- 1イチミカに脳をやられた人25/08/26(火) 23:35:44
- 2イチミカに脳をやられた人25/08/26(火) 23:37:10
以下最初のスレのコピペ。
「ちょっ…ミカ様マズいですって、こんな誰が見てるかわかんないとこで…!」
「むー、見てるのはイチカちゃんでしょ?ナギちゃんはともかく、セイアちゃんの水着姿までいやらしい目で見てさー」
「風評被害っすよ!?そんな誰でも下心で見てるわけじゃ───」
「そうかなぁ。セイアちゃんみたいなつるぺた具合の後輩の子食べてるって噂だよ?」
「……ノーコメントで」
「ほら」
「やっ……違うんすよ!確かに慕ってくる子はいるっすけどあくまで先輩として!」
「でも、一生懸命迫られて断りきれなくてえっちしちゃうんだ?」
「無……くも……ないっすけど、」
「ほらぁ」
「不可抗力じゃないっすか!」 - 3イチミカに脳をやられた人25/08/26(火) 23:38:12
「だけど、悪いおちんちんなのは違いないよね」
「……どうしたら信じてもらえるんすか」
「んー、このバキバキにおっきくなってるのをちゃーんとおとなしくしてたらかな」
「だから抜いてくるって言ってるじゃないっすか……」
「えー?ほんとにそれで我慢できる?」
(くっ……誰の距離が近いせいでこうなってると……!)
「ごめんね、やっぱり美人のナギちゃんとか好みの体型のセイアちゃんとえっちしたいだろうけど……二人には普通に楽しんでほしいから、ね?」
「〜〜〜〜っ!?」
「ふぃもふぃ?いふぃふぁふぁん」
(うわっ、やば、口の中柔らかっ……舌でそんな掃除するみたいに♡咥えてる顔もかわいっ…♡お姫様みたいな見た目しといてなんてことやってるんすかこの人♡あ、やば、やばい、もう射精そう、早すぎっしょ、いやこんな、我慢できるわけ〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡)
「んっ!?んむ……っ♡ふふ、射精ちゃったね♡溜まってたのかな、あんまり多くないね?」
「…………ミカ様、その、後でいくらでも罰は受けるんで、」
「罰……?うーん、そうだなぁ……じゃあ、夜まで我慢できる?」
「そりゃあ……ティーパーティーのお三方の安全が第一ですから、どうにかしますって」
「じゃなくって、射精しちゃうのも禁止」
「は……?」
「気持ちよくしてあげるから……って、もー!イチカちゃんてば、想像しちゃったの?」
「それは……だって……反則じゃないすか……」
というわけで元々それなりに後輩の子食ってるftnrイチカが女性上位シチュ(両方女性だろというのはさておき)でミカに責められていつもならもっと保つのに早漏すぎてわーおとか言われたり早漏治療訓練と称してローションガーゼ潮吹きさせられたりなんやかんや挿入しても挿れた途端射精しちゃっていや違うんすよとか言い訳してるやつください
以上コピペ - 4二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:39:25
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- 5二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:41:22
このレスは削除されています
- 6二次元好きの匿名さん25/08/26(火) 23:48:26
おつんちん
わいはまだ読みたかったから助かる - 7イチミカに脳をやられた人25/08/26(火) 23:49:38
偉大なる初代スレ
【ftnr注】「わぁ〜イチカちゃんのおちんちんかっこいいね♡」|あにまん掲示板「ちょっ…ミカ様マズいですって、こんな誰が見てるかわかんないとこで…!」「むー、見てるのはイチカちゃんでしょ?ナギちゃんはともかく、セイアちゃんの水着姿までいやらしい目で見てさー」「風評被害っすよ!?…bbs.animanch.com二代目スレ
【ftnr注】「わぁ〜イチカちゃんのおちんちんかっこいいね♡」2|あにまん掲示板落ちてたので立て直しました。悪い魔女なミカ様と、女慣れしてるのにミカ様にはよわよわちんちんになってしまうふたなりイチカの妄想をするスレです。以下最初のスレのコピペ。「ちょっ…ミカ様マズいですって、こん…bbs.animanch.com本スレ主=二代目スレ主≠初代スレ主
- 8二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 00:16:54
立て乙
とりあえず埋め - 9二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 00:18:59
とりあえず完結までは見るぞ
- 10二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 00:25:00
もっとイチミカ見たいよ
- 11二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 07:09:42
ftミカとイチカの方のスレ落としちゃった……
この悲しみを二度と背負いたくないので、一旦早めに保守るね - 12二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 07:12:23
このレスは削除されています
- 13イチミカに脳をやられた人25/08/27(水) 10:23:27
前スレまでのあらすじ(雑)
拗らせ系王子様イチカちゃん、成り行きでミカ様をおうちに上げるけど色々あってキャパオーバー、号泣してしまう。そこでタイミング良く(?)台風並みの暴風雨でミカ様帰宅困難に。 - 14イチミカに脳をやられた人25/08/27(水) 10:25:00
「いやー、ちょっとよした方が良いかなと」
「イチカちゃん、私と添い寝嫌?」
「いや、」
「そっか……」
「あいえ誤解です嫌って訳では無くてですね! ただの感動詞でして!」
「本当? 気遣ってない?」
「遣ってません! 私そんな器用じゃ無いっすから」
「本当? 良かったぁ」
心底安心した様な表情。そんな屈託の無い笑顔見せられたら、特に悪い事した記憶は無いけど凄い罪悪感に襲われる。
「えっとね、引かないで聞いて欲しいんだけどさ」
「はい」
「私ってさ、トリニティで嫌われてるじゃん?」
……同意し難いので曖昧な表情で誤魔化す。
「気遣ってない?」
「そんな器用じゃ無いっすから」
「ホントかなぁ……それと、イチカちゃん私の部屋の場所知ってると思うけどさ。何て言うか、しっかり隔離されてる訳ね」
「まあ、そうっすね。非常階段の上の屋根裏部屋……」
「だから、夜寝る時に凄く寂しいって言うか、人肌恋しいって言うか……布団に入ってる筈なのに、何でか寒く感じる事って無い?」
少し首を傾げるが、風邪をひいて寝込んでいる時の事を思い出した。確かに、熱由来の悪寒とはまた異なる、寂寞を伴う薄ら寒さの記憶がある。
「で、折角お泊まりする訳だからさ? イチカちゃんさえ良ければ、一緒に寝て欲しいなー、って……嫌なら全然良いんだけどね!?」
普段お声掛け下さる時はもっとグイグイいらっしゃるのに、こうも遠慮がちになさるとテンポを見誤ると言うか、断り難い。
「あ、それにエッチな事とかは無しでも全然良いから! 本当一緒に寝たいなってだけで!」
しかも必死感。
「そう言う事でしたら、私は全然大丈夫ですけど……」
ここまでしっかりとお願いされて断れる様な人間で無い事は、自分が一番理解している。それに、正直私もミカ様と一緒に寝られるなら凄く嬉しい。そう、これは友達として一緒に寝るだけ、何も疚しい事など無いですし。
「本当に!? ありがと!」
眩しい。目が潰れそうだ。
寝方は後でまた決める事にして、取り敢えずはミカ様に何か召し上がって頂かなければ。忙しい上に一人暮らしだから、あんまり立派な食料は無い。冷蔵庫の中身的に、カレー位は作れるかな……
「カレー作るの? じゃあ私も手伝うよ!」
そう仰ると、既に袖を捲り手を洗っている。多分お止めしても詮無き事なので、目茶苦茶畏れ多いけど手伝って頂こう。 - 15二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 11:23:48
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- 16イチミカに脳をやられた人25/08/27(水) 11:25:23
以前に料理を趣味にしようかと考えて買った、余分な調理器具。まあ実用品だから、と処分を先送りにしてたけど、あの時の自分を褒めてやりたい。
「人参とかこの位で良い?」
「もっと細かく切った方が出汁が出てカレー美味しくなるっすよ」
「ゴロゴロしてる方が食べ応えあるんじゃない?」
「圧力鍋とか無いんで火通らないっす」
部屋着にエプロン姿で包丁を振るうミカ様。天使か? 天使かも知れない。料理中で無ければ多分両手を合わせて拝んでいたと思う。
「「いただきます」」
ミカ様を食事をご一緒させて頂くのは初めてじゃ無いけれど、一緒に作った物となるとやはり感慨がある。
「んー、美味しい!」
「お口に合いますか? 普段召し上がられてるのに比べたら、全然大した事無いですけど……」
「最近は私もイチカちゃん達と大して変わらないよ? それに、こう言う普通の、って言ったら失礼かもだけど、気取ってない料理の方が美味しいと思うな」
そう言うもんかな、と思っている所に「それに、イチカちゃんが作ってくれたしね♡」と。そう言う不意打ち止めて下さい。
「ミカ様も一緒に作ったじゃないですか」
「じゃあ私が天才だからか☆」
「それで良いと思うっす」
「含みのある言い方だなー」
「心当たりが無いっすねー」
談笑しながら完食し、一緒に片付け。何か、良いな。
身支度を済ませ(ミカ様には未使用のタオルとか未開封の歯ブラシとかを使って頂いた)、一緒にベッドに。
気が付くと、ミカ様が抱き着いて来ていた。体を覆う翼の香りが心地良い。いつもならドキドキして仕方無い筈だけれど、今日は不思議と、とても落ち着く。
「イチカちゃん」
「はい」
「私ね、イチカちゃんがお友達なってくれて、とっても嬉しいんだ。近い立場の子か、私の権限とか立場に寄せられて来た子しか周りにいなかったからさ。例外はアズサちゃんとコハルちゃん位かな。でも二人共補習とかで忙しいし、私も奉仕活動で時間無かったから、あんまり一緒に遊んだり出来なくて」
心地良過ぎて瞼が重くなって来た。ミカ様の話を聞きたいのに。
「だから、最近はイチカちゃんと一緒に色んな事が出来て、すっごく楽しいの。それで、お礼を言っておきたくて。ありがとう、イチカちゃん」
返事を返せたか、よく覚えていない。
翌朝。風呂上がりに髪も乾かさず裸で情け無く泣いていた女は、無事風邪を引いた。 - 17イチミカに脳をやられた人25/08/27(水) 19:30:41
酷い悪夢で目を覚ました。詳細は霧散してしまったが、ラスト数十秒だけが鮮明に記憶に残っている。よく見る、ミカ様が私を守って死ぬ夢に似ているが、全く異なる夢だった。
