- 1二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:12:42
あらすじ
ある日ジムリーダーのヤーコンは、娘のタロに厳しい環境で生き抜く体験をさせたいと思いつく。「無人島にでも送り込んでサバイバルさせてみるか!」という言葉に、ブルーベリー学園のシアノ校長は「それならリーグ部皆で協力させちゃおうよ!」と言い出し、実行されたのだった……。
ザザーーーーーン……
タロ「」ポカーーーーーン
ゼイユ「何してくれてんのよガングロジジイーーーーーーーーーーっ!!」
スグリ「本物の無人島だべ……」
ネリネ「島の座標、テラリウムドーム北西。2時方向にドームが見えます」
アカマツ「見れば分かるよ先輩……」
タロ「……パの……カ」
アカマツ「え?」
タロ「プァプァのヴァカァーーーーーーーーーーっ!!!!」 - 2二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:17:38
タロ「はーっ、はーっ、はーーーっ……」グッタリ
ゼイユ「そりゃあショックも人一倍よね。自分のお父さんにこんな所送り込まれたんだもん」
アカマツ「タロ先輩……」
タロ「絶対に許しませんよパパ。必ずここから脱出して所業を後悔させてあげますから!」
ゼイユ「……ん、歯磨き頭どこいったの?」
「いやぁっほぅーーーーーーーーーーーーっ!!」
ドダダダダダダダダダダダダダダダ!!
カキツバタ「気んもちいいねぃ〜ジュカインっ!」
ジュカイン「キモッ」
ネリネ「砂浜ではしゃいでいます」
スグリ「パンイチで」
タロ「」ズコッ - 3二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:21:20
タロ「何してるんですかカキツバタ!?」
カキツバタ「パンイチで走り回ってる」
タロ「見れば分かりますよ!今の状況分かってます!?無人島ですよここ!わたし達文明に頼れない島に放り出されたんです!」
カキツバタ「その通り!これこそ本当の自由だって思わねぃか?」
カキツバタ「ここには課題も!補習も!ジジイのお小言と説教もない!文字通り海の上の楽園じゃねぃかよ!」
カキツバタ「あぁ〜心も身体も【ライトメタル】みたいに軽い。下も脱いじまっていい?」
ゼイユ「やったら切り落とすわよ」
アカマツ「えっと……とにかく現状を確認しようよ」 - 4二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:22:18
タテ乙
- 5二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:24:48
アカマツ「まずは連れてきたポケモンから。俺はバシャーモとブーバーンだ」
スグリ「おれは……カミツオロチにニョロトノ」
ゼイユ「ヤバソチャとグラエナね!」
ネリネ「メタグロスにエアームド」
カキツバタ「ブリジュラスにジュカインだねぃ」
タロ「そしてわたしはドリュウズにグランブル……」
アカマツ「誰か道具や持ち物は……」
「「「「「…………」」」」」
アカマツ「手ぶらかぁ…」
ネリネ「スマホロトムも全員分没収されているようです」 - 6二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:29:05
ゼイユ「ていうかネリネ!エアームドいるんなら乗せてもらって島出ればいいんじゃないの?」
ネリネ「エアームドでは二人が限界。航続距離も……」
ゼイユ「ドームに行く途中で幾つも小島があるわ。その都度エアームドを休ませてピストン輸送すりゃいいじゃない!」
ゼイユ「まずはあたしが行ってみる!ネリネ、エアームドに乗せて!」
ネリネ「了解。エアームド、頼みます」
バッサ バッサ バッサ バッサ バッサ
スグリ「そんな簡単に出られんならいいけどなぁ……」
タロ「娘を無人島に置き去りにするパパが容易く脱出をさせてくれるとはとても……」 - 7二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:29:43
続きが楽しみ
- 8二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:32:10
キィーーーーーン
ゼイユ「気分爽快〜♪ドームの中にいると分からないけど、海風って心が澄み渡るわぁ」
エアームド(錆びたくねぇ)
ゼイユ「さ、一つ目の小島に着いたわ!暫く休んで……」
ブブブブブブブブブブブブブブブ……
ゼイユ「……ん?羽音?虫ポケモンでもいんの?」
ドローンロトム「「「…………」」」ブブブブブブブ……
ゼイユ「え゛っ、ドローン!?しかもこんな、まさか……」
バリバリバリバリバリバリバリバリダー!!
ゼイユ「にぎゃあああああああああああああああ!?」 - 9二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:34:54
アカマツ「うわっ、"かみなり"!?」
スグリ「姉ちゃんいつも雷様みたいに怒ってるくせに……」
カキツバタ「ドローンロトムによる包囲網かぁ……多分島の全周にあるねぃ、これ」
ブブブブブブブブブブブブブブブ……
スグリ「あっ、ドローンが姉ちゃんぶら下げてきた」
ネリネ「エアームドも異変を察して戻ってきたようです」
ベシャッ
ゼイユ「ぶえ!」 - 10二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:39:46
スグリ「姉ちゃんだいじy」
ゼイユ「何てことしてくれてんのよブンブンブンブン!艶っ艶のロングヘアーが焦げるでしょうがああああああ!!」
スグリ「大丈夫だ」
アカマツ「海を潜っても結果は同じだろうなぁ……」
タロ「えー、これまでで分かった通り、わたし達は脱出困難な無人島に取り残されてしまいました」
タロ「まず元凶の娘としてお詫びします。必ずここから生きて帰ってフンフン親父に報いを受けさせてやりましょう」ペコリ
スグリ「おれは帰れたらそれでいいべ……」
ゼイユ「さぁ!長くなりそうなことだし、各々の役割分担しましょうよ!」 - 11二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:41:44
こんな島で辛いスパイスとか取れそうにないけど
アカマツちゃんと料理出来る? - 12二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:44:27
ゼイユ「ずばり、この島で生活するうえで必要なものは何?」
アカマツ「そりゃあ綺麗な水と食べ物だよ!きのみとか、ヤドンやミガルーサなんていてくれたらいいよね」
ネリネ「生活を営むうえで道具は欠かせません。それの製造、加工、改良が必要と考えます。ネリネに考えがありますが」
ゼイユ「よく言ったわ!男ども三人、あんたらは島を回って水と食べ物、それから野生ポケモンを確認してきなさい」
ゼイユ「ネリネは道具の確保ね!タロは」
タロ「わたしは皆さんが寝る場所を。ドリュウズもグランブルもこういう仕事は得意ですから」 - 13二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:47:55
ゼイユ「決まりね!それじゃあ日が沈まないうちに少しでも形にするわよ。作業開始!」
アカマツ「……ゼイユ先輩は?」
ゼイユ「あたしはリーダーでしょうが!ここで皆の仕事ぶりを監督させてもらうわ」
スグリ「いつリーダーなったの!?」
ゼイユ「いつだってあたしは皆のリーダーでしょうが!!」
ネリネ「ゼイユ、あなたにはネリネの加工作業の補助を依頼したく思います」
カキツバタ「リーダーサマはしっかり皆に範を示してもらわないとねぃ」
ゼイユ「サボろうとしてる訳ないでしょうが!見てなさいよ!」 - 14二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:52:11
〜〜〜〜〜〜〜〜
カキツバタ「カキツバ探検隊!無人島に潜むポケモンを追え〜〜〜〜〜!!パチパチパチパチパチパチ!」
スグリ&アカマツ「「お、おう……?」」
カキツバタ「さぁ〜てオイラ達の使命は言うまでもなく重大だ。皆の腹を満たせるか!皆を野生ポケモンの襲撃から守れるか!オイラ達の肩にかかっている!」
カキツバタ「隊長についてこぃ〜〜〜!!」スタスタ
アカマツ「この島来てからカキツバタ先輩のテンションぶち上がってるな……」
スグリ「留年やら実家やらの存在を忘れられんのがよほど嬉しいんだ」
アカマツ「定住する!なんて言い出したりして」
スグリ「間違いなく言うべ、アイツなら」 - 15二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 12:54:42
- 16二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:27:21
アマカジ
- 17二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:41:35
ハバタクカミ
- 18二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:42:45
トロピウス
- 19二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:43:50
テツノツツミ
- 20二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:44:21
ザルード
- 21二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:44:55
ガブリアス
- 22二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 13:46:19
辛いかどうかはともかく山椒はあった
- 23二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 18:19:31
〜〜〜〜〜〜〜〜
スグリ「しっかり、ドームの近くにある島にこんな豊かな自然があるなんてな。なんか甘い匂いがしてきたべ」
アカマツ「甘い匂い?もしかしたら奥の方に」ガサガサ
アマカジ「〜〜〜♪」ピョンピョン
アママイコ「ウフフフフ」
カキツバタ「アマカジとアママイコだ、可愛いねぃ。アマカジの汗はジュースになるんだったな」
アカマツ「早速アタリ引いたんじゃないこれ!身体から出る欠片は料理や薬の材料にもなるよ」
カキツバタ「垢みたいなもんか?」
スグリ「合ってるけど食う気失せる喩えやめるべ」
キィーーーーーーーーーーーン!
アマカジ達「「「キャーーーーーッ」」」
スグリ「おお……ガブリアス」
カキツバタ「あいつだけならドローンロトムの電撃なんて効かないんだがねぃ」 - 24二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 18:27:00
バッサ バッサ バッサ バッサ バッサバッサバッサバッサ
アカマツ「!今度はトロピウスの群れ!渡りの中継地点なのかな」
スグリ「房ある?」
アカマツ「ある!おーーーい、トロピウスーーー!」
トロピウス達「「「?」」」
アカマツ「その甘ぁいの分けてくれーーー!」
トロピウス(しゃーなし)ヒョイ
アカマツ「ありがとう!へへ、どうやって辛く調理してやろうか」
カキツバタ「どうしてわざわざ……」 - 25二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 19:37:07
トロピウスやさしい
- 26二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 21:00:53
ところで、地形はスレ画(初代ポケスナのポケモンアイランド)に近いのかな?あくまでイメージであってこれから安価かな?
- 27二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 21:59:26
ハバタクカミ「…………」フヨフヨ
テツノツツミ「デ、リ……デリデリデリ、デリ……」
スグリ「あ、おれあいつら見たことあるべ。エリアゼロにいたんだ」
アカマツ「この島もエリアゼロと関係あったりするのかな?」
テツノツツミ「デリーーーーーッ!」ファァァァァァァァ
カキツバタ「氷ってのは使えたら便利だねぃ。溶かせば水になるし、時間差の重しにもなるしで」
アカマツ「食材も保管できるもんね」
カキツバタ「さぁ〜て、と!次はこっちの森に分け行ってみようぜぃ隊員達」
スグリ「ここら辺えらく生い茂ってんな。何か潜んでそうな」
ザッ
ヒュンヒュン ヒュンヒュン ザッ ザッ
カキツバタ「早速のお出ましかよ……」
ザルード達「「「…………」」」 - 28二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:07:50
アカマツ「ザ、ザルードだ。確か物凄く貴重なポケモンで……縄張り意識が凄く強いって」
ザルード「……!!」ビュンッ!
