- 1◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 21:41:48
- 2◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 21:42:50
- 3◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 21:53:14
【プロローグ】
パンパカパン!
学P「葛城さん、14人もの癖がそれはもう強い彼女の皆さんとカップル成立、おめでとうございます」
学P「陰ながら応援しておりましたが、きっとうまくいくと信じておりました」
リーリヤ「あはは、ありがとうございます。わざわざケーキまで用意してもらって……」
学P「彼女が増えるに呼応して、葛城さんのアイドル力も向上しています」
学P「今の貴女に勝てるアイドルはそう多くないでしょう」
リーリヤ「あまり実感はないですが……」
学P「さて、N.I.Aの次期が近づいてきました」
リーリヤ「あれ?もうすぐ年末ですよね、あれって六月くらいのはずでは……」
学P「何を言っているんですか、今はまだ五月ですよ」
リーリヤ「あれっ」
※サザエさん時空的な何か - 4◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 21:59:25
リーリヤ「ともかく……N.I.Aですか」
学P「はい、ご存知かと思いますが、営業やオーディションを経てランキングを上げていくシステムです」
学P「ですが……葛城さんは本意ではない、そうですね?」
リーリヤ「…………」
学P「花海咲季さんとの五番勝負、決着ではなく団結を意識した貴女ですから」
学P「それに、たびたび口にしていたように葛城さんは本当に……アイドルという固定観念を変えようとしている。愛の力で、既存の枠組みを壊そうとしている」
リーリヤ「はい、誰かが泣いて、一人しか笑えない。そんなシステム、私は嫌です」
リーリヤ「傲慢でしょうか?」
学P「いえ、葛城さんらしいと言えます」
リーリヤ「だから私の目標は、一人しか頂点にたてないH.I.Fのシステムを変えたいんです」
私が胸の内で考えていた案を、提示する。
リーリヤ「私たち15人で、ひとつのユニットとして……出場します」 - 5◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:02:53
学P「基本、H.I.Fの舞台は個人で選出されます」
学P「前例はあっても二人や三人規模の、小規模なものだけです」
わかっている。
人数を増やしてしまえば、年の一番星を決めるという趣旨に反してしまう。
それでも――。
リーリヤ「やる必要があります」
学P「はい、それだけじゃない。まだ厳密に言えば、アイドル科の生徒ではない藤田さんの妹さん……藤田ことはさんも、出場させるつもりですよね」
リーリヤ「当然です。誰か一人でも欠けたら、意味なんてありません」
星南「そうこなくっちゃ」
同調する様に入ってきたのは、星南ちゃんだった。 - 6◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:09:54
学P「十王さん、人が悪いですね。盗み聞きだなんて」
星南「許してちょうだい。あまりにも格好いいリーリヤの姿をみてほれぼれしていたんだから」
星南「リーリヤ、貴女の覚悟を確かに聞いたわ」
星南「その強い意志を、私もかなえたい」
だから!と星南ちゃんは力強く胸を張る。
星南「お爺様と倉本家には既に話を通しているわ!そして……賛同をいただいているわ!」
学P「おお」リーリヤ「やった!」
星南「だけど、一筋縄ではいかないのも理解してほしいわ」
星南「N.I.AならびにH.I.Fには黒井社長の牛耳る極月学園……引いては961プロが参加している。彼らが簡単にこのある意味革新とも呼べる提案をそう簡単に飲まないわ」
星南「賀陽燐羽の移籍についても、ある意味で向こうからしたら許せない話だからね」
それは、わかってる。
星南「だけど、彼らも鬼ではないわ。同じアイドル業界の発展を望む同志――だから、次に提示する条件を満たせば特例も認める、と言ってくれたわ」
リーリヤ「ごくり……」
星南「賀陽燐羽を含め、次のN.I.Aで私たち14人が……全員ランキング上位を総なめすること」
学P「流石にことはさんを含まないのは安心しました。流石にデビューすらしてないので」
全員で、上位。
そうすれば……夢がかなえられる! - 7◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:18:28
リーリヤが去った後。
燐羽「あら、話は終わったのね」
星南「遅かったわね」
燐羽「入れる空気じゃないから……それで話は?」
学P「済みましたよ。黒井社長が提示した条件も含め、葛城さんに伝えています」
燐羽「そ……本当にやる気なのね」
燐羽「……あの子が諦めるとは思わない」
しかしその燐羽の言い方には、いささかの含みがあった。
星南「……思う所があるようね」
燐羽「十王会長も学Pさんも……本当に懸念していることがないってのなら驚きよ」
その言い方に、二人は重々しく頷く。
燐羽「ずっと目を背けていた。私だけじゃない、美鈴や手毬、それに咲季お姉ちゃん……それだけじゃないわ。彼女を隣で見てきている全員がとっくに気付いている」
星南「ええ、私たちが彼女に甘えすぎたが故に、後回しになっていた問題」