調印式会場では無く、どこか知らない場所。アリウスの襲撃では無く、正体不明の何かの攻撃。私が守られる側では無く、望み通り、私が正義実現委員会として守る側。
そして、現実通り、私一人の力では状況を変えたりなんか出来なくて――
「起きた? おはよっ☆ あ、おでこのタオル気持ち悪くない? 蒸れてたらどけるけど」
「ミカ様……」
ついさっき失った筈の光が、こちらを覗き込んでいる。つい、起き上がって手を伸ばそうとして。
「痛っ」
「大丈夫!? イチカちゃん、今凄い熱あるみたいだから無理しちゃダメだよ。最近ずっと訓練してたって聞いたし、多分気付かない間に体痛めてたのが出て来ちゃったんじゃない? ほら、横になってて」
ミカ様に、優しくベッドへ押し戻される。
「朝起きたら、イチカちゃんの体が熱かったから熱測らせて貰ったんだけど、39度! ビックリしちゃったよ。あ、体温計とか布巾とか勝手に出しちゃったけど、ごめんね?」
「いえ、それは全然……ミカ様は体調大丈夫っすか?」
「うん! こう見えても私、かなり頑丈だから」
そう言って、自慢げな表情と共に力こぶポーズ。いや、その頑丈さと免疫力は関係無い気がしますけど。力こぶあんま無いし。
時計を見ると、もう昼過ぎ。窓に目を向ければ、もう雨は止んでいた。
「そうだ、ミカ様、寮に、ゲホッゲホッ」
「こんな状態のイチカちゃん置いてける訳無いでしょ! ちょっと待っててね」
ミカ様はそう言うと、スマホを取り出し、どこかへ電話を掛ける。救護騎士団に連絡するのだろうか。声を抑えているのか、私の耳が遠くなっているのか、話の内容は聞き取れない。
すると、こちらへスマホを差し出した。
「ほら、イチカちゃんからも一言」
「え、ゴホゴホッ、あの、どう言う」
「ありがと。ほら、聞こえた? 放っといて良い咳じゃ無いでしょ? 救護騎士団も昨日の怪我人対応で手一杯らしいしさ。お願い! ……え、本当!? ありがとう! じゃあ、また明日連絡するから。うん、ありがとね。ばいばーい」
通話が切れる。
「と言う訳で、今晩も泊まるから!」
「どう言う訳っすか」 - 18二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 00:35:34
寝る前の保守
- 19二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 05:02:17
保守
- 20二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 12:40:59
やはりイチミカは素晴らしい‼️
- 21イチミカに脳をやられた人25/08/28(木) 17:55:50
「イチカちゃんも聞いてたでしょ? 昨日の暴風雨が意外と酷かったみたいで、公的なとこは割と忙しいみたいでさ。だから、私がイチカちゃんの看病しようと思って」
「そんな、申し訳無、ゴホッカハッ」
「絶対ダメな咳してるじゃん! ほら、横になってて。病人はとやかく言わないで大人しくする!」
抵抗する力も無いので、起こし掛けた体をまたベッドに戻す。
「で、どう? 頭痛いとか気持ち悪いとかある?」
「いえ、咳とダルさと、全身が痛いだけっす」
「絶対『だけ』じゃ無いよねそれ!?」
ミカ様はバタバタと、戸棚から何かを取り出す。
「はい、痛み止めと咳止め。今お水持って来るね」
ぼーっとした頭で、言われるまま薬を受け取る。
「よく場所分かりましたね」
「体温計の場所分かんなくてあちこち開けたから……ほんとごめんね?」
「大丈夫です。すみません……」
ミカ様が体を支え、起き上がるサポートをして下さる。本当はこんな事にミカ様の時間を使って頂きたく無いのだが、今の私にはそれを通す体力も気力も無い。
ミカ様からコップを受け取り、痛み止めと咳止めを喉に押し流す。
「イチカちゃんちって風邪薬無いんだね?」
「あんましっかり風邪とかひかなくて、対症療法がメインだったもので」
「痛み止めに解熱作用もあるから、多分これで大丈夫だと思うけど……あ、後でハスミちゃんに様子見に来て貰っても良い? 寮監の子とナギちゃんと正実の子で相談して、その方が色々と丸いってさ」
その方が丸い。つまりミカ様の立場上、途中で一度何らかの監視を挟んだ方が対面上良い、と言う事だろう。
胸中に良く無い感情が沸々と湧き上がって来る。私を山車にしてミカ様が何かを企んでるって? 或いは、正実メンバーが動けないのに託けてミカ様が良からぬ事を考えてるって?
「えっ呼ぶの止めとく? そんな嫌だった?」
「あっ……いえ、来て貰えるなら心強いです。別件を思い出してて。ゲホッ」
思い切り表情に出ていたらしい。今の私がキレても意味の無い事だ、少し忘れよう。
「りょーかい、連絡しとくね☆ あっ、そう言えばお粥あったら食べる? 材料はあるからサクッと作れるけど」
ミカ様手作りのお粥。とても魅力的な響きだ。いや、しかしそんなお手間をお掛けする訳には……
「……お願いするっす」
「おっけー!」
熱で働きの悪い脳髄は誘惑に負ける事にしたらしい。 - 22二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 00:55:14
もっと誘惑に負けてええんやで保守
- 23二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 00:57:34
このレスは削除されています
- 24二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 05:27:22
うほ
- 25二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 11:00:46
このレスは削除されています
- 26イチミカに脳をやられた人25/08/29(金) 11:02:12
「ちょっと待ってて」
台所に立つミカ様。冷凍保存していた白米、塩、粉末調味料なんかを手際良く煮て行く。その後ろ姿を眺めているのにミカ様も気付かれた様だ。
「どうしたの? 見ても面白く無いと思うけど」
「いえ……何と言うか、ミカ様に料理のイメージがあんま無かったんで」
「あー、やっぱそうだよね。前は、必要なら何かしら買えば良かったんだけど。色々無くしちゃってから、自分の力で人に気持ちを伝える方法を持っとこうと思ってさ。料理の勉強始めたんだ」
「成程」
先日のバーベキューの時も、想像以上に手慣れた様子だった。
暫くすると、お盆に鍋敷きと小さな土鍋を載せて持って来て下さった。買ったかどうか記憶があやふやだが、多分昔かった調理器具に入ってたんだろう。米でも炊こうとしたんだろうか。
「あい、お待ちどう様。お口に合うと良いけど」
蓋の下からは湯気が立ち上がり、透き通ったつゆと光沢のある白米、アクセントに添えられた梅干しが現れた。シンプルだが、これで良いのだと思わせる不思議な説得力。
ミカ様はレンゲを手に取られると、お粥を掬い、ふーっと息を吹き掛け。
「はい、あーん」
え、マジっすか。そんな贅沢が許されるんすか?
「だ、大丈夫っすよ、自分で食べますんで」
「右肘、肩の高さまで上げながら後ろに引ける?」
「そりゃあ……当然……ッ」
「無理しなくて良いよ! イチカちゃんの銃、コッキングレバー意外と重いでしょ。練習で何十回引いたか分かんないけど、全身痛いなら右腕もダメだと思うな」
「銃の癖、よく分かりますね」
正直驚いた。私のレッドドラゴンは、後輩ちゃん達の銃と比べ、カスタムし過ぎて所々無理が生じ、結果としてやや癖のある挙動をする。
「私だって、ただ突っ立って銃撃ってる訳じゃ無いし? ちゃんと相手が引き金引くの見てから避けてるんだから」
「引き金引くの見てから避けてる?」
引き金引くの見てから避けてる?
「だから、少し一緒に戦ったら、イチカちゃんの銃がちょっと変なのも分かるよ。ほら、さっきも言ったけど病人は無理しないの! はい、あーん」
「あ、あーん」
渋々、差し出して下さったレンゲを口に受け入れる。ふわりと広がる優しい出汁の香りと仄かな塩気が舌を包んだ。これが、口が幸せって奴ですか。
「めっちゃ美味しいっす」
「良かった。あ、飲み込むのゆっくりで良いからね」 - 27イチミカに脳をやられた人25/08/29(金) 15:03:36
ミカ様の介護もあり、完食まで時間は掛からなかった。
「食器洗って来るから、ゆっくりしててね」
そう言うとミカ様は再び私を横たわらせ、台所へと歩いて行かれた。
満腹だからかそれとも案外疲れたのか、次第に睡魔が私を蝕み始める。でも眠りたく無い。朝見た夢が。記憶に無いのに、その残響だけが胸を裏側から引っ掻き訴え掛けてくる。だが、抵抗も虚しく私は再び闇に潜った。
声が聞こえる。脳で意味を処理する事は出来ないが、二人分の音素が含まれる事は辛うじて識別出来た。
「――って訳なんだ。ごめんね、ハスミちゃんにもイチカちゃんにも迷惑掛けちゃって」
「いえ、迷惑と言う程の事ではありません。元を辿ればイチカの不摂生が原因でしょう。しかし、いつまでもミカ様にお任せするのも申し訳無いです、宜しければ私がイチカを看ますが、如何ですか?」
一人は私から少し離れた所、聞き慣れた声。もう一人は私のすぐ横、言葉を理解出来なくても分かる、心地良い声。
「私は全然大丈夫だけど、イチカちゃんもおんなじ事言いそうだなぁ……じゃあ、起きたら訊いてみよっかな。ハスミちゃんもうちょっと時間ある?」
「ええ、大丈夫です」
「じゃあお茶でも淹れるね」
あの人が立ち上がる。嫌だ、行かないで。
無意識に手を動かし、遠ざかろうとする服の裾を掴んでいた。
「ミカ様……」
こちらを振り向く。大きく目を見開いている。と思ったら、すぐに柔らかい表情に変わり、私の頭に手を乗せられた。
「って事みたいだから、今日は私が看とくよ」
ゆっくりと撫でられる。優しさに包まれる様な気持ち。さっきまでとは違う、温かなベールが私の意識を覆う。
「承知しました。イチカがここまで懐くとは……どんな魔法を使われたんですか?」
「魔女の企業秘密かな☆」
「うわああああああぁぁぁ!」
私は布団を頭まで被って絶叫している。
目が覚めた時には夕方で、ミカ様はベッドに凭れ掛かる様に座り、スマホを弄っておられた。
私の目覚めに気付いたミカ様と視線が交差した刹那、脳内に溢れ出した記憶。存在しない記憶であって欲しかったけれど心当たりしか無い。
そこで、寝惚けてて覚えていないと白を切る手もあったのに、私は馬鹿正直に「あ……えと……」などとしどろもどろに。
そしてミカ様からの追い打ち。
「イチカちゃん、私が帰っちゃうと思って、寂しかったんだ?」 - 28イチミカに脳をやられた人25/08/29(金) 18:54:03
そして今に至る。
「イチカちゃんって、実は結構甘えん坊さんなんだね」
布団に引き籠っているのでミカ様の様子は伺えない。
「忘れて頂く事って」
「無理☆
「じゃあ殺して下さいっす」
「それも無理かな」
「殺せーっ!」
「キャラだいじょぶそ?」
顔を見なくとも、面白がっている事は声色から容易に想像できる。本当、何故あんな事をしたのだろうか。しかも色々恥ずかしい事もしているミカ様だけじゃ無く、ハスミ先輩もいる前で!