スグリ「ツタを出してきた!やるき満々みてぇだべ」
アカマツ「バシャーモならどっちのタイプでも有利……だけど森の中で囲まれていたら」
カキツバタ「いやいやいやいや本当ごめんなすって!」
ザルード「……?」
カキツバタ「オイラ達この島では新入りも新入りなもんで、ついついうっかりあんたさん達のお家に迷い込んじまったみたいでさ」
カキツバタ「今後は重々気をつけますんで、どうか穏便に。ねぃ?」
ザルード「…………」
ザルード「フンッ」スタスタ スタスタ スタスタ - 29二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:14:32
アカマツ「おお〜、ザルード達が帰っていく」
スグリ「カキツバタ、お前以外とネゴシエエタアの才能あんだな」
カキツバタ「いやいや、まあねぃ。何事も話し合いで事が済むんなら越しこたないからな」
カキツバタ「それに弁明を聞いてもらえるだけタロより余程マシでやんしたw」
スグリ「そんなんだからキレられんだべ」
一方その頃、女子組は……
ゼイユ「それでネリネ、道具を作るって何か方法でもあんの?」
ネリネ「アカデミーからの特別講師であるレホール先生が、ヒスイ地方のことについて講義をしてくださったことを……覚えていませんよね」
ゼイユ「決めつけんじゃないわよ!まぁ覚えてないけど」 - 30二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:20:15
ネリネ「ヒスイ地方の人々がモンスターボールやげんきのかけらを作る、"クラフト"という技術体系について興味を持ちました。いわゆる道具プリンターの雛形です」
ゼイユ「……今できんの!?どうやって?」
ネリネ「スーパーコンピュータを凌ぐ頭脳を誇る、我がメタグロスの出番です。素材を元にした加工のプロセスを瞬時に計算し、最適な形で出力します」
メタグロス「メタ」
ゼイユ「とにかく、メタグロスにクラフトを手伝ってもらえばなんでも作れるって訳ね!なんだ意外と楽勝じゃない?」
ネリネ「いえ、あまりに複雑な物を作らせようとすればオーバーロードを起こして"じばく"します」
ゼイユ「知恵熱で炉心やられてんじゃないのよ!」
ザック ザック ザック ザック ザック ザック ザック
ゼイユ「寝ぐら作りも精が出るわねー」
ネリネ「そろそろタロに休息を促すべきかと」 - 31二次元好きの匿名さん25/08/29(金) 22:30:00
ドリュウズ「ドガガガガガガガガガガガ!!」ガリガリガリガリ
グランブル「バフワフ!バウアウ!」ゴゴゴゴゴゴ
タロ「ブツブツ……ブツブツ……」カン カン カン カン
ゼイユ「おーい、タロー!濾過水飲んで休みましょー」
タロ「……コン……シ……ライ……」カン カン
ゼイユ「何ぶつぶつ言ってんの?」
タロ「ヤーコン……シアノ……ブライア……ヤーコン……シアノ……ブライア……ヤー……」カン カン カン
タロ「……はっ!あぁ、どうもすみません」
ゼイユ「いや随分熱中しながら……なんで人の名前言ってんの?」
タロ「ああ、うるさかったですね。ごめんなさい」
タロ「島を出たら"おれいまいり"しに行く人の名前を口ずさんでました」 - 32二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 07:09:55
ゼイユ「……パパさんとクソジジイは分かるけどブライア先生も?」
タロ「だってあの人学務主任ですよ?生徒がこんな過酷な環境に置かれそうになれば止めてくれるのが筋じゃないですか。きっとテラスタル研究やらを餌に買収されたんですよ」
ゼイユ「まぁなくはなさそうだけど」
タロ「ついでにパッツパツでムッチムチの可愛くない体型を見せつけてくるのも鼻につくので」
ゼイユ(そっちがメインじゃないわよね?)
カエッタゼィ〜〜〜!!
ゼイユ「男どもが帰ってきた!良い知らせを持ってきてくれたならいいけど」
タロ「お疲れ様でした三人とも。わっ、結構あるじゃないですか!」
アカマツ「見てみて先輩!この島山椒もたくさんあった!俺も腕の振るい甲斐があるよ」 - 33二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 07:21:00
アカマツ「アマカジの欠片は半分は炒めて、もう半分は果汁を絞ってジュースにしようかな……」
ゼイユ「水はどうだった?」
スグリ「おれのニョロトノ特性"あめふらし"だからその水貯めればオッケーだべ!」
ネリネ「クラフトの材料も集まってきました。まずは生活用品から製作を開始しましょう」
ゼイユ「そうね!あたしには文明的な暮らししか似合わないもの」
スグリ「歩き疲れて流石に疲れたな。クラフト見ながらちょっと休んでよ……」
カキツバタ「何でぃ体力ねぇなぁ。オイラはこのまま浜辺の探検にも繰り出してやるぜぃ!」
タロ「この状況下でバイタリティ湧きすぎでしょカキツバタ」 - 34二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 07:44:43
そして初日が終わろうとしていた……。
アカマツ「お待たせ〜!ご飯できたよ、並んで並んで〜!!」カンカンカンカン
ゼイユ「きたきた、もうお腹モルペコよおおおおお!!」
ネリネ「クラフトした大フライパンの性能はいかがでしたか?」
アカマツ「中々使いやすいよ!」
ゼイユ「木の枝から皿にコップ、スプーンと箸まで作ったからね!遠慮なく使いなさい!」
スグリ「にへへ、焚き火を囲みながら外でご飯って本当の冒険みたいでいいな」
タロ「彩り豊かで美味しそう〜」
アカマツ「山椒をたっぷり使ったガパオライス風きのみ炒め!アマカジジュースもあるよ」 - 35二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 09:17:51
カキツバタ「みんなに行き渡ったかぁ?それじゃ、乾杯!」
タロ「こんな状況で何はしゃいでんの?」
カキツバタ「リーグ部一丸で無人島に挑む初日だぜ?パーっと開始を宣言しようや!乾杯!」
「「「「「かんぱ〜〜〜い!」」」」」
スグリ「……ぷはーーーっ!歩き通した日の終わりにこの甘さは沁みる〜〜〜」
タロ「きのみというか食材本来の味と甘さを味わったの、これが初めてな気がします」
ゼイユ「学園食堂のご飯は添加物たっぷりだろうしね」
アカマツ「一杯だけならお代わりあるよ!」
タロ「お皿を洗う分担はどうしましょう?」
ネリネ「その手間を省くために、毎食終わればクラフトで作り直そうかと」 - 36二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 12:39:01
あれ
ハバカミがない
まだ出ないのか - 37二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 12:51:56
カキツバタ「ごちそうさん!ふぃー、食った食った」
ゼイユ「お腹いっぱいなったら眠くなってきたわねー。もう辺り真っ暗じゃない」
スグリ「そういえばタロは寝床作ってくれてたんだべな」
タロ「我ながら中々立派なの作りましたよー!早速見てみます?」
ネリネ「全員が寝るためのマットレスやブランケットも間もなく完成します。それからこれも……」
アカマツ「あっ、歯ブラシ!」
ネリネ「木の枝とポケモンの抜け毛から作りました」
ゼイユ「この島の食べ物甘いの多いから必須よね」
フヨフヨ フヨフヨ
ハバタクカミ「…………?」
スィーーーーーッ…… - 38二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 18:32:37
タロ「じゃーーーーーん!!どうです?急拵えにしては中々だと思いませんか。ドリュウズとグランブルが半日でやってくれました
アカマツ「わあっ、すごい!リーグ部の秘密基地だ!」
タロ「流石に本場ホウエンには及ばないですけどね。皆の集合場所と、男女それぞれの寝室を作りましたよ」
タロ「あとこれ!ここが特にお気に入りなんです!掘ってる途中に見つけた、露出した水晶。キレーでしょ?」
スグリ「なんかステンドグラスみたいだべ」
タロ「どうやら水晶の他に鉄の鉱脈もあるみたいなんですよ!それがあれば」
ゼイユ「クラフトもますます捗るってワケね!」 - 39二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 18:39:40
スグリ「じゃあ今日はもう疲れたし、早く寝るとするか」
ゼイユ「時間が潰せる本もスマホも、ゲームだって無いもんね」
カキツバタ「ええ〜〜〜っ!?もう?もう寝んの!せっかくの初日なんだぜぃ?」
カキツバタ「夜に仲間達で語り明かそうって〜〜〜!」
ネリネ「目的もないのに体力の空費は得策ではありません」
アカマツ「明日だって食料取りに行かなきゃだし、はしゃぎすぎはよくないよ」
タロ「うるさくしたりオナラしたら追い出すからねカキツバタ!」
カキツバタ「ちぇー……」
タロ「それでは皆、おやすみー」
>>40 「寝付けない……」(メンバーの誰か)
- 40二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 19:02:13
スグリ君
- 41二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 21:46:44
スグリ「………」
スグリ「うーーーん……寝付けないべ」
スグリ「実家から寮に移った時も最初の週は中々寝れなかったっけ」
スグリ「二人は……」チラッ
カキツバタ「ねぃ〜〜〜……ねぃ〜〜〜……ねぃ〜〜〜……♪」スヤスヤ
アカマツ「いやいやお義父さん……先輩のためならそれぐらい……///」スヤスヤ
スグリ「よく寝てんなぁ。カキツバタの奴めちゃくちゃいい顔してんべ」
スグリ「ちょっと外でも散歩してくるか……」テクテク
スグリ「姉ちゃん二人に迷惑かけてないかな。昔は寝相悪くておれの顔蹴りまくってたもん」 - 42二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 22:15:48
ザザーーーン…… ザザーーーン……
スグリ「静かな砂浜だべなぁ……」
スグリ「そんで綺麗な星空だ。こりゃもはや宇宙だな。人間の光がないとここまでくっきり……おっ流れ星だ」
スグリ「姉ちゃんがマトモな男と結婚できますように!姉ちゃんがマトモな男と結婚できますように!姉ちゃん……」
スグリ「……ん?」
ハバタクカミ「〜〜〜♪」フヨフヨ フヨフヨ
スグリ(あのムウマみたいなの!エリアゼロにいたやつだ。ゴーストっぽいから夜に動くんだな)
ハバタクカミ「スンスン……フンフン……」
スグリ(どこに向かって……あ!)
スグリ(あそこ、アカマツが取ってきたアマカジの実が貯蔵されてる!)
スグリ「ま、待って!」 - 43二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 22:52:55
ハバタクカミ「ムッ……?」ジトー
スグリ(ここでバトルしてみんなを起こすのも可哀想だべ。ポケモンを元気にする薬だって限られてるし)
スグリ「カミツオロチ!」ボムッ!
カミツオロチ「シャーーーーーッ!!」
フシャァァァァァァァァァァァ……
ハバタクカミ「??」
スグリ「カミツオロチは甘々のリンゴに身体入れてるから、ミツも出せるんだべ。どう?」
ハバタクカミ「♡♡♡」ペロペロペロペロ
スグリ「にへへ、気に入ってくれたみたいだな」
スグリ「それにしても君はエリアゼロから来たの?それともここが地元?」
ハバタクカミ「♪♪♪」ペロペロ
スグリ「ま、いっか。おれ達だって何でここにいるのか分かんないべ」 - 44二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 23:13:06
ほしゅ
- 45二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 06:41:23
このレスは削除されています
- 46二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 07:53:59
〜二日目〜
カキツバタ「新しい朝が来た〜〜〜!皆おはようねぃ」
ネリネ「身体の節々に殴打されたような痛みが……」
ゼイユ「新しい寝床だから慣れないんじゃない?そのうち平気になるわよ」
スグリ「…………」
タロ「慣れるほど長居するつもりはないですよ!しかし差し当たっては作業をする他にないですね」
アカマツ「今日も俺は食材を取りに出かけようと思うけど」
ゼイユ「あたしも行く!たまには気分転換に出歩きたいのよね」
タロ「ではスグリ君とカキツバタはわたしの採掘作業をお手伝いしてくださいね」 - 47二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 08:22:21
ネリネ「タロ、準備ができました。上下の作業着に手袋、ヘルメット、それから念のためツルハシです」
カキツバタ「クラフトって便利だねぃ」
タロ(さぎょういんのすがた)「どうですか!?」ジャーーーーーン
スグリ「わぁ、すごい。あのタロがガテン系のお姉さんになっちまったべ」
カキツバタ「ホドモエジムに紛れてても違和感ないぜ」
タロ「今まで修めてきたジャンルとは違いますけど、こういうカワイイもありですよね」
タロ「さぁ行きましょうか!日が落ちる前に成果を上げないと」 - 48二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 12:27:07
スグリ「へぇ〜、ここが鉱脈かぁ。わや硬いけど本当に掘れんのか?」
タロ「スグリ君、カミツオロチのレーザーで壁に罅を入れてください。そうしてくれたらドリュウズで掘り始めますから」
スグリ「本格的な採掘会社みたいだべ……」
ズビビビビビビビビ
タロ「カキツバタァ!一人で勝手に奥まで行かないで!人には有毒なガスが噴き出してることもあるんだからぁ!」
カキツバタ「確かそういうのが平気なドガースとかを先に行かせるんだよな?おっかねぃおっかねぃ♪」
タロ「もう……」
タロ(こういう指示やら注意やらが出てしまう辺り……わたしやっぱりパパの娘なのね)
ドリュウズ「ドガガガガガガガガ!」 - 49二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 12:35:51
ボロボロ ゴロゴロゴロゴロ
スグリ「掘れた掘れた!台車に積み込んで、と……えっほ、えっほ」
タロ「積めました?それじゃいきますよ。ふんぬぬぬぬぬぬぬ!!」グググググ
グランブル「ばううううううう!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
タロ「くっ、う、ぬぅぅぅ……もう少し……!」
タロ「はぁっ、はぁ、着いた!お願いしますねブリジュラス」
ブリジュラス「キュイイイイイイイ!」(身体を伸ばしてベルトコンベアと化している)
ガッガッガッガッガッガッ
カキツバタ「…………」
スグリ「おいカキツバタ、そんなに掘っても台車まだ戻ってこないべ」
カキツバタ「…………」
ザクザクザクザクザクザク
スグリ(こいつこんなに集中できんのか……!?) - 50二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 12:44:31
タロ「ふぃーーーっ。お昼休憩しましょう皆さん」
スグリ「お、お休みか……。長いのか短いのかすらよく分からんかったべ」ゼェゼェ
タロ「まずは頑張ってくれたポケモン達を回復しないと……」
ネリネ「お疲れ様でした。クラフト係も新しい作業に移ります」
カキツバタ「おぉおぉ、掘ったもんだねぃ!何が作れるか楽しみだな」
ネリネ「クラフトの過程で精錬等行われるので、外観ほど多くはならないでしょうが」
タロ「作業を続けるには適度な休みが不可欠ですよ。日陰で横になって一息つきましょう」
タロ「カキツバタも!フラフラ出歩かずに寝てて」
カキツバタ「海で汗をさっぱり流したいんだがねぃ」
タロ(作業に夢中で気づかなかったけど、わたし汗のニオイ大丈夫かな?)スンスン - 51二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 12:48:58
一方その頃……
ゼイユ「森から出てきてまでケンカ売ってんじゃないわよおおおおおおおお!!」シャーーーーーッ!