星南「彼女自身が抱える元来の危うさ……」
星南「それと向き合わないと、この夢はかなわないわ」
燐羽「ま、私としては叶わなくても好きっていう気持ちは変わらないケド」
星南「それはみんなもそうよ……だけど、それだと他ならないあの子自身が負い目を感じて生きていくことになる」 - 8◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:22:20
燐羽「そんなのは、私は許せないわ」
燐羽「リーリヤを、じゃない。抱えているのをわかっていて見てみぬふりする自分を、よ」
星南「だけど今の私たちはまだ、為す術がない……ってのが本音」
燐羽「前年度とはいえ一番星じゃない。何か……ないの?」
星南「私を買い被り過ぎよ……」
本当に無念そうに星南は俯き、そして学Pを見る。
星南「先輩として聞きたいわ。どうすればいいかしら?」
学P「俺個人の意見でしかありませんが……今はまだこちらでできることはありません」
燐羽「意外ね、もう解決策を出してるばかりかと」
学P「これは葛城さんの問題ですから。本人が自覚できなければ何を言っても仕方がありません」
学P「ですが……裏を返せば、その問題さえ乗り越えればこのN.I.Aは問題ないでしょう」
燐羽「あら、随分と大きく出たわね。極月からも精鋭は出てくるわよ?」
学P「それでも、ですよ」
と言って学Pは笑った。 - 9◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:23:23
以上、プロローグです。
頭の片隅に置いといてもらえると助かります。
次からはしばらくフルメンバーでのほのぼの回です - 10◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 22:28:05
一応彼女一覧です。彼女になった順に並べますね
千奈
ことね
麻央
清夏
手毬
佑芽
広
莉波
美鈴
星南
燐羽
燕
ことは(=ことねの妹)
咲季 - 11◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 23:17:53
【みんなでハワイに……行きたかった編】
咲季「みんなで旅行に行きたいわ!」
ことね「どうしたんだ藪から棒に」
咲季「聞いたわよ!あのバスケ大会の後に佑芽とハワイに行ったって」
佑芽「あー、行ったよねー。十月ごろ……あれ?今って五月……?」
広「ふかく考えたら、だめ」
懐かしい思い出である。
あのときは、まだ皆揃ってなかったなぁ。
莉波「私が出逢う前だもんね」
ことは「お姉だけずるかったやつ」
星南「遅かったとはいえ……参加できなかったのは残念だったわ」
燕「そうだな」
星南「でもね、安心して!」
星南ちゃんがおもむろに立ち上がる。
星南「五番勝負、皆すっごく頑張っていたから用意したわ!再びのハワイ旅行を!」
リーリヤ「えええ!?ほんと!?」
清夏「やったぁ!また行けるなんて!」 - 12◆je8PYTqP5Ydc25/08/25(月) 23:30:38
数日後……。
星南「この旅客機よ!」
ことね「わぁ、プライベートジェット」
ことは「お姉、荷物運ぶの手伝いなよー」
莉波「すごいね!」
清夏「あれ?リーリヤ寝不足?」
リーリヤ「ふぁあ……ちょっと作業が煮詰まってて……」
燕「よかったな、飛行機でゆっくり眠れるぞ」
プライベートジェットなら安心して眠れそう。
佑芽「前はリーリヤちゃんが赤ちゃんだったから」
千奈「大変でしたわ」
咲季「リーリヤに一体何が……?」
燐羽「どういうこと……?」
美鈴「広さんが?」
広「ふふ、私のミス」
なんて、皆が皆、楽しみを吐露しながら搭乗する。
ハワイまでは結構時間がかかるからね、楽しみだ。
だけど、予想外のことが起きた。
飛行機が墜落してしまった!!!! - 13◆je8PYTqP5Ydc25/08/26(火) 01:27:33
リーリヤ「うう……」
目を覚ますと、そこは見知らぬ海岸の砂浜だった。残っているのは背負っているカバンしかない。
どうしてこんなことに……。
そっと私はカバンの中を確認し、ノートが無事なのを確認する。
リーリヤ「み、みんなは……」
飛行機が墜落した……尋常ではない事態。
自分なんてどうでもいい、皆が無事なら……。
リーリヤ「広ちゃん!?」
なんとそこには砂浜に半身を砂浜に埋まって気絶している!
た、大変だ……。
リーリヤ「だ、大丈夫!?生きてる!?」
広「う、ううん……もう駄目そう……」
リーリヤ「よ、よかった。息はある。今助けるね……」
なんとか広ちゃんは生存確認できたけど……他の皆はこの島にいるのかな?
兎に角探さなきゃ……。
今後はダイスで誰と出会うかを決めていきます。次に見つかる子:dice1d13=11 (11)
(※はつみちゃん=ことは)
- 14◆je8PYTqP5Ydc25/08/26(火) 08:43:41
星南「ことね!?リーリヤ!?どこにいるの……?」
広ちゃんを助けた後にどうしたものかと考えていると、奥地へと続く道から星南ちゃんがやってきた。
どうやら少し先の川下で気を失っていたらしい。
リーリヤ「星南ちゃん!」
星南「ことね!」
再会がうれしくて、そっと抱きしめてキスをする。
妬いちゃったのか広ちゃんも後ろから抱きしめてくる。可愛い。
リーリヤ「はやく他のみんなを探さないと……怪我をしていたら大変だ」
星南「怪我は大丈夫だと思うわ」
リーリヤ「えっ?」
星南「い、いいえ、なんでもないわ。探しに行きましょう!」