- 1125/09/01(月) 21:06:07
- 2125/09/01(月) 21:08:24
前スレ
【クロス注意】幼馴染inNRC Part23|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼プロローグ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com▼第一章
【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第二章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第三章
幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第四章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第五章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part11|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第六章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part14|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第七章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part18|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com - 3125/09/01(月) 21:13:43
- 4125/09/01(月) 21:15:54
素敵な支援SS様
……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.netなんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.netマスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.netもぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.netドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net - 5125/09/01(月) 21:17:37
- 6125/09/01(月) 21:33:02
- 7125/09/01(月) 21:35:43
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
*😺グリム 100/100、 93/91
*❤エース 100/100、 43/88
*♠デュース 100/100、 100/93
*🌹リドル 91/93、 79/100
*🔶ケイト 99/100、 85/87
*☘トレイ 30/27、 60/40
*🦁レオナ 26/74、 53/44
*🍩ラギー 14/59、 72/21
*🐺ジャック 84/100、 52/91
*🐙アズール 75/100、 94/31
*🐬ジェイド 26/65、 21/43
*🦈フロイド 8/33、 28/69
*🦦カリム 77/100、 49/86
*🐍ジャミル 95/84、 69/63
*👑ヴィル 100/100、 80/100
*🏹ルーク 100/100、 95/100
*🍎エペル 100/100、 100/100
*💀イデア 100/82、 71/64
*🔥オルト 84/46、 25/36
*🐲マレウス 95/70、 27/22
*🦇リリア 73/53、 100/31
*⚔シルバー 77/99、 98/48
*🐊セベク 24/54、43/19
*🐶クルーウェル 56/-、 13/-
*📚トレイン 78/-、 36/-
*🦾バルガス 16/-、 6/ - 8125/09/01(月) 21:38:23
前回までのざっくりあらすじ
マレウスの作り出した魔法領域から抜け出すため、イデアの立てた作戦のもとで仲間集めのために夢巡りの旅を続ける出久たち。
ナイトレイブンカレッジでのいつメンの一人であるデュースも夢巡りの旅に加わり、ケイトに続いてエースを仲間に加えようと夢を訪れた出久一行だったが、エースは中々夢から醒めなかった。
ケイトとの会話で「戦いたくない」というエースの本心を聞いた出久は彼に語り掛けたのだが―― - 9二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 21:50:04
立ておつ
- 10125/09/01(月) 22:10:18
面と向かって否定の言葉を受けた出久の胸に鈍い痛みが走る。けれどもそれは、出久にとってはとうの昔に慣れてしまったもので、心を揺るがすようなものではなかった。
🥦「――それでも、僕は友だちである君のことを、もがっ」
🔶「しーーっ。ちょっとここはエースちゃんの先輩であるオレに任せてくれるかな、ミドリヤちゃん」
エースのことを守りたい、と続けようとした出久の口が、後ろからケイトの手で優しく防がれた。振り向けば、ケイトがウインクしている。
🔶「……エースちゃんは頭の回転が速いから、あれこれ先回りして身構えちゃうんだろうね。人のことをよく観察してるから、ミドリヤちゃんたちの強さもわかっちゃうんだろうし」
先程までエースを分身で取り囲んでリンチしていたとは思えないほどに優しい口調でケイトが話し始める。
♥「…………」
🔶「でもね、オレ、覚えてるよ。リドルくんがオーバーブロットした日、自分を見失ってたリドルくんを一番最初に叱りつけたのがエースちゃんだったこと」
♥「え……?」
🔶「他のトランプ兵は何も言えなかったけど、エースちゃんだけはリドルくんの言ってることがダメだってちゃんと真正面から伝えてたよね。それに、初めてオーバーブロットなんて見て、リドルくんの圧がヤバくて『こんなの勝てるわけないじゃん』ってオレが逃げなきゃって考えてたときも、エースちゃんは真っ先にミドリヤちゃんたちに加勢してた。超カッコよかったよ」
🥦「……ぷはっ。うん。あのとき、エースくんたちが一緒に戦ってくれて、すごく心強かったよ」
あの日のことはよく覚えている。初めて見たオーバーブロットという現象への恐怖も、薔薇の庭園にいた沢山の生徒たちを守らなければという使命感も。エースとデュースとグリムが魔法で加勢してくれたときの安心感も。
🔶「お前たちがいたから、オレは逃げ出さないで戦えた。あん時はちゃんと言えなかったけど……ありがとな」
ケイトの声は普段の明るさがなりを潜め、低く大人びている。エースは『闇』の沼の中から、じっとケイトを見上げていた。
🔶「だからさ……あのセリフ、今日はオレに言わせてくれる?」
🔶「『勝てる奴にか挑まないなんて、ダサすぎんでしょ!!』」
あの日、戦うことに後ろ向きだったケイトにエースが言い放った言葉。
それをそっくりそのまま返されて、エースは目を大きく見開いた。 - 11125/09/01(月) 22:12:54
Part2を見返してきましたが、当時のスレ主は『勝てる奴にしか挑まないなんて、ダサすぎんでしょ!!』のセリフをカットしていたのでこのスレには存在しないのだ
存在しない記憶になっちゃったけど、当時まだこの辺のメインストーリー実装されてなかったからってことで許してクレメンス - 12二次元好きの匿名さん25/09/01(月) 22:17:21
通すがりの月島さん『挟んでおいたよ』
- 13125/09/01(月) 22:54:26
🔶「ぶっちゃけ、マレウスくんと戦うのはオレもちょー怖い。ミドリヤちゃんとバクゴーちゃんみたいに、カッコいい笑顔浮かべながら戦うとかは絶対ムリ!」
🥦「……僕も本当は怖いです」
🔶「ええっ、そうなの!?」
🥦「はい。……でも、『怖い時、不安な時こそ、笑っちまって臨むんだ』って憧れのヒーローに……オールマイトに言ってもらったんです。僕もオールマイトみたいに笑顔で人を救けられるヒーローになりたいから、その言葉を実践して自分を奮い立たせてるだけなんです」
🔶「……そっか。なんか感覚バグってたけど、ミドリヤちゃんたちも普通の高校生なんだね」
♥「…………」
🔶「ねぇ、エースちゃん。オレたちはヒーローじゃないけどさ、暗い森の中で『帰り道がわからない』って泣いてる子どもでもないし……誰かの助けを待つのとか、ガラじゃないじゃん。腹くくって、一緒にいこーよ」
🔶「オレたち、ダサいまんまじゃ終われない。そーだろ、エース!」
ケイトが今度こそエースに手を差し伸べる。その手を見つめながら、エースは今にも泣きそうな笑顔を浮かべたた。
♥「…………は、あはは。あははははははっ!」
♥「ケイト先輩、それ……めっちゃズルくね?ここで逃げたらオレ、マジでカッコ悪すぎんじゃん……!」
エースの手が『闇』をかき分け、ケイトの手を取った。
♥「ああ、もう……わかったよ!起きればいいんでしょ、起きれば!」
🔶「そうこなくっちゃ!ミドリヤちゃんも手伝って!引っ張り上げるよ!」
🥦「はい!!」 - 14125/09/01(月) 23:20:08
重たい『闇』の沼からエースを引き上げると、エースは完全に目が醒めた衝撃で叫び声を上げた。同時に、バカンス用のアロハシャツがハーツラビュルの寮服へと変化した。
♥「はぁ、はぁ……ッ、あー、くそ!頭がクラクラする!」
🔶「ははっ……よーやく、お目醒め?おはよ、エースちゃん♪」
♥「アンタが無理やり起こしたんでしょーが!ほんっと、意地悪ぃ先輩!」
🥦「エースくん、目が醒めてよかった。……あの、さっきはごめ」
♥「あーあー、ストップ!別にお前が謝ることなんてないじゃん」
出久の言葉を遮ったエースはきまり悪そうに頬をかいた。
🧨「てめーら、長話は済ンだかよ!!」
――BOOOOOOM!!と爆音が響き、エースを再び『夢』に沈めようと動き出した『闇』の前に勝己が降り立った。
🥦「かっちゃん!」
🔶「今おたすけを呼ぼうと思ってたとこだったけど、さっすがヒーロー!こっちのピンチはお見通しで助けてくれるんだね♪」
🧨「ハァ?甘えンな。ヒーローはクソ程忙しいんだから、追いかけられとる程度の被害ならまずはてめーの方から通報しろ」
🔶「うわぁ、急なマジレス!ま、でもそれはそーね。レオナくん、みんな~!たすけて~~!」
楽しそうに叫ぶケイトの声に合わせて、レオナたちも草影の向こうからやってきた。
🦁「ふん、都合がいいこった。まあいい……軽く体を動かしたいと思ってたところだ」
♠「エース!いっちょヤキいれてやろうぜ!」
♥「ははっ!出た、デュースのワル語録」
悪ガキのような笑顔を浮かべて隣に立ったデュースを見て、エースにいつもの笑顔が戻った。
♥「オッケー……すぐに詰んでやるよ!」
*霊素ダメージロール
出久(77) + dice1d5=5 (5)
爆豪(69) + dice1d5=2 (2)
グリム(75) + dice1d5=5 (5)
シルバー(65) + dice1d5=1 (1)
セベク(83) + dice1d5=2 (2)
- 15125/09/01(月) 23:49:47
😺「オイ、エース~~~!!」
♠「手こずらせやがって、このやろ~~!」
周囲の『闇』を全て消滅させたとたん、グリムとデュースが満面の笑みでエースを小突いた。
♥「いてっ!はぁ~?オレのせいじゃなくて、お前らの説明の仕方が悪いんでしょーが!ケイト先輩もひどくね?いきなりユニーク魔法使って殴りかかってくるとか、ありえねー!」
🔶「あははっ、ゴメンゴメン!でも作戦成功☆結果オーライ♪じゃん?」
🥦「……エースくん。君が起きてくれてよかった」
♥「ミドリヤ……」
ひかえめに話しかけた出久を見て、エースはまたきまりが悪そうに眉をしかめた。
♥「あ~、もう!なんでお前がそんな顔すんだよ!ミドリヤはなんも悪いことしてないでしょーが!」
🥦「えっ……」
♥「……その、お前がオレのこと心配して言っただけだってことくらいわかってるし。………………あんなこと言ってゴメン」
🥦「……!!ううん、僕の方こそゴメン!」
♥「だーかーらー、なんでお前が……って、言ってもキリねーわ、あはは!」
互いに「ごめん」を済ませて、出久とエースは一緒に笑いあった。
🧨「――…………」
♥「で~?バクゴーはオレになんかないワケ?」
🧨「ね~~~~~~わ!!!起きンのが遅すぎンだよクソボケ!!!!」
♥「げぇっ、お前マジで通常運転過ぎんだろ!!もー、寝覚め最悪なんですけど……」
寝起きの頭に爆ギレボイスを叩きこまれたエースはげんなりと肩を落とした。
♥「つーか……今までの流れでココがマレウス先輩が作った夢の中だってことはわかったんだけどさ。アンタら、一体どーやってマレウス先輩に勝つつもりなわけ?」
🔥「それに関しては僕から説明させてもらうね。この動画を見てくれる?」
すでに説明スタンバイ状態だったオルトにイデアのタブレットに表示した『マレウス攻略』を見せられると、エースは自分が置かれている状況が完全にもらい事故であると理解して「マジで納得いかね~~~~~~~!」と天に向かって叫んだ。 - 16125/09/02(火) 00:03:39
♥「ま、もう目が醒めちゃったもんはしょうがないし、仕方ないから一緒に行ってやるよ」
🔶「イェーイ!いつメンクインテットついに集結だね♪んじゃ、記念に1枚」
🧨「勝手に撮ンじゃねーーわ!!」
🔶「うわ!バクゴーちゃんがものすごい見切れ方しちゃった。ま、これはこれでバズりそうだからいっか♪」
衝突もあったが、何はともあれ一件落着。
ケイトは笑顔でピースをしている4人と限界まで首を伸ばしてカメラの画角から顔を外そうとする勝己が収められた写真を夢の中の自分だけのマジカメにアップした。
普段の調子を取り戻したエースは早速セベクを煽って口論に発展したが、「あんまり先輩たちを困らせてると、後でリドルくんに言いつけちゃうからね?」というケイトの一声でセベクともどもピタリと静かになった。
エースは言わずもがな。セベクも馬術部でのリドルの後輩であり、怒ったリドルの恐ろしさが身に染みているらしい。
🦁「なるほどなァ。1年坊どもには『赤鬼が来るぞ』って脅し文句が一番効くわけか」
💀「実際は、こっちからその赤鬼を訪ねて行かなきゃいけないんですけどね。でもその前に……最高のなだめ役を起こしてからにする予定」
次に訪れるのはトレイの夢。エースはオルトから『招待コード』を受け取ると、「ぜって~『迷惑かけてごめんなさい』って言わせてやっからな!」と息巻いた。
ヒーロー精神をもたずとも、プライドと負けず嫌いで格上にも噛みつきにいくのがナイトレイブンカレッジ流だ。
オルトがエースのダミーデータを出力すれば、出発の準備は万全。
トレイの夢を目指し、出久たちはシルバーにしがみついて『夢の回廊』へとダイブした。 - 17125/09/02(火) 00:12:07
このスレのシリーズのどこかでデクとマブの喧嘩シーン入れたいな~とボンヤリ思ってたので、エース夢にもってきました
デクには皆と仲良くしてニコニコしててほしいのですが、デクの性格でNRC生の誰とも衝突起こさないのは流石に嘘だろ……という謎のこだわり
デクはモブNRC生に「良い人すぎて逆に腹黒そう」とか「善人ぶっててキモイ」とか、ネージュを見た時のエースとジャミルみたいな陰口叩かれるタイプだと思う
(そしてモブNRC生はわりとチョロイので、実際に話したらマジで良い奴なので掌クルクルされるやつ)
かっちゃんは普通に「クソの下水煮込み」「暴言製造マシン」「爆発さん太郎」「異常者」って言われてると思う
表情筋も暴言もデズニー世界に馴染まなさすぎるので
良さを知るにはある程度親密度を上げる必要があるけど異常に難易度が高くてモブには無理なタイプ - 18二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 06:25:01
頷き過ぎて赤べこになってる
- 19125/09/02(火) 10:33:38
次に出久たちが降り立った先は、ハーツラビュル寮の前だった。あたりにはバターや砂糖の良い香りが漂っている。トレイがキッチンでお菓子を作っているようだ。夢の主と接触するため、出久たちは早速ハーツラビュル寮に入っていった。
季節のフルーツのタルトにパイ、バターたっぷりのスコーンにクッキー。それから野菜のキッシュ。良い匂いにつられたグリムはイノシシのようにキッチンに突撃していったが、「ちょっとストップ」とケイトに抱え上げられた。
🔶「けーくん、いきなり全員でキッチンに入るのはやめたほうがいいと思うな。この中にはトレイくんだけじゃなくて、NPCのオレらが一緒にいる可能性がある。鉢合わせたらバトルになるかもしれないでしょ」
🦁「そもそも、キッチンにこの人数でぞろぞろと入っていくのもおかしいだろ」
🥦「確かに……」
そういうわけで、キッチンへの先遣隊を派遣する流れになった。メンバーは『闇』と鉢合わせてもユニーク魔法を言い訳にできるケイトをハーツラビュル代表として、ケイトと一緒にいても違和感が少ない同級生のレオナとイデア、そして「学園での困り事で話しやすい先輩に頼りにきた」という設定でトレイに会いに行っても違和感が比較的少ない出久と勝己に決まった。
🔥「兄さんのタブレットに内臓されたマイクを通して、僕たちも話は聞いてるからね」
😺「なぁイズク~。トレイのケーキ、いっぱい持ち帰ってきてほしいんだゾ~」
🥦「う~ん。『闇』でできたお菓子かもしれないから、今回は我慢してね」
😺「ふな~~~」
今にもよだれを垂らしそうなグリムをエースとデュースに預け、出久たちはケイトに続いてキッチンに足を踏み入れた。 - 20125/09/02(火) 10:45:41
🔶「うわあ!?なにこのキッチン!?普段の5倍……いや10倍は大きくなってる!」
トレイの夢のキッチンは、建物の寸法や間取りを丸無視した広さになっていた。最も、ハーツラビュルは現実でもところどころ空間が歪んでいて上下左右が逆さまになっており、お茶会にお呼ばれした際の出久と勝己の三半規管を破壊しにくる構造になっているから、今更なことではあるが。
広々としたキッチンには最新の調理家電がずらりと並び、調理台の上には山のようなケーキが隙間なく敷き詰められている。それでも作り足りなかったのか、ケーキやプリンが魔法でふわふわと空中に浮かされていた。
🦁「甘ったるい匂いで鼻がバカになりそうだ。食べてもないのに腹一杯だぜ……」
🥦「トレイ先輩って本当にお菓子を作るのが好きなんですね」
🔶「ね~。ウチの寮でお茶会が開かれるときは、いつもトレイくんがお茶請けを作ってくれててさ。『作るのは苦じゃない』って言ってたけど、お菓子作りって大変だし、本音はしんどいのを我慢してやってくれてんだろうな~って思ってたんだけど……」
💀『この夢の状況をみると、本当にお菓子を作るのが楽しくてしょうがないとしか思えませんな』
🔶「うん……オレもそう思う」
キッチンの様子に驚いていた出久たちだったが、パイの山の向こうから話し声が聞こえてきたので、あわてて調理台の影に身を隠した。 - 21125/09/02(火) 10:59:28
🐈「ハフハフッ!相変わらずおみゃーの焼くミートパイは抜群やわ」
☘「ホールケーキの最初の1ピースは寮長のもの。……とはいえ、まだ冷まし終わってもいないのにつまみ食いするなよ、チェーニャ」
🐈「トレイのミートパイは出来たてアツアツが一番美味いからにゃあ。最初に食えるのは、寮長の特権だわ」
パイの山の向こうにいたのは、見慣れない厨房着姿のトレイと、現実ならばリドルが頭に冠しているはずの、ハーツラビュルの寮長の証である王冠を被ったチェーニャの姿があった。
🔶「あれは……トレイくんと、チェーニャン!?」
🧨「眼鏡の野郎、今あのイカレ猫のことを『寮長』っつってたな」
🥦「この夢でのハーツラビュルの寮長はチェーニャさんになってるってこと?」
🦁「誰だ、あの縞猫野郎は。ウチの学園で見たことねぇな」
チェーニャと面識のないレオナとイデアに、ケイトが軽く説明を捕捉した。チェーニャはトレイとリドルと同郷出身の幼馴染で、現実ではロイヤルソードアカデミーの生徒である。
🦁「フン。参謀役2人が揃いも揃ってボスの首をすげ替えている夢を見ているとは。……流石にリドルのヤツに同情するぜ」
💀『やっぱりトレイ氏やケイト氏みたいな、普段ニコニコしてて腹の中が読めない人種が一番おそろしいっすな』
レオナは皮肉たっぷりにニヤニヤと笑い、タブレット越しのイデアの声は笑いをこらえるように震えている。
普段はいがみ合っている者同士でも、同じ相手をディスるときだけ息がピッタリになるのがナイトレイブンカレッジ生というものである。 - 22125/09/02(火) 11:08:28
🔶「やっほートレイくん、今日もお菓子作りに精が出てるねぇ♪」
☘「ケイト?……っと、お前は本体じゃないよな」
🔶「えっ?なんでわかったの!?」
夢の主であるトレイに早速コンタクトを取りに行ったケイトだったが、瞬時にこの夢のケイト本人ではないと見抜かれてギョっと目を開いた。
☘「もう3年の付き合いになるんだ。それくらいわかるさ」
🔶「へ、へぇ~……そうなんだ?今までもすぐにバレてたってこと?」
☘「時と場合によるけどな。今日は普段と随分様子が違うから、すぐわかったよ」
トレイはからからと笑うと、ケイトの後ろにいた出久と勝己に気がついた。
☘「おや、ミドリヤとバクゴーじゃないか」
*トレイの様子 dice1d2=2 (2)
1.兄感たっぷりの優しい笑顔
2.心配したような焦り顔
- 23125/09/02(火) 11:22:58
☘「どうしたんだ、お前たち。そんなにやつれてしまって。お前たちがいつもストイックに厳しいトレーニングをこなしているのは知ってるが、根を詰め過ぎたらかえって毒だぞ」
🥦🧨「「???」」
☘「ちょうどもうすぐ新作のケーキが焼き上がるところだから、試食がてらエネルギーを補給していくといい」
トレイはテキパキとダイニングスペースを整えると、出久と勝己を座らせた。
🥦「……この夢の僕たちって、現実の僕たちとちょっと違うのかな」ヒソヒソ
