すごい腹の立つ出来事があったんだよね9スレ目

  • 1二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:24:35

    ドゥーちゃんがすかした天パ技師にむかつくスレです

  • 2二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:29:33
  • 3二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:31:39
  • 4二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:32:56
  • 5二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:48:18
  • 6二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:49:44
  • 7二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:51:17
  • 8二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:52:31
  • 9二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:53:44

    このレスは削除されています

  • 10二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 16:59:09
  • 11二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 17:00:35
  • 12二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:03:58

    立て乙

  • 13二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:58:07

    スレ立て乙です。

    お盆前よりは少しは涼しくなりましたが、まだ9月は残暑厳しいですな。

  • 14二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:01:50

    >>13

    まだまだ一部は猛暑にもなるもんねそれ考えると宇宙コロニーは温度は調整されてるから過ごしやすいか

  • 15二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 01:52:20

    >>14

    温度上げたり下げたりする余裕無さそうだもんね

    だから地球侵攻の時のカルチャーショックは大きかったって言うし

    ヤック・デカルチャー!

  • 16二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 05:40:54

    コロニーにはでっかい空調機があるからw

  • 17二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 07:14:46

    「アムロ奥に少し下にきてくれないか」
    「わかった親父」
    親父さんが珍しく天パを連れて地下に降りて行く
    「どうしたんだろう2人共」
    「さぁ?」
    ドライの質問を軽く流しながら看板娘の作業に戻るまぁ簡単な修理ならシュウジができるし受付はボクとドライがやればいいとその時は気楽に考えていた
    地下
    「アムロ、コレを見てくれ」
    地下で俺に親父が見せてくれたのはとあるMSのマニュアル
    「凄いこれは」
    「アムロそろそろいいか」
    想像以上に夢中になって読んでいたのかその声にマニュアルを閉じて向き合うと仕事をしている時のような表情の親父
    「実は少し前に昔の仕事仲間にあってあるプロジェクトに誘われた」
    親父の昔の仕事仲間まさか俺は手に持っていたマニュアルに視線を移す
    「そうだかつてガンダムを作っていたメンバーだ」
    聞きたいことを先んじて伝えてくる
    「何を……いや何が始まるんだ親父」
    現状俺達の立場は非常に微妙な立場だどちらかと言えばジオン派になるだろうかだがジオンの思想と言うべきかその辺りは何も持っていない
    「連邦軍の新型MSのコンペだ連邦はかつて廃案いや未完成だったMSを完成させる予定だそうだ」
    「未完成?」
    「あぁジオンの赤い彗星やNT部隊に対抗する為の連邦軍のNT専用のMS」
    「まさかサイコガンダム⁉︎」
    「いやサイコミュシステムは積んでいないき機体の出力や反応速度を高めた機体だ」
    「なるほどそれで親父はその話受けるのか?」
    「実は」

  • 18二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 09:23:11

    >>17

    「連邦軍の基地に行く⁉︎」

    天パと親父さんに話に僕は叫ぶ

    「正確には基地じゃないサイド6にある連邦のMS開発所だ」

    ほとんど同じじゃないか

    「もう少ししたらロンデニオン商会に連邦軍いや私の昔の仕事仲間から依頼が入るはずだ」

    昔の仕事仲間もしかして1番最初の僕の体を整備してたおじさん達だろうかそれならボクも会いたい

    「ドライやシュウジはどうする」

    「僕も行きたい」

    「僕も着いて行くよ(ガンダムがそのMSに会えと言っている)」

    結局ロンデニオン商会全員でその仕事に向かうことになったしばらくして正式な依頼が入り念の為天パがヒゲオヤジに連絡をしていたが普通に受けて構わないと返事がきたそれからは大忙しキノコ頭やセイラさんに説明したり依頼を片付けたりお得意様にしばらく店を閉めると話したりクランバトルへの参加休止手続きシュウジがニャアンとマチュのわがままに付き合ったりララァさんに金髪の事をお願いしたりヴァーニとカンチャナにしばらく会えないと伝えたりけど正直言ってボクはワクワクしてたロンデニオン商会のみんなでお泊まりなんて初めてだったし

    そして出発当日いつもより眠そうなシュウジ

    「すいません2人の事なんですけど」

    「確か部屋の合鍵を渡していたな閉めてくれれば大丈夫だ」

    「まぁなんだそのほどほどにな」

    申し訳なさそうなシュウジとそれに優しく返す天パと親父さん何はともあれロンデニオン商会の全員でのプロジェクト参加が始まった

  • 19二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 09:24:58

    >>18

    すいません力尽きましたが続きは予定してます

  • 20二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 14:37:45

    保守

  • 21二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 21:51:11

    保守だよ!

  • 22二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:45:10

    保守がてら

    ドゥーとドライが二人で買い物というのも怖い気がするんだが…年齢的には中学生と小学校高学年…俺が心配しすぎなのだろうか?
    今日は親父とふたりで店番と作業、その間の無駄話

    「俺の周りって料理できる人が少ない…?」
    「そうだな、私は男の独り料理の域を出んからな。お前に料理の才能があるとは思わなかったぞアムロ」
    「才能あるのか…? ただレシピ通りにやってるだけなんだけど」
    「ドライが言っていただろう、それすらできん者が多いのが料理の世界なのだよ」
    「そういうものなのかな」
    「例えば『塩少々』と言われて戸惑ってしまった事は無いか? 『焼目がついて火が通るまで』ってどの位だ? と思った事は無いか?」
    「…なるほど」
    「お前はその辺の見切りというかカンが異常に鋭いのだろうな。それでいてレシピを守るから良いものが出来るのだろう」
    「何となく理解したよ」
    手慰みでも無く必要に迫られて始めた料理だが食卓が豊かになったのは良い事だし褒めてもらう事も増えた
    だがそのせいで新たな厄介事がかなり増えたのはどうした物だろうか?
    「誰か料理してくれる人を雇うほど余裕は無いし」
    「…何を言っている。お前なら料理をできる人などいくらでも選べるだろうに」
    「何を言ってるんだ親父。ウチにはそんな余裕は無いだろう」
    「そうではなくてだな…」

  • 23二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:47:15

    「私がいるじゃない!」
    「もうどこから入ってきたのか聞きませんし驚きませんよシイコさん」
    「そこまで認めてもらっているのだから問題無いのではなくて?」
    「そう言って頂けるのは本当に有り難いし嬉しいんですがそもそもシイコさんに料理を作って頂く理由が無いじゃないですか。あとセイラさんみたいな話し方は止めて頂けると嬉しいです」
    「なんで? セイラさんのプレッシャーって時々すごいわよね…」
    「なんでって。来て貰うのも申し訳無いしお子さんもいらっしゃるんだし。あとそっちの話は止めておきましょう」
    「その為に2階の部屋をお借りしようと思ったのよ。アムロ君すら慄くセイラさんって一体…」
    「それお子さんに悪影響出ますよ? もうスルーしますからね?」
    「大丈夫よ、エノキもあの子にはきちんとしてくれてるしマチュちゃん達もいるし。その表情ゾクゾクするわ」
    「そうではなくてですね?」
    「でも自分以外に誰かがいてくれるって本当に心強いのよ? 私が体調を崩した時は本当に大変だったもの」
    「それは理解できますが…」

  • 24二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:49:17

    「真面目な話、2階を借りさせてもらって私も住まわせてもらえれば家事の手間は一気に減るわよ? 料理洗濯掃除、子持ちの母親のスキルを侮っちゃダメよ?」
    「侮ったりなど決してしません。お一人で子育てをしてクランバトルで戦っていたシイコさんの技量と体力と精神力には敬意を表するばかりです」
    「ならいいじゃない」
    「ですからそういう問題では無くて」
    「それなら…こんな話はどう?」
    どこからかシイコさんが取り出した封筒。中を見ろと言うのだろうか
    「見ても?」
    「ええ」
    「拝見します…は!?」
    「どうしたアムロ?」
    「こ…いや、確かに利点は大きいが…見てくれ親父」
    「…ふむ、シイコさんをロンデニオン商会で管轄しろと中佐からか」
    確かにシイコさんのマラサイを追加する位の場所は十分にある。コムサイを違法改造したウチのコムサイなら4機や5機のMSも運搬できる…最初期のムサイより搭載量が多いってどうなっているんだウチのコムサイは
    「マラサイの整備も中佐の方で面倒を見ると。それならシイコさんの負担は一気に軽くなるしシイコさんとマラサイという現ジオンでも最高級の戦力を確保できる…そして今やアルテイシア様となったセイラさんは少しでも多くの戦力を確保したがっている」
    「私としてもお給金を頂いて生活をフォローして貰って、それでアムロ君と同じ場所に立てて、セイラさんの手助けも出来る。メリットしかないもの。こちらからお願いしたい位よ」
    今の中佐から見ればアルテイシア様となったセイラさんとの繋がりが出来るのはメリットが大きいだろう。戦力的にも俺達に続きラル大尉と繋がりが出来るのは大きいだろう
    「アルテイシア様にとって中佐とアムロと共に繋がるソドンを丸ごと取り込めたら、と思っているだろう。懐刀のラル大佐に続き中佐の戦力を確保できれば心強い事は確かだな」
    「そういう訳で。私と子供もここに住まわせて…アムロ君の家族にして頂けませんか?」
    一切のおふざけも無く、とても真摯な表情で。頭を下げてくるシイコさんを断れる訳も無く
    「分かりました、頭を上げてください。こちらこそよろしくお願いします」
    「…ありがとうございます!!」
    その時のシイコさんのとても嬉しそうな笑顔は生涯忘れる事が無かった

  • 25二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:58:47

    その後のシイコさんがドゥーに話したのとその後のドゥーの荒れようも思い出したくない
    「テメきのこの山どういう事だお前がこの家に住むとかどういう事なんだよ!?」
    「アムロ君もテムのおじさまも認めて下さって更に中佐からの命令でもあるのよ。皆さんが私の事を認めて下さったのよ。何か文句があって?」
    「お、この、てんめぇぇぇ…!!」
    今まで煽りまくっていたシイコさんの表情も態度も雰囲気も一変する
    「冗談はともかく。私に子供はいるのは知っているでしょう? 私が体調を崩してしまってあの子の面倒を見られなかった事があったのよ」
    真面目な表情と声にドゥーが鼻白む
    「その時はあの子にも助けてくれた人にも迷惑を掛けてしまったの。もうあの子にもそのお世話になった人にもあんな迷惑を掛けたくない。幸いというかあの子も貴女達もお互いに悪い感情を持っている訳では無いようだし」
    「う、それは…」
    「自分以外に頼らせてくれる誰かがいる。それはとても心強い事なの。あなたも体調を崩した時に誰かが傍に居てくれて安心した事は無い?」
    はっきりとたじろぐドゥー
    「私はともかくあの子にあんな不安を味わわせたくはないの。私の事はどう思ってもいい、どうか、あの子の為に」
    姿勢を正し視線を合わせ。頭を下げるシイコさん
    「どうか、私達の同居を許してくださいます様に。よろしくお願いします」
    そこまでされてはドゥーも何も言えなかった
    「………分かったよ、勝手にすればいい」
    「ありがとう、ドゥー・ムラサメ。あの子の母親として、あの子の分までお礼申しあげます」
    改めて頭を下げられて…「分かった、もういい!」と言い捨てて部屋を出てしまった

  • 26二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 00:20:53

    「ドゥーがすみませんシイコさん。後で叱っておきますので」
    「大丈夫よ、こちらが我を通したのだから怒鳴られるくらい覚悟してたから」
    「ですか…すみません」
    「こちらこそ。それにこれから正式にこちらのお世話になるんですから」
    「これから宜しくお願いしますね、アムロ君。掃除や料理、洗濯とかどんどん私に割り振ってね?」
    「そんな…じゃない、これからお世話になるんですから遠慮するのは逆に失礼ですよね。宜しくお願いします」
    「はい! 任せてください!」
    そのシイコさんの嬉しそうな笑顔と
    「…一体どの面下げてアムロと話してんだシイコぉ…!!」
    鬼気迫る表情でこちらを覗いているドゥーの対比があんまりなので…とりあえずドゥーにホットケーキでも焼こうと現実逃避していた
    「ドゥー、ホットケーキと時間は掛かるけどきんつば、どっちがいい?」
    「「!?」」
    「って今回はお前の分は無いぞきのこの山全部ボクのだからな!?」
    「クッ…こ、今回は我慢してあげるわよエノキ!」
    本当に仲がいいのか悪いのか…

  • 27二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 01:20:56

    >>18

    正式な手続きをして案内されたシャトルに乗り込むボク達

    「凄い広いあのコレ本当に大丈夫なんですか?」

    「ドライは心配しすぎだよ」

    心配性なドライが確認しながら座るけどボクはこのフカフカで大きな座席が気に入ったちょっと勢いよく座る心地よく反発して心地よい

    「はしゃぐなとは言わないがもう少し丁寧に座れ」

    「はは出発するまでは大丈夫さそれよりアムロ少し煮詰めたいいいか?」

    「あぁ」

    天パと親父さんが書類を見ながら話し合うそりゃ仕事にきたんだからそうなるだろうけどもうちょっと構ってくれてもいいじゃん……暇になったしお菓子でも開けようなどうしようかなとキョロキョロするとスケッチブックと睨めっこしてるシュウジが目に入った

    「何描いてんの?」

    「あぁちょっとね」

    シュウジのスケッチブックを覗き込むと白黒でわかりにくいがキラキラと人かな?

    「キラキラとマチュとニャアン?」

    穴が開くほど見つめてなんとなく出た言葉にシュウジが驚く

    「わかるの?」

    「なんとなくだけど」

    「誰かに見られるなんてあんまり考えたことなかったけどわかってもらえると嬉しいね」

    「お姉ちゃんそろそろ発進するよ」

    ドライに注意されて回りを見るとスタッフの人達がシートベルトや注意事項を説明して回ってる強化人間であるボクがシャトルの発進程度のGで怪我するとは思えないけどシートベルトをしないと発進出来ないとのことなので大人しくシートベルトをつけて座席に腰掛けた

  • 28二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 03:47:48

    >>27

    アナウンスでシートベルトを外していいと言われてベルトを外して持ち込んだお菓子を飛んでいかなくてように固定して開けて口に運ぶアナウンスによると約2時間半の移動になるらしいちょっとした小旅行だそして何事もなく目的のコロニーに到着したがボクの内心は穏やかじゃない

    「ドゥーどうしたんだあんなに快適なフライトだったのに」

    その快適なフライトが問題だったのさ‼︎天パには聞こえなかっただろうけどボクの耳にははっきり聞こえた女性のAC達のコソコソ話がしっかり聞こえた

    「あの席の親子すっごくよくない」

    「わかるどっちが好み」

    「どっちもいいけど息子の方」

    「えー私はお父さんの方」

    それからヤケに2人に飲み物や食べ物を勧めるAC達シュウジやドライの方も行ってたけど福眼とか目の癒しとか言ってたから多分からかわれてただけだそれに比べて天パへの視線はシイタケ頭やセイラさんと一緒の視線だまったくあれに気づかない天パも天パだそして宇宙港に着くとお迎えの車に驚いていると

    「この扱いは慣れないな皆んな乗ってくれ話は車内で聞こう」

    車に乗っていたお偉いさんによると今回のMSの開発はいくつかの企画に分かれていてそのうちの1つでどうのこうの言っていたがボクにはあんまり興味はなかったから聞き流しておいたそして退屈で眠気が出てきた時に車はようやく到着して施設に入って行く

    「先に部屋に荷物を置いて来てください」

    そう言われて部屋に荷物を投げて今回のMSがあるという場所に向かうと懐かしいおじさん達から熱烈歓迎を受けるのだった

  • 29二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:18:34

    乙です。

  • 30二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 12:00:24

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 18:42:53

    初めてのお使い…治安の良い国と時代だから楽しめる贅沢やも。

    いや、そも治安の悪い国やコロニーはそこまで子供が尊重されないから…。

  • 32二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:41:02

    >>31

    悲しいなぁ…

  • 33二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:22:21

    >>28

    「お姉ちゃん凄いね」

    どうだドライこれがお姉ちゃんいやロンデニオン商会の看板娘の実力だ

    「ドライもシュウジも食べよ」

    「僕もいいのかい?」

    せっかくの機会なんだしシュウジマチュとニャアンとどんなことしてるか聞いてやろうこうして3人でちまちまオヤツをつまんでいると

    お揃いの作業着に身を包んだ天パと親父

    「かっこいい」

    ボクから思わず出た言葉に振り向いた2人に餡子で出来たバーのようなお菓子を口に押し込むモゴモゴ言っている間にモクスのおっさんが駆け寄って来た

    「ドゥー君久しぶりだったなぁ元気にしてたか」

    「元気してたよモスクのおっさんは」

    「元気も何もアドゥー君とアムロ君のおかげで私の研究いやマグネットコーティングの有用性が証明され設備や人員の投資で安全な作業方法が確立された結果連邦の量産機全ていやコレから開発されるMSに標準装備される」

    モクスのおっさんの言葉に空いた口が塞がらない

    「すまない長話をしてしまったね今度お礼に昼食でもご馳走させてくれ」

    そう言って作業に戻るモクスのおっさん

    「お姉ちゃんモクスハン博士と知り合いなんて凄いね‼︎」

    ドライが尊敬の目で見てくれるけど正直言いずらいので凄いだろーと自慢しつつ3人で天パと親父さんの作業を見学した

  • 34二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 01:27:01

    >>33

    ちょっとドゥーを恋する乙女っぽく書きすぎたかもしれないので意見お願いします

  • 35二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 04:05:27

    >>34

    こういう世界線もありだな、と面白いです。

  • 36二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 08:09:54

    最近の楽しみスレ

  • 37二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 12:25:24

    >>34

    書き手によって無数の解釈が有るし設定が有るから個人的に有りです

  • 38二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 18:36:03

    >>34

    どんなドゥーでも良きwそこに(ほんのり~極までの)アクセントになるのがここのスレタイ

    「すごい腹の立つ出来事があったんだよね」

  • 39二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 22:15:30

    >>35>>37>>38ありがとうございますそれでは続きを

    >>33ドライとシュウジは興味深々だったけど今日の午前中は見学だけとの約束だったのでおじさん達が作ってくれた簡易的見学所でお菓子を食べながら見学中に天パがいい表情をしてたので一枚だけ写真とってやった今後キノコ頭に自慢してやろう、そしたら若い整備の人に怒られそうになったけどおじさん達が助けてくれたそして連邦軍の何気に美味しい食堂でお昼ご飯

    「2人共どう」

    「順調だが手を加えたい場所がいくつかあるがどうだドライとシュウジ手伝って見るか?」

    「はい」

    「お願いします」

    親父さんの言葉に2つ返事で答える2人

    「ドゥーはどうする?」

    そうだなどうしよかシュミレーターがあれば乗ってみたいけど

    「シュミレーターならあるぞ」

    「ほんとじゃあボクはそっちに行ってみる」

    天パのにボクはご飯を勢いよく食べ終えて向かう

    「おい場所をまだ言ってないだろ‼︎」

    天パがそういうけどおじさん達に聞けばわかるもんね今度こそ天パが越えれないスコアを叩き出してやる

  • 40二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 04:19:17

    保守

  • 41二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 10:28:17

    すごい腹の立つだから、くそボケ行動や諸々に~で統括できるから

  • 42二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 11:45:46

    >>39

    おじさん達にシュミレーターの場所を聞いて駆け足で向かうとどこにもない場所はあってるはずだよね何度か部屋を確認して間違いがない事を確認すけど部屋には球体がいくつかあるだけだ……もしかしてコレ?球体に恐る恐る触ると球体の一部が開いてそこを覗くと少し違うが見慣れたシート

    「大袈裟なシュミレーターだなぁ」

    思わず呟いて中に入りシートに座ってシュミレーターを起動するシートベルトをどうのこうのと言ってきたけどシュミレーターでシートベルトは嫌いだから無視して進めると途中参加しますかと出てきたどうやら誰かが先にやっているらしいどうしようかと悩んでいるとだいぶ苦戦しているもう1人のシュミレーターの操縦者

    「仕方ない助けてあげますか」

    参加にはいを選ぶと天井から床までが星空に変わる……なるほどこれが大袈裟な理由かさて

    「キラキラで遊べるかな」

    シュミレーションのステージは宇宙相手はクランバトルが違法だった時にキノコ頭がのってたゲルググとかいう奴だとりあえず牽制のビームライフを撃って近づこうとペダルを踏むと一気に加速する

    (このカラダ……ギャプランほどじゃないけど早い)

    なるほどシュミレーターのくせにシートベルトがどうのこうの言ってくるはずだけど味方?の死角から襲おうとしていたゲルググをビームサーベルで切って通信を入れる

    「えーと大丈夫?」

    「ありがとう助かったわけど貴女は」

    「話はシュミレーターが終わった後で」

    「そうね臨時のM.A.V.だけどよろしく」

    「よろしく」

    互い挨拶をして敵機に向き合った

  • 43二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 16:52:20

    保守

  • 44二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:27:32

    ここで貼っちゃうと割り込んだみたいになっちゃうから待ちますか…

  • 45二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:29:51

    >>42

    「コレで終わりだー」

    最後のゲルググを蹴っ飛ばしてライフルで撃ち抜くとモニターが真っ黒になってシュミレーター外からの通信

    「素晴らしいデータが取れたよ2人共1度上がってくれ」

    ボクとしてはもう少しやりたかったけどM.A.Vがキツそうだったから素直に出ると隣のシュミレーターからきっちりパイロットスーツを着こんだ女の人が出てくるまぁ声からは予想ついてたけど

    「えっと貴女が私のM.A.V?」

    「そうだよ」

    アレちょっといや……だいぶ反応が予想と違うえっとこういう時は

    (あいさつはしっかりするんだぞドゥー)

    うるさい天パこんな時にまで頭の中に出てくんな想像の天パに脛蹴りをかましてすっ飛ばす

    「ボクはドゥー・ムラサメ、ドゥーってよんでいいよムラサメ呼びは嫌いだから」

    「ありがとう私はクリスチーナ・マッケンジー親しい人はクリスって呼ぶわ」

    クリス了解しっかり覚えたその後、クリスはボクにジュースを奢ってくれた

    「あぁなったらテコでも動かないからここでゆっくりしてましょ」

    「うん」

    ひと息つくとふとした疑問が湧き上がってクリスに意識を集中してみる

    「どうしたの?なにか気になる?」

    どうもボクは素直じゃない天パと違って素直に聞かれるとダメだ

    「クリスはボクがMSに乗って変と思ったり驚いたりしないの?」

    「実はねドゥー貴女の事は整備の人達から聞いてたのみんな少し前からソワソワしたり普段買わないお菓子を買ってたりしたから聞いてみたら自分達のかわいい孫娘がくるから準備してるんだって」

    かわいい孫娘かやっぱりあのおじさん達はわかってるけど孫娘って親父さんとそんなに歳が変わらないのにそれにかわいい孫娘って言うなら目に入れても痛くないかわいい娘って言えばいいのに

  • 46二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 03:24:42

    ここでクリスが来たか!

