先生がヒナと兄妹の世界線(再)

  • 1私は自スレを2回も落としました25/08/25(月) 10:27:01

    ヒナちゃんの甘えたがりは、仕事でいつも家にいない両親の変わりに先生に甘えていたからで、家族以外には甘え方が分からないせいで他の人たちに頼れず先生に依存気味に
    先生が大学に行くために実家を離れてしまい、家にいない兄、中々家に帰ってこない両親によってヒナちゃんは基本1人で暮らすようになり甘える人がおらず、他の人に甘える方法も分からなくて抱え込んでしまう性格になってしまった
    そんな設定です!

  • 2私は自スレを2回も落とした1で25/08/25(月) 10:28:51
  • 3125/08/25(月) 10:33:55

    前スレの続きを掲載

    ―― 
    「素晴らしい……。知性と品格、礼儀と信念、そして培ってきた経験と知恵……やはり、そなたならば……」
    「私の『崇高』を、理解してくれるに違いない……!」
    ――
    「こ、これは……」
    「……まさか。あの『教義』が、完成した……?これは、レベルが違う……」
    「せ、先生。これは……マズい、逃げないと……!……先生?」
    "……どうやら、反則みたいだね。できれば出さないで終わりたかったけど……"
    "……ヒナ、アズサたちを連れてここから逃げて、ここは私が食い止める"
    「せ、先生、逃げてって……嫌!またお兄ちゃんが怪我を負ったら……わたし……わたし……!」
    "……大丈夫、任せて、ヒナ。絶対に大丈夫だから。私は絶対無事に帰る。約束する"
    「……約束だからね、お兄ちゃん。絶対無事に帰ってきてね……!」
    "ああ、約束だ……そっちは任せたよ、ヒナ……!"
    "さて……覚悟しろよ、ゲマトリア"

    カードが手元で淡く光り、空間の空気が振動する。光は天井から床まで走り、私たちの影を激しく揺らす
    先生の手元にあったカードは眩い光を放ちはじめ、人の形を象り始める
    やがて六人の姿が現れた――確かに、人間だ
    だが、その立ち姿には揺るぎない気迫があり、ただそこにいるだけで場の空気を支配する
    人間でありながら別格。先生の呼び出したその者たちは、安心感すら与える存在だった
    ―――――
    「おお、おおおおっ……!そうか、あれが例の『カード』……!人生を、時間を代価として得られる力……その根源も限界も、私たちですら把握できない不可解なもの……!!ああ、ゴルコンダならあれをどう呼称しただろう……何か高次的な表現を教えてくれたのであろうか……見せてくれたまえ、先生。そなたが払ってきた代価を……」
    「そうして手に入れたものの輝きを……!私の作品に、全力で応えてくれたまえ!」

  • 4125/08/25(月) 10:39:26

    「小鳥遊ホシノ、今回は水着なのね、寒くないかしら?」
    「いえ~いヒナちゃん、……うん、寒いよ、この格好。先生も鬼だよね~。そういうヒナちゃん……と行政官ちゃんはドレスなんだね、綺麗だね~、おじさんには似合わないだろうな~」
    「ありがとう、小鳥遊ホシノ。このドレスはお兄ちゃんが選んでくれた物で、とっても気に入ってる。小鳥遊ホシノもお願いしたら、お兄ちゃんに似合ってるものを用意してくれるんじゃないかしら」
    「うへっ!?そ、それは、おじさんにはちょっとハードルが高すぎるよ~……でも、先生が選んでくれるなら、おじさんもお願いしようかな――」
    「ちょっと!委員長!ホシノさん!目の前にこんな怪物がいるのに、のんきにしすぎですよ!もう少し緊張感を持ってください!」
    「そうですよ、お二人とも。流石のミカさんでもここまで気を抜いてたりしませんよ」
    「あはは、ごめんね~」

    「ひ、ひえ~……なんですかあの怪物は……こ、怖い……」
    「大丈夫かの、ココナ。妾の後ろに隠れておくとよい、妾がそなたを守ってやろう」
    「あ、ありがとうございます、キサキ会長」
    「ふふ、任せておくがよい」
    ――その時、怪物が吠え、空気が震えた

    「……じゃあ、そろそろ始めよっか、ヒナちゃん」
    「ええ、お兄ちゃんに頼られたのだもの、頑張るわ。お兄ちゃん、指示をお願い」
    "了解……みんな、行くよ!"
    「「はい!」」