🧨「今までの夢の感じじゃ、何らかの改変入っとってもおかしくはねーが……」ヒソヒソ
☘「ところでケイト、今日は随分と珍しいお客さんも連れてるんだな?」
トレイはケイトに同行してきたレオナとイデアを見て首を傾げた。一応同級生とはいえ、現実でレオナがハーツラビュルを訪れることはまずないし、イデアはケイトと同じクラスだがそもそも自室から出てこないので、当然の疑問ではあるが。
🔶「こないだの小テストの結果がちょーっと悪かったから、天才くんたちに勉強教わろうと思って」
🐈「実践魔法の小テストか。わからない場所があるんだったらリドルに聞けばいいがね」
🔶「……リドルくんって、この寮にいるの?」
🐈「そりゃおるわ。あいつはウチのトランプ兵なんだから。リドルは魔法の勉強が好きだからねぇ。俺たちん中じゃ、一番魔法が得意で物知りさ」
🦁「ふぅん?それほどの実力がありながら、ソイツは寮長になってねぇのか」
☘「リドルが寮長に?はは、そういえばあいつが入学してすぐの頃……『寮長の座をかけてチェーニャに挑む』と言い出して驚いたっけ」
💀『でもリドル氏が寮長になってないなら……決闘に勝てなかったってコト!?』
「リドルが決闘に勝てなかった」という話を聞いて、レオナは驚きで目をかっ開き、イデアはバイブレーション機能が入ったかのようにタブレットを震わせた。
リドルはとにかく魔法の発動が速い。ほとんど詠唱を必要としないリドルの魔法相手では出久と勝己すら完全に無傷で接近することは難しく、さらに魔法の威力もペース配分を完全に無視した超火力。この世界に来てから何人もの魔法士と戦ってきた二人だが、決闘のような短期決戦ならばリドルは最強クラスだったと言える。 - 24125/09/02(火) 11:42:17
驚く面々に、チェーニャは「あいつのユニーク魔法、俺には効かないからにゃあ」と自身のユニーク魔法『笑う縞猫(ノット・オール・マイヘッド)』を披露した。
🐈「ウェッヘッヘッヘ。はねる首がなきゃ、リドルもお手上げってわけさ」
チェーニャの首から下が消えてなくなる。単に透明化しているわけではなく、物質としての存在そのものが消えている。通形の『透過』に似た性質のユニーク魔法だ。
出久と勝己は見慣れた現象だが、魔法としてはかなり特殊な部類に入るようで、魔法構築式の予測が立たずにレオナもイデアも奇妙なものを見る目で生首になったチェーニャを見ていた。
🐈「そいじゃあお客さんがら、ゆっくりお茶でも飲んでいきにゃあ」
話が一区切りすると、チェーニャはそのまま全身どこかに消えてしまった。
☘「まったく。寮長の気分屋にも困ったもんだ。……っと!まずい。そろそろケーキが焼き上がる時間だ。オーブンから取り出してくるから少し待っててくれ」
トレイがキッチンの奥へと引っ込んだ隙に、出久たちはヒソヒソとこの夢の情報を整理した。
この夢ではトレイの幼馴染であるチェーニャがナイトレイブンカレッジに入学して寮長を務めており、リドルはチェーニャに勝てないために一寮生のまま。チェーニャが治めるハーツラビュルの寮でトレイは好きなだけお菓子作りを楽しんでいる。というのが、今のところ得られた情報だ。
トレイに都合の良い設定の改変は随所に見られるものの、他の夢の突拍子のなさを思えば、随分と平和的な夢だった。
💀『こういう、妙にリアルな夢は現実との齟齬を突きつけづらくて一番手強いまであるんだよなぁ。……ケイト氏、なんかトレイ氏を起こすアイデアないの?』
🔶「なんかって言われても……。うーん」
そうこう話している間に、デザートをもったトレイが戻ってきて「よかったらお前たちも試食してくれないか」と3年生たちを出久たちと同じテーブルに座らせた。
「俺たちにだけ試作品の毒見をさせるつもりか?」とレオナの言葉もあり、トレイも一緒になって同じテーブルを囲む形になった。 - 25二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:09:53
見た感じ平和な夢だけど前スレのレスを見る限りジェイドと同タイプの夢なんだよね
- 26二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:40:40
トレパイからやつれた判定出たってことは、この夢の幼馴染はもう手遅れなんやろなぁ……
- 27二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 13:49:14
やつれた判定⁉︎ケイト先輩は様子が違うなのに二人はやつれた!?やつれた二人…トレパイの言うやつれたとはいったい…
- 28二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 16:57:03
このレスは削除されています
- 29125/09/02(火) 16:58:19
初めにトレイがサーブしてきたのは、グラスに入った淡い黄色が涼やかなカップデザートだった。
☘「こないだ手に入れたレシピ本に乗ってた、レモンジュレとヨーグルトのデザートを試作したんだ。さ、どうぞ召し上がれ!」
🔶🥦「「いただきます!」」
🔶「んっ!レモンジュレの中に、刻んだレモンの皮が入ってる。適度な苦みがオレ好み♪」
*満腹度➀
出久 dice1d20=13 (13) 、爆豪 dice1d20=11 (11)
ケイト dicec1d20= 、レオナ dicec1d20=
カップデザートは美味しかったが、レオナが「これじゃ食べた気がしない」と先ほどチェーニャに出していたミートパイを所望したので、トレイは快くミートパイを切り分けてサーブした。
☘「今日は8号サイズを4つ焼いたんだ。1切れといわず、5切れでも10切れでも食べてくれ!」
🥦「8号サイズを4つ!?……8号サイズってどれくらいの大きさだっけ」
☘「8号は直径24cmで、大体8人から10人分くらいのサイズだな。ミドリヤも食べ盛りなんだから、遠慮せずにどんどん食べてくれ!」
🦁「はぐっ……むしゃむしゃ……うん、やっぱり甘い物より肉がいい」
*満腹度②
出久 dice1d50=3 (3) +➀、 爆豪 dice1d50=34 (34) +➀
ケイト dice1d50=36 (36) +➀、 レオナ dice1d50=17 (17) +➀
ミートパイを食べ終えると、「他にも肉を使ったケーキはねぇのか」と言うレオナのために、トレイはチーズとサラミのクッキーを焼いてくるといって立ち上がった。
☘「クッキーが焼き上がるまで、軽くフルーツパンチでもどうだ?焼きたてのマカロンもあるぞ」
🥦「ありがとうございます。……だんだんお腹いっぱいになってきちゃった」
🧨「いくらなんでも作り過ぎだろ」
🥦「もぐもぐ。美味しいから食べられちゃうんだけどさ。もぐもぐ」
*満腹度③
出久 dice1d50=10 (10) +②、 爆豪 dice1d50=12 (12) +②
ケイト dice1d50=14 (14) +②、 レオナ dice1d50=10 (10) +②
*アイデアロール (1.成功、2.失敗)
出久 dice1d2=2 (2) 、 爆豪 dice1d2=1 (1)
- 30125/09/02(火) 16:59:23
- 31125/09/02(火) 17:24:55
🦁「アイツから話を聞けば覚醒のきっかけが掴めるかと思ったが……全く落ち着いて座ってねえ」
🔶「トレイくん、何にも縛られずにお菓子を作りまくれてて、ほーんとに楽しそう」
💀『拙者は逆に恐怖を感じますが……オーブンとレンジと鍋とフライパンと冷蔵庫から、どんどん食べ物が出てくる』
いったいどれほど手際よく作ればそうなるのか、ポップコーンが弾けるような勢いでキッチンに並ぶデザートが増えていく。
🧨(……料理の試作にゃある程度の廃棄は付き物だが、眼鏡が進んで食品を棄てるとは思えねぇ)
🧨(この大量の菓子……。学園の生徒全員に配っても余る量だが……誰が食ってンだ?)
☘「おーい、お前たち。スティッキー・トフィー・プティングが焼けたぞ!」
🦁「追加の菓子はもういい。テメェもこっちで食うのを手伝えよ」
☘「悪い悪い。キッチンに来ると、どうしても作ることに夢中になってしまって」
トレイはテーブルに座るついでにスティッキー・トフィー・プティングを全員分テーブルに並べた。
*満腹度④
出久 dice1d50=47 (47) +26
爆豪 dice1d50=10 (10) +57
ケイト dice1d50=49 (49) +68
レオナ dice1d50=39 (39) +32
ようやく席についたトレイから情報を聞き出すため、話し上手なケイトを中心に雑談を装って探りを入れる段階が来た。この夢を形成する核を探るため、「お菓子作り」に関する話題が中心だ。
話を聞くと、トレイはケーキ屋の息子であり、お菓子作りは小さな頃からの日常だったらしい。ドハマリしたきっかけは、菓子作りが科学実験と似ていて面白かったからだそうだ。
☘「スイーツが自分の想像通りの仕上がりになった時の満足感は、ほかじゃなかなか味わえないよ!しかもその成成果物は、俺だけじゃなく他人を満たすこともできる。一石二鳥だろ?」
🦁「はっ。食う人間の満足感はテメェにとっちゃあくまで副産物ってことか」
☘「副産物とまでは言わないけど……『美味しい』と言ってもらえば、もちろん嬉しいよ。自信もつくしな」
ハーツラビュル寮に来てからは広くて設備が整ったキッチンでお菓子を作り放題。しかも自分では完食できないお菓子は寮生が喜んで平らげてくれるから余らせなくてすむ。そう言ってトレイは『夢』の中のキッチンをうっとりと見渡した。
- 32125/09/02(火) 17:42:33
☘「リドルも昔じゃ考えられないくらい、好きなものを好きなだけ食べてくれてる。よかったよ……本当に」
お菓子を食べながら、トレイが昔を振り返った。トレイの口から語られたのは、トレイとローズハート家のエピソードだった。
決闘騒ぎの前に、トレイから「リドルは勉強熱心で厳しい母親に全てを管理されながら育った」という話を軽く聞いてはいたのだが、改めて聞くと壮絶な内容だった。
リドルは分刻みで学習内容が決まったカリキュラムを強制され、着るものも、使う日用品も、つきあう友だちさえも母親に管理され、食事に至っては栄養バランスを取るためにグラム単位で量が決められていた。
幼い日のトレイとチェーニャは、地元で一番大きな家に誰が住んでいるのかを確かめるためにローズハート邸を覗き込み、そこで自習中のリドルと出会った。
そこから仲良くなって毎日の自習時間にリドルを遊びに連れ出していたが、トレイがリドルを実家のケーキ屋に連れていってイチゴのタルトを食べさせた日に、リドルの母親にバレてしまった。
🔶「クローバー家揃って、バッチバチに詰められたんだっけ?5時間も」
💀🦁「「5時間っ!?」」
🥦「この世界に来る前に教育学の本をかじってたけど……長時間のお説教は逆効果だってどの本にも書いてあったけどな……」
🧨「非合理的過ぎんだろ。ガキ相手ならゲンコツ一発で十分」
🥦「体罰もダメだからね!?……いや、君の家はあれで上手くいってるのか……?」
リドル母の激ヤバエピソードに、その場にいた者全員がドン引きである。当のトレイは「今となっては笑い話だよ」とカラカラ笑っていたが。
☘「親元から離れたことでリドルにもかなり変化があったみたいなんだ。チェーニャの後押しもあってか、今では自分の好きなものを好きなだけ食べてくれる。本人に言うと怒るだろうけど、俺もチェーニャもリドルのことは弟みたいに思ってるから……たくさん食べて、大きく育っていってる姿を見ると、頼もしい気持ちになるよ」
しみじみと語っていたトレイだったが、オーブンのタイマーが鳴ったことで再びキッチンに戻ってしまった。
今日は16時からお茶会があり、そのためのお菓子の盛り付けを始めないといけないらしい。 - 33125/09/02(火) 18:01:27
トレイがその場から離れたことで、話題は再びこの夢の分析に移る。
ケイトの話では、トレイはリドルが入学する前、「地元の知り合いが入学してくる」、「大人しい子だからみんな仲良くしてくれ」と話していたのだという。それが、数年ぶりに会った幼馴染はとびきり導火線の短い女王様に変貌しており、トレイに対しても昔の思い出なんてなかったかのようにそっけなかったらしい。
その後、リドルが入学一週間目にして寮長に就任し、トレイは寮生の投票によって副寮長に就いた。当時トレイは最大限リドルをフォローしていたが、メンタル的な負荷は大きかっただろうし、困ったときに幼馴染のチェーニャにそばにいてほしかったのではないか。ケイトはそんな風に仮説を立てた。
🔶「これがトレイくんの望んだ平和な世界かと思うと、いろいろ考えちゃうな。……入学してからずっと、オレはずっと傍観者であり続けた。でも本当は……オレにもやてること、もっとたくさんあったんだろうね」
🦁「はっ!お前が率先してあれこれお節介を焼いていれば、事態は好転したって?馬鹿馬鹿しい、自惚れるのも大概にしとけ。それにあの眼鏡野郎も眼鏡野郎だ。なんでも望みが叶う夢ですら“他人が何とかしてくれた”状態だなんて、俺にはさっぱり理解できねぇな」
――ドン、ドン!
未だにトレイの夢の核心に迫れずにいた出久たちだったが、突如地鳴りのような音がしてキッチンが揺れたこと
で、全員が一斉に立ち上がった。
同時にイデアのタブレットにオルトからの緊急通信が入った。
🔥『緊急事態発生!緊急事態発生!兄さん、至急応答せよ!』
💀『オルト?一体どうしたの?』
🔥『それが、大変なんだ!……うわあ、こっちに転がってきた!』
それきり、オルトの通信が切れてしまった。
🥦「今のって――。オルトくんたちが危ない、今すぐ救けに行かなくちゃ!」
🧨「おいタレ目!この寮の妙な仕掛けにでけぇモンが転がってくるようなヤツは!」
🔶「オレも知らない!多分、本当に下級生ちゃんたちがピンチなんだと思う!」
そうと決まれば即行動。出久と勝己は真っ先にキッチンの扉を開けた。だが、出久たちが出るよりも先に、オルトたちが全力でキッチンに向かって飛び込んでくる方が早かっった。
待機組が全員キッチンに滑り込んだ直後、猛スピードで転がってきた大岩のようなものがキッチンの扉に衝突した。 - 34125/09/02(火) 18:04:46
ちょっとダイス
*転がってきた岩?の数 dice1d2=1 (1)
1.2個
2.4個
- 35二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 20:38:32
- 36二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 20:39:41
家庭環境がかなり特殊な部類(かつ、使用人の陰口とか踏まえるとよろしくない部類)のレオナさんですらドン引きするレベルだから本当にローズハート家の教育環境が異常なんだよな…
とか考えるのがこの後全部吹っ飛ぶ訳だが - 37125/09/02(火) 22:33:16
- 38二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 22:34:55
このレスは削除されています
- 39125/09/02(火) 23:03:29
🌹?「こら、お前たち!何を騒いでいるんだい!?」
🔶?「まあまあリドルくん、そんなにカッカしないで。かわいー顔が台無しだよ♪」
「「うわあああああ~~~!!!???」」
追加で岩が二つ転がってきたかと思えば、そちらにはリドルとケイトの顔がついていた。
🧨「ファットガムかよ」
🥦「僕も同じこと考えてた。あれくらい太れたら、無個性でも質量ゴリ押しでヒーローになれそうだよね」
🧨「てめーの骨格じゃあそこまで肉付く前に膝の関節が死ぬから無理だろ。その前に糖尿病ンなってケガする度に体の末端を切断する羽目になンのがオチだ。絶対ェ試すなよ」
🥦「あはは、流石に試さないよ」
♥「何でお前ら冷静なんだよ!!他にもっとツッコむとこあるでしょーが!!」
岩、もといこの夢のエースとデュースはサイズが縦にも横にも人間の限界を突破しており、脚が生えたボールのような外見になってしまっている。
そのおぞましさに夢巡りのメンバーは阿鼻叫喚になったが、個性社会ではままあることなので、出久も勝己も「食べすぎたらそんなこともあるだろう」と雑に受け入れてスルーした。
☘「どうした?ケイトの叫び声が聞こえたが……ああ!みんな、お茶の時間のためのおやつを取りに来てくれたのか」
その時、お茶会用のクッキーを庭に届けにいっていたトレイが戻ってきた。トレイはボール人間と化したハーツラビュル生たちに何の疑問も抱かず、ニコニコと受け入れた。
☘「どれも美味しく仕上がってるぞ。どんどん庭のテーブルに運んで……ん!?どういうことだ!?エースとデュースが2人いる!!しかも、こっちの2人はかなりやつれてしまってる……一体どうしたんだ!?」
🥦「おっと。聞き覚えのあるフレーズだ。……もしかして、さっきトレイ先輩が僕たちを見て“やつれた”って言ってたのって……」
🧨「……この夢の俺らにも菓子を食わせまくっとったンだろォな」
♥「どうしたんだはこっちのセリフっすよ、トレイ先輩!!オレらはあんなにまんまるじゃないでしょ!しっかりして!」
☘「え……?お前たちは……まんまるじゃない……?」
全く当たり前の事実を聞かされて、トレイの夢が一瞬揺らいだ。 - 40二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:04:40
うーん
ヒロアカ世界には割とこういう人居そうだよな - 41二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:15:56
何回見てもここでフリーズする
え……?トレパイは……やっぱり普通じゃない……? - 42二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:33:40
- 43125/09/02(火) 23:35:30
🔶「ていうか待って?トレイくん、さっきオレのことすぐに分身だって気付いた時……『普段と様子が違うから』って言ってたけど……“普段の様子”はこのまんまる姿ってこと!?」
🦁「『好きなだけ菓子を作りまくれる平穏な世界』……。あの眼鏡野郎のことだ、絶対になにか裏があると睨んでいたが……ハッ!実際、ヤツに裏なんぞまったくなかったわけだ」
人間ボールたちを見ながら、ケイトはげんなりとした表情を浮かべ、レオナは馬鹿にしたように鼻で笑った。
🦁「だが、ただ1つ……ヤツの考える“好きなだけ”は俺たちの想像を遥かに超えていた。“好きなだけ”イコール“再現なく無限に”だったってことか」
🔶「オレ……初めてトレイくんのことヤベー奴って思ったかも」
⚔「なんてことだ、リドル!馬よりも大きくなってしまって」
🐊「剛脚を持つ駿馬たるヴォーパル号でも、あのリドル先輩を乗せて障害物は飛び越えられまい!」
🧨「飛び越えるどころか立ち上がれねーだろ」
♥「オレだってバスケの試合に出れないし、デュースだって陸上のレーンからはみ出しちゃうでしょーが!こんなのおかしいって!トレイ先輩、目を醒ましてくださいよ!」
☘「おか、しい……?俺がおかしいのか?」
🔶「自分がイカれてることに気づいてないのが、マジでヤバい!お前の望みはいつだって“平穏”と“普通”だったかん。この世界が“平穏”?“普通”?どっからどうみてもマッドだろ!目を醒ませ、トレイ!」
☘「“平穏”……?“普通”……?ううっ!なんだ?急に頭が……!」
ハーツラビュル生たちに詰め寄られたトレイが頭を抑え、再び夢が揺らいだ。
♥?「トレイ先輩!アイツらの言葉に耳を貸しちゃダメだ!みてよ。みんなやつれてて、目がギョロっとしてて……完全に偽物じゃん!」
🧨「やつれてはいねーだろ」
♥「そこじゃねーだろ!?あっちがまんまる過ぎることにツッコめよ!」
🧨🥦「「??」」
♥「うそでしょ!?お前らまさか、あのまんまるのオレら見てもあんまり違和感感じてないの!?」
♠「なんというか……こういうふとしたときに異世界人だって実感するよな……」 - 44二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:36:15
て お く れ
- 45二次元好きの匿名さん25/09/02(火) 23:37:16
ファットガムの罪が大きい
- 46125/09/02(火) 23:53:25
たとえ違和感が少なかったとしても、トレイの夢の『闇』の脅威はその質量だ。質量が大きければ物理攻撃の威力が増し、厚い脂肪は外的なショックを吸収する。
♠?「『なんでもない日』のパーティーは大切な伝統行事だ。邪魔する奴らは許さない!ハーツラビュルから追い出してやる!いくぞ、エース!」
♥?♠?「「うおおおおおおおおお!!」」
『闇』のエースとデュースは声を合わせ、同時に回転しながら襲い掛かってきた。
🧨「――ッ、てめーらさっさと撤退しろ!!ここは俺が防ぐ!!オラァッ!!」
⚔「俺も加勢するぞバクゴー!魔法障壁で奴らを受け止め……ぐはっ!!!」
🔥「ああっ!魔法障壁ごとシルバーさんが吹き飛ばされた!しかも、バクゴーさんが『爆破』で迎撃した方はピンボールみたいに跳ねまわって逆に危険度が上がってる!」
🥦「うわぁっ!?夢のエースくんがこっちに跳ね返ってきた!?なんて弾力なんだ!」
🔶「レオナくんのユニーク魔法で、あの『闇』砂にできないの!?」
🦁「こんな狭いところであれを使えば、テメェらも巻き添えだ。それでもやるか?」
🔶「うそうそ、やっぱなし!」
🐊「お前たち、ともかく走れ!奴らに平たい敷物にされるぞ!」
😺「うぎゃああああ!!絶対嫌なんだゾ~~!!」
🧨「チッ!俺が飛ばしちまったヤツは俺が引き受ける!てめぇらは転がってる奴らを避けることに集中しろ!!」
時空が歪んでいるハーツラビュル寮内で、地獄のような鬼ごっこが幕をあけた。
*霊素ダメージロール
出久(82) + dice1d5=5 (5)
爆豪(71) + dice1d5=5 (5)
グリム(80) + dice1d5=4 (4)
シルバー(66) + dice1d5=1 (1)
セベク(85) + dice1d5=1 (1)
- 47二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 06:57:38
ぐわーおさななコンビ最大値!