ザルード「…………」ドンビキ
ゼイユ「見なさい!あたしの美しさに尻尾巻いて逃げ出してくわ!」
アカマツ「う、うん。取り敢えずアマカジの欠片は必要な分手に入ったな」
ゼイユ「ねぇ、一々取りに行くの面倒だし危険じゃない?ゲットするためにモンスターボール作れないの?」
アカマツ「ネリネ先輩に聞いたんだけど、ボールに必要なぼんぐりが自生してないから、ボールを幾つも取り込んでデータを蓄積しないといけないんだって」
ゼイユ「あたしらのポケモンが入ってるボールは捨てられないもんね」
アカマツ「……ん?」
ゼイユ「どうかした?」
アカマツ「あの海の方……」 - 52二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 12:57:22
ゼイユ「え……え!?あれってもしかして」
タロ「ふわぁ……お昼寝もできたしぼちぼち再開しますか」
スグリ「ん?なんだあれ、姉ちゃんとアカマツが息切らして走ってるべ。野生ポケモンに襲われたべか?」
アカマツ「皆、こっち来て見て!人が漂流してる!」
タロ「はい!?」
ゼイユ「ほらあれ!水着の男みたいなのが波に揺られてこっちに来てるでしょ!」
ネリネ「……いえ、あの軌道と動きは漂流しているものではないと判断します」
カキツバタ「というか……普通に泳いでるねぃ」
「おーーーーーい!!」
タロ「あ、あの人……!」
シズイ「おはんら、こげな島でなんばしよっとね!?」 - 53二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:06:03
ほす
- 54二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:07:37
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- 55二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:10:49
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- 56二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 19:32:28
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- 57二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 20:03:44
スグリ「えっと、お兄さんは?」
アカマツ「こ、この人は……」
ネリネ「シンオウ地方・セイガイハシティのジムリーダーを務めるシズイさんです」
ゼイユ「えーーーーーっ!?こ、こんなメガシンカした海パンやろうみたいな人があ!?」
シズイ「こげん無人島におっなんて、ないか特別な事情があっようじゃな?」
タロ「実は……」
シズイ「はっはっはっはっはっは!いやいや、ヤーコンさんもてげなこつ考えおるのう!!」
タロ「ちっとも笑い事じゃありませんっ!」
アカマツ「ところで、シズイさんはどうしてこの島に?」
シズイ「日課の水泳トレーニングに決まっちょっじゃ!ところが張り切りすぎてこげん遠洋まで来てしもた!ま〜たシャガさんに怒られるわ」
カキツバタ「なんだシズイさんもオイラと説教され仲間かぁ!」 - 58二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 20:04:45
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- 59二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 21:10:22
シズイ「しっかし、こん辺りには変な小島がたくさんあっね。ワカクサ大豆が育っちょっところもあったじゃ」
アカマツ「ワカクサ大豆ぅ!?あ、あのマメミートの材料の?」
タロ「……ん、あれ?ちょ、ちょっと待ってください」
タロ「シズイさんはここまで、泳いで来られたんですよね?」
シズイ「おう!」
タロ「ドローンロトムに……邪魔されたりしませんでした?」
シズイ「あー、確かに変な物がたくさん浮かんじょったけど、特にないかされたことはなか」
タロ「ということは……」
スグリ「あのドローンロトム、もしかして俺ら以外には反応しない?」
ネリネ「一般人やポケモンとの事故を防ぐため、十分有り得ることかと」 - 60二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 01:17:30
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- 61二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:11:28
シズイ「じゃあのぉ!体気つけてなぁ!」ザブザブ
シズイは泳いで帰って行った。
タロ「やっぱりシズイさんは攻撃されない……島から外に出るとしても、わたし達と認識されない限りは……」ブツブツ
アカマツ「あの、みんなちょっとごめん!緊急会議!」
ゼイユ「分かってるわよ。小島にあるっていうワカクサ大豆とかのことでしょ」
アカマツ「うん!それが回収できればマメミート作れるよね?」
ネリネ「おそらくは可能かと」
スグリ「肉が食えるならメニューも一気にバリエーション増えるべ」
カキツバタ「いぇ〜〜〜い!バーベキューだぁ!」 - 62二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:48:48
タロ「問題は、どうやって小島まで移動して戻ってくるかですよね」
ゼイユ「ネリネ、あんたの連れてきた手持ちなら空飛べるじゃない!」
ネリネ「往還は容易ですが、収穫した大豆を運搬するにはキャパシティが足りません」
スグリ「船……がいるべ」
ゼイユ「だったら森に行って材木採りに行きましょ!早速……」
カキツバタ「いや待った!慣れない舟漕ぎなんかして、ひっくり返ったら大変だろぃ?」
カキツバタ「ここは島のポケモン達に力を借りるんだよ!確かガブリアス棲んでたよな?小島までひとっ飛びだ」
タロ「う〜ん……」
どちらにする? >>63
- 63二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 07:57:17
ガブリアス
- 64二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 12:20:02
〜〜〜〜〜〜〜〜
ゼイユ「ホントに大丈夫なんでしょうねぇ!?ガブリアスってめちゃくちゃ速くて強いポケモンじゃないの!」
カキツバタ「ツバっさんに任しとけって〜。ドラゴン一族の一員なんだぜオイラ?」
ゼイユ「マトモに実家にも帰らないくせに……」
スグリ「前はアマカジ達の頭上を飛んでいって……確か出てきたのは」
カキツバタ「あすこだ」
ゼイユ「じゃあさっさと進むわよ!」ズンズン
カキツバタ「あ、待ちなスグリ」
スグリ「?」
カキツバタ「フカマルは横穴から飛び出して獲物に噛み付く習性があって」
ズデンッ!
ゼイユ「ぎゃっ」
カキツバタ「下手に入るとああなる」
ゼイユ「あたしにも説明しなさいよおおおおお!!」 - 65二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 12:25:03
フカマル達「「「シャーッ!」」」
ザッ ザッ ザッ ザッ……!
ガブリアス「「グルル……」」
ゼイユ「おいでなすったわね……」
スグリ「なんか二匹いるべ?」
カキツバタ「群れを率いるつがいに違いないねぃ。背鰭に切れ込みある方がオスで、ないのがメスな」
カキツバタ「いきなりの訪問申し訳ねぃ!ちょいとお前さん達の力をお借りしたくてさぁ……」
ガブリアス(メス)「フーーーーーッ!!」
スグリ「おい大丈夫!?」
カキツバタ「下手に手出すな。オイラには秘策がある」
カキツバタ「勿論タダでなんてケチくさいこた言わねぃ。きちんと対価を支払うからさ」
カキツバタ「……じゃーーーーーん!!」 - 66二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 12:30:09
ガブリアス「「!!!!」」
フカマル「「「…………」」」ザワザワ ソワソワ
スグリ「カキツバタが手に持ってるのって」
ゼイユ「タロが掘った洞窟から見つかった水晶よね」
ガバイト「「「「「グワーーーッ!!」」」」」ゾロゾロゾロゾロ
ゼイユ「うわなんかメッチャ出てきたぁ!?」
カキツバタ「はいはい皆押さない押さない。青いのだけじゃなくて赤も緑も紫もあんだからねぃ」
ガブリアス(メス)「フーーーム……」
スグリ「あ、なんかテレビとかで見たことあるべ」
スグリ「ガバイトはキラキラ光る石やガラス玉なんかが好きで、住処で眺めてるんだってさ」
ゼイユ「それでガブリアスの群れと取引しようってワケね。歯磨き頭あんなんでもドラゴンの知識は深いんだ」 - 67二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 19:16:23
続きが楽しみ
支援ほしゅ - 68二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:24:07
ガブリアス(メス)「…………」ウンウン
ガブリアス(オス)「コクコク」
カキツバタ「おっ!来てくれんのかぃ!?いやぁ、流石誇り高きドラゴンポケモンにお願いした甲斐があったねぃ!」
フカマルとガバイト達「「「「「ワイワイワイワイ!!」」」」」
スグリ「皆で見送りしに来てるな」
ゼイユ「お土産目当てで盛り上がんのはポケモンも同んなじねー」
アカマツ「あ、戻ってきた!本当に連れてきてる」
カキツバタ「待たせたねぃ!ガブリアス先生をお連れしたぜ〜」
ガブリアス(オス)「…………」
ネリネ「収穫用の鋏をクラフトで作りました。こちらの籠も。お気をつけてガブリアス先生」 - 69二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:57:54
キィーーーーーン!!
