(CP閲覧注意)慰めるよ…2回目

  • 1二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:34:36

    ドスケベ卑しか雌猫ニャアンがエグザベくんを毎夜毎夜妄想して自分を慰めるだけでは飽き足らず、本体にも手を出すSS続編です。


    1スレ目https://bbs.animanch.com/board/5486679/?res=188

  • 2二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:37:57

    「療養のためのお休みを貰えたんだ。何かお礼させてくれよ」

    ニャアンはジトっとした目でエグザベを見つめる。

    「……療養に専念してください」

    ニャアンにしては淡白だな。
    とりあえずエグザベはニャアンと共にタクシーに乗り、街に向かうことにした。

    「そういえばニャアン、家には帰らなくていいのかい?」

    「マチュから少尉が完全回復するまで帰らなくていいと言われてます」

    「迷惑かけたね」

    「私が勝手にやってるだけです」

    ニャアンはエグザベの肩にもたれかかる。
    目を瞑り、すぐに寝息が聞こえた。

  • 3二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:39:08

    ずっと病院で看病していたんだ、きっと疲れが溜まっていたのだろう。

    「(1週間何しようかな……とりあえず宿を手配して、ニャアンを休ませないと)」

    携帯電話を取り出し、すぐに休めるホテルを探した。

  • 4二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:42:42

    タクシーがホテルの前に停車する。
    ニャアンは起きる気配がない。

    仕方がないのでニャアンを腕に抱き上げ、ホテルの部屋まで運ぶことにした。

    「(見た目通り、軽いな……)」

    病み上がりで自信がなかったが、ニャアンは心配になるほど軽く、難なく運ぶことができた。

    オンラインで手続きは済ませているので、ホテルのエントランスで身分証明書を見せたらすぐに部屋まで案内される。

    「お連れの方は、どこか具合が良くないのですか?」

    ホテルスタッフはニャアンを見ながら問いかける。

    「疲れが溜まっているみたいです。寝顔は穏やかですよ」

    エグザベの返しにホテルスタッフは小さな笑いをこぼした。

  • 5二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:43:52

    案内された部屋のベッドにニャアンを寝かせ、毛布をかけてやる。

    「僕も少し休もうかな……」

    エグザベは身体を伸ばしながら、隣の部屋に向かった。

    「(良かった、空いてる部屋が二つあって)」

  • 6二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:45:47



    久しぶりの柔らかいベッドの上で、ニャアンは穏やかに寝息を立てている。

    エアコンの風が前髪を揺らし、ニャアンの意識はゆっくりと覚醒する。

    「(すごく快適……ずっと寝てたい)」

    「(快適……?)」

    「えっ!?」

    眠気が吹っ飛び、ニャアンはすぐに飛び起きる。

    柔らかくて大きなベッド、整えられた内装……ここはホテルだろうか。

    タクシーで眠ってしまってから、ここまでの記憶がない。

    「(……少尉はどこ?)」

    もしかして置いて行かれてしまった?
    ニャアンの頭に不安がよぎる。

    急いで携帯電話を確認すると『右隣の部屋にいます』とメッセージが残されている。

    ニャアンはすぐにそこへ向かい、ドアチャイムを連打する。

  • 7二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:46:53

    「ニャアン、起きたのかい?」

    扉を開けたエグザベを、ニャアンはジトっとした目で見上げる。

    「どうして別室なんですか……」

    「その方がニャアンも落ち着けるかと思って」

    少尉はおかしいです。
    普通こういうのって同室じゃないんですか。

    そんな言葉をニャアンは飲み込む。

    「部屋に……入れてもらってもいいですか」

    「別にいいけど、どっちも同じ部屋だよ?」

    エグザベは何の疑いもなくニャアンを招き入れる。

  • 8二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:49:16

    ニャアンは先ほどまでエグザベが眠っていたであろう、わずかにシーツが乱れたベッドに腰掛ける。

    「少尉……何かお礼してくれるって言いましたよね」

    「うん、僕にできることならなんでもするよ」

    「なんでも?」

    ニャアンはエグザベを見つめる。

  • 9二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:52:59

    「オートロック、閉め出されちゃいました……」

    その言葉にエグザベは肩透かしを食らう。
    どうやら部屋を飛び出してきたせいで、ルームキーの存在を忘れてしまっていたそうだ。

    「代わりにフロントに行くよ」

    エグザベの言葉にニャアンは首を横に振る。

    「この部屋で過ごします。なので少尉は私と一緒に寝てください」

    ニャアンは座っていたベッドにそのまま横たわり、シーツに顔を埋める。

    「それは……恥ずかしいな」

    「嫌ですか?」

    「嫌ではないけど、心の準備が……」

    「何をおぼこいことを……」

    ニャアンの呆れたような声に、エグザベは応える。

    「ニャアンはそうじゃないの?」

    「失礼なこと聞かないでください」

    ニャアンはエグザベに背を向ける。

  • 10二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 19:58:25

    時刻は夕方、街に出てすこし散歩でもすれば夕食どきにはちょうど良いかもしれない。
    ベッドの上で身体を丸め、そのまま眠ってしまいそうだった。

    「今寝たら夜眠れなくなるよ、散歩でも行こう?」

    ニャアンはその言葉を聞くとのそりと身体を起こし、手早く衣服を整えた。
    同意してくれたということだろう。

  • 11二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:42:54

    新スレ乙


    >>6

    画像の勢いに笑ってしまった

    ニャアン必死だなあ

  • 12二次元好きの匿名さん25/08/27(水) 20:51:33

    面白かわいいぞニャアン

  • 13二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 00:23:30

    保湿

  • 14二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:04:13

    ホテルを出て外出する二人。
    「ずっと病院にいたので気が付かなかったですが……暖かいですね、この地域は」

    「そうだね、せっかくだし涼しい服でも買おうか」

    二人はショッピングモールのような場所に入る。
    エグザベは手早く自分用の衣服を数点購入する。

    「冒険しないんですか」

    同じようなデザインの服が袋に詰められるのを見ながら、ニャアンは呟く。

    「まあ……目立たなくて快適なものを選ぶと同じようなものばっかりになるよ」

    軍の支給品だと目立ってしまうし。
    エグザベは心の中で付け加える。

    「僕の買い物は終わったし、ニャアンの服を選びに行こうよ」

    「はい」

    ニャアンはエグザベを引き連れ、ショッピングモール内の女性用の衣服の店を見て回る。
    ニャアンはショップに入ると真っ先にセール品コーナーへ向かい、その中から好みの服を見つけると値札を確認する。

    「(うーん……どのお店も価格帯が高いものばっかり)」

    もはや服よりも値札を見ている状態のニャアンに、エグザベは何の気無しに声をかける。

    「あの服なんて、ニャアンに似合いそうじゃない?」

  • 15二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:07:20

    エグザベが指差す先には、スレンダーなデザインのロングワンピースを着たマネキン。

    「少尉はああいう服が好みなんですか? 少し露出が多くありませんか?」

    「えっ!? そういうわけじゃなくて!」

    「まあ、悪くないセンスですね。私も気に入りました。少しは奮発しても良いでしょう」

    ニャアンはワンピースの値札を見るが、予算を遥かに超えていた。
    ニャアンは身体を大きく仰け反らせた後、姿勢を戻すとつかつかと無言で店を出て行く。
    一度でも気に入った服を、二度と視界に入れないように。

    「(え? えぇ〜?)」

    ニャアンの奇行に、エグザベは困惑する。

  • 16二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:11:00

    なんだかんだで買い物を終え、二人は飲食店で購入した飲み物を片手にベンチに座る。

    「ニャアン、少しお手洗いに行ってくるね」

    エグザベはベンチを離れる。
    ニャアンはエグザベを見送ると、携帯電話を確認した。

    マチュからの『1週間もあるなら既成事実作れるね! 作るまで帰ってこなくていーよ!』というメッセージと、2匹のクラゲが絡み合った結果互いの毒でシビれているスタンプを見て、ニャアンは顔を赤くする。

    『マチュの変態。毒クラゲ怪人マチュマンウーマンに変態しちゃえ』と返信し、電源を切る。

    「(少尉……お手洗い長いな)」

    そう考えるニャアンの背後から、ガサリと紙袋が擦れる音がした。

  • 17二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:13:45

    振り返ると洋服屋の紙袋を持ったエグザベがいた。

    「遅くなってごめん」

    エグザベは気まずそうにしながら、それをニャアンに差し出す。

    「これ、ささやかだけど看病のお礼になればいいかなって……」

    紙袋の中には先ほどの洋服屋のワンピースが入っていた。
    その服を見て、ニャアンは緩む口元を手で隠した。

    「エグザベ少尉は……まるで彼氏みたいなことをしますね」

  • 18二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:15:35

    「え……? 僕たち付き合ってなかったの……!?」

    エグザベは顔を真っ青にする。

    「冗談ですよ。着替えて来て良いですか?」

    ニャアンは満面の笑みで紙袋を抱きしめる。

    「ありがとうございます。少尉」

  • 19二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:17:27



    「お兄さん、一人ですか?」

    露出の多い服装をした女性が、ベンチに座ってニャアンを待つエグザベに声をかける。

    エグザベが何かを言う前に、女性は隣に座り、頬を赤く染めながら矢継ぎ早に話し始める。

    「(ここから離れるしかないか……)」

  • 20二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:20:43

    「私の恋人に、何かご用ですか?」

    褐色肌に、長くきれいな髪をした少女が女性に声をかける。
    スレンダーなワンピースはすらりと伸びる手足を引き立たせ、整った顔で冷たく女性を見下ろす姿は凄まじい存在感と圧力があった。

  • 21二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:22:46

    ニャアンに気圧された女性は冷や汗をかきながらそそくさと去っていった。

    「……だめじゃないですか、少尉」

    女性の姿が見えなくなると、いつものニャアンに戻る。

  • 22二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:25:14

    「ご、ごめん……」

    立ち上がったエグザベの腕に、ニャアンは自分の腕を絡ませる。

    「私の機嫌が良かったことに感謝してください」

    ふわりとニャアンの匂いを感じる。
    エグザベはどきりとして、思わず彼女から顔を逸らした。

    「(やっぱりこの服は露出が多すぎるのかもしれない……)」

  • 23二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 01:28:43

    「(肩出し程度で大袈裟なエグザベ少尉……だけどそこが良いのです……)」

    「(知らない女の人……怖かった)」

  • 24二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 07:00:50

    街を散歩し、たまたま立ち寄った店で夕食を済ませた二人はホテルに戻る。

    ニャアンはさも当たり前のようにエグザベと同じ部屋に入る。

    「(もはや何も言うまい)」

    エグザベはもはやそれをそういうものと受け止めた。

    ニャアンはホテルに戻る道中で買い込んだお菓子と飲み物をソファの前のテーブルに広げる。
    時刻は午後8時を過ぎたばかりで、まだまだ夜は始まったばかりだった。

    「少尉、ここのホテルはいろんな映画が観られるみたいですよ」

    何を観ましょうか、などと呟きながらニャアンは壁に埋め込まれた大きな液晶モニターの電源を入れる。

    「すごいな、宇宙世紀以前の映画もある」

    ソファに座るニャアンの隣にエグザベは腰掛ける。

    「すごく怖い映画を観ましょう」

    「ニャアンはそういう映画が好きなのか。あんまりグロテスクなやつじゃなければ何でもいいよ」

    「(私は映画にかこつけて合法的に少尉にくっつきたいのです)」

    ニャアンはそんなことを企みながら、ランキング上位に表示されているホラー映画の中からスプラッタ映画以外のものを選ぶ。

    「(映画には申し訳ないけれど、これは必要な犠牲……)」

    ニャアンは再生ボタンを押した。

  • 25二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 07:02:07



    「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ」

    ニャアンは顔面蒼白で、身体を震わせながら放心状態になっていた。
    映画はまだ三分の一も進んでいないが、一時停止されている。

    映画は想像の114514倍は怖かった。
    ニャアンの当初の予定だった、ホラー映画が怖いからという大義名分でエグザベにくっついてイチャイチャする計画は大失敗した。
    本気の恐怖でもはや取り繕うこともできず、ニャアンはソファの隅っこで身体を小さく丸めている。