- 48二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 08:21:44
そろそろデクがマジでやばい
- 49二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 09:49:02
絵柄はコミカルなのにマジで危機
- 50二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 10:59:38
そしてしっかりと影でダメが出久に追いつきそうなセベクェ
- 51125/09/03(水) 11:47:54
一方その頃。キッチン内部には、トレイ本人と『闇』のリドルとケイトが残されていた。
🌹?「さあ、今日は何台タルトとパイを焼いてくれたんだい?ああ、もちろん最初の1ピースは、チェーニャ寮長に譲るとも!」
☘「最初の……1ピースを、チェーニャに?」
『闇』の発言にトレイは強い違和感を感じた。トレイはこれまでに何度も最初の1ピースをリドルに渡してきた記憶があるからだ。
☘「最初の1ピースは……お前のものだろ、リドル?」
一つ綻びが生じれば、連鎖的に幸福のメッキが剥がれ違和感が剥き出しになっていく。
☘「それに、リドルは『1日の必要栄養素』を厳格に守っているから、ケーキをホールで食べたりしない……!」
🌹?「トレイ?何を言うんだ。キミの作った最高のケーキが目の前にあって、我慢できる奴なんかいないよ。ふぉら、みふぇ!」
『闇』のリドルはキッチンに溢れるスイーツをわしづかんで次々と口の中へと詰め込んでいく。その汚らしく下品な食べ方にトレイの生理的嫌悪感がかきたてられる。
☘「ああ……お前たち、なんてひどい食べ方だ!見てるこっちの気分が悪くなる!ケイトは甘い物が嫌いだし、リドルは1日の栄養摂取量は必ず守る。お前らがそんなになるまで食べるはずがない!」
目の前の存在が偽物だと看過した瞬間、トレイの夢に亀裂が入った。
――ガシャン!
次の瞬間、キッチンに強い衝撃が走り、爆風と砂嵐で扉が吹き飛んでいった。
♥「ハァ、ハァ。バクゴーの個性とレオナ先輩のユニーク魔法でそこらじゅうの床に穴をあけて、『闇』を足止めしたのはいい作戦だったけど……」
😺「煤と砂がいっぱい飛び散って、鼻がむずむずするんだゾ~!は……ふぁ……ぶぇぇっくし!」
🥦「て、手強かった……。パンチしたら弾力で僕の方が弾き飛ばされたし、かっちゃんの爆破でも跳ねまわるだけであんまり効いてなかった……!!」
🔥「脂肪もあそこまで溜め込むと一種のステータスになるんだね。初めて知ったよ」
🥦「……今まで筋肉を鍛えることばかり考えてたけど、もっと脂肪もつけてみた方が良いのかな。こう……お相撲さんみたいな」
🧨「てめーにゃ太る才能ねぇからマジでやめとけ。内臓から逝くぞ」
🥦「くっ……。もっと屈強な感じになりたいのに……!」
♥「マジでお前らのまんまるへの抵抗の無さなんなの?」
💀『体形の評価基準が“強さ”しかないタイプの人?』 - 52二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 12:01:52
ファットさんはもちろんなんだけどクラスメイトに脂肪分でいろんなものを創造するヤオモモもいたしね
脂肪がつくとやれることが増えるなら太ろうとしても違和感ないや - 53125/09/03(水) 12:10:36
🔶「トレイくん無事!?『闇』とズブズブになってない!?」
☘「ああ……ケイト、お前たちのおかげで、今はっきりと目が醒めたよ」
♥♠😺「「やったー!」」
☘「やれやれ……どうやら俺は、だいぶ情けない姿を後輩に見せてしまったらしいな。ここらへんでちゃんと先輩の威厳を回復しておかなきゃな、ケイト」
🔶「オッケー、準備はできてるよ、トレイくん」
未だにキッチンでお菓子を食べ続けている『闇』に向かって、全員が戦闘体勢に入った。
🌹?「ふぉんな(そんな)!ろうして(どうして)!」
☘「口にものを入れたまま喋るなよ。ハートの女王法律以前の……マナー違反だ!」
*霊素ダメージロール
出久(87) + dice1d5=1 (1)
爆豪(76) + dice1d5=4 (4)
グリム(84) + dice1d5=3 (3)
シルバー(67) + dice1d5=4 (4)
セベク(86) + dice1d5=5 (5)
☘「はぁ、はぁ……本当に、すごい大きさだったな」
🔶「よくぞあそこまで育てたよね……全っ然褒めてないけど」
♥「マージで信じらんないんすけど!オレらのことあんなでっかくしちゃって」
♠「僕、クローバー先輩の作ってくれるお菓子が本当に大好きなんですけど……絶対に食べすぎないぞ、って心に刻みました」
☘「新しいレシピ本を買うたびに、あれもこれもと作りたくなってしまうんだが……過剰に作りすぎないように、自戒するよ」
😺「心配すんな、トレイ!もし作りすぎたらぜーんぶオンボロ寮にもってくればいいんだゾ。みんなに内緒で、オレ様が食ってやるから!」
🧨「オイ、クソ狸!散々矯正してやったつもりだが、まだ足りねぇようだな。そこに直れや」
😺「ヒィッ!」
『闇』を片付けてひと段落したところで、オルトが例の『マレウス攻略動画』をトレイに見せた。“平凡”を自称するトレイは恐縮しつつも、「俺でよければ」とリドルを起こしてマレウスと戦うことを承諾し、『招待コード』を受け取った。
オルトによるダミーデータの出力が完了してリドルの夢に向かう前に、トレイは「念のため」とキッチンからイチゴタルトを1ホール箱に詰めて持参した。
夢巡りの旅の人数が過去最大となりぎゅうぎゅう詰めだが、なんとか全員でシルバーにしがみついて出久たちは最後のリドルの夢を目指して『夢の回廊』にダイブした。
- 54125/09/03(水) 12:14:42
次がいよいよラストのリドル夢です
元ネタオマージュのシーンが多いのですが本筋に関係なさそうなシーンはバサバサカットします
リドル夢は最後だけあって難易度が高く、一人でオクタヴィネル3人分に匹敵するテキスト量になるのでカットしないとやってられないのだ - 55125/09/03(水) 12:42:03
次に出久たちが降り立ったのは、レンガ造りの赤い家が立ち並ぶ街だった。ここは薔薇の王国の首都である『緋色の都』で、リドルの実家からほど近い区画だと周囲の街並みを見たトレイが教えてくれた。
話に聞く“エグめの教育ママ”であるリドルの母と対面する可能性にエースとデュースが怖気づきながらも、ローズハート邸を目指して歩き出した矢先、目の前の路肩にパトカーが横づけされた。
♠「はっ!パ、パトカーだ!まさか僕たちを追いかけてきたのか!?」
🧨「何もしてねぇのに警察が追いかけてくるわけねぇだろ」
ワル時代に何度か警察のお世話になっているデュースが身構えたが、何もしていないので全くの杞憂である。
パトカーの警察官は後部座席に座っていた少年を引きずり下ろした。
🚓「まったく……お前を補導するのはこれで何回目だ?いつも言ってるが、この街のルールを守れ!」
🌹「ルール、ルールってうるさいなぁ!路上で歌を歌うことの何が悪いのさ?観てたみんなも盛り上がってたし」
パトカーが下ろされたのは、派手なパンクファッションに身を包んだ小柄な赤毛の少年だった。
🔶「あの子……よく見たらリドルくんじゃない!?」
「「「はあああぁっ!?」」」
着崩したファッション、バチバチのアクセサリー、派手なメイク、メッシュに染めた髪。雰囲気こそ普段の真逆だが、その顔と声は間違いなくリドルのものだった。それを裏付けるように、夢の主であることを示す光ろ小鳥が飛んでいる。
警察とリドルとの問答を横から聞いているところによれば、リドルは路上での爆音ライブを無許可で開催して警察に補導されたらしい。「許可をやってからやれ」と叱られるリドルの傍に、「いつライブをやりたくなるかはウチの女王様の気分次第だからにゃぁ」とどこからともなくチェーニャが現れた。
警察官は呆れながらも言うべきことを言ってパトカーで去っていく。リドルは懲りることなく、舌を出しながら「バンフラック!グラッカ!!」と耳馴染みのない罵声を浴びせかけた。
🥦「ばんふらっく?と、ぐらっか?ってどういう意味?」
♠「薔薇の王国の良くないスラングだ。……意味は聞くなよ!」
♥「てか寮長、あんなスラング知ってたんだ……」
薔薇の王国出身者が苦い表情で固まっているあたり、本当に良くないスラングらしいと察し、意味も気になったが出久はそれ以上深堀りはしなかった。 - 56二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 12:56:58
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- 57125/09/03(水) 12:58:00
パトカーが完全に去った後、リドルとチェーニャはトレイの存在に気づいて「久しぶりだね!」と駆け寄ってきた。
トレイが動揺を抑えつつ話を聞くと、この夢でリドルはチェーニャとツーピースバンドを組んでいるということがわかった。編成はリドルがボーカルでチェーニャがベース。歪な編成だが、メンバーが加入しても「音楽性の違い」ですぐに脱退してしまうらしい。なんでも、リドルの歌いたい曲のジャンルが毎日変わるので、誰もついて来られないのだとか。
🐈「ところで、おみゃーらはみんなトレイの学校の友だちかい?」
この世界でリドルはナイトレイブンカレッジに通っていないようで、トレイ以外は記憶から消えてしまっているらしい。軽く自己紹介をすると、リドルは夢巡りのメンバーをジッと見た後、「ボクらのバンドに入らない?」と勧誘してきた。
🌹「ギターとドラム、あとキーボードも探しているんだ。他にもダンサー、コンポーザー……未経験でも大歓迎!」
🔶「ホントに?じゃあ、けーくんギタリストに立候補しちゃおっかな~♪オレだけじゃなく、他のみんなもいろいろ楽器とかやってるよ」
ケイトが得意の話術で早速リドルと打ち解けた。
🔶「みんな、オレに話し合わせてね。このままどっかのカフェかライブハウスに雪崩れ込んで、リドルくんの覚醒の糸口を探そう」ヒソヒソ
*かっちゃん 演奏できる楽器(1.できる、2.できない)
・打楽器 1(自動決定)
・弦楽器 dice1d2=2 (2)
・鍵盤楽器 dice1d2=1 (1)
・木管楽器 dice1d2=1 (1)
・金管楽器 dice1d2=2 (2)
- 58125/09/03(水) 13:05:48
🥦「かっちゃんはドラムが上手なんだよ!文化祭のときもすごかったんだ!」
🌹「素晴らしい!ドラムはバンドには絶対欲しいポジションだよ!一緒に演奏しよう、かっちゃん!」
*かっちゃん リドルの“かっちゃん”呼び dice1d2=2 (2)
1.この場ではとりあえずスルー
2.ゾワっとしたので止めさせる
- 59二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 13:18:57
デクは文化祭編のOPでラッパらしきもの持ってたな…かっちゃんはハーモニカ
- 60125/09/03(水) 13:33:42
🧨「かっちゃん言うな!!俺には爆豪勝己っつう名前があンだわ!」
🌹「呼び方一つでそんなにカッカしなくてもいいじゃないか。それでバクゴー、ボクのバンドに入ってくれるよね?」
🧨「ハッ。観客全員音で殺すっつーくらいのつもりでやんなら、入ってやっても良いぜ」
🌹「音で殺す、だって!良いね、パンクじゃないか!もちろんそのつもりだよ!」
リドルはヤンキー風兄貴風をビュンビュンさせている勝己を見て、人懐こく笑って喜んだ。
🌹「そっちのもじゃもじゃ髪のキミはどうなんだい?」
🥦「えっと……僕は…………リコーダーとピアニカなら演奏できる、かな!」
🧨「てめーのは“演奏できる”じゃなくて“音が出せる”の間違いだろ」ボソッ
🌹「わあ、いいね!他のみんなは?」
リドルが期待で目をキラキラと輝やかせる。
グリムとエースとデュースは『VDC』での功績を挙げて歌とダンスの能力を押し出し、セベクはマレウスに憧れてバイオリンを齧った経験を、シルバーは父に教わったというオカリナの技術を、オルトはイデアにインストールしてもらったシンセサイザーやマニピュレーター、照明演出等のスキルをアピールした。
🌹「す……すごい!みんながバンドに加入してくれたら、今までにないマッドでカオスなバンドになるに違いない!」
🐈「昔から何度誘っても絶対にバンドに加入してくれないトレイと違って、友だちはみんなノリがいいにゃあ~」
キャッキャッとリドルが飛び跳ねて喜んだ。掴みは上々だ。
🌹「それではさっそく決起集会だ!ボクの家へ出発!」
ルンルンと軽い足取りでリドルが歩き出す。反対に、トレイは顔色を真っ青にして冷や汗を流し始めた。
🥦「トレイ先輩、大丈夫ですか?顔色が悪いですけど……」
☘「ああ、いや、ちょっとな。リドル、俺とチェーニャはお前の家に出入り禁止のはずだろ?お前の母親に知られたら……」
🌹「突然何を言い出すんだい?そんなことあるわけないじゃないか!ママも久しぶりにトレイに会えたら、喜ぶに違いないよ。さあ、着いておいで!」 - 61125/09/03(水) 13:42:07
トントン拍子にことが進んだせいで、なんの前準備もナシにいきなりラスボス戦に突入してしまったかのような雰囲気が流れる。リドルの母親を警戒してエースとデュースはネクタイを締め直したし、グリムもリボンが曲がっていないか出久にチェックを求めた。念のため、ということでエースは出久のネクタイの結び目もキレイな形に整え直した。
☘「なぁ、ケイト。手土産に持ってきたイチゴタルト、今のうちにそこの公園のゴミ箱に捨てておくべきだと思うか?」
🔶「ちょっと待って!まだどうなるかわかんないからっ!」
トレイの冷や汗は止まらない。
タルトについては「タルトをリドル母がどう扱うかでこの夢の情報が得られる」という結論になり、万が一のことがあればグリムが一口で食べるから大丈夫、という理屈で持っていくことになったのだが、トレイはしきりに手に持ったタルトの箱を気にして落ち着かなかった。
*
🌹「ただいま!リドル様のおかえりだよ!」
🔴「おかえりなさい、リドルちゃん」
立派な豪邸であるローズハート邸に入ると、柔らかな女性の声がキッチンの方から聞こえてきた。優しく歓迎する声色に、緊張していた面々はドッと力が抜け、深く息を吐いた。
☘「……ありえない。“あの”母親が、リドルが友だちを家に連れてきたことを喜ぶなんて」
トレイだけは、固い表情を崩せないままでいる。
リドルは夢渡りの面々リビングへと案内した。ローズハート邸のリビングには、壁いっぱいに家族写真がかけられていた。
*目星ロール (1.成功、2.失敗)
出久 dice1d2=1 (1)
爆豪 dice1d2=2 (2)
- 62125/09/03(水) 14:02:43
リビングに入るといよいよトレイの落ち着きがなくなった。チェーニャに匂いを嗅ぎつけられて箱の中身を言及されると、食い気味に「やっぱりダメだよな!」と箱ごと押し込む勢いでタルトをグリムの口に入れて隠蔽しようとしたのだが、中身が「イチゴタルト」だと知った途端にリドルが大喜びしてタルトをグリムから取り上げた。
🌹「ママ~~!!トレイがイチゴタルトを持ってきてくれたよ!」
🔴「あら、本当?素敵だわ。リドルちゃん、『パティスリー・クローバー』のイチゴタルトが大好きだものね」
🌹「ママに切り分けてもらおう。キッチンに置いてくるから、キミたちはテキトーにくつろいでいて」
リドルがタルトを持って子どものように小走りでキッチンへと去っていくと、トレイは詰まっていた息を大きく吐いた。
トレイは自分の夢でリドル母からの説教について「今となっては笑い話」と話していたが、実際は未だにトラウマのままらしい。トレイの反応を見るだけで、本当のリドルの母親がどれほど苛烈な人物なのかが伺えた。
♥「今の様子だと、寮ちょ……リドルさんのお母さんは、バンドOK、タルトOKの優しい母親ってことね」
♠「優しい母親……か。確かに、壁に飾ってある写真でも全部笑顔で、楽しそうだ」
🥦「……?素敵な家族写真だけど、全体的にピントが合ってないね。リドルくんの笑顔は綺麗に映ってるけど、お父さんとお母さんはどれもボンヤリしてる」
🐈「ひひひ。家族写真なんて子どもが主役で、親の写りは二の次なんてよくある話さね」
🥦「それにしても、こんなに全部ピントがズレちゃうものなのかな……?」
特別カメラの知識がある訳ではない出久は不思議に思いながらも、壁にかかっている写真を眺めた。リドルが赤子の頃から今に至るまでの思い出の記録が並んでいる。
幼少期のトレイとチェーニャが映っているものもあり、写真の中のリドルは楽しそうに二人と遊んでいる。 - 63125/09/03(水) 15:07:12
🔶「……トレイくん?汗すごいよ。部屋暑い?」
☘「………………ないんだ」
🔶「え?」
☘「この部屋の壁に飾ってある写真……全部、俺の記憶にない」
そもそも、トレイは9歳になった頃にリドルと出会ったが、そこからリドル母にバレるまで一緒に遊んでいた期間はたった1,2か月ほどで、そもそもトレイとチェーニャは公立校でリドルは私立校に通っていたため、写真にあるような一緒に学校行事に参加した経験も皆無だという。
🥦「それってつまり、この部屋の写真は全部……」
🧨「何から何までハイヒールの妄想ってことかよ」
今までの話から、現実のリドルに写真のように遊んだ経験がないことは察してはいた。出久は写真の内容について、「自分が入れずに眺めているだけだった周りの子どもたちの遊び」に自分の姿を挿しこんだものだと思っていたのだが、それ以前の元となる遊び記憶すら存在しないということになる。
この夢の異様さに全員が言葉を失うなか、紅茶セットお茶菓子をもったリドルがキッチンから戻ってきた。
🌹「みんな座って、座って!飲んで、飲んで!楽しくやろう!」
リドルに勧められた「母親の手作り」だというケーキやクッキーは、砂糖ひかえめでおからや大豆パウダーでかさまししたような味で、どれも粉っぽく味気なかった。
お菓子を食べながら、リドルと談笑するふりをして情報を引き出していくと、この夢のリドルは魔法が全く使えないということが判明した。母親は専業主婦で、父親は小説家。一家の誰も魔法を使えないという。現実ではリドルは両親ともに名声ある魔法医術士で、リドルもそうなるべく勉強漬けだったのにも関わらず、だ。
💀『……ついにこのパターンがきたか。現実の自分の人生を、“根本から”無かったことにするほど夢にどっぷり漬かってるヤツが……』
自分が生まれてからの記憶どころか、自分を生んだ両親の段階から全てイマジネーションによって差し替えられているとなると、交点が少なすぎて現実との齟齬を突きつけるのはほぼ不可能に近い。難しい状況に一同は唸った。 - 64125/09/03(水) 15:12:09
🌹「コソコソ話はおやめ!!!!」
声を潜めてリドルを夢から覚醒させるための方針を練っていると、突然火が着いたようにリドルが叫んだ。
🌹「ボクのお茶会で内緒話は禁止だよ!喋るなら、もっと大きく口をあけて!!」
⚔「んんっ……そうだ。リドルは魔法が使えないと言っていたな。では、地元の普通高校に通っているのか?」
🌹「え?学校なんか行ってないよ。ボク、勉強も学校もたーーーいッキライ!学校なんて退屈で、窮屈で、行くだけ無駄!」
♠「そんなことないですよ!!」
♥「デュース!?」
♠「……あっ、すいません。つい大声だして」
思わずといった様子で口を挟んだデュースだったが、「昔は嫌いだった学校や勉強が。今の学園に入って面倒見の良い先輩に恵まれたおかげで楽しくなってきた」と語った。
リドルは興味なさそうに「勉強がわかったからなんだっていうの?」とデュースの話を一蹴した。「挿絵のない本なんて絶対に読みたくもない」とも。
🐊「むっ。挿絵がなくても、面白い本はいくらでもあるぞ」
今度は読書家のセベクが反応したが、リドルは「パパのお話を聞きながらクロッケーするほうが何倍も楽しい」と聞く耳をもたない。
ならば、と今度はケイトがハーツラビュルのクロッケー大会の話題を出した。「ウチの寮長はすごくクロッケーが上手なんだよ」、とケイトは名前を伏せつつ本当のリドルのことを語ったのだが、リドルは「ルールに厳しいなんて、キミらの寮長って、とんでもなくてつまらなくて嫌なヤツに違いない!」と嫌悪感を露わにするばかりだった。
