際のリスクデカすぎてトリニティにヒフミたちが戻ることが出来なくなるって言えば答えてくれる可能性は高くなると思う
トリニティの政争にセイバーやそのマスターのヒフミが利用される可能性は考えられるからそう言ったことがないようにしてもらわないと困るのは間違いないし
少なくともミレニアムはセミナーさえなんとかなればでかい問題起こさなきゃなんとかなりそうだけど
トリニティは大分政治のゴタゴタに巻き込まれそうだからな
ナギサからしたら私情を抜きにして考えてもミレニアムからヒフミたちが戻らなかったら聖杯戦争後に英霊が3騎もミレニアムに固まるのはよろしくないと考えそうだし - 754二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 01:30:56
①と⑥、もしくは①と⑫かな
今2人から欲しいのは敵の情報と今後の支援だし
♡ボーナスはここで使った方がいいんだろうか
体調のこと聞いて権能の対策閃いたりできないもんかね - 755二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 10:21:27
まあ①は入れるべきなのは確か
- 756二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 13:00:08
個人的には①と⑥かな?
- 757二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 14:00:40
- 758二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 14:01:10
- 7591じゃんね☆onejanne25/09/27(土) 15:33:24
- 7601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/27(土) 19:54:22
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【①聖杯のセイバーについて+14.聖杯大戦について →♡ボーナス適用、⑥今後のトリニティの方針について】
【Recommend BGM…Coffee Cats】
自己紹介が済んだところでティーパーティの秘書官の方が運んで来てくださったケーキとお茶を頂く流れになりました。ケーキもお茶も入口でお渡ししておいたお見舞いの品です。ただお茶はともかく、私が持っていたケーキの方は戦闘に巻き込まれたタイミングでどうやらかなり崩れてしまっていました。クリームをふんだんに使ったふわふわのスポンジケーキとかと違って、固めのパウンド生地なキャロットケーキだったのでまだ見れる状態でしたが、本来であればとてもお土産では差し出せません。それをなんとか形を整えてくださった、このセーフハウスのスタッフの方と崩れたケーキをそれでも手を叩いて喜んで下さったナギサ様達には頭が上がりませんね。
そんなわけで私達補習授業部とティーパーティのお二人とでの内密な会談兼お見舞いは、トリニティ生の伝統に則ってお茶会形式となったわけです。
「聖杯のセイバー?ああ、私が戦ったのってそんな名前なんだ」
勿論、ただ食べてお喋りしてで終わるわけにはいきません。私達が聞きたい事はざっくりとまとめて“二つ”。ミカ様が直接戦った聖杯のセイバーについて、それから今後のトリニティの方針についてです。そこれまず切り出したのは聖杯のセイバー、真名をネロ帝と目される相手についてでした。
「ミカさん……一応、セイアさんがまとめてくださった資料、お渡ししましたよね?」
「……あは☆」
「笑ってどうこうなるものでは……あら?」
ため息をつくナギサ様がケーキを口に運ばれた所で驚いたように掌を口に当てられました。
「す、すみませんナギサ様……まさか戦闘の余波でこんなに崩れてるとは……あのやっぱり今からでも気になるようでしたら……」
「ふふっ、大丈夫ですよヒフミさん。こういった物の真の価値は形ある物ではなく、その奥に秘められた愛にこそですから。皆さんが選んでくださった贈り物であることが何よりの甘味……ですが」
思わず何か気に入らない味というか、そもそも崩れていたのが舌に障ったかと思って尋ねてみましたがどうやらそうではないみたいです。 - 7611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/27(土) 20:00:43
「想像していた以上に美味しいケーキですね。こちらはカフェ街で?」
「はいっ!ケーキは私とセイバーさんが、紅茶(dice1d100=12 (12) 、100に近いほど美味しい。トリニティで買ったので最低保証50)はハナコちゃんたちが選んでくださいました!」
「そうでしたか……いえ、本当に良い品ですね。どちらも癖はないのにハッキリとそれぞれの良さを主張しつつ、お互いを引き立て合う……私達の茶会でも是非今度購入を検討してみましょう」
「わぁ、それは是非!喜んでいただけて嬉しいですっ!ナギサ様!」
紅茶もケーキもナギサ様のお口にもあったようで一安心です。本当にさっきお土産を渡した際に箱を確認してもらった時はどうしようかと思いましたからね。
「うんうん☆本当にこのケーキ美味しいね!お茶との相性もバッチシ☆ありがとう、4人とも!」
「ぁぅ……はい、その……喜んでもらえて、うん、えとその……ぅれしい、です……!」
「……っ!うんっ、すっごく美味しいよ、コハルちゃん☆」