カキツバタ「いやっほぉ〜〜〜う!速い速いねぃーーー!!」
アカマツ「ちょっとちょっと先輩!あんま飛ばしすぎないでよ〜」
カキツバタ「大丈夫だって!ほら、海の上も観察しててくれよ。面白いポケモンいるかもしれねぃしな」
アカマツ「んもう……あ、小島見えてきた!本当にワカクサ大豆生えてるよ」
アカマツ「マメミートで肉料理食べられたら、皆もきっと喜んでくれるだろうなぁ」
カキツバタ「当たり前だろぃ!オイラ、バーベキューすること考えて今から涎止まんねぃよ!」
アカマツ「先輩は青春ぽい騒ぎをするのが楽しみなだけじゃ……」 - 70二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:54:06
(今後の展開少し考えるのでちょっと遅くなります。申し訳ない)
- 71二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 08:17:05
カキツバタ「到着ぁ〜〜〜く!結構来たなぁ、今いる島の全景ってあんな感じなんだねぃ」
アカマツ「早速収穫しよ、先輩!あんまり採りすぎると後が怖いから、取り敢えず一食分ね」
アカマツ「豆を島でも育てられたら楽なんだけどなぁ。ザルードのツルってさ、土に撒くと……ん?」
ドローンロトム「…………」ブブブブブブブブ
カキツバタ「ドローンロトムだ」
アカマツ「え、もしかしてここの豆採ったらマズイかな!?」
カキツバタ「というワケでもなさそうだねぃ。初日のゼイユみたく、逃げ出さないように見張ってんじゃねぃか」
カキツバタ「……!」ニヤリ
カキツバタ「イェーーーイ!ジジイ、アイリス、見てるぅ〜〜〜!?」 - 72二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 08:19:54
- 73二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 08:36:25
ギャラドス
- 74二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 11:24:22
タマンタ
- 75二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 15:07:41
カキツバタ「タマンタかぁ〜!いいねぃ、マンタインに進化すればオイラ達も乗せてくれるかもな」
アカマツ「テッポウオが近くにいるかは分からないけどね」
カキツバタ「アカマツはマンタインサーフしたことあるか?アローラに旅行行った時にオイラしたんだけどよ、楽しかったぜぃ〜。水飛沫を浴びながらジャンプにスピンに急加速だ」
カキツバタ「そのままアローラに残ろうかとすら思ったねぃ」
アカマツ「どれだけ南の島に行きたかったのさ先輩。……それとさ」
アカマツ「ハッキリとじゃないんだけど、海の底に見えたんだ。すごく大きな影……登り龍みたいな」
カキツバタ「ははぁ……そりゃあ怒らせないように気をつけねぃとマズイな」
カキツバタ「島の皆みたいに話して分かってくれるんならいいがよ」 - 76二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 19:45:54
〜〜〜〜〜〜〜〜
アカマツ「みんな、ただいま〜!」
スグリ「えっほ、えっほ……あ、二人が帰ってきたべ!」
カキツバタ「ほれほれお待ちかねの豆を持ってきてやったぜぃ〜?」
ゼイユ「でかしたわアカマツに歯磨き粉!今日は重労働だったからガツンといきたかったのよっ」
ネリネ「先生、お疲れ様でした。報酬の水晶をどうぞ。また明日もよろしくお願いします」
ガブリアス「〜〜〜♪」
アカマツ「?なんかレールみたいなの敷いてるけど、これは何?」
ネリネ「鉱脈から外に繋がるベルトコンベア……の原型です。能力がまだ通ってはいませんが」
タロ「完成の暁には運搬の労も減らせて、採掘に集中できるはずですよ!今でも滑らせて運びやすくなってますしね」
ゼイユ「もう開業考えるレベルじゃないの」 - 77二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:18:48
そして、夜ご飯……
アカマツ「皆、お待たせ〜〜〜!アカマツ特製マメミートハンバーグ!!」
タロ「うわぁ〜〜〜、美味しそうーーーっ♪」
スグリ「わっ……わやっ!このお肉ふわっふわだなぁ、しかもジューシーだし」
ネリネ「マメミートのクラフトは想定以上に成功を収めたようです」
アカマツ「トロピウスの房をつなぎに使ったんだ。アマカジの実のグラッセも付け合わせにしたから!」
カキツバタ「それじゃあ……いっただっきまぁす!!」
ゼイユ「……ぷはぁ〜〜〜!肉食った肉食ったぁ!」
タロ「やっぱり疲れてる時、落ち込んでる時は肉が答えですよね!」
アカマツ「えへへ、喜んでもらえてよかった!」
スグリ「ふぁ〜、腹一杯になって眠くなっ……あれ?」 - 78二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:24:15
ゼイユ「何よスグ。どうかした?」
スグリ「なんかこっちに近づいてきてるもんがあって……」
アカマツ「ドローンロトムだ!でもなんだろう、何か板みたいなの持ってない?」
ネリネ「……液晶画面、で間違いないかと」
タロ「な、何ですか?何か伝えたいことでも?」
カキツバタ「どれどれ……お?」
『ニュース』『天気予報』『動画視聴』『通販』
残時間 59:24
タロ「ポータル……サイト?すごい簡略化はされてますけど」
ネリネ「島の外について知る手段を、時間制限ありで提供してくれるようです」
スグリ「昨日はこの時間とっくに寝てたから気づかなかったんだ(寝付けずに出た時にはもういなかった)」 - 79二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:14:56
タロ「通販て……買ったところでこんな島に届けてくれる業者がいるわけないじゃないですか」
ゼイユ「あ、でもさ!逆にこっちで何か作って売りに出すのはどうよ?ネリネのクラフトなら大抵のもん作れるでしょ」
スグリ「いつ使えるかも分からん外貨より島で役立つ道具の方が嬉しいべ……」
カキツバタ「取り敢えず動画でも見て時間潰そうぜぃ。ルチャブルvsカイリキーの実況中継でいいか?」
ゼイユ「やりなさいルチャブル!そこよおおおおおおおおおおおおお!!」ギリギリギリギリギリギリ
アカマツ「いだだだだだだ!先輩、ゼイユ先輩!ヘッドロックやめて!スグリ、代わっ……」
スグリ「や、やだよ。おれは4の字固めされるもん」
ネリネ「テレビが一般に流通した劈頭期を想起させる光景です……」 - 80二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 16:30:47
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- 81二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 16:31:57
残時間 0:00
ドローンロトム「…………」フヨフヨ
アカマツ「もう終わりかぁ」
タロ「さ、皆さんもう寝ますよ。カキツバタ、明日はベルトコンベアを動かすのにブリジュラスの力を借りさせてもらいます」
カキツバタ「いっそクラフトでアンテナとかWi-Fiルーターとか作れないもんかねぃ?」
ネリネ「メタグロスの電子頭脳が保ちません」
スグリ「痛い痛い痛い痛い!姉ちゃんやめるべ!」
ゼイユ「ふっふっふっふ、魅惑のゼイユクラッチよぉ〜!」ググググググ
「……デリ」
テツノツツミ「デ……デリ?」 - 82二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 21:45:24
ゼイユ、コンヤハカベギワデシュウシンヲオネガイシマス。
エーッ、アタシソンナニネゾウワルイ?
ネゾウトウリコシテアレハアバレテルベ……。
テツノツツミ「デリ……」ウーン
ハバタクカミその2『👥👥👥?』
ハバタクカミ『🍯🍯😋♡』
テツノツツミ「!!…………」
テツノツツミ「デリリ……」ニヤリ
ジャキッ!
ビュオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!! - 83二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 07:10:50
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- 84二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 07:12:44
〜三日目〜
タロ「……ふぁ……ふぇ……」
タロ「ぶぇくしぇっ!あ、カワイくないクシャミ出ちゃった。誰も聞いてないですよね?」
タロ「というか肌寒い……なんてものではないですよ!防寒具必須なレベルですこれ!」
タロ「雨?まさか台風?一体何が起こっ……」
ビカーーーーーッ!!
タロ「眩しっ!え、何これ!?何が日の光を照り返して……」
タロ「……な」
ヒュウウウウウウウウウウ……
タロ「何ですかこの一面の雪景色は……」 - 85二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 12:33:54
スグリ「おはよー。今日なんか寒……うわ!?」
ゼイユ「何これ!?海!?水面上昇ってここまで進んでるワケ!?」
ネリネ「落ち着いてゼイユ。これは海ではなく積雪です」
ゼイユ「そっちのがよほどおかしいわ!」
タロ「……カキツバタは?」
アカマツ「先輩なら俺達と一緒に起きたはず……あ」
カキツバタ「えっほ、えっほ、えっほ……やれやれ、綺麗な球にならないねぃ」
タロ「異常事態に雪だるま作ってんじゃないですよぉ!」
スグリ「ねぇ見て、あれ!」
テツノツツミ「デ〜リデリデリデリデリデリデリwww」
アカマツ「前に見つけたデリバードみたいな奴」
ゼイユ「アイツの仕業だったのねぇ……!」 - 86二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 12:41:31
ゼイユ「このイタズラブリキ人形!あたしの雪玉を食らいなさいっ!」ブンッ
テツノツツミ「ヒョイッ」スカッ
テツノツツミ「wwwwww」
ゼイユ「むぎーーーーーっ!!」
カキツバタ「おっ、雪合戦か!いいねぃ、だったらオイラはこっちにつかしてもらうぜぃ」
テツノツツミ「リバーッ!」
ヒュゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
カキツバタ「おほっ、袋から氷水出してジェットスキーみたいに走れんのか!んじゃ背中失礼して……」
ヒュン! ヒュン! シュンッ!
カキツバタ「はははははは!どうでぃ、猛スピードで走り回りながらの雪玉!百発百中だろぃ!」
アカマツ「ちょ、先輩……ぶわ!」
タロ「朝っぱらから調子に乗って……」ワナワナ - 87二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 12:49:47
タロ「皆さん!あの馬鹿を撃ち落として弁えさせてやりましょう!」ブンッ!
スグリ「よ、よぉし。年末帰省する度に大量の雪かきさせられるキタカミ男の腕を思い知るべ!」ヒュンッ!
アカマツ「み、皆も!?だったらポケモン……出したら溶けちゃうか」
カキツバタ「なんでぃなんでぃ皆やる気満々じゃねぃの!そう来なくっちゃな!」ビシッ! ビュッ!
ゼイユ「もっとよグラエナ!もっともっと雪を掘るのよーっ!」
ネリネ「即席でクラフトした手持ちの投石器ならぬ投雪器です。飛距離と精度が向上するはず」
タロ「ありがとうございます!フン!逃げるなカキツバタっ!」ゴオオッ
テツノツツミ「バリリーーーッ!」
カキツバタ「ぬおお!?こりゃ当たったらひとたまりもねぃや!」
タロ「ぜぇっ、ぜぇ、ぜぇ……疲れた」
テツノツツミ「デリバリ〜〜〜♪」フリフリ
ネリネ「たくさん遊んで満足してもらえたようです」
アカマツ「辺りは雪なのに汗かいちゃった……」 - 88二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 20:26:30
カキツバタ「いやぁ〜、盛り上がった盛り上がった!まさか無人島で雪遊びができるなんて思いもしなかったねぃ」
タロ「本当いい加減にしてよねカキツバタ!?採掘作業しなきゃなのにここまで体力浪費しちゃった!」
カキツバタ「たまの休養日ってことにすりゃいいだろがぃ。あと何日ここに居られるか分かんないんだぜぃ?」
タロ「そんな不吉なこと言わな……」
アカマツ「皆〜!アマカジ味のかき氷食べる人!」
タロ「……いただきます」
スグリ「くぁ〜〜〜っ!頭キンキンなってんべぇ〜……」
ゼイユ「スグって昔っから冷たいもので頭痛食らうわよね」
ネリネ「まるでコダックを思わせる姿です」 - 89二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:20:09
タロ「しゃくしゃく……まったく、もう……」
カキツバタ「そもそもさ、こんな大量の雪が文字通り降って湧いたんだぜぃ?有効活用しなきゃ損ってもゆだろうが」
アカマツ「溶かして真水にするとか、食材の保管庫を作るとか?」
カキツバタ「いい線いってるねぃ!だけどオイラが提案するのは、今だからこそ!楽しめるもんだ!」
ゼイユ「あんたの生き方って無駄に刹那的よね」
カキツバタ「今は雪が積もっていて寒い、なのに汗まみれ、そして動き回ってクタクタ。とくれば、必要なものは何か?」
ネリネ「何でしょうか」
カキツバタ「温泉に決まってんだろがぃ!!」 - 90二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 07:42:55
アカマツ「べほあぁ!?」ブフーーーッ
ゼイユ「うわっ!?口と鼻からかき氷吹き出してんじゃないわよ」
タロ「お、温泉…?」
カキツバタ「そう!この島には食い物がある、家もある。道具もあるし、ポケモンもいてくれる」
カキツバタ「あとは温泉がありゃ完璧だ!疲れを癒すのにこれ以上のもんはねぃ!」
スグリ「確かに、ここに来てから水浴びして汗流してただけだったし……」
カキツバタ「だろ、だろ!?早速男と女の仕切りを作るとこからだな」
アカマツ「仕切り……」
カキツバタ「混浴だって期待してたかぃ?」ニヤニヤ
アカマツ「ち、違うよ!?」
数時間後。
カポーーーーーン……
「ふぃ〜〜〜…………」 - 91二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 16:27:50
タロ「いつもはシャワーで済ませることが多いですけど、張ったお湯に身を預けるというのもオツですねぇ」
ネリネ「カントー地方のナナシマ、ホウエン地方のフエンタウンなどが、温泉の名所として著名な」
ゼイユ「……っあ゛ぁぁぁ〜〜〜〜〜っ……♪」
ネリネ「どうしましたゼイユ?喉から搾り出すような声をして」
ゼイユ「温泉入り慣れてないと知らないかもだけどね、気持ちいいお湯に浸かればこう言うのがマナーなのよ!」
タロ「ふふふっ、本当ですかねぇ」
タロ「それにしても……アカマツ君の連れてきてくれたブーバーンのおかげで、温泉まで作れるなんて。ポケモンがいればできないこととかないですね!」
ゼイユ「永住しちゃう?」
タロ「それとこれとは話が違います!感心してる間にも脱出方法は考えてるんですからね!」 - 92二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:30:22
保守
- 93二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 00:30:25
タロ「……あ、というか眼鏡かけたままですよ?」
ネリネ「構いません。ネリネにとっては眼鏡のままの方がリラックスできます」
ゼイユ「そうは言っても視界真っ白じゃないの、ふふっ。あたしの美肌が見えないでしょ。そりゃっ」プニプニ
ネリネ「……くすぐったい」
キャッキャ ワイワイ
カキツバタ「あれだけ文句言ってたくせに楽しんじゃってまぁ。ま、それも狙い通りだけどねぃ」
カキツバタ「あ、そういやスグリお前さ、やっぱ小さい頃はゼイユと風呂入ってたのか?」
スグリ「え゛っ……せっかく気持ちいいのに嫌な思い出呼び覚ましてくんのはやめてほしいべ」
スグリ「本当にロクなもんじゃなかった!つまんで引っ張ってくんだべ?おれのオロチュの先っぽを!」
ゼイユ「なぁにがオロチュだ昔も今も小さめのビードルでしょうが!」
アカマツ「なんか兄弟いるのも大変そうだな。ね、先輩」
カキツバタ「そっちはオイラじゃないぜぃ」
ザルード「…………」ヌクヌク
アカマツ「どわあ!?」
カキツバタ「やっぱ猿だから温泉好きなんだなぁ〜」 - 94二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 08:58:34
〜〜〜〜〜〜〜〜
カキツバタ「くぁ〜〜〜、サッパリしたねぃ!」
ゼイユ「あたしのツヤツヤ美肌に磨きがかかりすぎちゃったわよ!」
タロ「自分の身体が岩みたいにガチガチになってるの、初めて気づきました……」
ザルード「……ビッタン ビッタン ビッタン」スタスタ
アカマツ「手から出したツタ、タオルみたいに使ってるんだね」
ネリネ「周辺の雪も溶けたようです。今暫くしたら作業に戻ります」
スグリ「おれも島の探索でも行ってくるかな。温泉浸かったらなんか元気出てきた!」 - 95二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 17:03:30
【お詫び】
プライベートの都合で、明日の夜まで更新ができません。ハートや保守をしてくださる方達に大変申し訳ありませんが、お待ちいただけると幸いです。 - 96二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 02:48:15
保守
- 97二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 12:33:35
保守
- 98二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 13:12:23
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- 99二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 19:02:12
保守ありがとうございます!大変有り難いです!
