- 11◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 17:18:13
安価で出たオリキャラたちが戦っている様子をAIが短編小説化してそれを楽しむスレです。
不定期進行な上AI生成の都合上納得のいかない結果になることもあります。
下にあるまとめは歴代試合や設定に生かせそうな世界観などいろいろ載ってますのでぜひ活用してください
まとめ↓
オリキャラAIバトルスレ・アカシックレコード | WriteningオリキャラAIバトルスレのページやリンクをギュギュっと一つにまとめたページです。 このページの編集コードは「aiai」です。 新しいページやスレが作られた時は追加していっていただけると助かります キャ…writening.net※版権キャラはそのままでは出さないでください
※閲覧注意が必要になるキャラは禁止です
※相手が能動的に突ける弱点を必ずつけてください。
※AIの生成によるインフレは仕方ないですがそうでない限り勝てないほど強くするのはやめてください。
※スレ内で死んだキャラはifルート以外では復活しません。命には非常にシビアです。
※ここに出たキャラクターは基本スレ内でのみフリー素材です。要望があるなら必ず設定と一緒に記載してください。
※コテハンを本スレでつけていいのはスレ主のみです。
- 2二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 17:34:53
たて乙
- 3二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 17:36:43
たて乙です!
- 4二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 17:55:49
たておつ!
- 5二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:15:28
たておつ!
対戦カードが楽しみだぁ - 6二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:27:54
たておつです!
どんな対戦カードになるんだろ - 7二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:33:46
たて乙です
- 8二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:44:14
立て乙!
- 9二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:50:18
ねこが勝った!
- 10二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:51:39
ねこにまけた
- 11二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 18:52:40
未定さん涙ふけよ
- 121◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 19:01:33
機手トヨタケvs手練の魔物
バイオスライムXIII号vsパーク・バーグ=スレイ
ナメ籤vsアマユキヒコノミコト
マリオネットvs日向 陽
探索者vs邪神を崇拝し軽蔑する者 - 131◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 20:20:48
- 14二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:50:36
これGガンや競馬より5D'sって感じがする…
- 15二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 20:53:59
なにこれ熱い
- 161◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:32:18
題名『怨念の霧と守護者の斧』
- 171◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:34:05