コハルちゃんが恥ずかしがりながらもミカ様のお礼にお返事されると、また一段とミカ様の笑顔が晴れやかに。本当にコハルちゃんのことが大好きなんだなぁとほっこりしていると、ここまで静かにされていたハナコちゃんが口を開かれました。
「仲良きことは、ですね。でも、ミカさん」
心なしかちょっぴり堅い雰囲気の口調に私もハッとします。温かいお茶に最適な室温、そして美味しいキャロットケーキ。何より久しぶりにゆっくりと大好きなお友達とするお茶会です。昼前なのもあってかなり雰囲気も気持ちも無意識に緩んでましたが、ちゃんと質問の話に軌道修正しなきゃですね。ハナコちゃんはそのつもりなんでしょう。
「私達も時間が「あれあれ?なになに、浦和ハナコちゃん?もしかしてやきもちー?」……コハルちゃんはこのあとあまり時間がありませんから、早めにお願いしますね?」
「……ふぅん、無視するんだ☆まっ、いいけど。で、アイツの話だっけ?セイアちゃん経由である程度聞いてない?私、これでも結構お話したはずなんだけどなぁ」
カップを置かれたミカ様は少しだけ困った顔をされてしまいました。
- 762二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:07:45
このレスは削除されています
- 7631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/27(土) 20:14:33
「ええ、聖杯のセイバーとの戦闘については監視カメラに残っていた映像とミカさんの証言をまとめられたレポートから凡その事は。ですが改めてお話を聞きたいと思っているんです」
「うーん、あのさ。前提としてだけどね?私はちゃんと答えるつもり満々だよ、はぐらかすとかと別にしない。ただその上で、これ以上答えられることがあるかは正直あんまり自信ないかなぁ……みんなと違って私は別に聖杯戦争とか“さーゔぁんと”だっけ?それのこともよく分かってないし」
今回聖杯のセイバーについて罪咎と呼ばれる権能についてやその戦闘能力について改めてお話を伺えたら、と思って聞く予定でしたがミカ様の反応はやや微妙といった様子。確かに、私達は今朝方幾つかの資料を拝見して、そのうちの聖杯のセイバーとの戦闘記録についてはミカ様ご本人からの聞き取りがあったとは伺っていたのを思い出しました。
「ミカ。先生とお前達聖杯戦争対策部はある程度の事は調べたりしてたんじゃないのか?」
「難しいなぁ。私達は本当に細々した後始末役だったり分からないなりに情報集めしたり、あとは出てきた影っぽい奴らを叩いたり危険がないか監視したり……っていう活動内容なんだよね。だから別に始めからなんでもかんでも知ってるわけじゃない。それに」
言葉を区切ったミカ様は少しだけ声を潜めるようにして教えてくださいました。
「ここだけの話、先生、今回はいつも調べ物関係で頼りにしてる子達とコンタクト取れなかったの。ミレニアムとか、それこそ便利屋だっけ?ゲヘナでお仕事してる子達とか。だから本当に最低限だけなんだって先生もよく困ってたんだよ」
ミレニアム、そして調べ物。この二つで頭に浮かぶのは私達も何度も頼りにしているヴェリタスの皆さん。ですが彼女達の部長さんは他の部活と兼任されていて今ミレニアムは不在。そしてその部活こそ特異現象捜査部、つまりアーチャー陣営に協力されていて、私達にSOSを送ってきてくださった明星ヒマリさんがいる部活です。もしかすると先生はヒマリさんにもコンタクトを取りたかったのかもしれませんね。 - 7641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/27(土) 20:15:31
「だから私もざっくりとした速さとか強さとかあと“ホウグ”?とか言うのについて話はしたけど、レポート以上のことで話せるとなると……まあ本当に私が感じた事とか敵の癖だったりとか、それぐらい?だからもし聞きたいことがあるなら、リクエスト募集中って感じかも☆」
そう仰るミカ様に私は───。
【行動安価です】
【以下の選択肢から】
【dice1d3=3 (3) 個】
【具体的に聖園ミカ、桐藤ナギサへ尋ねたいことを選択して下さい】
①聖杯のセイバーの人間性について
②聖杯のセイバーが使用したスキルについて
③聖杯のセイバーが使用した権能/罪咎について
④聖杯のセイバーのステータスについて
⑤聖杯のセイバーの宝具について
⑥助けてペロロさま〜(その他自由記述)
【組み合わせは最大2つまで】
【安価先>>770】
【なお】
【実際の聖杯のセイバーとの戦闘について確認したい場合は以下の資料を閲覧して下さい】
【https://syosetu.org/novel/349847/106.html】
【それでは皆様】
【よき選択を】
- 765二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 20:46:13
- 766二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:04:48
①と②、③の組み合わせと⑤でいい気はする
- 767二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:19:37
最初に考えたのは①、③、⑤の組み合わせだけど、>>765さんの言う通り知識とかの問題が確かにあるから②と③を組み合わせて聞くのは結構良さげに感じる
- 768二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:30:07
>>765さんで良さそうかな?