その日の夜。
タロ「…………」ジーーーッ
アカマツ「タロ先輩、ドローンロトムの画面に穴が空くぐらい熱心に見て……」
ゼイユ「タロー!あたし動画見たいんだけど、って通販のページ見てんの?」
タロ「あ、そうなんですよ。脱出計画について色々と考えてました」
ゼイユ「通販で?」
タロ「出品という形で、島の外からこちらの意思を伝える唯一の手段じゃないですか」
タロ「何か、目を引くような、関心を寄せられるようなものがあれば。あまり褒められた形でなくとも」
アカマツ「SOSを出すのも難しい気がするなぁ……」 - 100二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 19:17:45
一方、森の入り口で……。
カキツバタ「んでんで、パンイチでいるところリーグ部の皆に見つかっちまってねぃ。まぁ機転を利かして誤魔化したんだけどな」
ザルード達「「wwwwww」」
スグリ「あれはちっとも誤魔化せてなかったべ。というかいつの間にか仲良しなってんな」
カキツバタ「話してみりゃ気のいい人、じゃない猿ばかりでよ〜。オイラ本当にこの島いる方が居心地いいかもねぃ」
スグリ「お前いつまで経っても……ん?」
ザルード(見張り)「ギキーーーッ!キィッ!キィッ!」
スグリ「なんか騒がしいな。おれ達の寝ぐらとは離れた海岸の方だ」
カキツバタ「実際に見に行くのが早ぇや。ちょいと失礼ぃ」ヒョイヒョイ
スグリ「あんな早く木に登って……何か見えるべ〜?」
カキツバタ「んーーー、船がつけられてる。中からどんどん人が降りてくるな。……あぁ?」
スグリ「何ーーー!?」
カキツバタ「あの特殊部隊もどきの黒装束に、口元を覆う覆面。そして青い『PZ』の文字。ははぁん……」 - 101二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:08:02
ザッ
スグリ「おい、どうだったべ?」
カキツバタ「プラズマ団だ」
スグリ「え……え!?た、確かイッシュ地方の犯罪集団だっけ?」
カキツバタ「お前は皆の所へ戻ってこのこと知らせてくれぃ。いいか、来たのは黒い方だ。三十人はいる」
スグリ「分かった!待っててな」タッタッタッタッ
カキツバタ「ふぅ。ブリ……いや、ジュカイン」ボムッ
ジュカイン「キモッ」
カキツバタ「こんなにやる気出てくるのいつぶりかねぃ……」
アカマツ「えーーーっ!?プ、プラズマ団ん!?」
スグリ「うん。船で三十人ばかり上陸したって」
タロ「船。……いや、それよりも。白?黒?」
スグリ「黒だべ」
タロ「それなら手加減は無用ですね……」 - 102二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:19:17
ゼイユ「ニュースで見たことあるけど、なんかボスが捕まって壊滅させられたんじゃなかった?」
ネリネ「残党による犯罪は現在でも根絶できてはいません。イッシュ地方の外に逃げ出した一派もいるとの情報も」
ネリネ「恐らくは、新たな潜伏場所としてこの島を占拠するつもりと推測されます」
アカマツ「とにかく、放っておいたらこの島もポケモン達も酷い迷惑だよ!止めなきゃ!」
タロ「そうですね。遠からず出ていく島とはいえ、それを荒らすことは見過ごせません(それにわたしの期待通りであれば……)」
カキツバタ「おぅ!来たか皆!」
ネリネ「状況は?」
カキツバタ「三十て伝えたと思うが、どうも四十は下らないねぃ。このまま進んで……アマカジ達の住処がまずぶち当たるな」
アマカジ達「「「アマ……」」」
アカマツ「それでここまで逃げてきたのか、可哀想に……」
タロ「……わたしにいい考えがあります。耳を貸して」 - 103二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:32:13
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 06:44:49
保守
- 105二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 08:07:43
タロ「……と、いう訳です。島を守るために力を貸していただけませんか?」
アマカジ、アママイコ「「アマーイ!!」」フンス
カキツバタ「やれやれ。島暮らしを楽しめてると思いきや悪党退治とはねぃ。ま、自由を得るには試練があるってことか」
タロ「では、早速作戦開始です。お願いドリュウズ!」ボムッ
アカマツ「よ、よぉし。やってやるぞ……!」
スグリ「こんなこと言うの不謹慎かもしんないけどさ、なんかおれ達レジスタンスみたいでカッコいいべ」
ゼイユ「何よ、たまには意見が合うわねスグ!」
プラズマ団指揮官「よし、ここで十人ずつの四部隊に分かれる。何か警戒すべきことがあればすぐに皆に知らせろ」
プラズマ団小隊長達「「「「プラーズマー!」」」」
プラズマ団指揮官「ここには大量のポケモンもいるようだからな。我らの尖兵に仕立ててプラズマ団の復活を……」
カ ッ!! - 106二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 08:24:53
…よくよく考えてみたらハバカミとツツミってアオハルが用意したポケモンじゃね??
未来と古来のパラドックスってエリアゼロ由来だろうし、バリバリダーさんが思った通りの存在なら英雄かアオハルが協力者として参加してそうだな - 107二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:31:52
したっぱ「わあっ!な、なんだこの眩しさ!?」
したっぱ「とっくに太陽は沈んでるのに!」
アカマツ「いいぞ、ブーバーン!あいつらの姿"にほんばれ"で丸見えだ!」
小隊長「おい、あそこだ!捕えろ!」
ドドドドドドドドドドドドドド
アカマツ「そうはいくか!じゃあね!」ヒョイッ
小隊長「き、消えた……!?一体どこに」
したっぱ「ぐああーーーっ!」ドサッ
したっぱ「なんだこれ、地面から何本もビームが!うわぁ!」
したっぱ「ア゛ッーーー!!」
小隊長「おのれ……ワルビル!地下の奴を潰してこい!」
スグリ「よーしよしよし。地下通路から"きまぐレーザー"撃ち放題だべ」
アカマツ「スグリ、スグリ!ワルビルがこっち来るよ」
スグリ「任しとけ、ニョロトノ!」ボムッ - 108二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:40:02
ワルビル「……??」キョロキョロ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!(押し寄せる水流)
ワルビル「!?!?ヒェーーー」アタフタ
ドンッ!
グランブル「…………」
ワルビル「」
バキィ!
アママイコ「アマ!マイマイ!」ゲシッ ゲシッ
小隊長「野生ポケモンがちょろちょろと……ミルホッグ、"さいみんじゅつ"だ!」
ミョワワワワワワワワワ
アママイコ→アマージョ「アーマッマッマッマ!!」ドガァ
小隊長「ぐふっ!な、なんで眠らない!?」
アカマツ("リーフガード"も知らないんだな?よし) - 109二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:48:07
指揮官「な、なんだコイツらは……!?無人島ではなかったのか!」
したっぱ「た、大変です!空に」
「よ〜く頑張ってるわねアンタ達!ヤバソチャから体力回復の"おもてなし"よ」
アマカジ達「「ニガアマ〜〜〜♪」」
指揮官「誰だ貴様!?」
ゼイユ「誰だとはご挨拶ね負け犬ども。キタカミの生んだブルーベリー学園一のトップアイドル、ゼイユ様に決まっているわぁ!!」
ネリネ「ゼイユ、今です」
ゼイユ「ヤバソチャ!"シャカシャカほう"よおおおおおおお!!」
ビシャァァァァァァァァァァァ!!
プラズマ団「「「「「あづづづづづづづ!!」」」」」
アカマツ「こっちの方が熱いよ!ブーバーン、"ねっぷう"!」
小隊長「ぐあああああああああ!!」 - 110二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 12:51:22
指揮官「た、退避!退避ーーーっ!!」
バラバラバラバラバラバラ
指揮官「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ……戦力がズタズタだ。一体何が起こっ」
パキッ
カキツバタ「あ」
指揮官「貴様、あのトレーナーどもの仲間だな!」
カキツバタ「ちょいちょいちょいちょい、そんな怖い目で見ないでくれよぉ。島に来たんだから茶でも出してやるって」
指揮官「さっき振る舞ってもらったんだよ!逃げるな!」
カキツバタ「ひぇ〜〜〜い!!」スタコラ
指揮官「森に入ったか……追え!」 - 111二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:29:15
保守
- 112二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:33:48
ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ ダッ
指揮官「ぜぇ、ぜぇ……ぜぇっ、どこまで逃げるんだあの歯磨き粉頭は……!?」
したっぱ「森の奥深くに入っちゃいましたけど……」
カキツバタ「おわーーーっ!?」ドタンッ
指揮官「……ははははっ!ついに追いついたぞ小僧!大人しく人質になれ!」
カキツバタ「困ったなぁ〜〜〜。あんまり手荒にはしてほしくないんだけどねぃ」
指揮官「それは無理な相談だ。口が利ける程度には痛めつけて……」
ザザザザザザザザザザザザザザ……
指揮官「……!?も、森が……ざわめいて!」
カキツバタ「アンタじゃなくて森の皆さんにお願いしたのさ……」
ザルード達「「「ギキャァァァーーーーーッ!!」」」
指揮官「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!?」 - 113二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:42:38
〜〜〜〜〜〜〜〜
カキツバタ「いやぁ、本当にお世話になりましたねぃ!ツタで縛り上げるところまでやってもらっちゃて」
ザルード(気にすんなやハミガキコ?のあんちゃん)
アカマツ「アマカジ達もありがとう!いつもカケラまで貰っといてまた甘えちゃった」
アマージョ「フフン♪」
ゼイユ「で、プラズマ団の奴らはどうする?採掘作業でこき使うってのはどう!?」
スグリ「そんな発想がパッと出るのが恐ろしいべ……」
タロ「まさか。道具を持たせて反乱でも起こされたら大変です。明日、ドローンロトムが来たタイミングで引き渡そうかと」
タロ(……本音を言えば船を奪いたかったところですが、見つけた時には既に離脱していたようですね)
タロ(でも、ドローンロトムに見咎められた形跡はない。わたし達以外の船であれば、素通りすると分かりました。その事実は小さくないですよ) - 114二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 07:57:22
保守
- 115二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 08:21:06
タロ「それから……」
ネリネ「プラズマ団員から鹵獲した物資の整理が完了しました」
ゼイユ「あー、それよそれ!戦利品の確認といきましょうか」
カキツバタ「ははっ、まるで海賊の親玉だねぃ」
ネリネ「まずは携行の保存食糧。固形タイプです」
アカマツ「クラフトで分解したら豆ミートの味とか変化をつけられるかもなぁ」
ネリネ「それからポケモン用の回復薬。そして……」
ネリネ「空のモンスターボールがおよそ三十個」
スグリ「!てことは、この島でもポケモンが捕まえられるんだ」
タロ「それだけの数があればクラフトで量産することだってできますよね」 - 116二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 13:05:41
アカマツ「だとすると楽しみだなぁ!この島のアマカジ達は本当にいい味のカケラや汁を出すから、一緒に来てくれると嬉しいよ」
ゼイユ「あとトロピウスもね。毎朝あの房を食べたらお腹だって絶好調よ!」
カキツバタ「特別なモンスターボールは作れないのかぃ?ラブラブボールとか、ムーンボールとか」
タロ「……!」
ネリネ「まず不可能でしょう。普通のボールと違い、専門的な技術を要するものです。リーグ部の道具プリンターでも、複雑な工程を経てようやくですから」
スグリ「まぁ、ボールについては明日のこととして、今日はもう寝るべ。あ、捕まえた奴らの見張りはどうしよう」
タロ「それは交代でするしかありませんね。さっきドリュウズに牢屋みたく洞穴を作ってもらいましたから、纏めて放り込みましょう」
タロ(いずれはパパ達にも使いますけどね) - 117二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 19:42:14
〜四日目〜
タロ「おはようございま〜す……」
ゼイユ「それであたしに贈り物をしたくてたまらない男どもが部屋の前で列をなしてる訳よ!ちょっとあんた聞いてんの?」
したっぱ「はぁ……」
タロ「見張りお疲れ様です……けど、何をしてるんですか?」
ゼイユ「いやね?暇だから眠気対策も兼ねてあたしの武勇伝を聞かせてあげてんのよ。こら、いい所で寝ない!」