  • 47二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 08:57:15

    クリス!

  • 48二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 09:58:15

    >>45

    それからしばらくしてまたシュミレーションの時間でまぁなんかその不思議な時間だったキノコ頭は例外中の例外でセイラさんやララァさんともマチュやニャアンともヴァーニとカンチャナとも違う不思議な時間そんな時間を終わらせたのはやっぱり

    「ここに居たかドゥー晩御飯の時間だ」

    「えー天パもう少しやりたい」

    この不思議な感覚の正体が知りたくて少しワガママを言ってやると天パが驚いた表情をしたがすぐに表情を戻して

    「今日はモスク博士がお礼にと御馳走を用意してくれたぞ」

    「ほんとにクリス一緒に行こう」

    「クリス?」

    ボクがそう声をかけると首を傾げる天パをよそにクリスがシュミレーターから出てくる

    「あらアムロ久しぶり」

    「久しぶりだなクリス何年ぶりだ?ドゥーが迷惑かけなかったか?」

    「全然むしろ私が助けてもらってばかりよ」

    なになに知り合いてか天パお前はボクを呼びに来たんじゃないのかよ‼︎脛を狙って蹴りを入れるがあっさり避けられる……うぅー今度は不意打ちで足を踏んでやった今度は成功天パが脚を抱えた

    「何をするドゥー」

    「知るか天パクリス行こボクの弟と同僚紹介するから」

    クリスの手を引いて食堂に向かうまったくなんで出会う美人出会う美人みんな知り合いなのさあの天パは食堂に着くと親父さん・シュウジ・ドライ・おじさん達が待っていてくれた

  • 49二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:33:13

    >>48

    「今日の主役が来たぞ」

    「嬢ちゃん早く座んな」

    おじさん達にそう言われるけど手を振って先に親父さん達の所へ

    「おぉドゥー来たから迎えに行ったアムロはどうした」

    「知らない」

    そう返すと苦笑して頭を掻く親父さん

    「マッケンジー中尉久しぶりだな」

    「お久しぶりですテム博士」

    親父さんも知り合いなの?

    「彼女はMSのデータ収集パイロットだったんだ」

    「テストパイロットだったて事?」

    「少し違うなまぁ詳しい話はアムロ聞くといい」

    どうして天パからなのさ‼︎

    「まぁまぁお姉ちゃん落ち着いて」

    ドライになだめられて椅子に座っると天パが来た気配を感じたので手を合わせるよく知らないが親父さんと天パによると地球の風習らしい

    「いただきます」

    ボクの合図で賑やかな晩御飯が始まったら天パが来てボクの隣に座る

    「遅い」「悪かった」

    そう謝るとボクの頭を撫でる天パにとりわけておいた皿を押し付ける

    「取っといたよ美味しいところ」

    「ありがとうドゥー」

    天パがさらに頭を撫でるがボクはそんなに安い女じゃないからな

    (そんな表情で言っても説得力ないよお姉ちゃん)

    「それより天パクリスとはどんな関係なのさ」

    「クリスととの関係?あぁクリスは軽キャノンを作る時にザクでデータ収集をやってくれてたのさ」

    ザクでてか天パはそんな昔から親父さんの手伝いをしてたの

    「手伝いと言ってもパイロットの代わりにシュミレーターをいじってただけさ今のドゥーと同じさ」

    「あら結構テム博士にいろいろ言ってたし作業に加わってたじゃないそれに結構ショックだったのよ貴方が出したスコアを追い抜けなくてクリスもかてか正式軍人が追い抜けないスコアってこの天パは本当に一般人だったのかよ‼︎天パに驚きつつ疑問が解けたボクは天パの皿から大きめのステーキ一切れを奪って食べた「おいドゥーまったく」天パがボクの口周りをナプキンで拭く子供扱いすんな‼︎そんなこんなで賑やかな晩御飯は終わりを迎えた

  • 50二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 10:45:45

    ちょっと休憩しますすいません

  • 51二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 11:36:13

    >>50

    更新ありがとうございます。


    土曜日のおやすみです、ご無理なさらず。

  • 52二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 18:18:54

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 20:48:09

    >>45

    初期で勘違いされてたクリスが此処で満を持して登場

    バーニィも致し順当かな?

    てことは作製されるのはアレ、、、

    後赤いトラブルメーカーが大人しくしてるか疑問だなぁ

    定期的にアムロ(汁)ニウムを摂取しないと禁断症状出るしなぁ

  • 54二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:08:35

    次が楽しみ!

  • 55二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:38:44

    だって正史だとアムロが最強パイロットだもん

  • 56二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 02:41:10

    >>49

    翌日からは午前中は天パの作業の見学午後からはクリスとシュミレーターそんな繰り返しの日常が数日続いてボクはちょっと手持ち無沙汰になって休憩していた整備のおじさんに声をかけた

    「ねぇおじさん何か面白い話ないボクちょっと今手持ち無沙汰で」

    「そうだなぁ……ドゥーのお嬢ちゃんも知っといた方がいいかもな……なんで今になって連邦がMSの開発をせっついてると思う?」

    「なんでって必要なったからじゃないの?」

    実際ジオンが最新機のジープラフ開発してるしてかテストパイロットボク達だし

    「それだだがな1番はそこじゃない今連邦もジオンも警戒してるのはコロニーだ」

    「コロニー?それこそなんで?」

    コロニーって確か連邦が作ったんじゃないの?それにコロニーが持ってる戦力なんて良くて横流しか払い下げられたザクじゃないの?

    「こないだザビ家が暗殺されただろうそれでジオンの所業の一部が明らかになってなみんな次は自分のサイドが標的になるんじゃないかと疑心暗記になっちまってるのさ」

    えっとちょっと待ってさすがにそれは……ないんじゃない

    「普通ならなだけどなけど不安が広がったらどうしようもないこのご時世噂が広まるのはあっというまだだからこそだ」

    確かにSNSや動画投稿サイトの全てを監視するのは無理だ

    「でもさコロニーってお金あるのクランバトルやってるからわかるけどMSってお金がかかる物じゃないの?」

    「そうだなだけどな嬢ちゃんアナハイムって知ってるか?」

    「戦艦からスプーンまでの会社でしょ?」

    よくTVや動画投稿サイトCMが流れてくるまさか

    「そのまさかさで今連邦もジオンも大急ぎって事だそしてこのコンペも……おそらくテム主任やアムロも気づいてるだから受けてくれたんだろうなこの仕事を」

    「ボク怒った方がいいかな」

    思わず俯いて聞くすごい腹の立つ気持ちと嬉しい気持ちがせめぎ合っている

    「さぁなけど主任やアムロが聞かせなかったのも優しさだそれはわかってやってくれ」

    「うん」

  • 57二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 06:18:51

    ホシュ

  • 58二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 06:39:40

    わくわく

  • 59二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 13:45:53

    どきどき

  • 60二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 17:11:10

    >>56

    話が終わって天パの作業のを見学してると私服のクリスがやってきた

    「勉強熱心ねドゥー」

    「いや別にそうじゃないんだけどどうしたのクリス?」

    「気分転換に買い物行かない?」

    買い物かーお菓子はおじさん達がくれるし飲み物とかも自動販売機でいいしなぁ

    「服とか化粧品とかは?」

    「あんまり興味ないかなぁ」

    正直言ってあんまり化粧とか服を変える意味がわからないし

    「(強敵ね)う~んそれじゃあこんなのは?」

    スマホを見せてくれるとそこには見たことのないスイーツ

    「クリスこれっなにボク食べにいきたい!!」

    「決まりねテム主任アムロ、ドゥー借りて行くわね」

    ウィンクをしながらボクの手を取って駆け出すクリスが片手を上げて天パと親父さんに言う

    「かまわないさ女性同士息抜きを教えてやってくれ」

    「ドゥークリスに迷惑かけるんじゃないぞ」

    うっさい天パ

    一言多い天パにあっかんべーをしてクリスについて行った

  • 61二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:53:00

    >>60

    色気より食い気か

  • 62二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:07:01

    割り込む事になっちゃうけど折角なので

    ある日、ロンデニオン商会で作業していると秘匿回線に通信が入った。これはシャリア・ブル中佐からのレーザー通信回線である
    「と言う事は何か非常事態が…?」
    これを受けられるのは俺か親父しかいない。いくつものパスワードに盗聴防止の機能が生きている事を確認して通信に出る
    「『健康と美容の為に食後に一杯の紅茶』」
    毎度の事ながらこの符丁を作っている奴のセンスは何なのだろうか?
    『「ロシアンティーを一杯。ジャムではなくママレードでも無く蜂蜜で」』
    「…一体この符丁を作っているのは誰なんでしょうね?」
    『さあ? 久し振りですなアムロ君。息災ですか?』
    「お久しぶりです中佐。お気遣い頂きありがとうございます、お陰様で一同何とかやっています。そちらはいかがですか?」
    「こちらも問題ありません。遭遇戦も起きておりませんし」
    「ですか、何よりです。それで今回の要件は?」
    『ジークアクスが動きません。』
    ズバッと来たなこの人
    「動かない、ですか? その仰り様だとハード的な問題では無いのですかね」
    『それを確認してもらう為に君達親子に来てもらいたく』
    なるほど…ジークアクスねぇ…ん?
    「分かりました、いつそちらに行けば?」
    『君達の予定が…と言いたい所ですが早急に』
    「分かりました。俺達の他にも連れて行っても宜しいでしょうか? 勿論秘密厳守はさせます」
    『…君に何か考えがあるのですな。宜しい、君のいい様に差配してください』
    「ありがとうございます。それでは準備が整い次第連絡の後こちらからコムサイで向かいます」
    『了解。連絡を待ちます』

  • 63二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:08:59

    「と言う訳でソドン行きが決まった。今回はマチュとシュウジにも来てもらう」
    「は!? 聞いてませんよアムロン!?」
    今初めて言ったしな
    「今回はマチュには絶対に来てもらう。というか自分から同行するって言いだすから安心しろ」
    「何も安心できないんですが? どういう理由で?」
    「ジークアクスが動かないんだそうだ」
    「行きます!!」
    落ちるにしても早すぎだろう
    「あー、ヘソ曲げてるんだなアイツ。前々からマチュに御執心だったもんねーあのガンダムもどき」
    普通にガンダムに意思があると発言してるなドゥー?
    「シュウジもだ。お前とマチュの二人掛かりならジークアクスにも言う事を聞かせられるだろう」
    「ぜひ参加して面通しをして来い、とガンダムも言っている…」
    「あ、勿論旅費というか移動費食費諸経費はこっち持ち、向こうにいる間は賃金も出るそうだ」
    「「!?」」
    「も、もう一声!」
    もう一声? 何を言ってるんだマチュ
    「アムロンのおやつ・デザート付き!」
    「よく言ったマチュ! ボクもそれ言おうと思ってたんだ!」
    「あのな…向こうは軍艦だぞ? そんな余裕も自由もある訳無いだろう。まあその分は前払いや後払いでもいいのなら構わんが」
    「アムロさんのスイーツは絶品だ、是が非でも申し受けたい、とガンダムも言っている!」
    シュウジの語尾が力強いな。俺の作るものがそんなに美味いとか未だに信じられないのだが。ただレシピ通り作ってるだけだぞ?
    「その『レシピ通り』っていうのが彼岸の彼方な人もいるんですよアムロのお兄ちゃん…」
    ドライの悲しみを超越し悟りを開いた様な声が聞こえる

  • 64二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:12:39

    「と、いう訳だ。移動メンバーは私、アムロ、マチュ君、シュウジ君、ドゥー、ドライ」
    「話は聞かせて頂きました!」
    「わぁ!? どんなタイミングで来るんですかシイコさん!? そもそもどうやって入ってきたんですか!?」
    「誰にも気づかれない様に素早く、こっそりと」
    「只の不法侵入じゃないか! 軍警に突き出すぞこのきのこの山ァ!!」
    「はン、モノを知らないエノキはこれだから。これが何か理解出来て?」
    「ナニそれ?」
    「いや理解してくれないと話が止まるのよ…これはロンデニオン商会の合鍵よ」
    「合鍵!? いつの間に!?」
    「それは勿論アムロ君が知らないうちに、素早く。って勿論冗談よそんな怖い顔しないでアムロ君!?」
    「すまんアムロ、私がシイコさんに渡したのだ」
    親父?
    「本当に誰もいないタイミングが出来てしまってな…この建物を空けるのは拙かったのでな。」
    この建物には数種の監視がついているが…それを言うのは機密上拙い、シイコさんなら元々軍人だし、と思ったのだろうか
    「そうだったんですか…すみませんシイコさん」
    「いえ、私がふざけたのが悪かったんだから…ごめんなさいアムロ君、もう怒ってない?」
    「ええ、誤解が解けましたから」
    本気で安堵した様子で深いため息をつくシイコさん。そんなに怖かったのか?
    「…ねえアムロン、突然怒るとか本気で怖いから勘弁して?」
    「そんなに怖かったか…?」
    「ええ、ガンダムも怯えているくらいです」
    いつもの語尾がおかしくなっているシュウジ。そんなにか?
    「ぼ、ボボボボボクは別に怖くなんかなかったもんね!」
    「その震えまくった声で何を言っても説得力がないよお姉ちゃん…」
    抱き合って怯えているドゥーとドライ。そこまでか…俺もセルフコントロールを磨かないとな

  • 65二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:18:55

    「何と言うか、突然場を乱してすまなかった。今の分はおやつ・デザート一回分という事で勘弁し」
    「「「「「言質取ったァ!!」」」」」
    「そんなにかお前等!?」
    「私は酒のつまみでも作ってもらおうかね」
    親父まで!

    某執務室からドカァン! と良い音がする
    「私だけのけ者にして…! アムロ…!!」
    あ、アルテイシア様、どうなされました!? と扉の外から声が聞こえた

    とんでもない殺気に全身総毛だったが他の皆は気付いていないようだ…俺を狙い撃ち…まさか?
    (今回の分は貴女にだけ2回分考えておきますのでどうかお許しくださいセイラさん…)
    プレッシャーが消えてとても上機嫌な気配が伝わってきた。本当にセイラさんだったのか…?
    「…天パ?」
    「え、あー、どこまで話したか。まあシイコさんの事は向こうも分かってるし…すみませんが参加して頂けますか?」
    先程の事も有って低姿勢になってしまう俺の心の弱さよ
    「はい、喜んで」
    ああ、普通の笑顔に戻ってくれた。やっぱり女性は微笑んでくれている方がいい。美女の微笑みは世界を平和にする!!

  • 66二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:22:12

    「テメ割り込んでくんなきのこの山ァ! 突然乱入とかお呼びじゃないんだよ!」
    「状況判断が出来てないわよエノキ? 今アムロ君とお話が通ったの。それをアンタが反故にするとアムロ君の顔が潰れるのよ?」
    「…顔?」
    「アンタ今日も頭悪くない? アムロ君の面子が潰れるって事よ。アンタはアムロ君がした約束を潰せるほど偉いのか? って事になるのよ。お分かりになって?」
    「ぐ、ぐぬぬぬぬ…!!」
    「お姉ちゃんは勢いばっかりだから…」
    「うっさいドライ! 毎回言ってる気がするけどどっちの味方だお前ぇ!」
    「味方って言うか傍観者?」
    「ドライお前覚えとけよ!?」
    「纏めるぞ。ここにいる全員でソドンに向かってジークアクスのメンテナンスその他を行う。また模擬戦でのデータ取りや今回はシュウジが初参加だからオモチャにされると思うがそこは必要経費だと思って諦めてくれ」
    「オモチャにされる…!?」
    「みんなやられたから逃げられん。そこは一回分くらいツケといてやるから我慢してくれ。何日ソドンにいるか分からないからその辺は大丈夫なようにしてくれ。親父、マチュのお母様への言い訳はどうしようか?」
    「そうだな…中佐と相談しよう」
    マチュのご母堂はマチュがジークアクスに乗って戦っていた事を知っておられるのだろうか?

  • 67二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:24:28

    「ああ…帰ってこれた…」
    とベッドに寝転がっていて自分で口に出して驚いた。ここはロンデニオン商会では無くソドンで与えられた部屋だ。何故俺はそんな事を言ったのだろうか?
    現在位置はサイド6とサイド3の中間点…こんな微妙な位置にいていいのだろうかこの艦は? 等と思っていると艦内放送が掛かる
    『これよりブリーフィングを行います。作戦関係者は大会議室に集合して下さい。繰り返します、これより~』
    おっと、もうそんな時間か
    「…さて、揃いましたな? それでは今回の作戦行動の説明をいたします。総員、傾注!」
    中佐の一言から説明が始まる。それにしても今回の面々は…何を考えてるんだ中佐?
    「と、言う訳でこの近辺での宇宙海賊の被害の増加が看過できない状況である為、我々に制圧命令が出されました」
    「得られた情報では賊は旧式装備をメインとした…ぶっちゃけてしまえば正規戦力を持ちだす程の相手ではない、と上は思っている様です。なので我々にお鉢が回ってきたと」
    こんなにざっくばらんなブリーフィングでいいんだろうか? 中佐のイメージでは無いと思うんだが
    「正直、我々の方が戦力が過剰だと思うのですが。まあ我々は与えられた任務を粛々と遂行するのみです」
    「今回は主力に加えて包囲陣に経験の浅いものを加え、戦場での経験値を積ませる事も命令に含まれています」
    「正規の作戦では無い故…最悪遭遇出来ずに終わり、という可能性もありますが、それはそれで現地での実践訓練という名目が立ちます。いつもの様にデータ取りも続けますし」
    「勿論実戦投入される者はある程度以上の訓練経験と操縦実績がある者だけです。実戦の距離からは離れた所で戦場の空気…雰囲気を感じてもらおうという事です」
    「と、言う訳で今作戦の主目的は敵の遊撃戦力の殲滅と拠点の制圧の二点です。続いて作戦参加者」
    画面に表示される。しかしこの面々は本当に何というか
    「指揮官としてアムロ・レイ少尉。続いてシイコ・スガイ准尉、ドゥー・ムラサメ准尉、共同軍として副指揮官としてランバ・ラル大尉」
    どうして大尉が少尉の指揮下に入るんだ? 普通逆だが

  • 68二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:25:46

    「今回は我々が主導権を握る…というかラル大尉はあくまで巻き込まれ遭遇戦として参加して頂く、という体だからな訳で」
    「建前上はパトロールがてら新兵の訓練中に宇宙海賊と遭遇戦になった、という事にしろと上から言われています。」
    殴られたから殴り返した、正当防衛だよね? という事にしたいのだろうが…中佐ってこんなに全部言ってしまう人では無い筈なのだが
    「そして訓練兵扱いでアマテ・ユズリハ曹長、シュウジ・イトウ曹長、ドライ・ムラサメ曹長、そしてセイラ・マス曹長」
    「訓練兵の4名は直接戦闘行動には参加せず…まあ実際の戦場の雰囲気を感じてもらうのが目的であるので身の安全を第一に考え行動する様に」
    セイラさん一人だけだと浮いてしまうから護衛に新兵扱いでガードを付けたと…中佐の苦労が偲ばれる。勿論戦力的には訓練兵の方の4人だけで普通の相手なら無傷で粉砕する程の実力だ
    ジークアクスを駆るマチュ、そのマチュと闘えるシュウジ、強化人間のドライ、一番戦力で劣るのが並の熟練兵を越えているセイラさんというとんでもなさだ
    「作戦開始は…正直決まっておりません。」
    なんだそりゃ。声に出そうになったのを何とか飲み込む
    「まずはジークアクスの整備調整、それに皆の完熟訓練。その後海賊の出現宙域に侵入し索敵します。その様な段取りで」
    なるほど、まずジークアクスを復活させないとか。それはマチュとシュウジとドライがいれば何とかなるだろう
    「更に、全てのMSに対応するマグネット・コーティング技術が開発されました。」
    俺と親父の視線が集まった事で中佐が一瞬驚いたような顔をした。
    「これは以前ドゥー准尉が乗っていたギャプランに使われていたものの発展型です。試作機としてキャパシティの大きいジークアクスが復旧した時にテストベットとして最初に適用します」
    「その時にはテム主任とアムロ君、ドライ君にも施工に参加して頂きます。資料は後程渡しますので」
    「ジークアクスのデータを基に今後の判断の礎とします。以前の統合開発計画に匹敵する規模の計画です。メカニックの皆は励んでください」
    「それでは概略はこれで。1時間後にジークアクスの復旧作業を開始します。関係者は定時にハンガーに集合する様に」
    ブリーフィングが終了した。まずは親父とドライの3人でマグネット・コーティングの資料読みをするか…

  • 69二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:28:29

    「…あの3人の眼の色が変わってるよ。天パやおじさんだけじゃなくドライまで」
    「アムロンがあんなになってるの久しぶりだね。やっぱりあの人メカニックなんだねー」
    「早く来てくれ、マチュと話がしたい、とジークアクスが言っている…うるさい程だ」
    「うーん、ボク達だけで行ったら整備の人達に追い返されそうだなぁ」
    「正直ジークアクスと話すのは私達だけでも大丈夫だと思うんだけどね」
    「暇潰しにボク達でシミュレーターでもやる?」
    「後でデータを取るからそれまで休んでおけ、とアムロさんが言っていた。俺は一体どんな事をされるんだろうか?」
    「あー、多分延々とシミュレーターで何人とも模擬戦やらされるだけだよ。作戦行動前じゃ実機での模擬戦は補給や整備から難しいだろうし」
    「え、延々と…?」
    「んだね。私とドゥーっちの時は10回じゃ利かない位やらされたね」
    「10回じゃ利かない程…!?」
    「そういう事。最低でもボクとマチュ。ヒゲオヤジ…って言っても分からないか、さっき説明してたシャリア・ブル中佐、その話の中で名前が出たランバ・ラル大尉、マザーウィッチこときのこの山、とどめに天パことアムロ・レイ少尉。お姉さんことセイラ・マス准尉もかな?」
    「き、きのこの山? …聞いているだけで眩暈がしてくるメンバーだ」
    「そうだね、今のジオン軍でもセイラさん以外はトップランカーだね。大変だけど頑張ろうねシュウちゃん!」

    「よし、来たな。その3人の中で一番この艦を知っているのはお前だドゥー。ちゃんとエスコートしてやってくれ」
    「あいよー。整備のおっちゃんたちも知り合いだし大丈夫だよ」
    「そうか、すまんが頼む。俺達はまだ手が離せないんでな」
    アムロに荒っぽく頭を撫でられた。あんなにゴツくて硬い手なのにどうしてこんなに安心するんだろう?
    「よし! じゃあ行くよ二人とも! とっととジークアクスを叩き起こそう!」
    「…ドゥーっちってこんなに分かりやすかったっけ?」
    「言わぬが華だ、とジークアクスも言っている…」
    そんな事を言われているとも知らずボク達3人はジークアクスの元に。さてどうしようか?

