【SS】意外と欲張りなプロデューサーに秦谷美鈴は喜んだ

  • 1二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:33:43
  • 2二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:35:49

    ――ふと、空を見上げる。

    そこには燦々と照り付ける太陽があった。
    まばらに、散り散りと漂う雲に隠れることはあれど、必ずその姿を現す。おかげで少し暑いように感じるが、本日はほどほどに風が吹いており体感としては過ごしやすい。
    そういえば今朝のニュースで確認したことだが、雨は降らないらしい。
    常々曇ってくれと願っている身ではあるが、今日だけは快晴なことに感謝する。
    せっかくの外出だ。雨が降れば足は遠退くし、移動範囲は限られる。なにより当初の予定を変えなくてはいけない。ベターな妥協案よりベストな最善案がいいのは何に対しても言えること。
    流れでこうなってしまったが、臨む以上は最善であるべきだ。
    そう気持ちを改めていると、

    「おはようございます、プロデューサー」

    ようやく待ち人は来たようだ。

    「おはようございます、秦谷さん。相変わらず時間ピッタリですね」

    声を掛けたのは彼の担当アイドルである秦谷美鈴だ。
    休日ということもあり、いつもの制服ではなく私服のようだ。淡い青を基調としている彼女の見た目にあった清楚な服。

  • 3二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:36:57

    「ふふ、お弁当を作っていたもので」

    時間を確認し、集合時間ピッタリに来るという、いつも通りのマイペースさ……かと思いきや、どうやらそれだけではないらしい。
    彼女の手にはバッグがあり、どうやらそこに件のお弁当が入っているようだ。

    「わざわざ作ってきてくれたんですか?」

    外食にしようと思っていたので面食らってしまった。
    どうやら早速予定を変えなくてはならないらしい。とはいえ、これは嬉しい誤算だから問題はない。

    「はい。せっかくですので腕によりを込めて作らせていただきました」

    成り行きで出かけることになったとはいえ、美鈴も楽しみにしていてくれたのが伝わってくる。まあ、そもそも切り出したのは彼女の方なのだが……それでも改めて認識できると自然と嬉しくなる。

    「それは楽しみですね、秦谷さんの作るものはどれも美味しいですから」

    「まあ……お上手ですこと」

    素直に思ったことを言うと美鈴も満更ではないように笑う。
    実際美鈴が作る料理は美味しい。美味しいのだが……量が多いのが難点だ。
    プロデューサーはまだ若く、担当の手料理ということもあり完食する気概を今は見せれているが将来的にはどうなるか……そこはあまり考えないようにしよう。

  • 4二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:38:46

    「では、行きましょうか、秦谷さん」

    せっかくの休日、時間は有効に使いたい。話すのは歩きながらでも出来る。そう思い、促した。
    同時に、お弁当が入ってると思わしきカバンも受け取ろうと手を差し出す。流石に女性に荷物を持たせたままというのは体裁が悪い。
    預けても問題のないものしか入っていないからか、それともそういうのとは関係なく信頼しているのか、美鈴はあっさりと手渡した。

    「それと、良く似合っていますよ」

    受け取りつつ、服についての言及も怠らない。
    普段とは違う服装。彼女の趣味か、それとも誰かのアドバイスによるものかは不明だが、少なくともプロデューサーの本心は今口にした言葉そのものだった。

    「まあ、ありがとうございます。そういうプロデューサーも――」

    その言葉を受け取った美鈴は「ふふ」といつも通りの、しかし何処か嬉しさを含んだ笑みを浮かべた。
    そうして、お返しとばかりにプロデューサーについて言及しようとするものの、

    「………………」

    何故か急に目を細める。
    まるで時が止まったかのようにじーっと見据える彼女に、プロデューサーは居心地が悪そうだ。
    一体どうしたのだろうか?
    そんな疑問を果たして口にしようとした瞬間――

  • 5二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:40:02

    「プロデューサー。寄りたいところが出来たのですが、よろしいでしょうか?」

    何かを決意したように一度頷くと、美鈴はプロデューサーに確認を取った。

    「構いませんが……?」

    唐突な申し出だったが、普段中々見せない剣幕さ故に、それほど彼女にとっては大事なことなのだろうと思いつつも、どうしていきなりそうなったのか分からないプロデューサーは困惑の色を示しつつも了承するのだった。