「ハスミちゃんは、イチカちゃんが遠慮無く甘えられる相手が出来て良かったって言ってたよ? イチカちゃんはいつも人の面倒を見る側だからって。その相手がティーパーティーだって言うのが微妙みたいだったけど。そんなの気にしなくて良いのにね?」
「……そっすか」
ハスミ先輩にそんな心配をされていたと言う事も意外だったけれど、それ以上に今は羞恥が強い。ベッドから出れない。あとそれは気にします、私も気にしてます。
「私は嬉しかったな、イチカちゃんが素直に甘えてくれたの」
「え?」
「だって、イチカちゃんいっつも私の事手伝ってくれたり気遣ってくれたりばっかりでさ。エッチする時位しか自分の希望言ってくれないじゃん。エッチな事しか興味無いなんてのは流石に無いだろうし」
それは、当然私とミカ様では色々違う訳で。
「イチカちゃんの部屋見て、一瞬本当にそうなのかと思ったけど」
「……趣味の物無いっすからね」
「でも、イチカちゃん私のエッチな写真とかエッチな本とか持ってないもんね」
「実は隠してるかも知れないっすよ」
「ベッドの下とか棚の中とかどこにも無かったし」
え、探したんすか? いつの間に? と思うと、ミカ様もその疑惑に思い当たったのか急に早口になられた。
「あ、いやイチカちゃんの秘密を暴いてやろうって事じゃ無くてね? エッチする時も気遣ってくれてる事多いから、本当はイチカちゃんどんなのが好きなのかなって思ってたんだけど、訊いても答えてくれないだろうから、どうせ体温計とか薬とか探したしもう他にも覗いちゃっても変わんないんじゃないかなとか思って」
何と答えるべきか分からず、数秒の気持ち悪い沈黙。
「ごめん」
「いえ、別に気にしては無いっすけど……」 - 29二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 23:43:56
袖を引っ張られてによによするのも、踏み込みすぎて勝手に落ち込んじゃうのも容易に想像できる
- 30二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 07:15:14
あさほ
- 31イチミカに脳をやられた人25/08/30(土) 09:36:03
「まあ、それはどうでも良いんだけど。いや、イチカちゃんにとっては良く無いか」
「どうでも良いんで続けて貰って大丈夫っす」
見られて不味い物が無かったか必死で思い出してるとこだけどまあどうでも良いっちゃどうでも良い。私が軽蔑されるだけだ。
「イチカちゃん、寒くない?」
ギクッ。と、私の中で何か音がした。熱がある状態で布団饅頭になっていたら、普通は暑くて自分から出て行くだろう。だが今の私は、寒いかどうかと訊かれれば、体の震えが止まらない程寒い。病状が悪化したのか、寒気が酷くて仕方が無い。
でも、ミカ様に看病して頂いている状態で悪化したら、きっと気に病まれるだろうし、場合によってはもう一日私の面倒を見ると言い出されるかも知れない。この上無く光栄な申し出ではあるけれど、幾ら何でも申し訳無いと言うか、申し訳が立たないと言うか。だから、このまま丸まってればバレないかな、なんて子供染みた発想もしてみたけど、無駄だった様だ。
看過されてしまってはどうにもならないので、枕に頭を乗せ普通に仰向けに寝る。
「よく分かったっすね。正直寒くて堪んないっす。お茶か何か淹れて頂いても良いっすか?」
「おっけ、待っててね」
数分後、マグカップに茶色く透き通った液体が注がれて来た。
「はい、ジンジャーティーだよ。多分風邪に良いと思う。それから、さっきハスミちゃんに買って来て貰った風邪薬。あれ、お茶と飲んで良いんだっけ……? まあ良いや、はい!」
「ありがとうございます」
受け取り、少しずつ喉に流し込む。お茶とはこんなにも落ち着く飲料だったか。身体の内側からじんわりと温度が広がって行く感覚。
私の真横でベッドに腰掛けられているミカ様が、手で私の額の温度を測る。恥ずかしがる気力はさっき使い果たしてしまった。
「うーん、熱上がっては無いと思うんだけどなぁ……やっぱ体力落ちちゃったのかな? イチカちゃん、今タンクトップにホットパンツだっけ?」
首肯。
「じゃあ、もっと暖かい服……いや、ごめん何でも無い!」
首を傾げながら、ジンジャーティーを完飲した。人生で一番美味しいお茶だったと言っても良い。
「はい、お粗末様。下げとくから、イチカちゃんはまた横になっててね」
言われるがままに布団を被る。暫く目を閉じぼーっとしていると、ごそごそと何かの感触。横を見ると、ミカ様が布団に入って来られていた。 - 32イチミカに脳をやられた人25/08/30(土) 14:21:01
「えっ何してんすか何してんすか!?」
「どうしたの大声出して」
「しかも何でキャミとパンツしか着てないんすか!」
「温めてあげようと思って」
「温める!?」
私の戦慄など気にせず、ミカ様は私の真横に収まられた。こちらを見て両手を広げてらっしゃる。
「え、温めるってそう言う事すか」
「うん。熱で悪寒がする時って、すっごく寂しいじゃん? 私がいるんだから、折角なら人肌で温めてあげたら良いじゃんって思って。だから、おいで?♡」
確かに、昨日そんな事を考えた気がする。て言うかこのセリフってこんな真っ直ぐな目で言える物でしたっけ?
考える間も無く、気が付くとミカ様の腕の中に納まっていた。鼻が当たる位の距離で、ミカ様の慈しみに満ちた瞳がこちらを向いている。気恥ずかしさもあるが、自然と目を逸らせない。
「……すみません」
「大丈夫。どう、イチカちゃん? 温かい?」
「はい」
「落ち着きそう?」
「はい」
感覚を通して入って来る全てが、冷やつきやざわつきを鎮めて行く。ホッとするって、きっとこう言う事だ。それでも胸に残る虚しさを埋めたくて、思い切り抱き締めてしまう。
「イチカちゃん。今から伝えるのは、イチカちゃんがちょっとぼんやりしてるだろうとか、もしかしたら次目が覚めた時には忘れてるかもとかって打算で言う言葉だから、適当に聞き流して良いからね」
小さく頷いて先を促す。十二分に寝たし、今回こそ落ちずに最後まで応答を、あヤバ眠くなって来たマジか。私ミカ様に弱過ぎ……?
「私ね。イチカちゃんの事、好きだよ。お友達としてとか、後輩とかじゃ無くて、異性……ってのも違うけど、恋愛対象として」
やっぱし私締まんないなぁ、と苦笑いなさった。
「うん、言い直そ。私、恋愛対象として、イチカちゃんの事が好き。大好き」
黙って抱き締め続ける。
「イチカちゃんってさ、すっごく優しい子だよね。あんなに酷い目に遭ったのに、私の事を恨んだり憎んだりしないで付き合ってくれるし、今でもティーパーティーの聖園ミカとして扱ってくれるし。イチカちゃんは当然って思ってるかも知れないけど、結構レアなんだよ?」
僅かな緊張の混じった響きに、真剣さを感じ取れる。
「それと、エッチな事とかしてる間に、イチカちゃん以外とそう言う事するの考えられなくなっちゃったって言うか……あっ勿論それがメインの理由じゃ無いからね!?」 - 33イチミカに脳をやられた人25/08/30(土) 20:54:58
思わず笑ってしまった。
「エロ目的じゃ無いからって敢えて強調するの、何て言うか……アレっすね」
「分かってるから言わないで!」
コツンと優しく頭をぶつけられた。少しだけ痛い。
「まあ、そう言う訳でさ。今イチカちゃんの看病してるのも、迷惑なんてちっとも思ってないし、寝込んでる人にこんな事言っちゃダメなんだろうけど、ちょっと役得って感じてる部分もあるかも」
少しだけ気不味そうなはにかみ顔。
「急に言われても困っちゃうだろうし、今の返事は、また目が覚めて、頭スッキリしてる時に伝えてくれたら良いから。もし忘れちゃっても大丈夫だからね」
そう一息に言い切ると、ミカ様は私と額を合わせ、私の頭を撫でて下さる。まるで寝かし付ける様な仕草に陥落する未来が見えるが、必死に踏み止まった。
「ミカ様、ズルいっす」
「ズルい?」
「ミカ様だけ伝えて終わりだなんて、ズルいっす。私だって、言いたい事があるっすから」
「そっか。じゃあ、教えて?」
私を撫でる手が止まり、少しミカ様の顔が遠ざかった。お互いの顔に焦点が合う。
「役得だって思ってたのは、私もです。ミカ様に付きっ切りで看て頂けるなんて、こんな贅沢な事は無いなって」
「ふふっ、そうだよ? 滅多に体験出来る事じゃ無いからね!」
と、ウインク。この人、絶対自分の顔が良く見える仕草を研究してらっしゃる。で無ければあんな完璧なウインクは出せない。地でやってるなら恐ろしい人だ。
「それで、私は」
言葉に詰まる。これまで何度も胸中で反芻し、一度も口に出そうとして来なかった文。ほんの数語で言い切れてしまうのに、こんなに敷居が高いのか。
みるみる内に、ミカ様の目に映る色が悲観や恐怖へと変わって行く。それが、私の躊躇を焦りへと変えた。
「私、は、いえ、私も、好きっす。ミカ様の事」
言ってしまった。やるかどうか迷っている事は一度実行してしまえば気楽になる、と言うが、全然そんな事は無かった。
言ってしまったと言う、後悔とも焦燥とも自罰とも付かない奇妙な体感。でもここで止まってはいけないと理解出来る。必死に口を回した。
「好きっす、私も大好きっす! ミカ様の優しさや思い遣りに溢れている所も、真っ直ぐな所も、お顔も、さらさらした髪も、匂いも、細くて綺麗な手も、全部好きっす!」
無理矢理言葉を絞り出したせいで変な事まで言った気がする。 - 34二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:31:42
2828がとまらん
- 35二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:33:21
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:34:25
興味ないなら見なきゃいいのに、過疎煽りしてる奴なに?