- 769二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:31:28
かそく
- 770二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:31:45
- 771二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 23:31:48
- 7721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/28(日) 07:46:40
- 773二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 17:16:05
茶葉の出目ひっくいなぁ……
- 774二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 20:20:26
茶葉の出目低いけど、もし100でたりした場合何か起こったのだろうか
- 775二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 23:35:50
そういやトキが取得した能力って何も言われてなかったっけ
千里眼Aとかだったらかなり厄介だなー - 776二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 00:52:33
- 7771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 07:13:49
うわーん!!やっときせーちゃんとおさらばできたじゃんね☆
今回は長かったじゃんね……笛吹の活動報告にちょろっと書き込んだ時はまさか結局昼から一晩丸々何にもレス出来ないとは思わなかったじゃんね……みんな、ごめんなさい
じゃんね☆
とりあえず今日はもう残ってるの全部投下するぐらいの気持ちでいくじゃんね☆
ミカちゃん達への質問は終わらせてあるし後はそのあとに書きたいシーンちょろっとやって、今週ようやく、よーやく!!午後の導入にいくじゃんね☆
というわけでご心配おかけしましたじゃんね……今日の更新はちょっとリアルのちりょー事情だったりで日中バタバタだから夜の21時ぐらいからまったりとじゃんね☆
またお昼頃に改めてお知らせ&1の大好きなレス返ししますじゃんね☆ - 778二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 11:19:00
ブジデヨカッタ
- 7791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 16:03:36
カノエちゃんに続いてミヨちゃんがブッ刺さったじゃんね……まずいじゃんね☆
とりあえず“今日の”投下21時から22時ぐらい予定で午前中は終わらせて明日に向けるじゃんね☆
……そろそろ🌕🎲じゃんね☆
最低保証があってよかったじゃんね☆
100とか出てたらなんかボーナス出すつもりだったじゃんね☆
ノーコメント、じゃんね☆
心配させちゃってごめんなさいじゃんね☆
なんとかきせーを解いてもらえた感じで朝起きたら書き込めたじゃんね☆
というわけで今日明日はばっちばちで、全部終わらせていくじゃんね☆
……体調のこと、心配してくださってありがとうございますじゃんね☆
1は遅筆だし体調ぐっちゃんちゃんだけど、読んで安価もしてくるみんながいるからもう二度と投げ出さずに最後まで頑張っていくじゃんね☆
アリガトジャンネ☆
- 7801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 16:04:32
- 7811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 21:48:35
遅れますが本日中に必ず投下しますじゃんね☆
- 7821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 23:34:08
【10日目午前/通常イベント/追加行動】
【トリニティ自治区・中心街近郊】
【①聖杯のセイバーについて+14.聖杯大戦について →♡ボーナス適用、⑥今後のトリニティの方針について】
【聖杯のセイバーについて→①人間性+⑤ 宝具、⑥武術とは別に何か不可思議な力などは使ってなかったか(②+③)】
【Recommend BGM…Coffee Cats】
「私達から見た聖杯のセイバー?」
「はい。直接対峙なさったナギサ様とミカ様の所感、という形になってしまいますけど……」
「うーん。話すのはいいけどそうだなぁ、なんて言えばいいんだろう」
聖杯のセイバーと直接対峙した際に感じたこと。数値や戦い方といった部分ではなくもっと感覚的な部分を聞いてみよう、というのが私達の間でまとまった意見でした。それに対してミカ様達は少し顔を見合わせてからちょっと悩んで。
「───空っぽ?」
ぽそりと、そんな風に呟かれたのです。
「空っぽ、ですか……」
「うん。一応セイアちゃんには伝えたんだけどね。アイツの剣とかそういうの?なんか正直変な感じだったんだよね」
意外な言葉、というわけではありませんでした。ミカ様からの聞き取りを受けて作成されたレポートにも『スキルや戦い方、それから顔まで誰かからの借り物に感じられた』という彼女の感想が添えられていましたから。