    「ニャアン、気分を変えよう! 何だかこの、頭部が調理済みのパンで、パンの中には豆を甘く煮たペーストが詰まっている男性の映画が子供向けで第一位みたいだよ!」

    「豆を甘く煮たペースト……? 餡子のこと……? 何それ怖い……」

  • 26二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 07:04:21

    逆効果だった。
    ニャアンは震える手でエグザベの服の袖を掴む。

    「こ、これから一人でお、お風呂に入るの……無理です」

    「お手洗いも怖いです……」

    ニャアンは必死の形相で訴える。
    いつものからかいや下心から来る圧力ではなく、本気でそう思っているのがわかった。

  • 27二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 07:09:18

    彼女に自分好みの服を着せちゃうエグザベくん…
    フフフ…

  • 28二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 11:38:31

    イズマで暮らしてたならあんこは結構メジャーだっただろうな……

  • 29二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 18:29:18

    「……少尉、一緒にお風呂に入ってくれませんかっ」

    ニャアンの必死の形相から繰り出されるお願いは、とても聞き流せるものではなかった。

    「!? それは……色々と問題が……君は恥ずかしくないの?」

    エグザベは歯切れ悪く応える。

    「私の身体なんて色気の欠片もない板のようなものですよ……」

    ニャアンは自身の平坦な胸部を両手でぽんぽんと触る。

    「もちろん全てを見られるのは恥ずかしいですけど……少尉なら構いません。おばけよりずっとマシです」

  • 30二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 18:32:22

    「そういう問題じゃなくて……もっとこう、貞操観念的な意味で……」

    「私は眠っている少尉の身体を拭いたこともありますよ……?」

    「それは初耳なんだけど!?」

    「上半身だけですよ。あの時は必死だったのでそれどころじゃなかったですし」

    ニャアンとエグザベは揃って顔を赤くしながら視線を交わす。

    「少尉は自分だけ見られて、不公平だと感じませんか……?」

    ニャアンはもはやワケワカの状態でエグザベに問い詰める。
    自身の身体を見られるのは恥ずかしい、しかしおばけは怖い。でも今日は汗もかいたからお風呂に入らないと気持ちが悪くて眠れない、少尉とイチャイチャしたい。
    上記全てが合わさった結果出力された説得は、いやらしいことこの上ないものであった。

  • 31二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 20:42:29

    プルプルしながら飼い主にしがみつくニャンコ・・・

  • 32二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 21:40:00

    本当にそれどころじゃなかったんだろうけど前スレで少尉の裸を妄想してしてたんですよね……
    それはそれとしてお風呂はギリOKとしてもトイレは駄目だよ特殊すぎるよ

  • 33二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 21:53:05

    とりあえずエグザベくんには目隠し状態で待機してもらって・・・

  • 34二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:08:02

    広い浴槽の隅っこで、ニャアンは膝を抱えて丸まっていた。
    エグザベはそんなニャアンの後ろで目を瞑り、行き場のない両腕を持て余していた。

    そんな彼の様子を知ってか知らずか、ニャアンは自身の背中を彼に強く押し付けるような形で密着する。

    「ニャアン、くっつきすぎじゃないかな、これ」

    ニャアンが密着を通り越して圧迫をしているため、エグザベは身動きが取れない。

    「おばけは背後にいるものなんです、背中が怖いんです」

  • 35二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:09:07

    「そんなに怖いの?」

    「怖いに決まってるじゃないですか……もしおばけがいるなら、私の周りにはたくさん居る」

    暗い声だった。
    エグザベは薄目でニャアンの様子を見る。

    頭を俯かせ、薄い肩を落とし、丸まった細い身体は怯えているように見えた。

  • 36二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:10:12

    エグザベ少尉!そういう時はびっくりするほどユートピアと叫ぶんだ!!

  • 37二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:10:42

    怖い話聞いた夜のシャンプーはこわい
    ニャアンはヘアケア全般時間かかりそうだからなおさら

  • 38二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:11:17

    エグザベは彼女の身体に腕を回し、抱きしめた。

    「な、なんですか突然……」

    ニャアンは震えた声を出す。
    エグザベはニャアンのうなじに口付けをする。
    ひゃぁ、と吐息混じりの声が浴室に響く。

  • 39二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:12:46

    「僕は生きた人間の意思に勝るものはないと思ってる。君の周りにたくさんおばけがいたとしても、それを気にせず、一緒に生きる人間たちを見ればいい」

    「……そうですね。じゃあ、そうします」

    ニャアンは自身を抱きしめているエグザベの腕を解かせ、振り返る。

    「何で目を瞑ってるんですか」

  • 40二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:13:56

    「見ないようにしているんだよ……」

    「どうなっても知りませんよ」

    ニャアンはエグザベの頬を両手で包み、キスをする。

    「!?」

    驚きで目を見開くエグザベ。

  • 41二次元好きの匿名さん25/08/28(木) 22:15:05

    「キスすると目を開けるなんて、まるで童話のお姫様ですね」

    冷静な声とは裏腹に、ニャアンの顔は真っ赤だった。

    「ニャアン、顔が真っ赤だぞ……」

    「のぼせてます……かなり」

    「危ないからすぐにお風呂から出よう!」

  • 42二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 00:29:38

    のぼせたふらふらニャアンを介抱してあげないとねエグザベくん

  • 43二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 05:15:33

    これは今晩はお預けですね……
    墓穴掘ってるぞニャアン

  • 44二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 07:29:22

    びしょ濡れニャアン自分で服着れる?大丈夫?

  • 45二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:03:04

    エグザベはのぼせているニャアンを湯船から引き摺り出し、自分はタオルを腰に巻いて局部を隠しつつ、ふらふらと揺れる身体を支えながらバスローブを着せようとする。

    「(なるべく見ないように……僕のNT力、頑張ってくれ……)」

    エグザベの圧倒的なNT能力により、目を閉じている状態でもニャアンにバスローブを着せることに成功する。

    バスローブを着せたニャアンを一旦ソファに座らせ、エグザベもバスローブを着用し、次はニャアンの濡れた髪をタオルで拭き始める。

  • 46二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:05:07

    ニャアンはぼんやりとした意識の中、不器用ながらも優しく髪を撫でる感覚に顔を綻ばせる。

    「(エグザベ少尉、キシリア様みたい……)」

    ずっとこうしていたかったが、視界が揺れており、すぐにでもベッドに横たわりたかった。

    「少尉、もう大丈夫です」

    ニャアンは立ち上がり、おぼつかない足取りでベッドに向かい、倒れ込む。

    「風邪ひくよ」

    「少尉だってびちょびちょですよ」

    「君と僕とじゃ違うだろ」

    エグザベはベッドに腰掛け、タオルでガシガシと自分の髪を拭き始める。
    先ほどのニャアンの髪への扱いとは雲泥の差だった。

  • 47二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:06:15

    「そんなふうにしてたら、髪が傷んでしまいますよ」

    ニャアンは半身を起こす。
    バスローブがはだけ、なめらかな肌が露出する。
    ニャアンは自分の身体を色気の欠片もない板と言ったが、湯上がりの赤みを帯びて、みずみずしくしなやかな肢体はそれだけで官能的で、彼女なら男性を惑わすことくらい造作もないのではないかと思わされる。

    エグザベはすぐにそれから目を逸らす。

    「どうしてずっと私から目を逸らすんですか」

    ニャアンは不満げな声で、エグザベにしなだれる。

  • 48二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:07:29

    「少尉、私少尉に言ってないこと、まだまだたくさんあります」

    互いの心音が聴こえるほど近くで、ニャアンは語る。

    「ずっとずっと……少尉のことを考えてました。いつか少尉とこんなふうになれたらいいなと思って……いっぱい少尉で良くないことを考えていました。だから今の状況が夢みたいで、現実味がないです」

  • 49二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 18:59:45

    ニャアンの色気マシマシ描写好き

  • 50二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:43:29

    「エグザベ少尉が意識のない間、何度もキスをしました。少尉を感じるために」

    「何となくそんな気はしていたよ」

    エグザベは身体をひねり、ニャアンに触れようとする。

    「少尉の赤ちゃんを作ろうとしました」

    「えぇっ!?」

    その言葉に、彼の伸ばしかけた手が硬まる。

  • 51二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:44:44

    「もちろんそういう行為をするのではなく……子種だけ貰うつもりでした。身体への負担がかかるといけないので実行してないですが」

    「何だか君が少し怖くなってきたよ、どうしてそんなことする必要があるんだ」

    「もしあのままエグザベ少尉が目覚めなかったら……私はまた大切な人を失ってしまう。せめて後に残るものがほしかったんです」

    ニャアンは胸元のドッグタグに触れる。

    「たとえば、私にはふるさとにいたころの証拠がありません」

  • 52二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:46:43

    「公的な記録ならあるかもしれませんが、形としての思い出がないんです」

    「一緒に過ごした家族や友達の写真や遺品がないので、私は思い出すことでしかその人たちを感じられない。私が過ごしていた場所ももうないので、家も学校も、毎日歩いていた道も、思い出すことしかできなくて……どんどんその記憶が薄れていくんです」

    「毎日学校の帰り道で会って、いっぱい一緒に遊んだ猫の模様だって曖昧なんですよ……」

    「このまま家族の顔すらちゃんと思い出せなくなるのが怖い」

    「エグザベ少尉まで私の過去の一部になってしまうのが、怖かった……」

    ニャアンの声は涙混じりのものだった。
    彼女の言葉は、エグザベにも刺さった。

  • 53二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:48:02

    最後に自分が故郷に想いを馳せたのはいつだったか、家族や友人を思い出しとてつもない空虚感に襲われたのはいつだったか。
    故郷に限らず、その後だって……

    過去を振り返ると、あまりにも途方がなかった。
    だから彼は普段はそれを避けていた。

    大切なものが過去になってしまうのは悲しい。
    彼女の感情は痛いほどにわかる。

    「ニャアン、僕は君の過去の記憶にならないよ」

  • 54二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:51:00

    「絶対に君より先に死なないと約束する」

    エグザベはニャアンと向き合い、口付けを交わす。
    彼からこの行為をするのは初めてだった。

    ニャアンは彼の唇の感触を受け止めながら、心の中で宣言する。

    では私は、あなたの記憶に深く刻み込まれるものとなりましょう。
    私が先に死んでもいいように。

    「少尉……しましょう。赤ちゃんができてしまうようなことを」

    本来の目的は赤子を作ることではないのは、ニャアンの熱に浮かされたような顔を見れば明らかだった。

  • 55二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 23:06:31

    お互いの命を確かめ合うんですね

  • 56二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 00:25:08

    意識のない時のエグザベ少尉は当然ニャアンを押し倒すなんてことはできるわけもないので押し倒されただけでもう精神的に盛り上がっちゃうニャアンはいるかもしれない

  • 57二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 04:35:54

    「それは……まだ早いんじゃないか」

    「君はまだ10代だし……10代の女の子に手を出す男なんてろくでむぐっ!」

    エグザベの口をニャアンはキスで塞ぐ。

    「今更何を言っているんですか」

    「あ、当たり前だろ! そんなかんあっ!」

    もう一度ニャアンはキスをする。

    「うるさい口ですね」

    「僕をからかっているのか!?」

    「本気だからこうしているんです」

    三度目のキス。
    押し付けるような、少し乱暴なキスだった。

  • 58二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 04:37:47

    エグザベは羞恥心と興奮と酸欠で目の前をぐるぐるさせながら、ニャアンを静止する言葉を話そうと口を開こうとする。
    その口に、ぬるりと舌が入り込む。

    「むっ……ぐぅっ……!?」

    ニャアンの舌がエグザベの咥内を侵す。
    不器用だったが、エグザベの情緒を乱すには十分だった。

    エグザベは右手をニャアンの後頭部に添え、左手で彼女の細い腰を掴んで引き寄せた。

  • 59二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 06:01:05

    宇宙世紀だと10代の女の子に手を出した男普通に多そうだから流れ弾が流星群になってるな……

  • 60二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 09:49:54

    エグザベがニャアンに覆い被さるような形になり、キスは続いた。

    衝動的な、本能をむき出しにした、獣が餌を貪るようなキス。
    完全に主導権を奪われたニャアンは「んっ、あぅっ」と弱々しい声を上げながら必死にエグザベにしがみつく。
    負けじと自分も反撃しようとするが、力で勝てるはずがなかった。