- 37二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:46:46
触れんでもろて
- 38二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 00:49:14
このレスは削除されています
- 39イチミカに脳をやられた人25/08/31(日) 02:00:40
「で、えっと、だから」
頭がぐるぐるし始めた。多分熱が無くても状況は変わらなかった気もする。
一度意識を視野に戻す。ミカ様の目が真ん丸になっていた。やっぱり変な事まで言い過ぎたらしい。
「あの、その」
今更緊張感が増す、喉が絞まる感覚。
「ふふっ、無理しなくて大丈夫だよ? 咳止め効いてるの悪化しちゃうし」
「え、そんな苦しそうでした?」
「とっても苦しそうだった!」
告白が超必死なの恥ずかし過ぎるんですけど。
「今は、両思いだったって分かった、それで十分じゃないかな? 続きは起きたら聞くからさ。一回お休みしよ」
舟を漕ぎ掛けていたダメな私は、その提案に甘える事にした。
「おやすみ、イチカちゃん♡」
最後の記憶は、唇に触れる柔らかな感覚だった。
目が覚めた。真っ先にミカ様の姿を探している事に気付いて、ああ、自分はミカ様がいないとダメな人間になってしまったんだと理解する。
ミカ様は台所にいらっしゃって、すぐ私の起床に気付かれた。
「あ、イチカちゃんおはよ。食欲ありそう?」
「はい、普通にお腹空いてるっす」
「良かった。今夕食におうどん作ってるから、一緒に食べようね」
まだ少し寒気はあるが、寝る前と比べて随分と良くなった。ミカ様が添い寝して下さって、悪夢を見なかったお陰で安眠出来たからだろうか。単に薬が効いただけかも知れないが。
肩まで布団に潜って大人しくする。スマホに幾らか通知が来ているみたいだが全て無視だ。今は安静第一。と言うか、他所からの連絡よりもミカ様の一挙手一投足の方が遥かに気になって、目を離す気になれない。
エプロンを着けた後ろ姿を眺めながら、しみじみと、ああ、ミカ様と恋仲になったんだなぁと思い返す。身体の内にふわふわとした気持ちが満ち満ちていて、寂しさはもう無い。いや、正確にはまだ薄ら寒さと結び付いた底知れない寂寞も確かに残っているのだが、目の前にいるミカ様がいらっしゃる事実と、ミカ様はきっと私に寄り添って下さるだろうと言う根拠の無い信が遥かに勝っていた。
「はい、お待ちどう様。何と無くで作ったから、上手く出来てると良いんだけど……」
持って来て下さった器には、半透明なつゆと艶のあるうどん、柔らかくなったほうれん草、恐らくは豚の薄切り、そして溶き入れられた卵のプルプルとした塊。鍋で麺と具を一緒くたに煮た、家庭料理らしい盛り付けだ。 - 40二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 11:23:40
一様ほー
- 41イチミカに脳をやられた人25/08/31(日) 11:51:27
小麦粉と卵で僅かに乳化したスープが、五臓六腑を巡って行く。透き通った出汁では得られない充足感。啜ったうどんを一口嚙む度に、へばった身体に柔らかな活力で満ちて行くのを感じる。
「美味しいっす、凄く」
「気に入ってくれたみたいで良かった」
箸が止まらない。これからもミカ様の料理を食べる度、『人生で一番美味しい○○』を更新して行くのかも知れない。
「ミカ様の料理、これからも食べたいっす」
「――えっ」
「え? ……あっ」
言ってから気付いた、物語の中でしか聞かないプロポーズの言葉じゃん。毎朝味噌汁を飲みたい系の。目の前には、ベッドの中で見たのと同じ真ん丸の目。無意識にミカ様の意表を突き続けてしまっている。
「あ、えと忘れ……て下さいってのは違うんですけど、えっと」
「……私、お話の中のお姫様に憧れてたけど、こう言う少女漫画のヒロインも悪く無い、かも?」
「本当、すいません……」
自分の言葉なのに居た堪れなくなり、手元を見たまま黙々とうどんを啜る。
「お代わり、要る?」
「……お願いします」
うどんは延び難いから、こう言う少し濃いめのつゆの時は鍋で沢山作って少しずつ食べられて、今みたいに体の調子が良く無い時にはとてもありがたい。
「そう言えばイチカちゃん、訓練とか自主練とかでどんな事してるの」
「あー、そうっすねぇ」
随分と久方振りに普通の雑談を出来た気がした。ミカ様は力不足を感じた事は無いとの事で、訓練と言う物に余り縁が無いそう。
無事完食、食器もミカ様が片付けて下さり、お腹もひと段落着いた頃。
「ねえ、イチカちゃん。さっき、一緒にベッドで話した内容、覚えてる?」
「はい。覚えてるっす」
「取り敢えず、私達はお互い好き同士、って事で良いんだよね?」
「……はい、そう思うっす」
と、一つ重大な事を忘れているのに気付いた。
「あの、ミカ様」
「何?」
「そう言えば結局、私達って付き合って……?」
「え、付き合ってるんじゃ無かったの?」
「え? ……ああ、いえ、はいそうっす! その確認がしたかっただけで! 恋人っす私達!」
「だよね♡」 - 42イチミカに脳をやられた人25/08/31(日) 11:52:35
間に合うかギリギリだったので保守アリです。
毎回1000文字ピッタリ目指して書いてるんですが、30行制限なんてあったんですね。初めて見た。 - 43二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 21:11:12
おめでとう‼️そしてイチカが素直に慣れて良かった〜
- 44二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 21:11:13
エンディングまで泣くんじゃない
保守 - 45イチミカに脳をやられた人25/08/31(日) 21:28:29
ミカ様は、好きな人同士が結ばれる清らかな世界に生きておられる。私の様な捻くれた者が汚してはならない。
そう、付き合うと言う明確な合意形成が無くても、そこに恋心があれば私達は一心同体。それで良いんだ。下らん不安は忘れろ。
しかし、私とミカ様が恋人同士かぁ……
「イチカちゃんってさ、かなり顔に出易いよね」
「え、また出てました?」
「うん。超幸せそう」
「マジすか……まあ、そうっすね。幸せを噛み締めてました」
「んふふ、私も」
「んぇへへ」
気持ち悪い笑いが出た。
と、幸福に浸っている場合では無い事を思い出す。そうだ、私には伝えなければいけない事がある。
軽く咳払い。
「えっと、ミカ様。お伝えしときたい事があるっす」
「え、何だろ」
私につられる様に、ミカ様も軽く居住まいを正された。
「まず、ここ数週間のご無礼をお詫びさせて頂きたいっす」
「え、いや、無礼だなんてそんな」
「お詫びさせて欲しいっす!」
「あ、はい、うん。どうぞ」
謝る側が圧で押し切ると言うのもおかしな話だが、そうでもしなければ私の気が治まらない。もう自己満足の域だと言う自覚はあるが、恋仲になると決めた以上、ここのケジメを付けないと、私はミカ様と真っ直ぐ向かい合えない気がした。
「ミカ様を避けようとしたり、好い加減な連絡しか寄越さなかったり、したのは、わざとでした。それで、その……ミカ様を、酷く悲しませてしまったと伺いました。本当に、申し訳ありませんでした」
正座をして、三つ指揃えて頭を下げる。
「えっえっいやいやいや! 全然大丈夫だから! 頭上げて? ね?」
「大丈夫じゃ無いっす。まだ謝らないといけない事があります」
「でも、このままだと私が冷静に聞けないからさ。取り敢えず頭上げて貰っても良い?」
「……はい、すみません」
我を通すのも申し訳無くなり顔を上げ「「イッタ!」」
私の後頭部が、至近距離まで近付いていらしたミカ様のおでこに激突した。痛い。そのままうずくまり頭を押さえる。頭上からは、相応のダメージを負ったと思しき呻き声がする。
「すみません、大丈夫っすか……」
「うん、私案外頑丈だから、気にしなくて良いよ……」 - 46二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:21:35
はよ抱け
- 47二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:32:49
いや~良いっすね~ 甘酸っぱい青春っすね~
- 48二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:36:27
ho
- 49イチミカに脳をやられた人25/09/01(月) 08:26:22
数十秒のインターバル後に視線を上げると、額を手で押さえるミカ様の苦笑い。
「イチカちゃん、ちょっと落ち着いたみたいだね。怪我の功名って奴かな?」
「そっすね……失礼しました」
私はまだ若干視界にヒヨコが飛んでるけれど、ミカ様はもう完全復活したらしい。
いつもの様に自分のテンションを抑えつつ口を開く。
「ミカ様、出来れば途中で怒らずに、一回最後まで聞いて欲しいんすけど」
「うん」
「私どっかのタイミングで、ミカ様の事好きだって気付いたんすよ」
「うん」
「それで、ミカ様の隣、じゃ無いな。ミカ様の後ろにいたいって思ったんです」
「何か古風な亭主関白みたい」
「立場逆っすけどね」
少し姿勢を崩そうと、ベッド脇に移動し凭れ掛かる。ミカ様も横に移動され、一緒にベッドへ背を預ける。
「私、自分は本来ミカ様の世界にいるべきじゃ無い人間だと思ってたんすよ。立ち位置とか、人間性とか、自分自身の力とか、色んな物の関係で」
ミカ様が何かを言おうとし、考え直して口を噤んだのが分かった。最後まで聞いて欲しい、と言うのを実行して下さっているのだろう。
「でも、たまたま私達の道がすぐ近くまで近付く事があって、その時ミカ様に、何て言うか……見出して頂いて」
「多分捕まったとか連れ出されたとかって言葉が先に頭に浮かんだ?」
バレました。軽く謝罪。
「最初っからミカ様の事は素敵な方だと思ってたんですけど、その時、ミカ様に……その、『手伝って』頂く様になって」
「……ああ、そうだね、うん」
変な言い回しだが、ご理解頂けた様だ。
「自分なんかが一緒にいるべきお人じゃ無いと思ってるのに、こんな素敵な人に相手して貰えるなんて役得じゃん、ミカ様からお声掛け頂ける内はこのままでも良いや、とも感じてて」
基本的にミカ様からちょっかいを掛けられたりお誘いを受けたりして、私はそれに付き合う、或いはお言葉に甘えると言う状態が続いていていた。今思えば随分と受け身な事だ。
「同時にお友達としても仲良くして下さって。それでミカ様の、所作とかお心とか、見えにくい部分の魅力にも気付いてしまって」
「うん」
「でもそれ以上に、たとえご縁があっても私が一緒にいるべきお人じゃ無いって実感があったんです。自分の手が届く届かないに関わらず。いや、違うっすね。自分なんかの手が届いてはいけないって思ってました」
「……それで?」 - 50二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 12:26:27
ひるほしゅ
- 51イチミカに脳をやられた人25/09/01(月) 19:05:06
ミレニアムの一件で、ティーパーティー全員が何か特殊なオーラを纏ってたりはしない(スイーツ部がセイアに「誰?」状態だった)と判明してるので、イチカからミカへの矢印を純粋な個人崇拝(語弊アリ)として扱えるの素敵ね。
- 52二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:08:37
ここからが正念場だぞイチカ‼️
- 53二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 06:18:41
保守
- 54イチミカに脳をやられた人25/09/02(火) 06:35:31
事前に文章を全て決めた筈なのに、この期に及んで言葉を迷っている。喉につっかえるこれは、きっとミカ様に見放されたく無いと言う恐れだ。
頭では分かっている、ミカ様はこんな事で人を嫌いになったり、突き放したりするお方では無いだろうと。これまでの付き合いで十二分に理解している筈だ。それでもミカ様の人となりを曲解し恐怖する己の無意識が憎い。理性で抑え切れないのは、怒りだけでは無かったらしい。
僅かな体の震えを覚えるのは寒気だろうか、恐怖だろうか。
「ごめんなさい、何か話の組み立て分かんなくなっちゃってて、順番前後しちゃうんすけど」
「大丈夫だよ、ゆっくり話して」
ミカ様は待っていて下さる、慌てる事は無いと自分に言い聞かせ、一度深呼吸。
「私最初は、ミカ様のお役に立てたら嬉しいなって思ったんすよ。ナギサ様にしっかりと休暇を取って頂く、その手伝いが出来たらと。その後も、ミカ様にお声掛け頂いて行動を起こすのが、何だかんだ楽しくて。ミカ様からのご連絡を心待ちにしてる時間があったっす。何かを楽しみにする事なんてあんまり無いんすけど」
「趣味:聖園ミカって感じ?」
「まあ……そうっすね。でも、さっきも言ったっすけど、心のどこかで、ミカ様の隣に自分がいるってのに違和感があったんすよ」
「それはどうして?」
「自分でも何と無くなんすけど……自分にとって高価過ぎる物とか、価値の高過ぎる物に触れる時におっかなびっくりになるのって分かりますか?」
「うん、分かるよ」
「多分、それに近い感じっすね。基本惰性と打算で過ごしてる私には、ミカ様の事、それこそ尖塔のお姫様みたいに特別に見えた気がしたっす」
「打算で過ごしてるの?」
「調整役とか交渉人役とかやってる人間なんてそんなもんじゃないすか」
「じゃあ、私とも打算で接してるの?」
「打算……だけでお話出来たらもっと気楽だったかも知んないすけど。少なくとも、昨日今日は本心の私っす。これは信じて欲しいっす」
ミカ様は数秒目を閉じ「勿論。信じるよ」と。
「じゃあ、今話してるイチカちゃんは『本当の』イチカちゃんなんだね」
「はい。……何か銃持たないで外歩いてるみたいで、ちょっと落ち着かないっすけど」
「――怖い? 私の事」
「えっ」
見透かされた事に、背筋を嫌な寒さが走った。 - 55二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:26:03
昼保守
- 56二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:47:52
クライマックス!!