「なんていうか、殺気とか凄みとかっていうのかな?そういうのがこう、なんかすごく薄っぺらいんだよね。いや、ちゃんと技とかは凄かったし怖さとかは感じるんだけど、でもなんでかな?なんていうか借り物みたいな……」 - 7831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 23:46:58
腕を組みつつ綺麗に整ったその眉を寄せられているミカ様。そんな彼女の発言に対して、私は思うところがあって、最早慣れ親しんだ念話経由でセイバーさんに声を掛けていました。
『(スキルのことでしょうか?)』
借り物、と聞いた時に“直感”したのはスキルの使用について。セイバーさんで言えば魔力放出や、“マジュウ”と呼ばれる相手に強く出れる獣狩り。キャスターさんで言えば霊基への負荷を増やしつつ意図的にその出力を跳ね上げるオーバーロード。スパルタクスさんで言えばミノリさんも所持する便利な治癒能力である被虐の誉れ。いずれも私達の使う銃撃戦の技術や科学的な道具を用いての戦術、とはまた違う、それこそ彼らが生涯培ってきた技術や生来の体質が形として現れた特殊能力とでも呼ぶべきものです。そんなある意味でもなんでもありなスキルなら、他者の技能を借り受ける、なんていう事もあるのかなと思ったんです。
『(罪咎と呼ばれる権能の可能性はあるけれど……確かに剣技を含めて、他者が所有する技術を一時的、或いは半永続的に獲得するスキルが存在するのは事実だよ)』
『(そこら辺の違いはいまだに私もよく分かってませんから、ミカ様なら尚更……それなら)』
セイバーさんからも同意する言葉が頂けたことで自分の直感に改めて自信を持ってミカ様へお尋ねすることにしました。
「もしかして、聖杯のセイバーは戦闘中に剣術や体術とは別の……報告にあった炎を操るのとは別の不思議な力を使ってたり、なんていうのはありませんでしたか?急に腕の力がぐんと強くなったりとか」
「あとは動きの精彩がよくなったり、或いは抗うことも出来ないような強制力のある力が働いたりとかかな?」
スキルはもちろん、そしてホシノさん達と戦った方のプトレマイオスさんが仰った権能について。どちらが今回のケースに当て嵌まるのか、そもそも魔術に対する造詣の乏しい私達キヴォトスの学生では判断なんて出来ません。だからなるべくざっくりと、聞いた上でセイバーさんでしたり、帰ってからキャスターさんや古関先輩と話し合ってその正体に探れたらと思ったんです。
ですがこうやって考えると“本当に古関先輩は頼りになってありがたいです”。なにせ私達と同じキヴォトス生まれのキヴォトス育ちであるのは“間違いない”のに、古書に通じているだけあって魔術に対しても非常に知見が広くあられますから。 - 7841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/29(月) 23:49:18
「そういうことなら……あ!うん、急に振ってた剣が綺麗になったっていうか!あ、別に色とか形が変わったとかじゃないんだけどね!」
「大丈夫。つまり、敵の振るっていた太刀筋が力任せから理屈ありきの物になった、という解釈でいいかな?」
「それそれ☆やっぱり本職は違うんだねー。あとはあれかな、ナギちゃんが倒れた時に言ってたやつ」
ミカ様はやはり心当たりがあると仰ったのは、二つ。一つは聖杯のセイバーが振るった技が急に精彩な物となったという話。これについては正直、見せて頂いた映像が戦闘の余波か何かで“かなり不鮮明”でしたから、改めてこうやって聞けたのはありがたかったです。そしてもう一つ、彼女が言ったとミカ様からの聞き取りで判明した重要なキーワード。
───余が与えんとした恐怖、余が定めた終幕、余が愉しみにしていた晩餐。それに抵抗するのは神意に、権能に反すると言える。
ナギサ様が倒れたタイミングでそう言ったのだといいます。
「私はなんとなく嫌だなぁってぐらいでさ、特に神経へのダメージ?みたいなのもなかったんだけど……」
「そこからは私の方が詳しくお話できるかもしれませんね」
話を引き継がれたのはベッドに腰掛けておられるナギサ様。唇を湿らせるように紅茶を一口だけ含んでから、ゆっくりとお話され始められました。 - 7851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:06:04
「怖い、と。彼女の言動や態度もそうでした。彼女の一挙手一投足から漂わせる殺意に対してもそうでした。ただこれは個人的な主観に基づく物ですが……」
静々と話される彼女の様子は怖いと言いつつも毅然としていました。決して恐怖に屈しているようには見えず、ピンと伸ばされた姿勢からも気品が漂っているように私は感じられました。
「真に恐ろしかったのは───彼女を前にした時に感じた奇妙な感覚でした」
『(……でも)』
『(ああ……そうだね)』
けれど、お膝の前で組まれた両の掌。彼女の白い肌が少し赤くなるほど強く握られている理由を私もセイバーさんも、恐らく隣にいてくれるみなさんも、見逃してはいませんでした。
「懐かしいのに、恐ろしい。自分がまるで狼を前にした野兎にでもなった気分とでも言いますか……そんな絶対的捕食者を前にした被食者のような、金縛りにでもあったような感覚に陥ったんです」
小さな溜息を吐き出されたタイミングで、ミカ様は軽く肩をすくめつつ、ナギサ様の隣に座り込まれました。私達から、彼女が必死に抑えようとしているその震えを隠すように、自然とそれとなく身を寄せて。
「あ、私も同じようなのは感じたよ?ただそれはあの“ホウグ”だっけ?アイツの背後からぶわーって広がって襲ってきた胃袋を“見た”時にだったかな?」
ミカ様からの気遣いと優しさを無碍に決してしないように私たちも努めて気にしないようにする為に、より話に没頭します。今話されてる内容も相手の切り札と呼ぶべき宝具について。
「聖杯のセイバーの宝具についてだけど、報告では周囲の空間を侵蝕する系統の物だと僕達は考えている。直接対峙した君からはどうだったかな?」
「うーん……丸ごと?」
「丸……?」
今度はあまり上手く内容が掴めなかったのか首を傾げたセイバーさんに、顔の前で手を振りながらミカ様は困った顔をしつつ感じたことを話してくださいました。 - 7861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:18:28
「そう、丸ごと。あいつの後ろからぐわーって出てきたあの胃袋が広がっ出来たかと思ったら私を包むみたいに迫ってきたの。その時思ったんだ、あれがこのまま来たら」
一息。しっかりと肺の中に空気を吸い込んでから、一度深く吐く。それはミカ様としてもあまり思いだしたくない記憶なのでしょう。ここまで穏やかにされていた彼女の表情に、明確な翳りが。
「───呑み込まれるとか以前に内臓の肉で潰されるって」
そして見るからに嫌そうな、生理的な嫌悪を覚えたことが見て取れる色を浮かべられました。それに対してセイバーさんもまた難しい顔をされています。まるで想像していた物と違ったとでも言うようにです。
「……かなり珍しいタイプの宝具になるかな。あの手の結界を構築する宝具というのは通常今いる空間に上書きする形で展開される。ちょうどさっきあったアーチャーの物もそれだったろう?」
思い出すのはプトレマイオスさんの大図書館。キラキラとした水晶で出来た荘厳な建物は、小洒落てレトロな古本屋さんの中で展開したとは思えないぐらいの広さ。それこそコンサートホールやアリーナ、大型の競技場ぐらいはありました。だというのに、あの図書館から出た時には辺り一帯にはなんの被害もなかったんです。普通に考えれば、そんな巨大な建物があの路地裏に突然現れたのなら、周囲の建物を薙ぎ払って更地にしなきゃいけないというのにです。
「だというのに、ミカ。君が言うには奴の宝具には純然たる質量を有した外殻が存在したという……僕もそう詳しくはないけれど、外と内との境界線なんていうのは“見えない方が都合が良い”、もっと言えば第三者が“干渉できない方がいい”ものの筈だよ」
そしてそれがセイバーさんの仰りたいことなのでしょう。私にはあんまり想像できませんが、プトレマイオスさんの使われたような“建物や陣地を作る宝具”、つまりセイバーさん達の仰る“ケッカイ”という物に分類されるそれ。そういった宝具は本来であれば、展開した周囲に対しての大きな被害、そして展開自体には攻撃能力を有さないということ。だというのに聖杯のセイバー、あの顔にモザイクがかかったような女性の宝具は、宝具による空間の展開だけで被害を与える物であった。それも空間自体に質量があって周囲を押し潰そうとするほどの物が。 - 7871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:25:00
「……特殊な特性。いえ、宝具の出力に伴う燃費を考えれば……無駄。ならあれは本来意図した物ではなく劣化や……或いは改悪?」
ですがそれはセイバーが仰るには“通常あり得ない”物だそうです。だからこそ、その疑問を受けてハナコちゃんの目が鋭くなりました。
「何か気づいたかい?ハナコ」
「ええ、少し。プトレマイオスさん、でしたか。彼がアビドスで行った戦闘時の様子から見て、少し可能性が」
『そういう事なら昼のミーティングで少し話し合いましょう。一応アビドスの対策委員会の面々にも声をかけておくわ』
「ありがとう、リオ。助かる」
アズサちゃんが軽く頭を下げたのをどこから見ておられるのか『頭なんて下げないでちょうだい、当然のことよ』と分かりにくく照れるリオ会長にほっこりしつつ、です。私達はナギサ様の次の言葉に背筋を伸ばしました。
「それから彼女は変装を得意とするようで肉体を作り変えるような真似もしていた……というのは既に皆さんとも共有できているかと思います。ですが……」
変装、或いは変態。ナギサ様に接触した際、聖杯のセイバーは私の姿をしていたのだと言います。その際の監視カメラ映像は私も確認しましたけど、“はっきり映っていなくてよく分かりませんでした”。でもナギサ様が仰るには。
「正直に言って、あの場あの時にヒフミさんの姿をして現れた彼女を私は───ともすれば“ヒフミさんに限りなく近い”と認識していました」
どうやら、本当に私そっくりだったみたいです。
「それはヒフミじゃないと判断した、という話じゃなかったか?」
「……ええ、言動が幾つか可笑しかったこと。それから現れた時間が明らかに異様であったこと。それら幾つかの理由から彼女はヒフミさんでは決してない……そう思ったんです。ただ初めて、あの扉を開けて執務室に飛び込んできた彼女を見た時私は」
少しだけナギサ様の視線が逸れるように、何かから目を逸らすように伏せてから、小さく仰られました。
「本当にヒフミさんが入ってきた、そう思わせられたんです」
よほど、そっくりだったのでしょうか。それともあまりに思い出されるのも辛いのか、僅かに彼女の肩が揺れたのが見えて、私も握る掌に力が篭ります。 - 7881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:43:49
「ですから私からはミカさんの言うような空っぽ、という印象はとても……寧ろ真に迫った、或いは少し欠けているけれど間違いなく真作の芸術品……だなんて場違いな感想が浮かんだものです」
「うーん、ナギちゃんも大概芸術肌だしねー。それに実際さ、お喋りより殴り合ってた私とじゃ感じる所も違うかな?」
「……そうですね。ミカさんはそういうところが少々野趣が過ぎますので」
「うーんお上品なお口だね、ナギちゃん。普段何食べてたらそんなお喋りできるようになるのかな☆」
「少なくともミカさん。貴女に差し入れているような三食ロールケーキ生活ではとても、とでも言っておきましょうか」
「なにさー!ナギちゃんがそうしなさいってうちの子達に言いつけたんでしょー!」
ミカ様の可憐な笑い声混じりの抗議に私達の間にあった肩の力がふっと抜けていきます。彼女のこういう空気を華やかに、そして柔らかくしてくださる所は流石ティーパーティの主席をナギサ様達と務めておられる方だと感じいりますね。こと行政官同士の円滑なやり取りを任せたら、ミカ様の右に出る者がいない、というのはナギサ様も誇らしげに教えて下さったことでしたから。
「ただ、ナギちゃんとも少し話してたけど私もナギちゃんもアイツに対して共通して感じたことは二つ。一つはアイツの殺意とか顔とかそれぞれ感じる部分は違えど、どことなく作り物というか演じてるみたいな物を感じた。もう一つは」
「あんな戦力が残すところ六騎もいる、となると我々ティーパーティとしては恐怖を感じるという話です」
『……残念だけど同意見ね。正直、昨晩の一件だけでミレニアムとしても大打撃を受けたわ。ゲヘナ同様、うちでも戒厳令は敷いたし、かなり情報統制は行なったけど……それでも施設への被害が大きかったもの。生徒達や区民達から不安の声が上がっているわ』
トリニティでは人的被害はそれこそ、“私が教えてもらった限りですと”ナギサ様達とティーパーティの行政官や秘書官の方が何名か怪我を、そして校舎が崩れたという話でした。ですがミレニアムはそうぎゃありません。発電所は未だ復旧作業が難航されていて、完全に直るまであとdice1d7=6 (6) 日は必要とするそうですし、各地でシャドウサーヴァントや影の生徒と衝突した影響で建物や道路への被害が出ています。
- 7891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:46:03
そしてそれはアビドスやD.U.でも。なにより大きいのはゲヘナでの被害でしょう。実態はまだ分かりかねる部分が大きいですが、“鮮明な映像で見た限り”、かなりの被害が想定されます。
「セイアさんから今朝の会議の報告を受けました。どうやら聖杯戦争の根幹部分に対して切り込む為の重要な情報……予備システムについて分かったと」
「ええ。セイアちゃんがどの程度お伝えしたか分かりませんが、現段階では聖杯には予備システムが存在し、起動させる事で聖杯大戦と称される形式に移行します。これによって追加で七騎のサーヴァントの召喚とその為のマスターの新規選定。そして推測になりますが……」
話題が予備システムについてになったタイミングでハナコちゃんが話を受け取ってくれました。
「現マスター達に設けられたタイムリミットの延長が考えられます」
予備システムの起動。そしてそれに伴う聖杯大戦という七体七のサーヴァントによる陣営同士の戦闘が予期される大規模な形式の聖杯戦争の開催。スパルタクスさんが仰ったように私達としても現段階では、あくまで大聖杯への干渉権を得る為に起動を検討しているだけで、実際に聖杯大戦に踏み切ろうという考えはありません。ですが、私達マスターの魔力に対する過剰反応と、更に刻限を迎えた際に供給される耐性値を超えた量の魔力供給。それらのタイムリミットを延長できるという、無視できないメリットがあるのは事実です。
「……トリニティの行政を預かるティーパーティの人間としては」
ですが同じように。
「恐らく我々は、聖杯大戦の為に予備システムを起動させる事へ最後まで反対を表明します」
無視できない程に大きすぎるデメリットがあるのもまた事実です。
「まあ、勿論本心じゃないけどね☆」
「……ミカさん」 - 7901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:53:48
ころんと、ミカ様が笑顔を咲かされてまた私達の肩の力が抜ける気がしました。本当に今回のこの場にミカ様がいてくださったのは幸いでした。難しい話や悩ましい話題でも、笑顔で乗り切ってくださる彼女がいる。そんな素敵な先輩が私の大好きなお友達の幼馴染でいつもお隣にいてくださる。本当に安心できます。味方になるとこんなに心強い方なのだと改めて実感しますね。
「だいじょーぶ!みんなだって、分かってくれてるよ?あくまで建前の話だって」
「……そうであってもです。その建前を蔑ろにしてしまえば規律が揺らいでしまいます。揺らいだ規律の上に権力はなく、そして権力がなければ私達は」
「はいはい。難しい話はまた今度ね、あんまりぐちぐち言ってるとまーた眉間にしわできちゃうよー☆」
そう言ってナギサ様の額を優しく指で押したミカ様は私達の方を向かれました。
「今後のスタンスとして私達は多分、今まで以上にトリニティの防衛に力を入れることになると思う。その枠組みの中には先生が戻ってくるまでの間だけど……その中には私も入ってる」
「……我々としてはミカさんとツルギ委員長を主力とする部隊運用を検討しています……あまりにも長引けば、あくまで最悪の場合ですが。ゲヘナとの共同作戦も視野に入れる予定です」
「まあとにかく守る事に専念しようかなぁって感じだよ、アビドスの方はホシノちゃん達も正義実現委員会の子達もいるしね☆」
『ミレニアムはトリニティと共同歩調を取りつつね。ゲヘナとの間も必要であれば取り持つ形になるわ。もっと言えば以前から繋がりのあるレッドウィンターあたりにも声をかけるのも視野に入れてるの……あまり戦線を広げるのは得策でも本意でもないわ。けど』
「ええ、皆さんが戦っておられるからこそ。その背中にいる私達のことは気にしないですむように。せめてもの守りは万全に整えておく、というのが私達のスタンスになります」
今後のスタンス。トリニティもミレニアムも、私達が戦いやすいように、そして来る聖杯陣営との衝突で後方を気にしないで済むように。直接的ではなくともバックアップをしてくださる、というはなしになりました。 - 7911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 00:56:11
- 7921じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:15:26
【10日目午前/特殊イベント】
【ゲヘナ自治区郊外・スラム街地下遊歩道】
【Recommend BGM……〈Interface Hard Arrange〉】
【安価→ 陸八魔アルはそこまでして、殺人やキヴォトスを滅亡させてまで何を望んでいるのか】
酷く暗い道だった。ゲヘナ自治区郊外に位置するスラム街の地下遊歩道。その道すがらに差し込むのは僅かに崩れた天井から埃っぽい空間を照らす木漏れ日のような日の光だけ。
明かりといえば、カヨコから手渡されて今モモイ達にメッセージを送っているアリスの手元で電子的な光を放つスマートフォンの液晶ぐらいであった。
「……カヨコ、先輩」
「カヨコで良いよ、その方が気楽でしょ?」
特に目を合わせることなく、静かな声だけはアリスへと返ってくる。奇妙な感覚だった。アリスの周りにいる生徒の中では、たとえば生塩ノアは確かに大人しい性格の生徒だろう。だがここまで淑やかな雨を想わせる静謐を孕んだ人というのは、アリスの自我が生まれてから初めて会話する類の相手だった。それも相まってだろう。
「カヨコは……その……」
どういうわけかいつもの調子が出ないアリスは、なんとかメッセージをモモイとdice1d7=3 (3) (1.ミドリ、2.ユズ、3.リオ、4.ヒフミ、5.ゲーム開発部、6.補修授業部、7.同盟陣営全員)におくりおえてから、ゆっくりとまた口を開いた。
「アリスは、聞きたいことが……アリスは、私は……っ」
だが、途中で止まる。なんと言えばいいのか、検討がつかなかった。天童アリスはゲーム開発部の一員であり、今はセイバー、キャスター、バーサーカーの三陣営が手を取り合い聖杯戦争の平和的解決を模索する同盟陣営のメンバーである。その自覚が、“飛び抜けて強い”彼女は、聞かなくてはいけないことを理解していた。今隣に座って目を瞑りながら静かに待つ彼女に。ゲヘナ学園三年生にして、ライダーを擁する便利屋68の社員だった彼女に。自分達の、否。
モモイと己の敵である彼女に、問わなくてはいけない事があるのだ。
だから、途中で止まった。言っていいことなのか、どうやって聞けば傷つけないのか。まだ幼く対人関係という面でも未熟なアリスでは、どんな言葉を選んで話せば最適なのかが今一つわからず。だから暫しの間、待つようにして沈黙が流れた。
- 7931じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:25:54
「“別に聞いていいよ”」
静寂は、思わぬ方から切り崩された。
「……私さ、結構顔が怖いって言われるから。変に気を遣わせちゃったかもだけど、気にしないでいいから」
本当にゆっくりと、まるで雨に濡れた子猫に手を差し伸べるようにして。カヨコはそっと、アリスの髪を撫でた。この遊歩道を歩いてきた中で降ってきた埃、そしてヘリが撃墜された際についた土埃や灰。それらを軽く払ってから、アリスの長い黒髪を漉くようにして丁寧に。
「聞きたいことがあるならストレートに言って。こんな状況だし、不安だろうからさ……答えられる事は、なるべく教えるよ」
毛並みを整えてやる母猫のように、一撫でごとにアリスが落ち着けるようにゆっくりとリズムを刻んで。カヨコは静々とアリスが語り出すのを待ってやっていた。
「……カヨコは」
暫くして、やっとの思いでアリスは口を開いた。甘いチョコレート、そして温かい人肌が、ここまで混乱と不安に苛まれていた彼女の心に一息の安心を齎していた。
「カヨコは知ってるんですか?そのアルが……どうして聖杯を、ああいう戦い方までして欲しがってるなかって」
だから、意を決して聞いたのだ。カヨコなら、カヨコになら。聞いても大丈夫かもしれないと、縋るように信じて。自分の友達が、そして他ならぬカヨコの友達である筈の陸八魔アルが、どうしてあんな風に誰も彼を傷つける事も憚からぬ戦い方をしているのかと。それにカヨコは。
「……へぇ」
意外そうな顔で小さく笑った。いっそ淫靡なほどに痛烈な冷たさを宿した声に、アリスは肩をびくりと震わしてからまた軽い混乱に陥った。そのミレニアムで見た事もない女の笑みが、どんな意味とどんな意図から生じる表情なのか何一つも分からなかったから。
「───あんな戦い方、って言わないんだ」 - 7941じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:43:13
分からなかった。もしもこの場にいたのが浦和ハナコであれば、或いは花岡ユズや安守ミノリであれば。ともすれば白洲アズサでも理解できたかもしれない。だが残念ながら、そして幸運な事にこの場にいるのは天童アリスとヘルタースケルターの二人だけだ。
「意外かな?でもそうだよね、貴女達の中にも“そういう子”はいるか」
そして不幸な事に。
アリスには、カヨコの言う“そういう子”の意味の方は理解できてしまった。
「っ!じゃあ!アルは……!」
「……ちょっと違うかな。陸八魔アルは欲しいから戦ってるんだよ」
咳き込むほどの勢いで前のめりになって聞くのは希望に縋るためだろうか。そのいたいけな仕草に、一瞬目を瞑ってからカヨコはじとりと答えた。
「───聖杯を、さ」
その口の中で憐れみを噛み殺しながら。ただただ淡々と事実だけを連ねていく。
「困窮で首も回らなければ自分の夢を叶えられないような悲惨な状況。未来への展望もなければ希望も見出せないような絶望的な環境。それがゲヘナ学園二年生の陸八魔アル。だから陸八魔アルは自分の命をチップにして聖杯戦争に挑むのも二つ返事で了承した」
鬼方カヨコに“嘘はない”。目の前の少女に、まだ幼く友への友情という名の希望を、今に至っても懐く彼女に嘘をつきたくないという、最後の良心からだったのかもしれない。或いは、それこそ痩せさらばえた野良猫にくれてやる慈悲のようなものだったのかもしれない。
「無限の富も、誰もが平伏す権威も、何者にも侵されない武力も、聖杯戦争に勝利する事で手に入る。それは、あいつらにとってみれば当たり前の筈だったからね」
だからそう、鬼方カヨコの言葉に嘘はない。それはなんとなくではあったが、アリスにも。そしてひたすら自己修復に努めながらも周囲の警戒をなんとか可能な限りでしようと励むヘルタースケルターにも。わかる気がするのだった。 - 7951じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:51:36
「サーヴァントが産み出す力は凄まじかった。聖杯戦争の参加者という権利はババでありながら同時に喉から手が出るほどのジョーカーでもあったんだよ。事実、一部のカイザーの人間は私達と接触して同盟関係を結んだ。そう、私達便利屋68とだよ?」
そしてだからこそ。今自嘲げに嗤う彼女が見る空寒い視線の先にぽかりとあいた闇へ、アリスは幻視するのだ。これから向かう道の先。その闇の中には底知れぬ何かが、恐ろしい怪物の顎がそこに待ち受けているのをカヨコは知っているような気がして。
「一度は完全に縁を切られた関係をあちらが頭を下げてまで繋いできた。あの時の陸八魔アルの顔ってば……うん、すごかったよ。それぐらいサーヴァントという戦力の保有は凄いことだった。大人を手玉に取れるほどに」
アリスはただ、語り続けるカヨコの言葉に頷く事もできず、暗闇をじっと見つめることしかできない。その様子を見て、カヨコは今度はアリスの背中を摩りながら。けれど話をやめてやることはなく続けた。辛くともそうしてやることが、この少女に対してのせめてもの幸いであると、心底己の在り方を唾棄しながら。
「そうして陸八魔アルはサーヴァントを、そして聖杯戦争のマスターである事を手放せなくなっていく。一度手にした暴力とそれを振るう快楽に依存した。今あの女が戦う理由は突き詰めるとそれ。失いたくないから拳を振る、そう、つまりね」
言葉を一度区切って、目を伏せてから心の底から皮肉げにカヨコは言い切る。まるで世界の全て呪うようにして。
「便利屋68の聖杯戦争は、とっくの昔に陸八魔アルが手段と目的を逆転した時点から、間違えてたんだよ」
それからカヨコはゆっくり立ち上がってからアリスの方を振り返って言った。
「さあ、そろそろ行こうか。もう十分も歩けば外に出られるよ。そうしたら、アイツらに見つからずに安全な場所まで送っていける。だから……うん」
少しだけ困った顔をしたカヨコは小さく頷いてから、せめて不安げにする少女を励ますようにして、ぎこちない笑みをアリスへと向けた。
「もうちょっとだけ、がんばろう」
その言葉にアリスがこくりと首を縦に振ったのを、ヘルタースケルターは確かに見ていた。 - 7961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:56:47
- 7971じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/09/30(火) 02:57:35
- 798二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 09:14:39
お疲れ様じゃんね☆