地下施設の薄暗い空間に、かすかな機械音と水滴の音だけが響く。湿気の混じった空気を裂くように、黒い霧がゆらめいた。それは怨念の集合体――バイオスライムXIII号。DNA片を接種した標的を追跡し、執拗に追い回す性質を持つ人工怨念スライムだ。霧は壁や床を這い、無数の黒線が腕のように伸びる。
「ここにいるのは……確かに、君だね」
霧の中から低く響く声。バイオスライムXIII号は意識の焦点を標的に合わせると、周囲の環境に干渉し、物理現象を侵食していく。照明はちらつき、空気は不穏に揺れ、異様な圧迫感が周囲に広がった。
その視界に現れたのは、ワインレッドのベストに身を包んだ巨体。背丈は215cm、筋肉は隆々とし、目は通常茶色だが赤く光っている。手には大斧と手斧。スレイ家の長男、パーク・バーグ=スレイである。
「僕はパーク・バーグ=スレイ。スレイ家の門を守る者です。あなたがどのような存在であろうとも、家族を害するのであれば――抹殺させていただきます」
バイオスライムXIII号は霧状の体を広げ、侵食の手をパークに向けて伸ばした。触れれば侵食され、身体も精神も蝕まれる。しかしパークは赤い瞳を光らせ、淡々と立ち向かう。
「侵食、呪い、支配……すべてフィジカルで凌駕いたします」
地面に叩きつけた大斧の衝撃が霧に波紋を描き、無数の分体を弾き飛ばす。怨念の霧は形を変え、瞬間移動して壁や照明から再び襲いかかるが、パークの赤い瞳が捕捉する。筋肉による理不尽なまでの圧力で、怨念を物理で押し返すのだ。
バイオスライムXIII号は触手の形態で彼を拘束しようとするが、パークは振るう大斧で手を断ち切り、跳ね返す。筋肉で圧縮して傷を無効化するスレイ家のお守りがここでも機能していた。
「僕の心臓に届かなければ、勝利はあり得ません」
赤く光る瞳が怨念を見据え、パークは静かに前進する。黒い霧が絶え間なく形を変え、分体を増やし続ける中、パークの大斧が次々と怨念の核を叩き潰していく。
怨念の群れが一瞬で消え、床に広がった黒い液体だけが残った。パークは呼吸を整え、慎重に周囲を見回す。まだ戦いは始まったばかりだ。 - 181◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:34:21
バイオスライムXIII号は、液状の本体を瞬時に霧状へと変化させた。黒い霧は天井から滴り落ち、壁の隙間を縫うようにパークを包囲する。霧形態では物理攻撃がほとんど通じず、侵食力はさらに増幅。パークの視界と感覚を侵す霊的な圧迫が、空間全体に広がった。
「くっ……なるほど、霧形態か……」
パークは手斧を構え、目を赤く光らせる。筋肉で物理を凌駕する能力――スレイ家のお守りは、霧に触れた瞬間から力を発揮する。霧に浸っても、侵食や支配の影響を受けず、パーク自身の筋力で空間を蹴破ることが可能だ。
黒い霧は壁や床から無数の触手のように伸び、パークを絡め取ろうとする。しかしパークの両腕は大斧と手斧で旋回し、触手を次々と切り裂く。斧の軌道に沿って筋肉の力が空間を押し広げ、霧の進行を物理的に阻む。
「僕の目は、あなたの動きを捉えています。霧に潜んでも無駄です」
バイオスライムXIII号は瞬間移動を繰り返し、霧の一部をパークの背後に出現させる。霧に触れれば侵食され、徐々に意識が揺らぐはず――だがパークの筋力はそれすら凌駕する。全身の筋肉が神経と同調し、赤く光る瞳で霧の位置を瞬時に計算。触れずに分体を破壊する。
霧は密度を高め、侵食を試みる。無数の線がパークの身体を包み、精神と肉体を曖昧に侵す。しかし、パークは体幹を固め、斧を振るうたびに霧を粉砕する。筋力による衝撃波が霧を弾き、分体は再び集束しても完全に統制は取れない。
「あなたの怨念は強い。しかし僕のフィジカルには及ばない」
パークは筋肉を最大限に活性化させ、斧の軌道を変化させながら霧を押し返す。霧形態のバイオスライムXIII号は空間を自由に移動できるはずだが、パークの目と筋力がそれを許さない。侵食の手はすべて空振りし、触れた分体は大斧で断ち切られる。
黒い霧が床に落ちて再び集まろうとする瞬間、パークの赤い瞳が光り、全身の筋肉が弾ける。斧の軌道に沿って圧縮された空気が爆発音を伴い、霧は周囲に吹き飛ばされ、分体は崩壊した。
「……まだ終わりではない……」
霧の形態からスライム本体が現れ、床に黒光りする姿を現す。赤い瞳を光らせたパークは、次の攻撃に備え、呼吸を整えた。地下施設の闇に、二つの存在の力がぶつかり合う音だけが響いた。 - 191◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:35:21