- 57二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 01:32:45
さいそくフォックスですまない
- 58二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:03:29
朝保守
- 59二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 12:35:46
昼保守
- 60イチミカに脳をやられた人25/09/03(水) 15:41:21
「……どうしてっすか?」
「んー、何と無く。イチカちゃん、さっきから正面向いたまんまでこっち見てくれないし。他には、前にセイアちゃんが生きてるって分かってから、最初にアズサちゃんと話した時に似てる気がするかな。黙ってた事、ちゃんと謝りたいし怒られてもしょうがないと思ってるけど、それはそれとして嫌われたくは無い、みたいな?」
「はは……凄いっすね。全部お見通しじゃないっすか。流石はティーパーティーのホスト候補っす」
「ううん、違うよ」
ちらりとミカ様の方を伺ってみると、こちらを見詰めていたらしいミカ様と目が合った。
「イチカちゃんだからだよ。イチカちゃんだからよく見てるし、イチカちゃんの事だからよく知りたいの」
少し気圧された。語気も強く無いし表情だって柔らかいのに、後ろに押し付けられる様な圧が。
どうして貴方は、そんなにも真っ直ぐに言葉を紡げるんですか。恥じらいも不安も無い、意志が籠った言葉が私にぶつかる。
「やっぱ敵わないっすねー。そうです、怖いっすよ、正直」
「理由を訊いても良い?」
「ミカ様に好かれる様な要素を自分で見付けられないからっすね」
「自分に自信が無いから、って事?」
「そう言い換えて貰っても構わないっす」
きっとミカ様はそんなことに思い悩んだ経験は無いだろう。元よりカリスマに溢れている方だし、三大分派の長ともなれば、常にセルフプロデュースを欠かさない筈だ。でも私は生憎ただの役人ポジで、自分の嫌いな所ばかり思い浮かぶ。
居た堪れなくなり、再び目を逸らした。
「……さっきの続きに戻りますね。ミカ様のお傍にいたいと思う程、自分がミカ様のお傍に相応しくないんじゃないかって疑いが強くなって行くんすよ。尊敬から友情になって、友情から恋愛になって、自分がミカ様に向ける感情が大きくなるのに、同じだけ違和感と忌避感が付いて来るんです」
今振り返れば、ミカ様を純粋に友達として見ていた期間って、驚く程短かったなぁ。私はこんなに惚れっぽい奴だったのか。
「それで、ミカ様を好きだって気付いた時に願っちゃったんすよ。ミカ様にとっての特別、それこそ、コハルが助けて頂いた時みたいに、何かあったらすぐ駆け付けて貰える位、ミカ様の特別になりたいなって。おかしいっすよね、自分に価値が無いと思ってるのに、何より大切にして欲しいって」 - 61二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:57:11
ほしゅ
- 62二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:05:55
ミカはよく人を見てる
- 63二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:06:15
朝保守
- 64イチミカに脳をやられた人25/09/04(木) 10:18:49
「んー、私の考え方はちょっと違うかなぁ。あ、ごめんね、話最後まで聞くんだった」
えへへ、と頬を掻きながら苦笑い。こう言うステレオタイプな動作ですらいちいち様になる。
「いえ、どうぞ」
「まずイチカちゃんに価値が無いなんて私は思わないんだけど、これは認めてくれないだろうから置いといて、うーん……イチカちゃん、私から手作りの小物とか貰ったら嬉しい?」
「家宝にするっす」
「即答だ。私に都合の良い子過ぎて心配になって来たよ。まあ良いや、で、私の手作りのプレゼントって、客観的にはあんまり価値の無い物じゃん? 高価なブランド小物とかに比べたらさ」
「そ……っす、ね」
「一瞬否定しようとしたよね。落ち着いて? でも、そう言う無価値な物でも、イチカちゃんみたいに大事にしてくれる人がいる訳じゃん? だからさ。自分で客観的な価値を見出せなかったとして、それでも誰かに大切にして欲しいって思うのは、全然おかしな事じゃ無いと思うな」
一呼吸置き、少しだけ悩む様な仕草をなさる。
「因みに、イチカちゃんは私の事、大事?」
「何よりも大事っす」
「ありがと。流石に面と向かって言われると結構恥ずかしいね。私は……」
再び数秒押し黙ってしまう。
「ごめんね。ナギちゃんとか先生とか、大切な人は何人もいるから、自分の中で順番決められなくて申し訳無いんだけど……私、イチカちゃんの事は凄く大事に想ってるよ。それは本当。少なくとも、私自身よりもイチカちゃんの方が大事。もし私かイチカちゃんか選ばないといけない場面があったとしたら、私はイチカちゃんを選ぶ」
どうやら、私から向く矢印とミカ様からの矢印で、大きさが釣り合わないかも知れない事を気にしてらした様だ。そんな事当たり前なのだから捨て置いて下されば良いのに。守りたいと思える物が多いのは良い事だ。その思いはきっと自分を支えてくれるから。何にも熱意を覚えない私は弱い人間だと自覚している。私はミカ様がいなくなったら、あのビーチよりも前の生活に戻れる自信は無い。
それにしても。
「ミカ様はどうして、私の欲しい言葉をピンポイントに言ってくれるんすか? あんまり都合良過ぎて何か、却って混乱しそうで。もしかしてエスパーか何かだったりします?」
「恋に不器用な女の子を惑わす、悪~い魔女だよ♡」 - 65二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 18:17:43
惑わすだけならそんなでもなくね?
というわけで積極的にたぶらかしていこうぜ! - 66二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:36:00
イチカにとっての魔(性の)女なのでそのままガンガン攻めて行こう‼️
- 67二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 06:51:11
朝保守
- 68二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 12:34:40
保守
- 69二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 19:29:41
もっと誑かして虜にしてしまおう
- 70イチミカに脳をやられた人25/09/05(金) 20:58:51
いつの間にかスズミのSDモデルからバニタス文字が消えてたりIDの背景に設定出来る絵が11種類も増えてたりイブキの例があるせいで雷帝が実は超飛び級で卒業してて今度は適正年齢で舞い戻って来る未来に気付いてしまったり単純に仕事が忙しかったりで遅くなりましたが今から書きます()
ミカに生えてるイチミカも想定したけどどうやっても関係性の攻めと受けが逆転しないのは何故だろう…… - 71二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:13:16
まあミカですからね…
強者としてのオーラ見たいなのがあったりするのかな?
脆い部分は本当に脆くでもそれ以外が強いって言う気がします。
そう言う部分がイチカと噛み合った感じなのかな? - 72二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 06:51:00
保守
- 73二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 16:39:45
- 74二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:36:58
- 75二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 21:46:42
- 76イチミカに脳をやられた人25/09/06(土) 23:11:16
お姫様を汚してしまった罪悪感と自分色に染め尽くした征服感で頭滅茶苦茶で訳分からないままミカ様の口にぶち撒けるイチカの話題はここですか?
- 77二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:03:04
- 78二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 06:47:31
- 79イチミカに脳をやられた人25/09/07(日) 11:35:57
自分でも知らない間に大好きなセフレにご奉仕技能を仕込み過ぎて、自分の脳を怖がらせましょう!(地獄のマッチポンプ)
ちょっと忙し過ぎて書けてないですけど今日明日には更新出来る様に頑張ります。 - 80二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:27:43
制服ミカ、水着ミカ、先ちょミカ、グロ版PVミカどれが正解か分からんけど、いずれにしても丁度胸で挟めそうなサイズしてるんよね。
つるぺたしか食べた事無いイチカに巨乳の味を覚えさせたミカは絶対いる。 - 81二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:37:53
保守
- 82二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 07:36:27
- 83二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:48:01
保守
- 84二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:58:56
最初のスレのカスミと一緒に巨乳恋人のパイズリに頭を捻るイチカはよかった
- 85二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 06:30:42
保守
- 86二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 16:12:26
保守
- 87イチミカに脳をやられた人25/09/09(火) 16:14:15
仕事しながら書きます()
されてる時のイチカの反応次第では、毎回ノリノリで胸で搾り取りに来るミカが爆誕するんだな…… - 88イチミカに脳をやられた人25/09/09(火) 21:03:37
「ちょっと魔女、とは思わないっすけど……」
「じゃあ、私とイチカちゃんの考え方が意外と近いかも、で良いんじゃないかな?」
セルフ魔女弄りは、何と言うか、外野としてはどう対応して良いか分からないので少し困る。
しかし、考え方が近い、か。私とミカ様は何から何まで違う人間だと思っていたけれど、もしそうなら。
「……だったら、ちょっと嬉しいっすね」
ミカ様は穏やかに微笑まれ、「私も」と。
「それで、自分の価値無いって思ってた事なんすけど。ここ二日、ってか主に今日で、考えちょっと変わったんすよ」
「どんな風に?」
「何て言うか……自分でずっと卑下してたら、寧ろミカ様に失礼なのかなって」
「心変わりの理由を聞いても良い?」
目を閉じ、ミカ様が下さった様々な眼差しを思い起こす。
「今、私の事、付きっ切りで看病して下さってるじゃないですか」
「え、まあ、うん。私がやりたくてやってる事だから、何かそういわれるとちょっとこそばゆいけど」
他人を想って行動でも、自分がそうしたかったから、自分がそうして欲しかったからだと堂々と言える。この、良い意味での自分本位さも、多分私がミカ様に憧れた理由の一つだ。
「さっき、ミカ様の後ろにいたい、ミカ様のお役に立ちたいって言ったじゃないっすか。ティーパーティー麾下の治安維持部隊として、ミカ様をお手伝いしたり、お助けしたり、お守りしたいって……いや、しなきゃいけないって思い込んでたんです。それしか自分がミカ様の隣にいる理由が無いと思ってましたから」
努めて、意識的に全部過去形にする。今の自分の意思では無い、そんな風には思っていない、そう自分に言い聞かせる様に。
「でも、今日一日、ミカ様がずっとお世話して下さって。私がミカ様にご奉仕する立場じゃないといけないなんて考えてたのが、馬鹿馬鹿しくなっちゃったっす。悪い言葉を使えば、自分がミカ様をお守りするなんて何を思い上がってたんだ、と言うか。それに、ミカ様がこんなに大切にして下さってるのに、私が自分の事貶してるの、何か、嫌だなって」
最後だけ急に具体性を欠く言い方になってしまったが、これが正直な気持ちだから仕方無い。
「私だったら、ミカ様が悪く言われてたら、かなり気分悪いっす。セイア様やナギサ様でも少し嫌な気分になります。それが、ミカ様自身だったとしても」 - 89二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 21:10:17
ミカは自分が攻める番になったときも(趣味:おしゃべり)ゆえに口でするよりも手や胸でしながら色々話しかけてくるイメージ。特に言葉責めする気はないけれどしている最中の会話なんでそれ一本になりがちで、素直で正直なよわよわイチカと完璧にかみ合ってさあ大変という個人の癖。
- 90二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 06:53:58
保守
- 91二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 12:41:39
保守
- 92イチミカに脳をやられた人25/09/10(水) 13:55:04
ちょっと遠出しないといけないのでここらで一度保守を……
ナギサとセイアに自分の恋人として自慢するミカとひっそり付き合い続けるミカが両方脳内にいる。 - 93イチミカに脳をやられた人25/09/10(水) 14:05:07
「ほう……ミカにしては、随分な優良物件を捕まえたじゃないか」
「あげないよ!」
「要らないよ」 - 94二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:37:55
- 95イチミカに脳をやられた人25/09/11(木) 03:53:13
脳みそが働いてなくてイチカエミュガバったので本日は閉業です……
- 96二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 06:34:25
朝保守
- 97二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 14:52:06
何かあった時に浮気されたと勘違いするのはミカ? イチカ?
