福丸小糸のクラスメイトになりたい

1二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:49:09

初めて福丸小糸を見たのは、高校の入学式だ。
なんでも彼女は入試で1位だったとかで新入生代表の挨拶で壇上に呼ばれたのだ。
最初の印象は「危なっかしい子」だ。
同級生には到底見えない小柄な身体でガッチガチに緊張しながら壇上に上がる福丸。案の定挨拶も駄目駄目で、マイクをハウリングさせては「ぴぇっ」なんて鳴いている。それに声が小さくてマイクを使ってるのに何を言ってのか全然分からない。
あちこちから福丸を嘲笑う声が聞こえる。無理もない。だけど僕はそんな気にはなれず、(頑張れ……)と念を送っていた。届く筈もないが。
福丸が僕と同じクラスだと知ったのはその後だ。
彼女は教室でいつも独りだった。
提出物の関係で彼女に話し掛けたことがある。
「あの、福丸さん」と声を掛けると、「ななななんですか……！？」と酷く怯えた様子で彼女は応えた。
彼女と言葉を交わしたのはそれきりだ。
僕は彼女を傷つけたくはなかったし、僕自身も傷つきたくはなかった。
入学して初めのうちは他の女子から声を掛けられていたがあの調子だ。すぐに相手にされなくなった。
そんな寂しそうな彼女の顔を、声を掛ける勇気はないが、かと言って放ってもおけない僕はただ、斜め後ろの席から見つめていた。　

2二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:50:47

ある日、課題の調べ物で図書室に行くと福丸がいた。
偏差値の高い学校ではないし、図書室はいつもがらんとしているのですぐに彼女の存在に気が付いた。
彼女は黙々と勉強していて、なんでもっと上の学校に行かなかったのかは分からないが、努力家なんだなと思った。
しばらく経つと図書室に2人の女子生徒が入ってきた。美人だがなんだか近寄り難い、有名な2年の先輩だ。
2人が福丸に近づいて声を掛けた時、最初はカツアゲか何かかと思った。しかしそうではないらしく、福丸は楽しそうに2人と談笑していた。それは教室では決して見せない、初めて見た彼女の笑顔で不覚にも僕は少しドキッとした。
クラスの男連中が、学年で一番可愛い女子は誰か、なんて議論をしていた。
そんな下世話でくだらない議論に加わる気はなかったが、かといって孤立もしたくない。
結局市川さんが一番かわいいって話で決まったが、他のクラスの女子なんて知らなかったので適当に頷きつつ聞き流していた。
「福丸はないよな(笑)」一人の男子がそう言った。
「小さ過ぎっしょ」「小学生かと思った」「コミュ障過ぎて無理」他の男子が同意する。
──お前らに福丸の何が分かるんだよ。
……なんて言えるはずもなく、僕はただ作り笑いをして「ははっ、だよな」と頷いた。
なんて愚かで、見苦しくて、醜いんだろう。　

3二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:52:20

「なんか、アイドルやってるらしいよ」
ある日そんな噂を聞いた。家に帰ってすぐに彼女の名前を調べる。
あった。ノクチルっていうユニットで活動しているらしく、こないだ見た2年の先輩や市川さんも一緒だ。
福丸にアイドルなんて無理だろ……正直そう思った。案の定あまり売れていないようだ。仕事なんて殆どない。
……福丸の良さを知っているのは僕だけで良い。

それから数日後、福丸が車に乗って学校に来た。
車から降りた彼女は、運転席のスラっとした若い男と、照れたり怒ってみせたりしながら言葉を交わし、そして笑顔で車を見送った。
全部僕の知らない、僕では引き出せない彼女の表情だ。

4二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:53:02

それから暫く経って、彼女はある大きなアイドルの大会に参加することになった。
勿論本人から聞いた訳ではなく、ネットで知った情報だが。
今まで学校で見る福丸に固執し、アイドルの福丸小糸から目を背けていた僕だったが、鬱屈した気持ちを抱えながら初めてチケットを購入した。
入学式で見たあの時と同じように、緊張で震えながらステージに立った福丸は、けれど一生懸命にマイクを握り、歌い切った。
そんな彼女の姿を目の当たりにして、僕は感動して震えた。
僕が彼女に求めていたのは、自分より弱くて、惨めな存在。
だけどそんな理想の“福丸小糸”は偶像だった。
本当の彼女は必死に努力を重ね、「ここにいるよ」と僕らを照らす”星”になろうとしていたんだ。
僕は泣いて、叫んだ。
──さようなら。僕の偶像