    ――――――

  • 6二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:42:07

    「あの、秦谷さん……何故このような場所に?」

    暫く歩いた後、二人はある場所に来ていた。
    そこは様々な色、大きさの衣類がある場所……端的に言えば洋服屋である。
    あれから美鈴に導かれるままプロデューサーは連れて来られたのだが、その理由は結局分からないままだった。
    例の件だけでなく、服も選んで欲しいのだろうか?
    そんな呑気なことを考えていたプロデューサーに向け美鈴は切り出す。

    「プロデューサー、今のあなたの格好を客観的に言えますか?」

    突発的なことだったが故に少し面を食らってしまうが、それでも簡単な問いだったが為すぐに答えることが出来た。

    「スーツですが……」

    そうして彼は自らの容姿を口にする。

    「はい。ですので、来ました」

    すると美鈴は圧の強い笑顔を浮かべてきた。

    「…… 何故?」

    心底分かっていない様子のプロデューサーに美鈴はため息を一つ。
    もしやこの男本当に分かっていないのだろうか?
    そんな思いが籠もっていそうな視線と、落胆でもしているかのように肩を竦めた。

  • 7二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:43:09

    「せっかくのお休みなのですから。プロデューサーも今だけはその衣を脱ぎましょう」

    少し遠回しだが、要は『スーツを脱げ』ということらしい。
    プロデューサーのアイドルプロデュースにかける情熱は知っていたが、まさか休日にまでスーツ姿で現れるとは……。
    あまりに自然に馴染んでいたせいで美鈴も途中まで違和感を感じていなかったのだが、改めて見返した際にようやく理性が働いたらしい。
    ――わざわざ休日を指定したというのに何故スーツ姿なのだろうか、この人は?
    いや、これに関しては美鈴にも一応責任がない訳ではない。よりによって『プロデュースの一環』などという言葉を使ったのがいけなかったのだろう。
    それはそれとして、プロデューサーが少しズレている事実に変わりはないが。

    「いえ、ですが……」

    未だに渋る様子のプロデューサー。美鈴はダメ押しとばかりに言う。

    「それに、休日にスーツは却って目立ってしまいます」

    「……それは、確かに……」

  • 8二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:46:15

    言葉を詰まらせながらもプロデューサーは頷いた。
    世間は休日。そうなれば学業や業務の証とも言える制服を脱ぎ私服で出歩く人が多いのは必定。
    もちろん休日であろうとも働く人はいるだろうが、全体で見れば多くはない。そうなれば注目を浴びるか奇異な目を向けられ兼ねない。
    その結果、プロデューサーだけが苦労するのならいいが、一緒にいる美鈴にも迷惑を掛けかねない。
    彼女はまだ学生ではあるが、それでも『SyngUp!』のメンバーだった。その時のファンは決して少なくない上、現在進行形でファンを増やしていっている。
    炎上の怖さは彼女の幼馴染のおかげでよく身に染みている。そのリスクを回避する手段というのなら納得せざるを得ないだろう。

    「はい、ですので」

    ようやく観念したのを確認すると、美鈴は笑顔を浮かべ、

    「今日はわたしがプロデュースして差し上げますね」

    心底楽しそうに言うのだった。

  • 9二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:47:18

    ――それからプロデューサーは着せ替え人形よろしく色々な服を着させられることとなった。

    ある時は美鈴が唸りながら、ある時は店員の助言をもらいつつ、数えるのが億劫になる程に試着室を往復したプロデューサー。
    その表情には疲れが見えた。それだけではなく「何故自分が?」という困惑の色もあった。
    自分はプロデュースする側であり、される側ではないはずなのだが?
    そんな疑問を抱きつつも早く終わらないだろうかと耽っていると、

    「もしかして、プロデューサー……コンタクトが怖いのでしょうか?」

    ふと、美鈴がそんなことを言ってきた。
    そう言い出した理由は簡単だ。幾つかの服装に合わせてメガネの着脱や髪型の変更を打診していたのだが、髪に関しては文句は言わないのにメガネに関しては頑なに首を横に振るのだ。
    挙げ句に「今度コンタクトをしてみては?」という提案にも首を横に振る……どころか「もうメガネに慣れてしまいましたから」と一蹴するレベル。
    あまりに強情なので、ふとそんな疑問が美鈴の中に湧いたのだ。

  • 10二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:48:25

    「……いえ、別にそういうわけではなく、ただメガネがあるのにわざわざコンタクトにする利点が感じられないんです。作る手間や取りに行く時間を考えるとその時間をプロデュースにあてた方がいいとどうしても思ってしまいますし、なにより小さいものですから万が一無くしてしまうことも考慮すると――」