  • 70二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:31:14

    「私達3人でコックピットに入ってみようよ」
    「いきなりだなマチュ?」
    「でもそれが正解な気がする。みんなで話しかければジークアクスもやる気を出すでしょ」
    「そんな簡単だろうか?」
    「まあやってみよう。ダメだったらまた何か考えればいいし」
    そんな簡単に済んでしまって10分ほどでジークアクスは再起動。整備のおっちゃんたちに取り囲まれて話を聞かれた後ジークアクスのオーバーホールが始まる事になった

    「もう復活したのか!?」
    「うん。マチュとシュウジに話しかけられたら覿面だったよ。やっぱり拗ねてたんだなアイツ」
    「…そうか、お手柄だったなドゥー」
    「あ、手に油ついてないだろうな天パ!?」
    乱暴に撫でられるてが本当に心地いい。ドライが見て見ぬふりをして…何してんだアイツ!
    「大丈夫だ、そこまでデリカシーの無い男じゃないぞ俺は。それで今はC整備か」
    「ンンッ! こ、ここにいたんならその間に整備してくれても良かったのにね」
    「起動できないんじゃチェックも掛けられないからな。仕方が無いよ」
    こんな風にここでアムロと話すのはどれ位ぶりか。何だかとても懐かしく感じる
    「お前たちを待たすのも申し訳ないし、シュウジとシミュレーターで対戦してるか?」
    「天パは?」
    「俺はまだ手が離せない。一番経験が多いドゥーが主導してシュウジのデータを取ってくれ。マチュとやってもいいしセイラさんやラル大尉を呼んでもいいかもな。シイコさんとは今は止めておいてくれ」
    「そう? んじゃ整備のおっちゃん達に準備とデータ取りをお願いしてくるね」
    「ああ、頼む。今のお前の実力を二人に見せてやれ」
    「りょうかいー」
    さて、それじゃあ二人を揉んでやりますか

  • 71二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:34:09

    「ど、ドゥーっちこんなに強かったっけ!?」
    「これでは鎧袖一触だ、とガンダムに言われてしまった…」
    二人が orz みたいな感じになってる…いや揉んでやるとは思ったけど。まあ二人ともブランクがあったんだからしょうがないか?
    「マチュはあんだけ訓練したのになまってるね? シュウジはマチュと互角だって聞いてたんだけど」
    「いや私は地球にいる間は訓練なんてしてないよ? ドゥーっちはクランバトルでも戦ってるじゃん!」
    「俺も自分ではそこそこ使える方だと思っていたが…思い上がりだったようだ」
    「まあ大丈夫だよ。あそこで手ぐすね引いて待ってるメカニックのおっちゃん達の顔を見てみ? 新しいおもちゃを見つけたって顔してるでしょ」
    「「!?」」
    「ボクだけじゃなくシミュレーションの相手は片手じゃ収まらないからね。さあ次行こうか、セイラさん相手なんてどう?」
    「ドゥーっちの鬼―!」
    「ナニ言ってんのさ。天パとヒゲオヤジと模擬戦してた頃はこんなもんじゃなかったでしょうが。さあ次始めるよ!」

  • 72二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:36:36

    「ふむ、微笑ましいですな」
    「アルテイシア様ではあの子達の相手はいささか厳しくは有ろうが…それも経験ですな」
    「中佐とラル大尉が並んでおられるとか敵から見れば地獄にしか見えないでしょうね」
    「何を言う。ホワイトユニコーンとマザーウィッチが並んでいる君達こそ」
    「お似合いですか!? ありがとうございます!」
    「何を言ってるんですかシイコさん」
    「ドゥーのお嬢さんは向こうのまとめ役ですし…どうですかな、この4名の総当たり戦など」
    「!? もう4回線分シミュレーション回線を繋げろ、灰色の亡霊、青い巨星、白き一角獣、母なる魔女の乱戦だ!!」
    耳聡く聞きつけた親父が叫びメカニック達が歓声を通り越した雄叫びを上げ飛ぶような勢いでシステムを組み上げる。
    「これは間違いなく現在のわが国での最高峰の模擬戦になる、絶対に途中で止まるようなミスをするな、4重にチェックしろ、3重に記録しろ! 艦内放送で知らせ艦内回線にも流せ、人類最高峰の戦いが始まるぞ!!」
    直後に艦内放送で「緊急放送! 緊急放送! シャリア・ブル中佐、ランバ・ラル大尉、アムロ・レイ少尉、シイコ・スガイ准尉の総当たりシミュレーションが始まります! てめぇら艦内回線を見ろ!!」とか言い出しているし
    「これは…参りましたな」
    「まあ兵たちの士気高揚にも繋がりそうですし」
    「これ、最後まで勝ち残ったら、というかアムロ君に勝ったらご褒美ですよね!?」
    「何故俺限定なんですかシイコさん…俺にできるご褒美なんて」
    「噂に名高いアムロ・レイのスイーツを所望したいものですな」
    「ラル大尉!?」
    「私は中佐です。勿論私も含まれますな?」
    「ふふ、もう逃げられないわねアムロ君?」
    やれやれ…
    「そんなのみんなズルい! ボクも混ぜてもらうよ!!」
    「ドゥーまで!」

  • 73二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:43:40

    「…そこッ!」
    『相変わらず正確な射撃だ、だからこそ予測しやすい!』
    『さて…私で抑えられますかな!?』
    『あははははは! 壊して壊して壊してあげる!!』
    『みんなキラキラに巻き込んであげるよ!!』
    「いやみんなテンション高すぎだろ…」
    って全員俺狙いか!? ちいっ!

    さすがに4対1では逃げるのに精一杯で誰も落とせなかった…一番損傷が大きかった俺が独り負け、という事になってしまった
    「いや、この面々で4対1で逃げ切った君の腕前を通り越して異常さを鑑みるべきでしょう」
    「さすがに落とせると思っていたが…また腕を上げたようだな」
    「スティグマがあれば…とは思うけどやっぱり対処されそうね…」
    「久しぶりにムカついたよ天パァ! 一体何者なのさ天パは!」
    「何者と言われても。あの包囲網から逃げるので必死だったんだぞ俺は」
    中佐とドゥーの光の檻の如き精密射撃、そこからのラル大尉とシイコさんのサラウンド格闘戦の後また射撃を食らう波状攻撃などと言う連携にどう対処しろというのだ。片腕片足で済んだのは僥倖だった
    「まあいいや、話通りに天パの独り負けなんだから4人全員にスイーツだよ? 男に二言は無いよね!?」
    「それは構わんが…材料が無いだろう。出納係や主計課の人達に睨まれたら宇宙では生きて行けないんだぞ?」
    その言葉にドゥーがヒく。他の3人も敵に回してはいけない人たちがいる事は分かっているのだろう
    「その点については次の補給でコロニーに寄った時に…半舷上陸時にアムロ君に買い出しに行ってもらうという事で。その分は私が持ちましょう」
    「それはいくら何でも申し訳ない、小官にも半分出させてください」
    「有難い申し出です」
    「…それでアムロ君?」
    急にラル大尉が小声になった
    「アルテイシア様の視線で焼き殺されそうなのだが…何かお土産という事でアルテイシア様の分もお願いできないだろうか? 勿論その分の謝礼はきちんとさせて頂くので」
    いっつも苦労してるなあラル大尉
    「分かりました、セイラさんの分も用意します。どうかそんなにお気になさらずに」
    「本当に申し訳ない。今日のアルテイシア様の覇気は尋常ではない…」
    あのラル大尉が冷や汗をかいている…そんな所で殺気を放たないで下さいセイラさん

  • 74二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:46:35

    (大丈夫ですよセイラさん。ちゃんとお土産を作ってお渡ししますので)
    視線を合わせてそんな風に念を送ってみた…いや我ながら念って何だ
    (ありがとう、期待しているわね?)
    という視線で語ってくるセイラさんはやはり只者では無い…!
    「ちゃんと記録は取れたか!? 解析を始めろ、これ以上有用なデータは無いぞ!」
    親父の声と共に解析班が動き出している。
    「それでは次ですな」
    「もう始めるんですか!?」
    「それはもう。訓練ですからな、己を追い込まずに何としますか!」
    「じゃあメンバーと人数はどうしましょうか?」
    「マチュ! 久し振りに4人でやろうよ!」
    「私とドゥーっちとアムロンとヒゲマン!? 私が秒で落とされる未来しか見えないぢゃん!?」
    そんな騒ぎが続き、数時間後のジークアクスのC整備が終了後に今度はマグネットコーティングが始まった

  • 75二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:49:07

    「いやちょっと待った!」
    「どうしたのだアムロ?」
    「いや、ジークアクスはC整備が終わったばかりだろう? 慣らし運転もして無いじゃないか」
    「「あ」」
    「それでいきなりマグネットコーティングしちゃったら…データが揺らがないか?」
    「気付いてしまいましたか…」
    「あ、中佐。お疲れ様です」
    「その疑問は最もですが、今回は時間が無いのです。以前のマチュ君とジークアクスのデータは残してありますし、それと比較して検討する事になっています」
    「でもそれだと以前のマチュと今のマチュの差が揺らぎになりますよ?」
    「…以前の彼女と変化は?」
    「建前は普通の女の子ですからね、ドゥーよりは落ちているかと」
    「ふむ…もう始まっているものは仕方が無い、誰か別の者に別の機体で前後を比較するしかないですな」
    「そんな目をして俺を見ないで下さい中佐」
    「はは、まあここで一番信頼できるパイロットは君ですからね」
    「でも俺は両方共ですから時間が無いですよ?」
    「…では小官とアルテイシア様が引き受けましょう」
    「ラル大尉?」
    「ラルと私ならエースとそこまでではない者、それぞれ違いが鮮明化されるでしょう」
    「セイラさんまで」
    「小官達はここのジープラフに実際に乗ってはおりませんのでな。アルテイシア様の完熟訓練も含め実機で確認させて頂きたい」
    「仮にも実践に参加するのに初めて乗る機体で、というのは乱暴ではなくて?」
    「…分かりました。稼働整備してあるジープラフで実際に完熟訓練をして頂きましょう。セイラ女史はGの体験などもして頂かなくてはなりませんし」
    「それではこちらから稼働準備の指示を出してしておきましょう」
    親父が整備場に指示しジープラフを二台実機訓練仕様に準備させる。非常時用に数台はいつでも出撃させられるレベルにはしてあるから時間は掛からない筈だ
    「それではお二人は準備を。訓練の指示は私が出します、テム主任はマグネットコーティングの方を、アムロ君はシミュレーションの方も統括を頼みます」
    4人が敬礼を返す。そう言えばディジェとシイコさんのマラサイはどうなっているのだろうか?

  • 76二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:51:22

    「…これって俺は必要かな?」
    当然だがマグネットコーティングは即座に終わるようなものでもない。専門技術だから俺達が参加する訳にもいかない、というか邪魔になる
    セイラさん達が実機訓練で艦外で実際の起動訓練…セイラさんは急加速のGに驚いていただろうが大丈夫だろうか?
    初の機体で初の起動訓練など疲れない訳が無い。まだ先は長いし適切に切り上げているとは思うが
    「そうだな…私とドライが見て後でお前に話を通せばいいのではないだろうか」
    「後で僕がレポートを作りますよ。アムロのお兄ちゃんがひと目見て理解できるのを作りますから!」
    目を輝かせているドライ。そこまでキラキラされたら従うしかない
    「そうか、じゃあ頼んだぞドライ。俺だけじゃなくてドゥーが見ても分かる奴を作ってくれ」
    「…それはいくらアムロのお兄ちゃんのお言葉でも厳しいと思います」
    ものすごい逡巡を含んだ言葉を返されてしまった。そんなに難しい事を言ったのだろうか…
    「そ、そうか、無理言ってすまない。だが俺用のレポートは期待してるぞ?」
    「はい! 任せてください!」
    頭を撫でてやる。わー! とか言って喜んでいるがそんなに良いものなのだろうか?
    「それじゃあ俺はシミュレーションの方に戻るよ。向こうの熱気は凄いな…」
    ちょっと近寄っただけでも
    『オラかかってきなさいよエノキィ! また泣きべそかかせてやるわよ!』
    『寝言言ってんじゃないよきのこの山ァ! 今度こそギッタンギッタンにしたる!!』
    ここまで声が聞こえてくる。周りもやんややんやの盛り上がりだ。これ賭けが始まってるだろうな…

  • 77二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:54:57

    中佐と大尉が熱く語り合っており間に入れず…ドゥーとシイコさんはバチバチやり合っている。マチュとシュウジはぐったりしている…そんなに回数を重ねたのだろうか
    「お疲れ様アムロ。マグネットコーティングって言うのはいいの?」
    「お疲れ様ですセイラさん。実機訓練はどうでした?」
    「やはりシミュレーション通りという訳にはいかないわね。特にGに振り回されるのは…今まで何度も訓練しているけどジープラフは違うわね。終わった後仮眠を取らせてもらったわ」
    「まあそうなりますよね。どうか無理なさらずに」
    「ありがとうアムロ」
    「話の腰を折ってすみません、向こうは見ていても分からないんで親父とドライが担当してくれました。俺はこっちでシミュレーターに参加していろと」
    「なるほど。でもアムロの相手になる人なんて少ないんじゃ無いかしら?」
    「まあデータ取りってのは多種多様な状況を想定しますからね。その内また複数の乱戦やクランバトル形式が始まるでしょう」
    「そうなの? …そろそろ終わりそうね…あ」
    言われてモニターを見るとドゥーとシイコさんが今まさに相討ちになった所だった。お互いに相手のコクピットをビームサーベルで貫いているとか殺意が高すぎだろう
    「あの二人3回連続で一騎打ちだからかなり疲れているんじゃ無いかしら?」
    「そうなんですか?」
    言われて急いでシミュレーターに近づく。今までの感じだと…
    「こ、これで分かったでしょうエノキ…私の方が上だって事よ!」
    「やかましいきのこの山…目ん玉ひん剥いて結果を見てみろっての…!」
    出てくる時まで元気だなぁ。だが体はついて来ていない
    「あっ!?」
    「わ!?」
    「よっと。二人とも全力を出し過ぎですよ。」
    お約束というか形式美というか。二人揃って体勢を崩し俺が支える事になった。
    「「アムロ…!!」」
    「二人ともヘトヘトじゃないですか。少し休んでてください」
    二人を抱えて歩き出す。無重力だからこそできる荒業だ

  • 78二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:57:46

    「ふ、ふん!」
    とか言いながら俺の右わきの下に顔を突っ込んで抱きつき足を俺の足に巻き付けてコアラみたいになるドゥー
    「…ふふ、ありがとうアムロ君」
    そう言って俺の頭を抱きかかえるシイコさん。その体勢はその豊かで魅力的で美しいアレがその!
    「ちょ、シイコさん危ないです前が見えない!」
    「だいじょーぶ。私がナビしてあげるから」
    「そういう問題では無く!」
    そんな事をやっているから俺が足をもつれさせ3人とも宙を舞う事になった

    二人を放り出して戻ってくると…真剣な顔をしたセイラさんが
    「アムロ、お願いがあります」
    「お願い?」
    まあこの流れだと
    「私と一騎打ちして欲しいの。全力で」
    「全力で、ですか?」
    「ええ、どうせ一瞬で終わるでしょうけれど、貴方の本気を体験してみたいの」
    「えーと…」
    ラル大尉を見る。諦めと決意が混ざった表情で頷いているって器用ですね大尉?
    「分かりました。俺もエースの端くれです、その殺気というか、そんなものを味わってもらえれば実際でも怯む事は減るかも知れません。お相手します」
    「ありがとうアムロ!」
    「では、始まったら最初に本気というか、実戦の時の感じでセイラさんに対します。30秒ほど何もせず、ただ意思を向けます。それを体感してみてください」
    「分かりました!」
    シミュレーター機動。設定内で俺とセイラさんが向かい合う。
    『宜しくてよアムロ?』
    「それでは行きますよセイラさん。結構なプレッシャーだとは思いますが」
    ここで目を閉じて集中…等としてから出来れば格好いいのだろうが生憎俺はそんな事は出来ない。ただ意思を向けるだけだ

  • 79二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:01:06

    『!?』
    「「「「「!?」」」」」
    セイラさんの声にならない悲鳴、ギャラリー達の動揺の悲鳴。ラル大尉や中佐など何人かは目を剥き獰猛な笑みを浮かべているだろう
    「…30秒です。大丈夫ですかセイラさん」
    「…セイラさん? セイラさん!? 外部! セイラさんを確認してくれ!」
    何人かがシミュレーターの模擬コクピットに飛びつく。セイラさんは…半ば失神していたようだ
    「しまった、やりすぎたか…」
    勿論中断。セイラさんは運ばれて行ってしまった。後で謝らないとな…
    「アムロ君、是非手合わせを願いたい!」
    「いや、私が先ですよ大尉。私は中佐ですから」
    「なんと!? ここで階級を出しますか中佐!?」
    「アムロ君、お互い休憩してからでいいから相手してもらうわよ?」
    「いつの間に戻ってきたんですかシイコさん?」
    引いている者もいれば向かってくる者もいる。まだまだ増えるであろうデータに歓喜している連中もいる。ジークアクスのマグネットコーティングもまだまだ時間が掛かるだろうし…しばらくはこの熱の流れに持っていかれるしかないのだろうな

  • 80二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:02:36

    マグネットコーティングが完成した。最初は慣らしも終わっていないから慎重な操作が求められるだろうが…
    「一番乗り慣れているマチュか、一番正確な動きが出来る中佐か。どちらにしましょうか?」
    「私やります!」
    「マチュがいい、とジークアクスも言っています」
    「一番搭乗回数が多いマチュさんに実感してもらうのが一番いいでしょうか」
    「でも中佐、マチュはきっと感覚的な事しか言えませんよ?」
    「そ、それはまあ。解析班の仕事に期待しましょう」
    「アムロン失礼な事言ってない!?」
    「そうか、ならビューンとかギューンとか言う言葉が入った報告はしないんだな?」
    「え、いや、その」
    「冗談だよ。その為に俺達メカニックと解析班がいるんだ。パワーアップしたジークアクスのお披露目なんだ、楽しんで来い」
    「…はい!!」
    ドゥーやドライの癖で頭を撫でてしまったが…マチュは機嫌を損ねないでいてくれたので安堵した
    年頃の女の子の髪の毛や頭を撫でるというのは多分にリスキーな行為であると言われた事がある。これからは気をつけないとな
    「よし行くよジークアスク! キミの新しい力を見せてやるんだ!」
    元気に叫んで飛び出して行った

  • 81二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:06:10

    その後も何度もシミュレーションをこなす。セイラさんとラル大尉のマグネットコーティングが終わったジープラフでの実機訓練、マグネットコーティングのデータの洗い出しなどやる事はいくらでもあった
    「シュウジ、マチュ、調子はどうだ?」
    「つかれたー…」
    「もう何度も限界が来ている、とガンダムも言っています」
    確かにブリーフィング後の訓練開始から半日以上経っている
    「だが休憩や仮眠もとっているんだろう? まだまだこんなもんじゃ終わらないぞ?」
    「そうだよマチュもシュウジも。そんなんじゃ天パのデザートが無くなるよ?」
    「どうしてそんなに元気なのよドゥーっち!?」
    「そりゃあ鍛え方が違いますから!」
    「シイコさんとあれだけやり合ったのに…」
    「鍛え方が違いますから!」
    まだ体力は余っている様だな。よし、それなら
    「僕とシミュレーターで戦って下さい!」
    「「ドライ!?」」
    「…どっちと?」
    「どっちとも! 僕だって元はっていうか今でもパイロットですから!」
    この場の熱気に中てられたという事だろうか
    「マグネットコーティングはテム…主任と概略は作りました、今は主任が見て下さっています。だから大丈夫です!」
    「…へえ。言うようになったねドライ? ボクにピーピー泣かされてたのを忘れた訳なじゃないだろうね?」
    「今はあの時よりも僕の腕は落ちている、でも知識や精神や情報量は比べ物にならない! お姉ちゃんの得意不得意だって分析してある、一矢報いる事ぐらいはできるはずだ!」
    「言ったなドライ? ならまたコテンパンにしてやろう!」
    「はい、望む所です!」
    「…んで、ボクの不得意とか言ってたけど天パの不得意ってあるん?」
    「…『あの』アムロのお兄ちゃんですよ? 僕らに不得意が不得意に見えると思います?」
    「「はぁ…」」
    「何を突然小声で密談しているんだ。それで俺とドゥーのどちらがいい?」
    「まずはお姉ちゃんから。少しでも勘を取り戻してからアムロのお兄ちゃんとお兄ちゃんと闘いたいです!」
    「ボクは踏み台かドライ!? 良い度胸だ、また泣かしてやる!」
    「よし、次の対戦はドゥー対ドライだ。シミュレーターの準備をしてくれ!」
    新たな食材が飛び込んできたと沸くデータ班。本当に生き生きしているなぁ

  • 82二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:08:30

    「完熟訓練はこの位で大丈夫でしょうかね」
    中佐の言葉が漏れたのはあれから数日後。とても贅沢に時間と資源を使いジープラフとセイラさんとラル大尉の経験値を溜めていた。セイラさんもGで気絶したリ俺や中佐の気を中てられても失神する事も無くなった。適応力すごいなセイラさん?
    「それではこれより海賊の出撃宙域に向かって移動を開始します。最低半日は掛かりますからそれまでは順次交代で休息。初の実戦参加になる者も多いです。皆油断せずに体調を整え戦闘に備える様に」
    マチュはジークアクス、俺はディジェ、シイコさんはマラサイ、後のメンバーはジープラフ。その全てがマグネットコーティングされている。ラル大尉曰く「3割は性能が上昇している」んだそうだ
    「これよりは一両日中に宇宙海賊との交戦を想定していますので実機訓練もシミュレーターの使用も禁止します。整備班は全ての機体を実戦装備に。出撃班は順次休息。別件の緊急出撃がある場合には私とラル大尉とアムロ少尉で対処します」
    「それは…この艦でトップ3とはいえ大丈夫なのでしょうか?」
    シイコさんが聞く
    「問題無いと思っております。というかこの宙域はこれより我々が討伐しようとしている宇宙海賊の…俗に云う縄張りです。なのでわざわざ別口の海賊が絡んで来る事も無いと思っています。勿論警戒を緩める事はしませんが。」
    「なるほど」
    「私は指揮官兼最終防衛戦力として艦に残ります。現場の指揮権はアムロ少尉に移譲。現場に良い様に行動してください」
    「拝命しました。参加要員はこれより順次休息、出動命令があるまで待機します」

  • 83二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:12:49

    そんなこんなで皆の練度もマグネットコーティングも煮詰める事が出来、海賊も無事に誰も落とされもせず討伐
    中佐の率いるソドンはアルテイシア様の新たな戦力として周知される事となり…アルテイシア様としても実戦に参加したという事は確かな箔付けになった
    セイラさんとラル大尉がソドンに来るまでにで乗っていたザンジバルと合流、そのまま2艦でサイド3に向かう
    移動中にお互いの艦の乗組員の交流や会話も進み、知人から知り合い…軽い冗談や融通も効き始めるような間柄になり始めた
    アルテイシア様のカリスマ、ソドンの戦力の高さが上手くかみ合った結果のようだ。友軍同士の中が悪いよりは良い方が良いに決まっているからな
    ソドンはサイド3に専用のドックを用意され、ソドンのクルーも専用の宿舎を用意される厚遇を受けた。この戦争で人員が減っているとはいえそこまで余裕があるのだろうか、と不安になる程だ
    ラル大尉の部隊のザンジバルに続くアルテイシア様直属部隊…として明言はされてはいないがアルテイシア様の発言力や影響力を増やす事に貢献できているだろう、という評価となった
    「それではアルテイシア様と小官はここで。中佐殿のソドン隊と誼を結べたのは望外の幸福と申せます。今後も宜しくお願い申し上げます」
    「こちらこそアルテイシア様とご面識を持てたのは幸いでした。何かありましたら遠慮なくお申し付けください」
    「ありがとうございます中佐。中佐のお言葉に甘える事も有るかと思います。その時はよしなに」
    そしてこちらを向くセイラさん
    「…今回はありがとうアムロ、色々とお世話になったわね」
    「こちらこそ色々と…気絶させてしまったり訓練とはいえ厳しい事をしてしまってすみません」
    「いいのよ。絶対に忘れないから」
    背筋に冷たいものが走った。セイラさんはアルテイシア様となってから明らかに迫力が増している
    直後打って変わったように華やかな笑顔を浮かべるセイラさん
    「ふふ、冗談よ。まあ絶対に忘れないのは本当だけれどね。シイコさんが言った通りだったわ」

  • 84二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:14:52

    「シイコさんが?」
    「ええ、貴方の事を話していたわ。コクピットに赴く時の顔、みんなに指示を出す声、戦闘中に漏れる声、『そこっ!』の声で必中させる射撃…ふふっ」
    そう言って自分の肩を抱くセイラさんは…とてもゾクゾクした
    「本当にシイコさんが言う通りだったわ。アムロと同じ戦場に立つ事を許された者のみが味わえる貴方の本気…凄かった」
    「あの厳しい訓練もした甲斐があったと思えた。とても有意義な時間だったわ」
    そして浮かべたのは本当に美しい微笑み。先程のセイラさんでは無いが絶対に忘れられないだろう
    「またすぐに、とは言えないけれど、必ず逢いに行くわ、アムロ。その時はよろしくね?」
    「あ、はい。おやつの準備をして待っていますよ」
    「ふふ、ありがとう、アムロ…」
    そう言ってセイラさんが抱きついてきた。思わぬ事態に体が硬直し…抱き返せなかったのは良かったのか悪かったのか
    「ナニやってんだアムロぉぉぉぉ!!」
    「ぐお!?」
    「きゃあ!?」
    背後から飛び蹴りしてきたドゥーにセイラさんごと吹き飛ばされ…庇いながら転がり俺が下敷きになり
    「大丈夫ですかセイラさん!?」
    「……ふふ、本当にありがとう、アムロ」
    そう言ってセイラさんに首筋にキス…というか噛みつかれ
    「「ナニやってんだアムロぉぉぉぉ!!」」
    シイコさんとドゥーに怒鳴られ…そこで俺は力尽きた

  • 85二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:16:34

    某社オフィス
    『…「灰色の亡霊」シャリア・ブル中佐率いる強襲揚陸艦ソドンが「青い巨星」ことランバ・ラル大尉麾下のザンジバルと2週間近く共に行動し、共同軍で宇宙海賊を壊滅させたとの確定情報が入りました』
    『ランバ・ラル大尉と言えばジオンのアルテイシア新公王の懐刀として有名な…青い巨星と灰色の亡霊が誼みを結んだならばジオン公国内でも有数の戦力となる』
    『我がアナハイムとしても看過できるものではありません。技術提供やMSの開発や販売などで新たな関係を構築するべきです』
    『…ならばどの様な点から関係を構築する?』
    『いきなり新公王側に人を派遣するのは警戒されるでしょう。ソドンの整備主任は旧連邦のテム・レイ技術官です。その関係からソドンに技術供与の名目で技術士官を派遣するのはいかがでしょうか?』
    『誰か条件に当てはまる当社社員はいるのか?』
    『はい』
    『名前は?』
    『連邦系技術技官、チェーン・アギ』

    「うひゃあい!?」
    「どうしたのエノキ? 氷水掛けられたチンパンジーみたいな悲鳴上げて」
    「お前そんなん聞いた事あんのかきのこの山ァ!?」
    「まあ冗談はさて置き」
    「さて置くなこのマントヒヒ!」
    「さて置き! 今の悲鳴は何なのよってかあとで憶えとけよチンパンジー! 」
    「てめシミュレーターでボコってやるかんなマントヒヒ! いや、何かとんでもない悪寒が…」
    「とんでもない悪寒…?」

  • 86二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:20:04

    後日
    「アナハイムより派遣されました技術官であるチェーン・アギと申します。皆様これから宜しくお願い致します!」
    「自己紹介の通りAEから派遣されたチェーン・アギ技官です。AEからの技術提携の為に派遣されました」
    「彼女は昔私の下で働いていた俊才だ。皆仲良くしてやってくれ」

    「改めてお久しぶりです、テム主任」
    「久しぶりだねチェーン君、新人時代の君に指導して以来か」
    「そうですね、あの頃はお世話になりました」
    「懐かしいものだな…そうだ、アムロ、ちょっと来なさい。彼女は私の昔の部下の技官だ」
    「は、初めまして! て、テム技術主任に薫陶を頂きました技官のチェーン・アギと申します!!」
    「初めまして。テム・レイの息子、アムロと申します。これからよろしくお願いします」
    「は、はい! こちらこそよろしくお願いします!!」
    握手しようと差し出した手を両手で押し戴かれるなんて初めてで非常に戸惑った

    「あ、あいつだ…!!」
    「言わなくても分かるわエノキ、アレは絶対にアムロ君を狙う…!」
    「『「あの、鎖女…!!」』」
    「って今3人目誰!?」
    「もしかしてセイラさん…!?」
    『二人とも、監視の目を緩めない様に。分かったわね?』
    「「イエス・マム!!」」

  • 87二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:26:15

    長々と割り込んですみません
    とりあえず書き溜めたのは貼り切れました

    こちらではチェーン、貼って下さっている方はクリスが出てきて天パの周りは一層騒がしくなり看板娘のドゥーの心が安らぐのはまだまだ先になりそうです

    このスレの方に拙作が楽しんで頂けます様に

  • 88二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 02:06:53

    クリスとドゥーを書いてるとクリスのお姉ちゃん力が強すぎてドゥーが丸くなってしまう

    >>58>>59頑張ってみます

    >>61そりゃドゥーちゃんですから

    >>87

    すごく楽しませて頂きました自分が遅筆なのでご迷惑をかけました割り込みとか気にしないので全然大丈夫です

  • 89二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 03:54:02

    >>60

    車で施設から市街地へ向かって目的地のカフェへ到着すると外に置いてあるメニュー表にクリスが見せてくれたパフェが大きく載ってる

    「クリス早く早く‼︎」

    「待ってドゥー」

    お店に入って席に座ってお水を持って来た人にパフェを頼む

    「それじゃ私はアイスコーヒーとワッフルを」

    「はい」

    お店の人がキッチンに向かい待ち時間どうしようかな聞いてみようかなちょっと悩んでいると最初の時のようにどうしたのと聞いて来たこうなったらヤケだと思い切って聞いてやる

    「クリスはさから……MSに乗るの嫌い?」

    その質問にクリスは見た事もないような表情をした怒らせたかなと思ったけど怒りは感じないむしろ驚きと喜びを感じる

    「その質問の返事は後でね」

    ちょうどよくパフェとワッフルが来た

    「いただきまーす」

    一口食べるとフルーツの甘味と生クリームの甘さがいい感じだけど何か物足りない今度天パに作ってもらおうそのあとボクはクリスにいろいろ連れ回されて服だったり下着だったりを買ってもらって最後にお土産のアイスを買っての車でのことだった

    「ドゥーさっきの質問なんだけどね確かにそうね私MSを動かすのは好きだけどMSで戦うのは嫌い」

    車を運転しながらクリスがカフェでの質問に答えてくれた

    「どうして?」

    「あまり大きな声では言えないけど私戦争中にジオン兵と協力して避難民を守ったことがあるの私の軽キャノンは大破したけど彼のザクが私達を守り切ってくれたその時に戦いって戦争ってなんだろうって思っちゃって」

    そんなことがあったんだその時のクリスの目がララァに似てた

    「クリスはそのザクのパイロットの事好きになったんでしょ」

    ボクの言葉に車が左右に揺れる

  • 90二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 04:11:10

    「ちょっとドゥー‼︎」
    やっぱり
    「ちなみに名前はかっこいい?」
    「格好はよくなかったけどね素敵だった」
    「名前ってわかる?」
    ヒゲオヤジに探させてやろう余計なお世話かもしれないけど絶対にあった方がいいてか絶対会わせてやるんだボクの目に観念したようにクリスがいう
    「名前ね……本名かどうかわからないけどバーニィって言ってたわ」
    今度はボクが飲んでだジュースを吹き出したバーニィ⁉︎アイツが素敵⁉︎絶対違う同じ名前の違う人間に違いないもしくはバーニィの名前を借りたか
    「もしかしてドゥー何か知ってるの」
    あんなリアクションをして隠す方が無理だ
    「前にお客さんで同じ名前の人が来たけど多分別人だと思う」
    がその特徴を聞けば聞くほど聞くとあのバーニィっぽいんだけど絶対違う‼︎そう決めつけて施設に戻ってお土産のアイスを運んでいると何やら女の叫び声いったいなんなのさ
    「あぁお嬢ちゃんあんまりよくないタイミングで帰って来たな」
    「あのおばさん誰?」
    お土産のアイスを渡しながら聞く
    「アナハイムの技術者だとさでアレと自分等が作ったガンダムと戦わせろってさ、いや模擬戦は予定されてはいたんだがもうちょい手順ってのを」
    なるほどね
    「だいたいこんなロートルのMSに負けるはずがないじゃない」
    あぁ今なんてったあのおばさん
    蹴りを入れてやろうと近づいて行くと天パに止められたなんだよ天パお前は怒ってないのかよ
    「いやドゥーここは俺にやられてくれ」
    天パのその表情にボクは何も言えなくなったそのあと話はトントン拍子に進み模擬戦をする事になった相手はわざわざ戦艦まで持って来ていた

  • 91二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 04:25:20

    「大袈裟だな」
    天パがそう言ってMSに乗り込もうとすると整備のおじさんの1人が
    「坊ちゃん相手はただの軍人なんですから手加減してあげてくださいよ」
    その言葉に笑いが湧き起こり模擬戦が始まった天パはお得意の長距離射撃をするかと思ったけど相手が撃って来たビームライフルの間をすり抜けて一直線に近づくと敵のガンダムの背後に周り混んでビームライフルを突きつけるその後も何回かしたが結局天パの操るMSに追いつける事はなく最後の泣きの一回は天パの超遠距離射撃で決まったもうその後は最高だったアナハイムの奴らは来た時とは逆の態度で帰って行った
    そして翌日からは何故か天パとシュウジもシュミレーションに参加し始めたボクが抗議するとこないだの模擬戦で上の連中の度肝を抜いたから後はシュミレーションでデータを積み重ねて行くだけだとかボクとクリスのM.A.Vと天パとシュウジのM.A.Vで戦う事になった正直に言えば勝算はだいぶあった天パは実機に一度乗っただけだしシュウジは初乗りな上だいぶブランクがある何よりシュウジと天パは初めてのM.A.Vだ対してボクとクリスはシュミレーターとは言え何回も乗ってるしM.A.Vの練度も上絶対行けると思ってたんだけど……
    結局は散々だったシュウジはなんかほんとに初乗りかってくらい乗りこなすし
    天パはいつも通り無茶苦茶だしかも天パがシュウジを凄くフォローするしボクの時はそんな事しないのに‼︎その日からボクとクリスは打倒天パ&シュウジを掲げてシュミレーターに励むのだった

  • 92二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 11:26:36

    天パは天パだったか、てか導くって後ろにも目を付けるんだって言ったのかな?

  • 93二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 16:14:14

    公式アムロの恋人チェーンさん Z時代と漫画版の恋人ベルトーチカさんも出るのだろうか?w後富野由悠季の小説版だとセイラさんも股開いて合体するけどその小説版だとアムロシャアと和解した直後に不意打ちでGー3撃たれて戦死するからその辺りでも警戒してらっしゃる?セイラさん

  • 94二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 19:05:30

    この時空では天寿以外で死ぬなよ天パ…。

  • 95二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 23:15:50

    >>94

    腹上死か後ろから女性に刺されるかのどっちかに一票

    …あれ、黒髪のショートヘアで整備兵の女性がいるな…?

  • 96二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:19:04

    >>94

    そんなこと言われるとここのシャアも逆襲させてアクシズ落としたくなるなあ!(外道)

  • 97二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:27:52

    >>96

    向こうの世界からシャアかアムロがぶん殴りに来そう

  • 98二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:41:09

    >>96

    この世界なら褐色さんがダブルメイド引き連れて折檻しに来るな

  • 99二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:46:55

    >>91

    そしてだいたい2週間後

    「また天パにやられたー」

    感情のぶつけ先が見つからず手に持っていたジュースの缶を握り潰す

    「こらドゥー怪我したらどうするの‼︎」

    クリスに怒られるけどどうしようもないじゃないかクリスは悔しくないのかよ

    「そうね……けどちょっと感じちゃってるの自分の限界っていうかドゥーやアムロやシュウジ君との違いをね」

    クリス……

    「そんな事ない‼︎クリスは強いだってボクのM.A.Vだぞ」

    天パとマチュ以外で初めてM.A.Vを組んでいいと思ったパイロットだぞ‼︎

    「ありがとドゥー」

    叫んだら少しスッキリしたそんな時に何かバタバタし始めた

    「何これ」「ドゥーこっち」

    クリスがまたボクの手を取って走り出すけどボクが行きたいのはこっち‼︎逆にクリスを引っ張ってMSの……天パ達がいる所に向かう

    「天パ‼︎」

    「わかってるドライどうだ」

    すでに皆んな慌ただしく動いていたドライがキーボードを叩いている辺り軍警へのハッキングだろう

    「待ってアムロお兄ちゃんもう少し……外にムサイが居るって数は3隻」

    「ムサイ3隻か確か搭載MSはコムサイを合わせて6機通常の4機運用と考えれば12機か多いとは言えないがコロニーを攻めるには充分な戦力か」

    冷静に解説する親父さんの横でドライの顔色が変わった

    「今近いた軍警の部隊が攻撃されて相手はそんな……」

    「ドライどうした間違ってていい伝えろ」

    天パの言葉にドライが怯えながら答える

    「攻撃して来たMSは……ゲルググ」

    「ゲルググか相手の目的がわからないとは言え軍警のザクじゃ相手にならないだろうな」

    同感それに軍警にそんな腕の立つパイロットが居るとは思えないしそれならボク達がやっちゃった方がいいとは言え上がどう思うかは別問題でってシュウジ⁉︎そこにはテスト用のパイロットスーツを着たシュウジがMSに乗り込もうとしていた

    「これが僕とこのMSの運命だとガンダムが言っているだから僕が乗る」

    「待てシュウジ降りろ‼︎」

    親父さんがシュウジを降そうとすると天パが肩を掴んで首を振る

    「親父いや父さん俺も感じるこれがこのMSの運命だとそしてシュウジが乗る事も」

  • 100二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 00:47:23

    >>99

    「そんな私はガンダムは……」

    膝をついて項垂れる親父さんに駆け寄る

    「大丈夫だ父さん俺が一緒に行く」

    何言ってんのさ天パボク達が勝手に動かせるMSはコイツだけだぞ‼︎

    「いやもう一機ある私が実験に使っていたMSがね」

    モスクのおっさんがそう言うとコンテナのロックを解除して一機のMSが姿を表す

    「コレは……ガンダム」

    えっコレがガンダム?親父さんの呟きにボクはグレーのMSを見上げる

    「主任忘れたんですかガンダムは3機あったのを」

    「確かにそうだが2号機は奪取そしてプロトタイプは奪取された2号機との戦闘で大破3号機は完成の遅れと唯一実働データがとれたガンキャノンにV作戦の主軸を移してからは解体になったはず」

    「えぇその通りですが、自分がマグネットコーティングの実験に使えるMSがコレしかなくてですね組み立て実験をしてまぁ評価は散々だったんですが再度マグネットコーティングが再評価されて今回のコンペに当たって貴重なマグネットコーティングMSとしてそして現在の量産機と同等以上の性能を買われて模擬戦相手としてここに運ばれてたんですよ」

    「なるほどコレが運命か……アムロ頼めるか」

    「任せろ親父マニュアルはしっかり読んださ」

    親父さんに大きくVと書かれたマニュアルを見せる天パちょっと待て天パ勝手に決めるなボクも居るんだぞ

    「アムロお兄ちゃんテムさん軍警が協力要請をひっきりなしにうったえてる」

    「わかったガンダムとNT-1アレックスを出すと伝えてくれ」

    ドライにそう親父さんが答えて天パがパイロットスーツに着替えるって天パいきなり脱ぐな隠せ‼︎文句を言う前にクリスの手によって目隠しをされるけどチラッと見えたそしたら耳まで熱くなる

    「時間がない許せ」

    手がどけられるとヘルメットを受け取りガンダムに乗り込む天パが見えた死ぬなよ勝ち逃げなんて置いてけぼりなんて絶対許さないからな‼︎

  • 101二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 02:11:36

    >>100

    シュウジが乗るアレックスを伴い近くの点検用に使うハッチを目指す

    「シュウジ近くの点検用ハッチから出るぞ親父ドライ誘導してくれ」

    「はい」

    「どうした?」

    いつもと違う返事のシュウジに聞く

    「いや勝手に決めたから怒ってると思って」

    「そうだな親父から1発マチュとニャアンから1発ずつは覚悟した方がいいだろう」

    そう答えると一度空を見上げて顔付きが変わるシュウジ大丈夫だな

    ハッチから出ると遠くで光が着いては消えて行く

    「シュウジ俺は母艦を叩く」

    「MSは僕がやるよアムロ」

    近くにいた軍警のザクが必死に指を刺して方向を示すがすでに見えてる

    「こちら協力要請を受けたMSだ余裕がある機体は逃げてくれ」

    事前に教えられたチャンネルで呼びかけると弾薬をばら撒きながら逃げる軍警ザク

    「ひとつ」

    隊長機と思われるゲルググを落として次に大口径武器を持った機体

    「ふたつ」

    そして動きが止まった機体をビームサーベルで切り裂く

    「みっつ」

    サーベルを抜いたゲルググに合わせてビームライフルを向けて撃つコレで

    「よっつ」

    次の相手を決めようとするがシュウジの駆るアレックスのビームライフルがゲルググを撃ち抜きシュウジの意識が伝わってくる

    「任せたぞ」

    直衛機は2機か遅い機動を変えて艦隊の上を取りムサイのエンジンとコムサイを破壊コレで逃がさないで済む

  • 102二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 02:46:48

    >>101

    「直衛機に伝えろ敵MSを近づけるな‼︎」

    「それが2機とも敵機を見失ったと」

    「バカな事を言うな探せ必ずどこかに居るはずだ」

    そう叫んだ時には遅かったエンジンが2つともやられ脱出に使うコムサイも破壊される左右を見ると同じように破壊された両脇の随行艦

    「ここまでかだが目的は果たさねばならぬ」

    「パイロットとと連絡は取れたか‼︎」

    「はい特機のMSが出てきた模様ですが通常のMSと変わりないとの事」

    「閣下に暗号通信を送れ‼︎」

    そう指示を出した瞬間にMSがビームライフルを向ける

    「降伏してしてもらうこちらとしてはこれ以上の戦闘は望まない」

    まさかガンダムとはな……MSを目視して呟く

    「だがな舐めるな我らは」

    我々の覚悟を汲み取った随行艦が砲塔を向けると右の艦に頭部の機関砲を使い左の艦に投げたシールドとライフルの1発で砲塔がほぼ同時に破壊されるしかもそのパイロットは右側を振り向く事なく命中させた

    完敗だった今前線に出て居るゲルググを呼び戻してもどうしようもない

    「艦長先程最後のゲルググの反応が消えました」

    「ゲルググ12機が全滅」

    それはアムロとシュウジが戦闘に介入して3分経たずの出来事だった

  • 103二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 09:44:20

    正規ではリックドムが三分立たず全滅 このスレだとゲルググ(正規恐らくアムロデータインストール済みジム)12機が三分立たず全滅wそりゃ正規アムロデータインストールジムでも乗り手がオールドタイプだもんこのスレのアムロデータインストールして無いifジムなゲルググに高ニュータイプなシュウジに正規最強パイロットアムロ相手じゃ仕方ない 仕方ないが襲って来たんだ 返り討ちに遭う覚悟はして有るだろう?

  • 104二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 13:27:02

    >>102

    シュウジside

    敵は残り5‼︎回し蹴りでゲルググを蹴り飛ばしライフルで撃ち抜きサーベルで切り抜く残り4シールドで弾いてバルカンで目潰しをしてサーベルで刺す残り3ライフル‼︎残り2シールドで殴る残り……捕まったかそれならシールドを展開して腕部ガトリングで撃ち抜く最後シールドを外して相手のライフルを避けてライフルを撃つコレで終わり怪我してないしテム店長はともかくニャアンとマチュ勘弁してくれないかなぁ

  • 105二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 16:16:00

    この先の見えない不穏な感じ…オラわくわくすっぞw(不謹慎)

    国勢を考えるとジオンは後進育成が急務すぎる。難民エリートとしてエグザベ君は護衛つけられて教師役(任務)もやらされてそうだw

  • 106二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 22:25:50

    不穏な空気よりわちゃわちゃしてるのが精神に優しいなやっぱり

  • 107二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 01:11:53

    次が楽しみ!

  • 108二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 03:07:48

    >>104

    「帰ってきた‼︎」

    天パとシュウジが乗ったガンダムとアレックスが帰ってきた相変わらず天パの機体は傷1つないしシュウジの方もシールド以外は傷はないとりあえず降りてきた天パに飛びつく

    「ドゥー少し痛いぞ」

    「うっさい」

    ちょっと骨が軋むぐらいまで抱きしめてやった

    「えっとドライなにをしてるの」

    「マチュさんとニャアンさんに連絡をと」

    隣ではドライがパイロットスーツのシュウジの写真を撮ってパソコンでマチュとニャアンに繋いでいた

    「シュウちゃん大丈夫怪我してない⁉︎」

    「シュウジ何やってるのさ何で連絡しないの‼︎」

    2人がシュウジにお母さんみたいな怒り方してるしあーもう何をしたらいいかわかんなくなった天パの腕力じゃボクを引き剥がせないだろうからしばらくこのままで居てやる

    こうしてロンデニオン商会のMS開発コンペに参加は一波乱ありつつ終わった

    それから2週間後、ボク達はイズマコロニーにロンデニオン商会に帰る日

    「マチュとニャアン……喜んでくれるかなぁ」

    シュウジは整備おじさん達に工具を借りて手作りのクラゲと猫のキーホルダーを作ってそれにグラフィティを書いていた

    「絶対喜んでくれるわよ」

    クリスがシュウジの両肩を叩いて励ます

    「みんな忘れ物はないなクリス中尉これからも世話になるな」

    「はいテム主任も気をつけて」

    「お世話になりました」

    「ドライも怪我や風邪ひかないようにね」

    「クリスまたな」

    「えぇアムロまた」

    「またねドゥー頑張って」

    みんなそれぞれ挨拶するけどボクはクリスとハグをして別れ手続きをして車に乗り込む行きと同じように

  • 109二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 06:38:24

    >>105

    エグザべ君、あれでハイスペックな人だから。


    野生の星5みたいなキャラが早々に発掘できるかな?

  • 110二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 12:32:00

    まだ続いてたんだ…読み返してみよ

  • 111二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 16:51:28

    このレスは削除されています

  • 112二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:34:27

    微笑ましいな…

  • 113二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 22:37:18

    最近ロンデニオン商会での俺の立ち位置がおかしい!
    いま俺は2階のキッチンでララァとヴァーニとカンチャナにお菓子作りのレッスンを始めようとしている!
    キッチン内は最初の頃に比べると色々と華やかさが増していて壁にはシイコさんが編んだ俺専用のエプロンとミトンまでかかっている!
    以前4階で親父とシュウジとドライとマチュとニャアンが「アムロの料理を提供したりデリバリーサービスとか始めてみるか?」「それは間違いなく売れるとガンダムが言わなくてもわかる」「いっそ飲食店に改装してみるとかどう?経理なら任せて」「あ、なら私ウエイトレスやるよ!ニャアンも一緒にやろ!」「…ちょっと興味あるかも」とこっそり話していたのを壁越しに聞いてしまった!
    ドゥーは事あるごとに「ねえ天パ、今日のおやつは何?天パ特製パンケーキも美味しいけど、たまには他のお菓子も作ってよね」とねだってくる始末!
    シャアが(勝手に)来るたびに「私の分は?」とケーキを催促してくるのはどうでもいい
    待ってくれみんな!俺の本業はメカニック兼パイロットであってパティシエじゃないんだ!勘違いしないでくれ!
    あ、ヴァーニ。メレンゲを立てるならもっと泡立て器でかき混ぜないとな。大変ならハンドミキサーを使ってもいいんだぞ

  • 114二次元好きの匿名さん25/09/10(水) 23:46:51

    ふつーに面倒見の良い天パで草
    天パとヴァーニが並んでて「まるで兄妹みたいだね」って誰かに言われて二人で顔を見合わせて満更でも無さそうに笑うんだ
    そのピッタリで穏やかな微笑みに何人かの心に嫉妬の暗い炎が燃え上がるんだ
    俺は詳しいんだ!

  • 115二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 06:55:03

    >>114

    な、何人かは「兄妹は恋人になれないから」と勝者の余裕を持ってくれるかも。


    「それはそれでなんかムカつく」になる可能性?

  • 116二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 11:27:00

    >>114

    一番燃え上がらせるの金髪グラサンの男なんでしょ?

  • 117二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 16:27:01

    >>115

    何となくセイラさんが1番羨ましがりそう

  • 118二次元好きの匿名さん25/09/11(木) 21:16:57

    >>115

    「アムロの兄ちゃんと兄妹って言われるくらい似てるのは嬉しいよ。それで実の兄妹じゃ無いから結婚もできるとか最高だし!(満面の笑顔)」

    >>117

    「兄妹と言われてあんなに仲睦まじく笑顔を交わして抱きついたりしているのにウチの実の兄は(以下数十行の呪詛)」

  • 119二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 01:24:08

    カンチャナはどう見てるかなー

  • 120二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 08:21:23

    天パとドゥーの凸凹コンビ好き

  • 121二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 10:04:54

    >>111

    「ただいまー」

    誰も居ないロンデニオン商会にドゥーの声が響く

    「おみやげーおっみやげーララァとカンチャナとヴァーニに渡してくる‼︎」

    すぐさまお土産を取り出して抱えて隣の家に駆け出すドゥーを追いかけるまったく今日渡しに行かなくても

    「親父、シュウジ、ドライを頼む」

    ドライを背負って居る親父と荷物を持って居るシュウジにそう行ってドゥーを追いかける

    「暗い時間とは言わないが気をつけろよ」

    「行ってらっしゃい」

    店を出るとドゥーはちょうどインターフォンを押す所だった

    「あれ?天パも来たの?」

    「お前が飛び出していくからだろうが後留守だったらどうする?」

    「この時間は居るから大丈夫だよ多分」

    そう言ってインターフォンを押すドゥー

    「はいいらっしゃいませ」

    カンチャナが出迎えてくれた

    「はいカンチャナお土産」

    「ありがとうございますお姉様ヴァーニもいますから」

  • 122二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 14:12:14

    天パとカンチャナが仲睦まじくしてたら女性陣は嫉妬するけどそれ以上に金髪グラサンが嫉妬してそう

  • 123二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 17:18:57

    >>121

    そう言って奥の部屋に案内されるボク達

    「あら2人ともいらっしゃい」

    観葉植物に水やりもしながら出迎えてくれるララァといざと言う時の為か側に立つヴァーニ

    「動いて大丈夫なの?」

    「私達もそう言うのですがお医者様からも本人が何かしてリラックスできるならと」

    ボクにやや不満げな表情で答えるカンチャナ

    「カンチャナは心配しすぎだって適度な運動は体にいいって教わったじゃん」

    「ありがとう2人共、お土産をいただいたのならお茶にしましょう」

    「「はい」」

    「アムロドゥー共座ってて」

    ララァに促されて椅子に座る前にララァを先に座らせる

    「ありがとう」

    ふっふーお礼を言われて天パの隣に座って待つ

    「よく気づいたなドゥー」

    そうだろうちょっとは見直したか天パわしゃわしゃ撫でられているとヴァーニとカンチャナが冷えたお茶とお土産のゼリーを持ってきてくれた

    「カンチャナ、ヴァーニこっちにきて」

    呼ばれてテーブルにゼリーとお茶を置いてララァに駆け寄る2人

    「2人共いつもありがとね」

    そう言ってララァは2人の頭を撫でるのだった

  • 124二次元好きの匿名さん25/09/12(金) 22:10:58

    >>123

    そんな穏やかな時間この気配はちょっと名残り惜しいが天パの手を止めてドアを閉めよとするが無情にも開かれるドア咄嗟に入って着た顔を塞いでやろうと思ったが微妙に手が届かなくて目的は果たせず……何事かと驚いていた天パも動くが時すでに遅い

    「あら貴方おかえりなさいカミーユ君も」

    「あぁただいまだが何があった」

    「ほんのちょっとタイミングが悪かったといいますか私も甘えられて浮かれてたといますか」

    珍しく動揺して居るララァさんと半泣きのカンチャナと爆発寸前のヴァーニ2人反応は当然の反応だろう甘えて居る所を1番見られたくない男に見られたのだ

    「すまないシロウズ、カミーユ君コーヒーが飲みたくなった一杯付き合ってくれ」

    「アムロさんのお誘いですよシロウズさん行きましょう」

    「あぁわかった」

    カミーユが金髪の背中を押して出ていくと天パがそれに続いてボクの方を見て口の動きだけで伝えてくる

    「ま・か・せ・た・ぞ」

    わかってるよ天パ早く行った行った

  • 125二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 03:11:57

    保守

  • 126二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 10:04:53

    >>124

    家を出て近くの喫茶店に駆け込んで大きめのコーヒーを3つ頼む

    「まったく何があったのだ」

    「多分、カンチャナとヴァーニにがララァさんに甘えていた所にちょうどよく帰って来ちゃったんですよ僕達」

    カミーユ君相変わらずいい感をしている

    「それは3人にすまない事をしてしまったな」

    珍しく反省していているシャアを見てコーヒーを差し出す

    「すまない」

    「いい誰かが悪かったわけじゃないタイミングが悪かっただけだ」

    「そうですよ珍しくですけど」

    「わかってはいるのだがな」

    「とりあえずアドバイスとしては帰っても謝ったりするなよ絶対に逆効果だ」

    「こういう時は触れられたくないですからね」

    素直に頷くシャアを見て適当な雑談をしていると何かタイミングを探るようなシャアカミーユ君には聞かれたくない話か?

    「カミーユ君すまない」

    「カミーユで大丈夫です」

    「じゃあカミーユお土産にケーキを買って帰ると言う体で様子を見てくれないか」

    「わかりました」

    カミーユを見送りシャアに向き合う

    「何があったお前が浮かれていたと言うだけであんなタイミング悪く入ってくるわけがない」

    「手短に言うぞカミーユ君の両親にゴルトゲルプとアリアンをオーバーホールも兼ねてを見せに行ったのだがなそこでゲルググの襲撃にあった」

    「なに狙いは開発中のガンダムまぁ幸い私とカミーユ君が新型に乗り込んで応戦して負傷者などは出なかったのだがそこでフランクリン氏からある話を聞いた噂話いや……四方山話レベルなのだが」


    「シロウズさんコレは技術者達の間でよくある話なのであくまで四方山話程度と聞いてくださいアナハイムが開発中のMSに核装備をしたと」

  • 127二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 16:10:05

    >>126

    MSに核装備か……そういえば俺達を狙ったのもまさかしかし……核装備か最強の破壊力を最高の機動兵器にと言うことか?

    「かつてジオンにも似たような構想がありはしたが……結局は条約で使えなくはなったが……」

    南極条約は一年戦争中の条約

    「四方山話とは言い切れんな」

    「だな」

    「あのーお土産はいいから早く帰ってこいと」

    カミーユが帰ってきたか

    「戻るぞシロウズ」

    「わかってるアムロ」

  • 128二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:31:19

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん25/09/13(土) 23:44:07

    宇宙開発規模だと核は大型のダイナマイト感覚だろうから無意味で迷惑なMS扱いされそう
    事故って自爆(特攻)上等なパイロットにしか運用できそうにないのでテロリストや殉教者向けとも糾弾されかねない

    守る土地もなく、地球にもコロニーにもいられないような、宇宙船を拠点にする少人数の組織や海賊、怒りの矛先がない難民が欲しがりそうな…?(杞憂)

  • 130二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 04:32:52

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 07:35:42

    >>129

    核攻撃をしそうな狂信的な一派…茨の園…うっ頭が


    でもこの世界だとかなりの数のネームドが既に戦死してる可能性が高いってどこかで読んだ覚えが

  • 132二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 08:26:20

    この世界のシャアは何と呼んだら自然かな
    シャアかシロウズか…キャスバルだって言う事を公表してると思う?してないかな
    アムロならセイラさんから聞いてるかな…シロウズ=シャアで=キャスバルとは知らないかな

  • 133二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 12:23:38

    >>127

    「ほらほら天パが時間稼いでいる内に早く早く」

    カンチャナとヴァーニを濡れタオルでゴシゴシ拭いてやる

    「ありがとうドゥー2人共顔を洗って目を冷やしてらっしゃい」

    「すいませんお姉様にドゥー」

    「ぼんとにありがとぉお姉様にドゥー」

    気にしない気にしない友達なんだからと返すと照れ臭くなって口をゴシゴシ拭く2人が顔を洗って服を整えているとカミーユが帰って来た

    「あの〜シロウズさんとアムロさんがお土産のケーキは何がいいかと?」

    「ありがとうカミーユ君けどケーキは大丈夫だから早く帰ってきてと伝えて」

    「わかりました」

    とりあえずあの3人が帰ってくるまでにはカンチャナとヴァーニも落ち着いてるだろうあっカミーユのお土産のクッキーも出しとかないと

  • 134二次元好きの匿名さん25/09/14(日) 17:12:01

    >>133

    「おかえりー」

    「「おかえりなさいませ」」

    気楽に挨拶するボクとピッタリ息を合わせるカンチャナとヴァーニ

    「あぁただいま」

    「すまかったなララァ」

    「伝えて来ました」

    挨拶を返す金髪と謝る天パに息を切らしているカミーユ

    「ほらほら3人共たってないでお茶にしましょう」

    ララァが手拍子をしてお茶会が始まる

    「カンチャナとヴァーニにもお土産があるよ」

    お土産はエプロンデザインはクリスに手伝ってもらってその後ボクはおじさん達に頼んで作ってもらったエプロン普通のエプロンをお願いしたのに受け取った時にはなんかすっごいいい生地で便利なエプロンになってた

    「ありがとうドゥー‼︎すごいよカンチャナこんなのテレビの中でしか見たことないよ‼︎」

    「ヴァーニあまりはしゃぐのは……すごいドゥーこれ本当にもらっていいの」

    ヴァーニを注意しようとしたカンチャナがエプロンを実際見て触って驚く

    「いいのいいのボクと天パからだから後ララァにはタオルケットね」

    コレは本当にただのギフト品のタオルケットまぁお偉いさんが選んでくださいって言ってたカタログから選んだからいい物だろうカミーユはよくわかんなかったからクッキー家族で食べて

    「病院で待つ時に使わせてもらうわねドゥーありがとう」

    「ありがとうドゥー」

    「あの私にはないのかな」

    そんな2人を見て金髪が聞いてくるあつかましいな

    「はいコレ」

    なんかシャトルで食べたおやつについてきたオマケのザクのフィギュア

    「ありがとう‼︎」

    真剣にフィギュアを見る金髪あれなんか喜んでる?

  • 135二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 00:29:34

    >>134

    いい感じの時間でお茶会を終わらせてロンデニオン商会に帰って今度は2階あのキノコ頭の所へお土産を持って行く

    「珍しいなドゥーが行きたがるなんて」

    そりゃキノコ頭はむかつくけど坊やはすっごく可愛いんだもん最近は幼稚園が終わってロンデニオン商会に顔を出す時にドゥー姉ちゃんドゥー姉ちゃんって言って駆け寄って来てくれるんだよ嫌いになれるわけがないじゃん本当にキノコ頭にになくてよかったよ2階につけたチャイムを天パが押す

    「いらっしゃいそろそろ来る頃だと思ってたわ」

    「ドゥー姉ちゃんおかえり」

    ただいまそう言って坊やを抱えて高い高いしてあげて再会を喜ぶ僕達

    「シイコさんすいません長い間留守にしてしまって」

    「いいのよアムロ君コレお土産のコーヒーですよかったら飲んでください」

    「ありがとうアムロ君のデザートに合わせて入れるわ」

    「楽しみです」

    「みてみてママおみやげ」

    坊やがキノコ頭にMSの人形を見せるなんとなく喜びそうな物を選んだらおじさん達に魔改造された人形達

    「あらよかったわねお礼は言った?」

    「いったよ」

    「そうありがとう」

    名残惜しいけどそろそろ帰らないとまぁ帰ると言っても下の階に降りるだけだけど

    「ばいばいー」

    「ばいばーい」

    「アムロ君また来てね」

    坊やの前でさすがに喧嘩をするわけにはいかずボクは手を振る坊やとキノコ頭に手を振ってロンデニオン商会に帰った

  • 136二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:21:01

    ここはイズマコロニー、ボクは巨大な身体を駆り突き進む先には暗殺目標であるキシリア・ザビ
    あともう少し、あともう一歩、その瞬間、キラキラがはじけ、ボクの心がかき乱される
    こうじゃないとボクの心が叫ぶ中、夢の中の身体は勝手に装甲ビットを展開し、暴走を始める

    無秩序に放たれる拡散メガ粒子砲が街を焼き、ビルを破壊し、平穏と人命を奪う中、ボクの身体は止まらない
    そして辿り着くキシリア・ザビの居るイズマコロニーの庁舎ビル、センサーがキシリア・ザビを捉える
    戦艦が妨害をしようとするが、装甲ビットでそれを防ぎ、ボクの身体は足を止めようとしない
    腕を伸ばし、その指先にあるビーム砲でキシリア・ザビを塵へと変えようとした矢先、何時も奴はやって来る
    空から舞い降りた白い塗装のギャン、それと同時に身体の腕がビームで引き千切られ、そのフィードバックの痛みにボクは呻く

    奴だ、灰色の幽霊、シャリア・ブルの駆るキケロガ。突然の出現に戸惑うゲーツを一蹴すると、装甲ビットを物ともせずに迫って来る
    『駄目だ、これでは負ける!』ボクの心が必死に叫ぶが、夢の中のボクはキケロガの動きに翻弄され、成す術がない

    そして、装甲ビットが破壊された一瞬の間隙を突いて、ボクの前後にキケロガのビットが現れ、その砲口に光が灯り――

    「――っ!!」

    ――瞬間、意識が闇へ反転し、ボクは飛び跳ねる様にベッドから身を起こすと、
    荒い呼吸と激しい動機と共に先程までの光景が夢だったことを実感する
    心臓であるボクの肉体のドクリドクリと脈打つ感触と、呼吸器を通る荒い息がボクに『生きている』という実感を与える

    「全て終わった筈なのになぁ……まだ、この夢が消えてくれないか……」

    ボクが見た夢は、本来ならばボクが死んでいた筈の光景
    戦いが終わり、平穏な日々を過ごしても尚、この夢は週に一度現れてボクにある恐れを叩きつけてくる
    『ひょっとすればこの今の平穏は死ぬ一瞬に見た夢で、実際は死んでいるのではないか?』という恐怖

    「この悪夢は終わらせなくちゃいけない……そして、この今見ている景色こそ、現実だと実感する為に」

    決意したボクは、まだ夜も明けてない部屋の中、スマホを手に取りヒゲオヤジ――シャリア・ブルと連絡を取った

  • 137二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:22:23

    え? 今何をやってるかって? シュミュレーターでの訓練だよ
    相手は天パの今までの戦闘データから構築した機体、いやもうそれが強いのなんのって
    やっぱり天パは技師なんてやってるよりMSパイロットを本職にした方が良いんじゃないかと思う

    戦闘開始早々に認識外からコックピット目がけてビームが飛んでくるし、様々なフェイントや罠などを使って来る
    此方が攻撃を仕掛けてもロックオンして引き金を引いた瞬間には回避してる、ロックオンせず偏差射撃しても回避する
    何とか接近戦に持ち込めても、まるでプロの格闘家と剣術の達人を併せ持った近接攻撃で全く付け入る隙を与えない
    ビットライフルとビットシールドを使った搦手も一度避けられたら二度と通用しない、不意を突けてもあっさりと破られる
    やっと天パのデータをの機体を中破させるまで、ボクが撃墜された数は数百回を数えていた、それ位に天パの戦闘データは強かった

    「はぁ、天パはやっぱり別次元だわ……」
    「お疲れ様、お姉ちゃん、これアムロのお兄ちゃんが焼いてくれたパンケーキ」
    「おっ! サンキュー、ドライ。やっぱり疲れた後の天パ特製のパンケーキは美味いねぇ」
    「お姉ちゃん、5時間もコックピットに籠りっきりだったから流石にアムロのお兄ちゃんとテムのおじさんが心配してたよ」
    「え、そんなに時間経ってたの? ちょっと夢中になってたから時間の感覚がなくなってたや」