指揮官「……っはっ!?」ガバッ
タロ「そ、そうですか。もうお休みいただいて大丈夫ですよ」
ゼイユ「そうね、じゃあちょっくら、ふわぁ〜……寝てくるわ。今日はモンスターボール作るんでしょ?上手くいくといいわよね」
タロ「はい。成功しないことには始まりませんから……」 - 118二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 23:11:34
アカマツ「はい、ネリネ先輩。これで奴らから取り上げた空のボールは全部だよ!」
ネリネ「お手数をおかけしました。では、メタグロスへの構造のダウンロードを最終段階に……」
タロ「おはようございます。早くも進んでいるようですね」
スグリ「うん。そのまま使うのを幾つか残しておいて、他は全部分解してクラフトのレシピ作るんだって」
カキツバタ「さぁ、オイラ達の掘り出したもんはトレーナーの必需品を作れるかねぃ?」
ネリネ「頼みましたよ。メタグロス……」
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ……
ポンッ! コロンッ……
タロ「!こ、これは」
ネリネ「はい」
カキツバタ「で……」
スグリ&アカマツ「「できた〜〜〜!!」」 - 119二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 07:16:35
タロ「無人島で作れちゃいましたね、モンスターボール。いつも見ている物なのに妙な達成感が……」
カキツバタ「店では一個200円で買えるもんなのにねぃ。有り難みが分かるな」
アカマツ「プレミアボールみたいに白いんだね」
ネリネ「今回は着色する資材を入れておりませんので。採掘された水晶を使用したり、染料で色を着けることは可能です」
アカマツ「じゃあオリジナル柄のボール作れるってこと!?すごいじゃん!」
タロ「……!」
スグリ「早速散策に行ってくるべ。ゲットさせてくれるポケモンどんぐらいいるかなぁ」
タロ「オリジナルの……ボール……」ボソボソ
ネリネ「どうしましたか、タロ?」 - 120二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 16:01:33
保守
- 121二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 21:02:04
〜〜〜〜〜〜〜〜
カン カン カン カン カン カン
タロ「ヤーコン、シアノ、ブライア……ヤーコン、シアノ、ブライア……ヤー……」カンカンカン カンカンカン
タロ「はい、一杯になった籠をベルトコンベアまでお願いしますね」
グランブル「ばふ!」
タロ「……ヤーコン、シアノ……」カンカンカン
ゼイユ「へぇ〜、やったじゃない!これでポケモンゲットもできるって訳ね」
ゼイユ「……で、タロは前にも増して掘り出しに勤しんでるの?」
ネリネ「モンスターボールを作ることに何らかの希望を見出したように、見受けられましたが」
ゼイユ「通販でどうこうってやつ?モンスターボール売ってどうにかなんのかしら」 - 122二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 23:36:21
アカマツ「ただいま〜!早速捕まえてきたよ!」
アカマツ「まずはアマカジ。昨日の俺達の戦いを見て一緒に強くなりたいんだって!」
アマカジ「アマアマ〜♪」ペコリ
アカマツ「あとトロピウスも捕まえた!ほのおテラスにして、サンパワーも併せて"テラバースト"を……」カクカクシキジカ
スグリ「それからおれはこいつ!」ボムッ
テツノツツミ「デリデリ〜!!」
ネリネ「先日遊びに来たメカデリバードさんですね」
スグリ「何かを凍らせたりできるのは便利だと思って。ハルト達も驚くかもだべ」
タロ「ふぃーーーっ……あ、二人ともおかえりなさい」 - 123二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:00:31
保守
- 124二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 08:03:53
アカマツ「わわ、タロ先輩汗だらけで避けっ……じゃない!頑張りすぎてフラフラになっちゃってる」
アカマツ「アマカジに分けてもらったジュース飲んで!水分も糖分もたっぷりだよ」
タロ「ありがとうごキュッゴキュッゴキュッゴキュッゴキュッ……ぷぁぁ〜〜〜っ!!」
スグリ「風邪ひかないぐらいに冷やしてあげて」
テツノツツミ「リバリバ~~~」ヒュウウウウウウ
タロ「はふぅ……生き返りますねぇ」
ネリネ「タロ、採掘で根を詰めすぎてはかえってパフォーマンスが低下してしまいますよ」
タロ「ご心配をおかけしました。でも、ようやく脱出の糸口が掴めたからつい」
スグリ「……脱出?ここから?」
ゼイユ「それとモンスターボールの資材確保するのになんか関係あるの?」
タロ「ふふ、まぁ追々説明しますよ」 - 125二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 15:11:03
保守
- 126二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:39:44
キィーーーーーン
スグリ「あ、カキツバタ帰ってきた」
カキツバタ「たっだいま〜〜〜。今日もたっくさんワカクサ大豆採ってきたぜぃ。ガブ先生への報酬はと」
タロ「こちらにありますよ。お好きなの選んでくださいね」ガラガラガラガラガラ
ゼイユ「随分と貯め込んだもんねぇ!宝石店でも開くつもり?」
カキツバタ「しかも色ごとに仕分けされてら。几帳面なこって」
ガブリアス「フーーーム……ヒョイ」キィーーーーーン
カキツバタ「また次もお願いしますねぃ〜〜〜!」
タロ「あ、そうだ。お願いしたいことあるんですけど」
タロ「クラフトのやり方、私にも教えてくれませんか?」
ネリネ「……?それは構いませんが」 - 127二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:40:44
〜〜〜〜〜〜〜〜
スグリ「アカマツ〜、お水計ってきたべ」
アカマツ「ありがと!じゃあアマカジの欠片に入れて、と。いやー、氷を出せるポケモンがいるって便利だね!溶かせば真水になるし」
スグリ「そう考えるとポケモンて野生で生きるために色々できるすごいポケモンだべな」
トンカンカン…… カンコンコン……
スグリ「タロ、ネリネにクラフトのやり方教わってから、一心不乱になんか作業してんな」
アカマツ「疲れすぎてないか心配なんだ……だけど、これさえできればって希望を見出してるようにも思えるんだよね」
そして、夕食の時間。
アカマツ「みんな〜!晩ご飯だよ〜〜〜!!」カンカンカン
カキツバタ「う〜〜〜ん!山椒がピリッと食欲をそそるねぃ!カレー風煮込みかぁ!」
ゼイユ「はいはい食器分けてあげるからね〜……」
カンカンカン…… コンコンコン……
スグリ「まだやってたのか。タロ呼びに行こ、アカマツ」 - 128二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 19:41:56
タロ「……ふぅむ……やはり凹凸を出すには……」
アカマツ「タロ先輩、夜ご飯……わっ、何この大量のモンスターボール!?」
タロ「……あ、もうそんな時間でしたか。ごめんなさいね、心配かけちゃって」
スグリ「これ、全部タロがクラフトしたボール?青とか、黄色とか、黒もあるけど……」
タロ「ええ。水晶には色々種類ありますけど、イメージする色を出すのは中々難しくて……」
アカマツ「だけど、一人で無理をするのやっぱりよくないよ。明日から俺も手伝う!」
スグリ「うん、おれも」
タロ「ありがとうございます。……外に出すには数が多い方が効くでしょうし……」 - 129二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:23:36
- 130二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 22:23:42
いい線いってます!
タロ「いただきます!」
「「「「「いただきま〜〜〜す」」」」」
カキツバタ「うーーーん……辛美味ぃ!おいアカマツ、お前島に来てから腕に磨きがかかったんじゃないかぃ?」
アカマツ「そ、そうかなぁ///材料が限られてるから、その分工夫も必要だしね」
アカマツ「ここのアマカジもトロピウスも、いい食材を分けてくれて本当に助かったなぁ。離れるとなると正直……寂しいかも」
カキツバタ「だろぃ、だろぃ!?帰っちまうの勿体ねぃよなぁ!」
タロ「抱き込まないの!帰った後でも、ここにはまた来られるじゃないですか」
ゼイユ「なんか自信満々に計画練ってるみたいだけど、結局どうする気なのよ?」
ブブブブブブブブブブブブブ……
スグリ「あっ、ドローンロトム」
ネリネ「拘束したプラズマ団員を連行しにここまで来たようですね」
- 131二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 22:52:19
タロ「彼らが島に来たことを考えてください。船を使って来たんですよね」
カキツバタ「奴らを下ろしたらすぐに帰ったけどねぃ」
タロ「シズイさんもそうでしたが、島を取り囲むドローンロトムは私達以外には無反応です」
スグリ「それで?」
タロ「私達以外が操る船を外から呼び寄せるんですよ!」
ゼイユ「……どうやって?」
ネリネ「モンスターボールのクラフトと何か関係が?」
タロ「そう、肝心なのはそこです。どのようなボールを作るか、誰を呼び寄せられるか」
アカマツ「貴重なボールがあるって宣伝したとして、こんな所まで来るかなぁ……」 - 132二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 08:07:32
タロ「むしろ私は脱出した後のことも考えてますからね!どうやってパパに報復するか」
ゼイユ「怖っわ〜、何されるか分かったもんじゃないわね」
タロ「パパのことだから私が脱出してホドモエまで乗り込みにくることは予期してる筈です。守りを固めて交渉に持ち込んでくるでしょう」
タロ「船を手に入れても、ただ上陸するだけではパパを捕えられない……」
カキツバタ「ふぅん……ま、頑張れよぃ。島でのバカンスの終わりも近いってんなら、やりたいアクティビティは早めに消化しないとねぃ」
スグリ「カキツバタ、やっぱ島にずっといたいべ?」
カキツバタ「もっっっちろん!!!!」キラキラキラキラ
アカマツ「言い切るなぁ」
タロ「まったく……食べ終わったら早めに寝るとしましょう。明日も忙しいですし」 - 133二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 12:42:30
〜五日目〜
タロ「おはようございます!では、今日は掘り出した材料からオリジナルのモンスターボールを作っていきましょうね」
アカマツ「はい!先輩!」
スグリ「なんか工芸体験みたいで楽しみだべ」
タロ「使うのは私の掘り出した鉱物と水晶!水晶はボールに着色する際に必要になりますよ」
タロ「好きな色を出したい時は、水晶の種類とそれぞれの量の対応表を見てください。壁に掘りましたので」
スグリ「タロ、昨日はこれを調べてたの?こんな細かく!?」
アカマツ「ボール作りへの情熱すごいなぁ……」 - 134二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 21:08:19
保守
- 135二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 22:38:55
タロ「では具体的なやり方について説明しますね」
タロ「まずはボール本体となる鉱物と、好きな色をつけるための水晶を用意しますよー」
タロ「それら材料をクラフトのラインに入れて……」
デレデレデレデレデレデレデレデレ……ポン!
アカマツ「青いボールが出てきた!これがベースってことだね」
タロ「次はこれに模様や装飾を付ける作業です。使いたい水晶の欠片を貼り付けていって……」チマチマ
ペタペタ ペタペタ
スグリ「その辺りは手作業なんだな。なんか実家のお面作り思い出すべ」 - 136二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 08:32:56
保守
- 137二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 09:23:03
タロ「……はい。こうして好みの配置をしたボールを、再びラインに投入しますと」
デレデレデレデレデレデレデレデレ……ポン!
タロ「このように完成する訳です!」
アカマツ「おーーーっ!スーパーボールだ!」
タロ「といっても、性能は普通のモンスターボールですけどね。スーパーボール風とでも言いましょうか」
スグリ「よくできてるべ。パッと見だと本物と間違えるぐらい飾りにも立体感あるし」
タロ「材料はまだまだあります。お二人とも、お好みのボールを製作してみてくださいね」
アカマツ「はい!やってみたい!まずは赤の水晶と……オレンジはどうやって出すのかな……」
スグリ「おれのボールの模様は……やっぱり……でも引かれるかなぁ?」 - 138二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 15:16:02
デレデレデレデレデレデレデレデレ……ポン!
アカマツ「おっ、スグリは緑のボールでいくんだな」
スグリ「うん!アカマツのは赤?下の方まで真っ赤だべな〜」
タロ「ふふっ。水晶はたくさんありますから、飾り付けには好きなだけ使ってもらって構いませんよ」
チマチマチマ… パチパチパチ…
スグリ「やってると大分目にくるべ。姉ちゃんたまに爪の飾り付けやってるけど、すぐイラつく癖によくできるもんだな」
アカマツ「おれ、映える盛り付けとかそんなに意識してないから結構新鮮かも」
タロ「…………」ゴソゴソ
アカマツ「先輩、ずっと熱中してるなぁ……」
タロ「そうそう、ラブラブボールのハートには白い縁取りがされてるんですよね……」
タロ「スピードボールには両側に黄色い円が……」 - 139二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:33:56
保守
- 140二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:56:46
それから暫くして……。
アカマツ「できた!じゃーん、これが俺のオリジナルボール!」
スグリ「おぉ〜、ほのおポケモンぽい柄!なんか火の玉みたい」
アカマツ「そうなんだよ。みずやむしタイプはそれ用のボールがあるし、他のタイプもイメージに合うボールあるだろ?」
アカマツ「ほのおタイプだけはその辺り無いからさ、あったら嬉しいなと思ったんだ。スグリは?」
スグリ「おれの?にへへ……緑地に橙の円で、鬼さまボール!今度ハルトに合ったらボールの柄をこれに変えてあげるつもりだべ」
アカマツ「そ、そっか。……タロ先輩、俺達のボールできたよ!」
タロ「わぁ〜〜〜、素敵ですね!二人の個性が出てていいと思います!」
スグリ「タロ、さっきから何して……あ!これ、ネリネが使ってるボールだべ?」
アカマツ「こっちの三日月が描いてあるのも見たことある。確かムーンボールだったよね」 - 141二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 08:19:36
タロ「そうですよ、ヘビーボールにムーンボール……」ポン ポン
タロ「ラブラブボールにスピードボール、ルアーボール、レベルボール、ブレンドボール!」
スグリ「非売品のボールがこんなに」
タロ「まぁ、全部柄を真似しただけの普通のモンスターボールなんですけどね、ふふっ。流石に中身までは再現できませんよ」
アカマツ「でもこれパッと見で勘違いして買っちゃう人もいるよ。それぐらい再現してる!」
タロ「ラブラブボールとスピードボールは早速1ダース作りました。他のものもそれぐらいはいこうかと……」
スグリ「でもそんなものを何に」
「おーーーーーぃ!!」
アカマツ「……カキツバタ先輩の声だ」 - 142二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 15:13:44
カキツバタ「いよっ!なーんかお前ら面白そうなことしてんじゃないの、ええ?」
スグリ「あー、うん。まぁな。お前は何してたんだべ?」
タマンタ「タマタマ〜!」
アカマツ「タマンタだ!ゲットしてきたの?」
カキツバタ「おぅよ、何匹もな。今のオイラ達空飛べるポケモンがいてくれてるけどさ、海の上で泳げるのはいなかったろ?」
カキツバタ「流木とか結構あるし、森の皆さん(ザルード)にツタを貰えば船とか作れるぜ。タマンタに引っ張ってもらう遊覧船ってねぃ!」
タロ「そういう時だけは行動力あるんですから、無駄に」
カキツバタ「そう褒めてもらってもねぃ。タロこそパチモンのボール大量に作って何するつもりなんだよ?」
タロ「近いうちに分かりますよ」
タロ「今日には"出品"するつもりですから」 - 14312925/09/14(日) 21:39:54
タロ!お前オシャボ売るのは卑怯だぞ!俺たちが間違えて買ってしまうだろうが!
- 144二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 23:47:51
〜〜〜〜〜〜〜〜
タロ「……よし。これで製作できた分の箱詰めは完了ですね」
タロ「あくまで"誘い"のための出品ではありますが、かわいさについて手を抜くつもりはありませんよ。箱も最大限デコレーションさせてもらいました」
タロ「夜が楽しみですね……♪」
ゼイユ「おーい、タロー!夕飯の時間よー」
タロ「あっ、はい!今行きまーーーす」
ジュウウウウウ! ジュウウウウウウウウウウ!
タロ「わっ!この煙といい、香ばしい匂いといい……」
カキツバタ「まさにその通り!皆さん待望の無人島バーベキューだねぃ!!」
スグリ「アカマツ〜、串に差し終わったのここ置いとくべ」
アカマツ「ありがと!焼くのは俺に任せろー!」 - 145二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 08:10:26
タロ「バーベキューですか。ネリネさん、わざわざ金網やトングまで作ってくださったんですね」
ネリネ「それもタロの採掘のおかげで資源に余裕ができたおかげです。飲み物をどうぞ」
タロ「ありがとう」
ゼイユ「みんなアマカジジュース持ったわね?それじゃ……かんぱ〜〜〜い!!」
「「「「「かんぱ〜〜〜い!!」」」」」チーーーン!
カキツバタ「……ぷぁ〜〜〜っ!キンッキンに冷えてる果汁ってのは違うねぃ!"かいふくのくすり"ぐらいは効く!」
アカマツ「お肉もたくさんあるよ、どんどん食べて!」
スグリ「材料冷やしてくれてありがとね。はい!」
テツノツツミ「デリ〜〜〜♪」ヒエヒエ~
スグリ「にへへ、冷たい方がいいんだ」
タロ「うぅ〜〜〜ん、かわいくないくらいガッツリいくお肉は最高です!パパも会社の皆さんとバーベキューやらをやっていましたっけ」
ゼイユ「美味しいお肉食べてるとさ、なんか酒も飲みたくなってくるわよね」 - 146二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 10:06:30
アカマツ「えぇ〜?ゼイユ先輩まだ未成年だよ」
ゼイユ「んなこた分かってるわよ。だけど実家の集まりとかで見てるとなんか楽しそうなのよね」
カキツバタ「アマカジの欠片発酵させたら作れるんじゃねぃのか?」
スグリ「冗談じゃねぇべ!酒飲んだ姉ちゃんなんか想像しただけで逃げたくなる」
ゼイユ「何よ!猛獣みたいな言い草して!」
カキツバタ「ネリネとか酔った姿想像できねぃな。直立してバターン!て倒れたりして」
ネリネ「さぁ……?」
タロ「四六時中酔ってるみたいなカキツバタが何を言うのよ」
カキツバタ「そういうタロが酔ったら一番怖そうだ。ひゃ〜、おっかねぃ」
タロ「だったら今どうなるかを見せてあげましょうか!?」
アッハッハッハッハッハッハッハ…… - 147二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 19:06:23
保守
- 148二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 22:33:54
〜〜〜〜〜〜〜〜
カキツバタ「ぷぁ〜〜〜っ!食った、食ったねぃ♪」
ゼイユ「もぉ〜お腹パンッパン!満足して眠たくなっ……ふわぁ……」ゴロンッ
スグリ「ちょっとー、姉ちゃん腹出して寝そべったりしないでほしいべ。見苦しい」
ゼイユ「うっさいわねー。実家でも寮でもないんだから羽目外させなさいよ」
ネリネ「金網などはクラフトで分解して次の資材にしなくては……」
ブブブブブブブブブブブブ……
タロ「……来ましたね、ドローンロトム。んっ、しょと。えっほ、えっほ……」ドンッ
タロ「出品サイトにアクセス……ログイン……出品物を早速運んでもらいましょうか」ピッピッピッピッ
ブブブブブブブブブブブブ……
タロ「さぁ……一日でも早く見つけてくださいね……!」 - 149二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 08:00:26
〜六日目〜
カキツバタ「いい朝だねぃ。さ!作るか、船をよ!」
アカマツ「先輩こういう時には有言実行なんだから」
カキツバタ「オイラは何かを楽しむために骨惜しみしたことはないんだぜぃ?ちょっと流木運ぶの手伝って」
ゼイユ「朝っぱらからはしゃいでるわねー、アイツ。体はデカいくせにガキなんだから、ねぇ?」
タロ「はい。まぁ、いいじゃないですか。たまにはやる気出せることも分かったんですし」ニコニコ
ゼイユ「うぇっ!?何よその慈母のごとき微笑みは!」
ネリネ「心の余裕とも呼ぶべきものを感じます」
タロ「え〜、そうですかぁ?まぁやるべきことはやりましたからね。ふふふふふ……」 - 150二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 12:50:28
カキツバタ「……できたぜぃ!オイラ渾身の船が!」
タロ「おお〜、結構しっかりと形になっているじゃないですか」
カキツバタ「落ちないための柵とかもつけといたからねぃ。ほら、早速遊覧といこうぜぃ?一度に四人は乗れるから、二組に分かれるか」
ゼイユ「ハイハイハイあたし!あたしまず乗りたい!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
ザザーーーン……
カキツバタ「頼むぜぃタマンタ、よーそろーーー!!」
タマンタ×2「「タマタマ〜〜〜!!」」
アカマツ「わ、凄い!動いてる動いてる!」
ゼイユ「中々悪くないわ!水漏れとかもないし」
カキツバタ「そりゃあもちろんさ。ザルードの皆様に分けてもらったツルを……噂をしたら見物に来てるな。おーーーい!」
タロ「お世話になってます〜〜〜♪」フリフリ - 151二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 15:15:33
タロ「それにしても、船かぁ……家族でロイヤルイッシュ号のクルージングに行ったことを思い出しますよ」
アカマツ「タロ先輩、乗ったことあるの!?いいなぁ、俺は地元に寄港してるの見たくらいだよ」
ゼイユ「豪華客船なんてあたしにピッタリの優雅さじゃないの!島から出られたら皆で行きましょ!」
タロ「いいですね、それ!……それにしても、あの頃のパパはかなり忙しかったでしょうに、行くと決めたら本当に実現しちゃったんだから」
カキツバタ「仕返しはやめる?」
タロ「それだけはあり得ません!一度決意したからには報復を完遂してみせます!私はパパの娘ですからね!!」
ゼイユ「本当、似た者同士だわあんたら親子」
そして、夜。 - 152二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 16:29:45
廃人アオハルが買いに来そうw
- 153二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:10:33
ネリネ「ごちそうさまでした。……おや、来ましたね」
ブブブブブブブブブブブブ……
スグリ「なぁなぁ、今日からメイちゃん主演映画の期間限定無料公開やってるらしいべ」
カキツバタ「おっ、じゃあ今日は可愛いメイちゃんを拝んでから寝る」
タロ「……その前に少しだけ、ニュースを見せていただいてもいいですか?」
アカマツ「タロ先輩?」
タロ「…………」ジーーーッ
アカマツ「?」
タロ「いよっしゃああああああああああ!!」
アカマツ「わわっ」
ゼイユ「ちょちょちょっと!?いきなりハイテンションになってんじゃないわよ!一体何のニュース見て……」
『なんちゃってデザインボール出品? ボール職人ガンテツ氏が憤り表明』 - 154二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:14:42
アカマツ「なんちゃってボール……?あ!?まさかタロ先輩がたくさん作ってた」
スグリ「あれ、売っちゃったの!?確かにすごく上手かったけど、実際は普通のモンスターボールだべ!それを売るのは……」
タロ「あれを非売品の特別なボールと謳って販売するのは、確かに詐欺ですよね。でもこの出品情報を見てください」
『ヘビーボール風モンスターボール 11個セット 2000円』
ネリネ「……相場通りの値段ですね」
ゼイユ「モンスターボールと明記もしてるわね」
タロ「あくまで!似ているだけのただのモンスターボールです。隠してはいません」
アカマツ「だけど、これを売られた職人さんとしては……」
タロ「ニュースの通り、不快で仕方ないでしょうね」 - 155二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 22:22:22
タロ「そして私は出品に際し、この島の位置情報を座標として記載しました」
タロ「ガンテツさんほど魂と気骨のある職人さんであれば……」
カキツバタ「この島に文句を言うべく乗り込んでくる」
タロ「そう!そして恐らくは船を使って来る筈。その船を」
ゼイユ「乗っ取る訳ね!?」
タロ「シージャックなんてしませんよ!やむを得ずこのようなことをした事情を説明したうえで、島の外まで乗せてもらおうという計画です」
アカマツ「先輩……とんでもないこと考えついたもんだね……」
タロ「さぁ〜〜〜て、後は有無を言わさずパパを捕縛する方法について考えなくては……」 - 156二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 08:07:40
〜七日目〜
タロ「この島での暮らしもついに一週間ですか……」
タロ「しかし、それも今日で終わりです。どこか感慨深いものがありますね」
ゼイユ「そうは言っても昨日の今日で来たりするぅ?こんな島までわざわざ」
ネリネ「……前方の洋上に船影を確認」
ゼイユ「え!?」
カキツバタ「どれどれ……おお、舳先に頑固一徹って感じの爺さんが立ってるねぃ」
スグリ「ほ、本当に来た……」
ピィーーー ガガッ
『おい、そこの島にいる奴!出てこんかい!わしはヒワダのガンテツや!ここまでわしがどうして来たか、分からんとは言わせへんぞ!!あないふざけたパチモン売り捌きよって……』 - 157二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 08:13:01
アカマツ「スピーカーでこっちに呼びかけてる……相当怒ってるよ〜あれ!」
スグリ「なんかおれ達立て篭もり犯みたいになってんべ」
タロ「ガンテツさんですよねーーー!わたし、ブルーベリー学園のタロっていいますーーー!」
タロ「あの出品の件についてお話ししたいのでーーー、島に上陸していただけませんかーーー!?」
ガンテツ『おお、言われんでも行ったるわ!首洗って待っとれよぉ!!』
ゼイユ「いよいよご対面ね。話して分かってもらえればいいけど」
タロ「それについては正直に話せば、きっと理解していただけ……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!