    ニャアンの興奮は最高潮に達していた。
    下腹部が疼き、彼女の恥ずかしい場所が刺激を欲して愛液を垂らしているのがわかった。
    バスローブの下は何も着ていない。
    このままだとバレてしまう。

  • 61二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 09:51:06

    「しょう、い……だめっ、だめです」

    荒い息遣いの中に混じるか細い声はむしろ目の前の雄を誘っているようにしか聞こえず、キスは止まらなかった。

    「く、くるしい、です……」

    その言葉を聞くと、エグザベはすぐにそれをやめた。
    ニャアンは激しく肩を上下させ、熱を帯びた顔で、潤んだ瞳でエグザベを見上げている。
    はだけたバスローブは隠していない場所の方が多かった。
    ニャアンはそれを隠そうとする体力すらなかった。

    「ごめん……」

    エグザベは申し訳なさそうに彼女の衣服を整える。

    「……おしまいですか?」

    落胆混じりのニャアンの言葉に、エグザベは気まずそうに応える、

    「……これ以上は僕が耐えられない」

  • 62二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 09:52:22

    ニャアンは恐る恐るエグザベの下半身に手を伸ばす。

    「あっ、こら!」

    エグザベはその手をすぐに跳ね除けようとするが間に合わなかった。

    大きくて、硬くなってる。

    「(え……? 何これ……大きすぎない……こんなの人体に入るの……?)」

    身体は正直ですねとでも言うつもりだったが、ニャアンは本物に存在感に震え上がる。

  • 63二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 09:53:44

    「……今日はもう寝よう!」

    エグザベは赤面しながら、震えるニャアンに毛布をかける。

    「これ以上からかったら、僕が隣室で寝るからね」

  • 64二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 14:08:09

    自分から突撃しておいてビビるニャアンカワイイぞ

  • 65二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 14:16:45

    身体は準備万端なのに心が追いついてない……
    いやニャアンはいつもそうだな!

  • 66二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 14:33:07

    やはりニャアンはよわよわニャンコ

  • 67二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 16:47:07

    自分の指を入れるのも怖がってる女の子からしたら臨戦態勢のそれなんてもう恐怖でしかないだろ

  • 68二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 17:43:22

    「(少尉の……大きかった……)」

    自分の指一本すら挿れることができないニャアンには、彼の生殖器はもはや恐れの対象になっていた。
    さらに言うと、普段はとても親切で穏やかなエグザベの雄の部分を強く感じたことで、彼への印象が大きく変わってしまった。

    今まで何十回、何百回にも到達しているであろうニャアンの妄想は、そういった経験のない少女が映像や本で得た偏ったイメージで作り上げた幻であり、現実の男女の営みというものはもっと生々しく、時には畏れを抱くものなのだ。

    「(本物の少尉のほうが好きだけど……本物は怖い)」

    「(無理かも……私、一生……)」

    呆然とした様子のニャアンに、睡魔がくる気配はない。

  • 69二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 17:45:15

    隣に横たわるエグザベは、そんなニャアンの様子を察したのか、彼女を抱きしめ、頭を撫でた。

    ニャアンは身体をびくつかせ、小さく震え続ける。
    それでも彼の胸にしがみついて離れようとしなかった。

    「君から来たのに、そんなに怖がらないでくれよ」

    心許なげな声だった。

    「僕はニャアンを怖がらせるつもりも、怖い目に遭わせる気もない。だから少しずつでも……慣れてほしい」

    ニャアンは顔をエグザベの胸に埋めたまま小さく「うん」と応える。

    「明日は車を借りてドライブにでも行こうか」

    ニャアンはまた「うん」と応える。

    「何か食べたいものとかある?」

    「美味しいもの」

    「適当なこと言うなよ」

    他愛もない話を続け、二人は抱き合ったまま眠りについた。

  • 70二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 17:54:03

    押せ押せ雌猫ニャアンからのよわよわ子猫ニャアンホント好き

  • 71二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 18:23:45

    頑張って我慢した少尉えらい

  • 72二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:04:32

    少しづつ慣れていけばいつかは出来る
    据え膳ニャアンを耐えたエグザベなら付き合ってくれるさ

  • 73二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:05:59

    我慢できずに一気に決壊するのもちょっとずつ慣らしていくのもえっちですね

  • 74二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:12:52

    イチャイチャしてるのホント好き
    黒猫毛づくろいする茶トラみたいにペロペロしてほしい

  • 75二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 01:12:32

    車通りの少ない景色の良い道を選び、あてもなく車を走らせる。

    「そういえば、僕が回復するまで家に戻らなくていいって言われてるんだよね」

    運転しながらエグザベは話す。

    「おかげさまで僕はすっかり元気だし、いつでも家まで送るよ」

    助手席のニャアンは横目でエグザベを見つめる。

    「療養休暇は、お医者様が定めた休むべき日数です。その間は休むことに専念しなければならない……つまり今はまだ完全回復ではないと言えるのではないでしょうか」

    「(休暇中は一緒にいてくれるってことかな)」

  • 76二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 01:13:37

    ニャアンはぼんやりと外の景色を眺める。

    「昨晩、久しぶりに平和だったころの故郷の夢を見ました」

    思い出したようにニャアンが切り出す。

    「それで……学校帰りに毎日一緒に遊んでいた猫に会えました」

    「へぇ、どんな模様だったか思い出せた?」

    ニャアンが小さく笑う。

    「その子は茶トラ猫ですが……模様の一つ一つを思い出せた気がします。きっと茶トラ猫がいっぱいいても、猫違いはしないでしょう」

    「何より……その子は緑色の目をしているんですけど、よく見ると上の方が少しだけ紫色がかってて、グラデーションみたいになっていたんです」

    「すごく綺麗だけど、近くでよく見ないとわからないので、その子と一番仲良しの私しか知らない特別な秘密だったんです」

    「そんな大事な秘密、話しちゃっていいの?」

    「少尉だから話すんです」

  • 77二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:11:27

    「近くに見晴らしの良い場所があるみたいです」

    携帯電話で位置情報を確認しているニャアンが言う。

    「おっ、じゃあそこに行ってみようか」

    目的地は高台の上に作られた植物園のような場所だった。
    どうやら研究施設に併設されたもので、一般開放もされているようだった。

    駐車スペースに車を停め、二人は植物園に足を踏み入れる。
    植物園はガラス張りの建物で、生息地や生態によりフロアが分けられていた。

    「最上階の眺めがすごくいいらしいです」

    「ゆっくり植物を見ながら進むか」

  • 78二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:12:50

    植物園と言うだけあって多種多様な植物が養成されているが、時々置かれているパネルには学術的な詳しい説明が表示されており、博物館のようにも感じられる場所だった。

    ニャアンは不思議な形の植物を夢中で眺めている。
    何か気になる植物を見つけるとパネルで詳細を調べようとしており、気に入っている様子だった。

    「わっ、なんだかすごい形の植物だね」

    エグザベは蜂の巣を円盤状にして肉厚にしたような、穴に一つ一つの身が詰まっている奇妙な形の植物を見て声を上げる。

  • 79二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:14:20

    「蓮の実ですよ、初めて見るんですか?」

    「蓮……睡蓮のことか」

    「全然違いますよ、ほら、これが蓮です」

    ニャアンはエグザベの腕を掴み、満開の蓮の花が映されたモニターを指差す。

    「本物はもっと綺麗です。蓮は朝しか花を開かないので、流石にここでも映像だけなのでしょう」

    エグザベは蓮に関する解説を読みながら、へぇと頷いた。

    一通り植物を見終えた後、最後は最上階で景色を眺める。
    最上階には小さな売店と、植物園を運営する研究所の紹介冊子、関連施設に関する冊子が置かれたスペース、そして花屋があった。

    エグザベは花屋の中からある花を見つける。

    「ニャアン、ちょっと待ってて」

  • 80二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:15:37

    エグザベは花屋に向かうと、白衣を着た店員と何か会話し、小さなブーケを包んでもらっていた。

    エグザベの手には、かわいらしい白と薄ピンクの、ころんとした、チューリップに似た形の花をまとめたブーケが握られていた。

    それはまだつぼみの状態の蓮だった。

    「店員さんがサービスしてくれたよ」

    エグザベは笑顔でそれをニャアンに渡す。

    「開花しちゃうと切り花にするのは難しいんだって。開花してない状態でもチューリップみたいでかわいいね」

    「私に……?」

    エグザベは恥ずかしそうに頬を掻いた。

    「ニャアンに似てるなって思ったから」

  • 81二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:17:16

    「蓮の実ですか、花ですか」

    ニャアンは照れ隠しでわかりきった質問をする。

    「花だよ!」

    エグザベは間髪入れずに応え、説明する。

    「蓮の花って、泥の中から綺麗な花を咲かせるんだね。そういうところがなんだか力強いなって。こんなにかわいいのに、見た目じゃわからないね」

    「だから、君に似てると思った」

    エグザベの言葉に、ニャアンは貰ったブーケで顔を隠す。

    「口説かれてます? 私……」

    「えっ! いやっ! 本当に思ったことを言っただけで……そもそも口説く必要もないだろ今は」

    エグザベの焦る様子とは対照的に、ニャアンは満面の笑みでブーケを眺めている。

    「ありがとうございます少尉。すごく嬉しいです。」

    「蓮の花、このままじゃ傷んじゃうから一度ホテルに戻りたいです。花瓶も買って……開花するといいな」

    エグザベは快諾し、二人は駐車場まで歩き始めた。

    「(少尉から、いっぱい貰ってばっかり……何かお返しができたらいいな)」

  • 82二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:32:30

    ホテルに戻ると、ニャアンは真っ先に蓮の花を道中で買った花瓶に活ける。
    少尉には、私がこんなに綺麗でかわいいものに見えているのかな。
    ニャアンは口元を綻ばせる。

    「エグザベ少尉」

    ニャアンはソファでくつろぐエグザベに近付き、さも当たり前のようにキスをする。
    エグザベはすでに慣れた様子で、彼女の頭を撫でた。

    「少尉……昨日の続き、しませんか」

  • 83二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 02:35:51

    少しずつ慣れてほしいと昨晩言ったばかりなのに、この子は……
    そもそもあんなに怯えていたのに、無茶なことをするな。
    エグザベは恥ずかしさを気取られぬように「今日はやめとこう」と応える。

    「少尉の休暇が終わったら、次いつ会えるかわからないんですよ。だから私はなるべくたくさん挑戦をしたいのです」

    ニャアンの顔は赤い。
    そして身体は小刻みに震えている。

    「これは慣れるための訓練です、少尉」

    目の前の少女が、頬を赤らめ潤んだ目で自分に懇願しているのに、ダメだと固辞できるほどエグザベは聖人ではなかった。
    欲望と理性の間を、彼の精神は行ったり来たりを繰り返していた。

  • 84二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 08:18:47

    ニャアンが前に進む度つぼみも膨らんでいくんだな

  • 85二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 13:08:32

    誠実な男であろうとすることは難しいねエグザベ少尉

  • 86二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 15:22:02

    そっとつぼみをつつくエグザベくんか・・・

  • 87二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:25:27

    逡巡しながらも、エグザベはニャアンと短い口付けを交わした。

    ここでやめにするか、次に進むかエグザベが考えあぐねていると、ニャアンからのキスが来る。
    ニャアンの舌の動きに呼応するように、エグザベもそれをお返しする。
    長くて激しいキスだった。