>>11

5二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:53:49

次の日、学校で僕は勇気を振り絞り彼女に声を掛けた。
怖がらせてしまうかな。だけどこれだけは言わせて欲しい。
「見たよ。アイドルの福丸さん」
「ぴゃ……！？」
「えっと……すごい良かった。これからも……応援してるから……。……それじゃ」
言いたいことだけ言うと僕は彼女の前から立ち去る。
──すると、

「あ、あの！」　　福丸が僕を呼び止めた。
驚いて彼女の方へ振り返る。

「あっ、ありがとう……！」

彼女はそう言って、僕に笑いかけてくれた。

──ああ、僕は福丸小糸にとって特別にはなれないけど福丸小糸は僕の特別になってくれる。
……そういうアイドルなんだ。君は。

>>27

6二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:58:34

コイトフクマルイイヨネ

7二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 18:59:20

この顔好き

8二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:04:40

小糸ちゃんが好きだけど言い出せない同級生は絶対多い

9二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:08:01

ピクシブにでも投稿してアカウント晒して

10二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:08:46

まあコミュ障の上あの小ささだからなあ
高校生だと物好きじゃなきゃストライクゾーンには入らなそう

11二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:12:15

いいSSだったけど>>4のクラスメイト像がまあまあ汚くてワロタ

>>13

12二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:14:28

なんでこの人達普通に受け入れてるんだろう……

13二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:14:46

>>11

高校生の貫禄じゃないよ...

14二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 19:35:32

小糸ちゃんは重めの感情ぶつけられがち

15二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 20:07:07

福丸小糸のクラスメイトになりたい | 福丸は俺 #pixiv

#アイドルマスターシャイニーカラーズ福丸小糸のクラスメイトになりたい - 福丸は俺の小説 - pixiv初めて福丸小糸を見たのは、高校の入学式だ。なんでも彼女は入試で1位だったとかで新入生代表の挨拶で壇上に呼ばれたのだ。最初の印象は「危なっかしい子」だ。同級生には到底見えない小柄な身体でガッチガチに緊張しながら壇上に上がる福丸。案の定挨拶も駄目駄目で、マイクをハウリングさせ...www.pixiv.net

ふふっ作ったわ pixivの垢

16二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 20:10:03

やるじゃん

17二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 20:25:40

「福丸は俺」

18二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 21:22:34

ぴぇ

19二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 21:24:56

でも公文書偽装してるんだよね…

>>20 >>21

20二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 21:25:37

>>19

有印私文書だよ！

21二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 21:27:48

>>19

流石に公文書偽装はバレたらヤバすぎるよ！！！！小糸ちゃんアイドルやれなくなっちゃうよ！！！

22二次元好きの匿名さん21/09/19(日) 21:30:50

『芹沢あさひと僕』　作：小宮果穂

私は男子中学生。本当に冴えない男子中学生で地味だし友達も少ないしクラスでもあんまり目立つ方じゃない。
春の季節にクラス替えになって、席替えになった時に「あさひの隣～？あいつでいいんじゃね」となりあさひちゃんの隣にさせられた。
その時たまたまあさひちゃんがいなくて「僕の隣の芹沢さんってどんな女の子なんだろう」と思った。
始めて学校に来てあさひちゃんと会った僕は「なんて破天荒な女の子だろう」と思った。
でも冴えない日常の連続で生きてきた僕にとってあの破天荒なあさひちゃんは希望の光になった。
どんどんあさひちゃんに夢中になって行くけどだんだん学校に来ない日とか授業に出ない日があって。
勇気を出して（普段はあさひちゃんの方から一杯話しかけてくれる）「芹沢さん、最近あんまりなんで学校来ないの？」って聞いたらあさひちゃんは「いや～学校とかちょっと飽きちゃったんすよね～」みたいな事を言った。
そこではっとしてショックを受けた。僕にとって芹沢さんがいてくれた時間は凄い、灰色の学生生活だった時間を照らしてくれた明るい光だったのに。
芹沢さんにとって僕は大多数の”一”でしかないんだ。個人として見られてない、つまんないうちのひとつなんだという事に凄いショックを受けた。
こんなに傷つく思いをするなら関わるのをやめよう。
異変に気づいたあさひちゃんが「なんでそんなに落ち込んでるんすか？会いたいなら学校以外でも会えるじゃないっすか。」って言ってからこの世界がぱっと開いた。
学校だけが世界のすべてじゃないんだ。自分の中であさひへの思いが綺麗なものに昇華した。
そんな折にいよいよ芹沢さんが学校に来なくなってなんでだろうと思ったら、アイドルになったらしい。
いつかどこか遠い場所に飛んでいってしまうとは思っていたけども、あっという間にそんな遠くの場所に行ってしまったんだな。
傷心を覚え僕はあの時過ごした時間を大事に胸の中にしまって、僕だけの宝物としてこれからも生きていくよ。
一番後ろの席でサイリウムを振りながら思った。