バイオスライムXIII号は、床や壁に潜む霧の一部から無数の分体を生み出した。黒い線で形作られた触手状の分体は、物理的には弱いものの、侵食能力を持つため、接触すればパークの感覚や意識を曖昧にする。
「くっ……!くそ……この幻覚……!」
分体がパークの視界に入り込むと、周囲の空間が歪み、壁や天井がねじ曲がって見える。無数の手や腕が迫り、侵食の圧迫感が肉体と精神を引き裂く。しかしパークは筋肉と神経を連動させ、赤い瞳で分体の正確な位置を把握する。肉体のフィジカルで侵食の影響を物理的に押し返し、幻覚の矛先をかわす。
分体は霧のまま瞬間移動を行い、パークの背後や上空に出現する。触れれば侵食が進むが、パークはその分体に斧を投擲し、精密に破壊する。分体が消滅すると、その場から黒い霧が巻き上がり、再び集まろうとするが、パークの筋力が押し返す。
「あなたの力は……強い……だが、僕は……止まらない……」
バイオスライムXIII号は精神攻撃を強化し、パークの脳内に不快な幻覚を送り込む。目の前の壁が崩れ、天井からは巨大な手が垂れ下がり、空間全体が生き物のようにうごめく。侵食は深く、意識を揺さぶる。
しかし、パークは全身の筋肉で防御を形成する。脳も筋肉で覆われているかのように、精神的な攻撃も物理的に圧縮し、幻覚を押し潰す。赤く光る瞳は正確無比で、幻覚の奥に隠れた本体の位置を正確に捉える。
「僕の目と筋肉は、あなたに惑わされない」
分体が次々とパークに迫るが、投げ斧と大斧の連携で一掃される。斧が触れるたびに黒い霧は砕かれ、分体は溶解する。バイオスライムXIII号の霧形態が再び集合して本体の形に戻ろうとするが、パークの筋力による衝撃波がその動きを封じる。
「くっ……本体は……あそこか……」
パークは息を整えつつ、斧を手に本体に迫る。筋肉の力を最大限に活かし、黒いスライムの本体を圧倒する準備を整えた。分体や霧に惑わされず、純粋な肉体の力で勝利への道を切り開く。 - 201◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:35:39
パーク・バーグ=スレイは両手に握った大斧を力強く振るい、黒く蠢くバイオスライムXIII号本体へと飛び込む。霧形態に変化して瞬間移動を繰り返すXIII号を相手に、パークは目を赤く光らせ、全身の筋肉を極限まで駆使する。
「僕は……あなたに屈しない……!」
霧が集まり、無数の黒い触手がパークに襲い掛かる。だが彼はそのすべてを圧縮した筋力で押し返す。触手が触れる前に大斧を投げ、霧形態の一部を粉砕。斧はそのまま空中で再び握られ、再び切り裂く。XIII号は次々と形態を変え、霧からスライムへ、さらに黒い線の分体を生み出して攻撃を試みるが、パークは全てを押し潰すように受け止め、振るわれるたびに霧を粉砕する。
「あなたの形態変化も……無駄だ……僕の肉体はそれ以上だ……!」
パークの肉体は、霧の侵食や幻覚の影響を受けず、赤い瞳が正確にXIII号の本体位置を捕らえている。触れれば侵食されるというリスクも、パークの筋力による跳躍と斧の連打で回避。黒い霧や分体は斧で粉砕され、弾けるように消滅していった。
XIII号は霧と分体を再編成し、圧迫と侵食を増幅させる。床や壁から無数の触手が生え、パークを取り囲む。しかしパークは大斧を高く掲げ、胸部の筋肉を爆発させるように振るう。振動は霧に直接伝わり、触手を粉砕する衝撃波となった。
「僕の筋肉が……あなたの怨念を砕く……!」
さらにパークは斧を投げる。黒い霧が集まる空間を裂くように、斧は正確に本体の一部に命中。XIII号は衝撃で形態を乱し、分体も消滅。パークは勢いのまま肉弾戦に踏み込み、斧を握った腕で霧の中心を押し潰す。
「これで……終わりだ……!」
XIII号は霧の形態から再び本体に戻ろうとするが、パークの肉体圧力と斧の連打がそれを阻む。霧とスライムが渦巻く中、パークの筋力と投擲斧が黒い塊を圧倒し、勝利への道が見えてきた。 - 211◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:36:45
バイオスライムXIII号は霧形態に変化し、空間の隅々から黒い触手を伸ばし、パークの周囲を完全に包み込んだ。無数の線が渦を巻き、あらゆる方向から襲い掛かる。
「これで……終わりではない……!」