    キスだけで、ニャアンは顔を赤くし息が上がっていた。

    「こ、これ以上は駄目だ……」

    エグザベの言葉にニャアンは首を横に振り、彼の左手を掴んで自身の胸に押し当てる。

    「触ってもいいですよ……私のこと」

    上目遣いで、懇願するように言われる。

    暖かい地域で、薄着なのがいけなかった。
    服越しでも女性特有の柔らかさが感じられた。
    小ぶりなものだったが、エグザベには十分だった。

    「ニャアン……本当に、これ以上は僕がおかしくなる……」

    ニャアンの両手はエグザベの左手を掴んで胸に押しつけたままだ。
    振り解こうと思えば、簡単に振り解けるはずだった。

    「おかしくなった少尉……見たいです」

  • 88二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:27:15

    彼女の言葉を言葉を皮切りに、エグザベはニャアンをソファに押し倒す。
    その拍子に、ニャアンの衣服がはだけて腹部が露わになる。

    「本当にいいの?」

    ニャアンは手で口元を隠しながらこくこくと頷く。
    エグザベはニャアンの衣服の下に手を差し込み、彼女の下着の上から胸を撫でる。

    「ぁっ……!」
    ニャアンが身体を跳ね上げる。
    ただ撫でられただけなのに、彼女の身体は今か今かと雄を待ち焦がれて敏感になっていた。

    なだらかな胸のふくらみを優しく撫で続けていると、彼女の蕾がピンと強張った。
    それを指で弄んでみせたら「ひぅっ……!」とニャアンの嬌声が響く。

    「もう満足した?」

    エグザベはニャアンの衣服から手を抜き、見下ろしながら問いかける。
    優しい声音だったが、少し震えていた。
    どんな表情をしているかは、視界が潤んでいるニャアンにはわからなかった。

    「ここで終わるほうが、くるしい……」

    ニャアンは自分で衣服をめくり上げてみせる。

    「下着……エグザベ少尉に外してほしいです」

    ニャアンはエグザベの手を下着の留め具に導く。

    エグザベは意を決して、それを外した。

  • 89二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:29:10

    外した瞬間、ニャアンはやはり恥ずかしかったのか、下着ごと自分を抱いて背中を丸める。

    「あ、あんまり見ないで……ほしいです」

    彼女は自身のそういった振る舞いがむしろ異性の嗜虐心をそそることを知らなかった。
    エグザベは「わかった」と口では言いながら、その実一切見ないようにする努力はせず、彼女の両腕を片手だけでソファに押さえつける。
    興奮で紅く腫れた蕾が露わになり、ニャアンは恥ずかしさで「だめ、だめ」と何度も繰り返した。

    「かわいい……」

    ニャアンの隠されていた部分も、ニャアンの反応も。
    それを指で弄ぶとニャアンは子猫のような声を上げて身体を弓なりに反らす。

    その反応すらかわいくて、愛しくてたまらず、もっと色んな姿が見たいという欲求が湧き上がる。
    唇で優しく挟んだり、舌で転がしたり、その度にニャアンは喘ぎ、身体をびくつかせる。

    いたずら心で、甘噛みをした。

    「きゃぅっ!」
    情けないが、艶を帯びた声だった。

    僕は本当におかしくなってしまった。
    自制心をかなぐり捨てて、目の前のニャアンという名の大切な恋人を淫靡な生き物として見ている。

    エグザベは彼女の下半身に手を伸ばし、ショーツの中を探る。
    そこは濡れそぼり、熱くて、そして雄が来るのを期待しているかのようにひくひくと痙攣している。
    陰核を刺激してみせるとニャアンの甘ったるい声と共に愛液が滲み出す。
    すでにエグザベの指はぐちょぐちょに湿り切って、まるでそれの一部になったようで、どこまでがニャアンでどこからが自分なのかの境界が曖昧になりそうだった。

    「指……挿れてもいい?」

  • 90二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:31:55

    その問いにしばらく間が空いた後、ニャアンは涙交じりの声で応える。

    「こわい……けど少尉をしんじます……」

    お礼の代わりのキスをして、中指をそっと秘裂に添わせる。
    ニャアンの身体が強張る。

    「力抜いて……大丈夫、ゆっくり挿れるから」

    まだ誰も受け入れたことがない、自分の指すら恐怖で挿れることのできない場所。
    大好きな人の指だけで、ニャアンの心臓は畏れと興奮で高鳴る。

    「締め付け……っていうのかな、ニャアンの、すごくキツイかも……」

    指が少しずつ入ってくる感覚が直に伝わる。
    脳がピリピリして、言葉らしい言葉を発することができなかった。

    「確かにこれは怖いかもね、こんなに狭いところに何かを挿れるなんて……」

    なんでこの人はこんなに冷静なんだろう。
    指が入ってくる感覚がニャアンの頭をどんどん鈍化させる。

    痛い。痛いけどほしがってる。
    すごく怖いのに、やめてと言えない。

    膣内を裂かれるような感覚が一瞬した後、指が止まる。

    「全部入ったけど……えっ!? 大丈夫!?」

    ニャアンは無言で涙をボロボロと溢していた。

  • 91二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:33:10

    「怖かったよね……」

    エグザベは優しく指を引き出し。
    ニャアンを抱きしめる。

    「ごめん、やり過ぎた……」

    ニャアンは震えた声で「少し痛かっただけです」と強がってみせた。
    その強がりに、エグザベはさらに抱きしめる腕の力を強めた。

  • 92二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 16:51:09

    よいぞ・・・可愛すぎる

  • 93二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 17:17:54

    うおおおえっちだ……
    それはそれとしてちょっと描写が直接的になってるかもしれないので規約的にもう少しぼかした方がいいかもね
    しかしえっちだ……

  • 94二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 17:39:51

    ギャグとしての出し入れが横行するロボカテだけど
    真剣な秘め事だとR18規約に引っ掛かっちゃうかもだな・・・

    じっとりねっとり読み返します

  • 95二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 17:53:25

    ありがてえありがてえ・・・

  • 96二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:21:16

    ニャアンはベッドの隅に毛布と共に丸くなり、サイドボードに置かれた花瓶に活けられた蓮の蕾を見つめている。

    「(ニャアンが口を聞いてくれない……)」

    あの後、ニャアンは一人でお風呂に入り、髪の手入れをし、ベッドに潜り込んでしまった。
    その間彼女は一言も言葉を発さず、エグザベからの声かけも無視した。

    「(やりすぎてしまったことは自覚している。ニャアンが怒るのも無理はないよな……)」

    「ニャアン、お腹空いてない? 何かルームサービスでも頼もうか」

    返答なし。

    「(そっとしておいたほうがいいのかな)」

    そういえばホテルの施設内にジムがあったな。
    普段だったら気分転換の運動でもしていたのだけど、今は医師から激しい運動は控えるように言われている。
    ここらへんを少し散歩でもしようかな。

    「ニャアン、少し散歩してくるけど、何か買ってきてほしいものある?」

    わかっているが返答はない。

    「何かあったら連絡して」
    ソファに投げ出された彼女の携帯電話をサイドボードに置いてやる。
    わずかにニャアンの視線が動く。

    「じゃあいってきます」

    部屋のドアが閉まる。

  • 97二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:22:17

    ベッドの中で丸まったニャアンは思案する。

    「(普通こういう時ってそばで寄り添ってくれるものじゃないの……?)」

    そばに寄り添っていてほしいなら素直に自分からそうすればよかったのに、ニャアンは恥ずかしさからまともにエグザベの顔すら見られなくなっていた。

    普段のように話すこともできず、彼からの声かけにもうまく返事ができないままズルズルと時間が経ち、無視をしている状態になってしまった。

    携帯電話を開き、何かメッセージを送ろうとしたが、何を送ればいいかわからない。
    代わりにマチュに『お土産何がいい?』と送った。

    「(私だけ恥ずかしい姿を晒しちゃった……こんなの不公平)」

    思い出すと触られた場所が疼く。

    「(少尉のことなんてもう知らない。ドアロックかけて寝ちゃお)」

  • 98二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:44:06

    恥ずかしくてご機嫌ななめなニャアンかわいい

  • 99二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 21:34:06

    そういえばエグザベくんゴム買ってる?

  • 100二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:50:58

    「(ドアロックがかけられてる……)」

    エグザベはホテルの部屋の前で困った顔になる。
    右手には軽食の入った買い物袋が握られている。

    「(隣の部屋、取ったままにしておけばよかったな)」

    そんなに怒っているのかな。
    申し訳ないな。

    そう思いながらニャアンに『もうしないからせめて部屋に入れてもらいたいです』とメッセージを送ると、すぐに既読がついた。

    しかし相手がテキストを打ち込んでいる途中だと示す表示が出たり消えたりして、返信が来る気配がない。
    ドアに耳を当てると、ゴソゴソとすぐ近くで物音がする。

    ドアを隔てたすぐ向こうにいるな。
    エグザベは通話ボタンを押した。

    ドアのすぐ向こうから着信音が聞こえ、バタバタと慌てている様子が音だけで分かった。

    ドアロックが外れる音がして、わずかにドアが開く。
    ニャアンがドアの隙間からこちらを睨んでいる。

  • 101二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:51:02

    相手は全然脱いでなくて冷静に感想述べてるのに自分だけ半裸で乱れたらまあ恥ずかしいわな
    エグザベくん今度から本番前でも脱いであげて上だけでもいいから

  • 102二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:02:10

    「少尉……なぜ私がこの状態になっているかわかりますか」

    ジトっとした目でニャアンが言う。

    「ぜ、全部かな……」

    「具体的に言ってください」

    エグザベは廊下を見まわし、人がいないのを確認する。

    「君を押さえつけて、だめとか見ないでとか言うのを無視して、君の反応があまりにもかわいいからついやり過ぎてしまったこと……?」

    エグザベは申し訳なさと気恥ずしさ混じりに答えるが、ニャアンの方がその回答が効いた。
    ニャアンは顔を真っ赤にして、無言でドアを閉めようとする。
    エグザベは足を差し込んでそれを阻止する。

    「少尉は女性のことをまったくわかってません!」

    「わかるわけないだろ、君しか関係を持ってないんだから! でも悪いことはしたと思ってる! 本当に……申し訳ないって……!」

    エグザベは半ば無理矢理ドアをこじ開け、部屋に足を踏み入る。
    ニャアンはその場に尻餅をついている。

    エグザベもその場に膝をつく。

    「帳尻が合わないかもしれないけど、僕のこと好きなだけ殴ってくれていいよ」

  • 103二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:16:17

    「〜〜〜!」

    ニャアンは喉から声にならない声を上げて、エグザベに腕を振り上げ────抱きしめた。

    そして首筋にがぶりと噛み付いた。

    「ぃっ!?」

    予想外の攻撃に、声を上げて顔をわずかに歪ませる。
    ニャアンは離れる様子がない。
    もう一回噛まれるのかと身構えたら、今度はキスをされる。
    皮膚に吸い付かれ、熱さと痺れを感じるキスだった。
    それをもう一回、もう一回、エグザベが「ちょ、ちょっと、タンマ! 何してるのこれ!?」と言い出してもやめず。
    何回も何十回も、数えきれないほどキスをする。

    「はぁ……はぁ……」

    ニャアンは息を上げながら恍惚の表情を浮かべている。
    エグザベは首筋から肩にかけてがじんじんと痛むのを感じながら、呆然としていた。

    「ふふふ……少尉、鏡を見た方がいいですよ」

    ニャアンがじとっとした目のまま笑ってみせる。
    エグザベが立ち上がり、洗面所に向かい恐る恐る鏡を見ると、自分の首から肩にかけて大量のキスマークを付けられていることに気付いた。
    おまけに一番最初に噛まれた時の歯形は血が滲むほどにくっきりと残っていて、それらが2日や3日で消えないことは容易に分かった。

    「いいんだよニャアン……これで許してくれるなら……」
    エグザベはへにゃへにゃと洗面所の壁にもたれながら呟いた。

    「(明日は何か首を隠すものを買おう……)」

  • 104二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:43:24

    マーキングだ!なんて卑しい雌猫だ!

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 01:31:02

    自分の獲物…ってコト?