難はあるものの、世話になっていて尊敬もしている寮長を貶されたエースとデュースが顔を顰めた。
🌹「あーあ!そんな嫌なヤツと一緒に生活しなきゃいけないなんて、同情してしまうよ」
♥「確かに寮長が嫌なヤツなのは確かだね。真面目すぎて冗談とか通じないし。でも……」
🌹「いや、いい!つまらない人間の話なんてもう聞きたくないよ。話題を変えよう」
♥「あ、別にアンタは聞いてなくていいよ。オレが勝手に喋るから」
🌹「は!?なんだい、キミ!失礼じゃないか。僕がその話はもういいと言っているんだよ」
♥「だってコソコソ話は禁止なんだろ?だから大きな口をあけて喋ってるだけだよ」
ああ言えばこう言う。減らず口を並べ立てるのはエースの十八番だ。 - 65125/09/03(水) 15:22:03
♥「で、オレらの寮長の話だけど……自分にも他人にも異常に厳しいから、魔法も勉強もいつだって学年1位!他寮の奴らにも一目置かれてる。それってクールじゃん?やっぱリーダーは強くなきゃね。だって優しいだけの女王なんて、みんな従わないだろ?」
リドル相手に言い切ったエースの言葉に、シルバーとセベクも同意を示した。頑固で厳しいリドルだが、だからこそ慕われている面もあるのだ。
🌹「くっだらない。勉強だとか、努力だとか、それって全部『楽しくないこと』じゃないか!」
♥「あっそ。……オレらは今、アンタと話してても全然楽しくないけどね」
🌹「ありえない!ティータイムに友だちをおしゃべりするのは、最高に楽しいはずだ!」
♥「アンタ、さっきからオレらの話ぜーんぜん聞こうとしないじゃん」
😺「そうだそうだ!オレ様たちの話を遮ってばっかりなんだゾ」
🔥「バンドからすぐにメンバーが脱退するのって……リドルさんの空気の読めなさと、向上心のなさが原因なんじゃない?僕、リドルさんがリーダーのバンドには参加したくないなあって思っちゃった!」
🥦「…………」
*出久の反応 dice1d2=2 (2)
1.リドルの目を醒まさせるためだと割り切っている
2.居心地悪そうに身を竦める
- 66125/09/03(水) 15:44:51
リドルの目を醒まさせるためとはいえ、一人に対して大人数で言葉で責める場面には馴染むことができず、居心地の悪さを感じて身を竦めた。
🌹「なんだって!?今、なんとお言いだい!?」
数々の非難を聞いたリドルは、萎縮するどころか炎が燃え上がるように激しく怒り出した。
🐈「お前は頭が空っぽでわがままで、友だちにはなりたくないってさ!」
🌹「ウギイイイイイイイイイイ!!!!」
顔を真っ赤にしたリドルが鬼のような形相で叫ぶ。
🔴「まあ、大変、大変!なんてこと!リドルちゃんを怒らせるなんて!」
ローズハート邸のリビングに黒いモヤが立ち込める。『闇』の気配を感じて全員が立ち上がって戦闘態勢に入った。
🦁「おい、お前ら、この家から出るぞ」
🥦「でも、それじゃリドルくんが――」
🦁「全員ここを出ろ、早く!!」
🌹🔴「「逃がすものか!!」」
感覚に優れた獣人であるレオナが叫ぶのと、リドルと母親が叫んだのは同時だった。
ほんの一瞬、真夜中に停電したかのように家が暗くなる。
次の瞬間には、リドルの姿は消え去っていた。
家の様子もおかしい。窓が黒い絵の具で塗りつぶされたように、外が真っ暗になっている。 - 67125/09/03(水) 15:48:18
🦁「くそっ……!遅かったか!」
🧨「チッ、ドアも窓も閉まってやがる!爆破してもガラスに傷一つ入ンねぇ」
🔥「まずい、僕たち、上下左右すべての方角から『闇』に取り囲まれてる!」
😺「でも、どこにも『闇』の姿なんか見えねぇんだゾ!?」
💀『……家だ。人間を模したNPCじゃない。この“家”そのものが『闇』になったんだ!』
文字通り『闇』の体内に囚われてしまった面々の背中に冷たい汗が伝う。
☘「チェーニャがいなくなってる!?リドルの姿も見あたらない……」
🥦「とりあえず、消えちゃったリドルくんを捜しましょう!まずはキッチンから、うわぁっ!」
出久がキッチンの扉を開けると、赤く透き通った液体が大量に流れ込んできた。
🧨「血……じゃねぇな。この匂いは紅茶か?とにかくさっさと閉めろ!リビングが水没すンぞ!!」
🥦「ダメだ、水圧で閉まらなッ……!ゴボボッ!」
⚔「ミドリヤ!みんな、扉を閉めるのを手伝ってくれ!」
口の中に入ってきた紅茶を吐き出しながら、その場にいる全員で力を合わせてなんとか扉を閉めることができた。
🥦「ゲホッ、ゲホッ。ハァ、ハァ……みんな、ありがとう……」
🧨「オエッ……。なんだったんだよこの紅茶、ゲホッ」
🐊「母親のNPCが紅茶の激流に変化したというのか!?」
今まで人間のNPCが不定形の『闇』以外に変化したことはない。
ここへ来て初めての現象に、何度も夢を渡って来た出久たちも少なからず困惑した。
*アイデアロール (1.成功、2.失敗)
出久 dice1d2=2 (2)
爆豪 dice1d2=2 (2)
- 68125/09/03(水) 16:06:44
💀『……もしかすると、最初から人間のNPCは1人もこの家に存在してなくて、“家”自体が喋ってたって可能性がある』
🔥「つまりこの家自体がリドルさんを夢に耽溺させ閉じ込めるためのトラップハウスであり……リドルさんを覚醒させようとする僕らを消滅させるためのモンスターハウスでもあるってこと……?」
イデアの仮説が正しいならば、おかしな点が一つある。
🥦「……それじゃあ、この夢のリドルくんのお母さんは……?」
🧨「……よく考えりゃ、息子が癒えにダチ連れてきたのに、挨拶ンときでさえマトモに顔を見せねぇってのは確かに不自然だが……」
💀『夢の世界では、イマジネーションさえ働かせればなんでも具現化可能だ。でも、想像できないものは正確に具現化すらできない。つまり……リドル氏の想像できる『優しい母親』の限界が、声“だけ”だったのかも』
恐ろしい事実に気づき、部屋に沈黙が下りる。静けさを打ち破ったのは、セベクが水に沈む音だった。
🐊「なんだ!?急に足がなにかに掴まれた!」
🥦「セベクくん、大丈夫?ッ、僕の足も何かに掴まれてッ!?」
🧨「んだこりゃ、女の腕か!?」
⚫「逃がさないわ、リドルちゃんのお友だち……」
紅茶の海の底から、女性の声が聞こえる。
⚫「大丈夫よリドルちゃん。なにも心配いらないわ……。ママが選んであげる……一番いいお友だちを!」
🥦「ッ、違うだろ!!友だちっていうのは、親が選ぶようなものじゃないはずだ!!リドルくんの友だちを選べるのは、リドルくんだけだ!!」
⚫「これが親の愛情なのよ、リドルちゃんのためなの!!」
振り払っても振り払っても、女性の手が次々と生えて出久たちを引き摺り込もうとする。
🦁「このままじゃ全員『闇』に引っ張りこまれる。構えろ、テメェら!」
🧨「俺の前方の手はまとめてブッ飛ばす!!テメェら、散れや!!」
♥「無茶苦茶言うなよ!!」
*霊素ダメージロール
出久(88) + dice1d5=3 (3)
爆豪(80) + dice1d5=1 (1)
グリム(87) + dice1d5=2 (2)
シルバー(71) + dice1d5=2 (2)
セベク(91) + dice1d5=4 (4)
- 69125/09/03(水) 16:07:45
セベク氏大丈夫か?
- 70125/09/03(水) 16:32:01
がむしゃらに手を薙ぎ払っていると、やがて新しい手が生えてこなくなり、紅茶の水位も下がっていった。出久たちが一旦落ち着いてモンスターハウスからの脱出方法を探ろうとしたところで、鼻歌とともにどこからともなくチェーニャの生首が現れた。
🐈「ウェヘヘヘ。おみゃーらなんぞに帰り道があるわけないよ。この家は全部、女王様のものなんだから」
🧨「ア?女王ってのはハイヒールのことか?アイツはどこにいンだよ」
🐈「さあねぇ。あっちかもしれないし……こっちかもしれんにゃぁ」
🧨「テメェ適当ブッこいてンじゃねーぞクソイカレ猫!!そっちがその気なら爆殺してやんよ!!!」
🐈「フフフフ。そんなん当たらんよ。なんてったって、このオレはそこらの魔法士とはえらさが違うのさ」
BOOOM!!と音を立てて繰り出された勝己の爆破は、チェーニャの体を通り抜けていく。
🥦「やっぱり、『透過』相手に攻撃を当てるのは難しいか……。でも、体を出した瞬間を魔法で狙えば……」
――ガチャ。
聞き覚えのある音が自分の首元からしたので、出久は言葉を切った。ハート型の首枷が嵌まっている。見れば、機体体であるオルトとイデアを除いた全員に、リドルのユニーク魔法の首枷がかけられていた。
未だにリドルの姿はどこにも見えない。
🔶「……ねえ、待って。なんか、部屋に溜まってる紅茶の量が増えてない?」
😺「ふ、ふなぁ!本当なんだゾ。さっきまで尻尾の付け根くらいだったのに、もうオレ様のふさふさの胸毛が紅茶に浸かっちまってる!」
🥦「グリム、僕の肩に乗って!今のうちにダイニングテーブルの上に……」
🐊「待て、このテーブルはこんなに巨大だったか?天板に手が届かない!」
少し目を離した隙にテーブルが巨大化して、この場で最も長身のセベクですら登れないサイズに変化している。
🧨「違ぇ、逆だ!俺らの体が縮んでやがる!!」
🐈「あっはっは!当たり前さ。だっておみゃーら、お茶を飲んだんだろ?この世界じゃ、何か飲んだら縮むに決まってる」
🥦「縮むって、いったいどこまで……?まさか、このまま消滅するんじゃ……!」
☘「落ち着け、ミドリヤ。多分これはハートの女王が治めていた国の伝承に基づいた現象で、縮むことはあっても消えることはないはず」
消滅せずともこのままでは溺れてしまうので、出久たちは紅茶に浮かぶ瓶やカップに乗ってなんとか水難を逃れた。 - 71125/09/03(水) 16:36:52
脇道ダイスを振っておこう
*二人が乗ったもの
出久 dice1d4=3 (3)
爆豪 dice1d4=2 (2)
1.小瓶
2.ティーカップ
3.ソーサー
4.カトラリー
- 72125/09/03(水) 16:56:47
溺れる心配から解放されたのも束の間、今度は大粒の雨が降ってきた。
家の中から「ここから出たいのに、鍵がどこにもない」と嘆くリドルの泣き声が聞こえる。リドルの泣き声が大きくなるほど雨の勢いは強くなっていった。
☘「チェーニャ!頼む、リドルに会わせてくれ!お前ならあいつがどこにいるか知ってるんだろう!?」
🐈「うーん。知っとるといえば知っとるし、知らないといえば、知らにゃあ」
🐈「おみゃーら、リドルを起こしに来たんだろ。やめといてやれよ。あいつ、夢の中のほうがずーっと楽しそうで、幸せそうだったじゃにゃーの」
🐈「優しいママとパパ。魔法なんか使えなければ、しんどい勉強も必要にゃあ。目が醒めたら、この部屋の壁に貼られた家族や俺たちとの楽しい思い出も、ぜーんぶ消えちまう」
🐈「それでも、おみゃーらはリドルを起こすのかい?」
白い歯が並ぶ口を三日月のように持ち上げながら、チェーニャが問いかける。
🥦「――うん。確かに、ここはとても優しい夢だ。でも僕は、リドルくんが変わろうとしてたのを知ってる。僕は、本当のリドルくんが頑張るのを応援したい。だから起こす!」
🦁「俺はなんの事情も知らねぇがな!1つわかるのは、魔法も勉強も逃げ出せば“ああ”は尖れない。折られようが毟られようが、アイツは尖りに尖った棘で全てをぶっ刺しながら伸び続けてきたんだろ。この俺に一度ならず二度までも首輪までかけた怪童(バケモン)が、ここで萎れるって?」
☘「そんなの、俺たちは……俺は、認められない!あいつは歪で棘だらけの圧政で、たくさんの人間を沢山傷つけた。俺たちを、あいつ自身を……それを、なかったことになんかできるか!」
♠「寮長は……俺らがブルッちまう場面でも、いつだって先頭で戦ってくれた!」
♥「怒りっぽくて、ガキっぽくて、融通きかない暴君だけど……でも!」
🔶「トランプ兵を率いるのは、やっぱり最高に強くて尖った女王様でなきゃ!」
本当のリドルを知る者たちの言葉に、チェーニャは楽しそうに目を細めた。
🐈「そんなに女王様に会いたいなら、もっともっと深~く夢の中に潜らにゃイカンわ」
😺「がぼぼぼっ!は、早くするんだゾ!」
🐈「早く?そいじゃあ、近道を通らにゃね。ほいっ!」
「「うわあああああーーー!!!」」
チェーニャが小さく指を振る。すると、紅茶の海が渦を巻き、出久たちは下へ下へと飲み込まれていった。 - 73125/09/03(水) 17:21:01
気がつくと、そこはハールラビュルの薔薇の迷路の中だった。現実では青々として美しいはずの薔薇の生垣は、リドルがオーバーブロットした直後のように荒れ果てている。
🧨「ハァ。便所の中に流されたみてーなクソな気分だわ」
🥦「……クソだけに?」
ひとまず全員その場にいることは確認できたが、異変が一つ。オルトが言うには、ここに来てからイデアと通信が繋がらないのだという。
回線が切れれば、オルトのエネルギーも『S.T.Y.X.』のサポートも受け取れなくなってしまう。通信復帰の目処が立たない以上、ナビ役であるオルトのバッテリーが切れる前に一刻も早くリドルを夢から醒まさなければならなくなった。
リドルを捜しにいこうとした矢先、薔薇の生垣の向こうからリドルが怒鳴りちらす声がした。ハーツラビュル生の誰かがハートの女王の法律に違反したらしい。
生垣の隙間から様子を覗き見ると、薔薇の色を塗り間違えれたという寮生がリドルに首をはねられ、この夢のエースとデュースに腕を掴まれてどこかへ引きずられていった。
「薔薇の色を間違えんたんじゃしょうがない。一発アウトだろ」
「だな。それにしても、あの1年たちもよくやるぜ。寮長にこっぴどくやられたくせに」
「あの決闘は酷かったよな……よく生きてたもんだ。2人揃ってしばらく休学してただろ?」
「だな。そういえば、あいつらはどうした?オンボロ寮の……」
「さあな。噂じゃ、dice1d3=1 (1) って話だけど」
1.あの日以来行方不明
2.退学に追い込まれて用務員としてこき使われてる
3.防衛魔法も使えないから大怪我してまだ入院中
「大変な目に遭ったのに、よくあの“暴君”に従う気になるよな……」
🔶「あれあれ~?君、今なんて言った?」
声を潜めて話していた寮生が寮長を“暴君”呼ばわりしていたのを聞きつけ、この夢のケイトとトレイが詰め寄る。
彼らはリドルの全てを肯定し、リドルもそんな彼らを肯定した。
♥「これって、オレらがリドル寮長に負けた世界?」
🧨「現実でもてめーらは負けとっただろが!」
♠「そういえばそうだった……」
🥦「……たぶん、ここは決闘の後のリドルくんの追い打ちの魔法が成功した世界なんだ」
あの日、頭に血が上ったリドルはエースに薔薇の木をぶつけてバラバラにしようとして、勝己の爆破とトレイの魔法で防いだ。そこが分岐点になっているらしい。
- 74125/09/03(水) 17:35:49
この夢のリドルはオーバーブロットこそしていないが、恐怖政治に拍車がかかり、寮生は萎縮しきっている。
🐈「どうだい?その後どんなふう?」
♥「どうもこうも、リドル寮長は暴君っぷりに拍車かかってるし、寮は恐怖で支配されてるし……どう見ても最悪だろ」
🐈「へえ、これが最悪だって?もっと悪くなるところ、見せてやろうか?」
🧨「オイ、余計なことすんな!!」
チェーニャを止めようとした勝己の腕は虚空を掴んだ。魔王相手でも傷一つ負わなかった通形といい、『透過』をもつ相手に干渉するのはほぼ不可能だ。
チェーニャはリドルに近づいていくと、マントを引っ張ってリドルの体を盛大にひっくり返した。リドルは犬神家的な間抜けな状態を全寮制に晒すことになり、屈辱と怒りでわなわなと震え出した。
♥?♠?「「うわあ、寮長ーーーーッ!」」
🔶?「お前ら何ボーッとしてんの!?リドルくんを助けないと!」
☘?「急げ急げ!」
🌹「誰だい……ボクのマントを引っ張ったヤツは!?無様はボクの姿を見たヤツは、全員首をはねや……そこの生垣の後ろに隠れているのは誰だい!下から足が見えているよ!」
🥦「まずい、今すぐ逃げないと!でも、どっちに行けば――」
ここは女王が支配する、トランプ兵がひしめく薔薇の迷路の中。迷い込んだ出久たちに道は分からない。
🌹「さてはボクを転ばせたのはお前たちだな……全員首をはねてやる~~~~~~ッ!!!」
リドルが叫んだ勢いで周囲の薔薇の生垣が吹き飛んでいき、出久たちの姿が露わになってしまった。
その場にいるハーツラビュル寮生たちを見て、リドルはその場に同じ人物が二人いることに疑問で顔をしかめた。
*口を挟むのは dice1d2=2 (2)
1.爆豪
2.レオナ
- 75125/09/03(水) 18:04:15
混乱して状況説明を求めるリドルに、ここまでのハーツラビュル生のサイケな夢でストレスが限界に来ているレオナは苛々した口調で答えた。
🦁「さっさとテメェを叩き起こして、この茶番を終わらせたい。担当直入に言う。今テメェが見ているこの世界は全て、イカれた妖精、マレウス・ドラコニアが作り出した夢だ」
🌹「夢だって?からかっているんですか?ボクはこうして起きている。眠ってなんかいない!」
☘「リドル、お前が混乱するのは当然だ。だが、どうか俺たちの話を信じてほしい。お前は今、眠っている。そして……悪い夢を見ているんだ!頼む。目を醒ましてくれ!」
トレイの言葉でリドルの夢が一瞬揺らいだ。しかし、『闇』のトランプ兵たちの言葉によって揺らぎはすぐに鎮まってしまう。トランプ兵たちは声を揃え、絶対的支配者であるリドルを讃えた。
🦁「バカバカしい。自分が作り出した幻にチヤホヤされて何が嬉しい?虚しいだけだろ」
🌹「…………嬉しい、よ。そしこれが本当に全て夢だったとしても……ボクは嬉しい」
レオナの挑発にリドルは乗らず、昏い目をして仄かな笑みを浮かべた。
🌹「だってボクの正しさが証明されて、みんながボクを尊敬してくれて……ボクを心から恐れ、そして愛してくれているんだ!バカバカしくて結構。ボクの理想の王国は、今ここにある!」
どこか狂気的な笑みを浮かべ、リドルが言い切った。自他ともに厳しいリドルらしからぬ言葉だ。思考の深いところまで『闇』に影響されているらしい。
🥦「――違う、君は間違ってたんだ。だから、あのとき、オーバーブロットした後……君は泣いてたんじゃないか!!」
あの日、トレイに叱られながら何度も「ごめんなさい」と謝って泣いたリドルの姿を覚えている。あの後から少しずつ変わる努力をしてきたリドルを知っている。そうして、今ではエースとデュースに心から慕われているリドルのことを知っている。だからこそ出久は叫んだ。
🌹「うるさぁああーーーい!あの偽物たちの首をおはねーーーー!!!」
リドルは諫言を聞き入れず、顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。女王に絶対服従を誓うハーツラビュルのトランプ兵たちが総出で襲い掛かってくる。その数は優に100を超えるだろう。 - 76125/09/03(水) 18:07:43
🧨「チッ、全員まとめてブッ飛ばして――」
☘「ダメだ、バクゴー!攻撃するな!薔薇に傷がつく!」
トランプ兵たちを攻撃しようとした勝己だったが、トレイに腕を引っ張られてニトロの珠をひっこめた。
勝己が立っていた場所から茨が突き出してくる。あのまま立っていたら串刺しになっていただろう。
☘「この庭園の薔薇の樹は全て魔法植物だ!攻撃して侵入者とみなされれば、捕られるまで追いかけてくるぞ!」
🔶「固まってると挟み撃ちにされる。少人数に分かれて、バラバラに逃げたほうがいい!」
☘「迷路が右往左往の刑のルートに組み変わってる。寮生なら迷路の地図は頭に入ってるな?他寮生の先導を頼む!」
薔薇の樹が意思をもったように動き始め、侵入者である出久たちの行く手を阻む。追手を分散させるため、道を知るハーツラビュルの4人は全員が別のルートへと入っていった。
*薔薇の迷路
オンボロ寮の3人はdice1d2=1 (1)
1.ハーツラビュル寮生と合流できた
2.ハーツラビュル寮生とはぐれてしまった
(↑が2だった場合)
合流できた相手 dice1d4=4 (4)
1.エース
2.デュース
3.トレイ
4.ケイト
- 77125/09/03(水) 18:11:31
薔薇の迷路の内容はダイジェストで行きます!