    すると、一呼吸置いた後早口でつらつらと言葉を並べていく。
    いかにも『合理的です』みたいな態度だが、傍から見れば必死になっているのは一目瞭然だった。

    「まあ、まあ……!」

    そんな滅多に見ることは出来ないであろう姿に美鈴は目をこれ以上なく輝かせる。

    「ふふ、かわいい方……」

    普段はこれ以上なく頼りになるプロデューサーの意外な一面。それを見れて美鈴は上機嫌だ。

  • 11二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:50:53

    「………………」

    悪気はなく、ただ純粋に、愛おしく思った言葉に、しかしプロデューサーは苦虫を潰したような顔を浮かべる。
    嫌な気分になったというよりは、見せたくなかった弱い所を見せてしまった男の面子とでもいうべきか。
    今までも何度か弱い所は見せてしまってはいるのだが、それでも男という生き物はなんだかんだカッコつけたいのだ。

    「大丈夫ですよ、プロデューサー。誰にも言いませんから」

    そんな気持ちを察してか、美鈴は諭すように伝える。
    事実、美鈴からすればわざわざ他人に吹聴する意味はなく、自分の内にだけ留めておくことで独占欲も満たせる。

    「安心してください」

    「……はい」

    それを理解できるものの、やはり何処か不服そうなプロデューサーは渋々頷くのだった。

    「ふふ」

    ……そういう態度が美鈴の琴線に触れていることに彼が気付くのはまだ先のようだ。

    ――――――

  • 12二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:52:41

    「良い天気ですね。お昼寝日和です」

    紆余曲折あったもののプロデューサーの服を選んだ後、二人は公園に来ていた。
    此処に来た理由はもちろんお昼寝の為……ではなく、プロデューサーの服選びに時間を掛けた結果、もうお昼になってしまったからだ。
    時間が時間ということもあり、件の買い物の前に昼食を摂ろうということになり、此処に足を運んだのだ。

    「せめて昼食を摂った後にしてください」

    日差しを浴び、今にも眠りそうな美鈴にプロデューサーは注意する。
    そんな彼の容姿はいつものスーツ姿ではなく、地味めな青系のシャツとジーンズというお世辞にもオシャレとは呼び辛いものとなっていた。
    その理由は目立たない為に服を替えるのに、オシャレで目立っては本末転倒という理由で彼自身が選んだ結果だ。
    一応美鈴コーディネートの物も買ってはいるが、今は買い物袋の中。……まあそれらが日の目を浴びる日があるのかは現段階では不明ではあるのだが……。
    けれどもその『いつか』は来るのだろう。少なくとも美鈴はそう考えてる。 
    だからこそ現在彼女のコーディネートした服を着ていなくても美鈴の機嫌は悪くないのだ。そうでないのなら今頃拗ねていたのかもしれない。
    ……それはそれで可愛らしいので見てみたかったかもとプロデューサーは心の内で小さく思うのだった。

  • 13二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:54:02

    「まあ……お昼の後ならいいのでしょうか?」

    プロデューサーが注意した内容に美鈴は疑問符を浮かべる。てっきり『ダメです』と言われるかと思ったのだが……。

    「この後の予定も考えるならそう長くはできませんが……一時間くらいなら大丈夫かと」

    しかし、付き合いの長さからか、なんだかんだ美鈴には『お昼寝』が不可欠という結論に至ったプロデューサーは時間を確認した上で許可を出す。
    そもそも本来は休日なのだから美鈴の自由にしていいのだが、今回は予定がある。そのこと考慮するなら多少の制限は仕方ないだろう。

    「では一緒に微睡みましょうね、プロデューサー」

    「昼食が先です」

    お昼寝のお誘いをするが、それより食事が先と一蹴されてしまう。
    けれども、その言い分だと食事が終わったら一緒にお昼寝をしてくれるように思えるが……。

    「はい……ふふ」

    その真意を汲み取った美鈴は静かに笑みを浮かべた。

  • 14二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:55:07

    木陰を見つけ、シートを敷くと二人はそこで昼食を摂ることになった。
    やはりというべきか、美鈴が作ったお弁当の量は相当な物だった。以前見た時にもその多さに圧巻を覚えたが、確かそうなった原因は感謝の気持ちの表れだったはず。
    では今回は一体……?