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:02:34

    エグザベはシャワーがてらに冷水で頭と首と肩を冷やし、早く内出血が消えてくれることを祈った。

    シャワーから出てきたエグザベに対するニャアンの視線は冷たい。

    「少尉はケダモノなのでソファで寝てください」

    「別にいいけど……」

    そもそも誘ってきたのはニャアンなのでは?
    という疑問は口に出さず、エグザベはソファで寝ようとする。

    「ソファ、眠り心地はどうですか」

    ニャアンはベッドの上から声をかける。

    「うん……? 案外悪くないよ」

    「私を組み伏せたソファーがそんなに良いのですか」

    「人聞きの悪いことを言わないで!?」

    思わず起き上がってしまう。

    「やっぱりソファじゃかわいそうなのでベッドの端っこくらいは貸してあげます。早くこっちにきてください」

    「(からかわれた……)」

    結局2人は一つのベッドの中で、くっついて、主にニャアンがエグザベに絡みつく形で眠りについた。

  • 107二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:07:21

    翌朝。
    エグザベより先に目を覚ましたニャアンは、サイドボードの花を見て、ぱっと笑顔になる。

    蓮の花が一輪だけ開花しかけている。
    本来切り花の蓮は開かないまま枯れてしまうのに。

    マチュにも見せてあげたい。
    とりあえず写真を撮り、マチュに送ろうとする。

    「(……マチュからの既読がついてない)」

    最後にメッセージを送ったのは昨夜、ニャアンからの『お土産なにがいい?』という質問に対して、返信どころか既読がついていない。
    時差を考えると、マチュがずっと寝ていたとは考えられなかった。

    「(何か、嫌な予感がする……)」

    通話を試みるが、応答しない。
    マチュが連絡不精なところがあるのは分かっていたが、少なくとも自分との間でこんなことは初めてだった。

    「(たまたまかもしれない……)」

    しかしこの胸のざわつきは、放置できるようなものでなかった。

  • 108二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:14:09

    ニャアンの不安を感じ取ったのか、エグザベは眠気混じりの声で「どうしたの?」とニャアンに聞く。

    「少尉……」

    「昨日の夜……19:30ごろに送ったメッセージにマチュからの既読がついてなくて。なんだか心配になっただけです」

    「たまたま携帯を見ていなかったか、寝ているのかもしれません。私が過剰になってるだけかも……」

    でも胸騒ぎがするんです、とニャアンが言う前にエグザベは起き上がる。

    「帰ろうか、マチュさんのところに」

    「え?」

    「心配なんでしょ? 帰って様子を見に行こうよ。取り越し苦労だったらそれはそれで笑い話になるさ」

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:16:31

    車を走らせ飛行機に乗り継ぎ、自宅に到着する頃にはすっかり夜になっていた。

    「こんな遠いところまで……ありがとうございます」

    「君だってそうでしょ」

    タクシーがマチュとニャアンの家の近くに着くと、ニャアンは先に降りて自宅に急ぐ。

    「マチュ!」

    扉を開けても、返事はない。
    自宅内は静まり返っていた。

    リビングのテーブルには飲みかけのお茶が入ったマグカップが置きっぱなしになっている。
    マチュの部屋もいつも通りで、生活の痕跡を残したままだった。

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:20:26

    エグザベはマチュとニャアンの家のすぐ近くで、シャリアと通信していた。
    モニターの中の、基地内にいるシャリアは険しい表情をしている。

    「休暇中に申し訳ございません。異常事態が発生しました」

    「ジオン軍の格納庫で小規模なゼクノヴァが発生し、ガンダムクアックスが消えました。マチュさんとも連絡がつきません」

    「……なっ!?」

    マチュの不在、ゼクノヴァ、ジークアクスの消失……
    きっと全て繋がっているのだろう。

    「……エグザベ少尉、もしかして今マチュさんのご自宅近くですか?」

    「はい。ニャアンもマチュさんと連絡が取れていないみたいで様子を見に来てました。念の為周辺地域を確認します」

    「はい、お願いします。何か痕跡があるかもしれません」

    通信が終了するのとほぼ同時に、息を切らせたニャアンがアパートの階段を駆け降りてくる。

    「少尉……! マチュが……マチュがいなくなったかもしれないです……!」

    「あぁ、今中佐から通信が来て……ジオン基地内でゼクノヴァが起こったらしい。マチュさんのことも関係しているのかも……一緒にここら周辺を捜してくれないか」

    ゼクノヴァという言葉に、ニャアンの表情が曇る。
    そして彼女の感覚がある場所を指し示す。

    「行きましょう……少尉」

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:23:19

    「やっぱり……」

    マチュとニャアンがいつも訪れていた海岸には、抉り取られたような大きなクレーターができていた。

    それを見てニャアンは全てを理解し、立ち尽くした。

    「マチュ……シュウちゃんを探しに行ったんだ」

    海風に混じって、声が聞こえた気がした。

    ニャアンは目を閉じ、その声に耳を澄ませた。

    「すぐに帰ってくるから、大丈夫……と、ガンダムが言っています」

    ニャアンが眉を下げながら、笑ってみせるが、すぐにそれもできなくなり、表情を見られないようににエグザベの肩に額を押し付けた。

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:35:13

    残りの休暇中、エグザベはほとんどの時間をニャアンの自宅で過ごした。
    エグザベはニャアンを元気づけようと努めて明るく振る舞う。

    ニャアンにとってエグザベはとても大切な人だが、マチュを失った喪失感は彼で補えるものではない。
    逆もまた然りだった。

    いずれこうなる未来が来るのはわかっている。
    きっとすぐにこの生活にも慣れるはず。

    エグザベからからサイド3のジオン基地近くで暮らさないか、地球よりも一緒に過ごせる時間が作れるからと提案されたが、ニャアンは断ってしまった。
    「家をちゃんと綺麗にしておかないと、マチュが帰って来た時に困ってしまうから」と。

    それはある種の方便だった。
    その実、エグザベをマチュの替わりのように扱うのが嫌だったのかもしれない。

    2人とも唯一無二の大切な人だ。
    マチュのことをしっかりと踏ん切りをつけた後でないと、きっと彼に対して不誠実になってしまう。

    彼に依存はしたくなかった。

    開きかけていた蓮の花は開花できぬまま、他の蕾たちと一緒に枯れ果ててしまっていた。
    ニャアンはそれを見つめながら考える。

    「(マチュが絶対帰ってくる……それまでの間は、自分の最善を尽くそう)」

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:41:43

    冬が終わり、春が過ぎ、夏も終わりかけるころ、ニャアンは地球にある、自宅から通える距離の場所にある看護学校に入学した。
    その看護学校の支持母体がジオン軍なのは全くの偶然だった。

    エグザベは看護学校への入学を祝ってくれて、次に会ったら美味しいものを食べようと言ってくれた。

    看護学校を進路に選んだのは、誰かの命を奪うのではなく、救う側になりたかったから。そして大切な人のために自分のできることを増やしたかったからだ。

    その大切な人はエグザベはもちろん、マチュやシャリアやコモリ、シュウジだって含まれていた。

    勉強は大変だったが、学校内で会話をする程度には親しい人間ができて、時々エグザベと会って2人の時間を取ったり、寂しくてたまらない時は通話して、マチュがいないことを除けば彼女の生活は順風満帆なものだった。

    2年生になると学校と連携する病院で実習が始まった。
    厳しくも優しい先輩が、焦る状況でも医療現場ではワケワカにならないよう鍛え直してくれた。

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:43:34

    ある日、ニャアンは校長室に呼び出される。

    「……教育実習先の変更ですか?」

    何か、問題を起こしてしまったのだろうか。
    自分としてはちゃんとやれていたつもりだったけれど、きっと気付かないうちにたくさん迷惑をかけてしまっていたんだ。
    そのような不安がニャアンの脳内を駆け巡るが、校長はニャアンに一通の封筒を渡して言った。

    「本部からニャアンさんに来てほしいと通達があったんだ」

    ニャアンはすぐに封筒の中身を確認する。
    新しい教育実習先はサイド3のジオン軍基地内の医療施設だった。

    シャリアさんが手を回したのだろうか。
    しかし、一体なぜ?

    ニャアンの教育実習先の変更は今この瞬間からだった。
    講義が終わる時間になると迎えの車がやってきていた。

    「エグザベ少尉!」

    「久しぶり、ニャアン。早く乗って」

    助手席に乗り込むと、抱きしめられた。

    「ごめん、今は何も話せないけど……来てもらっていい?」

    ただならぬ様子だった。
    ニャアンが頷くとエグザベは車を走らせ、ジオン軍の管理地域に向かう。
    そこにはソドンが寄港していた。

  • 115二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:45:01

    2人が乗り込んだ瞬間、ソドンが発艦する。

    「(一体、何が起こっているの)」

    着替える時間もなくここに連れてこられて、自分はまだ前の実習先の看護服のままだった。
    他のクルーたちは何か話し合い、何度もパネルに映された映像と表示されたデータを見比べている。
    戦艦内は張り詰めた空気だった。

    あっという間に離れていく地球を見ていると、シャリアとコモリがニャアンとエグザベの元にやってくる。

    「このような形でお呼びすることになり申し訳ございません」

    シャリアの声音は申し訳なさを含んでいた。

    「あなたの存在が必要になる可能性が高いのです」

    「私の存在が……?」

    「安心してください。パイロットとしてではありません。ニャアンさん、あなた自身が必要なのです」

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:46:40

    シャリアは二手三手と先を読みながら話す。

    「現在、ここら一帯のミノフスキー粒子の数値が不安定になり、相反転現象の予兆が見られております。つまりゼクノヴァが起こる寸前の一触即発の状態です」

    「しかしゼクノヴァは起こらない……」

    ゼクノヴァ……
    もしかしてマチュがこちら側に帰って来ようとしている?

    シャリアはニャアンの思考に応える。

    「はい。もしかしたら、何かに阻まれているのかもしれません」

    マチュはこちら側に帰ってこようとしているけど、できないってこと?

    「NTの強い思念と、感応先への強い繋がりがゼクノヴァのトリガーになるとしたら、ニャアンさん、あなたはマチュさんを呼び戻せるかもしれません。具体的な方法はまだですが……」

    「よくわからないけど、わかりました」

    ニャアンはシャリアの言葉を遮る。
    それは考えるよりも先に発された言葉で、シャリアですら予想外のものだった。

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:51:05

    後からついてきたニャアンの“作戦”を読み取ると、シャリアは口角を上げてみせる。
    それは作戦と呼ぶにはあまりにもお粗末なものかもしれないが、一番成功する可能性が高いと感じたのだ。

    「危険ですよ……? 果たしてエグザベ少尉が承諾するかどうか」

    「少尉は嫌でも協力することになります」

    シャリアはすぐにニャアン用のノーマルスーツを手配する。

    「ノーマルスーツ……? まさかニャアンがMSに……?」

    「私はMSの操縦はしません」

    ニャアンがエグザベに向き合う。

    「エグザベ少尉、どうか私の代わりにMSの操縦をお願いします」

    「なっ……?」

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:53:23

    ニャアンの“作戦”はシャリアを経由してすぐに準備が進められる。

    エグザベはシャリアに指示され、自身の専用機に乗り込む。
    そこにはニャアンも一緒だった。

    狭いコックピットで密着しながら、ノーマルスーツを着たニャアンはエグザベのパイロットスーツを確認する。

    「大丈夫ですね、絶対にヘルメットを取ってはいけませんよ」

    エグザベは計画の全貌を知らされないまま、機体を発進させる。
    宇宙空間に飛び出したギャンは、ソドンからどんどん離れてゆく。

    「感じる……マチュと……シュウちゃんのキラキラを」

    エグザベもそれに頷く。
    ミノフスキー粒子の匂い、油断すると自分今どこにいるのかわからなくなりそうだった。

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:56:38

    ニャアンはコックピットのハッチを開き、ギャンの外、宇宙空間に飛び出す。

    「何をしているんだ!?」

    エグザベが手を伸ばし、ニャアンを呼び戻そうとする。

    「少尉、ハッチを閉じてください。その代わり、私が飛ばされないようにしてください」

    ニャアンは機体を軽く蹴って、ギャンの手のひらの上に移動し、指の一つに掴まってまっすぐと立とうとする。

    宇宙空間は、夜の海のように寂しく静かだった。
    そんな場所で、ノーマルスーツだけで止まることに不安がないと言えば嘘になる。

    しかし不安よりも、ニャアンは暗い海をかき分けた先のものへの切望が大きかった。

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 04:58:30

    ニャアンは目を閉じ、耳を澄ます。
    マチュがいなくなったあの浜辺で、ガンダムの声を聞いたときを思い出しながら。

    「(マチュ……シュウちゃん……私はここにいるよ)」

    大切の友人2人の顔を思い浮かべる。
    宇宙空間に、風が吹いたように感じた。

    「(マチュ……1人にしてごめんね……)」

    願う。
    何度も願う。
    どんどん風が強くなる。
    ギャンの手がニャアンを守ろうと覆い被さる。

    「(私がエグザベ少尉のことばっかりで……マチュの優しさに甘えていたから……)」

    風はどんどん強くなる。
    ニャアンは無理やり目を開き、虚空に向かって叫んだ。

    「マチュ! シュウちゃん! 帰って来て! 三人で地球の海で泳ぐって、約束したでしょ!?」

    涙交じりの声だった。
    その瞬間、宇宙のはるか遠くに光が走り、すぐに視界が光に覆われた。

    キラキラと形容するそれは、ニャアンを飲み込む。
    今までにないほど、ニャアンはマチュとシュウジを強く感じた。

    「(来た……! いや、私が連れて行かれる……!?)」

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:01:46

    ニャアンはキラキラの中に吸い込まれそうになる。

    しかし、後ろから抱きしめられる感覚で踏み止まる。
    振り返らなくとも、誰がそうしてくれているのかはわかった。

    そうだ、今の私には帰る場所があるんだ。
    そしてマチュの帰る場所も、こちら側のはず。

    「マチュ!」

    ニャアンはキラキラの向こう側に呼びかける。

    「ニャアン!?」

    聞き慣れた、懐かしい声。

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:03:23

    キラキラの向こうから、怪我をいっぱい作ってボロボロの姿になったマチュがやって来た。そしてマチュの腕の中にはこれまたボロボロの、トリミングに2年間は行けてない犬のようになっているシュウジがいた。
    少しだけ表面に傷の入ったハロとコンチも一緒だった。