食わせ者揃いのハーツラビュル寮生の活躍が見たい人は、本家ツイステのアプリで見てくれよな!(定期ダイマ)
*霊素ダメージロール
出久(91) + dice1d5=3 (3)
爆豪(81) + dice1d5=1 (1)
グリム(89) + dice1d5=3 (3)
シルバー(73) + dice1d5=1 (1)
セベク(95) + dice1d5=3 (3)
- 78125/09/03(水) 18:42:59
薔薇が蠢く迷路で、出久と勝己とグリムはケイトが選んだルートに続いた。
『闇』のトランプ兵たちと鉢合わせないように息を潜めて慎重に進んでいったが、途中で見つかってしまう。無数のの追手が迫る中、向こうの人数に対抗するためにケイトが分身して足止め役を買って出た。
🔶「――お前たち、リドルくんを頼むよ!」
本丸はリドルで、ここで倒れるわけにはいかない。ケイトに逃がされた出久たちは、教えてもらった通りに迷路を進み、リドルがいる広場の傍まで戻ってくることができたのだった。
*
薔薇の迷路を抜けることができたのは、オンボロ寮組と、エースとデュース、オルトの3人だった。
その他のメンバーはケイト同様、今いるメンバーを逃がすために囮役を買って出てトランプ兵に取り押さえられ、リドルがいる広場の薔薇の樹に括り付けられている。
🌹「ボロボロじゃないか、トレイ。友人の首をはねるのは、ボクも胸が痛むよ。ああ、そうだ!ボクの忠実な下僕としてタルトを作り続けると約束するなら、自由にしてあげてもいいよ?」
☘「どんな条件を出されようと、今のお前には絶対に従えない!頼むリドル、目を醒ましてくれ!」
🌹「聞きたくないことを言う口はいらない。まずはお前から首をはねてやる!さあ、こいつを執行台へ!」
薔薇の樹に括りつけられていたトレイが、『闇』のトランプ兵に引っ立てられて引きずられていく。
♠「!!やばい、クローバー先輩が執行台に引き摺られていくぞ!」
♥「このままじゃ、捕まっている他の先輩たちも順番に首をはねられる。……どうする!?」
🔥「まだ兄さんや『S.T.Y.X.』と通信が繋がらない……絶対に良くない“何か”が起こっているのは間違いないんだけど……」
シルバーがリドルの下に囚われており、『S.T.Y.X.』のサポートも受けられないとなると、全員を連れて夢から一時撤退することは不可能。今、この場でリドルと戦うしかない。
♥「……縁起でもないんだけどさ。ここで負けたらどうなんの?」
🔥「『S.T.Y.X.』と回線が繋がっていれば、大きなダメージを受けた場合、強制的に自分の夢に退避させて回復プロトコルを実行できたけど……。今、構成霊素に修復不可能はほどの大ダメージを負えばどうなるかは、僕にも予測不可能だ」
それは、限りなく死に近い状態に陥る可能性もあるということ。エースの顔色が白くなる。 - 79125/09/03(水) 19:10:03
🔥「ここまでの戦いの中で、ミドリヤさんとバクゴーさんの構成霊素にはかなりのダメージが蓄積されてる。リドルさんの魔法が直撃したら、霊素体が壊れてしまうかもしれない」
♥「それじゃあ、二人には頼れないってことかよ!?」
🧨「ハァ?パンピーのてめーらだけに任せとくわけねーだろ。何のためのヒーロー免許だと思っとンだ」
🥦「うん、僕たちも一緒に戦うよ。リドルくんは強い。みんなを救けるのに、こっちの戦力と手数は少しでも多い方がいい」
♥「でも、実際助けるって、どうやって?魔力は底なし、ブロットも溜まらない。薔薇に飛び火したらアウトだからバクゴーの爆破だって下手に撃てない。そんな相手にどうやって勝てっていうんだよ」
🧨「……“徹甲弾(A・P・ショット)”でハイヒールの意識と防御を引きつけて、至近距離からスペードのユニーク魔法をぶっ放して気絶させる。てめーの傷の具合から見て、気絶させンのに必要な威力は出せるはずだ。出ねぇ場合は俺が今からてめーを殴る」
♠「オイ!……確かに、『闇』の大群との戦いで、何度も魔法攻撃を受けたから、僕の体には今、かなりのダメージが蓄積されてる。お前の言う通り、相当な威力が出るはずだ」
♥「でも、どんだけ威力が出る魔法だろうが、リドル寮長のユニーク魔法を食らったら終わりじゃん。寮長がユニーク魔法を使うより先に、狙いを定めてぶっ放さなきゃいけない。しかも、威力が出るのは1回だけで、絶対に外せない。……めちゃくちゃ難易度高くね?」
エースの弱音は、この作戦のリスクそのものだった。 - 80125/09/03(水) 19:39:37
🧨「“徹甲弾(A・P・ショット)”なら攻撃範囲も狭ぇから薔薇に飛び火する可能性は低い。滅多撃ちにすりゃハイヒールの防衛魔法を釘付けにできるはずだ。向こうの攻撃も俺が迎撃すりゃ――」
🔥「……僕が盾になるよ。僕にはリドルさんのユニーク魔法は効かないし、ケルベロス・ギアで使える対霊素法則転写障壁は、マレウスさんの魔法領域の中であれば、基本的に全ての攻撃を防ぐことができる。ただ……かなり消費エネルギーの大きい機能だから、現在の僕のエネルギー残量だと12秒……いや、10秒が使用限界だと思う」
🧨「どうだ。10秒で足りっか」
♠「ああ。10秒あれば、僕も十分に狙いを定めることができる。ただ、僕はまだ詠唱なしではユニーク魔法を使えないから……」
🧨「じゃあ、俺があと4秒稼ぐ。それで足りさせろ」
♠「でも……いや、ここでグダグダ言うのは男じゃないな。応!!!」
不利な状況だが、今の戦力でリドルに挑む策が決まっていく。
♥「……それ、本当に成功すんの?」
🧨「成功させンだよ。どのみちここで二の足踏んでるうちに、遊色ヤローの首が飛んだら俺らは詰みだ」
♠「腹決めて、やるっきゃねぇな」
😺「おう!オレ様も腹を決めたんだゾ!……で、オレ様は何をすりゃいいんだ!?」
気合たっぷりでグリムが飛び跳ねる。だが、現実的に考えて、グリムにリドルに挑めるだけの実力はない。
🧨「狸。――お前は、出久を守れ」
🥦「――――!!」 - 81125/09/03(水) 19:59:51
🧨「打撃が効かねぇ『闇』と戦ってっとき、てめーは毎回出久の近くで戦っとったな。今回もヘドロモドキの『闇』は出てくるはずだ。てめーが燃やして処理しろ」
😺「へ、へへん!任せるんだゾ!」
🥦「…………それじゃあ、僕はどうしようか。かっちゃん」
🧨「お前はモヤシ野郎のタブレットを持って、後方にいろ。アイツとの連絡手段がぶっ壊れるのはマズい」
🥦「――――ッ!!」
🔥「『S.T.Y.X.』との回線が切れている今は魔導アーマーへのエネルギ―供給も途絶えるから、せっかくの機能は使えない。だから、回線が復旧したらすぐに対応できるように、兄さんのタブレットを見ていてほしいんだ」
🥦「…………わかった。大事な役目、引き受けさせてもらうね」
*出久の表情 dice1d3=2 (2)
1.笑顔
2.悲しそうな顔
3.寂しそうな顔
♥「オルトが盾担当で、デュースとバクゴーが攻撃担当。……で、オレは何担当?」
🧨「……お前は、万が一の事態になったときに、撤退の手引きを頼む」
♥「えっ?オレ……リドル寮長と戦わなくていいってこと?」
🧨「先にハイヒールに突っ込んでいった俺らが万が一ロストした場合、何が何でも『S.T.Y.X.』の通信復旧まで耐えるしかねぇ。そん時にこのクソみてぇな寮の迷路とイカれた間取りを理解しとる奴がいねぇと詰みだ。……まァ、“大・爆・殺・神ダイナマイト”がいる場面でそんな事態にゃさせねぇけどな!!てめーは出久の近くで戦況を見てろ、判断ミスったら殺す!」
♥「…………あー、なるほどね。実際オレは、デュースやグリムよりも防衛魔法の成績良いし?火の粉が飛んできても、余裕ではらってやるよ」
♠「ああ。エースがいれば安心だな。ミドリヤたちのこと、頼んだぜ!」
それきり、勝己たち突入組は作戦の細かい部分を詰める調整に入ってしまった。
🥦「…………」
出久は預かったイデアのタブレットを抱え込んだ。画面が真っ暗でピクリとも動かないそれは、妙に重たく感じられた。
🥦「エースくん。身を隠すのにちょうどいい場所がないか、一緒に探そう」
♥「………………オッケー。絶対見つからない茂みがあるから、そこに隠れようぜ」
😺「心配しなくても、『闇』が出たらオレ様が全部追い払ってやるんだゾ!」
- 82二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:17:24
きついね…黒デクの時のオールマイトとおんなじだね…そばにいるのに何もできない…
- 83二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:24:30
緑谷の「君は戦わなくてもいいんだ」がここで自分に返ってくるのか
- 84二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:28:02
戦いたくないから戦えないエース
戦いたいたくても戦えないデク - 85二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 20:34:05
リドルって描写的に初期ろきくんくらいの火力は普通にあるんだよな
虐待レベルの英才教育を受けて育って、生まれる前から親が手を尽くしてたってところも同じ
しかも、作中で何回も発動スピードの速さが強調されてて、下手したらかっちゃんが掌爆発させるより早く魔法を撃てる可能性まである
無個性のデクを前線には出せないわな - 86二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:05:33
実際イデアとS.T.Y.Xの通信受信端末であるタブレットが壊れたらマジでヤバいので、専任の護衛をつけるのは合理的な選択
その護衛をデクにするのも、そのデクのサポートにグリムをつけるのも、ハーツラビュルの案内役に器用で機転がきくエースをつけるのも合理的で無駄のない人選
それはそれとしてメンタルには来る - 87二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:27:17
壁中存在しない記憶だらけという点ではルークさんのオタ部屋とそう変わりないのになぜこんなにもゾッとするんだろう
- 88二次元好きの匿名さん25/09/03(水) 23:45:16
- 89二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 00:01:14
レオナの時は、自分が愛されるビジョンが見えねぇぜって感じの自分追い込み度鬼畜な夢見てたけど
リドルは僕が皆から愛されるはずがないから恐怖で皆からの尊敬を勝ち取ろうとしてるんだ
皆んな違って皆んな病み(白目) - 90二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 06:44:23
そう考えると、アズールは夢でファンからチヤホヤされまくってたけど、アズールは親とか親の店の従業員からめちゃめちゃ可愛がられてた描写あるからその辺ちゃんとイメージできるんだよな
まあ甘やかされて育ったせいでまんまるになってしまったわけですが
最も、回想のいじめっ子のセリフ的にアズールが虐められたのは「蛸の人魚だから」だろうから体形はそこまで重要じゃなかったんだろうけど
- 91二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 07:39:02
そういえばここの幼馴染はリドルの夢で地獄の家庭にお邪魔するの2回目になるのか
地獄のリドルくんち - 92二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 15:12:05
- 93二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 20:02:40
実際に一発攻撃当たったら「霊素体が壊れる」とかいうよく分からん状態になる状況で相手が初期ろき並みの相手となったら、デクに限らず尾白、砂藤、障子あたりの近接ファイターは軒並み下がらせるしかないよな
- 94125/09/04(木) 22:30:23
会話入れそびれちゃったんですけど、迷路脱出後の幼馴染はドリチェンして魔導アーマーに着替えてます
魔導エネルギーが供給されないので機能は使えませんが、防魔プレート製なので着てるだけで魔法防御力UPです - 95125/09/04(木) 22:53:52
🧨「――”A・P・ショット・機関銃(オートカノン)”!!!」
🌹「っ、誰だ!!」
絶え間ない爆発音と、それを防御障壁が弾き返す硬い音が響く。
勝己は初撃でリドルの意識を刈り取るつもりで薔薇の陰から徹甲弾(A・P・ショット)を浴びせかけたが、音を聞いたリドルが反射的に張った障壁に全て防がれた。
🌹「キミは、オンボロ寮の――!?いや、その後ろに隠れているのは……反逆者、デュース!」
♠「うおおおおぉぉぉぉぁ!!」
デュースが薔薇の茂みから全速力でリドルに向かって走る。今のデュースが“確実”に“最高火力”でユニーク魔法をリドルに当てるためには、5メートル圏内に近づく必要がある。
リドルは瞬時に魔法封じの魔法を発動させたが、デュースの傍で飛ぶオルトが全て魔導エネルギー障壁で弾き返した。
🧨「余所見なんざしてる余裕あンのかよ!!蜂の巣になんぜ!!」
🌹「フン。お母様から最高の教育を受けたこのボクにとって、防衛魔法を使いながら攻撃魔法を使うなんて、造作もないことだ……風よ!炎よ!氷よ!雷撃よ!」
🔥「ぐうううううっ!!!」
🧨「チッ、向かい風かよ、やりづれェなァ!!!」
複数の属性を同時に駆使し、リドルは的確に勝己の爆破への妨害とオルトの機体の破壊へと方法を切り替えた。無尽蔵に魔法が打てる『夢』の中で、リドルの最大火力の魔法が容赦なく襲い掛かる。
*対抗ロール
爆豪 dice1d3000=2510 (2510)
リドル dice1d5000=4789 (4789) (『夢』補正あり)
*霊素ダメージ
爆豪(82) + dice1d10=1 (1)
- 96二次元好きの匿名さん25/09/04(木) 23:40:51
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- 97125/09/04(木) 23:45:17
🌹「――その爆発、ひょっとしてキミの掌から出てる?なら、手が水で濡れたらおしまいなんじゃない?……水よ!」
🧨「んだらぁああ!!ンなわけねェだろうがあぁああ!!!!」
風の魔法に乗せて激流が勝己に襲い掛かる。それに負ける勝己ではないが、水の衝撃で爆破の勢いが殺されてしまう。
機体に少しずつ傷が入りつつあるオルトにとっても水は天敵。魔法に耐えながら進むデュースの脚の勢いも落ちている。
🧨(薔薇が襲ってくるリスク取ってでもクラスターに切り替えっか……いや、ダメだ)
😺「ふ、ふ、ふなぁ……!オレ様もう見てられねぇんだゾ!なんでバクゴーはもっとデッケー爆発出さねぇんだ!?」
🥦「……たぶん、出せないんだ。かっちゃんが本気で爆破したらすごい破壊力になる。二人がリドルくんに接近してる今、大技を撃ったら巻き込んでしまう」
😺「ふ、ふなぁ……」
🥦「それに、薔薇の存在が厄介だ。植物って強いから、爆発で焼け焦げることはあっても完全に吹き飛ばすのは難しい」
♥「……なるほど。確かに、それくらいならここの薔薇はすぐに再生して、串刺しにするまでバクゴーを襲い続けるだろーね」
リドルを中心に吹き荒れる嵐のような魔法がデュースの脚を阻み、オルトの機体を破壊し、勝己の爆破の威力を削ぐ。
周囲を取り巻く魔法の薔薇は全て女王の支配下にあり、リドルの絶対的な味方だ。
♥「ミドリヤ、グリム、ココから離れるぞ……!」
😺「で、でも……アイツらまだ……!」
♥「まだ、なんだよ!?もうやられるまで時間の問題だろ!だったら少しでも早く遠く逃げて、時間を稼いだほうがいい!」
😺「でも!まだ負けてねえ!オレ様が加勢すりゃ……!」
♥「馬鹿!お前が助けに行ってどうなるんだよ!気づけよ。『足手まといだ』って言われたんだよ。お前も……オレもッ!」
🥦「――そんなことないよ。僕たちの役割だってすごく大切で」
♥「……本気でそう思ってんなら、そんな顔しないだろ。自分で気づいてないのかもしんねーけど、お前、ずっと泣きそうじゃん」
🥦「それは――……」
勝己に割り振られた任務は実際に重要なもので、だから出久は「一緒に戦いたい」という気持ちを押し殺してここにいる。今すぐにでも駆け出したくなる脚に、必死に『ダメだ』と言い聞かせ続けている。
何より、今の出久は、リドルに対する有効打を何一つ持っていないから。前線には出られない。 - 98125/09/05(金) 00:01:58
♥「ああもうッ!畜生!!」
地面を叩いて叫び、エースがうずくまった。
♥(……必死になるのはダサいって、ずっと思ってた。本気にならなくても、大抵のことは何でもやれた。キツいことから、ずっと逃げ続けてきた)
♥(今のオレより、情けないヤツいる?でも、雑魚に何が出来るっていうんだよ)
♥(ああ、そうやってまた逃げる理由ばっか探して……オレ、ダサすぎんだろ!!)