    「少し作り過ぎてしまいました」

    果たして今回は純粋な作り過ぎだった模様。
    弁当箱が危うく二桁に突入し掛けているのに少しとは……彼女はどれだけプロデューサーに食べて欲しいというのか……。
    幸いにして彼女が私用で使う弁当箱が混ざっている為、数に反して量は思いの外少ないようだ。
    ……まあ、最近プロデューサー用の弁当箱を幾つか買ったようなのでその辺りは気合いで乗り切るしかない。味は保証されてもいるのだから。

    「――いただきます」

    諸々と覚悟を決めたプロデューサーは静かに手を合わせる。

    「どうぞ、召し上がれ」

    そして、美鈴のその言葉を合図に食べ始めたのだった――。

  • 15二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:56:16

    「……ご馳走さまでした」

    「お粗末様でした」

    何とか食べ終え、あらかた片付ける。残ったのはシートのみとなった。
    流石に満腹になったこともあり、今は動きたくないプロデューサーはぼーっと青空を見上げる。

    「眠くなりましたか?」

    呆然としているプロデューサーに向け美鈴は訊ねる。

    「たしかに少し眠たくなりましたね」

    そういえば前にも美鈴のお弁当を食べて眠たくなった時があったな、と思い返す。
    まだそんな時間は経っていないはずなのに、ひどく懐かしい。

    「使いますか?」

    物思いに耽るプロデューサー。そんな彼を誘うように美鈴は自らの太ももをポンポンと叩く。
    するとプロデューサーの脳裏には旅館や事務所での一幕が過ぎった。

  • 16二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 22:59:17

    「……いえ、さすがに人に見られるかもしれませんから」

    そのことを考え、更には客観的に見ても、流石に外でそんな真似出来るはずがない。
    つい周囲の様子を確認しつつ、プロデューサーは断った。

    「まあ、まるで見られなかったら問題がないかのよう」

    「…………」

    言われて気付き、愕然とする。
    もう何度かされたせいで無意識に受け入れていた自分がいたらしい。
    慣れというのは怖いものだ。知らず知らずの内に身体が覚えていく。それは水を吸うスポンジのようであり、白紙に零れ落ちたインクのようでもある。
    どちらにせよ『秦谷美鈴』という存在にプロデューサーは意識的だけでなく無意識も染められてきているのかもしれない。
    これが美鈴の言い所の『依存』なのだろうか?

    「ふふ、今度二人だけの時にしましょうね」

    困惑しているプロデューサーに向け諭すよう美鈴は笑う。表情からえらく上機嫌なのが伺える。
    彼女の望んでいた通り、プロデューサーが依存してきている表れを見れたからなのかもしれない。

    「では、わたしは少しお昼寝しますね。おやすみなさい、プロデューサー」

    その心地よい気持ちを抱いたまま美鈴は一人勝手に眠りに落ちる。
    器用にも正座したまま、しかしその頭はこちらの肩に預けるように。

  • 17二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:00:19

    ――無意識に求めることを『依存』と言うのであれば、もはや当たり前のように自分の隣をいる彼女はどうなのだろうか?
    意識的か無意識的かは彼女にしか分からない。
    どちらにせよ、ただ一つ言えるのは“そこ”が美鈴にとっての定位置となったということだ。

    「…………」

    ふと、気持ち良さそうに寝ている彼女の前髪を軽く右手で梳く。
    いつも寝ているおかげか、それとも身だしなみはキッチリとするのか、その髪はまるで絹のようだった。
    耳を澄ますと小鳥の囀りや公園にいる人達の喧騒が聞こえる。木陰から漏れる日差しが温かく、頬を撫でる風が心地よい。
    偶にはこんな日もいいのかもしれない。自然にそう思うくらいには穏やかな一時。
    それを実感できるようになったのは美鈴のおかげなのかもしれない。何かと振り回されることも多いが、のんびりする機会が増えたのも事実なのだから。

  • 18二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:01:51

    そういった意味では感謝すべきなのかもしれない。
    そう思い、再び美鈴の方に目を向ける、

    「――――」

    瞬間。
    不意に瞼が開き、目が合った。

    「…………」

    バッチリと絡み合う視線。
    しかし、互いに言葉を発することなく数秒が過ぎ去る。
    そうして、動いたのは美鈴だった。
    彼女はプロデューサーの手に自らの手を重ねると、

    「ふふ♪」

    なにやら満足そうにまた眠りに落ちていった。
    不意の出来事に心臓が高鳴り、今でも忙しなく脈打っているのが分かる。
    何だったのだろうか? と思いつつも、彼女が重ねた先の手が右手だったことに気付く。
    すると、プロデューサーは残った手の方で照れくさそうに頬を掻くのだった。

