- 1私はスレを3回も落としました25/08/25(月) 15:14:50
- 2私はスレを3回も落としました25/08/25(月) 15:17:11
- 3125/08/25(月) 15:24:17
前スレの続き
私は彼女たちとの別れを終え、辺りを散策し、アリウススクワッドのみんなを探した。だが、すでに彼女たちも避難したのか、はたまた逃亡を開始したのか、とうとう見つけることはできなかった
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長い復興を経て、生徒たちのもとにようやく日常が戻ってきた。
つい先日まであれほどの戦火があったとは信じられないほど、街には穏やかな喧噪が広がっている
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「サクラコ様、もうお身体は大丈夫なのでしょうか?」
「えぇ、大丈夫です。心配ありがとうございます、シスターマリー、シスターヒナタ」
「そうですか、それは本当によかったです!」
「……マリー、ヒナタ。わたくしが動けぬ間、シスターフッドをまとめてくださり、感謝いたします」
「い、いえ……先生のご助力があってこそです。私一人の力では……」
「自信を持ってください、マリー。あなたが代わりに組織を支えてくれたのは紛れもない事実です。その働きによって被害も抑えられたと聞いています。本当にありがとうございます」
「……はい。ありがとうございます、サクラコ様」
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「ハスミ、もう復帰して大丈夫なのか」
「気にかけてくれてありがとうございます、ツルギ。しかし、これ以上休んでいては身体が鈍ってしまいます。すぐにでも感覚を取り戻さねば」
「……そうか。だが無理はするなよ」
「ツルギ委員長とハスミ副委員長、もう復帰されるんですね。流石ですね、イチカ先輩」
「あはは~……そうみたいっすね、現場から離れてた私ですらまだ本調子じゃないのに、やっぱレベルが違うっすね、あのお二人は。マシロは平気っすか?」
「はい、私は現場には居ませんでしたから。怪我もありません」
「そうっすか。……あ、もう訓練みたいっすね。ま、無理しない程度に頑張っていきましょうかね」 - 4125/08/25(月) 17:11:52
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「ここも、異常はなさそうですかね」
「スズミさん!休憩も兼ねて、あそこのスイーツ一緒に食べに行きませんか!あそこのパフェ、すっごく美味しかったんです!」
「パフェ、ですか……」
「あっ……えっと、その……スズミさんが良ければ、ですけど……どうでしょうか……?」
「ふふっ、良いですね。私もちょうど休憩にしようと思っていたところです。一緒に行きましょうか、レイサさん」
「! はいっ、行きましょう!」
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「そちらの患者の経過はどうですか」
「はい、そろそろ復帰しても問題ないかと」
「了解しました」
(……怪我人もだいぶ減りましたね。それにしても……先生とヒナ委員長が"血縁関係"だなんて。改めて聞いても信じがたい話です)
「部長、新しい患者です。お願いします!」
「了解しました」
(機会があれば、ぜひもう少し詳しく聞いてみたいところですね……)
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「はぁ~疲れた!あんな騒動の直後なのに、なんでゲヘナ自治区はもう無法地帯なんだ!」
「まあまあ、イオリ。日常が戻った証拠と思えば……元々こんな感じでしたし」
「にしても多すぎるだろ!ヒナ委員長が昼に活動できないせいで、こっちに出動要請ばっかり回ってくるし!」
「あ、あはは……まあ、こればっかりは仕方ないですって。委員長がやりたいことを見つけたなら、私は応援してあげたいですし」
「……それは、私も同じ気持ちだ。委員長には、青春を謳歌してもらいたい」