  • 5125/08/25(月) 11:01:57

    "ココナ!あの壺に回復を!"
    「はいっ!」
    少女の祈りに応じ、壺が眩しく緑に輝く。次の瞬間、壺から奔流のような光弾が弾け飛び、怪物の巨体へと向かっていき――直撃した
    "ナイスだココナ!ホシノ!支援を頼む!"
    「はいは~い、おじさんに任せてよ~」
    軽口とともに、ホシノが何かを実行する……突然、ホシノの周囲の空気が張り詰める。水のドームが張られたような、目に見えない何かの変化を感じた
    「おい、怪物……私の領域に踏み込むのは、保証しないよ?」

    挑発に応じるかのように怪物が咆哮し、槍を掲げる
    "ナギサ、今だ!右手を撃ち落とせ!"
    「了解しました――静まりなさい」
    轟音と閃光。怪物の腕が弾かれ、怪物はたたらを踏む
    "流石だ、ナギサ!ヒナ、やつのダウン中に畳み掛けるぞ!キサキ、アコ、支援を頼む!"
    「了解した。ヒナ、あそこを狙うのじゃ、あの辺りから、集中した何かを感じる」
    「委員長!気をつけてください!」
    先生の指示に合わせ、2人の生徒がヒナに支援を行う
    「ありがとう、2人とも。任せて」
    ヒナは手に持つマシンガンを構え、冷ややかな息を整え、射撃態勢に入る。そして――
    「……ma non troppo」
    火花のように放たれた渾身の三連擊が、怪物の装甲を削ぎ落とす。巨体がたまらず崩れ落ち、床が震えた
    「ナイスだよ、ヒナちゃん!ただ……」
    「分かってるわ、あまりダメージが入ってる感覚がない……見えない結界でも張っているのかしら」
    その言葉通り、怪物は再び立ち上がる。そして、続け様に詠唱を開始した。
    "っ!まずい。みんな、ホシノの回りに集まって!ホシノ!防御を頼む!"
    「お任せあれ~、あらよっと……!」
    怪物が詠唱を完了させると、頭上からエネルギーの塊が落下した。それに合わせてホシノが盾を展開し、直進。ぶつかると同時に炸裂し、凄まじい爆風が巻き起こった。砕け散った床、焼け焦げた壁――それらが威力を雄弁に物語っていた
    「なるほど、こりゃ~危険だね~。流石先生の判断力」
    「ですが……このままでは長期戦になり、厳しい状態です」
    ナギサは即座に状況を分析する。攻め手も防御も拮抗している――このままでは持久戦となり、こちらが不利だ
    ――だが、先生の気迫が、私たちの勝利は揺るがないものだといわんばかりの自信に、私たちの背中は後押しされていた

  • 6125/08/25(月) 11:54:13

    "ココナ、ナギサ!私の指示通りに頼む!"
    「「分かりました!」」
    "ホシノ、盾でやつの攻撃を引きつけて、タゲ取りを頼む……!
    「もう~、先生はおじさんの使い方が荒いな~。……まあ、任せてよ!」
    "キサキ、アコ、ヒナ!ホシノを支援しながら、隙を突いて攻撃を頼む!"
    「了解した」「お任せください!」「理解したわ、お兄ちゃん」
    先生の指示に従い、全員が一斉に動き出す
    "ココナ、あの壺に回復を頼む"
    「ま、またですか?……でも、先生が言うなら、任せてください!」
    再び壺が緑色に発光し、光弾が怪物に直撃する。するとナギサが目を細めた
    「まさか……あの光弾は、怪物の結界を弱めている?」
    "おそらくね、前に似たような怪物と戦った時は、1発でダメージが通っていたんだけど……今回は複数必要みたいだ――!ナギサ、同じくやつの右手辺りに砲撃!"
    「お任せください」
    怪物が再び攻撃前の隙を晒し――砲撃が炸裂、怪物の態勢が崩れる。その隙を見逃さず、ヒナたちが集中砲火を浴びせた
    ――同じ動作を繰り返した末、遂に変化が訪れた
    "壺が、破裂した……なるほど、今なら……!"
    "ナギサ、再びやつのダウンを取る!やつが右手を上げた瞬間、砲撃を頼んだ!"
    「お任せください、先生」
    再度ナギサの砲撃が炸裂し、怪物は大きく態勢を崩した
    "一気に決めるよ、ヒナ!アコ!キサキ!"
    「あい、了解した」「委員長、お願いします!」
    2人が支援を行い、火力を集中させる。そして――
    「ありがとう、2人とも。それじゃあ……覚悟しなさい」
    ヒナが射撃態勢に入る――
    「elegante!」
    一発目が左肩を撃ち抜く。巨体がよろめく
    「ma non troppo!」
    続いて、2発目は胸部を貫き、怪物は呻き声を上げて膝を折る。その手で撃たれた箇所を押さえる――完全に無防備だ
    「これで……終わり!」
    極限の集中化で放たれた弾丸が顔面を貫通し、怪物は轟音とともに吹き飛ばされ、やがて虚空へと消滅した