エースの頬から顎を伝い、涙が芝生の中へと吸い込まれていく。
🥦「エースくん……」
♥「オレにもみんなみたいな、力があれば……!ジャックや、エペルや、セベクみたいな……デュースみたいな、強い魔法が!」
エースが喉を震わせて叫んだ。
ここは魔法の世界。願いや祈りが、魔法に強い力を与える。
その瞬間、エースの想いに応えるように、その体にキラキラとした光が集まり始めた。
🥦「この光って、もしかして……」
♥「なんだよ、これ?ミドリヤ、オレ……ハッ、ハァッ……あ、あ、頭の中に、言葉がグルグルして……。ううっ、う……!こ、この魔法が使えたら、アイツらを助けられるかも……っ!」
この光は、海岸でのデュースや、嘆きの島でのエペルにも現れた。
新たな魔法の誕生を知らせる、祝福の光だ。 - 99二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 08:03:13
ꉂ(و˙Δ˙و)イケーーーー!
- 100二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 08:58:16
- 101二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 17:18:35
実質それな
- 102二次元好きの匿名さん25/09/05(金) 22:45:29
保守
- 103二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 06:47:41
エースがんば
- 104二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 14:08:16
ほしゅ
- 105二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 14:35:48
緑谷か爆豪、どっちか闇に捕まって夢の世界にご案内されてくれないかな
そしたら体育祭とか文化祭、黒デク、天空の棺とかいろいろみせられるし、ツイステキャラのドン引き顔がたくさんみれそう
ダイジェストで良いからみたい - 106125/09/06(土) 20:15:49
体中に溢れる力を感じ、エースが顔を上げる。けれどもまだその表情は晴れなかった。
♥「でも、でももし、一発でキメられなかったら……、失敗したら、全員……!」
🥦「――エースくんなら、きっと大丈夫だよ」
出久は瞳に不安の色を浮かべるエースの手を握った。
未知の力を使いこなせないかもしれない不安や、絶対に負けられないときの重責を出久は良く知っている。そして
、手を握れば、固くこわばった心が和らぐことも。
😺「オメーならぜってーやれるんだゾ!オレ様たちが言うんだから間違いねえ!」
♥「……ミドリヤ、グリム……。絶対やれる、か……そっか。ははっ!あー、手汗びしゃびしゃ。トレイ先輩もデュースも、こんな気分だったんかな」
グリムも出久の真似をして、めいっぱい背伸びをして肉球をエースの手に重ねた。吹っ切れたように、エースは笑った。
♥「……まだ詰んでないなら、“このカード”で一発逆転できるかもしれない。今度はオレが、勝負しかける番だ。このカードを切るなら、今しかない……!そうだろ、エース!」
己を奮い立たせるように、エースは自分の名前を呼んだ。その目にもう迷いはない。まっすぐ、荒れ狂う魔法の中心にいるリドルを見抜いていた。
🥦「僕とグリムで、ここから君のサポートをするよ。――エースくん、頑張れ!!」
😺「頑張れ、エース!!」
出久とグリムの声に背を押されるように、エースが駆け出していく。
タブレットに万一のことがあってはいけない。出久は、グリムとともに薔薇の生垣の陰から、遠くなっていくエースの背を見ていた。 - 107二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 20:23:46
- 108二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 20:26:20
- 109125/09/06(土) 20:48:15
🔥「くっ……エネルギー残量がっ……もうシールドが維持できない……ぐ、ううぅぅ……っ!」
🧨「下がれメラメラ!てめぇがブッ壊れたら詰みだ!!」
オルトのシールドが破壊される甲高い音が響いた。オルトが致命的な損傷を受ける前に、勝己は前に出てオルトの装甲部分を狙って脇に蹴り飛ばす。間一髪、オルトはリドルの魔法を逃れて芝生の上へと転がった。
🌹「ふん。火属性の攻撃だけではボクには勝てないよ。ボクの魔法とキミの攻撃の威力の相関をみていたけど、どうやらキミの力は強い氷の魔法を相手にすると弱くなるみたいだね」
🧨「ハッ、手加減してやってンだよ、バァカ!!」
リドルの強さは魔法の練度だけではない。膨大な情報を適切に処理する頭脳が何より厄介だ。
勝己は冷気で汗の分泌が抑え込まれているところを無理やり絞り出している状態だ。オルトの防御も失い、デュースは丸腰同然。デュースの魔法の有効圏内まであとたった数メールなのに、その距離が遠い。
🌹「これでデュースの首もはねやすくなった。――『首をはね……』、誰だ、そこにいるのは!!」
――ゴウゥッッ!!!
薔薇の迷路から青い火柱が上がる。リドルは侵入者を消し去るために、真っ赤な炎の魔法を差し向ける。しかし、そこには誰もいなかった。
♥「―――アンタのとっておき、いただくぜ!!」
🧨「なっ、……なんでテメーがここに!?」
視線が逸れたその一瞬を突き、死角から全速力でエースが接近する。必死に叫ぶような魔法の詠唱はとても恰好がつかない。ただ、エースは全力だった。
♥「――『切り札頂戴(ジョーカー・スナッチ)』!!!」
🌹「なっ!?ボクの魔法が、トランプに変わっ……」
♥「くらえええぇええ!!『首をはねろ(オフ・ウィズ・ユアヘッド)!!!』」
ガチャ、と金属が嵌まる重い音がする。リドルの細く華奢な首にハート型の首枷がかかった音だ。外そうとしても、リドルの魔法は何一つ出てこない。
♥「外すんじゃねーぞ、デュース!」
♠「――落とし前をつけてもらう!歯ぁ食いしばれ!『しっぺ返し(ベット・ザ・リミット)』!」
無防備になったリドルめがけ、デュースが最大火力の魔法を放った。今までにリドルが経験したことのない衝撃がその身を突き抜ける。
🌹「ぐあぁあぁあーーーーッ!!」
強い衝撃がリドルを強制的に夢から目覚めさせ、夢の世界に大きな亀裂が走った。 - 110125/09/06(土) 21:07:44
🌹「ああ……ボクは、目を醒ましてしまったんだね」
荒れ果てた薔薇の庭園にへたり込み、リドルが呆然と呟いた。圧政が解かれたことで薔薇の拘束も消え、解放されたトレイとケイトがリドルのもとにかけよってくる。二人はリドルを抱きしめ、もみくちゃにした。
🥦「――エースくん、デュースくん、オルトくん、かっちゃん!みんな無事!?」
🧨「出久!……さっきの青い炎はお前とクソ狸か?」
🥦「うん。魔導機能は使えないけど、ワイヤー自体はアーマーに内蔵されてるから、引っ張り出してグリムの尻尾に括りつけて、グリムが炎を撃ったことにリドルくんが気づいたら引っ張って別の薔薇の生垣に隠れたんだ」
😺「へへん!オレ様の特大スペシャルファイヤーに、リドルのヤツもビビッてたんだゾ!」
🧨「ハート野郎の魔法は」
🥦「……ついさっき、エースくんがユニーク魔法を発現させたんだ。すごい魔法だったね、物間くんみたいだった!でも、魔法封じの魔法が決まる直前のリドルくんの魔法も不発に見えたし、一時的に“魔法を入れ替える”魔法なのかな?でも入れ替えられた相手はブツブツブツブツ」
🧨「後にしろ」
🥦「はい」
たった今ユニーク魔法を完成させたエースは、デュースとオルトとセベクに質問攻めにされている。エースもまだ自分自身の魔法について把握しきれておらず、質問の大半は煙に巻かれていった。
土壇場で花開いたエースのユニーク魔法がなければ、全員無事なまま勝つことは難しかっただろう。エースの願いが勝ちとった奇跡だ。
出久は自分の歪んだ右手に視線を落とした。
🥦(―― dice1d2=2 (2) )
1.僕も少しは役に立てたのかな
2.僕、何にもできなかった
- 111125/09/06(土) 21:24:59
夢巡りで仲間にする最後の人物であるリドルを夢から醒ましたことで、その場には達成感と安堵が混じった和やかな空気が流れた。
しかし、直後に大きな揺れが走ったことで平穏は打ち砕かれてしまう。リドルの真下の地面が割れ、湧き水のように『闇』が溢れ出した。
🥦「――まずい、夢の世界の崩壊が始まった!」
🦁「……あの1年坊どもがリドルを倒した。王位を剥奪された結果、ハッピーエンドじゃ締められなくなったってことか」
リドルの体がどんどん『闇』に沈んでいく。軽いはずのリドルの体は、咄嗟にその腕を掴んだエースとデュースが全力で引っ張っても、少しも引き上げることができない。
🌹「もういい、お前たちはシルバーのところへ!」
♥「いーから寮長は黙ってて!ミドリヤたちも手伝ってよ!」
⚔「無理だ!もう間に合わない!」
リドルの体が更に沈んでいく。このままでは、リドルをつかむエースとデュースも一緒に沈んでしまう。
🌹「……寮長命令だ!トレイ、ケイト!こいつらを、連れて行けッ!!」
☘🔶「「……はい、寮長!」」
その命令は、己のトランプ兵を救うがために。トレイとケイトが命令に従ってエースとデュースをリドルから引き剥がし、シルバーのもとへと引きずっていった。
♥♠「「リドル寮長っ!!/ローズハート寮長っ!!」」
🥦「ダメだ二人とも!」
リドルの方へと戻ろうとする二人を、出久と勝己はシルバーの体に押し付けるようにして抑え込んだ。
🧨「何のための命令だったか考えろやクソボケども!!」
♠「でも……!」
🥦「ここはリドルくんの夢だから、リドルくんは自力で覚醒すれば戻ってこられる。大丈夫、リドルくんを信じよう」
⚔「くっ……いくぞ!『同じ夢を見よう(ミート・イン・ア・ドリーム)』!!」
薔薇の迷路を覆う濁流のような『闇』から間一髪で逃れ、出久たちはリドルの夢から一時離脱した。 - 112125/09/06(土) 21:45:24
夢を渡るシルバーにしがみつきながら、出久は一瞬黒い白昼夢を見た。
暗い闇の底で、リドルが己のファントムと対峙している。
癇癪を起こし、誰の言葉も受け入れず、ただひたすらに怒り続ける愚かな己の姿を、リドルは真っすぐ見つめ返した。
――キミは誰の言葉も聞こうとしていない。だからキミは……いいや、ボクは。道を誤り、独善的な暴君となってしまったんだろうね
負の感情を受け入れ、己のブロットを纏ったリドルがオーバーブロットする。負の力を御したその姿は、見るもの全てを跪かせるほどに威圧的であり、そうしたいと思わせるほどに高潔でもあった。
――ハートの女王の法律・第1条。『同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走り続けなければならない』
――これからもボクは、全力で走り続ける。誰もがひれ伏すほど一番強く、一番正しくあり続けるためにね!
己のファントムに打ち勝ったリドルが高らかに笑う。
次の瞬間、夢の世界が再構築されて、再びローズハート邸のリビングに場面が映り替わった。
存在しない思い出の写真が並んだリビングで、“優しい母”の声がうたた寝をしていたリドルを起こした。
どこまでも優しい母親の声を、リドルは笑い飛ばした。うたた寝などしようものなら、二度と目覚めなければと良かったと思うほどに怒鳴るのが、リドルの本当の母親なのだ。
そして、それほど厳しい母親に育てられたからこそ、今の強い自分があるという自覚が、リドルにはある。己の苦しみと表裏一体になった愛情をリドルは理解しているからこそ、その期待に応えようと励み、逃げることもできずに苦しみ続けてきたのだ。
――よくもボクの恐るべき、畏敬すべき、愛すべき母を騙ったな。許し難い重罪だッ!
“優しい母”の幻想に、リドルは己の魔法で終止符を打った。
――ボクはもう、開かないドアの前で立ち尽くしたりしない。
――それが鍵穴ほどの狭き門でも、この手でこじ開けて進んでみせるさ。
――ボクも……ボクだけの道を!
幻想が消えた家の中で、リドルはしゃんと背を伸ばした。その立ち姿は親の愛の真綿で包まれているあどけない子どものものではない。己の選んだ道を己の脚で進む覚悟を決めた、青年然とした凛々しいものだった。 - 113125/09/06(土) 22:21:13
🔥「――『S.T.Y.X』との通信が切れてるから、リドル・ローズハートさんの夢の様子が確認できない!ひとまず、過去の移動履歴から一番『闇』との遭遇率が低そうな『夢』に移動するよ!」
リドルの夢から脱出後、『S.T.Y.X.』のサポートを受けられない状態でなんとかナビの役目を果たそうと、オルトは魔導スラスター全開にした。
ここまでの夢渡りの旅の経験から、誰もが安心しきっていた。『夢の回廊』まで『闇』が追ってきたことがないから。
🔥「――待って。後方から魔力反応を感知。この反応は……『闇』だ!!」
ねちゃ、と不快な粘着音がする。振り向けば、『闇』が粘菌のように蠕動しながら『夢の回廊』を追ってきていた。オルトが全力で飛ぶが、徐々に追いつかれ、やがてシルバーの足にしがみついてぶら下がっていた出久のつま先に『闇』が絡みついた。
🔥「魔導スラスター全開!くっ、エネルギー残量が不足しているせいで、出力が足りない……!!」
⚫「オ前タチ、モウ逃がさナいぞ……」
🔥「その音声の波形は……マレウス・ドラコニアさん!?」
喉をもたない『闇』の声はくぐもっている。だが、その声色は、この事態を引き起こした元凶のものとどこか似ていた。
🔥「……マレウスさんがリリアさんを眠らせて、再び動き始めたんだ!この『闇』は本体じゃないけど、今までより明らかに構成霊素の密度が高い!」
🦁「……フン、あのトカゲ野郎。とことんはた迷惑だな。ミドリヤ、シルバーにしっかり捕まっとけよ。……『王の咆哮(キングス・ロアー)』!」
🥦「……っ!!」
『闇』を砂にしようとレオナが魔法を振るったが、いくら砂にしても『闇』が尽きることはない。『闇』は少しずつ出久の足の上を這いあがってきた。
🥦「――オルトくん!もしここで、みんなが『闇』に捕らわれたらどうなるの!?」
🔥「それは予測不可能だ。だから、絶対にシルバーさんから手を離さないで、ミドリヤさん!!このまま安全な『夢』に不時着して、そこで『闇』を倒すんだ!」
オルトの推進力は徐々に落ち、『闇』は勢いを増している。『闇』は巨大な蛇のように、今にも出久たちを呑み込む寸前だった。 - 114125/09/06(土) 22:23:46
🥦(――ここでオルトくんとシルバーくんが捕まるのは絶対にダメだ!イデア先輩の作戦が失敗して、賢者の島の人たち全員が救からなくなる)
出久は魔導アーマーのブースター機能のダイヤルを回した。エネルギー供給を断たれた魔導アーマーだが、ほんの少しだけ使える魔導エネルギーが残っている。
🥦(スマホのバッテリーは切れてない。たった一発撃てれば良い!)
キィィ、と機械の駆動音が走る。
🧨「――――!?出久、テメェまさか!」
😺「イズク!オメー何してるんだゾ!?」
🥦「オルトくん!スマホに残ってるエネルギーで、一撃だけスマッシュを撃つ!それで『闇』を押し戻して、反発力を使って君たちは目的地の『夢』に向かって!!」
出久はシルバーの脚から両手を離し、『闇』と対峙した。
🥦「――“デトロイト・スマッシュ”!!」
*対抗ロール(構成霊素ダメージ補正あり)
出久 dice1d100=49 (49) -94
爆豪 dice1d100=80 (80) -83
『闇』 dice2d100=2 52 (54)
- 115二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:31:29
緑谷氏⁈⁈ お前さん、もっとご自分を勘定にいれなすって!!!
- 116二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:35:56
やると思ったよ!!!
- 117125/09/06(土) 22:55:48
🧨「てめぇ一人で行かせっかよ!!――“ハウザーインパクト・クラスター”!!」
――SMAAAAAAAAAASH!!
――BOOOOOOOOOOOM!!
魔導の閃光を纏った一撃と、眩く輝く爆破の光が『闇』を一瞬退ける。その力は敵を退けるのみならず、オルトの推進力となって彼らが進むのを救けた。
😺「イズク!!バクゴー!!ふなあああぁああっ!!」
🔥「ミドリヤさん!バクゴーさん!」
♥♠「「ミドリヤ!!バクゴー!!」」
オルトのアイカメラに、底なしの『闇』が再び形を成して出久と勝己を飲み込もうとする光景が映りこむ。グリムは悲鳴を上げるように二人の名前を呼んだ。
😺「今すぐ引き返すんだゾ!じゃないとアイツらが!!」
🦁「チッ、ピーピー喚くんじゃねぇ!何のためにアイツらが飛び出したと思ってる!オルト、シルバー、お前らはわかってるな?」
🔥「――うん。兄さんの作戦を絶対に成功させる!」
⚔「……ああ、彼らの勇気を、決して無駄にはしない!」
シルバーは迷わず進み続けるオルトのナビを追い、目的の『夢』が放つ光の中へと飛び込んでいった。
*
🥦「……よかった、向こうは無事に『闇』から逃げられたみたいだ」
🧨「ったく、てめぇはよォ~~~~~~~~~!!!!」
無限に湧く『闇』に出久は足の先から取り込まれ、勝己は腕の裏から周到に回り込んできた『闇』に掌から取り込まれた。
出久は飛んできた勝己に「どうして」と問うことはしなかった。もう勝己の体が勝手に動いてしまうことを知っていたから。
🥦「もがっ、ぐ、ぉ”、ごぼっ……!」
🧨「グボッ、…‥オ”、ごッ‥…!」
『闇』が二人を飲み込んでいく。不定形の異物が口腔と鼻腔を這いあがり脳髄を犯される感覚は二度と味わいたくないと思っていたのだが。
🥦(できれば二度とヘドロみたいなのは嫌だったんだけど……!)
🧨(クソッ!今ンなってヘドロみてぇなのにやられるとか、最悪過ぎンだろ!!!)
二人の運命を変えたあの日の、最悪な記憶が蘇る。それに懐かしさも嫌悪も感じる暇を与えないほどに、『闇』は二人の意識を蕩けさせ、深い眠りへと引き摺り込んでいった。 - 118二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 22:58:07
これはNRC生達が巡回する流れきました⁈
- 119125/09/06(土) 22:59:14
てなわけで、夢巡りの旅の延長戦が始まるドン!
このスレは基本的に三人称一視点を採用してますので、しばらくはエースがメイン視点になります。
早速二人の夢に行く前に、軽く準備パートのダイジェスト挟みますゾ - 120二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:08:12
そういや2人ともヘドロヴィランに飲まれてたな
デクは人知れず
かっちゃんは大勢に周知 - 121二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:19:38
ヤッター!延長戦だ!!ヒロアカ世界のイカれ具合にドン引きのツイステキャラがみれるぞーーー!!
- 122二次元好きの匿名さん25/09/06(土) 23:19:59
FOOOO!盛り上がってこーぜ!