    ――――――

  • 19二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:03:04

    時間キッカリに目を覚ました美鈴を伴い、プロデューサーは本日のメインとも言う場所に来ていた。

    「ここですか……?」

    「はい」

    美鈴に連れられてきたのは、彼女の行きつけとしている店だった。
    様々な形のガラスの容器が並び立つ。注がれた液体は透明なものだけでなく多様な色もあった。
    片手で持てるくらいの容器が、しかし何十と棚に並ぶ姿は圧巻の一言だ。

    「どうしましたか?」

    「……いえ、初めて入ったので少し気圧されてしまいました」

    「まあ……」

    どうしたのかと聞かれたから率直な感想を返すと美鈴は「ふふ」と笑う。
    意外だと思われたのだろうか? しかしあまりこういう所に縁がないのは事実だ。男性であろうとも香水を使う人はいるし、メンズ用の香水もあったりするが、プロデューサーはそうではない。
    香水は身だしなみを整える物というよりオシャレの一つとして使う物だ。そもそも分類としては化粧品の一つでもある。
    よほどオシャレに気を使わなければ縁がないのは当然とも言える。使う機会というのならまだ制汗剤の方がある。
    だが、それでも彼はプロデューサーだ。メイクの人から話しを聞いたり、知識を蓄えること自体はあったはず。しかし、『百聞は一見にしかず』という言葉がある通り、聞いたからといってその全てを把握することは出来ない。
    事実として聞いていた以上の光景を前に彼は感嘆の声しか出なかったのだから。

  • 20二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:04:05

    「では、約束の件は難しいでしょうか?」

    そんな様子のプロデューサーに、美鈴は訊ねる。だがその表情に不安の色はない。

    「いえ、大丈夫です。約束したからには秦谷さんに似合うものを選びますよ」

    そして、彼が口にしたものは正しく彼女が予想していた(欲していた)言葉だった。

    「お願いしますね、プロデューサー」

    望んでいたその返答に美鈴の頬は自然と緩む。

    「ええ、任せてください」

  • 21二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:05:26

    ――と、格好良く意気込んだのはいいのだが。

    「……うーん」

    僅か数分でプロデューサーは頭を抱えることになっていた。
    理由は単純に香水の数が多いからだ。その上実際に嗅いでみるとイメージしていたものと違った感想を抱くこともしばしば。
    だからか、当初予定していた方向の香りにしようと思ってもなかなかイメージと合わない。
    そして、その方向がダメならばと予定していなかった香りにも手を出す始末。
    そうなると、なかなかどうして決まらない。
    彼女に合うのはこの方面のものだろうという先入観も、新たな香りを嗅いでみれば「いやこちらも合うのでは?」「新たな魅力に出来るのでは?」といった思考により揺らいでしまう。
    それもこれも『秦谷美鈴』の魅力と、根っからのプロデューサー気質によるものが原因なのだろう。
    悪戦苦闘しつつも妥協はしたくない。結果、袋小路となっているのだが……熱中している彼はそのことに気付かないだろう。仮に気付いてもおそらくやめないと断言できる。

  • 22二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:06:42

    「……むぅ」

    一方で、半ば放置されていた美鈴は不服そうに唇を尖らせた。
    自分のことをこれでもかという程考えてくれているのは分かるが、熱中しているあまり当人そっちのけになってしまっているのはいただけない。
    とはいえ、この件に関しては美鈴の方から切り出したことだ。真剣に吟味してくれてもいる。だからこそ、文句を言えないのだ。
    しかし、それでもそっちのけにされる気分は嫌なのでどうにかしてこちらに意識を向けてもらいたい気持ちもある。
    さて、どうしたものかと考えていると少し気になることがあった。

  • 23二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:07:48

    「そういえば、プロデューサー」

    「はい、なんでしょうか?」

    その気になったことを迷わず口にした。

    「わたしに似合うものを見繕ってくれるのは嬉しいのですが、プロデューサーが好きな匂いは探さなくていいのですか?」

    単純な疑問でもあったが、ふとそう思ったのだ。
    プロデューサーが現在選んでいるのは『アイドルとしての美鈴』をより煌めかせる為のもの。
    それを選んでくれること自体に文句はない。むしろ嬉しい。
    しかし、それはそれとしてプロデューサー個人が好きな匂いが気になったのだ。

    「それは――」

    プロデューサーが手を止め、美鈴の方に視線を向ける。
    興味深そうに微笑んでいる姿と、先の発言を思い返し、頭を振った。

  • 24二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:08:58

    「……いえ、今回はあくまで『アイドル秦谷美鈴』としてのプロデュースの一環ですから。私情は抜きで選びます」

    そして、一考した後香りの吟味を再開する。
    事実として美鈴自身の口から『プロデュースの一環』という言葉が出ていた以上スタンスを変える気はないようだ。

    「……意地悪な方」

    その様子に美鈴は残念そうにそっぽを向く。
    ――あわよくばプロデューサーの好きな匂いを聞き出せると思ったのだが、現実はそう上手くはいかないらしい。
    いや、プロデューサーが彼女の真意を理解したからこそとも言えるか。
    下手に口に出そうものなら一体どんなアクションを取るのか……深く考えるまでもなく分かるだろう。
    流石に『それ』は色々と問題しかないのだが――

    「…………」

    僅かな逡巡を挟み、彼は作業に戻るのだった。

    ――――――

  • 25二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:10:04

    結局、選別にはかなりの時間が掛かり、気付けば空は朱色に染まっていた。
    当初予定していた計画とは大分違う形になってしまったが、それでも有意義な時間だったとプロデューサーは思っている。
    美鈴の方も、最初こそは放置気味だったからかご機嫌斜めだったが、彼女を交えての意見交換をするようになると自然といつもの笑みを浮かべるようになっていた。
    店を出る頃にはいつも通り――いや、若干浮かれているようにも思う。
    その理由は彼女が大事そうに抱えている紙袋だ。中身はもちろんプロデューサーが彼女の為に選んだ一品。
    散々悩み抜いた挙げ句、オーソドックスな甘い香りとなってしまったが、事実としてそれは『秦谷美鈴』というアイドルを表すには最適な香りのはず。
    のんびりマイペースで優しく、それでいて独占欲が強い。そんな彼女だからこそ印象に残り易い甘い匂いは合っているのかもしれない。
    元々彼女が使っていたのと近しいものではあったが、差異はある。そしてその『差異』がプロデューサーが美鈴に抱いたものなのだろう。
    であれば、美鈴としては近しい香りであろうとも別な物……一緒くたに出来るものではなく、その事実が嬉しいのだ。

  • 26二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:11:07

    「今日はありがとうございました、プロデューサー」

    時間も時間ということもあり、あれから二人はそのまま帰宅した。
    プロデューサーという立場からか、それとも本人がそうしたかったからか、彼は美鈴を寮の前まで送り届ける。
    そのことも含めてか、美鈴は綺麗な動きで頭を下げた。

    「いえ、俺の方も良い息抜きになりました」

    対して、プロデューサーも嘘偽りのない感想を口にする。
    成り行きで始まったとはいえなかなか実りのある一日だった。予定外のことが幾つか起きたが、それは日常茶飯事だからある意味いつも通りだったのかもしれない。
    しかし、香水の件含め収穫はあり、また息抜きになったのも事実なのだ。

    「ふふ……なら、今後はおでかけの機会を増やしましょうか?」

    美鈴にとっても思いの外楽しめたのか、そんな提案をする。
    てっきり休みの日はお昼寝に費やしたいのかとも思っていたのだが、どうやら違ったようだ。
    いや、結局今日もお昼寝する時間はあったのだから間違いではないのだろう。
    しかし、それと同等かそれ以上に彼女にとって必要と感じれたのならば幸いだ。

  • 27二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:12:09

    「今回みたいに前もって言ってくれるのなら付き合いますよ」

    素直ではない言い回しだが、プロデューサーは快諾をする。
    当人の気持ちを別にしても、担当アイドルの新たな一面を発見できる機会が増えるのは良いことだ。

    「まあ、それは……楽しみが増えますね」

    その返答に美鈴はくすりと笑う。

    「では、おやすみなさいプロデューサー」

    そうして、忙しなくも楽しかった一日の終わりを告げるかのように、美鈴はプロデューサーに向けてその言葉を送る。

    「あ、少し待ってもらってもよろしいでしょうか?」

    しかし、プロデューサーはそこに『待った』の声をかける。

    「? ……はい」

    てっきり同じ言葉を返され、そのまま解散する流れだと思っていた美鈴は怪訝そうに首を傾げる。

  • 28二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:13:17

    「実はもう一つ渡すものがありまして……」

    どうしたのかと疑問符を浮かべる美鈴の前に、持っていた紙袋の中から一つの包装された箱を差し出す。

    「こちらをどうぞ」

    「……これは?」

    受け取り、まじまじと観察する。
    やや大きい長方形型だが、片手で持てるほどだからそう重くはない。だが、何か入っていると確信できる重さでもある。
    なにより、ご丁寧にリボンが巻かれているところを見るに、もしかしなくてもプレゼントだ。
    しかし、香水は選んで貰い、件の品は自分の手元にある。であればこの中身のは一体……?
    不思議そうに眺めていると、プロデューサーは「コホン」と咳払いを一つ。