    マチュは意識のないシュウジを抱えたまま、満面の笑みになる。

    マチュの髪が伸びている。少しだけ顔も大人びて見えた。

    「久しぶりニャアン! 戦闘が終わって帰ろうとしたらさ、なんか時空の狭間みたいな場所でシュウジと迷子になって困ってたんだ! もしかして迎えに来てくれたの!?」

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:04:56

    ていうかニャアンはなんでナース服着てるの?などと、いつも通りの、何も変わってない様子のマチュを見て、ニャアンは笑みを溢す。

    「マチュ、おかえり」

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:06:09

    「うん、ただいま。ニャアン」

  • 125二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:13:31

    その様子をキケロガ内で待機し観測していたシャリアは、エグザベに声をかける。
    この空間内で通信は必要ない。

    「エグザベ少尉、ニャアンさんをこちらに留めていただきありがとうございます。おかげで機体を無事に回収できそうです」

  • 126二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 05:46:26

    スレタイからこの展開を一体誰に予想し得ただろうか

  • 127二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 06:30:21

    >>126

    いないと思う

  • 128二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:05:27

    すごい展開だ…

  • 129二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 08:35:49

    なんかめちゃくちゃ伸びてるなって思ったらなんかすごいことになってた
    ところでもしかして2人の関係まだ進展してない?

  • 130二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 14:14:24

    「1年半も帰れなくてごめん」

    医務室でニャアンに怪我の手当をされながら、マチュが呟く。
    医務室のベッドの一つでは、正規の医療スタッフの手当を受けたシュウジがすやすやと穏やかな顔で寝息を立てている。

    「ちゃんと帰ってきてくれたから、いいよ。それに私も……マチュのこと1人にしちゃってた」

    マチュはその言葉にきょとんとした顔で返事する。

    「ザベちが怪我したんだもん。しょうがないよ。タイミングは最悪だったけどね」

    マチュはきししと笑う。
    そんなことよりもマチュはニャアンの衣服の方が気になっていた。

    「ね〜? ニャアンは今ナースさんなの? スカート短すぎない?」

    マチュはニヤニヤした顔で上から下までニャアンの姿をじっとり見つめる。

  • 131二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 14:15:59

    「まだ看護学生だよ。今は実習中。マチュが帰ってくるかもしれないからソドンに乗せてもらってただけ」

    「ふ〜ん。ところでザベちとはどうなったの? もう結婚した?」

    「……」

    ニャアンが押し黙る。
    この一年半、マチュがいなくなってから関係の進展はない。
    互いに忙しかったのもあるし、何よりそのような気持ちになれなかった。

    「上手く行ってないの……?」

    マチュが不安そうな顔になる。

    「別に。いつも通りだよ。それよりもマチュは今のうちに休んで。これから2人は色んな検査が待ってるんだから」

    怪我の手当を終えたニャアンは立ち上がり、医療用品を片付け始める。

    「いや〜、よもやよもやスレンダー褐色美女ナースに怪我の手当てをしてもらえるなんて光栄です〜」

    マチュは冗談めかして言う。

    「ばか」

    ニャアンは短く答えると、医務室を出ていく。

  • 132二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 14:31:18

    ゼクノヴァの発生、ジークアクスと、それに乗った二人のパイロットの帰還。

    ソドンクルーはこの前代未聞の出来事の後処理で忙しそうな様子だった。

    マチュから聞いたあちら側の話は、荒唐無稽で信じがたいものだった。
    シュウちゃんの乗っていた機体は大破してしまい、2人とも本当にギリギリの状態だったらしい。

    2人はしばらく検査と調査で自由にはなれないだろう。
    私は無事に2人を呼び戻せたからあとは自由行動、サイド3に着くまで好きにくつろいでいてくださいとシャリアさんから言われている。

    ニャアンは休憩スペースに入り、水を飲んで落ち着く。
    ソドンはこれからサイド3に戻る。それまでなにをして過ごそうか。

    休憩スペース内はニャアン以外誰もいない。
    ニャアンは結んでいた髪を解き、ソファに横たわった。
    そうすると猛烈な眠気に襲われた。
    午前中に看護実習へ行き、昼間に学校に呼び戻されて、そのままソドンに乗せられて、さらに宇宙空間でマチュを呼びに行ったんだ。

    ニャアンは睡魔に抗えず、眠りに落ちた。

  • 133二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 14:41:29

    ソドンの揺れで、ニャアンが目を覚ます。
    どれくらいの眠ってしまったのか。
    もうサイド3に到着したのかな。

    ニャアンは起き上がると、身体を覆っていた布がずれて腰に布が落ちる感覚がした。
    それはジオンの軍服の上着だった。

    誰かが眠っているニャアンに着ていた上着をかけてくれたのだろうか。
    階級を見ると少尉。匂いを嗅ぐと間違いなくエグザベ少尉。

    「(起こしてくれればいいのに……)」

    ニャアンは上着を大切そうに抱きしめ、顔を埋めて深呼吸した。

  • 134二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 15:05:19

    (数時間前)

    コモリ少尉から休憩スペースでミニスカナースが寝落ちしているよと言われた。

    先ほどの事象の報告書作成に勤しむエグザベは、ミニスカナースとやらが言葉通りの意味だったら特には気にしなかったが、今この状況でミニスカナースは1人しかいない。

    エグザベは報告書作成の手を一旦止め、休憩スペースを確認しに行く。

    「(ミニスカナースだ……)」

    綺麗な長い髪に、かわいらしい寝顔、褐色肌に白いナース服のコントラストが眩しく感じられた。
    ソファに投げ出されたしなやかな細い脚は、ストッキングを履いているとは言えあまりにも艶かしい。

    「(こんな姿、他の異性に見られたら危ないじゃないか)」

    エグザベは物音を立てないように眠っているニャアンに近付く。

    「(疲れているよな……)」

    ニャアンの通う学校にまで手を回したのは、長期戦になる可能性もあるからだとシャリアから聞いていた。

    しかしニャアンはソドンに乗ってすぐに、ジークアクスとそのパイロットを呼び戻すことに成功してしまった。

    「(友達想いなんだな、君は)」

    エグザベはニャアンの頭を撫で、とりあえず自分の着ていた上着を彼女にかけてやった。
    これで少しは露出も減るだろう。

  • 135二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 15:06:20

    「……」

    ニャアンが目覚める気配はない。
    休憩スペースには自分とニャアン以外誰もいない。

    一年半前くらいに、ニャアンが意識のない自分に何度もキスをしていたと自白していたことがあったな。
    一度くらいはやり返したっていいだろう。

    エグザベはしゃがみ、眠っているニャアンに口付けをする。

    自分でやっておいて、きまりが悪い。

  • 136二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:09:56

    翌日、ニャアンはマチュの検査に医療スタッフとして同席することになっていた。
    本人もそれは当日の朝になってから知ったことだった。
    どうやらマチュの精神状態に不安定なところがあるらしく、ケア要因ということだった。
    不安定とは物の言いようで、実際には検査を嫌がっているだけらしいが。
    自分は立場上はジオン軍医療施設の看護実習生ということになっている。
    それにマチュのことが心配だったので、現場に入れてもらえるのはありがたい。

    「(でもなんで実習レポートの提出先が学校の先生じゃなくてシャリアさんなんだろ)」

    バイタル測定のために診察台に寝かされたマチュはイヤイヤといった態度を取る。
    「マチュ、静かに寝ててくれないと数値取れないよ」

    電極パッドを取り付けようとすると、マチュはあからさまに嫌な顔をする。

    「シュウちゃんは大人しく検査受けてるよ」

    「シュウジのことは関係ないでしょ!」
    マチュは挙げ句の果てに「私が寝てる間に手足を切り取られちゃって、思念で動くザクに乗せられちゃうんだ」などと言い出す。
    向こう側のジオンでは一体何が行われているのだろうか。

    「サイコミュがあるのにそんなことするわけないでしょ」

    なんだか小児科病棟みたいだな。
    そんなことを考えながらニャアンはマチュの手を握る。

    「ニャアン、お母さんみたい」

    「マチュが子供っぽいだけ」

    マチュは安心したのか、その後の検査はつつがなく終わった。

  • 137二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:10:12

    すごい・・・話が一気に進んだ

    ニャアン看護師は合ってるイメージだわ
    きっちり訓練したら冷静に仕事やれるもんな

  • 138二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:11:02

    この日の晩、ニャアンから提出されたレポートを読んでシャリアは小さく笑い声を上げた。

    「どうしたんですか、中佐」

    珍しく声をあげて笑っていたシャリアにエグザベが声をかける。

    「ニャアンさんから実習レポートが提出されまぢて、マチュさんの検査中の様子が面白かったので」

    シャリアは検査中のマチュはずっとニャアンと手を繋いでいたことを話す。
    特に採血で注射を刺される時は注射嫌いなどと言いながらニャアンに縋り付いていたらしい。
    一日中そんな感じで、手のかかる子供でしたと。

    「あはは、2人は仲が良いですね」

    笑いながら、ふと胸の奥にざらつくものを感じた。

  • 139二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:12:25

    僕は長らく彼女に直接触れられてない。

    ニャアンは宇宙空間で、己を顧みずにマチュさんを呼び戻してみせた。
    一度は彼女が向こう側に連れて行かれそうだと感じた時、光る宇宙の中で自分は彼女を抱き留め離さないように足掻いた。
    ニャアンをこちらに止めることはできたが、彼女は一度も振り返らなかった。

    もし自分がいなくなったら、彼女はあんなふうに自分を探しに来てくれるだろうか。

    「(らしくないこと考えちゃったな)」

    すぐに気持ちを切り替え、エグザベは仕事に戻った。

  • 140二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:28:22

    エグザベくん寂しくなっちゃってるな

  • 141二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:46:42

    翌日、ジオン基地内でニャアンとエグザベは偶然再開する。

    「エグザベ少尉、お疲れ様です」

    ジオン軍から支給された看護服を着たニャアンがエグザベに駆け寄る。

    「ニャアンもお疲れ様」

    エグザベは看護服姿のニャアンを見て、少し気まずそうに目を逸らす。

    「言いにくいだけど、スカート……やっぱり短くない?」

    「何見てるんですか、変態」

    「事実だと思うけどなぁ……」

    「仕方ないじゃないですか、私の身長だとこの手の服はこうなっちゃうんです」

    自分の身長だと、体格に合う服を選ぶとどうしても丈が足りなくなる。
    どこの実習先に行っても同じで、自分の枝みたいにみずほらしい脚に向けられているだろう哀れみと思われる視線にすら慣れてしまっていた。