しかしパークは目を赤く光らせ、全身の筋肉を緊張させた。赤い瞳は霧の中の本体を正確に捕らえている。霧が触れれば侵食されるはずの彼の体だが、筋肉の圧縮と跳躍で触手を受け止め、さらに押し返す。
「あなたの攻撃……僕には届かない……!」
霧形態のXIII号は分体を次々に生成し、パークを包囲する。しかし、彼の筋肉はその圧力を跳ね返し、投げ斧は正確に本体を狙い撃つ。斧が霧に突き刺さるたび、触手は粉砕され、霧は一瞬で消え去った。
XIII号は焦り、分体を大量に生成して圧力を増す。壁や床も霧と触手で覆われ、空間全体が黒く蠢く。だがパークは全く動揺せず、振り下ろした大斧の衝撃波で霧を裂き、触手を押し潰す。
「僕の肉体は……あなたの怨念を凌駕する……!」
XIII号は最後の手段として、自身の霧形態を濃密に圧縮し、触手を無数に伸ばして圧迫を加える。しかしパークは力を全身に漲らせ、跳躍と斧の連打で黒い霧の塊を破壊。霧が分散するたび、本体は徐々に露わになり、攻撃手段は限界を迎える。
「これ以上……抵抗しても無駄だ……!」
パークは最後の力を振り絞り、両手の大斧でXIII号本体を押し潰す。霧は抵抗するも、赤い瞳と肉体の圧力には抗えず、ついに完全に消滅した。周囲の空間には黒い残滓が残るだけで、怨念スライムは二度と立ち上がることはなかった。
パークは大斧を肩にかけ、深く息を吐く。赤い瞳は通常の茶色に戻り、戦闘の緊張から解放される。
「僕の家族を……あなたのような存在に脅かさせはしない……」
筋肉の限界を超えた戦いを終え、パークは冷静さを取り戻した。霧が晴れた戦場に、静寂だけが残った。 - 221◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:37:25
戦闘の激烈さは周囲の空間にまで影を落としていた。瓦礫の散乱した地面、焦げた土、黒い霧の残滓――それらはすべて、バイオスライムXIII号の怨念が生み出した残骸だ。パークは両手に大斧を携え、荒れ果てた戦場を慎重に踏みしめる。筋肉の疲労が全身に重くのしかかるが、心は静かに引き締まっていた。
「……これで、完全に終わったのか」
彼の声は低く、しかし確かな決意を帯びていた。目の前には黒い霧がほとんど消え、分体も本体も跡形もなく消滅している。かつて怨念の塊として無数の触手で襲い掛かってきたXIII号の姿は、もはや幻のようだ。
パークはそっと残滓に手をかざす。霧形態の残滓は水のように散っていくが、その感触から怨念がまだ微かに残っていることを感じ取った。彼は慎重に体を低くし、斧の柄を地面に突きながら、残滓を完全に拭い去る。
「僕は……君を再び目覚めさせるわけにはいかない」
彼の言葉には、守るべき者たちへの誓いが込められている。怨念を生む存在は二度と蘇らせない。赤い瞳が再び通常の茶色に戻ると、戦いの余韻が筋肉にじんわりと重くのしかかる。戦闘中には感じなかった疲労が、一気に押し寄せる。フィジカルで凌駕してきた体も、解除と同時に限界を迎えた。
しかし、パークは呼吸を整え、背を伸ばす。戦場の静寂に耳を澄ませ、周囲の安全を確かめる。黒い霧の痕跡は消え、残されたのは瓦礫と微かに焦げた土だけだ。
「僕の守るべきものは……誰も傷つけさせない」
彼は斧を肩に担ぎ直し、深く息を吐いた。戦闘の余韻と疲労を感じながらも、家族や仲間のことを思い浮かべ、胸に静かな決意を刻む。世界はまだ混沌としているかもしれないが、彼の腕の中で守られるべきものは確かに守られたのだ。
そして、パークはゆっくりと戦場を後にする。筋肉が重くても、心は静かに前を向いている。戦いは終わった。だが、彼の戦いはこれからも続く――守るべき人々のために。 - 231◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 22:37:44
以上
- 24二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:47:14
最高!
- 25二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:48:40
脳筋最強!脳筋最強!
- 26二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:48:40
やはり筋肉、筋肉は全てを解決する
- 27二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:04:35
力こそパワーだぜ!
- 281◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:09:35
題名『黒霧と雪神の森』
- 291◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:11:16
夜の森は深く、濃い霧に包まれていた。
地面は湿り、雪と土が混ざり合い、踏み込むたびに微かに音を吸い込む。
その静寂を破るかのように、巨大なナメクジが蠢いていた。
ナメ籤――研究所から脱走したらしいその存在は、人間の二倍もの大きさを誇る。
黒光りする体を滴る粘液が照らされた月明かりに光り、森に異様な圧を放っていた。
アマユキヒコノミコトはその気配を察知する。
「……なるほど、君か」
低く呟き、拳を握る。
雪の冷たさを掌に感じながら、相手の動きを見極める。
ナメ籤は喋らない。
しかしその存在感は、空間そのものに緊張を生む。
粘液が地面に滴るたび、色が変化する。
白、黒、赤、青、黄、紫、灰――ランダムに現れ、通った場所ごとに危険が散らばる。
アマユキヒコノミコトは慎重に距離を取り、動きを観察した。
「……慎重に行かねばなりませんね」
雪を踏み、地面に力を伝えながら移動する。
足元に滴る粘液を避け、接近するルートを計算する。
森は静かだが、その静寂は戦場の幕開けを告げていた。
アマユキヒコノミコトは拳を固め、雪を巻き付けた。 - 301◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:11:44
「僕は君を倒す……しかし、直接触れられぬように」
瞳が赤く光り、雪を通じて微細な動きを感じ取る。
ナメ籤は無言、しかし森の中で圧倒的な存在感を放ち、確実に前進する。
夜の森は戦場となった。
静かで、しかし確実に――戦いの幕が開かれたのである。 - 311◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:12:20
森の闇に、ナメ籤の体から滴る粘液が光を反射した。
触れるものすべてに不快さを伝えるその粘液は、森の地面に広がり、アマユキヒコノミコトの足元に危険な道を作る。
しかし、彼は冷静に構えた。
「……来るな」
雪を踏み、周囲の温度を下げながら慎重に距離を取る。
ナメ籤の体が揺れるたび、粘液の色が変化する。
白、黒、赤……そして灰色。
一瞬、剣山のように硬化した粘液が地面を覆い、足を踏み入れたら痛みと不快感に襲われるだろう。
アマユキヒコノミコトは静かに息を整えた。
「赤か……熱を加える手は使えませんね」
握り拳に雪を集め、冷気を纏わせる。
次の瞬間、ナメ籤がゆっくりと接近する。
森に響くのは、滴る粘液の音だけ。
生物的な気配はあるが、言葉は発しない。
「僕は……触れられぬように、攻撃を繰り返す」
雪を拳に凝縮し、微細な氷片を形成する。
ナメ籤が触れた瞬間、その粘液に小さな亀裂を入れ、侵食を抑える。
しかし、ナメ籤は霧形態に変化し、物理的接触を回避する。
影のように、森の中でその形が溶け、再び実体化する。 - 321◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:13:56
「なるほど……霧にも対応せねばなりませんか」
雪を振り、空気の冷たさで霧の動きを鈍らせる。
ナメ籤は滑るように森の中を進むが、冷気の影響で動きが僅かに鈍る。
その一瞬を見逃さず、アマユキヒコノミコトは拳を前に突き出す。
氷片がナメ籤の体に触れ、微細なひびが入る。
ナメ籤は無言のまま反応し、粘液を振り撒く。
黒、白、青……色が次々と変化し、森の地面は危険な迷路となる。
アマユキヒコノミコトはその中を慎重に移動する。
触れれば溶ける危険もあるが、雪の力で常に一歩先を読んで動く。
戦いは、静かだが確実に苛烈さを増していた。 - 331◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:14:32
森の闇に漂う黒い霧は、ナメ籤の意思なくゆらゆらと動く。
その中で光を反射する粘液の粒が、無数の目のように瞬いた。