    「前にも言いましたが、あの香水は『アイドル秦谷美鈴』のプロデュースとして私情を抜きにして選んだものです」

    そうして改めて例の香水について述べる。
    散々口にしていたものだ。美鈴にとっては耳にタコができるほど聞いている。
    だからこそ、それがどうしたのかという疑問を――

  • 29二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:14:28

    「こちらは逆に俺の好みだけで選びました」

    「……………………えっ」

    ぶつける前に思いがけない不意打ちに、鳩が豆鉄砲でも食らったように呆けてしまう。
    言われた意味が理解できなかった。
    散々口を酸っぱくして言っていたはずなのにどういう風の吹き回しなのだろうか?
    僅かな困惑を残しつつも、目を閉じ思考する。
    最初に選んだ香水がどういったもので、今手渡された香水と違う点。『彼の好み』というの点は大事だが、それ以上にこちらも口を酸っぱくして言っていたものがあったはずだ。
    そう思い至り記憶を掘り返す。すると、思ったより早く見つけることができた……いや、そもそも先程の発言の中にもあったからなのだが……。
    ――『『アイドル秦谷美鈴』のプロデュース』。
    そう何度も言っていたはずだ。それはある種の線引きを意識しての発言だったのだろう。
    そのことを踏まえた上で考えるのならば……。

  • 30二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:15:43

    「……ふふ、プロデューサーは意外と欲張りなんですね」

    自然と口の端が上がる。
    抑えがきかない程に感情が顔に出てしまう。
    だが、仕方がないことだ。
    だって――

    「アイドルとしてのわたしだけでなく、わたしそのものを染めたいだなんて」

    だって、それは『アイドル秦谷美鈴』としてだけではなく、『秦谷美鈴』そのものを求めてくれているということなのだから。

  • 31二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:17:07

    プロデューサーの『アイドル秦谷美鈴』にかける情熱は理解している。色々と難のある性格の美鈴を見捨てないのは彼の夢を叶えられる逸材なのが大きい。
    だからこそ、どんな苦難や理不尽に襲われても耐えることができるのだ。
    だがもし、その『アイドル』の部分を除いた時――彼にとっての大きなプラスとしての要素を除いて見た時の美鈴はどう映るのか、考えなかったことがなかったと言えば嘘になる。
    彼女の傲慢が許されるのはその高いアイドルとしてのスペック故だ。
    それをなくして見た場合、美鈴はただのわがままで嫉妬深い、面倒な少女としか映らないだろう。
    ……いや、他人の面倒を見たいというのはある意味プラスかもしれないが行き過ぎれば逆効果にもなる。受ける人にもよるだろうから単純な損得勘定としてみるのは難しいかもしれないので割愛しよう。
    ……兎にも角にも『アイドル』という強い武器がなくなった場合の美鈴はかなり人を選ぶということだ。
    友人関係を結べている2組のメンツや幼馴染の手毬とは違い、プロデューサーとの関係はあくまで『アイドルとプロデューサー』でしかない。
    一連託生とは言うが、それでもビジネスとしての面が強い以上瓦解してもおかしくはない関係だ。
    事実として美鈴は一度『瓦解した関係』というのを経験している。関係性は違うものの、一抹の不安を覚えるには十分と言える。
    図太く見える人間でも繊細な部分は持っているのだ。

  • 32二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:18:13

    「……いらないのなら返してきますが?」

    「――いいえ」

    先程美鈴に言われた言葉に照れているのか、そんなことを言うプロデューサーに対し、美鈴はすぐに首を横に振る。

    「ありがたく頂戴いたします。せっかくのプロデューサーの――あなたからのプレゼントなのですから」

    そうして、彼女は愛おしそうに貰ったプレゼントを抱きしめた。
    アイドルとしてではない『秦谷美鈴』に、プロデューサーがプロデュースとしてではなくただの好みとして贈った。その事実は思ったよりも彼女の心に深く染み込んだらしい。
    お昼寝している時にすら見せないような、見ているだけでこっちまで幸せになれるような笑みを浮かべている。

  • 33二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:19:51

    「あ……一応忠告というよりお願いなのですが」

    その姿に一瞬ドキリと胸が高鳴るものの、平静を粧いつつ忘れずにある事を伝える。

    「今渡した方は出来る限り使わないで頂けると……あくまで俺の好みで選んだものであり、『秦谷美鈴』として合うものは間違いなく最初に選んだ方ですから」

    気恥かしさからでもあるだろうが、それよりもやはり自身で比較して考慮した結果でもあるのだろう。
    ただの好みで選んだのとプロデュースして選んだのでは、やはり後者の方がより彼女を際立たせるのは火を見るより明らかだ。
    ……だからこそ、余計にあのプレゼントには『違う』意味が込められているのだろう。