「くーっ、仕事が終わりません!『私の分は夜に終わらすから、アコは自分の分を終わらせてくれれば大丈夫』と言われましたが、勝手に手伝って委員長の負担を減らしてあげたいのに……あまりにも量が多すぎます!そして、夜にちゃんと来てこの仕事を片付けてから毎日先生の元へ向かっていますし……どうなってるんですかあの人!」 - 5125/08/25(月) 18:54:36
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眩しい。
意識が浮上したとき、白い天井と、きつめの薬品の匂いがあった
どうやら病院らしい。身体を起こそうとした瞬間、鋭い痛みが走り、思わず呻く
「先生!起きたんですか!?……って、ちょっと!無理に動いちゃ駄目です!」
駆け寄ってきたのはセリナだった。額には薄く汗を浮かべ、険しい表情をしている
「本当に……どうして先生はいつも無茶ばかりするんですか」
"えーと、あはは~……一刻も事件を解決しなくちゃって思ってたら、身体のことを全く気にしてなくって、つい"
「つい、じゃありません!限度があるはずです!骨折に出血、貧血まで併発して……倒れて当然です!」
声が震えている。怒りだけでなく、心底心配してくれていたのが伝わった
"でも、セリナが直してくれるって信じてたからね"
「――っ!?」
その一言に、セリナの顔が一瞬で赤くなる
「な、なに言ってるんですか先生は……!……も、もう……」
唇がかすかに震え、視線が泳ぎ、声が尻すぼみに消えていく
しばらくしてから、無理やり咳払いをして言葉をつなげた
「と、とにかく!2週間以上は安静にしていてください!絶対ですよ!」
"ははっ、善処するよ"
「善処じゃなくて、これは確定事項です!絶対安静ですからね!ヒナさんも、先生の見張り、お願いします!」
「えぇ、任せて頂戴」
そう言い残して、セリナは小走りで私の病室を後にした - 6125/08/25(月) 20:25:55
アリウススクワッドを探し回ったあの後、戻ってきたヒナと一緒に無事に地下から脱出した
地上では既に制圧が終わっており、ユスティナ聖徒会の姿はどこにもなかった
事件の解決に安堵した私は、急な目眩を感じ、アズサやヒナたちに支えてもらいながら救護騎士団の病院に入院。手術を受け、今に至るといったところだ
正直私も無理をした感覚があるが、こんなことは日常茶飯事だと軽く考えていた。だが、身体を思うように動かせず、片手は動かすことすらできないので、『あれ、これやばくね』とようやく自分の状況が理解できた
"ヒナ、心配を掛けてすまなかった"
「心配……そうね、心配していたわ。でも、お兄ちゃんが必ず帰ってきてくれるって約束してくれたから。だから、そこまで不安ではなかったわ」
"それは良かった。……それはそれとして、ここにいてよかったのかい?委員長の仕事が山積みじゃ……"
「?私はお兄ちゃんの護衛だからずっと側にいるのは当然じゃない?委員長の仕事は、夜にゲヘナに戻って片付けているから、安心して、お兄ちゃん」
"え"
一瞬、思考が止まった
護衛にしてってそういうことだったの?というか、昼に私の護衛をして、夜にゲヘナに帰って仕事って……ヒナは本当に大丈夫なのか?
"ヒナ――"
「安心して。無理もしてないし、ちゃんと寝てる。たまに……お兄ちゃんに抱きついて寝たりもしてるから、絶好調よ」
再び言葉を失った。顔に出ていたのか、ヒナは楽しそうに微笑んでいた
……まあ、ヒナが満足しているなら深くは追求しないでよいか
"じゃあ、私のお手伝いをお願いしてもいいかな、ヒナ?"
「もちろんよ、任せてお兄ちゃん」 - 7125/08/25(月) 22:04:42
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ようやく退院の許可を得た私は、トリニティからの呼び出しに向かっていた
"えっと……前の補習授業部は一旦全員卒業したはずで……今度はまた新たに補習授業部が、って聞いてきたんだけど……?"
「えーっと……」「うふふ♡」「これは、その……」「先生、元気そうでよかった」
"……って、同じメンバーだね!?"