タロ「……え!?」
アカマツ「な、何これ?海面が急に盛り上がって」
カキツバタ「こいつぁまた……とんでもないタイミングで出てきたな」
ザバァ!
ギャラドス「グオオオオオオオオオオオ!!」 - 158二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 14:21:31
ガンテツ「な、なんじゃあこのギャラドスは!?えらいデカいぞ!それに……」
アカマツ「海で少し見えた時は気づかなかったけど、全身が真っ赤だ……!」
スグリ「ねぇ、あれ!テレビで捜索番組がやってた赤いギャラドスじゃねぇべか!?」
ゼイユ「赤だろうが緑だろうがギャラドスには変わりないわよ!歯磨き粉!あんたのブリジュラスの"エレクトロビーム"で」
カキツバタ「いや……無理だ。ギャラドスの下にガンテツの爺ちゃんがいる」
カキツバタ「もがくギャラドスに巻き込まれたり、感電したりすればまず生きちゃ帰れねぃ」
タロ「……スグリくん、メカデリバードをお願いします」
スグリ「えっ、何を?」
タロ「ギャラドスの起こす荒波で船が動かせないなら、海を凍らせて滑らせます!」 - 159二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 21:17:54
アカマツ「タ……タロ先輩が行くの!?危険だよ!」
タロ「ガンテツさんをこの島に呼び寄せたのは私……危険な目に遭わせてしまった責任は、全て私にあります!」
タロ「自分のお尻は自分で拭け、誰にそう教わったんでしたっけね。……お願い、グランブル!」ダッ
スグリ「よ、よぉし。"フリーズドライ"!」
テツノツツミ「デリリリャーーーーー!!」
ピキィーーーーーン!
タロ「ナイスです!海が上手いことスロープ上になってくれましたよ!……見えてきた」
ガンテツ「!?な、何やお前さんは!」
タロ「説明は生還してから!このザルードのツタを船に結んでください!思い切り引っ張りますっ!!」 - 160二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 22:42:42
ギュギュッ! ギュギュッ!
ガンテツ「結んだでぇ!」
タロ「いきますよっ……ふんぬぬぬぬぬぬぬぬ!!」
グランブル「がるるるるるるるふぅ!!」
ググ….… グググググググググ……!
カキツバタ「すげぇ……本当に船が動いてら」
タロ「私っ……ここまで腕力つけるためにっ……穴を掘り続けてたんですかねっ!」
ギャラドス「……!!」コォォォォォォォォォ
アカマツ「させるか!頼んだよトロピウス!」ボムッ
ゼイユ「ネリネ、エアームドの後ろ乗せてちょうだい!」
ネリネ「タロ達が船を引っ張るまで、ギャラドスの注意を引かなくては」 - 161二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:31:52
保守
- 162二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:37:23
タロ「くっ……ぐ、く……うぅぅぅ!!」ググググ
ギャラドス「グォォォォ……」
アカマツ「行かせないよ!"マジカルリーフ"!」ドドド
ゼイユ「お茶でも被って反省しなさいっ!」バシャア
ギャラドス「……!!」ブオオオオオオオオオ!!
アカマツ「うわっ!こいつ"かえんほうしゃ"出せるのか!」
ゼイユ「髪焦げる髪焦げる!スグ、雨降らして!」
スグリ「ニョロトノ、頼んだ!」ボムッ
グランブル「ぐるっ……ぐるぉぉぉぉぉ!!」
タロ「あと……少しぃ……!!」 - 163二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:43:08
サァァァァァァァ……
タロ「おーーーえす……!お゛ーーーっ……」
タロ「えすっ!!」
ズルルルゥンッ!!
ネリネ「船の陸揚げを確認」
タロ「今ですっ!」
カキツバタ「おぅよ!"あめふらし"ありがとなニョロトノ!……ブリジュラス!"エレクトロビーム"!!」
カ ッ !!
ズドオオオオオオオオオオオオオオオ!!
ギャラドス「…………!?」
バシィィィッッ!!
アカマツ「いやったぁ!」
ギャラドス「……ゼェ……ゼェ……」バシャンッ
スグリ「帰ってく……4倍弱点でも簡単には倒れないのか」 - 164二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 12:47:44
タロ「み、皆さん。ありがとうございましたぁ……」ヘタッ
タロ「ガンテツさん、大丈夫ですか?よいしょ、と」
ガンテツ「ああ、すまんの。間一髪や……」
ガンテツ「……で!一体あのパチモンボールはどういうこっちゃ!」
カキツバタ「いや早速かぃ?一応命の恩人なんですがねぃ」
ガンテツ「確かにそうやが、わしがこの島に来たそもそもの理由はあのボールやろ」
ゼイユ(理屈の多い爺さんねぇ)
タロ「そのことは本当に申し訳ありません。実は……」
ガンテツ「つまり?お前らは無人島から脱出するために、わしを怒らせてここまで来させたっちゅうんか?」
タロ「出品はすぐに取り下げます。二度とあんなものを売ったりしません。だからどうか、復路に同行させていただけませんか?」 - 165二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 21:11:15
ガンテツ「ふ〜〜〜む。経緯がどうあれ、あなた助けてもろたんは事実やしな」
ガンテツ「……ほんまに二度とあんなん売らんな?」
タロ「もちろんです!島から出るための苦肉の策だったんですから、脱出できれば絶対にやめます!」
ガンテツ「うん、分かった!ほなお前ら特別に同乗させたる!」
ゼイユ「!スグ、聞いた?」
スグリ「うん、乗せてくれるって!」
タロ「あ……ありがとうございます!ありがとうございます!!」
ガンテツ「パチモンには違いないが、あんたの技巧は中々のもんや。島から出たらもっと真っ当なことに使い」
タロ「もちろんですよ〜!!」
ガンテツ「イッシュに寄るんなら孫にヒウンアイスでも買うたろうか……」 - 166二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 22:46:16
アカマツ「そっかぁ、俺達帰れるのか。……一週間、あっという間だった気もするね」
ネリネ「リーグ部の部室は問題なく維持できているでしょうか?」
カキツバタ「いやぁ、皆よかったねぃ。いよいよ学園や家に帰ることができるんだからさ」
カキツバタ「んじゃあ頑張れよ!たまには島に来てオイラに会いに来てくれると嬉」
タロ「カキツバタも帰るの!」
カキツバタ「えぇぇぇ〜〜〜!?いや、オイラこの島に残っ」
タロ「いないと困るんです!アレの在処を知ってるのは六人の中でカキツバタだけなんだから」
カキツバタ「アレ……?」
〜イッシュ地方 ホドモエシティ〜
「フン!タロの奴……まさかこんなやり方を取るとは思いもしなかったぜ」
ヤーコン「こんなとんでもないやり口……いったい誰に似たんだか」 - 167二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 07:53:53
保守
- 168二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 08:27:46
従業員A「社長、社長!来ましたよ、あの船ですよ」
ヤーコン「おう、間違いねぇな。とうとうここまで来たか」
従業員B「お嬢、きっと相当怒ってますぜ。逃げなくて大丈夫ですか?」
ヤーコン「フン!自分の娘から逃げる親父があるか。これまで困難な交渉を幾つも成功させてきたワシを信じろ!」
ゾロゾロゾロゾロ……
ヤーコン「よくぞあの島から脱出してきた……んん?」
アカマツ「あ、お父さん!どうもお疲れ様です」ペコリ
ヤーコン「いや、ワシはお前の親父なんかじゃない。それより、タロどうした?一緒に乗ってるんじゃないのか」 - 169二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 18:00:05
保守
- 170二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 20:57:32
ゼイユ「あんたがタロのお父さんね!こっちはガングロジジイもとっちめなきゃいけないんだから、さっさと話済ませなさいよ」
ヤーコン「いや話をしろと言われても肝心のタロはどこに」
ネリネ「そろそろ空を見上げてはいかがかと」
ヤーコン「上ぇ…………!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!
従業員A「しゃ、社長……あれって、まさか!」
スグリ「イッシュって空を飛ぶ船まであんだなぁ……!」
タロ『ただいまぁ〜〜〜!パパぁ〜〜〜♪』 - 171二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:09:57
タロ「あのプラズマフリゲートですよぉ!機構が複雑すぎて解体の目処も立ってないってぼやいてましたよね」
タロ「ソウリュウシティの地下で保管されてたの拝借しましたよーーー!」
カキツバタ(ほんのぽろっと言っただけだろうによくまぁ覚えてるもんだねぃ……)
ヤーコン「…………」コソコソ
従業員B(あっ!あんなこと言っといてこっそり)
タロ『パパぁ?逃げようとしたらカチンコチンにしますよ〜♡』
ヤーコン「わ、分かってる……」
スタッ
タロ「ふぅ。改めまして……帰ってきたよ、パパ」
ヤーコン「おう、おかえり……」 - 172二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:26:54
ヤーコン「あー……それでだ」
ヤーコン「無人島で一週間……どうだった?」
タロ「うん」
タロ「まず実感したのは、当たり前のことに対する感謝、かな」
タロ「いつも食べてるご飯、着てる服、暮らす家。何よりポケモンをゲットするモンスターボール」
タロ「意識することもなく使っていたものに、自分がどれだけ助けられていたのか……本当の意味で分かった気がするの」
ヤーコン「ふむふむ」
タロ「あと、自分の手で何かを作ったり、工夫したりする楽しさが分かったかも」 - 173二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 21:39:33
タロ「生まれて初めてだったよ、汗まみれになって鉱物を掘り出して、モンスターボールを作るなんて」
タロ「ガンテツさんにはご迷惑かけちゃったけど、特別なボールを再現するのも中々工夫できたし」
タロ「グランブルにドリュウズ、島に暮らしてるポケモンの特徴や得意なことを活かして生活の質を上げるのも、トレーナーとしていい経験だったな」
タロ「仲間達と一緒に島で過ごした一週間……振り返ってみたら、いい思い出になると思う!」
ヤーコン「……フン!そうか、流石じゃねえか!もうこれはわしも心配いらねぇな」
ヤーコン「親父として誇らしいぜ、タロ!」
タロ「パパ……!」
タロ「それはそれとして仕返しはするね♡」
ヤーコン「やーっぱ無理かぁ!!」 - 174二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:06:46
〜数日後〜
ハルト「へーっ!この無人島でリーグ部の皆が暮らしてたの!?」
タロ「そうなんですよ〜。もう、ポケモン達がいたおかげでどうにか衣食にはありつけたんですけどね」
ハルト「僕、エリアゼロで冒険したことあるけど、あれも観測施設が残ってくれてたからなぁ」
キィィィーーーン!
ハルト「ガブリアスだ……あ、背中に乗ってるのって!」
カキツバタ「いよーーーっす、キョーダイ!嬉しいねぃ、ここまで会いに来てくれるなんて」
タロ「あれからずっと自分は島に残るんでぃって聞かなくて……」
タロ「ブライア先生も、もう戻ってもいいんですよ?」 - 175二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:10:05
ブライア「いやいや、ここは好奇心をくすぐられる素晴らしい島だよ!エリアゼロにしかいない筈のポケモンまでいるのだからね」バルゥンッ♡
ハルト「あ、あの、ブライア先生……その色々ハミ出てるカッコは?」
ブライア「ザルード達に分けてもらったツタから作った水着さ!いや、話してみると実に気のいい皆だった」ブルルルルンッ♡
カキツバタ「キョーダイもここで暮らしたくなったらいつでも言ってくれぃ!」
ハルト「あ、あはは……」
タロ「まったく、楽しんじゃってるんだから。まぁ
あの二人よりずっと幸せには違いないですけどねぇ」 - 176二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 22:13:27
〜〜〜〜〜〜〜〜
カンカンカンカンカン…… カンカンカンカンカン……
シアノ「タロちゃ〜〜〜ん……そろそろ僕も学園に帰りたいよぉ」
ヤーコン「ぐっ、く、うぅ……自分で穴掘るなんて、久しくやってなかった、からなぁ……!」
ヤーコン「怒らせたら怖いのは、母さん譲りかねぇ……フン!」
〜〜〜〜〜〜〜〜
ハルト「大丈夫かなぁ、あの二人。結構歳だし」
タロ「いいんですよ。特にパパはあのだらしない体型もきっと改善されることでしょう」
ハルト「でも……」
タロ「あ、そうだ。オリジナル柄のモンスターボール作ってみたくありません?」
ハルト「えっ、やりたいやりたい!!」
〜完〜