    「はい、分かりました。では、二人きりの時にでも」

    美鈴とてそれは理解している。だからこそ素直に頷く、そして悪戯っぽく含んだ笑みで『二人きり』という言葉も付け加える。

    「…………まあ、むやみに使われるよりは」

    プロデューサーは悩んだ後、少し困ったように了承する。実際目の届かない所でむやみやたらに使われるよりかは心労は軽くなるはずだ。

    「ふふ……大切に使いますね」

    そんなプロデューサーとは対照し、美鈴の心は晴れやかな気持ちだった。
    それこそ、今日待ち合わせ場所に向かう時に見上げたあの空のように――。

  • 34二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:22:00

    蛇足という名のエピローグ


    「ごきげんよう、プロデューサー」

    翌日。事務所で仕事をしていると美鈴がやってきた。

    「ごきげんよう、秦谷さ――」

    挨拶を返そうとした時だった。
    プロデューサーは彼女から『ある匂い』を感じると身体が硬直した。
    当の美鈴本人はそんなプロデューサーの心情など知らずにお茶の用意を始める。

    「あの、秦谷さん……」

    「はい、なんでしょう?」

    まさかと思い、プロデューサーは恐る恐るあることを訊ねた。

    「その匂いは……」

    「ふふ」

    その問いに対し、彼女は悪戯っぽく笑う。それの反応だけで答えが分かってしまった。

    「はい。大切に使わせてもらっています」

    トドメとばかりに美鈴の口かも直々に答えが出る。
    その時点で目眩を覚えた。
    薄々分かってはいた、匂いが全然違うこともあり九割九分そうだと思ってはいた。

  • 35二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:23:14

    「いえ、そうではなく……」

    だがしかし、昨日の今日で使ってくるとは思ってもいなかった。
    そもそもそれを着けて学園に来たというのは……昨日語った『二人きり』という条件は何だったのだろうか?

    「今日は暑くて少し汗をかいてしまいまして、シャワーを浴びてきたんです。ああ、授業が終わった後にしたのでこの匂いに気づいている人はいませんよ」

    そんな疑問を見透かしてか、美鈴はここに至るまでの経緯をちゃんと伝える。
    いや、確かにそれなら言ったことを反故にはしていないだろうが……。

    「…………」

    忘れていたわけではない。しかし、改めて傲慢だと再認識するには十分な所業にプロデューサーは頭を抱える。

    「プロデューサー。今日は外は暑いようですし、窓辺の方でゆっくりお昼寝をしませんか?」

    そんなプロデューサーとは対照に、美鈴は早くもお昼寝のことを考えている。恐ろしいまでのマイペースさだ。

  • 36二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:24:49

    「秦谷さん、もう一つばかりその香水についてのお願い、いいですか?」

    「はい」

    お茶を入れ、近くに来た時に鼻孔をくすぐるのは香木の香り。ウッド系と呼ばれる木や樹木、森林をイメージさせる香りだ。
    ――ああ……やっぱり好みで選んだやつか……。
    そのことを再認識すると、プロデューサーはもう一つだけお願いを追加した。

    「連日使うの禁止で。せめて一週間に一回くらいにしてください。仕事にならないので」

    匂いもだが、この香水を使う条件的に大半の仕事が出来なくなってしまう。そこまで見越しての条件だったのかは不明だが、流石にそれだけは避けなければいけない。

    「まあ、意地悪な方……ふふ」

    口では不服そうに、しかし嬉しそうに微笑を浮かべていることからなんだかんだ了承してくれたようだ。
    ……とはいえ、元々の条件的に本日は事務所から出ることなく仕事をすることになりそうだ。
    それこそほどほどに働き、ほどほどに休むように。

    「……ふぁ……今日も良いお昼寝日和ですね、プロデューサー」

    窓から覗く、良く晴れた空を見て、秦谷美鈴は誘うように言うのだった。

  • 37二次元好きの匿名さん25/08/31(日) 23:26:50

    終わり

    なんかすごく長くなってしまった……

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 01:46:28

    読み応えばっちりだし、2人の関係性がお互いに愛おしいと思っているのが分かるから読んでて甘酸っぱかったです…日曜日の夜に最高でしたありがとう

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 02:54:51

    最高。それ以外の言葉が見つからない。

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 09:26:23

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