- 98二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 18:06:28
そういう勘違いでヘラっちゃうのはやっぱりミカが似合うかも
- 99二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 00:17:12
二人とも自分に自信が持てていない風味だから浮気されたじゃなくて自分はもう好かれていないになりそうでやだなー
- 100イチミカに脳をやられた人25/09/12(金) 05:37:51
「……つまり、イチカちゃんが自分の事を悪く言ってたら、私が嫌な気分になるかも知れない、って事?」
「そ、っすね……」
思い上がりかも知れない、と思って一瞬言葉が濁るが、好い加減無意味な臆病さは捨てないといけない。だから無視する。
それでも、返事を待つ間、少なからずドキドキしてしまう。嗚呼、視線を逸らしたい。
「……あははっ、イチカちゃん不安がり過ぎ! そんなに自信無い?」
「無いって言ってるじゃないすか! 意地悪しないでくださいよ……」
「ごめんごめん。うん、正解。私もね、イチカちゃんが悪く言われてたら、すっごく嫌。イチカちゃん自身が言ってても、ちょっと嫌かも。だからさ。私もあんまり自分の悪口言わない様にするから、お互い気を付けよっか」
しっかりと頷く。自分に自信が付いた訳じゃ無い。でも、そのせいでミカ様の気を害するのは嫌だ。
「あ、それとさ? イチカちゃんは、私に一方的に助けられるだけ、みたいな事言ってたけど、全然そんな事無いと思うな」
「そうっすか? ミカ様って色んな意味で、私よりもお強いですし」
「ううん。私、結構弱い人間だよ? 普段は何とも無い風にいようって思ってるけど、奉仕活動中に色々言われるの、実は結構堪えるし。だから……まあとにかく、色々助けになってるんだよ! イチカちゃんは意識してないかも知れないけどさ!」
大分雑に切り上げられた気がするが、きっと何か口にしたくない何かを抱えてらっしゃるんだろうと察しが付いたので、深堀せずにただ頷く。
色々と安心してしまったのか、思わず欠伸が出た。それを見て、ミカ様がクスリと笑われる。
「疲れちゃったね。また体調悪くなっても困るし、そろそろ寝よっか?」
自分が病み上がり、と言うかまだ病気なのをすっかり忘れていた。薬で症状が治まっているだけだから無茶しちゃいけないんだった。
「で、今日はどうする?」
今日は一緒に寝るか、と言う意味だとはすぐ分かった。薬が効いているのか、少し体調が良くなったのか、寒気は余り無い。が。
「……今日も、一緒に寝て貰って良いっすか?」
「オッケー☆」
ミカ様を独り占め出来るのは今だけの特権だ、この際色々と気にするのは止めてしまって、目一杯甘えさせて頂こう。ミカ様は、心なしか、少し嬉しそうな表情をなさっている気がした。 - 101二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 12:35:02
保守
- 102二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 19:20:41
ほ
し
ゅ - 103二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:28:13
寝る前の保守
- 104二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 00:29:48
素直に甘えられるようになれて良かった。
ミカは1つとはいえお姉さんだしめいいっぱい甘えなさいな‼️ - 105イチミカに脳をやられた人25/09/13(土) 01:21:56
- 106二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 04:02:33
浮気騒動シーンまでは継続決定って言った?
- 1079925/09/13(土) 12:07:17
趣味が合うな、今度飲みに行こうぜ!
私のイマジナリーミカはその場では「そっか、そうだよね。私なんかじゃイチカちゃんには不釣り合いだよね。本当に楽しかったよ、イチカちゃんありがとう」とか独りごちて立ち去るんだけれど、夜一人でいる時に「やだよぅ、いやだょう。イチカちゃん…」みたいな感じになる。
そこで誰かが気づいてケアするかどうか、どうケアするかで無限にルートがある感じ。
流石にここまで趣味に走ると一致しないと思うので>105の全開の癖に期待。
- 108二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 20:53:57
早くヤれ
ヤるんだ - 109二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 02:15:24
ほ
し
ゅ - 110二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 11:48:34
保守
- 111二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 12:02:08
ほしゅの
- 112イチミカに脳をやられた人25/09/14(日) 19:57:41
忙し過ぎて書けてないので、その時間でAIにネット上からイチミカ作品を探させてるんですが全然ヒットしない……もしかして無い?
- 113二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 20:22:42
渋にいくつかSSが上がってるの以外はマジで見ない
Twitterでもほとんど見かけない
くるしい - 114イチミカに脳をやられた人25/09/14(日) 20:55:56
渋にいるのか!
AIクローラーだと渋のアクセス禁則でタイトルとURL拾ってくれないんですよね……
時間作って探すしか無いかぁ。 - 115二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 21:12:13
- 116二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 03:04:24
ふたイチカって咥えさせてる時女の子の頭触ったりしてるのかな
- 117二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 12:18:02
保守
- 118イチミカに脳をやられた人25/09/15(月) 13:48:52
後輩ちゃんに対しては普通に撫でてあげるけど、ミカ様に対しては愛おしさが高まってうっかり撫でちゃって謝るし、達する時につい頭押さえちゃって咽せてるミカ様に土下座しそうな勢いだよ(予告)
- 119イチミカに脳をやられた人25/09/15(月) 13:49:55
この人のもう一作の方も良いわね。でもここはエロ前提スレだからこんな綺麗にはならないんだなこれが!
- 120二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 21:22:43
うっかりイラマするイチカはいる
- 121二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 01:18:36
保守
- 122二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 10:12:23
いつも抑制的に振舞っているイチカについうっかりが出るが出る→すごく気持ちよくなってくれたから→幸せを感じてくれた?