- 123125/09/07(日) 00:32:42
出久と勝己に『闇』から逃された後、オルトの導きで一行はエースの夢へと降り立った。
みんなボロボロで不安だった。出久と勝己がどうなったのかも分からない。リドルは夢の深淵に沈んだきり様子が分からないまま。未だにイデアとも『S.T.Y.X.』とも連絡はつかない。
オルトは「どうすればいいのか分からない」と幼い子どものように立ち尽くしている。
🔥「……僕、生まれて初めてなんだ。こんなに長く、兄さんとも、外部ネットワークとも接続できない状態が続くのは。に、兄さんにもしものことがあったら、どうしよう……?僕がこうしてる間に、父さんや母さんがまた大切な人を失うことになったら……」
🔥「そんなのいやだ、や、約束したのに……うう、ひぐっ、ううぅ……!うえぇえっ!ひ、えぇえぇ~ん……!」
オルトが声を上げて泣き出した。冷却水が漏れちゃう、と言いながら、両目のパーツから大粒の雫を零している。
ごく自然に子どもをあやすように、シルバーがオルトのハンドパーツを握り、トレイが頭部を撫でる。
きっと大丈夫だよ、と慰められるうちに、オルトはウトウトと頭を傾けた。スリープモードに入ってしまったらしい。
見守っていたエースたちも疲労が限界で、暖かい砂浜の上に座り込むうちに、いつの間にか眠ってしまった。
*
南国の陽気の中で睡眠をとって体を休めていると、オルトのもとについに『S.T.Y.X.』の通信が入った。
通信相手はオルトの両親。エースはシュラウド家の事情を詳しくは知らないが、とても優しそうな人たちだった。
『S.T.Y.X.』の所長であるオルトの父によれば、現在イデアは夢から醒めていることをマレウスに勘づかれ、本人から夢に攻撃を受けている状態で、それにより通信遮断状態にあるという。幸い、オルトも使用していた対霊素法則転写障壁により、マレウス本人との接触は食い止められているらしい。
🔥「今すぐ助けにいかなきゃ!」
オルトがすぐさま立ち上がるが、父が否定した。すでにイデアの夢は『闇』に占拠されており、それに対抗するためにイデアが障壁を何重にも張っているため外部から手出しできない状態になっているらしい。
聞かされた壮絶な状況に絶句したが、オルトの母が悪戯っぽい声で「これなーんだ?」と一枚の画像データを送信してきた。
イデアの夢の中を転写したものだという画像には、何故かリドルが映りこんでいた。 - 124二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 00:49:15
- 125125/09/07(日) 01:02:03
イデアはマレウスに接触を受けた瞬間に、夢から醒めたリドルをヘルプ人員として自身の夢に召喚していたらしい。
オルトではなくリドルを呼んだのは、ナビ役であるオルトがいなければシルバーが正しく夢を渡れなくなるからだ。
ひとまずイデアとリドルの無事を確認し、エースたちは息を吐いた。
♥「リドル寮長も心配だけど、ミドリヤたちはどうなったの?」
😺「そうなんだゾ!アイツら、リドルの夢から逃げてくるときに『闇』にパクっと食べられちまったんだゾ!」
🌸「先ほど『S.T.Y.X.』で管理している『夢』のIDの一覧に、新しくミドリヤ・イズクさんとバクゴー・カツキさんのものが追加されたわ。二人とも、今は自分の『夢』の中で眠っているみたい」
オルトの母からの情報で出久と勝己の無事も確認でき、エースたちはようやく強張っていた肩の力が抜けた。
🔥「兄さんの夢に入れなくても、ミドリヤさんとバクゴーさんの夢には入れる。二人とも、対マレウスさんの最終決戦の重要な戦力だ。助けにいかなくちゃ!!」
😺「おう!アイツら、オレ様がいねぇと心配だからな!」
♥「それはお前のほうでしょ、グリム。でも、まあ、そうね。ここまで来たのに、アイツら抜きで最終決戦とかあり得ないでしょ!」
♠「ああ。アイツらは僕を『夢』から助けてくれた。今度は僕たちが助ける番だ!」
これまで、二人には何度も助けられてきた。それを見捨て得たとなれば筋が通らない。出久たちを助けにいくために、エースたちは立ち上がった。
🐊「フン。言われずとも、僕もそのつもりだ。どうだシルバー、貴様、まだ夢を渡る魔法は使えるのか」
⚔「大丈夫だ。俺のユニーク魔法は消費魔力が少ないし、先ほどの仮眠でかなり体を回復できた」
シルバーの魔力残量も、二人分を夢を渡るには十分残っている。 - 126125/09/07(日) 01:03:48
次の夢へ渡る前に、連戦続きで構成霊素に蓄積されたダメージが大きいトレイとケイト、レオナはこのままエースの夢で待機してもらうことになった。
🔥「セベクさんも心配だったけど、仮眠中の回復プロトコルでかなり回復できたみたいだから大丈夫そうだね。デュースさんも、ユニーク魔法を使うためにダメージを受けてたはずだけど、構成霊素のゆらぎは少ない」
⚔「良かった。グリムとエースとともに、デュースが来てくれるとありがたい。お前たちはあの2人とよく一緒にいるからな」
夢を渡るメンバーは、オルト、シルバー、セベク。それから、エースとデュースとグリム。
6人とも全快したとは言えないが、今できることをするために、次の夢へ渡る決意を固めた。
☘「お前たち、どうか無事に戻ってきてくれよ」
🔶「危ないことしちゃダメだからね!先輩との約束!」
🦁「俺はここで全力で回復に努める。それが最善だ」
😺「レオナは昼寝してぇだけなんだゾ」
🔥「それじゃあ行こう。――頑張れ……リドルさん!兄さん!」
⚔「いつか会った人に、いずれ会う人に。『同じ夢を見よう』!」
心配そうに見送るトレイとケイトと、すでに砂浜に寝ころんでいるレオナに手を振って、エースたちは『夢の回廊』へとダイブした。
*回復プロトコル 霊素ダメージ回復
グリム(89) ー dice3d10=10 1 2 (13)
シルバー(73) ー dice3d10=7 4 10 (21)
セベク(95) ー dice3d10=7 1 5 (13)
エース 50ダメージからスタート
デュース 50ダメージからスタート
- 127二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:12:20
このレスは削除されています
- 128125/09/07(日) 01:14:13
*(ミス再送)
夢渡りはかっちゃんから先に行きます
デクは監督生なので、寮長同様にラストです
夢はマレウスクオリティの「不快が排除される歪んだ世界」のテイストで行きます。
中身全然考えてないのでダイス神にぶん投げて行きますゾ
*かっちゃんの夢 dice1d3=3 (3)
1.かっちゃんが川に落ちることがなかった世界
2.かっちゃんの幼いプライドが脅かされることがなかった世界
3.かっちゃんがもっと早く素直になれた世界
↑とPart19で振ったダイスをミックスした感じで
- 129二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:15:00
このレスは削除されています
- 130二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 01:18:06
振りなおし前は川ポチャだったけど
泣っちゃんを考えるともっと素直だったら…
ってのは納得 - 131二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 06:30:36
延長線どうなっちまうんだ…
- 132二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 09:47:30
カリム夢みたいなノリになるかな…
- 133二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 12:27:51
やったー!!!!!
延長戦ありがとう!! ありがとう!!
7章始まってからずっと待ってました!!!!! - 134二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 12:43:03
幼馴染2人のキファジさんポジNPCはオールマイトと見た
それかお互いって線もあり
楽しみ(*´꒳`*) - 135二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 18:06:00
夢の中だけど、A組のお友達にも会えるのかな
- 136二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 20:24:48
かなり個人的な意見になるけど、
自分の体ぶっ壊しながら大義掲げて助けに来る緑谷って、助けられる側からしたらたまったもんじゃねぇよな
本編は頑張れって感じのデクって形で応援してたけど
ツイステだとまた違うアプローチが出来るのかもしれない - 137125/09/07(日) 20:52:24
- 138二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:03:30
デクの夢はデボラの時みたいな「オールマイトグッズに囲まれてる」に+自分の個性に対して無沈着とかかなあ
最初にユアネクスト見た時にツイステの夢みたいって思った覚えある - 139二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:06:40
何となくデクはレオナみたいに夢なのに上手く行かない夢を見てるイメージがある
それこそヒーローで有りたかったからOFA譲渡を躊躇って死柄木を倒せなかった夢とか
かっちゃんは逆に強固なこう有りたい!ってイメージがあるから統合性取れた覚ましにくい夢を見てそう - 140125/09/07(日) 21:09:42
🔥「霊素シグナル・トラッキング成功。指定された座標へ到着しました。――よし、バクゴー・カツキさんの夢に到着したよ!」
♥「――ここが、ミドリヤとバクゴーのいた国‥…」
オルトの導きでエースたちが降り立った先は、ガラス張りの塔のような四角い建物の前だった。赤いレンガ造りの家屋が多い薔薇の王国で育ったエースにとって、初めて見る建築法の建物だった。
😺「ふなぁ、でっけー建物なんだゾ!」
🐊「周辺の街並みと比較しても非常に立派な建造物だな。一体何の施設なんだ?」
♠「『雄英体育祭』って書いてあるな。……見たことない文字なのに読めるのは不思議な感覚だ」
⚔「夢の世界では、異国の文字や言葉をなぜか理解できることはままある。おそらく、夢の主の思考が直接伝わってくるからだろう」
♥「UAって、確かあの2人が元いた学校の名前だよね。じゃあ、バクゴーはこの建物の中にいるのか」
エースたちはガラスの建物へと続く立派な門を覗き込んだ。随分とセキュリティが厳しいようで、出入りする人間は念入りに手荷物をと身体を検査されている。
🔥「ちょっと待ってね。今、情報を集めるためにこの世界のフリーWi-fiに接続できないか試してるんだけど……」
*オルト Wi-fi dice1d3=1 (1)
1.やや重いが一応つながった
2.絶望的に重いが一応つながった
3.できなかった
- 141二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:12:04
早い段階で素直に…=夢の時点が雄英体育祭ってことは戦闘訓練の時に素直になった?
- 142125/09/07(日) 21:30:59
🔥「よし、つながった!僕たちの世界の通信とはコードが少し違うみたいだから読み込みに時間がかかるけど、色々と検索できそう!」
オルトは手始めに『雄英体育祭』というワードで検索をした。
雄英高校は日本という国の国内最高峰のヒーロー科を有する国立高校であり、そこで毎年開催される『雄英体育祭』は国民が熱狂するような『個性』を駆使した熱い試合が行われる場であり、ヒーロー科の学生にとってはプロへのスカウトを勝ちとるためのアピール場であるらしい。
🔥「すごいや!話には聞いていたけど、本当にヒーローの学校があるんだ!」
😺「ははーん。さては、バクゴーはその『雄英体育祭』で優勝して、キャーキャー言われてすげートコからスカウトされる夢でも見てるに違いねぇんだゾ!」
♥「言えてる。バクゴーって“勝つ”とか“一番”って言葉好きだもんな」
とにかく、勝己を夢から醒ますためには、本人に接触しなければならない。エースたちは雄英高校の門をくぐり、人の波に乗って体育祭の会場を目指した。
*
ナイトレイブンカレッジのコロシアムに似た会場へとたどり着いたが、現在は昼休憩中のようで、試合の代わりに大きな液晶で午前中の映像が流れていた。
休憩明けには決勝トーナメントが始まるらしい。
😺「あっ、バクゴーだ!アイツ、開会式の選手宣誓なんてやってるんだゾ!」
♠「音声はついてないけど、何を言ったんだろうな」
♥「他の生徒を顔見た感じ、どうせいつもの通常運転でしょ」
🐊「そういえば、ミドリヤもバクゴーと同じ学校に通っていたのだったな。ならば、アイツもどこかに映っているのではないか?」
🔥「『相貌認識を実施します』――あっ、ミドリヤさんもいたよ!ミドリヤさんは、 dice1d2=2 (2) に並んでるみたい!」
1.バクゴーさんが元いた列のすぐ後ろ
2.バクゴーさんとは別の列
- 143二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 21:36:11
おっとお?
- 144125/09/07(日) 21:50:31
♥「ん?この列って見た感じクラス別だよね。アイツらって同じクラスだって言ってなかった?」
♠「確かに。そうだとすると変だな」
😺「ま、まさかバクゴーのヤツ、本当はイズクと同じクラスは嫌だったってことか?」
⚔「どうだろう。今まで傾向からして、マレウス様の魔法で作り出される夢は、夢の主の不快な感情を排除するためにかなり歪んだ形で現実が改変されている場合が多い。ミドリヤのクラスが変わっているのも、何らかの事象が改変された影響である可能性が高いだろう」
🔥「うぅ~、データが重い……。今新しく情報を取得できたけど、雄英高校ではヒーロー科以外の学科もあるみたい。ミドリヤさんが並んでいるのは、 dice1d3=1 (1) のクラスみたいだ」
1.普通科
2.サポート科
3.経営科
♥「ハァッ!?ヒーロー科じゃねぇの?」
♠「一体何がどうなってそんなことに……」
ここまでの夢巡りとは異なり、この場には勝己のバックグラウンドを知るものがいない。二人はあまり元の世界のことをエースたちには語らなかったから、分からないことだらけだ。唯一彼と同じ世界から来た出久も、今は『夢』に囚われている。
⚔「お前たち、静かに。そろそろ決勝トーナメントが始まるようだ」
アリーナに審判と進行を務める教師兼プロヒーローが入ってきて、会場の熱が高まっていく。
🎤『ヘイガイズ、アァユゥレディ!?いよいよ始まるぜ、ガチンコ勝負!!心・技・体に知恵知識!!総動員して駆け上がれ!!』
音が割れるようなアナウンスが響けば、会場は燃えるような熱気に包まれた!
😺「ふなぁ、セベクとは別の方向でウルセーんだゾ!」
♥「テンション高すぎでしょ」
- 145125/09/07(日) 22:00:03
何でもかんでもダイスで決めていくぜ!
なんといってもダイス神は平等だからな!!
*決勝トーナメント
かっちゃんとデクが当たるのは dice1d4=1 (1)
1.初戦
2.準々決勝
3.準決勝
4.決勝
- 146125/09/07(日) 22:03:50
先に戦闘ロールも振っちゃうぞ
マレウスクオリティなのでかっちゃんは絶対に負けない仕様になってるけどな!
*戦闘ロール dice1d2=1 (1)
1.爆豪の圧勝
2.出久も懸命に食らいついた
- 147二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:07:07
おお????
- 148二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:29:29
早い段階で素直になった結果、幼馴染関係が原作ほど拗れてなくて、相対的にデクのヒーロー精神が緩和された感じか…
- 149125/09/07(日) 22:32:16
♥「――今更なんだけどさ。なんでアイツらが人間に対する認識がバグってるっていうか、変なところで寛容なのか、やっと分かった気がする」
♠「本当にな。バクゴーのこと、掌が爆発するビックリ人間だと思ってたけど、ここにはそれよりずっとビックリする人間が沢山いる」
🐊「獣の耳を持つ者や、角を持つ者、岩のような体を持つ者、四肢が変形している者……。妖精や竜に似た姿の者もいる。彼らが全員人間だとは、にわかには信じがたいな」
改めて会場を見渡せば、観客も選手も肌や髪の色どころか、体の形から多種多様だった。エースはかつて出久から「無個性は絶滅危惧種なみに珍しい」と聞いたことがあったが、その意味を真に実感した。
😺「ふなっ!バクゴーとイズクの試合が始まるんだゾ!」
🎤『一回戦!!ヒーロー科主席、ここまでの競技もブッチ切りトップ!ヒーロー科、爆豪勝己!!バーサス!無個性ながら堅実な立ち回りで決勝トーナメントまで勝ち上がってきたダークホース、普通科、緑谷出久!!同中出身、幼馴染対決だぜエブリバディ!!』
アナウンスに合わせ、勝己と出久がコートに上がる。勝己の周りには、夢の主であることを示す光る小鳥が飛んでいた。
🎤『ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする、あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!!ケガ上等!!こちとら我らがリカバリーガールが待機してっから!!』
🥦?「かっちゃん、今日こそ君に勝つ!!」
🧨「全力でかかってこいや、dice1d2=1 (1) !!」
1.出久、
2.デク
🎤『レディィィィイイイイイイ、START!!』
- 150125/09/07(日) 22:39:25
――結論から言うならば、ほとんど試合にならなかった。
獅子が兎を狩るのに全力を尽くすが如く、勝己は試合開始とともに惜しみなく爆破を力を使ってこの夢のNPCである出久に飛びかかった。
出久は勝己の動きを見切って体を捻ったが、勝己は出久が避けたのを見てから空中で体を捻り、的確に体を押さえつけた。
出久の両肩が地面につき、カウントが始まる。出久は必死に勝己を押し返そうとしたが結局敵わず、際どい衣装を着た女性のヒーローが試合終了と勝者である勝己の名を告げた。
🥦?「クソぉ~、悔しいなぁ!今度こそ、君を超えてみせる!」
🧨「フン、やってみろや」
🎤『IYAHA!とりあえず両者の健闘を称えて、クラップユアハンズ!!』
試合を終えた二人は笑い合い、コートから去っていった。
*違和感ロール (51以上で成功)
エース dice1d100=99 (99)
デュース dice1d100=71 (71)
グリム dice1d100=41 (41)
オルト dice1d100=5 (5)
セベク dice1d100=53 (53)
シルバー dice1d100=34 (34)
- 151二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:40:51
まぁ程々に頑張るって感じの出久だ!
エースの出目高いのマブすぎる - 152二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:43:51
- 153125/09/07(日) 22:49:36
*違和感を感じた部分
エース dice1d3=3 (3)
デュース dice1d3=1 (1)
セベク dice1d3=1 (1)
1.出久がヒーロー科ではないことについて
2.勝己が圧勝したことについて
3.二人のやりとりについて
- 154二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 22:51:53
セベクは分かるけどデュースもそっちかい!
- 155125/09/07(日) 23:09:04
♠「なんか……納得いかないな。ミドリヤ相手にバクゴーがあっさり勝っちまったこともそうだけど、ミドリヤがヒーロー科じゃないってことが一番納得いかねえよ。だって、アイツほどヒーローって言葉が似あう男もいないだろ」
🐊「同意だな。ミドリヤは魔力や特殊体質こそ持たないが、夢を渡る旅の中で、どんな相手にも臆さず立ち向かい、シルバーが『闇』に呑まれたときも真っ先に救出に向かった。なぜバクゴーはこの夢でミドリヤをヒーロー科ではない場所に置いたのか、まるで理解できん」
♥「……ヒーロー科の件もそうだけどさ。アイツらの会話もなんか違和感あったんだよね。なんか、ミドリヤってバクゴーに対してあんな感じだった?ってちょっと思った」
⚔「俺にはあまり本人との違いは分からなかったが、過ごした時間が長いエースだからこそ分かる部分もあるだろう。ちなみに、どこに違和感を感じたんだ?」
♥「あー、上手く言葉にできねーけど……強いて言うなら dice1d3=2 (2) かな」
1.表情
2.声色
3.言葉づかい
🔥「うーん。判断材料が少なすぎるけど、この夢におけるミドリヤさんの扱いに違和感を抱いたって点で一致しているね。このまま試合を観戦していてもバクゴーさんを夢から醒ますことはできないし、本人たちに会いにいってみようよ!」
♥「それについては賛成。だけど、この夢のバクゴーってオレらのことなんて覚えてないわけじゃん?アイツが知らない人間とおしゃべりしてくれるとは思えないんだけど」
😺「言えてるんだゾ!『ウルセーモブども、オレに話しかけてんじゃねぇ!』とか言って、爆破してきそうなんだゾ」
🔥「それについては、僕もグリムさんと同意見だ。バクゴー・カツキさんの性格を考えると、この夢では完全に他人の僕たちがいきなり話しかけても拒絶される可能性がかなり高い」
🔥「だから、この夢の違和感が詰まった、NPCのミドリヤ・イズクさんに話を聞きに行こう!それで、僕たちが知っている二人の情報との齟齬を炙り出すんだ!」
- 156125/09/07(日) 23:32:46
「「ドリームフォーム・チェンジ!!」」
♥「おー、すげー!マジでミドリヤたちと同じ制服だ!」
♠「異世界の制服を着るって、不思議な感じだな」
🔥「学部が違う設定だから、デザインのディティールは違っているけどね」
選手がいる場所といえば控室。エースたちは周囲から怪しまれないよう、オルトの母が作成した『雄英高校の経営科の制服』と『学生証』を受け取り、スタジアムの内部を移動した。
♥「すいませーん!試合後のインタビューをしたいんですけどー!!」
🥦?「えっ?あ、はい、今行きます!」
インタビューなんて嘘っぱちだが、経営科の学生のふりをしてノックをすれば、律儀に出久の方から控室の扉を開いてエースたちを迎えてくれた。
🥦?「えっと、僕、こういうのは初めてで……。一体何をお話すればいいのか……」
NPCの出久はカチコチと固まり、緊張しきりといった様子だ。基本的には本人の性格に忠実に作られているようだが、違和感はある。エースが知っている出久は、もっと肝が太かったような気がした。
*質問内容 dice1d3=3 (3)
1.勝己について
2.出久の個性について
3.出久の学科について
4.『オールマイト』について
5.『OFA』について
※全部質問しますが、順番決め用
最初は↑三つから
ついでにあと一つくらい安価で募集します
- 157二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:35:25
もっと早く素直になったら…でデクがヒーロー科じゃないの割とエグいな
かっちゃんが正気に戻った時の反応が怖い - 158二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:35:57
体育祭の結果についての感想
- 159二次元好きの匿名さん25/09/07(日) 23:39:14
将来"なりたいもの"について
- 160二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 00:59:03
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- 161二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 01:05:55
良くも悪くもマレウス主観の”幸せ”で作られてる感じが段々出てきたな〜〜…
これからどうなるのか楽しみ
もし安価が一個ズレるなら「何故雄英高校に入学したのか」 - 162二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 08:13:03
"不快"はどうしようもない色んな感情を綯い交ぜにしたものな部分もあるのにな……もう色んな根幹なんだよな不快ってある意味
- 163二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 09:58:02
まぁ確かに良くも悪くもデクの存在で自身の人生設計狂ってると思うから、それを不快に思う気持ちがあるだろうよ
しかも、自身の根幹に関わってくるから、安易な排除も出来ないから、自身に都合のいい存在にするしかないってわけね
- 164二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 16:48:05
そう言えば、オバブロ組みたいな内なる自分とのバトルはあるのだろうか?
面影との会話とかも萌えるなぁ〜 - 165二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 20:44:20
幼少期〜高校での私闘までのかっちゃんって、成長期とか思春期の気持ちの揺らぎがほとんど全部「デクへの嫌悪と畏怖」で構成されてそうだから、そこの不快を消すとなるとデク側にでかい齟齬が出るのはそれはそう過ぎる
- 166125/09/08(月) 21:27:43
安価で質問絞るつもりでしたが、全部入れて自然な会話になるようにそれっぽい順番でいく感じでいきますゾ
- 167125/09/08(月) 21:47:57
♥「えーっと。まずは試合おつかれさん。早速だけど、試合の感想を聞いてもいい?」
🥦「うーん。一言で言うなら、やっぱり“悔しい”かな。せっかくプロヒーローにアピールできる絶好のチャンスだったのに、瞬殺されちゃったからなぁ。まぁ、かっちゃんが手加減してくれるわけないってことは最初からわかってたけど……」
♥「……へえ?やっぱりプロヒーロー志望なんだ」
🥦「そりゃあもう!昔からずっとオールマイトにヒーローに憧れて、オールマイトみたいな最強のヒーローになりたいって思ってた雄英を受けたんだから!」
🔥「そっか。雄英高校はオールマイトの出身校だから、ここを選んだんだね。でも、それだけ熱心にヒーローを目指しているなら、どうしてヒーロー科を受けなかったの?」
🥦「それは……受けたけど、受からなかったんだ」
♠「ええっ、ミドリヤが!?一体なんで……」
🥦「……『無個性』だから。ヒーロー科の入試じゃ歯が立たなかったんだ。でも、雄英は体育祭で活躍できれば他の学科からヒーロー科に転学科できるっている実績があるから、併願してた普通科を選んだんだ」
🔥「ひょっとして、センシティブなことを聞いちゃったかな。そうだとしたらごめんなさい」
🥦「いえ、そんな!『無個性』なのにヒーローを目指すのが難しいってことは覚悟してたから、そこまでショックじゃなかったし……」
🥦「それに――『お前はヒーローになれる』って言ってもらったから、どんなに辛くても頑張れるんだ」
🐊「ほう?肩書に惑わさずに貴様の資質を見出した慧眼の持ち主がいたのだな。貴様の師か?」
🥦「師?ふふ、そんな人はいないよ」
🥦「――かっちゃんが、昔そう言ってくれたんだ」
*違和感ポイント
エース dice1d100=49 (49) +99
デュース dice1d100=11 (11) +71
グリム dice1d100=66 (66) +41
オルト dice1d100=25 (25) +5
セベク dice1d100=10 (10) +53
シルバー dice1d100=85 (85) +34
- 168二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:56:21
(昔の)かっちゃんはそんな事言えねー
- 169二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 21:57:33
ここのデクは"最強の"ヒーローとしてオールマイトを見てるんだな
おそろいだ(かっちゃんと) - 170二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:00:11
- 171二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:01:28
これ誰かが本当は複雑骨折並みの関係値だったろって突きつけないといけないんすか(((
- 172125/09/08(月) 22:05:42
😺「え~~~っ、バクゴーがぁ~~!?アイツがそんなこと言うわけねぇんだゾ!」
🥦?「そ、そこまで言うことかな!?確かにかっちゃんってとにかく口が悪いし乱暴なところもあるけど……」
思わず、といった風にグリムが叫ぶと、NPCの出久はわたわたと手を振りながら勝己のフォローをした。
🥦?「――昔、まだ僕たちが幼稚園生だった頃だったかなぁ。かっちゃんと近所の子たちと一緒に森を探検してたんだけど、かっちゃんが丸太橋の上で足を滑らせて川に落ちちゃったことがあって」
⚔「川に!?幼い子どもにとっては非常に危険な状況だ。大丈夫だったのか?」
🥦?「うん。浅くて穏やかな川だったから、かっちゃんはどこも怪我しなかったんだ。でも、あの時僕はかっちゃんが心配で、川の下まで降りて『大丈夫?』って聞いたんだ。そしたら、かっちゃんを怒らせちゃって……」
♥「あー。すげー想像できるわ」
😺「アイツのことだから、『オレを心配すんじゃねぇ!』とか何とか言ったに決まってるんだゾ」
🥦?「あはは。すごい、当たってる。……でもね、次の日、僕の家まで謝りに来てくれたんだ」
🥦?「――その時に言ってもらったんだよ」
――コン、コン。
そのとき、控室のドアをノックする音がした、次の選手が来てしまったらしい。
🥦?「すいません、今出ます!!……インタビューはこんな感じで大丈夫だったでしょうか?」
🔥「うん、バッチリだよ!今聞かせてもらった情報は大切に活用させてもらうね!」
🥦?「できればプライバシーに配慮してほしいですが……」
出久は荷物をまとめて控室を出ていく準備を始める。エースたちも『闇』に怪しまれないようにするためには、一旦退散しなければならない。
🔥「ねえ、ミドリヤ・イズクさん。最後に一つだけ質問をしてもいいかな」
🥦?「うん?いいよ」
🔥「――『ワン・フォー・オール』って個性について、聞いたことはない?」
🥦?「『ワン・フォー・オール』……?初めて聞く名前だ」
🔥「……知らないなら良いんだ!僕の勘違いだったみたい!インタビューに協力してくれてありがとう!」
♥「じゃ、オレらはこれで!」
NPCの出久から可能な限り情報を引き出して、エースたちは控室を後にした。 - 173125/09/08(月) 22:07:01
*違和感ポイント
エース dice1d100=69 (69) +148
デュース dice1d100=86 (86) +82
グリム dice1d100=81 (81) +107
オルト dice1d100=6 (6) +30
セベク dice1d100=93 (93) +63
シルバー dice1d100=7 (7) +119
- 174二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:07:21
- 175二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:09:55
本来のデクくんなら「一人は皆のために?」みたいに反応はするだろう
AFOの名前にすら「皆は一人の為に」って言葉としては知ってたし - 176二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:18:01
『勝ちたいって思った時はかっちゃんみたいに口調が悪くなる』っていう情報は流石に本人も気持ち悪いから黙ってるみたいなので、かっちゃんは自身がデクの勝利の権化は知らないと思う
- 177二次元好きの匿名さん25/09/08(月) 22:30:37
- 178二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 06:46:20
だってそこから拗らせアクセルベタ踏みするから……
- 179二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 11:53:00
本来のかっちゃんがわざわざ家まで行って謝るような殊勝な生活じゃねえな…来るとしても母親同伴だろう(同伴っていうか主導)
- 180二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 11:57:03
ていうか、川ポチャ事件ってかっちゃんにとっては忘れられない出来事だけど、デクにとっては覚えているかもしれない子供の頃の思い出の1つでしかないな…
- 181二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:27:44
いっそ忘れてるまであるかもしれないよね
誰かに手を差し伸べるのは普通のことだから - 182二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 12:53:30
このレスは削除されています
- 183125/09/09(火) 12:54:49
🔥「それじゃあ、バクゴーさん本人に会いに行く前に情報を整理しようか」
一度会場から外に出て、エースたちは輪になって作戦会議をしていた。
♥「いやー。NPCのミドリヤ、実際に話してみると違和感ありまくりだったわ」
🐊「待て。こういうときは、憶測を抜きにした客観的な齟齬から洗い出していくのが定石だ。貴様の考察はその後で話すが良い」
😺「ぱっと見でわかる本物との違いといえば、アイツらの傷がなくなってることだな!」
先程の偽インタビューで尋ねた出久は傷がない丸い頬をしており、緊張して震えていた手も指の骨が真っすぐだった。
♠「それから、現実のミドリヤはヒーロー科なのに、ここでは受かってなかったことと……」
🔥「『ワン・フォー・オール』についての記憶が欠落していることだね」
😺「ふな?その『わんふぉーおーる』って何なんだゾ?」
オルトが口にしたのは、エースたちには聞き覚えのない単語だった。
🔥「ミドリヤさんとバクゴーさんはあまり元の世界の出来事を話していないということだけど、嘆きの島の『タルタロス』で、エペル・フェルミエさんたちの質問に答える形で元の世界の情報を提供していたよ。あの時、『タルタロス』中の監視デバイスが収集した音声データが僕のライブラリに残ってる」
😺「えーっ!なんでオレ様たちには話してくれないのにエペルには話すんだゾ!?」
🔥「あの時は極限状態だったから、流石に口が緩んだんじゃないかな」
♥「ニコニコしながら言ってるけど、そもそもその極限状態を作り出したのってお前だよね」
🔥「ゴホン!それじゃあ、僕の知っている情報と、この世界での情報の齟齬を羅列していくよ!」
オルトは人間らしい仕草で咳払いすると、知っている情報をまとめて空中に映し出した。 - 184125/09/09(火) 13:06:30
🔥「まず、ミドリヤさんが生まれつき無個性だというのは本当。でも、彼は『ワン・フォー・オール』という個性をオールマイトから授かっていた時期があった」
⚔「ふむ。ミドリヤは時々『師匠』という言葉を使っていたが、彼の憧れであるオールマイトその人だったということか」
🔥「その可能性が極めて高いね」
🐊「僕はその“オールマイト”という人物について良く知らないのだが、いったいどんな人物なんだ?」
🔥「情報検索によれば、この国で『平和の象徴』とも呼ばれている名実ともにナンバーワンのヒーローだよ。本名、年齢、『個性』など、個人情報はほとんどが非公開。それでも、圧倒的な強さと、いつも笑顔を絶やさない人柄によって、この国で圧倒的な支持と人気を集めているよ」
😺「ふなっ。エペルの夢ん中で見たイズクの顔真似ソックリなんだゾ!」
オルトは画像検索で出てきたオールマイトの写真データを映し出した。いかにも“スーパーヒーロー”といった画風の筋骨隆々とした男だ。
🔥「なぜオールマイトがミドリヤさんに『個性』を譲渡したのかは不明。『個性の譲渡』ということ自体が極めて特殊な事象で、この世界で情報を検索しても事例が全く出てこないけど、とにかくミドリヤさんは何らかの方法で彼から『個性』を授かった」
🐊「なるほど。入学試験前に『個性』を授かっていたのなら、現実のミドリヤがヒーロー科に合格したこととも矛盾しないな」
🔥「正確な譲渡時期は不明だけどね。それで、『ワン・フォー・オール』は“とにかくすごい力を出せる個性”で、ミドリヤさんの手や腕が歪んでいるのは、その度重なる反動によるもの。更に、『ワン・フォー・オール』は巨悪を討つための力で、ミドリヤさんはその使命を果たした、という情報も断片的ながら話していたよ」
♠「き、巨悪って……」
🔥「それも詳細は不明。だけど、バクゴーさんの右腕や心臓の傷は、その巨悪と戦った際に負ったものだ」
*衝撃度
エース dice1d100=100 (100)
デュース dice1d100=9 (9)
グリム dice1d100=89 (89)
セベク dice1d100=85 (85)
シルバー dice1d100=41 (41)
- 185二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 13:12:44
毎回デカい数値引くなぁエース…
- 186125/09/09(火) 13:36:41
♠「なんだか話が壮大すぎて頭に入ってこないけど、やっぱりミドリヤとバクゴーって元の世界でもすごいヤツだったんだな」
♥「いやいやいや!そんな呑気に感想言ってられるような話じゃないでしょ!?」
オルトから断片的に伝えられた情報にエースは度肝を抜かれた。聞いた情報が本当ならば、出久はまるでコミックの主人公だ。
🔥「僕が知っている役に立ちそうな情報はこれで全部だ。ここからはこの夢と現実の齟齬について考察していこう。エース・トラッポラさんは最初に『違和感ありまくり』って言ってたけど、どこが気になったのか教えてくれる?」
♥「……一番気になったのは、やけに具体的に昔話を始めたこと。話の流れ的にはおかしくじゃなかったけど、インタビュー中だったし、ミドリヤなら相手を気づかって質問を待ってから話すんじゃね、って思ったんだよね。別にあの話って体育祭には関係ないし」
♥「あとさ、グリムも驚いてたけど、話の中のバクゴーにも違和感あって。バクゴーって悪い奴じゃないけど、ウチの学園のヤツらと比べても意地っ張りで全っ然素直じゃないじゃん?特に何かきっかけがあった訳でもないのに、そこで謝るか?って」
🐊「フン。僕にはヤツがそんな殊勝な真似をするとは到底思えんな」
🔥「うーん。夢の中でNPCがわざわざ口にした昔話となると、意味深だなぁ。もしそこが現実との分岐点になっているなら、10年以上前の話だから、小さな改変でもバタフライエフェクトの積み重ねで現在では大きな齟齬になってくるはずだけど……」
*アイデアロール (※一番数値が高い人が気づく)
エース dice1d100=74 (74)
デュース dice1d100=21 (21)
グリム dice1d100=3 (3)
オルト dice1d100=88 (88)
セベク dice1d100=3 (3)
シルバー dice1d100=15 (15)
- 187125/09/09(火) 13:55:09
🔥「……想像の域を出ないけど、ここはバクゴーさんの『後悔している出来事がなかったことになった夢』なのかもしれない」
♠「確かに、『あれを言っておけばよかった』とか『言わなきゃよかった』って後悔するのって結構辛いからな。ドラコニア先輩の魔法で消されてもおかしくないかもしれない」
🔥「うん。それで、バタフライエフェクトの結果、ミドリヤさんがオールマイトと出会って『個性』を譲渡されるイベントが無くなったと推測されるよ。因果関係は不明だけどね」
⚔「この夢のミドリヤがヒーロー科に合格できなかったのは、バクゴーが“『無個性』の者がどうやったら試験に合格できるか”をイメージできなかったから、というところか」
情報源が限られているため空白はあるものの、導き出された推測に違和感はない。
⚔「とりあえず、何となくではあるがこの夢の設定はつかめてきた。バクゴーにこの夢と現実のミドリヤとの齟齬を突きつければ、ここが夢だと認識してもらえると思う」
🔥「うん。……他に何か違和感を感じたことはあるかな」
♥「あー。強いて言うなら、 dice1d2=1 (1) かな」
1.この夢のミドリヤが本物より子どもっぽい感じがするってこと
2.この夢のミドリヤのオールマイトに対する憧れ方
- 188二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 14:01:12
- 189125/09/09(火) 14:10:41
♥「まぁ、こっちはオレの主観だけど」
🔥「現実で経験した壮絶な戦闘経験がなくなってるせいかな?一応、思考プロセスの材料として組み込んでおくね」
とりあえずの情報整理を済ませ、いよいよ勝己のもとへ乗り込む段になった。
🔥「試合のスケジュール的に、バクゴさんの2戦目はまだ先だから控室じゃない場所にいるはずなんだけど……」
🐊「この学園はかなり広い上に人も多い。バクゴーを捜すのはかなり骨が折れるぞ。おいグリム、バクゴーの匂いを辿ることはできないのか?」
😺「オレ様は犬じゃねーんだゾ!オレ様の鼻が判別できるのは、グルメの香りだけだ!」
ナイトレイブンカレッジにも引けを取らない雄英高校の敷地の広さに唸ったエースたちだったが、少し離れたところから勝己の声が聞こえてきた。
*爆豪の声 dice1d2=2 (2)
1.尋常じゃないキレ声
2.切羽詰まったような声
- 190125/09/09(火) 14:26:38
🧨「クソッ、なんでッ!!何でこんなにムカつくんだよッ……!!」
⚡「おい、落ち着けって爆豪!一体何がそんなに気に入らなかったんだよ!?」
⚙「そうだぜ。幼馴染とガチンコ勝負できんの、楽しみにしてたんじゃねーのかよ?」
声がした方を見てみれば、荒れた様子で植木を殴りつけている勝己と、彼を止めようとする赤と黄色の髪の男子生徒がいた。
🧨「違ェんだよ!出久があんなにアッサリやられちまう訳ねぇ、アイツはもっと……うぐッ!」
⚡「頭痛?一旦リカバリーガールのとこに……」
『夢』がわずかばかり揺れ、勝己が頭を抑えて呻いた。
*爆豪 『夢』への違和感 dice1d100=74 (74)
- 191125/09/09(火) 14:58:15
😺「あっ!アイツ、頭を押さえてるんだゾ!」
🐊「この『夢』の状況に自力で違和感を感じたということか?」
♥「バクゴーって意味不明なくらいストイックだし、あり得るわ」
🔥「確かに。彼の性格的に、甘い状況に身を置くことを良しとはしないだろうね」
⚔「このまま自力で『夢』から醒めることができるならそれが一番良いのだが……」
🧨「クソがッ、クソ、クソ……!俺ァあんな風にアイツに勝ちたかったわけじゃねンだよ!!」
⚡「えー?でもお前、『勝負はいつでも完全勝利』って言ってんじゃん!文句なしの完全勝利だったじゃん!?」
🧨「そんなん分かってンだよ!!!クソッ……!!」
🐊「どうやら、あの黄色の髪の男は『闇』のようだな。となると、一緒にいる赤い髪の男もそうか」
♠「バクゴーの意志が強すぎて『闇』の方が振り回されてるように見えるな」
🧨「クソ、ムカつくなァ……!てめー、一発殴らせろや」
⚡「えっ、やめて?」
🧨「切島ァ!!」
⚙「おっ、俺か?」
🐊「!?赤い男に飛び火したぞ!?」
⚙「良いぜ!!」
🐊「良いのか!?」
⚙「やるなら思いっきり殴ってくれよな!!」
🐊「なっ……!?何なのだ、あの男は!?」
『夢』への違和感に抗うとき、夢の主は強い頭痛と不快感に見舞われる。勝己は傍にいた『闇』の一人に八つ当たりしようとしたが、『闇』はニッカリとした笑顔で受け入れた。
♥「も、もしかしてアレって……」
♠「バクゴーの親友だっていう……」
♥♠「「サンドバッグのキリシマ!?」」 - 192二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 15:15:59
切 島 く ん ! ! !
- 193二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 15:22:51
小話の伏線回収が来てしまったな
- 194二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 15:44:55
普通の切島くんも言うだろうし、闇もそれで落ち着くなら喜んで受けるな…
- 195二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 17:02:13
セベクドン引きで草
- 196二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 21:40:36
しゅしゅほしゅ
- 197二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 22:06:57
切島くんにとんでもない2つ名がついてる
- 198125/09/09(火) 22:44:15
コメント・感想ありがとうございます。いつも励みになってます。
次スレを立てて来ました。
【クロス注意】幼馴染inNRC Part25|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.comかっちゃんの夢が終わったらダイス振るうちに固まった『夢』の細かい設定とか載せたい願望があるけど、実行するかは謎
- 199二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 22:48:42
第6章のVRの出久に気付けなかった時みたいにメンタルに来そうっちゃん
- 200二次元好きの匿名さん25/09/09(火) 22:56:44
細かい設定是非とも知りたいです!!