    「どうせ棒っきれみたいな足ですし」

  • 142二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:47:53

    「板だの棒だの、ニャアンは謙遜が過ぎるよ」

    以前のニャアンが自分の身体を色気の欠片もない板だのと言っていたが、そんなことは断じてなかった。
    現に今露出されてる彼女の脚を、良からぬ目で見ている人間だっているはずだ。

    自分もその1人なのだが。

    「こう……せめてスパッツとかタイツ的なものを履いて欲しい……」

    「……ストッキングしか支給されなかったので、買わないとないです」

    「わかったよ、僕が買うから今後はストッキングはやめて」

    自分以外の人間にあまり肌を露出してほしくないという感情が先走り、ややエグザベは強引になっていた。
    エグザベはニャアンのために、軍の売店で厚手の黒タイツを数点購入してやる。

    「(男の人から感じるイヤな匂い、少尉からだったら別に嫌じゃないんだよな……変なの)」

    ニャアンは受け取ったタイツを片手に考え、口元を緩ませた。

  • 143二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:10:58

    番の匂いか・・・

  • 144二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:22:45

    こころなしかニャアンが大人っぽい雰囲気になってる気がする

  • 145二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:41:45

    仕事を終え、エグザベは軍に割り当てられた自室で休む。

    「(休むのって、苦手なんだよな……)」

    泳ぎ続けないと呼吸できない魚のような生活が長かったせいなのか、彼は何もやることがない状況になると持て余してしまう部分があった。
    仕事は終えた、トレーニングもやった、食事もお風呂も終えた。

    「(少し早いけど寝ようかな……)」

    ベッドに入り、目を瞑ったのとほぼ同時に部屋の呼び鈴が鳴る。
    誰だろうと思いながらエグザベは一度入ったベッドから出て部屋のドアを開ける。

    ドアの前にはニャアンが立っていた。

  • 146二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:43:25

    「え!? ニャアン、どうしたの?」

    「何か用事がないと、来ちゃダメですか」

    ニャアンはじとっとした目でエグザベを見つめる。

    「部屋に入れてもらってもいいですか」

    「(会いに来てくれたのかな)」

    エグザベはニャアンを部屋に招き入れる。

    「やっぱり尉官になると窓の大きい部屋で過ごせるんですね」

    ニャアンは部屋を見渡しながら言う。

    「君が昔過ごしてた部屋の方がずっと大きな窓だったよ。お茶しかないけど大丈夫?」

    とりあえずエグザベは冷蔵庫からペットボトルに入ったお茶を取り出す。

    「コップすらないんですか」

    「どうせ誰も来ないし、洗い物が必要になっちゃうからね」

    申し訳なさそうにエグザベは笑う。

    ニャアンは足を投げ出すようにソファに腰掛ける。
    昼間と同じ看護服を着ているが、黒いタイツに履き替えている。

  • 147二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:44:52

    「さっきまでマチュとお話ししてたんですけど……面会時間が終わったので帰らされました」

    またエグザベの胸がちくりと痛む。

    マチュさんと一緒にいられなくて寂しいから、僕のところに来たの?などと情けないことは言えなかった。

    マチュとニャアンは固い絆で結ばれた、大事な友人同士なのだ。
    そもそも女の子同士の友人関係に何か思うほうがおかしい。

    ニャアンは身につけていた黒いタイツを脱ぎ始める。

    「何してるの!?」

    「蒸れるんですよ……厚手のタイツって」

    ニャアンはタイツを脱ぐと、脚を伸ばしてくつろいだ様子になった。
    自由に伸びる細い脚は、なぜか官能的な雰囲気があった。
    スカートの中が見えてしまいそうで、視線に困った。

    「なんで看護服のままなの?」

    「着の身着のまま宇宙に連れてこられたので支給品の仕事着と寝巻きしか持ってないんです」

    ニャアンの顔は不満げだった。

    「安心してください。今日はほとんど自室でオンライン講義だったので、あまり汚れてないはずです」

    そういう問題ではなかった。
    ニャアンはエグザベの真意の気付いているのかいないのか彼に手招きをする。

  • 148二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:47:02

    エグザベが近付くと、ニャアンは彼に口付けをする。

    「!?」

    「久しぶりかもしれないですね……こういうのは」

    ニャアンの頬が赤らんでいる。
    そのままニャアンはエグザベを抱きしめる。
    エグザベは彼女の胸に頭を押し付ける形になる。
    心臓の音が聴こえるが、エグザベはそれがニャアンの鼓動なのか自分のものなのかはわからなかった。
    ニャアンはエグザベの頭を優しく撫でる。

    「少尉……マチュを連れ戻せたのは少尉が協力してくれたからです。ありがとうございます」

    「僕は何も……」

    「抱きしめてくれたじゃないですか、私を引き留めてくれるために」

    ああよかった。
    僕の行動はちゃんと君に伝わっていたんだね。
    心臓の鼓動が激しいのに、なぜかこの状況はとても落ち着いた。

    ニャアンの足がエグザベに絡みつく。

    「この一年半……少尉のことをないがしろにしてごめんなさい」

    「仕方ないよ。マチュさんのこともあるし、君も僕もそれぞれの生活があるんだから」
    嘘をついた。
    自分だって男だ。恋人から心の距離を取られて寂しくないはずがない。
    ただでさえ物理的に会える時間は少ないのに、まるで苦行のようだった。

  • 149二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:49:52

    ニャアンはエグザベを抱きしめる腕の力を強める。
    そして耳元で囁く。

    「少尉……続きをしましょう。あの時の」

    あの時……
    そういえば今の状況はニャアンをソファに押さえつけたときとよく似ている。

    「少尉、大好きです。やっと安心して少尉を愛することができそうなんです」

    そんなことを言われたら、断れるはずがない。

  • 150二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:13:16

    来たな・・・!

  • 151二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:22:05

    待ってました!

  • 152二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 00:53:40

    そういえばもう二十歳になってる?

  • 153二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:38:21

    ニャアンはそっとエグザベを抱きしめていた腕を離す。

    「少尉……私20歳になったんですよ」

    「うん、誕生日を祝ったよね」

    ニャアンは顔を真っ赤にしながら、懇願するような目でエグザベを見つめている。

    「私のこと、ちゃんと大人の女の人として扱ってください」

    元々外見は大人びた少女ではあった。
    中身は幼さが残っていてあどけなく、でも変なところでませた部分があった。

    今目の前にいる彼女もそういうところは変わっていないが、その顔には今まで見たことのない覚悟が滲んでいた。
    エグザベも腹を括り、立ち上がる。

    「少し待ってて……避妊具、買ってくるから」

    「必要ありませんよ」

    その言葉にエグザベは一瞬ドキリとするが、ニャアンは看護服のポケットから小さな箱を取り出す。

    「タイツを買ってもらった売店にあったので……あの後に」

    ニャアンは手で顔を隠しながら、震える声で言う。

  • 154二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:39:36

    なんて淫らな。
    真っ先に脳内に出てきた言葉はそれだった。

    ニャアンがこれを購入する様子が見たかった。
    きっと緊張して身体を縮こませながら、誰かに見られないようにびくびくしながらそそくさと購入したのだろう。
    きっととてもかわいかっただろう。

    「ニャアンは僕のことをケダモノだ変態だと言うけど、君のほうがよっぽどだよ」

    堪えきれず、エグザベはニャアンを抱き上げ、ベッドに寝かせる。
    ベッドの上に寝かされたニャアンは慌てて半身を起こす。

    「わ、私まだシャワー……」

    「いいよそんなの。君の匂いが好きなんだ」

    「へんたい……」

    エグザベは自分の着ていた寝巻きの上衣を脱ぎ捨てる。
    一見細身の彼だが、やはり軍に所属するだけあって引き締まった筋肉質な身体だった。

    ニャアンも看護服の前合わせを外そうとするが、手が震えてそれに手間取る。
    焦ったかったのか、エグザベは彼女の服のボタンを外してやる。

  • 155二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:41:01

    下着だけになった上半身に、エグザベはキスをして、肌の匂いを感じた。
    「ニャアン、いい匂いだよ」

    ニャアンは何か言い返そうとしたが、緊張でうまく声が出なかった。

    「やっぱり怖い?」

    ニャアンは頷く。

    「やめてほしくなったら、殴るなり噛みつくなりして止めてほしいな」

    「しないです……そんなこと」

    「君のつけた歯形が消えるのにどれくらいかかったと思ってるの?」

    ニャアンは気まずそうに身を捩った。
    上半身のボタンが外れて乱れた看護服から露出する肌はわずかに汗ばんで、髪の毛が数本張り付いている。
    背徳的な姿だった。

    エグザベは彼女の乱れた服を取り去り、下着にも手をかけようとする。

    「がっつきすぎです、少尉」
    ニャアンは慌てた様子で身体を丸める。

    「僕だって男だよ。こんな状況だったらがっつきもするさ」

    エグザベも履いていたズボンを脱ぎ捨てる。

    指だけであんなに怖がって辛そうにしていたんだ。
    優しくしないと。

  • 156二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:42:31

    2人は互いに酸欠になるほどの長い口付けを交わす。
    敏感になったニャアンの身体は、肌に触れるだけでびくびくと反応する。
    まるで全身が性感帯のようだった。

    あの時のように彼女の蕾を弄ぶと、か細い、猫の鳴き声のような声を上げる。

    ゆっくりと彼女の一番恥ずかしい部分をほぐす。
    指でなぞって、慰撫し、ゆっくりといれる。

    指だけで、ニャアンの目には涙が溜まってひゅぅひゅぅと喉から息が漏れた。

    「僕のこと、怖い?」

    ニャアンは何度も首を横に振る。

    「きて……」

    横たわるニャアンは自分に覆い被さるエグザベに向かって腕を広げる。
    もう一度、強く抱きしめ合う。
    唇はもちろん、身体中にキスをして、頭を撫でて、とにかく彼女が安心できるように思いつく限りのことは全てやった。

    彼女の強張った体が和らぐのを感じると、それは始まった。

  • 157二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:43:53

    身体を裂かれるように痛みを感じでも、痛みで涙を溢れさせても、ニャアンはエグザベの名前を呼んで何度も「すき」と言った。

    エグザベはその言葉全てに応えて、抱き合いながら、キスをしながら、その行為は続けられた。

  • 158二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:45:04

    全てが終わった後、ニャアンはぐったりと脱力し、ぼんやりと隣にいるエグザベを見つめた。

    「ニャアン、お疲れ様」

    エグザベは体力が有り余っているのか、いつも通りの様子だが、どこか照れくさそうにニャアンの頭を撫でる。

    「痛かったよね。本当にごめん……」

    ベッドシーツには血が付着している。

    「そうだ、ちゃんと水分補給しなくちゃだよね。お水持ってくるよ」

    ニャアンはされるがまま、半身だけ動かしてエグザベが傾ける水の入ったペットボトルに口をつける。

    その姿はさながらチューブに入ったおやつを貰う猫のようだった。

  • 159二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 03:46:44

    「エグザベ少尉」

    水を飲むのをやめて、もう一度横たわったニャアンは口を開く。

    「責任、取ってくださいね」

    ニャアンの言葉に、エグザベは顔を赤くしながら「はい……」とだけ返事した。

    「あとお風呂沸かしてください。寝巻き用に少尉のシャツも貸してください」

    弱々しいのかたくましいのか、ニャアンはいつものジトっとした目でエグザベを見つめた。

  • 160二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 07:29:20

    おめでとう…おめでとう…!
    本懐を遂げたなニャアン

  • 161二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:05:25

    ニャアンは湯船に浸かりながら、想いに耽る。

    「(少尉と……本当にしちゃった……)」

    今までたくさん妄想してきたことが、実現した。
    痛くて、怖くて、ずっと不安だったのに、なぜ今はこんなに満たされた気持ちなのだろう。
    腰も下腹部も痛い。
    だがこの痛みすら愛おしい。