    メープルシロップの掛けられたパンケーキの味を堪能しつつ、時計を見てみれば時間は何時の間にか夕刻に迫っていた
    シュミュレーターを始めた時は昼飯前だったから、昼飯を食べずにずっとシュミュレーターをやってたって事か
    道理でお腹が空く訳だ。ボクら強化人間は、強化された肉体故にその見た目の割に代謝量が凄まじい
    なので一日でもご飯が食べられないと最悪、栄養失調で倒れる事もある

    「ほら、これはマチュのお姉ちゃんが焼いてくれた餃子、昼飯の時にいなかったから心配していたよ」
    「あ、マチュが来ていたの? なら次来た時は居なかった事謝らなくちゃならないな」

    ドライから渡されたレンジで温められたマチュ特製の餃子を口に放り込み、味を堪能しつつ彼女の表情を想像する
    多分、マチュはボクの姿が無い事に心配そうな表情をしていたのだろうな

  • 138二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:29:18

    パンケーキも餃子も食べ終えた後、ドライは少し首を傾げつつボクに問いかけてきた

    「所で、五時間もシュミュレーターをしているって、お姉ちゃんとしては珍しいけど、何かあるの?」
    「ん? ああ、数日後にあのヒゲオヤジとリベンジマッチを行う事になってるんだよ、だから戦闘技術を高める為にね」
    「シャリアさんとリベンジマッチ!? だからお姉ちゃんは其処まで根を詰めていたのか」
    「あのヒゲオヤジとの最初に戦った時は、ほとんと一方的に身体をぶっ壊されたからね、いつかそのリベンジをしたいと思ってたんだ」

    そうである、これから三日後、あのヒゲオヤジとのリベンジマッチがあるのだ
    名目上はジープラフ同士での戦闘訓練という事になっているが、ビームは実戦出力の下手すれば何方かの死もあり得る実戦形式の訓練である
    ……キシリア暗殺作戦のあの日、唐突に現れたあのシャリア・ブルによって、ボクの持っていた強化人間としての矜持はサイコガンダムと共にぶっ壊された
    あの時の悔しさと痛みは絶対に忘れる事は出来ない。そして、ボクはシャリア・ブルを乗り越えない限り、本当の意味で前に進めない
    そう思っていた所で、ドライがコックピットを覗き込み、モニターに映った対戦相手を見て首を傾げる

    「でも、シャリアさんの戦闘データなら兎も角、何でアムロお兄ちゃんの戦闘データで?」
    「そうだね、想定された相手よりももっと強い相手と戦う事で、戦闘の際の勘と操縦技術を高める目的でやってた」
    「だからと言って五時間はやり過ぎだよ……」

    ふんす、とばかりに鼻息を立てつつ言ったボクの言葉に、ドライは呆れた調子で返した

    ……その頃、ソドンのシャリア中佐の自室にて

    「あと三日後でドゥーさんとの訓練ですね、彼女が如何しかけてくるのか、楽しみですね」
    「でも良いのですか中佐、訓練の際のビームを実戦出力で行うなんて、殆ど実戦想定じゃないですか」

    ワイングラスの中の白ワインを揺らしつつ何処か楽し気なシャリア中佐に、コモリ少尉が少し声を荒げる
    しかし、シャリア中佐は白ワインを一口飲むと、口角を笑みの形に歪めてコモリ少尉へ言う

    「死もありうる実戦レベルの訓練だからこそ、本気で取り掛かれると言う物ですよ、そうでなければ彼女にとってのリベンジマッチの意味もない」

    そう言って笑みを浮かべるシャリア中佐に対して、コモリ少尉は呆れて何も言えないのだった

  • 139二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:31:07

    それから三日後、ジオン軍の訓練用コロニーの中にて、ボクは既に身体に搭乗してその時を待っていた
    この訓練用コロニーは元々は住人が住んでいたコロニーであるが、老朽化が進んだ事で住民は引っ越し、訓練用コロニーへ転用された経歴を持つ
    そのため、家屋やビルに工場に道路などの様々な施設がそのまま置かれており、コロニー内訓練として使うには適していた
    同時にそれは、あの時のイズマコロニーでの戦闘のリベンジを行うには格好の舞台とも言えた

    『ドゥー、本当に良いのか?』
    「何がさ、天パ」
    『訓練のビームを実戦出力で行うとか、最悪の事態もあるぞ』
    「あのね天パ、これはボクの矜持を取り戻す為の重要な戦いなんだ、模擬出力なんて生温い事なんてしてたら本気になれないよ」
    『……分かった、だが本当に危険と判断したらコアファイターで脱出するんだ、それだけは考えておけ』

    一瞬の沈黙の後の天パの忠告に対して、ボクは一言だけ「分かったよ」とだけ返すと、距離にして数キロ先にいる相手をじっと見据える
    それは青と灰色を基調にした塗装のジープラフ、その肩と両腕、そして両脹脛に設置された有線ビットが特徴的だ
    ボクはそのジープラフに通信を繋ぎ、その中の搭乗者へ声をかける

    「本当に良いんだね? ヒゲオヤジ、ここに来て『やっぱり実戦出力は止めにしましょう』とか言ってもボクは聞かないよ」
    『いえ、それは私とて同感ですよドゥーさん。貴女が実戦出力を止めるとか言わないか心配してました』
    「そうかい、じゃあ最悪どっちが死んでも文句言いっこ無しって事だね?」
    『ええ、本気でかかってください、それこそ”私を殺す気”で』

    距離にして数キロも離れているのに、ヒゲオヤジのプレッシャーが目に見えてわかる
    だけど、それはヒゲオヤジとて同じ事だろう、ボクから放たれている殺意にも似た濃密なプレッシャーを感じている筈だ
    自然と、ボクの表情は緊張感に満ちたそれへと変わる、さて、ヒゲオヤジはどう出てくるか……
    ミノフスキー粒子の匂いを鼻に感じると同時に、模擬戦の開始を知らせる緑の信号弾がコロニー内を照らす

    「来る!」

    それと同時に幾条ものビームの火線がボクに向けて放たれてきたが、
    その直前にはボクはヒゲオヤジの気配へ向けてスラスター全開で前進し、それによってビームの火線を回避した

  • 140二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:32:14

    ボクは普通の人間なら数秒で意識を失うレベルのGを受けながら
    此方を撃ち抜こうとするヒゲオヤジの有線ビットの包囲を巧みに回避して進みゆく、向かうは前方のヒゲオヤジ

    『これは、迷いが無い! それどころか恐れすら感じていない!』

    無数のビームの火線の僅かな間をギリギリで潜り抜けて進み来るボクに対し、ヒゲオヤジが驚愕の思念を現す
    片手にビームサーベルを抜いたボクの姿に、接近戦は拙いと判断したかヒゲオヤジのジープラフが後退して行く
    当然、その間にボクの後ろから有線ビットがビームを放つが、それも気配で見切ってギリギリの所で回避する

    「ヒゲオヤジ、もうあの頃のボクとは違うよ!」
    『これは怒り――いや違う! ドゥーの自分自身への雪辱を果たさんとする意思か!』

    ヒゲオヤジの驚愕の思念を受けつつ、ボクはあと少しまでビームサーベルが届くまで接近する
    これで一振りすれば当たる――と思った所で電撃的に嫌な予感を感じ、脚部のスラスターで咄嗟に後退する
    直後、上下からボクが進もうとした位置にビームの火線が通り抜け、ボクの判断が間違ってない事を確信する

    「そう簡単に近づけさせてくれないか……なら!」

    作戦をBプランに変更、速度を落とす事なくヒゲオヤジのビットの火線を回避しつつ、周囲を旋回する
    この動きに恐らくヒゲオヤジも最大限の警戒をしているのだろう、近づけば瞬く間にビットの十字砲火を受ける事だろう
    だが、ボクの狙いは其処じゃない、直接攻撃するのではなく搦手で攻める

    『今度は逃げに徹するつもりですか――何っ!?』

    ヒゲオヤジはボクの機体の動きに目を向いて驚嘆した事だろう、真っすぐ飛行していた機体が90度跳ねあがる様に向きを変えたのだ
    それも一度や二度ではない、それこそスラスターの尾が雷の様な軌道を描いてボクの機体は飛行する
    スラスターの急減速から飛行ベクトルの急変動、その次の瞬間にはスラスターを最大出力で飛行する事で成しえた技だ
    当然、こんな無茶な動きをすれば機体のスラスターやフレームの負担が大きくなるが、30秒位なら耐えられる
    視界を感覚的な物に変え、スローモーションになっている景色の中、ボクが狙っていた物が見える
    それは、ヒゲオヤジが動かしている有線ビットのケーブルの一条であった

  • 141二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:41:19

    「掴んだ」

    急減速・方向転換・急加速の連続で機体のフレームが限界に達する18秒前、ボクは有線ビットの一基のケーブルを掴み取った
    直後、ボクはフルスロットルで急加速を開始し、ケーブルの先にいるヒゲオヤジを強引に引っ張りに掛かる

    『ぬっ、くっ、そう来ましたか! しかし、この程度で!』

    強化人間に合わせて調整されたジープラフの凄まじい推進力でヒゲオヤジの機体は堪らず引っ張られ体勢を崩すが
    流石はヒゲオヤジというか、この状況でも有線ビットを巧みに動かしてビームの火線を浴びせてくる

    「うっ、ぐうっ、この位の痛み……!! あの時の痛みに比べればマシだ!!」

    そのビームの火線の何条かがボクの機体の装甲を焼き、そのフィードバックを受けて皮膚を焼かれる激痛を感じるが、何とか堪える
    ヒゲオヤジ、お前の事だからボクがケーブルを引っ張って体勢を崩した所で攻めると思ってるだろうけど、狙いはそうじゃないんだよ
    ボクはケーブルを掴んだまま、推進ベクトルを急激に変化させて、ボクを狙っている有線ビットの内の二基のケーブルの方へと飛ぶ
    当然、ケーブルとケーブル同士が引っ掛かり、その感触を手に感じた直後に再び推進ベクトルを変えて、有線ビットの複数のケーブルが絡み合う様に仕向ける

    『――これは!? ドゥー!』
    「手慣れた有線ビットじゃなく、無線にしておくべきだったね、ヒゲオヤジ」

    それに対してヒゲオヤジの一瞬の驚愕にビットの動きが僅かに停止した所を逃さず、手にしたビームライフルを三斉射する
    放たれたビームの火線は狙い違わず、絡み合った状態の有線ビットのビーム砲三基へ直撃し、火球に変えた
    その直後にはボクは再びスラスターで加速、その直後にはボクの居た位置を残りのビットの火線が通り抜けてゆく

    『策が成功した事に慢心せず、冷静に次の手が来る事を予測し即時行動する、ドゥー、成長しましたね』
    「ボクはあのイズマコロニーで負けたあの日から、この時の為に毎日進化する事を選んだからね、もう負けないよ」
    『ですが、私とて鍛錬は怠っておりません、以前の私と同じとは思わない事ですよ、ドゥー!』

    実際の所、ボクとヒゲオヤジの間に通信は繋がってはいない、しかしお互いの認識力が無意識下の会話を可能としていた
    一瞬の会話の後、展開していたビットを全てを収納したヒゲオヤジの機体がビームライフルを手に猛然と向かってくる

  • 142二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:43:25

    ヒゲオヤジのジープラフが、動画で見たサムライの行うそれの様に居合い抜きの形で斬りかかる
    空かさず僕は手にしていたビームサーベルを展開し、その斬撃を受け止めて鍔迫り合いの形へとなる
    それと同時に、ヒゲオヤジのジープラフから残り三基のビットが展開し、ボクの隙を突くべく動き始める
    しかしその瞬間、ボクは展開させていたビームサーベルのメガ粒子の刃を消失させ、それと同時に後ろへ飛ぶ

    『――むっ、これはフェイントか!?』
    「気づいた所で遅い!」

    先程ボクが居た位置へビームの火線が放たれる中、ボクは頭部のバルカンポッドを一斉射する、狙いはビームサーベルを持った腕
    放たれた無数の曳光弾が精密部品で構成された掌とビームサーベルへ降り注ぎ、砕け散る装甲の破片でボクは成果を確認する

    『くっ! 流石ですねドゥーさん。最早貴女は強化人間でありながらニュータイプとして目覚めている』
    「真のニュータイプとか大層な事をボクへ言ったのはお前だろ、ヒゲオヤジ――いや、シャリア・ブル!」

    損傷した腕を咄嗟にパージし、その爆風から逃れる様に後退しつつ、ヒゲオヤジはボクへ称賛の言葉を言いながらビットのビームを四方八方から放つ
    そのビームの火線をギリギリで回避し、あるいはシールドで受け流しながらボクは思念の言葉でヒゲオヤジへと返す
    ……まだヒゲオヤジは本気を出していない、まだ何か隠し技を持っている筈だ、後ろに目をもって最大限に警戒しろ!
    そうボク自身へ言い聞かせた矢先、後退する動きだったヒゲオヤジのジープラフが一瞬でボクの視界から消えた

    「これは――!?」

    直後、あらぬ方向からビームの火線が左足を貫き、ボクは咄嗟に左脚をパージして回避機動に移行する
    この技、忘れる筈もない、あのヒゲオヤジ、よりによって椎茸頭の技の応用を繰り出してきたのか!!
    パージした左脚からのフィードバックから来る激しい痛みに苦悶の表情を浮かべつつ、ボクは叫ぶ

    「随分と狡い手段を使ってきたね!まさか他人の戦術を使うなんて!」
    『使える戦術があるならば、それを我が物にして使ってこそですよ、ドゥーさん』
    「――っ!!」

    恐らく何処かのビルの陰に身を潜めたであろうヒゲオヤジの言葉と共に、地上から激しいビームの火線が放たれ、ボクは歯噛みしながら回避行動に徹した

  • 143二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:44:51

    コロニーの地上の何処からか四方八方に放たれるビームを回避し、或いはシールドで受け流しつつ、ボクは目を閉じて感覚的な目で様子を「見る」
    成程、ヒゲオヤジめ、ビルの陰から陰へ移動しつつ、コロニーの地上に蛇の様に這わせた有線ビットを砲台の如く使っているのか
    おまけにボクが本体のジープラフかビットの方へ移動しようとすれば、即座に退避して近寄らせようとしない、中々考えたなヒゲオヤジ
    だけどね、ボクだってまだ本気を出しちゃいないんだ、ヒゲオヤジ、今からボクの本気を見せてやるよ!

    『シールドとライフルを捨てた?……まさか!』

    ボクは回避機動を取りつつ手にしていたビームライフルを乱雑にコロニーの地表に投げ捨て、シールドもパージすると同時に乱雑に投げ捨てる
    それは一見すれば自分の矛と盾を捨てる危険極まりない行為、しかしヒゲオヤジは気付いている筈だ、ボクの行動の意味を

    『γ-Psycommu Limiter removal』

    ボクの意思を感知したシステムが自動的にリミッターを解除し、それと共に投げ捨てられたビームライフルとシールドが意思を持った様に浮き上がる
    そしてビットと化したビームライフルとシールドは驚異的な速度でビルとビルの間を飛び回り、コロニーの地形を把握して行く

    『やはり使ってきましたか!しかし武器もシールドもない貴女は無防備その物!』
    「そうだね、これじゃボクの身体は避けるしか出来ないよ。だけどヒゲオヤジ、余所見をしてていいのかな」
    「――!?」

    この機とばかりに、ヒゲオヤジは地上に張り巡らせた三基の有線ビットと自分自身のビームライフルを放ちボクを撃ち落としに掛る
    しかし、ボクの言い放った言葉の意を解した時、ヒゲオヤジはボクの意図を読み取るも反応が遅すぎた

    『ぐっ!?』

    ある地点に移動したビットライフルがあらぬ方角へとビームの火線を放つ、その先に待ち構えているのはビットシールド
    直後、そのシールドの表面に展開されたIフィールドがビームの火線を直角に捻じ曲げ、ビルの陰にいるヒゲオヤジのジープラフの両脚の脛を撃ち抜いた

    『……なるほど、こうされてしまっては、地上をこそこそ隠れる事が出来ませんね』

    撃ち抜かれた脛が爆発する寸前、ヒゲオヤジは即座に両足をパージして爆風を抜けると空中へと躍り出て、ボクを睨みつけた

  • 144二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:46:25

    訓練用コロニーの空中で対峙するのは、方や左脚を失ったボクの機体、
    もう方や左手と三基の有線ビットを両足を失ったヒゲオヤジの機体
    一見すればボクの方が有利に見えるが、まだ有線ビットがまだ三基残っている時点で全く油断はできない
    それにボクの身体の方も、無茶な回避をし続けた事で各部フレームと関節が悲鳴を上げ、スラスターは過熱警報を鳴らし、推進剤も心許ない

    『よもや私をここまで追い詰めるとは、見込んだ通りの方ですね、ドゥーさん』
    「ヒゲオヤジ、追い詰められてる割りに、口調から余裕が抜けてない様にボクは聞こえるんだけど?」
    『バレましたか?……そう言うドゥーさんこそ、余り余裕が無い状態ですね』

    言って、右手のビームライフルを構え、自分の周囲へ三基の有線ビットを浮遊させるヒゲオヤジ、
    対するボクもビットライフルとビットシールドを両方に展開し、両手にビームサーベルを展開する

    「ああ、そうだね……だから、とっととこの勝負にケリをつけるよ!」
    『それは私も同感です。お互い後悔の無い勝負と行きましょうか!』

    ボクとヒゲオヤジの会話の後、二機のジープラフがスラスターの尾を引いて最後の勝負へと飛び掛かる
    ビットライフルの火線が有線ビットを貫き火球に変え、直後に二基の有線ビットの放った火線がシールドを上下から撃ち抜き、火球に変える
    互いのビットが撃ち合う最中、その火球を裂く様にして二機のジープラフがぶつかり合いビームサーベル同士が鍔迫り合いを行い火花が散る
    一瞬の隙を突いてボクが蹴りを放つが、それを見切ったヒゲオヤジが機体を軽く跳ねさせて回避する
    数度の剣劇の後、互いの装甲にビームサーベルによる浅い溶断の跡が残るも、勝負が付きそうにない

    「だがっ、まだだ!」

    ボクは咆えつつ再び剣を交えるべくスラスターを吹かそうとした矢先、背後に感じる違和感
    機体状況を見るモニター表示を横目に見れば、右スラスターがオーバーヒートによって緊急停止した所だった
    くそ!避ける為とは言え流石にこの身体に無茶をさせ過ぎたか! だがボクが内心で後悔する間も無く――

    『その隙、貰いましたよ、ドゥー!』

    ――ボクの身体の前後を挟み込む様に動く有線ビット、それはあの日、ボクが撃破されたあの時と同じ状況!

  • 145二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:48:46

    ボクの前後を挟み込んだ有線ビットの砲口にメガ粒子の光が灯る
    その瞬間、全ての景色の色が反転した様に見える――あの時のボクは反応する事も出来ず、一方的に撃ち抜かれ破れた
    また、ボクは同じ様に『死』を迎えるのか――いや、そうあってたまるか!! あの時のボクは死んだ、だけど進化した今のボクならば!
    刹那、頭に電撃の様な感覚が走ると同時に瞬時に身体が動き、右手のビームサーベルを投擲して後ろの有線ビットへ貫かせ
    更に前方の有線ビットへ半ば壊れかけのビットライフルがビームを放って撃ち抜き、前後共に火球へと変えた
    その無理が祟ったのかビットライフルもバラバラにながら火球へと変わる……だけど、ボクは生き残った

    『あの一瞬でのこの反応速度……素晴らしい、やはり私の見込んだ通りだ、あの時点で貴女は本当の意味で『死』を乗り越えた』
    「ボクを褒めてる場合かい? ヒゲオヤジ、もうお互いに満身創痍、そして武器はビームサーベル一本しかなくなったよ」
    『フ、そうですね……ならば、ドゥー・ムラサメ、これで最後と致しましょうか』
    「ああ、シャリア・ブル、ボクはお前を越えないと本当の意味で前に進めないからね、行くよ!」

    ボクとシャリア・ブルのジープラフが互いにビームサーベルを構え、一瞬の静寂の後、残ったスラスターの推力を最大にして突撃する
    そして交錯する二機のジープラフ、僅かな静止の後、双方のビームサーベルのメガ粒子の光が消え、手からビームサーベルの柄が落ちる
    どちらのジープラフも、袈裟懸けにざっくりと胴体を溶断された状態で機能を停止し、僅かな火花の後、爆散して火球と化した

    「あーあ、結局相討ちかよ……これじゃあ勝った事にならないじゃないか」
    『どちらもコアファイターが標準装備されていて良かったですよ、ドゥー、そうでなければ今頃あの火球の中ですよ』

    僅かな後、紫のコアファイターのコックピットでボクが残念そうに呟き、
    同じく青のコアファイターのコックピットのヒゲオヤジがボクを宥める様に言う
    あの一瞬の交錯の直前、ボクとヒゲオヤジは同時にコアファイターで脱出し、事なきを得ていた
    いや、ボクの場合、身体が勝手にコアファイターの脱出機構を作動させた事で、命を拾ったというべきか
    あの時、ボクの身体は意志を持ったというのか……? どう考えても結論が出ず、ボクはコアファイターの中で溜息をついた

  • 146二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:50:21

    『中佐!!ご無事ですか?? 中佐の機体が爆発したのが見えて慌てて駆け付けました!』
    『私は大丈夫ですよ、コモリ少尉。コアファイターの脱出機構のお陰でご覧の通り無事です』

    コアファイターは非武装の為、暫くヒゲオヤジのコアファイターと相対する形で漂うしかない
    其処へコモリんの搭乗したゲルググがヒゲオヤジのコアファイターへと接触する
    結局、引き分けという形で終わってしまったけど、ボクもヒゲオヤジも死なずに済んでよかったというべきか

    『ドゥー! こんなになるまで無茶しやがって、見ていて本気で心配したぞ!』
    「おぉ天パ、お迎えご苦労さん、右スラスターが止まってるからコムサイまで輸送を頼むよ」

    その僅かな後、天パの乗ったホワイトユニコーンがボクの乗ったコアファイターを抱きかかえる様な形で保持をする
    さっきまで本気の殺し合い同然の戦いをしていたとは思えないボクの態度に、天パは深くため息を付いて

    『ドゥー、俺は本気で心配したんだぞ、機体が爆発した時は本当に死んだとばかり思ってだな』
    「馬鹿を言うなよ天パ、ジープラフにはコアファイターがあるの知ってるだろ?……でも本体壊したから替えの機体どうしようかな?」

    ホワイトユニコーンによってコムサイへ運ばれる最中、ボクが爆散してしまった本体の変えの事をボヤくと、天パは心底呆れた様に言う

    『替えの機体ってな……もう二度とこんな馬鹿な真似をするんじゃないぞ、ドゥー! 分かってるな?』
    「ああ、分かってるよ天パ、ボクはこんな真似は二度としないよ。皆を悲しませたくないし、天パのパンケーキをまた食べたいしね」

    敢えて反省していない様子を装って天パに行ってやると、一瞬の沈黙の後、天パは諦めた様に言う

    『……分かった、帰ったらパンケーキでも焼いてやるさ、ドゥー、替えの機体の事はその後で話そうか』
    「うん、ふわふわの三段重ねでお願いね、バニラも添えてくれると嬉しいな」
    『ここぞとばかりに我儘を言ってくれるな……まぁ良いさ、ドゥーが無事だった事が、今は何より嬉しい』

    恐らく優し気な眼差しでボクを見ている天パの雰囲気を感じ取り、ボクも思わず微笑みを浮かべる
    もう、あの死の瞬間の悪夢を見る事は二度とないであろう、何故かボクはそう確信できた

  • 147二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 02:55:01

    壊してしまったドゥーの新しい身体は、とある研究所の博士がアクシズへの亡命の手土産として持っていったVの名の付く機体にする予定です

    お楽しみに

  • 148二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 03:54:12

    >>135

    ロンデニオン商会に帰るとシュウジが両頬に真っ赤な紅葉を作っていた

    「シュウジが面白いことになってる」

    まぁ何があったかは大抵予想がつく

    「氷か何かいるか?冷やした方がいいぞ」

    「いや大丈夫」

    天パにそう答えるシュウジだけど強がりなのが伝わってくる

    「きたぞ上層部とコロニーからの口止め料がな」

    そういいながら親父さんが地下から上がって来たので3人でついて行くとそこには1機のMSアレックスがいた

    「口止め料にMS1機とは高く見られたのか安く見られたのかわからないな」

    そう呟く天パを他所にこのMSの心臓……いやパイロットに選ばれたシュウジがゆっくりMSを見上げていく

    「僕の家族とマチュとニャアンを護る為によろしくね僕の……ガンダム」

    この後アレックスの存在がバレてマチュとニャアンでクランバトルのM.A.V争奪戦があったのは後の話

  • 149二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 06:48:06

    おもろいなぁw

  • 150二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 13:40:41

    面白い!いつも楽しんでます!

  • 151二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 19:45:09

    まとめ動画14が上がっているのを0分前で第一閲覧者になりました
    それが自分が書いたシイコさん引っ越しの話だったのでのたうっております
    早く続き書かんと!

  • 152二次元好きの匿名さん25/09/15(月) 23:59:50

    次が楽しみです!

  • 153二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 00:15:05

    >>126

    暗躍のアナハイムの本領発揮だな。

    蒼きの方じゃないならやはりGPシリーズ

    G-3やらアレックス(スペック的には?トリスタンまで底上げか)

    これで紫豚が出て来たら確定

  • 154二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:13:28

    寝ないとヤバいのに…

    「私はアナハイム・エレクトロニクスから派遣されました技官のチェーン・アギと申します」
    「小官は連邦軍所属のテストパイロット、クリスチーナ・マッケンジー准尉であります」
    「「よろしくお願いします!」」
    そして全く同じタイミングでこちらを見る
    「「アムロさん、この方は!?」」
    いや俺に振られても困る
    「そう言われても。今お互い自己紹介した通りだよ。AEの技官であるチェーン・アギさんとにテストパイロットのクリスチーナ・マッケンジー准尉。それ以上は俺は知らないぞ」
    俺の言葉に至近距離で睨み合い…すぐに普通の立ち位置に戻り二人ともにっこりと微笑んだ。そう、まるで形作られた様な微笑みで
    「「そうなんですか、これから宜しくお願いしますね?」」
    いくら鈍感な俺でも分かる。この二人はお互いに含む所がある
    「えーと、アギ技官は親父…テム主任、マッケンジー准尉はシャリア・ブル中佐に話を聞いてきてくれ」
    「私はテム主任からアムロ少尉に話を聞け、と言われてきました。それと私の事はチェーンとお呼びください!!」
    「小官はブル中佐からアムロ少尉に話を聞けと。そして私の事はクリスとお呼びください!!」
    …一旦何を考えてるんだ二人とも。中佐も親父も一回分マイナスしておくか。そして何で二人とも鬼気迫っているんだ。確かにアギ技官っていうのは呼びづらいかもだが
    「それならしょうがないか…まずはチェーン技官」
    「チェーンと呼び捨てにしてください!!」
    「…チェーンに話を聞こう。その後にクリス准尉」
    「クリスとお呼び捨て下さい!!」
    「…クリスとシミュレーターで対戦してみよう」
    「「はい! ありがとうございます!!」

  • 155二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:15:20

    話してみて…この子は相当に頭が良く知識も技術論もよく勉強している。だが
    (ちょっとキツい物言いというか純粋ならいいというモノでも無いんだがな…話すのは疲れそうだ)
    「なるほど、知識も理論もとても参考になるレベルだ。流石はAEから派遣された技官だ」
    「ありがとうございます!」
    「そんなハイレベルな君が俺と話していてもつまらないと思われるかも知れないし俺の方が間違っている事も多々あると思う。その時は遠慮なく指摘して欲しい」
    「え、あの、そんな事は」
    「いきなりこんな事を言われても困るだろうし、しばらくはこの艦に慣れる事を考えて。それから技官としての知見を増やして欲しい」
    「…はい、分かりました」
    「時間を取らせてすまない。親父…主任やメカニック達にも話を聞いてみてくれ」
    「はい、分かりました」
    「まあ親父以外とは話し辛いかも知れないし、俺で良ければ声を掛けてくれ。君の話はとても面白いし参考になる」
    「…はい! 分かりました!」
    「まあこんなむさいオッサンばかりの所で君の様な美人がいたら絶対にセクハラ紛いな事をしてくる奴がいると思うがその時は容赦なく報告するなり発砲するなりしてくれ」
    「は、発砲!? それに美人だなんて…!!」

    「…また天パが無自覚イケメンしてやがる…」
    「…本当にアムロ君は天然タラシなのよね…」

    「そこにいるシイコさんやドゥーに報告すれば制裁してくれると思うから。同じ女性同士だしあの二人は俺なんかより余程頼りになるから安心して頼ってくれ」
    「…あ、あの、そこにいるってどこにですか…?」
    「そこの曲がり角の先」

    「「何故バレた!?」」

  • 156二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:18:31

    テストパイロットと聞いていたが…この子は色々な機体に対する順応性が高いタイプなのだろう。車で言えば悪路だろうが雨だろうが高速道路だろうが走れるタイプ、というか
    「…あ、アムロ少尉のレベルが高すぎます…! ここまでコテンパンにされたのは初めてです…!」
    息も絶え絶え、と言った感じのクリス。
    「そりゃそうだよクリス。天パはこの艦でも双璧、ジオン全体でも3本の指に入るだろうヘンタイパイロットだよ?」
    「へ、ヘンタイ…?」
    「ドゥー、お前一回分マイナスな」
    「!!?」
    「そうよマッケンジーさん。このアムロ君は見た目の通り全宇宙レベルの凄腕パイロットなのよ?」
    「ぜ、全宇宙レベル…?」
    「いや見ては分からんでしょうシイコさん」
    「絶対に聞いた事があるはずよ? クランバトルで連勝記録を更新し続けている『あの』ホワイトユニコーン」
    「!?」
    「超ロングレンジの精密狙撃。近接戦闘では鬼神の如き。未来予知と言われるレベルの射撃と回避。全てのパイロットの羨望と嫉妬を集める存在」
    「…それが、アムロ少尉…!?」
    「そしてボクがその唯一無二のMAV、『パープルバイコーン』のドゥー・ムラサメだ!」
    「『紫の弾丸』と呼ばれる驚異の耐G能力を誇るあの…!?」
    「ちょ、二人とも突然バラすのは!」
    「何を言っているのよ。遠からずバレるわよ。アムロ君が乗るジープラフにディジェ、どちらも見る者が見れば一発で思いつくわよ。それにメカニックの人たちがこんな美女相手に黙っていると思う?」
    凄まじいまでの説得力に何も言えなくなってしまった
    「ちなみに私はクランバトルの連勝記録2位の記録保持者の『母なる魔女』だったりします」
    「…あの繊細にして狂気の操作を嗜むという『マザーウィッチ』…!?」
    そんな愕然とした表情でこっちを見られても
    「どういう事なんですかアムロ少尉、どうしてこんなに戦力が集中しているんですか!?」
    「そんな事言ったらウチの指揮官のシャリア・ブル中佐はあの灰色の亡霊だし。声を掛けようと思えば青い巨星を筆頭にもう5人くらい集められるわよ?」
    「あのランバ・ラル…!? どういう事なんですか本当に…!!」

  • 157二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:21:02

    「慣れるしか無いね。この天パの周りにはこんなのしかいないよ」
    「類は友を呼ぶ、じゃないけどね。アムロ君なんて超一流パイロットの周りにはそれに惹かれて集まるという事でしょう」
    「…アムロ少尉、お願いがあります!!」
    物凄い鬼気迫る表情でクリスに両手を掴まれた

    「…クリス、これは?」
    「お恥ずかしい話ですが、テストパイロットである私が扱いきれなかった新型モビルスーツです」
    「クリスさん、これってあの…!?」
    「知っているのかチェーン?」
    「はい、連邦軍とアナハイムが秘密理に開発していたのですが」
    「チェーンさん!!」
    「!」
    「そこからは私が。…秘密裏に開発していましたがその余りの高スペックに私達連邦の現役テストパイロットでは限界まで性能を引き出せなかったMSです」
    悔しさを込めて振り仰ぐクリス
    「名前をガンダムアレックス…連邦が開発したニュータイプ対応MSです」
    渡された諸元表を見る…
    「何だこのとんでもないカタログスペックは」
    こんなものまともな神経で設定する性能じゃないだろう。これじゃあ
    「…ナニこの性能。普通のパイロットじゃ扱えないわよこんなの」
    「てかふつーに推力のGで押し潰されかねなくない? ボクじゃなきゃしんどいよこれ」
    シイコさんとドゥーが口々に言う。スペックだけ見ればマグネットコーティングしたジープラフや俺用にチューンしたディジェを3割以上上回っているし総出力や推力など5割を越えている所もある。
    「あ、あの、アムロさん!?」
    「ん? 何かな?」
    「…どうしてそんな獰猛な笑みを浮かべてらっしゃるんですか…!?」
    え?
    「笑ってる? 俺が?」

  • 158二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:23:06

    「…ふふ、画像撮れて良かったわ。ねえエノキ、今のアムロ君の表情、一枚スイーツ一回分でどう?」
    「テメこの何言いだしやがったきのこの山ァ! …そんなに?」
    「そんなに。私だったらスイーツ2回分出してでも買い取る。絶対に元が取れる事はこの私が保証するわ」
    「そんなに…!?」
    「私はアムロ君の事については嘘はつかない。それはアンタも知っているでしょう?」
    「ぐ、グムー…!」
    一体何を言っているんだこの二人は
    「一体何を話しておられるんですか?」
    「あの、お二人とも…?」
    「後で詳しく教えてあげる。でも今は」
    「クリス、チェーン、頼みがある」
    「「はいッ!?」」

    「なるほどな、こいつはピーキーだ。まともというか真っ当なパイロットでは扱えん、これは設計した奴の方に問題があるな」
    遡る事しばし。二人に頼み込んでガンダムアレックス…アレックスの実機テストをさせてもらう事にした
    その際のデータを残す事、アナハイムにも連邦軍にもデータを回す事を条件に許可してもらった
    「このスペックの機体をアムロ少尉が操縦する…どれだけの性能が出るか楽しみです!」
    「アムロ少尉なら私では扱いきれなかったこの聞かん坊を振り回せるかもしれません。こちらからお願い致します!」
    そんな風に言って貰い。中佐と親父にも話を通して、というか俺に無茶振りしてきたんだからこっちも無茶振りさせてもらう! という事で強引に許可を取り…今俺はアレックスと共に宙に舞っている
    「スペックもだが何よりこの反応速度だ。追従性を最優先というかこんなもの人間の反射神経で扱えるレベルを越えているだろう。こんなものが必要なんてどんなパイロットなんだ」
    『そう言いつつ動きがどんどん滑らかになっていくんですが』
    『さすがアムロ少尉、もう私が扱えたレベルを越えている…!』
    データリンクも大丈夫な様だ。慣らしも俺の感覚も慣れてきたし本気で振り回してみるか
    「それでは俺が出来る限りの戦闘機動をしてみる。データリンクで仮想標的は出せるか?」
    『アムロ、聞こえるか? 前回の海賊との敵の戦闘を基に構成した仮想戦闘データを作成したのでそれを試してみてくれ』
    「了解だ親父。…データ転送確認、ビームライフル他全兵装演習モード、実武装封印確認…これより実戦演習を開始する。データリンクは?」

  • 159二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:24:49

    『リンク確認。準備完了ですアムロのお兄ちゃん!』
    「了解だ。記録頼むぞドライ。それでは開始する」

    クリスは勿論、データリンクを監視している親父にドライにチェーン、ドゥーにシイコさん、それに中佐も観に来ているそうだ
    「あああ本当にムカつくな天パ…!!」
    「あの機体だからとはいえあそこまで動けるとは…やっぱりアムロ君とんでもないわね」
    「両足を振り上げて回避したと同時に背中にマウントしたバズーカを発砲して撃墜!?」
    「あのアレックスの反応速度の限界近くまで常に稼働している…機械的負担が発生してもおかしくないレベルです」
    「命中率が撒き餌を除けば9割を越えている…本気でキケロガのガンナーになって欲しいですな」
    「アムロ、そろそろ稼働限界だ、体の方は大丈夫か?」
    『…了解。最後に全開で機動してみる』
    「全開って。まだ限界じゃなかったの?」
    「あれ以上の機動ってGは大丈夫なのかな天パ…」
    「始まった!」
    「何と…あの機動でアムロ君は大丈夫なのか?」
    「電光石火というか生きているというか…なぜこんな起動が可能なんですか!?」
    「アムロ少尉、負傷しかねないGが検出されています、危険です!」
    『…ああ、ここまでにしておこう。演習終了、帰還する』

  • 160二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:26:54

    「お疲れさん、アレックス。いきなり振り回してすまなかったな」
    そんな事を言いつつコクピットから出る。直結でデータを吸い出す為のコードを持った解析班や整備班が次々に現れる
    「ナニやってんだよ天パァ!!」
    頭から突っ込んできたドゥーを何とか受け止め受け流しその場でクルクルと回る
    「そっちこそ何やってるんだドゥー、危ないだろうが!」
    「うっさい天パ!!」
    すねを蹴ってきたが躱す。疲れているんだから勘弁してほしいんだが
    「いきなりどうしたんだドゥー、危ないだろう」
    「うっさいわこの天パァァ…!」
    訳が分からない。ドゥーを放り出し声を掛ける
    「どうしたんですかドゥーは。何故皆さんお揃いで?」
    「アムロ少尉、貴方は本当に凄いパイロットです!!」
    クリスに両手を掴まれてブンブン振られた。少し痛い
    「あの聞かん坊のアレックスをあそこまで使いこなすなんて…! 後方でテストパイロットをされませんか!?」
    「何を言ってるんですかクリスさん! アムロ少尉は前線にいてこそ生きたデータを生み出せる人です!」
    「そもそも彼は当艦所属のメカニックです。配置転換などさせませんよ?」
    皆で騒いでいるが…俺は疲れているんだが
    「全く、みんな勝手な事ばかり言ってるわね。さあアムロ君、こっちでゆっくり休んでね?」
    「ありがとうございますシイコさん。って近い近い近いです」
    「誓い? 何を誓ってくれるの? 私達の将ら」
    「ナニやってんだきのこの山ァ!!」
    「痛っ!? ナニさらすんじゃエノキィ!!」
    「お前がアムロに手を出してるからだろうが!」
    「とうとう直接手を出してきたわねこのクサレエノキ…もう怒った!」
    「こっちだってトサカにキてんだよ毒キノコ!!」
    そして始まるキャットファイト。こんなMSに近い無重力の所でなんて危険
    「…やめろ二人とも!!」
    思わず大声を出してしまった。掴み合った態勢のままピタリと止まり二人揃ってこちらに顔を向け…勢いでそのまま回転しながら明後日の方向に飛んで行った
    「…クっ、ハハハハ!」
    その二人に毒気を抜かれ思わず笑ってしまった

  • 161二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:28:32

    「「すみませんでした…」」
    俺に怒鳴られたのが効いたのか二人ともすぐに謝ってきた
    「いや、俺も怒鳴りつけたりして悪かったんで」
    「ですが、整備の場であのような事をした事については整備主任として見逃す訳にはいきませんのでな」
    俺では無く親父…いや、テム主任からきっちり絞られる事となった。整備スタッフの前で乱闘紛いの事をしたのだから仕方ない
    「じゃあ俺は一旦休むよ。親父…はダメか、ドライ、解析を任せていいか?」
    「はい! お任せください!」
    「チェーン、クリス、君達はどうする?」
    「私は解析のお手伝いをしようかと」
    「アムロ少尉、お休みの後にお話をさせて頂いても宜しいですか?」
    「それなら構わないよ。それじゃちょっと休ませてもらう」
    「はい、お疲れ様でした」
    今まで乗った中で2番目の戦闘機動をしたMSだった。ちなみに1番目はサイコガンダムmk-2に乗ったドゥーを助けに行った時だ
    Gが強烈だった分疲労も体の痛みもある。少し眠ろうか…

    シイコさんとドゥーを叱り…他人を叱責するなどと言う事をさせないで欲しいな、私には合わない
    その間にドライを中心とした解析班がアムロの演習を分析し、その結果を映像化し視覚化する
    やはりこう言った事に関するドライの能力は際立っている。みるみるうちにCGとして仕上げられていく
    並行してアレックスのスペックがシミュレーターマシンのデータとして取り込まれていく。これでシミュレーターでもアレックスを使って訓練する事が出来るだろう
    「…今後は整備場で暴れるような事はされません様に。お判りかな?」
    「はい、すみませんでした」
    「反省します。すみません」
    「…まあ君達なら理解している筈だとは思うからね。今後は気をつけて欲しい」
    「「はい、分かりました」」
    「まあこの辺にしておこうか。今アレックスのスペックのデータ化と先程のアムロの訓練データの映像化が行われている。それが終われば君達もアレックスをシミュレートする事が出来る。」
    「「!」」
    「君達が求めて止まないアムロ・レイ、その実力に迫る事が出来る。今の事は忘れて励んでくれ」
    「「分かりました!」」
    応えて走り去っていく。アムロの名は彼女達にはとても大きいものなのだな

  • 162二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:35:39

    数日後…ソドンに派遣されたチェーン・アギ技官よりアナハイム・エレクトロニクスに。クリスチーナ・マッケンジー准尉より連邦軍技術部に報告が為された
    RX78・NT-1…それをほぼ完璧に使い熟したパイロットが存在するという報告が
    『…何だと? 冗談だろう?』
    報告を受けた者は口を揃えてそう言ったという。だが
    『いえ、細かい数値は省きますが…送られてきたデータをご覧頂ければ分かります。CG化された実機訓練の映像も届きました。…正直我が目を疑いました。あのマシンに追いつける、いえ、それ所か振り回せるパイロットが存在したなどと』
    あの機体はそもそもがオーバースペックを通り越して絵空事に近い発想から生まれた機体だ。この機体があればジオン優勢をひっくり返せるという
    だがその思いは根底から覆される。その鬼神の如きパイロットがジオン軍所属だというのだ
    『あのアレックスは現在我々が持つあらゆるMSのスペックを越えています、あの機体に勝利しうる機体は無い、断言できてしまう程です』
    その機体を使いこなすパイロットがジオンにいる…関係者の失望と絶望は驚天動地の一報となった

  • 163二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 03:37:19

    時間切れ…まだあるのに
    保守して下さる方や他に貼られる方の迷惑になってしまった…

  • 164二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 10:00:41

    保守

  • 165二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 17:08:42

    保守

  • 166二次元好きの匿名さん25/09/16(火) 19:08:29

    乙です。

    迷惑などとんでもない、いつも愉しく閲覧できて感謝です。

  • 167二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 00:22:14

    明日も楽しみ

  • 168二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:00:27

    やっと貼れる…

    >>162の続きと言うか


    『聞いたわよアムロ、またやらかしたんですって?』

    開口一番あんまりな言い草では無いだろうか

    『こちらまで届いたわよ、異常なハイスペックのMSを完璧に乗り回した鬼神の如きパイロットがいるって』

    「…そんな事になってるんですか」

    『ええ、アナハイムも連邦軍も驚愕したらしいわ』

    「背びれ尾びれが付き過ぎですよ。俺は普通にテストしただけなんですが」

    『ふふ、そう言ってしまえるのがアムロらしいわね。諸元表に解析動画に…ラルが黙って出て行ったくらいよ。きっとデータを持ってシミュレーターに向かったんでしょうね』

    「ラル大尉が?」

    『それ位あの訓練は衝撃的だったという事よ。特に連邦軍は効いたようね』

    ジオンに敗れている連邦はこの情勢を覆す為にトンデモスペックのアレックスを作り、量産の暁には…等と考えていたらしい

    そして戦果が確認されればAEは連邦に山ほど売りつけようと考えていたそうだ

    『でもハイスペックすぎて誰も乗りこなせないと思っていたものがよりによってジオンのパイロット…アムロに乗り熟されてしまった。それはショックでしょうね』

    そんな事を言われてもなぁ

    『そのアムロが所属するソドンが私こと新ジオン公王の新規戦力だというのだから。こんなに痛快な事は無いわ』

    セイラさんの可憐な笑い声が響く

    『そのパイロットを私が召し上げて親衛隊に…どころか私と結婚させては? 等と言う話まで出て来たくらいよ』

    「俺とセイラさんが結婚!?」

    『ふふ、そんなに驚かなくてもいいわ。そんな事はしないわよ、今はね』

    今は…? とは思ったが絶対に口には出せない。表情にも出せないし思考にも出さない様に抑え込んだ

    「俺がセイラさんと…なんて畏れ多いですよ。貴女は俺には余りに美しすぎて眩しすぎる…」

    『!! …えー、ゴホン。えーと、アムロの名が鳴り響いたのは私としてもとても嬉しいわ。』

    「セイラさんにそう言って貰えるのは光栄です」

    『少なくとも私は貴方との友好を手放す積りは無いわ。貴方に嫌われたりしない様に、これからも貴方と共に行きたいと思っています』

    「そう言って頂けると俺も嬉しいですよ。ラル大尉に指導して頂いた事も有りますし、これから宜しくお願いします」

  • 169二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:02:18

    そう言った時のセイラさんの複雑な表情は何と表現すればいいのか
    『…本心を言えばロンデニオン商会のみんなにはサイド3に引っ越して欲しい位なのだけど…そうもいかないのよね』
    「そうですね、そもそも俺達は中佐に言われてサイド6にいる訳ですから」
    『他に優秀な者がいれば入れ替わりで是非こちらに来てもらうのだけれどね…』
    悩まし気に溜息を吐くセイラさんは美しかった
    『まあ、貴方に逢いに行くのを至上の息抜きとして私も頑張ります。何かあったら相談するから力になってくれたら嬉しいわ』
    「それは勿論。セイラさんの頼みなら可能な限りお応えします。それは約束しますよ」
    『ふふ。ありがとうアムロ。もっとお話ししていたいけど…ハモンの視線が痛いからこれで』
    ハモンさん…ラル大尉の奥方だったか。セイラさんでも怖い人はいるんだな
    『アムロ?』
    そんな事を思えば即見抜いてくるのがセイラさんの怖さと聡明な所だ
    「セイラさんと話すという贅沢を俺独りで享受し続ける訳にも行きませんから。またお話やお会いできる事を楽しみにしています」
    『そうね、アムロの新作スイーツを食べさせてもらう時を楽しみにしているわ。それじゃあお元気で』
    「ええ、セイラさんもお元気で」
    通信が切れた。最後に新作スイーツとか言われたんだが…やれやれ

  • 170二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:06:37

    「…随分とゴキゲンな長電話だったじゃんか天パ?」
    「あのな…ドゥーだってセイラさんのおっかなさは身に沁みて分かっているだろう?」
    「うん」
    すんなりと頷く所がセイラさんの威光か
    「そもそも俺達のトップだしスポンサーでもある。俺がやらかせば俺の上官である中佐にまで迷惑が掛かる。分かるだろう」
    「…」
    「そんな上役であり俺の大切な友人だ。おまけに向こうはアルテイシア様としての立場もある。俺と話す事で少しでもストレス発散になるなら安いもんだろう?」
    「それは分かる」
    「分かってくれたか。ここがロンデニオン商会ならパンケーキでも焼いてやるところなんだけどな」
    「!?」
    「残念だが今は無理だ。これ以上スイーツ争いをする相手を増やしたくはないだろう?」
    「ぐ、グムー…」
    「まあ、そういう事だ。ロンデニオン商会に戻って一休みしたら任務達成パーティーでもしようと思ってるから」
    「「それって私達も参加してよろしいんですよね!?」」
    「クリスにチェーン!? どこから聞いてたんだ!?」
    「「少尉が通話を終えられた所からです!!」」
    「い、いや、君達の所属ではこの艦を離れる事は出来ないだろう?」
    「本社から辞令が来ました! ロンデニオン商会に勤務しろと!」
    「上から辞令が来ました!ロンデニオン商会にお世話になれと!」
    そんな事でいいのか。ありなのかこの艦的にも。というかこの2人がロンデニオン商会に来る…? ウチは秘密や機密や極秘がゴロゴロ転がってるんだぞ? そんな所に他人どころか他社のスパイを堂々と招き入れろと?
    「ありなのです」
    中佐!? 俺、クリス、チェーンにドゥーも敬礼をする。ドゥーも敬礼をするようになったか…! と胸が熱くなる
    「AEと連邦軍から正式に依頼がありました。見返りとして新たにアレックス一機と整備用品一式、予備のパーツも2機分無料譲渡する、だそうで」
    「それは…とんでもない大盤振る舞いですね」
    「メカニックでもある君なら分かるでしょう、これがどれだけの事なのか」
    身に沁みるほど分かる。最新鋭どころか未公開である機体を丸々譲渡するなど…AEや連邦軍でなければとても許されない。暴挙を越えて愚挙と言っても過言では無い事だ
    これだけの機密を譲渡するのだからそっちも分かってるよな? という暗黙の了解を求めているのだろうか

  • 171二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:09:52

    AEや連邦の調査部ならロンデニオン商会の秘密などある程度は嗅がれているとは思うが…
    「その事をセイラさんには?」
    「その一機をラル大尉用に引き渡すという事で交渉しようと思っています」
    「それは…セイラさんも悩むでしょうね」
    今ジオンでも指折りのパイロットであるラル大尉に件のアレックス。戦力増強が望まれるセイラさんにしては渡りに船だろう
    「だから君にも口添えを願いたくこうして来た次第です」
    「…は!? 俺がですか!?」
    「君にです。こう言っては何ですが今宇宙でセイラ女史…アルテイシア様に我が儘が言えるのは君だけです。どうかこの通り」
    中佐に頭を下げられてしまった!
    「頭を上げてください中佐! 分かりました、やってみます」

  • 172二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:13:07

    「感謝します。このお礼にニホンは堺の刃物職人が鍛えた包丁4点セットと」
    「は?」
    「その名工が使うという京産の砥石…でいかがでしょうか?」
    「え、あの…砥石? 俺が何に使うんですか?」
    何を言いだしたんだこの人は
    「勿論料理包丁の研ぎに。それ以外に何か?」
    「あの…失礼ですが中佐。俺はパイロット兼メカニックであって料理人では無いのですが」
    「あれだけの腕前を揮わないのはもったいないの一言です。お嬢さん方も目を輝かせていますし」
    「これが和包丁…綺麗…」
    「4本セット…こんな包丁使ってみたい…!」
    「トイシ? 砥石…ナニこんな封筒くらいの大きさで日本円で35万円って!?」
    「は!?」
    「いえ、さすがにそんな極上のものは手配できませんよ?」
    「手配して頂いても俺が受け取れませんよ!」
    「それは何より。一流の職人は一流の道具を求めます。アムロ君には良い道具が必要でしょうからね」
    思わずジト目で中佐を見てしまう。それで俺に料理を作れってんだろうこの人は
    「そんな目で私を見られても困るのですがね」
    「俺だって頂戴しても困りますよ。こんな良い包丁なんて使う料理なんて思いつきませんからね」
    「それは追々。君なら欲しいと思い使いこなせる様になりますよ」
    思わず天を仰ぐがただ天井が見えるだけだ
    「…それはもう手配してしまいましたか?」
    「いえ、まだです」
    「それなら中止にして下さい。俺の身には余る業物です、その分をソドンの予備費に回して下さい、みんなにビール一本くらい付けられるでしょう」
    「…何と言うか、クルー思いの発言に感動しました。そうさせてもらいます」
    「そうしてください」
    約2名から「「包丁…」」とかいう気配が来ているが無視だ無視。あんな良い包丁なんて勿体無くて使わないのが関の山だ

  • 173二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:18:15

    「それではあのアレックスはここに預けるという事で?」
    「…そうですね、アムロ君にはクランバトルに出て貰わなけばなりませんし、ホワイトユニコーンとパープルバイコーンとマラサイとディジェを持ち帰ってもらいアレックスはこちら預かりという事で」
    「分かりました…ジークアクスはどうしましょうか?」
    「君達が引き上げるまでに4機は整備させておきます。ジークアクスは目立ちすぎるのでこちらで預かっておきます」
    「了解です。宜しくお願いします」
    「それではセイラ女史に連絡をお願いします」
    それがあったんだった…

    『あらアムロ、先日振りね?』
    「こんにちは…こんばんはだったら申し訳ありません、お手数をお掛けしますセイラさん。少し状況が変わりまして」
    『話は少しだけど聞いています。そちらの新任のふたりをロンデニオン商会に入れていいのか、という事ね?』
    「はい。全く以て俺の与り知らぬ話ではあるのですが…」
    『まあそうよね…アムロにおねだりさせろだなんて、灰色の亡霊もいけずな真似をするものね』
    鳥肌が立った。やはりセイラさんの頭の切れは違う。
    『それで、おみやげは? あの中佐が言うのだから何かあるのではなくて?』
    読まれてますよ中佐?
    「はい。これは中佐というかAEと連邦軍からなのですが…新規にアレックス1機と整備用品と予備部品を2機分進呈してくると」
    『…え!?』
    さすがに驚くよなぁ
    「俺が使ったアレックスはソドンに、それに予備部品は1機分はこちらに、残りはそちらに送ってラル大尉専用機にしては、との事です」
    『…大盤振る舞いね。そこまでしても2人をロンデニオン商会…というか貴方の傍に置いた方が良いとの判断なのね』
    呆れたように首を振るセイラさん
    「俺としてはソドンに置いておいた方が最前線の生きたデータが手に入ると思うんですけどね」
    『連邦にもAEにも思う所があるのでしょうね。アレックスを使い熟したホワイトユニコーンに』
    「というお土産なんですが…正直アレックス1機は非常に大きいと思います。ラル大尉なら乗りこなせるでしょうし」
    『未発表と言ってもいい最新鋭機を譲渡する…勿論こちらが解析するのも承知の上でしょう。それを理解した上でそれでもアムロの情報を集めたい…ものすごい高値で買われているわねアムロ?』
    「さすがに俺独りにアレックス1機分その他は釣り合わないと思うんですがね」

  • 174二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:22:09

    『ふふ、貴方らしいわね。まあ貴方が動かせばどんな欺瞞をも貫いてバレてしまうわ。そのデータを見返りとして集めようというんでしょうね』
    正直ドライならあの二人を煙に巻く偽造データを流してAEや連邦軍と張り合う事も出来るかもしれない。だが
    『貴方が動けば皆が動く。業界が総出で貴方を丸裸にしようとする。素直に曝け出した方がいいでしょうね』
    「ラル大尉に言われて多少は自分に自信を持つようになりましたがいくら何でも大げさすぎですよね。全く、どれだけ目が曇ってるんだか」
    『傲慢で自信満々なんてアムロはイメージに合わないから今の貴方の方がいいわ。もっと自信を持ってくれていいとは思うのだけれど』
    「まあ俺の事は今は置きましょう。アレックスと交換条件であのふたりをロンデニオン商会に帰属させる。この事をご検討ください。返答は窓口である中佐に通して頂く事になると思いますが」
    『分かりました。ラル達と相談して返事をします』
    「承知しました。セイラさんもお忙しいでしょうがどうか無理をなさらずにご自愛を」
    『ありがとうアムロ、そんな風に言ってくれるのは貴方だけよ…』
    あ、ちょっと本気で挫けそうになっているな
    「しんどかったら無理をなさらずに。次にお会いする時の為に新メニューを考えておきますから」
    『ありがとう、アムロ。次に逢える時を楽しみにしています。それじゃあお元気で』
    「はい、セイラさんもお元気で」

  • 175二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:41:16

    「おいドゥー起きてくれ」
    あれいつのまにか寝てた?寝ぼけてた目を擦って声をかけて来た天パを見る
    「おはよう看板娘さんよく寝てたわね」
    えーとキノコ頭がこの呼び方するってことは
    「おはようママさんと坊や」
    「ドゥ姉ちゃんおはよー」
    てくてくと歩いてカウンターまでやってくるうんうんキノコ頭ににないでよかったね
    「今日はどうしたの」
    「あのねハロかいにきた」
    あの生意気なおしゃべりボールをかい坊や悪いことは言わないからコンチにしときなよ
    「コンチはシュウジ兄ちゃんにたのむー」
    そういえばシュウジは今日はデートだっけそれなら仕方ないか
    「あれハロって市販されてなかったっけ?」
    「ハロはちょっと特殊なペットロボットなんだ俺も」
    「そうなの?」
    そんな凄そうに見えないけどなぁ坊やと追いかけっこをする緑と白の生意気なハロを見つめて考えこむ
    「あぁハロ自体はそれほど変わった技術は使われてないんだがハロ自体は改造が主体で売られていてなそれで改造するならウチでってシイコさんに依頼されたわけだ」
    「それでドゥー手伝ってくれ」
    手伝いってなにすんのさボクはハロの整備なんてでないぞと口に出す前にハロが書かれた絵を渡されたなるほどね
    「お姉ちゃんっといっしょに塗り絵しようか」
    「する‼︎」
    色鉛筆を持って来客用の席に座ってハロの塗り絵を始めた

  • 176二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:42:23

    「ってちょっと待って下さいセイラさん!」
    『え!? どうしたのアムロ?』
    「あの、差し出がましいとは思いますが忘れていた事がありまして。少しと言うかかなり気になったので。ラル大尉の事なのですが」
    『…ラルが?』
    「ええ、あの、怒らずに聞いて頂けると有り難いのですが」
    『…どんな話かしら?』
    うわ、肯定も否定もせず続きを促してきた
    「ランバ・ラル大尉ですよね?」
    『…? ええ、そうね』
    「セイラさんの身辺警護をされている、と仰っていました。と言う事はセイラさんの親衛隊長的な立場ですよね」
    『そうなるわね』
    「ジオン公国公王の親衛隊長…それで大尉と言うのは少し階級が低いのではないかな、と思ってしまいまして」
    『! それは…考えた事も無かったわ』
    「二階級特進、と言うのは縁起が悪いですし、かと言っていきなり大佐への三階級は色々あるかと。まずは少佐に昇進後、日を改めて中佐に昇進を考えられてはいかがかと」
    『…そうね、ラルやハモンとも相談してみる事にするわ。ありがとうアムロ、私は全く気付いていなかった…』
    「いくらセイラさんでも何事も完璧に、と言うのは不可能ですよ。俺が気になっただけなので勝手を言って申し訳ありませんが」
    『いえ、ありがとうアムロ。これからも気付いた事があったら気軽に言ってみてね?』
    「分かりました、これからもセイラさんのお役に立てるように努力します」
    『ふふ、ありがとうアムロ。これからも宜しくね?』
    「はい、こちらこそ」
    『それではこれで。それじゃあまた』
    そう言って笑顔と共に通信が切れた。最後に『ねえハモン、聞いていた? ラルの階級…』と聞こえてきた。早速ハモンさんに相談したのだろうか

  • 177二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 02:44:06

    「…天パ?」
    「待たせたな。セイラさんの気品と後ろから視線を送ってくる…あの女性がハモンさんだろうな。ラル大尉もあの二人に挟まれたら落ち着く暇が無いだろうな…」
    「そりゃあのおじさんは強い訳だ。メンタルトレーニングはすごい事になってそう」
    「そうだな。戦場で生き残る為にはまずは平常心を保つ為のメンタルトレーニングだ。どれだけ体力や技術があってもそれを発揮できなければ意味が無い。動揺なんかしてたら実力は絶対に発揮できないからな」
    「確かに」
    「さて、セイラさんとの話は終わったし返事は中佐に行くしあとは全部中佐に投げて終わり。今度セイラさんに会うのはサイド3に引き渡しに行く時かな」
    「引き渡しはボクらって言うかソドンでやるのかね?」
    「そうだろうな。俺達っていうかソドンで受け取る時にあのアナハイム組の2人に色々と極秘命令とか手渡されるだろうし。その辺はこっちでわざと見逃す事も多々あるだろう」
    「またサイド3とサイド6の往復…今回はサイド6から月に行ってそのあとサイド3? いっその事ボク達がサイド3か月にでも引っ越せばいいのにね」
    「その内俺達は海賊潰しの専用部隊として扱われるようになるかもな。まあ海賊は潰さなけばならないしそれがセイラさんの名声の上昇に繋がるんだから文句は無いが」
    「ヒゲオヤジ的にも評判も上がって報酬も貰えるだろうし戦闘データも増えるだろうし。でもそうするとロンデニオン商会は開店休業になっちゃうね」
    「そこが問題だよなぁ。ひと月の内半分も開けて無い店とかどう思われるか分からんな」
    「まあボク達なら食べるに困る事は無いからいいんじゃない?」
    「だからより一層困るんだよな…」
    …こんな風に誰にも邪魔されずにアムロとこんなに長く話せたのはいつ以来だろうか!!
    ちなみにクリスとチェーンさんときのこの山は3人で何やら小声で話し合っていた、何の話をしてるんだろう?

  • 178二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 03:00:06

    >>153

    一応、模擬戦がーとかロートルって騒いでたのは模擬戦で「私のガンダムがーと叫んで」ました

    >>175

    割り込んでしまって申し訳ございません

  • 179二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 03:51:02

    >>175

    天パがハロの中身を弄るのを横目に坊やの相手をすると坊やは妙な色に塗っている

    「なにそれと聞くと」

    「ママとおんなじにする‼︎」

    ママと同じもしかしてキノコ頭がのってるMSと同じ色にしたいのだろうか

    「ドゥー姉ちゃんは」

    「ボクはこんな感じだよ」

    ボクは黒く塗ってちょっと目つきの鋭いハロを見せる

    「かっこいい」

    よくわかってるね坊や早速見せに行こう2人で天パに見せに行くとキノコ頭がいい顔で眺めていたので肩をつついてこないだの仕事で撮った天パの写真を見せてやる

    「かっこいい……」

    ちょっと想像と違ったけど自慢できたので天パにボク達の塗り絵を渡した

    「えとコレはどっちだ」

    ちょっと天パさすがにわかるでしょ‼︎こっちのキノコ頭のMSと同じ配色なのが坊やので黒いのがボクだよまったく

    「わかった少しまっててくれシイコさん達も長くなるから」

    そう伝えて天パは作業場に向かうボクも追いかけようとしたけど流石にカウンターに誰もいないのは問題なのでキノコ頭と坊やを見送ってカウンターで看板娘の仕事を再開すた

  • 180二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 10:39:54

    保守だ!

  • 181二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 17:46:02

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 18:23:48

    砥石なら天草砥石が実用品として丁度よいかな?

    お値段と品質の双方で。

  • 183二次元好きの匿名さん25/09/17(水) 23:50:39

    保守!
    頑張って!

  • 184二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 00:36:05

    >>179

    「できたぞ」

    天パがキノコ頭のマラサイカラーに塗られたハロを抱えて作業場から出てくる

    「ハロ‼︎」

    ボクとMSの人形で軍警ザクをやっつけていた坊やが駆け寄ってく行く

    「そんな急がなくてよかったのに」

    「ははちょっと昔を思い出して張り切ってしまって」

    ちょっと苦笑しながらシイタケ頭に返事をして天パが坊やの視線の高さにハロを降ろすと

    「ハロゲンキキミハゲンキカ」

    「げんきだよ」

    「こいつはまだ赤ちゃんみたいな物だ君がいろんな事を教えてやってくれ」

    「うん」

    ハロを受け取ってシイタケ頭に駆け寄ると

    「ハロママだよ」

    「ママオボエタオボエタ」

    「よろしくねハロ」

    キノコ頭がハロと坊やに小さく手を振る

    「こっちはアムロ兄ちゃんだよハロをつくったひと」

    「アムロアムロ」

    天パが何か懐かしむように笑う

    「最後ドゥー姉ちゃんだよ」

    「ドゥーネエチャンネエチャン」

    うんうんあの緑と白色と違って実に素直だこのハロはいい子に育つに違いないそういえばボクのハロはどうした天パ

  • 185二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 02:01:09

    >>178

    こちらこそすみません

    >>176をまとめ動画のコメント観て急に書いたので遅くなってしまいました

  • 186二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 02:01:40

    >>184

    「ちゃんと作ったから落ち着け順番だ順番坊やが見てるぞ」

    天パが耳元で囁くそんな事よりくすぐったいだろうが天パやめろ

    「まったくほらドゥーお前のハロだ」

    「ドゥーハロドゥーハロ」

    よしよしいい子だね天パからハロを受け取って生意気な緑と白の所に連れて行く

    「どーだお前達と違って手と足があるぞ」

    アムロ(あの丸いのは手足だったのか)

    シイコ(手足だったのね)

    「ハロ」

    そんな自慢をすると坊やのハロと緑の奴から手と足が出てきた

    「わぁ‼︎」

    思わずハロを投げそうになるがギリギリで持ち直すてか緑お前そんな事ができたのかボク知らなかったぞ⁉︎

    「わぁハロすごいすごい」

    ハロを高い高いして喜ぶ坊やと平気な顔をしてるキノコ頭天パは知ってただろうからボクだけ驚いていてなんか悔しい

    「ドゥーシンパクスウジョウショウダイジョブカダイジョブカ」

    大丈夫驚いただけだからおいボクのハロお前も何かできないのか

    「ナイナイ」

    くっそー

    後日

    「ドゥーヒンニュウドゥーペチャパイ」

    おい白と緑ボクのハロに変な事を教えたのはどっちだ‼︎

    「ニゲロニゲロ」

    「ペシャンコニサレルゾ」

    「マッテマッテ」

    「待つのはお前達だ‼︎」

    頭を抱える天パを他所にボクは逃げ回る3個のボールを追い回すのだった

  • 187二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 02:36:34

    >>182

    天草砥石…ちょっと欲しいw

  • 188二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 07:23:45

    黒いハロ草

  • 189二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 13:54:06
  • 190二次元好きの匿名さん25/09/18(木) 18:11:41

    立て乙です

  • 191二次元好きの匿名さん25/09/19(金) 00:11:37

    一応保守

オススメ

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