アマユキヒコノミコトはゆっくりと構える。
「なるほど……霧になっても、冷気は通じますね」
彼の掌から雪と氷が立ち上がり、霧に干渉する。
微粒の雪が霧の中を飛び交い、ナメ籤の姿を時折浮かび上がらせる。
その都度、黒や紫の粘液が撒き散らされるが、神の掌握する冷気で僅かに制御されていた。
ナメ籤は霧形態からスライム形態に戻り、地面を滑るように進む。
だが、アマユキヒコノミコトの足取りは揺るがない。
「このまま触れられれば、僕の体も……いや、雪の力で防ぎます」
拳に集中した冷気が粘液に触れ、硬化させる。
触れた部分は凍りつき、ナメ籤の侵食力が鈍る。
しかし、ナメ籤は無言のまま粘液を振り撒き、次の瞬間には別の方向に移動する。
森の地面に黒と白、赤と青の線が入り乱れる。
まるで生きた迷路。
踏み入れる者を苦しめる罠のようだ。
「僕は……触れられぬよう、攻撃のチャンスを待ちます」
アマユキヒコノミコトは冷気を拳に凝縮し、微細な氷の破片として放つ。
霧に包まれたナメ籤に触れ、氷片が表面を削る。
ナメ籤は霧に戻り逃れるが、動きが僅かに鈍る。 - 341◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:14:57
「……少しずつ、攻め手を作らねば」
冷気で霧を押さえつつ、氷片を連続で投射する。
ナメ籤は霧の中で避けながらも、無言で粘液を撒き散らす。
それはまるで、森全体を絡め取ろうとする巨大な生物の戦略のようだった。
アマユキヒコノミコトは雪を纏い、足元を固める。
霧と粘液に阻まれながらも、一歩一歩、着実に距離を詰めていく。
戦いは静かだが、確実に苛烈さを増していた。 - 351◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:17:26
ナメ籤の霧が森の木々の間をうねる。
その粘液の光景は、昼間でも目に痛いほどに異様だ。
アマユキヒコノミコトは静かに息を整え、拳に冷気を集中させる。
雪の粒が掌で渦を巻き、冷気の刃となって霧の中へ飛び出した。
「……これでどうだ」
霧の中を切り裂く氷の刃が、ナメ籤の霧形態に触れる。
瞬間、黒や赤の粘液が弾け、氷に絡まるように凍りつく。
ナメ籤は動きにくそうに姿勢を低くして進む。
だが、霧は一瞬で再生する。
黒い線の霧が広がり、アマユキヒコノミコトの視界を曇らせる。
その中で、赤や青の粘液が飛び散り、地面に張り付く。
「……甘くない」
アマユキヒコノミコトは地面を蹴り、雪を踏み固めて滑り止めを作る。
拳を突き出し、冷気の刃を連続で霧に撃ち込む。
氷片が霧を突き抜け、ナメ籤の姿を一瞬だけ露わにする。
ナメ籤は逃げると同時に、粘液を巻き上げて遮蔽する。
その無言の攻撃は、触れれば侵食を与える凶悪さを秘めていた。
「……距離を詰める」
アマユキヒコノミコトは雪を纏った脚で跳躍する。
霧の中で、ナメ籤のスライム形態に接触する寸前、氷の拳を叩き込む。 - 361◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:18:25
接触した粘液は瞬時に凍り、ナメ籤の動きがさらに鈍る。
森全体に黒と白、赤と青の線が絡み合い、異様な景色を描き出す。
ナメ籤は無言で逃げながらも、霧の隙間を縫い、次の攻撃の準備を整える。
アマユキヒコノミコトは冷気を拳に集め、さらに連続攻撃を放つ。
霧を割りながら接近するその姿は、雪神の静かなる暴威を象徴していた。 - 371◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:19:18
ナメ籤の黒い霧が森の中でうねり、地面や木々に絡みつく。
その姿は巨大で、まるで森全体を這いずり回る怪物のように見えた。
空気は重く湿り、霧に触れるだけで肌が粘液に覆われる感覚に襲われる。
アマユキヒコノミコトは立ち止まり、目を細める。
霧の中に漂う赤や青、黒の粘液が光を反射して視界を乱す。
それでも彼の瞳は冷静そのもので、動揺はまったく感じられなかった。
「……油断はできない」
深く息を吸い込み、雪をまとった足元で静かに踏みしめる。
周囲の気温が急激に下がり、霧に含まれる粘液の動きも鈍る。
だがナメ籤はそれでもなお霧形態を保ち、瞬間移動のように再出現する。
まるで森そのものが生きているかのように、黒い霧が蠢きながら彼を取り囲む。
「……このままじゃ、こちらも巻き込まれる」
アマユキヒコノミコトは掌を前に突き出し、冷気を凝縮させる。
雪の刃が霧に絡み、霧の形状を切り裂く。
黒い線が散り、赤や青の粘液が飛び散る。
その瞬間、霧の中から別の霧の塊が飛び出し、彼の周囲を包み込もうとする。
ナメ籤は無言のまま、霧形態とスライム形態を瞬時に切り替え、攻撃を試みる。
粘液の飛び道具がアマユキヒコノミコトを狙うが、冷気で凍らされ、飛び散る。
その冷気の層をくぐり抜け、雪神は素早く踏み込み、連打の拳を繰り出す。
一撃ごとに霧が弾け、黒い線が弾き飛ばされる。
「……次は……」
雪を踏み固め、足元の摩擦を高める。 - 381◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:20:12
滑る粘液の上でも確実に移動し、霧の奥へと接近する。
その冷静さと正確な動きは、霧に隠れるナメ籤にとって厄介な脅威となる。
ナメ籤はさらに霧を拡張し、攻撃と防御を同時に行う。
赤と黒の粘液が飛び、青の冷たい霧が周囲に広がる。
アマユキヒコノミコトは拳に冷気を集め、連打を繰り出す。
霧と氷がぶつかり合う音が森中に響き渡る。
ナメ籤の霧はただの攻撃手段ではなく、森を操作するかのように変化していく。
枝や蔦が霧に絡め取られ、雪神の動線を塞ごうとする。
しかしアマユキヒコノミコトは身を低くして跳躍し、雪の壁を踏み砕きながら前進する。
拳の連打は霧の厚みをかき分け、霧形態から現れた黒い触手を粉砕する。
ナメ籤は無言のまま霧を凝縮し、分身を生み出す。
無数の霧状スライムが雪神を囲むが、彼は目を赤く光らせ、冷気と雪の力を一気に高める。
霧に触れた瞬間、霧は凍りつき、黒い線が砕け散る。
「……終わりではない……」
ナメ籤はさらに形態を変え、スライムの体で雪神に迫る。
アマユキヒコノミコトは跳躍して距離を取り、空中から掌に氷の刃を生成する。
刃が霧に突き刺さり、霧の塊が四方に砕け飛ぶ。
それでも霧は再生し、黒い線が蠢きながら再び攻撃を仕掛けてくる。
雪神は全身に冷気を纏い、拳を振るう。
その拳はただの物理攻撃ではなく、霧の中の無数の黒い線に直接作用し、破壊と凍結を同時に行う。
黒い霧はもがきながらも、再び森の奥へと逃げるように分散していった。 - 391◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:21:17
ナメ籤の霧は森全体を覆い、地面も樹木も黒い粘液で覆われた。
その場に立つだけで全身が気持ち悪さに包まれる。
だがアマユキヒコノミコトは冷静に周囲を見渡し、森の地形を利用して戦線を広げる。
「……温度差を利用すれば、奴の動きを止められる」
掌に冷気を集め、雪の刃を次々と生成する。
一歩踏み込むたびに黒い霧が凍りつき、粘液の飛沫が硬化する。
霧形態のナメ籤が急速に分散し、あちこちから触手が伸びてアマユキヒコノミコトを包もうとする。
その触手を見極め、雪神は掌を打ち出し、氷の刃で次々と切り裂いていく。
霧の中から、赤や青の粘液が飛び散り、冷気とぶつかって蒸気を生む。
視界は乱れ、足元は滑る。
しかし雪神は一歩も怯まず、蹴りを繰り出して粘液の塊を遠くに弾き飛ばす。
同時に拳を振り抜き、触手の一部を粉砕する。
ナメ籤は霧の形態を再び変え、地面を伝って低く這うスライム状になり、急接近を試みる。
赤い粘液が地面を滑り、雪神の足元を狙う。
アマユキヒコノミコトはジャンプして距離を取り、空中から雪の刃を生成。
斬撃は粘液を切り裂き、スライム形態の一部を吹き飛ばす。
「……まだだ、終わらせるわけにはいかない」
雪神は掌により多くの冷気を集め、周囲の空気を一気に凍結させる。
黒い霧は硬化し、触手の動きも鈍る。
ナメ籤は焦りを見せず、霧形態とスライム形態を瞬時に切り替えて攻撃を続ける。
しかし雪神の拳が霧の中心に突き刺さり、触れた瞬間に霧が凍結して砕け散る。
再生する前に連打を加え、さらに奥へと追い詰める。
ナメ籤の黒い線が森の奥へ逃げ込むが、雪神はその軌跡を読み、足元の雪を踏み固めて進路を制限する。 - 401◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:21:47
霧形態で森の障害物を利用し、ナメ籤は攻撃を分散させる。
だが雪神は氷雪の刃を自在に操り、複数の霧の塊を同時に凍結。
黒い霧は地面に沈み、赤や青の粘液も硬化して動きが止まる。
雪神は息を整え、さらに強力な冷気の拳を振るう。
霧の塊が砕け飛び、ナメ籤のスライム形態も粉々になる。
黒い線は四方八方に散らばるが、雪神の冷気に触れた瞬間、凍結して砕け散る。
「……これで、最後だ」
アマユキヒコノミコトは雪の刃を一気に集中させ、地面を叩きつける。
衝撃波と冷気でナメ籤の残存霧も消滅し、森は再び静寂に包まれた。
黒い霧もスライムも、跡形もなく凍り付いて消え去った。
雪神はゆっくりと立ち上がり、森の静けさを確認する。
掌の冷気を解き、息を整えた。
周囲の空気は凍りついたままだが、ナメ籤の脅威は完全に消えた。 - 411◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:22:49
森は戦いの痕跡で混乱していた。
黒い霧が消えた後も、粘液で覆われた地面や砕けた木々、凍結した葉が無数に残る。
アマユキヒコノミコトは足元の雪を踏みしめ、静かに森を見渡した。
全てが凍りつき、風もなく、まるで世界の時間が止まったかのようだった。
「……やはり、奴の力は侮れない」
掌から冷気を消し、空気を元の温度に戻す。
しかし、森の奥からまだかすかな動きが感じられる。
氷に閉ざされた黒い線の残滓が、ゆっくりと這い動くのだ。
ナメ籤は完全に消えたわけではない。
雪神はゆっくりと息を整えながら、手のひらに新たな冷気を集める。
細かな雪の結晶が掌に集まり、光を反射してまぶしく輝く。
「逃がすわけにはいかない……」
その一言で、残存する霧状のナメ籤に向けて雪の刃を飛ばす。
黒い線は必死に避けようとするが、冷気が増幅されるたびに動きは鈍くなる。
一方で、森の中では霧が凍結して粉々になる音が響く。
枝や葉も凍りつき、地面はまるで鏡のように滑らかになった。
ナメ籤は無数の粘液を残しつつも、雪神の圧力に押され、徐々に森の中心へと追い込まれる。
「……止まらない、止められない」
小さな声で呟くように言ったその瞬間、雪神は拳を強く握り、冷気の嵐を掌から解き放つ。
霧は一瞬で凍結し、砕け散る。
スライム形態の塊も同様に割れ、残存する粘液も瞬時に固まり、動きを止める。
地面に残った凍結した黒い線を見下ろし、雪神は息をつく。
森の静寂が再び戻り、戦いの残響だけが空気に漂った。 - 421◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:23:52
アマユキヒコノミコトは雪の上に立ち、深く息を吸い込む。
「……もう大丈夫だろう」
しかし、雪神の赤い目はまだ周囲を警戒している。
完全に消えたと思っても、ナメ籤の不気味な性質は、わずかな残滓から再び形を取り戻すかもしれない。
森にはまだ微かな気配が残り、雪神は慎重に足を進める。
凍結と粘液の混ざった森の空気は、静かに、しかし確実に戦いの痕跡を語り続けていた。
雪神はその痕跡を一つ一つ確かめながら、森を後にする準備を始めた。 - 431◆ZEeB1LlpgE25/09/01(月) 23:24:05
以上
- 44二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:25:41
面白かったです
今日は早いな、このまま第四回戦まで行ったりしそう - 45二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 23:28:53
霧になったりスライムになったりするナメ籤…
もしやナメ籤が脱出した研究所はスライム工場の傘下企業…?