    すごいな、私、全部手に入れたよ。

    愛しい人、大事な友達、何かから逃げたり隠れたりしなくていい生活。
    こんなに満ち足りてしまうと、後が怖い。

    ディアブロと呼ばれ、実際にそれになってしまった私は、地獄のほうが似合っているはずだ。
    だがそこへ至るまでは、この幸せを噛み締めていたい。

  • 162二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:06:39



    お風呂から上がったニャアンは、エグザベのシャツを着用する。
    華奢なニャアンはエグザベのシャツでも布を余らせた。
    だが着丈に関してはギリギリで、立っているだけなら大丈夫だが、少し歩くと臀部などが見えてしまいそうだった。

    「(念の為に替えの下着を持ってきててよかった)」

    「ゆっくりできた?」
    脱衣所の扉の向こうから、エグザベの声がする。
    まだ起きていたのか。

    ニャアンは脱衣所の扉を開ける。

    「わっ! やっぱりシャツだけじゃ足りないよね。何か履くものを取ってくるよ」

    ニャアンの姿を見てすぐ立ち去ろうとするエグザベの裾を掴み、引き留める。
    「疲れたので動けないです。髪の毛……乾かしてください」

    「……はい」

    言われるがままエグザベはニャアンの髪を拭いてやり、ドライヤーで乾かし始めた。
    髪の一本でも傷つけないように、優しい手つきだった。

    「(前にしてもらったときはのぼせちゃってて、あんまり堪能できなかったし)」

    ニャアンは穏やかな顔で、自分の髪に触れる手の感覚を心ゆくまで堪能する。
    彼女が本当に猫だったらゴロゴロと喉を鳴らしていただろう。

    こうして彼から大切にしてもらえていると、自分が宝物になったような気持ちになる。

  • 163二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 17:10:54

    少尉もツヤツヤ黒髪を堪能してるからおあいこだ

  • 164二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 17:45:41

    よかったねえ
    あったけえの方が勝る

  • 165二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 18:20:44

    エグザベくんも宝物に触れてる気分だろう

  • 166二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 19:31:01

    翌日。

    「マチュとシュウちゃんはしばらく自由にはなれないそうなので、私もしばらくサイド3に残ることになりました」

    エグザベの部屋にて、テーブルの上に料理を並べながら、ニャアンが呟く。
    エグザベはテーブルの上のニャアンの手料理に目をキラキラさせている。

    本来自分はお役御免で地球に帰るはずだったのだが、マチュが検査や調査を受けるたびに「褐色クールビューティースレンダー美女ナースがいないとヤダー!」などと言って拒否するので、なし崩し的にジオン軍の医療施設で実習を続けることになった。
    マチュとシュウちゃんはゼクノヴァでこちら側とあちら側を往復してきた数少ない人類なのだ、調べることが多いのだろう。

    彼女の立場を考慮してくれているのか、ニャアンは基地内でジオン最新鋭の医療技術を教え込まれ、軍属の看護師からの指導も受けることができている。

    顔とスタイルの良いミニスカナース目当てに、指を少し切った程度の傷で医務室にやって来る兵士に、先輩の看護師は呆れながら絆創膏を渡す。
    看護実習先がジオン軍基地なんてついてないねと先輩看護師は言うが、ニャアンは今の状況が幸せで仕方ない。

    「どれもおいしかったよ。ご馳走様」

    「お粗末さまです」

    多めに作ったつもりだったが、エグザベは全て平らげてしまった。
    ニャアンは笑みをこぼす。

  • 167二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 19:34:08

    「洗い物は僕がやるよ」

    食器を洗うエグザベの隣で、ニャアンは洗い終わった食器をふきんで拭いていく。

    「別にいいのに」

    「私が勝手にやってるだけです」

    ニャアンは食器をラックに挟みながら、小さな声でエグザベに囁く。

    「コンドーム、まだ残ってますけど」

    エグザベは顔を真っ赤にして俯く。

    「き、今日はいいんじゃないかな? 君の身体が心配だし」

    「コンドームが残っていると言っただけですけど」

    エグザベはしてやられたという顔になり、姿勢を少し崩す。

    実際、昨日の行為による痛みはまだ残っている。
    ニャアンはこの痛みを不思議と嫌には思っていなかったが、あまり身体を酷使するのは良くないだろう。

    「私がマチュと地球に帰る前に、ちゃんと使い切れたらいいですね」

    ニャアンはエグザベの肩に自分の頭をすり寄せる。

    「あんなに辛そうにしてたのに……ニャアンは懲りないね」

    「少尉じゃなかったら嫌いになってましたよ」

  • 168二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 19:47:11

    うおっ雌猫……

  • 169二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:11:33

    抱き合え・・・抱き合え・・・

  • 170二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:39:06

    ふふふ大人ぶっておる

  • 171二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 00:44:02

    まだまだ可愛がられ足りない猫

  • 172二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 07:18:45

    たっぷりイチャイチャしろ

  • 173二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 07:39:53

    その日の晩も、2人は一つのベッドで抱き合って眠った。
    もはやその行為は2人にとって当たり前になっていた。
    彼らには寝苦しさや窮屈さよりも、互いを強く感じることが優先された。

  • 174二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 07:45:09

    翌日の朝になると、2人は互いの仕事へ向かう。
    ニャアンの今日のスケジュールは午前中はマチュのケア要員という名の子守り、午後は看護実習だった。
    ニャアンがマチュと離れている間は、コモリさ
    がマチュの子守りをしてくれているらしい。

    「(マチュは仕方のない子なんだから)」

    「早く帰りたいよ〜あと何回検査するの〜? 同じこと何回も聞かれるし疲れたよ〜! ニャアえも〜ん!」

    マチュの泣き言を聞き流しつつ、よしよしと頭を撫で、ニャアンは引きずるように次々と検査室を回っていく。
    時々二人はシュウジとすれ違う。
    シュウジはマチュと違って大人しく検査を受けている様子だった。
    「がんばって、マチュ」という彼からの言葉に、マチュは「うん……」と頬を赤らめながら言った。
    ニャアンの知らぬ間に二人の間に何があったかは、聞かずともわかった気がした。

    「ここから先は私は入れないから、頑張ってね、マチュ」

    『関係者以外立入不可』と書かれた検査室の前で、ニャアンはマチュにお別れを言う。
    軍の最新型かつ謹製品の機材を使用する関係でニャアンはその検査室には入れなかった。
    コモリに引きずられるマチュを見送り、ニャアンは看護実習先に向かう。

    「(下腹部がうずうずする)」
    仕事中なのに。
    つくづく自分はこういった欲求に忠実だなと感じる。
    昨日は回復に専念したおかげで、すっかり痛みは引いていた。
    今日なら大丈夫。
    早く少尉にいっぱいくっついてキスしていちゃいちゃして大人しかできないことがしたい。

    「(仕方ない……知っちゃったんだもの)」
    禁断の実を食べてしまったアダムのイブのように、ニャアンはあの夜から、恋人同士がする行為で得られる幸福を知ってしまった。

  • 175二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 07:59:52

    その日の夜、ニャアンは当たり前のようにエグザベの部屋に向かう。
    まだエグザベは仕事中のようだったので、教えてもらった暗証番号を打ち込んで入室する。

    「(お風呂に入って、夕ご飯用意して……明日はオンライン講義だから予習もしないとな)」

    勉強は嫌いだが、明確な目標があると頑張れる。
    夕食の下拵えをしてから、早く時が過ぎるのを期待するようにゆっくりと湯船に浸かり、いつもより丁寧に髪の手入れをする。

    髪を褒められるのは嬉しい。
    エグザベから頭を撫でられたり髪に触れられるともっと嬉しい。
    髪の手入れは昔からの習慣だが、こちらも明確な目的があるとやる気が違う。

    「(少尉のお仕事が終わったら用意してた夕ご飯をあっためて……)」

    「(明日の予習、終わっちゃった)」

    彼が帰ってくる気配がない。
    仕方ない、自分と違って忙しい仕事なのだ。

    そう思いつつ、ニャアンは少しむくれてベッドに飛び込む。

    「(少尉のにおい……)」

    彼の使っている枕に顔を埋めた。

  • 176二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:13:38

    仕事を終えて自分の部屋に戻ると、ニャアンがベッドの上ですやすやと寝息を立てていた。

    台所を見ると夕食の支度がされており、冷蔵庫には二人分の料理が入っている。
    自分のために待っていてくれたのかな。

    エグザベはとりあえずシャワーを浴びる。

    お風呂から上がってもニャアンが起きる気配がない。
    もう遅い時間帯だ、このまま寝かせたほうがいいのだろうか。
    しかし彼女の細い肢体を見ていると心配になり、ちゃんと食事を摂ってもらいたかった。

    エグザベはベッドに腰掛け、ニャアンの肩に触れる。

    「(やっぱり細いな……)」

    揺すろうとしたが、簡単に折れてしまいそうな細い身体に触れてしまうと、常々感じていることが邪魔をする。

    「(やっぱりこっちの方がいいのかな)」

    エグザベもベッドに横たわり、ニャアンを抱きしめた。
    そうするとニャアンがもぞもぞ動き始め、眠そうな声を漏らす。

  • 177二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:27:47

    「しょうい……」
    寝ぼけ眼のニャアンがエグザベを見つめ、キスをする。

    「おかえり……」

    「(つくづく思うけど、キス魔だなこの子)」
    もう一度目を瞑ろうとするニャアンを、エグザベは待て待てと起こそうとする。

    「夕飯食べた?」

    「まだです……」

    「じゃあ食べようよ。せっかくニャアンが準備してくれたんだから」
    エグザベは再びキスをされる。
    腕の中にいるニャアンがのそりと半身を起こし、エグザベを見下ろす形になる。
    そのままニャアンは彼の上にまたがる。
    彼女の長い髪がエグザベの外界への視界を遮る。
    今見えるのは渇望するような表情のニャアンだけだった。

    「(あ、これは解放されないやつだ)」
    彼女がこれからどうしたいかは聞かずともわかる。
    自分の力なら簡単に彼女をどけることはできるが、それをする理由もなかった。
    それと同時に本来の目的も果たしたかった。

    「夕ご飯の後に……どうかな」

    自分で言っていて恥ずかしい。
    ニャアンは赤くなったエグザベの顔に触れて、小さく微笑む。

    「少尉がそう言うなら、仕方ないですね」

  • 178二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:32:14

    スレ主です。
    ドスケベ書くためにドスケベする状況に至るまでの経緯書いてたら思ったより長くなってしまいました。
    卑しか雌猫のドスケベをねっとり書きたいので少し早いですが夜ごろに次スレ立てると思います。
    立たらこっちにURL貼ります。

    フフフ……セクノヴァ!

  • 179二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 09:32:15

    卑しか雌猫のドスケベ楽しみにしてます

  • 180二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 15:18:19

    ものすごく濃厚で甘酸っぺぇ~

    続き楽しみにしてま~す!

  • 181二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:14:28
  • 182二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 19:33:02

    ザベの匂いフンフン堪能するニャアン可愛い
    えっちだね

  • 183二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:04:47

    次スレ乙です
    それはそれとしてマチュもしかしてニャアンがエグザベと過ごせるように駄々こねてたりする?

  • 184二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:24:17

    エグニャアスレのマチュさんならあり得る
    それはそれとしてマチュさんにも思う存分シュウマチュックスして欲しい

  • 185二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:08:50

    思う存分ニャンニャンでギャンギャン

  • 186二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 22:55:57

    フフフ・・・毎晩熱帯夜だね・・・

  • 187二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:30:20

    スレ主の文章好きだわ

  • 188二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:56:42

    こっちは埋めていったらいいかな

  • 189二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:06:34

    >>1見るとなんか笑っちゃう

    本体に手を出すドスケベ卑しか雌猫・・・

  • 190二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:20:14

    うめ

  • 191二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:23:37

    埋め

  • 192二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:56:00

    うめ

  • 193二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 07:30:53

    うめうめ

  • 194二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:30:37

    うめ

  • 195二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 11:18:52

    うめ

  • 196二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 17:51:19

    スケベ

  • 197二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:03:29

    ドスケベ

  • 198二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:05:49

    エッチにドハマりしちゃう雌猫ニャアン・・・なんてスケベなんだ

  • 199二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:39:19

    スキモノ!

  • 200二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 21:39:44

    うめ

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています