- 1二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 13:50:18
- 2二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:06:34
有能
- 3二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:07:47
ゴッドハンド
- 4二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:08:14
遺失物等横領罪🤔
- 5二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:08:44
うちで保管しとこう
- 6二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:08:51
よく優秀って言われない?
- 7二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:11:21
「……あれ。」
白い景色が飛び込んできた。
知らない天井……と言ってみたかったが、どうやら医務室のようだった。
「……!プロデューサー!」
身を乗り出して来たのは秦谷さんだった。
「……?……俺は……」
「レッスン中、わたしとお話した後倒れて……そのまま運ばれたんです。………過労と暑さでやられてしまったようだと、先生が。」
「………熱中症のようなものですか。散々言っておいて、面目ない。」
「………いいえ。」
彼女が目を伏せる。
ここ数週間レッスンに出ていなかった彼女。
まさか今日出るものとは思わず、俺が勝手に昼寝場所を駆け回っていたせいだろう。
…彼女のせいにしてしまったようで、自分に嫌気が差す。
自らのコンディションくらい調整しなければならないのに、あれだけ素行に口を出していた本人がこのザマである。
……お詫びをしなければ。 - 8二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:12:35
「折角レッスンに出てくれたのに。……申し訳ありません。」
「………いいえ……。謝らないでください。」
「俺はもう大丈夫です、秦谷さんはレッスンに───
言いかけて、途中で彼女がこちらを見た。
今にも零れそうなくらい、涙を溜めながら。
「………行きません。心配してるんです。」
「……そうですか。恐れ入ります。」
「最近、ずっと働き詰めでしたから…。わたしがサボったせいで無理な負担を強いて、倒れて、」
「……はい。」
「……すごく、申し訳なくて。…心配で。」
ぽろぽろと涙を落としながら、また俯いてしまった。 - 9二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 14:13:45
……正直、珍しいと思った。
それに、そんなに考えてくれているとは。
「…トレーナーさんも、レッスンの欠席は許してくれました。わたしが看ますから、安静にしていてください。」
「気持ちはありがたいですが、
「……お願い、します。」
膝に握った拳を置きながら、少しだけ声が震えていた。
「……分かりました。」
当然だった。
いつになくしおらしい彼女の頼みを、断れるはずがなかった。 - 10二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 15:46:22
素晴らしい
- 11二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 15:52:04
やっぱり普段余裕たっぷりの子が動揺してる姿は滋養があるよね
- 12二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 18:55:48
みすぬいの人かな 保守
- 13二次元好きの匿名さん25/08/24(日) 22:11:20
保守
- 14二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 00:54:20
「プロデューサー、飲めますか…?」
「……はい、ありがとうございます…。」
そっと差し出されたペットボトル。
何気なくストローが差されたそれを目掛けて、何とか体を起こした。
慌てて背を支えてくれた彼女の、掌の冷たさが心地良かった。
「ゆっくりで大丈夫です。少しずつ、ですよ…。」
そっと語り掛ける彼女の声色はいつにも増して優しくて、そして初めて小動物を抱くような、微かな怯えが見て取れた。
「………吐き気は、ありませんか。」
じんわり、じんわりと飲みながらそっと頷く。
ほんの少しだけ、彼女の表情が解ける。
「…頭は痛みませんか。」
……痛みが響かないように、そっと横に振る。
またしても眉を下げた彼女の顔が痛々しかった。
疲弊した喉を労りながらまた横たわる。
「………でも、水分を摂りましたから。…幾分かは、気が楽、です。」
頭部に、津波のように鈍い何かが押し寄せる。
言語感覚を少しづつ押し流される感覚がして、瞼が重みを増して、それから。
………また、意識を失った。 - 15二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 01:13:39
「………プロデューサー!」
やっと戻った意識が初めに捉えたのは、少しだけ赤みを帯びた彼女の瞳だった。
下瞼には涙の痕がつらつらと乾いていて、病人に劣らずの酷い汗が滲んでいる。
「………秦谷、さん、」
「良かったです。……本当に。大丈夫ですか。」
わなわなと揺れる彼女の声に頷きを返す。
胸が締め付けられる心地を覚えながら、首の冷たさを知覚した。
冷たいタオルを掴んだ彼女の手。
俺の首を冷やして、その温度を自らで確かめて。
そんなことを繰り返していたようだった。
「……たまたま先生が、教室の外に出ていて。丁度プロデューサーがまた意識を無くして。」
「わたし一人だけ、置いていかれたようでした。」
「安心しました。…目を、開けてくれて。」
やけに弱気の彼女。
安堵と疲労が混じった声が、閉じ切った感覚の隙間を撫でる。
「……秦谷さん。大丈夫、ですよ。」
彼女の手を握ると、やはりぞっとする程冷たくて。
お互いの熱を中和するように、数分そのままにしていた。 - 16二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 07:38:37
続き待機
- 17二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 12:15:17
保守
- 18二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 12:45:29
美鈴泣かせは暑い夏に効く。
- 19二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 16:28:48
即治してイチャイチャしてもいいのよ!!!
- 20二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 17:51:00
反応集さん、私の声はビーバーでお願いします。🦫
- 21二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 18:59:35
スポーツドリンクのペットボトルを丸々2本空け、片手で収まらない数のタオルを替えた頃。
そっと触れていた彼女の手も、何となく暖まってきた。
ほんの少しだけ余裕の出来た脳を回す。
睡眠時間。生活習慣。食事。
仕事。課題。レッスン。
また倒れないように『次』を逡巡するうち、金槌を押し込んだような鈍痛が、そっと引っ込んでいた。
片手で俺を繋ぎ止めて、もう片方の手でそわそわと携帯を見つめていた器用な彼女。
俺の様子を汲み取ったように、こちらに視線をやる。
訝しげに睫毛が揺れる。
「……調子は、いかがですか?」
「大分戻ってきました……熱っぽさもかなりマシです。」
彼女がどこからか取り出した体温計を差す。
36.9℃。
殆ど問題は無いだろう、と思い彼女に見せる。
「……まあ。」
顔が緩んだ。
彼女の心を覆う憔悴が、半ば霧散したように思えた。 - 22二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 19:01:24
けれど。
何気なく繋いでいた手を離そうとしても、手に込められた彼女の力が緩むことがない。
「………秦谷さん?」
「……。」
「俺はもう、大丈夫ですから…。」
「…………。」
「貴方が手を繋いでくれたおかげで、随分不安が和らぎました。ありがとうございます。」
なるべく自然に解けるように、力を抜いて手を引いてみる。
……緩まらない。
「いやです。」
「…え?」
「離しません。」
……目元を伺うと、やけに瞳が潤っていた。
散々な思いをさせた身だから、軽い負担も掛けたくない。
仕方ないから、お礼を兼ねて好きにしてもらおう。 - 23二次元好きの匿名さん25/08/25(月) 20:33:20
イチャつけ…イチャつけ…