- 1百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 04:00:01
<女先生視点>
「はぁ…」
今日も今日とてシャーレのオフィスには、書類が山のように溜まっている。
これ自体はいつもと変わらない日常だが、今日はいつもと違って気分が落ちてしまう要因があった。
チラリと視線を横に向けると、そこにはA4サイズの私宛ての茶封筒がある。
それ自体はここに来て以降良くあることだ。
では、何が私の気分を落ち込ませているのかというと、それは差出人だ。これを私に送ったのは母だった。
「私がシャーレに赴任してからもう3度目だよ?また送って来るなんて…」
最早中身を見る気も起きないが、この茶封筒の中身は十中八九お見合い写真だろう。今年で27歳になる私に、母はとにかく結婚を迫るのだ。
タチが悪いのが、これが私の将来を案じてのものではなく、自身の感性によるものであるということだ。
私の母は、最近にしては珍しい古風な考え方の持ち主のため、女は結婚して家に入るべきと言ってくる。
そのせいで私が成人してからは、家族仲も上手くいかなくなり始め、結局私は逃げるようにここへやって来た。
「今回もお断りの手紙を書かなきゃなぁ。はぁ…」
少しの間肩を落としていたが、今は仕事が優先だ。そして私は、この嫌な気分を忘れるためにより一層仕事に集中した。
「ん〜…」
気が付けば深夜0時半。今日の分の書類を片付け終わった私は、座りっぱなしで固まった体を解すように伸びをした。
その時、手が後ろの棚に当たり、その衝撃で何かが落ちた。落ちたものを確認して、テンションは一気に下がった。
「あぁ、そうだ。お見合いの返事書かなきゃ…」
仕事で疲れていた為、明日にしてしまおうか?と考えてしまったが、明日も嫌な気分で仕事する事になると思うと、今日終わらせた方がいい気がしてきた。
「…お見合いかぁ。私に結婚はまだ早い気がするし…そもそも、どんなに良い男性を紹介されても、恋愛対象が女性だからどうしようも無いんだよなぁ…お母さんには怖くて言えてないけど」
だからこそお見合い写真なんて送って来るのだが…言ってしまった後のことを考えると言わない方がいいのかもしれない。
「それにまぁ、私の恋愛対象の事が生徒たちにバレても気まずいし、この事は一生…少なくともここを離れるまでは誰にも言えないよね」
結局私はそのままお断りの手紙を書き、それをポストに投函してその日は就寝した。
- 2百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 04:01:02
- 3百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 04:02:09
取り敢えず導入です。
書き込み上限のせいで読みづらくてすみません。 - 4二次元好きの匿名さん25/08/30(土) 04:03:20
女先生いいわね
- 5百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 04:07:46
闇オークションに流れた先生の恋愛対象が女性であるという音声データを購入したのは誰?
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①ホシノ
②ユウカ
③カヨコ
④イチカ
- 6百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 04:10:10
ダイスの選択肢は私の好きな生徒たちです。
初スレ立てですが、頑張って書きますので少々お待ちを…… - 7百合を眺めていたい先生25/08/30(土) 05:42:42
その日は特に便利屋への依頼もなく、先生の当番の日ではなかったため適当に街をぶらついていた。
目的もなく歩いていたため、いつの間にか便利屋御用達の闇オークション開催地の近くに来てしまっていた。
「あぁ、しまった…こんなところまで来ちゃってる。……ちょうどいいし弾薬の補充の為にちょっとだけ寄ってみるかな」
みんなが使っている弾薬は憶えているので、少なくなっているものから順に購入していく。あらかた買い終わったタイミングで珍しい商品が出品されているのを見つけた。
「これは…先生の極秘情報の音声データ?それに…試聴可能ってどういう事?」
先生の極秘情報。すごく気になる。しかし、先生が秘密にしている事を勝手に私が知ってしまってもいいのだろうか?
しばらくの間頭の中で葛藤が渦巻いていたが、結局好奇心に負けてしまい試聴位ならと手を伸ばしてしまう。
『あぁ、そうだ。お見合いの返事書かなきゃ…。…お見合いかぁ。私に結婚はまだ早い気がするし…そもそも、どんなに良い男性を紹介されても、恋愛対象が……ザザッーー』
「……え?ここで終わり…?」
先の内容がすごく気になる所で音声が途切れていた。この先を聞くにはおそらくこの音声データを購入するしかないのだろう。
しかし、そんなことよりも…。
「さっきの感じからして先生はもしかすると……」
ー恋愛対象が男性じゃない?ー
以前先生は外の世界に好きな男性が居ると言っていた。しかし、さっきの話ぶりからはそもそも男性を恋愛対象として見ていないようにも感じる。
これは…もしかするかもしれない。でも確証が持てない……。かなり悩んだ結果、私はこの音声データを購入することにした。
私は音声データを購入した後すぐに自宅へと戻り、データを聴いてみることにした。
『ーー。ーーー。ーーーー。』
そこには先生がシャーレのオフィスで仕事をしていると思われる音声が入っていた。たまに独り言が混じっていたけど、間違いなく先生の声だった。
その中でも一際私の心を揺さぶったのは、先生の恋愛対象が女性であること。そしてそれを私たち生徒に隠している事だった。
……もう、我慢できないかもしれない。これまで何人もの生徒たちがアピールしているはずなのに、先生は私たちに嘘を吐いて断っていたのだ。
「……ちょうど、明日は私が当番だったよね?ふふっ…明日が楽しみだね?先生」