→自分の意識的な行為で幸せを与えられる???と学習し、奉仕ひいては尽くす愛に目覚めるミカもいる、きっといる。
その結果気分屋な面が縮小し思慮深い面が芽生えてくるとさらに良き。 - 123二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 19:12:55
イチカがミカを『使う』ようなプレイで無事イケた時、何にもしてないのに誇らしげな表情するミカ
- 124二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:58:17
尽くす事に喜びを感じるミカ良いですね。
- 125二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 07:32:22
ミカはご奉仕は全力でやりそうという風潮あるよね
- 126二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 08:02:48
寝パイズリで自分の上で必死に腰振ってるイチカを慈しむような目で見上げるミカですか
- 127二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 12:32:10
ミカは好き嫌いがはっきりしていていやいやながらとか一回だけみたいな妥協がない、その分やってくれるならノリノリで全力で、かつ楽しんでやってくれそう。
で、そういう行為をご奉仕と呼ぶことから派生して奉仕とは本質的には相手に快を与えるためものであると理解して、
自分に課せられた社会奉仕命令の意味を調べたり考えたりするの。
そしてイチカの手を借りたりして自分を排斥しないコミュニティにこっそり参加したりして人とのつながりを取り戻して健全な精神を取り戻していくの。
で最終的に自分が手に入れたこのつながりはイチカと出会って交際を続けていった結果手に入れたものだからってさらにラブラブになっていくのだ…
- 128イチミカに脳をやられた人25/09/17(水) 21:49:55
記憶は無いが、あれ程安眠出来たのは生まれて初めてじゃないか。
朝、私の熱が下がっているのと怠さの減っているのを確認して、ミカ様は寮に帰られた。辛くなったらすぐ連絡する様にと仰られたが、たまたま一つ屋根の下ならまだしも、わざわざお呼び建てして看病しろと言うのは申し訳無さ過ぎる。嬉しい気持ちが無い、と言ったら真っ赤な嘘になるけれど。
完治した訳では無いので、今日も自宅療養すると先輩方に連絡した。すると、昨日に引き続きハスミ先輩が様子を見に来ると言う。要件は分かっている、昨日一昨日でミカ様が泊まられた件に関する確認だろう。私を心配して下さってもいると言うのは十分理解しているが、第一義ではあるまい。ティーパーティーに復帰されたとは言え、やはり色々とあると言う事か。或いは、私がミカ様に無礼を働いていないかを確認に来るのかも知れないが。その場合はハスミ先輩の個人的な心配か、或いはナギサ様の使いか……まああれこれ考えても仕方無い。無礼は働きまくった心当たりしか無いし。
インターホンが鳴ったのは昼過ぎ。まだ動きの悪い体をベッドから引き摺り起こし、マスクを着けて玄関へ。
「お疲れ様っす」
「お疲れ様です。応対させてしまいすみません、体調は如何ですか?」
「まだ完治じゃ無いっすけど、取り敢えずは動ける様になった感じっすね。えと、良ければ上がってって下さい、風邪移しちゃうかも知れないっすけど」
「……そうですね、ご迷惑で無ければ」
ハスミ先輩を招き入れる。制服の先輩に対し、私はTシャツ短パンと言う超ラフな格好だが、まあ休養中なのだからこの位許されるっしょ。
ハスミ先輩が玄関ドアを閉めた所で、また同じミス、キャビネット上のミカ様写真を片付け忘れた事に思い至った。が、一昨日と違って今日は思いの外に冷静だ。まあ昨日見られてるだろうし、と言う諦めもあるが。
ハスミ先輩も、やはり部屋の中で明らかに異様な一角に視線を向けている。
「イチカ、失礼かも知れませんが」
「大丈夫っすよ」
「ありがとうございます。写真、昨日と変わりましたか?」
「よく分かったっすね。良く撮れてるって言って、ミカ様が一枚持ち帰られて」
ミカ様が目に止められたのは、ビーチの治安維持をミカ様が手伝って下さった際に、一緒に撮った写真だ。データ自体はミカ様にも共有していたし、何枚も撮った写真の一枚としては至極自然な物。 - 129イチミカに脳をやられた人25/09/17(水) 22:30:16
だが一枚だけ抜き取ってみれば、私とミカ様がまるで幼馴染か親友の様な距離感で写っている様に見える。被写体二人共が自然な満面の笑みの瞬間を切り取った、自分史に残る名作。それを、二人の表情が良く見えるサイズでトリミングした物である。二人の関係からしたら誇張気味な写真だとは思ったが、一人で夢見る位は許容されるだろうと印刷してしまった。だってまさかご本人が目になさるとは夢にも思ってないし。
それをミカ様が気に入って下さったので、「私はまた刷れますから」とお持ち帰り頂いた次第。
「これはティーパーティー御用達の写真家って名乗って良い奴っすかね?」
「セイア様とナギサ様のお写真も沢山撮らないとですね。でしたらついでにティーパーティーの身辺警護をお任せしても」
「勘弁して欲しいっす。荷が重過ぎるんで」
などと冗談を飛ばす。この写真が示している事柄に踏み込んでも構わないか、と言う言外の意思確認。
「素敵な写真ばかりです。ミカ様の事をよく見てるんですね」
「盗撮した写真は無いっすよ。被写体の写りが良いんです。雑誌に密着される位ですし」
これは本心だ。たまにミカ様から送られて来る写真は、どれもこれもお美しい限りで。いつも張り付いた様な笑顔を浮かべている私とは大違い。
「否定はしませんが……それだと、こちらの後輩達を撮った写真は写りが悪いと言っている様にも聞こえてしまいますよ?」
「そっちも名作揃いっすよ。皆写真映えする可愛い子達ばっかりなんで」
お湯を沸かしてお茶でもお入れしようと思ったが、先輩に手で制される。病人が持て成しなど考えなくて良い、と言う事か。代わりにハスミさんが水筒で紅茶を持って来て下さったと言うので、お言葉に甘える。
「昨日、ミカ様ハスミ先輩に何か仰ってました?」
「……いえ、イチカに迷惑を掛けて申し訳無い、とだけ」
「そすか」
二秒程度の沈黙から、嘘を吐いている事は白状するが今踏み込むな、と言う意思を感じた。藪を突く趣味は無いので気付かなかった事にする。ミカ様が私について何か言っていたのなら滅茶苦茶気になるけど、正直にミカ様に訊いても良いかも知れないし。
「単刀直入に言いますけど、ミカ様と変な事は特に無かったっすよ。外泊許可もミカ様がちゃんと取られてましたし」 - 130二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 04:39:58
なんか怪しげな感じ?
- 131二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 06:50:42
ミカ?本当に許可とった(取れた)の?
- 132二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 14:37:51
それか、仮にも元クーデター主犯だから体裁の問題とかありそう
- 133二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 23:03:58
- 134二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 06:53:40
保守
- 135二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 12:45:27
- 136二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:36:43
保守
- 137二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 05:17:37
保守
- 138イチミカに脳をやられた人25/09/20(土) 11:29:42
もしかしてハスミのエミュってムズイ?
- 139二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 18:38:04
会話に特徴的な部分があんまりないですし難しめな気はしますねー
- 140二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 19:50:13
- 141イチミカに脳をやられた人25/09/20(土) 22:35:26
- 142二次元好きの匿名さん25/09/20(土) 22:39:56
ミカの効果大贈り物がサミュエラの香水で、イチカの効果特大もサミュエラなんだよな……
- 143二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 07:47:01
- 144二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 17:01:28
ペアアイテムの購入はミカの環境的に厳しい。
が、イチカの部屋に置いて置くなら何とかなる。という訳でイチカがんばれ、おうちデートでペアルックとかなかなかいいぞ。 - 145二次元好きの匿名さん25/09/21(日) 23:21:50
保守
- 146二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 08:06:39
つづきまち
- 147イチミカに脳をやられた人25/09/22(月) 09:49:36
何かを間違えていたらしい、申し訳無さそうな苦笑いを向けられた。
「不信感を与えましたね、すみません。決して、ミカ様を疑って聴取に来た、と言う訳では無いのです」
「じゃあ、寧ろ私がミカ様に粗相無かったか、とか?」
「……否定はしませんが、悪い意味ではありませんよ。目上の応対に慣れていない状態で二人きり一晩一緒に、と言うのは殊の外疲れると思いますから。意外と緊張しいな後輩を心配して見に来た、とでも思って貰えれば」
「面目無いっす」
確かに、緊張や恐縮が無かったと言ったら嘘になる。けどそれはミカ様の身分が原因と言うよりか、いや身分も原因の一つには違い無いんだけど、主要因はもっと個人的な問題ではあるんだけど。
「まあ大丈夫っすよ。慣れたって訳じゃ無いっすけど、ティーパーティーの人も私と同じ人間だって分かったんで」
ミカ様が風邪引かないのはやっぱ違う生き物な気がして来たけど、と付け加えると、ハスミ先輩は何とか笑いを堪えている。
「それだけ冗談が言えるなら大丈夫そうですね」
そう言い、ハスミ先輩は帰り支度を始めた。
「えっもう良いんすか? 何か訊きに来たんじゃ」
「主目的はお見舞いです。他に何も無いとは言えませんが……確認したかった事は全部片付きましたので。あと、これを」
手渡されたのはメロン、マンゴー、パイナップルそれぞれのカットフルーツ。
「え、切ってある奴じゃないすか! いえ、ありがたいですけど、わざわざ高い方を……」
「集中力が落ちている時に包丁を握るべきではありません。私が全て切って行っても良いのですが、元々切られている製品の方が少しは冷蔵庫で長持ちするでしょう」
すぐお出ししようかと思ったがもう帰るからと制された。
「それに、いつもお世話になっている後輩への見舞いの品で、金額を気にする先輩だと思われたくありませんから」
「……そうっすね。じゃあ、小腹減った時にでもありがたく頂くっす」
「そうして下さい。では、お大事に。完治するまでは無理しないで下さいね。緊急の案件があれば連絡します」
ハスミ先輩が出て行った部屋で、僅かな疲れを感じベッドに座り込む。思いの他気を張っていた様だ。結局何を確認しに来たのかは分からなかったが。
そう言えば、私がミカ様を慕っている事、多分ハスミ先輩にとって公然の秘密になってしまった。言い触らす人では無いけど…… - 148二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 18:38:06
特に何事も無かった…?
ハスミめ思わせぶりな - 149二次元好きの匿名さん25/09/22(月) 20:25:58
油断するにはまだ早い、これは多分イチカをカヤの外にしたまま進む類のトラブルだ(恐怖)
- 150二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 03:59:57
保守
- 151二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 12:16:57
保守
- 152イチミカに脳をやられた人25/09/23(火) 21:04:06
今日は一日サボると決め込んだけれど、無趣味ガールがサボった所でする事なんか見付からないので、久々に自分からミカ様へモモトークを送ってみた。
『わりと体調良くなって来ました』
数秒の後に既読が付き、返信。
『おー、よかった!』
『今ね、アリウスの子たちにトリニティの事教えてあげてるんだ』
『もうすぐ休憩おわっちゃうから、また後でね☆』
前から思ってましたけど、ミカ様既読付くの早過ぎません?
最近は公務・プライベートを問わず、アリウス分校から来た生徒達と積極的に接しているらしい。トリニティに馴染める様、最低限の知識や学業について教えているのだとか。もしかしたら、ミカ様が本当にやりたかった事を、ようやく満足に出来ているのかも知れない。
……昼過ぎだけど、暇だ。気分転換に散歩でもしますかね。今日は休みだから制服は必要無い。短パン、タンクトップ、パーカーを着てライフルを引っ掴んだ。
丸二日ぶりの直射日光が目に突き刺さる。いや、一昨日は曇りと雨だったからもっと長いか。
トリニティの中心部へぶらぶらする。普段は任務だったり、後輩ちゃんを引き連れてたりするから、一人でゆっくり歩く機会は意外と少ない。
市街地を歩いていると、遠くに見覚えのある姿が見えた。あれは、ミカ様とアリウスの子達が四人。活動場所は知らなかったけど、この辺だったとは。談笑しながら移動中らしい。
何と無く気になり、遠巻きに付いて行ってみる。すると、自分と同じくミカ様達の後を付ける人影が見えた。一人はティーパーティーの制服に見える、残りの二人は……恐らくは普通の制服だろう。ミカ様の追っ掛け……では無い気がする。治安維持部隊の勘が何かを訴えているので、こっちの三人の様子を伺う事にした。
五分程歩くと、ミカ様達の集団からアリウス生一人が離れた。恐らくこの辺りに宿舎があるのだろう。とすると、ミカ様は街の紹介がてら、各人を家の近くまで送ってらっしゃるのだろうか。
すると、尾行している三人組が動いた。ミカ様達では無く、別れた一名に向かっている。残念ながら勘が当たっているっぽい、見付からない様に彼女らと距離を詰める。
三人組はにこやかにアリウスの子に声を掛け……路地へ入って行った。今日非番なんだけどなぁ。 - 153二次元好きの匿名さん25/09/23(火) 23:26:36
彼女の夢の実現のために、彼女の夢を守るためにがんばれイチカ。女を見せろ!
- 154二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 08:00:59
保守
- 155二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 14:55:13
保守
- 156二次元好きの匿名さん25/09/24(水) 23:00:22
保守
- 157二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 05:21:05
保守
- 158イチミカに脳をやられた人25/09/25(木) 09:23:32
保守ありです業務に追われてました、今夜には……
ところで1スレ目で議論されてた弱弱イチカをまだ書けてないので本編入ってないんですよね() - 159二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 18:19:08
いまはいろいろ溜めている期間なんですよッッッ
- 160二次元好きの匿名さん25/09/25(木) 22:54:48
保守
- 161二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 02:49:35
まだ情事の描写もないってのに
- 162二次元好きの匿名さん25/09/26(金) 12:05:12
昼保
- 163イチミカに脳をやられた人25/09/26(金) 20:21:57
実は昨日今日で東京ゲームショウ取材関連の仕事があって遅れております、ご容赦を……
今年はTGSにブルーアーカイブは出展してないのよね。残念。 - 164二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 01:12:50
保守
- 165二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 05:13:21
朝保
- 166二次元好きの匿名さん25/09/27(土) 13:30:24
TGSですか。一回しか参加したことありませんがすごく楽しかった記憶が、仕事でとなるとそうもいかないんでしょうけれども。
お疲れ様でした。 - 167イチミカに脳をやられた人25/09/27(土) 21:36:45
建物の角に身を隠しながら路地を伺う。三人でアリウスの子を取り囲む様な立ち位置。はっきりとは聞こえないがどうせ碌な話ではあるまい。
でもまだ確定条件が無い、もう少し何か……と思っていると、ティーパーティー制服の生徒がアリウス生を壁に向けて突き飛ばし、アリウス生が怯える様な仕草を見せた。十分かな。
足元の石を路地へ蹴り飛ばし音を立てる。
「やっほー、何の話してるっすか?」
「え……あんたには関係無い話よ」
「ねー、そうだもんねー?」
「え、えっと……」
完全に怖がっている、明らかに愉快な状態では無い。
「そもそも誰さ?」
「新入りに圧迫的な接し方してる先輩方に声掛けするのに何か肩書が必要っすか?」
近くで見ると、恐らくティーパーティーの二人は三年生。もう一人は下の学年な気がする、どちらかの身内かお気に入りか。
普通に歩いて近付くと、こちらの様子に気押された様に、私とアリウス生ちゃんの間にいる生徒が道を空けた。
そっと手を取り、表通りの方へ出る様促しつつ耳打ち。
「他に仲間がいるかも知れないっす、取り敢えずミカ様に合流して下さい」
「う、うん……!」
走り出すのを見送り、改めて三人へ向き直る。
「貴方、何のおつもりかしら? 私達が一体何をしたと言うのかしら?」
「最近、アリウスの子達にちょっかい掛けてるお偉方がいるって噂になってましたけど、まさかお三方でしたとは。いやー、参っちゃうっすねぇ」
デタラメだ。アリウス生周りでの差別的な行動の話は正実でもよく聞くが、特定の立場あるグループが積極的に動いている、なんて報告は入って来ていない。でも、もし本当にティーパーティー構成員が関わっているなら、色んな力学で正実には連絡が入ってないかも知れないと思いカマを掛けた。三人の動きがやけに手慣れている気がしたのも理由の一つだが。所がどうして、三人はちゃんと慌て始めた。ビンゴかな。
「ちょっと、何でそんな話出回ってんの!」
「噂だと仰ってます、私達の事とは限らないでしょう?」
「でも何か確信に満ちた目してるよ」
貴様が犯人だ、と決め打ちした様な確信マックスの目を向ける。
「自警団か正実か、それとも正義の味方ごっこか知りませんが。私達の事は放っておいた方が身の為ですよ?」
「それは、お三方がある程度の立場にある、って意味っすか?」 - 168二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 06:25:34
まさかミカの恋人とは思うまいよ
- 169二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 15:09:51
- 170二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 19:37:32
- 171二次元好きの匿名さん25/09/28(日) 21:33:00
イチカと茶会娘sは夏空のやくそくのミニゲームで共闘していたりするから戦友的なシンパシーがあるといいなと思ってる。
特にナギサは無茶な業務量をぶん投げたのに文句を言わず腐らずやり遂げたイチカへの評価は高いと思う。
あれを正史扱いしていいのかは分からんけれど。 - 172169 17125/09/29(月) 04:51:50
イチカ→ナギサ 何でしょうこのボタン?ポチーをやる人であることを知る現茶会三年生以外では数少ない人物。
ただセイアからの解説はないだろうから「え?なんなんすかこの人(引き気味)」で終わっている可能性高が高い?
あとミニゲームで私も前線に出ます!したから困った要護衛対象認識もあるかも
イチカ→セイア わんぱくFOXの印象は少ないかも。あとミニゲームで(ry)
ナギサ セイア→イチカ 一生懸命職務に励む優秀な正実委員おそらく次期幹部認識、くらい。
イチカ⇔ミカ イチカがエデンの時の周辺含めた事情をどれだけ知っているか?による部分が大きすぎて…
という訳で大体同じゃないかなーと。
- 173二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 05:21:19
- 174二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 05:27:27
このレスは削除されています
- 175二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 05:30:34
茶会と正実の関係については夏空の約束ミニゲーム冒頭でナギサ様がイチカに直接指示出ししていたような記憶があって頭抱えてる
- 176二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 06:27:37
イチカ個人の立場が弱くても正実として守るべき個人、(おそらく)現幹部、次期上級~最高幹部だから案外平気じゃねぇかな。
今回は非番なのが痛いが。
あと例にあげてくれた件は個人の暴走が原因だったり例外中の例外案件じゃろ?それを持って関係性を語るのはどうかと。
それがきっかけで正実が茶会に不信感を持つようになったと言われればまぁそうね…
- 177二次元好きの匿名さん25/09/29(月) 15:33:34
保守
- 178イチミカに脳をやられた人25/09/29(月) 21:11:27
事実はどうあれ、ティーパーティー内部の人間にとっては、正実の一個人は政治的に取るに足らない存在に見えてると思います。
実際、ミカの妨害の結果、対アリウスで誰もコハルを助けに来なかった訳ですし。 - 179二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 07:03:34
保守
- 180二次元好きの匿名さん25/09/30(火) 16:30:20
保守
- 181二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 00:51:41
つづきまち
- 182二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 09:44:36
保
- 183二次元好きの匿名さん25/10/01(水) 19:06:38
保
- 184二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 02:04:20
一回何かのきっかけでイチカに抱き潰されて(こう言うのも良いな……♡)ってなるミカもいそう。
- 185二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 12:00:12
保
- 186二次元好きの匿名さん25/10/02(木) 21:30:43
保
- 187二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 06:19:27
- 188二次元好きの匿名さん25/10/03(金) 15:38:55
そろそろ次スレか
- 189イチミカに脳をやられた人25/10/03(金) 18:26:06
「ええ、その通りです。これでも多少は名のある立場、一般生徒の一人、どうにかするなど造作も無い事です」
「へー」
頭を巡らせる。一番手っ取り早いのはとっとと帰る事。私が誰か分かっていない様だし、面倒事にはならない筈。でもそれだと抑止力が働かない、次も誰かに手を出すだろう。
名乗らずとっちめてしまえば話は早いけど、その手段は安易に取らないと自身に課している。
「治安維持組織を呼ぼうなどとは思わない事ですね。正実はお役に立たないと思いますよ? 自警団は……後々、彼女達に迷惑が掛かるかも知れませんね」
そんな事は百も承知だ。先のクーデター未遂ではティーパーティーからの干渉で正実が理想的に動けなかった、そう理解している。自警団はある程度の支持こそ集めているが、政治的な発言力はほぼ無い。彼女の様な『上級生』から睨まれれば、かなり困った事になるのは明白だ。
経験上こう言う輩に対しては、シンプルにビビらせてやるのが一番なんだけど……取り敢えず聴取からするかな。
「で、どうしてあの子にちょっかい出してたっすか?」
「あのアリウス生ですか? 私達があの子に一体何をしたと言うんです?」
「何って……」
困った、動きを見て割り込んだけど、具体的に何の話をしていたのかは分からない。正実なら、それでも怪しいってしょっ引いてしまえば済む話だが、今は一般人なのでそうも行かない。
「何、言い掛かりならどっか行ってくんない?」
仕方無い、この生徒達の身元だけ覚えて、後からミカ様経由でさっきの子に話を聞くしか無いか。と思っていた時。
「えっイチカちゃん!?」
表通りの方から、出来れば来て欲しく無かった人の声がした。少し問題がややこしくなりそうだったから。
「あらミカ様。ご機嫌よう。成程、貴方が、最近ミカ様のお気に入りだと噂の仲正イチカさんですか」
噂になっているのは知らなかった。が、まあ頻繁に会って一緒に遊んだりしてれば、陰謀論大好きなこの学校だとすぐ話題になるだろう。友達と遊んでいただけなのだから、別に隠す必要も無かったけれど。
「早とちりして食って掛かる、血気盛んなお方だとは思いましたが、成程イチカさんでしたか。通りで、魔女のお仲間なら納得です。向こう見ずで野ばんぎぇっ」
「あっヤベ」
うっかり顎に右のハイキックを入れてしまった。 - 190イチミカに脳をやられた人25/10/04(土) 02:05:59
「イチカちゃん!?」
ミカ様がギョッとしているのが分かる。残る二人は、私が蹴り飛ばした生徒に駆け寄って騒ぎ始めた。ミカ様の二度の大声を聞いて、表通りから多少注目を集め始めている気がする。
あー、面倒臭い事になりそうっすねぇ……かくなる上は。
「ミカ様、この人達誰か分かりますか?」
「あ、えと、ティーパーティーの二人は」
「上々です! 一回逃げるっすよ!」
ミカ様まで駆け寄り手を取ると、そのまま走り出した。
「えっナニコレどう言う状況!?」
「詳しくは後で話すんで! 今は三十六計逃げるに如かずっす!」
「……おっけー☆」
ミカ様は状況に乗っかる事になさった様だ。
二人で手を繋いだまま、路地裏を駆け、大通りへ飛び出し、街を走り抜けて。宛ても無く、とにかく視線を切る様に走り続ける。
そう言えば、ミカ様としっかり手を繋いで外を歩いた事はあっただろうか。女の子同士ではこんなスキンシップ珍しく無いとも聞くけど、考えてみれば初めてかも知れない。
ちらりと横を伺うと、ミカ様は笑ってらした。気付くと、私も笑っていた。明らかにトラブルになりそうな状況で笑い事では無いのだが。ミカ様とただ走る、それだけの事が、楽しくて仕方無かった。多分、昨日一昨日の事があってテンションがおかしいのだと思う。でもそんなのがどうでも良くなる位、何故か分からないが愉快だった。
どの程度走ったか。二人共息が上がってしまい、通り掛かった喫茶店でへばる。
「はぁっ、はぁ……イチカちゃん、足、速いねぇ」
「ミカ様、こそ……はぁ、流石っすね」
なんて言って、どうしてか可笑しくて、また笑いが込み上げて来る。ランナーズハイと言う奴だろうか、それだけでは無い気がした。
ドリンクバーをがぶ飲みし、ようやく少し落ち着いて来る。
流石にいつまでも問題から目を逸らしている訳には行かないので、私が口火を切る。
「あの、トラブルに巻き込んでしまって申し訳無いっす」
「え? イチカちゃんがあの子を守ってくれたんでしょ? 私がお礼こそすれ、謝られる要素は無いと思うけど」
「いえ、蹴り飛ばしちゃった、ってか脳震盪起こして完全ダウンしてましたし」
「あー……」 - 191イチミカに脳をやられた人25/10/04(土) 02:15:04
- 192二次元好きの匿名さん25/10/04(土) 08:19:01
うっかりいつもの癖が出ちゃったイチカに笑った