  • 7125/08/25(月) 12:12:52

    怪物の消滅を確認した先生は、皆に労いの言葉をかける
    "ふぅ……みんな、お疲れ様"
    「うん。お兄ちゃんもお疲れ様」
    「うへ~、疲れたよ~。これは先生に労いのお礼を貰わないとね~?」
    "ははっ、ほんとにありがとうね"
    先生はホシノの頭に手を伸ばし、優しく撫でた
    「うへへ~」
    「ほぅ?羨ましいのぅ。……先生、妾の頭も撫でてもらえぬか」
    "ふふっ、お任せあれ"
    近付いてきたキサキを優しく受け止め、そのまま頭を撫でる
    「ふむ、悪くない……ココナ、そんなに羨ましそうにしておるなら、先生に頼めばよいのじゃぞ」
    「へっ!?う、羨ましそうな顔なんてしていません!私は、何をしてもらおうか考えていただけです!」

    「アコさん、お疲れ様でした」
    「ナギサさんも、お疲れ様です。あなたは良いのですか、あちらに行かなくて?」
    「はい、私のお礼は『こちらの』私にしてもらおうと思いまして。あなたこそ良いのですか?」
    「私も、ナギサさんと同じ考えなだけですよ」
    そのような会話をしていると、時間制限が迫ってきた
    「おや、これは……では私たちも、消える前に先生にお願いをしましょうか、ナギサさん」
    「そうですね、もう少しあの方たちに幸せな時間を与えてあげたかったのですが……やはり時間というものは残酷ですね」

    「先生、失礼します。私たちのお願いも、聞いていただけますか?」
    "あぁ、もちろんさ。何をしてほしいんだい?"
    「……『こちらの』私にお茶会へ誘っていただきたいのです。エデン条約の不成立、アリウスによるテロ行為……当時の私は、数え切れないほどの悩みを抱えていました。その心を少しでも軽くしていただけると、助かります」
    "!……了解したよ、ナギサ。じゃあ、アコは何を?"
    「わ、私も!『こちらの』私のストレス発散に付き合ってください!もうほんとに、色々なことが起きすぎて大変だったんですから!」
    "ははっ、了解した――"「それと」
    「ヒナ委員長のことを、お願いします」
    "!……もちろんさ、私の妹は、必ず守るよ"
    私の返答を聞き届けたアコは、安堵した微笑みを浮かべ――静かに姿を消していった

  • 8125/08/25(月) 13:01:10

    「ほんじゃ、おじさんたちもさよならだね~」
    「ほれ、ココナ。はよ願いを言わんと叶えてもらえぬぞ?」
    「えっ!?あっ……え、えっと、そのー……」
    "……ナギサたちと同じようなこと、で良いかな、ココナ?"
    「は、はい!それでお願いします!」
    "ふふっ、了解したよ"
    「じゃあね~先生」「またのう、先生」「さようなら、先生!」
    別れの挨拶を言い、やがて彼女たちも消え去った。そして――最後の残った彼女と向き直る
    "ヒナ"
    「……お兄ちゃん」
    戦闘後からずっと私に抱きついていたヒナが、名残惜しそうに私の身体から離れる
    "ありがとうね、助けてくれて"
    私は感謝の言葉とともにヒナを抱き締める。突然抱かれて戸惑ったヒナだったが、すぐに『お兄ちゃんに抱きしめられている』という事実を噛み締め、力強く抱き返した
    「……うーうん、気にしないで。お兄ちゃんに頼られて、私スッゴい嬉しかった。いつでも私を頼ってね、お兄ちゃん」
    "……そうかい、ありがとう"
    そうして、満面の笑みを浮かべながら――ヒナも静かに光へと溶けていった

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