「あ、あの、すみません先生……何だかまたこんなことになってしまって……で、ですが今回は退学もありませんし、試験範囲もちゃんと普通のものと同じなので……!」
「……先生、元気出して。私も手伝うから」
"ヒナ……あは、あははー……"
「む、今回は先生のナイトも手伝ってくれるのか。ありがたい」
「ヒナで良いわ。任せて、先生と一緒にサポートするから」
「ありがとうございます、ヒナさん!」
――こうして、二回目の補習授業が幕を開けた
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「げほっ、げほっ……!」
「だ、大丈夫ですか、リーダー……?」
「……で、どこに行く?」
「……自治区には戻れない。彼女に、殺される……」
「……まあ、そういう終わり方も悪くないけど」
「そ、それは苦しそうですね……そうでなくても、この先もずっと……」
「うん、それが人生だから」
……
「あなたはこれからも、たくさんのことを学んでいくんだろうね。友人たちと一緒に、勉強し、努力をし、様々な可能性を見つけながら。……あなたは強いから。例えすべてが虚しくても、この世界が暗く寂しいものでも……たとえ、コンクリートの隅であっても……」
「……アズサ。あの時見せてくれた花のこと……今なら少し、理解できたかもしれない。もう二度と会うことは無いかもしれない。けど――どうか、幸せに」 - 8125/08/25(月) 22:20:44
エデン条約編は一旦これで締めます
あとは私が思い付いたものを気まぐれに書くものにしようと思ってるので、もし概念投げてくださったら書きます、概念が欲しいです - 9125/08/25(月) 23:44:44
「兄さん、ただいま」
"おかえり、ヒナ……どうしたんだい、ソワソワして"
「あっ!……え、えっと……兄さんにお願いがあって」
"お願い?どんなことだい?"
「今日、友達を家に呼びたいの……いいかしら……?」
"!ヒナの友達が、家に来るのかい……!"
「え、えぇ……兄さんが許してくれるなら、返事をしようと思って」
"もちろん良いとも!……ふふっ、ヒナの友達が家に来るなら、僕は図書館や買い物に行ってこようかな"
「ほ、ほんとに!入れていいの!ありがとう兄さん!」
"ははっ、気にしなくていいさ、ヒナ。私は図書館に向かっているからさ、何かあったら教えて"
「了解したわ、兄さん。行ってらっしゃい!」 - 10125/08/26(火) 01:13:00
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"(なるほど、ここはこうだからこうなるわけか)"
私は、図書館で勉学を学びながら時間を潰していた
勉強自体は当然家でもしているが、図書館や学校など静かな場所で取り組む方が私は好きだった、時間を忘れて取り組んでいると、1件のモモトークが来ていることに気がついた
ヒナからだ
(まずい、集中しすぎた……すぐに返信を……うん?)
心配のメールだと判断し、私は即座に返信しようとした。が、内容はかなり違っていた
『兄さん、友達に兄さんのご飯の話をしていたら「是非私たちたちも召し上がりたいです」って言われちゃって夕飯を一緒に食べる流れになっちゃったんだけど……大丈夫?』
私の先ほどまで浮かべていた不安な気持ちは、喜びへと変化していった
"『大丈夫だよ、ヒナ。了解した。もう少し、友達と一緒に待っててもらえるかな?』"
そう送信すると、すぐに返事が帰ってきた
『ありがとう、兄さん。友達にも伝えておくね』
私は足早にスーパーへ向かった - 11125/08/26(火) 10:25:20
買い物を終え、私は自宅に着いた。玄関のところにはきれいに整理された、私の知らない靴が2つ……これが、友達の靴なのだろう
『友達たち』と聞いていたので多めに買い込んだのだが、2人なら少し多すぎただろうか。そんなことを思いながらリビングの扉を開けた
"ただいま、ヒナ"
「お帰りなさい、兄さん」
「お邪魔しておりますわ、ヒナさんのお兄様」
「こんばんは~★」
リビングにいたのは、妹のヒナと、片翼と尻尾の生えた青銀の少女、小学生にしては背の高い角の生えた金髪の少女だった
"こんばんは、2人とも。ヒナと遊んでくれてありがとうね"
「ふふっ、礼には及びませんわ」
「はい。ヒナさんとはお友達、ですから★」
"そうかい……"
別に今までヒナが一人で過ごしていた訳ではないが、改めてこう言ってもらえると嬉しい気持ちで高ぶってしまう
"そうだ、2人ともアレルギーはあるかい?"
「特にありませんわ」
「私も持っていないので、ご心配なく★」
"了解したよ。じゃあ、もう少し待っててね。……えーっと、名前は何て言うんだい?"
「わたくしは、黒舘ハルナと申します」
「私は、鰐渕アカリっていいます。よろしくお願いしますね、お兄さん……♡」
"ハルナちゃんにアカリちゃんね。了解。もう少し待っててね~"